説明

多世帯住宅用インターホンシステム

【課題】自世帯の子機からの呼び出しを他世帯の親機へと自動的に転送させる、または他世帯の子機からの呼び出しを自世帯の親機へと自動的に転送させるための設定を、転送先の世帯にて容易に変更/解除可能とし、転送先にて行われる呼出報知および音声の放音等の動作を制御する。
【解決手段】自世帯子機1からの呼び出しを自世帯親機2が他世帯親機4へ呼出転送(子機呼出転送)する、または他世帯子機3からの呼び出しを他世帯親機が自世帯親機へ呼出転送(子機呼出転送)するにあたり、転送する親機側から子機呼出信号を送信するとともに呼出元の子機からの映像と音声とを転送し、転送先の親機の設定部23、43の操作により不揮発性メモリ25、45に予め保存されている設定データを検出したCPU26、46によって、例えば、スピーカ20、40からの放音実施または放音規制の制御、スピーカから放音させる音声および子機呼出音の音量を小さくする制御、スピーカからの音声および子機呼出音の放音、モニタ22、42の出画の3者の制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多世帯住宅用インターホンシステムに係り、特に、自世帯の子機からの呼び出しを他世帯の親機へと自動的に転送させる、または他世帯の子機からの呼び出しを自世帯の親機へと自動的に転送させることができる多世帯住宅用インターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のインターホンシステムとして、一方の世帯が留守の場合に他方の世帯用インターホン親機に対して音声信号および映像信号を転送することができる二世帯住宅用インターホン装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
従来例の二世帯住宅用インターホン装置によれば、各世帯のプライバシーを重視した使用動作を得ることができるとともに、一方の世帯が留守中に来訪者がきた場合であっても、他方の世帯にて応答することができ、来訪者に迷惑をかけることが少なくなる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−284993号公報(段落番号0018、0019、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来例の二世帯住宅用インターホン装置では、一方の世帯が留守の場合に他方の世帯用インターホン親機へと音声信号および映像信号を転送するにあたって、この転送設定は、転送元である一方の世帯のみが可能であり、転送先である他方の世帯ではその設定や解除を行うことができず、他方の世帯が転送を望まない時間帯、例えば、深夜等の時間帯において音声信号および映像信号が強制的に伝送されてくることにより、他方の世帯側に迷惑をかける虞があり世帯間の不要な干渉が発生していた。
【0006】
本発明は、前述の難点を解消するためになされたもので、自世帯の子機からの呼び出しを他世帯の親機へと自動的に転送させる、または他世帯の子機からの呼び出しを自世帯の親機へと自動的に転送させるための設定を、転送先の世帯にて容易に変更/解除可能とし、転送先にて行われる呼出報知および音声の放音等の動作を制御することができる多世帯住宅用インターホンシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するため、本発明の多世帯住宅用インターホンシステムは、自世帯の玄関に設置される自世帯子機と、自世帯の住戸内に設置される自世帯親機と、他世帯の玄関に設置される他世帯子機と、他世帯の住戸内に設置される他世帯親機とを備え、自世帯子機は自世帯ラインを介して自世帯親機に接続され、他世帯子機は他世帯ラインを介して他世帯親機に接続され、自世帯親機は親機間ラインを介して他世帯親機に接続されている。自世帯親機および他世帯親機のそれぞれは、子機の呼出ボタンの操作により生成される子機呼出信号を検出するためのCPUと、自世帯親機は自世帯子機からの呼び出しを他世帯親機へ呼出転送するために子機呼出転送し、他世帯親機は他世帯子機からの呼び出しを自世帯親機へ呼出転送するために子機呼出転送するにあたり、転送する親機側から子機呼出信号を送信するとともに子機からの映像と音声とを転送し、転送された親機側でモニタに出画し、子機からの音声と子機呼出音とをスピーカから放音し、スピーカからの放音実施または放音規制を制御するためのデータを不揮発性メモリに保存し、子機呼出信号に優先して不揮発性メモリのデータを読み取り、スピーカからの放音実施または放音規制を制御するためのCPUとを備えたものである。
【0008】
