説明

多成分繊維及びそれを使用して製造される布

【課題】伸張性、引張特性及び磨耗耐性を示す多成分繊維を提供する。
【解決手段】ポリマー成分の内の少なくとも1つが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドを含み、該ポリマーが、高融点主要連続相及びそこに分散された少なくとも1つの低融点不連続相として存在し、該高融点連続相が、プロピレンポリマーを含み、少なくとも1つの低融点不連続相が、ポリエチレンポリマーを含む、構造ドメインに配列された少なくとも2つのポリマー成分を含む多成分繊維。この多成分繊維は、不織布、介助製品に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多成分繊維、並びに不織布織物及び多成分繊維を含む織物積層物に関する。特に、本発明は、ポリマーの選択組合せから形成される少なくとも1つのポリマードメインに含まれる多成分繊維、並びに改善された繊維特性及び加工特徴を示す不織布繊維及び積層物に関する。
【背景技術】
【0002】
スパンポリマー材料から製造される不織布は、様々の異なる用途に使用される。他の用途の中でも、このような不織布は、使い捨てオムツまたは衛生製品のためのカバーシートとして使用される。使い捨てオムツをいっそう居心地がよく、そして乳児にうまく合うようにする上で相当に興味がある。オムツ快適さの重要な部分は、オムツのトップシート、防壁下肢カフス、及びある種の応用デザインでは、バックシートフィルムに積層された布を含めてオムツを製造するために使用される不織布の柔らかさ及び硬さである。さらに、ある種のオムツのデザインでは、布伸びの程度が高いのは、柔軟な居心地のよい適合性を達成するための弾性成分と協力させるために必要である。
【0003】
改善されたオムツのトップシートの柔軟性に対する1つのアプローチは、スパンボンド法のオムツ不織布を製造するために、ポリプロピレンの代わりの樹脂として線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用することである。例えば、Fowellsの米国特許番号第4,644,045号(特許文献1)には、線状低密度ポリエチレンから製造される素晴らしい柔軟特性を示すスパンボンド法の不織布が記述されている。しかし、LLDPEスパンボンド法の布の上述の柔軟性は、このような製品における許容しうる磨耗耐性を達成する上での困難さのために、けして広範に利用されていない。許容しうる磨耗耐性を示すスパンボンド法のウエブへのLLDPEフィラメントの結合は、非常に困難であることが立証された。許容しうる繊維結束は、フィラメントが、カレンダーに溶融及び付着し始める点の少し下の温度で観察される。この非常に狭い結合時機は、許容しうる磨耗耐性を示すLLDPEスパンボンド法の布の製造を非常に困難にした。したがって、LLDPEスパンボンド法の布によって提供される柔軟性の利点は、市場で首尾よく捕らえられなかった。
【0004】
不織布を製造する上で広範に使用されてきた従来のポリプロピレンは、未延伸条件で適切な毛羽立ち及び磨耗耐性特性を示すが、しかし伸び特性は、許容できず、したがって、繊維及び/または布は破損する。
【0005】
Sabeeの米国特許番号第4,153,664号(特許文献2)及び第4,223,063号(特許文献3)では、例えば溶融またはスパンボンド法の不織布から形成される、複合不織布の柔軟性及びドレープ適性は、布を圧伸成形または延伸させることによって改善されうることが開示されている。さらに特に、Sabeeによると、複合不織布は、ウエブを様々に圧伸成形または延伸して、延伸及び未延伸領域のキルトパターンを形成することにより加工され、それにより増強された柔軟性、風合い及びドレープ適性を有する製品を提供する。しかし、その延伸は、ある程度の布の物理特性を改善する可能性はある一方で、それは、例えば醜い毛羽立った表面を有する布を残したままで磨耗耐性のような他の重要な特性に有害に影響を及ぼしうる。さらに、Sabeeは、この用途の使用での未圧伸成形または過少圧伸成形フィラメントの使用を教示する。未圧伸成形または過少圧伸成形フィラメントは、一般に、デニールが高く、したがって、布は、堅い傾向がある。
【0006】
柔軟性に加えて、製品の性能要求は、弾性を示す複合不織布を要求する。特定の使い捨てオムツのデザインでは、例えば、胴及び/または下肢カフス領域に弾性特性を与えることが望まれる。複合不織布にこのような弾性特性を提供するために取られた1つのアプローチは、弾性ウエブを成形及び延伸し、その後、集合性ウエブを弾性ウエブと結合させ、そして複合体を弛緩することに関与する。このアプローチの明らかな制限は、張力状態にある複合体を形成するために示されている。これは、別の装置及び制御システムを要求する。この加工の例は、Mormonの米国特許番号第4,657,802号であり、そこで、複合不織弾性体は、弾性ウエブを最初に延伸し、延伸弾性不織布上に繊維性不織集合ウエブを成形し、その2つを一緒に連結して、複合構造を形成し、その後複合体を弛緩させることによって作製される。Collierらの米国特許番号第5,169,706号で、低応力緩和を示す複合弾性材料が、弾性シートと集合性層との間に形成される。Daponteの米国特許番号第4,863,779号では、弾性ウエブを最初に引っ張って、それを伸ばし、少なくとも1つの集合性ウエブを弾性ウエブに結合させ、そして結合直後にその複合体を弛緩させることに関与し、その結果集合性ウエブは、結合点の間で収集される複合体が開示される。
【0007】
複合不織布に弾性特性を付与する別のアプローチは、いわゆる「ゼロ−伸び率」延伸性積層体を用いるものである。「ゼロ−伸び率」伸張性積層体は、少なくとも2つの層の材料、つまり一方は弾性で、他方は実質的に非弾性であるものが、実質的に未引張状態でありながら、それらの共に広い表面に沿って、互いに硬化された布に該当する。その布は、連続して機械的延伸にかけられる。非弾性層は、一般に、破断または拡張し、したがって、非弾性層を恒久的に伸ばし、そして弾性特性を有する複合布を製造する。この積層及び延伸工程は、未延伸条件における弾性を利用することが、伝統的加工操作で使用される圧伸成形弾性体より容易でそして高価でないという点で有益である。しかし、現在利用できる「ゼロ−伸び率」延伸性積層体で存在した1つの問題は、表面磨耗である。機械的延伸は、「ゼロ−伸び率」積層体の実質的に非弾性の成分内でその繊維を破断または崩壊するかのいずれかであり、そして結果として、その繊維が分離し、そして糸屑及び毛玉の疑いがある。さらに、このような破断または分離は、布の強度における注目を引く損失を起す。
