多層布地の製造方法
エアレイにより形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの異なる技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する方法および装置が記述される。空気式形成は形成器ヘッドに対向して配設された吸引ボックスを介して真空が付与されるという別体的な形成器ワイヤ上で実施され、且つ、空気形成式繊維層は付加的層との接着のためにコンベアワイヤへと転送される。エネルギを節約すると共に材料を節約して斯かる布地を製造するために、上記空気式形成層が上記多層布地の形成のために一枚以上の他の層と接着される前に、少なくとも該空気式形成層上で縁部切り揃えが実施され、且つ、縁部切り揃えからの切り屑および上記吸引ボックスからの排出物は上記形成器ヘッドへと戻される。本発明によれば、高い製造速度と同時にエネルギ節約的で簡素な構成が実現されることから、当該多層製品において所望の特性を達成するためにエアレイ繊維ウェブが他のウェブと組み合わされるという多層製品の作成が可能とされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアレイ(airlaying)により形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの異なる技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する方法であって、空気式形成は形成器ヘッドに対向して配設された吸引ボックスを介して真空が付与されるという別体的な形成器ワイヤ上で実施され、且つ、空気形成式繊維層は付加的層との接着のためにコンベアワイヤへと転送されるという多層布地の製造方法に関する。
【0002】
本発明はまた、エアレイにより形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの種々の技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する装置であって、形成器ヘッドと吸引ボックスとを含むエアレイ・ユニットが別体的な形成器ワイヤに対して関係付けられ、該装置は、数台の層形成ユニットが関係付けられたときに当該コンベアワイヤ上で複数の層が上記空気形成式繊維層に対して組み合わされ得るというコンベアワイヤを含むという多層布地の製造装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
ひとつの形成器ワイヤもしくは順次的な幾つかの形成器ワイヤ上で形成された一枚以上の繊維層により布地を製造することは先行技術に属する。この製造は、カーディング・ユニットもしくは形成器ヘッドを用いて行われ得る。
【0004】
多層布地を作成する上では、たとえば布地の厚み方向にかけて密度が変化し又は液体浸透特性が変化する様に、完成布地が異なる特性を有する一体的製品として見える様に、異なる特性の繊維層同士の組み合わせが好適なことが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
数層による製品を、幾つかの繊維層により形成された一体的製品として作成する上では、形成器ワイヤの下側に配設された一台以上の吸引ボックスからの付着の問題が生ずる。数台の形成器ヘッドが連続して配設されるとき、一連の層における最後の形成器ヘッドにおける層厚は相当に低い吸引作用に晒される、と言うのも、既に形成された布地を貫通して真空効果が貫通することは困難だからである。故に通常は、形成器ワイヤの順方向において更に大きな真空を確立するために、形成器ワイヤの下側において差別化された吸引ボックスを利用することが必要である。
【0006】
また、形成された布地を貫通する十分な真空効果を達成するために、形成器ワイヤの搬送速度を低減することが必要になることもある。これは、装置の効果が減少することを意味する。
【0007】
近年、意図された用途に依存して異なる好適な特性を有する多層製品を製造するために異なる技術の組み合わせが普及してきた。故に、カーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンドおよびエアレイを組み合わせることが普及してきた。図1には、形成後には巻き取られる製品を形成するためにカーディング、スパンボンド、エアレイ、カーディングおよびスパンレースの組み合わせが使用されるという公知の設備の典型例が示される。
【0008】
故に斯かる典型的な公知の装置によれば、カーディングされた繊維の積層物を布置するカードが使用される。これらの繊維は30〜60ミリメートルの長さを有し得ると共に、合成繊維もしくは天然繊維とされ得る。カーディングされた層は事前スパンレースにより前処理され、ウォータジェット・システムにより所謂る水流交絡が確立されることを意味する。これにより、繊維は交絡されて強度が付与される。しかし、製品は水流交絡の故に湿潤している。故に、形成器ヘッドと、当該形成器ワイヤの逆側において上記形成器ヘッドに対向して配設された吸引ボックスとを含むエアレイ・ユニットが取付けられるという形成器ワイヤに対して布地が転送される前に、水分を蒸発させるために上記製品を乾燥器に通す必要がある。
【0009】
スパンレースおよび乾燥設備における乾燥に対する代替策として、高温カレンダ加工または真空吸引も使用され得る。カレンダ加工によれば、繊維の圧縮および固定を行うことが可能となる。典型的に、10〜30g/m2の量の繊維層をカーディング層上に布置することが可能となる。
【0010】
故に公知のプロセスによれば、多層ウェブが形成され得る。故に吸引ボックスは、形成器ワイヤと、該形成器ワイヤ上に配備された布地とを貫通して吸引を行う。これは抵抗が克服されるべきことを意味し、その他の場合に必要とされるよりも大きな吸引の効率が必要とされる。故に、更に大きな真空が必要となり、形成器ワイヤ上では更に大きな摩耗が生ずる。
【0011】
更なるカーディング層を布置することが可能である。代替的に、二重層布地が形成される様に、更なるカーディング層を省略し得る。引き続いて多層布地はスパンレースへと受け渡され、其処では、水流交絡のために、または、事前スパンレースによる場合と同様の水流交絡のためにウォータジェット・システムが使用される。すると一体化された製品が形成され、これは巻き取りが実施される前に乾燥器を通される。
【0012】
もし二重層構造が形成されるなら、たとえばビスコース側およびセルロース側を備えた布地を作成することが可能である。また、一側が粗面であり他側が円滑である製品を作成し得る。しかし此処では、先行して形成された2つの層上にカーディング層が布置されるという三層製品と比べて、塵埃の問題が生じ得る。
【0013】
公知の装置および公知の方法は、幅の調節に関して不都合である。形成されたウェブの幅を、カードにより形成されたウェブの幅に関して調整すべくエアレイ・ユニットが調節されるべきとき、通常的には、幅調節を実施するために装置を停止させる必要がある。
【0014】
また布地の縁部を切り揃えることが所望されたとしても、この縁部切り揃えに起因する切り屑を再使用することはできない、と言うのも、それは長寸および短寸の繊維を含むからである。
【0015】
更に、公知のシステムは不都合と思われる、と言うのも、形成器ワイヤの下側に配備された吸引ボックスは、エアレイされた繊維とカードからの長寸繊維との混合物を受容するからである。これは典型的には、セルロース繊維と長寸繊維との混合物である。この混合物はフィルタにおいて抽出されるが、該繊維を形成器ヘッドにおいて再使用することはできない。故に、切り屑材料のことが言及されているのである。更に、布地/形成器ワイヤに関する相違のために必要とされる相違点の故に、フィルタ、加湿器および吸引ボックスの大型寸法設定を実施することもあり得る。
【0016】
更に、公知のシステムは引き続く巻き取りにおける廃棄物の形態の不利益も伴う。故に、セルロース層を重ね合わせるために、更に大きな幅を以てカーディング層を作成することが必要である。もしそれが逆になると、スパンレース・システムにおける真空ドラム/吸引テーブルの目詰りの虞れが有る。水流交絡の間において、短寸のセルロース繊維がカーディング層の外側の位置に在るなら、該セルロース繊維は水洗システムに至り、該システムにおけるノズルおよびフィルタを閉塞する。
【0017】
要約すると、個々の層に対して異なる技術の組み合わせが使用されるという多層布地を作成する公知システムは、エネルギ要求量が多く且つ設備の更に大型の寸法設定を必要とし、更には製造装置の生産能力低下を伴い得ると言える。
【0018】
本発明の目的は、空気式形成層を一枚以上の他のウェブと組み合わせることにより多層製品の作成を可能とする方法および装置であって、必要なエネルギが限られ、且つ、繊維材料の大幅な再循環により生産における廃棄物を減少する可能性を与えるという方法および装置を提供するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に依れば該目的は、空気式形成層が多層布地の形成のために一枚以上の他の層と接着される前に、少なくとも該空気式形成層上で縁部切り揃えが実施され、かつ縁部切り揃えからの切り屑および吸引ボックスからの排出物は形成器ヘッドへと戻されるという点において特有である方法により達成される。
【0020】
本発明に係る装置は、エアレイ・ユニットは上記別体的な形成器ワイヤ上で形成された上記空気形成式繊維層の縁部切り揃えを行う手段を含んでおり、吸引ボックスからの吐出口および縁部切り揃えからの切り屑を収集する手段は繊維を戻すために形成器ヘッドに対して接続されるという点において特有である。
【0021】
本発明に係る方法および装置に依れば、多層布地の形成によってさえも高い製造速度を達成し得る。
【0022】
故に本発明によれば、可能的には異なる形式とされ得る一台以上の形成器ユニットが取付けられ得る特定の適切な形成器ワイヤ上でエアレイ層を形成することが可能になるだけではない。更に、廃棄物を減少することも可能である、と言うのも、空気式形成層の縁部切り揃えからの切り屑は吸引ボックスからの排出物と一緒に上記形成器ヘッドへと戻され得るからである。
【0023】
空気形成式繊維層の形成の後で該層は引き続く搬送ワイヤ上に布置されるが、該布置は多層布地の形成のために、既に配備された層上への布置により、または、既に配備された層がその後に配備されるべく、または、その後にその層上に層が配備されるべく、または、それらの組み合わせを実施して行われる。上記空気式形成層が組み合わされる各層は、それらが浸透性であるか否かに関わらずに任意の形式とされ得る。故に、フィルム、組織、不織などにより形成された層が使用され得る。上記の更なる単一もしくは複数の層は湿潤されて又は事前接着されて提供されることも可能である。
【0024】
上記多層布地から一定の製品を形成する場合、湿潤すると共に事前スパンレースされた層上に空気形成式繊維層を布置することが好適であり得る。その場合にはパルプ繊維が液体を吸収することから、繊維のサイズを増大することが可能となる。このプロセスは好適であり得る、と言うのも、これによれば、形成された多層布地を引き続きスパンレースすることによりパルプ繊維の洗い流し量が減少され得るからである。パルプ繊維は通常は、セルロース繊維から形成される。但しパルプ繊維は、サーマルボンドされた繊維などの合成繊維も含み得る。故に、サーマルボンド繊維、または、加熱に委ねることで影響される特性を有する他の種類の繊維が提供されるなら、一台以上の形成器ヘッドからの空気形成式繊維層は加熱炉を介して加熱処理され得る。空気式形成層がコンベアワイヤへと転送される前における引き続く圧縮の前に、該空気形成式繊維層を加湿することも可能である。
【0025】
故に本発明に係るシステムに依れば、操業コストを削減すると同時に、当該装置の効率を低下させるリスクなしで相当に多様な製品を形成する装置を用いるという新たな融通性を達成することが可能となる。
