説明

多層膜反射鏡、EUV露光装置、及び軟X線光学機器

【課題】 SiとMoを含む物質を積層して形成される多層膜の酸化を抑制することが可能な多層膜反射鏡を提供する。
【解決手段】 ガラス基板1の上にMo層11とSi層12が交互に成膜され、最上層のSi層12の表面が水素終端化処理Si13となっている。そのため、最上層のSi層が酸化されにくくなり、コンタミネーションを酸化除去するために酸化剤を流した場合に、反射膜が酸化されて反射率が低下することが抑制される。なお、Si層12の表面の水素終端化処理は、フッ酸処理により行うのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はEUV露光装置、および軟X線顕微鏡、軟X線分析装置などの軟X線光学機器に使用される多層膜反射鏡、及びEUV露光装置、軟X線光学機器に関するものである。なお、本明細書及び特許請求の範囲では、EUV光及び軟X線は同じ意味に用い、光の波長換算で1nm〜100nmの光又はX線を言う。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の微細化に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(11〜14nm)のEUV光を使用した投影リソグラフィ技術が開発されている(例えば、D.Tichenor, et al, SPIE 2437 (1995) 292:非特許得文献1参照)。この技術は、最近ではEUV(Extreme UltraViolet)リソグラフィと呼ばれており、従来の波長190nm程度の光線を用いた光リソグラフィでは実現不可能な、70nm以下の解像力を得られる技術として期待されている。
【0003】
EUV光の波長領域での物質の複素屈折率nは、n=1−δ−ik(iは複素記号)で表わされる。この屈折率の虚部kは極端紫外線の吸収を表す。δは1に比べて非常に小さいため、この領域での屈折率の実部は1に非常に近い。又、kは大きな値となり吸収が非常に大きい。したがって従来のレンズのような透過屈折型の光学素子を使用できず、反射を利用した光学系が使用される。
【0004】
このようなEUV露光装置の概要を図3に示す。EUV光源31から放出されたEUV光32は、照明光学系33に入射し、コリメータミラーとして作用する凹面反射鏡34を介してほぼ平行光束となり、一対のフライアイミラー35aおよび35bからなるオプティカルインテグレータ35に入射する。一対のフライアイミラー35aおよび35bとして、たとえば特開平11−312638号公報(特許文献1)に開示されたフライアイミラーを用いることができる。なお、フライアイミラーのさらに詳細な構成および作用については、特許文献1に詳しく説明されており、かつ、本発明と直接の関係がないので、その説明を省略する。
【0005】
こうして、第2フライアイミラー35bの反射面の近傍、すなわちオプティカルインテグレータ35の射出面の近傍には、所定の形状を有する実質的な面光源が形成される。実質的な面光源からの光は、平面反射鏡36により偏向された後、マスクM上に細長い円弧状の照明領域を形成する(円弧状の照明領域を形成するための開口板は図示を省略している)。照明されたマスクMのパターンからの光は、複数の反射鏡(図3では例示的に6つの反射鏡M1〜M6)からなる投影光学系PLを介して、ウエハW上にマスクパターンの像を形成する。なお、マスクMはマスクステージ、ウエハWはウエハステージに保持され、このマスクステージ、ウエハステージを移動(走査)させることにより、マスクM面のパターン像全体をウエハWに転写するが、マスクステージ、ウエハステージの図示を省略している。
【0006】
このようなEUV露光装置をはじめ、軟X線顕微鏡、軟X線分析装置などの軟X線光学機器に使用される反射鏡としては、基板の上に多層膜を形成し、界面での微弱な反射光を位相を合わせて多数重畳させて高い反射率を得る多層膜反射鏡が一般的に使用されている。
【0007】
13.4nm付近の波長域では、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を交互に積層したMo/Si多層膜を用いると垂直入射で67.5%の反射率を得ることができ、波長11.3nm付近の波長域では、Mo層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be多層膜を用いると垂直入射で70.2%の反射率を得ることができる(例えば、C. Montcalm、「Proceedings of SPIE」、1998年、第3331巻、p.42 :非特許文献2参照)。
【0008】
これら、EUV光や軟X線用の反射鏡は、空気による吸収を防ぐために真空中で使用される。
【0009】
しかしながら、露光装置内は完全な真空にはなっておらず、炭化水素等の有機物系のガス等が常に存在する環境にある。炭化水素を含んだ残留ガスには、真空排気系(真空ポンプ)に用いられるオイルに起因するもの、装置内部の可動部分の潤滑材に起因するもの、装置内部で使用される部品(例えば電気ケーブルの被覆材料など)に起因するものなどがある。
【0010】
EUV露光装置の場合は、フォトレジストを塗布したウエハが装置内部の真空中に導入される。ここにEUV光が照射されると、残留していた溶剤の蒸発やレジストを構成する樹脂の分解脱離などにより、炭化水素を含んだガスが放出される。
【0011】