【0008】
繊維結束及び磨耗耐性の前述の問題に対処することが試みられた。例えば、高伸び特性を有する複合体の不織布構成要素を作ることが試みられた。上に明記されるとおり、不織布を製造する際に広く使用されている従来のポリエチレンは、非延伸条件で適切な毛羽立ち及び磨耗耐性特性を提供するが、しかし伸び特性は、受け容れ得るものでなく、したがって、繊維及び/または布は破損する。線状低密度ポリエチレン(LLDPE)から形成される不織布ウエブは、高い伸び特性を有し、そしてさらに素晴らしい風合い、柔軟性及びドレープ特性を保有することが示された。しかし、さらに上に明記されるとおり、そのような布は、許容しうる磨耗耐性を提供することができないので、広く商業的に許容が見られなかった。
【特許文献1】米国特許第4,644,045号
【特許文献2】米国特許第4,153,664号
【特許文献3】米国特許第4,223,063号
【特許文献4】米国特許第4,657,802号
【特許文献5】米国特許番号第4,863,779号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これらの欠点及び制限を克服し、そして伸長性、引張り特性及び磨耗耐性の素晴らしい組み合わせを有するものから成形される多成分繊維及び不織布を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の多成分繊維としては、構造ドメインに配列される少なくとも2つのポリマー成分が挙げられる。そのポリマー成分の少なくとも1つは、高磨耗耐性、優れた引張り特性、素晴らしい柔軟性及び同等物のようなこれまで認識または記述されなかった改善された布の性能を付与するポリオレフィンポリマーの選択ブレンドから成形される。さらに、これらのブレンドは、高い生産性レベルで、不織布を有効に製造することを可能にする素晴らしい溶融紡績及び加工特性を示す。
多成分繊維は、連続フィラメント、ステープル繊維、または溶融吹込繊維(meltblown fiber)でありうる。好ましい実施形態では、繊維は、鞘−コア構造ドメインに配列されたポリマー成分を用いた二成分繊維である。本発明のこの態様で、コアは、繊維に、そして順次、それを用いて製造された布に、所望の特性を付与するポリマーブレンドから形成される。
【0011】
多成分繊維の少なくとも1つの重合性ドメインは、非混和性であるポリマーのブレンドから形成され、そして混錬して、主要連続相及び少なくとも1つの分散相を形成しうる。例示の非混和性ポリマーとしては、線状低密度ポリエチレンを含むポリエチレン、及びポリプロピレンが挙げられる。高融点ポリマーは、主要連続相である。本発明の多成分繊維の他のポリマードメインは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、及び同等物のような当分野で知られるとおりの繊維形成ポリマーの型のいずれか、及び共重合体及び三重合体及びそのブレンドから形成されうる。
【0012】
好ましいブレンドは、2つの層と少なくとも部分的に混和性である第三成分を含み、そしてブレンドに非常に伸長性の特性を付与する。適切なブレンドの例は、ブレンドの重量に基づいて約65から80重量パーセントまでの量で存在するアイソタクチック・ポリプロピレン;ブレンドの重量に基づいて約1から約5重量パーセントまでの量で存在する線状低密度ポリエチレンである;そしてブロックまたはグラフト・ポリオレフィン共重合体または三重合体は、アイソタクチック・ポリプロピレンと混和性のあるそれの鎖の少なくとも一部を有し、そしてブロックまたはグラフト・ポリオレフィン共重合体または三重合体は、ブレンドの重量に基づいて約15から30重量パーセントまでの量で存在する。ブロックまたはグラフト共重合体または三重合体の比較的小さな比率を、ポリプロピレン/ポリエチレン・ブレンドと混錬することが、布磨耗耐性及び/または柔軟性特性における明らかに有害な影響なしに、ポリマーブレンドから形成される不織布に、非常に増大した伸びを付与すること分かった。
【0013】
本発明の多成分繊維は、非常に伸び得て、そして望ましいが、しかし正反対の特性を有する凝集性の伸長性不織布の製造に有用である。特に、優れた柔軟性、磨耗耐性及び伸びを示す布に成形されうる。本発明の1つの実施形態によって、凝集性の伸長性不織ウエブは、少なくとも1つのポリマードメインが、多ポリマーから形成されることを特徴とするランダムに配列された実質的に多成分の連続フィラメントの熱で結合されたスパンボンド法の不織ウエブである。本発明の別の実施形態によって、凝集性の伸長性不織ウエブは、多成分ステープル繊維の熱結合梳きウエブ(a thermally bonded carded web)である。凝集性の伸長性不織ウエブは、多成分繊維に加えて、溶融微小繊維のような別の繊維性成分を含みうる。本発明の布は、10サイクルより大きなテーバー表面磨耗値(ゴム輪)、及び機械方向または機械横方向の少なくとも1つで、ピーク負荷で、少なくとも70%の伸びを示しうる。
【0014】
本発明の別の実施形態によって、不織繊維は、1つまたはそれ以上の別の層またはそこに積層される成分を含みうる。例示の別の層としては、連続または有孔ポリマーフィルム、弾性ポリマーのフィルムまたはウエブ、スパンボンド法の不織ウエブ、伸長性スクリムまたはネット、一連の伸長性または弾性ストランド、溶融微小繊維のウエブ、ステープル繊維のウエブ、及び同等物が挙げられる。弾性ウエブまたはフィルムが使用される場合、複合体は、伸びによって活発にされた伸縮性であり得て、そしてそれは、多成分繊維の凝集性の伸長性ウエブの恒久的伸び及び伸張を引起し、そして生じた複合布は、弾性特性を示す。例えばポリオレフィンフィルムのような伸長性非弾性層が、使用される場合、複合体は、伸びによって、例えばそれの元の非延伸長さの少なくとも20%まで活性化される伸縮性であり得て、そして素晴らしい柔軟性及びドレープを示す複合体を製造しうる。
【0015】
