説明

多層可撓性管

可撓性チューブは、150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む第1層を含み、ならびに第1層に直接結合したかつ直接接触している第2層を含む。第2層は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、可撓性管、および特に、多層可撓性チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性管は、様々な工業製品および家庭用品に使用される。特に、可撓性管はカテーテルおよび他の医療用管などのヘルスケア製品に使用されることも多い。さらに、可撓性管類は、携帯用水溶器を含む水分補給用品などの家庭用品に使用される。しかし、このような用途のための従来の管は、環境および健康上有害なものを代表する可塑化ポリ塩化ビニルを用いて製造される。
【0003】
ポリ塩化ビニル系製品は、フィルム、手袋、バッグ、カテーテルおよび管などのヘルスケア製品に医療分野で広く使用されてきた。特に、大部分の使い捨て医療用具は、可塑化可撓性PVCから製造される。しかし、このようなPVC製品は、環境および人の健康の両方に有害である。PVC含有医療廃棄物を焼却すると、塩化水素酸の放出をもたらし、PVCは、焼却炉燃焼排ガスにおけるHCLへの主な一因と考えられている。さらに、PVCはまた、焼却の間に生成されるポリ塩化ジベンゾジオキシンおよびフラン毒素の一因となり得る。これらの毒素のレベルは、地方自治体の廃棄物流と比較して医療感染廃棄物で最大3倍を超えることがわかっている。
【0004】
焼却の問題に加えて、可撓性PVC管でできている製品が使用されている場合の可塑剤の血液、医用溶液または食品中への溶出の問題が、潜在的な健康上有害なものと考えられている。可撓性PVC製品を形成するために、製造業者は通常、可塑剤または加工助剤を使用する。特に、加工助剤または可塑剤、例えば、ジ−2−エチルエキシルフタレート(DEHP)への曝露は、多くの健康関連問題を示す。特に、DEHPは、血小板効力を低下させる疑いがあり、および特に若年男性の生殖器官に対して、生殖毒性の疑いがある。従来の管は、PVC系可撓性組成物を用い、このような管は一般的に、薬剤、食品および飲物の流体を移送または取り扱うために使用されるので、すべての溶出した加工助剤または可塑剤は、最後に消費者の身体に行き、したがって、毒性可塑剤へのそれらの曝露の危険を増加させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、PVC系可撓性組成物に伴う環境および健康の懸念を低下させる可撓性管が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、添付の図面を参照することによって、より良く理解され、およびその特徴および利点が当業者に明らかとされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、例示的な管を含む。
【図2】図2は、例示的な管を含む。
【0008】
異なる図面中の同じ参照記号の使用は、類似または同一の事項を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態において、可撓性管は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される層を含む。一例では、ブレンドは、少なくとも0.1の25℃での損出タンジェント値(tanδ)を有する。さらに、ブレンドは、100MPa以下のヤング率を有し得る。特定の例では、ブレンドは、可塑剤および加工助剤を含まない。さらに可撓性管は、可撓性管の内面を形成するライナーを含み得る。ライナーは、150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィン系材料を含み得る。存在する場合、ライナーは、全体の管厚さの約5%から約20%を形成し、外層は、厚さの約80%から約95%を形成する。
【0010】
例示的な実施形態において、可撓性管は、押出しで形成され得る。例えば、ポリオレフィン系材料から形成されるライナーは、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される外層と共押出しされ得る。内層は、介在層または接着剤なしで外層と直接接触しおよびそれに直接結合し得る。さらに、外層は、可塑剤または他の加工助剤なしで押出しされ得る。ライナーは、加工助剤もしくは可塑剤を含まないことができ、または代わりに、ライナーは、約1500ppm以下の量のフルオロカーボン加工助剤を含み得る。
【0011】
図1は、例示的な管100の断面の説明図を含む。管100は、可撓性ポリマーブレンドで形成される層102を含む。特に、可撓性ポリマーブレンドは、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーを含む。
【0012】
一例では、プロピレンポリマーは、プロピレンコポリマーまたはシンジオタクチックメタロセンポリプロピレンである。プロピレンポリマーは、プロピレンとコモノマーとのランダムコポリマーであり得る。コモノマーの一例には、エチレン、1−ブチレン、1−ペンチレン、1−ヘキシレン、4−メチル−1−ペンチレン、2−メチルプロピレン、3−メチル−ペンチレン、5−メチル−1−ヘキシレン、またはそれらの任意の組合せが含まれる。特定の例では、プロピレンコポリマーは、20重量%以下のプロピレン以外のコモノマーを含む。プロピレンランダムコポリマーは、触媒作用技術、例えば、チーグラー−ナッタまたはメタロセン触媒作用によって製造され得る。例示的なランダムプロピレンコポリマーは、BasellまたはHuntsmanから入手できる。あるいは、プロピレンポリマーは、シンジオタクチックメタロセンポリプロピレンまたはシンジオタクチックプロピレンコポリマーであり得る。例えば、シンジオタクチックプロピレンコポリマーには、上記したものなどのモノマー、例えば、エチレンまたはα−オレフィンが含まれ得る。このようなシンジオタクチックメタロセンポリプロピレンまたはプロピレンコポリマーは、Total Petrochemicalから入手できる。いずれの場合でも、プロピレンポリマーは、0.1から35dg/分のメルトフローインデックス(MFR)および130から1100MPAの曲げ弾性率を有する。メルトフローインデックスは、ASTM D1238に従って、2.16キログラムの荷重下、230℃の温度で決定され、曲げ弾性率は、ASTM D790に従って決定される。
【0013】
スチレンブロックコポリマーは、ポリスチレンのブロックを有するブロックコポリマーを含む。一例では、スチレンブロックコポリマーは、少なくとも2つのポリスチレンブロックを含む。特定の例では、スチレンブロックコポリマーは、少なくとも1つの水素化共役ジエンポリマーブロックを含む。少なくとも1つの水素化共役ジエンポリマーブロックは、水素化前に高いビニル含有率を与える共役ジエンポリマーから形成される。例えば、共役ジエンモノマーは、4から8個の炭素原子、例えば、モノマー1,3−ブタジン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、またはそれらの任意の組合せを含み得る。例えば、共役ジエンモノマーは、1,3−ブタジエンであり得る。特定の例では、このような共役ジエンモノマーから形成される共役ジエンポリマーブロックは、少なくとも50%、例えば、少なくとも60%、またはさらに少なくとも65%の、水素化前ビニル含有率を有する。共役ジエンブロックのビニル含有率は、好ましくは70%未満である。
【0014】
スチレンブロックコポリマーは、スチレンブロックも含む。例えば、スチレンブロックは、1種または複数のモノマー、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、またはそれらの任意の組合せから形成され得る。一例では、スチレンブロックは、スチレン、α−メチルスチレンまたはパラ−メチルスチレンを含み得る。特定の例では、スチレンブロックはスチレンを含む。
【0015】
