外装パネル用役物の構造と外装パネル用役物の形成方法。
【課題】低コストで容易に製作できる外装パネル用役物の構造を提供することを目的とする。
【解決手段】外装パネル用役物30は、ベース材40とカバー材33から成る。カバー材33には垂設する一対の脚部36と爪部37とが連続して形成されるが、爪部37はカバー材33の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。ベース材40は平板44の爪部37に対応する矩形の係止部領域44aをその長尺方向の一辺44bを残して他の三辺を切断し、一辺44bを中心に係止部領域44aを上方に折り曲げて係止板41bを形成する。さらに、係止板41bの上端を折り曲げて上端部41cに爪部37を係止する第一の係止部42dが形成される。爪部37及び第一の係止部42dはカバー材33の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。
【解決手段】外装パネル用役物30は、ベース材40とカバー材33から成る。カバー材33には垂設する一対の脚部36と爪部37とが連続して形成されるが、爪部37はカバー材33の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。ベース材40は平板44の爪部37に対応する矩形の係止部領域44aをその長尺方向の一辺44bを残して他の三辺を切断し、一辺44bを中心に係止部領域44aを上方に折り曲げて係止板41bを形成する。さらに、係止板41bの上端を折り曲げて上端部41cに爪部37を係止する第一の係止部42dが形成される。爪部37及び第一の係止部42dはカバー材33の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁本体に設ける一対の外装パネルの端部を覆う外装パネル用役物の構造と外装パネル用役物の形成方法に関し、特に、低コストで容易に製作できる外装パネル用役物の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁本体の平面部や出隅に金属サイディングを外装パネルとして設ける場合に、横張り状又は縦張り状に設けられた一対の外装パネルの端部を覆う外装パネル用役物は防水性、施工性に優れた構造が求められていた。
【0003】
このような外装パネル用役物として特許文献1の記載が知られている。特許文献1によれば、図13に示すように、外装パネル用役物はカバー材1とベース材2で構成される。
【0004】
カバー材1の断面形状は長尺金属板の中央平面部を表面化粧部11とし、この表面化粧部11の両側部を折り曲げ、さらに表面化粧部11の裏面の中心部14で折り返して左脚部12と右脚部13が形成され、その先端部は折曲げられて左係止片121、右係止片131が形成される。
【0005】
カバー材1の表面化粧部11の裏面両端には、その長さ方向に沿って防水パッキンPを備えている。また、表面化粧部11の裏面略中央における左脚部12の折り返し部120と右脚部13の折り返し部130とが相互に近接して形成される。
【0006】
ベース材2の断面形状は、ベース部2aに一対の嵌合部20が立設された構造で、この嵌合部20にカバー材1の左係止片121と係合する左係合片21と右係止片131と係合する右係合片22とがそれぞれ設けられる。
【0007】
このため、カバー材1の左脚部12と右脚部13をベース材2に設けられた嵌合部20に弾接して嵌合するとともに、一対の左係止片121と右係止片131を一対の左係合片21と右係合片22に各々係合させることにより、金属サイディングSを外装パネル用役物に確実に取付けることができる。
【特許文献1】特開2005−126988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、ベース材2の構造は、ベース部2aと嵌合部20と左係合片21及び右係合片22とを別々に製作して接合するか、又はベース材2全体を一体的に押出し成形で製作する必要があった。
【0009】
このため、製作コストが高くなるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、低コストで容易に製作できる外装パネル用役物の構造と外装パネル用役物の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の構造であって、前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して形成され、前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形部領域を長尺方向の一辺を中心に他の切断された三辺を折り曲げて形成される係止板と、この係止板の先端を折り曲げて形成される前記爪部を係止する第一の係止部と、前記一辺とその対辺の両下端部から前記外壁本体に沿って延設される取付部と、が連続して形成され、前記カバー材と前記ベース材の断面形状は長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板と前記第一の係止部は対称軸に平行に形成されることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記係止板の一部を切曲げて前記爪部と係止する第二の係止部が形成されることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記外壁本体に沿う一対の取付部の挟角は180度又は90度に形成されることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記ベース材とカバー材は鋼板による板金加工で一体形成されることを特徴としている。
【0015】
