説明

外部装置及び電子機器システム

【課題】電子機器への電力供給を抑制する際の利便性を向上させるとともに、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができる外部装置及び電子機器システムを提供する。
【解決手段】作動状態と消費電力の小さい待機状態とが動作態様として切り替え可能な電子機器に、電力を出力して供給する電子機器の外部装置5は、電源に接続されて電力が入力される電源入力部51と、電源入力部51に入力された電力を電子機器に出力する電源出力部52と、電源出力部52から電子機器に出力される電力を制限する出力電力制限部57と、出力電力制限部57を制御する制御部53と、電子機器の動作態様を制御するための制御信号を制御部53に入力する制御信号入力部60とを備えている。そして、制御部53は、制御信号として電子機器の作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、電子機器に出力される電力を制限するように出力電力制限部57を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電子機器の外部装置、及びこれを備えた電子機器システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、作動状態と作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態とが動作態様として切り替え可能な電子機器が知られている。このような電子機器としては、例えば、光源を点灯させることにより映像を表示させる作動状態となるプロジェクタが知られており、プロジェクタは、光源が消灯されることにより、電力が供給される状態でありながら作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態となる。
【0003】
また、動作態様が切り替え可能な電子機器において、消費電力を低減する機能を内蔵した機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1には、動作態様(即ち、使用状態)に応じて供給電力を制御することにより消費電力を低減できるようにした電源システムを備える電子機器が開示されている。
【0004】
また、ファックスや電話機等の通信機器に接続されて、通信機器への電源供給を制御する待機電力低減装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、特許文献2には、外部からの呼出信号を検出したことに応じて通信機器への電源供給を開始し、呼出信号を検出した時刻から予め設定された所定時間が経過した後に、通信機器への電源供給を終了する待機電力低減装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−339813号公報
【特許文献2】特開2002−368903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載される手段により消費電力を低減する場合には、電子機器が、その内部に設けられた各部へ供給される電圧を切り替える電源回路を備える必要がある。このため、このような電源回路を備えない電子機器には、一定の電力が供給され続けることになり、電子機器の省エネルギー化を図ることができない。
【0007】
また、特許文献2に記載される待機電力低減装置は、電子機器に供給される電力を制限する外部装置であるが、呼出信号を検出した時刻から所定時間が経過すると、電子機器への電源供給が終了される。即ち、電子機器が作動状態となってから所定時間後に電力供給が抑制されるため、作動状態を禁止するユーザーの意図の有無に拘わらず、作動状態の電子機器への電力供給が唐突に抑制される。このため、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができない。
【0008】
また、一般に、電子機器に電力が供給されないようにするためには、電源と電子機器との物理的な接続を切断することが考えられる。より具体的には、例えば、電源と電子機器とを接続する電源ケーブルを電源または電子機器から引き抜くことが考えられる。しかし、このようにして電源と電子機器との物理的な接続を切断する場合には、電源と電子機器とを接続するためのケーブルを抜き差しする手間がかかり、電子機器への電力供給を抑制する際の手段としては利便性が低いという問題がある。
【0009】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子機器への電力供給を抑制する際の利便性を向上させるとともに、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができる外部装置及び電子機器システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、作動状態と該作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態とが動作態様として切り替え可能な電子機器に、電力を出力して供給する電子機器の外部装置であって、電源に接続されて電力が入力される電源入力部と、電源入力部に入力された電力を電子機器に出力する電源出力部と、電源出力部から電子機器に出力される電力を制限する出力電力制限部と、出力電力制限部を制御する制御部と、電子機器の動作態様を制御するための制御信号を制御部に入力する制御信号入力部とを備え、制御部は、制御信号として作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、電子機器に出力される電力を制限するように出力電力制限部を制御することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、電子機器の動作態様を制御するための制御信号として、作動状態を禁止する旨の信号が制御部に入力されたときに、電源出力部から電子機器に出力される電力を制限するように、出力電力制限部が制御される。即ち、本発明に係る外部装置を介して電源と電子機器とが接続された場合には、外部装置が上記構成を備えているため、例えば、電子機器の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の制御信号が制御部に入力された場合に、電子機器への電力供給が抑制される。従って、外部装置を介さずに電源と電子機器とが物理的に直接接続されて消費電力の小さい待機状態となっても一定の電力が電子機器に供給され続ける場合に比べて、電子機器への電力供給を抑制して、電子機器の省エネルギー化を図ることができる。また、作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、電子機器に出力される電力が制限される。即ち、電子機器への電力供給の抑制が、作動状態を禁止する意図を示す制御信号の入力を待って行われる。従って、作動状態の電子機器への電力供給が唐突に抑制されないようにして、例えば電子機器が作動状態となってから所定時間後に電力供給が抑制される場合に比べて、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができる。さらに、電子機器への電力供給を抑制することを目的として、例えばケーブルを介した電源と外部装置と電子機器との物理的な接続を切断する必要がなくなる。即ち、例えば、電源と電子機器とを接続するためのケーブルを抜き差しする手間を省くことができる。よって、上記構成によれば、電子機器への電力供給を抑制する際の利便性を向上させるとともに、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の外部装置であって、作動状態を禁止する旨の信号は、電子機器の動作態様を作動状態から切り替える旨の信号であることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、作動状態を禁止する旨の信号は、電子機器の動作態様を作動状態から切り替える旨の信号である。このため、例えば、従来においては電子機器に入力していた作動状態から切り替える旨の信号が、本発明に係る外部装置が備える制御部に入力されることにより、電子機器への電力供給が抑制される。即ち、従来において電子機器に入力されていた信号を用いて、本発明に係る外部装置が電子機器への電力供給を制御できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の外部装置であって、作動状態を禁止する旨の信号は、電子機器の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の信号であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、作動状態を禁止する旨の信号は、電子機器の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の信号である。このため、作動状態から待機状態に切り替える旨の信号が、本発明に係る外部装置が備える制御部に入力されることにより、電子機器への電力供給が抑制される。従って、電子機器の動作態様を、消費電力の小さい待機状態に代えて、電子機器に供給される電力が制限された状態に切り替えることが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外部装置であって、出力電力制限部は、電源出力部から電子機器に電力を出力するか否かを切り替えるスイッチ部であることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、出力電力制限部は、電源出力部から電子機器に電力を出力するか否かを切り替えるスイッチ部であるため、電源出力部から電子機器に電力を出力しないようにスイッチ部が制御されることによって、外部装置から電子機器への電力供給が遮断される。従って、電子機器の省エネルギー化を確実に図ることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の外部装置であって、制御部は、制御信号として作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、電子機器に電力を出力しないようにスイッチ部を制御することを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、電子機器の動作態様を制御するための制御信号として、電子機器の作動状態を禁止する旨の制御信号が制御部に入力された場合に、電源出力部から電子機器に電力を出力しないように、出力電力制限部であるスイッチ部が制御部によって制御される。このため、例えば、電子機器の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の制御信号が制御部に入力された場合に、外部装置から電子機器への電力供給が遮断されて、電子機器の省エネルギー化を確実に図ることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外部装置であって、電子機器から出力された信号が入力される信号入力部を備え、制御部は、信号入力部に入力された電子機器からの信号に基づいて、電子機器の動作態様を監視するとともに、その監視結果に基づいて出力電力制限部を制御することを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、電子機器から出力されて信号入力部に入力された電子機器からの信号に基づいて、電子機器の動作態様が監視され、その監視結果に基づいて出力電力制限部が制御される。このため、例えば、電子機器の動作態様が待機状態に切り替えられたか否か等を監視することが可能となる。従って、電子機器に出力される電力を制限する出力電力制限部を、適切なタイミングで確実に制御することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の外部装置であって、電子機器の動作態様を制御するための制御信号を電子機器に出力する制御信号出力部をさらに備えることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、外部装置は、電子機器の動作態様を制御するための制御信号を電子機器に出力する制御信号出力部を備えている。