特定の実施形態において、スチレンブロックコポリマーは、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、それらの変形、またはそれらの任意の組合せであり得る。別の例では、スチレンブロックコポリマーは、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEEBS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、またはそれらの任意の組合せであり得る。特定の例では、スチレンブロックコポリマーはSEBSである。一般に、スチレンブロックコポリマーは、下記の特性を有するスチレンブロックコポリマーである。例示的なスチレンブロックコポリマーは、Kraton Polymers(Houston、USA)または株式会社クラレ(倉敷、日本)から入手できるポリマーを含む。
【0016】
一例では、スチレンブロックコポリマーは、少なくとも0.5dg/分のメルトフローインデックスを有する。メルトフローインデックスは、ASTM D1238に従って、2.16kgの荷重下、230℃の温度で決定される。例えば、スチレンブロックコポリマーのメルトフローインデックスは、1dg/分から20dg/分の範囲であり得る。
【0017】
さらなる例では、スチレンブロックコポリマーは、0.2MPaから2.5MPaの範囲、例えば、0.5MPaから2.0MPaの範囲の100%モジュラスを有し得る。100%モジュラスは、ASTM D638に従って決定される。さらに、スチレンブロックコポリマーは、30ショアAから80ショアAの範囲、例えば、35ショアAから70ショアAの範囲の硬度を有し得る。
【0018】
例示的な実施形態において、ポリマーブレンドは、重量で10%から80%の量のプロピレンポリマーを含む。ブレンドは、重量で20%から90%の範囲の量のスチレンブロックコポリマーも含む。例えば、ブレンドは、重量で20%から70%の範囲、例えば、重量で30%から60%の範囲の量のプロピレンポリマーを含み得る。ブレンドは、重量で30%から80%の範囲、例えば、重量で40%から70%の範囲の量のスチレンブロックコポリマーを含み得る。特に、プロピレンポリマー含有率が80重量%以下であるブレンドにおいて、管は一般に、透明またはわずかに半透明であることが留意される。
【0019】
一例では、ブレンドは、フィラー、可塑剤、加工補助剤、UV添加剤、顔料、酸化防止剤、潤滑剤、もしくは他の添加物、またはそれらの任意の組合せを含み得る。特定の実施形態において、ブレンドはこのような添加剤を含まず、特に、加工補助剤および可塑剤を含まない。
【0020】
例えば、ブレンドは、UV添加剤を含み得る。一例では、UV添加剤は、有機UV添加剤クラス、例えば、ベンゾトリアゾールクラス、トリアジンクラス、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)クラスおよびオキサニリドクラスから選択される。例えば、UV添加剤は、ベンゾトリアゾールクラス吸収剤、例えば、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールまたは2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールであり得る。別の例では、UV添加剤は、トリアジンクラス、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2イル)−5−ヘキシルオキシ−フェノールからなる。さらなる例示的な実施形態において、UV添加剤は、HALS UV添加剤、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである。他の例示的なUV添加剤は、Tinuvin(登録商標)もしくはChemisorb(登録商標)という名称でCIBA Specialty Chemicals,Inc.から、またはCyasorb(登録商標)という商品名でCytecから入手できる。一例では、UV添加剤は、0.1重量%から1.0重量%の範囲、例えば、0.1重量%から0.3重量%の範囲の量でブレンド中に含まれ得る。さらに、2種以上のUV添加剤が含まれ得る。特に、UV添加剤は、ベンゾトリアゾールUV吸収剤とHALSとのブレンドを、それぞれ0.2から0.3重量%の範囲の濃度で含み得る。さらなる例では、UV添加剤は、無機添加剤、例えば、セラミック添加剤である。例えば、UV添加剤は、二酸化チタンまたは酸化亜鉛を含み得る。
【0021】
一例では、ブレンドは、望ましい硬度を示す。例えば、ブレンドは、40から90ショアA、例えば、50から85ショアA、またはさらに65から80ショアAの範囲のショアA硬度を示す。
【0022】
さらなる例では、ポリマーブレンドは、100MPa以下のヤング率を有する。例えば、ブレンドは、1から60MPa、例えば、3から50MPaの範囲のヤング率を有し得る。さらに、ブレンドは、0.8MPaから15MPaの範囲、例えば、1.0MPaから10MPaの範囲、またはさらに2MPaから8MPaの範囲内の100%モジュラスを有し得る。さらに、ブレンドは、0.4から6MPaの範囲、例えば、1から5MPaの範囲またはさらに1から3MPaの範囲の300%モジュラスを有し得る。300%モジュラスは、ASTM D638に従って決定される。さらなる例では、ブレンドは、300%から1500%の範囲、例えば、500%から1100%の範囲またはさらに600%から1000%の範囲の伸びを有し得る。さらに、ブレンドは、5MPaから25MPaの範囲、例えば、6MPaから20MPaの範囲、またはさらに9から17MPaの範囲の最大応力を示し得る。
【0023】
さらなる例示的な実施形態において、ホースは、2層以上を有し得る。例えば、図2は、バルク層202およびライナー204を含む可撓性管200の説明図を含む。内層またはライナー204は、ルーメン208を規定する内面206を形成する。一例では、バルク層202は、チューブ200の外面210を形成する。特定の実施形態において、層202および層204は、介在層なしで、面212において互いに直接接触しかつ直接結合している。面212は、接着剤または他の処理剤を含まないことができる。
【0024】
一例では、層202は、図1の層102に関して上記ブレンドから形成され得る。特定の例では、ブレンドは、プロピレンポリマー、例えば、ランダムコポリマーまたはシンジオタクチックポリプロピレンを含む。さらに、ブレンドは、スチレンブロックコポリマーを含む。例えば、スチレンブロックコポリマーは、少なくとも2つのスチレンブロックポリマーおよび少なくとも1つの水素化共役ジエンポリマーブロックを含み得る。さらなる例では、スチレンブロックコポリマーは、SEBS、SEPS、SEEBS、SEEPS、またはそれらの任意の組合せを含み得る。特に、ブレンドは、100MPa以下のヤング率を有し得るか、または少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を有し得る。
【0025】
ライナー204は、ポリオレフィン材料、例えば、ポリプロピレン系またはポリエチレン系エラストマーまたはプラストマーから形成され得る。例えば、エラストマーまたはプラストマーは、メタロセン重合生成物から形成され得る。特に、エラストマーまたはプラストマーは、低抽出性物を有し、および良好な官能特性を有する。あるいは、ポリオレフィン材料は、メタロセン触媒作用以外の技術によって形成され得る。
【0026】
特に、層204は、150MPa以下の曲げ弾性率を有する。例えば、曲げ弾性率は、120MPa以下、例えば、5MPaから110MPa、またはさらに10MPaから110MPaの範囲であり得る。曲げ弾性率は、ASTM D790に従って決定される。
【0027】
ポリオレフィン材料は、40ショアAから50ショアDの範囲の硬度を有し得る。例えば、硬度は、60ショアAから95ショアAの範囲、例えば、80ショアAから95ショアAの範囲内であり得る。さらに、ポリオレフィン材料は、1gm/分から30dg/分の範囲、例えば、5dg/分から25dg/分の範囲、またはさらに5dg/分から10dg/分の範囲のメルトフローインデックスを有し得る。メルトフローインデックスは、上記方法に従って測定される。例示的なポリオレフィン材料は、Dow Chemicalsより供給されるAffinity(商標)、Infuse(商標)、Versify(商標)、Flexomer(商標)、Nordel(商標)およびEngage(商標);Exxon Mobil Chemicalsから入手できるExact(商標)およびVistamaxx(商標);ならびに三井化学から入手できるNotio(商標)の商品名で入手できる。