請求項5の発明は、建築物の外壁本体の出隅部に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の形成方法であって、前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して折り曲げ形成され、前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形領域を長尺方向の左右交互の一辺を残して他の三辺を切断し、前記一辺を中心に前記矩形領域を45度上方に折り曲げて係止板を斜設し、この係止板の先端を折り曲げて前記爪部を係止する第一の係止部を形成した後、前記平面板を前記矩形領域の中心線周りに90度下方に折り曲げることで、前記爪部から前記一辺とその対辺の両下端部より前記外壁本体に沿って延設される取付部まで連続して形成され、前記カバー材と前記ベース材の断面形状が長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板は対称軸と平行に形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆う長尺の外装パネル用役物の構造であって、前記カバー材の前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に爪部が設けられる。そして、前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形部領域を長尺方向の一辺を中心に他の切断された三辺を折り曲げて形成される係止板を、さらにその先端を折り曲げるだけで前記爪部を係止する第一の係止部が連続形成される。
【0017】
このため、外装パネル用役物を低コストで容易に製作することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、前記係止板の一部を切曲げるだけの作業で第二の係止部が形成できるので、請求項1の効果と同様の効果を得ることができる。
【0019】
そして、前記爪部と係止する第一の係止部と第二の係止部を使い分けるだけで、厚さの異なる二種類の外装パネルに対応できる。このため、在庫を減らすことができるのでコストダウンに繋がる。
【0020】
請求項3の発明によれば、前記外壁本体に沿う一対の取付部の挟角は180度又は90度に形成されるので、外装パネル用役物のカバー材とベース材を同様の構成で外壁本体の平面箇所又は出隅箇所に使用できる。このため、略同じ工程を用いて加工できるので生産性が向上する。
【0021】
請求項4の発明によれば、前記ベース材とカバー材は鋼板による板金加工で一体形成されので、容易且つ低コストで製作することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、請求項1の効果と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0024】
<外装パネル用役物の構造の構成>
図1、図2、図3に示すように、本発明の外装パネル用役物30は、建築物の外壁本体31の出隅部に設けられる一対の外装パネル32の端部32aを覆うベース材40とカバー材33から成る長尺の外装パネル用役物30である
カバー材33は板厚Q1=0.8mmの鋼板を用いて連続して形成され、第一の表面部34は外壁本体31に平行に設けられ、開度θ1=90度で形成される。対称軸Rは第一の表面部34の中心点34dを通る。
【0025】
第一の表面部34の両端34aは折返して第一の表面部34の裏面に沿う第二の表面部35が形成される。
【0026】
第一の表面部34の両端34a間の幅K1=57mmで、第一の表面部34と第二の表面部35は、両端34aから長さK2=13mmの位置34bまで傾斜部34cが角度β1=10度で傾斜し、この傾斜部34cに防水用のパッキン材45が固着される。
【0027】
第二の表面部35の先端35aには垂設する一対の脚部36が設けられ、一対の脚部36の下端36aから互いに離反する方向に折返して爪部37が設けられる。
【0028】
より詳しくは、一対の脚部36の爪部37はカバー材33の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。このため、カバー材33の断面形状は長尺方向に連続視で左右対称形である。
【0029】
その位置関係は、爪部37はカバー材33の長尺方向の端部Mから長さP=30mmの位置を起点として長さP1=80mmの領域に形成され、さらに、長尺方向にピッチP2=70mmで規則正しく左右交互に設けられる。
【0030】
脚部36の垂直長さS=21mm、両先端35a間の長さS1=13mm、両下端36a間の長さS2=3mm。爪部37の長さS3=5mm、爪部37の先端37a間の長さS4=11mmで形成される。
【0031】
なお、爪部37が設けられない領域における脚部36の先端36bの位置は、爪部37の先端37aよりも先端35a側に設けられる。
【0032】
図4、図5に示すように、ベース材40は板厚Q1=0.8mmの長尺の平板44を用いて形成される。
【0033】
まず、平板44の爪部37に対応する矩形の係止部領域44aをその長尺方向の一辺44bを残して他の三辺44c、44d、44eを切断し、この一辺44bを中心に係止部領域44aを上方に折り曲げて係止板41bを形成する。さらに、この係止板41bの上端を折り曲げて上端部41cに爪部37を係止する第一の係止部42dが形成される。
【0034】
ベース材40の取付部42は、平板44の係止部領域44aを除く領域である。取付部42は外壁本体31に沿って角度θ2=90度で形成される。
【0035】
より詳しくは、第一の係止部42dが形成された係止板41bはベース材40の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。このため、ベース材40の断面形状は長尺方向に連続視で対称軸Rに対して左右対称形である。
【0036】
係止板41bは、高さT1=15mm、間隙T2=16mm、取付部42の長さT3=35mm、先端42a間の幅T4=65mmである。第一の係止部42dは係止板41bに対して角度β2=42度、水平方向の幅T6=3mm、第一の係止部42d間の水平方向の間隙T5=8mmである。