このため、電子機器は、外部装置の制御信号出力部から出力された制御信号に基づいて、例えば、作動状態から待機状態に切り替わったり、待機状態から作動状態に切り替わったりすることが可能となる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の外部装置であって、制御信号出力部は、制御信号として作動状態を禁止する旨の信号が制御部に入力されたときに、電子機器の動作態様を待機状態に切り替える旨の信号を制御信号として前記電子機器に出力し、制御部は、電子機器の動作態様が待機状態に切り替えられた後に、電子機器に出力される電力を制限するように出力電力制限部を制御することを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、制御信号として作動状態を禁止する旨の信号が制御部に入力されたときに、電子機器の動作態様を待機状態に切り替える旨の制御信号が、外部装置の制御信号出力部から電子機器に出力される。このため、外部装置の制御信号出力部から出力された制御信号に基づいて、電子機器の動作態様が作動状態から待機状態に切り替わる。そして、電子機器の動作態様が待機状態に切り替えられた後に、電子機器に出力される電力を制限するように出力電力制限部が制御される。このため、例えば、作動状態から待機状態に移行する際に電子機器の一部を冷却するための所定期間が設けられる場合には、この所定期間が経過後に、電子機器への電力供給が抑制される。従って、作動状態から待機状態へ移行する際に設けられることが好ましい所定の期間(例えば、電子機器の部品の冷却期間)を確保することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の外部装置であって、制御部は、制御信号として電子機器の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が入力されたときに、電子機器に出力される電力の制限を禁止するように出力電力制限部を制御し、制御信号出力部は、電子機器に出力される電力の制限が禁止されることによって電子機器の動作態様が待機状態に切り替えられた後に、電子機器の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号を制御信号として電子機器に出力することを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、制御信号として電子機器の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が制御部に入力されたときに、電子機器に出力される電力の制限を禁止するように出力電力制限部が制御される。このため、電子機器への電力供給が抑制されないようになり、電子機器の動作態様を待機状態とすることができる。そして、電子機器に出力される電力の制限が禁止されることによって電子機器の動作態様が待機状態に切り替えられた後に、電子機器の動作態様を作動状態に切り替える旨の制御信号が、外部装置の制御信号出力部から電子機器に出力される。このため、直ちに作動状態へ移行することができない場合(例えば、作動状態に移行するために待機状態を経る必要がある場合)に、電子機器の動作態様を待機状態から作動状態に適切に切り替えることができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項に記載の外部装置であって、制御信号出力部は、電子機器から出力された信号が入力される信号入力部を兼ねることを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、制御信号出力部は、電子機器から出力された信号が入力される信号入力部を兼ねる。このため、電子機器の動作態様を制御するための制御信号を電子機器に出力する構成と、電子機器の動作態様を確認するための信号が入力される構成を、共用化することができる。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれか一項に記載の外部装置であって、制御信号出力部を複数備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、外部装置は制御信号出力部を複数備えているため、複数の手段のいずれかにより電子機器に制御信号を出力することが可能となる。
【0031】
請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれか一項に記載の外部装置であって、制御信号入力部として、外部からの制御信号を受信する制御信号受信部を備えるとともに、制御信号受信部で受信した制御信号を、受信した形式とは異なる形式に変換するための信号変換テーブルが記憶された記憶部をさらに備えることを特徴とする。
【0032】
上記構成によれば、外部装置は、制御信号入力部としての制御信号受信部で受信した制御信号を、受信した形式とは異なる形式に変換するための信号変換テーブルが記憶された記憶部を備える。このため、記憶部に記憶された信号変換テーブルを用いて制御信号の形式を変換して、制御信号出力部から制御信号を出力することができる。
【0033】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の外部装置であって、制御信号入力部を複数備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、外部装置は制御信号入力部を複数備えているため、複数の手段のいずれかにより制御部に制御信号を入力することが可能となる。
【0034】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれか一項に記載の外部装置であって、制御部による出力電力制限部の制御を設定するための操作部を備え、制御部は、操作部を用いて設定された設定内容に基づいて出力電力制限部を制御することを特徴とする。
【0035】
上記構成によれば、操作部を用いて設定された設定内容に基づいて、出力電力制限部が制御部により制御される。従って、操作部を用いて出力電力制限部の制御を適宜設定し直すことにより、制御部による制御を適宜変更することができる。
【0036】
請求項15に記載の発明は、作動状態と該作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態とが動作態様として切り替え可能な電子機器と、電子機器に電力を出力して供給するとともに、電子機器の動作態様を制御する外部装置と、外部装置から電子機器に出力される電力の供給元である電源とを備え、外部装置が、電子機器に供給される電力を制限することによって、電子機器の動作態様が、待機状態に代えて、電子機器に供給される電力が制限された状態に切り替えられることを特徴とする。
【0037】
上記構成によれば、電子機器の動作態様を制御する外部装置が、電子機器に供給される電力を制限することによって、電子機器の動作態様が、消費電力の小さい待機状態に代えて、電子機器に供給される電力が制限された状態に切り替えられる。このため、例えば、電子機器の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える場合に、待機状態に代えて、電子機器に供給される電力が制限された状態に切り替えられるため、電子機器への電力供給が抑制される。従って、消費電力の小さい待機状態となっても一定の電力が電子機器に供給され続ける場合に比べて、電子機器への電力供給を抑制して、電子機器の省エネルギー化を図ることができる。また、電子機器の動作態様が、消費電力の小さい待機状態に代えて、電子機器に供給される電力が制限された状態に切り替えられる。即ち、電子機器が作動状態となっている時間は確保される。従って、作動状態の電子機器への電力供給が唐突に抑制されないようにして、例えば電子機器が作動状態となってから所定時間後に電力供給が抑制される場合に比べて、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができる。さらに、電子機器への電力供給を抑制することを目的として、例えばケーブルを介した電源と外部装置と電子機器との物理的な接続を切断する必要がなくなる。即ち、例えば、電源と電子機器とを接続するためのケーブルを抜き差しする手間を省くことができる。よって、上記構成によれば、電子機器への電力供給を抑制する際の利便性を向上させるとともに、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができる。
【0038】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の電子機器システムであって、外部装置が、電子機器に供給される電力を遮断することによって、電子機器の動作態様が、待機状態に代えて、電子機器に電力が供給されない状態に切り替えられることを特徴とする。
【0039】
上記構成によれば、外部装置が、電子機器に供給される電力を遮断することによって、電子機器の動作態様が、待機状態に代えて、電子機器に電力が供給されない状態に切り替えられる。このため、電子機器の省エネルギー化を確実に図ることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、電子機器への電力供給を抑制する際の利便性を向上させるとともに、適切なタイミングで電子機器の省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器システムを示す斜視図。
【図2】同実施形態に係る電子機器の概略構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態に係る電子機器の動作の流れを示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係る外部装置の概略構成を示すブロック図。
【図5】同実施形態に係る外部装置の外観を示す斜視図。
【図6】同実施形態に係る外部装置の動作の流れを示すフローチャートであって、電子機器を作動させる際のフローチャート。
【図7】同実施形態に係る外部装置の動作の流れを示すフローチャートであって、電子機器の作動を停止させる際のフローチャート。
【図8】同実施形態に係る電子機器の動作態様の変化を示すタイミングチャート。
【図9】本発明の実施形態に係る電子機器システムの変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図は、電子機器、外部装置及びこれらを用いた電子機器システムを説明する上で必要な構成のみを図示した模式図であり、その他の構成については図示及び説明を省略している。
【0043】
図1に示すように、本実施形態に係る電子機器システムは、商用電源である電源1と、映像を投写して表示する投写型映像表示装置であるプロジェクタ2と、電源1とプロジェクタ2とを接続する外部装置5と、信号を送信する外部機器8,9とを備えている。
【0044】
電源1は、商用の交流電源であって、電源1からは交流電力が供給される。本実施形態においては、電源1から外部装置5を介してプロジェクタ2に交流電力が供給されるように構成されている。
【0045】
外部機器8は、制御信号を送信して電子機器を制御する汎用のコンピュータである。また、外部機器9は、制御信号の一種であるリモコン信号を送信して電子機器を制御する遠隔操作機器であって、プロジェクタ2に対応したリモコン機器である。
【0046】
プロジェクタ2は、スクリーンや壁等の平面上に映像を投写して表示することができる電子機器である。プロジェクタ2は、外部装置5を介して物理的に電源1及び外部機器8に接続される。
【0047】
図2に示すように、プロジェクタ2は、外部から入力される映像信号に基づいて映像を表示するために、映像信号入力部21と、映像信号入力部21に入力された映像信号に所定の信号処理を施す映像信号処理部22と、映像信号処理部22により信号処理が施された映像信号に基づいて映像を投写して表示するための光学系23とを備えている。
【0048】
映像信号入力部21は、例えば、HDMI端子、VGA端子等により構成される有線接続手段としてのコネクタや、アンテナを含んで構成される無線接続手段としての無線モジュール等である。映像信号入力部21を介してプロジェクタ2に映像信号が入力され、映像信号は映像信号入力部21から映像信号処理部22に入力される。
【0049】
映像信号処理部22は、プロジェクタ2に入力された映像信号に対して種々の信号処理を施す集積回路である。映像信号処理部22による信号処理の処理内容は、プロジェクタ2が備える制御部41によって制御される。信号処理が施された映像信号は、映像信号処理部22から光学系23を構成する映像生成部25に入力される。
【0050】