【0026】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記空気形成式繊維層が他の単一もしくは複数の層と結合される前に、可能的には先行する加湿の後で、該空気形成式繊維層は圧縮されるという点において特有である。これにより、引き続く処理により繊維層を取り扱うことが更に容易となる。更に上記圧縮処理は、上記繊維ウェブに対して所望特性を付与するためにも使用され得る。
【0027】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記空気形成式繊維層は上記別体的な形成器ワイヤから吸引されると共に、製造プロセスの始動/作動停止時に上記形成器ヘッドへと戻されるという点において特有である。廃棄物は更に減少される、と言うのも、縁部切り揃えからの切り屑だけでなく、製造プロセスの慣らし運転および減速の間に空気式に形成された材料も再使用されるからである。
【0028】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記形成器ワイヤ上で少なくとも二重層の布地を形成するために該形成器ワイヤ上に浸透性材料の少なくとも一枚のウェブが布置されるという点において特有である。これにより、形成器ワイヤ上では二重層布地が形成され得る。上記形成器ワイヤの搬送方向で見て、該形成器ヘッドの前または後には、付加的なウェブが選択的に布置され得る。
【0029】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記空気形成式繊維層は上記形成器ワイヤの上側延在部の上側部にて形成され、且つ、少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡されるという点において特有である。これにより、形成器ワイヤに接触していた側面を他のウェブおよびコンベアワイヤから離間する外方に向け乍ら空気形成式繊維層が布置されるべく布地が製造される簡素な方法が達成される。
【0030】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記コンベアワイヤ上で結合された個々の層は、たとえば水流交絡、スパンボンド、サーマルボンドまたはカレンダ加工を含む適切な次続プロセスにより一体化されるという点において特有である。故に、個々の層の特性と比較して且つ最終製品の所望特性と比較して最適である方法により、布地の全体または一部の概略的な一体化を実施し得る。
【0031】
更なる実施例に依れば上記方法は、個々の層が上記コンベアワイヤ上で結合される前に、該個々の層の夫々の縁部切り揃えが実施されるという点において特有である。これにより、全ての層に対する材料/繊維の廃棄物は減少される、と言うのも、個々の縁部切り揃えの各々からの切り屑は、他の層からの材料/繊維と一緒に混合されることなく再循環のために戻されるからである。
【0032】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記別体的な形成器ワイヤ上の上記エアレイ・ユニットの直後には、圧縮ユニットおよび選択的には加湿ユニットも配備されるという点において特有である。この装置に依れば、空気形成式繊維層がその層または他の層と結び付けられる前に該空気形成式繊維層を圧縮することが可能となる。
【0033】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記別体的な形成器ワイヤにては吸引ユニットが配備され、且つ、其処からの吐出口は上記形成器ヘッドに対して接続されるという点において特有である。上記吸引ユニットは好適には、上記形成器ヘッドにより布置されたウェブの幅の全体に亙り延在する。それは、上記幅の各部のみを覆う複数の区画へと分割され得る。上記吸引ユニットは、全ての繊維を上記形成器ヘッドに戻すことにより材料を節約するために、上記装置の始動および停止の間に該繊維を吸引すべく使用され得る。
【0034】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記形成器ヘッドに関し、上記別体的な形成器ワイヤ上にウェブを布置するために巻出しユニットが配備されることから、上記形成器ワイヤ上には少なくとも二重層の布地が形成されるという点において特有である。故に、コンベアワイヤへの転送の前に上記形成器ワイヤ上で多層布地が形成される様に上記装置を適合させることが可能である。これにより上記装置は更に融通性が高くなると共に、広範囲な製品を作成すべく使用され得る。
【0035】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記形成器ヘッドは上記空気形成式繊維層の形成に使用され、上記形成器ワイヤの上記上側延在部の上側部には少なくとも一個の形成器ヘッドが配設され、且つ、少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡される様に、上記形成器ワイヤの上下の延在部間には真空ボックスが配備されるという点において特有である。これにより上記装置は、形成器ワイヤに接触していた側面を他のウェブおよびコンベアワイヤから離間する外方に向け乍ら空気形成式繊維層が布置されるべく布地を製造するために使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に本発明は、添付の概略図面を参照して更に詳細に説明される。
以下において、異なる図において反復される同一のまたは対応する要素は同一の参照番号で表される。故に、単一の構造的特徴の各々に対する説明は、各図に関しては提供されない。代わりに、本発明に係る装置に対する種々の実施例が相互から異なる点に対して説明が与えられる。
【0037】
図1は、多層布地を形成する典型的な先行技術の設備を示している。該設備は、典型的には長さが30〜60mmの合成繊維であるカーディング済み繊維のウェブを布置する第1カード2を備えている。カード2の後には、所定数のウォータジェット・ユニット4を有するスパンレース・ユニット3が載置される。スパンレース・ユニット3は、形成されたカーディング層が水流交絡の間において搬送されるというコンベアワイヤ5を含んでいる。次に、形成されたカーディング層における水分を蒸発させる乾燥ユニット6が配備される。該乾燥ユニットは、形成されたカーディング層を搬送するのに使用されるコンベアワイヤ7を含んでいる。
【0038】
乾燥ユニット6の後にはカレンダ8が在る。カレンダ8は概略的に、スパンレースおよび乾燥ユニット6に対する代替策として使用可能であり、形成済み層における繊維の高温接着とカレンダ加工も同時に達成する。上記層は次に形成器ワイヤ9へと移動され、其処には、複数の吸引ボックス12に対向して配備された形成器ヘッド11を含むエアレイ・ユニット10が配備される。吸引ボックス12間においてはコンベア・ベルト9が移動される。矢印13は、コンベア・ベルト9の搬送方向を表す。
【0039】
エアレイ・ユニット10の後には、カード2により布置されたカーディング層に実質的に対応する更なるカーディング層を布置するための更なるカード14が配備される。これにより三層製品が形成され、該製品は引き続き更なるスパンレース・ユニット15へと搬送され、其処では、形成された多層布地1をウォータジェット・システム16の使用により一体化する目的で水流交絡が行われる。水流交絡済み布地は次に、完成された多層布地のロール19を形成するために最後に巻取りユニット18へと移動されるために更なる乾燥器17を通される。
【0040】
以下においては、本発明に係る装置の種々の実施例に対する説明が与えられる。
【0041】
図2には、形成器ヘッド11と吸引ボックス12とを含むエアレイ・ユニット10が形成器ワイヤ20に関係付けられて配備されるという実施例が見られる。形成器ワイヤ20の下側には、コンベアワイヤ21が配備される。コンベアワイヤ21の上側延在部23の下側には、吸引ボックス22が配備される。エアレイ・ユニット10は、戻り延在部25を介して縁部切り揃えによる切り屑を形成器ヘッド11まで戻す縁部切り揃え手段24を含む。対応して、吸引ボックス12から形成器ヘッド11までの戻り延在部26が在る。
【0042】
形成器ワイヤ20と関係付けられてエアレイ・ユニット10の直後には、加湿手段27および圧縮ユニット28が配備される。更に形成器ワイヤ20においては、プロセスの始動時および停止時に繊維を吸引して戻すために、戻り延在部30を介して形成器ヘッド11に接続された吸引ユニット29が配備される。
【0043】
示された実施例においては更に、形成器ヘッド11の前方の位置において形成器ワイヤ20上へと層32を巻出す巻出しユニット31が配備される。形成器ワイヤ20は矢印33に係る搬送方向を有することを銘記されたい。巻出しユニット31は選択的であり、省略してもよい。代替的に、巻出しユニット31は形成器ヘッド11の後に配設され得る。
【0044】
更なる代替実施例に依れば、複数の巻出器31が形成器ヘッド11の前および後に夫々配備され得る。また、形成器ワイヤ20の上側延在部34の上方に数台の順次的な形成器ヘッド11を配備することも可能である。斯かる状況においては、形成器ヘッドの各々が、それらの別体的な縁部切り揃え手段24に関係付けられた別体的な複数のエアレイ・ユニット10の一部を構成することが好ましい。
【0045】
形成器ワイヤ20からの空気形成式繊維層は、下方へと、且つ、該形成器ワイヤ20の下側延在部35に沿って受け渡される。空気形成式繊維層は此処で、巻出しユニット37から到来する層36と接合される。層36は異なる様式で形成可能であり、たとえばそれは、カーディング、メルト・ブロー、スパンブロー、エアブローで形成可能であり、または、該層は不浸透性のフィルムとされ得る。層36は接着ステーション38に受け渡され、其処では、層36を空気形成式繊維層と一体的に接着すべく接着剤が適用される。
【0046】
コンベアワイヤ21に関し、吹き付けボックス39が配備される。これは、ウェブ36が不浸透性材料で作成されるならば、空気形成式繊維層を該ウェブ36上に押圧すべく用いられる。
【0047】
コンベアワイヤ21に関しては更なる巻出器40が示され、該巻出器20からは、不織材料、フィルムなどの更なる層43が巻出され得る。これに関係付けられて、巻出ステーション40から巻出された該更なる層43上に接着剤42を付加する第2接着ステーション41も配備される。巻出ステーション40に対する代替策として、此処では層43を形成するカードも使用され得る。接着された多層布地1は次に、乾燥ユニットすなわち加熱炉44または代替的にカレンダ45を通され、その後にそれは、多層布地1のロール47を形成するための巻取りユニット46へと移動される。
【0048】
製造プロセスを開始する場合、第1層36の巻出しにより開始されると同時に、エアレイ・ユニット10が始動される。開始時には、空気式に形成された繊維の制御可能な層が現れるまで、慣らし運転が行われる。故に吸引ユニット29は、繊維が形成器ヘッド11まで戻される様に始動される。上記設備が始動され且つ制御された層が布置されたとき、吸引ユニット29は作動停止されると共に、多層ユニット10の作成が開始される。もしエアレイ・ユニット10と一緒に複数のカーディング・ユニットが使用されるなら、制御された様式でカーディング層が布置されるまで、カーディングを開始して繊維を戻しても良い。カーディング・ユニットおよびエアレイ・ユニットにおいて満足できる層形成が確立されたとき、吸引ユニットが停止されて多層布地の形成が開始される。
【0049】
先行技術の設備においてはカーディング・ユニットの各々の吐出口に、戻り延在部が配置される。またカーディング・ユニットが適切に始動されて制御された層を形成するまで、全ての繊維が戻される。カーディング層に対する繊維の斯かる戻しは、本発明に係る装置が一部を構成するという設備においても可能である。
【0050】
形成され得る製品は、たとえば、両方の外側部の夫々における2つの不織層と、それらの間において空気式に形成された吸収繊維で形成された層とから成る湿式ワイプとされ得る。この空気形成式繊維層は、複合繊維、単成分繊維、セルロース繊維、または、それらの可能的組み合わせを含み得る。
【0051】