結果物である複合布は、オムツ、失禁パッド、衛生ナプキン及び同等物のような使い捨て吸収衣類で使用するために適する布様風合い及び優れた被覆特徴を有しうる。複合布は、下肢防壁カフス、側面パネル、バックシート、トップシート及び同等物のような使い捨てオムツの構成要素として特に有用である。
【0016】
本発明の目的及び利点のいくつかが、記載された。他方は、付随の図面に関連して見られるときに明かである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、付与される本発明の例示の実施形態と関連して、以降により十分に記述され、その結果、本開示は、綿密でそして完全であり、そして当業者に本発明の範囲を十分に伝達する。しかし、本発明は、多くの様々な形態で具体化されうると理解するべきであり、そしてここに記述及び例示される特定の実施形態に限定されるべきであると意図されるべきでない。特定の語句が、以下の説明に使用されているが、これらの語句は、例示の目的のためのみであり、そして本発明の範囲を定義または限定することが意図されない。
【0018】
図1は、本発明の多成分繊維12から形成され、10として一般に示される、不織布の斜視略図である。図1で表される不織繊維状のウエブは、一般的な意味で、比較的平坦で、柔軟性があり、そして多孔性である概して平面な構造を含み、そして多成分ステープル繊維または連続フィラメントから構成されると考えるべきである。不織ウエブは、それに限定されないが、梳毛、スパンボンド法、湿式積層、空気積層、溶融などのような不織分野でよく知られる多くの製造技術のいずれかによって製造され得うる。
【0019】
例えば、図1に示される実施形態では、不織繊維性ウエブは、二成分スパンボンド法の連続フィラメントを含むスパンボンド法の不織布である。スパンボンド法のウエブは、溶融ポリマーが、連続フィラメントに押出され、そしてそれは順次、急冷し、高速流動体によって薄め、そして集合表面上にランダム配列で集合される従来のスパンボンド法の工程によって製造されうる。フィラメント収集の後、任意の熱、化学または機械的結合処理は、凝集性構造が生じるように結合ウエブを形成するために使用されうる。
【0020】
図1で示される実施形態では、ウエブ10は、単一の凝集性不織ウエブを形成する布中に配分される、14として一般的に示した複数の断続結合によって結合される。この点で、熱点結合は、最も好ましい。種々の熱点結合技術が知られており、そして最も好ましくは、点結合パターンを有するカレンダーロールを利用することである。当分野で知られる任意のパターンが、連続または不連続パターンを使用する典型的実施形態で使用されうる。好ましくは、結合14は、ウエブ10の6と30パーセントの間、さらに好ましくは8から20パーセントまで、そして最も好ましくは12から18パーセントまでの領域を覆う。これらのパーセント範囲によるウエブを結合することによって、フィラメントは、布の強度及び完全な状態を維持しながら、延伸の全範囲を通して伸びさせられる。
【0021】
代わりに、伸長性凝集性不織ウエブ10は、ステープル繊維の梳毛不織ウエブでありうる。知られているとおり、梳きは、ステープル繊維の塊をウエブに引く微細で、ある角度にあり、空間の空いた歯またはワイヤーの対抗可動床または表面を利用する機械で典型的に行われる。その後、ウエブ内の繊維を、結合させて、任意の適切な熱、化学または機械的結合処理によって凝集性ウエブ構造を形成する。例えば、熱点結合が、先に記述される手段で形成されて、その布に強度及び柔軟性を付与する。
【0022】
図2に転じて、本発明の例示の多成分繊維20の斜視略図が示される。図2に示されるとおり、本発明の好ましい実施形態では、繊維は、内側コアポリマードメイン22を有し、そして鞘ポリマードメイン24を囲む二構成要素繊維である。ここで使用される場合、語句「多成分繊維」は、ドメインが、分散、ランダム、または未構造化される傾向にあるブレンドとは対照的に、繊維内の別個の構造ドメインに存在する2つまたはそれ以上のポリマーから製造されるステープル及び連続フィラメントを含む。例示のみの目的のために、本発明は、一般に、2つの成分を含む二成分繊維に関して記述される。しかし、本発明の範囲が、2つまたはそれ以上の構造成分を含むことが意図されると理解されるべきである。
【0023】
一般に、ポリマードメインまたは成分は、多成分繊維の断面を横切って実質的に均一に位置決めされた別個のゾーンに配列され、多成分繊維の長さに沿って連続的に伸びる。好ましい立体配置は、第一の成分である鞘は、実質的に第二の構成要素であるコアを実質的に囲むことを特徴とする鞘/コア配置である。ポリマードメインまたは構成要素の重量比が、変化しうる。典型的に、重量比が、同様にこの範囲の範囲外にありうるが、第一の重合成分対第二の重合成分の重量比が、約20:80から約80:20までの範囲に及んだ。
【0024】
本発明のポリマーブレンドは、操作した布の製造において特に有利である。この点で、重合成分の重量比は、繊維及びそれから製造される布に、所望の特性を付与するために容易に変化されうる。例えば、柔軟性及び風合い、伸長、及び同等物のような感覚的な特性は、この特性を付与するポリマー成分の重量比を増加及び/または最大化することによって、付与された布構造で最適化されうる。例えば、多成分繊維としては、下に記述される低融点ポリマー主要ブレンド、またはポリエチレンのような伸長性ポリマーの等しい単一ポリマー成分から形成される重合成分(類)の比較的高い重量比が挙げられる。重量比は、60%、80%及びそれより高くまで増加されうる。代わりに、靭性または強度を最大限にするために、繊維を、例えば、下に記述される高融点ポリマー主要ブレンド、並びに、鞘/コア繊維でのポリエチレンテエレフタレートコアのような単一ポリマー成分のように高融点重合成分の重量比を最大限にするように加工されうる。特性の調和は、例えば、成分の実質的に等しい比率(例えば、およそ50/50鞘/コア繊維構造)で達成されうる。それに限定されないが、並行、分割パイ、海島(islands-in-the-sea)、または先端付き小葉構造のような当分野で知られるとおりの他の構造繊維立体配置が使用できる。
【0025】
多成分合成繊維の製造に典型的に使用される装置が、実質的に円形の断面を示す繊維を正常に生じるので、多成分繊維の断面は、好ましくは、円形である。円形断面の繊維での第一及び第二の成分の立体配置は、同心または無中心かのいずれかであり得て、そして後者の立体配置は、しばしば、「修飾並行」または「偏心」多成分繊維として知られている。