また、プロジェクタ2は、光学系23を構成する光学部品として、光を発する光源24と、光源24が発した光を用いて映像を生成する映像生成部25と、映像の光を拡大して投射する投射部26とを備えている。
【0051】
光源24は、映像表示用のランプであって、例えば超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプにより構成されており、光源24の点灯及び消灯は、プロジェクタ2が備える制御部41によって切り替えられる。光源24が発する光(即ち、光源24から出射された光)は、インテグレータレンズや反射ミラー(いずれも不図示)等の光学部品によって、映像生成部25に入射するように構成されている。
【0052】
映像生成部25は、例えば、ドットマトリクス型のライトバルブである液晶パネルや、微小鏡を格子状に配列したDMD(Digital Micromirror Device)を備えた電気光学装置により構成されている。映像生成部25には上述のごとく映像信号が入力され、この映像信号に基づいて液晶パネルやDMDが駆動される。そして、光源24から出射された光が、液晶パネルを透過したり、DMDで反射されたりすることによって、映像生成部25において映像信号に基づいた映像が生成される。
【0053】
投射部26は、映像生成部25により生成された映像の光を拡大して投射するレンズ群により構成されている。従って、映像の光が投射部26からプロジェクタ2の外部に向けて投射されることにより、プロジェクタ2はスクリーンや壁等の平面上に映像を投写して表示する。
【0054】
また、プロジェクタ2は、発熱する光学系23等を冷却するために、送風手段としてのファン27と、ファン27を回転させて駆動させるためのファン駆動回路(図示略)が設けられたファン駆動部28とを備えている。
【0055】
ファン27は、光学系23等に向けて冷却風を送風する冷却ファン、プロジェクタ2の外部から内部へ気体を吸入する吸気ファン、またはプロジェクタ2の内部から外部へ気体を排出する排気ファンである。ファン27にはファン駆動部28から電力が供給され、ファン27の作動態様はファン駆動部28によって制御される。
【0056】
ファン駆動部28は、ファン駆動回路からファン27に電力を供給してファン27を駆動する電子部品である。ファン27に供給される電力は、プロジェクタ2が備える制御部41からファン駆動部28に入力される制御信号に基づいて変更される。即ち、ファン駆動部28は、制御部41からの制御信号に基づいて、ファン27の作動態様を制御する。
【0057】
また、プロジェクタ2は、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号を外部から受信する制御信号受信部30を備えている。本実施形態においては、プロジェクタ2は、制御信号受信部30として、LAN接続部31、RS232C接続部32、リモコン機器用接続部33、及びリモコン信号受信部34を備えている。このように制御信号受信部30を複数備えることにより、複数の手段によりプロジェクタ2に制御信号が入力されることが可能である。
【0058】
LAN接続部31は、LANケーブル(図示略)をプロジェクタ2に接続するための有線接続手段であって、LAN(Local Area Network)の接続に使用される汎用の接続端子により構成されている。
【0059】
RS232C接続部32は、RS−232C規格に準拠した信号ケーブル73a(図1参照)をプロジェクタ2に接続するための有線接続手段であって、シリアル転送通信の接続に使用される汎用の接続端子により構成されている。
【0060】
リモコン機器用接続部33は、プロジェクタ2用の周辺装置をプロジェクタ2に接続するための有線接続手段であって、プロジェクタ2の遠隔操作機器であるリモコン機器の有線接続に使用される専用の接続端子により構成されている。
【0061】
リモコン信号受信部34は、プロジェクタ2の遠隔操作機器であるリモコン機器と物理的に接続されることなく、制御信号の一種であるリモコン信号をリモコン機器から受信する電子部品である。具体的には、例えば、リモコン信号受信部34は、赤外線として送信されたリモコン信号を受信する赤外線受光モジュールにより構成されている。また、リモコン信号受信部34は、電波として送信されたリモコン信号を受信するアンテナモジュールにより構成されていてもよい。
【0062】
LAN接続部31、RS232C接続部32、リモコン機器用接続部33、またはリモコン信号受信部34は、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号として、プロジェクタ2を作動させる旨の信号、及びプロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号を受信する。プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号は、外部機器9からプロジェクタ2に出力させることが可能であるが、本実施形態においては、外部装置5からプロジェクタ2に出力される。また、本実施形態においては、外部装置5からプロジェクタ2に出力される制御信号を受信する制御信号受信部30は、RS232C接続部32である。
【0063】
また、プロジェクタ2は、映像信号処理部22における信号処理や光源24の点灯態様等を制御する制御部41と、プログラム等の情報が記憶される記憶部42と、プロジェクタ2のユーザーによって操作される操作部43と、プロジェクタ2のユーザーに種々の情報を表示する表示部44と、時間を計測する時間計測部45とを備えている。
【0064】
制御部41は、プロジェクタ2内の各部を制御する集積回路である。具体的には、制御部41は、例えばマイコンにより構成され、記憶部42に記憶されたプログラムを制御部41が実行することにより、そのプログラムに基づき、映像信号処理部22、光源24、ファン駆動部28が制御部41により制御される。
【0065】
操作部43は、例えば、ユーザーにより押されるボタンやタッチパネル等により構成されている。操作部43が操作されることにより、操作部43の操作内容に応じた電気信号が制御部41に入力され、制御部41は操作部43の操作内容に応じた制御信号を出力する。
【0066】
表示部44は、例えば、LED(発光ダイオード)により構成され、表示部44の点灯態様が変化することによって、光源24の状態等の情報をユーザーに示す。即ち、プロジェクタ2の動作態様に応じて、表示部44の表示内容を変化させるように構成されている。
【0067】
以上のようにプロジェクタ2は、電力を消費する電気回路を備えている。即ち、本実施形態においては、電子機器であるプロジェクタ2は、電力を消費する電気回路として、映像信号処理部22及び制御部41を構成する集積回路、光源24を点灯させる点灯回路、ファン27を駆動させるファン駆動回路、映像生成部25を駆動させる駆動回路等を備えている。
【0068】
そして、プロジェクタ2は、電源1からプロジェクタ2内の電気回路に電力を供給するための構成要素として、外部から電力が入力される電源入力部46と、電源入力部46に入力された電力を適宜変換して、プロジェクタ2内の電気回路に電力を供給する電源部47とを備えている。
【0069】
電源入力部46は、電源ケーブル52a(図1参照)が接続されるACインレットにより構成されている。本実施形態においては、電源入力部46は、3極ACインレットであって、交流電力を搬送するための2本の電線(いわゆる、ライブ線及びニュートラル線)が接続される電源端子と、保安用に接地された電線(いわゆる、アース線)が接続される接地端子(いずれも図示略)とを備えている。電源入力部46を介してプロジェクタ2に電力が入力されると、入力された電力は電源部47に供給される。このようにして、プロジェクタ2には電力が供給される。
【0070】
電源部47は、電源入力部46を介して入力された電力を適宜変換して、プロジェクタ2内の電気回路に電力を供給する電源ユニットにより構成されている。具体的には、電源部47は、電源1から得た交流電力を、映像信号処理部22を構成する電気回路、光学系23を構成する電気回路、及び待機システム40を構成する電気回路に供給すべき直流電力が得られるように変換する。そして、変換して得た直流電力を、プロジェクタ2内の電気回路に供給する。即ち、電源部47は、電源1からの電力を、AC/DC変換して、映像信号処理部22を構成する集積回路、光学系23を構成する光源24の点灯回路、映像生成部25を構成する液晶パネルやDMDの駆動回路、及び待機システム40の制御部41を構成する集積回路等の電気回路に供給する。
【0071】
なお、プロジェクタ2内の電気回路への電力供給は、プロジェクタ2の動作態様に応じて適宜制御される。即ち、映像を表示する作動状態と、映像を表示しないため作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態とが、プロジェクタ2の動作態様として切り替え可能な構成となっており、作動状態と待機状態とにおいては、プロジェクタ2の消費電力が異なっている。
【0072】
即ち、映像を表示しない待機状態においては、光学系23を構成する光源24及び映像生成部25を駆動する必要がないため、光学系23を構成する電気回路(即ち、光源24の点灯回路、及び、映像生成部25を構成する液晶パネルやDMDの駆動回路)に電力が供給されないように構成されている。さらに、待機状態においては、映像信号処理部22において信号処理を施す必要がないため、映像信号処理部22を構成する電気回路(即ち、集積回路)に電力が供給されないように構成されている。作動状態においては映像信号処理部22、光学系23、ファン駆動部28、及び待機システム40を構成する電気回路に電力が供給されるため、作動状態に比べて、待機状態におけるプロジェクタ2の消費電力は小さい。
【0073】
一方、待機システム40を構成する電気回路には、待機状態においても、電力が供給される。即ち、待機状態においては、光学系23や映像信号処理部22を構成する電気回路には電力が供給されずに、待機システム40を構成する電気回路に電力が供給されるように構成されている。従って、待機状態においても、制御部41、記憶部42、操作部43、表示部44、及び時間計測部45の各部には電力が供給され、待機システム40はその機能を発揮する。
【0074】
また、本実施形態においては、作動状態から待機状態に切り替えられる際に、プロジェクタ2の動作態様がクーリング状態となるように構成されている。即ち、高熱となった光源24を冷却することを目的として、作動状態から待機状態に唐突に切り替えることなく、作動状態からクーリング状態を経て待機状態に切り替えられる。クーリング状態においては、光学系23や映像信号処理部22を構成する電気回路には電力が供給されず、ファン駆動部28を構成するファン駆動回路に電力が供給される。従って、作動状態に比べて、クーリング状態におけるプロジェクタ2の消費電力は小さく、待機状態に比べて、クーリング状態におけるプロジェクタ2の消費電力は大きい。
【0075】
なお、上述のごとくプロジェクタ2の各部に電力が供給されるためには、外部装置5から出力される電力が制限されることが禁止されており、外部装置5からプロジェクタ2に電力が供給されている必要がある。
【0076】
プロジェクタ2の動作態様の切り替えは、制御信号受信部30で受信したプロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号に基づいて行われる。具体的には、プロジェクタ2を作動させる旨の信号を制御信号受信部30で受信したときには、制御部41は、映像信号処理部22、光学系23、ファン駆動部28に電力が供給されるように電源部47を制御する。また、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号を制御信号受信部30で受信したときには、制御部41は、映像信号処理部22及び光学系23へ電力が供給されないように電源部47を制御した後に、所定時間をあけて、ファン駆動部28へ電力が供給されないように電源部47を制御する。
【0077】
次に、図3を参照しながら、プロジェクタ2を作動させてからその作動を停止させるまでの流れを説明する。図3に示す動作は、プロジェクタ2に電力が供給されることによりスタートする。
【0078】
図3に示すように、まず、プロジェクタ2に電力が供給されると、プロジェクタ2は、電力が供給されていない電源遮断状態から待機状態に移行する(ステップS1)。即ち、ステップS1においては、プロジェクタ2に電力が供給されて、直ちに光学系23や映像信号処理部22に電力が供給されずに、待機システム40への電力の供給が開始される。
【0079】
