説明

多元無線アクセス技術における測位のための支援データ

移動局がアタッチされていない第1のワイヤレスネットワークからの地上支援データに基づいて移動局の位置を決定するための装置及び方法である。すなわち、移動局は、第1のワイヤレスネットワークから地上支援データを受信することと、第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に第1のワイヤレスネットワークからタイミング測定値などのロケーション情報を取得して、この移動局の位置を決定するために地上支援データを使用することとが可能である。第1のワイヤレスネットワークは、移動局が加入させられ、アタッチすることができるネットワークであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、合衆国法典第35巻第119条(e)の下で、2009年8月14日付けで出願された、「多元無線アクセス技術におけるユーザ機器に基づく測位のための支援データの送信(TRANSMISSION OF ASSISTANCE DATA FOR USER EQUIPMENT BASED POSITIONING IN MULTIPLE RADIO ACCESS TECHNOLOGIES)」と題する米国仮特許出願第61/234196号に基づく利益及び優先権を主張し、この米国仮特許出願は、参照によって本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[背景]
I.発明の分野
本発明は、位置決定システムに関し、より具体的には、ワイヤレス通信信号を使用するハイブリッド測位に関する。
【0003】
II.背景
1つ又は複数のワイヤレス・セルラ・ネットワーク(例えば、セルラ電話ネットワーク)にアクセスしている移動局の位置測位を実行するため、いくつかのアプローチは、いくつかの個々の基地局と、セルラ電話機のような移動局との間で送信された基地局のタイミング情報の使用に基づいて3辺測量を実行する。CDMAにおけるアドバンスト・フォワード・リンク3辺測量(AFLT(Advanced Forward Link Trilateration))、GSM(登録商標)における強化観測時間差(E−OTD)、又はWCDMAにおける観測到達時間差(OTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)と称される1つのアプローチは、移動局でいくつかの個々の基地局から送信された信号の相対到達時間を測定する。これらの時間は、ロケーション・サーバ(例えば、CDMAにおける位置決定エンティティ(PDE(Position Determination Entity)))に転送可能であり、この位置決定エンティティがこれらの受信時刻を使用して移動局の位置を算出する。これらの基地局での送信時刻は、特殊な時点において、複数の基地局と関連付けられた日時が指定されたエラーバウンドの範囲内にあるように調整される。基地局の正確な位置と、受信時刻とは、移動局の位置を決定するために使用される。
【0004】
図1は、基地局101からの信号の受信時刻(TR1、TR2及びTR3)が移動局111で測定されるAFLTシステムの一実施例を示す。このタイミングデータは、その後、移動局111の位置を計算するために使用されることがある。このような計算は、移動局111によって、このように取得されたタイミング情報がロケーション・サーバ115へ転送される場合に、移動局111、又はロケーション・サーバ115で行われることがある。典型的に、受信時刻は、基地局101のうちの1台を経由してロケーション・サーバ115へ通信される。ロケーション・サーバ115は、1台又は複数の移動スイッチングセンタ(MSC 113)を経由して基地局101からデータを受信するために結合されている。ロケーション・サーバ115は、基地局101のロケーション、及び/又は、基地局101のカバレッジエリア、及び/又は、いずれかの対の基地局101の間の信号送信時間の小さい差を提供する基地局アルマナック(BSA(base station almanac))サーバを含むことがある。代替的に、ロケーション・サーバ115とBSAサーバとは、互いに分離していてもよく、ロケーション・サーバ115は、位置決定の目的で基地局アルマナックを取得するために基地局101と通信する。MSC113は、信号(例えば、音声通信)を陸線公衆電話交換網(PSTN117)との間で授受するので、信号は、他の電話機(例えば、PSTN117上の陸線電話機(land-line phone)、又は他の移動電話機111)への移動局111との間で伝達されることがある。いくつかの場合、ロケーション・サーバ115は、セルラリンクを介してMSC113とさらに通信することがある。ロケーション・サーバ115は、数台の基地局101からの電波の相対的なタイミングを決定する目的で、直接的に、又は外部測定ユニットを使用して、これらの電波を監視することもある。
【0005】
アップリンク到達時間(UTOA(Uplink Time of Arrival))と称される別のアプローチでは、移動局111からの信号の受信時刻は、数台の基地局101で測定される。図1は、TR1、TR2及びTR3の矢印が反転された場合、この場合に適用できる。タイミングデータは、その後、移動局111の位置を算出するためにロケーション・サーバ115へ通信されることがある。
【0006】
さらに位置測位を行う第3の方法は、移動局111における米国全地球測位衛星(GPS(Global Positioning System))システム、又はロシアGLONASSシステム、及び欧州ガリレオシステム案などの衛星測位システム(SPS(Satellite Positioning System))、或いは衛星と擬似衛星との組み合わせのための回路の使用を含む。擬似衛星は、一般にSPS時刻と同期させられた、Lバンド搬送波信号に変調された(GPS信号に類似する)PN符号をブロードキャストする地上送信機である。各送信機は、移動局111による識別を可能にするために固有PN符号が割り当てられることがある。擬似衛星は、トンネル、鉱山、建物、又は他の囲われたエリアのような、周回軌道衛星からのSPS信号が利用できないかもしれない状況で役立つ。本明細書で使用されるように用語「衛星」は、擬似衛星、又は、擬似衛星の均等物を含むことが意図されている。本明細書で使用されるように用語GPS信号は、SPS信号、及び擬似衛星若しくは擬似衛星の均等物からのSPSのような信号を含むことが意図されている。同様に、本明細書で使用されるように、用語GPS衛星及びGPS受信機は、他のSPS衛星及びSPS受信機を含むことが意図されている。移動局111の位置を決定するためにSPS受信機を使用する方法は、完全に自律的である(SPS受信機が支援なしに移動局111の位置を決定する)か、又は支援データ(assistance data)を提供する、又は位置算出中に共有するワイヤレスネットワークを利用することがある。このような方法の例は、米国特許第6208290号明細書、米国特許第5841396号明細書、米国特許第5874914号明細書、米国特許第5945944号明細書、及び米国特許第5812087号明細書に開示される。例えば、これらの特許文献は、特に、受信機の位置を決定するためにSPS信号と組み合わせて使用される正確な時刻情報をセルラ電話送信信号から取得する方法と、移動局111の位置を決定するために視野内の衛星のドップラー周波数シフトを移動局111上の受信機へ送信する方法と、受信機がこの受信機の位置を決定するのに役立つための衛星アルマナックデータ(又は暦データ)を受信機へ送信する方法と、SPS信号捕捉のために受信機で基準信号を供給するためにセルラ電話システムの信号を正確な搬送波周波数にロックする方法と、SPS信号処理時間を短縮するように近似ドップラーを決定するために受信機の近似ロケーションを使用する方法と、受信機の位置を決定する目的で、レコードのうちの1つが受信機で受信される時刻を決定するために受信された衛星データメッセージの異なるレコードを比較する方法とを記載している。実際の低コスト実装形態では、移動セルラ通信受信機及びSPS受信機はどちらも同じエンクロージャの中に一体化され、実際には、共通電子回路を共有することがある。
【0007】
上記方法のさらに別の変形形態では、基地局101から移動局111へ送信され、次に返送される信号に対し、ラウンド・トリップ遅延(RTD(round trip delay))が(例えば、基地局101によって)見つけられる。同様の代替的な方法では、移動局111から基地局101へ送信され、次に返送される信号に対し、ラウンド・トリップ遅延が(例えば、移動局111によって)見つけられる。個々のこれらのラウンド・トリップ遅延は、一方向伝搬遅延の推定値を決定するために2分割される。基地局101のロケーション、及び一方向遅延の情報は、移動局111のロケーションを地上の円に制約する。別個の基地局101からのこのような2個の測定値は、その結果、2つの円の交点を生じ、この交点は、次に、ロケーションを地上の2点に制約する。第3の測定量は(到達角又はセルセクタ識別表示でも)曖昧性を解消する。
【0008】
AFLT、又はU−TDOAのいずれかとSPSシステムとの組み合わせは、「ハイブリッド」システムと称されることがある。例えば、米国特許第5999124号明細書は、特に、セルベースの送受信機の位置が少なくともi)セルベースの送受信機と通信システムとの間のセルベースの通信信号中のメッセージの走行時間を表現する時間測定値と、ii)SPS信号の走行時間を表現する時間測定値との組み合わせから決定されるハイブリッドシステムについて記載する。
【0009】
高度支援は、移動局111の位置を決定するために様々な方法で使用されている。高度支援は、典型的に、高度の擬似測定に基づいている。移動局111のロケーションの高度についての情報は、移動局111の候補位置を、中心が地球の中心に位置している球体の表面(又は楕円)に制約する。この情報は、移動局111の位置を決定するために必要とされる独立した測定値の個数を低減するため使用されることがある。例えば、米国特許第6061018号明細書は、特に移動局111と通信するセルサイト送信機を有するセルサイトでもよいセルオブジェクトの情報から推定高度が決定される方法について記載する。
【発明の概要】
【0010】
開示されているのは、移動局の位置を決定するための装置及び方法である。一部の態様によれば、開示されているのは、移動局の推定位置を決定するための方法であって、第1のワイヤレスネットワークから、第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える第1のネットワークのための地上支援データ(terrestrial assistance data)を備える支援データを受信することと、第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない(unattached)間に、第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データに基づいて第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得することと、ロケーション情報に基づいて移動局の推定位置を決定することと、を備える方法である。
【0011】
一部の態様によれば、開示されているのは、移動局の推定位置を決定するための移動局であって、第1のワイヤレスネットワークから、第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える、第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信する受信機と、第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データに基づいて第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得するための命令、及びロケーション情報に基づいて移動局の推定位置を決定するための命令を備えるプロセッサ、及びメモリとを備える装置である。
【0012】
一部の態様によれば、開示されているのは、移動局の推定位置を決定するための移動局であって、第1のワイヤレスネットワークから、第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信する手段と、第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データに基づいて第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得する手段と、ロケーション情報に基づいて移動局の推定位置を決定する手段と、を備える移動局である。
【0013】
