説明

多孔質の有機骨格材料の製造方法

本発明は、液相中で相応する出発化合物からの反応混合物を非水系有機溶剤の存在で水の存在及び/又は水の遊離下に反応させることによる多孔質の有機骨格材料の製造方法に関するものであり、その際にこの水は反応の間に反応混合物の液相から抜き出される。この場合に、より高い比表面積を有する骨格材料が、再現可能な方法で得られることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質の有機骨格材料の製造方法に関する。
【0002】
多孔質の有機骨格材料は、多種多様な用途のために無機ゼオライトの代替品でありうる興味深い種類の物質を形成する。
【0003】
そのような用途は、例えば、化学物質、例えばガスの貯蔵、分離又は制御された放出の分野、又は触媒反応の分野にある。この場合に、特に、有機材料の多孔度は、決定的な役割を果たす。有機骨格材料中に定義された形で存在している細孔によって、一方では材料の比表面積が高められ、かつ混合物の選択分離が可能になる。同じことは、化学反応の際に、例えば触媒反応の際に、担持材料として使用される場合のそのような材料にも当てはまる。
【0004】
これらの多孔質の有機骨格材料の特殊な群は、いわゆる金属有機骨格材料である。これらは、技術水準において知られており、かつ金属イオンに配位結合された少なくとも二座の少なくとも1つの有機化合物を典型的に含有する。そのような金属有機骨格材料(MOF=metal organic framework)は、例えば、米国特許(US-A)第5,648,508号明細書、欧州特許出願公開(EP-A)第0 790 253号明細書、M.O. Keeffe, J. Sol. State Chem., 152 (2000), 3-20; H. Li他, Nature 402 (1999), 276; M. Eddaoudi, Topics in catalysis 9 (1999), 105-111; B. Chen他, Science 291 (2001), 1021-1023及び独国特許出願公開(DE-A)第101 11 230号明細書に記載されている。
【0005】
これらの金属有機骨格材料の特殊な群として、最近の文献にはいわゆる"制限された(beschraenkte)"骨格材料が記載されており、これらの場合に、骨格は、有機化合物の特殊な選択によって、無限にではなく、むしろ多面体を形成しながら伸びる。A.C. Sudik, 他, J. Am. Chem. Soc. 127 (2005), 7110-7118には、そのような特殊な骨格材料が記載されている。この場合に、これらは明確に区別するために金属有機多面体(MOP=Metal-Organic Polyhedra)と呼ばれる。
【0006】
そのような多孔質の有機骨格材料をさらに変えたものが、いわゆる共有結合性有機骨格(COF=Covalent Organic Framework)である。これらは、金属有機骨格材料に対比して、金属中心原子が、好ましくは少なくとも2つのボロン基(R−B(OH)2、ここでRは有機基を表す)が交換される有機ホウ素化合物によって置き換えられた骨格材料である。A.P. Cote, 他 Science 310 (2005), 1116-1170には、例えばそのような骨格材料が記載されている。
【0007】
これら全ての有機骨格材料には、それらの多孔性が共通している。そのような材料の多孔性と密接に関係しているのは、それらの性質に強い影響を及ぼすそれらの比表面積である。ラングミュアによる比表面積は、そのような表面積のキャラクタリゼーションのための尺度と見なされうる。
【0008】
故に、そのような材料の製造の際に、良好な収率に加えて高い比表面積の発生並びに製造の際の再現性も大きく重要である。このことは、大量の骨格材料の製造の際に特に当てはまる。
【0009】
例えば、MOF−5(IRMOF−1)のような金属有機骨格材料のためには、多数の合成法が文献に記載されている。
【0010】
こうして、例えばH. Li, 他, Nature 402 (1999), 276-279には、MOF−5の合成が記載されており、その際に約2900m2/gのラングミュア表面積が達成されることができた。
【0011】
国際公開(WO-A)第02/070526号においては、MOF−5を製造するために、例えば特別な溶剤が使用された。この場合に、1063m2/gの比表面積となった。
【0012】
国際公開(WO-A)第02/088148号にも、IRMOF−1(MOF−5)の多様な製造方法が開示されている。
【0013】
特に高い比表面積が達成されることができたMOF−5の製造は、国際公開(WO-A)第03/102000号並びにJ.L.C. Rowsell, 他, J. Am. Chem. Soc. 126 (2004), 5666-5667に記載されている。
【0014】
これら全ての文献は、原則的には同じ反応手順にも関わらず、著しく異なる比表面積を有し、ひいては異なる性質を有しうる多孔質の有機骨格材料が得られることを示している。
【0015】
故に、特により大量の多孔質の有機骨格材料を製造する際に前記の欠点を回避する製造方法を提供するという必要がある。
【0016】
本発明の課題は、それゆえ、多孔質の有機骨格材料の製造方法を提供することにあって、前記方法は十分に大きな量のそのような骨格材料を供給し、その際にこれらができるだけ高い比表面積を有し、かつ高い再現性で製造されることができる。
【0017】
前記課題は、次の工程を有する多孔質の有機金属の、場合により制限された骨格材料の製造方法によって解決される:液相中で少なくとも1つの金属化合物と、前記金属に配位結合することができる少なくとも二座の少なくとも1つの有機化合物との反応混合物を、非水系有機溶剤の存在で水の存在で及び/又は水の遊離下に反応させ、その際に前記有機化合物は、酸素、硫黄及び窒素からなる群からその都度互いに独立して選択される少なくとも2個の原子を有し、これらの原子を介して前記有機化合物が金属に配位結合することができ、その際に反応の間に反応混合物の液相から水が抜き出されることによって特徴付けられる。
【0018】