次いで、プロジェクタ2の制御部41は、プロジェクタ2を作動させる旨の信号が入力されたか否かを判断する(ステップS2)。即ち、ステップS2においては、制御信号受信部30で、外部装置5からプロジェクタ2に出力された制御信号であって、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号を受信したか否かが判断される。
【0080】
プロジェクタ2を作動させる旨の信号が入力されたとステップS2において判断された場合、即ち、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が入力された場合には、待機システム40だけでなく、光学系23や映像信号処理部22への電力の供給が開始され、プロジェクタ2の動作態様が作動状態に移行する(ステップS3)。従って、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が入力されていない場合、即ち、プロジェクタ2を作動させる旨の信号が入力されたとステップS2において判断されなかった場合には、ステップS3の動作は行われずにステップS2の動作が繰り返される。
【0081】
次いで、プロジェクタ2の制御部41は、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号が入力されたか否かを判断する(ステップS4)。即ち、ステップS2においては、制御信号受信部30で、外部装置5からプロジェクタ2に出力された制御信号であって、プロジェクタ2の動作態様を待機状態に切り替える旨の信号を受信したか否かが判断される。
【0082】
プロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号が入力されたとステップS4において判断された場合、即ち、プロジェクタ2の動作態様を待機状態に切り替える旨の信号が入力された場合には、映像信号処理部22及び光学系23への電力の供給が停止される。さらに映像信号処理部22及び光学系23への電力の供給が停止されてから所定時間後に、ファン駆動部28への電力の供給が停止されて、プロジェクタ2の動作態様が待機状態に移行する(ステップS5)。従って、プロジェクタ2の動作態様を待機状態に切り替える旨の信号が入力されていない場合、即ち、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号が入力されたとステップS4において判断されなかった場合には、ステップS5の動作は行われずにステップS4の動作が繰り返される。
【0083】
外部装置5は、プロジェクタ2の外部からプロジェクタ2の動作態様(即ち、プロジェクタ2の作動状態及び待機状態)を制御する制御装置である。即ち、外部装置5は、電源1から外部装置5に電力が供給されている状態において、プロジェクタ2を制御できるように待機している外部待機制御装置である。
【0084】
図4に示すように、外部装置5は、プロジェクタ2に電力を出力して供給する装置であって、外部装置5は、プロジェクタ2に電力を供給するための構成要素として、電源1に接続されて電力が入力される電源入力部51と、電源入力部51に入力された電力をプロジェクタ2に出力する電源出力部52とを備えている。
【0085】
電源入力部51は、電源ケーブル51a(図1参照)が接続されるACインレットにより構成されている。本実施形態においては、電源入力部51は、図5に示すように、3極ACインレットであって、交流電力を搬送するための2本の電線(いわゆる、ライブ線及びニュートラル線)が接続される電源端子51b,51cと、保安用に接地された電線(いわゆる、アース線)が接続される接地端子51dとを備えている。電源1と電源入力部51とが電源ケーブル51aにより接続されることによって、電源入力部51を介して外部装置5に電力が入力される。このようにして、プロジェクタ2に供給される電力は、外部装置5に一旦供給される。
【0086】
電源出力部52は、電源ケーブル52a(図1参照)が接続されるACアウトレットにより構成されている。本実施形態においては、電源出力部52は、3極ACアウトレットであって、電源入力部51と同様に、交流電力を搬送するための2本の電線(いわゆる、ライブ線及びニュートラル線)が接続される電源端子52b,52cと、保安用に接地された電線(いわゆる、アース線)が接続される接地端子52dとを備えている。電源出力部52とプロジェクタ2とが電源ケーブル52aにより接続されることによって、電源出力部52を介してプロジェクタ2に電力を出力できる構成となる。
【0087】
なお、電源ケーブル51a,52aの接続作業時において、電源入力部51及び電源出力部52を容易に区別できるように、電源入力部51及び電源出力部52の外観形状は互いに異なることが好ましい。本実施形態においては、電源入力部51及び電源出力部52を容易に区別できるようにするとともに電源ケーブル51a,52aの誤接続を防ぐために、接地端子51d,52dの形状が互いに異なっている。
【0088】
以上のように構成された電源入力部51及び電源出力部52は、外部装置5内において、交流電圧が印加されるライブ線5aと、基準電位に接続されるニュートラル線5bと、保安用に接地されるアース線5cとにより互いに接続される。より具体的には、電源端子51b,52bがライブ線5aにより互いに接続され、電源端子51c,52cがニュートラル線5bにより互いに接続され、接地端子51d,52dがアース線5cにより互いに接続される。電源端子51b,52bがライブ線5aにより接続され、電源端子51c,52cがニュートラル線5bにより接続されていることにより、電源入力部51から電源出力部52へ交流電力が搬送される。
【0089】
また、外部装置5は、プロジェクタ2に供給される電力を制御するための構成要素として、外部装置5内の各部を制御する制御部53と、制御部53が実行するプログラムを記憶する記憶部54と、電力の制御等に係る情報を表示する表示部55と、時間を計測する時間計測部56と、出力する電力を制限する出力電力制限部57とを備えている。
【0090】
制御部53は、外部装置5内の各部を制御する集積回路である。具体的には、制御部53は、例えばマイコンにより構成され、記憶部54に記憶されたプログラムを制御部53が実行することにより、そのプログラムに基づき、表示部55、時間計測部56、出力電力制限部57が制御部53により制御される。
【0091】
記憶部54は、不揮発性メモリ等の読み書き可能な記憶媒体である。記憶部54には、外部装置5の動作に係る基本的なプログラムが予め記憶されている。また、記憶部54には、操作部59の操作等によって設定された設定内容に係る情報であって、外部装置5の動作(即ち、上記プログラムの実行)に用いられる情報が記憶される。
【0092】
表示部55は、例えば、図5に示すように、LED表示部55a,55b,55c,55dと、LCD表示部55eとにより構成されている。LED表示部55a,55b,55c,55dの各々は、LED(発光ダイオード)により構成されている。LED表示部55aは、外部装置5がプロジェクタ2を制御できるように待機している場合に点灯し、LED表示部55bは、外部装置5の動作設定中において点灯し、LED表示部55cは、外部装置5からプロジェクタ2への電力供給中に点灯し、LED表示部55dは、外部装置5からプロジェクタ2への電力供給の遮断中に点灯する。また、LCD表示部55eは、絵や文字等を表示可能な液晶パネルにより構成されている。LCD表示部55eは、外部装置5の動作設定に係る映像を表示し、動作設定に係る映像として、例えばユーザーにより設定可能な項目を一覧として含む設定メニューを表示する。なお、電源1から外部装置5に電力が供給されている状態において、LED表示部55aには電力が供給され続けるが、LCD表示部55eには、外部装置5の動作設定の作業時においてのみ電力が供給されるように構成されている。このようにLCD表示部55eに電力が供給され続けないように構成されることによって、外部装置5の待機電力が抑制される。
【0093】
時間計測部56は、時間を計測するタイマであって、時間計測部56により時間が計測されることによって、制御部53は、所定時間が経過したか否かを判断することができる。なお、外部装置5の構成を簡略化する観点から、時間計測部56を構成するタイマは、制御部53を構成するマイコンに内蔵されていることが好ましい。
【0094】
出力電力制限部57は、電源出力部52からプロジェクタ2に出力される電力を制限する回路構成であって、具体的には、電源入力部51と電源出力部52とを接続する配線に設けられたリレー57aにより構成されている。本実施形態においては、電源入力部51と電源出力部52とを接続する配線のうち、基準電位に接続されずに交流電圧が印加されるライブ線5aに設けられている。なお、同リレー57aを、ニュートラル線5bに設ける構成としてもよいが、電源端子52bに電圧が印加されないようにライブ線5aにリレー57aが設けられていることが好ましい。
【0095】
リレー57aは、電源入力部51と電源出力部52とが接続される電気回路を開いた状態とする開状態と、同電気回路を閉じた状態とする閉状態とを取り得る回路構成である。リレー57aの状態は、制御部53から出力される制御信号としての電気信号に基づいて制御される。即ち、制御部53によってリレー57aが制御される。
【0096】
リレー57aが閉状態となることによって、電源入力部51から電源出力部52へ交流電力が搬送される。このように、電源入力部51から電源出力部52へ交流電力が搬送されることによって、電源出力部52とプロジェクタ2とが電源ケーブル52aにより接続されている状態において、電源出力部52を介してプロジェクタ2に電力が出力される。
【0097】
また、リレー57aが開状態となることによって、電源入力部51から電源出力部52への交流電力の搬送が禁止される。このように、電源入力部51から電源出力部52への交流電力の搬送が禁止されることによって、電源出力部52とプロジェクタ2とが電源ケーブル52aにより接続されている状態であっても、電源出力部52を介してプロジェクタ2に電力が出力されることが抑制される。
【0098】
以上のように出力電力制限部57は、電源出力部52からプロジェクタ2に電力を出力するか否かを切り替えるスイッチ部として機能する。なお、出力電力制限部57を構成するリレー57aは、有接点型の機械式リレー及び無接点型の半導体リレーのいずれでもよい。
【0099】
また、外部装置5は、電源1から外部装置5内の電気回路に電力を供給するための構成要素として、電源入力部51に入力された電力を適宜変換して、外部装置5内の電気回路に電力を供給する電源部58を備えている。電源部58は、電源入力部51と電源出力部52とを接続する配線において、出力電力制限部57に比べて電源入力部51側のライブ線5a及びニュートラル線5bに接続されて設けられている。このように、出力電力制限部57よりも電源入力部51に近い方において電力経路が分岐されているため、リレー57aが開状態であっても電源部58に電力が供給される。
【0100】
電源部58は、電源入力部51を介して外部装置5に入力された電力を適宜変換して、外部装置5内の電気回路に電力を供給する電源ユニットにより構成されている。具体的には、電源部58は、電源1から得た交流電力を、制御部53、LED表示部55a,55b、55c、55d、LCD表示部55e等を構成する電気回路に供給すべき直流電力が得られるように変換する。そして、変換して得た直流電力を、外部装置5内の電気回路に供給する。即ち、電源部58は、電源1からの電力を、AC/DC変換して、制御部53を構成する集積回路、LED表示部55a,55b,55c,55dを構成するLEDの点灯回路、及び、LCD表示部55eを構成する液晶パネルの駆動回路等の電気回路に供給する。
【0101】
また、外部装置5は、プロジェクタ2の制御やその制御に係る外部装置5の動作の設定を目的として、プロジェクタ2のユーザーでもある外部装置5のユーザーによって操作される操作部59を備えている。
【0102】
操作部59は、例えば、ユーザーにより押されるボタンやタッチパネル等により構成される。操作部59が操作されることにより、操作部59の操作内容に応じた電気信号が操作部59から制御部53に入力され、制御部53は、操作部59の操作内容に応じて外部装置5内の各部を制御する。
【0103】
