説明

変速機の多板ブレーキ装置

【課題】油圧室内の油量を保持することによりブレーキ応答の遅延を抑制することのできる変速機用多板ブレーキ装置を提供する。
【解決手段】ピストン10は、回転軸方向に沿って移動して回転体側摩擦板21と摩擦板30とを互いに圧接することによりブレーキ作動を行う。変速機ケース2とピストン10との間に区画形成される油圧室40には、ブレーキ作動時にピストン10を押圧する油圧を油圧室40に供給する油路6と、ブレーキ非作動状態を維持するのに支障のない油圧を油圧室40に供給する潤滑油路50とが接続されている。この潤滑油路50は、油圧室40の上端部に接続されるとともにブレーキ作動時に潤滑油路50を通じて漏れる油圧を制限する小径部として形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両に搭載される変速機の多板ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される変速機には、変速段の切替や前後進の切替を行うための多板ブレーキが設けられている。この多板ブレーキは、回転部材に配設された摩擦板と変速機ケースに配設された摩擦相手板とを互いに圧接させて摩擦力を発生させることにより、同回転部材の回転を停止させるものである。また、変速機ケースの一部にはピストンを収納するピストンリテーナが形成されるとともに同ピストンリテーナとピストンとで油圧室が区画されている。そして、オイルが同油圧室に供給されることにより前記ピストンは押圧されて前記摩擦板の方向へ移動し、このピストンの作用により前記摩擦板と前記摩擦相手板とが圧接されるようになる。
【0003】
ここで、油圧室に含まれるエアがオイル供給時に迅速に排出されない場合には、このエアを圧縮しつつピストンを押圧することになるため、油圧に対するピストンの応答が遅延することによりブレーキ応答が悪化するおそれがある。
【0004】
そこで従来、油圧室の略頂部に設けられたエア抜き孔からエアを迅速に外部へ排出させることにより、ブレーキ応答が悪化することを抑制しようとした構成が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−141661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の多板ブレーキでは、エア抜き孔が空気の存在する空間に開放されているため、同エア抜き孔を通じて油圧室からオイルが流出するおそれがある。そこで同構成では、油圧室のエア抜き孔と上記空間との間に微小間隙が設けられてこの微小間隙を通じてエアを流出させることにより、オイルが容易に流出することを抑制しようとしている。しかしながら、上述のとおり空気の存在する空間にエア抜き孔は開放されているため、ピストン押圧が解除される際、すなわち油圧室内が減圧される際に前記エア抜き孔を通じてエアが混入するおそれがある。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、油圧室内の油量を保持することによりブレーキ応答の遅延を抑制することのできる変速機用多板ブレーキ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、変速機ケース内に配置される回転体の回転を停止させるブレーキ作動を行う多板ブレーキ装置であって、前記回転体と対向するとともに前記回転体の回転軸方向に沿って摺動可能に前記変速機ケースに設けられる摩擦板と、前記回転軸方向に沿って移動して前記回転体と前記摩擦板とを互いに圧接することにより前記ブレーキ作動を行うピストンと、前記変速機ケースと前記ピストンとの間に区画形成される油圧室と、前記ブレーキ作動時に前記ピストンを押圧する油圧を前記油圧室に供給する第1の油路と、ブレーキ非作動状態を維持するのに支障のない油圧を前記油圧室に供給する第2の油路と、前記第2の油路に形成されて前記ブレーキ作動時に前記第2の油路を通じて漏れる油圧を制限する小径部とを備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、第1の油路とは別に油圧室に油圧を供給する第2の油路を備えているため、ブレーキ作動前に油圧室内にエアが存在する場合であっても、ブレーキ作動時に第1の油路から供給される油圧により第2の油路を通じてエアを排出させることができる。また、ブレーキ非作動状態を維持するのに支障のない油圧を油圧室に供給する第2の油路を備えているため、ブレーキ非作動時において油圧室に油圧を供給するとともにその非作動状態を維持することができる。これらにより、油圧室内の油量を保持することができるため、ブレーキ応答の遅延を抑制することができるようになる。なお、第2の油路には、ブレーキ作動時に第2の油路を通じて漏れる油圧を制限する小径部が形成されているため、ブレーキ作動時に第1の油路を通じて油圧室に油圧が供給された際に、第2の油路を通じて漏れる油圧に起因するブレーキ応答の遅延を抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多板ブレーキ装置において、前記第2の油路は前記油圧室の側壁の上端部に接続されることを要旨とする。