一部の態様によれば、開示されているのは、プロセッサ及びメモリを備える移動局であって、メモリは、第1のワイヤレスネットワークから、第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信することと、第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データに基づいて第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得することと、ロケーション情報に基づいて移動局の推定位置を決定することと、の各命令を含む移動局である。
【0014】
一部の態様によれば、開示されているのは、移動局によって使用されるための記憶されたプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、第1のワイヤレスネットワークから、第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信するプログラムコードと、第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データに基づいて第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得するプログラムコードと、ロケーション情報に基づいて移動局の推定位置を決定するプログラムコードとを備えるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0015】
実例として様々な態様が図示され、記載された以下の詳細な説明を読むことにより他の態様が当業者に容易に理解できることが分かる。図面及び詳細な説明は、限定としてではなく、本質的に例示としてみなされるべきである。
【0016】
発明の実施形態は、図面を参照して、単に実施例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、移動セルラ装置の位置を決定するセルラネットワークの一実施例を示す図である。
【図2】図2は、本発明と共に使用されることがあるサーバの一実施例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による移動局を表すブロック図である。
【図4】図4は、ハイブリッド測位システムの一実施例を示す図である。
【図5】図5は、ハイブリッド測位システムの別の実施例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の一部の実施形態による移動局と、第1のワイヤレスネットワークとの間のフローを示す図である。
【図7】図7は、本発明の一部の実施形態による地上支援データの例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の一部の実施形態による移動局と、第1及び第2のワイヤレスネットワークとの間のフローを示す図である。
【図9】図9は、本発明の一部の実施形態による移動局、と第1及び第2のワイヤレスネットワークとの間のフローを示す図である。
【図10】図10は、本発明の一部の実施形態による移動局と、第1及び第2のワイヤレスネットワークとの間のフローを示す図である。
【図11】図11は、本発明の一部の実施形態によるインターRAT再選択後に支援データを引き続き使用する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面と関連して以下に記載された詳細な説明は、本発明の様々な態様の説明として意図され、本開示が実施されることがある態様だけを表すことは意図されていない。本開示に記載された個々の態様は、単に本開示の実施例又は例示として挙げられているが、必ずしも他の態様より好ましいもの又は有利なものとして解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の完全な理解をもたらす目的のため具体的な詳細を含む。しかし、本開示がこれらの具体的な詳細を用いることなしに実施されてもよいことが当業者に理解されるであろう。一部の事例では、周知の構造及び装置が本開示の概念が不明瞭になることを避けるためにブロック図形式で示される。頭字語及び他の記述的用語は、単に便宜と明瞭さとのため使用されることがあるが、開示の範囲を制限することが意図されていない。
【0019】
本明細書に記載された推定位置を決定するための位置決定技術は、ワイヤレス・ワイド・エリア・ネットワーク(WWAN)、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)などのような様々なワイヤレス通信ネットワークネットワークと併せて実施されることがある。用語「ネットワーク」及び「システム」は、しばしば互換的に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、ロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワーク、WiMAX(IEEE802.16)ネットワークなどでもよい。
【0020】
CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W−CDMA)などのような1つ又は複数の無線アクセス技術(RAT)を実施することがある。cdma2000は、IS−95規格、IS−2000規格、及びIS−856規格を含む。TDMAネットワークは、全地球移動通信システム(GSM(登録商標))システム、デジタル先進移動電話システム(D−AMPS)、又はある種の他の無線アクセス技術(RAT)を用いて実施されることがある。GSM規格、W−CDMA規格及びLTE規格は、「第3世代パートナーシップ・プロジェクト」(3GPP)と称されるコンソーシアムからの文書に記載されている。cdma2000規格は、「第3世代パートナーシップ・プロジェクト2」(3GPP2)と称されるコンソーシアムからの文書に記載されている。3GPP文書及び3GPP2文書は、公的に入手可能である。WLANは、IEEE802.11x規格を用いて実施されることがある。WPANは、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.15x、又は他の規格を用いて実施されることがある。これらの技法は、WWLAN、WLAN及び/又はWPANのどのような組み合わせと共に実施されてもよい。
【0021】
衛星測位システム(SPS)は、典型的に、エンティティが地表、又は地表の上のこれらのエンティティのロケーションを決定することを可能にするために位置決めされている送信機のシステムを含み、少なくとも部分的に送信機から受信された信号に基づいている。このような送信機は、典型的に、一定数のチップからなる繰り返しの擬似ランダム雑音(PN)符号のマークが付けられた信号を送信し、地上ベースの制御局、ユーザ機器、及び/又は、宇宙飛行体に配置されることがある。特殊な例では、このような送信機は、地球周回人工衛星(SV)に配置されることがある。例えば、全地球測位システム(GPS)、ガリレオ、GLONASS、又は、コンパスなどの全地球航法衛星システム(GNSS)のコンステレーション内のSVは、(例えば、異なる位相をもつPN符号を使用して、GPSの場合のように衛星毎に異なるPN符号を使用して、又は、GLONASSの場合のように異なる周波数に同じ符号を使用して)コンステレーション内の他の複数のSVによって送信されたPN符号と区別できるPN符号のマークが付けられた信号を送信することがある。ある態様によれば、本明細書に提示された技法は、SPSのための全地球システム(例えば、GNSS)に限定されない。例えば、本明細書に提示された技法は、様々な地域システム(例えば、日本上空を通る準天頂衛星システム(QZSS)、インド上空のインド地域航法衛星システム(IRNSS)、中国上空のBeidouなど)、及び/又は、1つ又は複数の全地球及び/又は地域航法衛星システムと関連付けられるか、又はそうでない場合は1つ又は複数の全地球及び/又は地域航法衛星システムと共に用いることが可能にされることがある様々な補強システム(例えば、衛星ベースの補強システム(SBAS))に適用されるか、又はそうでない場合、様々な地域システム、及び/又は、様々な補強システムで用いることが可能にされることがある。限定されることのない実施例として、SBASシステムは、完全性情報、差分補正などを与える1つ又は複数の補強システム(例えば、広域補強システム(WAAS)、欧州静止航法オーバーレイ・サービス(EGNOS)、多機能衛星補強システム(MSAS)、GPS支援Geo補強航法又はGPS・Geo補強航法システム(GAGAN)、及び/又は、同様のもの)を含むことがある。このように、本明細書で使用されるように、SPS又はGPSは、1つ又は複数の全地球及び/又は地域航法衛星システム及び/又は補強システムの任意の組み合わせを含むことがあり、SPS信号は、SPS信号、SPSのような信号、及び/又は、このような1つ又は複数のSPSと関連付けられた他の信号を含むことがある。
【0022】
本明細書で使用されるように、移動局111(MS)は、移動装置、セルラ電話機、若しくは、他のワイヤレス通信装置のような装置、個人通信システム(PCS)装置、個人ナビゲーション・システム(PND(personal navigation device))、個人情報マネージャ(PIM(personal information manager))、個人情報端末(PDA(personal digital assistant))、ラップトップ、タブレット、スマートブック、ノートブック、又はワイヤレス通信信号、及び/又は、ナビゲーション信号を受信する能力がある他の適当な装置に言及する。移動局111という用語は、衛星信号受信、支援データ受信、及び/又は、位置関連処理が移動局111で行われるか、又は遠隔的に行われるかとは無関係に、短距離ワイヤレス接続、赤外線接続、有線接続、又は他の接続などを用いて、個人ナビゲーション装置(PND)と通信する装置を含むことをさらに意図している。同様に、移動局111は、インターネット、Wi−Fi、又は他のネットワークを介して、かつ、衛星信号受信、支援データ受信、及び/又は、位置関連処理が移動局111、サーバ、又はネットワークと関連した別の装置で行われるかどうかとは無関係に、サーバと通信する能力をもつワイヤレス通信装置、コンピュータ、ラップトップなどといったすべての装置を含む。上記のいずれの実施可能な組み合わせも移動局と考えられる。移動局は、ユーザ機器(UE)と称されることもある。
【0023】
前述の図1と後述の図2から図5は、同様に、米国特許出願第10/877205号(米国特許出願公開第20050037775号)明細書、2004年6月25日付けで出願された、「ワイヤレス・ネットワーク・ハイブリッド測位のための方法及び装置(Method and apparatus for wireless network hybrid positioning)」と題する米国出願第10/877205号(出願公開第20050037775号)明細書に記載され、この米国出願は、全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0024】
図2は、データ処理システムの実施例を示し、このデータ処理システムは、ロケーション・サーバ115を含む。例えば、米国特許第5841396号明細書に記載されるように、ロケーション・サーバ115は、ドップラー又は他の衛星支援データのような支援データを移動局111に提供することがある。ロケーション・サーバ115、移動局111、又は異なったサーバなどのエンティティは、(移動局111からの擬似距離、及び/又は、擬似距離を決定することができる他のデータのような測定値を受信した後に)最終的な位置算出を実行する。エンティティは、その後、この最終的な位置算出を基地局101又はある種の他のシステムへ転送することがある。ロケーション・サーバ115は、典型的に、1台又は複数のモデム、及び/又は、1台又は複数のネットワークインターフェースなどの、様々な通信装置への1台又は複数のインターフェース212を含む。ロケーション・サーバ115は、(複数の)インターフェース212を経由してバックボーンネットワーク220に結合されることがある。このようなバックボーンネットワーク220は、別のロケーション・サーバ115、PSTN117、MSC113、1台又は複数のGPS受信機227、イントラネット、基地局101、及び他のエンティティなどの1台又は複数の他の装置への接続を含むことがある。
【0025】
