多孔質インプラント構造物
医療インプラントとして使用するのに適した多孔質生体適合性構造物およびそのような構造物を製作するための方法が開示される。開示される構造物は、迅速製造技法を使用して製作することができる。開示される多孔質構造物は、複数のストラットおよびノードを有し、ここで2本以下のストラットが互いに交差して1つのノードを形成する。さらに、ノードは、直線状、曲線状、曲線状および/または直線状である部分とすることができる。ストラットおよびノードは、セルを形成することができ、このセルは、少なくとも1つの他のセルに融合または焼結されることによって、連続的な網状構造物を形成して強度を改善する一方で、組織および細胞内殖に必要な多孔度を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年8月19日に出願された「Porous Implant Structures」と題する、米国仮特許出願第61/235,269号の利益を主張するものであり、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、医療インプラントに適した多孔質構造物、より具体的には、強度、多孔度、および結合性の改善された組合せを有する医療インプラントに適した多孔質構造物、ならびにそのような改善された多孔質構造物を製作するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属フォーム(metal foam)構造物は、医療インプラントを含めた様々な用途を有する多孔質の3次元構造物である。金属フォーム構造物は、体重支持目的に要求される強度ならびに骨/組織内殖を促すための多孔度を有するので、医療インプラント、特に整形インプラントに適している。例えば、多くの整形インプラントは、治癒の間に骨内殖を促すための足場構造物を提供する多孔質セクション、および患者をより迅速に歩行できるようにすることが意図された体重負荷セクションを含む。
【0004】
金属フォーム構造物は、様々な方法によって製造することができる。例えば、1つのそのような方法は、粉末金属を孔形成剤(PFA)と混合し、次いで混合物を圧縮成形して所望の形状にすることである。PFAは、「焼尽(burn out)」プロセスにおいて熱を使用して除去される。次いで残った金属骨格は、焼結されることによって多孔質金属フォーム構造物を形成することができる。
【0005】
別の同様の従来法は、結合剤をポリウレタンフォームに適用するステップ、金属粉末を結合剤に適用するステップ、ポリウレタンフォームを焼尽させるステップ、および金属粉末を一緒に焼結して「未加工」品を形成するステップを含む。結合剤および金属粉末が未加工品に再び適用され、未加工品は、未加工品が所望のストラットの厚さおよび多孔度を有するまで再焼結される。次いで未加工品は最終的な形状に機械仕上げされ、再焼結される。
【0006】
そのような従来法によって形成される金属フォームは、良好な多孔度を生じるが、これらは、多くの医療インプラントにおいて体重支持構造物として機能を果たすのに十分な強度をもたらさない。さらに、金属フォームを形成するのに使用されるプロセスは、金属とPFAとの間の反応によって、金属フォーム中に望ましくない金属化合物を形成する場合がある。従来の金属フォーム製作プロセスはまた、相当な量のエネルギーを消費し、有毒ガスを生成する場合がある。
【0007】
直接金属製作(DMF)および固体自由形状製作(SFF)などの迅速製造技術(RMT)が、医療インプラントまたは医療インプラントの一部において使用される金属フォームを作製するために最近使用されている。一般に、RMT法は、構造物を3D CADモデルから構築することを可能にする。例えば、DMF技法は、レーザーまたは電子ビームなどのエネルギー源を粉末の層に照射することによって固められる粉末から同時に1つの層で3次元構造物を作製する。粉末は、粉末層の選択された部分にラスタースキャン様式で向けられたエネルギー源の印加によって、融合、融解、または焼結される。1つの粉末層中のパターンを融合した後、粉末の追加の層が供給され、所望の構造物が完成するまでこのプロセスが繰り返され、層同士間の融合が起こる。
【0008】
そのような直接製作技法において使用されると報告されている金属粉末の例には、銅−スズ、銅−はんだ、および青銅−ニッケル系の2相金属粉末が含まれる。DMFによって形成される金属構造物は、比較的高密度であり、例えば、対応する鋳造された金属構造物の70%〜80%の密度を有する場合があり、または反対に比較的多孔質であり、80%以上に迫る多孔度を有する場合がある。
【0009】
DMFは、医療インプラント中の体重支持構造物としての機能を果たすのに十分強い高密度な構造物を提供するのに使用することができるが、そのような構造物は、組織および骨の内殖を促進するのに十分な多孔度を有さない。反対に、DMFは、組織および骨の内殖を促進するのに十分な多孔度を有する多孔質構造物を提供するのに使用することができるが、そのような多孔質構造物は、体重支持構造物として機能を果たすのに必要とされる強度に欠ける。他のレーザーRMT技法は、強度、多孔度、および結合性を必要とする整形インプラントにとって同様に不十分である。
【0010】
金属フォームインプラントおよび従来のDMF法を使用して製作されるインプラントの欠陥の結果として、いくつかの医療インプラントは、それぞれが1つまたは複数の異なる目的のために設計された多重構造を必要とする。例えば、いくつかの医療インプラントは、骨および組織の内殖を促進するための多孔質構造および体重支持構造の両方を必要とするために、多孔質プラグが固体構造物の陥凹内に配置される場合があり、次いで2つの構造物が焼結によって結合される場合がある。明らかに、単一の構造物を使用することが、2つの異なる構造物を使用し、これらを一緒に焼結することに対して好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0147332号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0010638号明細書
【特許文献3】米国出願第61/260,811号明細書
【特許文献4】米国特許第4,863,538号明細書
【特許文献5】米国特許第5,017,753号明細書
【特許文献6】米国特許第5,076,869号明細書
【特許文献7】米国特許第4,944,817号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記を踏まえると、特に様々な整形用途のために、要求される強度および所望の多孔度の両方をもたらす多孔質インプラント構造物の必要性が依然として存在する。本開示は、体重支持構造物に適した強度および組織内殖用構造物に適した多孔度の両方を有する改善された多孔質構造物、ならびにそのような改善された多孔質構造物を製作するための方法を提供する。
【0013】
本発明の一目的は、改善された強度および多孔度を有する医療インプラントとして使用するのに適した多孔質生体適合性構造物を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、改善された強度および多孔度を有する医療インプラントとして使用するのに適した生体適合性多孔質構造物を製作するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を満たすために、本発明の一態様によれば、それぞれが第1の端部、第2の端部、ならびにある厚さおよびある長さを有する、第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディを含む複数のストラットと、それぞれが第1のストラットの一端部と第2のストラットのボディとの間に交点を含む複数のノードとを備える多孔質構造物が提供される。
【0016】
好適な実施形態では、1つまたは複数のストラットの第1の端部および第2の端部は、2つの他のストラットのボディの間に延在する。別の好適な実施形態では、1つまたは複数のストラットのボディは、複数のノードを含む。
【0017】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数が、ある長さおよび厚さを有する曲線状部分を含む複数のストラットと、前記曲線状部分のうちの2つが接線方向に交差する複数の接合部と、それぞれが前記接合部の3つ以上によって形成される開口部を含む複数の改変されたノードとを備える多孔質構造物が存在する。
【0018】
好適な実施形態では、多孔質構造物は、ある長さおよびある厚さを有する直線部分を含む少なくとも1つのストラットを含む。別の好適な実施形態では、多孔質構造物は、第1の端部、第2の端部、ならびにある厚さおよびある長さを有する、第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディを有する少なくとも1つのストラットと、第1のストラットの一端部と第2のストラットのボディとの間に交点を含む少なくとも1つの閉じたノードとを含み、ストラットは、直線部分、曲線状部分、または両方を含むことができる。
【0019】
本発明の別の態様によれば、多孔質構造物を製作するための方法がある。1つのそのような方法は、多孔質構造物を形成するための複数のストラットおよび複数のノードを画定するステップを含む、多孔質構造物のモデルを形成するステップと、金属粉末をエネルギー源に曝露することによってモデルに従った多孔質構造物を製作するステップとを含む。画定ステップは、第1の端部、第2の端部、および各ストラットの第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディを定めるステップと、ボディの厚さ、長さを選択するステップと、各ノードについて第1のストラットの一端部と第2のストラットのボディとの間の交点を定めるステップとを含む。
【0020】
好適な実施形態では、この方法は、2つの他のストラットのボディの間に延在する1つまたは複数のストラットの第1の端部と第2の端部を画定するステップを含む。別の好適な実施形態では、複数のノードを構成するために1つまたは複数のストラットのボディを画定するステップを含む。
【0021】
本発明の別の態様によれば、多孔質構造物を製作するための第2の方法は、多孔質構造物の少なくとも1つのフレーム形状および1つまたは複数のセルのサイズを選択するステップであって、フレーム形状が、アルキメデス形状、プラトン形状、狭義凸多面体(strictly convex polyhedron)、角柱、反角柱、およびこれらの組合せからなる群から選択される幾何学的形状を含むステップ、フレームに、曲線部分を含む1つまたは複数のストラットを加えるステップであって、選択された形状の1つまたは複数の面内またはこれらの面の周囲に1つまたは複数のストラットの曲線状部分を内接または外接させることによって実施されるステップ、フレームおよび1つまたは複数のストラットの厚さを選択するステップを含む、多孔質構造物のモデルを作り出すステップと、金属粉末をエネルギー源に曝露することによってモデルに従った多孔質構造物を製作するステップとを含む。
【0022】
好適な実施形態では、作り出すステップは、モデルの1つまたは複数のセルからフレームの一部を取り除くステップを含む。別の好適な実施形態では、製作ステップは、選択された寸法、少なくとも1つのセルの形状、および少なくとも1つのセルのサイズに基づいて、多孔質構造物のためのN(1,x)個のレイヤーバイレイヤーパターンを画定するステップであって、Nは、多孔質構造物の底部における第1の層についての1から、多孔質構造物の頂部における最上層についてのxまでの範囲であるステップと、粉末状生体適合性物質のN番目の層を堆積させるステップと、粉末状生体適合性物質の堆積されたN番目の層中のN番目のパターンを融合または焼結するステップと、N=1〜N=xについて堆積ステップおよび融合ステップまたは焼結ステップを繰り返すステップとを含む。
【0023】
改良形態において、この方法は、少なくともいくつかのノードについて、2つ以下のストラットが同じ位置で交差する多孔質構造物のモデルを形成するステップをさらに含むことができる。
【0024】
別の改良形態では、この方法は、少なくとも1つのストラットまたはストラット部分が曲線状である多孔質構造物のモデルを形成するステップを含むことができる。
【0025】
開示された多孔質構造物は、直接金属製作プロセスなどの迅速製造技術を使用して製作することができる。ストラットは、別のストラットに焼結、融解、溶接、結合、融合し、または別の方法で接続することができる。ストラットおよびノードは、複数の窓を画定する場合がある。さらに、ストラットおよびノードは、互いに、融合、融解、溶接、結合、焼結し、または他の方法で接続することによって、セルを形成することができ、セルは、他のセルに融合、融解、溶接、結合、焼結し、または他の方法で接続することによって、連続的な網状構造物を形成することができる。
【0026】
いくつかの改良形態では、セルのストラットの少なくとも1つ、いくつか、またはすべては、均一なストラット直径を有することができる。いくつかの改良形態では、セルのストラットの1つ、いくつか、またはすべては、均一でないストラット直径を有することができる。いくつかの改良形態では、セルは、均一なストラット直径および均一でないストラット直径を有するストラットの組合せを有することができる。いくつかの改良形態では、セルの均一な直径のストラットの少なくとも1つ、いくつか、またはすべては、同様の、異なる、または同一のストラット直径、長手方向の形状、断面形状、サイズ、形状プロファイル、ストラットの厚さ、物質特性、強度プロファイル、または他の特性を共有していても、共有していなくてもよい。いくつかの改良形態では、セル内の1つ、いくつか、またはすべてのストラットは、所定のストラットの長さに沿って、同様の、異なる、または同一の割合で直径が増加または減少してもよい。
【0027】
いくつかの改良形態では、セル内のストラットは、2つのノードの間に延在することができる。この概念のさらなる改良形態では、ストラットは、2つのノード間に配置される中央部分での最小直径を含めて、ストラットの長さに沿って変化する断面直径を有することができる。この概念のさらなる改良形態では、ストラットは、それぞれの端部がノードに接続され、中央部分が2つの端部の間に配置された2つの対向する端部を有することができる。ストラットは、これらが中央部分から各ノードに向かって延在するにつれて外に向かって先太りになっていても、先細りになっていてもよく、その結果、中央部分の直径が、2つの対向する端部のいずれか、または両方の直径より一般に小さい。場合によっては、ストラットは、放物線状のフルート形状に先太りになっていてもよく、または円錐台形状に先細りになっていてもよい。
【0028】
他の改良形態では、セル内の少なくとも1つ、いくつか、またはすべてのストラットは曲線状である。この概念のさらなる改良形態では、多孔質構造物内のセルの1つ、いくつか、またはすべては、少なくとも1つの曲線状ストラットを含む。この概念のさらなる改良形態では、多孔質構造物を構成するストラットのすべてが曲線状である。この概念のさらなる改良形態では、曲線状のストラットは、完全なリングまたはリングセグメントを形成することができる。リングまたはリングセグメントは、相互接続されることによって、複数面セルの開放面または窓を形成することができる。場合によっては、1つのリングが、2つの隣接する複数面セルを接続する共有壁部分を形成することがある。場合によっては、1つまたは複数のリングセグメントは、単独で、または直線ストラット部分と組み合わせて、2つの隣接する複数面セルを接続する共有壁部分を形成することができる。なおさらなる改良形態では、各セルの面の数は約4〜約24の範囲となり得る。より好ましくは、各セルの面の数は、約4〜約16の範囲となり得る。特に有効であると見いだされた1つの幾何形状は、十二面体、すなわち12面セルである。しかし、以下に説明および例示されるように、個々のセルまたは多孔質構造物のセルの幾何形状は、変化に富んでいてもよく、幾何形状は、多孔質構造物のセルごとにランダムに変化してもよい。
【0029】
別の改良形態では、セル、ストラット、ノードおよび/または接合部の配置は、天然の骨組織をより密接にシミュレートするために多孔質構造物全体にわたってランダムに変更することができる。
【0030】
別の改良形態では、各セルは、複数面を持ち、四面体、切頂四面体、立方八面体、切頂六面体、切頂八面体、斜方立方八面体、切頂立方八面体、変形六面体、変形立方八面体、二十十二面体、切頂十二面体、切頂二十面体、斜方二十十二面体、切頂二十十二面体、変形十二面体、変形二十十二面体、立方体、八面体、十二面体、二十面体、角柱、擬角柱、反角柱、一様角柱(uniform prism)、直角柱、平行六面体、直平行六面体、ポリトープ、ハニカム、四角錐、五角錐、正三角台塔、正四角台塔、正五角台塔、正五角丸塔、正三角錐柱、正四角錐柱、正五角錐柱、正四角錐反柱、正五角錐反柱、双三角錐、双五角錐、双三角錐柱、双四角錐柱、双五角錐柱、双四角錐反柱、正三角台塔柱、正四角台塔柱、正五角台塔柱、正五角丸塔柱、正三角台塔反柱、正四角台塔反柱、正五角台塔反柱、正五角丸塔反柱、異相双三角柱、同相双三角台塔、同相双四角台塔、異相双四角台塔、同相双五角台塔、異相双五角台塔、同相五角台塔丸塔、異相五角台塔丸塔、同相双五角丸塔、同相双三角台塔柱、異相双三角台塔柱、異相双四角台塔柱、同相双五角台塔柱、異相双五角台塔柱、同相五角台塔丸塔柱、異相五角台塔丸塔柱、同相双五角丸塔柱、異相双五角丸塔柱、双三角台塔反柱、双四角台塔反柱、双五角台塔反柱、五角台塔丸塔反柱、双五角丸塔反柱、側錐三角柱、二側錐三角柱、三側錐三角柱、側錐五角柱、二側錐五角柱、側錐六角柱、双側錐六角柱、二側錐六角柱、三側錐六角柱、側錐十二面体、双側錐十二面体、二側錐十二面体、三側錐十二面体、二側錐欠損二十面体、三側錐欠損二十面体、側錐三側錐欠損二十面体、側台塔切頂四面体、側台塔切頂立方体、双側台塔切頂立方体、側台塔切頂十二面体、双側台塔切頂十二面体、二側台塔切頂十二面体、三側台塔切頂十二面体、側台塔回転斜方二十十二面体、双側台塔回転斜方二十十二面体、二側台塔回転斜方二十十二面体、三側台塔回転斜方二十十二面体、側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔欠損斜方二十十二面体、二側台塔欠損斜方二十十二面体、側台塔回転二側台塔欠損斜方二十十二面体、および三側台塔欠損斜方二十十二面体、変形双五角錐、変形四角反柱、球形屋根、側錐球形屋根、長球形屋根、広底長球形屋根、五角錐球形屋根、双三日月双丸塔、三角広底球形屋根丸塔、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される幾何学的形状内に適合することができる全体的な形状を有することができる。
【0031】
別の改良形態では、粉末は、金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0032】
別の改良形態では、金属材料は、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0033】
別の改良形態では、多孔質構造物は、医療インプラント、例えば、整形インプラント、歯科インプラント、または血管インプラントなどの少なくとも一部を形成する。
【0034】
ニアネットシェイプ製造プロセス、例えば、金属系生体材料とともに使用するための直接金属製作(DMF)プロセス、またはポリマー生体材料とともに使用するための立体リソグラフィー製造プロセスなどを使用して製作することができる、細胞および組織の内殖ならびに体重支持強度のための多孔質整形インプラント構造物も開示される。DMFプロセスが利用される場合では、粉末生体適合性材料が層中に供給され、粉末生体適合性材料の1つの層の個々の粒子は、同時に1つの層で一緒に融合または焼結される。例示的な多孔質構造物は、複数の3次元セルを備える。各セルは、複数のストラットを含む。各ストラットは、ノードで1つの他のストラットに焼結または融合することができる。各ノードは、2つ以下のストラットの接合部を含むことができる。各セルのストラットおよびノードは、複数の窓を画定する。各セルは約4〜約24の窓を含む。セルの少なくともいくつかのうちの少なくとも1つのストラットは曲線状である。各セルは、少なくとも1つの他のセルに融合または焼結されることによって、連続的な網状構造物を形成することができる。
【0035】
他の利点および特徴は、添付された図面とともに読む場合、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。前述では、以下に続く本発明の詳細な説明をより良好に理解することができるように、本発明の特徴および技術的利点をやや大まかに概説した。本発明の追加の特徴および利点は以下に記載され、これらは、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する。開示される概念および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を実施するために改変し、または他の構造物を設計するための基盤として容易に利用することができることは、当業者によって理解されるべきである。そのような均等な構築物は、添付の特許請求の範囲に示される本発明の精神および範囲から逸脱しないことも当業者によって認識されるべきである。本発明の機構および操作の方法の両方に関する、本発明の特徴であると考えられる新規の特徴は、さらなる目的および利点と一緒に、添付の図面とともに考慮される場合、以下の説明からより良好に理解されるであろう。しかし、図面のそれぞれは、例示および説明の目的のためだけに提供され、本発明の限定の定義として意図されていないことが明白に理解されるはずである。
【0036】
本発明をより完全に理解するために、次に添付の図面とともに採用される以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1A】ストラットが同様の直径を有する場合の先行技術の多孔質構造物中のノードにおけるストラットの例の3D表示を例示する図である。
【図1B】ストラットが異なる直径を有する場合の先行技術の多孔質構造物中のノードにおけるストラットの例の3D表示を例示する図である。
【図2】先行技術の破損したストラットの例のSEM(走査型電子顕微鏡)マイクロ写真である。
【図3】本発明のストラットおよびノードの一実施形態の3D表示を例示する図である。
【図4】本発明のストラットおよびノードの一実施形態の3D表示を例示する図である。
【図5】本発明のストラットおよびノードの一実施形態の3D表示を例示する図である。
【図6】ストラットの少なくともいくつかが、ノードにおける断面直径と比較した場合に、ストラットのボディ部分においてより小さい断面直径を含む場合の、本発明のストラットおよびノードの別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図7】ストラットの少なくともいくつかが、ノードにおける断面直径と比較した場合に、ストラットのボディ部分においてより小さい断面直径を含む場合の、本発明のストラットおよびノードの別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図8】ストラットの少なくともいくつかが、ノードにおける断面直径と比較した場合に、ストラットのボディ部分においてより小さい断面直径を含む場合の、本発明のストラットおよびノードの別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図9A】図6〜8の実施形態の平面図を例示する図である。
【図9B】図6〜8の実施形態の平面図を例示する図である。