また、本発明の多世帯住宅用インターホンシステムにおいて、自世帯親機および他世帯親機のそれぞれは、不揮発性メモリに設定データを入力する際に、子機からの音声および子機呼出音を小さくする機能と、子機からの音声および子機呼出音と映像の3者を規制する機能の選択を行うための設定部を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の多世帯住宅用インターホンシステムによれば、自世帯子機からの呼び出しを自世帯親機が他世帯親機へ呼出転送(子機呼出転送)する、または他世帯子機からの呼び出しを他世帯親機が自世帯親機へ呼出転送(子機呼出転送)するにあたり、転送する親機側から子機呼出信号を送信するとともに呼出元の子機からの映像と音声とを転送し、転送先の親機の設定部の操作により不揮発性メモリに予め保存されている設定データを検出したCPUによって、例えば、スピーカからの放音実施または放音規制の制御、スピーカから放音させる音声および子機呼出音の音量を小さくする制御、スピーカからの音声および子機呼出音の放音、モニタの出画の3者の制御を行うことができ、他方の世帯が転送を望まない時間帯、例えば、深夜等の時間帯において他方の世帯側に迷惑をかけることがなくなり世帯間の不要な干渉を大幅に緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の多世帯住宅用インターホンシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例による多世帯住宅用インターホンシステムを、二世帯住宅用に適用した場合の構成を示すシステム説明図である。
【0012】
図1のシステム説明図に示す多世帯住宅用インターホンシステムは、自世帯の玄関(以下、自世帯玄関という。)に設置され、この自世帯玄関に居る来訪者が自世帯の住戸内(以下、自世帯内という。)および/または他世帯の住戸内(以下、他世帯内という。)に在室中の居住者を呼び出して通話を成立させるための自世帯子機1と、自世帯内に設置され、自世帯ラインL1を介して接続された自世帯子機1または後述する他世帯子機3からの呼び出しが報知され、当該自世帯子機または他世帯子機との間で通話を成立させるとともに、親機間ラインL3を介して接続された後述する他世帯親機4との間で呼び出し、通話を成立させるための自世帯親機2と、他世帯の玄関(以下、他世帯玄関という。)に設置され、この他世帯玄関に居る来訪者が他世帯内および/または自世帯内に在室中の居住者を呼び出して通話を成立させるための他世帯子機3と、他世帯内に設置され、他世帯ラインL2を介して接続された他世帯子機3または前述の自世帯子機1からの呼び出しが報知され、当該他世帯子機または自世帯子機との間で通話を成立させるとともに、親機間ラインL3を介して接続された前述の自世帯親機2との間で呼び出し、通話を成立させるための他世帯親機4とを備えている。
【0013】
図1のシステム説明図において、自世帯子機1および他世帯子機3は、それぞれ来訪者が呼出操作を行うための呼出ボタン10、30と、呼出操作を行った来訪者や玄関先(自世帯玄関先、他世帯玄関先)の周囲近傍の映像を撮像するためのCCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のカメラ11、31と、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するマイク12、32およびスピーカ13、33とを有している。
【0014】
また、自世帯親機2および他世帯親機4は、それぞれ来訪者からの呼び出しを報知するための子機呼出音が放音されるとともに、居住者が来訪者との間で通話を成立させるにあたり当該来訪者の音声(受話音声)が放音(出力)されるスピーカ20、40と、居住者が来訪者との間で通話を成立させるにあたり当該居住者の音声(送話音声)が入力されるマイク21、41と、自世帯子機1および他世帯子機3のカメラ11、31にて撮像された映像等を出画するためのLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のモニタ22、42と、スピーカ20、40にて前述の受話音声および子機呼出音を放音させるか否か(放音実施または放音規制)の設定機能、当該スピーカにて放音させる前述の受話音声および子機呼出音の音量を小さくするための設定機能、当該スピーカからの前述の受話音声および子機呼出音の放音およびモニタ22、42の出画を規制する機能の選択を行うための設定部、ここでは、タッチパネル23、43とを有している。
【0015】
図2は、本発明の実施例による多世帯住宅用インターホンシステムを、二世帯住宅用に適用した場合の具体的な構成を示すブロック図である。
【0016】
なお、図2のブロック図において、自世帯子機1および他世帯子機3についての図示および説明は、それぞれ省略する。
【0017】