上記構成によれば、第2の油路は油圧室の側壁の上端部に接続されるため、油圧室内に存在するエアが接続部に集まりやすくなり、同エアの排出をより迅速に行うことができるようになる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の多板ブレーキ装置において、前記摩擦板と前記回転体との圧接を解除する方向に前記ピストンを付勢するリターンスプリングをさらに備え、前記第2の油路は、前記リターンスプリングによる付勢力よりも小さい力を前記ピストンに作用させる油圧を供給することを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、摩擦板と回転体との圧接を解除する方向にピストンを付勢するリターンスプリングをさらに備え、第2の油路は、リターンスプリングによる付勢力よりも小さい力をピストンに作用させる油圧を供給するため、ブレーキの非作動時においてピストンが移動することを抑制することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多板ブレーキ装置において、前記第2の油路は、多板ブレーキ装置を搭載する車両の内燃機関又は変速機に潤滑油を供給する潤滑油路であることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、第2の油路は、多板ブレーキ装置を搭載する車両の内燃機関又は変速機に潤滑油を供給する潤滑油路であるため、ブレーキ作動時に第2の油路を通じて漏れる油圧を潤滑系において有効に利用することができる。
【0014】
また、請求項5に記載されるように、前記小径部の径は0.8mm以下に設定されるようにすることができる。これにより、ブレーキの作動時において小径部からはエアが迅速に排出されるとともに、油圧室内のオイルが流出することを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明にかかる多板ブレーキ装置を具体化した実施の形態について図1および図2に基づき説明する。なお、本実施形態における多板ブレーキ装置は、車両用の遊星歯車式自動変速機(以下、変速機と略す)に設けられるものであり、図1および図2には、変速機に設けられる複数の多板ブレーキ装置のうち、1つの多板ブレーキ装置1の一部を示している。なお、変速機は、図示しない内燃機関の側方に配置されるとともに同内燃機関のクランクシャフトと連結されて駆動力が伝達される。
【0016】
図1に示されるように、変速機ケース2内には、図示しない回転軸に回転可能に支持される回転体20が設けられるとともに、この回転体20の外周には、円環状の回転体側摩擦板21が取り付けられている。具体的には、回転体20の外周にスプライン20aが等角度間隔で複数形成されるとともに、回転体側摩擦板21の内周には、スプライン20aにそれぞれ係合するスプラインエッジ21aが等角度間隔で複数形成されている。そして、これらスプライン20aおよびスプラインエッジ21aがそれぞれ係合することにより、回転体側摩擦板21は回転体20と一体となって回転軸周りを回転するとともに、同軸方向(図1左右方向)に沿って摺動することができる。
【0017】
変速機ケース2の内周には、回転体20の回転体側摩擦板21と対向するととともに、回転体20と同心の円環状の摩擦板30が設けられる。具体的には、変速機ケース2の内周にスプライン3が等角度間隔で複数形成されるとともに、摩擦板30の外周には、スプライン3とそれぞれ係合するスプラインエッジ30aが等角度間隔で複数形成されている。これらスプライン3とスプラインエッジ30aが係合することにより、摩擦板30は、円周方向に沿った回転が規制されるとともに、回転軸方向に沿って摺動することができる。
【0018】
また、変速機ケース2には前記回転軸方向に沿って延びる円環状の空間を区画するピストンリテーナ4が形成されるとともに、このピストンリテーナ4内には円環状のピストン10が設けられる。なお、ピストン10は、ピストンリテーナ4内を前記回転軸方向に沿って移動して摩擦板30と回転体側摩擦板21とを圧接することによりブレーキ作動を行う。このピストン10は、円周方向に沿って延びる周壁10Aと、この周壁10Aから摩擦板30の方向に突出して摩擦板30を押圧する押圧面10aを有する押圧部10Bとを有している。また、周壁10Aの外周面10bは変速機ケース2の内周面2aと当接し、内周面10cは、ピストンリテーナ4の面4aに当接する。そして、これらの当接部分の空間を埋めるシール部材14がそれぞれ設けられて、これにより当接部分を通じたオイルの流出入が抑制されている。
【0019】
さらに、変速機ケース2の内周には、回転軸方向に沿って移動するピストン10に押圧される回転体側摩擦板21および摩擦板30の一方向(図1左方向)への摺動を規制する円環状のリテーナプレート5が設けられている。
【0020】
ピストン10の周壁10Aの摩擦板30側の面には、摩擦板30と回転体側摩擦板21との圧接を解除する方向にピストン10を付勢するリターンスプリング11が設けられる。このリターンスプリング11は、変速機ケース2の内周に設けられたスプリング固定具12と周壁10Aとの間に設けられる。これにより、ブレーキ非作動時には、摩擦板30および回転体側摩擦板21から離間する位置にピストン10が配置される。
【0021】
ピストン10の周壁10Aとピストンリテーナ4(変速機ケース2)とによって、油圧室40が区画形成されている。この油圧室40の側壁40aの下端部には、ブレーキ作動時にピストン10を摩擦板30方向に押圧する油圧を油圧室40に供給する油路6が接続されている。この油路6が第1の油路に相当する。
