説明

多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュール

【課題】多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールの提供。
【解決手段】多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールに関するものである。その中に、複数個のパイプ状電極、一つの反応物供給部及び一つの予熱パイプを含む。その複数個のパイプ状電極が同心配列を呈する。その反応供給部よりそれぞれ気体及び燃料をそのパイプ状電極の陰極層及び陽極層に供給し、その予熱パイプをその反応物供給部と貫通する。その予熱パイプが未反応する燃料及び気体が高温燃焼で生じる熱を受けて、その反応物供給部の内部での気体及び燃料を予熱することができる。又、その燃料電池の電極構造は同心円配列を呈するので、体積を占めない。そのため、単位体積の発電効率を向上できる。更に、この発明がその燃料電池を発電ユニットとして、複数個の発電ユニットで燃料電池モジュールを構成し、このモジュール化の設計を利用して、使用者が任意に組立てることができるので、電池の発電ユニットのメンテナンス及び更新をしやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールに関するものである。
特に多層パイプ状電極を利用すると同時に、電極の両側を接続する接続板及び気体予熱パイプを合わせて、内部電子抵抗を減少することで、燃料電池の運転効率を向上し、空間を節約こともできる多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールを指すのである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は約160年前の1839年にイギリスのGroveの発明したものである。1940年から、いままで宇宙飛行船の電源として使う燃料電池を産業、民生に実用化するための開発が急速に発展されるし、いまは固定位置で使用する燃料電池が開発された。燃料電池の操作原理は下記の通りである。燃料及び酸化剤(空気)が固形化酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell . SOFC)に入る前に、先に固形化酸化物燃料電池の操作温度(600〜1000℃)と近い温度までに予熱される。
【0003】
このような高温の条件で、燃料(メタン)及び水蒸気が固形化酸化物燃料電池の陽極にリホーミング反応を生じて、改めてメタンを水素及び一酸化炭素にリホーミングする。又、一酸化炭素が水蒸気と合わせて、水蒸気転移反応を生じることで、水素及び二酸化炭素を釈放する。このような高温の条件で、陰極側の空気での水素が外部電気回路からの電子と反応することで、酸素イオンを形成する。この酸素イオンが固形化電解質を通して陽極側に移転することで、その間での水素と結合して、電気化学反応を生じて、電子、水及び熱を釈放する。
【0004】
又、電子が外部電気回路を通してパワーを生じることができる。又、固形化酸化物燃料電池の出口所に温度が700度までの廃棄及び残り燃料がある。一般的に固形化酸化物燃料電池は丸いパイプ型及び板型を分けられ、板型であれば、それを密封する場合、いろいろな問題が生じたので、1960年からウエスティングハウス会社が丸いパイプ型のSOFC技術(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)を研究開発し始めた。このような円筒型の固形化酸化物燃料電池は燃料極/電解質/空気極で1本の電池パイプを構成することで、ホットで膨張、コードで収縮することを順調に吸収でき、密封することが必要ではないし、その操作温度が1000度に達しても安定で運転できるが、その欠点はそのプロセスの技術が相当に複雑で、製造コストが高いし、その電流の進行ルートがより長いので、電池内部の電子抵抗損失もより高い。又、発電量を増えるなら、前述の特許文献1に記載される方式は、複数個の円筒型の固形化酸化物燃料電池を隣接で配列するので、発電を増える目的を達成できるが、同時に使用上の体積も増えるので不便になったのである。
【0005】
又、アメリカに公開される特許文献5に記載される電極構造は同心のリング状電極の構造である。その同心のリング状電極の構造を使う場合、確かに空間浪費の欠点を解決できるが、燃料回収及び気体予熱の機能、モジュール電池の長所を備えていないのである。
【0006】
上述の問題があるので、従来技術の欠点を解決するため、固形化酸化物の電極構造及びその電極構造を使用する燃料電池が求められる。
【0007】
【特許文献1】アメリ力特許公告4490444号明細書
【特許文献2】アメリ力特許公告4833042号明細書
【特許文献3】アメリ力特許公告6416897号明細書
【特許文献4】アメリ力特許公告6444342号明細書