炭化水素を含んだ残留ガス分子は、多層膜反射鏡の表面に物理吸着する。物理吸着したガス分子は、脱離と吸着を繰り返しており、そのままでは厚く成長することはない。
【0012】
しかし、ここにEUV光が照射されると、反射鏡の基板内部で二次電子が発生し、この二次電子が表面に吸着している炭化水素を含んだガス分子を分解して炭素を析出させる。
【0013】
吸着したガス分子がどんどん分解されて析出していくので、多層膜反射鏡の表面には炭素層が形成され、その厚さはEUV光の照射量に比例して増加していく(K. Boller et al., Nucl. Instr. and Meth. 208 (1983) 273 :非特許文献3参照)。
【0014】
多層膜反射鏡の表面に炭素層が形成されると、反射鏡の反射率が低下してしまうという問題点が発生する。
【0015】
このような炭素層析出による光学素子のコンタミネーションを防止するために、使用雰囲気中に酸素または水蒸気を導入する技術が開発されている。(M. Malinowski et al., Proc. SPIE 4343 (2001) 347 :非特許文献4参照)
この技術によれば、EUV光照射により酸素または水蒸気が分解されて酸素ラジカルが生成される。酸素ラジカルは光学素子表面に物理吸着した炭化水素を含んだガス分子、および表面に析出した炭素層と反応して炭酸ガスとなる。炭酸ガスは気体なので、真空ポンプで排気されて炭素のコンタミネーションは除去される。
【0016】
しかしながら、この方法は酸素ラジカルによる酸化反応を利用しているので、表面に析出した炭素だけでなく多層膜表面も酸化させてしまう。その結果、表面酸化による反射率の低下が無視できなくなる。
【0017】
多層膜の表面酸化を抑制するために、酸素または水蒸気と同時にエタノールを導入する方法が提案されている(H. Meiling et al., abstract of 2nd International Workshop on EUV Lithography, San Francisco (2000) p. 17 :非特許文献5参照)。これは、炭素の析出と酸化による除去とをバランスさせようという試みである。
【0018】
しかしながら、この方法は、原理実験では効果が示されているが、実際の光学系においては、多層膜反射鏡の面内にEUV光強度の分布があり、炭素層の析出速度は一様ではないため、全ての場所で析出速度と酸化除去速度をバランスさせることが困難であり、実用的ではないと考えられる。
【0019】
【特許文献1】特開平11−312638号公報
【非特許文献1】D.Tichenor, et al, SPIE 2437 (1995) 292
【非特許文献2】C. Montcalm、「Proceedings of SPIE」、1998年、第3331巻、p.42
【非特許文献3】K. Boller et al., Nucl. Instr. and Meth. 208 (1983) 273
【非特許文献4】M. Malinowski et al., Proc. SPIE 4343 (2001) 347
【非特許文献5】H. Meiling et al., abstract of 2nd International Workshop on EUV Lithography, San Francisco (2000) p. 17
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
結局、酸化性雰囲気を使用して炭素層析出による光学素子コンタミネーションを除去したり、付着防止することを前提とすると、多層膜表面の酸化を防ぐ対策が必要である。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、SiとMoを含む物質を積層して形成される多層膜の酸化を抑制することが可能な多層膜反射鏡、及びこの多層膜反射鏡を使用したEUV露光装置、及び軟X線光学機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記課題を解決するための第1の手段は、少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類を交互に積層して形成された多層膜、又は、少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類以上の物質を周期的に積層して形成された多層膜であって、最表面がシリコン層である多層膜を有する多層膜反射鏡において、最表面のシリコン層の表面が水素終端化されていることを特徴とする多層膜反射鏡(請求項1)である。
【0022】
本手段においては、多層膜の最表面を構成するシリコン層が水素終端化されている。水素終端化がされたシリコンは酸化されにくいので、これにより反射膜の酸化を抑制することができる。
【0023】
前記課題を解決するための第2の手段は、少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類を交互に積層して形成された多層膜、又は、少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類以上の物質を周期的に積層して形成された多層膜の上に、さらにSiC層を積層して形成された多層膜を有する多層膜反射鏡において、最表面のSiC層が水素終端化されていることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0024】