【図10A】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10B】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10C】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10D】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10E】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10F】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図11A】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11B】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11C】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11D】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11E】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11F】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図12A】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図12B】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図12C】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図12D】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図13A】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13B】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13C】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13D】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13E】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13F】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13G】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13H】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13I】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13J】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13K】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13L】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13M】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図14】図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の2D表示を例示する図である。
【図15A】様々な曲線状フレーム、および交差してノードを形成する本発明の対応するストラットの例示的な配置の2D表示を例示する図である。
【図15B】様々な曲線状フレーム、および交差してノードを形成する本発明の対応するストラットの例示的な配置の2D表示を例示する図である。
【図15C】様々な曲線状フレーム、および交差してノードを形成する本発明の対応するストラットの例示的な配置の2D表示を例示する図である。
【図16】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図17】本発明の多孔質構造物の一般に立方体のセルについての例示的なフレームの3D表示を例示する図である。
【図18】図17中の立方体セルについてのフレームの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図19】先行技術の多孔質構造物の立方体セルの配置の3D表示を例示する図である。
【図20】本発明の多孔質構造物の立方体セルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図21】図20中の配置の拡大図(blown up view)を例示する図である。
【図22】本発明の多孔質構造物の四面体形状セルについての例示的なフレームの3D表示を例示する図である。
【図23】本発明の多孔質構造物の正四角錐(square−based pyramid)セルについての例示的なフレームの3D表示を例示する図である。
【図24】十二面体形状に基づく先行技術の多孔質構造物の従来のセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図25A】やはり十二面体形状に基づく本発明の多孔質構造物のセルの一実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図25B】やはり十二面体形状に基づく本発明の多孔質構造物のセルの一実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図26】本発明の一実施形態によって改変された図24Aおよび24B中の従来のセルのフレームの3D表示を例示する図である。
【図27】本発明の一実施形態によって改変された図24Aおよび24B中の従来のセルのフレームの3D表示を例示する図である。
【図28】本発明の一実施形態によって改変された図24Aおよび24B中の従来のセルのフレームの3D表示を例示する図である。
【図29A】図26〜28から形成された本発明のセルの3D表示を例示する図である。
【図29B】図26〜28から形成された本発明のセルのフレームの3D表示の部分図である。
【図30】2D表示に展開された図27のフレームを例示する図である。
【図31】2D表示に展開された切頂四面体セルのフレームを例示する図である。
【図32】本発明の一実施形態による曲線状ストラットを用いて形成された図31のフレームを例示する図である。
【図33】2D表示に展開された切頂八面体セルのフレームを例示する図である。
【図34】本発明の一実施形態による曲線状ストラットを用いて形成された図33のフレームを例示する図である。
【図35A】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35B】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35C】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35D】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35E】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図36】本発明の一実施形態によるセルの各面の周囲に円が外接した、2D表示に展開された切頂四面体セルのフレームを例示する図である。
【図37A】十二面体形状に基づく本発明のセルの別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図37B】十二面体形状に基づく本発明のセルの別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図38】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図39A】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図39B】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図39C】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図40】図24および25のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図41A】図24、25、および37のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図41B】図24、25、および37のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図42】1つまたは複数の曲線状ストラットを有する切頂四面体形状に基づくセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図43】切頂八面体に基づくセルの本発明の例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図44】立方体(薄灰色)、切頂立方八面体(黒色)、および切頂八面体(濃灰色)に基づくセルの本発明の例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図45】立方八面体(黒色)、切頂八面体(濃灰色)、および切頂四面体(薄灰色)に基づくセルの本発明の例示的配置の3D表示を例示する図である。
【図46】図42の配置のフレームの眺めを例示する図である。
【図47】図43の配置のフレームの眺めを例示する図である。
【図48】本発明の一実施形態によって改変された八面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図49】本発明の一実施形態によって改変された八面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図50】本発明の一実施形態によって改変された八面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図51A】図48〜50のフレームから形成された本発明のセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図51B】図48〜50のフレームから形成された本発明のセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図52】切頂四面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図53A】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図53B】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図53C】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図53D】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54A】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54B】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54C】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54D】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54E】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図55A】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55B】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55C】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55D】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55E】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図56A】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図56B】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図57A】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図57B】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図58】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図59】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図60】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図61】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図面は、必ずしもある縮尺になっておらず、開示された実施形態は図式的に、部分的な眺めで例示される場合があることが理解されるべきである。ある特定の場合では、開示された方法および装置の理解に必要でない、または他の細部を理解困難にする細部は、省略されている場合がある。また、単純化の目的で、すべてではなく、ただ1つの例示的な場合が表示されていることがある。もちろん、本開示は、本明細書に例示される特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。
【0039】
上記に論じたように、直接金属製作(DMF)などの迅速製造技法(RMT)を、医療インプラント用多孔質構造物を作製するのに使用することができる。しかし、多孔質構造物を製作するためにDMFまたは他のRMTを使用することにより、3次元多孔質構造物の窓同士の間に弱い領域が作り出される場合がある。これは、これらの多孔質構造物を形成するための先行技術において使用されているセルの形状および配置にほとんど起因する。特に、ノードにおいてストラットが一緒に接続されている領域で破損が一般的に起こる。先行技術の多孔質構造物において破損が起こるのは、ノードに接続するストラットの断面積が、得られるノードの断面積より一般的に小さいためである。応力ライザーと一般的に呼ばれる、ストラットがそのノードに接続する領域は、構造的破損の共通点である。応力ライザーでの破損のパターンは、粒子の溶融相が完全に融解して一緒に融合しない場合、または周囲の基体表面が冷たすぎて、熱い粉末材料がDMFプロセスの間に玉のようになることを引き起こす場合にも起こり得る。ストラット破損の正確な原因および生じる先行技術の多孔質構造物の芳しくない性能にかかわらず、DMF、ならびに他の自由形状製作プロセスおよびニアネットシェイププロセス(例えば、選択的レーザー焼結、電子ビーム融解、および立体リソグラフィー)を含むRMTを使用して製作することができる改善された多孔質構造物が望まれる。
【0040】
図1Aおよび1Bは、破損が起こり得る実例を提供する。図1A〜1Bは、それぞれ3つまたは4つのストラットが単一のノードに接続された多孔質構造物の例を例示し、図1Aのストラットは同じ直径を有し、図1Bのストラットは異なる直径を有する。具体的には、図1Aにおいて、一般に等しい直径の3つのストラット102は、ノード104で一緒に接続されている。3つの応力ライザー106が、3つのストラット102の間の接続部で作り出される。応力ライザー106におけるストラット102の断面直径は、ノード104の断面直径より小さいので、応力ライザー106は、一般的なストラット破損の位置である。図1Bにおいて、より小さいストラット108がノード112でより大きいストラット110に接続されている。4つの得られる応力ライザーのうちの3つが114に示されており、これらは、ノード112より実質的に小さい断面直径を有する。図2は、RMTを使用して製作された構造物200のSEM(走査型電子顕微鏡)マイクロ写真であり、これは、ストラット破損表面202の例を示す。図2において、示された試料は、ストラット破損表面202の周囲の領域内で、構築用粉末(build powder)204で閉塞されている。
【0041】
図3〜5を参照すると、本発明の様々な実施形態が示されている。図3〜5において、ストラット302、402、および502は、様々な組合せでそのそれぞれのノード304、404、および504で一緒に接続されている。ノード304、404、および504のそれぞれは、2つのストラットのみの間の接続部である。例えば、図5において、ノード504aは、ストラット502aと502bの間の接続部を含み、ノード504bは、ストラット502bと502cの間の接続部を含み、ノード504cは、ストラット502bと502dの間の接続部を含む。ストラットのそれぞれのノード304、404、および504で合流し、または接続されるストラット302、402、および502の数を低減することによって、ストラット302、402、および502が接続される直径または断面積は、それぞれのノード304、404、および504における断面積と実質的に等しい。したがって、構造物の強度に対する応力ライザー(図示せず)の効果は、図3〜5に例示された構造物において小さくなる。その結果として、得られる構造物は、図1A〜1Bにおいて例示された先行技術の構造物より実質的により強い。
【0042】
図6〜8は、ストラットのうちの少なくともいくつかが、応力ライザーにおける断面直径よりストラットのボディにおいて小さい断面直径を特徴とする、ストラットおよびノードの組合せを備える本発明の多孔質構造物の代替の実施形態を例示する。ストラット602、702、および802は、フルート形状または円錐形状を特徴とし、ストラット602、702、および802のそれぞれは、ストラットがそれぞれのノード604、704、および804に接近し、接続するにつれて、より広い断面直径へと先太りになる。図6〜8の設計は、フルート形状のストラット602、702、および802ならびに非フルート形状のストラット606、706、および806が組み込まれているのを例示し、両種類のストラットがそれぞれのノード604、704、および804で接続されている。
【0043】
したがって、フルート形状のストラット602、702、および802ならびに非フルート形状のストラット606、706、および806の間の接続部のそれぞれは、フルート形状のストラット602、702、および802の最大断面直径と本質的に等価な断面直径を有する。したがって、構造物の応力ライザー(図示せず)の効果は、それによって低減される。図9Aを参照すると、これは、図8中のストラット802およびノード804の平面図である。図9Bは、図6〜8中の個々のノードの平面図であり、これらは、説明的な目的のためにストラット602およびノード604として標識されている。図9A〜9Bを参照すると、フルート形状のストラット602、802は、ノード804、604で合流する端部606、806でより大きい、または最大の断面直径、および中央部分でより小さい、または最小の断面直径を有する。したがって、フルート形状のストラット602、702、および802ならびに非フルート形状のストラット606、706、および806の間の接続部における応力ライザー(図示せず)の効果は低減される。好ましくは、2つのストラットのみ、例えば、602および606が、強度を付加するために任意の所与のノード、例えば604と合流する。
【0044】
図10A〜10Fは、先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する。単純化の目的で、ストラットは3Dで表されてないが、代わりに各ストラットは、実線、太い実線、または点線である異なる線、例えば、そのフレームによって表されている。この表示は単に例示的であり、限定的であることを意味しない。先行技術において、ストラットが直線、曲線状または不規則である場合があるかどうかにかかわらず、ノード1002で合流する2つを超えるストラットを有することが多孔質構造物について一般的である。図10Aは、ノードで合流する2つのストラットを示しているかもしれないが、この配置の応力ライザーは、互いに接続または交差する4つのストラットを有するノードにおける応力ライザーの効果を有する。例えば、米国公開第2006/0147332号および同第2010/0010638号には、多孔質構造物を形成するために使用されたこれらの先行技術の配置の例が示されている。
【0045】
図10A〜10Fの先行技術の配置と対照的に、本発明は、ノードで2つ以下のストラットが交差することを確実にすることによって、ノードにおける応力ライザーの効果を低減する。その結果として、いくつかの実施形態は、ストラットが交差する直径または断面積が各ノードにおける断面積と実質的に等しいことをもたらし、それによって構造物の強度に対する応力ライザーの効果を低減する。図11A〜11Fは、2つ以下のストラットがノードで交差することを確実にするために、先行技術の対応する配置を改変するための本発明の例示的な実施形態を例示する。図11A〜11Fにおいて分かるように、ノード1102のそれぞれは、交差する2つのストラットのみを有する。単純化の目的で、11A〜11F中の多数のノードのうちの1つのみに符号1102が付されている。特に、図11A〜11Fは、ノード1102において、1つのストラットの端部が別のストラットのボディに交差することを示す。さらに、本発明の一実施形態による先行技術の配置の改変により、各配置において開いている改変された孔1104が形成され、これは強度が付加された追加の多孔度をもたらし、このことは、先行技術に対して大きな改善である。図12A〜12Dは、図11A〜11F中の1つまたは複数の配置を用いて形成された本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示し、フレーム、例えば、線に厚さが与えられることによってストラットを形成している。図12A〜12Dにおいて、多孔質構造物は、ノード1204で互いに交差するストラット1202を有し、この場合、2つ以下のノードがノードで交差する。
【0046】
図11A〜11Fによって実証されているように、図10A〜10Fの従来のノード1002は、有効に「開放」されていることによって、2つ以下のストラットがノードで合流することを確実にしている。ノードにおける応力ライザーの効果を低減することに加えて、図10A〜10Fの従来のノード1002の、図11A〜11Fのノード1102へのこの「開放」は、製作プロセスの間の熱変形を低減するという追加の利益を有する。任意の他の熱プロセスと同様に、材料の熱変形を制御することができること、例えば冷却は、所望の材料特性を得るのに重要である。
【0047】
図13A〜13Mを参照すると、本発明は、多孔質構造物中に曲線状ストラットを組み込むことによって応力ライザーの効果を低減する実施形態も提供する。図13A〜13Mは、直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含めた、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームのこれらの様々な例示的配置の2D表示を例示する。示されているように、2つのストラットのみがノード1302で互いに交差する。少なくとも図13A〜13Cにおいて、ストラットは、ノード1302で接線方向に互いに交差し、機械的強度および結合を増大させる。図14は、直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含めた、図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の2D表示を例示する。図14によって示されるように、曲線状であっても直線であっても、2つ以下のストラットが各ノードで合流する。図15A〜15Cは、様々な曲線状フレームおよび交差してノード1502を形成する、対応するストラットの本発明の例示的な配置の2D表示を例示する。図15A〜15Cにおいて、点線はフレーム1504を表し、実線は対応するストラット1506を表す。示されているように、ノード1502aは、1508に中心を有する円形ストラットが、1510に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差または合流する場所で形成される。ノード1502bは、1508に中心を有する円形ストラットが、1512に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差または合流する場所で形成される。同様に、図15Bは、1516に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差してノード1502cを形成する、1514に中心を有する円形ストラットを示す。同様に、図15Cは、1520に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差してノード1502dを形成する、1518に中心を有する円形ストラットを示す。図16は、直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含めた、図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する。
