多層フレキシブルプリント配線板の製造方法
【課題】品質が良好な多層フレキシブルプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】フライングテール部12を備えた多層フレキシブルプリント配線板10の製造方法は、コア基板21を準備する第1の工程S10,S20と、コア基板21においてフライングテール部12となる第1の領域211上に耐熱マスキング層50を形成する第2の工程S30と、接着層35を介して片面CCL30をコア基板21に積層する第3の工程S40と、片面CCL30の第2の銅箔32を加工することで、外側配線パターン33を形成すると共に、第2の絶縁層31において耐熱マスキング層50に対応する第2の領域312を露出させる第4の工程S60と、第2の領域312の輪郭にレーザ光91を照射する第5の工程S70と、第2の領域312と耐熱マスキング層50を除去する第6の工程S80,S90と、を備えている。
【解決手段】フライングテール部12を備えた多層フレキシブルプリント配線板10の製造方法は、コア基板21を準備する第1の工程S10,S20と、コア基板21においてフライングテール部12となる第1の領域211上に耐熱マスキング層50を形成する第2の工程S30と、接着層35を介して片面CCL30をコア基板21に積層する第3の工程S40と、片面CCL30の第2の銅箔32を加工することで、外側配線パターン33を形成すると共に、第2の絶縁層31において耐熱マスキング層50に対応する第2の領域312を露出させる第4の工程S60と、第2の領域312の輪郭にレーザ光91を照射する第5の工程S70と、第2の領域312と耐熱マスキング層50を除去する第6の工程S80,S90と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライングテール部を有する多層フレキシブルプリント配線板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フライングテールタイプのリジッドフレキシブル基板の製造方法として、プリプレグを介してベース基板上に配列されたベース銅板において、フレキシブル領域に対応する部分を保護しつつ、リジッド領域に対応する部分には外層回路パターンを形成し、その後に、CNCドリルや抜き型を用いてベース銅板を加工することで、ベース銅板においてフレキシブル領域に対応する部分を除去する方法が知られている(例えば特許文献1の段落0035参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−128686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、多層フレキシブルプリント配線板は、複数の銅張積層板を積層することで形成されるが、この銅張積層板は上述のベース銅板やプリプレグと比較して薄い。そのため、フライングテール部を有する多層フレキシブルプリント配線板を上記の方法によって製造すると、CNCドリルや抜き型によって内側の配線パターンを損傷してしまうおそれがあるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、品質が良好な多層フレキシブルプリント配線板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]発明に係る多層フレキシブルプリント配線板の製造方法は、フライングテール部を備えた多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の少なくとも一方の主面に形成された第1の配線パターンと、を有するコア基板を準備する第1の工程と、前記コア基板においてフライングテール部となる第1の領域の少なくとも一部にマスキング層を形成する第2の工程と、第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の一方の主面に積層された導体層と、を有する金属張積層板を、接着層を介して、前記コア基板に積層する第3の工程と、前記導体層を加工することで、第2の配線パターンを形成すると共に、前記第2の絶縁層において前記マスキング層に対応する第2の領域の少なくとも一部を露出させる第4の工程と、前記第2の領域の露出部分の少なくとも一部に、レーザ光を照射する第5の工程と、前記第2の領域と前記マスキング層とを同時又は別々に除去する第6の工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
[2]上記発明において、前記接着層は、前記マスキング層が進入可能な開口を有してもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記接着層の厚さと、前記マスキング層の厚さと、が実質的に同一であってもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記第2の工程は、少なくとも前記コア基板において前記フライングテール部の輪郭と前記第1の配線パターンとが重複する部分に、前記マスキング層を形成することを含んでもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記第6の工程は、前記第2の絶縁層と前記マスキング層とを同時に除去することを含んでもよい。
【0011】
[6]上記発明において、前記第2の工程は、前記第1の領域全体に前記マスキング層を形成することを含んでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、コア基板における第1の領域の少なくとも一部にマスキング層を形成しておき、第2の絶縁層の第2の領域における露出部分の少なくとも一部にレーザ光を照射して、当該第2の領域を除去する。このため、第1の配線パターンの損傷を防止することができ、品質が良好な多層フレキシブルプリント配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態における多層フレキシブルプリント配線版を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2のステップS10を示す断面図である。