複数の基地局101は、典型的に、無線カバレッジと一体となった地理的エリアをカバーするように配置されている。これらの複数の基地局101の一部は、少なくとも1台のMSC 113に結合されている。したがって、複数台の基地局101は、地理的に分布しているが、MSC113によって一緒に結合されている。バックボーンネットワーク220は、1台又は複数のGPS受信機227のネットワークに接続されていることがあり、これらのGPS受信機は、差分GPS情報を提供し、移動局111の位置を算出するのに用いられるGPS暦データをさらに提供する。バックボーンネットワーク220は、(複数の)インターフェース212を経由してロケーション・サーバ・プロセッサ203に結合されている。バックボーンネットワーク220は、他のコンピュータ、又は、ネットワークコンポーネントに同様に接続されていることがある。さらに、バックボーンネットワーク220は、911電話呼に応答する緊急通報受理機関のような緊急オペレータによって運用されるコンピュータシステムに接続されていることがある。ロケーション・サーバ115を使用する方法の様々な例は、米国特許第5841396号明細書、米国特許第5874914号明細書、米国特許第5812087号明細書、及び、米国特許第6215442号明細書を含む数多くの米国特許に記載されている。
【0026】
ロケーション・サーバ115は、ロケーション・サーバ・プロセッサ203(例えば、マイクロプロセッサ)と、ランダム・アクセス・メモリ(不揮発性RAM205)と、揮発性メモリ206と、リード・オンリ・メモリ(ROM207)とに結合されているバス202を含む。ロケーション・サーバ・プロセッサ203は、キャッシュメモリ204に結合されている。バス202は、これらの様々なコンポーネントを1つに相互接続する。図2は、不揮発性メモリ206がロケーション・サーバ115内の残りのコンポーネントに直接結合されていることを示すが、不揮発性メモリ206は、モデム又はイーサネット(登録商標)インターフェースなどの(複数の)インターフェース212を経由してロケーション・サーバ115に結合されているネットワーク記憶装置の場合のように、ロケーション・サーバ115又はバス202から隔たっていることがある。バス202は、当技術分野でよく知られた様々なブリッジ、コントローラ、及び/又は、アダプタを経由して、互いに接続されている1本又は複数のバスを含むことがある。多数の状況では、ロケーション・サーバ115は、人間による支援なしで自動的にこのロケーション・サーバの動作を実行することがある。人間の相互作用が必要とされる一部の設計では、(複数の)I/Oコントローラ209がディスプレイ、キーボード、及び他のI/O装置と通信することがある。
【0027】
図2は、データ処理システムの様々なコンポーネントを示すが、このような詳細は、本発明と密接な関係がないので、コンポーネントを相互接続する特殊なアーキテクチャ又は様式を表現することは意図されていないことに留意されたい。より少ないコンポーネント、又はおそらくはより多いコンポーネントを有するネットワークコンピュータ及び他のデータ処理システムが、さらに本発明と共に使用されることがあり、かつ、ロケーション・サーバ115として機能することがあることも理解されるであろう。一部の実施形態では、本発明の方法は、セルラ交換、メッセージサービスなどのような他の機能のために同時に使用されるコンピュータシステム上で実行されることがある。これらの場合、図2の特徴の一部又は全部は、数個の機能について共有されることになる。
【0028】
本発明の態様が少なくとも部分的にソフトウェアで具現化されることがあることは、本記述から理解されよう。すなわち、これらの技法は、キャッシュメモリ204、揮発性RAM205、不揮発性メモリ206、ROM207、又はリモート記憶装置などのメモリに格納されている命令のシーケンスを実行するロケーション・サーバ・プロセッサ203に応答して、コンピュータシステム、又は他のデータ処理システムにおいて実行されることがある。様々な実施形態では、ハードウェア回路は、本発明を実施するためにソフトウェア命令と組み合わせて使用されることがある。したがって、これらの技法は、ハードウェア回路及びソフトウェアの具体的な任意の組み合わせ、又はロケーション・サーバ・プロセッサ203によって実行される命令のための特殊なソースに限定されない。さらに、本記述の全体を通じて、様々な機能及び動作は、説明を簡略化するために、ソフトウェアコードによって実行されるか、又は引き起こされるものとして説明される。しかし、当業者は、このような表現が、これらの機能はロケーション・サーバ・プロセッサ203などの処理ユニットによるコードの実行の結果として生じることを意味することを認識するであろう。
【0029】
機械読み取り可能な媒体は、ソフトウェア、及びデータを記憶するために使用することができ、このソフトウェア、及びデータは、ロケーション・サーバ・プロセッサ203によって実行されたとき、データ処理システムに本発明の様々な方法を実行させる。この実行可能なソフトウェア、及びデータは、例えば、キャッシュメモリ204、揮発性RAM205、不揮発性メモリ206、及び/又は、ROM207を含む様々な場所に記憶されることがある。このソフトウェア、及び/又は、データの一部分は、これらの記憶装置のうちのいずれか1つに記憶されることがある。したがって、機械読み取り可能な記憶媒体は、1台又は複数のプロセッサの組が一体となった移動局111によってアクセス可能な形式で情報を提供(すなわち、記憶又は保持)する何らかの仕組みを含む。例えば、機械読み取り可能な媒体は、記録可能/記録不可能な媒体(例えば、不揮発性RAM205、ROM207、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置など)を含むことがある。
【0030】
図1及び図2は、どちらも例示的であり、かつ、限定的ではない。例えば、LTEをサポートするネットワークでは、ロケーション/サーバ115は、MSC 113の代わりに、1台又は複数の移動管理エンティティ(MME(mobility management entities))にアタッチされることがあり、各MMEは、eNode Bとして知られている1台又は複数のLTE基地局101にアタッチされることがある。WCDMAをサポートするネットワークでは、ロケーション・サーバ115は、MSC 113又はMMEの代わりに無線ネットワーク制御装置(RNC)にアタッチされることがあり、RNCは、Node Bとして知られているWCDMA基地局101に接続されることがある。ロケーション・サーバ115をサポートする他の独特なタイプのアーキテクチャは、(例えば、cdma2000 1x、cdma2000 HRPDなどのための)他のタイプのネットワークにおいても同様に可能である。これらの種々のタイプのアーキテクチャは、次に、図2に示されるように、バックボーンネットワーク220上のコネクションとロケーション・サーバ115のサポートされている(複数の)インターフェース212とに影響を与えることがある。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態による移動局111を表現するブロック図を示す。移動局111は、通信送受信機305をGPS受信機321と組み合わせる。通信送受信機305は、基地局101からの基地局信号を処理する。GPS受信機321は、GPS衛星303から生成されたGPS信号を処理する。セルラ基地局などの一部の基地局101は、セルラ基地局通信リンク350を介してセルラ基地局信号を供給する。例えば、ワイヤレスLANアクセスポイント(AP)、フェムトセルなどの他の基地局101は、アクセスポイント通信リンク360を介してアクセスポイント基地局信号を提供する。通信アンテナ311は、様々なタイプの基地局101(例えば、セルラ基地局及びワイヤレスLANアクセスポイント)から信号を受信するために使用される。通信送受信機305は、異なったエアー・インターフェースの信号を受信するために分離した、かつ、別個のアンテナを使用することがある。さらに、通信送受信機305は、受信ワイヤレス信号の少なくとも部分的な処理のために分離した、別個のコンポーネントを使用することがあり、異なったエアー・インターフェースのワイヤレス信号の処理に一部のコンポーネントを共有してもよく、又は共有しなくてもよい。例えば、通信送受信機305は、RF信号処理のための分離した回路を有し、同じデータプロセッサ資源を共有することがある。この記述から、組み合わされた受信機の様々な組み合わせ及び変形形態が当業者に理解できるであろう。
【0032】
移動局111は、GPS受信機321と通信送受信機305とを組み合わせる。通信送受信機305は、異なったワイヤレスネットワークのための複数の受信機及び送信機として実施されることがある。例えば、通信送受信機305は、セルラ電話機信号を受信及び/又は送信する送受信機部と、Wi−Fi信号を受信及び/又は送信する別の送受信機部とを含むことがある。通信送受信機305は、通信アンテナ311に結合されている。GPS受信機321は、GPS捕捉及び追跡回路を含み、このGPS捕捉及び追跡回路は、GPSアンテナ301に結合されている。(例えば、GPS衛星303から送信された衛星通信リンク370からの)GPS信号は、GPSアンテナ301を経由してGPS受信機321へ入力され、このGPS受信機は、様々なGPS衛星303に対するPN(擬似ランダム雑音)符号を捕捉する。GPS受信機321(例えば、相関インジケータ)によって作られたデータは、通信送受信機305による(例えば、GPS擬似距離の)転送処理のために移動局プロセッサ333によって処理される。通信送受信機305は、通信信号(典型的に、RF)を通信アンテナ311及び通信送受信機305との間で経路制御する送信/受信スイッチ331を収容する。一部のシステムでは、帯域分離フィルタ、すなわち、「デュプレクサ」が、T/Rスイッチの代わりに使用されている。受信通信信号は、通信受信機332に入力され、処理のために移動局プロセッサ333へ渡される。通信受信機332及び通信送受信機305は、ワイヤレスネットワークから支援データなどの通信信号を受信する手段として個々に機能する。移動局プロセッサ333から送信されるべき通信信号は、変調器334及び周波数変換器(IF/RF変換器335)に伝播されている。電力増幅器336は、基地局101(例えば、セルラ基地局又はワイヤレスLANアクセスポイント)への送信のために信号の利得を適切なレベルまで増加させる。
【0033】
本発明の一実施形態では、通信送受信機305は、(例えば、セルラ基地局通信リンク350又はアクセスポイント通信リンク360を経由する)通信のためのある一定数の異なるエアー・インターフェース(例えば、IEEE802.11、Bluetooth、UWB、TD−SCDMA、iDEN、HDR、TDMA、GSM、CDMA、W−CDMA、UMTS、LTE、WiMAX、又は他の類似するネットワーク)と共に使用される能力をもつ。本発明の一実施形態では、通信送受信機305は、通信のための1つのエアー・インターフェースと共に使用される能力をもち、また、他のエアー・インターフェースを用いて信号を受信するために使用される能力をもつ。本発明の一実施形態では、通信送受信機305は、通信のための一方のエアー・インターフェースと共に使用される能力をもち、同時に、タイミングインジケータ(例えば、タイミングフレーム又はシステム時刻)を抽出するために、又は、移動局111の局部発振器を校正するために他方のエアー・インターフェースにおいて信号と共に使用される能力をもつ。タイミングインジケータを抽出するか、又は局部発振器を校正する移動局111に関するより詳細については、米国特許第5874914号明細書及び米国特許第5945944号明細書に見出されることがある。
【0034】
移動局111の一実施形態では、GPS受信機321によって生成されたロケーションデータは、セルラ基地局通信リンク350を介して、又はアクセスポイント通信リンク360を介してサーバへ送信される。ロケーション・サーバ115は、その後、移動局111からのロケーションデータと、ロケーションデータが測定された時刻と、GPS受信機321、又は暦データのようなデータの他のソースから受信された暦データとに基づいて移動局111のロケーションを決定する。ロケーションデータは、その後、移動局111内の通信受信機332、又は他の遠隔ロケーションへ返送することができる。セルラ基地局通信リンク350を利用する携帯受信機に関するより詳細は、米国特許第5874914号明細書において見出すことができる。
【0035】