【0037】
開口部42cはカバー材33の一対の脚部36に対応して、長尺方向の端部Mから長さP=30mmの位置を起点として設けられ、長さP1=80mmで、ピッチP2=130mmで規則正しく断続的に設けられる。
【0038】
<ベース材40の形成方法>
図6、図7、図8、図9を用いて、ベース材40の形成方法を説明する。
図6(a)、(b)に示すように、長尺の平板44に矩形の係止部領域44aが端部Mから長さP=20mmの位置を起点として設けられる。係止部領域44aは長さP1=60mm、幅Y2=20mmで、長尺方向にピッチP2=75mmで規則正しく断続的に設けられる。この係止部領域44aの長尺方向の一辺44bを残して他の三辺44c、44d、44eをコ字状に切断する。切断された後の長さY3=56mmで、幅Y4=18mmの二辺44c、44dの中心を結ぶ線が対称軸Rである。このコ字状は各ピッチP2毎に交互に向き合うように切断して形成される。
【0039】
図7(a)、(b)に示すように、一辺44bを中心に係止部領域44aを角度θ3=45度で折り曲げて係止板41bを形成する。
【0040】
図8(a)、(b)に示すように、係止板41bの上端を折り曲げて第一の係止部42dを形成してから、対称軸Rを中心に平板44を矢印で示すように下方に折り曲げる。
【0041】
図9(a)、(b)に示すように、平板44を下方に角度θ2=90度折り曲げることでベース材40が形成される。平板44の一辺44bより外側が取付部42である。なお、ベース材40の両端部に折返部が形成されることもあり、図9(a)では折返部M2が形成された状態を示す。
【0042】
ベース材40とカバー材33はそれぞれ鋼板による板金加工で連続的に一体形成される。ベース材40は薄板鋼板の両表面にアルミ・亜鉛合金メッキを施される。
【0043】
カバー材33は両表面にアルミ・亜鉛合金メッキが施された薄板鋼板に、表面側にフッ素樹脂塗装、裏面側にポリエステル樹脂塗装が施された材料が用いられる。
【0044】
外装パネル用役物30のベース材40を外壁本体31に固着する場合、ベース材40の取付部42は図示しないビス等の固着具を介して外壁本体31に固着される。
【0045】
外装パネル32は断熱性、遮音性等を目的として、内部の断熱材を図示しない薄肉の金属板で被覆してなる厚さH1=21mmの金属サイディングが用いられ、表面に図示しない凹凸パターンが形成されることもある。
複数の外装パネル32は外壁本体31の下から上に向かって順番に横張りで組付ける場合と左右方向に縦張りで取付ける場合とがある。また、図示しない胴縁を介して取付けることもある。そして、外装パネル用役物30は取付時にパッキン材45とは別途、必要により図示しないシール材を用いて防水対策が施される。
【0046】
<外装パネル用役物の構造の作用>
上記のように、一対の脚部36の両下端36a間の長さS2=3mm、爪部37の先端37a間の長さS4=11mmで形成される。なお、先端37a間の長さS4は、上記、左右交互に設けられる爪部37を長尺方向に連続視した状態での長さを表している。
【0047】
脚部36を弾力的に狭めると先端37a間の長さはS4−S2=8mmである。一方、ベース材40の開口部42cの水平方向の間隙T5=8mmである。このため、一対の脚部36を開口部42cに容易に挿入することができる。
【0048】
挿入後は脚部36は弾力で自然状態に戻るので、先端37aが第一の係止部42dとしての水平方向の幅T6=3mm領域に確実に係止される。
【0049】
長尺の平板44の矩形の係止部領域44aの一辺44bを残して他の三辺44c、44d、44eをコ字状に切断し、一辺44bを中心に係止部領域44aを折り曲げて係止板41bを形成し、その係止板41bの上端を折り曲げるだけで、爪部37を係止する第一の係止部42dが自動的に形成される。このため、外装パネル用役物30は低コストで容易に製作することができる。
【0050】
また、ベース材とカバー材は鋼板による板金加工でそれぞれ一体形成されるので、低コストで容易に製作することができる。
【0051】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態を図10〜図11を用いて説明するが、図1〜図5に示す外装パネル用役物30の構成と同構成部分については、図面に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0052】
図10(a)、(b)、図11(a)、(b)に示すように、外装パネル用役物30aは、第一の係止部42dに追加して、係止板41bの一部を切曲げて爪部37と係止する第二の係止部42eが形成される。第一の係止部42d及び第二の係止部42eは互いに平行に形成されて、長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。
【0053】
この外装パネル用役物30aであれば、第一の係止部42dと第二の係止部42eの二箇所を任意に選んで使用できるので、上記第1の実施形態における厚さH1=21mmの外装パネル32を第一の係止部42dで使用し、厚さH2=16mmの外装パネル32に対して第二の係止部42eが使用できる。
【0054】
このため、在庫を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
【0055】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態を図12を用いて説明するが、図2、図10(a)に示す外装パネル用役物の構成と同構成部分については、図面に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0056】
外壁本体の平面部に沿う外装パネル用役物30bはベース材40bとカバー材33cから成る。ベース材40bの一対の取付部42は角度θ3=180度で連続して形成され、カバー材33cは幅K6=45mm、第一の表面部34gは取付部42と平行に幅K5=21mmで形成される。
【0057】