頂部層として作用し得るフィルムとしてのひとつの層を作成することも可能であり、その場合に第2層は不織材料である一方、中央層は吸収芯とされ得る。故に、外部フィルム層と、不織材料と、吸収用の中心芯材とを備える失禁用製品もしくは他の吸収性製品を形成するために、その後に穿孔され得る多層布地を形成することが可能である。
【0052】
図3に示された実施例は基本的に、図2に示された装置の実施例と基本的に対応する。複合繊維を含む空気形成式繊維層が作成されるとき、これら繊維は、カレンダ48および/または加熱炉49と、引き続くカレンダ50とを通過され得る。これにより、コンベア・ベルト21上に布置される前に、空気式に接着されかつカレンダ加工された層を提供できる。故に図3に示された装置の実施例は、空気形成式繊維層が熱的に形成された生成物であって加熱炉内で接着かつカレンダ加工されて最終的には冷却されてからコンベアワイヤ21上の層36上へと布置されるという生成物である場合に製品を作成するのに適している。
【0053】
図3に示された実施例においては巻出しユニット37および40に対する代替策として、スパンレースあり又はなしでのカーディング・ユニットと、これもまたウォータジェットによる水流交絡あり又はなしとされ得るメルト・ブロー、スパンボンドまたは他の繊維布置方法により形成された布地とが使用されても良い。
【0054】
この実施例においては、形成器ヘッド10において異なる繊維の組み合わせも使用され得る。故に供給物は、パルプ/セルロース、複合繊維、スプリット繊維、カール繊維(curled fiber)、熱可塑性繊維、または、エアレイ・プロセスにより使用される他の繊維を含み得る。
【0055】
図4は、本発明に係る装置の第3実施例を示している。これは、エアレイ・ユニット10の前後における第1カーディング・ユニット2および更なるカーディング・ユニット14の配備により、図3に示された上記装置を更に発展させたものと言える。これらの更なるカーディング・ユニット2、14は、図1に示されたカーディング・ユニットに匹敵し得る。
【0056】
この実施例においては、カーディング・ユニット2の前およびカーディング・ユニット14の後に、更なる巻出しユニット51、52が夫々配備されている。更に、2台のカーディング・ユニット2、14の各々の後には、真空ローラ53および54が夫々配備されている。故に、コンベア・ベルト21上で形成された多層布地は、それがスパンレース・ユニット15に到来するまで乾燥される。巻出しユニット37からの層は選択的に、空気形成式繊維層との接着のために圧縮器48を通されるか、または、カレンダ48を通らずにコンベア・ベルト上へと直接的に受け渡され得る。
【0057】
故に、この装置に依れば予備スパンボンドされない多層製品1が形成される、と言うのも、空気式形成層はカーディング・ユニット2からの柔軟な積層物上に布置されると共に、カーディング・ユニット14からは同様に柔軟な積層物が布置されるからである。
【0058】
第1に、スパンレース・ユニット15において実施されたスパンレースにより各層の一体化が行われる。次に、多層布地は乾燥されて巻き取られる。
【0059】
多層製品を形成すべく全ての巻出器、カーディング・ユニットおよび空気形成式ユニットを使用するか、または代替的に、たとえば二層、三層、四層、五層もしくは六層の製品を形成するために層形成ユニットの内の幾台かのみが使用され得る。
【0060】
複合繊維を含む不織層に対しては、巻出器37からの層を代替的に案内してもよい。斯かる層は好適には、該層が、エアレイ・ユニット10から到来する空気形成式繊維層上へと積層される様にカレンダ48を通過すべく巻出され得る。これにより、上記不織層と上記空気形成式繊維層との間の接着が確立される。空気式形成層がコンベア・ベルト21上へと布置される前に積層もしくは接着が確立されるという所謂るカレンダ加工接着(calendering bonding)を実施することが可能になる。故に、巻出しユニット37および巻出しユニット31を用いることにより、三層を備える製品を形成器ワイヤ20上に形成することが可能である。
【0061】
更に、カーディング・ユニット2は、繊維が戻り延在部56を介して該カーディング・ユニットへと戻る様に、縁部切り揃えを行う手段55を備えることを銘記されたい。同一様式でカーディング・ユニット14は、繊維が戻り延在部58を介して該カーディング・ユニット14へと戻る様に、縁部切り揃えを行う手段57を備える。
【0062】
完全を期すために、上記カーディング・ユニットに対する代替策として、メルト・ブロー、スパンボンド、または、他のウェブ形成方法のためのユニットが適用され得ることを銘記されたい。
【0063】
個々の層形成ユニットの各々に対しては、繊維を戻すことにより材料を節約することができる個別の縁部切り揃え手段が配備され得る。
【0064】
図5に係る実施例は基本的に、図4に示された実施例に対応する。該実施例は、カーディング・ユニット2の後にスパンレース・ユニット3およびカレンダ59が配備されるという点で異なる。このことは、形成済み層に対して水流交絡またはカレンダ加工のためにのみカレンダ59またはスパンレース・ユニット3のいずれかを使用し得ることを意味する。
【0065】
この装置によれば湿潤層が形成されることから、空気形成式繊維層を湿潤層上に布置することが可能になる。先に言及された如く、該装置は空気式形成層からの繊維が該装置により増加されるという利点を有することから、完成した多層布地の巻き取りの前に、引き続くスパンレースにおいて短繊維が持ち越されるリスクが無い。
【0066】
図6は、図5に示された上記装置に基本的に対応する装置の第5実施例を示している。唯一の相違点は、最後の乾燥器17の後にカレンダ60を配設したことである。斯かる装置によれば、多層布地1に対してエンボス・カレンダ加工を提供すること、または、該多層布地を相当に薄寸にすることが可能となる。
【0067】
図7は、2つの順次的なコンベアワイヤ21’および21”の形態でコンベアワイヤが配備されるという上記装置の第6実施例を示している。空気式形成層は、カーディング・ユニット2からの先行形成済み層と共にエンボス加工器61を通される。布地は乾燥して生成される共に、最初はスパンレース・ユニット15において各層の完全な一体化が行われる。基本的にこれは、図4に示された原理に対応する。
【0068】
図8は、コンベアワイヤが形成器ワイヤ62として配備された第7実施例を示している。エアレイ・ユニット10からの空気形成式繊維層が形成器ワイヤ62上へと移動される前に、先行する一台以上のエアレイ・ユニット63を用いて層が形成される。該ユニットの各々は、形成器ヘッド64および吸引ボックス65を含んでいる。これらのエアレイ・ユニット63の後には圧縮ユニット66および縁部切り揃え手段67が配備され、該縁部切り揃え手段は、縁部切り揃え手段からの切り屑を戻り延在部68を介して形成器ヘッド64へと戻している。
【0069】
この装置によれば、高密度層が達成される様に、単一の第1層または2つの第1層が形成されて圧縮されるという製品を作成できる。但し、エアレイ・ユニット10により形成される第3層は低密度層とされ得る。斯かる製品は、夫々の形成器ヘッド64からのセルロースおよび複合繊維および高吸収材と共に生成され得る。該繊維材料は非常に強力に圧縮され、次に該繊維材料に対しては、エアレイ・ユニット10からの液体分散層であって比較的に厚寸で開放構造を有する合成繊維および複合繊維から成る液体分散層が配備される。すなわち該製品によれば、表面が常に乾いて感じられる様に、たとえば最外側層の頂部側に到来する液体は非常に迅速に上記液体分散層を通して吸収芯内へと浸透する。
【0070】
上記製品の製造によれば、接着は種々の様式で実施され得る。図8には、引き続き加熱炉71において乾燥されるラテックス70を塗布する噴霧ユニット69が示される。但し、製造プロセスにおいて使用される繊維に依存して、サーマルボンド・プロセス、または、ラテックスとサーマルボンドとの組み合わせも使用され得る。
【0071】
エアレイ・ユニット63に対する代替策として、スパンボンド、メルト・ブローまたはカーディングのためのシステムが使用され得る。
【0072】
図9は、基本的に図8に対応する。但し、此処では先行実施例から既知の巻出しユニット31および37が付加される。同様に此処では、形成器ワイヤ62と引き続くコンベア・ベルト72との間の位置において、図7に示されたエンボス加工器に対応するエンボス加工器61が配備される。此処では、たとえばエンボス加工器61を通されるときに布地の下側にて積層される不織層74を巻出すべく使用され得る、更なる巻出しユニット73が示される。故に、製品における異なる組み合わせの層を形成することが可能となる。たとえば、両側における不織層と、空気式形成層により形成された吸収芯の形状の中央層とを備えた三層製品を形成し得る。
【0073】
図10は、湿式積層プロセスに基づく第9実施例を示している。此処では、0.5〜5%繊維の溶液が得られる様に繊維が水中に懸濁されたヘッド・ボックス75が用いられる。これは吐出口76を介して形成器ワイヤ77上へと送出され、其処には、湿式形成された層から水分を除去する一連の吸引ボックス78が配備される。エアレイ・ユニット10は、形成器ワイヤ20が図10において右方向へと進行する上側延在部を有するように形成器ワイヤ77の上方に配設される。空気形成式繊維層は形成器ワイヤ20の頂部側にて、吹き付けボックス80が載置された領域79へと移動される。吹き付けボックス80は空気形成式繊維層からの繊維を、形成器ワイヤ77上の湿式形成層の頂部側へと吹き付ける。その頂部側において形成器ワイヤ77は、縁部切り揃えを行う縁部切り揃え手段81を備えており、この縁部切り揃え手段81は戻り延在部82を介して繊維をヘッド・ボックス75へと戻し搬送する。上記形成器ワイヤから、多層布地1は更に矢印83に従い、引き続くプレス加工ステーションおよび乾燥器へと搬送される。
【0074】
図10に示された設備によれば、たとえば1,500m/分までの非常に高速で進行する湿式積層プロセスを用いることができる。これにより、形成器ワイヤ77の頂部側にて繊維の量を制御することが可能になる。故に、空気形成式繊維層が形成される形成器ワイヤ20をそれほど迅速に作動させる必要はない。たとえば、形成器ワイヤ20上には50g/m2で布置され得ると共に、形成器ワイヤ20および77の間における速度差の相対計算からは、湿潤繊維層に対して更に多量もしくは少量の乾燥繊維を付加することができる。
【0075】
吸引ボックス78は、乾燥繊維を再び湿潤繊維層に対して吸引すべく使用される。この装置によれば、乾燥繊維の濃度を高めることにより、繊維ウェブが形成器ワイヤ77を離脱するときに該ウェブの相対湿度を減少することが可能となる。
【0076】
繊維ウェブが引き続くプレス加工区画または乾燥区画へと搬送される前に、乾燥繊維の濃度を高めることは好適であり得る。代替的に、合成繊維を繊維層に付加するために上記装置を使用することも可能である。ヘッド・ボックスにおける繊維混合物に対して合成繊維を付加することが困難なこともあり得る。
【0077】
実験によると湿式積層プロセスでは、湿潤繊維層において約50%の乾燥物含有量が達成されるまで真空吸引を実施することでエネルギが最適に節約される。エネルギ節約の理由により、乾燥/プレス加工はその後に使用されるべきである。上記に配備された形成器ワイヤ20の区画79から乾燥繊維が吹き付けられる直前において形成器ワイヤ77にて約50%の乾燥物含有量が達成されるなら、湿潤繊維ウェブがプレス加工ステーションおよび水分蒸発へと導かれる前に乾燥繊維を付加して乾燥繊維濃度を60〜70%へと高めることが可能である。すると、上記プロセスに対してエネルギを最適化することが可能となる、と言うのも、上記設備で生成されるキロ数に関して水分蒸発のために使用されるエネルギが少ないからである。
【0078】