本発明の一実施形態では、移動局111は、データ処理システム(例えば、個人情報端末、又は、携帯型コンピュータ)を含む(又は、データ処理システムに結合されている)。データ処理システムは、マイクロプロセッサ及びメモリ(例えば、ROM、揮発性RAM、及び/又は、不揮発性メモリ)に結合されているバスを含む。バスは、様々なコンポーネントを1つに相互接続し、さらに、これらのコンポーネントを当技術分野でよく知られたディスプレイコントローラ、及びディスプレイ装置、並びに入力/出力(I/O)装置などの周辺装置に相互接続する。バスは、当技術分野でよく知られているような様々なブリッジ、コントローラ、及び/又は、アダプタを介して互いに接続されている1本又は複数のバスを含むことがある。一実施形態では、データ処理システムは、通信ポート(例えば、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)ポート、IEEE−1394バス接続用ポート)を含む。本発明の一実施形態では、移動局111は、メモリと、メモリに記憶されているソフトウェアプログラム命令とを使用して、ワイヤレス・アクセスポイントに関するロケーション情報を抽出し強化するため(例えば、ワイヤレス・アクセスポイントのタイプに応じて)ワイヤレス・アクセスポイントのロケーション及び識別表示(例えば、MACアドレス)を記憶する。一実施形態では、移動局111は、通信コネクションが接続されているとき、移動局111のロケーションと、(例えば、コンピュータポート、又はワイヤレス通信リンクを経由した)サーバへの送信用のワイヤレス・アクセスポイントの識別表示とだけを記憶する。
【0036】
図4は、ハイブリッド測位システムの一実施例を示す。位置決定のため、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121の基地局101(例えば、セルラ基地局)、及び/又は、第2のワイヤレスネットワーク122の基地局101(例えば、セルラ基地局)、及び/又は、第3のワイヤレスネットワーク123の基地局101(例えば、アクセスポイント)から信号を受信する(図5)。移動局111は、GPS衛星303からGPS信号を受信するGPS受信機321を含む。同様に、移動局111は、タイミング測定値(timing measurement)を決定するときに、基地局タイミング測定値(例えば、擬似距離、ラウンド・トリップ時間、信号の到達時間、及び/又は、信号の到達時間差)を作成することがあり、これらの基地局タイミング測定値は、GPS信号、及び/又は、第1、第2及び第3のワイヤレスネットワーク121、122、123のうちの1つ又は複数からのワイヤレス信号に基づいている。
【0037】
タイミング測定値は、移動局111の位置を決定するために使用されることがある。一般に、個々のワイヤレスネットワーク121、122及び123は、ある一定数の基地局101(例えば、セルラ基地局又は無線アクセスポイント)を含み、異なった仕様を用いて動作することがあると理解される。例えば、第1のワイヤレスネットワーク121、及び第2のワイヤレスネットワーク122は、同じタイプであるが、しかし、異なったサービスプロバイダによって運用されているエアー・インターフェースを使用することがある。第1のワイヤレスネットワーク121、及び第2のワイヤレスネットワーク122は、同じ通信プロトコルを用いて、異なる周波数で動作することがある。第1のワイヤレスネットワーク121、及び第2のワイヤレスネットワーク122は、異なったタイプのエアー・インターフェース(例えば、TDMA、GSM、CDMA、W−CDMA、UMTS、LTE、WiMAX、TD−SCDMA、iDEN、HDR、Bluetooth、UWB、IEEE802.11、又は他の類似するネットワーク)を使用する異なるサービスプロバイダにより提供されることがある。代替的に、第1のワイヤレスネットワーク121、及び第2のワイヤレスネットワーク122は、同じサービスプロバイダによって運用されているが、異なったタイプのエアー・インターフェースを使用することがある。
【0038】
移動局111は、GPS衛星303からのGPS信号から抽出された情報と、基地局101から抽出された情報とを通信する。GPS信号からの情報は、信号受信の時刻を決定するために比較のため、擬似距離測定値、及び/又は、GPSメッセージの記録を含むことがある。基地局101からの情報は、少なくとも1台の基地局101に対する識別表示、受信信号強度、及び/又は、ラウンド・トリップ又は一方向時間測定値を含むことがある。一部の実施形態では、この情報は、第1のネットワーク121、又は第2のネットワーク122などのワイヤレスネットワークのうちの1つを介して、ロケーション・サーバ115へ通信されている。例えば、情報は、移動局111がアタッチされるか、又は第2のワイヤレスネットワーク122の加入者であるが、第1のワイヤレスネットワーク121の加入者ではないとき、ロケーション・サーバ115へ通信される。
【0039】
ロケーション・サーバ115は、複数のワイヤレスネットワークのための単独のロケーション・サーバ115として組み合わされることがある。代替的に、ロケーション・サーバ115は、1台のロケーション・サーバ115が個々のワイヤレスネットワークのため存在するように分離されていることがある。例えば、第1の基地局アルマナック・サーバ413は、第1のワイヤレスネットワーク121のためのアルマナックデータを保持し、第2の基地局アルマナック・サーバ413は、第2のワイヤレスネットワーク122のためのアルマナックデータを保持する。代替的に、基地局アルマナック・サーバ413は、第1のワイヤレスネットワーク121と、第2のワイヤレスネットワーク122との両方のためのアルマナックデータを保持することがある。このアルマナックデータは、1つの例証的な実施では、単に、識別表示情報によって指定された個々の基地局101の緯度及び経度を一覧化するデータベースでもよい。
【0040】
ロケーション・サーバ115は、移動局111の位置を決定するために、移動局111から通信された情報と、一方又は両方のネットワークからのアルマナック内のデータとを使用することがある。ロケーション・サーバ115は、ある一定数の異なった方法で移動局111のロケーションを決定することがある。例えば、ロケーション・サーバ115は、第1のワイヤレスネットワーク121のための第1の基地局アルマナック・サーバ413、及び/又は、第2のワイヤレスネットワーク122のための第2の基地局アルマナック・サーバ413から基地局101のロケーションを取り出すことがある。ロケーション・サーバ115は、移動局111の位置を算出するために、取り出されたロケーションと、距離測定値(移動局111と基地局101との間の距離を指示する)と、GPS擬似距離測定値と、GPS暦情報とを使用することがある。米国特許第5999124号明細書は、単独のワイヤレスネットワークからの距離測定値とGPS擬似距離測定値とが移動局111の推定位置を算出するためにどのように組み合わされるかについて検討している。代替的に、ロケーション・サーバ115は、多数(例えば、4つ以上)の距離測定値を作成できる場合、推定位置を算出するために、複数のワイヤレスネットワークの複数のワイヤレス・アクセスポイントへの地上距離測定値(又は、信号強度測定値などの他のタイプの測定値)だけを使用することがあり、この場合、GPS擬似距離又はGPS暦情報を取得する必要がない。GPS衛星までのGPS擬似距離が利用可能である場合、これらの擬似距離は、推定位置算出に付加的な情報を与えるために、米国特許第6185427号明細書に記載されているように、移動局111又はGPS基準受信機の集合のいずれかによって取得されたGPS暦情報と組み合わせることができる。
【0041】
バックボーンネットワーク220は、様々なエンティティ間での情報交換のためのローカル・エリア・ネットワークと、1つ又は複数のイントラネットと、インターネットとを含むことがある。ロケーション・サーバ115と、(第1のワイヤレスネットワーク121のための)第1の基地局アルマナック・サーバ413と、(第2のワイヤレスネットワーク122のための)第2の基地局アルマナック・サーバ413とは、単独のサーバプログラムとして、又は単独のデータ処理システム、若しくは(例えば、異なるサービスプロバイダによって保持、運用されている)別個のデータ処理システム内の異なったサーバプログラムとして実施されることがあると理解される。異なるサービスプロバイダが、移動局111によって推定位置決定のために使用される第1のワイヤレスネットワーク121と、第2のワイヤレスネットワーク122とを運用することがある。移動局111は、一方のワイヤレスネットワークだけの加入者であることがあるので、移動局111は、一方のワイヤレスネットワークだけを使用する(そして、アクセスする)権限が与えられていることがある。しかし、加入していないワイヤレスネットワークから信号を受信することが可能であるので、加入していないワイヤレスネットワーク内のワイヤレス・アクセスポイントに関連して距離測定又は信号強度測定を行うことが可能である。
【0042】
この状況の1つの具体的な実施例は、2つのサービスプロバイダからPCS周波数帯域信号を受信することができるトライモードCDMAセルラ電話機を含む移動局111を伴う。例えば、移動局111は、第1のサービスプロバイダによって運用されている第1のワイヤレスネットワーク121からの信号と、第2のサービスプロバイダによって運用されている第2のワイヤレスネットワーク122からの信号とを受信し処理する能力を有しているが、ユーザは、両方のサービスプロバイダに加入しなければならない。ユーザが第1のサービスプロバイダだけに加入し、第2のサービスプロバイダに加入していない場合、このユーザのための移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121で動作する権限が与えられているが、第2のワイヤレスネットワークで動作する権限が与えられていない。移動局111が、第1のワイヤレスネットワーク121からの唯一の基地局101が利用可能であり、移動局111と無線通信する能力があるが、第2のワイヤレスネットワーク122からの多数の基地局101が移動局111の無線通信範囲内にあるという環境内にある場合、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121から1台の基地局101を経由してロケーション・サーバ115から(必要に応じて)衛星支援データを取得することがある。移動局111は、移動局111で取得されたGPS擬似距離を第1のワイヤレスネットワーク121からの1台の基地局101を経由してロケーション・サーバ115へ送信することがある。しかし、第2のワイヤレスネットワーク122から1台又は複数の基地局101への距離測定値が取得されない限り、別の基地局101までの2つ以上の距離測定値を取得する可能性がないことになる。したがって、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122から利用可能な基地局101への距離測定値を取得することになり、それによって、複数の距離測定値(例えば、移動局111と第2のワイヤレスネットワーク122からの2台の基地局101との間の距離)を提供し、これらの複数の距離測定値は、推定位置算出に使用することができる。
【0043】
サービスプロバイダは、第1のワイヤレスネットワーク121のための第1の基地局アルマナック・サーバ413上のアルマナック情報と、第2のワイヤレスネットワーク122のための第2の基地局アルマナック・サーバ413上のアルマナック情報とを別個に保持することがある。移動局111は、ワイヤレスネットワークのうちの1つだけに通信アクセス権を有しているが、ロケーション・サーバ115は、第1の基地局アルマナック・サーバ413、及び第2の基地局アルマナック・サーバ413の両方にアクセス権を有することがある。第1のワイヤレスネットワーク121、及び第2のワイヤレスネットワーク122の両方の基地局101(例えば、ワイヤレス・アクセスポイント)の識別情報を決定した後、移動局111は、基地局識別表示情報をロケーション・サーバ115へ送信し、このロケーション・サーバ115は、対応する基地局101の位置を取り出すために第1及び第2の基地局アルマナック・サーバ413を使用し、対応する基地局の位置は、移動局111の推定位置を決定するときに使用できる。
【0044】
代替的に、アルマナックデータを共有するためのサービスプロバイダ間の協調は、必要ではない。例えば、ロケーション・サーバ115のオペレータは、(第1のワイヤレスネットワーク121のための)第1の基地局アルマナック・サーバ413と、(第2のワイヤレスネットワーク122のための)第2の基地局アルマナック・サーバ413との両方を保持する。例えば、米国特許出願第10/877205号(米国特許出願公開第20050037775号)明細書2004年6月25日付けで出願された、「ワイヤレス・ネットワーク・ハイブリッド測位のための方法及び装置(Method and apparatus for wireless network hybrid positioning)」と題する米国特許出願第10/877205号(米国特許出願公開第20050037775号)明細書にさらに記載されているように、オペレータは、アルマナックデータを取得するためにサーベイプロセスを通じて、又は移動局111を使用するデータ採取プロセスを通じて基地局アルマナック・サーバ413を保持することがある。
【0045】