図2のブロック図において、自世帯親機2には、図1のシステム説明図に示すスピーカ20、マイク21、モニタ22、タッチパネル(設定部)23と、モニタ22に出画させるデータ(映像データ)を生成するためのOSD(On Screen Display)回路24と、呼出ボタン30が操作された他世帯子機3から他世帯ラインL2を介して伝送されてくる子機呼出信号を検出した他世帯親機4の後述するCPU46の制御により当該自世帯親機へと子機呼出転送が行われた場合において、他世帯子機3のマイク32に入力された音声および当該他世帯子機3からの呼び出しがある旨の子機呼出音を当該自世帯親機のスピーカ20から放音させる、またはその放音を規制制御するためのデータ(以下、設定データという。)を保存するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリ25と、当該自世帯親機の構成各部/回路をそれぞれ制御するためのCPU26と、CPU26および自世帯ラインL1の間の信号伝送路を形成するためのインターフェース(以下、子機側I/Fという。)27と、CPU26および親機間ラインL3の間の信号伝送路を形成するためのインターフェース(以下、他親機側I/Fという。)28とが備えられている。
【0018】
また、他世帯親機4には、図1のシステム説明図に示すスピーカ40、マイク41、モニタ42、タッチパネル(設定部)43と、モニタ42に出画させるデータ(映像データ)を生成するためのOSD回路44と、呼出ボタン10が操作された自世帯子機1から自世帯ラインL1を介して伝送されてくる子機呼出信号を検出した自世帯親機2のCPU26の制御により当該他世帯親機へと子機呼出転送が行われた場合において、自世帯子機1のマイク12に入力された音声および当該自世帯子機からの呼び出しがある旨の子機呼出音を当該他世帯親機のスピーカ40から放音させる、またはその放音を規制制御するための設定データを保存するEEPROM等の不揮発性メモリ45と、当該他世帯親機の構成各部/回路をそれぞれ制御するためのCPU46と、CPU46および他世帯ラインL2の間の信号伝送路を形成するための子機側I/F47と、CPU46および親機間ラインL3の間の信号伝送路を形成するための他親機側I/F48とが備えられている。
【0019】
このように構成された本発明の実施例による多世帯住宅用インターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について図面を参照して説明する。
【0020】
図1のシステム説明図において、自世帯および他世帯のうち、ここでは、自世帯の居住者が外出等で当該自世帯内を不在とする留守時のように、自世帯親機2のモニタ22に予め出画されている転送ボタン(図示せず)がタッチパネル(設定部)23の操作により選択され、自世帯玄関に居る来訪者からの呼び出しを他世帯へと呼出転送(子機呼出転送)させるための設定が行われている場合において、自世帯玄関に居る来訪者が自世帯子機1の呼出ボタン10を操作すると、この自世帯子機1にて生成された子機呼出信号が自世帯ラインL1、図2のブロック図に示す自世帯親機2の子機側I/F27を介してCPU26へと伝送される。
【0021】
図2のブロック図において、自世帯親機2のCPU26は、自世帯子機1からの子機呼出信号をもとに自世帯玄関に居る来訪者からの呼び出しがあることを検出し、その旨の子機呼出音(音声メッセージを含む)をスピーカ20から放音させるとともに、OSD回路24を制御して同様に検出された自世帯玄関に居る来訪者からの呼び出しがある旨の絵や文字等の映像データをモニタ22に出画させるばかりでなく、子機側I/F27からCPU26を介してスピーカ20への間の通話路を形成し、さらに、自世帯子機1のカメラ11を駆動させるとともにマイク12から自世帯ラインL1の間への通話路を形成させるための制御信号を生成する。この制御信号は、CPU26から子機側I/F27、自世帯ラインL1を介して自世帯子機1へと伝送される。
【0022】
また、自世帯親機2のCPU26からの制御信号を検出した自世帯子機1は、カメラ11が駆動して自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者や当該自世帯玄関先の映像の撮像が開始されるとともに、マイク12から自世帯ラインL1への間の通話路が形成される。
【0023】
ここで、自世帯子機1のカメラ11にて撮像された映像は、適宜、信号処理された映像信号として、自世帯ラインL1、自世帯親機2の子機側I/F27を介してCPU26へと伝送される。また、自世帯子機1のマイク12に入力された来訪者の送話音声についても、適宜、信号処理された音声信号として、前述の映像信号と同様な経路を介して自世帯親機2のCPU26へと伝送される。
【0024】
また、自世帯子機1からの映像信号および音声信号をそれぞれ検出した自世帯親機2のCPU26は、OSD回路24を制御して自世帯子機1のカメラ11にて撮像された映像、すなわち、自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者や当該自世帯玄関先の映像をモニタ22に出画させるとともに、自世帯子機1のマイク12に入力された送話音声、すなわち、自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者の送話音声をスピーカ20から放音(出力)させて呼出報知を行う。
【0025】