前記課題は、さらに、次の工程を有する多孔質のホウ素−有機の、場合により制限された骨格材料の製造方法によって解決される:液相中で少なくとも2つのボロン基を有する少なくとも1つの化合物と、ボロン基に共有結合することができる少なくとも二官能性の少なくとも1つの有機化合物との反応混合物を、非水系有機溶剤の存在で反応させ、その際に少なくとも二官能性の有機化合物は酸素、硫黄及び窒素からなる群からその都度互いに独立して選択される少なくとも2個の原子を含有し、これらの原子を介して二官能性の有機化合物がボロン基に共有結合することができ、その際に反応の間に反応混合物の液相から水が抜き出されることによって特徴付けられる。
【0019】
すなわち、意外にも、比較的高い比表面積を有し、かつ技術水準よりも小さい標準偏差が生じる良好に再現可能な値を有する前記の多孔質の有機骨格材料(MOF、MOP、COF)が、多孔質の有機骨格材料の形成の際に反応混合物から水が抜き出されることによって製造されることができることが見出された。
【0020】
金属有機骨格材料の場合に、この水は金属化合物の結晶水の形で反応混合物中に存在しうる。金属化合物の反応後に、もはや配位結合されない結晶水は反応混合物中に存在し、かつこれから抜き出されることができる。さらに、完全に水を含まない有機溶剤が使用されない可能性がある。ここでも、これにより反応混合物中に存在している水が、これから抜き出されることができる。最後に、反応自体の際にも水が生じうる。これは、例えば、金属化合物が金属水酸化物又は金属酸化物の形で反応混合物中に存在し、かつ例えば有機カルボン酸であってよい、少なくとも二座の有機化合物との反応が行われる場合に当てはまる。ここでは、金属錯体化合物の形成によって水が遊離される。その際に、金属化合物は、反応混合物に水酸化物又は酸化物として添加される必要がない。むしろ、これは、金属塩の形でも存在していてよく、その際に水の形成に必要な水酸化物イオンは塩基、例えばカセイソーダ液の添加によって、又は溶剤によって発生されることができる。
【0021】
ホウ素−有機骨格材料の場合に、特に、ボロン酸が例えばアルコールと反応されることによって水が発生される。
【0022】
反応混合物からの水の除去は、特に蒸留によって、ストリッピングによって又は吸着剤によって行われることができる。適した吸着剤は、例えば酸化アルミニウム、シリカゲル又はモレキュラーシーブ、特に3Å又は4Åモレキュラーシーブである。
【0023】
ストリッピング(又は追出しと呼ぶ)の際に、液相から、この液相の成分が液相からのガスの導通によって除去され、かつ気相中へ移行される。
【0024】
反応を撹拌しながら行うことができる場合がとりわけ有利であり、このことはスケールアップの際にも有利である。それによって、反応毎により大量の所望の多孔質の有機骨格材料が得られることができる。
【0025】
反応が高くとも2bar(絶対)の圧力で行われることが好ましい。しかしながらさらに好ましくは、圧力は高くとも1200mbar(絶対)である。特に好ましくは、反応は大気圧で行われる。
【0026】
反応は、室温又は高められた温度で実施されることができる。好ましくは、反応はしかしながら80℃〜180℃の範囲内の反応温度で行われる。100℃〜150℃の反応温度がさらに好ましい。
【0027】
金属化合物は、上記で説明された通り金属塩であってよい。そのような塩の例は、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物、ヨウ化物、水酸化物、酸化物又はアルコキシラートである。使用される金属に応じて、そのような化合物は水和物として存在する。例として、硝酸亜鉛を挙げることができ、これは四水和物としてだけでなく六水和物としても商業的に入手可能である。
【0028】
本発明による金属有機骨格材料は、細孔、特にミクロ孔及び/又はメソ孔を含有する。ミクロ孔は、2nm又はそれ以下の直径を有するそのような孔として定義されており、かつメソ孔は、2〜50nmの範囲内の直径により定義されており、その都度、例えばPure & Applied Chem. 57 (1985), 603-619, 特にp.606 (1976)に記載されているような定義に対応する。ミクロ孔及び/又はメソ孔の存在は、収着測定を用いて調べることができ、その際にこれらの測定は、DIN 66131及び/又はDIN 66134に従い77Kで窒素についてのMOFの吸収容量を決定する。
【0029】
好ましくは、DIN 66135(DIN 66131、66134)によるラングミュアモデルに従い算出される比表面積は粉末形のMOFについては、5m2/g超、より好ましくは10m2/g超、より好ましくは50m2/g超、さらにより好ましくは500m2/g超、さらにより好ましくは1000m2/g超及び特に好ましくは1500m2/g超である。
【0030】
MOF成形体は、より低い比表面積を有していてよく;しかしながら好ましくは10m2/gを上回り、より好ましくは50m2/gを上回り、さらにより好ましくは500m2/gを上回る。
【0031】
骨格材料中の金属成分は好ましくは、Ia、IIa、IIIa、IVa〜VIIIa及びIb〜VIb族から選択されている。Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ro、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb及びBiが特に好ましい。Zn、Al、Mg、Ca、Cu、Ni、Fe、Pd、Pt、Ru、Rh、Co、Zr及びTiがより好ましい。Zn、Al、Ni、Cu、Mg、Ca、Feが殊に好ましい。これらの元素のイオンに関して、特に、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、V2+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Ru2+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh2+、Rh+、Ir2+、Ir+、Ni2+、Ni+、Pd2+、Pd+、Pt2+、Pt+、Cu2+、Cu+、Ag+、Au+、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、As5+、As3+、As+、Sb5+、Sb3+、Sb+、Bi5+、Bi3+及びBi+を挙げることができる。
【0032】
少なくとも二座の少なくとも1つの有機化合物は、酸素、硫黄及び窒素からなる群からその都度独立して選択されており、有機化合物が金属に配位結合できる少なくとも2個の原子を有する。これらの原子は、有機化合物の骨格又は官能基の一部であってよい。