【図4】図4は、図2のステップS20を示す断面図である。
【図5】図5は、図2のステップS30を示す断面図である。
【図6】図6は、図2のステップS40を示す断面図である。
【図7】図7は、図2のステップS50を示す断面図である。
【図8】図8は、図2のステップS60を示す断面図である。
【図9】図9は、図2のステップS70を示す断面図である。
【図10】図10は、図2のステップS80を示す断面図である。
【図11】図11は、図2のステップS90を示す断面図である。
【図12】図12は、図2のステップS100を示す断面図である。
【図13】図13は、図2のステップS110及びS120を示す断面図である。
【図14】図14は、図2のステップS30の第1変形例を示す断面図である。
【図15】図15は、図2のステップS30の第2変形例を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法における片面CCL貼付工程を示す断面図である。
【図17】図17は、本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法におけるレーザ加工工程を示す断面図である。
【図18】図18は、本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法における除去工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
先ず、本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10を示す断面図である。なお、図1に示す多層フレキシブルプリント配線板10の構成は一例に過ぎず、積層板の枚数や配線パターンの配置等は、以下に説明するものに限定されない。
【0016】
本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10は、図1に示すように、多層部11と、フライングテール部12と、を備えている。
【0017】
多層部11は、複数のフレキシブルな銅張積層板20〜40を積層することで形成されている。一方、フライングテール部12は、主としてコア基板21から構成されており、多層部11と比較して相対的に薄くて可撓性に富んでいる。なお、以下において、銅張積層板を単にCCL(Copper Clad laminate)とも称する。
【0018】
因みに、上述のように、本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10はフレキシブルなCCL20〜40を積層して形成されるので、リジッドフレックス配線板のリジッド部と比較して、多層部11を薄くすることができる。
【0019】
コア基板21の内側配線パターン25,26は、多層部11のみならずフライングテール部12にも引き出されている。特に、一方の内側配線パターン25は、コネクタ等の他の電子部品と電気的に接続される端子27を有しており、この端子27は、フライングテール部12に位置している。
【0020】
多層部11には、内側配線パターン25,26に加えて、外側配線パターン33,43が設けられている。本例では、この外側配線パターン33,43は、スルーホール111を介して相互に接続されている。また、この外側配線パターン33,43は、このスルーホール111を介して、内側配線パターン25,26とも接続されている。
【0021】
なお、本実施形態における内側配線パターン25,26が本発明における第1の配線パターンの一例に相当し、本実施形態における外側配線パターン33,43が本発明における第2の配線パターンの一例に相当する。
【0022】
次に、本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10の製造方法について、図2〜図13を参照しながら説明する。図2は本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10の製造方法を示すフローチャートであり、図3〜図13は図2の各ステップを示す断面図である。
【0023】
図2のステップS10において、図3に示すように、先ず、例えばポリイミド等からなる第1の絶縁層22と、当該第1の絶縁層22の両面に積層された第1の銅箔23,24と、を有するフレキシブルな両面銅張積層板20を準備する。
【0024】
次いで、同図に示すように、この両面CCL20の第1の銅箔23,24にフォトエッチング加工を行うことで、内側配線パターン25,26を形成する。なお、一方の内側配線パターン25には、上述の端子27が含まれている。
【0025】
次いで、図2のステップS20において、図4に示すように、内側配線パターン25,26が形成された両面CCL20の両面に第1のカバーレイ28,29を熱プレスにより接着して、多層フレキシブルプリント配線板10のベースとなるコア基板21を形成する。この際、一方の第1のカバーレイ28には、端子27を露出させるための開口281を予め形成しておく。第1のカバーレイ28,29を構成する材料としては、第1の絶縁層22と同様に、例えばポリイミド等を例示することができる。
【0026】
次いで、図2のステップS30において、図5に示すように、コア基板21においてフライングテール部12となる領域211(以下単に、第1の領域211と称する。)上に、マスキングテープを貼り付けることで、耐熱マスキング層50を形成する。この耐熱マスキング層50は、後述するステップS70において、レーザ光から内側配線パターン25を保護するための保護層である。
【0027】
この耐熱マスキング層50を形成するマスキングテープとして、例えば、半田付け工程やめっき工程等で使用される耐熱性に優れたマスキングテープを用いることができる。このマスキングテープは、特に図示しないが、例えば、基材と、当該基材の片面に塗布された粘着剤と、を備えた粘着テープであり、160℃以上の耐熱性を有していることが好ましい。
【0028】