【0048】
図17は、12のストラット1702および16のノード1704によって形成された一般に立方体のセル1700についての例示的なフレームの3D表示を例示する。やはり単純化の目的で、ストラットおよびノードの一部のみが標識されている。従来の立方体設計(図示せず)のような3つのストラットの間で接続部を形成する8つのノードとは対照的に、わずか2つのストラット1702の間で接続部を形成する16のノード1704を使用することによって、セル1700は、より強いノード1704、およびストラット1702とノード1704の間のより強い接続部をもたらす。結果として、本発明の一実施形態のこの新規の配置により、ストラット1702とノード1704の間の断面直径の変化が回避される。結果として、構造物の強度に対する、図1A〜1B中の応力ライザー106および114に示したもののような応力ライザーの負の効果が小さくなる。図18は、図17中に示されたものと同様である複数の接続されたセル1802から形成される多孔質構造物1800を例示する。同様に、図19〜20は、図19中の先行技術のセルの配置と、図20中の本発明のセルの配置の一実施形態との間の別の比較を示す。以前に論じたように、ノードに交差する2つを超えるストラットを有することによって、先行技術の多孔質構造物は、応力ライザーの効果の増大のために弱い。一方、本発明の図20中の配置は、2つ以下のストラットがノードで交差するので、要求される多孔度をもたらし、強度が改善される。さらに、図20の配置は、通常の先行技術の配置と異なって、海綿骨の特性に類似するより小柱状の特徴を有するという追加の利益を有する。さらに、計算された様式で形成される一方で小柱状に似ているという利点は、本発明によって形成される多孔質構造物に別の利点、すなわち、多孔質構造物の広範囲のランダム化の必要性の減少をもたらす。その結果として、図20の配置は、図19の先行技術が類似するよりも骨の特性に類似する。図21は、図20中の配置の拡大図であり、図中点線2102は、ストラットが合流してノードを形成する場合をより良好に示すためのストラットのフレームを表す。
【0049】
同様に、図22は、本発明のセルの別の実施形態を例示する。セル2200は、四面体形状セルまたは三角錐に基づき、この場合これは、6つのストラット2202および8つのノード2204のみを使用して形成される。各ノード2204は、わずか2つのストラット2202を一緒に接続する。図23は、正四角錐である同様のセル2300を例示する。図23を参照すると8つのストラット2302および11のノード2304が使用されることによってセル2300が形成されている。セルのための他の幾何学的形状、例えば、十二面体、二十面体、八角柱、五角柱、直平行六面体、および様々なランダムなパターンなどが以下に論じられる。さらに、図17、18、22、および23は、これらのフレームから構築することができるストラットのフレームを例示し、この場合、各ストラットの厚さを選択することができる。したがって、各ストラットの厚さは、均一であっても、ストラットによって変化してもよい。さらに、ストラットは、図6〜8のフルート形状のストラットを組み込むことができる。さらに、ストラットは、形状が円柱状である必要はない。以下にさらに論じられるように、ストラットの断面は、長方形もしくは正方形、または任意の他の形状、例えば、用途に適する幾何学的形状または不規則な形状とすることができる。
【0050】
図17、18、22、および23に関して上記に論じたように、様々な形状の様々なセル設計物を、上記に論じた様々な技法、例えば、DMFを使用して作り出すことができる。一般的に言えば、ほとんど任意の3次元複数面設計物を使用することができる。例えば、全体的に幾何学的な形状、例えば、アルキメデス形状、プラトン形状、狭義凸多面体、角柱、反角柱、およびこれらの様々な組合せなどを有するセルは、本発明の企図の範囲内である。他の実施形態では、各セルの面の数は、約4〜約24の範囲とすることができる。より好ましくは、各セルの面の数は、約4〜約16の範囲とすることができる。特に有効であると見いだされている1つの幾何形状は、十二面体、すなわち12面セルである。しかし、以下に説明および例示されるように、個々のセルまたは多孔質構造物のセルの幾何形状は、変化に富んでいてもよく、幾何形状は、多孔質構造物のセルによってランダムに変化してもよい。
【0051】
例えば、図24Aおよび24Bは、先行技術の多孔質構造物からの慣例的に設計される十二面体セル2400を例示し、各ノード2404は、3つのストラット2402間の接続部である。やはり、米国公開第2006/0147332号および同第2010/0010638号には、これらの従来のセルから形成される多孔質構造物の例が開示されている。所与の多孔度および所望の体積を有する多孔質構造物は、所望の体積が実現されるまで、1つのセル2400を別のセル2400に結合させることによって複数のセル2400を使用して形成することができる。さらに、先行技術のセル配置を使用する構造物は、これらが天然の海綿状構造物のランダム性に類似しないので、不利になり得る。すなわち、これらは、小柱状の骨の特徴に適切に類似しない。より重要なことに、図24Aおよび24Bを参照すると、ストラット2402は、120°の角度で互いに交差し、それによって、ノード2404の面上のくぼみまたは溝の形成、および各ノード2404における2つを超えるストラット2402の間の接続部のために、応力集中要因が増大するので、より高い応力が各ノード2404にかかる。
【0052】
図25Aおよび25Bは、先行技術のこれらの問題の解決策を提供する本発明の一実施形態を例示する。図25Aおよび25Bによって示されるように、セル2500は、リングまたはフープを形成する曲線状ストラット2502を使用することによって図24Aおよび24B中の従来のノード2404を排除し、それによって、これらのノードによって生じる応力集中要因を排除した。さらに、セル2500は、図24Aおよび24B中の従来のノード2404を、開いている、または多孔質であることによって追加の多孔度をもたらすことができる改変されたノード2504と置き換え、これは、整形外科用インプラントの組織/骨内殖の増強などの多くの用途にとって追加の利益である。したがって、従来のセル2400は、より弱く、多孔性がより低いのに対して、セル2500は、多孔度の増大を伴って追加の強度をもたらす。
【0053】
図26〜28は、図25Aおよび25B中のセルを形成するための一実施形態を例示する。図26は、図24Aおよび24Bに関して論じたような先行技術のセルについての十二面体フレーム2600を例示する。図27は、図26の十二面体フレーム2600の上に重ねられた図28のフレーム2800を含むフレーム2700を例示する。図29Aは、フレーム2800の厚さを選択することによって形成される図25Aおよび25Bのセルと同様のセルを例示する。図29Aでは、セル2900は、この実施形態ではリング、ループ、環、またはフープを形成することができる12の曲線状ストラット2902から構築される。曲線状ストラット2902は、図29B中でより容易に分かる三角形の改変されたノード2904において一緒に結合されている。図29Bを参照すると、より太い円はセル2900の曲線状ストラット2902のうちの4つを表し、一方、より細い円は、ストラット2902によって形成された改変されたノード2904を強調する。各改変されたノード2904は、2つの異なる曲線状ストラット2902の間で3つの融合接続部または焼結接合部2906を含む。すなわち、曲線状ストラット2902は、それぞれの接合部2906で互いに接線方向に交差する。各ストラット2902の厚さに応じて、改変されたノード2904はまた、3つの接合部2906の間に配置される開口部2908を有する有孔性となり、または3つの接合部2906の間に配置される開口部を全く含まないで閉塞されている場合がある。好ましくは、改変されたノード2904は、3つの接合部2906の間に配置される開口部2908を有することによって、曲線状ストラット2902の窓2910によってもたらされる多孔度とともに接合部において追加の多孔度を提供する。図29Bを参照すると、ストラット2906は、互いに接線方向に交差する、例えば、そのフレームは接線方向に合流するが、ストラットの厚さは、個々の接合部2906を、距離2912によって示されるように比較的長くすることができる。これらの長い、一般に接線方向の焼結接合部2906は、機械的強度および結合の増大をもたらす。
【0054】
図30を参照すると、これは、従来のフレーム3008およびセル2900のフレーム3010を含む、図27の展開された、または平らにされた二次元表示を表す。図30によって示されているように、従来の配置3008の従来のノード3004と比較した場合の個々の接合部3006の位置および数は、本発明によって提供される曲線状ストラット3002を使用する場合、異なる。例えば、接合部3006は、曲線状ストラット3002のボディの中央付近に一般に位置される一方で、従来のノード3004は、従来のストラットの端部に位置される。さらに、この特定の実施形態では、曲線状ストラット3002が合流する接合部3006の数は、フレーム3008について直線ストラットが合流する従来のノード3004の数の3倍である。したがって、接合部の数の増大は、機械的強度の増大をもたらす。
【0055】
図31〜34は、図29のセル2900と同様のセルを形成するために、一般的な多面体に基づくセルのフレームを、曲線状ストラットを用いてどのように改変することができるかを例示する。具体的には、図31は、2D表示に展開された切頂四面体セルのフレーム3100を例示する。図32では、フレーム3200は、曲線状ストラット3202を用いて形成される、本発明の一実施形態によって改変された場合の図31のフレーム3100を表す。同様に、図33は、2D表示に展開された切頂八面体セルのフレーム3300を例示し、図34のフレーム3400は、曲線状ストラット3402を用いて形成される、本発明の一実施形態によって改変された場合の図31のフレーム3300を表す。例えば、図30に関して上記に論じたように、フレーム3200および3400を用いて形成されるセルは、それぞれフレーム3100および3300に対して増大された機械的強度および多孔度を有する。
【0056】
図35A〜35Eは、曲線状ストラットを有する一般的な多面体フレームを改変する1つの方法を例示する。本発明の一実施形態によれば、多面体は、円、または楕円もしくは長円形などの曲線状の特徴を含む他の形状をこの多面体内で内接させることによって改変することができる。具体的には、図35Aは、正方形内に内接された円であり、図35Bは、六角形内に内接された円であり、図35Cは、三角形内に内接された円であり、図35Dは、八角形内に内接された円であり、図35Eは、平行四辺形内に内接された楕円である。図35A〜35Eは、利用可能な様々な配置の単に説明的なものであり、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【0057】
図36は、曲線状ストラットを有する一般的な多面体フレームを改変する別の方法を例示する。本発明の別の実施形態によれば、多面体は、円、または楕円もしくは長円形などの曲線状の特徴を含む他の形状でこの多面体を外接させることによって改変することができる。図36は、セルの各面の周囲に外接された円3602を含む切頂四面体セルのフレーム3600を例示する。フレーム3600の一部、またはすべての部分を取り除くことによって、本発明による多孔質構造物を製作するのに使用することができる新しいセルフレームを形成することができる。
【0058】
図37〜39は、直線および曲線状ストラットの両方を組み込む本発明の実施形態を例示する。具体的には、図37Aおよび37Bは、図26の十二面体フレーム2600と図28のフレーム2800との組合せである図27のフレーム2700から形成されるセル3700を例示する。セル3700は、曲線状ストラットの付加により増大した強度を有し、これは、応力ライザーの混合をもたらす。示されているように、セル3700は、直線ストラット3702bで形成される従来のノード、および曲線状ストラット3702aの3つの接合部によって形成されるノードを含む改変されたノード3704を有する。図38は、直線ストラット3802によって形成される1つまたは複数の従来のノード3804を保持する一方で、接合部3808および改変されたノード3810を形成するために、セルの他のストラットを、曲線状ストラット3806を用いて改変することによって形成されるセル3800を例示する。図38において、いくつかのストラットは、用途に応じて他のストラットより選択的に太い。
【0059】
図38を参照すると、セル3800は、少なくとも1つの曲線状ストラット3802、好ましくは、2つの他の曲線状ストラット3802と結合される場合に改変されたノード3804aを形成する複数の曲線状ストラット3802を有する。他の実施形態では、改変されたノードは、曲線状ストラット、曲線状ストラットセクション、直線ストラット、もしくは直線ストラットセクション、またはこれらの組合せを一緒に結合することによって形成することができる。直線ストラットおよび曲線状ストラットを一緒に結合することによって形成されるノードの例は、改変されたノード3904bとして図39A〜39Cに示されている。改変されたノード3804aは、3つの接合部3806によって形成される三角形であることが好ましい。セル3800は、先行技術において実施された交角によって形成されるくぼみを含む場合のある直線ストラット3810または直線ストラットセクションを結合する、いくつかの従来のノード3808を含むことができる。改変されたノード3804aは、以前に論じられ、3804aによって示されているように孔を有していてもよく、または3804bによって示されているように閉塞されていてもよい。閉塞した改変されたノード3804bおよび孔を有する改変されたノード3804aは、曲線状または「リング様」ストラット間の3つ以上の接合部3806を一緒に一点で接する焼結によって形成することができる。閉塞したノード3804b、孔を有する改変されたノード3804a、従来のノード3808、直線ストラット3810、曲線状ストラット3802、およびこれらの部分またはセグメントの任意の組合せを、より強く、より海綿状らしいセル構造を作り出すために、異なる所定の方法またはランダムな方法で使用することができる。図39A〜39Cを参照すると、セル3900は、そのような組合せの例である。セル3900は、「リング様」である曲線状ストラット3902aおよびストラット3902bを有する。これは、直線ストラット3906および従来ノード3908も有する。ストラットの組合せは、孔を有する改変されたノード3904aおよび閉塞した改変されたノード3904bを形成する。
【0060】
したがって、多孔質構造物内のセル3800は、均質であってもよいが、これらは、海綿骨の外観により密接に類似させるために互いにランダムおよび/または所定の様式で配置されてもよい。場合によっては、1つまたは複数の不均質なセル配置を利用することが望ましい場合があり、これは、多孔質構造物を作り出すために所定のパターンで系統的に配置し、かつ/またはランダムな様式で配置することができる。様々な配置は、コンピューター支援設計(CAD)ソフトウェアまたは当業者に明らかな他の等価なソフトウェアを使用して設計することができる。
【0061】
図40および41は、図24、29、および37からのセル2400、2900、および3700をそれぞれどのように組み合わせる、例えば、取り付け(attach)、接合し(join)、並べ、積み重ね、または繰り返すことができるかという例示的な配置を示す。具体的には、図40は、それぞれ図24および29からのセル2400およびセル2900を含む配置4000を例示する。配置4000では、セル2400がセル2900に結合する面において、従来のノード2404を改変されたノード2904内に部分的に配置される。したがって、セル2400およびセル2900、または本発明によって形成される他のセルの様々な組合せを使用することによって、いくつかの改変されたノード2504を、従来のノードを改変されたノードを整合させることによって、選択的に、完全にまたは部分的に閉塞させることができる。図41Aおよび41Bは、セル2400、2900、および3700を含む配置4100を例示する。やはり、図40および41は例示的であり、これらのセル、または本発明の実施形態によって形成される他のセルを用いて行うことができる組合せを限定しない。
【0062】
図42は、複数のセル4202を一緒に結合することによって形成される多孔質構造物4200を例示し、セル4202の形状は、切頂四面体に基づく。完全なリングを形成してもしなくてもよい1つまたは複数の曲線状ストラット4204は、図42中で切頂四面体である選択された多面体形状の各面内に内接し、または各面の周囲に外接する。あるいは、切頂四面体形状または他の選択された多面体形状は、図29中のセル2900のリングストラットなどの真に曲線状のリングストラットを厳密に模倣する多数の短い直線ストラットを使用して形成することができる。
【0063】
図43〜45は、本発明の実施形態によって形成される例示的な配置のセルの3D表示を例示する。具体的には、図43は、切頂八面体に基づくセルが、積み重ねることによって、空間充填テセレーション(space filling tessellation)によるものであるバイトランケーテッド三次元ハニカム(bitruncated cubic honeycomb)構造物4300を形成することができる一方法を例示する。両濃淡度合の灰色での構造物4300のセルは切頂八面体である。単純化の目的で、各セルは、曲線状ストラットを用いて改変されていないが、代わりに、点線の円が、例えば、1つまたは複数の切頂八面体の1つまたは複数の面が、本発明の実施形態、例えば、増大した強度および多孔度を有する多孔質構造物を形成するための曲線状ストラットによって改変することができるのを例示するのに機能を果たす。同様に、図44は、立方体(薄灰色)、切頂立方八面体(黒色)、および切頂八面体(濃灰色)の組合せに基づくセルを積み重ねることによって、カンチトランケーテッド三次元ハニカム(cantitruncated cubic honeycomb)構造物4400を形成することができる一方法、例えば空間充填テセレーションを例示する。やはり、点線の円は、多孔質構造物4400の1つまたは複数の多面体が、どのように本発明の実施形態、例えば、増大した強度および多孔度を有する多孔質構造物を形成するための曲線状ストラットによって改変することができるかを表すことが理解される。同様に、図45は、立方八面体(黒色)、切頂八面体(濃灰色)、および切頂四面体(薄灰色)の組合せに基づくセルを積み重ねることによって、切頂交互三次元ハニカム(truncated alternated cubic honeycomb)構造物4500を形成することができる一方法、例えば空間充填テセレーションを例示する。やはり、点線の円は、構造物4500の1つまたは複数の多面体が、どのように本発明の実施形態、例えば、増大した強度および多孔度を有する多孔質構造物を形成するための曲線状ストラットによって改変することができるかを表すことが理解される。
【0064】
図46は、図43のバイトランケーテッド三次元ハニカム構造物4300のフレームの眺めを例示する。図47は、図45のカンチトランケーテッド三次元ハニカム構造物4500のフレームの眺めを例示する。図46および47によって示されるように、多面体を用いて形成される多孔質構造物はランダムでなく、したがって、特に骨のための移植目的に適しておらず、その理由は、これらが小柱状の骨の特徴に適切に類似しないためである。一方で、図46および47中のフレームのある特定のセルまたはすべてのセルを改変することにより、小柱状の骨に類似する多孔質構造物がもたらされることを想定することができる。
【0065】
曲線状ストラットが使用される場合、少なくとも1つの曲線状ストラット部分は、一般に、多面体の側面に少なくとも部分的に内接または外接するリングの一部を形成することができる。そのような多面体形状は、等角または頂点推移(transitive)、アイソトキサル(isotoxal)またはエッジ推移、アイソヘドラルまたは面推移、規則的、準規則的、半規則的、均一、またはノーブルのうちのいずれか1つとすることができる。開示された曲線状ストラット部分はまた、少なくとも部分的に、以下のアルキメデス形状の1つまたは複数の1つまたは複数の側面内に内接し、またはこの側面の周囲に外接することができる:切頂四面体、立方八面体、切頂立方体(すなわち、切頂六面体)、切頂八面体、斜方立方八面体(すなわち、小菱形立方八面体)、切頂立方八面体(すなわち、大菱形立方八面体)、変形立方体(すなわち、変形六面体、変形立方八面体−いずれかもしくは両方が対掌形(chiral form))、二十十二面体、切頂十二面体、切頂二十面体(すなわち、バッキーボールまたはサッカーボール状)、斜方二十十二面体(すなわち、小菱形二十十二面体)、切頂二十十二面体(すなわち、大菱形二十十二面体)、変形十二面体または変形二十十二面体(いずれかもしくは両方が対掌形)。アルキメデス形状は、同一の頂点で合流する2つ以上の種類の正多角形からなる高度に対称な、半規則的な凸多面体であるので、これらは一般に、体積空間を満たすための繰り返しパターンに使用するのに容易に積み重ね可能で配列可能であるものとして分類することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、本発明による曲線状ストラット部分が多孔質構造物を形成するために提供され、曲線状ストラット部分は一般に、少なくとも部分的に、1つまたは複数のプラトン形状(例えば、四面体、立方体、八面体、十二面体、および二十面体)、均一な多面体(例えば、角柱、擬角柱、例えば、反角柱、一様角柱、直角柱、平行六面体、および直平行六面体など)、ポリトープ、多角形、多面体、ポリフォーム、ならびに/またはハニカムの1つまたは複数の多角形の側面内に内接し、またはこの側面の周囲に外接するリングストラット部分を形成する。反角柱の例には、それだけには限定されないが、四角反柱、八角反柱、五角反柱、十角反柱、六角反柱、および十二角反柱が含まれる。
【0067】