【0028】
さらなる例では、ライナー204は、抗菌添加剤を含み得る。例えば、抗菌添加剤は、銀系抗菌添加剤、例えば、AlphaSan(登録商標)という商品名の下でMilikenから入手できる抗菌添加剤であり得る。抗菌添加剤は、0.1重量%から5重量%の範囲、例えば、0.5重量%から3重量%の範囲、またはさらに0.5重量%から2重量%の範囲の量で含まれ得る。あるいは、特に、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドが流体に接触するライナー204を欠く実施形態において、抗菌添加剤は、上記量でブレンド中に含まれ得る。
【0029】
一例では、ライナー204は、チューブの全体厚さの約5%から約20%を形成し、外層は、チューブの厚さの80%から90%を形成する。例えば、ライナー204は、厚さの5%から15%、例えば、厚さの5%から10%、またはさらに厚さの6%から10%を形成し得る。外層202は、厚さの85%から95%、例えば、厚さの90%から95%を形成し得る。一例では、ホースの全厚さは、250mil以下、例えば、200mil以下、またはさらに150mil以下である。さらに、ホースの全厚さは、少なくとも20mil、例えば、少なくとも50mil、またはさらに少なくとも100milであり得る。ライナー204の厚さは、1milから20mil、例えば、3milから15mil、またはさらに5milから10milであり得る。外側厚さは、20milから250milの範囲、例えば、50milから200milの範囲、100milから200milの範囲、またはさらに100milから150milの範囲であり得る。
【0030】
一層または多層チューブの特定の実施形態は、望ましい取り付け保持力、キンク耐性、透明度、機械的減衰、ガラス転移温度、およびストレージモジュラスを示す。取り付け保持力を測定するために、管構築物は、管試料、および1/4インチID管についてプラスチック製構築物の2−竹の子コネクター、3−竹の子コネクター、タイプ−1の4−竹の子コネクターおよびタイプ2の4−竹の子コネクターを含む、4種類の竹の子またはテーパコネクターの1種類を用いて形成される、管は継ぎ手上に手で押し進め、室温または65℃の2つの温度の1つにおいてコネクターから管を分離させる力について、Instron引張り試験器で試験する。継ぎ手からの管の分離をもたらす力は、取り付け保持力を表す。一例では、25℃での取り付け保持力は、少なくとも15lb、例えば、少なくとも20lb、またはさらに少なくとも25lbである。さらなる例では、65℃における取り付け保持力は、少なくとも5lb、例えば、少なくとも10lb、またはさらに少なくとも15lbである。
【0031】
キンク耐性は、キンクを生じさせる前の管の最小曲げ半径(MBR)を測定することによって決定される。管は、その両端部で保持され、ループに結ばれる。キンクを生じさせることなく管を結ぶことができる最小ループの半径が、管のMBRである。MBRが小さいほど、キンク耐性が大きいことを意味する。一例では、管は、1インチ以下、例えば、0.9インチ以下またはさらに0.85インチ以下のMBRを示す。
【0032】
管の透明度は、目視によって検査され、透明度の用語:透明、半透明、曇った、および不透明の4段階に分類される。特定の実施形態において、管は不透明ではなく、透明または半透明であり得る。好ましくは、管は透明である。
【0033】
動的機械分析(DMA)は、管を形成する際に用いられるブレンドのガラス転移温度、機械的減衰、およびストレージ(弾性)モジュラスを決定するために行われる。機械的減衰は、DMA試験の間に与えられる1Hzでの損失タンジェント値(tanδ)で表す。管において用いられるポリマーブレンドの実施形態は、単一のガラス転移ピークを示し、ブレンドの成分の混和性および相溶性を示す。特に、ポリマーブレンドは、−20℃から15℃の範囲のガラス転移温度を有する。機械的減衰を代表する、チューブに用いられるブレンドの25℃での損失タンジェント値(tanδ)は、少なくとも約0.1である。例えば、tanδは、少なくとも約0.30、またはさらに少なくとも0.4であり得る。さらなる例では、ブレンドは、少なくとも5MPa、例えば、少なくとも7MPa、少なくとも8MPa、またはさらに少なくとも9MPaの90℃でのストレージモジュラスを示し得る。ブレンドは、40ショアAから90ショアAの範囲、例えば、50ショアAから85ショアAの範囲、60ショアAから80ショアAの範囲、またはさらに65ショアAから75ショアAの硬度を示し得る。
【0034】
例示的な方法では、一層チューブは、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーを含むポリマーブレンドを押出しすることによって形成され得る。別の例示的な方法では、多層チューブは、その少なくとも1層がプロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーのブレンドを含む、2層以上の層を押出しすることによって形成され得る。
【0035】
特に、一層チューブを形成するために、プロピレンポリマーのペレットおよびスチレンブロックコポリマーのペレットは、互いにかみ合う二軸押出機を共回転させることによって混合され、水浴で冷却され、混合ペレットに切断され得る。得られたブレンドのペレットは、管ダイを有する押出機、例えば、単軸押出機に供給される。特定の例では、3ゾーンスクリューが使用される。あるいは、混和性ブレンドの場合は、混合工程は回避され、個々の成分のペレットは、チューブに押出しするために乾燥混合され得る。
【0036】
多層チューブについて、層は共押出しされ得る。押出機は、多層管ダイに接続される。ブレンドは、第1の押出機に供給され、ポリオレフィン材料は、第2の押出機に供給される。ブンレドは、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーを含む。プロピレンポリマーは、0.1dg/分から35dg/分の範囲のメルトフローインデックスを有する。スチレンブロックコポリマーは、少なくとも0.5dg/分のメルトフローインデックスを有する。特定の例では、ブレンドは、添加剤を含まず、特に、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0037】
ある実施形態において、ポリオレフィン材料は、150MPa以下の曲げ弾性率を有する。ポリオレフィン材料は、1dg/分から30dg/分のメルトフローインデックスを有し得る。一例では、ポリオレフィン材料は、添加剤、例えば、可塑剤または加工助剤を含まないことができる。あるいは、ポリオレフィンは、1500ppm以下の加工助剤、例えば、フルオロカーボン加工剤を含み得る。一例では、フルオロカーボン加工助剤は、500ppmから1000ppmの範囲の量で添加され得る。
【0038】
可撓性チューブの特定の実施形態は、従来の管構造に対して技術的利点を与え得る。例えば、本可撓性チューブの実施形態は、機械的減衰、硬度、単一ガラス転移温度、透明度、または最小曲げ半径などの望ましい特徴の組合せを与え、一方、プロセスストリーム中に溶出し得る添加剤を含まず、場合によって、焼却中に有害な副生成物を生成し得る種を含まない。
【0039】
例示的な実施形態において、チューブに関連した上に開示された可撓性材料は、様々な用途で使用され得る。例えば、可撓性材料は、スポーツおよび娯楽装置用の水分補給管、食品および飲物処理装置の流体輸送管、医療および健康管理の、生物医薬品製造装置の流体移送管、および医療、実験室および生物医薬品用途の蠕動ポンプ管などの用途で使用され得る。特定の実施形態において、流体源、例えば、容器、反応器、貯蔵所、槽、またはバッグは、図1または図2に示される可撓性管などの可撓性管に結合される。可撓性チューブは、ポンプ、継ぎ手、弁、ディスペンサ、または別の容器、反応器、貯蔵所、槽、もしくはバッグに係合し得る。一例では、チューブは、水容器に結合され得、および末端部上にディスペンサ継ぎ手を有し得る。別の例では、チューブは、流体バッグに結合され、末端部で第2の容器に結合され得る。さらなる例では、チューブは容器に結合され、ポンプに係合され、末端部で弁に結合され得る。さらに、rPP/スチレンブロックコポリマーのブレンドから製造される一層管または多層管は、蠕動ポンプチューブとして使用され得る。