【0033】
前記の配位結合が形成されることができる官能基として、特に、例えば次の官能基を挙げることができる:OH、SH、NH2、NH(−R−H)、N(R−H)2、CH2OH、CH2SH、CH2NH2、CH2NH(−R−H)、CH2N(−R−H)2、−CO2H、COSH、−CS2H、−NO2、−B(OH)2、−SO3H、−Si(OH)3、−Ge(OH)3、−Sn(OH)3、−Si(SH)4、−Ge(SH)4、−Sn(SH)3、−PO32、−AsO3H、−AsO4H、−P(SH)3、−As(SH)3、−CH(RSH)2、−C(RSH)3、−CH(RNH22、−C(RNH23、−CH(ROH)2、−C(ROH)3、−CH(RCN)2、−C(RCN)3、その際にRは、例えば好ましくは、炭素原子1、2、3、4又は5個を有するアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、t−ブチレン基又はn−ペンチレン基、又は1もしくは2個の芳香族核、例えば2個のC6−環を有するアリール基であり、これらは場合により縮合されていてよく、かつ互いに独立して少なくともその都度1個の置換基で適当に置換されていてよく、及び/又は互いに独立してその都度少なくとも1個のヘテロ原子、例えばN、O及び/又はSを有していてよい。同様に好ましい実施態様によれば、前記の基Rが存在していない官能基を挙げることができる。これに関して、とりわけ−CH(SH)2、−C(SH)3、−CH(NH22、CH(NH(R−H))2、CH(N(R−H)22、C(NH(R−H))3、C(N(R−H)23、−C(NH23、−CH(OH)2、−C(OH)3、−CH(CN)2、−C(CN)3を挙げることができる。
【0034】
少なくとも2個の官能基は、原則的に、これらの官能基を有する有機化合物が、配位結合の形成のため及び骨格材料の製造のために適していることが保証されている限り、各々適した有機化合物に結合されていてよい。
【0035】
好ましくは、少なくとも2個の官能基を有する有機化合物は、飽和又は不飽和の脂肪族化合物から又は芳香族化合物から又は脂肪族でも芳香族でもある化合物から誘導される。
【0036】
脂肪族化合物、又は脂肪族でも芳香族でもある化合物の脂肪族部分は、線状及び/又は分枝鎖状及び/又は環状であってよく、その際に1つの化合物につき複数の環も可能である。さらに好ましくは、脂肪族化合物、又は脂肪族でも芳香族でもある化合物の脂肪族部分は、炭素原子1〜18個、さらに好ましくは1〜14個、さらに好ましくは1〜13個、さらに好ましくは1〜12個、さらに好ましくは1〜11個及び特に好ましくは1〜10個、例えば炭素原子1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個を有する。この場合に、とりわけメタン、アダマンタン、アセチレン、エチレン又はブタジエンが特に好ましい。
【0037】
芳香族化合物、又は芳香族でも脂肪族でもある化合物の芳香族部分は、1つ又はまたそれ以上の核、例えば2、3、4又は5個の核を有していてよく、その際にこれらの核は互いに別個に及び/又は少なくとも2個の核が縮合された形で存在していてよい。特に好ましくは、芳香族化合物、又は脂肪族でも芳香族でもある化合物の芳香族部分は、1、2又は3個の核を有し、その際に1又は2個の核が特に好ましい。互いに独立して、さらに、前記の化合物のそれぞれの核は、少なくとも1つのヘテロ原子、例えばN、O、S、B、P、Si、好ましくはN、O及び/又はSを有していてよい。さらに好ましくは、芳香族化合物、又は芳香族でも脂肪族でもある化合物の芳香族部分は、1又は2個のC6核を有し、その際に2個のC6核は、互いに別個に又は縮合された形で存在する。特に、芳香族化合物として、ベンゼン、ナフタレン及び/又はビフェニル及び/又はビピリジル及び/又はピリジルを挙げることができる。
【0038】
特に好ましくは、少なくとも二座の有機化合物は、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸又はそれらの硫黄類似体から誘導される。硫黄類似体は、官能基−C(=O)SH並びにその互変異性体及びC(=S)SHであり、これらは1つ又はそれ以上のカルボン酸基の代わりに使用されることができる。
【0039】
"誘導する"という概念は、本発明の範囲内で、骨格材料中の少なくとも二座の有機化合物が、部分的に脱プロトン化された又は完全に脱プロトン化された形で存在していてよいことを意味する。さらに、少なくとも二座の有機化合物は、別の置換基、例えば−OH、−NH2、−OCH3、−CH3、−NH(CH3)、−N(CH32、−CN並びにハロゲン化物を有していてよい。
【0040】
より好ましくは、少なくとも二座の有機化合物は、炭素原子1〜18個を有し、それに加え専ら少なくとも2つのカルボキシ基を官能基として有する脂肪族又は芳香族の非環状又は環状の炭化水素である。
【0041】
例えば、本発明の範囲内で、ジカルボン酸、例えば
シュウ酸、コハク酸、酒石酸、1,4−ブタンジカルボン酸、1,4−ブテンジカルボン酸、4−オキソ−ピラン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、1,8−ヘプタデカンジカルボン酸、1,9−ヘプタデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、アセチレンジカルボン酸、1,2−ベンゼンジカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、ピリジン−2,3−ジカルボン酸、1,3−ブタジエン−1,4−ジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸、p−ベンゼンジカルボン酸、イミダゾール−2,4−ジカルボン酸、2−メチルキノリン−3,4−ジカルボン酸、キノリン−2,4−ジカルボン酸、キノキサリン−2,3−ジカルボン酸、6−クロロキノキサリン−2,3−ジカルボン酸、4,4′−ジアミンフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸、キノリン−3,4−ジカルボン酸、7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン−2,8−ジカルボン酸、ジイミドジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、2−メチルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、チオフェン−3,4−ジカルボン酸、2−イソプロピルイミダゾール−4,5−ジカルボン酸、テトラヒドロピラン−4,4−ジカルボン酸、ペリレン−3,9−ジカルボン酸、ペリレンジカルボン酸、Pluriol