さらに他の実施形態では、多孔質構造物は、狭義凸多面体の形状(例えば、ジョンソン形状)を含むセルから形成することができ、曲線状ストラット部分は一般に、少なくとも部分的に、狭義凸多面体の1つまたは複数の面内に内接し、またはこの面の周囲に外接するリングストラット部分を形成し、狭義凸多面体の各面は正多角形であり、狭義凸多面体は均一でない(すなわち、これは、プラトン形状、アルキメデス形状、角柱、または反角柱でない)。そのような実施形態では、狭義凸多面体の各面は同じ多角形でなければならない、または同じ多角形が各頂点の周囲に結合するという要求はまったくない。いくつかの例では、角錐、台塔、および丸塔、例えば、四角錐、五角錐、正三角台塔、正四角台塔、正五角台塔、および正五角丸塔などが企図されている。さらに、改変された角錐および双角錐、例えば、正三角錐柱(または四面体柱(elongated tetrahedron))、正四角錐柱(または側錐正六面体(augmented cube))、正五角錐柱、正四角錐反柱、正五角錐反柱(または側錐欠損二十面体(diminished icosahedron))、双三角錐、双五角錐、双三角錐柱、双四角錐柱(または二側錐正六面体(biaugmented cube))、双五角錐柱、双四角錐反柱などを使用することができる。改変された台塔および丸塔形状、例えば、正三角台塔柱、正四角台塔柱(側錐欠損斜方立方八面体(diminished rhombicuboctahedron))、正五角台塔柱、正五角丸塔柱、正三角台塔反柱、正四角台塔反柱、正五角台塔反柱、正五角丸塔反柱、異相双三角柱、同相双三角台塔(側台塔回転立方八面体(gyrate cuboctahedron))、同相双四角台塔、異相双四角台塔、同相双五角台塔、異相双五角台塔、同相五角台塔丸塔、異相五角台塔丸塔、同相双五角丸塔(側台塔回転二十十二面体(gyrate icosidodecahedron))、同相双三角台塔柱、異相双三角台塔柱、異相双四角台塔柱(側台塔回転斜方立方八面体(gyrate rhombicuboctahedron))、同相双五角台塔柱、異相双五角台塔柱、同相五角台塔丸塔柱、異相五角台塔丸塔柱、同相双五角丸塔柱、異相双五角丸塔柱、双三角台塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、双四角台塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、双五角台塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、五角台塔丸塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、および双五角丸塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)などを利用することができる。側錐角柱(augmented prism)例えば、側錐三角柱、二側錐三角柱、三側錐三角柱、側錐五角柱、二側錐五角柱、側錐六角柱、双側錐六角柱、二側錐六角柱、および三側錐六角柱なども本発明とともに実施することができる。改変されたプラトン形状、例えば、側錐十二面体、双側錐十二面体、二側錐十二面体、三側錐十二面体、二側錐欠損二十面体、三側錐欠損二十面体、および側錐三側錐欠損二十面体などを使用することができる。さらに、改変されたアルキメデス形状、例えば、側台塔切頂四面体、側台塔切頂立方体、双側台塔切頂立方体、側台塔切頂十二面体、双側台塔切頂十二面体、二側台塔切頂十二面体、三側台塔切頂十二面体、側台塔回転斜方二十十二面体、双側台塔回転斜方二十十二面体、二側台塔回転斜方二十十二面体、三側台塔回転斜方二十十二面体、側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔欠損斜方二十十二面体、二側台塔欠損斜方二十十二面体、側台塔回転二側台塔欠損斜方二十十二面体、および三側台塔欠損斜方二十十二面体などが想定される。変形双五角錐(シャム十二面体(Siamese dodecahedron))、変形四角反柱、球形屋根、側錐球形屋根、長球形屋根、広底長球形屋根、五角錐球形屋根、双三日月双丸塔、および三角広底球形屋根丸塔、ならびに他の多岐にわたる均一でない凸多面体形状が企図されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明のセルの窓の平均断面は、0.01〜2000マイクロメートルの範囲内である。より好ましくは、セルの窓の平均断面は、50〜1000マイクロメートルの範囲内である。最も好ましくは、セルの窓の平均断面は、100〜500マイクロメートルの範囲内である。セルの窓は、それだけには限定されないが、(1)開いた改変された孔などのストラットによって作り出される任意の開口部、例えば、図38の3804aもしくは図11A〜11Fの1104、接合部によって作り出される任意の開口部、例えば、図38の3806もしくは図11A〜11Fのノード1102、または(2)ストラット自体によって作り出される任意の開口部、例えば、図29Bの2910を含むことができる。例えば、セルの窓が一般に円形である場合の実施形態では、窓の平均断面は、その特定の窓の平均直径とすることができ、セルの窓が一般に長方形または正方形である場合の実施形態では、窓の平均断面は、一方の辺から反対の辺に至る平均距離とすることができる。
【0069】
上記原理を他の実施形態に適用して、図51Aおよび51Bは、図49〜50に示された、本発明の一実施形態によって改変された図48中に示された八面体フレームから形成されるセル5100を例示する。図49において、フレーム4900は、図48中のフレーム4800の面内に円を内接させることによって形成される。図50において、フレーム5000は、図49のフレーム4900からフレーム4800を取り除くことによって形成される。図49に示されているように、フレーム5000は一般に、八面体フレーム4800内にフィットする。図51Aおよび51Bは、図50中のフレーム5000について形状および厚さを選択することによって形成される、完成したセル5100を例示する。図51Aおよび51Bを参照すると、セル5100は一般に、リングの形態で提供することができる8つの曲線状ストラット5102を含む。8つの曲線状ストラット5102は、12の異なる接合部5106で互いに接続される。孔を有する改変された6つのノード5104は、それぞれ一般に長方形の形状を有し、4つの異なる接合部5106および対応するストラット5102によって形成される。図51Aおよび51Bによって示されているように、図25Aおよび25Bのセル2500の曲線状ストラットと異なり、曲線状ストラット5102は、図25Aおよび25B中のセル2500と同様のセルの円形断面ではなく、長方形または正方形の断面を有する。長方形または正方形断面を有するセルは、円形の断面のセルの粗さと異なる粗さを有する多孔質構造物をもたらす。他の実施形態のストラットは、断面について異なる形状を有することができることが想定される。したがって、セルのストラットは同じ断面を有することができ、ストラットの断面の形状はランダムに選択することができ、または断面形状は、望まれる強度、多孔度、および/または粗さを実現するように選択的に選ぶことができる。
【0070】
別の選択肢として、図53A〜53Dは、本発明の一実施形態によって改変された図52中の切頂四面体フレームに基づくさらに別のセル5300を例示する。図53A〜53Dを参照すると、セル5300は、図51Aおよび51Bのセル5100と同様の様式で形成される。すなわち、フレーム5200は、円と内接されることによって、円形ストラットを含む第2のフレームを形成し、フレーム5200は、円形フレームを残して取り除かれる。セル5300は、フレーム5300の厚さおよび断面積の形状を選択することによって完成する。上記に論じたように、ストラットの厚さおよび断面の形状は、均一な断面を有するストラットまたはフルート形状をしたストラットを含めて、均一であってもよく、またはランダムに、もしくは所定の様式で変化してもよい。セル5300は、切頂四面体フレーム5200の4つの大きい六角形の側面に対応する4つのより大きい曲線状ストラット5302a、および切頂四面体フレーム5200の4つのより小さい三角形の側面に対応する4つのより小さい曲線状ストラット5302b を含む。あるいは、セルは、切頂四面体フレーム5200の大きい側面5202および小さい側面5204の周囲に円を外接させることによって形成することができる。この代替の実施形態の2D表示は、図36に示されている。図面に明白に示されていないが、いくつかの実施形態では、内接された曲線状ストラットおよび外接された曲線状ストラットの組合せを使用することができることも企図されている。図53A〜53Dに例示されているように、孔を有する三角形の改変されたノード5304は、ストラット5302aおよび5302bを一緒に接続する3つの接合部5306の間で形成されるが、当業者は、図38に示されているような閉塞した改変されたノード3804bも使用することができることを認識するであろう。また、図53A〜53Dに示されているように、より大きい曲線状ストラット5302aは円形の断面を有する一方で、より小さい曲線状ストラット5302bは長方形の断面を有する。図54A〜54Eは、1つの例示的な様式で図53のセル5300を積み重ねることによって形成される多孔質構造物の様々な角度を例示する。いくつかの実施形態では、図53のセル5300は、当業者に公知であるような様々な様式で積み重ねることができることが想定される。
【0071】
図55A〜55Eは、セル5500が上部および下部の六角形を有し、6つの垂直の側面を含む六角柱(角柱の)フレームに基づくさらに別の実施形態を例示する。6つのより小さい曲線状ストラット5502aが6つの側面のために使用され、より大きい上部および下部の曲線状ストラット5502bが頂部および底部のために使用されている。図55A〜55Eに例示されたセル5500では、8つの曲線状ストラット5302a、5302bは、閉塞した改変されたノード5504によって接続されているが、図25に示されたものなどの孔を有する改変されたノードも使用することができることが当業者に明らかとなるであろう。図55A〜55Eに示された特定の実施形態では、6つの側面のために使用される6つのより小さい曲線状ストラット5502aは、2つのより大きい上部および下部の曲線状ストラット5302bよりわずかに小さい断面積を有する。しかし、均一または実質的に均一な断面積を有するストラットも、本開示の範囲から逸脱することなく使用することができることが当業者に明らかとなるであろう。図56A〜56Bは、1つの例示的な様式で図55A〜55Eのセル5500を積み重ねることによって形成される多孔質構造物の様々な角度を例示する。図56Aおよび56Bでは、セル5500は、互いに隣接して配置されることによって層5602を形成し、この層は、所定の様式またはランダムな様式で互いの頂部に配置されている。図57Aおよび57Bは、図56Aおよび56Bに示されたのと同じ様式で積み重ねられたより多い数のセル5500を同様に示す。分かるように、セル5500は、層5702によって積み重ねられている。いくつかの実施形態では、図55のセル5500は、当業者に公知であるような様々な様式で積み重ねることができることが想定される。
【0072】
図58〜61は、本発明の別の実施形態によって改変された十二面体フレーム5800、5900、6000、および6100を例示する。従来のノード5802、5902、6002、および6102を排除または低減するために曲線状ストラットまたは曲線状部分を有するストラットを使用する代わりに、図58〜61の特定の実施形態は、従来のノードの少なくとも1つが、少なくとも図11A〜11Fによって示されているように、1つのノードにおいて交差するノードが2つ以下であることを確実にすることによって、従来のノードを調整する。図58〜61によって示されているように、フレーム5800、5900、6000、および6100は、少なくとも1つの改変されたノード5804、5904、6004、および6104を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、セル、ストラット、ノードおよび/または接合部の配置は、天然の骨組織をより密接にシミュレートするために、多孔質構造物全体にわたってランダムに変更することができる。特に、本発明によって形成されるセル、例えば、図25A〜25B、29A、37A〜37B、38、39A〜39C、42、51A〜51B、53A〜53D、または55A〜55Bに例示されたセルなどは、その開示全体が本明細書に参照により組み込まれている米国出願第61/260,811号に概説された方法によって積み重ね、または繰り返すことができる。さらに、米国出願第61/260,811号の方法はまた、2つ以下のストラットがノードで交差するように従来のノードを改変するのに使用することができる。さらに別の実施形態では、本発明によって形成される多孔質構造物は、医療インプラント、例えば、整形インプラント、歯科インプラント、または血管インプラントなどにおいて使用することができる。
【0074】
以下の段落でさらに論じられるように、本開示は、上述した多孔質構造物を製作するための方法も提供する。好ましくは、本発明の改善された多孔質構造物は、直接金属製作(DMF)などの迅速製造技法(RMT)を含めた自由形状製作法を使用することによって形成される。一般に、自由形状製作技法では、所望の構造物を、コンピューター制御されたデータベースから直接形成することができ、様々な物品および構造物を製作するのに必要とされる時間および費用を大いに低減する。一般的に、RMTまたは自由形状製作では、コンピューター支援機械または装置を使用し、これは、粉末を融解または焼結するためのレーザービームなどのエネルギー源を有することによって、機械のコンピューターコンポーネントのデータベースにおいて選択されるモデルに従って、同時に1つの層で構造物を構築する。
【0075】
例えば、RMTは、その部分を作製するために空間における指定された箇所にエネルギーおよび/または材料を連続して送り届けることによって物体を製造するための積層造形技法である。特に、供給されるレーザー可融性粉末から層的な様式で、同時に1つの層で物体を作製することができる。粉末は、物体の断面に対応する粉末層の部分にラスタースキャン様式で向けられるレーザーエネルギーを印加することによって、融合、融解、再融解、または焼結される。1つの特定の層上で粉末を融合した後、追加の層の粉末が供給され、物体が完成するまでこのプロセスが繰り返される。
【0076】
選択的レーザー焼結技術の詳細な説明は、米国特許第4,863,538号、同第5,017,753号、同第5,076,869号、および同第4,944,817号に見出すことができ、これらの開示全体は本明細書に参照により組み込まれている。現在実施されているのは、コンピューターの支援で作り出される数学的モデルを使用してコンピューターによって製造プロセスを制御することである。その結果として、選択的レーザー再融解および焼結技術などのRMTは、様々な材料から高い分解能および次元精度の固体または3D構造物を直接製造することを可能にした。
【0077】
本発明の一実施形態では、多孔質構造物は、金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体およびこれらの組合せからなる群から選択される粉末から形成される。別の実施形態では、金属粉末が使用され、これは、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0078】
当業者によって分かるように、本発明の開示によるセルまたは構造物のモデルを作り出すことは、コンピューター支援設計(CAD)ソフトウェアまたは他の同様のソフトウェアを用いて行うことができる。一実施形態では、モデルは、先行技術の配置から開始し、(1)図3〜8、11A〜11F、12A〜12D、17〜20、もしくは22〜23中の配置など、ノードで交差するストラットの数を調整し、または(2)図13A〜13M、14、15A〜15C、16、もしくは58〜61中の配置など、ストラットに曲線状部分を導入することにより、先行技術の配置のストラットおよびノードを改変することによって構築される。別の実施形態では、曲線状の「リング様」ストラットを加えることによって、図25A〜25B、29A、37A〜37B、38、39A〜39C、42、51A〜51B、53A〜53D、または55A〜55Bに例示されたセルを形成することができる。図26を参照すると、一実施形態では、これらのセルは、十二面体などの多面体に基づくフレーム2600から開始することによって形成することができる。図27を参照すると、次のステップは、フレーム2600の各面内で円を内接させて、フレーム2600上に重ねられたフレーム2800であるフレーム2700を形成することである。引き続いて、フレーム2600をフレーム2700から取り除き、フレーム2800のみを残すことができる。フレーム2800の厚さおよび断面の形状を選択することによって、図29A中のセル2900などの完成したセルを形成することができる。上記に論じたように、フレーム2600の面の部分は、円で内接させることができ、かつ/またはフレーム2600の部分は、形成するために取り除くことができ、もしくはフレーム2600はまったく取り除かれない。そのような組合せによって形成されるセルは、図37A〜37B、38、および39A〜39C中に例示されている。図48〜53および55によって示されているように、同じステップを、多面体に基づく任意の種類のフレームに適用することができる。また、コンピューターソフトウェアの支援を用いて、積み重ねる、並べる、または繰り返すアルゴリズムを適用することによって、本発明の単位セルまたはストラットおよびノードから形成される、所望の寸法を有する多孔質構造物のモデルを作り出すことができる。1つのそのような積み重ねるアルゴリズムは、図43〜45によって示される空間充填テセレーションである。上述したように、米国出願第61/260,811号に開示された方法を適用することによって、本発明のセルを積み重ね、または制御されたランダム化によって本発明の開示によるストラットを形成することができ、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
【0079】
本発明およびその利点を詳細に説明してきたが、様々な変更、置換、および修正を、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で行うことができることが理解されるべきである。さらに、本願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者が本発明の開示から容易に理解するように、現存する、または本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施し、または実質的に同じ結果を実現する、後に開発されるプロセス、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップを、本発明によって利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップをその範囲内に含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0080】
102、302、402、502、602、702、802 ストラット
104、304、404、504、604、704、804、112 ノード
106、114 応力ライザー
108 より小さいストラット
110 より大きいストラット
200 構造物
202 ストラット破損表面
204 構築用粉末
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年8月19日に出願された「Porous Implant Structures」と題する、米国仮特許出願第61/235,269号の利益を主張するものであり、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、医療インプラントに適した多孔質構造物、より具体的には、強度、多孔度、および結合性の改善された組合せを有する医療インプラントに適した多孔質構造物、ならびにそのような改善された多孔質構造物を製作するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属フォーム(metal foam)構造物は、医療インプラントを含めた様々な用途を有する多孔質の3次元構造物である。金属フォーム構造物は、体重支持目的に要求される強度ならびに骨/組織内殖を促すための多孔度を有するので、医療インプラント、特に整形インプラントに適している。例えば、多くの整形インプラントは、治癒の間に骨内殖を促すための足場構造物を提供する多孔質セクション、および患者をより迅速に歩行できるようにすることが意図された体重負荷セクションを含む。
【0004】
金属フォーム構造物は、様々な方法によって製造することができる。例えば、1つのそのような方法は、粉末金属を孔形成剤(PFA)と混合し、次いで混合物を圧縮成形して所望の形状にすることである。PFAは、「焼尽(burn out)」プロセスにおいて熱を使用して除去される。次いで残った金属骨格は、焼結されることによって多孔質金属フォーム構造物を形成することができる。
【0005】
別の同様の従来法は、結合剤をポリウレタンフォームに適用するステップ、金属粉末を結合剤に適用するステップ、ポリウレタンフォームを焼尽させるステップ、および金属粉末を一緒に焼結して「未加工」品を形成するステップを含む。結合剤および金属粉末が未加工品に再び適用され、未加工品は、未加工品が所望のストラットの厚さおよび多孔度を有するまで再焼結される。次いで未加工品は最終的な形状に機械仕上げされ、再焼結される。
【0006】
そのような従来法によって形成される金属フォームは、良好な多孔度を生じるが、これらは、多くの医療インプラントにおいて体重支持構造物として機能を果たすのに十分な強度をもたらさない。さらに、金属フォームを形成するのに使用されるプロセスは、金属とPFAとの間の反応によって、金属フォーム中に望ましくない金属化合物を形成する場合がある。従来の金属フォーム製作プロセスはまた、相当な量のエネルギーを消費し、有毒ガスを生成する場合がある。
【0007】
直接金属製作(DMF)および固体自由形状製作(SFF)などの迅速製造技術(RMT)が、医療インプラントまたは医療インプラントの一部において使用される金属フォームを作製するために最近使用されている。一般に、RMT法は、構造物を3D CADモデルから構築することを可能にする。例えば、DMF技法は、レーザーまたは電子ビームなどのエネルギー源を粉末の層に照射することによって固められる粉末から同時に1つの層で3次元構造物を作製する。粉末は、粉末層の選択された部分にラスタースキャン様式で向けられたエネルギー源の印加によって、融合、融解、または焼結される。1つの粉末層中のパターンを融合した後、粉末の追加の層が供給され、所望の構造物が完成するまでこのプロセスが繰り返され、層同士間の融合が起こる。
【0008】
そのような直接製作技法において使用されると報告されている金属粉末の例には、銅−スズ、銅−はんだ、および青銅−ニッケル系の2相金属粉末が含まれる。DMFによって形成される金属構造物は、比較的高密度であり、例えば、対応する鋳造された金属構造物の70%〜80%の密度を有する場合があり、または反対に比較的多孔質であり、80%以上に迫る多孔度を有する場合がある。
【0009】
DMFは、医療インプラント中の体重支持構造物としての機能を果たすのに十分強い高密度な構造物を提供するのに使用することができるが、そのような構造物は、組織および骨の内殖を促進するのに十分な多孔度を有さない。反対に、DMFは、組織および骨の内殖を促進するのに十分な多孔度を有する多孔質構造物を提供するのに使用することができるが、そのような多孔質構造物は、体重支持構造物として機能を果たすのに必要とされる強度に欠ける。他のレーザーRMT技法は、強度、多孔度、および結合性を必要とする整形インプラントにとって同様に不十分である。
【0010】
金属フォームインプラントおよび従来のDMF法を使用して製作されるインプラントの欠陥の結果として、いくつかの医療インプラントは、それぞれが1つまたは複数の異なる目的のために設計された多重構造を必要とする。例えば、いくつかの医療インプラントは、骨および組織の内殖を促進するための多孔質構造および体重支持構造の両方を必要とするために、多孔質プラグが固体構造物の陥凹内に配置される場合があり、次いで2つの構造物が焼結によって結合される場合がある。明らかに、単一の構造物を使用することが、2つの異なる構造物を使用し、これらを一緒に焼結することに対して好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0147332号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0010638号明細書
【特許文献3】米国出願第61/260,811号明細書
【特許文献4】米国特許第4,863,538号明細書
【特許文献5】米国特許第5,017,753号明細書
【特許文献6】米国特許第5,076,869号明細書
【特許文献7】米国特許第4,944,817号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記を踏まえると、特に様々な整形用途のために、要求される強度および所望の多孔度の両方をもたらす多孔質インプラント構造物の必要性が依然として存在する。本開示は、体重支持構造物に適した強度および組織内殖用構造物に適した多孔度の両方を有する改善された多孔質構造物、ならびにそのような改善された多孔質構造物を製作するための方法を提供する。
【0013】
本発明の一目的は、改善された強度および多孔度を有する医療インプラントとして使用するのに適した多孔質生体適合性構造物を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、改善された強度および多孔度を有する医療インプラントとして使用するのに適した生体適合性多孔質構造物を製作するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を満たすために、本発明の一態様によれば、それぞれが第1の端部、第2の端部、ならびにある厚さおよびある長さを有する、第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディを含む複数のストラットと、それぞれが第1のストラットの一端部と第2のストラットのボディとの間に交点を含む複数のノードとを備える多孔質構造物が提供される。
【0016】