【0022】
油圧室40の側壁40aの上端部には、リターンスプリング11による付勢力よりも小さい力をピストン10に作用させる油圧、すなわち、ブレーキ非作動状態を維持するのに支障のない油圧を油圧室40に常時供給する潤滑油路50が接続されている。この潤滑油路50が第2の油路に相当する。なお、潤滑油路50は、ブレーキ作動時に潤滑油路50を通じて漏れる油圧を制限するべく、その径が略0.8mmに設定されている。すなわち、径が略0.8mmに小さく設定された潤滑油路50は、ブレーキ作動時に潤滑油路50を通じて漏れる油圧を制限する小径部に相当する。なお、潤滑油路50は、変速機のベアリング等に潤滑油を供給するものである。
【0023】
油圧室40に油路6を通じて油圧が供給されると、油圧室40の上部に貯まっていたエアは、潤滑油路50を通じて排出される。
そして、さらに油圧が供給されると、図2に示されるように、ピストン10はリターンスプリング11を圧縮しつつ摩擦板30の方向に移動する。この移動により、押圧部10Bの押圧面10aは摩擦板30に接触するとともに同摩擦板30をリテーナプレート5の方向へ押圧することにより、ピストン10の押圧面10aとリテーナプレート5の側壁5aとの間で摩擦板30と回転体側摩擦板21との積層部分を圧縮する。そして、これらが圧接されることにより、摩擦板30と回転体側摩擦板21との接触面間に摩擦力が発生して、回転体20の回転を停止させるブレーキ作動が実行される。なお、潤滑油路50の径が略0.8mmに小さく設定されているため、このようにピストン10を押圧する油圧が供給されている際に潤滑油路50を通じて漏れる油圧は制限されている。
【0024】
これに対し、油圧室40に油路6を通じて油圧が供給されない場合には、リターンスプリング11の付勢力によって、摩擦板30と回転体側摩擦板21との圧接を解除する方向、すなわち油圧室40の側壁40a方向にピストン10は移動する。これにより、ブレーキ作動が解除される。この場合には、潤滑油路50を通じて供給される油圧により、油圧室40内の油面が徐々に向上して油圧室40内の油量が保持される。
【0025】
以上説明した多板ブレーキ装置によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)上記実施形態によれば、油路6とは別に油圧室40に油圧を供給する潤滑油路50を備えているため、ブレーキ作動前に油圧室40内にエアが存在する場合であっても、ブレーキ作動時に油路6から供給される油圧により潤滑油路50を通じてエアを排出させることができる。また、ブレーキ非作動状態を維持するのに支障のない油圧を油圧室40に供給する潤滑油路50を備えているため、ブレーキ非作動時において油圧室40に油圧を供給するとともにその非作動状態を維持することができる。これらにより、油圧室40内の油量を保持することができるため、ブレーキ応答の遅延を抑制することができるようになる。
【0026】
(2)上記実施形態によれば、潤滑油路50はその全体が、ブレーキ作動時に潤滑油路50を通じて漏れる油圧を制限する小径部として形成されているため、ブレーキ作動時に油路6を通じて油圧室40に油圧が供給された際に、潤滑油路50を通じて漏れる油圧に起因するブレーキ応答の遅延を抑制することができるようになる。
【0027】
(3)上記実施形態によれば、潤滑油路50は油圧室40の側壁40aの上端部に接続されるため、油圧室40内に存在するエアが接続部に集まりやすくなり、同エアの排出をより迅速に行うことができるようになる。
【0028】
(4)上記実施形態によれば、摩擦板30と回転体20との圧接を解除する方向にピストン10を付勢するリターンスプリング11をさらに備え、潤滑油路50は、リターンスプリング11による付勢力よりも小さい力をピストン10に作用させる油圧を供給するため、ブレーキ非作動時においてピストン10が移動することを抑制することができるようになる。
【0029】
(5)上記実施形態によれば、潤滑油路50は、多板ブレーキ装置1を搭載する車両の変速機に潤滑油を供給する潤滑油路であるため、ブレーキ作動時に潤滑油路50を通じて漏れる油圧を潤滑系において有効に利用することができるようになる。
【0030】
(6)上記実施形態によれば、潤滑油路50の径は略0.8mmに設定されているため、ブレーキの作動時において潤滑油路50からはエアが迅速に排出されるとともに、油圧室40内のオイルが流出することを抑制することができるようになる。
【0031】
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる多板ブレーキ装置は、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施の形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
【0032】
・上記実施の形態では、多板ブレーキ装置を遊星歯車式自動変速機に適用する例を示した。しかし、油圧室に供給する油圧の作用により、回転体に形成される摩擦板と他の摩擦板とを圧接するブレーキ装置を備える構成であれば他の装置にも適用することができる。例えば無段変速機(CVT)に適用することもできる。この場合であっても、上記作用効果を奏することができる。