本実施形態においては、操作部59は、図5に示すように、メニューキー59aと、セットキー59bと、選択変更キー59cと、電源供給オンキー59dと、電源供給オフキー59eとにより構成されている。メニューキー59aが操作されると、LCD表示部55eに電源部58から電力が供給されて、LCD表示部55eに設定メニューが表示され、設定メニューが表示されているときにメニューキー59aが操作されると、LCD表示部55eに電源部58から電力供給が遮断されて、設定メニューが表示されなくなる。このようにして、待機中に使用されないLCD表示部55eの消費電力を削減できる。また、セットキー59bが操作されると、選択されている内容が設定され、選択変更キー59cが操作されると、選択対象となる内容が変更される。
【0104】
また、電源供給オンキー59dが操作されると、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が制御部53に入力され、電源供給オフキー59eが操作されると、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から切り替える旨の信号が制御部53に入力される。即ち、操作部59である電源供給オンキー59d及び電源供給オフキー59eは、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号を制御部53に入力する制御信号入力部60である。
【0105】
また、外部装置5は、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号を制御部53に入力する制御信号入力部60として、さらに、リモコン信号受信部61と、リモコン機器用接続部62と、RS232C接続部63とを備えている。
【0106】
リモコン信号受信部61は、リモコン信号受信部34と同様に、外部機器9と物理的に接続されることなく、制御信号の一種であるリモコン信号を外部機器9から受信する電子部品である。具体的には、例えば、リモコン信号受信部61は、赤外線として送信されたリモコン信号を受信する赤外線受光モジュールにより構成されている。また、リモコン信号受信部61は、電波として送信されたリモコン信号を受信するアンテナモジュールにより構成されていてもよい。
【0107】
リモコン機器用接続部62は、プロジェクタ2に対応した外部機器9をプロジェクタ2に接続するための有線接続手段であって、プロジェクタ2のリモコン機器の有線接続に使用される専用の接続端子により構成されている。
【0108】
RS232C接続部63は、RS−232C規格に準拠した信号ケーブル63a(図1参照)を外部装置5に接続するための有線接続手段であって、シリアル転送通信の接続に使用される汎用の接続端子により構成されている。本実施形態においては、RS232C接続部63には、信号ケーブル63aを介して外部機器8が接続される。
【0109】
以上のように構成された制御信号入力部60の各々から、制御部53に制御信号が入力される。即ち、リモコン信号受信部61で受信した外部機器9からの制御信号であるリモコン信号が、制御部53に入力され、リモコン機器用接続部62に入力されて受信した外部機器9からの制御信号であるリモコン信号が、制御部53に入力される。また、RS232C接続部63に入力されて受信した外部機器8からの制御信号が、制御部53に入力される。
【0110】
なお、制御信号入力部60の構成は適宜変更してもよい。例えば、外部装置5が、リモコン機器用接続部62やRS232C接続部63を備えない構成であってもよい。このように外部装置5の制御信号入力部60に係る構成が簡素であれば、外部装置5の消費電力が小さくなる。即ち、電源部58から制御信号入力部60を構成する各部に電力が供給されるため、制御信号入力部60に係る構成が簡素であれば、外部装置5における電力削減効果は向上する。
【0111】
また、例えば、外部装置5が、制御信号入力部60として、LAN(Local Area Network)の接続に使用される汎用の接続端子により構成されたLAN接続部(不図示)、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したUSBケーブルが接続されるUSB接続部(不図示)を備えるように構成してもよい。このように外部装置5がさらにLAN接続部等を備えている構成によれば、外部装置5の消費電力が大きくなるものの、制御部53への制御信号の入力について柔軟に対応できる。
【0112】
外部から入力された制御信号は、制御部53によって適宜処理されて、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号として、プロジェクタ2に出力される。具体的には、例えば、外部機器9からの制御信号を受信する制御信号受信部であるリモコン信号受信部61で受信したリモコン信号は、受信した形式とは異なる形式に変換される。即ち、リモコン信号受信部61で受信した制御信号を、受信した形式とは異なる形式に変換するための信号変換テーブルが記憶部54に記憶されており、制御部53が、この信号変換テーブルに基づいてリモコン信号を処理して、受信した形式とは異なる他の形式に変換する。なお、このような処理を行わずに、外部からのリモコン信号をそのままプロジェクタ2に出力する構成としてもよい。
【0113】
そして、外部装置5は、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号をプロジェクタ2に出力する制御信号出力部70として、リモコン信号送信部71と、被制御機器用接続部72と、RS232C接続部73とを備えている。
【0114】
リモコン信号送信部71は、プロジェクタ2と物理的に接続されることなく、制御信号の一種であるリモコン信号を外部装置5から送信する電子部品である。具体的には、例えば、リモコン信号送信部71は、リモコン信号を赤外線として送信する赤外線発光モジュールにより構成されている。また、リモコン信号送信部71は、リモコン信号を電波として送信するアンテナモジュールにより構成されていてもよい。
【0115】
被制御機器用接続部72は、外部機器9に対応した被制御機器であるプロジェクタ2を外部装置5に接続するための有線接続手段であって、プロジェクタ2のリモコン機器の有線接続に使用される専用の接続端子により構成されている。
【0116】
RS232C接続部73は、RS−232C規格に準拠した信号ケーブル73a(図1参照)を外部装置5に接続するための有線接続手段であって、シリアル転送通信の接続に使用される汎用の接続端子により構成されている。本実施形態においては、RS232C接続部73には、信号ケーブル73aを介してプロジェクタ2が接続される。
【0117】
以上のように構成された制御信号出力部70の各々から、プロジェクタ2に制御信号が出力される。即ち、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号が、リモコン信号送信部71、被制御機器用接続部72、及びRS232C接続部73のいずれかから出力される。本実施形態においては、RS232C接続部73から制御信号が出力される。
【0118】
また、制御信号出力部70であるRS232C接続部73は、プロジェクタ2から出力された信号が入力される信号入力部を兼ねている。即ち、RS232C接続部73を介して、外部装置5とプロジェクタ2は双方向通信を行う。これを利用し、制御部53は、RS232C接続部73に入力されたプロジェクタ2からの信号に基づいて、プロジェクタ2の動作態様を監視するとともに、その監視結果に基づいて出力電力制限部57を制御する。
【0119】
なお、制御信号入力部60と同様に、制御信号出力部70の構成は適宜変更してもよい。例えば、外部装置5が、リモコン信号送信部71や被制御機器用接続部72を備えない構成であってもよい。このように外部装置5の制御信号出力部70に係る構成が簡素であれば、外部装置5の消費電力が小さくなる。即ち、電源部58から制御信号出力部70を構成する各部に電力が供給されるため、制御信号出力部70に係る構成が簡素であれば、外部装置5における電力削減効果は向上する。
【0120】
また、例えば、外部装置5が、制御信号出力部70として、LANの接続に使用される汎用の接続端子により構成されたLAN接続部(不図示)、USB規格に準拠したUSBケーブルが接続されるUSB接続部(不図示)を備えるように構成してもよい。このように外部装置5がさらにLAN接続部等を備えている構成によれば、外部装置5の消費電力が大きくなるものの、外部装置5から電子機器への制御信号の出力について柔軟に対応できる。
【0121】
本実施形態においては、制御部53が、信号変換テーブルに基づいてリモコン信号を処理して、受信した形式とは異なる他の形式に変換する。このため、外部から入力された制御信号が制御部53で適宜処理されることにより、例えばリモコン信号受信部61を介して入力された制御信号を、リモコン信号送信部71だけでなくRS232C接続部73からも出力させることが可能である。
【0122】
本実施形態においては、操作部59の操作によって、または、外部機器8,9を用いて、外部装置5の動作が設定できるように構成されている。具体的には、本実施形態においては、制御信号入力部60の使用可否と、制御信号出力部70の使用可否と、制御部53が処理する制御信号と、電源投入と装置起動のタイミングと、装置停止と電源遮断のタイミングとが、設定できるように構成されている。
【0123】
制御信号入力部60の使用可否の設定は、具体的には、制御部53に制御信号を入力することを可能とすべき制御信号入力部60の選択である。即ち、外部装置5の周囲の赤外線ノイズ源の有無や、外部装置5の設置場所や、外部装置5の制御方法等を考慮して、制御部53への制御信号の入力を許可する制御信号入力部60が設定される。本実施形態においては、操作部59(電源供給オンキー59d及び電源供給オフキー59e)及びリモコン信号受信部61及びRS232C接続部63から制御部53へ制御信号が入力されるように設定されている。このように制御信号入力部60の各々の使用可否が設定されることにより、制御部53への制御信号の入力が許可されていない制御信号入力部60への電力供給が遮断されて、外部装置5の待機電力が削減される。
【0124】
また、制御信号出力部70の使用可否の設定は、具体的には、制御信号を電子機器に出力することを可能とすべき制御信号出力部70の選択である。即ち、外部装置5に接続される電子機器であるプロジェクタ2のインタフェースを考慮して、プロジェクタ2への制御信号の出力を許可する制御信号出力部70が設定される。本実施形態においては、RS232C接続部73からプロジェクタ2へ制御信号が出力されるように設定されている。なお、RS232C接続部73からだけでなく、リモコン信号送信部71からも制御信号が出力されるように設定されていてもよい。このように制御信号出力部70の各々の使用可否が設定されることにより、プロジェクタ2への制御信号の出力が許可されていない制御信号出力部70への電力供給が遮断されて、外部装置5の待機電力が削減される。
【0125】
また、制御部53が処理する制御信号の設定は、制御部53に入力される制御信号であって電子機器を制御するための信号の設定である。本実施形態においては、プロジェクタ2を作動状態とする旨の制御信号と、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の制御信号とが設定される。プロジェクタ2を作動状態とする旨の信号は、光源24を点灯させる信号であって、プロジェクタ2の動作態様を待機状態から作動状態に切り替える旨の信号である。また、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号は、光源24を消灯させる信号であって、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の信号である。上記信号の設定は、予め記憶部54に記憶されている制御信号を選択することにより設定されてもよく、入力された制御信号を記憶部54に記憶させて外部装置5に学習させることにより設定されてもよい。
【0126】
なお、制御部53が処理する制御信号の設定において、制御信号入力部60を介して入力される制御信号だけでなく、RS232C接続部73を介してプロジェクタ2から入力される信号が設定されるように構成してもよい。即ち、電子機器の動作態様を監視するために電子機器から入力される信号を記憶部54に記憶させて、外部装置5に学習させてもよい。
【0127】