図11は、メルト・ブロー/スパンボンド・ユニット84を含む第10実施例を示している。メルト・ブロー/スパンボンド・ユニット84は、メルト・ブロー形成器ワイヤ86上に直接的に布置される繊維を形成する所定数のノズルを含む押出し成形ヘッドに基本的に対応するメルト・ブロー・ユニット85を含む。メルト・ブロー/スパンボンド・ユニット84は更に、メルト・ブロー・ヘッド85に対向して配設された吸引ボックス87を含み、それらの間には形成器ワイヤ86が在る。図11に示された上記装置は、図10に示された如く設計された形成器ワイヤ20をさらに含んでいる。形成器ワイヤ20は、メルト・ブロー・ヘッド85から溶融形態で出てくる繊維へと繊維を吹き付ける吹き付けボックス80が配備される区画79を有する形成器ワイヤである。
【0079】
実施に際しては、形成器ワイヤ20上に形成された空気形成式繊維層からの繊維は、メルト・ブロー・ヘッド85からの繊維が溶融状態である限りにおいて該繊維に対して接着され得る。形成器ワイヤ86は形成された繊維製品を縁部切り揃え手段88を通して移動させる。縁部切り揃え手段88は、切り取られた縁部を除去して再循環に向けて搬送する吐出口89に接続されている。
【0080】
次に、形成された多層製品は、たとえば図11に示された如きカレンダ90などの仕上げ処理ユニットへと搬送される。
【0081】
図10に関しても説明される如く速度差に基づいて適量供与を実施することが可能である様に、空気形成式繊維層を形成する形成器ワイヤ20上の速度およびメルト・ブロー層を形成する形成器ワイヤ76上の速度は異なり得ることを銘記されたい。
【0082】
上記で説明された実施例の全てに共通して、空気形成式繊維層は通常はセルロース繊維を含むが、一定の実施例に関してそうである様に、数種類の繊維および可能的には高吸収材も組み合わせることで空気形成式繊維層を形成し得ることを銘記されたい。全ての実施例に共通なのは、所望の種々の差を以て繊維を布置するためにエアレイ・ユニット10を備えた特定の形成器ワイヤ20である。更に、形成器ワイヤ29に関係付けられた吸引ユニット29は本発明における重要な要素である。故に、単一もしくは複数のウェブがプロセスで継続される前に、縁部切り揃えからの全ての切り屑、および、全ての廃棄されたもしくは誤って配設された全ての層を除去することが可能である。すなわちエアレイ・プロセスは別体的に実施されることから、吸引ボックスおよび吸引ユニット29からの繊維は吸引ヘッド11へと戻されてプロセスで再使用され得る。
【0083】
これは、上記プロセスの開始および停止のみによる利点ではなく、緊急作動停止の場合における利点でもある。製造プロセスの間において何らかの不調が生じたなら、空気形成式繊維層を可及的に迅速に除去することが重要である。さもなければ、プロセスの後時において層が紛失するという状況が生じ得る。これは、スパンレース・システムにおいて、カーディング済み布地の層と一緒に純粋なセルロース繊維が出現し得ることを意味する。もしそうであれば設備が閉塞される大きなリスクが在り、引き続く洗浄のために8〜10時間までの機能停止を伴い得る。
【0084】
本発明による相当な利点は更に、既に形成された層上に布置される空気形成式繊維層は、上記形成された層が湿潤しているか乾燥しているか或いは粘着性であるか、または、それが浸透性であるか否かに関する要件を一切課さないということである。故に、先行して形成された層の特性に関わらず、上述された如く一体的な多層布地1を引き続き形成するために繊維を不浸透層に接触させ得る吹き付けボックスを使用することにより、空気形成式繊維層を任意の先行形成基材上に布置することが可能である。
【0085】
更に、先行して形成された層が湿潤している場合には、本発明による特別の利点が在ることも銘記されたい。そうである場合、たとえばカーディング層などの湿潤層上にセルロース繊維が布置される。これが行われる場合、2つの層に亙り一定の圧力差が生ずる。故に、セルロース繊維層とカーディング済み層/底部層との間には部分的な干渉が生ずる。
【0086】
しかし、先行技術により形成された形成済み製品は、底部層と各空気形成式繊維層とが混合されるのみであり、真の層状化は行われない。これは少なくとも、2つの層間の境界領域に当てはまる。この混合が生ずるのは、空気形成式繊維層を底部層上に布置する前にカーディング済み布地を乾燥させる必要があるためである。これは本発明に依れば必要でなく、且つ、空気形成式繊維層からのセルロース繊維は湿潤した底部層/カーディング済み層上に位置する。
【0087】
これにより、セルロース繊維の体積は増加される、と言うのも、セルロース繊維の細胞が水分で充填されるからである。これは明確な分離が行われることを意味し、底部層/カーディング層と、セルロース繊維が配設された空気形成式繊維層とにおいて、異なる特性による更に明確な層状化が提供される。故に、形成された2つの層の上に第3層を引き続き載置することにより、最も中心の層が両外側層の一方との部分的混合物ではなく中央層として形成されるという第3層が提供され得る。これは更に、引き続くスパンレース・ユニットにおける繊維損失が少ないことを意味する。
【0088】
繊維の損失を回避するために、先行技術によると、可及的に長寸の繊維と、可及的にニト(nit)が少ない繊維とを選択することが一般的であった。これは、繊維供給に対して特別の要件が課されることを意味する。湿潤ウェブ上に繊維層が形成される場合、本発明に係る方法では斯かる要件は必要でない。
【0089】
故に、引き続くスパンレースにより生ずる繊維の損失が減少され、好適な材料節約に寄与する。スパンレースと組み合わされた従来のプロセスにおいては、5%〜8%の繊維損失が生じ得る。本発明を使用することにより、この損失を1/3以上減少し得ることに加え、別体的な形成器ワイヤ上でのエアレイ・プロセスにより繊維損失が減少される可能性がある。
【0090】
典型的なセルロース損失は、洗い流されるセルロース繊維の損失である。洗い流されたこれらのセルロース繊維は通常は水洗設備に至り、其処では、セルロース繊維を沈殿させるために該セルロース繊維を凝集させるべく化学物質を添加する必要がある。次に上記繊維は、たとえばフィルタに押圧して除去され得る。この物質は、通常は埋蔵されるべき廃棄物である。
【0091】
故に本発明は、製造プロセスにおける直接的な経済的節約により好適であるだけでなく、製造プロセスからの廃棄物の処理に対するコスト削減による経済的利益も提供する。
【0092】
上記にては示されなくても、上記装置、および、該装置が一部を構成する上記設備は、動作条件を監視し得る監視手段であって層形成ユニットおよび縁部切り揃え手段および吸引手段の自動制御のために斯かる監視の結果を使用するという監視手段を備えている。但し当業者であれば、本発明の本記述に鑑みて斯かる制御および監視システムを設計し得よう。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】多層布地を作成する上でカーディング、エアレイおよびスパンレースの組み合わせが使用されるという先行技術に係る典型的な設備の要素的概略図である。
【図2】本発明に係る装置の第1実施例の要素的概略図である。
【図3】本発明に係る装置の第2実施例の要素的概略図である。
【図4】本発明に係る装置の第3実施例の要素的概略図である。
【図5】本発明に係る装置の第4実施例の要素的概略図である。
【図6】本発明に係る装置の第5実施例の要素的概略図である。
【図7】本発明に係る装置の第6実施例の要素的概略図である。
【図8】本発明に係る装置の第7実施例の要素的概略図である。
【図9】本発明に係る装置の第8実施例の要素的概略図である。
【図10】本発明に係る装置の第9実施例の要素的概略図である。
【図11】本発明に係る装置の第10実施例の要素的概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアレイ(airlaying)により形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの異なる技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する方法であって、空気式形成は形成器ヘッドに対向して配設された吸引ボックスを介して真空が付与されるという別体的な形成器ワイヤ上で実施され、且つ、空気形成式繊維層は付加的層との接着のためにコンベアワイヤへと転送されるという多層布地の製造方法に関する。
【0002】
本発明はまた、エアレイにより形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの種々の技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する装置であって、形成器ヘッドと吸引ボックスとを含むエアレイ・ユニットが別体的な形成器ワイヤに対して関係付けられ、該装置は、数台の層形成ユニットが関係付けられたときに当該コンベアワイヤ上で複数の層が上記空気形成式繊維層に対して組み合わされ得るというコンベアワイヤを含むという多層布地の製造装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
ひとつの形成器ワイヤもしくは順次的な幾つかの形成器ワイヤ上で形成された一枚以上の繊維層により布地を製造することは先行技術に属する。この製造は、カーディング・ユニットもしくは形成器ヘッドを用いて行われ得る。
【0004】
多層布地を作成する上では、たとえば布地の厚み方向にかけて密度が変化し又は液体浸透特性が変化する様に、完成布地が異なる特性を有する一体的製品として見える様に、異なる特性の繊維層同士の組み合わせが好適なことが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
数層による製品を、幾つかの繊維層により形成された一体的製品として作成する上では、形成器ワイヤの下側に配設された一台以上の吸引ボックスからの付着の問題が生ずる。数台の形成器ヘッドが連続して配設されるとき、一連の層における最後の形成器ヘッドにおける層厚は相当に低い吸引作用に晒される、と言うのも、既に形成された布地を貫通して真空効果が貫通することは困難だからである。故に通常は、形成器ワイヤの順方向において更に大きな真空を確立するために、形成器ワイヤの下側において差別化された吸引ボックスを利用することが必要である。
【0006】
また、形成された布地を貫通する十分な真空効果を達成するために、形成器ワイヤの搬送速度を低減することが必要になることもある。これは、装置の効果が減少することを意味する。
【0007】
近年、意図された用途に依存して異なる好適な特性を有する多層製品を製造するために異なる技術の組み合わせが普及してきた。故に、カーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンドおよびエアレイを組み合わせることが普及してきた。図1には、形成後には巻き取られる製品を形成するためにカーディング、スパンボンド、エアレイ、カーディングおよびスパンレースの組み合わせが使用されるという公知の設備の典型例が示される。
【0008】
故に斯かる典型的な公知の装置によれば、カーディングされた繊維の積層物を布置するカードが使用される。これらの繊維は30〜60ミリメートルの長さを有し得ると共に、合成繊維もしくは天然繊維とされ得る。カーディングされた層は事前スパンレースにより前処理され、ウォータジェット・システムにより所謂る水流交絡が確立されることを意味する。これにより、繊維は交絡されて強度が付与される。しかし、製品は水流交絡の故に湿潤している。故に、形成器ヘッドと、当該形成器ワイヤの逆側において上記形成器ヘッドに対向して配設された吸引ボックスとを含むエアレイ・ユニットが取付けられるという形成器ワイヤに対して布地が転送される前に、水分を蒸発させるために上記製品を乾燥器に通す必要がある。
【0009】
スパンレースおよび乾燥設備における乾燥に対する代替策として、高温カレンダ加工または真空吸引も使用され得る。カレンダ加工によれば、繊維の圧縮および固定を行うことが可能となる。典型的に、10〜30g/m2の量の繊維層をカーディング層上に布置することが可能となる。
【0010】
故に公知のプロセスによれば、多層ウェブが形成され得る。故に吸引ボックスは、形成器ワイヤと、該形成器ワイヤ上に配備された布地とを貫通して吸引を行う。これは抵抗が克服されるべきことを意味し、その他の場合に必要とされるよりも大きな吸引の効率が必要とされる。故に、更に大きな真空が必要となり、形成器ワイヤ上では更に大きな摩耗が生ずる。