【特許文献5】アメリ力特許公告4490444号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の主要な目的は、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールを提供するものである。それは単一の空間の中に多層の同心配列の電極を設けることで、単位体積でより高いパワーを出力する目的を達成できる。
【0009】
この発明の次の目的は、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールを提供するものである。それは電極セットの両側にある接続板を利用して、電流の進行ルートを短縮することで、内部抵抗を低下する目的を達成できる。
【0010】
この発明の又一つの目的は、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールを提供するものである。それは複数個の多層丸いパイプの燃料電池を組合せ、単一の発電ユニットを構成するし、複数個の発電ユニットを組み合わせ、一つの電池モジュールを構成することで、任意に取り付け、メンテナンスしやすい目的を達成する。
【0011】
この発明の別一つの目的は、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールを提供するものである。それは空気を提供するパイプの上に予熱のパイプを設けることで、気体及び燃料を予熱する目的を達成する。
【0012】
上述の目的を達成するため、この発明は燃料電池を提供するものである。その中に、複数個のパイプ状電極があり、それを燃料電池のケースの中に設けられ、その複数個のパイプ状電極が同心配列を呈することで、複数個の反応空間が構成され、その隣接するパイプ状電極と相対する面に同一の極性を持ち、更に、そのパイプ状電極に一つの陽極層、一つの陰極層及び一つの固形化電解質層が設けられ、その固形化電解質層をその陽極層及び陰極層の間に設けられる。又、一つの反応供給部があり、それによって、気体をパイプ状電極の陰極層に供給し、及び燃料をパイプ状電極の陽極層に供給することができる。又、一つの予熱パイプがあり、それを反応物供給部と貫通するので、その予熱パイプが未反応する燃料及び気体が高温燃焼で生じる熱を受けて、その反応物供給部の内部での気体及び燃料を予熱することができる。
【0013】
その中に、より良いのはその反応物供給部に気体パイプがあり、それを最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その気体パイプが陰極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、気体がその反応空間の中に流れることができる。又、燃料パイプがあり、それを最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その燃料パイプが陽極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、燃料がその反応空間の中に流れることができる。
【0014】
その中に、より良いのはそのパイプ状電極に更に少なくとも1対の接続板を含み、それをそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極層と接続する。その1対の接続板での1枚を別の1枚と対応することができる。
【0015】
その中に、より良いのはそのパイプ状電極に更に2対の接続板を含み、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極層と接続するし、相互に対応することを呈する。又、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極と接続するし相互に対応することを呈する。
【0016】
その中に、より良いのはその反応空間の中に陽極層と接続する接続板は、隣接する反応空間での隣接するパイプ電極での陰極層の上にある接続板を選んで電気性の接続を行うことができる。
【0017】
その中に、より良いのはその燃料電池に予熱パイプ及び一つの排気パイプを含むことで、その燃焼反応を行った後の生じる排気を排出することができる。その中に、より良いのはその予熱パイプは一つの螺旋パイプである。
【0018】
上述の目的を達成するため、この発明は燃料電池モジュールを提供するものである。その中に、一つのケースの中に複数個の発電ユニットを含む。その発電ユニットの中に複数個のパイプ状電極を含み、それを燃料電池のケースに設けられ、その複数個のパイプ状電極を同心配列で複数個の反応空間を構成する。その隣接するパイプ状電極と相対する面に同一の極性を持ち、そのパイプ状電極に一つの陽極層、一つの陰極層及び一つの電解質層を含み、その固形化電解質層をその陽極層及び陰極層の間に設ける。一つの反応物供給部があり、それによって、気体をそのパイプ状電極の陰極層に供給し、燃料をパイプ状電極の陽極層を供給する。又、少なくとも二つの第一集電板があり、それをケースの中に設けることで、複数個の発電ユニットを固定する。又、複数個の予熱パイプがあり、それを複数個の発電ユニットの反応物供給部とそれぞれ貫通し、その予熱パイプが未反応する燃料及び気体が高温燃焼で生じる熱を受けて、その反応物供給部の内部での気体及び燃料を予熱することができる。