SiCも水素終端化処理ができ、それにより酸化されにくくすることができるので、SiCを最表面に成膜して水素終端化処理を行うことにより、反射膜の酸化を抑制することができる。
【0025】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、最表面のシリコン層、又はSiC層の水素終端化が、フッ酸処理によりなされたことを特徴とするもの(請求項3)である。
【0026】
本手段においては、シリコン層、又はSiC層の水素終端化が、フッ酸処理によりなされている。水素終端化処理としては、フッ酸処理以外の方法、例えば水素雰囲気中での加熱処理により行う方法もあるが、この方法によると、界面拡散が進んで膜構造が崩れたり変形したりする恐れがあるので、フッ酸処理による水素終端化処理が、特に好ましい。
【0027】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段であって、多層膜成膜面及びその近傍以外にはフッ酸処理がなされていないことを特徴とするもの(請求項4)である。
【0028】
多層膜反射鏡の基板には、ガラスが用いられることが多く、そのため、余分な場所に弗酸処理を行うと、基板が浸食されて寸法精度に影響を与えることがある。本手段においては、フッ酸処理がなされるのは多層膜成膜面及びその近傍に限られるので、このような恐れがない。なお、「近傍」とは、多層膜成膜面のフッ酸処理を行うのに、作業上やむを得ず一緒にフッ酸処理を行わなければならない領域のことをいう。
【0029】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第1の手段から第4の手段のいずれかの多層膜反射鏡を備えたことを特徴とするEUV露光装置(請求項5)である。
【0030】
前述のように、EUV露光装置内では、特にコンタミネーションの影響が問題となるので、前記第1の手段から第4の手段のいずれかである多層膜反射鏡を使用することが有効であり、これにより、反射鏡の反射率がコンタミネーションによって低下するのを防ぎ、スループットの低下を、長期間に亘って防止することができる。
【0031】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第1の手段から第4の手段のいずれかの多層膜反射鏡を備えたことを特徴とする軟X線光学機器(請求項6)である。
【0032】
EUV露光装置以外の、軟X線顕微鏡、軟X線分析装置などの軟X線光学機器においても、コンタミネーションの付着による反射鏡反射率の低下が問題となるときは、前記第1の手段から第4の手段のいずれかである多層膜反射鏡を使用することが有効である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、SiとMoを含む物質を積層して形成される多層膜の酸化を抑制することが可能な多層膜反射鏡、及びこの多層膜反射鏡を使用したEUV露光装置、及び軟X線光学機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例である多層膜反射鏡における水素終端化処理の方法の概要を示す図である。
【0035】
非常に高精度に研磨された凹面低熱膨張ガラス基板1の表面に50ペア層のMo/Si多層膜2(Mo層:2.8nm,Si層:4.2nm)が成膜されている(ガラス基板1の表面は凹面となっている)。ガラス基板1の形状は円板に近く、成膜領域も円形の領域である。多層膜の最上層は厚さ7nmのシリコン層であるが、成膜後、このガラス基板1は大気雰囲気に曝されるため、最表面シリコン層の表面には酸化物層が形成されており、さらにその表面には有機系の汚れが付着している。
【0036】
このガラス基板1(実際にはガラス基板1の上に多層膜が成膜されたものであるが、単にガラス基板と呼ぶ)を(a)に示すように密閉容器3に配置し、ガス導入口4から適量の酸素を混ぜた窒素を導入しながら低圧水銀ランプ5の紫外線を照射することにより、シリコン層の表面に付着した有機汚れを除去する。汚れを含んだ窒素は、ガス排出口6から排出される。
【0037】
有機汚れを除去した後、(b)に示すように、このガラス基板1に対し成膜領域の外周のわずかに外側に端面が接するようなテフロン(登録商標)製の円筒7を取り付け、全有機炭素量が50ppb以下の超純水で希釈した1%のフッ酸溶液を円筒内に導入する。円筒7とガラス基板1との接触面にはリング状のシリコンゴム(不図示)を挟むことによりフッ酸が円筒7の外には漏れないようになっている。なお、円筒7にはフッ酸溶液の導入口8と排出口9が設けられている。
【0038】
Mo/Si多層膜は、多くの場合石英ガラス、低熱膨張ガラスなどの基板上に成膜される。これらの基板材はフッ酸によって侵されるが、EUV光を使用する多層膜反射鏡には非常に高い精度が要求されるため、表面が侵されることによって、位置決め、基板の支持などに影響が生じることは避けなければならない。上述のように、フッ酸が円筒7の外には漏れないようにして、水素終端化処理がなされる領域を多層膜及びその近傍の領域に限定することにより、このような問題を回避し、たとえばEUV露光装置用多層膜反射鏡として十分な性能を発揮することができるようにする。
【0039】
フッ酸処理後、超純水で置換し、乾燥窒素を吹き付けることでガラス基板1を乾燥させる。ガラス基板1は傾斜可能な支持台(不図示)に載っており、溶液や純水の排出の際は基板を傾斜させる。なお、有機汚れを除去した後は密閉容器3の内部を窒素雰囲気とし、表面が酸化することを極力防いでいる。以後、EUV露光装置用投影光学系として組み立て、調整、及び装置内設置の工程を通じて、保管環境を窒素雰囲気とし、調整時等の作業環境も極力窒素置換雰囲気とすることにより、表面の酸化が進むのを防いでいる。