【実施例】
【0040】
実施例1
ポリマーブレンドの試料は、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーから調製する。プロピレンポリマーは、ランダムプロピレンコポリマーまたはシンジオタクチックポリプロピレンから選択する。プロピレンランダムコポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有する。プロピレンランダムコポリマーは、Huntsmanから入手できる。Total Petrochemicalから入手できるシンジオタクチックポリプロピレンは、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有する。スチレンブロックコポリマーは、Kraton Polymer(Houston、USA)から入手できるSEBSコポリマーであり、18dg/分のメルトフローインデックス、50ショアAの硬度、および1.5MPaの100%モジュラスを有する。
【0041】
【表1】

【0042】
各試料、特に60重量%未満のプロピレンポリマーを有するブレンドは、望ましい透明度を示す。さらに、20重量%から65重量%の範囲のプロピレンポリマーを有するブレンドは、硬度およびヤング率などの望ましい特性を示す。
【0043】
実施例2
ポリマーブレンドの試料は、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーから調製する。プロピレンポリマーは、ランダムプロピレンコポリマーまたはシンジオタクチックポリプロピレンから選択する。Huntsmanから入手できるプロピレンランダムコポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有する。Total Petrochemicalから入手できるシンジオタクチックポリプロピレンは、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有する。スチレンブロックコポリマーは、Hybrarの商品名で株式会社クラレ(倉敷、日本)から入手できるSEPSコポリマーであり、4dg/分のメルトフローインデックス、64ショアAの硬度、および1.7MPaの100%モジュラスを有する。
【0044】
【表2】

【0045】
各試料、特に60重量%未満のプロピレンポリマーを有するブレンドは、望ましい透明度を示す。さらに、20重量%から65重量%の範囲のプロピレンポリマーを有するブレンドは、硬度およびヤング率などの望ましい特性を示す。
【0046】
実施例3
ポリマーブレンドの試料は、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーから調製する。プロピレンポリマーは、ランダムプロピレンコポリマーまたはシンジオタクチックポリプロピレンから選択する。Huntsmanから入手できるプロピレンランダムコポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有する。Total Petrochemicalから入手できるシンジオタクチックポリプロピレンは、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有する。スチレンブロックコポリマーは、Hybrarの商品名で株式会社クラレ(倉敷、日本)から入手できるSEEPSコポリマーであり、2dg/分のメルトフローインデックス、41ショアAの硬度、および0.6MPaの100%モジュラスを有する。
【0047】
【表3】

【0048】
各試料、特に60重量%未満のプロピレンポリマーを有するブレンドは、望ましい透明度を示す。さらに、20重量%から65重量%の範囲のプロピレンポリマーを有するブレンドは、硬度およびヤング率などの望ましい特性を示す。
【0049】
実施例4
一層チューブ試料は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから調製する。ブレンドは、プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマーを70/30から50/50のPP/スチレンブロックコポリマーの比で含み、約70ショアAの硬度を有する。例えば、プロピレンポリマーは、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有し、Huntsmanから入手できる。スチレンブロックコポリマーは、18dg/分のメルトフローインデックス、52ショアAの硬度、および1.5MPaの100%モジュラスを有する。スチレンブロックコポリマーは、Krton(Houston、Texas)から入手できる。ブレンドは、共回転する互いにかみ合う二軸押出機を通して混合し、水浴で冷却し、ペレットに切断する。得られたペレットを、管ダイを備えた単軸押出機中に供給する。通常の3ゾーンスクリューを使用する。温度プロファイルは、押出機の3つのセグメントについて、275°F、360°F、および390°Fに設定する。アダプターおよびダイの温度は、それぞれ、380°Fおよび350°Fに設定する。ダイから溶融流出するポリマーは、冷却用の浸漬水槽中に放出し、そこで、押出物は、管形状に凝固する。内部空気圧、スクリュー速度および延伸速度は、組み合わせて、管の寸法および壁厚さを制御する。ID1/4インチおよびOD3/8インチの寸法を有する、透明で、可撓性の管を、上記混合および押出し手順によって得る。
【0050】
プロピレンポリマーおよびスチレンブロックコポリマー間の高い化学的混和性のために、二軸混合工程を省くことができ、これにより、ブレンドから管製品を製造する際にかなりの費用節減をもたらすことができる。同様のブレンドを二軸混合なしの工程を用いて形成する。樹脂を回転ドラム中20分間混合する。混合物を、管を押出しするための単軸押出機中に供給する。末端部に逆流混合要素を有するスクウェアピッチの一条ねじスクリューを用いて、ブレンドの溶融中の混合効果を増強する。この乾燥ブレンディングおよび押出工程によって得られる管は、混合ブレンドと同じ水準の透明度を示す。さらに、表4に示すように、これらの異なる2つの工程から製造された管の引張機械的特性は、有意に異ならない。破断強度、100、200、300および400%伸びでのモジュラスならびに破断伸びは同様である。
【0051】
【表4】

【0052】
実施例5
2層管は、2層を共押出しすることによって形成する。1つの層は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含み、第2の層はポリオレフィン材料を含む。
【0053】
二層管を製造するために、2つの単軸押出機をGenca二層管ダイに接続した。二軸スクリューで混合されたプロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドは、1つの押出機に供給し、ポリオレフィン樹脂は、もう1つの押出機に供給する。ライナー層およびジャケット層の厚さは、スクリュー速度および延伸速度を調整することによって制御する。実施例4の処方がジャケット材料である二層管を押出しする。ポリオレフィン材料は、ライナー材料として共押出しする。通常の温度プロファイルおよび運転条件は、表5に示す。8milのライナーを有する1/4インチ×3/8インチの滑らかで透明な二層管は、20フィート/分未満の速度で調製する。特定のライナー材料を20フィート/分を超える速度で押出す場合、重度の溶融破壊が認められ、ライナー表面にシャークスキン様の外観を生じる。500〜1000ppmのフルオロカーボン系加工助剤をライナー樹脂中に添加すると、共押出しが20フィート/分を超える速度で行われても、シャークスキン問題を完全に解決することが認められる。
【0054】
【表5】

【0055】
実施例6
実施例4によれば、一層管は、いくつかのブレンドから形成される。実施例5によれば、二層管は、いくつかのブレンドおよびポリオレフィン材料から形成される。これらの試料は、熱可塑性ポリウレタンライナーを有するPVC可撓性管(PVC/TPU)、Tygon 2001、Tygon 2075、Tygoprene XL−60、TPU−2%Blue管(Estane 58070)、SEBS2645(Evoprene G291−75から形成されるチューブ)、およびC−Flex R70−374の試料と比較する。PVC/TPU管、Tygon 2001、Tygon 2075、Tygonprene XL−60およびC−Flex R70−373は、Saint−Gobain Performance Plasticsの市販の管製品である。TPU−2%BlueおよびSEBS 2645のチューブは、市販の樹脂または化合物から製造される。