【0011】
更なるカーディング層を布置することが可能である。代替的に、二重層布地が形成される様に、更なるカーディング層を省略し得る。引き続いて多層布地はスパンレースへと受け渡され、其処では、水流交絡のために、または、事前スパンレースによる場合と同様の水流交絡のためにウォータジェット・システムが使用される。すると一体化された製品が形成され、これは巻き取りが実施される前に乾燥器を通される。
【0012】
もし二重層構造が形成されるなら、たとえばビスコース側およびセルロース側を備えた布地を作成することが可能である。また、一側が粗面であり他側が円滑である製品を作成し得る。しかし此処では、先行して形成された2つの層上にカーディング層が布置されるという三層製品と比べて、塵埃の問題が生じ得る。
【0013】
公知の装置および公知の方法は、幅の調節に関して不都合である。形成されたウェブの幅を、カードにより形成されたウェブの幅に関して調整すべくエアレイ・ユニットが調節されるべきとき、通常的には、幅調節を実施するために装置を停止させる必要がある。
【0014】
また布地の縁部を切り揃えることが所望されたとしても、この縁部切り揃えに起因する切り屑を再使用することはできない、と言うのも、それは長寸および短寸の繊維を含むからである。
【0015】
更に、公知のシステムは不都合と思われる、と言うのも、形成器ワイヤの下側に配備された吸引ボックスは、エアレイされた繊維とカードからの長寸繊維との混合物を受容するからである。これは典型的には、セルロース繊維と長寸繊維との混合物である。この混合物はフィルタにおいて抽出されるが、該繊維を形成器ヘッドにおいて再使用することはできない。故に、切り屑材料のことが言及されているのである。更に、布地/形成器ワイヤに関する相違のために必要とされる相違点の故に、フィルタ、加湿器および吸引ボックスの大型寸法設定を実施することもあり得る。
【0016】
更に、公知のシステムは引き続く巻き取りにおける廃棄物の形態の不利益も伴う。故に、セルロース層を重ね合わせるために、更に大きな幅を以てカーディング層を作成することが必要である。もしそれが逆になると、スパンレース・システムにおける真空ドラム/吸引テーブルの目詰りの虞れが有る。水流交絡の間において、短寸のセルロース繊維がカーディング層の外側の位置に在るなら、該セルロース繊維は水洗システムに至り、該システムにおけるノズルおよびフィルタを閉塞する。
【0017】
要約すると、個々の層に対して異なる技術の組み合わせが使用されるという多層布地を作成する公知システムは、エネルギ要求量が多く且つ設備の更に大型の寸法設定を必要とし、更には製造装置の生産能力低下を伴い得ると言える。
【0018】
本発明の目的は、空気式形成層を一枚以上の他のウェブと組み合わせることにより多層製品の作成を可能とする方法および装置であって、必要なエネルギが限られ、且つ、繊維材料の大幅な再循環により生産における廃棄物を減少する可能性を与えるという方法および装置を提供するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に依れば該目的は、空気式形成層が多層布地の形成のために一枚以上の他の層と接着される前に、少なくとも該空気式形成層上で縁部切り揃えが実施され、かつ縁部切り揃えからの切り屑および吸引ボックスからの排出物は形成器ヘッドへと戻されるという点において特有である方法により達成される。
【0020】
本発明に係る装置は、エアレイ・ユニットは上記別体的な形成器ワイヤ上で形成された上記空気形成式繊維層の縁部切り揃えを行う手段を含んでおり、吸引ボックスからの吐出口および縁部切り揃えからの切り屑を収集する手段は繊維を戻すために形成器ヘッドに対して接続されるという点において特有である。
【0021】
本発明に係る方法および装置に依れば、多層布地の形成によってさえも高い製造速度を達成し得る。
【0022】
故に本発明によれば、可能的には異なる形式とされ得る一台以上の形成器ユニットが取付けられ得る特定の適切な形成器ワイヤ上でエアレイ層を形成することが可能になるだけではない。更に、廃棄物を減少することも可能である、と言うのも、空気式形成層の縁部切り揃えからの切り屑は吸引ボックスからの排出物と一緒に上記形成器ヘッドへと戻され得るからである。
【0023】
空気形成式繊維層の形成の後で該層は引き続く搬送ワイヤ上に布置されるが、該布置は多層布地の形成のために、既に配備された層上への布置により、または、既に配備された層がその後に配備されるべく、または、その後にその層上に層が配備されるべく、または、それらの組み合わせを実施して行われる。上記空気式形成層が組み合わされる各層は、それらが浸透性であるか否かに関わらずに任意の形式とされ得る。故に、フィルム、組織、不織などにより形成された層が使用され得る。上記の更なる単一もしくは複数の層は湿潤されて又は事前接着されて提供されることも可能である。
【0024】
上記多層布地から一定の製品を形成する場合、湿潤すると共に事前スパンレースされた層上に空気形成式繊維層を布置することが好適であり得る。その場合にはパルプ繊維が液体を吸収することから、繊維のサイズを増大することが可能となる。このプロセスは好適であり得る、と言うのも、これによれば、形成された多層布地を引き続きスパンレースすることによりパルプ繊維の洗い流し量が減少され得るからである。パルプ繊維は通常は、セルロース繊維から形成される。但しパルプ繊維は、サーマルボンドされた繊維などの合成繊維も含み得る。故に、サーマルボンド繊維、または、加熱に委ねることで影響される特性を有する他の種類の繊維が提供されるなら、一台以上の形成器ヘッドからの空気形成式繊維層は加熱炉を介して加熱処理され得る。空気式形成層がコンベアワイヤへと転送される前における引き続く圧縮の前に、該空気形成式繊維層を加湿することも可能である。
【0025】
故に本発明に係るシステムに依れば、操業コストを削減すると同時に、当該装置の効率を低下させるリスクなしで相当に多様な製品を形成する装置を用いるという新たな融通性を達成することが可能となる。
【0026】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記空気形成式繊維層が他の単一もしくは複数の層と結合される前に、可能的には先行する加湿の後で、該空気形成式繊維層は圧縮されるという点において特有である。これにより、引き続く処理により繊維層を取り扱うことが更に容易となる。更に上記圧縮処理は、上記繊維ウェブに対して所望特性を付与するためにも使用され得る。
【0027】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記空気形成式繊維層は上記別体的な形成器ワイヤから吸引されると共に、製造プロセスの始動/作動停止時に上記形成器ヘッドへと戻されるという点において特有である。廃棄物は更に減少される、と言うのも、縁部切り揃えからの切り屑だけでなく、製造プロセスの慣らし運転および減速の間に空気式に形成された材料も再使用されるからである。
【0028】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記形成器ワイヤ上で少なくとも二重層の布地を形成するために該形成器ワイヤ上に浸透性材料の少なくとも一枚のウェブが布置されるという点において特有である。これにより、形成器ワイヤ上では二重層布地が形成され得る。上記形成器ワイヤの搬送方向で見て、該形成器ヘッドの前または後には、付加的なウェブが選択的に布置され得る。
【0029】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記空気形成式繊維層は上記形成器ワイヤの上側延在部の上側部にて形成され、且つ、少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡されるという点において特有である。これにより、形成器ワイヤに接触していた側面を他のウェブおよびコンベアワイヤから離間する外方に向け乍ら空気形成式繊維層が布置されるべく布地が製造される簡素な方法が達成される。
【0030】
更なる実施例に依れば上記方法は、上記コンベアワイヤ上で結合された個々の層は、たとえば水流交絡、スパンボンド、サーマルボンドまたはカレンダ加工を含む適切な次続プロセスにより一体化されるという点において特有である。故に、個々の層の特性と比較して且つ最終製品の所望特性と比較して最適である方法により、布地の全体または一部の概略的な一体化を実施し得る。
【0031】
更なる実施例に依れば上記方法は、個々の層が上記コンベアワイヤ上で結合される前に、該個々の層の夫々の縁部切り揃えが実施されるという点において特有である。これにより、全ての層に対する材料/繊維の廃棄物は減少される、と言うのも、個々の縁部切り揃えの各々からの切り屑は、他の層からの材料/繊維と一緒に混合されることなく再循環のために戻されるからである。
【0032】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記別体的な形成器ワイヤ上の上記エアレイ・ユニットの直後には、圧縮ユニットおよび選択的には加湿ユニットも配備されるという点において特有である。この装置に依れば、空気形成式繊維層がその層または他の層と結び付けられる前に該空気形成式繊維層を圧縮することが可能となる。
【0033】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記別体的な形成器ワイヤにては吸引ユニットが配備され、且つ、其処からの吐出口は上記形成器ヘッドに対して接続されるという点において特有である。上記吸引ユニットは好適には、上記形成器ヘッドにより布置されたウェブの幅の全体に亙り延在する。それは、上記幅の各部のみを覆う複数の区画へと分割され得る。上記吸引ユニットは、全ての繊維を上記形成器ヘッドに戻すことにより材料を節約するために、上記装置の始動および停止の間に該繊維を吸引すべく使用され得る。
【0034】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記形成器ヘッドに関し、上記別体的な形成器ワイヤ上にウェブを布置するために巻出しユニットが配備されることから、上記形成器ワイヤ上には少なくとも二重層の布地が形成されるという点において特有である。故に、コンベアワイヤへの転送の前に上記形成器ワイヤ上で多層布地が形成される様に上記装置を適合させることが可能である。これにより上記装置は更に融通性が高くなると共に、広範囲な製品を作成すべく使用され得る。
【0035】
更なる実施例に依れば上記装置は、上記形成器ヘッドは上記空気形成式繊維層の形成に使用され、上記形成器ワイヤの上記上側延在部の上側部には少なくとも一個の形成器ヘッドが配設され、且つ、少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡される様に、上記形成器ワイヤの上下の延在部間には真空ボックスが配備されるという点において特有である。これにより上記装置は、形成器ワイヤに接触していた側面を他のウェブおよびコンベアワイヤから離間する外方に向け乍ら空気形成式繊維層が布置されるべく布地を製造するために使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
次に本発明は、添付の概略図面を参照して更に詳細に説明される。
以下において、異なる図において反復される同一のまたは対応する要素は同一の参照番号で表される。故に、単一の構造的特徴の各々に対する説明は、各図に関しては提供されない。代わりに、本発明に係る装置に対する種々の実施例が相互から異なる点に対して説明が与えられる。
【0037】
図1は、多層布地を形成する典型的な先行技術の設備を示している。該設備は、典型的には長さが30〜60mmの合成繊維であるカーディング済み繊維のウェブを布置する第1カード2を備えている。カード2の後には、所定数のウォータジェット・ユニット4を有するスパンレース・ユニット3が載置される。スパンレース・ユニット3は、形成されたカーディング層が水流交絡の間において搬送されるというコンベアワイヤ5を含んでいる。次に、形成されたカーディング層における水分を蒸発させる乾燥ユニット6が配備される。該乾燥ユニットは、形成されたカーディング層を搬送するのに使用されるコンベアワイヤ7を含んでいる。