E 200−ジカルボン酸、3,6−ジオキサオクタンジカルボン酸、3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、オクタジカルボン酸、ペンタン−3,3−カルボン酸、4,4′−ジアミノ−1,1′−ジフェニル−3,3′−ジカルボン酸、4,4′−ジアミノジフェニル−3,3′−ジカルボン酸、ベンジジン−3,3′−ジカルボン酸、1,4−ビス−(フェニルアミノ)−ベンゼン−2,5−ジカルボン酸、1,1′−ジナフチルジカルボン酸、7−クロロ−8−メチルキノリン−2,3−ジカルボン酸、1−アニリノアントラキノン−2,4′−ジカルボン酸、ポリテトラヒドロフラン−250−ジカルボン酸、1,4−ビス−(カルボキシメチル)−ピペラジン−2,3−ジカルボン酸、7−クロロキノリン−3,8−ジカルボン酸、1−(4−カルボキシ)−フェニル−3−(4−クロロ)−フェニルピラゾリン−4,5−ジカルボン酸、1,4,5,6,7,7,−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソ−イミダゾリジン−4,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸、2−ベンゾイルベンゼン−1,3−ジカルボン酸、1,3−ジベンジル−2−オキソイミダゾリジン−4,5−シス−ジカルボン酸、2,2′−ビキノリン−4,4′−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、3,6,9−トリオキサウンデカンジカルボン酸、ヒドロキシベンゾフェノンジカルボン酸、Pluriol E 300−ジカルボン酸、Pluriol E 400−ジカルボン酸、Pluriol E 600−ジカルボン酸、ピラゾール−3,4−ジカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5,6−ジメチル−2,3−ピラジンジカルボン酸、4,4′−ジアミノジフェニルエーテルジイミドジカルボン酸、4,4′−ジアミノジフェニルメタンジイミドジカルボン酸、4,4′−ジアミノジフェニルスルホンジイミドジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−メトキシ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、8−ニトロ−2,3−ナフタレンカルボン酸、8−スルホ−2,3−ナフタレンジカルボン酸、アントラセン−2,3−ジカルボン酸、2′,3′−ジフェニル−p−テルフェニル−4,4″−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、4(1H)−オキソチオクロメン−2,8−ジカルボン酸、5−t−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸、7,8−キノリンジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ヘキサトリアコンタンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、1,7−ヘプタジカルボン酸、5−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ジカルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、フラン−2,5−ジカルボン酸、1−ノネン−6,9−ジカルボン酸、エイコセンジカルボン酸、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン−3,3′−ジカルボン酸、1−アミノ−4−メチル−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、シクロヘキセン−2,3−ジカルボン酸,2,9−ジクロロフルオルビン−4,11−ジカルボン酸、7−クロロ−3−メチルキノリン−6,8−ジカルボン酸、2,4−ジクロロベンゾフェノン−2′,5′−ジカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、1−メチルピロール−3,4−ジカルボン酸、1−ベンジル−1H−ピロール−3,4−ジカルボン酸、アントラキノン−1,5−ジカルボン酸、3,5−ピラゾールジカルボン酸、2−ニトロベンゼン−1,4−ジカルボン酸、ヘプタン−1,7−ジカルボン酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、5,6−デヒドロノルボルナン−2,3−ジカルボン酸、5−エチル−2,3−ピリジンジカルボン酸又はカンファージカルボン酸、
トリカルボン酸、例えば
2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、7−クロロ−2,3,8−キノリントリカルボン酸、1,2,3−、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキソ−1H−ピロロ[2,3−F]キノリン−2,7,9−トリカルボン酸、5−アセチル−3−アミノ−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、3−アミノ−5−ベンゾイル−6−メチルベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸又はアウリントリカルボン酸、
又はテトラカルボン酸、例えば