マスキングテープの基材を構成する材料としては、例えば、ポリイミド等の耐熱性に優れた樹脂材料を例示することができ、後述のステップS70でのレーザ光の吸収を抑制するために、白色であることが好ましい。また、マスキングテープの粘着剤としては、耐熱性に優れていることに加えて糊残りの少ないものが好ましく、例えば、アクリル系やシリコーン系の粘着剤等を例示することができる。
【0029】
なお、図2のステップS30において、マスキングテープに代えて、マスキングインクを、コア基板21の第1の領域211上にスクリーン印刷することで、耐熱マスキング層50を形成してもよい。
【0030】
次いで、図2のステップS40において、図6に示すように、先ず、例えばポリイミド等からなる第2の絶縁層31,41と、当該第2の絶縁層31,41の片面に積層された第2の銅箔32,42と、を有するフレキシブルな片面銅張積層板30,40を準備する。
【0031】
そして、同図に示すように、この片面CCL30,40を、接着層35,45を介して、コア基板21の両面に熱プレスにより接着して、コア基板21及び片面CCL30,40からなる積層体13(図7参照)を形成する。なお、接着層35,45は、片面CCL30,40に予め仮貼りされている。
【0032】
この際、図6に示すように、一方の接着層35には、耐熱マスキング層50に対応した形状の開口351が予め形成されている。このため、一方の片面CCL30が当該接着層35を介してコア基板21に積層されると、この開口351内に耐熱マスキング層50が入り込む。
【0033】
なお、コア基板21の上面からの耐熱マスキング層50の厚さt1と、接着層35の厚さt2とが実質的に同一であることが好ましい(t1=t2)。これにより、後述するステップS70において、第2の絶縁層31の表面が平坦となるので、レーザ加工が容易となる。因みに、第2の絶縁層31の表面が歪んでいる場合には、レーザ光の焦点が合い難くなりレーザ光の強度が不足する場合がある。
【0034】
次いで、図2のステップS50において、図7に示すように、積層体13において多層部11となる領域131に、スルーホール111を形成する。具体的には、先ず、CNCドリル加工やレーザ加工によって、積層体13に貫通孔132を形成する。次いで、特に図示しないが、DPP(Direct Plating Process)処理によって、貫通孔132の内面に導体層を形成する。次いで、同図に示すように、貫通孔132の内面を含めた積層体13の表面全体に銅メッキ層133を形成する。
【0035】
この際、第2の絶縁層31と接着層35の開口351とで規定される袋構造311によって端子27が密閉されているので、DPP処理やメッキ処理で使用される薬液に端子27が浸かるおそれがない。そのため、本実施形態では、薬液から端子27を保護するためのレジスト等を形成する必要がない。
【0036】
次いで、図2のステップS60において、図8に示すように、第2の銅箔32,42と銅メッキ層133とにフォトエッチング加工を行うことで、外側配線パターン33,43を形成すると共に、第2の銅箔32,42において外側配線パターン33,43を除いた部分を全て除去する。これにより、一方の第2の絶縁層31においてマスキング層50に対応する領域312(以下単に、第2の領域312と称する。)が第2の銅箔32から露出する。同様に、他方の第2の絶縁層41についてもフライングテール部12に対応する領域412が、第2の銅箔42から露出する。
【0037】
この際、上述のステップS50と同様に、第2の絶縁層31と接着層35の開口351とで規定される袋構造311によって端子27が密閉されているので、エッチング処理等で使用される薬液に端子27が浸かるおそれがない。そのため、本実施形態では、薬液から端子27を保護するためのレジスト等を形成する必要がない。
【0038】
なお、このステップS60において、第2の領域312の全体を第2の銅箔42から露出させずに、例えば、第2の領域312において後述のステップS70でレーザ光が照射される部分のみを第2の銅箔42から露出させてもよい。
【0039】
次いで、図2のステップS70において、図9に示すように、レーザ加工機の照射ヘッド90を第2の領域312の輪郭(すなわちフライングテール部12の輪郭)に沿って移動させながら、当該照射ヘッド90から一方の第2の絶縁層31に向かってレーザ光91を照射する。このステップS70で用いられるレーザとしては、例えば、UV−YAGレーザ等を例示することができる。このレーザ加工によって、第2の絶縁層31において第2の領域312が他の領域から切り離される。
【0040】
この際、レーザ光91の焦点、出力、パルス数は、レーザ光91が耐熱マスキング層50を貫通しないように調整されている。そのため、第2の絶縁層31を貫通したレーザ光91は、耐熱マスキング層50で抑止され、内側配線パターン25に到達することはない。従って、内側配線パターン25(特に、内側配線パターン25におけるフライングテール部12の輪郭との重複部分251(以下単に、重複部分251と称する。))の損傷を防止することができる。
【0041】
なお、少なくとも第2の領域312の輪郭において重複部分251に対応する部分がレーザ加工されればよい。例えば、第2の領域312において重複部分251に対応する部分をレーザ加工によってスリット状に切断し、第2の領域312の輪郭における他の部分を、CNCドリルや金型等によって切断してもよい。
【0042】
次いで、図2のステップS80において、図10に示すように、第2の絶縁層31から第2の領域312を取り除いて、第2の絶縁層31に開口313を形成する。
【0043】
次いで、図2のステップS90において、図11に示すように、第2の絶縁層31の開口313を介して、耐熱マスキング層50をコア基板21から剥離する。これにより、内側配線パターン25の端子27が第1のカバーレイ28の開口281を介して露出する。
【0044】
次いで、図2のステップS100において、図12に示すように、多層部11の両面に第2のカバーレイ34,44を熱プレスによって接着する。
【0045】