好適な実施形態では、1つまたは複数のストラットの第1の端部および第2の端部は、2つの他のストラットのボディの間に延在する。別の好適な実施形態では、1つまたは複数のストラットのボディは、複数のノードを含む。
【0017】
本発明の別の態様によれば、1つまたは複数が、ある長さおよび厚さを有する曲線状部分を含む複数のストラットと、前記曲線状部分のうちの2つが接線方向に交差する複数の接合部と、それぞれが前記接合部の3つ以上によって形成される開口部を含む複数の改変されたノードとを備える多孔質構造物が存在する。
【0018】
好適な実施形態では、多孔質構造物は、ある長さおよびある厚さを有する直線部分を含む少なくとも1つのストラットを含む。別の好適な実施形態では、多孔質構造物は、第1の端部、第2の端部、ならびにある厚さおよびある長さを有する、第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディを有する少なくとも1つのストラットと、第1のストラットの一端部と第2のストラットのボディとの間に交点を含む少なくとも1つの閉じたノードとを含み、ストラットは、直線部分、曲線状部分、または両方を含むことができる。
【0019】
本発明の別の態様によれば、多孔質構造物を製作するための方法がある。1つのそのような方法は、多孔質構造物を形成するための複数のストラットおよび複数のノードを画定するステップを含む、多孔質構造物のモデルを形成するステップと、金属粉末をエネルギー源に曝露することによってモデルに従った多孔質構造物を製作するステップとを含む。画定ステップは、第1の端部、第2の端部、および各ストラットの第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディを定めるステップと、ボディの厚さ、長さを選択するステップと、各ノードについて第1のストラットの一端部と第2のストラットのボディとの間の交点を定めるステップとを含む。
【0020】
好適な実施形態では、この方法は、2つの他のストラットのボディの間に延在する1つまたは複数のストラットの第1の端部と第2の端部を画定するステップを含む。別の好適な実施形態では、複数のノードを構成するために1つまたは複数のストラットのボディを画定するステップを含む。
【0021】
本発明の別の態様によれば、多孔質構造物を製作するための第2の方法は、多孔質構造物の少なくとも1つのフレーム形状および1つまたは複数のセルのサイズを選択するステップであって、フレーム形状が、アルキメデス形状、プラトン形状、狭義凸多面体(strictly convex polyhedron)、角柱、反角柱、およびこれらの組合せからなる群から選択される幾何学的形状を含むステップ、フレームに、曲線部分を含む1つまたは複数のストラットを加えるステップであって、選択された形状の1つまたは複数の面内またはこれらの面の周囲に1つまたは複数のストラットの曲線状部分を内接または外接させることによって実施されるステップ、フレームおよび1つまたは複数のストラットの厚さを選択するステップを含む、多孔質構造物のモデルを作り出すステップと、金属粉末をエネルギー源に曝露することによってモデルに従った多孔質構造物を製作するステップとを含む。
【0022】
好適な実施形態では、作り出すステップは、モデルの1つまたは複数のセルからフレームの一部を取り除くステップを含む。別の好適な実施形態では、製作ステップは、選択された寸法、少なくとも1つのセルの形状、および少なくとも1つのセルのサイズに基づいて、多孔質構造物のためのN(1,x)個のレイヤーバイレイヤーパターンを画定するステップであって、Nは、多孔質構造物の底部における第1の層についての1から、多孔質構造物の頂部における最上層についてのxまでの範囲であるステップと、粉末状生体適合性物質のN番目の層を堆積させるステップと、粉末状生体適合性物質の堆積されたN番目の層中のN番目のパターンを融合または焼結するステップと、N=1〜N=xについて堆積ステップおよび融合ステップまたは焼結ステップを繰り返すステップとを含む。
【0023】
改良形態において、この方法は、少なくともいくつかのノードについて、2つ以下のストラットが同じ位置で交差する多孔質構造物のモデルを形成するステップをさらに含むことができる。
【0024】
別の改良形態では、この方法は、少なくとも1つのストラットまたはストラット部分が曲線状である多孔質構造物のモデルを形成するステップを含むことができる。
【0025】
開示された多孔質構造物は、直接金属製作プロセスなどの迅速製造技術を使用して製作することができる。ストラットは、別のストラットに焼結、融解、溶接、結合、融合し、または別の方法で接続することができる。ストラットおよびノードは、複数の窓を画定する場合がある。さらに、ストラットおよびノードは、互いに、融合、融解、溶接、結合、焼結し、または他の方法で接続することによって、セルを形成することができ、セルは、他のセルに融合、融解、溶接、結合、焼結し、または他の方法で接続することによって、連続的な網状構造物を形成することができる。
【0026】
いくつかの改良形態では、セルのストラットの少なくとも1つ、いくつか、またはすべては、均一なストラット直径を有することができる。いくつかの改良形態では、セルのストラットの1つ、いくつか、またはすべては、均一でないストラット直径を有することができる。いくつかの改良形態では、セルは、均一なストラット直径および均一でないストラット直径を有するストラットの組合せを有することができる。いくつかの改良形態では、セルの均一な直径のストラットの少なくとも1つ、いくつか、またはすべては、同様の、異なる、または同一のストラット直径、長手方向の形状、断面形状、サイズ、形状プロファイル、ストラットの厚さ、物質特性、強度プロファイル、または他の特性を共有していても、共有していなくてもよい。いくつかの改良形態では、セル内の1つ、いくつか、またはすべてのストラットは、所定のストラットの長さに沿って、同様の、異なる、または同一の割合で直径が増加または減少してもよい。
【0027】
いくつかの改良形態では、セル内のストラットは、2つのノードの間に延在することができる。この概念のさらなる改良形態では、ストラットは、2つのノード間に配置される中央部分での最小直径を含めて、ストラットの長さに沿って変化する断面直径を有することができる。この概念のさらなる改良形態では、ストラットは、それぞれの端部がノードに接続され、中央部分が2つの端部の間に配置された2つの対向する端部を有することができる。ストラットは、これらが中央部分から各ノードに向かって延在するにつれて外に向かって先太りになっていても、先細りになっていてもよく、その結果、中央部分の直径が、2つの対向する端部のいずれか、または両方の直径より一般に小さい。場合によっては、ストラットは、放物線状のフルート形状に先太りになっていてもよく、または円錐台形状に先細りになっていてもよい。
【0028】
他の改良形態では、セル内の少なくとも1つ、いくつか、またはすべてのストラットは曲線状である。この概念のさらなる改良形態では、多孔質構造物内のセルの1つ、いくつか、またはすべては、少なくとも1つの曲線状ストラットを含む。この概念のさらなる改良形態では、多孔質構造物を構成するストラットのすべてが曲線状である。この概念のさらなる改良形態では、曲線状のストラットは、完全なリングまたはリングセグメントを形成することができる。リングまたはリングセグメントは、相互接続されることによって、複数面セルの開放面または窓を形成することができる。場合によっては、1つのリングが、2つの隣接する複数面セルを接続する共有壁部分を形成することがある。場合によっては、1つまたは複数のリングセグメントは、単独で、または直線ストラット部分と組み合わせて、2つの隣接する複数面セルを接続する共有壁部分を形成することができる。なおさらなる改良形態では、各セルの面の数は約4〜約24の範囲となり得る。より好ましくは、各セルの面の数は、約4〜約16の範囲となり得る。特に有効であると見いだされた1つの幾何形状は、十二面体、すなわち12面セルである。しかし、以下に説明および例示されるように、個々のセルまたは多孔質構造物のセルの幾何形状は、変化に富んでいてもよく、幾何形状は、多孔質構造物のセルごとにランダムに変化してもよい。
【0029】
別の改良形態では、セル、ストラット、ノードおよび/または接合部の配置は、天然の骨組織をより密接にシミュレートするために多孔質構造物全体にわたってランダムに変更することができる。
【0030】
別の改良形態では、各セルは、複数面を持ち、四面体、切頂四面体、立方八面体、切頂六面体、切頂八面体、斜方立方八面体、切頂立方八面体、変形六面体、変形立方八面体、二十十二面体、切頂十二面体、切頂二十面体、斜方二十十二面体、切頂二十十二面体、変形十二面体、変形二十十二面体、立方体、八面体、十二面体、二十面体、角柱、擬角柱、反角柱、一様角柱(uniform prism)、直角柱、平行六面体、直平行六面体、ポリトープ、ハニカム、四角錐、五角錐、正三角台塔、正四角台塔、正五角台塔、正五角丸塔、正三角錐柱、正四角錐柱、正五角錐柱、正四角錐反柱、正五角錐反柱、双三角錐、双五角錐、双三角錐柱、双四角錐柱、双五角錐柱、双四角錐反柱、正三角台塔柱、正四角台塔柱、正五角台塔柱、正五角丸塔柱、正三角台塔反柱、正四角台塔反柱、正五角台塔反柱、正五角丸塔反柱、異相双三角柱、同相双三角台塔、同相双四角台塔、異相双四角台塔、同相双五角台塔、異相双五角台塔、同相五角台塔丸塔、異相五角台塔丸塔、同相双五角丸塔、同相双三角台塔柱、異相双三角台塔柱、異相双四角台塔柱、同相双五角台塔柱、異相双五角台塔柱、同相五角台塔丸塔柱、異相五角台塔丸塔柱、同相双五角丸塔柱、異相双五角丸塔柱、双三角台塔反柱、双四角台塔反柱、双五角台塔反柱、五角台塔丸塔反柱、双五角丸塔反柱、側錐三角柱、二側錐三角柱、三側錐三角柱、側錐五角柱、二側錐五角柱、側錐六角柱、双側錐六角柱、二側錐六角柱、三側錐六角柱、側錐十二面体、双側錐十二面体、二側錐十二面体、三側錐十二面体、二側錐欠損二十面体、三側錐欠損二十面体、側錐三側錐欠損二十面体、側台塔切頂四面体、側台塔切頂立方体、双側台塔切頂立方体、側台塔切頂十二面体、双側台塔切頂十二面体、二側台塔切頂十二面体、三側台塔切頂十二面体、側台塔回転斜方二十十二面体、双側台塔回転斜方二十十二面体、二側台塔回転斜方二十十二面体、三側台塔回転斜方二十十二面体、側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔欠損斜方二十十二面体、二側台塔欠損斜方二十十二面体、側台塔回転二側台塔欠損斜方二十十二面体、および三側台塔欠損斜方二十十二面体、変形双五角錐、変形四角反柱、球形屋根、側錐球形屋根、長球形屋根、広底長球形屋根、五角錐球形屋根、双三日月双丸塔、三角広底球形屋根丸塔、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される幾何学的形状内に適合することができる全体的な形状を有することができる。
【0031】
別の改良形態では、粉末は、金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0032】
別の改良形態では、金属材料は、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0033】
別の改良形態では、多孔質構造物は、医療インプラント、例えば、整形インプラント、歯科インプラント、または血管インプラントなどの少なくとも一部を形成する。
【0034】
ニアネットシェイプ製造プロセス、例えば、金属系生体材料とともに使用するための直接金属製作(DMF)プロセス、またはポリマー生体材料とともに使用するための立体リソグラフィー製造プロセスなどを使用して製作することができる、細胞および組織の内殖ならびに体重支持強度のための多孔質整形インプラント構造物も開示される。DMFプロセスが利用される場合では、粉末生体適合性材料が層中に供給され、粉末生体適合性材料の1つの層の個々の粒子は、同時に1つの層で一緒に融合または焼結される。例示的な多孔質構造物は、複数の3次元セルを備える。各セルは、複数のストラットを含む。各ストラットは、ノードで1つの他のストラットに焼結または融合することができる。各ノードは、2つ以下のストラットの接合部を含むことができる。各セルのストラットおよびノードは、複数の窓を画定する。各セルは約4〜約24の窓を含む。セルの少なくともいくつかのうちの少なくとも1つのストラットは曲線状である。各セルは、少なくとも1つの他のセルに融合または焼結されることによって、連続的な網状構造物を形成することができる。
【0035】
他の利点および特徴は、添付された図面とともに読む場合、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。前述では、以下に続く本発明の詳細な説明をより良好に理解することができるように、本発明の特徴および技術的利点をやや大まかに概説した。本発明の追加の特徴および利点は以下に記載され、これらは、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する。開示される概念および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を実施するために改変し、または他の構造物を設計するための基盤として容易に利用することができることは、当業者によって理解されるべきである。そのような均等な構築物は、添付の特許請求の範囲に示される本発明の精神および範囲から逸脱しないことも当業者によって認識されるべきである。本発明の機構および操作の方法の両方に関する、本発明の特徴であると考えられる新規の特徴は、さらなる目的および利点と一緒に、添付の図面とともに考慮される場合、以下の説明からより良好に理解されるであろう。しかし、図面のそれぞれは、例示および説明の目的のためだけに提供され、本発明の限定の定義として意図されていないことが明白に理解されるはずである。
【0036】
本発明をより完全に理解するために、次に添付の図面とともに採用される以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1A】ストラットが同様の直径を有する場合の先行技術の多孔質構造物中のノードにおけるストラットの例の3D表示を例示する図である。
【図1B】ストラットが異なる直径を有する場合の先行技術の多孔質構造物中のノードにおけるストラットの例の3D表示を例示する図である。
【図2】先行技術の破損したストラットの例のSEM(走査型電子顕微鏡)マイクロ写真である。
【図3】本発明のストラットおよびノードの一実施形態の3D表示を例示する図である。
【図4】本発明のストラットおよびノードの一実施形態の3D表示を例示する図である。
【図5】本発明のストラットおよびノードの一実施形態の3D表示を例示する図である。
【図6】ストラットの少なくともいくつかが、ノードにおける断面直径と比較した場合に、ストラットのボディ部分においてより小さい断面直径を含む場合の、本発明のストラットおよびノードの別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図7】ストラットの少なくともいくつかが、ノードにおける断面直径と比較した場合に、ストラットのボディ部分においてより小さい断面直径を含む場合の、本発明のストラットおよびノードの別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図8】ストラットの少なくともいくつかが、ノードにおける断面直径と比較した場合に、ストラットのボディ部分においてより小さい断面直径を含む場合の、本発明のストラットおよびノードの別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図9A】図6〜8の実施形態の平面図を例示する図である。
【図9B】図6〜8の実施形態の平面図を例示する図である。
【図10A】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10B】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10C】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10D】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10E】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図10F】先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する図である。
【図11A】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11B】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11C】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11D】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11E】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図11F】本発明の一実施形態によって改変された、図10A〜10F中の先行技術のストラットおよびノードのフレームの対応する配置の2D表示を例示する図である。
【図12A】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図12B】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図12C】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図12D】図11A〜11F中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図13A】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13B】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13C】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13D】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13E】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13F】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13G】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13H】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13I】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13J】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13K】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13L】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図13M】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームの様々な例示的配置の2D表示を例示する図である。
【図14】図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の2D表示を例示する図である。
【図15A】様々な曲線状フレーム、および交差してノードを形成する本発明の対応するストラットの例示的な配置の2D表示を例示する図である。
【図15B】様々な曲線状フレーム、および交差してノードを形成する本発明の対応するストラットの例示的な配置の2D表示を例示する図である。
【図15C】様々な曲線状フレーム、および交差してノードを形成する本発明の対応するストラットの例示的な配置の2D表示を例示する図である。
【図16】直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含む、図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む、本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する図である。
【図17】本発明の多孔質構造物の一般に立方体のセルについての例示的なフレームの3D表示を例示する図である。
【図18】図17中の立方体セルについてのフレームの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図19】先行技術の多孔質構造物の立方体セルの配置の3D表示を例示する図である。
【図20】本発明の多孔質構造物の立方体セルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図21】図20中の配置の拡大図(blown up view)を例示する図である。
【図22】本発明の多孔質構造物の四面体形状セルについての例示的なフレームの3D表示を例示する図である。
【図23】本発明の多孔質構造物の正四角錐(square−based pyramid)セルについての例示的なフレームの3D表示を例示する図である。
【図24】十二面体形状に基づく先行技術の多孔質構造物の従来のセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図25A】やはり十二面体形状に基づく本発明の多孔質構造物のセルの一実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図25B】やはり十二面体形状に基づく本発明の多孔質構造物のセルの一実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図26】本発明の一実施形態によって改変された図24Aおよび24B中の従来のセルのフレームの3D表示を例示する図である。
【図27】本発明の一実施形態によって改変された図24Aおよび24B中の従来のセルのフレームの3D表示を例示する図である。
【図28】本発明の一実施形態によって改変された図24Aおよび24B中の従来のセルのフレームの3D表示を例示する図である。
【図29A】図26〜28から形成された本発明のセルの3D表示を例示する図である。
【図29B】図26〜28から形成された本発明のセルのフレームの3D表示の部分図である。
【図30】2D表示に展開された図27のフレームを例示する図である。
【図31】2D表示に展開された切頂四面体セルのフレームを例示する図である。
【図32】本発明の一実施形態による曲線状ストラットを用いて形成された図31のフレームを例示する図である。
【図33】2D表示に展開された切頂八面体セルのフレームを例示する図である。
【図34】本発明の一実施形態による曲線状ストラットを用いて形成された図33のフレームを例示する図である。
【図35A】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35B】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35C】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35D】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図35E】本発明の一実施形態による様々な幾何学的形状内で内接された円または楕円の例の2D表示を例示する図である。
【図36】本発明の一実施形態によるセルの各面の周囲に円が外接した、2D表示に展開された切頂四面体セルのフレームを例示する図である。
【図37A】十二面体形状に基づく本発明のセルの別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図37B】十二面体形状に基づく本発明のセルの別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図38】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示を例示する図である。