1,1−ジオキシドペリロ[1,12−BCD]チオフェン−3,4,9,10−テトラカルボン酸、ペリレンテトラカルボン酸、例えばペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸又はペリレン−1,12−スルホン−3,4,9,10−テトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又はメソ−1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、デカン−2,4,6,8−テトラカルボン酸、1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン−2,3,11,12−テトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,11,12−ドデカンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,7,8−オクタン−テトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,9,10−デカンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸又はシクロペンタンテトラカルボン酸、例えばシクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸
を挙げることができる。
【0042】
極めて特に好ましくは、場合により少なくともモノ置換された単核、二核、三核、四核又はより多核の芳香族のジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸が使用され、その際にこれらの核のそれぞれが少なくとも1個のヘテロ原子を有していてよく、その際に2つ又はそれ以上の核は、同じか又は異なるヘテロ原子を有していてよい。例えば、単核のジカルボン酸、単核のトリカルボン酸、単核のテトラカルボン酸、二核のジカルボン酸、二核のトリカルボン酸、二核のテトラカルボン酸、三核のジカルボン酸、三核のトリカルボン酸、三核のテトラカルボン酸、四核のジカルボン酸、四核のトリカルボン酸及び/又は四核のテトラカルボン酸が好ましい。適したヘテロ原子は、例えばN、O、S、B、Pであり、好ましいヘテロ原子は、この場合にN、S及び/又はOである。適した置換基として、これに関連して、とりわけ−OH、ニトロ基、アミノ基又はアルキル基又はアルコキシ基を挙げることができる。
【0043】
殊に好ましくは、少なくとも二座の有機化合物として、アセチレンジカルボン酸(ADC)、カンファージカルボン酸、フマル酸、コハク酸、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、例えば4,4′−ビフェニルジカルボン酸(BPDC)、ピラジンジカルボン酸、例えば2,5−ピラジンジカルボン酸、ビピリジンジカルボン酸、例えば2,2′−ビピリジンジカルボン酸、例えば2,2′−ビピリジン−5,5′−ジカルボン酸、ベンゼントリカルボン酸、例えば1,2,3−、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(BTC)、ベンゼンテトラカルボン酸、アダマンタンテトラカルボン酸(ATC)、アダマンタンジベンゾアート(ADB)、ベンゼントリベンゾアート(BTB)、メタンテトラベンゾアート(MTB)、アダマンタンテトラベンゾアート又はジヒドロキシテレフタル酸、例えば2,5−ジヒドロキシテレフタル酸(DHBDC)が使用される。
【0044】
極めて特に好ましくは、とりわけイソフタル酸、テレフタル酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,2,3,4−及び1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、カンファージカルボン酸又は2,2′−ビピリジン−5,5′−ジカルボン酸が使用される。
【0045】
これらの少なくとも二座の有機化合物に加えて、金属有機骨格材料は、1つ又はそれ以上の一座の配位子も含んでいてよい。
【0046】
以下に、技術水準において知られた金属有機骨格材料の例が示されている。MOFの呼称、金属並びに少なくとも二座の配位子に加えて、さらに、溶剤並びに格子定数(角度α、β及びγ並びにA、B及びCの距離[Å])が示されている。後者は、X線回折により決定された。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
【表7】

【0054】
【表8】

【0055】
【表9】

【0056】
【表10】

【0057】
【表11】

【0058】
【表12】

【0059】
【表13】

【0060】
【表14】

ADC アセチレンジカルボン酸
NDC ナフタレンジカルボン酸
BDC ベンゼンジカルボン酸
ATC アダマンタンテトラカルボン酸
BTC ベンゼントリカルボン酸
BTB ベンゼン三安息香酸
MTB メタン四安息香酸
ATB アダマンタン四安息香酸
ADB アダマンタン二安息香酸。
【0061】
別のMOFは、MOF−177、MOF−178、MOF−74、MOF−235、MOF−236、MOF−69〜80、MOF−501、MOF−502であり、これらは文献に記載されている。
【0062】
本発明の範囲内でいわゆるIRMOF材料、特にIRMOF−1(=MOF−5)が極めて特に好ましい。
【0063】
ホウ素−有機骨格材料の場合に、金属イオンの位置に少なくとも2つのボロン基を有する有機化合物が入る。この場合に、この化合物の骨格は、上記で金属有機骨格材料について説明された少なくとも二座の有機化合物と同じように使用されることができる。さらに、これは、しかしながら少なくとも2つのボロン基(−B(OH)2)を有しなければならない。例示的に、ここではベンゼンジボロン酸、特にベンゼン−1,2−ジボロン酸を挙げることができる。各々のボロン基は、原則的に金属有機骨格材料のための少なくとも二座の有機化合物のように使用されることができる少なくとも二官能性の少なくとも1つの有機化合物と反応する。この場合に、同じ骨格並びに前記の官能基が使用されることができる。付加的に、しかしながら、少なくとも2つのボロン基を有する第一の化合物と同じか又は異なっていてよいボロン酸を含有する有機化合物であってもよい。好ましくは、少なくとも二官能性の有機化合物は、芳香族のジオール又はポリオール、又はジボロン酸もしくはポリボロン酸である。COF材料は、それゆえ、少なくとも2つのボロン基を有する第一の有機化合物並びに少なくとも2つの官能基を有する第二の有機化合物から構成されている。さらにまた、必ずしも二官能性又は多官能性ではない別の化合物が使用されることができる。