【0056】
試料1は、プロピレンポリマーとポリオレフィン材料とのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Total Petrochemicalから入手できる、12dg/分のメルトフローインデックスおよび377MPaの曲げ弾性率を有するシンジオタクチックポリプロピレンを含む。さらに、ブレンドは、Exxon Mobil Chemicalsから入手できる、3dg/分のメルトフローインデックスおよび11.4MPaの曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む。ブレンドは、90重量%のポリオレフィン樹脂および10重量%のシンジオタクチックポリプロピレンを含む。
【0057】
試料2は、プロピレンポリマーとポリオレフィン材料とのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーを含む。さらに、ブレンドは、Exxon Mobil Chemicalsから入手できる、3dg/分のメルトフローインデックスおよび11.4MPaの曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む。ブレンドは、90重量%のポリオレフィン樹脂および10重量%のプロピレンランダムコポリマーを含む。
【0058】
試料3は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーを含む。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、18dg/分のメルトフローインデックス、52ショアAの硬度、および1.5MPaの曲げ弾性率を有するSEBSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、70重量%のスチレンブロックコポリマーおよび30重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0059】
試料4は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーである。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、18dg/分のメルトフローインデックス、52ショアAの硬度、および1.5MPaの曲げ弾性率を有するSEBSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、60重量%のスチレンブロックコポリマーおよび40重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0060】
試料5は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーである。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、4dg/分のメルトフローインデックス、64ショアAの硬度、および1.7MPaの曲げ弾性率を有するSEPSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、70重量%のスチレンブロックコポリマーおよび30重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0061】
試料6は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドから形成される一層チューブである。プロピレンポリマーは、Huntsmanから入手できる、25dg/分のメルトフローインデックスおよび900MPaの曲げ弾性率を有するプロピレンランダムコポリマーを含む。さらに、ブレンドは、Kratonから入手できる、2dg/分のメルトフローインデックス、41ショアAの硬度、および0.6MPaの曲げ弾性率を有するSEEPSスチレンブロックコポリマーを含む。ブレンドは、70重量%のスチレンブロックコポリマーおよび30重量%のプロピレンポリマーを含み、加工助剤および可塑剤を含まない。
【0062】
試料7は、ジャケット層として試料3のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、Basellから入手できる、6dg/分のメルトフローインデックスおよび130MPaの曲げ弾性率を有するポリプロピレン材料である。
【0063】
試料8は、ジャケット層として試料3のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、Affinity(商標)の商品名でDOW Chemicalから入手でき、3dg/分のメルトフローインデックスおよび108MPaの曲げ弾性率を有する。
【0064】
試料9は、ジャケット層として試料5のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、25dg/分のメルトフローインデックスおよび110MPaの曲げ弾性率を有するポリプロピレン系メタロセン材料である。
【0065】
試料10は、ジャケット層として試料6のブレンドおよび内側ライナーとしてポリオレフィン材料を含む二層管である。ポリオレフィン材料は、25dg/分のメルトフローインデックスおよび110MPaの曲げ弾性率を有するポリプロピレン系メタロセン材料である。
【0066】
試料7、8、9および10は、実施例5に開示された方法に従って形成する。試料1〜試料6は、実施例4に関して開示された方法を用いて形成する。
【0067】
一層管および二層管の性能を評価するために、管試料について以下の試験を行った:室温および65℃での取り付け保持力、キンク耐性、透明度、室温での機械的減衰、ガラス転移温度、および高温でのストレージモジュラス。取り付け保持力の試験において、1/4インチID管のプラスチック構築物の、2−竹の子コネクター、3−竹の子コネクター、タイプ1の4−竹の子コネクターおよびタイプ2の4−竹の子コネクターを含む、4種類の竹の子およびテーパコネクターに対して、各管について保持力を試験する。特に、2−竹の子継ぎ手は、0.645インチの竹の子部分の長さ、0.175インチの内径、および0.335インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。3−竹の子継ぎ手は、0.770インチの竹の子部分の長さ、0.175インチの内径、および0.310インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。4−竹の子タイプ1の継ぎ手は、1.350インチの竹の子部分の長さ、0.190インチの内径、および0.355インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。4−竹の子タイプ2の継ぎ手は、0.950インチの竹の子部分の長さ、0.175インチの内径、および0.355インチの外径(竹の子部分の最大直径)を有する。管試料を継ぎ手上に手で押し進めて、コネクターから管を引き離す前の最大取り付け保持力についてInstron引張試験器で試験する。力は、ポンド力(lbf)で記録し、可撓性管の取り付け保持能の指標として用いる。取り付け保持力は、室温および65℃の両方で管について試験する。表6に示すように、試料1〜試料10のほとんどは、室温で少なくとも25lbfの取り付け保持力を示し、特定の試料は、65℃で少なくとも15lbfの取り付け保持力を示す。
【0068】
【表6】

【0069】