また、自世帯子機1からの映像信号および音声信号をそれぞれ検出した自世帯親機2のCPU26は、自世帯子機1からの呼び出しがある旨の前述の子機呼出信号を他親機側I/F28、親機間ラインL3、他世帯親機4の他親機側I/F48を介してCPU46へと出力するとともに、自世帯子機1のカメラ11にて撮像された映像信号およびマイク12に入力された音声信号を、前述の子機呼出信号と同様な経路を介してそれぞれ他世帯親機4のCPU46へと出力する。
【0026】
さらに、他世帯親機4のCPU46は、自世帯親機2のCPU26からの子機呼出信号、映像信号および音声信号をそれぞれ検出すると、他世帯内に在室中の居住者によるタッチパネル(設定部)43の操作によって不揮発性メモリ45に予め保存されている設定データを読み出す。
【0027】
ここで、他世帯親機4のCPU46の制御により不揮発性メモリ45から読み出された設定データが、スピーカ40からの放音を実施する設定データであった場合、この設定データを検出したCPU46は、自世帯子機1からの呼び出しがある旨の子機呼出音(音声メッセージを含む)と自世帯子機1のマイク12に入力された送話音声、すなわち、自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者の送話音声とをスピーカ40から放音(出力)させるとともに、OSD回路44を制御して自世帯子機1のカメラ11にて撮像された映像、すなわち、自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者や当該自世帯玄関先の映像をモニタ42に出画させることができ、これらの呼出報知を確認した他世帯内に在室中の居住者がタッチパネル(設定部)43を操作して所定の応答操作を行うと、この応答操作を検出したCPU46および自世帯親機2のCPU26のそれぞれの制御により、他世帯内に在室中の居住者が使用するスピーカ40およびマイク41と、CPU46、他親機側I/F48、親機間ラインL3、自世帯親機2の他親機側I/F28、CPU26、子機側I/F27、自世帯ラインL1を介して自世帯玄関に居る来訪者が使用する自世帯子機1のマイク12およびスピーカ13との間の通話路が形成され、形成された通話路を介して音声信号を送受信させることによって通話が成立し、特に、他世帯内に在室中の居住者にとっては、自世帯玄関に居る来訪者の映像を確認しながら通話を成立させることができる。
【0028】
また、他世帯親機4のCPU46の制御により不揮発性メモリ45から読み出された設定データが、スピーカ40からの放音を実施するにあたり、深夜等の時間帯でその放音の音量を小さくするような設定データであった場合、この設定データを検出したCPU46は、自世帯子機1からの呼び出しがある旨の子機呼出音(音声メッセージを含む)と自世帯子機1のマイク12に入力された送話音声、すなわち、自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者の送話音声とを小さな音量でスピーカ40から放音(出力)させるとともに、OSD回路44を制御して自世帯子機1のカメラ11にて撮像された映像、すなわち、自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者や当該自世帯玄関先の映像をモニタ42に出画させることができ、これらの呼出報知のうち、前述の子機呼出音(音声メッセージ)と送話音声とを騒音にならないような小さな音量で不快を感じずに確認した他世帯内に在室中の居住者がタッチパネル(設定部)43を操作して所定の応答操作を行うと、この応答操作を検出したCPU46および自世帯親機2のCPU26のそれぞれの制御により前述の通話路が形成され、形成された通話路を介して音声信号を送受信させることによって通話が成立し、特に、他世帯内に在室中の居住者にとっては、自世帯玄関に居る来訪者の映像を確認しながら通話を成立させることができる。
【0029】
また、他世帯親機4のCPU46の制御により不揮発性メモリ45から読み出された設定データが、スピーカ40からの放音を規制する設定データの場合、この設定データを検出したCPU46は、前述の子機呼出音(音声メッセージ)と送話音声とをスピーカ40から放音させずに、OSD回路44のみを制御して自世帯子機1のカメラ11にて撮像された映像、すなわち、自世帯玄関にて呼出操作を行った来訪者や当該自世帯玄関先の映像をモニタ42に出画させることができ、他世帯内に在室中の居住者によって来訪者の識別が行われ、必要に応じて前述の通話を成立させることもできる。
【0030】
さらに、他世帯親機4のCPU46の制御により不揮発性メモリ45から読み出された設定データが、スピーカ40からの放音およびモニタ42の出画を規制する設定データの場合、例えば、他世帯側で自世帯からの子機呼び出しの転送を望まない設定データの場合、前述のような呼出報知(スピーカ40からの放音、モニタ42の出画)は何ら行われず他方の世帯側に迷惑をかけることはない。
【0031】