移動局111は、(通信目的のため一方のワイヤレスネットワークだけを使用する代わりに)ロケーション・サーバ115と通信するために第1のワイヤレスネットワーク121、及び第2のワイヤレスネットワーク122の両方を使用することがある。当技術分野に知られているように、推定位置決定のために様々なタイプの情報が移動局111とロケーション・サーバ115との間で交換可能である。例えば、ロケーション・サーバ115は、(例えば、第1のワイヤレスネットワーク121を経由して)移動局111による視野内にあるGPS衛星303に対するドップラー周波数シフト情報を移動局111に提供する。次に、移動局111は、移動局111の推定位置の算出のため、GPS信号の擬似距離測定値と、基地局101の識別表示情報と、関連付けられた距離測定値(例えば、ラウンド・トリップ時間測定値)とを第2のワイヤレスネットワーク122を経由してロケーション・サーバ115に提供する。
【0046】
移動局111は、2つ以上のワイヤレスネットワークのカバレッジエリア内にあるとき、これらのワイヤレスネットワークを経由してロケーション・サーバ115へ通信する能力をもつことがある。しかし、コストと性能との間のトレードオフは、ワイヤレスネットワークのうちの1つだけを使用するサーバとの通信を命令することがあるが、同時に、測定値(例えば、タイミング測定値又は受信信号レベル)、又は他の情報(例えば、タイムスタンプ測定のための時間情報又は正確な搬送波周波数にロックするため、若しくは移動局111の局部発振器を校正するための校正情報)を取得するために(複数の)ワイヤレスネットワークを使用する。
【0047】
移動局111の推定位置は、移動局111から通信された情報を使用してロケーション・サーバ115で決定され、その後、移動局111へ返送されることがある。代替的に、移動局111は、ロケーション・サーバ115からの支援データ(例えば、視野内のGPS衛星303のドップラー周波数シフト、基地局の位置及びカバレッジエリア、差分GPSデータ、及び/又は、高度補助情報)を使用して推定位置を算出することがある。
【0048】
図5は、ハイブリッド測位システムの別の実施例を示す。移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121の基地局101(例えば、セルラ基地局)、及び/又は、第2のワイヤレスネットワーク122の基地局101(例えば、セルラ基地局)、及び/又は、第3のワイヤレスネットワーク123の基地局101(例えば、アクセスポイント)を介してロケーション・サーバ115と通信することがある。移動局111の推定位置を決定する方法は、(例えば、GPS衛星303から送信された衛星通信リンク370からの)GPS信号と、第1のワイヤレスネットワーク121の基地局101からのワイヤレス信号と、第2のワイヤレスネットワーク122の基地局101からのワイヤレス信号とを使用することがある。第2のワイヤレスネットワーク122は、異なったサービスプロバイダによって運用されるか、又は第1のワイヤレスネットワーク121と異なるエアー・インターフェースを使用することがある。
【0049】
典型的に、ワイヤレスLANアクセスポイント(又は他の類似する低電力送信機)は、小さいカバレッジエリアを有している。このようなアクセスポイントの小さいカバレッジエリアは、利用できるとき、移動局111の位置の非常に優れた推定値を提供する。さらに、ワイヤレスLANアクセスポイントは、典型的に、建物の近く、又は内部に位置し、他のタイプの信号(例えば、GPS信号又はワイヤレス電話信号)の利用可能性が低くなることがある。このように、このようなワイヤレス送信が他のタイプの信号と共に使用されるとき、測位システムの性能は、著しく改善される可能性がある。
【0050】
異なるワイヤレスネットワークからのワイヤレス信号が、位置決定のため使用されることがある。例えば、異なるワイヤレスネットワークからのワイヤレス信号は、対応するアクセスポイントの識別情報を決定するために使用可能であり、これらの識別情報は、対応するアクセスポイントのロケーション、及びカバレッジエリアを決定するために使用される。正確な距離情報(例えば、アクセスポイントと移動局111との間のラウンド・トリップ時間、又は信号走行時間)が利用可能であるとき、アクセスポイントの距離情報、及びロケーションは、ハイブリッド測位解を取得するときに使用できる。近似的な距離情報(例えば、推定距離とおおよそ相関する可能性がある受信信号レベル)が利用できるとき、アクセスポイントのロケーションは、移動局111の位置を推定するために(又は、移動局111の推定高度を決定するために)使用することができる。さらに、移動局111は、移動局111の局部発振器を校正するために、データ通信目的のため使用される基地局101でなくてもよい基地局101のうちの1台(例えば、アクセスポイント)からの正確な搬送波周波数を使用することができる。信号捕捉のためGPS受信機321に基準信号を提供するためにワイヤレス信号の正確な搬送波周波数にロックすることについてのより詳細については、米国特許第5874914号明細書において見出すことができる。タイムスタンプのための正確な時間情報(例えば、タイミングマーカー、又はシステム時刻)を使用することについてのより詳細については、米国特許第5945944号明細書において見出すことができる。
【0051】
図6は、本発明の一部の実施形態による移動局111と第1のワイヤレスネットワーク121との間のフローを示す。このフローは、移動局111の推定位置を決定する方法を示す。1002で、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101は、地上支援データを送信する。地上支援データは、地上支援データと衛星支援データとの両方を格納している支援データメッセージの一部でもよい。地上支援データは、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101に関する支援データ情報を含む。移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121からこの地上支援データを受信する。
【0052】
従来技術のシステムでは、移動局111がワイヤレスネットワークにアタッチされていない場合、移動局111は、このワイヤレスネットワークから地上支援データを受信しない。本発明の実施形態では、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチされていないとき、第1のワイヤレスネットワーク121から地上支援データを受信し、後で支援データを使用する。ここでは、1005で、移動局111は、次に、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチされていない間に、第1のワイヤレスネットワーク121からロケーション情報を取得する。
【0053】
ロケーション情報は、第1のワイヤレスネットワーク121からの地上支援データに基づき、かつ、関連している。通信受信機332及び通信送受信機305は、第1のワイヤレスネットワーク121のための地上支援データに基づいて第1のワイヤレスネットワーク121からロケーション情報を取得する手段として個々に機能する。このロケーション情報は、第1のワイヤレスネットワーク121の基地局101と、移動局111との間で通信される信号のためのタイミング測定値でもよい。通信受信機332、及び通信送受信機305は、第1のワイヤレスネットワーク121からの地上支援データに基づいてタイミング測定値を決定する手段として個々に機能する。支援データは、移動局111がこれらの信号、並びにこれらの信号のタイミングに関する情報(例えば、基地局101の間の送信時間差)、及び発信元基地局101に関する情報(例えば、基地局101のロケーション座標)を受信し測定することを助けるために、情報を提供することがある。次に、1006で、移動局111は、このロケーション情報に基づいて移動局111の推定位置を決定する。
【0054】
一部の実施形態では、移動局111は、通信受信機332と、移動局プロセッサ333と、メモリとを含む。移動局プロセッサ333は、ロケーション情報に基づいて移動局の推定位置を決定する手段として機能する。さらに、通信受信機332は、通信送受信機305の一部でもよく、第1のワイヤレスネットワーク121から支援データを受信する。支援データは、第1のワイヤレスネットワーク121のための地上支援データを含む。地上支援データは、第1のワイヤレスネットワーク121内の1台又は複数の基地局101のための支援データを含む。移動局プロセッサ333及びメモリは、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチされていない間に、第1のワイヤレスネットワーク121のための地上支援データに基づいて第1のワイヤレスネットワーク121からのロケーション情報を取得するための命令を含む。移動局プロセッサ333及びメモリは、ロケーション情報に基づいて移動局111の位置を決定するための命令をさらに含む。
【0055】
図7は、本発明の一部の実施形態による地上支援データの実施例を示す。地上支援データは、少なくとも第1のワイヤレスネットワーク121内の1台又は複数の基地局101に関する基地局アルマナックからの情報を格納している。例えば、地上支援データは、支援データを送信する1台だけの基地局101のロケーションを格納していることがある。代替的に、地上支援データは、第1のワイヤレスネットワーク121の内部の数台の基地局101のための情報を格納していることがある。例えば、個々の基地局101に対し、地上支援データは、基地局識別子(例えば、MACアドレス、セルタワー識別子、又はネットワークアドレス、及び基地局アドレスの両方を含む広域基地局識別子)と、基地局101のロケーション(例えば、緯度及び経度)とを含有することがある。付加的に、地上支援データは、以下のフィールド:標高、カバレッジエリア、ワイヤレスネットワーク識別子、GPS又はUTS時刻と相対的な基地局101の絶対送信タイミング、基地局101の間の相対タイミング差、近傍、及び/又は、基地局101の他の特性、又は能力のうちの1つ又は複数を含有することがある。
【0056】
図8〜図10は、本発明の一部の実施形態による移動局111と第1及び第2のワイヤレスネットワーク121、122との間のフローを示す。移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121内の第1の基地局101、及び第2のワイヤレスネットワーク122内の第2の基地局101と相互作用する。
【0057】
図8及び図9は、第1及び第2のワイヤレスネットワーク121、122と相互作用する移動局111の相対的なタイミングを示す。図8では、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122と相互作用した後、第1のワイヤレスネットワーク121と相互作用する。1004で、移動局111は、最初に、第2のワイヤレスネットワーク122からサービスを受信するために第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチする。例えば、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチし、PSTN 117を経由して陸線電話機に音声呼を発する。第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチした後、1002で、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121から地上支援データを受信する。本実施形態では、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチしても、又はアタッチしなくてもよい。移動局111が、第1のワイヤレスネットワーク121内のロケーション・サーバ115から地上支援データを受信する場合、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチし、支援データを受信し、その後、デタッチ(detach)することがある。この場合、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチ(又はデタッチ)するための移動局プロセッサ333におけるプロトコルの実施は、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチする手段、及び第1のワイヤレスネットワーク121からデタッチする手段として機能する。移動局111が、第1のワイヤレスネットワーク121から第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101によってブロードキャストされた支援データを受信する場合、移動局111は、支援データを受信するために第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチする必要がない。1005で、前述されているように、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチされていない間に、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121からロケーション情報を取得し、1006で、このロケーション情報に基づいて移動局111の推定位置を決定する。