【0038】
乾燥ユニット6の後にはカレンダ8が在る。カレンダ8は概略的に、スパンレースおよび乾燥ユニット6に対する代替策として使用可能であり、形成済み層における繊維の高温接着とカレンダ加工も同時に達成する。上記層は次に形成器ワイヤ9へと移動され、其処には、複数の吸引ボックス12に対向して配備された形成器ヘッド11を含むエアレイ・ユニット10が配備される。吸引ボックス12間においてはコンベア・ベルト9が移動される。矢印13は、コンベア・ベルト9の搬送方向を表す。
【0039】
エアレイ・ユニット10の後には、カード2により布置されたカーディング層に実質的に対応する更なるカーディング層を布置するための更なるカード14が配備される。これにより三層製品が形成され、該製品は引き続き更なるスパンレース・ユニット15へと搬送され、其処では、形成された多層布地1をウォータジェット・システム16の使用により一体化する目的で水流交絡が行われる。水流交絡済み布地は次に、完成された多層布地のロール19を形成するために最後に巻取りユニット18へと移動されるために更なる乾燥器17を通される。
【0040】
以下においては、本発明に係る装置の種々の実施例に対する説明が与えられる。
【0041】
図2には、形成器ヘッド11と吸引ボックス12とを含むエアレイ・ユニット10が形成器ワイヤ20に関係付けられて配備されるという実施例が見られる。形成器ワイヤ20の下側には、コンベアワイヤ21が配備される。コンベアワイヤ21の上側延在部23の下側には、吸引ボックス22が配備される。エアレイ・ユニット10は、戻り延在部25を介して縁部切り揃えによる切り屑を形成器ヘッド11まで戻す縁部切り揃え手段24を含む。対応して、吸引ボックス12から形成器ヘッド11までの戻り延在部26が在る。
【0042】
形成器ワイヤ20と関係付けられてエアレイ・ユニット10の直後には、加湿手段27および圧縮ユニット28が配備される。更に形成器ワイヤ20においては、プロセスの始動時および停止時に繊維を吸引して戻すために、戻り延在部30を介して形成器ヘッド11に接続された吸引ユニット29が配備される。
【0043】
示された実施例においては更に、形成器ヘッド11の前方の位置において形成器ワイヤ20上へと層32を巻出す巻出しユニット31が配備される。形成器ワイヤ20は矢印33に係る搬送方向を有することを銘記されたい。巻出しユニット31は選択的であり、省略してもよい。代替的に、巻出しユニット31は形成器ヘッド11の後に配設され得る。
【0044】
更なる代替実施例に依れば、複数の巻出器31が形成器ヘッド11の前および後に夫々配備され得る。また、形成器ワイヤ20の上側延在部34の上方に数台の順次的な形成器ヘッド11を配備することも可能である。斯かる状況においては、形成器ヘッドの各々が、それらの別体的な縁部切り揃え手段24に関係付けられた別体的な複数のエアレイ・ユニット10の一部を構成することが好ましい。
【0045】
形成器ワイヤ20からの空気形成式繊維層は、下方へと、且つ、該形成器ワイヤ20の下側延在部35に沿って受け渡される。空気形成式繊維層は此処で、巻出しユニット37から到来する層36と接合される。層36は異なる様式で形成可能であり、たとえばそれは、カーディング、メルト・ブロー、スパンブロー、エアブローで形成可能であり、または、該層は不浸透性のフィルムとされ得る。層36は接着ステーション38に受け渡され、其処では、層36を空気形成式繊維層と一体的に接着すべく接着剤が適用される。
【0046】
コンベアワイヤ21に関し、吹き付けボックス39が配備される。これは、ウェブ36が不浸透性材料で作成されるならば、空気形成式繊維層を該ウェブ36上に押圧すべく用いられる。
【0047】
コンベアワイヤ21に関しては更なる巻出器40が示され、該巻出器20からは、不織材料、フィルムなどの更なる層43が巻出され得る。これに関係付けられて、巻出ステーション40から巻出された該更なる層43上に接着剤42を付加する第2接着ステーション41も配備される。巻出ステーション40に対する代替策として、此処では層43を形成するカードも使用され得る。接着された多層布地1は次に、乾燥ユニットすなわち加熱炉44または代替的にカレンダ45を通され、その後にそれは、多層布地1のロール47を形成するための巻取りユニット46へと移動される。
【0048】
製造プロセスを開始する場合、第1層36の巻出しにより開始されると同時に、エアレイ・ユニット10が始動される。開始時には、空気式に形成された繊維の制御可能な層が現れるまで、慣らし運転が行われる。故に吸引ユニット29は、繊維が形成器ヘッド11まで戻される様に始動される。上記設備が始動され且つ制御された層が布置されたとき、吸引ユニット29は作動停止されると共に、多層ユニット10の作成が開始される。もしエアレイ・ユニット10と一緒に複数のカーディング・ユニットが使用されるなら、制御された様式でカーディング層が布置されるまで、カーディングを開始して繊維を戻しても良い。カーディング・ユニットおよびエアレイ・ユニットにおいて満足できる層形成が確立されたとき、吸引ユニットが停止されて多層布地の形成が開始される。
【0049】
先行技術の設備においてはカーディング・ユニットの各々の吐出口に、戻り延在部が配置される。またカーディング・ユニットが適切に始動されて制御された層を形成するまで、全ての繊維が戻される。カーディング層に対する繊維の斯かる戻しは、本発明に係る装置が一部を構成するという設備においても可能である。
【0050】
形成され得る製品は、たとえば、両方の外側部の夫々における2つの不織層と、それらの間において空気式に形成された吸収繊維で形成された層とから成る湿式ワイプとされ得る。この空気形成式繊維層は、複合繊維、単成分繊維、セルロース繊維、または、それらの可能的組み合わせを含み得る。
【0051】
頂部層として作用し得るフィルムとしてのひとつの層を作成することも可能であり、その場合に第2層は不織材料である一方、中央層は吸収芯とされ得る。故に、外部フィルム層と、不織材料と、吸収用の中心芯材とを備える失禁用製品もしくは他の吸収性製品を形成するために、その後に穿孔され得る多層布地を形成することが可能である。
【0052】
図3に示された実施例は基本的に、図2に示された装置の実施例と基本的に対応する。複合繊維を含む空気形成式繊維層が作成されるとき、これら繊維は、カレンダ48および/または加熱炉49と、引き続くカレンダ50とを通過され得る。これにより、コンベア・ベルト21上に布置される前に、空気式に接着されかつカレンダ加工された層を提供できる。故に図3に示された装置の実施例は、空気形成式繊維層が熱的に形成された生成物であって加熱炉内で接着かつカレンダ加工されて最終的には冷却されてからコンベアワイヤ21上の層36上へと布置されるという生成物である場合に製品を作成するのに適している。
【0053】
図3に示された実施例においては巻出しユニット37および40に対する代替策として、スパンレースあり又はなしでのカーディング・ユニットと、これもまたウォータジェットによる水流交絡あり又はなしとされ得るメルト・ブロー、スパンボンドまたは他の繊維布置方法により形成された布地とが使用されても良い。
【0054】
この実施例においては、形成器ヘッド10において異なる繊維の組み合わせも使用され得る。故に供給物は、パルプ/セルロース、複合繊維、スプリット繊維、カール繊維(curled fiber)、熱可塑性繊維、または、エアレイ・プロセスにより使用される他の繊維を含み得る。
【0055】
図4は、本発明に係る装置の第3実施例を示している。これは、エアレイ・ユニット10の前後における第1カーディング・ユニット2および更なるカーディング・ユニット14の配備により、図3に示された上記装置を更に発展させたものと言える。これらの更なるカーディング・ユニット2、14は、図1に示されたカーディング・ユニットに匹敵し得る。
【0056】
この実施例においては、カーディング・ユニット2の前およびカーディング・ユニット14の後に、更なる巻出しユニット51、52が夫々配備されている。更に、2台のカーディング・ユニット2、14の各々の後には、真空ローラ53および54が夫々配備されている。故に、コンベア・ベルト21上で形成された多層布地は、それがスパンレース・ユニット15に到来するまで乾燥される。巻出しユニット37からの層は選択的に、空気形成式繊維層との接着のために圧縮器48を通されるか、または、カレンダ48を通らずにコンベア・ベルト上へと直接的に受け渡され得る。
【0057】
故に、この装置に依れば予備スパンボンドされない多層製品1が形成される、と言うのも、空気式形成層はカーディング・ユニット2からの柔軟な積層物上に布置されると共に、カーディング・ユニット14からは同様に柔軟な積層物が布置されるからである。
【0058】
第1に、スパンレース・ユニット15において実施されたスパンレースにより各層の一体化が行われる。次に、多層布地は乾燥されて巻き取られる。
【0059】
多層製品を形成すべく全ての巻出器、カーディング・ユニットおよび空気形成式ユニットを使用するか、または代替的に、たとえば二層、三層、四層、五層もしくは六層の製品を形成するために層形成ユニットの内の幾台かのみが使用され得る。
【0060】
複合繊維を含む不織層に対しては、巻出器37からの層を代替的に案内してもよい。斯かる層は好適には、該層が、エアレイ・ユニット10から到来する空気形成式繊維層上へと積層される様にカレンダ48を通過すべく巻出され得る。これにより、上記不織層と上記空気形成式繊維層との間の接着が確立される。空気式形成層がコンベア・ベルト21上へと布置される前に積層もしくは接着が確立されるという所謂るカレンダ加工接着(calendering bonding)を実施することが可能になる。故に、巻出しユニット37および巻出しユニット31を用いることにより、三層を備える製品を形成器ワイヤ20上に形成することが可能である。
【0061】
更に、カーディング・ユニット2は、繊維が戻り延在部56を介して該カーディング・ユニットへと戻る様に、縁部切り揃えを行う手段55を備えることを銘記されたい。同一様式でカーディング・ユニット14は、繊維が戻り延在部58を介して該カーディング・ユニット14へと戻る様に、縁部切り揃えを行う手段57を備える。
【0062】
完全を期すために、上記カーディング・ユニットに対する代替策として、メルト・ブロー、スパンボンド、または、他のウェブ形成方法のためのユニットが適用され得ることを銘記されたい。
【0063】
個々の層形成ユニットの各々に対しては、繊維を戻すことにより材料を節約することができる個別の縁部切り揃え手段が配備され得る。
【0064】
図5に係る実施例は基本的に、図4に示された実施例に対応する。該実施例は、カーディング・ユニット2の後にスパンレース・ユニット3およびカレンダ59が配備されるという点で異なる。このことは、形成済み層に対して水流交絡またはカレンダ加工のためにのみカレンダ59またはスパンレース・ユニット3のいずれかを使用し得ることを意味する。
【0065】
この装置によれば湿潤層が形成されることから、空気形成式繊維層を湿潤層上に布置することが可能になる。先に言及された如く、該装置は空気式形成層からの繊維が該装置により増加されるという利点を有することから、完成した多層布地の巻き取りの前に、引き続くスパンレースにおいて短繊維が持ち越されるリスクが無い。
【0066】
図6は、図5に示された上記装置に基本的に対応する装置の第5実施例を示している。唯一の相違点は、最後の乾燥器17の後にカレンダ60を配設したことである。斯かる装置によれば、多層布地1に対してエンボス・カレンダ加工を提供すること、または、該多層布地を相当に薄寸にすることが可能となる。
【0067】