【0019】
その中に、より良いのはその第一集電板は陽極板であり、その燃料電池モジュールに少なくとも一つの第二集電板を含み、それをケースの中に設けて、そのパイプ状電極の陰極層と電気性の接続を行う。
【課題を解決するための手段】
【0020】
請求項1の発明は、燃料電池に関するものであり、複数個のパイプ状電極、反応供給部、予熱パイプ及び排気パイプを包含し、
複数個のパイプ状電極は燃料電池のケースの中に設けられ、その複数個のパイプ状電極が同心配列を呈することで、複数個の反応空間が構成され、その隣接するパイプ状電極と相対する面に同一の極性を持ち、更に、そのパイプ状電極に一つの陽極層、一つの陰極層及び一つの固形化電解質層が設けられ、その固形化電解質層をその陽極層及び陰極層の間に設けられ、
反応供給部は気体をパイプ状電極の陰極層に供給し、及び燃料をパイプ状電極の陽極層に供給することができ、該反応物供給部は更に、気体パイプ及び燃料パイプを含み、
気体パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その気体パイプが陰極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、気体がその反応空間の中に流れることができ、
燃料パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その燃料パイプが陽極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、燃料がその反応空間の中に流れることができ、
予熱パイプは反応物供給部と貫通するし、それは螺旋パイプであるので、その予熱パイプが未反応する燃料及び気体が高温燃焼で生じる熱を受けて、その反応物供給部の内部での気体及び燃料を予熱することができ、
排気パイプは燃焼反応を行った後の生じる排気を排出することができることを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の燃料電池において、そのパイプ状電極に更に2対の接続板を含み、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極層と接続するし、相互に対応することを呈し、又、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極と接続するし相互に対応することを呈することを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池としている。
請求項3の発明は、燃料電池モジュールに関するものであり、複数個の発電ユニットを包含し、該複数個の発電ユニットはケースの中に設けられ、該発電ユニットは更に、複数個のパイプ状電極、反応供給部、少なくとも二つの第一集電板、複数個の予熱パイプ及び排気パイプを包含し、
複数個のパイプ状電極は燃料電池のケースの中に設けられ、その複数個のパイプ状電極が同心配列を呈することで、複数個の反応空間が構成され、その隣接するパイプ状電極と相対する面に同一の極性を持ち、更に、そのパイプ状電極に一つの陽極層、一つの陰極層及び一つの固形化電解質層が設けられ、その固形化電解質層をその陽極層及び陰極層の間に設けられ、
反応供給部は気体をパイプ状電極の陰極層に供給し、及び燃料をパイプ状電極の陽極層に供給することができ、その反応供給部には、気体パイプ及び燃料パイプを含み、
気体パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その気体パイプが陰極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、気体がその反応空間の中に流れることができ、
燃料パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その燃料パイプが陽極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、燃料がその反応空間の中に流れることができ、
第一集電板はケースの中に設けることで、複数個の発電ユニットを固定することができ、
複数個の予熱パイプはそれぞれ複数個の発電ユニットの中での反応物供給部と貫通するし、それは螺旋パイプであるので、その予熱パイプが未反応する燃料及び気体が高温燃焼で生じる熱を受けて、その反応物供給部の内部での気体及び燃料を予熱することができ、 排気パイプは燃焼反応を行った後の生じる排気を排出することができることを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジューとしている。