また、電源投入と装置起動のタイミングの設定は、プロジェクタ2への電力供給を開始してから、プロジェクタ2を作動させる旨の制御信号を外部装置5からプロジェクタ2へ出力するまでの時間の設定である。例えば、プロジェクタ2へ電力供給が開始されると、直ちに、プロジェクタ2を作動させる旨の制御信号を外部装置5からプロジェクタ2へ出力させるように設定することが可能である。また、プロジェクタ2へ電力供給が開始されてから所定時間後に、プロジェクタ2を作動させる旨の制御信号を外部装置5からプロジェクタ2へ出力させるように設定することが可能である。さらに、プロジェクタ2へ電力供給が開始されてから、プロジェクタ2が待機状態へ移行したことを検知して、プロジェクタ2を作動させる旨の制御信号を外部装置5からプロジェクタ2へ出力させるように設定することが可能である。本実施形態においては、プロジェクタ2へ電力供給が開始されてから、プロジェクタ2が待機状態へ移行したことを検知して、プロジェクタ2を作動させる旨の制御信号を外部装置5からプロジェクタ2へ出力させるように設定されている。
【0128】
また、装置停止と電源遮断のタイミングの設定は、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の制御信号を外部装置5からプロジェクタ2へ出力してから、プロジェクタ2への電力供給を遮断するまでの時間の設定である。例えば、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の制御信号が外部装置5からプロジェクタ2へ出力されると、直ちに、プロジェクタ2への電力供給を遮断させるように設定することが可能である。また、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の制御信号が外部装置5からプロジェクタ2へ出力されてから所定時間後に、プロジェクタ2への電力供給を遮断させるように設定することが可能である。さらに、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の制御信号が外部装置5からプロジェクタ2へ出力されてから、プロジェクタ2が待機状態へ移行したことを検知して、プロジェクタ2への電力供給を遮断させるように設定することが可能である。本実施形態においては、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の制御信号が外部装置5からプロジェクタ2へ出力されてから、プロジェクタ2が待機状態へ移行したことを検知して、プロジェクタ2への電力供給を遮断させるように設定されている。
【0129】
上記の各設定は、制御信号入力部60を用いて行うことができる。即ち、操作部59(メニューキー59a及びセットキー59b及び選択変更キー59c)を操作することにより、外部装置5の動作を設定するための制御信号が制御部53に入力され、操作部59の操作内容に基づいて外部装置5の動作が設定される。従って、外部装置5は、制御部53による出力電力制限部57の制御を設定するために操作部59を備えており、制御部53は、操作部59を用いて設定された設定内容に基づいて出力電力制限部57を制御する構成となっている。また、外部機器8,9から制御信号入力部60を介して、外部装置5の動作を設定するための制御信号が制御部53に入力され、外部からの制御信号に基づいて外部装置5の動作が設定される。即ち、制御信号入力部60からは、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号だけでなく、外部装置5自体の動作を制御するための制御信号も入力される。
【0130】
以上のように外部装置5の動作が制御信号入力部60を用いて設定できるように構成されているため、外部装置5を接続する電子機器に応じて、外部装置5の動作を再設定することもできる。即ち、例えばプロジェクタ2の機種に応じた適切な動作を行うように、外部装置5の動作を設定し直すこともできる。
【0131】
次に、図6を参照しながら、プロジェクタ2を作動させる際の外部装置5の動作の流れを説明する。図6に示す動作は、外部装置5が電源1とプロジェクタ2とに接続されている状態であって、外部装置5からプロジェクタ2に電力が供給されていない状態(即ち、電源遮断状態)においてスタートする。
【0132】
図6に示すように、まず、外部装置5の制御部53は、プロジェクタ2を作動させる旨の信号が入力されたか否かを判断する(ステップS11)。即ち、ステップS11においては、操作部59である電源供給オンキー59d、リモコン信号受信部61、及びRS232C接続部63のいずれかの制御信号入力部60から、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が、制御信号として制御部53に入力されたか否かが判断される。
【0133】
プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号は、プロジェクタ2に映像を表示させるユーザーの意図を示す制御信号であって、プロジェクタ2の動作態様を作動状態とする旨の信号である。より具体的には、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号は、例えば、プロジェクタ2の動作態様を待機状態から作動状態に切り替える旨の信号である。
【0134】
プロジェクタ2を作動させる旨の信号が入力されたとステップS11において判断された場合には、外部装置5は、プロジェクタ2への電力供給を開始する(ステップS12)。即ち、ステップS12においては、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が制御信号として外部装置5に入力されたことが検知されると、外部装置5の制御部53が、プロジェクタ2に出力される電力の制限を禁止するように出力電力制限部57を制御する。より具体的には、制御部53は、リレー57aを閉状態として、プロジェクタ2に電力を出力するようにスイッチ部である出力電力制限部57を制御する。従って、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が制御信号として外部装置5に入力されたことが検知されない場合、即ち、プロジェクタ2を作動させる旨の信号が入力されていないとステップS11において判断された場合には、ステップS12の動作は行われずにステップS11の動作が繰り返される。
【0135】
次いで、外部装置5の制御部53は、プロジェクタ2が電源遮断状態から待機状態へ移行したか否かを判断する(ステップS13)。本実施形態においては、外部装置5は、プロジェクタ2から出力された信号が入力される信号入力部としてRS232C接続部73を備えており、制御部53は、RS232C接続部73に入力されたプロジェクタ2からの信号であって、プロジェクタ2の動作態様を示す信号に基づいて、プロジェクタ2が待機状態へ移行したか否かを判断する。なお、このようなプロジェクタ2の動作態様を示す信号の取得は、例えば、外部装置5が状態取得信号をプロジェクタ2へ送信し、待機状態となったプロジェクタ2が、外部装置5から送信された状態取得信号に応じて、プロジェクタ2の動作態様を示す信号として待機状態となったことを示す信号を外部装置5に送信することによって行われる。このような場合には、外部装置5は、待機状態となったことを示す信号が外部装置5から送信されるまでの間、状態取得信号を一定周期でプロジェクタ2へ送信する。
【0136】
プロジェクタ2が待機状態へ移行したとステップS13において判断された場合には、外部装置5の制御信号出力部70であるRS232C接続部73は、プロジェクタ2を作動させる旨の信号をプロジェクタ2へ出力する(ステップS14)。即ち、ステップS14においては、プロジェクタ2の動作態様が待機状態に移行した後に、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が、制御信号として外部装置5からプロジェクタ2へ出力される。従って、プロジェクタ2が待機状態となったことを示す信号をプロジェクタ2から検知できない場合、即ち、プロジェクタ2が待機状態に移行したとステップS13において判断されていない場合には、ステップS14の動作は行われずにステップS13の動作が繰り返される。
【0137】
以上のようにして、プロジェクタ2を作動させる旨の信号が制御部53に入力されると、ステップS12以降の一連の動作が行われる。即ち、外部装置5の制御部53は、制御信号としてプロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が制御部53に入力されたときには、プロジェクタ2に出力される電力の制限を禁止するように出力電力制限部57を制御する。
【0138】
次に、図7を参照しながら、プロジェクタ2の作動を停止させる際の外部装置5の動作の流れを説明する。図7に示す動作は、外部装置5が電源1とプロジェクタ2とに接続されている状態であって、プロジェクタ2の光源24が点灯している状態(即ち、プロジェクタ2の作動状態)においてスタートする。
【0139】
図7に示すように、まず、外部装置5の制御部53は、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の制御信号が入力されたか否かを判断する(ステップS21)。即ち、ステップS21においては、操作部59である電源供給オフキー59e、リモコン信号受信部61、及びRS232C接続部63のいずれかの制御信号入力部60から、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号が、制御信号として制御部53に入力されたか否かが判断される。
【0140】
プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号は、作動状態を禁止するユーザーの意図を示す制御信号であって、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から切り替える旨の信号である。より具体的には、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号は、例えば、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の信号である。
【0141】
プロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号が入力されたとステップS21において判断された場合には、外部装置5の制御信号出力部70であるRS232C接続部73は、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号をプロジェクタ2へ出力する(ステップS22)。即ち、ステップS22においては、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号が制御信号として外部装置5に入力されたことが検知されると、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号が、制御信号として外部装置5からプロジェクタ2へ出力される。従って、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号が制御信号として外部装置5に入力されたことが検知されない場合、即ち、プロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号が入力されていないとステップS21において判断された場合には、ステップS22の動作は行われずにステップS21の動作が繰り返される。
【0142】
次いで、外部装置5の制御部53は、プロジェクタ2が作動状態から待機状態へ移行したか否かを判断する(ステップS23)。上述のごとく、外部装置5は、プロジェクタ2から出力された信号が入力される信号入力部としてRS232C接続部73を備えており、制御部53は、RS232C接続部73に入力されたプロジェクタ2からの信号であって、プロジェクタ2の動作態様を示す信号に基づいて、プロジェクタ2が待機状態へ移行したか否かを判断する。
【0143】
プロジェクタ2が待機状態へ移行したとステップS23において判断された場合には、外部装置5は、プロジェクタ2への電力供給を遮断する(ステップS24)。即ち、ステップS24においては、プロジェクタ2の動作態様が待機状態に移行した後に、外部装置5の制御部53が、プロジェクタ2に出力される電力を制限するように出力電力制限部57を制御する。より具体的には、制御部53は、リレー57aを開状態として、プロジェクタ2に電力を出力しないようにスイッチ部である出力電力制限部57を制御する。従って、プロジェクタ2が待機状態となったことを示す信号をプロジェクタ2から検知できない場合、即ち、プロジェクタ2が待機状態に移行したとステップS23において判断されていない場合には、ステップS24の動作は行われずにステップS23の動作が繰り返される。