次いで、図2のステップS110において、図13に示すように、端子27の表面に金メッキ層271を形成した後に、フライングテール部12の一方の端部を金型等によって切断する。以上の工程を経ることで、図1に示すような、フライングテール部12を有する多層フレキシブルプリント配線板10が完成する。
【0046】
以上のように、本実施形態では、コア基板21の第1の領域211に耐熱マスキング層50を形成しておき、第2の絶縁層31の第2の領域312の輪郭にレーザ光を照射して、当該第2の領域312を除去する。これにより、フライングテール部12における内側配線パターン25の損傷を防止することができ、品質が良好な多層フレキシブルプリント配線板10を製造することができる。
【0047】
本実施形態における図2のステップS10,S20が本発明における第1の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS30が本発明の第2の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS40が本発明の第3の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS60が本発明の第4の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS70が本発明の第5の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS80及びS90が本発明の第6の工程の一例に相当する。
【0048】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0049】
例えば、上述の実施形態では、耐熱マスキング層50を第1の領域211の全体に亘って形成したが、特にこれに限定されない。図14及び図15は図2のステップS30の変形例を示す断面図である。
【0050】
例えば、図14に示すように、コア基板21における第1の領域211の輪郭のみに耐熱マスキング層50を設けてもよい。或いは、図15に示すように、コア基板21においてフライングテール部12の輪郭と内側配線パターン25とが重複する部分212のみに耐熱マスキング層50を設けてもよい。
【0051】
このように、耐熱マスキング層50を部分的に設けることで、耐熱マスキング層50の使用量を低減することができる。
【0052】
なお、上記の図14や図15に示す例では、レーザ加工工程において、少なくとも第2の領域312の輪郭において耐熱マスキング層50が形成されている部分をレーザ加工すればよい。例えば、第2の領域312の輪郭において耐熱マスキング層50が形成されていない部分は、レーザ加工によって切断してもよいし、CNCドリルや金型等によって切断してもよい。
【0053】
また、片面CCL30とコア基板21との間に、開口を有しない接着層36を介在させてもよい。図16〜図18は本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法の各工程における断面図である。
【0054】
具体的には、図16に示すように、開口を有しない接着層36によって、片面CCL30をコア基板21に接着し、図17に示すように、第2の領域312の輪郭に沿って第2の絶縁層31をレーザ加工により切断し、次いで、図18に示すように、第2の絶縁層31から第2の領域312を取り除く。
【0055】
本例では、レーザ加工によって、接着層36においてフライングテール部12に対応した領域361(以下単に、第3の領域361と称する。)も、第2の絶縁層31の第2の領域312と共に切断される。
【0056】
そして、第2の絶縁層31の第2の領域312と耐熱マスキング層50とは、接着層36の第3の領域361を介して接着されているので、第2の接着層31の第2の領域312と共に耐熱マスキング層50も剥離される。
【0057】
すなわち、本例では、図2のステップS80とステップS90を同時に実行するので、工程の短縮化を図ることができる。
【符号の説明】
【0058】
10…多層フレキシブルプリント配線板
11…多層部
12…フライングテール部
20…両面銅張積層板
21…コア基板
211…第1の領域
22…第1の絶縁層
23,24…第1の銅箔
25,26…内側配線パターン
27…端子
28,29…第1のカバーレイ
30,40…片面銅張積層板
31,41…第2の絶縁層
312…第2の領域
32,42…第2の銅箔
33,43…外側配線パターン
34,44…第2のカバーレイ
35,36,45……接着層
50…耐熱マスキング層
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライングテール部を有する多層フレキシブルプリント配線板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フライングテールタイプのリジッドフレキシブル基板の製造方法として、プリプレグを介してベース基板上に配列されたベース銅板において、フレキシブル領域に対応する部分を保護しつつ、リジッド領域に対応する部分には外層回路パターンを形成し、その後に、CNCドリルや抜き型を用いてベース銅板を加工することで、ベース銅板においてフレキシブル領域に対応する部分を除去する方法が知られている(例えば特許文献1の段落0035参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−128686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、多層フレキシブルプリント配線板は、複数の銅張積層板を積層することで形成されるが、この銅張積層板は上述のベース銅板やプリプレグと比較して薄い。