請求項4の発明は、請求項3記載の燃料電池モジュールにおいて、そのパイプ状電極に更に2対の接続板を含み、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極層と接続するし、相互に対応することを呈し、又、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極と接続するし、相互に対応することを呈することを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールとしている。
請求項5の発明は、請求項3記載の燃料電池モジュールにおいて、その第一集電板は陽極板であり、その燃料電池モジュールに少なくとも一つの第二集電板を含み、それをケースの中に設けて、そのパイプ状電極の陰極層と電気性の接続を行うことを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールとしている。
請求項6の発明は、請求項3記載の燃料電池モジュールにおいて、その第一集電板は陰極板であり、その燃料電池モジュールに少なくとも一つの第二集電板を含み、それをケースの中に設けて、そのパイプ状電極の陽極層と電気性の接続を行うことを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュールとしている。
【発明の効果】
【0021】
この発明は単位面積の発電効率を高めて、電流のルートを短縮することで、電圧の損失を減少できるし、モジュール化の設計によって、任意に取り付け、メンテナンスしやすい特色を持つので、業界の需要に満足する、更に、その産業の競争力を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1及び図2をご参照ください。図1はこの発明の固形化酸化物の電極構造のベター実施例の説明図である。図2は、この発明の固形化酸化物のパイプ状電極の立体組立て図である。その電極構造1に複数の第一パイプ状電極10を含み、それは同心配列を呈するし、その隣接するパイプ状電極と相対する面に同一の極性を持つ。
【0023】
この実施例の中に、複数個のパイプ状電極に更に一つの第一パイプ状電極10、一つの第二パイプ状電極11及び一つの第三パイプ状電極12を含む。又、その第二パイプ状電極11を第一パイプ状電極10の中に入れて、第三パイプ状電極12を第二パイプ状電極11の中に入れるのである。この三つのパイプ状電極10、11、12は同心円配列を呈することで、単位発電パワーの占有する体積を減少できる。
【0024】
図3をご参照ください。それはこの発明の固形化酸化物の単一パイプ状電極の鳥瞰説明図である。この図は一つの第一パイプ状電極10 で説明する。その第一パイプ状電極10に一つの陽極層105、陰極層107及び一つの固形化電解質層106があり、その固形化電解質層106を陽極層105及び陰極層107の間に設けてある。
【0025】
この実施例の中に、陽極層が外部にあるが、必要によって、その陽極層を内部に設けても良いのである。この実施例の中での第一パイプ状電極10、11、12ごとの陽極層及び陰極層の表面にそれぞれ2対の接続板101〜104、111〜114、121〜124を設けてあり、1対ごとの接続板をパイプ状電極ごとの陽極層の表面及び陰極層の表面と接続し対応するので、ベターの導電効果を得られる。第一パイプ状電極10を例として、その2対の接続板101、104をそのパイプ状電極11の円心と対称で設けるので、電流の進行ルートを短縮することができる。
【0026】
図3の中に、その第一パイプ状電極10を例として、その陽極層105に接続する接続板101を陰極層107に接続する接続板101と対応する。又、陽極層105に接続する接続板103を陰極層107に接続する接続板104と対応する。
【0027】
図8をご参照ください。それは電流を流動するルートの説明図である。第一パイプ状電極10を例として、第一パイプ状電極10反応ごとで生じる電流96は、第一パイプ状電極10に接続する接続板101、102、103、104を通して、電流を直列で接続することで、電流の進行ルートを短縮できるので、電圧の損失を減少することができる。
【0028】
図4をご参照ください。それはこの発明の燃料電池のベター実施例の説明図である。この発明に記載される固形化酸化物電極の構造を利用して、図4のような燃料電池2を作製することができる。その燃料電池2に一つのケース20、一つの発電ユニット21及び一つの反応物供給部22を含み、その発電ユニット21をそのケース20の中に設けられ、その発電ユニット21に同心円配列を呈する第一パイプ状電極210、第二パイプ状電極211及び第三パイプ状電極212が一つずつある。
【0029】
その第二パイプ状電極211が第一パイプ状電極210と一つの反応空間213を構成、第三パイプ状電極212が第二パイプ状電極211と一つの反応空間214を構成する。その第一パイプ状電極210の陰極層を第二パイプ状電極211の陰極層と対応し、その第二パイプ状電極211の陽極層をその第三パイプ状電極212の陽極層と対応する。又、その第三パイプ状電極212の内部空間215の中での電極層は陰極層である。
【0030】