本発明の第3の実施形態によれば、外壁本体の平面部に用いることができて本発明の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、上記の実施例はいずれも本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきでないということは言うまでもない。
【0059】
たとえば、図2におけるカバー材33の形状は、対称軸R近傍の第一の表面部34が、第二の表面部35の両先端35aと同じ位置で対称軸Rに対して直角に折れ曲がっている構造でも構わない。
【0060】
カバー材33の開度θ1は90度以外の角度にも微調整対応できる。
【0061】
外装パネル用役物は外装パネル端部が上下、左右どちらの方向であっても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施形態における、建築物の外壁本体31の出隅部に設ける一対の外装パネル32の端部を覆うベース材40とカバー材33から成る外装パネル用役物30の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における、カバー材33の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における、図2のA−Aの断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における、ベース材40の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、図4のB−Bの矢視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における、長尺の平板に設けられる矩形の係止部領域の長尺方向の一辺を残して他の三辺をコ字状に切断された状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における、一辺を中心に係止部領域を角度45度で折り曲げて係止板を形成する状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における、係止板の中心を対称軸にして係止板の両端を下方に折り曲げる状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における、係止板の両端を下方に90度折り曲げることでベース材40が形成される状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における、(a)は建築物の外壁本体の出隅部に設けられる外装パネル用役物30aのベース材40aの断面図、(b)はベース材40aの展開平面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における、(a)はカバー材33を第一の係止部42dに係止する状態を示す断面図、(b)はカバー材33を第二の係止部42eに係止する状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における、建築物の外壁本体の平面部に設けられるベース材40bとカバー材33cから成る外装パネル用役物30bの断面図である。
【図13】従来の、建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る外装パネル用役物の断面図である。
【符号の説明】
【0063】
30 外装パネル用役物
33 カバー材
36 脚部
37 爪部
40 ベース材
41b 係止板
41c 上端部
44 平板
44a 係止部領域
44b 一辺
42d 第一の係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁本体に設ける一対の外装パネルの端部を覆う外装パネル用役物の構造と外装パネル用役物の形成方法に関し、特に、低コストで容易に製作できる外装パネル用役物の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外壁本体の平面部や出隅に金属サイディングを外装パネルとして設ける場合に、横張り状又は縦張り状に設けられた一対の外装パネルの端部を覆う外装パネル用役物は防水性、施工性に優れた構造が求められていた。
【0003】
このような外装パネル用役物として特許文献1の記載が知られている。特許文献1によれば、図13に示すように、外装パネル用役物はカバー材1とベース材2で構成される。
【0004】
カバー材1の断面形状は長尺金属板の中央平面部を表面化粧部11とし、この表面化粧部11の両側部を折り曲げ、さらに表面化粧部11の裏面の中心部14で折り返して左脚部12と右脚部13が形成され、その先端部は折曲げられて左係止片121、右係止片131が形成される。
【0005】
カバー材1の表面化粧部11の裏面両端には、その長さ方向に沿って防水パッキンPを備えている。また、表面化粧部11の裏面略中央における左脚部12の折り返し部120と右脚部13の折り返し部130とが相互に近接して形成される。
【0006】
ベース材2の断面形状は、ベース部2aに一対の嵌合部20が立設された構造で、この嵌合部20にカバー材1の左係止片121と係合する左係合片21と右係止片131と係合する右係合片22とがそれぞれ設けられる。
【0007】
このため、カバー材1の左脚部12と右脚部13をベース材2に設けられた嵌合部20に弾接して嵌合するとともに、一対の左係止片121と右係止片131を一対の左係合片21と右係合片22に各々係合させることにより、金属サイディングSを外装パネル用役物に確実に取付けることができる。
【特許文献1】特開2005−126988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、ベース材2の構造は、ベース部2aと嵌合部20と左係合片21及び右係合片22とを別々に製作して接合するか、又はベース材2全体を一体的に押出し成形で製作する必要があった。