【0058】
図9では、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122と相互作用する前に第1のワイヤレスネットワーク121と相互作用する。1001で、移動局111は、最初に、第1のワイヤレスネットワーク121から地上支援データを受信する。この場合も同様に、移動局111は、アタッチする必要がないので、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチしてもよく、又はアタッチしなくてもよい。移動局111が第1のワイヤレスネットワーク121内のロケーション・サーバ115から地上支援データを受信する場合、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチし、支援データを受信し、その後、デタッチすることがある。この場合も同様に、移動局111が第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101からブロードキャストで支援データを受信する場合、移動局111は、支援データを受信するために第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチしてもよく、又はアタッチしなくてもよい。次に、1004で、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122からサービスを受信するために第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチする。上述されているように1005で、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチしていない間に、移動局111は、ロケーション情報を取得し、1006で、このロケーション情報に基づいて移動局111の推定位置を決定する。
【0059】
図10では、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121と、第2のワイヤレスネットワーク122との両方にアタッチする。1001で、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121からサービスを受信するために第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチする。1002で、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121から地上支援データを受信する。1003で、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121からデタッチする。1004で、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122からサービスを受信するために第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチする。移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチする前又は後に(すなわち、1001の前又は後に)、第1のワイヤレスネットワーク121から地上支援データを受信する前又は後に(すなわち、1002の前又は後に)、又は第1のワイヤレスネットワーク121からデタッチする前又は後に(すなわち、1003の前又は後に)、第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチすることがある。上述されているように1005で、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチしていない間に、移動局111は、ロケーション情報を取得し、1006で、このロケーション情報に基づいて移動局111の推定位置を決定する。
【0060】
図11は、本発明の一部の実施形態によるインターRATの再選択後に支援データを引き続き使用する方法を示す。同図は、第1のワイヤレスネットワーク121がLTEネットワークであり、第2のワイヤレスネットワーク122がUMTSネットワークであることを開示し、この考え方は、いずれのタイプの第1のワイヤレスネットワーク121、及びいずれのタイプの第2のワイヤレスネットワーク122にも適用できる。以下の説明は、同じRATを使用するネットワークと、さらに異なるRATを使用するネットワークとに適用されることがある。例えば、第1のワイヤレスネットワーク121は、LTEネットワークでもよく、第2のワイヤレスネットワーク122は、いずれの規格に準拠してもよい。
【0061】
以下の説明は、一実施例として標準の用語又はプロトコルに固有の用語を様々なネットワーク要素に割り当てる。移動局111は、ユーザ機器(UE)であり、第1のワイヤレスネットワーク121は、LTEネットワークであり、第1のワイヤレスネットワーク121の基地局101は、eNode Bであり、第2のワイヤレスネットワーク122は、UMTSネットワークであり、第2のワイヤレスネットワーク122の基地局101は、Node Bであり、ロケーション・サーバ115は、エボルブド・サービング・モバイル・ロケーション・センタ(E−SMLC)・ロケーション・サーバである。当然ながら、他のネットワークアーキテクチャ及びプロトコルの組み合わせが可能である。
【0062】
図示されるように、移動局111は、最初に、支援データを取得するために第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101と通信する。次に、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121からデタッチされ、第2のワイヤレスネットワーク122内の基地局101と通信しているが、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチされている間に、第1のワイヤレスネットワーク121から取得された支援データを引き続き使用する。
【0063】
1101で、移動局111と、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101とは、移動局111を第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチするために無線リソース制御(RRC)コネクション確立手順を実行する。コネクション確立は、RRCを上回るレベルで3GPP TS 36.331及び他のプロトコル(例えば、3GPP TS 24.301に規定された非アクセス層プロトコル)に規定されるようなすべてのエアー・インターフェース・シグナリングのためRRCを使用する。
【0064】
1102で、移動局111、及びロケーション・サーバ115は、LTE測位プロトコル(LPP)セッションを開始するために、LPPセッション確立手順を実行する。この手順は、移動局111から第1のワイヤレスネットワーク121へのモバイル発位置情報要求(MO−LR)(図示せず)によって開始されることがある。
【0065】
1103で、図示された確立LPPセッションは、LPPシグナリングメッセージ1104と1105とを交換するために使用される。
【0066】
1104で、移動局111は、支援データを要求するためにロケーション・サーバ115にLPPメッセージを送信する。例えば、要求された支援データは、LTEネットワークのためのLPPによってサポートされるOTDOA測位方法のために使われることがある。
【0067】
1105で、ロケーション・サーバ115は、要求された支援データを提供することにより移動局111に応答する。一部の実施形態では、1104での支援データの要求が存在しないことがあり、1105で提供された支援データが他のアクティビティ(例えば、ロケーション情報についてのロケーション・サーバ115から移動局111への要求)と関連付けられることがある。
【0068】
1106で、移動局111は、タイミング又は位置測定値(例えば、OTDOA測定値)を取得し、次に移動局の推定位置を取得するためにこれらの位置測定値を用いてMSベースの位置計算を実行する。一部の場合に、MSベースの位置計算は、LPPによってサポートされるOTDOA地上測位方法に従う。
【0069】
LPPプロトコル及び手順と、OTDOA地上測位方法及びこれの関連した支援データとは、3GPPから公的に入手可能な文書である3GPP TS 36.355に個々に規定されている。MO−LR地上測位手順は、同様に3GPPから公的に入手可能である3GPP 23.271と、TS 24.171と、TS 24.080とに規定されている。
【0070】
1107で、移動局111及びロケーション・サーバ115は、LPPセッションを終了させる。
【0071】
1108で、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101とのRRCコネクション解放手順を実行し、それによって、第1のワイヤレスネットワーク121からデタッチする。移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101との信号接点喪失の結果として第1のワイヤレスネットワーク121からデタッチすることがある。代替的に、移動局111は、より好ましいワイヤレスネットワークにアタッチすることを決定することがある。
【0072】
1109で、移動局111は、第2のワイヤレスネットワーク122内の基地局101とのアタッチ手順を介して第2のワイヤレスネットワーク122を再選択することによりインターRAT再選択を実行する。
【0073】
1110で、第1のワイヤレスネットワーク121から切り離され、第2のワイヤレスネットワーク122にアタッチしているか、又はアタッチされている間に、移動局111は、MSベースの測位算出を継続する。すなわち、移動局111は、1105で第1のワイヤレスネットワーク121から受信され、1106で予め使用された同じ支援データを引き続き使用する。継続された測位計算は、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101からの測定値(例えば、eNode Bによって送信された測位基準信号に関するOTDOA測定値)を必要とする。他の実施形態では、継続された測位計算は、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101からの測定値を必要としない。
【0074】
継続された測位計算が、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101からの測定値を必要とする場合、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチされていない場合でも、第1のワイヤレスネットワーク121内でこれらを測定するために第2のワイヤレスネットワーク122から離れることがある。例えば、移動局111は、測定を行うために、第2のワイヤレスネットワーク122から離れ、第1のワイヤレスネットワーク121に同調するため待機期間を待つことがある。待機期間は、DRXパターン、圧縮モード、測定ギャップのパターン、MS要求されたギャップ、又は第2のワイヤレスネットワーク122が移動局111に無線受信の中断を必要とすることがある測定を実行させるために提供する他の方法によって提供されることがある。
【0075】
代替的に、移動局111は、2つの別個のRF信号を同時に受信し処理する能力を有することがあり、それによって、移動局が第2のワイヤレスネットワーク122に同調された状態を保ち、さらに測定のために第1のワイヤレスネットワーク121に同調されることを可能にする。
【0076】