【0026】
同心立体配置は、第二の成分が、繊維の中心におおむね広がっているように、実質的に均一な厚みを示す第一の成分によって特徴づけられる。無中心立体配置では、第一の成分の厚みは変化し、したがって、第二の成分は、繊維の中心に広がらない。いずれかの場合に、第二の成分は、第一の成分に実質的に囲まれている。しかし、無中心の二成分繊維では、第二の成分の一部は、特に、繊維の表面の約20%までが、第二の成分から構成されうるように向けられうる。それにもからわらず、無中心の立体配置を示す繊維における第一の成分は、繊維の表面の主要部分、すなわち、少なくとも約80%を含む。繊維の断面及び成分の立体配置の両方は、繊維の製造で使用される装置、加工条件及び2つの成分の溶融粘度に依る。
【0027】
本発明では、少なくとも1つのポリマードメインは、下にいっそう詳細に記述されるとおり、ポリマーブレンドから形成される。本発明の繊維のポリマードメインの他方は、それに限定されないが、下に記述されるポリマーブレンドのいずれかを含めた、単一ポリマーから、またはポリマーブレンドから形成されうる。有益には、ポリマーブレンドを含む少なくとも1つのポリマードメインまたは成分は、繊維の少なくとも一部で露出した表面を形成する。例えば、本発明の好ましい実施形態は、鞘が、ポリマーブレンドから形成される鞘/コア二成分繊維である。しかし、ポリマーブレンドの他方は、ポリマーブレンド(例えば、コア及び/または鞘及びコアの両方)からも形成されうる。
【0028】
本発明の多成分繊維の多ポリマーブレンド成分は、非弾性と正常に考えられるポリマーから優先的に形成される。本発明の実施に使用するための有用なポリマー組合せは、1995年11月22日に提出され、そして「伸長性複合不織布」と題される公開PCT国際特許出願番号PCT/US95/15257号で教示される。本出願の内容及びそこに含まれる教示は、全体に参照してここに組込まれる。
【0029】
ここで検討されるとおり、本発明の多ポリマーブレンド繊維から成形される繊維及び布は、優れた伸びまたは伸長特性を示しうる。この点で、本発明の布は、少なくとも約1、好ましくは少なくとも約1.2、さらに好ましくは少なくとも約1.5、そして最も好ましくは約2及びそれ以上である、100%ポリプロピレン繊維性材料から形成される比較できる布の伸びに比べた本発明の布の伸びの伸び率を示す。本発明の任意の説明に結合されることを望まないが、ポリエチレン主要ブレンドについての分散されたポリマーのドメインサイズは、本出願の実施例によって示されるとおり、布の物理特性に影響しうる。100%ポリエチレン及びポリプロピレン対照のCD及びMD伸び値と比較して、ポリマーブレンドから形成される布のCD及びMD伸び値を報告する本出願の表1及び2参照。
【0030】
下にいっそう詳細に示されるとおり、本発明の特定の3つの成分ポリマーブレンドは、この点で特に有益である。このようなブレンドから形成される布は、比較できる100%ポリプロピレン布と比較されるとおり改善された伸長性を提供するのみならず、布は、2成分ポリマーブレンド、そして特にポリプロピレンホモポリマー及びカタロイポリプロピレン共重合体のブレンドからも形成される。研究が、ポリプロピレン/カタロイブレンドフィラメントから形成される布が、100%ポリプロピレン布のもの(一般に、機械横方向で約70から80%まで)に類似の伸び値を示すことを示す。3つのポリマー配合物は、機械横方向で少なくとも約150%の非常に改善された伸びを提供しうる。
【0031】
本発明の目的のために、語句「ポリマー」は、一般的意味で使用され、そしてホモポリマー、共重合体、グラフト化共重合体、及び三重合体を含めることが意図される。語句ブレンドも、ここで一般的に使用され、そして非混和性及び混和性ポリマーブレンドを含むことが意図される。そのポリマーは、それらが、溶融状態で別個で異なる相に存在する場合、「非混和性」と考えられる;全ての多のブレンドは、「混和性」であると考えられる。変動するレベルの混和性が存在し、そして本発明の範囲内にあることも意図されることが分かる。3またはそれ以上のポリマー成分を伴うものを含めた2以上のポリマーを伴うブレンドも利用されうるが、多ポリマー繊維は、正常に、2つまたはそれ以上のポリマーから構成されるポリマーブレンドから形成される。非混和性及び混和性ポリマーは、2成分ブレンドに添加して、適合性、粘性、ポリマー結晶性または相ドメインサイズに関して、別の特性または利益を付与しうる。
【0032】
本発明に使用されるポリマーが、押出しを受けるので、安定化剤及び抗酸化剤は、ポリマーに常套に添加される。他の添加剤も、本発明によって添加されうる。例えば、二酸化チタン、タルク、発煙シリカ、またはカーボンブラックのような無機添加剤。ポリマー樹脂も、他のポリマー、希釈剤、適合化剤、抗遮断剤、衝撃改質剤、可塑剤、UV安定化剤、色素、艶消剤、滑剤、湿潤剤、帯電防止剤、核剤、レオロジー改質剤、水及びアルコール撥水剤及び同等物のような他の添加剤を含みうる。押出、急冷、圧伸成形、レイダウン、静電及び/または電気特性、結合、湿潤特性または撥水特性のような加工または製品特性における影響を示す添加剤材料は、ブレンドとの組合せでも使用されうる。特に、加工及び/または末端使用のいずれかに対する特定の利益を付与する重合添加剤も、使用されうる。
【0033】
本発明の1つの広範な形態にしたがって、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、2つまたはそれ以上のポリマーから構成されるポリマーブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを含む。ブレンドのポリマーは、混和性、非混和性、または混和性及び非混和性ポリマーの組合せでありうる。本発明による1つの実施形態では、ポリマーは、主要連続相及び少なくとも1つの実質的に不連続分散相として存在しうる。ブレンドが、主要な連続相及び少なくとも1つの不連続相として存在する場合に、一方または他方のいずれか、または両方のポリマー相で混和性である他のポリマーも存在しうる。
【0034】