図7は、2つの順次的なコンベアワイヤ21’および21”の形態でコンベアワイヤが配備されるという上記装置の第6実施例を示している。空気式形成層は、カーディング・ユニット2からの先行形成済み層と共にエンボス加工器61を通される。布地は乾燥して生成される共に、最初はスパンレース・ユニット15において各層の完全な一体化が行われる。基本的にこれは、図4に示された原理に対応する。
【0068】
図8は、コンベアワイヤが形成器ワイヤ62として配備された第7実施例を示している。エアレイ・ユニット10からの空気形成式繊維層が形成器ワイヤ62上へと移動される前に、先行する一台以上のエアレイ・ユニット63を用いて層が形成される。該ユニットの各々は、形成器ヘッド64および吸引ボックス65を含んでいる。これらのエアレイ・ユニット63の後には圧縮ユニット66および縁部切り揃え手段67が配備され、該縁部切り揃え手段は、縁部切り揃え手段からの切り屑を戻り延在部68を介して形成器ヘッド64へと戻している。
【0069】
この装置によれば、高密度層が達成される様に、単一の第1層または2つの第1層が形成されて圧縮されるという製品を作成できる。但し、エアレイ・ユニット10により形成される第3層は低密度層とされ得る。斯かる製品は、夫々の形成器ヘッド64からのセルロースおよび複合繊維および高吸収材と共に生成され得る。該繊維材料は非常に強力に圧縮され、次に該繊維材料に対しては、エアレイ・ユニット10からの液体分散層であって比較的に厚寸で開放構造を有する合成繊維および複合繊維から成る液体分散層が配備される。すなわち該製品によれば、表面が常に乾いて感じられる様に、たとえば最外側層の頂部側に到来する液体は非常に迅速に上記液体分散層を通して吸収芯内へと浸透する。
【0070】
上記製品の製造によれば、接着は種々の様式で実施され得る。図8には、引き続き加熱炉71において乾燥されるラテックス70を塗布する噴霧ユニット69が示される。但し、製造プロセスにおいて使用される繊維に依存して、サーマルボンド・プロセス、または、ラテックスとサーマルボンドとの組み合わせも使用され得る。
【0071】
エアレイ・ユニット63に対する代替策として、スパンボンド、メルト・ブローまたはカーディングのためのシステムが使用され得る。
【0072】
図9は、基本的に図8に対応する。但し、此処では先行実施例から既知の巻出しユニット31および37が付加される。同様に此処では、形成器ワイヤ62と引き続くコンベア・ベルト72との間の位置において、図7に示されたエンボス加工器に対応するエンボス加工器61が配備される。此処では、たとえばエンボス加工器61を通されるときに布地の下側にて積層される不織層74を巻出すべく使用され得る、更なる巻出しユニット73が示される。故に、製品における異なる組み合わせの層を形成することが可能となる。たとえば、両側における不織層と、空気式形成層により形成された吸収芯の形状の中央層とを備えた三層製品を形成し得る。
【0073】
図10は、湿式積層プロセスに基づく第9実施例を示している。此処では、0.5〜5%繊維の溶液が得られる様に繊維が水中に懸濁されたヘッド・ボックス75が用いられる。これは吐出口76を介して形成器ワイヤ77上へと送出され、其処には、湿式形成された層から水分を除去する一連の吸引ボックス78が配備される。エアレイ・ユニット10は、形成器ワイヤ20が図10において右方向へと進行する上側延在部を有するように形成器ワイヤ77の上方に配設される。空気形成式繊維層は形成器ワイヤ20の頂部側にて、吹き付けボックス80が載置された領域79へと移動される。吹き付けボックス80は空気形成式繊維層からの繊維を、形成器ワイヤ77上の湿式形成層の頂部側へと吹き付ける。その頂部側において形成器ワイヤ77は、縁部切り揃えを行う縁部切り揃え手段81を備えており、この縁部切り揃え手段81は戻り延在部82を介して繊維をヘッド・ボックス75へと戻し搬送する。上記形成器ワイヤから、多層布地1は更に矢印83に従い、引き続くプレス加工ステーションおよび乾燥器へと搬送される。
【0074】
図10に示された設備によれば、たとえば1,500m/分までの非常に高速で進行する湿式積層プロセスを用いることができる。これにより、形成器ワイヤ77の頂部側にて繊維の量を制御することが可能になる。故に、空気形成式繊維層が形成される形成器ワイヤ20をそれほど迅速に作動させる必要はない。たとえば、形成器ワイヤ20上には50g/m2で布置され得ると共に、形成器ワイヤ20および77の間における速度差の相対計算からは、湿潤繊維層に対して更に多量もしくは少量の乾燥繊維を付加することができる。
【0075】
吸引ボックス78は、乾燥繊維を再び湿潤繊維層に対して吸引すべく使用される。この装置によれば、乾燥繊維の濃度を高めることにより、繊維ウェブが形成器ワイヤ77を離脱するときに該ウェブの相対湿度を減少することが可能となる。
【0076】
繊維ウェブが引き続くプレス加工区画または乾燥区画へと搬送される前に、乾燥繊維の濃度を高めることは好適であり得る。代替的に、合成繊維を繊維層に付加するために上記装置を使用することも可能である。ヘッド・ボックスにおける繊維混合物に対して合成繊維を付加することが困難なこともあり得る。
【0077】
実験によると湿式積層プロセスでは、湿潤繊維層において約50%の乾燥物含有量が達成されるまで真空吸引を実施することでエネルギが最適に節約される。エネルギ節約の理由により、乾燥/プレス加工はその後に使用されるべきである。上記に配備された形成器ワイヤ20の区画79から乾燥繊維が吹き付けられる直前において形成器ワイヤ77にて約50%の乾燥物含有量が達成されるなら、湿潤繊維ウェブがプレス加工ステーションおよび水分蒸発へと導かれる前に乾燥繊維を付加して乾燥繊維濃度を60〜70%へと高めることが可能である。すると、上記プロセスに対してエネルギを最適化することが可能となる、と言うのも、上記設備で生成されるキロ数に関して水分蒸発のために使用されるエネルギが少ないからである。
【0078】
図11は、メルト・ブロー/スパンボンド・ユニット84を含む第10実施例を示している。メルト・ブロー/スパンボンド・ユニット84は、メルト・ブロー形成器ワイヤ86上に直接的に布置される繊維を形成する所定数のノズルを含む押出し成形ヘッドに基本的に対応するメルト・ブロー・ユニット85を含む。メルト・ブロー/スパンボンド・ユニット84は更に、メルト・ブロー・ヘッド85に対向して配設された吸引ボックス87を含み、それらの間には形成器ワイヤ86が在る。図11に示された上記装置は、図10に示された如く設計された形成器ワイヤ20をさらに含んでいる。形成器ワイヤ20は、メルト・ブロー・ヘッド85から溶融形態で出てくる繊維へと繊維を吹き付ける吹き付けボックス80が配備される区画79を有する形成器ワイヤである。
【0079】
実施に際しては、形成器ワイヤ20上に形成された空気形成式繊維層からの繊維は、メルト・ブロー・ヘッド85からの繊維が溶融状態である限りにおいて該繊維に対して接着され得る。形成器ワイヤ86は形成された繊維製品を縁部切り揃え手段88を通して移動させる。縁部切り揃え手段88は、切り取られた縁部を除去して再循環に向けて搬送する吐出口89に接続されている。
【0080】
次に、形成された多層製品は、たとえば図11に示された如きカレンダ90などの仕上げ処理ユニットへと搬送される。
【0081】
図10に関しても説明される如く速度差に基づいて適量供与を実施することが可能である様に、空気形成式繊維層を形成する形成器ワイヤ20上の速度およびメルト・ブロー層を形成する形成器ワイヤ76上の速度は異なり得ることを銘記されたい。
【0082】
上記で説明された実施例の全てに共通して、空気形成式繊維層は通常はセルロース繊維を含むが、一定の実施例に関してそうである様に、数種類の繊維および可能的には高吸収材も組み合わせることで空気形成式繊維層を形成し得ることを銘記されたい。全ての実施例に共通なのは、所望の種々の差を以て繊維を布置するためにエアレイ・ユニット10を備えた特定の形成器ワイヤ20である。更に、形成器ワイヤ29に関係付けられた吸引ユニット29は本発明における重要な要素である。故に、単一もしくは複数のウェブがプロセスで継続される前に、縁部切り揃えからの全ての切り屑、および、全ての廃棄されたもしくは誤って配設された全ての層を除去することが可能である。すなわちエアレイ・プロセスは別体的に実施されることから、吸引ボックスおよび吸引ユニット29からの繊維は吸引ヘッド11へと戻されてプロセスで再使用され得る。
【0083】
これは、上記プロセスの開始および停止のみによる利点ではなく、緊急作動停止の場合における利点でもある。製造プロセスの間において何らかの不調が生じたなら、空気形成式繊維層を可及的に迅速に除去することが重要である。さもなければ、プロセスの後時において層が紛失するという状況が生じ得る。これは、スパンレース・システムにおいて、カーディング済み布地の層と一緒に純粋なセルロース繊維が出現し得ることを意味する。もしそうであれば設備が閉塞される大きなリスクが在り、引き続く洗浄のために8〜10時間までの機能停止を伴い得る。
【0084】
本発明による相当な利点は更に、既に形成された層上に布置される空気形成式繊維層は、上記形成された層が湿潤しているか乾燥しているか或いは粘着性であるか、または、それが浸透性であるか否かに関する要件を一切課さないということである。故に、先行して形成された層の特性に関わらず、上述された如く一体的な多層布地1を引き続き形成するために繊維を不浸透層に接触させ得る吹き付けボックスを使用することにより、空気形成式繊維層を任意の先行形成基材上に布置することが可能である。
【0085】
更に、先行して形成された層が湿潤している場合には、本発明による特別の利点が在ることも銘記されたい。そうである場合、たとえばカーディング層などの湿潤層上にセルロース繊維が布置される。これが行われる場合、2つの層に亙り一定の圧力差が生ずる。故に、セルロース繊維層とカーディング済み層/底部層との間には部分的な干渉が生ずる。
【0086】
しかし、先行技術により形成された形成済み製品は、底部層と各空気形成式繊維層とが混合されるのみであり、真の層状化は行われない。これは少なくとも、2つの層間の境界領域に当てはまる。この混合が生ずるのは、空気形成式繊維層を底部層上に布置する前にカーディング済み布地を乾燥させる必要があるためである。これは本発明に依れば必要でなく、且つ、空気形成式繊維層からのセルロース繊維は湿潤した底部層/カーディング済み層上に位置する。
【0087】
これにより、セルロース繊維の体積は増加される、と言うのも、セルロース繊維の細胞が水分で充填されるからである。これは明確な分離が行われることを意味し、底部層/カーディング層と、セルロース繊維が配設された空気形成式繊維層とにおいて、異なる特性による更に明確な層状化が提供される。故に、形成された2つの層の上に第3層を引き続き載置することにより、最も中心の層が両外側層の一方との部分的混合物ではなく中央層として形成されるという第3層が提供され得る。これは更に、引き続くスパンレース・ユニットにおける繊維損失が少ないことを意味する。
【0088】
繊維の損失を回避するために、先行技術によると、可及的に長寸の繊維と、可及的にニト(nit)が少ない繊維とを選択することが一般的であった。これは、繊維供給に対して特別の要件が課されることを意味する。湿潤ウェブ上に繊維層が形成される場合、本発明に係る方法では斯かる要件は必要でない。
【0089】
故に、引き続くスパンレースにより生ずる繊維の損失が減少され、好適な材料節約に寄与する。スパンレースと組み合わされた従来のプロセスにおいては、5%〜8%の繊維損失が生じ得る。本発明を使用することにより、この損失を1/3以上減少し得ることに加え、別体的な形成器ワイヤ上でのエアレイ・プロセスにより繊維損失が減少される可能性がある。
【0090】
典型的なセルロース損失は、洗い流されるセルロース繊維の損失である。洗い流されたこれらのセルロース繊維は通常は水洗設備に至り、其処では、セルロース繊維を沈殿させるために該セルロース繊維を凝集させるべく化学物質を添加する必要がある。次に上記繊維は、たとえばフィルタに押圧して除去され得る。この物質は、通常は埋蔵されるべき廃棄物である。
【0091】
故に本発明は、製造プロセスにおける直接的な経済的節約により好適であるだけでなく、製造プロセスからの廃棄物の処理に対するコスト削減による経済的利益も提供する。