そのため、フライングテール部を有する多層フレキシブルプリント配線板を上記の方法によって製造すると、CNCドリルや抜き型によって内側の配線パターンを損傷してしまうおそれがあるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、品質が良好な多層フレキシブルプリント配線板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]発明に係る多層フレキシブルプリント配線板の製造方法は、フライングテール部を備えた多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の少なくとも一方の主面に形成された第1の配線パターンと、を有するコア基板を準備する第1の工程と、前記コア基板においてフライングテール部となる第1の領域の少なくとも一部にマスキング層を形成する第2の工程と、第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の一方の主面に積層された導体層と、を有する金属張積層板を、接着層を介して、前記コア基板に積層する第3の工程と、前記導体層を加工することで、第2の配線パターンを形成すると共に、前記第2の絶縁層において前記マスキング層に対応する第2の領域の少なくとも一部を露出させる第4の工程と、前記第2の領域の露出部分の少なくとも一部に、レーザ光を照射する第5の工程と、前記第2の領域と前記マスキング層とを同時又は別々に除去する第6の工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
[2]上記発明において、前記接着層は、前記マスキング層が進入可能な開口を有してもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記接着層の厚さと、前記マスキング層の厚さと、が実質的に同一であってもよい。
【0009】
[4]上記発明において、前記第2の工程は、少なくとも前記コア基板において前記フライングテール部の輪郭と前記第1の配線パターンとが重複する部分に、前記マスキング層を形成することを含んでもよい。
【0010】
[5]上記発明において、前記第6の工程は、前記第2の絶縁層と前記マスキング層とを同時に除去することを含んでもよい。
【0011】
[6]上記発明において、前記第2の工程は、前記第1の領域全体に前記マスキング層を形成することを含んでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、コア基板における第1の領域の少なくとも一部にマスキング層を形成しておき、第2の絶縁層の第2の領域における露出部分の少なくとも一部にレーザ光を照射して、当該第2の領域を除去する。このため、第1の配線パターンの損傷を防止することができ、品質が良好な多層フレキシブルプリント配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態における多層フレキシブルプリント配線版を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2のステップS10を示す断面図である。
【図4】図4は、図2のステップS20を示す断面図である。
【図5】図5は、図2のステップS30を示す断面図である。
【図6】図6は、図2のステップS40を示す断面図である。
【図7】図7は、図2のステップS50を示す断面図である。
【図8】図8は、図2のステップS60を示す断面図である。
【図9】図9は、図2のステップS70を示す断面図である。
【図10】図10は、図2のステップS80を示す断面図である。
【図11】図11は、図2のステップS90を示す断面図である。
【図12】図12は、図2のステップS100を示す断面図である。
【図13】図13は、図2のステップS110及びS120を示す断面図である。
【図14】図14は、図2のステップS30の第1変形例を示す断面図である。
【図15】図15は、図2のステップS30の第2変形例を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法における片面CCL貼付工程を示す断面図である。
【図17】図17は、本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法におけるレーザ加工工程を示す断面図である。
【図18】図18は、本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法における除去工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
先ず、本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10を示す断面図である。なお、図1に示す多層フレキシブルプリント配線板10の構成は一例に過ぎず、積層板の枚数や配線パターンの配置等は、以下に説明するものに限定されない。
【0016】
本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10は、図1に示すように、多層部11と、フライングテール部12と、を備えている。
【0017】
多層部11は、複数のフレキシブルな銅張積層板20〜40を積層することで形成されている。一方、フライングテール部12は、主としてコア基板21から構成されており、多層部11と比較して相対的に薄くて可撓性に富んでいる。なお、以下において、銅張積層板を単にCCL(Copper Clad laminate)とも称する。
【0018】
因みに、上述のように、本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10はフレキシブルなCCL20〜40を積層して形成されるので、リジッドフレックス配線板のリジッド部と比較して、多層部11を薄くすることができる。
【0019】
コア基板21の内側配線パターン25,26は、多層部11のみならずフライングテール部12にも引き出されている。特に、一方の内側配線パターン25は、コネクタ等の他の電子部品と電気的に接続される端子27を有しており、この端子27は、フライングテール部12に位置している。
【0020】
多層部11には、内側配線パターン25,26に加えて、外側配線パターン33,43が設けられている。本例では、この外側配線パターン33,43は、スルーホール111を介して相互に接続されている。また、この外側配線パターン33,43は、このスルーホール111を介して、内側配線パターン25,26とも接続されている。