本発明の別の形態によって、多ポリマー繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、比較的低いモジュラス(modulus)のポリマー及び少なくとも1つの高モジュラスのポリマーを含むポリマーから形成される。低モジュラスポリマーが、主要相であり、そして高モジュラスポリマーが、そこに分散される場合、この組合せが、特に価値があると考えられる。高モジュラスポリマーが、カレンダーに粘着し、そしてそれを包み込むウエブの危険を減少させながら、低モジュラス主要相を「強化」するように作用し、そして紡績に対する安定性を与え、そして高結合温度に対処するのにちょうど十分にウエブを硬化させることが理論付けられた。非混和性ポリマーブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを示す多成分繊維の場合に、少量の分散ポリマーが、米国特許番号第4,518,744号で、Brodyによって記述されるとおり主要ポリマー相での巻取り速度抑制(WUSS)の効果を示しうると考えられる。少量の非混和性添加剤が、付与フィラメント紡績速度で、繊維内の分子配向の程度を効果的に減少されるときに、巻取り速度抑制が起る。結果は、一般に高い伸び及び低靭性を示すフィラメントである。
【0035】
本発明のさらに別の形態では、多ポリマー繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、主要連続相、そしてそこに分散される、主要相に低共通の親和性を示す少なくとも1つのポリマー、及び一方または他方、あるいは連続及び分散ポリマー相の両方で、少なくとも部分的に混和性である少なくとも1つの別のポリマーから構成されるポリマーブレンドから形成される。1つの別のポリマーは、主要相で混和性で、そしてその結晶性を有効に減少させる場合、生じた複合体で観察された改善された伸長性は、「衝撃改質」効果のためでありうる。1つの別のポリマーが、両方のポリマーについて親和性を示すか、2つの相の間の表面エネルギーを低下させる働きがある場合、複合体柔軟性で観察される改善は、適合化効果によると思われる。理論とは独立に、ブレンドは、フィラメントまたは繊維を最終的に形成するに違いなく、そしてそれは、ウエブ及び複合体構造に形成されたときに、本発明によって記述される特性を示し、そして低い毛羽立ち及び優れた伸びを意味する。
【0036】
1つの実施形態では、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、1から50重量パーセントまで、そして99から50重量パーセントまでのポリプロピレンを含みうる。このような繊維から形成される布は、低い毛羽立ち及び優れた伸びを示す。
【0037】
引張強度が、特に重要で、そして高い弾性が、あまり考慮されないものである用途で、複合布は、ポリエチレンが、1重量%から10重量%の範囲で存在し、そしてポリプロピレンが、90重量%から99重量%までの範囲で存在するポリエチレン及びポリプロピレンブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを有する多成分繊維から形成される凝集性の伸長性不織ウエブを含みうる。さらに別の実施形態では、伸びにおける非常に実質的でそして驚くべき増加は、そのブレンドに第三のポリマー成分を混和させることによって達成されうる。例えば、多成分繊維は、アイソタクチック・ポリプロピレンのようなポリプロピレンの主要な量、ポリエチレンのような主要ドメインと低い共通の親和性を示す少量のポリマー、及び結晶性を減少させるか、及び/またはブレンドを適合化するかのいずれかである別の第三のポリマーを含む少なくとも1つのポリマードメインを含みうる。どの結果が、極端に高い伸長性と共に、柔軟なウエブであるか。この実施形態による好ましい多成分繊維は、50重量パーセントより大きなポリプロピレンを含む少なくとも1つのポリマードメイン、1から10パーセントまでのポリエチレン、及び10から40パーセントまでの第三のポリマーを有しうる。適切な別の第三のポリマーとしては、モンテル(Montell)から入手できる市販で入手できるCatalloy(登録商標)ポリプロピレン共重合体及び三重合体が挙げられる。これらの樹脂は、ブロックである程度まで存在し、そして少なくともポリマー鎖のある程度の部分が、一方または他方、または主要及び分散ポリマー相の両方に混和性であるコモノマー(類)を有することによって特徴付けられる。他の適切なポリマーは、Rexeneから得られるReflex(登録商標)柔軟性ポリオレフィンである。これらの結晶性減少樹脂は、ポリマーの「タクチック性」が影響されるように、ポリマー鎖に存在するアタクチクセグメントを有すると特徴付けられる。この実施形態による特に好ましい多成分繊維は、65から80パーセントまでのアイソタクチック性ポリプロピレンを含む少なくとも1つのポリマードメイン、1から5パーセントまでのポリエチレン、及び鎖の少なくとも一部が、アイソタクチック性ポリプロピレンと混和性である15から30パーセントまでのポリオレフィン共重合体を含む。
【0038】
上に明記されるとおり、本発明の3つの成分ブレンドは、特に有益な伸長性または伸び特性を提供しうる。本発明のいずれの論理と結合されることを望まないが、カタロイポリプロピレン共重合体または他のこのようなポリマーの微量成分を組込むことで、ポリプロピレン主要成分に十分な「付与」を与え、その結果、布は、いっそう伸長性のある成分ポリエチレンが、増加した伸び値を提供するために活性化されるまで、崩壊に抵抗しうると考えられる。さらに、特定のポリマーブレンド配合物から形成される布は、100%ポリプロピレン布及び他のポリプロピレンブレンド布に比べると、融点が低下されるか、または減じられることにより、低温で結合されうることが考えられる。例えば、カタロイポリマー微量成分を含む上に明記される配合物を用いて製造された布は、100%ポリプロピレンフィラメントまたはポリプロピレン/ポリエチレンブレンド・フィラメントから形成される布について一般に要求されるものより約20EC低い温度で熱で結合されうる。
【0039】
さらに別の、特定の3つのポリマー成分ブレンド(及び特に、カタロイルポリマー成分を含むもの)は、Gessnerらに対する米国特許番号第5,470,639号で定義されるとおりの弾性特性を示しうる。その'639号の特許は、30%伸びと1回の引きの後に、そして好ましくは2回の引きの後に少なくとも約70%で、機械方向(MD)及び横方向(CD)の両方で、少なくとも約75%の回復伸び平均平方根(RMS)を示すとして弾性スパンボンド法の布を定義する。上の3つのポリマー成分配合物から形成されるスパンボンド法の布が、Gessnerの'639号によって定義されるとおりの弾性についての条件に適合しうる。