【0092】
上記にては示されなくても、上記装置、および、該装置が一部を構成する上記設備は、動作条件を監視し得る監視手段であって層形成ユニットおよび縁部切り揃え手段および吸引手段の自動制御のために斯かる監視の結果を使用するという監視手段を備えている。但し当業者であれば、本発明の本記述に鑑みて斯かる制御および監視システムを設計し得よう。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】多層布地を作成する上でカーディング、エアレイおよびスパンレースの組み合わせが使用されるという先行技術に係る典型的な設備の要素的概略図である。
【図2】本発明に係る装置の第1実施例の要素的概略図である。
【図3】本発明に係る装置の第2実施例の要素的概略図である。
【図4】本発明に係る装置の第3実施例の要素的概略図である。
【図5】本発明に係る装置の第4実施例の要素的概略図である。
【図6】本発明に係る装置の第5実施例の要素的概略図である。
【図7】本発明に係る装置の第6実施例の要素的概略図である。
【図8】本発明に係る装置の第7実施例の要素的概略図である。
【図9】本発明に係る装置の第8実施例の要素的概略図である。
【図10】本発明に係る装置の第9実施例の要素的概略図である。
【図11】本発明に係る装置の第10実施例の要素的概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアレイにより形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの異なる技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する方法であって、空気式形成は形成器ヘッドに対向して配設された吸引ボックスを介して真空が付与されるという別体的な形成器ワイヤ上で実施され、且つ、空気形成式繊維層は付加的層との接着のためにコンベアワイヤへと転送されるという多層布地の製造方法において、
上記空気式形成層が上記多層布地の形成のために一枚以上の他の層と接着される前に、少なくとも該空気式形成層上で縁部切り揃えが実施され、
縁部切り揃えからの切り屑および上記吸引ボックスからの排出物は上記形成器ヘッドへと戻されることを特徴とする、多層布地の製造方法。
【請求項2】
前記空気形成式繊維層が他の単一もしくは複数の層と結合される前に、可能的には先行する加湿の後で、該空気形成式繊維層は圧縮されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記空気形成式繊維層は前記別体的な形成器ワイヤから吸引されると共に、製造プロセスの始動/停止時に前記形成器ヘッドへと戻されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記形成器ワイヤ上で少なくとも二重層の布地を形成するために、浸透性材料の少なくとも一枚のウェブが前記形成器ワイヤ上に布置されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記空気形成式繊維層は前記形成器ワイヤの上側延在部の上側部にて形成され、且つ、
少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コンベアワイヤ上で結合された個々の層は、たとえば水流交絡、スパンボンド、サーマルボンドまたはカレンダ加工を含む適切な次続プロセスにより一体化されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
個々の層が前記コンベアワイヤ上で結合される前に、該個々の層の夫々の縁部切り揃えが実施されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
エアレイにより形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの種々の技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する装置であって、形成器ヘッドと吸引ボックスとを含むエアレイ・ユニットが別体的な形成器ワイヤに対して関係付けられ、該装置はコンベアワイヤを含み、該コンベアワイヤにおいては、数台の層形成ユニットが関係付けられたときに複数の層が上記空気形成式繊維層に組み合わされるという多層布地の製造装置において、
上記エアレイ・ユニットは上記別体的な形成器ワイヤ上で形成された上記空気形成式繊維層の縁部切り揃えを行う手段を含んでおり、
上記吸引ボックスからの吐出口および縁部切り揃えからの切り屑を収集する手段は繊維を戻すために上記形成器ヘッドに接続されることを特徴とする、多層布地の製造装置。
【請求項9】
前記別体的な形成器ワイヤ上の前記エアレイ・ユニットの直後には、圧縮ユニットおよび選択的には加湿ユニットも配備されることを特徴とする、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記別体的な形成器ワイヤにては吸引ユニットが配備され、且つ、
其処からの吐出口は前記形成器ヘッドに対して接続されることを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記形成器ヘッドに関し、前記別体的な形成器ワイヤ上にウェブを布置するために巻出しユニットが配備されることから、上記形成器ワイヤ上には少なくとも二重層の布地が形成されることを特徴とする、請求項8、9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記形成器ヘッドは前記空気形成式繊維層の形成に使用され、
前記形成器ワイヤの前記上側延在部の上側部には少なくとも一個の形成器ヘッドが配設され、且つ、
少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡される様に、上記形成器ワイヤの上下の延在部の間には真空ボックスが配備されることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項1】
エアレイにより形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの異なる技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する方法であって、空気式形成は形成器ヘッドに対向して配設された吸引ボックスを介して真空が付与されるという別体的な形成器ワイヤ上で実施され、且つ、空気形成式繊維層は付加的層との接着のためにコンベアワイヤへと転送されるという多層布地の製造方法において、
上記空気式形成層が上記多層布地の形成のために一枚以上の他の層と接着される前に、少なくとも該空気式形成層上で縁部切り揃えが実施され、
縁部切り揃えからの切り屑および上記吸引ボックスからの排出物は上記形成器ヘッドへと戻されることを特徴とする、多層布地の製造方法。
【請求項2】
前記空気形成式繊維層が他の単一もしくは複数の層と結合される前に、可能的には先行する加湿の後で、該空気形成式繊維層は圧縮されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記空気形成式繊維層は前記別体的な形成器ワイヤから吸引されると共に、製造プロセスの始動/停止時に前記形成器ヘッドへと戻されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記形成器ワイヤ上で少なくとも二重層の布地を形成するために、浸透性材料の少なくとも一枚のウェブが前記形成器ワイヤ上に布置されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記空気形成式繊維層は前記形成器ワイヤの上側延在部の上側部にて形成され、且つ、
少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コンベアワイヤ上で結合された個々の層は、たとえば水流交絡、スパンボンド、サーマルボンドまたはカレンダ加工を含む適切な次続プロセスにより一体化されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
個々の層が前記コンベアワイヤ上で結合される前に、該個々の層の夫々の縁部切り揃えが実施されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
エアレイにより形成された少なくとも一枚の繊維層であって、たとえばカーディング、スパンレース、メルト・ブロー、スパンボンド、エアレイなどの種々の技術により形成された少なくとも一枚の更なる層と組み合わされ、または、一枚以上のフィルムと組み合わされた少なくとも一枚の繊維層を含む多層布地を製造する装置であって、形成器ヘッドと吸引ボックスとを含むエアレイ・ユニットが別体的な形成器ワイヤに対して関係付けられ、該装置はコンベアワイヤを含み、該コンベアワイヤにおいては、数台の層形成ユニットが関係付けられたときに複数の層が上記空気形成式繊維層に組み合わされるという多層布地の製造装置において、
上記エアレイ・ユニットは上記別体的な形成器ワイヤ上で形成された上記空気形成式繊維層の縁部切り揃えを行う手段を含んでおり、
上記吸引ボックスからの吐出口および縁部切り揃えからの切り屑を収集する手段は繊維を戻すために上記形成器ヘッドに接続されることを特徴とする、多層布地の製造装置。
【請求項9】
前記別体的な形成器ワイヤ上の前記エアレイ・ユニットの直後には、圧縮ユニットおよび選択的には加湿ユニットも配備されることを特徴とする、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記別体的な形成器ワイヤにては吸引ユニットが配備され、且つ、
其処からの吐出口は前記形成器ヘッドに対して接続されることを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記形成器ヘッドに関し、前記別体的な形成器ワイヤ上にウェブを布置するために巻出しユニットが配備されることから、上記形成器ワイヤ上には少なくとも二重層の布地が形成されることを特徴とする、請求項8、9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記形成器ヘッドは前記空気形成式繊維層の形成に使用され、
前記形成器ワイヤの前記上側延在部の上側部には少なくとも一個の形成器ヘッドが配設され、且つ、
少なくとも二つの層を備えた布地を形成するために、引き続くコンベアワイヤ上へと少なくとも一枚の他のウェブと一体的に布置されるべく、上記繊維層は下方へと且つ上記形成器ワイヤの下側延在部の下側に沿い受け渡される様に、上記形成器ワイヤの上下の延在部の間には真空ボックスが配備されることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−500911(P2008−500911A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513677(P2007−513677)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000379
【国際公開番号】WO2005/118934
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506400605)ダン−ウェブ ホールディング アクティーゼルスカブ (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000379
【国際公開番号】WO2005/118934
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506400605)ダン−ウェブ ホールディング アクティーゼルスカブ (2)
【Fターム(参考)】
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