【図39A】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図39B】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図39C】十二面体形状に基づく本発明のセルのさらに別の実施形態の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図40】図24および25のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図41A】図24、25、および37のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図41B】図24、25、および37のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図42】1つまたは複数の曲線状ストラットを有する切頂四面体形状に基づくセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図43】切頂八面体に基づくセルの本発明の例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図44】立方体(薄灰色)、切頂立方八面体(黒色)、および切頂八面体(濃灰色)に基づくセルの本発明の例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図45】立方八面体(黒色)、切頂八面体(濃灰色)、および切頂四面体(薄灰色)に基づくセルの本発明の例示的配置の3D表示を例示する図である。
【図46】図42の配置のフレームの眺めを例示する図である。
【図47】図43の配置のフレームの眺めを例示する図である。
【図48】本発明の一実施形態によって改変された八面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図49】本発明の一実施形態によって改変された八面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図50】本発明の一実施形態によって改変された八面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図51A】図48〜50のフレームから形成された本発明のセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図51B】図48〜50のフレームから形成された本発明のセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図52】切頂四面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図53A】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図53B】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図53C】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図53D】本発明の一実施形態によって改変された図52のフレームから形成されたセルの3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54A】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54B】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54C】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54D】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図54E】図53のセルの例示的な配置の3D表示の様々な眺めを例示する図である。
【図55A】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55B】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55C】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55D】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図55E】本発明の一実施形態によって改変された六角柱に基づくフレームから形成されたセルの3D表示を例示する図である。
【図56A】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図56B】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図57A】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図57B】図55のセルの例示的な配置の3D表示を例示する図である。
【図58】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図59】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図60】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【図61】本発明の様々な実施形態によって改変された十二面体に基づくフレームの3D表示を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図面は、必ずしもある縮尺になっておらず、開示された実施形態は図式的に、部分的な眺めで例示される場合があることが理解されるべきである。ある特定の場合では、開示された方法および装置の理解に必要でない、または他の細部を理解困難にする細部は、省略されている場合がある。また、単純化の目的で、すべてではなく、ただ1つの例示的な場合が表示されていることがある。もちろん、本開示は、本明細書に例示される特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。
【0039】
上記に論じたように、直接金属製作(DMF)などの迅速製造技法(RMT)を、医療インプラント用多孔質構造物を作製するのに使用することができる。しかし、多孔質構造物を製作するためにDMFまたは他のRMTを使用することにより、3次元多孔質構造物の窓同士の間に弱い領域が作り出される場合がある。これは、これらの多孔質構造物を形成するための先行技術において使用されているセルの形状および配置にほとんど起因する。特に、ノードにおいてストラットが一緒に接続されている領域で破損が一般的に起こる。先行技術の多孔質構造物において破損が起こるのは、ノードに接続するストラットの断面積が、得られるノードの断面積より一般的に小さいためである。応力ライザーと一般的に呼ばれる、ストラットがそのノードに接続する領域は、構造的破損の共通点である。応力ライザーでの破損のパターンは、粒子の溶融相が完全に融解して一緒に融合しない場合、または周囲の基体表面が冷たすぎて、熱い粉末材料がDMFプロセスの間に玉のようになることを引き起こす場合にも起こり得る。ストラット破損の正確な原因および生じる先行技術の多孔質構造物の芳しくない性能にかかわらず、DMF、ならびに他の自由形状製作プロセスおよびニアネットシェイププロセス(例えば、選択的レーザー焼結、電子ビーム融解、および立体リソグラフィー)を含むRMTを使用して製作することができる改善された多孔質構造物が望まれる。
【0040】
図1Aおよび1Bは、破損が起こり得る実例を提供する。図1A〜1Bは、それぞれ3つまたは4つのストラットが単一のノードに接続された多孔質構造物の例を例示し、図1Aのストラットは同じ直径を有し、図1Bのストラットは異なる直径を有する。具体的には、図1Aにおいて、一般に等しい直径の3つのストラット102は、ノード104で一緒に接続されている。3つの応力ライザー106が、3つのストラット102の間の接続部で作り出される。応力ライザー106におけるストラット102の断面直径は、ノード104の断面直径より小さいので、応力ライザー106は、一般的なストラット破損の位置である。図1Bにおいて、より小さいストラット108がノード112でより大きいストラット110に接続されている。4つの得られる応力ライザーのうちの3つが114に示されており、これらは、ノード112より実質的に小さい断面直径を有する。図2は、RMTを使用して製作された構造物200のSEM(走査型電子顕微鏡)マイクロ写真であり、これは、ストラット破損表面202の例を示す。図2において、示された試料は、ストラット破損表面202の周囲の領域内で、構築用粉末(build powder)204で閉塞されている。
【0041】
図3〜5を参照すると、本発明の様々な実施形態が示されている。図3〜5において、ストラット302、402、および502は、様々な組合せでそのそれぞれのノード304、404、および504で一緒に接続されている。ノード304、404、および504のそれぞれは、2つのストラットのみの間の接続部である。例えば、図5において、ノード504aは、ストラット502aと502bの間の接続部を含み、ノード504bは、ストラット502bと502cの間の接続部を含み、ノード504cは、ストラット502bと502dの間の接続部を含む。ストラットのそれぞれのノード304、404、および504で合流し、または接続されるストラット302、402、および502の数を低減することによって、ストラット302、402、および502が接続される直径または断面積は、それぞれのノード304、404、および504における断面積と実質的に等しい。したがって、構造物の強度に対する応力ライザー(図示せず)の効果は、図3〜5に例示された構造物において小さくなる。その結果として、得られる構造物は、図1A〜1Bにおいて例示された先行技術の構造物より実質的により強い。
【0042】
図6〜8は、ストラットのうちの少なくともいくつかが、応力ライザーにおける断面直径よりストラットのボディにおいて小さい断面直径を特徴とする、ストラットおよびノードの組合せを備える本発明の多孔質構造物の代替の実施形態を例示する。ストラット602、702、および802は、フルート形状または円錐形状を特徴とし、ストラット602、702、および802のそれぞれは、ストラットがそれぞれのノード604、704、および804に接近し、接続するにつれて、より広い断面直径へと先太りになる。図6〜8の設計は、フルート形状のストラット602、702、および802ならびに非フルート形状のストラット606、706、および806が組み込まれているのを例示し、両種類のストラットがそれぞれのノード604、704、および804で接続されている。
【0043】
したがって、フルート形状のストラット602、702、および802ならびに非フルート形状のストラット606、706、および806の間の接続部のそれぞれは、フルート形状のストラット602、702、および802の最大断面直径と本質的に等価な断面直径を有する。したがって、構造物の応力ライザー(図示せず)の効果は、それによって低減される。図9Aを参照すると、これは、図8中のストラット802およびノード804の平面図である。図9Bは、図6〜8中の個々のノードの平面図であり、これらは、説明的な目的のためにストラット602およびノード604として標識されている。図9A〜9Bを参照すると、フルート形状のストラット602、802は、ノード804、604で合流する端部606、806でより大きい、または最大の断面直径、および中央部分でより小さい、または最小の断面直径を有する。したがって、フルート形状のストラット602、702、および802ならびに非フルート形状のストラット606、706、および806の間の接続部における応力ライザー(図示せず)の効果は低減される。好ましくは、2つのストラットのみ、例えば、602および606が、強度を付加するために任意の所与のノード、例えば604と合流する。
【0044】
図10A〜10Fは、先行技術の多孔質構造物中のストラットおよびノードのフレームの様々な配置の2D表示を例示する。単純化の目的で、ストラットは3Dで表されてないが、代わりに各ストラットは、実線、太い実線、または点線である異なる線、例えば、そのフレームによって表されている。この表示は単に例示的であり、限定的であることを意味しない。先行技術において、ストラットが直線、曲線状または不規則である場合があるかどうかにかかわらず、ノード1002で合流する2つを超えるストラットを有することが多孔質構造物について一般的である。図10Aは、ノードで合流する2つのストラットを示しているかもしれないが、この配置の応力ライザーは、互いに接続または交差する4つのストラットを有するノードにおける応力ライザーの効果を有する。例えば、米国公開第2006/0147332号および同第2010/0010638号には、多孔質構造物を形成するために使用されたこれらの先行技術の配置の例が示されている。
【0045】
図10A〜10Fの先行技術の配置と対照的に、本発明は、ノードで2つ以下のストラットが交差することを確実にすることによって、ノードにおける応力ライザーの効果を低減する。その結果として、いくつかの実施形態は、ストラットが交差する直径または断面積が各ノードにおける断面積と実質的に等しいことをもたらし、それによって構造物の強度に対する応力ライザーの効果を低減する。図11A〜11Fは、2つ以下のストラットがノードで交差することを確実にするために、先行技術の対応する配置を改変するための本発明の例示的な実施形態を例示する。図11A〜11Fにおいて分かるように、ノード1102のそれぞれは、交差する2つのストラットのみを有する。単純化の目的で、11A〜11F中の多数のノードのうちの1つのみに符号1102が付されている。特に、図11A〜11Fは、ノード1102において、1つのストラットの端部が別のストラットのボディに交差することを示す。さらに、本発明の一実施形態による先行技術の配置の改変により、各配置において開いている改変された孔1104が形成され、これは強度が付加された追加の多孔度をもたらし、このことは、先行技術に対して大きな改善である。図12A〜12Dは、図11A〜11F中の1つまたは複数の配置を用いて形成された本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示し、フレーム、例えば、線に厚さが与えられることによってストラットを形成している。図12A〜12Dにおいて、多孔質構造物は、ノード1204で互いに交差するストラット1202を有し、この場合、2つ以下のノードがノードで交差する。
【0046】
図11A〜11Fによって実証されているように、図10A〜10Fの従来のノード1002は、有効に「開放」されていることによって、2つ以下のストラットがノードで合流することを確実にしている。ノードにおける応力ライザーの効果を低減することに加えて、図10A〜10Fの従来のノード1002の、図11A〜11Fのノード1102へのこの「開放」は、製作プロセスの間の熱変形を低減するという追加の利益を有する。任意の他の熱プロセスと同様に、材料の熱変形を制御することができること、例えば冷却は、所望の材料特性を得るのに重要である。
【0047】
図13A〜13Mを参照すると、本発明は、多孔質構造物中に曲線状ストラットを組み込むことによって応力ライザーの効果を低減する実施形態も提供する。図13A〜13Mは、直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含めた、ノードを形成する本発明の2つのストラットのフレームのこれらの様々な例示的配置の2D表示を例示する。示されているように、2つのストラットのみがノード1302で互いに交差する。少なくとも図13A〜13Cにおいて、ストラットは、ノード1302で接線方向に互いに交差し、機械的強度および結合を増大させる。図14は、直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含めた、図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の2D表示を例示する。図14によって示されるように、曲線状であっても直線であっても、2つ以下のストラットが各ノードで合流する。図15A〜15Cは、様々な曲線状フレームおよび交差してノード1502を形成する、対応するストラットの本発明の例示的な配置の2D表示を例示する。図15A〜15Cにおいて、点線はフレーム1504を表し、実線は対応するストラット1506を表す。示されているように、ノード1502aは、1508に中心を有する円形ストラットが、1510に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差または合流する場所で形成される。ノード1502bは、1508に中心を有する円形ストラットが、1512に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差または合流する場所で形成される。同様に、図15Bは、1516に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差してノード1502cを形成する、1514に中心を有する円形ストラットを示す。同様に、図15Cは、1520に中心を有する円形ストラットと接線方向に交差してノード1502dを形成する、1518に中心を有する円形ストラットを示す。図16は、直線、曲線状、または両方の組合せであるストラットについてのフレームを含めた、図13A〜13M中の1つまたは複数のフレーム配置を含む本発明の多孔質構造物の例示的な実施形態の3D表示を例示する。
【0048】
図17は、12のストラット1702および16のノード1704によって形成された一般に立方体のセル1700についての例示的なフレームの3D表示を例示する。やはり単純化の目的で、ストラットおよびノードの一部のみが標識されている。従来の立方体設計(図示せず)のような3つのストラットの間で接続部を形成する8つのノードとは対照的に、わずか2つのストラット1702の間で接続部を形成する16のノード1704を使用することによって、セル1700は、より強いノード1704、およびストラット1702とノード1704の間のより強い接続部をもたらす。結果として、本発明の一実施形態のこの新規の配置により、ストラット1702とノード1704の間の断面直径の変化が回避される。結果として、構造物の強度に対する、図1A〜1B中の応力ライザー106および114に示したもののような応力ライザーの負の効果が小さくなる。図18は、図17中に示されたものと同様である複数の接続されたセル1802から形成される多孔質構造物1800を例示する。同様に、図19〜20は、図19中の先行技術のセルの配置と、図20中の本発明のセルの配置の一実施形態との間の別の比較を示す。以前に論じたように、ノードに交差する2つを超えるストラットを有することによって、先行技術の多孔質構造物は、応力ライザーの効果の増大のために弱い。一方、本発明の図20中の配置は、2つ以下のストラットがノードで交差するので、要求される多孔度をもたらし、強度が改善される。さらに、図20の配置は、通常の先行技術の配置と異なって、海綿骨の特性に類似するより小柱状の特徴を有するという追加の利益を有する。さらに、計算された様式で形成される一方で小柱状に似ているという利点は、本発明によって形成される多孔質構造物に別の利点、すなわち、多孔質構造物の広範囲のランダム化の必要性の減少をもたらす。その結果として、図20の配置は、図19の先行技術が類似するよりも骨の特性に類似する。図21は、図20中の配置の拡大図であり、図中点線2102は、ストラットが合流してノードを形成する場合をより良好に示すためのストラットのフレームを表す。
【0049】
同様に、図22は、本発明のセルの別の実施形態を例示する。セル2200は、四面体形状セルまたは三角錐に基づき、この場合これは、6つのストラット2202および8つのノード2204のみを使用して形成される。各ノード2204は、わずか2つのストラット2202を一緒に接続する。図23は、正四角錐である同様のセル2300を例示する。図23を参照すると8つのストラット2302および11のノード2304が使用されることによってセル2300が形成されている。セルのための他の幾何学的形状、例えば、十二面体、二十面体、八角柱、五角柱、直平行六面体、および様々なランダムなパターンなどが以下に論じられる。さらに、図17、18、22、および23は、これらのフレームから構築することができるストラットのフレームを例示し、この場合、各ストラットの厚さを選択することができる。したがって、各ストラットの厚さは、均一であっても、ストラットによって変化してもよい。さらに、ストラットは、図6〜8のフルート形状のストラットを組み込むことができる。さらに、ストラットは、形状が円柱状である必要はない。以下にさらに論じられるように、ストラットの断面は、長方形もしくは正方形、または任意の他の形状、例えば、用途に適する幾何学的形状または不規則な形状とすることができる。
【0050】
図17、18、22、および23に関して上記に論じたように、様々な形状の様々なセル設計物を、上記に論じた様々な技法、例えば、DMFを使用して作り出すことができる。一般的に言えば、ほとんど任意の3次元複数面設計物を使用することができる。例えば、全体的に幾何学的な形状、例えば、アルキメデス形状、プラトン形状、狭義凸多面体、角柱、反角柱、およびこれらの様々な組合せなどを有するセルは、本発明の企図の範囲内である。他の実施形態では、各セルの面の数は、約4〜約24の範囲とすることができる。より好ましくは、各セルの面の数は、約4〜約16の範囲とすることができる。特に有効であると見いだされている1つの幾何形状は、十二面体、すなわち12面セルである。しかし、以下に説明および例示されるように、個々のセルまたは多孔質構造物のセルの幾何形状は、変化に富んでいてもよく、幾何形状は、多孔質構造物のセルによってランダムに変化してもよい。
【0051】
例えば、図24Aおよび24Bは、先行技術の多孔質構造物からの慣例的に設計される十二面体セル2400を例示し、各ノード2404は、3つのストラット2402間の接続部である。やはり、米国公開第2006/0147332号および同第2010/0010638号には、これらの従来のセルから形成される多孔質構造物の例が開示されている。所与の多孔度および所望の体積を有する多孔質構造物は、所望の体積が実現されるまで、1つのセル2400を別のセル2400に結合させることによって複数のセル2400を使用して形成することができる。さらに、先行技術のセル配置を使用する構造物は、これらが天然の海綿状構造物のランダム性に類似しないので、不利になり得る。すなわち、これらは、小柱状の骨の特徴に適切に類似しない。より重要なことに、図24Aおよび24Bを参照すると、ストラット2402は、120°の角度で互いに交差し、それによって、ノード2404の面上のくぼみまたは溝の形成、および各ノード2404における2つを超えるストラット2402の間の接続部のために、応力集中要因が増大するので、より高い応力が各ノード2404にかかる。
【0052】
図25Aおよび25Bは、先行技術のこれらの問題の解決策を提供する本発明の一実施形態を例示する。図25Aおよび25Bによって示されるように、セル2500は、リングまたはフープを形成する曲線状ストラット2502を使用することによって図24Aおよび24B中の従来のノード2404を排除し、それによって、これらのノードによって生じる応力集中要因を排除した。さらに、セル2500は、図24Aおよび24B中の従来のノード2404を、開いている、または多孔質であることによって追加の多孔度をもたらすことができる改変されたノード2504と置き換え、これは、整形外科用インプラントの組織/骨内殖の増強などの多くの用途にとって追加の利益である。したがって、従来のセル2400は、より弱く、多孔性がより低いのに対して、セル2500は、多孔度の増大を伴って追加の強度をもたらす。
【0053】