【0064】
非水系有機溶剤は、好ましくは、C1-6−アルカノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトニトリル、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、メチルエチルケトン(MEK)、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチルエステル、場合によりハロゲン化されたC1-200−アルカン、スルホラン、グリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、脂環式アルコール、例えばシクロヘキサノール、ケトン、例えばアセトン又はアセチルアセトン、シクロケトン、例えばシクロヘキサノン、スルホレン又はそれらの混合物である。
【0065】
1-6−アルカノールは、炭素原子1〜6個を有するアルコールを意味する。これらの例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール並びにそれらの混合物である。
【0066】
場合によりハロゲン化されたC1-200−アルカンは、炭素原子1〜200個を有するアルカンを意味し、その際に水素原子の1つ又は複数から全てまでが、ハロゲン、好ましくは塩素又はフッ素、特に塩素により、置換されていてよい。これらの例は、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン並びにそれらの混合物である。
【0067】
好ましい溶剤はDMF、DEF、DMAc及びNMPである。DMFが特に好ましい。
【0068】
"非水系"という概念は、好ましくは、溶剤の全質量を基準として、10質量%、より好ましくは5質量%、さらにより好ましくは1質量%、さらに好ましくは0.1質量%、特に好ましくは0.01質量%の最高含水量を上回らない溶剤を指す。
【0069】
好ましくは、反応前の反応混合物の液相の全最高含水量は、10質量%、より好ましくは5質量%及びさらにより好ましくは1質量%である。さらに好ましくは、反応の終了時の全最高含水量は、多くとも3質量%、より好ましくは多くとも1質量%及び最も好ましくは多くとも0.5質量%である。
【0070】
含水量の決定は、当業者によく知られている方法に基づいて決定されることができる。好ましくは、含水量は、カール・フィッシャー法に従って決定される(例えばRoempp Chemie Lexikon 第3巻(1995), p.2161, Georg Thieme Verlag参照)。
【0071】
"溶剤"という概念は、純粋な溶剤並びに多様な溶剤の混合物に該当する。
【0072】
反応後に、複数の後処理工程が行われてよく、好ましくは水分の遮断下に実施されることができる。これらは、ろ過工程、洗浄工程、乾燥工程、抽出工程、か焼工程又は成形工程であってよい。
【0073】
か焼工程が特に好ましい。この際に調節される温度は、典型的には250℃を上回り、好ましくは300〜400℃である。
【0074】
か焼工程に基づいて、細孔中に場合により残留している出発化合物は除去されることができる。
【0075】
これに補充して又は選択的に、多孔質の有機骨格材料の細孔からの出発物質の除去は、形成された骨格材料を非水系溶剤で処理することにより行われることができる。この場合に、"抽出法"のやり方で除去すべき配位子は溶出され、かつ場合により骨格材料中で溶剤分子によって置き換えられる。この温和な方法は、出発物質が高沸点化合物である場合に特に適している。前記処理は、好ましくは少なくとも30分間行われ、かつ典型的には2日間まで実施されることができる。これは、室温又は高められた温度で行われることができる。好ましくは、これは高められた温度下に、例えば少なくとも40℃、好ましくは60℃で行われる。さらに好ましくは、使用される溶剤の沸騰温度(還流下)での抽出である。
【0076】
前記処理は、単純な釜中で、骨格材料のスラリー化及び撹拌により行われることができる。抽出装置、例えばソックスレー装置、特に工業用抽出装置も使用されることができる。
【0077】
適した溶剤として、前記のもの、すなわち、例えばC1-6−アルカノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、アセトニトリル、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、メチルエチルケトン(MEK)、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチルエステル、場合によりハロゲン化されたC1-200−アルカン、スルホラン、グリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、脂環式アルコール、例えばシクロヘキサノール、ケトン、例えばアセトン又はアセチルアセトン、シクロケトン、例えばシクロヘキサノン又はそれらの混合物が使用されることができる。
【0078】
メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、MEK及びそれらの混合物が好ましい。
【0079】
極めて特に好ましい抽出溶剤はメタノールである。
【0080】
抽出に使用される溶剤は、少なくとも1つの金属化合物と少なくとも二座の少なくとも1つの有機化合物との反応のための溶剤と同じか又は異なっていてよい。特に、"抽出"の際に溶剤が水不含であることが、どうしても必要であるというわけではないが、しかし好ましい。
【0081】
有機骨格材料は、粉末状でもしくは凝集物として存在していてよい。前記骨格材料はそれ自体として使用されてよく、又は前記材料は成形体に変換される。
【0082】
成形体の好ましい製造方法は、この場合に押出し(Verstrangung)又は錠剤化である。成形体製造の際に、骨格材料は、製造の間に添加される別の材料、例えば結合剤、滑剤又はその他の添加剤を有していてよい。同じように、骨格材料が別の成分、例えば吸収剤、例えば活性炭等を有することが考えられる。
【0083】
これらの成形体の可能なジオメトリーに関して、本質的に制限は存在しない。例えば、とりわけペレット、例えばディスク状ペレット、ピル、球、グラニュール、押出物、例えばビレット、ハニカム、格子又は中空体を挙げることができる。