【0040】
なお、上述の処理工程の過程で、最初に表面に形成されていたシリコンの酸化物層は1nm程度除去されるので、最初の最上層シリコンはこの分を見込んで厚く成膜しておくようにする。
【0041】
又、Si表面を水素終端化する方法としては、0.1Torr程度の水素雰囲気中で1000℃程度に加熱する手法もあるが、Mo/Si多層膜は200度以上に加熱されると界面拡散が進んで膜構造が崩れるため、室温で処理が可能なフッ酸処理が適している。
【0042】
図2に、本発明の実施の形態の1例である多層膜反射鏡の断面図を示す。なお、簡単のために多層膜の積層数を実際よりも少なく描いてある。また、一般に多層膜反射鏡は曲率を持っているが、図では簡略化のために平面鏡として描いてある。
【0043】
ガラス基板1の上にMo層11とSi層12が交互に成膜され、最上層のSi層12の表面が水素終端化処理Si13となっている。
【0044】
上述の例においては、最表面のシリコン層の厚さを7nmとしたが、この厚さはこれに限るものではない。水素終端処理した表面は耐酸化性を有するが、全く酸化が進まないわけではない。使用中に酸化物層が形成された場合には、再びフッ酸処理により酸化物層を除去してもよい。この場合、シリコン層の最表面はわずかながら除去されるため、その除去量を見込んで厚くしておく必要がある。ただし、シリコン層が厚すぎると反射率が低下するためその厚さは10nm以下であることが望ましい。
【0045】
本実施の形態では水素終端処理のためにフッ酸を利用しているが、使用する薬液はこれに限るものではなく、pH8程度に調整したフッ化アンモニウム溶液でもよい。
【0046】
又、本実施の形態では最表面がシリコンであるMo/Si多層膜において最表面を水素終端化しているが、最表面にSiC層を形成しその表面を水素終端処理してもよい。
【0047】
このようにして、表面を水素終端化処理された多層膜反射鏡は、図3に示すEUV露光装置用反射鏡、特に投影光学系を構成する反射鏡M1〜M6として使用するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態の1例である多層膜反射鏡における水素終端化処理の方法の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の1例である多層膜反射鏡の断面図を示す図である。
【図3】EUV露光装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1…ガラス基板、2…多層膜、3…密閉容器、4…ガス導入口、5…低圧水銀ランプ、6…ガス排出口、7…円筒、8…導入口、9…排出口、11…Mo層、12…Si層、水素終端化処理Si

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類を交互に積層して形成された多層膜、又は、少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類以上の物質を周期的に積層して形成された多層膜であって、最表面がシリコン層である多層膜を有する多層膜反射鏡において、最表面のシリコン層の表面が水素終端化されていることを特徴とする多層膜反射鏡。
【請求項2】
少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類を交互に積層して形成された多層膜、又は、少なくともモリブデンを含む物質と、少なくともシリコンを含む物質の2種類以上の物質を周期的に積層して形成された多層膜の上に、さらにSiC層を積層して形成された多層膜を有する多層膜反射鏡において、最表面のSiC層が水素終端化されていることを特徴とする多層膜反射鏡。
【請求項3】
最表面のシリコン層、又はSiC層の水素終端化が、フッ酸処理によりなされたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多層膜反射鏡。
【請求項4】
多層膜成膜面及びその近傍以外にはフッ酸処理がなされていないことを特徴とする請求項3に記載の多層膜反射鏡。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の多層膜反射鏡を備えたことを特徴とするEUV露光装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の多層膜反射鏡を備えたことを特徴とする軟X線光学機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−170813(P2006−170813A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363914(P2004−363914)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成15年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「極端紫外線(EUV)露光システムの開発」に関する委託研究)産業活力再生特別措置法第30条の規定を受ける特許出願
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】