【0144】
以上のようにして、プロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号が制御部53に入力されると、ステップS22以降の一連の動作が行われる。即ち、外部装置5の制御部53は、制御信号としてプロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号が制御部53に入力されたときには、プロジェクタ2に出力される電力を制限するように出力電力制限部57を制御する。
【0145】
上述のごとく動作するプロジェクタ2及び外部装置5を備えた電子機器システムにおける、プロジェクタ2の動作態様の変化を、図8に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0146】
図8に示すように、上記ステップS12において外部装置5がプロジェクタ2への電力供給を開始すると、その直後に、プロジェクタ2は電力が供給されていない電源遮断状態から待機状態に移行する。そして、上記ステップS14において制御信号出力部70がプロジェクタ2を作動させる旨の信号をプロジェクタ2へ出力すると、その直後に、プロジェクタ2の動作態様が作動状態に移行する。
【0147】
また、図8に示すように、上記ステップS22において制御信号出力部70がプロジェクタ2の作動を停止させる旨の信号をプロジェクタ2へ出力すると、その直後に、映像信号処理部22及び光学系23への電力の供給が停止されて、プロジェクタ2の動作態様がクーリング状態に移行する。さらに、クーリング状態に移行してから所定時間後に、ファン駆動部28への電力の供給が停止されて、プロジェクタ2の動作態様が待機状態に移行する。そして、上記ステップS24において外部装置5がプロジェクタ2への電力供給を遮断すると、その直後に、プロジェクタ2は電力が供給されていない電源遮断状態に移行する。
【0148】
従って、本実施形態に係る電子機器システムにおいては、外部装置5が、プロジェクタ2に供給される電力を制限することによって、プロジェクタ2の動作態様が、待機状態に代えて、プロジェクタ2に供給される電力が制限された状態に切り替えられる。より具体的には、外部装置5が、プロジェクタ2に供給される電力を遮断することによって、プロジェクタ2の動作態様が、待機状態に代えて、プロジェクタ2に電力が供給されない電源遮断状態に切り替えられる。
【0149】
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)外部装置5は、電力が入力される電源入力部51と、電力をプロジェクタ2に出力する電源出力部52と、出力される電力を制限する出力電力制限部57と、出力電力制限部57を制御する制御部53と、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号を制御部53に入力する制御信号入力部60とを備えている。そして、制御部53は、制御信号としてプロジェクタ2の作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、プロジェクタ2に出力される電力を制限するように出力電力制限部57を制御する。即ち、本発明に係る外部装置5を介して電源1とプロジェクタ2とが接続された場合には、外部装置5が上記構成を備えているため、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の制御信号が制御部53に入力された場合に、プロジェクタ2への電力供給が抑制される。従って、外部装置5を介さずに電源1とプロジェクタ2とが物理的に直接接続されて消費電力の小さい待機状態となっても一定の電力が電子機器に供給され続ける場合に比べて、プロジェクタ2への電力供給を抑制して、プロジェクタ2の省エネルギー化を図ることができる。また、作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、プロジェクタ2に出力される電力が制限される。即ち、プロジェクタ2への電力供給の抑制が、作動状態を禁止する意図を示す制御信号の入力を待って行われる。従って、作動状態のプロジェクタ2への電力供給が唐突に抑制されないようにして、プロジェクタ2が作動状態となってから所定時間後に電力供給が抑制される場合に比べて、適切なタイミングでプロジェクタ2の省エネルギー化を図ることができる。さらに、プロジェクタ2への電力供給を抑制することを目的として、電源1と外部装置5とプロジェクタ2との物理的な接続を切断する必要がなくなる。即ち、電源1とプロジェクタ2とを接続するための電源ケーブル51a,52aを抜き差しする手間を省くことができる。よって、上記構成によれば、プロジェクタ2への電力供給を抑制する際の利便性を向上させるとともに、適切なタイミングでプロジェクタ2の省エネルギー化を図ることができる。また、待機状態における消費電力を低減する機能を内蔵していないという理由だけで電子機器が廃棄されることを抑制することが期待でき、環境への負荷の軽減が期待できる。
【0150】
(2)作動状態を禁止する旨の信号は、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から切り替える旨の信号である。このため、従来においてはプロジェクタ2に入力していた作動状態から切り替える旨の信号が、本発明に係る外部装置5が備える制御部53に入力されることにより、プロジェクタ2への電力供給が抑制される。即ち、従来においてプロジェクタ2に入力されていた信号を用いて、本発明に係る外部装置5がプロジェクタ2への電力供給を制御できる。
【0151】
(3)作動状態を禁止する旨の信号は、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の信号である。このため、作動状態から待機状態に切り替える旨の信号が、本発明に係る外部装置5が備える制御部53に入力されることにより、プロジェクタ2への電力供給が抑制される。従って、プロジェクタ2の動作態様を、消費電力の小さい待機状態に代えて、プロジェクタ2に供給される電力が制限された状態に切り替えることが可能となる。
【0152】
(4)出力電力制限部57は、電源出力部52からプロジェクタ2に電力を出力するか否かを切り替えるスイッチ部である。このため、電源出力部52からプロジェクタ2に電力を出力しないようにスイッチ部である出力電力制限部57が制御されることによって、外部装置5からプロジェクタ2への電力供給が遮断される。従って、プロジェクタ2の省エネルギー化を確実に図ることができる。
【0153】
(5)制御部53は、制御信号として作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、プロジェクタ2に電力を出力しないようにスイッチ部である出力電力制限部57を制御する。このため、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える旨の制御信号が制御部53に入力された場合に、外部装置5からプロジェクタ2への電力供給が遮断されて、プロジェクタ2の省エネルギー化を確実に図ることができる。
【0154】
(6)外部装置5は、プロジェクタ2から出力された信号が入力される信号入力部としてRS232C接続部73を備え、制御部53は、RS232C接続部73に入力されたプロジェクタ2からの信号に基づいて、プロジェクタ2の動作態様を監視するとともに、その監視結果に基づいて出力電力制限部57を制御する。このため、プロジェクタ2の動作態様が待機状態に切り替えられたか否か等を監視することが可能となる。従って、プロジェクタ2に出力される電力を制限する出力電力制限部57を、適切なタイミングで確実に制御することができる。
【0155】
(7)外部装置5は、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号をプロジェクタ2に出力する制御信号出力部70をさらに備えている。このため、プロジェクタ2は、外部装置5の制御信号出力部70から出力された制御信号に基づいて、作動状態から待機状態に切り替わったり、待機状態から作動状態に切り替わったりすることが可能となる。
【0156】
(8)制御信号出力部70であるRS232C接続部73は、制御信号として作動状態を禁止する旨の信号が制御部53に入力されたときに、プロジェクタ2の動作態様を待機状態に切り替える旨の信号を制御信号としてプロジェクタ2に出力する。このため、外部装置5のRS232C接続部73から出力された制御信号に基づいて、プロジェクタ2の動作態様が作動状態から待機状態に切り替わる。そして、制御部53は、プロジェクタ2の動作態様が待機状態に切り替えられた後に、プロジェクタ2に出力される電力を制限するように出力電力制限部57を制御する。このため、作動状態から待機状態に移行する際にプロジェクタ2の一部を冷却するための所定期間が設けられる場合に、この所定期間が経過後に、プロジェクタ2への電力供給が抑制される。従って、作動状態から待機状態へ移行する際に設けられることが好ましい所定の期間(即ち、プロジェクタ2の光源24の冷却期間)を確保することができる。
【0157】
(9)制御部53は、制御信号としてプロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号が入力されたときに、プロジェクタ2に出力される電力の制限を禁止するように出力電力制限部57を制御する。このため、プロジェクタ2への電力供給が抑制されないようになり、プロジェクタ2の動作態様を待機状態とすることができる。そして、制御信号出力部70であるRS232C接続部73は、プロジェクタ2に出力される電力の制限が禁止されることによってプロジェクタ2の動作態様が待機状態に切り替えられた後に、プロジェクタ2の動作態様を作動状態に切り替える旨の信号を制御信号としてプロジェクタ2に出力する。このため、直ちに作動状態へ移行することができない場合(例えば、作動状態に移行するために待機状態を経る必要がある場合)に、プロジェクタ2の動作態様を待機状態から作動状態に適切に切り替えることができる。
【0158】
(10)制御信号出力部70であるRS232C接続部73は、プロジェクタ2から出力された信号が入力される信号入力部を兼ねる。このため、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号をプロジェクタ2に出力する構成と、プロジェクタ2の動作態様を確認するための信号が入力される構成を、共用化することができる。
【0159】
(11)外部装置5は、制御信号出力部70を複数備えている。具体的には、外部装置5は、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号をプロジェクタ2に出力する制御信号出力部70として、リモコン信号送信部71と被制御機器用接続部72とRS232C接続部73とを備えている。このため、複数の手段のいずれかによりプロジェクタ2に制御信号を出力することが可能となる。
【0160】
(12)外部装置5は、外部からの制御信号を受信するリモコン信号受信部61を備えるとともに、リモコン信号受信部61で受信した制御信号を、受信した形式とは異なる形式に変換するための信号変換テーブルが記憶された記憶部54をさらに備えている。このため、記憶部54に記憶された信号変換テーブルを用いて制御信号の形式を変換して、制御信号出力部70から制御信号を出力することができる。具体的には、リモコン信号受信部61で受信した制御信号を、リモコン信号送信部71でなく、例えばRS232C接続部73から出力することができる。
【0161】
(13)外部装置5は、制御信号入力部60を複数備えている。具体的には、外部装置5は、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御部53に入力する制御信号入力部60として、操作部59とリモコン信号受信部61とリモコン機器用接続部62とRS232C接続部63とを備えている。このため、複数の手段のいずれかにより制御部53に制御信号を入力することが可能となる。
【0162】
(14)外部装置5は、制御部53による出力電力制限部57の制御を設定するための操作部59を備え、制御部53は、操作部59を用いて設定された設定内容に基づいて出力電力制限部57を制御する。従って、操作部59を用いて出力電力制限部57の制御を適宜設定し直すことにより、制御部53による制御を適宜変更することができる。
【0163】