キンク耐性は、キンクを生じさせる前の管の最小曲げ半径(MBR)を測定することによって評価する。管は、その両端で保持し、ループに結ぶ。管がキンクを生じさせることなく結ぶことができる最小ループの半径が、管のMBRである。MBRが小さいほど、キンク耐性が大きいことを意味する。管の透明度は、目視で検査し、透明度の4段階:透明、半透明、曇ったおよび不透明に分類する。動的機械分析(DMA)試験は、管のガラス転移温度、機械的減衰およびストレージ(弾性)モジュラスを決定するために用いる。具体的には、チューブの機械的減衰能は、DMA試験で与えられる損失タンジェント値に関連している。管材料のストレージモジュラスは、管が所定の測定温度でどの程度剛性および弾性であるかを示す。
【0070】
表7は、硬度、透明度、キンク耐性、減衰特性およびガラス転移温度を含む他の特性の値を示す。各試料およびその比較試料の硬度は、60ショアAから80ショアAの範囲であり、多くの試料は、約70ショアAの硬度を有する。SEBS 2645チューブならびに試料1および試料2を除いて、チューブは透明(clear and transparent)である。ほとんどのチューブは、可撓性PVC/TPU管と同様のキンク耐性を有する。特に、MBRは11.0インチ未満である。
【0071】
室温での減衰に関して、可撓性PVC管は、0.41の損失タンジェント値を有する。試料1から試料10のそれぞれは、0.1を超える損失タンジェント値を示す。特に、試料5および試料9は、0.4以上の損失タンジェント値を有する。他の試料は、0.15〜0.2の範囲の損失タンジェント値を有し、これは、減衰において可撓性PVCほど良くないが、他の市販の可撓性管より良い。
【0072】
試料1〜試料10のガラス転移温度は、−20℃から15℃の範囲である。試料1から試料10のガラス転移温度は、ポリオレフィン系材料のものほど低くはないが、可撓性PVCよりも低く、これは、管の十分な低温耐衝撃性および機械的性能を示す。
【0073】
【表7】

【0074】
実施例7
戸外用途のためのポリマー材料のUV−安定性を試験するために、成形プラークを、UVA−340ランプを備えたQUV試験機に入れ、340nmで1.14w/m/nmの強化放射照度でのUV線に最大1000時間曝露する。UV曝露前後の材料の機械的特性および黄色指数を試験し、比較する。戸外用途に適した材料について、引張強度、伸び、100%歪みでのモジュラスおよび300%歪みでのモジュラスを含む機械的特性は、25%を超えて変化すべきでなく、一方、材料の黄色指数の変化は、20%を超えるべきでない。
【0075】
【表8】

【0076】
表8は、rPPとスチレンブロックコポリマーとのブレンド(これは、青色に着色もされる)における様々なUV添加剤を例証する。UV添加剤を添加しないと、rPP/SEPSブレンドは、引張強度および伸びにおいて25%を超えて失う。ブレンドの黄色指数も、50%を超えて変化する。したがって、UV添加剤を含まないブレンドは、長期の戸外用途に適さない。他の試料は、2種類のUV添加剤(UV吸収剤およびヒンダードアミン光安定剤(HALS))を含む。表8に記載するように、Tinuvin 326は、Cibaにより製造されるベンゾトリアゾール系UV吸収剤であり;Tinuvin 783は、Cibaにより製造されるオリゴマーヒンダードアミン安定剤の独自仕様の混合物であり;Tinuvin 791は、Cibaにより製造される別の独自仕様の混合物である。Cyasorb UV添加剤は、Cytec industryにより提供される独自仕様で処方された添加剤パッケージである。表8は、ベンゾトリアゾールUV吸収剤およびHALSをそれぞれ0.2から0.3重量%の濃度で同時に添加すると、rPP/SEPSのブレンドをUV劣化から有効に保護し、戸外用途に適したものすることができることを示す。
【0077】
実施例8
銀系抗菌添加剤を、多層管の流体経路であるポリオレフィン系ライナー層中に、0.5から2重量%の濃度で添加し、管の流体経路を細菌、真菌、カビ、および他の微生物の汚染作用から保護する。例えば、Miliken製1%銀系AlphaSan(登録商標)抗菌剤をポリオレフィン樹脂中に添加する。ASTM E2149により規定された方法に従ってAntimicrobial Test Laboratoriesで行われた試料についての抗菌効果試験は、黄色ブドウ球菌(S.aureus)6538の微生物に対して99.9%を超える殺傷率を示す。
【0078】
実施例9
rPP/スチレンブロックコポリマーのブレンドから製造された一層管または多層管も、蠕動ポンプチューブとして使用することができる。Cole Palmerにより提供されるMasterflex(登録商標)回転蠕動ポンプを用いて、ポンプ寿命試験を行う。1/4インチOD3/8インチIDの管試料を、漏出が検出されるまで標準ポンプヘッドを用いて600rpmで試験する。一層管(試料3)および多層管(試料7)のポンプ寿命を、Tygon(登録商標)R3603の商品名でSaint−Gobainより販売される市販のf−PVCポンプ管に対して比較する。以下の表で例証するように、一層管および多層管の両方が、f−PVC管と同様またはより長いポンプ寿命を示す。
【0079】
【表9】

【0080】
ポンプ寿命は、実施例9で上記したとおりに試験した管についての平均ポンプ寿命と定義される。本管は、少なくとも50時間、例えば、少なくとも60時間、少なくとも70時間、またはさらに少なくとも80時間のポンプ寿命を有する。上に例証するように、ポンプ寿命は、少なくとも90時間であり得る。
【0081】
特定の実施形態において、可撓性管は、150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む第1層を含み、およびこの第1層に直接結合しかつ直接接触している第2層を含む。第2層は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドとを含む。
【0082】
別の実施形態において、可撓性管は、150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィンを含む第1層を含む。第1層は、可撓性管の内面を形成する。内面は、ルーメンを規定する。可撓性管は、第1層と直接接触している第2層も含む。第2層は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含み、少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を有する。
【0083】
さらなる実施形態において、可撓性管を形成する方法は、ポリオレフィンを含む第1層を押出しする段階を含む。第1層は、150MPa以下の曲げ弾性率を有する。この方法は、第1層とともに、第1層に直接接触しており、およびそれに直接結合した第2層を共押出しする段階も含む。
【0084】
さらなる実施形態において、可撓性管は、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含む。ブレンドは、少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を有し、可塑剤または加工助剤を含まない。
【0085】
一般的な説明または実施例で上記した活動のすべてが必要とされるとは限らないこと、具体的な活動の一部が必要とされないこともあること、および記載したものに加えて、1つまたは複数のさらなる活動が行われ得ることに留意されたい。なおさらに、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0086】
上述の明細書において、概念は、具体的な実施形態への言及とともに記載した。しかし、当業者は、以下の特許請求の範囲に示されるとおりの本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な変更および変化がなされ得ることを理解する。したがって、本明細書および図は、限定的というよりもむしろ例証的な意味で考慮されるべきであり、このような変形のすべては、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0087】
本明細書で用いられる場合、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的包含に及ぶことが意図される。例えば、特徴のリストを含む、工程、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に記載されていないまたはこのような工程、方法、物品、または装置に固有の他の特徴も含み得る。さらに、逆に明記されない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれかの1つで満たされる:Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0088】