【0021】
なお、本実施形態における内側配線パターン25,26が本発明における第1の配線パターンの一例に相当し、本実施形態における外側配線パターン33,43が本発明における第2の配線パターンの一例に相当する。
【0022】
次に、本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10の製造方法について、図2〜図13を参照しながら説明する。図2は本実施形態における多層フレキシブルプリント配線板10の製造方法を示すフローチャートであり、図3〜図13は図2の各ステップを示す断面図である。
【0023】
図2のステップS10において、図3に示すように、先ず、例えばポリイミド等からなる第1の絶縁層22と、当該第1の絶縁層22の両面に積層された第1の銅箔23,24と、を有するフレキシブルな両面銅張積層板20を準備する。
【0024】
次いで、同図に示すように、この両面CCL20の第1の銅箔23,24にフォトエッチング加工を行うことで、内側配線パターン25,26を形成する。なお、一方の内側配線パターン25には、上述の端子27が含まれている。
【0025】
次いで、図2のステップS20において、図4に示すように、内側配線パターン25,26が形成された両面CCL20の両面に第1のカバーレイ28,29を熱プレスにより接着して、多層フレキシブルプリント配線板10のベースとなるコア基板21を形成する。この際、一方の第1のカバーレイ28には、端子27を露出させるための開口281を予め形成しておく。第1のカバーレイ28,29を構成する材料としては、第1の絶縁層22と同様に、例えばポリイミド等を例示することができる。
【0026】
次いで、図2のステップS30において、図5に示すように、コア基板21においてフライングテール部12となる領域211(以下単に、第1の領域211と称する。)上に、マスキングテープを貼り付けることで、耐熱マスキング層50を形成する。この耐熱マスキング層50は、後述するステップS70において、レーザ光から内側配線パターン25を保護するための保護層である。
【0027】
この耐熱マスキング層50を形成するマスキングテープとして、例えば、半田付け工程やめっき工程等で使用される耐熱性に優れたマスキングテープを用いることができる。このマスキングテープは、特に図示しないが、例えば、基材と、当該基材の片面に塗布された粘着剤と、を備えた粘着テープであり、160℃以上の耐熱性を有していることが好ましい。
【0028】
マスキングテープの基材を構成する材料としては、例えば、ポリイミド等の耐熱性に優れた樹脂材料を例示することができ、後述のステップS70でのレーザ光の吸収を抑制するために、白色であることが好ましい。また、マスキングテープの粘着剤としては、耐熱性に優れていることに加えて糊残りの少ないものが好ましく、例えば、アクリル系やシリコーン系の粘着剤等を例示することができる。
【0029】
なお、図2のステップS30において、マスキングテープに代えて、マスキングインクを、コア基板21の第1の領域211上にスクリーン印刷することで、耐熱マスキング層50を形成してもよい。
【0030】
次いで、図2のステップS40において、図6に示すように、先ず、例えばポリイミド等からなる第2の絶縁層31,41と、当該第2の絶縁層31,41の片面に積層された第2の銅箔32,42と、を有するフレキシブルな片面銅張積層板30,40を準備する。
【0031】
そして、同図に示すように、この片面CCL30,40を、接着層35,45を介して、コア基板21の両面に熱プレスにより接着して、コア基板21及び片面CCL30,40からなる積層体13(図7参照)を形成する。なお、接着層35,45は、片面CCL30,40に予め仮貼りされている。
【0032】
この際、図6に示すように、一方の接着層35には、耐熱マスキング層50に対応した形状の開口351が予め形成されている。このため、一方の片面CCL30が当該接着層35を介してコア基板21に積層されると、この開口351内に耐熱マスキング層50が入り込む。
【0033】
なお、コア基板21の上面からの耐熱マスキング層50の厚さt1と、接着層35の厚さt2とが実質的に同一であることが好ましい(t1=t2)。これにより、後述するステップS70において、第2の絶縁層31の表面が平坦となるので、レーザ加工が容易となる。因みに、第2の絶縁層31の表面が歪んでいる場合には、レーザ光の焦点が合い難くなりレーザ光の強度が不足する場合がある。
【0034】
次いで、図2のステップS50において、図7に示すように、積層体13において多層部11となる領域131に、スルーホール111を形成する。具体的には、先ず、CNCドリル加工やレーザ加工によって、積層体13に貫通孔132を形成する。次いで、特に図示しないが、DPP(Direct Plating Process)処理によって、貫通孔132の内面に導体層を形成する。次いで、同図に示すように、貫通孔132の内面を含めた積層体13の表面全体に銅メッキ層133を形成する。
【0035】
この際、第2の絶縁層31と接着層35の開口351とで規定される袋構造311によって端子27が密閉されているので、DPP処理やメッキ処理で使用される薬液に端子27が浸かるおそれがない。そのため、本実施形態では、薬液から端子27を保護するためのレジスト等を形成する必要がない。
【0036】
次いで、図2のステップS60において、図8に示すように、第2の銅箔32,42と銅メッキ層133とにフォトエッチング加工を行うことで、外側配線パターン33,43を形成すると共に、第2の銅箔32,42において外側配線パターン33,43を除いた部分を全て除去する。これにより、一方の第2の絶縁層31においてマスキング層50に対応する領域312(以下単に、第2の領域312と称する。)が第2の銅箔32から露出する。同様に、他方の第2の絶縁層41についてもフライングテール部12に対応する領域412が、第2の銅箔42から露出する。
【0037】