【0040】
本発明のこの形態による別のクラスの有用で、そして有益な製品は、柔軟で、伸長性のポリマー相から構成されるポリマーブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを有する多成分繊維を使用し、そして少なくとも1つの別のポリマーは、それが、高い伸長性を維持しつつ、加工性(例えば、溶融紡績)、結合及び/または磨耗耐性を改善する方法で、その繊維のレオロジー、機械及び/または熱特性のいずれかを改質するように、柔軟で、伸長性のポリマー相と低い共通親和性を示す。好ましい実施形態では、柔軟で、伸長性の相は、主要な継続相として存在する。例えば、ポリエチレンは、柔軟で、伸長性の主要な相として使用でき、そしてポリプロピレンは、別の改質ポリマーとして使用できる。好ましい実施形態では、別のポリマーは、主要な相と比べて少比率で添加される。別の好ましい実施形態では、別のポリマーは、主要な相に比べて高い粘性を示す。柔軟で、伸長性の主要な相と、比較的少量の高い粘性ポリプロピレンを混和することは、伸長性、柔軟性、引張強度などのような他の重要な布特性に明らかな有害な影響なしに、ポリマーブレンドから形成される不織布に、非常に増加した磨耗耐性を付与する。ポリエチレンの可紡性は、別のポリプロピレンの存在によっても改善される。この実施形態によって、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、好ましくは、2から50重量パーセントの間のプロピレンポリマー、例えば3%エチレン−プロピレン共重合体、及び98から50重量パーセントまでの柔軟な伸長性ポリマー、例えばポリエチレンを含む。1つの特に好ましい実施形態では、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、5から40重量パーセントまでのプロピレンポリマー、そして最も好ましくは5から25重量パーセントまでのプロピレンポリマー及び75から95重量パーセントのポリエチレンの範囲にある。優れた伸長性を要求する用途に特に適している場合、引張強度及び磨耗耐性は、5から25重量パーセントまでのプロピレンポリマーの組成物を含む少なくとも1つのポリマードメインを有する多成分繊維である。最も好ましい実施形態は、5から25重量パーセントのエチレン−プロピレン共重合体または三重合体、及び75から95重量パーセントの線状低密度ポリエチレンを含む。これらの実施形態では、低融点ポリエチレンは、そのブレンド中で実質的に連続な相として存在し、そして高融点プロピレンポリマーは、ポリエチレン相中に分散された不連続相として存在する。
【0041】
本発明の多成分繊維の他の構造ポリマードメインは、それに限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン及び同等物のようなポリオレフィン;ポリアミド;ポリエステル;及び同等物のような種々のよく知られたフィラメント形成ポリマー並びに共重合体及び三重合体及びそれのブレンドのいずれかから形成されうる。上に明記されるとおり、本発明の1つの形態では、多成分繊維は、その表面の少なくとも外側部分に沿って、ポリエチレン主要ブレンド(例えば、鞘成分として)から形成されたポリマードメインを含む。このような繊維立体配置は、ポリプロピレンポリマードメイン(例えば、コア成分として)との組合せで特に望ましい。これらの繊維は、柔軟性及び磨耗耐性の望ましいが、しかし正反対の特性を示しうる。本発明の別の実施形態では、繊維は、上に記述されるとおりプロピレン主要ブレンドから形成されるポリマードメイン(例えば、コア成分として)を含む。この実施形態での有用な繊維としては、その繊維の表面の少なくとも一部(例えば、鞘として)に沿って伸びるポリエチレン成分と組合せてプロピレン主要ドメインを有するものが挙げられる。これらの繊維は、優れた伸びと共に望ましい風合いのような、望ましいが、しかし正反対の特性をも示しうる。本発明のさらに別の実施形態では、繊維としては、その表面の外側部分に沿って、ポリエチレン主要ブレンドから形成されるポリマードメイン、及びプロピレン主要ブレンドから形成されるポリマードメイン、例えば、鞘が、ポリエチレン主要ブレンドから形成され、そしてコアが、プロピレン主要ブレンドから形成される鞘コア繊維構造が挙げられる。
【0042】
繊維を製造する上で、ポリマーブレンド成分(すなわち、ポリエチレン及びポリプロピレン成分)は、適切な比率の量で合せて、そして溶融紡績を行う前に最初に混錬される。ある種の場合には、ポリマー成分の十分な混合は、ポリマーが、溶融状態に変換されるときに、押出機で達成されうる。他の場合には、さらに動的な混合が要求されうる。使用されうる市販で利用できる混合機の中でも、西ドイツ国のバーマグAGによって供給されるバーマグ3DD三次元動的混合機、及び英国のラバー・アンド・プラスチック・リサーチ・アソシエーション(Rubber and Plastics Research Association)によって供給されるRAPRA CTM洞−移行混合機である。
【0043】
ポリマーブレンドは、多成分繊維の製造についての当分野で知られるとおり、適切な装置及び加工技術を用いて、押出されて、多成分繊維構造を製造しうる。例えば、ポリマー成分は、ポリマーを溶融押出する2つの押出機に供給される。その後、ポリマー溶融物は、鞘/コア、並行または他の多成分繊維型の複合紡績オリフィスを有する紡糸口金に向けられ、そしてこの紡糸口金を通して紡績して、多成分繊維を形成する。例えば、米国特許番号第3,595,731号及び米国特許番号第4,770,925号参照。
【0044】