また、「一つの(a)」または「一つの(an)」の使用は、本明細書で記載される要素および成分を記述するために用いられる。これは、単に便宜のために、および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。別に意味されることが明らかでない限り、この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、単数形は複数形も含む。
【0089】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、具体的な実施形態に関して上に記載した。しかし、利益、利点、問題に対する解決策、および利益、利点、または解決策を生じさせるまたはより顕著にさせ得る任意の特徴(複数可)は、特許請求の範囲のいずれかまたはすべての、決定的な、必要な、または必須の特徴と解釈されるべきではない。
【0090】
本明細書を読んだ後に、当業者は、ある種の特徴が、明確にするために、本明細書で別個の実施形態の文脈で記載され、また、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることを理解する。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される様々な特徴は、別個にまたは任意のサブコンビレーションでも提供され得る。さらに、範囲において記載される値への言及は、その範囲内のそれぞれのおよびあらゆる値を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む第1層;ならびに
前記第1層に直接結合しかつ直接接触している、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含む第2層
を含む可撓性チューブ。
【請求項2】
前記曲げ弾性率が、120MPa以下である、請求項1に記載の可撓性チューブ。
【請求項3】
前記曲げ弾性率が、10MPaから110MPaの範囲である、請求項2に記載の可撓性チューブ。
【請求項4】
前記ブレンドが、10重量%から80重量%のプロピレンポリマーを含む、請求項1に記載の可撓性チューブ。
【請求項5】
前記ブレンドが、20重量%から70重量%のプロピレンポリマーを含む、請求項4に記載の可撓性チューブ。
【請求項6】
前記ブレンドが、30重量%から60重量%のプロピレンポリマーを含む、請求項5に記載の可撓性チューブ。
【請求項7】
前記ブレンドが、20重量%から90重量%のスチレンブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の可撓性チューブ。
【請求項8】
前記ブレンドが、30重量%から80重量%のスチレンブロックコポリマーを含む、請求項7に記載の可撓性チューブ。
【請求項9】
前記ブレンドが、40重量%から70重量%のスチレンブロックコポリマーを含む、請求項8に記載の可撓性チューブ。
【請求項10】
前記ブレンドが、0.1重量%から1重量%の範囲のUV添加剤をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項11】
前記UV添加剤が、0.1重量%から0.3重量%の範囲で含まれる、請求項10に記載の可撓性チューブ。
【請求項12】
前記UV添加剤が、ベンゾトリアゾールUV吸収剤およびHALSを、それぞれ0.2から0.3重量%の範囲の濃度で含む、請求項10に記載の可撓性チューブ。
【請求項13】
前記ブレンドが、少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を示す、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項14】
前記損失タンジェント値が、少なくとも0.30である、請求項13に記載の可撓性チューブ。
【請求項15】
前記損失タンジェント値が、少なくとも0.4である、請求項14に記載の可撓性チューブ。
【請求項16】
前記可撓性チューブが、1.0インチ以下の最小曲げ半径を示す、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項17】
前記最小曲げ半径が、0.9インチ以下である、請求項16に記載の可撓性チューブ。
【請求項18】
前記可撓性チューブが、25℃で少なくとも20lbfのグリップ性能を示す、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項19】
前記可撓性チューブが、65℃で少なくとも10lbのグリップ性能を示す、請求項18に記載の可撓性チューブ。
【請求項20】
前記第1層が、銀系抗菌添加剤を0.1重量%から5重量%の範囲の量でさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項21】
前記第1層が、前記可撓性チューブの厚さの5%から20%を形成する、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項22】
前記第1層が、前記可撓性チューブの厚さの5%から15%を形成する、請求項21に記載の可撓性チューブ。
【請求項23】
前記第1層が、前記可撓性チューブの厚さの6%から10%を形成する、請求項22に記載の可撓性チューブ。
【請求項24】
前記可撓性チューブが、250mil以下の平均厚さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項25】
前記可撓性チューブが、少なくとも20milの平均厚さを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項26】
前記ブレンドが、40ショアAから90ショアAの範囲の硬度を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項27】
前記ポリオレフィンが、40ショアAから50ショアAの範囲の硬度を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項28】
90℃でのストレージモジュラスが、少なくとも5MPaである、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項29】
前記可撓性チューブが、少なくとも50時間のポンプ寿命を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項30】
前記ポンプ寿命が、少なくとも60時間である、請求項29に記載の可撓性チューブ。
【請求項31】
150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィンを含む第1層であって、可撓性チューブの内面を形成し、前記内面がルーメンを規定する第1層;および
前記第1層と直接接触している第2層であって、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含み、前記ブレンドが、少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を有する第2層
を含む可撓性チューブ。
【請求項32】
前記損失タンジェント値が、少なくとも0.30である、請求項31に記載の可撓性チューブ。
【請求項33】
前記損失タンジェント値が、少なくとも0.40である、請求項32に記載の可撓性チューブ。
【請求項34】
前記曲げ弾性率が、120MPa以下である、請求項31に記載の可撓性チューブ。
【請求項35】
前記曲げ弾性率が、5MPaから110MPaの範囲である、請求項34に記載の可撓性チューブ。
【請求項36】
前記第2層が、前記可撓性チューブの外面を形成する、請求項31から35のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項37】
前記可撓性チューブが、少なくとも50時間のポンプ寿命を有する、請求項31から35のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項38】