この際、上述のステップS50と同様に、第2の絶縁層31と接着層35の開口351とで規定される袋構造311によって端子27が密閉されているので、エッチング処理等で使用される薬液に端子27が浸かるおそれがない。そのため、本実施形態では、薬液から端子27を保護するためのレジスト等を形成する必要がない。
【0038】
なお、このステップS60において、第2の領域312の全体を第2の銅箔42から露出させずに、例えば、第2の領域312において後述のステップS70でレーザ光が照射される部分のみを第2の銅箔42から露出させてもよい。
【0039】
次いで、図2のステップS70において、図9に示すように、レーザ加工機の照射ヘッド90を第2の領域312の輪郭(すなわちフライングテール部12の輪郭)に沿って移動させながら、当該照射ヘッド90から一方の第2の絶縁層31に向かってレーザ光91を照射する。このステップS70で用いられるレーザとしては、例えば、UV−YAGレーザ等を例示することができる。このレーザ加工によって、第2の絶縁層31において第2の領域312が他の領域から切り離される。
【0040】
この際、レーザ光91の焦点、出力、パルス数は、レーザ光91が耐熱マスキング層50を貫通しないように調整されている。そのため、第2の絶縁層31を貫通したレーザ光91は、耐熱マスキング層50で抑止され、内側配線パターン25に到達することはない。従って、内側配線パターン25(特に、内側配線パターン25におけるフライングテール部12の輪郭との重複部分251(以下単に、重複部分251と称する。))の損傷を防止することができる。
【0041】
なお、少なくとも第2の領域312の輪郭において重複部分251に対応する部分がレーザ加工されればよい。例えば、第2の領域312において重複部分251に対応する部分をレーザ加工によってスリット状に切断し、第2の領域312の輪郭における他の部分を、CNCドリルや金型等によって切断してもよい。
【0042】
次いで、図2のステップS80において、図10に示すように、第2の絶縁層31から第2の領域312を取り除いて、第2の絶縁層31に開口313を形成する。
【0043】
次いで、図2のステップS90において、図11に示すように、第2の絶縁層31の開口313を介して、耐熱マスキング層50をコア基板21から剥離する。これにより、内側配線パターン25の端子27が第1のカバーレイ28の開口281を介して露出する。
【0044】
次いで、図2のステップS100において、図12に示すように、多層部11の両面に第2のカバーレイ34,44を熱プレスによって接着する。
【0045】
次いで、図2のステップS110において、図13に示すように、端子27の表面に金メッキ層271を形成した後に、フライングテール部12の一方の端部を金型等によって切断する。以上の工程を経ることで、図1に示すような、フライングテール部12を有する多層フレキシブルプリント配線板10が完成する。
【0046】
以上のように、本実施形態では、コア基板21の第1の領域211に耐熱マスキング層50を形成しておき、第2の絶縁層31の第2の領域312の輪郭にレーザ光を照射して、当該第2の領域312を除去する。これにより、フライングテール部12における内側配線パターン25の損傷を防止することができ、品質が良好な多層フレキシブルプリント配線板10を製造することができる。
【0047】
本実施形態における図2のステップS10,S20が本発明における第1の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS30が本発明の第2の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS40が本発明の第3の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS60が本発明の第4の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS70が本発明の第5の工程の一例に相当し、本実施形態における図2のステップS80及びS90が本発明の第6の工程の一例に相当する。
【0048】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0049】
例えば、上述の実施形態では、耐熱マスキング層50を第1の領域211の全体に亘って形成したが、特にこれに限定されない。図14及び図15は図2のステップS30の変形例を示す断面図である。
【0050】
例えば、図14に示すように、コア基板21における第1の領域211の輪郭のみに耐熱マスキング層50を設けてもよい。或いは、図15に示すように、コア基板21においてフライングテール部12の輪郭と内側配線パターン25とが重複する部分212のみに耐熱マスキング層50を設けてもよい。
【0051】
このように、耐熱マスキング層50を部分的に設けることで、耐熱マスキング層50の使用量を低減することができる。
【0052】
なお、上記の図14や図15に示す例では、レーザ加工工程において、少なくとも第2の領域312の輪郭において耐熱マスキング層50が形成されている部分をレーザ加工すればよい。例えば、第2の領域312の輪郭において耐熱マスキング層50が形成されていない部分は、レーザ加工によって切断してもよいし、CNCドリルや金型等によって切断してもよい。
【0053】
また、片面CCL30とコア基板21との間に、開口を有しない接着層36を介在させてもよい。図16〜図18は本発明の第2実施形態における多層フレキシブルプリント配線板の製造方法の各工程における断面図である。
【0054】
具体的には、図16に示すように、開口を有しない接着層36によって、片面CCL30をコア基板21に接着し、図17に示すように、第2の領域312の輪郭に沿って第2の絶縁層31をレーザ加工により切断し、次いで、図18に示すように、第2の絶縁層31から第2の領域312を取り除く。
【0055】
本例では、レーザ加工によって、接着層36においてフライングテール部12に対応した領域361(以下単に、第3の領域361と称する。)も、第2の絶縁層31の第2の領域312と共に切断される。
【0056】