【0009】
このため、製作コストが高くなるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、低コストで容易に製作できる外装パネル用役物の構造と外装パネル用役物の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の構造であって、前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して形成され、前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形部領域を長尺方向の一辺を中心に他の切断された三辺を折り曲げて形成される係止板と、この係止板の先端を折り曲げて形成される前記爪部を係止する第一の係止部と、前記一辺とその対辺の両下端部から前記外壁本体に沿って延設される取付部と、が連続して形成され、前記カバー材と前記ベース材の断面形状は長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板と前記第一の係止部は対称軸に平行に形成されることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記係止板の一部を切曲げて前記爪部と係止する第二の係止部が形成されることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記外壁本体に沿う一対の取付部の挟角は180度又は90度に形成されることを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記ベース材とカバー材は鋼板による板金加工で一体形成されることを特徴としている。
【0015】
請求項5の発明は、建築物の外壁本体の出隅部に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の形成方法であって、前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して折り曲げ形成され、前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形領域を長尺方向の左右交互の一辺を残して他の三辺を切断し、前記一辺を中心に前記矩形領域を45度上方に折り曲げて係止板を斜設し、この係止板の先端を折り曲げて前記爪部を係止する第一の係止部を形成した後、前記平面板を前記矩形領域の中心線周りに90度下方に折り曲げることで、前記爪部から前記一辺とその対辺の両下端部より前記外壁本体に沿って延設される取付部まで連続して形成され、前記カバー材と前記ベース材の断面形状が長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板は対称軸と平行に形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆う長尺の外装パネル用役物の構造であって、前記カバー材の前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に爪部が設けられる。そして、前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形部領域を長尺方向の一辺を中心に他の切断された三辺を折り曲げて形成される係止板を、さらにその先端を折り曲げるだけで前記爪部を係止する第一の係止部が連続形成される。
【0017】
このため、外装パネル用役物を低コストで容易に製作することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、前記係止板の一部を切曲げるだけの作業で第二の係止部が形成できるので、請求項1の効果と同様の効果を得ることができる。
【0019】
そして、前記爪部と係止する第一の係止部と第二の係止部を使い分けるだけで、厚さの異なる二種類の外装パネルに対応できる。このため、在庫を減らすことができるのでコストダウンに繋がる。
【0020】
請求項3の発明によれば、前記外壁本体に沿う一対の取付部の挟角は180度又は90度に形成されるので、外装パネル用役物のカバー材とベース材を同様の構成で外壁本体の平面箇所又は出隅箇所に使用できる。このため、略同じ工程を用いて加工できるので生産性が向上する。
【0021】
請求項4の発明によれば、前記ベース材とカバー材は鋼板による板金加工で一体形成されので、容易且つ低コストで製作することができる。
【0022】
請求項5の発明によれば、請求項1の効果と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の第1の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0024】
<外装パネル用役物の構造の構成>
図1、図2、図3に示すように、本発明の外装パネル用役物30は、建築物の外壁本体31の出隅部に設けられる一対の外装パネル32の端部32aを覆うベース材40とカバー材33から成る長尺の外装パネル用役物30である
カバー材33は板厚Q1=0.8mmの鋼板を用いて連続して形成され、第一の表面部34は外壁本体31に平行に設けられ、開度θ1=90度で形成される。対称軸Rは第一の表面部34の中心点34dを通る。
【0025】
第一の表面部34の両端34aは折返して第一の表面部34の裏面に沿う第二の表面部35が形成される。
【0026】
第一の表面部34の両端34a間の幅K1=57mmで、第一の表面部34と第二の表面部35は、両端34aから長さK2=13mmの位置34bまで傾斜部34cが角度β1=10度で傾斜し、この傾斜部34cに防水用のパッキン材45が固着される。
【0027】
第二の表面部35の先端35aには垂設する一対の脚部36が設けられ、一対の脚部36の下端36aから互いに離反する方向に折返して爪部37が設けられる。
【0028】