図26〜28は、図25Aおよび25B中のセルを形成するための一実施形態を例示する。図26は、図24Aおよび24Bに関して論じたような先行技術のセルについての十二面体フレーム2600を例示する。図27は、図26の十二面体フレーム2600の上に重ねられた図28のフレーム2800を含むフレーム2700を例示する。図29Aは、フレーム2800の厚さを選択することによって形成される図25Aおよび25Bのセルと同様のセルを例示する。図29Aでは、セル2900は、この実施形態ではリング、ループ、環、またはフープを形成することができる12の曲線状ストラット2902から構築される。曲線状ストラット2902は、図29B中でより容易に分かる三角形の改変されたノード2904において一緒に結合されている。図29Bを参照すると、より太い円はセル2900の曲線状ストラット2902のうちの4つを表し、一方、より細い円は、ストラット2902によって形成された改変されたノード2904を強調する。各改変されたノード2904は、2つの異なる曲線状ストラット2902の間で3つの融合接続部または焼結接合部2906を含む。すなわち、曲線状ストラット2902は、それぞれの接合部2906で互いに接線方向に交差する。各ストラット2902の厚さに応じて、改変されたノード2904はまた、3つの接合部2906の間に配置される開口部2908を有する有孔性となり、または3つの接合部2906の間に配置される開口部を全く含まないで閉塞されている場合がある。好ましくは、改変されたノード2904は、3つの接合部2906の間に配置される開口部2908を有することによって、曲線状ストラット2902の窓2910によってもたらされる多孔度とともに接合部において追加の多孔度を提供する。図29Bを参照すると、ストラット2906は、互いに接線方向に交差する、例えば、そのフレームは接線方向に合流するが、ストラットの厚さは、個々の接合部2906を、距離2912によって示されるように比較的長くすることができる。これらの長い、一般に接線方向の焼結接合部2906は、機械的強度および結合の増大をもたらす。
【0054】
図30を参照すると、これは、従来のフレーム3008およびセル2900のフレーム3010を含む、図27の展開された、または平らにされた二次元表示を表す。図30によって示されているように、従来の配置3008の従来のノード3004と比較した場合の個々の接合部3006の位置および数は、本発明によって提供される曲線状ストラット3002を使用する場合、異なる。例えば、接合部3006は、曲線状ストラット3002のボディの中央付近に一般に位置される一方で、従来のノード3004は、従来のストラットの端部に位置される。さらに、この特定の実施形態では、曲線状ストラット3002が合流する接合部3006の数は、フレーム3008について直線ストラットが合流する従来のノード3004の数の3倍である。したがって、接合部の数の増大は、機械的強度の増大をもたらす。
【0055】
図31〜34は、図29のセル2900と同様のセルを形成するために、一般的な多面体に基づくセルのフレームを、曲線状ストラットを用いてどのように改変することができるかを例示する。具体的には、図31は、2D表示に展開された切頂四面体セルのフレーム3100を例示する。図32では、フレーム3200は、曲線状ストラット3202を用いて形成される、本発明の一実施形態によって改変された場合の図31のフレーム3100を表す。同様に、図33は、2D表示に展開された切頂八面体セルのフレーム3300を例示し、図34のフレーム3400は、曲線状ストラット3402を用いて形成される、本発明の一実施形態によって改変された場合の図31のフレーム3300を表す。例えば、図30に関して上記に論じたように、フレーム3200および3400を用いて形成されるセルは、それぞれフレーム3100および3300に対して増大された機械的強度および多孔度を有する。
【0056】
図35A〜35Eは、曲線状ストラットを有する一般的な多面体フレームを改変する1つの方法を例示する。本発明の一実施形態によれば、多面体は、円、または楕円もしくは長円形などの曲線状の特徴を含む他の形状をこの多面体内で内接させることによって改変することができる。具体的には、図35Aは、正方形内に内接された円であり、図35Bは、六角形内に内接された円であり、図35Cは、三角形内に内接された円であり、図35Dは、八角形内に内接された円であり、図35Eは、平行四辺形内に内接された楕円である。図35A〜35Eは、利用可能な様々な配置の単に説明的なものであり、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【0057】
図36は、曲線状ストラットを有する一般的な多面体フレームを改変する別の方法を例示する。本発明の別の実施形態によれば、多面体は、円、または楕円もしくは長円形などの曲線状の特徴を含む他の形状でこの多面体を外接させることによって改変することができる。図36は、セルの各面の周囲に外接された円3602を含む切頂四面体セルのフレーム3600を例示する。フレーム3600の一部、またはすべての部分を取り除くことによって、本発明による多孔質構造物を製作するのに使用することができる新しいセルフレームを形成することができる。
【0058】
図37〜39は、直線および曲線状ストラットの両方を組み込む本発明の実施形態を例示する。具体的には、図37Aおよび37Bは、図26の十二面体フレーム2600と図28のフレーム2800との組合せである図27のフレーム2700から形成されるセル3700を例示する。セル3700は、曲線状ストラットの付加により増大した強度を有し、これは、応力ライザーの混合をもたらす。示されているように、セル3700は、直線ストラット3702bで形成される従来のノード、および曲線状ストラット3702aの3つの接合部によって形成されるノードを含む改変されたノード3704を有する。図38は、直線ストラット3802によって形成される1つまたは複数の従来のノード3804を保持する一方で、接合部3808および改変されたノード3810を形成するために、セルの他のストラットを、曲線状ストラット3806を用いて改変することによって形成されるセル3800を例示する。図38において、いくつかのストラットは、用途に応じて他のストラットより選択的に太い。
【0059】
図38を参照すると、セル3800は、少なくとも1つの曲線状ストラット3802、好ましくは、2つの他の曲線状ストラット3802と結合される場合に改変されたノード3804aを形成する複数の曲線状ストラット3802を有する。他の実施形態では、改変されたノードは、曲線状ストラット、曲線状ストラットセクション、直線ストラット、もしくは直線ストラットセクション、またはこれらの組合せを一緒に結合することによって形成することができる。直線ストラットおよび曲線状ストラットを一緒に結合することによって形成されるノードの例は、改変されたノード3904bとして図39A〜39Cに示されている。改変されたノード3804aは、3つの接合部3806によって形成される三角形であることが好ましい。セル3800は、先行技術において実施された交角によって形成されるくぼみを含む場合のある直線ストラット3810または直線ストラットセクションを結合する、いくつかの従来のノード3808を含むことができる。改変されたノード3804aは、以前に論じられ、3804aによって示されているように孔を有していてもよく、または3804bによって示されているように閉塞されていてもよい。閉塞した改変されたノード3804bおよび孔を有する改変されたノード3804aは、曲線状または「リング様」ストラット間の3つ以上の接合部3806を一緒に一点で接する焼結によって形成することができる。閉塞したノード3804b、孔を有する改変されたノード3804a、従来のノード3808、直線ストラット3810、曲線状ストラット3802、およびこれらの部分またはセグメントの任意の組合せを、より強く、より海綿状らしいセル構造を作り出すために、異なる所定の方法またはランダムな方法で使用することができる。図39A〜39Cを参照すると、セル3900は、そのような組合せの例である。セル3900は、「リング様」である曲線状ストラット3902aおよびストラット3902bを有する。これは、直線ストラット3906および従来ノード3908も有する。ストラットの組合せは、孔を有する改変されたノード3904aおよび閉塞した改変されたノード3904bを形成する。
【0060】
したがって、多孔質構造物内のセル3800は、均質であってもよいが、これらは、海綿骨の外観により密接に類似させるために互いにランダムおよび/または所定の様式で配置されてもよい。場合によっては、1つまたは複数の不均質なセル配置を利用することが望ましい場合があり、これは、多孔質構造物を作り出すために所定のパターンで系統的に配置し、かつ/またはランダムな様式で配置することができる。様々な配置は、コンピューター支援設計(CAD)ソフトウェアまたは当業者に明らかな他の等価なソフトウェアを使用して設計することができる。
【0061】
図40および41は、図24、29、および37からのセル2400、2900、および3700をそれぞれどのように組み合わせる、例えば、取り付け(attach)、接合し(join)、並べ、積み重ね、または繰り返すことができるかという例示的な配置を示す。具体的には、図40は、それぞれ図24および29からのセル2400およびセル2900を含む配置4000を例示する。配置4000では、セル2400がセル2900に結合する面において、従来のノード2404を改変されたノード2904内に部分的に配置される。したがって、セル2400およびセル2900、または本発明によって形成される他のセルの様々な組合せを使用することによって、いくつかの改変されたノード2504を、従来のノードを改変されたノードを整合させることによって、選択的に、完全にまたは部分的に閉塞させることができる。図41Aおよび41Bは、セル2400、2900、および3700を含む配置4100を例示する。やはり、図40および41は例示的であり、これらのセル、または本発明の実施形態によって形成される他のセルを用いて行うことができる組合せを限定しない。
【0062】
図42は、複数のセル4202を一緒に結合することによって形成される多孔質構造物4200を例示し、セル4202の形状は、切頂四面体に基づく。完全なリングを形成してもしなくてもよい1つまたは複数の曲線状ストラット4204は、図42中で切頂四面体である選択された多面体形状の各面内に内接し、または各面の周囲に外接する。あるいは、切頂四面体形状または他の選択された多面体形状は、図29中のセル2900のリングストラットなどの真に曲線状のリングストラットを厳密に模倣する多数の短い直線ストラットを使用して形成することができる。
【0063】
図43〜45は、本発明の実施形態によって形成される例示的な配置のセルの3D表示を例示する。具体的には、図43は、切頂八面体に基づくセルが、積み重ねることによって、空間充填テセレーション(space filling tessellation)によるものであるバイトランケーテッド三次元ハニカム(bitruncated cubic honeycomb)構造物4300を形成することができる一方法を例示する。両濃淡度合の灰色での構造物4300のセルは切頂八面体である。単純化の目的で、各セルは、曲線状ストラットを用いて改変されていないが、代わりに、点線の円が、例えば、1つまたは複数の切頂八面体の1つまたは複数の面が、本発明の実施形態、例えば、増大した強度および多孔度を有する多孔質構造物を形成するための曲線状ストラットによって改変することができるのを例示するのに機能を果たす。同様に、図44は、立方体(薄灰色)、切頂立方八面体(黒色)、および切頂八面体(濃灰色)の組合せに基づくセルを積み重ねることによって、カンチトランケーテッド三次元ハニカム(cantitruncated cubic honeycomb)構造物4400を形成することができる一方法、例えば空間充填テセレーションを例示する。やはり、点線の円は、多孔質構造物4400の1つまたは複数の多面体が、どのように本発明の実施形態、例えば、増大した強度および多孔度を有する多孔質構造物を形成するための曲線状ストラットによって改変することができるかを表すことが理解される。同様に、図45は、立方八面体(黒色)、切頂八面体(濃灰色)、および切頂四面体(薄灰色)の組合せに基づくセルを積み重ねることによって、切頂交互三次元ハニカム(truncated alternated cubic honeycomb)構造物4500を形成することができる一方法、例えば空間充填テセレーションを例示する。やはり、点線の円は、構造物4500の1つまたは複数の多面体が、どのように本発明の実施形態、例えば、増大した強度および多孔度を有する多孔質構造物を形成するための曲線状ストラットによって改変することができるかを表すことが理解される。
【0064】
図46は、図43のバイトランケーテッド三次元ハニカム構造物4300のフレームの眺めを例示する。図47は、図45のカンチトランケーテッド三次元ハニカム構造物4500のフレームの眺めを例示する。図46および47によって示されるように、多面体を用いて形成される多孔質構造物はランダムでなく、したがって、特に骨のための移植目的に適しておらず、その理由は、これらが小柱状の骨の特徴に適切に類似しないためである。一方で、図46および47中のフレームのある特定のセルまたはすべてのセルを改変することにより、小柱状の骨に類似する多孔質構造物がもたらされることを想定することができる。
【0065】
曲線状ストラットが使用される場合、少なくとも1つの曲線状ストラット部分は、一般に、多面体の側面に少なくとも部分的に内接または外接するリングの一部を形成することができる。そのような多面体形状は、等角または頂点推移(transitive)、アイソトキサル(isotoxal)またはエッジ推移、アイソヘドラルまたは面推移、規則的、準規則的、半規則的、均一、またはノーブルのうちのいずれか1つとすることができる。開示された曲線状ストラット部分はまた、少なくとも部分的に、以下のアルキメデス形状の1つまたは複数の1つまたは複数の側面内に内接し、またはこの側面の周囲に外接することができる:切頂四面体、立方八面体、切頂立方体(すなわち、切頂六面体)、切頂八面体、斜方立方八面体(すなわち、小菱形立方八面体)、切頂立方八面体(すなわち、大菱形立方八面体)、変形立方体(すなわち、変形六面体、変形立方八面体−いずれかもしくは両方が対掌形(chiral form))、二十十二面体、切頂十二面体、切頂二十面体(すなわち、バッキーボールまたはサッカーボール状)、斜方二十十二面体(すなわち、小菱形二十十二面体)、切頂二十十二面体(すなわち、大菱形二十十二面体)、変形十二面体または変形二十十二面体(いずれかもしくは両方が対掌形)。アルキメデス形状は、同一の頂点で合流する2つ以上の種類の正多角形からなる高度に対称な、半規則的な凸多面体であるので、これらは一般に、体積空間を満たすための繰り返しパターンに使用するのに容易に積み重ね可能で配列可能であるものとして分類することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、本発明による曲線状ストラット部分が多孔質構造物を形成するために提供され、曲線状ストラット部分は一般に、少なくとも部分的に、1つまたは複数のプラトン形状(例えば、四面体、立方体、八面体、十二面体、および二十面体)、均一な多面体(例えば、角柱、擬角柱、例えば、反角柱、一様角柱、直角柱、平行六面体、および直平行六面体など)、ポリトープ、多角形、多面体、ポリフォーム、ならびに/またはハニカムの1つまたは複数の多角形の側面内に内接し、またはこの側面の周囲に外接するリングストラット部分を形成する。反角柱の例には、それだけには限定されないが、四角反柱、八角反柱、五角反柱、十角反柱、六角反柱、および十二角反柱が含まれる。
【0067】
さらに他の実施形態では、多孔質構造物は、狭義凸多面体の形状(例えば、ジョンソン形状)を含むセルから形成することができ、曲線状ストラット部分は一般に、少なくとも部分的に、狭義凸多面体の1つまたは複数の面内に内接し、またはこの面の周囲に外接するリングストラット部分を形成し、狭義凸多面体の各面は正多角形であり、狭義凸多面体は均一でない(すなわち、これは、プラトン形状、アルキメデス形状、角柱、または反角柱でない)。そのような実施形態では、狭義凸多面体の各面は同じ多角形でなければならない、または同じ多角形が各頂点の周囲に結合するという要求はまったくない。いくつかの例では、角錐、台塔、および丸塔、例えば、四角錐、五角錐、正三角台塔、正四角台塔、正五角台塔、および正五角丸塔などが企図されている。さらに、改変された角錐および双角錐、例えば、正三角錐柱(または四面体柱(elongated tetrahedron))、正四角錐柱(または側錐正六面体(augmented cube))、正五角錐柱、正四角錐反柱、正五角錐反柱(または側錐欠損二十面体(diminished icosahedron))、双三角錐、双五角錐、双三角錐柱、双四角錐柱(または二側錐正六面体(biaugmented cube))、双五角錐柱、双四角錐反柱などを使用することができる。改変された台塔および丸塔形状、例えば、正三角台塔柱、正四角台塔柱(側錐欠損斜方立方八面体(diminished rhombicuboctahedron))、正五角台塔柱、正五角丸塔柱、正三角台塔反柱、正四角台塔反柱、正五角台塔反柱、正五角丸塔反柱、異相双三角柱、同相双三角台塔(側台塔回転立方八面体(gyrate cuboctahedron))、同相双四角台塔、異相双四角台塔、同相双五角台塔、異相双五角台塔、同相五角台塔丸塔、異相五角台塔丸塔、同相双五角丸塔(側台塔回転二十十二面体(gyrate icosidodecahedron))、同相双三角台塔柱、異相双三角台塔柱、異相双四角台塔柱(側台塔回転斜方立方八面体(gyrate rhombicuboctahedron))、同相双五角台塔柱、異相双五角台塔柱、同相五角台塔丸塔柱、異相五角台塔丸塔柱、同相双五角丸塔柱、異相双五角丸塔柱、双三角台塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、双四角台塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、双五角台塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、五角台塔丸塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)、および双五角丸塔反柱(いずれかまたは両方が対掌性形)などを利用することができる。側錐角柱(augmented prism)例えば、側錐三角柱、二側錐三角柱、三側錐三角柱、側錐五角柱、二側錐五角柱、側錐六角柱、双側錐六角柱、二側錐六角柱、および三側錐六角柱なども本発明とともに実施することができる。改変されたプラトン形状、例えば、側錐十二面体、双側錐十二面体、二側錐十二面体、三側錐十二面体、二側錐欠損二十面体、三側錐欠損二十面体、および側錐三側錐欠損二十面体などを使用することができる。さらに、改変されたアルキメデス形状、例えば、側台塔切頂四面体、側台塔切頂立方体、双側台塔切頂立方体、側台塔切頂十二面体、双側台塔切頂十二面体、二側台塔切頂十二面体、三側台塔切頂十二面体、側台塔回転斜方二十十二面体、双側台塔回転斜方二十十二面体、二側台塔回転斜方二十十二面体、三側台塔回転斜方二十十二面体、側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転欠損斜方二十十二面体、二側台塔回転側台塔欠損斜方二十十二面体、双側台塔欠損斜方二十十二面体、二側台塔欠損斜方二十十二面体、側台塔回転二側台塔欠損斜方二十十二面体、および三側台塔欠損斜方二十十二面体などが想定される。変形双五角錐(シャム十二面体(Siamese dodecahedron))、変形四角反柱、球形屋根、側錐球形屋根、長球形屋根、広底長球形屋根、五角錐球形屋根、双三日月双丸塔、および三角広底球形屋根丸塔、ならびに他の多岐にわたる均一でない凸多面体形状が企図されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明のセルの窓の平均断面は、0.01〜2000マイクロメートルの範囲内である。より好ましくは、セルの窓の平均断面は、50〜1000マイクロメートルの範囲内である。最も好ましくは、セルの窓の平均断面は、100〜500マイクロメートルの範囲内である。セルの窓は、それだけには限定されないが、(1)開いた改変された孔などのストラットによって作り出される任意の開口部、例えば、図38の3804aもしくは図11A〜11Fの1104、接合部によって作り出される任意の開口部、例えば、図38の3806もしくは図11A〜11Fのノード1102、または(2)ストラット自体によって作り出される任意の開口部、例えば、図29Bの2910を含むことができる。例えば、セルの窓が一般に円形である場合の実施形態では、窓の平均断面は、その特定の窓の平均直径とすることができ、セルの窓が一般に長方形または正方形である場合の実施形態では、窓の平均断面は、一方の辺から反対の辺に至る平均距離とすることができる。
【0069】
上記原理を他の実施形態に適用して、図51Aおよび51Bは、図49〜50に示された、本発明の一実施形態によって改変された図48中に示された八面体フレームから形成されるセル5100を例示する。図49において、フレーム4900は、図48中のフレーム4800の面内に円を内接させることによって形成される。図50において、フレーム5000は、図49のフレーム4900からフレーム4800を取り除くことによって形成される。図49に示されているように、フレーム5000は一般に、八面体フレーム4800内にフィットする。図51Aおよび51Bは、図50中のフレーム5000について形状および厚さを選択することによって形成される、完成したセル5100を例示する。図51Aおよび51Bを参照すると、セル5100は一般に、リングの形態で提供することができる8つの曲線状ストラット5102を含む。8つの曲線状ストラット5102は、12の異なる接合部5106で互いに接続される。孔を有する改変された6つのノード5104は、それぞれ一般に長方形の形状を有し、4つの異なる接合部5106および対応するストラット5102によって形成される。図51Aおよび51Bによって示されているように、図25Aおよび25Bのセル2500の曲線状ストラットと異なり、曲線状ストラット5102は、図25Aおよび25B中のセル2500と同様のセルの円形断面ではなく、長方形または正方形の断面を有する。長方形または正方形断面を有するセルは、円形の断面のセルの粗さと異なる粗さを有する多孔質構造物をもたらす。他の実施形態のストラットは、断面について異なる形状を有することができることが想定される。したがって、セルのストラットは同じ断面を有することができ、ストラットの断面の形状はランダムに選択することができ、または断面形状は、望まれる強度、多孔度、および/または粗さを実現するように選択的に選ぶことができる。
【0070】
別の選択肢として、図53A〜53Dは、本発明の一実施形態によって改変された図52中の切頂四面体フレームに基づくさらに別のセル5300を例示する。図53A〜53Dを参照すると、セル5300は、図51Aおよび51Bのセル5100と同様の様式で形成される。すなわち、フレーム5200は、円と内接されることによって、円形ストラットを含む第2のフレームを形成し、フレーム5200は、円形フレームを残して取り除かれる。セル5300は、フレーム5300の厚さおよび断面積の形状を選択することによって完成する。上記に論じたように、ストラットの厚さおよび断面の形状は、均一な断面を有するストラットまたはフルート形状をしたストラットを含めて、均一であってもよく、またはランダムに、もしくは所定の様式で変化してもよい。セル5300は、切頂四面体フレーム5200の4つの大きい六角形の側面に対応する4つのより大きい曲線状ストラット5302a、および切頂四面体フレーム5200の4つのより小さい三角形の側面に対応する4つのより小さい曲線状ストラット5302b を含む。あるいは、セルは、切頂四面体フレーム5200の大きい側面5202および小さい側面5204の周囲に円を外接させることによって形成することができる。この代替の実施形態の2D表示は、図36に示されている。図面に明白に示されていないが、いくつかの実施形態では、内接された曲線状ストラットおよび外接された曲線状ストラットの組合せを使用することができることも企図されている。図53A〜53Dに例示されているように、孔を有する三角形の改変されたノード5304は、ストラット5302aおよび5302bを一緒に接続する3つの接合部5306の間で形成されるが、当業者は、図38に示されているような閉塞した改変されたノード3804bも使用することができることを認識するであろう。また、図53A〜53Dに示されているように、より大きい曲線状ストラット5302aは円形の断面を有する一方で、より小さい曲線状ストラット5302bは長方形の断面を有する。図54A〜54Eは、1つの例示的な様式で図53のセル5300を積み重ねることによって形成される多孔質構造物の様々な角度を例示する。いくつかの実施形態では、図53のセル5300は、当業者に公知であるような様々な様式で積み重ねることができることが想定される。
【0071】