移動局111による監視は、支援データが無効(又は、低い有効性)になるときを決定するために必要であることがある。例えば、支援データは、ある程度の期間の経過後に無効になることがある。支援データは、移動局111が最初に支援データを受信した場所からある一定の距離より大きく移動した後に無効になることがある。支援データは、支援データの有効期間に関する情報を含むことがある。例えば、支援データは、支援データが有効である基準時間フレームを含むことがあり、かつ/又は、この支援データが有効である地理的エリア、カバレッジエリア、フットプリント、又は、(基地局101のロケーションなどの)基準ロケーションからの距離を指すことがある。この基準ロケーションから移動局111までの距離を監視するため、移動局111は、信号強度を定期的に測定すること、及び/又は、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101からシステム情報を読むことなどの種々の技法を使用することがある。この監視は、移動局111によって、例えば、この移動局111が、支援データが有効であるエリアを離れた時点を決定することを可能にさせることがある。その結果として、移動局111は、支援データを使用したさらなる位置の算出を停止すること、及び/又は、支援データを更新する手順を始動させること、及び/又は、今後の位置が劣化されることがあることをユーザに警告することがある。
【0077】
例えば、第1のワイヤレスネットワーク121内のサービス提供中の基地局101に対する最大アンテナ距離(MAR)が、第1のワイヤレスネットワーク121から支援データの一部として提供される場合、移動局111は、このMARと測定信号強度とを使用して第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101からの移動局111の距離を推定することが可能である。代替的に、移動局111は、この移動局が元のRAT上に留まっている場合に、この移動局が異なるサービス提供中のセルへ移動した確率が最も高い時点を推定するために、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101からの測定信号を同じ周波数にある他の基地局101と比較することがある。
【0078】
LTEのためのOTDOA支援データの場合、有効性の地理的範囲は、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101のセルIDのリストによって規定されることがある。セルIDは、サービス提供中の基地局101、及びこの基地局の近傍、又は第1のワイヤレスネットワーク121が、移動局111が信号を受信できると予想する他の基地局101を識別することがある。
【0079】
移動局111は、この移動局がある期間に亘るリストに掲載されたいずれかのセルからの信号を観察することに基づくことなく、又は第1のワイヤレスネットワーク121からの信号強度を測定し、これらの測定に基づいてサービス提供中セル候補に関する仮定を作成することに基づいて、このエリアを離れた時点を決定しようとすることがあり、予想されたサービス提供中セルが、支援データが有効であると考えられる筈のセルの集合の外部にある場合、支援データを無効化する。支援データの「無効候補」を決定する他の類似する発見的方法は、同様に考えることができる。
【0080】
ある期間が経過した後に無効になる支援データは、この期間が既知である場合、ネットワークから移動局111によってリフレッシュされる可能性があり、これは、典型的にGNSS関連支援データ(例えば、暦データ、捕捉支援データ)に適用される。eNode Bの間のタイミング関係を必要とするOTDOA支援データに対し、この期間は、eNode Bのタイミングドリフトと、稀な場合に、(例えば、GNSS信号への再調整によって引き起こされる)送信タイミングの突然の不連続な変化とを含むことがあるので、いつでも予測できるというわけではない。これらの場合に、タイミングが変化したことを移動局111に警告するためにある種の明示的な信号が(例えば、ブロードキャストによって)提供されることを必要とする場合がある。
【0081】
eNode Bの間のタイミング関係の有意な変化を移動局111に警告する1つの方法は、各eNode Bができれば1ビット程度の小さいシーケンス番号をブロードキャストすることであり、いずれかの近傍とこのeNode Bとのタイミング関係が、最後に変化を通知されて以来、ある一定の量より大きく変化したときにいつでも、このシーケンス番号は、このeNode Bによってインクリメントされることになる。(例えば、サービス提供中のeNode B又は近くのサービス提供中ではないeNode Bからの)このようなシーケンス番号の変化を観測している移動局111は、この次に移動局111ベースのOTDOAのための推定位置を必要とするとき、新しいタイミング支援を要求せざるを得ない。代替案として、ネットワークは、支援データの更新を強制するために、ある一定の移動局111を接続モードに持ち込むことができる。
【0082】
上述の通り、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121からデタッチするが、この移動局の推定位置を決定するためにこの第1のワイヤレスネットワーク121から先に取得された支援データを引き続き使用する。一部の実施形態では、移動局111は、前に取得された支援データが無効(又は低い有効性)になるときに、新しい支援データを取得するために先行の第1のワイヤレスネットワーク121に一時的に再アタッチする。新しい支援データが一旦取得されると、移動局111は、アタッチされている場合、第1のワイヤレスネットワーク121から再びデタッチすることがある。
【0083】
移動局111は、この移動局が必要な支援データを取得すると、MSベースの測位を使用してこの移動局の推定位置を自動的に取得することがあるが、オペレータは、依然として支援データの提供の対価を移動局111に請求し、したがって、利用の可能性から収益を引き続き取得することを望むことがある(しかし、MS支援測位と同じレベルのE−SMLC位置計算を提供する必要はない)。同期化eNode Bを含んでいるオペレータは、OTDOA関連タイミングデータを移動局111に提供しなくてもよいことがあり、移動局111にeNode B座標が提供されると、移動局111は、(少なくとも移動局111が一般的に位置している領域に対して)これらの座標を記憶することが可能であり、座標を再度要求する必要がないので、収益減少を被る可能性がある。この収益減少は、オペレータが依然として他の支援データ(例えば、GNSS暦)を提供している場合、問題ではない。しかし、この収益減少が重大である場合、オペレータは、非常に小さいのでA−GNSSのためのタイミング支援に影響を与えないが、OTDOAのための継続的な支援を必要とする程度の大きさになる(例えば、数マイクロ秒の)小さいランダム時間差をeNode Bの間に導入することができる。このようなランダム時間差は、移動局111がOTDOAのためのオペレータ支援データに依存し続けることを確実にするために数時間毎(又は数日毎)に変更されることがある。
【0084】
発明の一部の他の実施形態では、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101から提供された支援データは、移動局111が第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチされていない間に、移動局111が第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101から受信された信号の測定値を使用してこの移動局の推定位置を計算することを可能にさせる。代替的な実施形態では、第1のワイヤレスネットワーク121によって提供された支援データは、依然として本質的に地上支援データであるが、移動局111が第2のワイヤレスネットワーク122内の基地局101の測定値、及び/又は、GSNN衛星のような他の供給源の測定値を使用して、この移動局の推定位置を取得することだけを支援することがある。一実施例として、第1のワイヤレスネットワーク121内の基地局101は、第1のワイヤレスネットワーク121内の1台又は複数の基地局101の間のタイミング関係と、GPS、GNSS又はUTC時刻のようなある種の絶対時刻とを備える支援データを移動局111に転送することがある。この場合、移動局111は、第1のワイヤレスネットワーク121内の1台又は複数の基地局101からの信号のタイミングを測定し、この時間を絶対時刻に変換するために支援データを使用することによって絶対時刻(例えば、GPS、GNSS又はUTC時刻)を取得するために、第1のワイヤレスネットワーク121にアタッチされていない後の時点で支援データを使用することがある。取得された絶対時刻は、その後、第2のワイヤレスネットワーク122と関連した推定位置を決定するために、移動局111の測位を実行するために使用されることがある(例えば、GPS又はGNSS信号の測定を支援し、精度を改善するために使用され、これらの信号を取得するときの遅延を短縮することがある)。
【0085】
本明細書に記載された方法は、用途に依存する様々な手段によって実施されることがある。例えば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらのいずれかの組み合わせで実施されることがある。ハードウェア実施では、プロセッサ/処理ユニットは、1個又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理装置(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子装置、本明細書に記載された機能を実行するため設計された他の電子ユニット、又はこれらの組み合わせの内部で実施されることがある。
【0086】
ファームウェア、及び/又は、ソフトウェアを伴う実施では、これらの方法は、本明細書に記載された機能を実行するモジュール(例えば、手続、関数など)を用いて実施されることがある。命令を有形的に具現化する機械読み取り可能な媒体は、本明細書に記載された方法を実施するときに使用されることがある。例えば、ソフトウェアコードは、メモリに記憶され、プロセッサユニットによって実行されることがある。メモリは、マイクロプロセッサユニットの内部、又はプロセッサユニットの外部で実施されることがある。本明細書で使用されるように、用語「メモリ」は、あらゆるタイプの長期、短期、揮発性、不揮発性、又はその他のメモリに言及し、何らかの特殊なタイプのメモリ、若しくはメモリの数、又はメモリが格納されている媒体のタイプに限定されるものではない。
【0087】
ファームウェア、及び/又は、ソフトウェアを伴う実施では、機能は、1つ又は複数の命令又はコードとしてコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されることがある。実施例には、データ構造体を用いて符号化されたコンピュータ読み取り可能な媒体と、コンピュータプログラムを用いて符号化されたコンピュータ読み取り可能な媒体とが含まれる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、製造品の形になることがある。コンピュータ読み取り可能な媒体は、物理的なコンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる利用可能な媒体であればよい。実施例として、また、限定の目的ではなく、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM若しくは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は命令若しくはデータ構造体の形で所望のプログラムコードを記憶するために使用することができ、かつ、コンピュータによってアクセスすることができる他の媒体を備えることができ、本明細書で使用されるようなディスク(disk)、及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フレキシブルディスク、及びBlu−rayディスクを含み、ディスク(disk)は、通常は、データを磁気的に再生するが、一方ディスク(disc)は、レーザを使って光学的にデータを再生する。上記の組み合わせは、同様にコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0088】
コンピュータ読み取り可能な媒体上の記憶に加えて、命令、及び/又は、データは、通信装置内に含まれている伝送媒体上の信号として提供されることがある。例えば、通信装置は、命令、及びデータを表す信号を有する送受信機を含むことがある。命令、及びデータは、請求項において概説された機能を1台又は複数のプロセッサに実施させるように構成されている。すなわち、通信装置は、開示された機能を実行するための情報を表す信号を含んでいる伝送媒体を含む。第1の時点で、通信装置の中に含まれている伝送媒体は、開示された機能を実行するための情報の第1の部分を含むことがあり、一方では、第2の時点で、通信装置の中に含まれている伝送媒体は、開示された機能を実行するための情報の第2の部分を含むことがある。