より詳しくは、一対の脚部36の爪部37はカバー材33の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。このため、カバー材33の断面形状は長尺方向に連続視で左右対称形である。
【0029】
その位置関係は、爪部37はカバー材33の長尺方向の端部Mから長さP=30mmの位置を起点として長さP1=80mmの領域に形成され、さらに、長尺方向にピッチP2=70mmで規則正しく左右交互に設けられる。
【0030】
脚部36の垂直長さS=21mm、両先端35a間の長さS1=13mm、両下端36a間の長さS2=3mm。爪部37の長さS3=5mm、爪部37の先端37a間の長さS4=11mmで形成される。
【0031】
なお、爪部37が設けられない領域における脚部36の先端36bの位置は、爪部37の先端37aよりも先端35a側に設けられる。
【0032】
図4、図5に示すように、ベース材40は板厚Q1=0.8mmの長尺の平板44を用いて形成される。
【0033】
まず、平板44の爪部37に対応する矩形の係止部領域44aをその長尺方向の一辺44bを残して他の三辺44c、44d、44eを切断し、この一辺44bを中心に係止部領域44aを上方に折り曲げて係止板41bを形成する。さらに、この係止板41bの上端を折り曲げて上端部41cに爪部37を係止する第一の係止部42dが形成される。
【0034】
ベース材40の取付部42は、平板44の係止部領域44aを除く領域である。取付部42は外壁本体31に沿って角度θ2=90度で形成される。
【0035】
より詳しくは、第一の係止部42dが形成された係止板41bはベース材40の長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。このため、ベース材40の断面形状は長尺方向に連続視で対称軸Rに対して左右対称形である。
【0036】
係止板41bは、高さT1=15mm、間隙T2=16mm、取付部42の長さT3=35mm、先端42a間の幅T4=65mmである。第一の係止部42dは係止板41bに対して角度β2=42度、水平方向の幅T6=3mm、第一の係止部42d間の水平方向の間隙T5=8mmである。
【0037】
開口部42cはカバー材33の一対の脚部36に対応して、長尺方向の端部Mから長さP=30mmの位置を起点として設けられ、長さP1=80mmで、ピッチP2=130mmで規則正しく断続的に設けられる。
【0038】
<ベース材40の形成方法>
図6、図7、図8、図9を用いて、ベース材40の形成方法を説明する。
図6(a)、(b)に示すように、長尺の平板44に矩形の係止部領域44aが端部Mから長さP=20mmの位置を起点として設けられる。係止部領域44aは長さP1=60mm、幅Y2=20mmで、長尺方向にピッチP2=75mmで規則正しく断続的に設けられる。この係止部領域44aの長尺方向の一辺44bを残して他の三辺44c、44d、44eをコ字状に切断する。切断された後の長さY3=56mmで、幅Y4=18mmの二辺44c、44dの中心を結ぶ線が対称軸Rである。このコ字状は各ピッチP2毎に交互に向き合うように切断して形成される。
【0039】
図7(a)、(b)に示すように、一辺44bを中心に係止部領域44aを角度θ3=45度で折り曲げて係止板41bを形成する。
【0040】
図8(a)、(b)に示すように、係止板41bの上端を折り曲げて第一の係止部42dを形成してから、対称軸Rを中心に平板44を矢印で示すように下方に折り曲げる。
【0041】
図9(a)、(b)に示すように、平板44を下方に角度θ2=90度折り曲げることでベース材40が形成される。平板44の一辺44bより外側が取付部42である。なお、ベース材40の両端部に折返部が形成されることもあり、図9(a)では折返部M2が形成された状態を示す。
【0042】
ベース材40とカバー材33はそれぞれ鋼板による板金加工で連続的に一体形成される。ベース材40は薄板鋼板の両表面にアルミ・亜鉛合金メッキを施される。
【0043】
カバー材33は両表面にアルミ・亜鉛合金メッキが施された薄板鋼板に、表面側にフッ素樹脂塗装、裏面側にポリエステル樹脂塗装が施された材料が用いられる。
【0044】
外装パネル用役物30のベース材40を外壁本体31に固着する場合、ベース材40の取付部42は図示しないビス等の固着具を介して外壁本体31に固着される。
【0045】
外装パネル32は断熱性、遮音性等を目的として、内部の断熱材を図示しない薄肉の金属板で被覆してなる厚さH1=21mmの金属サイディングが用いられ、表面に図示しない凹凸パターンが形成されることもある。
複数の外装パネル32は外壁本体31の下から上に向かって順番に横張りで組付ける場合と左右方向に縦張りで取付ける場合とがある。また、図示しない胴縁を介して取付けることもある。そして、外装パネル用役物30は取付時にパッキン材45とは別途、必要により図示しないシール材を用いて防水対策が施される。
【0046】
<外装パネル用役物の構造の作用>
上記のように、一対の脚部36の両下端36a間の長さS2=3mm、爪部37の先端37a間の長さS4=11mmで形成される。なお、先端37a間の長さS4は、上記、左右交互に設けられる爪部37を長尺方向に連続視した状態での長さを表している。
【0047】
脚部36を弾力的に狭めると先端37a間の長さはS4−S2=8mmである。一方、ベース材40の開口部42cの水平方向の間隙T5=8mmである。このため、一対の脚部36を開口部42cに容易に挿入することができる。
【0048】
挿入後は脚部36は弾力で自然状態に戻るので、先端37aが第一の係止部42dとしての水平方向の幅T6=3mm領域に確実に係止される。
【0049】
長尺の平板44の矩形の係止部領域44aの一辺44bを残して他の三辺44c、44d、44eをコ字状に切断し、一辺44bを中心に係止部領域44aを折り曲げて係止板41bを形成し、その係止板41bの上端を折り曲げるだけで、爪部37を係止する第一の係止部42dが自動的に形成される。このため、外装パネル用役物30は低コストで容易に製作することができる。
【0050】