【0084】
これらの成形体の製造のためには、原則的に全ての適した方法が可能である。特に次の方法実施が好ましい:
・骨格材料を、単独で又は少なくとも1つの結合剤及び/又は少なくとも1つのペースト化剤(Anteigungsmittel)及び/又は少なくとも1つのテンプレート化合物と共に混練/エッジミル粉砕して(Kneten/Kollern)、混合物を得る;得られた混合物を、適した少なくとも1つの方法、例えば押出しにより成形する;場合により押出物を洗浄する及び/又は乾燥する及び/又はか焼する;場合により仕上げ加工する(Konfektionieren)。
・少なくとも1つの結合剤及び/又は他の助剤と共に錠剤化する。
・骨格材料を、少なくとも1つの場合により多孔質の担持材料上に施与する。得られた材料は、ついで、前記の方法に従い、成形体にさらに加工されることができる。
・骨格材料を、少なくとも1つの場合により多孔質の基体上に施与する。
【0085】
混練/エッジミル粉砕及び成形は、各々適した方法により、例えばUllmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie、第4版、第2巻、p.313以降(1972)に記載されているように、行われることができる。
【0086】
例えば、混練/エッジミル粉砕及び/又は成形は、ピストンプレス、少なくとも1つの結合剤材料の存在又は不在でのロールプレス、コンパウンディング、ペレット化、錠剤化、押出し、同時押出し、発泡、スピニング、コーティング、造粒、好ましくは噴霧造粒、噴霧、噴霧乾燥又はこれらの方法の2つ又はそれ以上の組合せを用いて、行われることができる。
【0087】
ペレット及び/又は錠剤が極めて特に好ましくは製造される。
【0088】
混練及び/又は成形は、高められた温度で、例えば室温から300℃までの範囲内で及び/又は高められた圧力で、例えば常圧から数百barの範囲内で及び/又は保護ガス雰囲気中で、例えば、少なくとも1つの希ガス、窒素又はそれらの2つ又はそれ以上の混合物の存在で行われることができる。
【0089】
混練及び/又は成形は、別の一実施態様によれば、少なくとも1つの結合剤の添加下に実施され、その際に結合剤として原則的に、混練すべき及び/又は成形すべき材料の混練及び/又は成形のために望ましい粘度を保証する各々化合物が使用されることができる。それに応じて、結合剤は、本発明の範囲内で、粘度を高める化合物並びに粘度を低下させる化合物であってよい。
【0090】
例えば、とりわけ好ましい結合剤として、例えば国際公開(WO)第94/29408号に記載されているような酸化アルミニウム又は酸化アルミニウムを含有する結合剤、例えば欧州特許出願公開(EP-A1)第0 592 050号明細書に記載されているような二酸化ケイ素、例えば国際公開(WO)第94/13584号に記載されているような二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの混合物、例えば特開平(JP-A)第03-037156号公報に記載されているような粘土鉱物類、例えばモンモリロナイト、カオリン、ベントナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライト及びアナウキサイト(Anauxit)、例えば欧州特許(EP-B1)第0 102 544号明細書に記載されているようなアルコキシシラン、例えばテトラアルコキシシラン、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、又は例えばトリアルコキシシラン、例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキシシラン、アルコキシチタナート、例えばテトラアルコキシチタナート、例えばテトラメトキシチタナート、テトラエトキシチタナート、テトラプロポキシチタナート、テトラブトキシチタナート、又は例えばトリアルコキシチタナート、例えばトリメトキシチタナート、トリエトキシチタナート、トリプロポキシチタナート、トリブトキシチタナート、アルコキシジルコナート、例えばテトラアルコキシジルコナート、例えばテトラメトキシジルコナート、テトラエトキシジルコナート、テトラプロポキシジルコナート、テトラブトキシジルコナート、又は例えばトリアルコキシジルコナート、例えばトリメトキシジルコナート、トリエトキシジルコナート、トリプロポキシジルコナート、トリブトキシジルコナート、シリカゾル、両親媒性物質及び/又はグラファイトを挙げることができる。
【0091】
粘度を増大させる化合物として、例えば、場合により前記の化合物に加えて、有機化合物及び/又は親水性ポリマー、例えばセルロース又はセルロース誘導体、例えばメチルセルロース及び/又はポリアクリラート及び/又はポリメタクリラート及び/又はポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドン及び/又はポリイソブテン及び/又はポリテトラヒドロフラン及び/又はポリエチレンオキシドが使用されることもできる。
【0092】
ペースト化剤として、とりわけ好ましくは、水又は少なくとも1つのアルコール、例えば、炭素原子1〜4個を有するモノアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール又は2−メチル−2−プロパノール又は水と少なくとも1つの前記のアルコールとからなる混合物又は多価アルコール、例えばグリコール、好ましくは単独で又は水及び/又は少なくとも1つの前記の一価アルコールとの混合物としての水混和性の多価アルコールが使用されることができる。
【0093】
混練及び/又は成形に使用されることができる別の添加剤は、とりわけ、アミン又はアミン誘導体、例えばテトラアルキルアンモニウム化合物又はアミノアルコール及び炭酸塩を含有する化合物、例えば炭酸カルシウムである。そのような別の添加剤は、例えば、欧州特許出願公開(EP-A1)第0 389 041号明細書、欧州特許出願公開(EP-A1)第0 200 260号明細書又は国際公開(WO)第95/19222号に記載されている。
【0094】
テンプレート化合物、結合剤、ペースト化剤、成形及び混練の際に粘度を増大させる物質のような添加剤の順序は、原則的に重要でない。
【0095】