【0089】
開示された態様の以上の説明は、当業者が本開示の内容を構成又は使用できるようにするために記載されている。これらの態様に対する様々な変更は、当業者に容易に理解されるであろう、また、本明細書に規定された一般的な原則は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の態様に適用できることがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局の推定位置を決定するための方法であって、
第1のワイヤレスネットワークから、前記第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える前記第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信することと、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、前記第1のワイヤレスネットワークのための前記地上支援データに基づいて前記第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得することと、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記ロケーション情報を取得することは、前記第1のワイヤレスネットワークからの前記地上支援データに基づいてタイミング測定値を決定することを備え、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定することは、前記タイミング測定値に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信する前に第2のワイヤレスネットワークにアタッチすることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信した後に第2のワイヤレスネットワークにアタッチすることをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のワイヤレスネットワークから支援データを受信することは、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチすることと、
前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信することと、
前記第1のワイヤレスネットワークからデタッチすることと、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のワイヤレスネットワークは、ロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワークを備え、前記地上支援データは、観測到達時間差(OTDOA)測位方法のための支援データを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記地上支援データは、前記第1のワイヤレスネットワーク内の少なくとも基地局の間のタイミング関係と、絶対時刻と、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記地上支援データは、前記支援データの有効性の期間を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
移動局自体の推定位置を決定するための前記移動局であって、
第1のワイヤレスネットワークから、前記第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える前記第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信する受信機と、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、前記第1のワイヤレスネットワークのための前記地上支援データに基づいて前記第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得するための命令、及び前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定するための命令を備えるプロセッサ及びメモリと、
を備える移動局。
【請求項10】
前記ロケーション情報は、前記第1のワイヤレスネットワークからの前記地上支援データに基づくタイミング測定値を備え、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定するための前記命令は、前記タイミング測定値に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定するための命令を備える、請求項9に記載の移動局。
【請求項11】
移動局自体の推定位置を決定するための前記移動局であって、
第1のワイヤレスネットワークから、前記第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える前記第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信する手段と、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、前記第1のワイヤレスネットワークのための前記地上支援データに基づいて前記第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得する手段と、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定する手段と、
を備える移動局。
【請求項12】
前記ロケーション情報を取得するための前記手段は、前記第1のワイヤレスネットワークからの前記地上支援データに基づいてタイミング測定値を決定する手段を備え、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定する前記手段は、前記タイミング測定値に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定する手段を備える、請求項11に記載の移動局。
【請求項13】
前記第1のワイヤレスネットワークから支援データを受信する前記手段は、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチする手段と、
前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信する手段と、
前記第1のワイヤレスネットワークからデタッチする手段と、
を備える、請求項11に記載の移動局。
【請求項14】
プロセッサ及びメモリを備える移動局であって、
前記メモリは、
第1のワイヤレスネットワークから、前記第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える前記第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信することと、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、前記第1のワイヤレスネットワークのための前記地上支援データに基づいて前記第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得することと、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の推定位置を決定することと、
の各命令を含む、移動局。
【請求項15】
前記ロケーション情報を取得する命令は、前記第1のワイヤレスネットワークからの前記地上支援データに基づいてタイミング測定値を決定する命令を備え、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定する命令は、前記タイミング測定値に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定する命令を備える、請求項14に記載の移動局。
【請求項16】
前記命令は、前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信する前に第2のワイヤレスネットワークにアタッチする命令をさらに備える、請求項14に記載の移動局。
【請求項17】
前記命令は、前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信した後に第2のワイヤレスネットワークにアタッチする命令をさらに備える、請求項14に記載の移動局。
【請求項18】
前記第1のワイヤレスネットワークから支援データを受信する前記命令は、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチすることと、
前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信することと、
前記第1のワイヤレスネットワークからデタッチすることと、
の各命令を備える、請求項14に記載の移動局。
【請求項19】
移動局によって使用される記憶されたプログラムコードを含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
第1のワイヤレスネットワークから、前記第1のワイヤレスネットワークにおける複数の基地局のための支援データを備える前記第1のワイヤレスネットワークのための地上支援データを備える支援データを受信するプログラムコードと、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチされていない間に、前記第1のワイヤレスネットワークのための前記地上支援データに基づいて前記第1のワイヤレスネットワークからロケーション情報を取得するプログラムコードと、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の推定位置を決定するプログラムコードと、
を備えるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
前記ロケーション情報を取得する前記プログラムコードは、前記第1のワイヤレスネットワークからの前記地上支援データに基づいてタイミング測定値を決定するプログラムコードを備え、
前記ロケーション情報に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定するプログラムコードは、前記タイミング測定値に基づいて前記移動局の前記推定位置を決定するプログラムコードを備える、請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
前記プログラムコードは、前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信する前に第2のワイヤレスネットワークにアタッチするプログラムコードをさらに備える、請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項22】
前記プログラムコードは、前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信した後に第2のワイヤレスネットワークにアタッチするプログラムコードをさらに備える、請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項23】
前記第1のワイヤレスネットワークから支援データを受信する前記プログラムコードは、
前記第1のワイヤレスネットワークにアタッチすることと、
前記第1のワイヤレスネットワークから前記支援データを受信することと、
前記第1のワイヤレスネットワークからデタッチすることと、
の各プログラムコードを備える、請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−501944(P2013−501944A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524927(P2012−524927)
【出願日】平成22年8月14日(2010.8.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/045554
【国際公開番号】WO2011/020083
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.Blu−ray
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】