パイプ状電極ごとの陽極層及び陰極層に相互に対応する2枚の接続板2101〜2104、2111〜2114、2121〜2124をそれぞれ接続してある。この実施例の中に、その第一パイプ状電極210の陰極層のある側での接続板2102を導線24で隣接する第二パイプ状電極211での接続板2112と接続し、その第一パイプ状電極210の陰極層の別側での接続板2104を導線24で隣接する第二パイプ状電極211の陽極層の上での接続板2114と接続する。
【0031】
その第二パイプ状電極211の陰極層の有る側での接続板2111を導線24で隣接する第三パイプ状電極212での接続板2121と接続する。その第二パイプ状電極211の陰極層の別側での接続板2113を導線24で隣接する第三パイプ状電極212での接続板2123と接続する。又、その燃料電池2は陽極導線及び陰極導線でその燃料電池2の発電を導出する。
【0032】
その反応物供給部22が第三パイプ状電極212の内部空間215の中に設けられ、その反応物供給部22より、気体をそのパイプ状電極の陰極層に供給し、及び燃料をそのパイプ状電極の陽極層に供給する。この実施例の中に、その反応物供給部22に気体パイプ221及び燃料パイプ220を含む。
【0033】
図4及び図5をご参照ください。その気体パイプ221を第三パイプ状電極212の内部空間215に設けてあり、その気体パイプ221が陰極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴2210、2211を設けてあるので、気体がその反応空間213及び内部空間215の中に流れることができる。
【0034】
その燃料パイプ220を第三パイプ状電極212の内部空間215に設けてあり、その燃料パイプ220が陽極層と対応する反応空間2114を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴2201、2202を設けてあるので、気体がその反応空間214及びケース20の中に流れることができる。
【0035】
その反応物供給部22に一つの予熱パイプ25を接続することで持続燃焼区域を構成する。その予熱パイプ25に燃料予熱パイプ250及び気体予熱パイプ251を含み、その燃料予熱パイプ250をその気体パイプ220と貫通し、その電池の中での未反応燃料及び気体が上に移動して予熱パイプ25まで移動する。
【0036】
その燃料電池2が高温環境で作業するので、その燃料及び気体が高温で熱を受けて燃焼することで、熱エネルギー及び排気ガスを釈放し、その釈放された熱エネルギーが予熱パイプまで伝送することで、パイプの内部での燃料及び気体を予熱する。この実施例の中に、その気体予熱パイプ251及び予熱パイプ25は一つの螺旋パイプである。その目的はパイプの中での気体及び燃料の流動ルートを増加することで、予熱の時間を増加して、より良い予熱効果を達成する。
【0037】
図6をご参照ください。それはこの発明の燃料電池モジュールの鳥瞰説明図である。この発明の燃料電池モジュール3は複数個の発電ユニット31を結合することで、燃料電池モジュール3を構成するので、使用者が任意に取り付け、メンテナンスしやすい目的を達成する。その燃料電池モジュール3に一つのケース30、複数個の発電ユニット31、反応物供給部37及び3枚の第一集電板33、34、35を含む。
【0038】
その実施例の中に、その電池モジュールに4個の発電ユニット31があり、その4個の発電ユニット31をケースの中に設けてあり、その発電ユニット31及びその反応物供給部37の構造は、この発明の図4に記載される発電ユニットと同一なので、ここで述べないのである。
【0039】
この実施例の中に、3枚の第一集電板33、34、35を使用し、その中に、2枚の第一集電板33、35をそのケース30の側壁と隣接し、3枚目の第一集電板34を2枚の第一集電板33、35の中央に設けることで、分ける空間を構成して、その発電ユニット31を入れることができる。又、その第一集電板33、34、35を発電ユニット31とコンタクトすることで、その発電ユニットを固定することができる。その第一集電板33、34、35によって、発電ユニット3を固定することができるほか、導電用の集電板として使うこともできる。この実施例の中に、その発電ユニット311の外層は陽極層であるので、その第一集電板33、34、35の極性は陽極である。
【0040】
又、二つの発電ユニット31の間に一つの第二集電板38を設けてある。この実施例の中に、その第二集電板38の極性は陰極であり、その第二集電板は導線36を通して、発電ユニット31の陰極層と電気性の接続を行うことができる。この実施例の中に、その導線36は接続板で構成され、その第一集電板33、34、35及び第二集電板38を使って、燃料電池モジュールで生じる電気を導出することができる。
【0041】
この実施例の中に、その燃料電池モジュール3に4個の発電ユニットがあるが、実際に実施する場合、実際的の必要に合わせて、発電ユニットの数量を増加又は減少することができる。例えば、2個以上の燃料電池モジュール3を結合して、第一集電板及び第二集電板を直列で接続することで、もっと強い電力を生じることができる。又、第一集電板及び第二集電板の極性は、第一パイプ状電極の極性分布によって決まるのである。