好ましい別の一実施態様によれば、混練及び/又は成形により得られた成形体は、一般的に25〜500℃の範囲内、好ましくは50〜500℃の範囲内及び特に好ましくは100〜350℃の範囲内の温度で実施される少なくとも1つの乾燥にかけられる。同じように、真空中で又は保護ガス雰囲気下に又は噴霧乾燥により乾燥させることが可能である。
【0096】
特に好ましい一実施態様によれば、この乾燥過程の範囲内で、添加剤として添加された少なくとも1つの化合物が、少なくとも部分的に成形体から除去される。
【実施例】
【0097】
比較例1:MOF−5の従来の合成
Zn(NO32×4H2O 96.7g及びテレフタル酸20.8gを、DEF 2825g(カール・フィッシャーによる含水量0.02%)中に懸濁させる。反応混合物(カール・フィッシャーによる全含水量1%)を130℃で3.5h保持する。反応時間の終了時に、反応溶液の含水量は1.1%である。冷却後に、固体をろ別し、無水アセトン4×500mlで洗浄する。固体を、まず最初に室温で窒素流中で2〜4日間、予備乾燥させ、引き続き真空乾燥器中で16h、真空排気する(≦1mbar)。
【0098】
2を用いる表面積の測定の前に、試料をその都度数時間、200℃で真空排気する。
【0099】
次の表面積値が確定された(ラングミュアによる):
【表15】

【0100】
例2:水の除去を伴うMOF−5の合成
例1の合成を繰り返す。今度は、しかしながら、反応の間に生じた蒸気を、弱い窒素流を用いて蒸留連結管を介して分離する。ろ過後の母液は、H2O約0.5%のみを含有する。さらなる試料処理を、再び例1に類似して行う。
【0101】
次の表面積値が確定される(ラングミュアによる):
【表16】

【0102】
これらの結果は、反応混合物からの水の除去に基づいてより高い比表面積を有する骨格材料を得ることができ、かつ試験を繰り返した場合に、より高い再現性を指し示すより低い標準偏差となることを示している。
【0103】
例3:水の除去を伴うMOF−5の合成
例1の合成を繰り返すが、しかしながら今度は新たに活性化された3Åモレキュラーシーブ200gの存在で行う。ろ過後の母液は、H2O約0.34%のみを含有する。さらなる試料処理を、再び例1に類似して行う。試料は3182m2/gのN2表面積(ラングミュアによる)を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程:
・液相中で少なくとも1つの金属化合物と、前記金属に配位結合することができる少なくとも二座の少なくとも1つの有機化合物との反応混合物を、非水系有機溶剤の存在で水の存在で及び/又は水の遊離下に反応させる工程、その際に前記有機化合物は、酸素、硫黄及び窒素からなる群からその都度互いに独立して選択される少なくとも2個の原子を有し、これらの原子を介して前記有機化合物が金属に配位結合することができる、
を有する多孔質の有機金属の、場合により制限された骨格材料の製造方法であって、反応の間に反応混合物の液相から水を抜き出すことを特徴とする
多孔質の有機金属の、場合により制限された骨格材料の製造方法。
【請求項2】
水が少なくとも、金属化合物の結晶水又は溶剤の成分であるか、又は少なくとも1つの金属化合物と少なくとも二座の少なくとも1つの化合物との反応の際に脱離下に形成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも二座の少なくとも1つの有機化合物が、ジカルボン酸、トリカルボン酸又はテトラカルボン酸又はそれらの硫黄類似体から誘導される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
次の工程:
・液相中で少なくとも2つのボロン基を有する少なくとも1つの化合物と、ボロン基に共有結合することができる少なくとも二官能性の少なくとも1つの有機化合物との反応混合物を、非水系有機溶剤の存在で反応させる工程、その際に少なくとも二官能性の有機化合物は酸素、硫黄及び窒素からなる群からその都度互いに独立して選択される少なくとも2個の原子を含有し、これらの原子を介して二官能性の有機化合物がボロン基に共有結合することができる、
を有する多孔質のホウ素−有機の、場合により制限された骨格材料の製造方法であって、反応の間に反応混合物の液相から水を抜き出すことを特徴とする、
多孔質のホウ素−有機の、場合により制限された骨格材料の製造方法。
【請求項5】
水を、反応混合物から蒸留によって、ストリッピングによって又は吸着剤によって抜き出す、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
反応を撹拌しながら行う、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
反応を高くとも2bar(絶対)の圧力で行う、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
反応を80℃〜180℃の範囲内の反応温度で行う、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
非水系有機溶剤が、C1-6−アルカノール、DMSO、DMF、DEF、DMAc、アセトニトリル、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、MEK、ピリジン、THF、酢酸エチルエステル、場合によりハロゲン化されたC1-200−アルカン、スルホラン、グリコール、NMP、γ−ブチロラクトン、脂環式アルコール、ケトン、シクロケトン、スルホレン又はそれらの混合物である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
水分の遮断下に実施される1つ又はそれ以上の後処理工程を続ける、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2009−526019(P2009−526019A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553761(P2008−553761)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051211
【国際公開番号】WO2007/090864
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】