図55A〜55Eは、セル5500が上部および下部の六角形を有し、6つの垂直の側面を含む六角柱(角柱の)フレームに基づくさらに別の実施形態を例示する。6つのより小さい曲線状ストラット5502aが6つの側面のために使用され、より大きい上部および下部の曲線状ストラット5502bが頂部および底部のために使用されている。図55A〜55Eに例示されたセル5500では、8つの曲線状ストラット5302a、5302bは、閉塞した改変されたノード5504によって接続されているが、図25に示されたものなどの孔を有する改変されたノードも使用することができることが当業者に明らかとなるであろう。図55A〜55Eに示された特定の実施形態では、6つの側面のために使用される6つのより小さい曲線状ストラット5502aは、2つのより大きい上部および下部の曲線状ストラット5302bよりわずかに小さい断面積を有する。しかし、均一または実質的に均一な断面積を有するストラットも、本開示の範囲から逸脱することなく使用することができることが当業者に明らかとなるであろう。図56A〜56Bは、1つの例示的な様式で図55A〜55Eのセル5500を積み重ねることによって形成される多孔質構造物の様々な角度を例示する。図56Aおよび56Bでは、セル5500は、互いに隣接して配置されることによって層5602を形成し、この層は、所定の様式またはランダムな様式で互いの頂部に配置されている。図57Aおよび57Bは、図56Aおよび56Bに示されたのと同じ様式で積み重ねられたより多い数のセル5500を同様に示す。分かるように、セル5500は、層5702によって積み重ねられている。いくつかの実施形態では、図55のセル5500は、当業者に公知であるような様々な様式で積み重ねることができることが想定される。
【0072】
図58〜61は、本発明の別の実施形態によって改変された十二面体フレーム5800、5900、6000、および6100を例示する。従来のノード5802、5902、6002、および6102を排除または低減するために曲線状ストラットまたは曲線状部分を有するストラットを使用する代わりに、図58〜61の特定の実施形態は、従来のノードの少なくとも1つが、少なくとも図11A〜11Fによって示されているように、1つのノードにおいて交差するノードが2つ以下であることを確実にすることによって、従来のノードを調整する。図58〜61によって示されているように、フレーム5800、5900、6000、および6100は、少なくとも1つの改変されたノード5804、5904、6004、および6104を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、セル、ストラット、ノードおよび/または接合部の配置は、天然の骨組織をより密接にシミュレートするために、多孔質構造物全体にわたってランダムに変更することができる。特に、本発明によって形成されるセル、例えば、図25A〜25B、29A、37A〜37B、38、39A〜39C、42、51A〜51B、53A〜53D、または55A〜55Bに例示されたセルなどは、その開示全体が本明細書に参照により組み込まれている米国出願第61/260,811号に概説された方法によって積み重ね、または繰り返すことができる。さらに、米国出願第61/260,811号の方法はまた、2つ以下のストラットがノードで交差するように従来のノードを改変するのに使用することができる。さらに別の実施形態では、本発明によって形成される多孔質構造物は、医療インプラント、例えば、整形インプラント、歯科インプラント、または血管インプラントなどにおいて使用することができる。
【0074】
以下の段落でさらに論じられるように、本開示は、上述した多孔質構造物を製作するための方法も提供する。好ましくは、本発明の改善された多孔質構造物は、直接金属製作(DMF)などの迅速製造技法(RMT)を含めた自由形状製作法を使用することによって形成される。一般に、自由形状製作技法では、所望の構造物を、コンピューター制御されたデータベースから直接形成することができ、様々な物品および構造物を製作するのに必要とされる時間および費用を大いに低減する。一般的に、RMTまたは自由形状製作では、コンピューター支援機械または装置を使用し、これは、粉末を融解または焼結するためのレーザービームなどのエネルギー源を有することによって、機械のコンピューターコンポーネントのデータベースにおいて選択されるモデルに従って、同時に1つの層で構造物を構築する。
【0075】
例えば、RMTは、その部分を作製するために空間における指定された箇所にエネルギーおよび/または材料を連続して送り届けることによって物体を製造するための積層造形技法である。特に、供給されるレーザー可融性粉末から層的な様式で、同時に1つの層で物体を作製することができる。粉末は、物体の断面に対応する粉末層の部分にラスタースキャン様式で向けられるレーザーエネルギーを印加することによって、融合、融解、再融解、または焼結される。1つの特定の層上で粉末を融合した後、追加の層の粉末が供給され、物体が完成するまでこのプロセスが繰り返される。
【0076】
選択的レーザー焼結技術の詳細な説明は、米国特許第4,863,538号、同第5,017,753号、同第5,076,869号、および同第4,944,817号に見出すことができ、これらの開示全体は本明細書に参照により組み込まれている。現在実施されているのは、コンピューターの支援で作り出される数学的モデルを使用してコンピューターによって製造プロセスを制御することである。その結果として、選択的レーザー再融解および焼結技術などのRMTは、様々な材料から高い分解能および次元精度の固体または3D構造物を直接製造することを可能にした。
【0077】
本発明の一実施形態では、多孔質構造物は、金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体およびこれらの組合せからなる群から選択される粉末から形成される。別の実施形態では、金属粉末が使用され、これは、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0078】
当業者によって分かるように、本発明の開示によるセルまたは構造物のモデルを作り出すことは、コンピューター支援設計(CAD)ソフトウェアまたは他の同様のソフトウェアを用いて行うことができる。一実施形態では、モデルは、先行技術の配置から開始し、(1)図3〜8、11A〜11F、12A〜12D、17〜20、もしくは22〜23中の配置など、ノードで交差するストラットの数を調整し、または(2)図13A〜13M、14、15A〜15C、16、もしくは58〜61中の配置など、ストラットに曲線状部分を導入することにより、先行技術の配置のストラットおよびノードを改変することによって構築される。別の実施形態では、曲線状の「リング様」ストラットを加えることによって、図25A〜25B、29A、37A〜37B、38、39A〜39C、42、51A〜51B、53A〜53D、または55A〜55Bに例示されたセルを形成することができる。図26を参照すると、一実施形態では、これらのセルは、十二面体などの多面体に基づくフレーム2600から開始することによって形成することができる。図27を参照すると、次のステップは、フレーム2600の各面内で円を内接させて、フレーム2600上に重ねられたフレーム2800であるフレーム2700を形成することである。引き続いて、フレーム2600をフレーム2700から取り除き、フレーム2800のみを残すことができる。フレーム2800の厚さおよび断面の形状を選択することによって、図29A中のセル2900などの完成したセルを形成することができる。上記に論じたように、フレーム2600の面の部分は、円で内接させることができ、かつ/またはフレーム2600の部分は、形成するために取り除くことができ、もしくはフレーム2600はまったく取り除かれない。そのような組合せによって形成されるセルは、図37A〜37B、38、および39A〜39C中に例示されている。図48〜53および55によって示されているように、同じステップを、多面体に基づく任意の種類のフレームに適用することができる。また、コンピューターソフトウェアの支援を用いて、積み重ねる、並べる、または繰り返すアルゴリズムを適用することによって、本発明の単位セルまたはストラットおよびノードから形成される、所望の寸法を有する多孔質構造物のモデルを作り出すことができる。1つのそのような積み重ねるアルゴリズムは、図43〜45によって示される空間充填テセレーションである。上述したように、米国出願第61/260,811号に開示された方法を適用することによって、本発明のセルを積み重ね、または制御されたランダム化によって本発明の開示によるストラットを形成することができ、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
【0079】
本発明およびその利点を詳細に説明してきたが、様々な変更、置換、および修正を、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で行うことができることが理解されるべきである。さらに、本願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者が本発明の開示から容易に理解するように、現存する、または本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施し、または実質的に同じ結果を実現する、後に開発されるプロセス、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップを、本発明によって利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップをその範囲内に含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0080】
102、302、402、502、602、702、802 ストラット
104、304、404、504、604、704、804、112 ノード
106、114 応力ライザー
108 より小さいストラット
110 より大きいストラット
200 構造物
202 ストラット破損表面
204 構築用粉末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数が、
第1の端部、
第2の端部、ならびに
ある厚さ、ある長さ、および曲線状部分を有する、前記第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディ、を含む複数のストラットと、
少なくとも1つが前記曲線状部分のうちの2つの間で接線方向の交点を含む複数の接合部と、
少なくとも1つが3つ以上の前記接合部を含む複数の改変されたノードと、
を備える多孔質構造物。
【請求項2】
少なくとも1つの改変されたノードが、前記3つ以上の接合部の間に開口部を含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項3】
ある長さおよび厚さを有する直線部分を含む1つまたは複数のストラットと、少なくとも1つの閉塞した改変されたノードとをさらに備え、前記少なくとも1つの閉塞した改変されたノードが、直線部分を有する1つまたは複数のストラットと曲線状部分を有する少なくとも1つのストラットとの間に交点を含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項4】
複数の曲線状ストラットが、複数の側面を有する1つまたは複数のセルを形成し、側面の数が約4乃至約24の範囲である、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項5】
1つまたは複数のセルの側面の数が約4乃至約16の範囲である、請求項4に記載の多孔質構造物。
【請求項6】
複数の曲線状ストラットおよび複数の直線ストラットが、複数の側面を有する1つまたは複数のセルを形成し、側面の数が約4乃至約24の範囲である、請求項3に記載の多孔質構造物。
【請求項7】
1つまたは複数のセルの側面の数が約4乃至約16の範囲である、請求項6に記載の多孔質構造物。
【請求項8】
金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体、およびこれらの組合せからなる群から選択される材料をさらに含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項9】
金属材料が、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の多孔質構造物。
【請求項10】
1つまたは複数のストラットの断面が多角形を含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項11】
断面の少なくとも一部が曲線状である、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項12】
1つまたは複数のセルの窓の平均断面が、0.01乃至2000マイクロメートルの範囲内である、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項13】
1つまたは複数のセルの窓の平均断面が、50乃至1000マイクロメートルの範囲内である、請求項12に記載の多孔質構造物。
【請求項14】
1つまたは複数のセルの窓の平均断面が、100乃至500マイクロメートルの範囲内である、請求項13に記載の多孔質構造物。
【請求項15】
多孔質構造物を製作するための方法であって、
多孔質構造物の1つまたは複数のセルについての、アルキメデス形状、プラトン形状、狭義凸多面体、角柱、反角柱、およびこれらの組合せからなる群から選択される幾何学的形状を含む少なくとも1つのフレーム形状、およびサイズを選択するステップ、
それぞれについて、第1の端部、第2の端部、第1の端部と第2の端部との間の、曲線状部分を含む連続的な細長いボディを有する1つまたは複数のストラットを画定するステップ、
前記曲線状部分の2つの間に接線方向の交点を有する少なくとも1つの接合部を画定するステップ、
前記フレームに、曲線状部分を含む1つまたは複数のストラットを加えるステップ、および
フレームおよび1つまたは複数のストラットの厚さを選択するステップ、を含む、多孔質構造物のモデルを形成するステップと、
可融性材料をエネルギー源に曝露することによって前記モデルに従った多孔質構造物を製作するステップと、
を含む方法。
【請求項16】
加えるステップを、選択された形状の1つまたは複数の面内またはこれらの面の周囲に1つまたは複数のストラットの曲線状部分を内接または外接させることによって実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
製作するステップの前に、前記モデルの1つまたは複数のセルからフレームの部分を取り除くステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
製作するステップが、金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体、およびこれらの組合せからなる群から、1つまたは複数のストラットを製作するための材料を選択するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から金属材料を選択するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
1つまたは複数のストラットの断面を多角形で画定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
断面の少なくとも一部を曲線状部分で画定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項1】
1つまたは複数が、
第1の端部、
第2の端部、ならびに
ある厚さ、ある長さ、および曲線状部分を有する、前記第1の端部と第2の端部との間の連続的な細長いボディ、を含む複数のストラットと、
少なくとも1つが前記曲線状部分のうちの2つの間で接線方向の交点を含む複数の接合部と、
少なくとも1つが3つ以上の前記接合部を含む複数の改変されたノードと、
を備える多孔質構造物。
【請求項2】
少なくとも1つの改変されたノードが、前記3つ以上の接合部の間に開口部を含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項3】
ある長さおよび厚さを有する直線部分を含む1つまたは複数のストラットと、少なくとも1つの閉塞した改変されたノードとをさらに備え、前記少なくとも1つの閉塞した改変されたノードが、直線部分を有する1つまたは複数のストラットと曲線状部分を有する少なくとも1つのストラットとの間に交点を含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項4】
複数の曲線状ストラットが、複数の側面を有する1つまたは複数のセルを形成し、側面の数が約4乃至約24の範囲である、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項5】
1つまたは複数のセルの側面の数が約4乃至約16の範囲である、請求項4に記載の多孔質構造物。
【請求項6】
複数の曲線状ストラットおよび複数の直線ストラットが、複数の側面を有する1つまたは複数のセルを形成し、側面の数が約4乃至約24の範囲である、請求項3に記載の多孔質構造物。
【請求項7】
1つまたは複数のセルの側面の数が約4乃至約16の範囲である、請求項6に記載の多孔質構造物。
【請求項8】
金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体、およびこれらの組合せからなる群から選択される材料をさらに含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項9】
金属材料が、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の多孔質構造物。
【請求項10】
1つまたは複数のストラットの断面が多角形を含む、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項11】
断面の少なくとも一部が曲線状である、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項12】
1つまたは複数のセルの窓の平均断面が、0.01乃至2000マイクロメートルの範囲内である、請求項1に記載の多孔質構造物。
【請求項13】
1つまたは複数のセルの窓の平均断面が、50乃至1000マイクロメートルの範囲内である、請求項12に記載の多孔質構造物。
【請求項14】
1つまたは複数のセルの窓の平均断面が、100乃至500マイクロメートルの範囲内である、請求項13に記載の多孔質構造物。
【請求項15】
多孔質構造物を製作するための方法であって、
多孔質構造物の1つまたは複数のセルについての、アルキメデス形状、プラトン形状、狭義凸多面体、角柱、反角柱、およびこれらの組合せからなる群から選択される幾何学的形状を含む少なくとも1つのフレーム形状、およびサイズを選択するステップ、
それぞれについて、第1の端部、第2の端部、第1の端部と第2の端部との間の、曲線状部分を含む連続的な細長いボディを有する1つまたは複数のストラットを画定するステップ、
前記曲線状部分の2つの間に接線方向の交点を有する少なくとも1つの接合部を画定するステップ、
前記フレームに、曲線状部分を含む1つまたは複数のストラットを加えるステップ、および
フレームおよび1つまたは複数のストラットの厚さを選択するステップ、を含む、多孔質構造物のモデルを形成するステップと、
可融性材料をエネルギー源に曝露することによって前記モデルに従った多孔質構造物を製作するステップと、
を含む方法。
【請求項16】
加えるステップを、選択された形状の1つまたは複数の面内またはこれらの面の周囲に1つまたは複数のストラットの曲線状部分を内接または外接させることによって実施する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
製作するステップの前に、前記モデルの1つまたは複数のセルからフレームの部分を取り除くステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
製作するステップが、金属、セラミック、金属−セラミック(サーメット)、ガラス、ガラス−セラミック、ポリマー、複合体、およびこれらの組合せからなる群から、1つまたは複数のストラットを製作するための材料を選択するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、ニッケル−クロム(例えば、ステンレス鋼)、コバルト−クロム合金、およびこれらの組合せからなる群から金属材料を選択するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
1つまたは複数のストラットの断面を多角形で画定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
断面の少なくとも一部を曲線状部分で画定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図13G】
【図13H】
【図13I】
【図13J】
【図13K】
【図13L】
【図13M】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図35D】
【図35E】
【図36】
【図37A】
【図37B】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図40】
【図41A】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51A】
【図51B】
【図52】
【図53A】
【図53B】
【図53C】
【図53D】
【図54A】
【図54B】
【図54C】
【図54D】
【図54E】
【図55A】
【図55B】
【図55C】
【図55D】
【図55E】
【図56A】
【図56B】
【図57A】
【図57B】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図1A】
【図1B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図19】
【図24】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図13F】
【図13G】
【図13H】
【図13I】
【図13J】
【図13K】
【図13L】
【図13M】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図25A】
【図25B】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図35C】
【図35D】
【図35E】
【図36】
【図37A】
【図37B】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図40】
【図41A】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51A】
【図51B】
【図52】
【図53A】
【図53B】
【図53C】
【図53D】
【図54A】
【図54B】
【図54C】
【図54D】
【図54E】
【図55A】
【図55B】
【図55C】
【図55D】
【図55E】
【図56A】
【図56B】
【図57A】
【図57B】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図1A】
【図1B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図10F】
【図19】
【図24】
【公表番号】特表2013−502285(P2013−502285A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525699(P2012−525699)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/046032
【国際公開番号】WO2011/022560
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/046032
【国際公開番号】WO2011/022560
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】
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