【0042】
又、その第一パイプ状電極の外層電極は陰極である場合、その第一集電板は陰極の電極板で、その第二集電板は陽極の電極板である。図6の電池モジュールに予熱パイプで構成する持続燃焼区域の構造を表示していないが、その関連する接続関係は図4の方式と同一ので、ここで述べないのである。
【0043】
図7をご参照ください。それはこの発明のベター実施例の燃料電池を運転する説明図である。その第一パイプ状電極210、第二パイプ状電極211及びその第三パイプ状電極212は同心円配列を呈するし、その隣接するパイプ電極と対応する電極は同性の電極である。
【0044】
この実施例の中に、その第一パイプ状電極210の外層電極は陽極層である。又、その第一パイプ状電極210及び第二パイプ状電極211の間に陰極層で対応する反応空間213が構成され、その第二パイプ状電極211及び第三パイプ状電極212の間に陽極層で対応する反応空間214が構成される。その第三パイプ状電極212の内部空間215は陰極層である。
【0045】
その第一パイプ状電極210の外部表面は陽極層であるので、その第一パイプ状電極210の表面と接続するのは、高温の燃料気体93である。例えば、メタン、水素。その燃料パイプ220は、陽極層相対で構成する反応空間214及びケース20及び第一パイプ状電極210の間での空間に通し穴2201、2202を設けることで、燃料気体93を中に入れることができる。その気体パイプ221は陰極層相対で構成する反応空間215、213に通し穴2210、2211を設けることで、気体94を中に入れることができる。
【0046】
このような高温の条件で、陰極層の酸素が外部の電気回路からの電子と酸素イオンを形成する。この酸素イオンは固定電解質を通して陽極層に移動して、その間での水素と合わせて電気化学反応を生じて、電子を釈放し、その予熱パイプ25より未反応の燃料気体93及び気体94が高温で燃焼後の生じる熱エネルギーを受けて、その反応物供給部22を予熱することができる。又、反応後の排気ガス95が一つの排気パイプを通して排出する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の固形化酸化物の電極構造の好ましい実施例を示す図である。
【図2】本発明の固形化酸化物のパイプ状電極の立体斜視図である。
【図3】本発明の固形化酸化物の単一パイプ状電極の平面を示す図である。
【図4】本発明の燃料電池の好ましい実施例を示す図である。
【図5】本発明の気体パイプ及び燃料パイプの立体図である。
【図6】本発明の燃料電池モジュールの平面を示す図である。
【図7】本発明の好ましい実施例の燃料電池の運転を示す図である。
【図8】電流の流動するルートを示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 電極構造
10 第一パイプ状電極
101、102、103、104 接続板
105 陽極層
106 固形化電解質層
107 陰極層
11 第二パイプ状電極
111、112、113、114 接続板
12 第三パイプ状電極
121、122、123、124 接続板
2 燃料電池
20 ケース
21 発電ユニット
210 第一パイプ状電極
2101、2102、2103、2104 接続板
211 第二パイプ状電極
2111、2112、2113、2114 接続板
212 第三パイプ状電極
2121、2122、2123、2124 接続板
213、214 反応空間
215 内部空間
22 反応物供給部
220 燃料パイプ
2201、2202 通し穴
220 気体パイプ
2210、2211 通し穴
24 導線
25 予熱パイプ
250 燃料予熱パイプ
251 気体予熱パイプ
28 排気パイプ
3 燃料電池モジュール
30 ケース
31 発電ユニット
32 入れる空間
33、34、35 第一集電板
36 導線
37 反応物供給部
38 第二集電板
93 燃料気体
94 気体
95 排気ガス
96 電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池に関するものであり、複数個のパイプ状電極、反応供給部、予熱パイプ及び排気パイプを包含し、
複数個のパイプ状電極は燃料電池のケースの中に設けられ、その複数個のパイプ状電極が同心配列を呈することで、複数個の反応空間が構成され、その隣接するパイプ状電極と相対する面に同一の極性を持ち、更に、そのパイプ状電極に一つの陽極層、一つの陰極層及び一つの固形化電解質層が設けられ、その固形化電解質層をその陽極層及び陰極層の間に設けられ、
反応供給部は気体をパイプ状電極の陰極層に供給し、及び燃料をパイプ状電極の陽極層に供給することができ、該反応物供給部は更に、気体パイプ及び燃料パイプを含み、
気体パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その気体パイプが陰極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、気体がその反応空間の中に流れることができ、