種々の型のポリエチレンが、使用されうる。例として、分岐(すなわち、非線状)低密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、メタロセン及びチーグラー−ナッタ触媒系を含めた十分に知られる方法のいずれかから利用及び製造されうる。LLDPEは、一般に、当分野で樹立された条件下で、触媒溶液または流動床方法によって製造される。生じたポリマーは、基本的に線状の骨格によって特徴付けられる。密度は、別の線状ポリマー骨格に組込まれたコモノマーの濃度によって制御される。種々のα−オレフィンは、一般に、LLDPEを製造するときにエチレンと共重合される。好ましくは4から8個の炭素原子を有するα−オレフィンは、約10重量パーセントまでの量で、ポリマーに存在する。最も典型的なコモノマーは、ブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及びオクテンである。一般に、LLDPEは、そのポリマーを、ポリプロピレンを用いた溶融紡績に十分に適合させる種々の密度及び溶融指数特性が、得られるように製造されうる。特に、好ましい密度値は、0.87から0.95g/cc(ASTM D−792)までの範囲にあり、そして溶融指数値は、通常、0.1から約150g/10分までの範囲にある。(ASTM D1238−89、190℃)。好ましくは、LLDPEは、10より大きく、そしてさらに好ましくはスパンボンド法のフィラメントについては15またはそれ以上の溶融指数を示すべきである。特に好ましいのは、0.90から0.945g/ccまでの密度、及び25より大きな溶融指数を示すLLDPEポリマーである。適切な市販で入手可能な線状低密度ポリエチレンポリマーの例としては、アスパン型6811(ASPUN Type6811)(27MI、密度0.923)、ダウLLDPE2500(55MI、密度0.923)、ダウLLDPE型6808A(36MI、密度0.940)のようなダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)から入手可能なもの、及びエグザクト2003(31MI、密度0.921)のようなエクソン・ケミカル・カンパニー(Exxon Chemical Company)から得られるエグザクト・シリーズ(Exact series)が挙げられる。
【0045】
当業者に知られている方法によって製造される種々のポリプロピレンも使用しうる。一般に、ポリプロピレン成分は、アイソタクチックまたはシンジオタクチック性プロピレン・ホモポリマー、共重合体、または三重合体でありうる。本発明に使用されうる市販で入手可能なプロピレン・ホモポリマーの例としては、ソルテックス型3907(SOLTEX Type 3907)(35MFR、CRグレード)、ハイモントグレードX10054−12−1(HIMONT Grade X10054−12−1)(65MFR)、エクソン型3445(35MFR)、エキソン型3635(35MFR)、アモコ型10−7956F(AMOCO Type 10−7956F)(35MFR)、及びアリステックCP350J(Aristech CP350J)(溶融流速およそ35)が挙げられる。プロピレンの市販で入手可能な共重合体の例としては、3%エチレンを伴うランダム・プロピレン共重合体(35溶融流速)であるエキソン9355;3%エチレンを伴う10溶融流速のランダム・プロピレン共重合体であるレキセン13S10A(Rexene13S10A);11溶融流速の3%エチレン・ランダム・プロピレン共重合体であるフィナ7525MZ(Fina7525MZ);プロピレンと、ハイモント(Himont)から得られるカタロイ9シリーズから得られるプロピレンの共重合体及び三重合体との1.7%エチレンの8溶融流速のランダム共重合体であるモンテルEPIX30F(Montel EPIX30F)が挙げられる。ポリプロピレンポリマーが、ブレンドの分散相として存在する場合、好ましい溶融フローは、20g/10分より大きい、そして好ましくは25またはそれ以上であるべきである。特に適切なのは、35から65までのMFRを示すポリプロピレンポリマーである。
【0046】
低融点ポリエチレン成分が、実質的に連続な相として存在し、そして高融点ポリプロピレンが、ポリエチレン相中に分散された不連続相として存在する場合、低融点ポリエチレン成分及び高融点ポリプロピレン成分は、約50から約99重量パーセントまでのポリエチレンと約50から約1重量パーセントまでのポリプロピレン、さらに好ましくは約50から約98重量パーセントまでのポリエチレンと約50から約2重量パーセントまでのポリプロピレン、さらに好ましくは約60から約95重量パーセントまでのポリエチレンと約40から約5重量パーセントまでのポリプロピレン、そして最も好ましくは約75から約95重量パーセントまでのポリエチレンと約25から約5重量パーセントまでのポリプロピレンの範囲に入る比率で存在しうる。
【0047】
構造ポリマードメインのポリマー構成要素は、布に、高表面磨耗耐性及び高伸びのような他の所望の特徴を付与するために選択されうる。ウエブの表面磨耗耐性は、ASTM試験法D−3884−80によって定義されるとおり、テーバー磨耗試験のような当分野での標準である物理試験によって客観的に都合よく測定されうる。本発明の複合布で有用な伸長性ウエブは、10サイクルより大きいテーバー磨耗値(ゴム輪)を示すことによって特徴付けられる。さらに、ウエブは、機械方向(MD)または機械横方向(CD)のいずれか、または両方で、伸張前に、少なくとも70パーセント、さらに好ましくは少なくとも100パーセント、そして最も好ましくは少なくとも150パーセントのピーク負荷(ASTM D−1682)での伸びを示すことによって特徴付けられる。したがって、繊維は、一般に、「伸長性非弾性」布として特徴付けられ、そしてウエブ10は、それの弾性限界を越えて比較的容易に伸張され、そして引張応力の使用により恒久的に伸ばされうる。しかし、ウエブは、伸縮性を示さず、したがって非弾性である。
【0048】
ここで図3を参照すると、30として全般に示される、本発明の例示の積層布の斜視図が、例示される。この実施形態では、積層体30は、2−層積層体である。層32は、上に記述されるとおり布10のような多成分繊維から形成される不織ウエブを含む。複合布30の第二の層34は、それに制限されないが、溶融不織ウエブ、スパンボンド法のウエブ、ステープル繊維のウエブ、またはフィルムのような種々の形態で存在しうる。図3が、2層積層体を示すが、当業者は、層32及び34と同じか、または異なりうる別の層も存在しうることを認識する。
【0049】