【0033】
・上記実施の形態では、リターンスプリング11による付勢力よりも小さい力をピストン10に作用させる油圧を供給する第2の油路として、潤滑油路50を採用する例を示した。しかし、この第2の油路は、ブレーキ非作動状態を維持するのに支障のない油圧を油圧室40に供給する油路であればよく、例えば、多板ブレーキ装置が搭載される車両の内燃機関に潤滑油を供給する潤滑油路の一部やオートマチックトランスミッションフルード(ATF)を冷却するクーラーの油路であってもよい。この場合であっても、上記作用効果を奏することができる。なお、例示した潤滑油路は、リターンスプリング11による付勢力よりも小さい力を前記ピストンに作用させる油圧を供給するべく従来の油圧を調整することを必要とせず、従来の油圧を維持したまま本願発明にかかる多板ブレーキ装置に適用することができる。
【0034】
・上記実施の形態では、潤滑油路50全体の径が略0.8mmである例を示した。しかし、ブレーキ作動時に第2の油路を通じて漏れる油圧を制限するものであればよく、潤滑油路50よりも大径の油路に小径部としてオリフィスを設ける構成でもよい。また、第2の油路の経路のいずれかの位置に小径部を形成すればよく、こうした小径部の径は適宜実験等に基づき変更することができる。なお、小径部の径によって、第2の油路から油圧室に供給される油圧が変更できることも考慮することが望ましい。
【0035】
・上記実施の形態では、油圧室40の側壁40aの上端部に潤滑油路50(第2の油路)を接続する例を示した。しかし、第2の油路を接続する位置は、第2の油路に油圧室40からエアを排出することができる位置であれば他の位置でもよい。例えば、油圧室の側壁のいずれかの位置であったり、油圧室の頂壁に相当する変速機ケースの内周であったりしてもよい。ただし、上方に貯まりやすいエアを排出するとの観点からは、第2の油路は上部に接続されることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を具体化した多板ブレーキ装置の一部の断面構造を示す断面図。
【図2】図1に示した断面構造について、ブレーキ作動時の状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0037】
1…多板ブレーキ装置、2…変速機ケース、2a…内周面、3,20a…スプライン、4…ピストンリテーナ、4a…面、5…リテーナプレート、5a…側壁、6…油路(第1の油路)、10…ピストン、10A…周壁、10B…押圧部、10a…押圧面、10b…外周面、10c…内周面、11…リターンスプリング、12…スプリング固定具、14…シール部材、20…回転体、21…回転体側摩擦板、21a,30a…スプラインエッジ、30…摩擦板、40…油圧室、40a…側壁、50…潤滑油路(第2の油路)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機ケース内に配置される回転体の回転を停止させるブレーキ作動を行う多板ブレーキ装置であって、
前記回転体と対向するとともに前記回転体の回転軸方向に沿って摺動可能に前記変速機ケースに設けられる摩擦板と、
前記回転軸方向に沿って移動して前記回転体と前記摩擦板とを互いに圧接することにより前記ブレーキ作動を行うピストンと、
前記変速機ケースと前記ピストンとの間に区画形成される油圧室と、
前記ブレーキ作動時に前記ピストンを押圧する油圧を前記油圧室に供給する第1の油路と、
ブレーキ非作動状態を維持するのに支障のない油圧を前記油圧室に供給する第2の油路と、
前記第2の油路に形成されて前記ブレーキ作動時に前記第2の油路を通じて漏れる油圧を制限する小径部と
を備えることを特徴とする多板ブレーキ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多板ブレーキ装置において、
前記第2の油路は前記油圧室の側壁の上端部に接続される
ことを特徴とする多板ブレーキ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の多板ブレーキ装置において、
前記摩擦板と前記回転体との圧接を解除する方向に前記ピストンを付勢するリターンスプリングをさらに備え、
前記第2の油路は、前記リターンスプリングによる付勢力よりも小さい力を前記ピストンに作用させる油圧を供給する
ことを特徴とする多板ブレーキ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の多板ブレーキ装置において、
前記第2の油路は、多板ブレーキ装置を搭載する車両の内燃機関又は変速機に潤滑油を供給する潤滑油路である
ことを特徴とする多板ブレーキ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の多板ブレーキ装置において、
前記小径部の径は0.8mm以下に設定される
ことを特徴とする多板ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−144738(P2009−144738A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319580(P2007−319580)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】