燃料パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その燃料パイプが陽極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、燃料がその反応空間の中に流れることができ、
予熱パイプは反応物供給部と貫通するし、それは螺旋パイプであるので、その予熱パイプが未反応する燃料及び気体が高温燃焼で生じる熱を受けて、その反応物供給部の内部での気体及び燃料を予熱することができ、
排気パイプは燃焼反応を行った後の生じる排気を排出することができることを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池において、そのパイプ状電極に更に2対の接続板を含み、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極層と接続するし、相互に対応することを呈し、又、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極と接続するし相互に対応することを呈することを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池。
【請求項3】
燃料電池モジュールに関するものであり、複数個の発電ユニットを包含し、該複数個の発電ユニットはケースの中に設けられ、該発電ユニットは更に、複数個のパイプ状電極、反応供給部、少なくとも二つの第一集電板、複数個の予熱パイプ及び排気パイプを包含し、
複数個のパイプ状電極は燃料電池のケースの中に設けられ、その複数個のパイプ状電極が同心配列を呈することで、複数個の反応空間が構成され、その隣接するパイプ状電極と相対する面に同一の極性を持ち、更に、そのパイプ状電極に一つの陽極層、一つの陰極層及び一つの固形化電解質層が設けられ、その固形化電解質層をその陽極層及び陰極層の間に設けられ、
反応供給部は気体をパイプ状電極の陰極層に供給し、及び燃料をパイプ状電極の陽極層に供給することができ、その反応供給部には、気体パイプ及び燃料パイプを含み、
気体パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その気体パイプが陰極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、気体がその反応空間の中に流れることができ、
燃料パイプは最も内層にあるパイプ状電極の内部空間に設けてあり、その燃料パイプが陽極層と対応する反応空間を通過するパイプの壁に少なくとも一つの通し穴を設けてあるので、燃料がその反応空間の中に流れることができ、
第一集電板はケースの中に設けることで、複数個の発電ユニットを固定することができ、
複数個の予熱パイプはそれぞれ複数個の発電ユニットの中での反応物供給部と貫通するし、それは螺旋パイプであるので、その予熱パイプが未反応する燃料及び気体が高温燃焼で生じる熱を受けて、その反応物供給部の内部での気体及び燃料を予熱することができ、 排気パイプは燃焼反応を行った後の生じる排気を排出することができることを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュール。
【請求項4】
請求項3記載の燃料電池モジュールにおいて、そのパイプ状電極に更に2対の接続板を含み、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極層と接続するし、相互に対応することを呈し、又、その中の1対の接続板をそれぞれパイプ状電極の陰極層及び陽極と接続するし、相互に対応することを呈することを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュール。
【請求項5】
請求項3記載の燃料電池モジュールにおいて、その第一集電板は陽極板であり、その燃料電池モジュールに少なくとも一つの第二集電板を含み、それをケースの中に設けて、そのパイプ状電極の陰極層と電気性の接続を行うことを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュール。
【請求項6】
請求項3記載の燃料電池モジュールにおいて、その第一集電板は陰極板であり、その燃料電池モジュールに少なくとも一つの第二集電板を含み、それをケースの中に設けて、そのパイプ状電極の陽極層と電気性の接続を行うことを特徴とする、多層の丸いパイプ型固形化酸化物燃料電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−134296(P2007−134296A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362222(P2005−362222)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(599171866)行政院原子能委員會核能研究所 (37)
【Fターム(参考)】