また、ベース材とカバー材は鋼板による板金加工でそれぞれ一体形成されるので、低コストで容易に製作することができる。
【0051】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態を図10〜図11を用いて説明するが、図1〜図5に示す外装パネル用役物30の構成と同構成部分については、図面に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0052】
図10(a)、(b)、図11(a)、(b)に示すように、外装パネル用役物30aは、第一の係止部42dに追加して、係止板41bの一部を切曲げて爪部37と係止する第二の係止部42eが形成される。第一の係止部42d及び第二の係止部42eは互いに平行に形成されて、長尺方向に断続的且つ左右交互に設けられる。
【0053】
この外装パネル用役物30aであれば、第一の係止部42dと第二の係止部42eの二箇所を任意に選んで使用できるので、上記第1の実施形態における厚さH1=21mmの外装パネル32を第一の係止部42dで使用し、厚さH2=16mmの外装パネル32に対して第二の係止部42eが使用できる。
【0054】
このため、在庫を減らすことができるので、コストダウンに繋がる。
【0055】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態を図12を用いて説明するが、図2、図10(a)に示す外装パネル用役物の構成と同構成部分については、図面に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0056】
外壁本体の平面部に沿う外装パネル用役物30bはベース材40bとカバー材33cから成る。ベース材40bの一対の取付部42は角度θ3=180度で連続して形成され、カバー材33cは幅K6=45mm、第一の表面部34gは取付部42と平行に幅K5=21mmで形成される。
【0057】
本発明の第3の実施形態によれば、外壁本体の平面部に用いることができて本発明の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0058】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて説明したが、上記の実施例はいずれも本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるべきでないということは言うまでもない。
【0059】
たとえば、図2におけるカバー材33の形状は、対称軸R近傍の第一の表面部34が、第二の表面部35の両先端35aと同じ位置で対称軸Rに対して直角に折れ曲がっている構造でも構わない。
【0060】
カバー材33の開度θ1は90度以外の角度にも微調整対応できる。
【0061】
外装パネル用役物は外装パネル端部が上下、左右どちらの方向であっても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施形態における、建築物の外壁本体31の出隅部に設ける一対の外装パネル32の端部を覆うベース材40とカバー材33から成る外装パネル用役物30の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における、カバー材33の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における、図2のA−Aの断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における、ベース材40の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、図4のB−Bの矢視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における、長尺の平板に設けられる矩形の係止部領域の長尺方向の一辺を残して他の三辺をコ字状に切断された状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における、一辺を中心に係止部領域を角度45度で折り曲げて係止板を形成する状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における、係止板の中心を対称軸にして係止板の両端を下方に折り曲げる状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における、係止板の両端を下方に90度折り曲げることでベース材40が形成される状態を示す、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における、(a)は建築物の外壁本体の出隅部に設けられる外装パネル用役物30aのベース材40aの断面図、(b)はベース材40aの展開平面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における、(a)はカバー材33を第一の係止部42dに係止する状態を示す断面図、(b)はカバー材33を第二の係止部42eに係止する状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における、建築物の外壁本体の平面部に設けられるベース材40bとカバー材33cから成る外装パネル用役物30bの断面図である。
【図13】従来の、建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る外装パネル用役物の断面図である。
【符号の説明】
【0063】
30 外装パネル用役物
33 カバー材
36 脚部
37 爪部
40 ベース材
41b 係止板
41c 上端部
44 平板
44a 係止部領域
44b 一辺
42d 第一の係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の構造であって、
前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して形成され、