前述の説明から明らかなように、他世帯親機4のCPU46の制御により不揮発性メモリ45から読み出された設定データの相違により、自世帯子機1からの呼び出しがある旨の呼出報知を他世帯親機4にて任意に変更/解除することができる。
【0032】
なお、前述の実施例における説明では、自世帯および他世帯のうち、自世帯の居住者が外出等で当該自世帯内を不在とする留守時のように、自世帯親機2のモニタ22に予め出画されている転送ボタン(図示せず)がタッチパネル(設定部)23の操作により選択され、自世帯玄関に居る来訪者からの呼び出しを他世帯へと呼出転送(子機呼出転送)させるための設定が行われ、自世帯玄関に居る来訪者が自世帯子機1の呼出ボタン10を操作した場合について説明したが、これに限定されず、他世帯の居住者が外出等で当該他世帯内を不在とする留守時のように、他世帯親機4のモニタ42に予め出画されている転送ボタン(図示せず)がタッチパネル(設定部)43の操作により選択され、他世帯玄関に居る来訪者からの呼び出しを自世帯へと呼出転送(子機呼出転送)させるための設定が行われ、他世帯玄関に居る来訪者が他世帯子機3の呼出ボタン30を操作した場合についても、自世帯親機2のCPU26の制御により不揮発性メモリ25から読み出される設定データの相違により、他世帯子機3からの呼び出しがある旨の呼出報知を自世帯親機1にて任意に変更/解除することができる。
【0033】
また、前述の実施例における説明では、当該多世帯住宅用インターホンシステムを二世帯住宅用に適用した場合について説明したが、この世帯数に限定されず、三世帯やそれ以上の世帯数用に適用させることもできる。この場合には、各種の信号に固有のアドレス等を付加して、どの世帯の機器に送信される信号かを識別できるようにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例による多世帯住宅用インターホンシステムを、二世帯住宅用に適用した場合の構成を示すシステム説明図。
【図2】本発明の実施例による多世帯住宅用インターホンシステムを、二世帯住宅用に適用した場合の具体的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0035】
1……自世帯子機
10……呼出ボタン
2……自世帯親機
20……スピーカ
22……モニタ
23……タッチパネル(設定部)
25……不揮発性メモリ
26……CPU
3……他世帯子機
30……呼出ボタン
4……他世帯親機
40……スピーカ
42……モニタ
43……タッチパネル(設定部)
45……不揮発性メモリ
46……CPU
L1……自世帯ライン
L2……他世帯ライン
L3……親機間ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自世帯の玄関に設置される自世帯子機(1)と、前記自世帯の住戸内に設置される自世帯親機(2)と、他世帯の玄関に設置される他世帯子機(3)と、前記他世帯の住戸内に設置される他世帯親機(4)とを備え、前記自世帯子機は自世帯ライン(L1)を介して前記自世帯親機に接続され、前記他世帯子機は他世帯ライン(L2)を介して前記他世帯親機に接続され、前記自世帯親機は親機間ライン(L3)を介して前記他世帯親機に接続され、
前記自世帯親機および前記他世帯親機のそれぞれは、子機の呼出ボタン(10、30)の操作により生成される子機呼出信号を検出するためのCPU(26、46)と、前記自世帯親機は前記自世帯子機からの呼び出しを前記他世帯親機へ呼出転送するために子機呼出転送し、前記他世帯親機は前記他世帯子機からの呼び出しを前記自世帯親機へ呼出転送するために子機呼出転送するにあたり、転送する親機側から子機呼出信号を送信するとともに子機からの映像と音声とを転送し、転送された親機側でモニタ(22、42)に出画し、子機からの音声と子機呼出音とをスピーカ(20、40)から放音し、前記スピーカからの放音実施または放音規制を制御するためのデータを不揮発性メモリ(25、45)に保存し、前記子機呼出信号に優先して前記不揮発性メモリのデータを読み取り、前記スピーカからの放音実施または放音規制を制御するためのCPU(26、46)とを備えたことを特徴とする多世帯住宅用インターホンシステム。
【請求項2】
前記自世帯親機および前記他世帯親機のそれぞれは、前記不揮発性メモリに設定データを入力する際に、子機からの音声および子機呼出音を小さくする機能と、子機からの音声および子機呼出音と映像の3者を規制する機能の選択を行うための設定部(23、43)を備えたことを特徴とする請求項1記載の多世帯住宅用インターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−101197(P2006−101197A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284897(P2004−284897)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】