そして、第2の絶縁層31の第2の領域312と耐熱マスキング層50とは、接着層36の第3の領域361を介して接着されているので、第2の接着層31の第2の領域312と共に耐熱マスキング層50も剥離される。
【0057】
すなわち、本例では、図2のステップS80とステップS90を同時に実行するので、工程の短縮化を図ることができる。
【符号の説明】
【0058】
10…多層フレキシブルプリント配線板
11…多層部
12…フライングテール部
20…両面銅張積層板
21…コア基板
211…第1の領域
22…第1の絶縁層
23,24…第1の銅箔
25,26…内側配線パターン
27…端子
28,29…第1のカバーレイ
30,40…片面銅張積層板
31,41…第2の絶縁層
312…第2の領域
32,42…第2の銅箔
33,43…外側配線パターン
34,44…第2のカバーレイ
35,36,45……接着層
50…耐熱マスキング層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライングテール部を備えた多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の少なくとも一方の主面に形成された第1の配線パターンと、を有するコア基板を準備する第1の工程と、
前記コア基板においてフライングテール部となる第1の領域の少なくとも一部にマスキング層を形成する第2の工程と、
第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の一方の主面に積層された導体層と、を有する金属張積層板を、接着層を介して、前記コア基板に積層する第3の工程と、
前記導体層を加工することで、第2の配線パターンを形成すると共に、前記第2の絶縁層において前記マスキング層に対応する第2の領域の少なくとも一部を露出させる第4の工程と、
前記第2の領域の露出部分の少なくとも一部に、レーザ光を照射する第5の工程と、
前記第2の領域と前記マスキング層とを同時又は別々に除去する第6の工程と、を備えたことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記接着層は、前記マスキング層が進入可能な開口を有することを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記接着層の厚さと、前記マスキング層の厚さと、が実質的に同一であることを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記第2の工程は、少なくとも前記コア基板において前記フライングテール部の輪郭と前記第1の配線パターンとが重複する部分に、前記マスキング層を形成することを含むことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記第6の工程は、前記第2の絶縁層と前記マスキング層とを同時に除去することを含むことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記第2の工程は、前記第1の領域全体に前記マスキング層を形成することを含むことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項1】
フライングテール部を備えた多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層の少なくとも一方の主面に形成された第1の配線パターンと、を有するコア基板を準備する第1の工程と、
前記コア基板においてフライングテール部となる第1の領域の少なくとも一部にマスキング層を形成する第2の工程と、
第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の一方の主面に積層された導体層と、を有する金属張積層板を、接着層を介して、前記コア基板に積層する第3の工程と、
前記導体層を加工することで、第2の配線パターンを形成すると共に、前記第2の絶縁層において前記マスキング層に対応する第2の領域の少なくとも一部を露出させる第4の工程と、
前記第2の領域の露出部分の少なくとも一部に、レーザ光を照射する第5の工程と、
前記第2の領域と前記マスキング層とを同時又は別々に除去する第6の工程と、を備えたことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記接着層は、前記マスキング層が進入可能な開口を有することを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記接着層の厚さと、前記マスキング層の厚さと、が実質的に同一であることを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記第2の工程は、少なくとも前記コア基板において前記フライングテール部の輪郭と前記第1の配線パターンとが重複する部分に、前記マスキング層を形成することを含むことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記第6の工程は、前記第2の絶縁層と前記マスキング層とを同時に除去することを含むことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の多層フレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
前記第2の工程は、前記第1の領域全体に前記マスキング層を形成することを含むことを特徴とする多層フレキシブルプリント配線板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−248782(P2012−248782A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121349(P2011−121349)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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