(15)電子機器システムは、作動状態と、この作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態とが動作態様として切り替え可能なプロジェクタ2と、プロジェクタ2に電力を出力して供給するとともに、プロジェクタ2の動作態様を制御する外部装置5と、外部装置5からプロジェクタ2に出力される電力の供給元である電源1とを備えている。そして、外部装置5が、プロジェクタ2に供給される電力を制限することによって、プロジェクタ2の動作態様が、待機状態に代えて、プロジェクタ2に供給される電力が制限された状態に切り替えられる。このため、プロジェクタ2の動作態様を作動状態から待機状態に切り替える場合に、待機状態に代えて、プロジェクタ2に供給される電力が制限された状態に切り替えられるため、プロジェクタ2への電力供給が抑制される。従って、消費電力の小さい待機状態となっても一定の電力がプロジェクタ2に供給され続ける場合に比べて、プロジェクタ2への電力供給を抑制して、プロジェクタ2の省エネルギー化を図ることができる。また、プロジェクタ2の動作態様が、消費電力の小さい待機状態に代えて、プロジェクタ2に供給される電力が制限された状態に切り替えられる。即ち、プロジェクタ2が作動状態となっている時間は確保される。従って、作動状態のプロジェクタ2への電力供給が唐突に抑制されないようにして、プロジェクタ2が作動状態となってから所定時間後に電力供給が抑制される場合に比べて、適切なタイミングでプロジェクタ2の省エネルギー化を図ることができる。さらに、プロジェクタ2への電力供給を抑制することを目的として、電源1と外部装置5とプロジェクタ2との物理的な接続を切断する必要がなくなる。即ち、電源1とプロジェクタ2とを接続するための電源ケーブル51a,52aを抜き差しする手間を省くことができる。よって、上記構成によれば、プロジェクタ2への電力供給を抑制する際の利便性を向上させるとともに、適切なタイミングでプロジェクタ2の省エネルギー化を図ることができる。
【0164】
(16)外部装置5が、プロジェクタ2に供給される電力を遮断することによって、プロジェクタ2の動作態様が、待機状態に代えて、プロジェクタ2に電力が供給されない状態(即ち、電源遮断状態)に切り替えられる。このため、プロジェクタ2の省エネルギー化を確実に図ることができる。
【0165】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0166】
・上記実施形態のステップS13においては、プロジェクタ2からの信号であって、プロジェクタ2の動作態様を示す信号に基づいて、プロジェクタ2が電源遮断状態から待機状態へ移行したか否かが判断されていたが、所定時間経過したことに基づいて、プロジェクタ2が電源遮断状態から待機状態へ移行したか否かを判断してもよい。同様に、ステップS23において、所定時間経過したことに基づいて、プロジェクタ2が作動状態から待機状態へ移行したか否かを判断してもよい。このように構成することにより、プロジェクタ2の動作態様を示す信号が入力されない場合であっても、外部装置5は図6及び図7に示す一連の動作を行う。
【0167】
・上記実施形態においては、外部機器9からのリモコン信号は、リモコン信号受信部61で受信されて制御部53に入力されるように構成されていたが、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号が制御部53に入力される構成であれば、外部装置5と外部機器8,9との接続手段は適宜変更してもよい。例えば、図9に示すように、専用接続ケーブル62aにより、外部機器9が外部装置5に接続される構成であってもよい。この場合には、リモコン機器用接続部62を介して、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号等が制御部53に入力される。
【0168】
・上記実施形態においては、外部装置5のRS232C接続部73から、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号がプロジェクタ2に出力されるように構成されていたが、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号がプロジェクタ2に入力される構成であれば、外部装置5とプロジェクタ2との接続手段は適宜変更してもよい。例えば、図9に示すように、専用接続ケーブル72aにより、外部装置5がプロジェクタ2に接続される構成であってもよい。この場合には、被制御機器用接続部72が、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号をプロジェクタ2に出力し、リモコン機器用接続部33で、プロジェクタ2の動作態様を制御するための制御信号が受信される。
【0169】
・外部装置5に接続される電子機器はプロジェクタ2に限られない。即ち、テレビ受信装置やオーディオ機器等の他の電子機器に、本発明に係る外部装置5から電力を出力して供給する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0170】
1…電源、2…プロジェクタ(電子機器)、5…外部装置、5a…ライブ線、5b…ニュートラル線、5c…アース線、8,9…外部機器、21…映像信号入力部、22…映像信号処理部、23…光学系、24…光源、25…映像生成部、26…投射部、27…ファン、28…ファン駆動部、30…制御信号受信部、31…LAN接続部、32…RS232C接続部、33…リモコン機器用接続部、34…リモコン信号受信部、40…待機システム、41…制御部、42…記憶部、43…操作部、44…表示部、45…時間計測部、46…電源入力部、47…電源部、51…電源入力部、51a…電源ケーブル、51b,51c…電源端子、51d…接地端子、52…電源出力部、52a…電源ケーブル、52b,52c…電源端子、52d…接地端子、53…制御部、54…記憶部、55…表示部、55a,55b,55c,55d…LED表示部、55e…LCD表示部、56…時間計測部、57…出力電力制限部、57a…リレー、58…電源部、59…操作部、59a…メニューキー、59b…セットキー、59c…選択変更キー、59d…電源供給オンキー、59e…電源供給オフキー、60…制御信号入力部、61…リモコン信号受信部、62…リモコン機器用接続部、62a…専用接続ケーブル、63…RS232C接続部、63a…信号ケーブル、70…制御信号出力部、71…リモコン信号送信部、72…被制御機器用接続部、72a…専用接続ケーブル、73…RS232C接続部、73a…信号ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動状態と該作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態とが動作態様として切り替え可能な電子機器に、電力を出力して供給する電子機器の外部装置であって、
電源に接続されて電力が入力される電源入力部と、
前記電源入力部に入力された電力を前記電子機器に出力する電源出力部と、
前記電源出力部から前記電子機器に出力される電力を制限する出力電力制限部と、
前記出力電力制限部を制御する制御部と、
前記電子機器の動作態様を制御するための制御信号を前記制御部に入力する制御信号入力部とを備え、
前記制御部は、制御信号として前記作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、前記電子機器に出力される電力を制限するように前記出力電力制限部を制御する
ことを特徴とする外部装置。
【請求項2】
前記作動状態を禁止する旨の信号は、前記電子機器の動作態様を前記作動状態から切り替える旨の信号であることを特徴とする請求項1に記載の外部装置。
【請求項3】
前記作動状態を禁止する旨の信号は、前記電子機器の動作態様を前記作動状態から前記待機状態に切り替える旨の信号であることを特徴とする請求項2に記載の外部装置。
【請求項4】
前記出力電力制限部は、前記電源出力部から前記電子機器に電力を出力するか否かを切り替えるスイッチ部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項5】
前記制御部は、制御信号として前記作動状態を禁止する旨の信号が入力されたときに、前記電子機器に電力を出力しないようにスイッチ部を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の外部装置。
【請求項6】
前記電子機器から出力された信号が入力される信号入力部を備え、
前記制御部は、前記信号入力部に入力された前記電子機器からの信号に基づいて、前記電子機器の動作態様を監視するとともに、その監視結果に基づいて前記出力電力制限部を制御する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項7】
前記電子機器の動作態様を制御するための制御信号を前記電子機器に出力する制御信号出力部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項8】
前記制御信号出力部は、制御信号として前記作動状態を禁止する旨の信号が前記制御部に入力されたときに、前記電子機器の動作態様を前記待機状態に切り替える旨の信号を制御信号として前記電子機器に出力し、
前記制御部は、前記電子機器の動作態様が前記待機状態に切り替えられた後に、前記電子機器に出力される電力を制限するように前記出力電力制限部を制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の外部装置。
【請求項9】
前記制御部は、制御信号として前記電子機器の動作態様を前記作動状態に切り替える旨の信号が入力されたときに、前記電子機器に出力される電力の制限を禁止するように前記出力電力制限部を制御し、
前記制御信号出力部は、前記電子機器に出力される電力の制限が禁止されることによって前記電子機器の動作態様が前記待機状態に切り替えられた後に、前記電子機器の動作態様を前記作動状態に切り替える旨の信号を制御信号として前記電子機器に出力する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の外部装置。
【請求項10】
前記制御信号出力部は、前記電子機器から出力された信号が入力される信号入力部を兼ねることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項11】
前記制御信号出力部を複数備えていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項12】
前記制御信号入力部として、外部からの制御信号を受信する制御信号受信部を備えるとともに、
前記制御信号受信部で受信した制御信号を、受信した形式とは異なる形式に変換するための信号変換テーブルが記憶された記憶部をさらに備える
ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項13】
前記制御信号入力部を複数備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項14】
前記制御部による前記出力電力制限部の制御を設定するための操作部を備え、
前記制御部は、前記操作部を用いて設定された設定内容に基づいて前記出力電力制限部を制御する
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の外部装置。
【請求項15】
作動状態と該作動状態に比べて消費電力の小さい待機状態とが動作態様として切り替え可能な電子機器と、
前記電子機器に電力を出力して供給するとともに、前記電子機器の動作態様を制御する外部装置と、
前記外部装置から前記電子機器に出力される電力の供給元である電源とを備え、
前記外部装置が、前記電子機器に供給される電力を制限することによって、前記電子機器の動作態様が、前記待機状態に代えて、前記電子機器に供給される電力が制限された状態に切り替えられる
ことを特徴とする電子機器システム。
【請求項16】
前記外部装置が、前記電子機器に供給される電力を遮断することによって、前記電子機器の動作態様が、前記待機状態に代えて、前記電子機器に電力が供給されない状態に切り替えられることを特徴とする請求項15に記載の電子機器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−130643(P2011−130643A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289595(P2009−289595)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】