前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形部領域を長尺方向の一辺を中心に他の切断された三辺を折り曲げて形成される係止板と、この係止板の先端を折り曲げて形成される前記爪部を係止する第一の係止部と、前記一辺とその対辺の両下端部から前記外壁本体に沿って延設される取付部と、が連続して形成され、
前記カバー材と前記ベース材の断面形状は長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板と前記第一の係止部は対称軸に平行に形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項2】
請求項1に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記係止板の一部を切曲げて前記爪部と係止する第二の係止部が形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記外壁本体に沿う一対の取付部の挟角は180度又は90度に形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記ベース材とカバー材は鋼板による板金加工で一体形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項5】
建築物の外壁本体の出隅部に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の形成方法であって、
前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して折り曲げ形成され、
前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形領域を長尺方向の左右交互の一辺を残して他の三辺を切断し、前記一辺を中心に前記矩形領域を45度上方に折り曲げて係止板を斜設し、この係止板の先端を折り曲げて前記爪部を係止する第一の係止部を形成した後、前記平面板を前記矩形領域の中心線周りに90度下方に折り曲げることで、前記爪部から前記一辺とその対辺の両下端部より前記外壁本体に沿って延設される取付部まで連続して形成され、
前記カバー材と前記ベース材の断面形状が長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板は対称軸と平行に形成されることを特徴とする外装パネル用役物の形成方法。
【請求項1】
建築物の外壁本体に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の構造であって、
前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して形成され、
前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形部領域を長尺方向の一辺を中心に他の切断された三辺を折り曲げて形成される係止板と、この係止板の先端を折り曲げて形成される前記爪部を係止する第一の係止部と、前記一辺とその対辺の両下端部から前記外壁本体に沿って延設される取付部と、が連続して形成され、
前記カバー材と前記ベース材の断面形状は長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板と前記第一の係止部は対称軸に平行に形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項2】
請求項1に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記係止板の一部を切曲げて前記爪部と係止する第二の係止部が形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記外壁本体に沿う一対の取付部の挟角は180度又は90度に形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の外装パネル用役物の構造であって、前記ベース材とカバー材は鋼板による板金加工で一体形成されることを特徴とする外装パネル用役物の構造。
【請求項5】
建築物の外壁本体の出隅部に設けられる一対の外装パネルの端部を覆うベース材とカバー材から成る長尺の外装パネル用役物の形成方法であって、
前記カバー材の断面形状は、外壁本体に略平行な第一の表面部と、この第一の表面部の両端で折返し前記第一の表面部の裏面に沿う第二の表面部と、この第二の表面部の先端から垂設する一対の脚部と、前記一対の脚部の下端から互いに離反する方向に折返して長尺方向に左右交互に設けられる爪部と、が連続して折り曲げ形成され、
前記ベース材は、長尺の平面板の前記爪部に対応する矩形領域を長尺方向の左右交互の一辺を残して他の三辺を切断し、前記一辺を中心に前記矩形領域を45度上方に折り曲げて係止板を斜設し、この係止板の先端を折り曲げて前記爪部を係止する第一の係止部を形成した後、前記平面板を前記矩形領域の中心線周りに90度下方に折り曲げることで、前記爪部から前記一辺とその対辺の両下端部より前記外壁本体に沿って延設される取付部まで連続して形成され、
前記カバー材と前記ベース材の断面形状が長尺方向に連続視で左右対称形に設けられ、前記係止板は対称軸と平行に形成されることを特徴とする外装パネル用役物の形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−2248(P2008−2248A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175932(P2006−175932)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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