ポリオレフィンを含み、150MPa以下の曲げ弾性率を有する第1層を押出しする段階;ならびに
前記第1層と直接接触しかつ直接結合した、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含む第2層を、前記第1層とともに共押出しする段階
を含む可撓性チューブを形成する方法。
【請求項39】
前記ポリオレフィンが、1から30dg/分のメルトフローインデックスを有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記プロピレンポリマーが、0.1dg/分から35dg/分の範囲のメルトフローインデックスを有する、請求項38から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記スチレンブロックコポリマーが、少なくとも0.5dg/分のメルトフローインデックスを有する、請求項38から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を有し、可塑剤または加工助剤を含まない、プロピレンポリマーとスチレンブロックコポリマーとのブレンドを含む可撓性チューブ。
【請求項43】
前記損失タンジェント値が、少なくとも0.3である、請求項42に記載の可撓性チューブ。
【請求項44】
前記損失タンジェント値が、少なくとも0.4である、請求項43に記載の可撓性チューブ。
【請求項45】
前記ブレンドが、−20℃から15℃の範囲内の単一ガラス転移温度を示す、請求項42に記載の可撓性チューブ。
【請求項46】
前記スチレンブロックコポリマーが、少なくとも0.5dg/分の範囲のメルトフローインデックスを有する、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項47】
前記プロピレンポリマーが、0.1dg/分から35dg/分のメルトフローインデックスを有する、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項48】
前記ブレンドが、10重量%から80重量%の前記プロピレンポリマーを含む、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項49】
前記ブレンドが、20重量%から70重量%の前記プロピレンポリマーを含む、請求項48に記載の可撓性チューブ。
【請求項50】
前記ブレンドが、30重量%から60重量%の前記プロピレンポリマーを含む、請求項49に記載の可撓性チューブ。
【請求項51】
前記ブレンドが、20重量%から90重量%の前記スチレンブロックコポリマーを含む、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項52】
前記ブレンドが、30重量%から80重量%の前記スチレンブロックコポリマーを含む、請求項51に記載の可撓性チューブ。
【請求項53】
前記ブレンドが、40重量%から70重量%の前記スチレンブロックコポリマーを含む、請求項52に記載の可撓性チューブ。
【請求項54】
前記プロピレンポリマーが、プロピレンとコモノマーとのランダムコポリマーである、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項55】
前記コモノマーがエチレンを含む、請求項54に記載の可撓性チューブ。
【請求項56】
前記コモノマーがα−オレフィンを含む、請求項54に記載の可撓性チューブ。
【請求項57】
前記プロピレンポリマーが、コモノマーとのシンジオタクチックプロピレンである、請求項42〜45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項58】
前記コモノマーがエチレンを含む、請求項57に記載の可撓性チューブ。
【請求項59】
前記コモノマーがα−オレフィンを含む、請求項57に記載の可撓性チューブ。
【請求項60】
前記スチレンブロックコポリマーが、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマーを含む、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項61】
前記スチレンブロックコポリマーが、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンコポリマーを含む、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項62】
前記スチレンブロックコポリマーが、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンコポリマーを含む、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項63】
前記スチレンブロックコポリマーが、スチレン−エチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマーを含む、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項64】
前記ブレンドが、40から90の範囲のショアA硬度を有する、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項65】
硬度が、50から85ショアAである、請求項64に記載の可撓性チューブ。
【請求項66】
硬度が、60から80ショアAである、請求項65に記載の可撓性チューブ。
【請求項67】
前記ブレンドが、100MPa以下のヤング率を有する、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項68】
前記ブレンドが、0.8から15MPaの範囲の100%モジュラスを有する、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項69】
前記ブレンドが、0.4から6MPaの範囲の300%モジュラスを有する、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項70】
前記ブレンドが、300%から1500%の範囲の伸びを示す、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項71】
前記可撓性チューブが、少なくとも50時間のポンプ寿命を有する、請求項42から45のいずれか一項に記載の可撓性チューブ。
【請求項72】
流体供給源と、
第1の末端部で前記流体供給源に結合した可撓性チューブであって、
150MPa以下の曲げ弾性率を有するポリオレフィン材料を含む第1層;および
プロピレンポリマーとスチレンプロックコポリマーとのブレンドを含む、前記第1層に直接結合しかつ直接接触している第2層を含む可撓性チューブと
を備える装置。
【請求項73】
前記可撓性チューブの第2の末端部が、弁に結合している、請求項72に記載の装置。
【請求項74】
前記可撓性チューブの第2の末端部が、継ぎ手に結合している、請求項72に記載の装置。
【請求項75】
前記可撓性チューブが、ポンプと係合する、請求項72に記載の装置。
【請求項76】
30重量%から60重量%の範囲のプロピレンポリマーと、40重量%から70重量%の範囲のスチレンブロックコポリマーとのポリマーブレンドを含む可撓性チューブであって、前記ブレンドが、少なくとも0.1の25℃での損失タンジェント値(tanδ)を示す可撓性チューブ。
【請求項77】
前記可撓性チューブが、少なくとも50時間のポンプ寿命を有する、請求項76に記載の可撓性チューブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−506807(P2012−506807A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534816(P2011−534816)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/062809
【国際公開番号】WO2010/051468
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(510045634)サンゴバン・パフォーマンス・プラスティックス・コーポレーション (10)
【Fターム(参考)】