層は、当分野で知られる方法のいずれかで、結合及び/または積層されうる。積層及び/または結合は、例えば、繊維の水力撚り乱れ(hydroentanglement)、スポット結合、通気結合及び同等物によって達成されうる。例えば、層34が、繊維性ウエブであるときに、積層及び/または結合は、水力撚り乱れ、スポット結合、通気結合及び同等物によって達成されうる。図3に示される実施形態では、層32及び34は、加熱されたパターン化カレンダーを通過させて、36に示される個別の熱点結合を形成することによって一緒に積層される。適切な結合剤、すなわち、接着剤の使用を通して結合を達成することも可能である。語句「スポット結合」は、連続または不連続パターン結合、均一またはランダム点結合またはそれの組合せを含め、その全ては、当分野でよく知られている。
【0050】
結合は、層の全てを結合するために積層体の組立の後に行わるか、または積層体の最終組立の前に布層から選択されるのみを結合に使用しうる。種々の層は、様々の結合パターンで様々の結合剤によって結合されうる。全体に、積層体結合は、個々の層結合に関連して使用もされうる。
【0051】
上に記述されるとおりの多成分繊維から得られるスパンボンド法のウエブと、溶融微小繊維のウエブとの積層体は、医療用途、保護衣類用途、及び防壁下肢カフスのような衛生用途での防壁布として利用性を示す。衛生用途についての特定の利用性の中でも、本発明の平方メートル当たり17グラム(gsm)スパンボンド法のウエブ及び2〜3gsm溶融吹込ウエブでの製造のような、減少した基本重量のスパンボンド法/溶融吹込積層体である。このような防壁積層体は、例えば、オムツでの防壁下肢カフスとして使用されうる。
【0052】
別の型の不織布積層体は、本発明の不織ウエブを、フィルム、例えば、ポリオレフィンのような熱可塑性ポリマーのフィルムのようなフィルムと合わせて、防壁下肢カフス及びオムツ・バックシートのような衛生用途として利用できる防壁布を作ることによって製造されうる。図4は、図1の不織布10のような本発明の多成分繊維から形成され、例えば0.8から1ミルまでのポリエチレン・フィルムのようなポリオレフィンフィルム層44に積層される不織ウエブを含むプライ(層)または層42を含めたこのような積層体40の1つを例示する。
【0053】
有用なフィルムとしては、当分野で知られるとおりの非通気性及び通気性フィルムの両方が挙げられる。ここに使用される場合、「通気性フィルム」は、上記として、またはそれの気体状態で水の通過をなおさせない、液体(水、血液、尿などのような)の通過に対する防御を提供するフィルムに該当する。通気性フィルムとしては、それの製造(例えば、フィルムの製造の間に、炭酸カルシウムのような粒子材料を、溶融物に添加することによって)の間に通気可能になったフィルムが挙げられる。このようなフィルムは、市販で入手可能である。通気性フィルムとしては、製造後に通気性にされたフィルムも挙げられる。例えば、通気性は、別の基材(本発明の不織布のような)へのフィルムの積層及びその積層体を延伸または伸ばした後、フィルムに付与されうる。このような布積層体は、使い捨てオムツを含めた使い捨て吸収物体、使い捨て医療用または手術用ガウンのような医療用布、及び他の保護用衣類におけるバックシート構成要素として特に有用である。Wuらに対する、通気性フィルム及びそれを製造する方法の検討についての米国特許番号第5,865,926号参照。
【0054】
フィルム層44に対する不織層42の積層及び/または結合は、接着剤の連続または不連続相を用いた接着剤積層によって達成されうる。この接着剤アプローチは、優れた柔軟性及び風合いを示すオムツ用バックシート得ることができる。所望の場合、適切な接着剤は、連続または不連続コーティングのいずれかとして、ウエブ42に、ウエブ44にいずれか、または両方に塗布される。連続接着剤コーティングが使用される場合、接着剤層は、比較的薄くあるべきであり、そして接着剤は、フィラメントに、ストレッチングにより伸ばさせるために十分に柔軟性または伸長性があるべきである。不連続接着剤が使用される場合、例えばライン、螺旋、またはスポットのような任意の断続パターンが使用でき、そして接着剤は、伸長性が少ない可能性がある。接着剤は、スプレー、スロットコーティング、溶融吹込及び同等物を含めたあらゆる許容された方法によって連続的にまたは断続的に塗布されうる。
【0055】
適切な添加剤は、ポリオレフィン、ポリビニル酢酸ポリアミド、炭化水素樹脂、ワックス、天然アスファルト、スチレン系ゴム、及びそのブレンド物の含めた種々の材料から製造されうる。好ましい接着剤としては、オハイオ州コロンブスのセンチュリー・アドヘッシブズ,インク.(Centry Adhesives,Inc.)によって製造され、ゼンチュリー5227として市場に出されたもの、及びミネソタ州セントポールのエイチ.ビー.フューラー・カンパニー(H.B.Fuller Company)により製造され、HL−1258として市場に出されたものが挙げられる。
【0056】
不織布積層体は、本発明の不織布のフィルムウエブと一緒の熱積層によっても製造されうる。このアプローチは、接着剤の費用を排除する利点を示す。本発明の不織布と組合せた場合に、柔軟性及び優れた熱結合特徴を最小限にするそのフィルムウエブ中のポリオレフィン層と組合せて、封印/結合層を含めた同時押出フィルムウエブを利用することも望まし可能性がある。不織布積層体は、層42上のフィルム層44の直接押出によっても製造されうる。
【0057】
層44は、好ましくはポリオレフィンフィルム、最も好ましくはそれの元の長さの少なくとも100パーセント伸長性がある非弾性ポリオレフィンフィルムである。フィルムは、好ましくは、平方メートル当たり10から40グラムまでの範囲内にある基本重量を示す。本発明は、その型のフィルムが、使い捨てオムツの不透過性外側構成要素として従来使用される場合に、伸長性フィルム/布複合体に特に利用できる。
【0058】
複合布30及び40の層34または44は、それぞれ、結合フィラメント、ネット、フィルム、発泡体、フィラメントの並行アロイ、及び同等物を含めた種々の形態の弾性層でもありうる。このような構造は、当業者に知られる従来の方法によって製造される。本発明の目的のために、「弾性」層は、元の寸法の10%の単一伸長の後に75%復元性を示すと定義される。また知られるとおり、任意の適切な弾性形成樹脂またはそれのブレンドは、上の構造を製造する上で利用されうる。このような適切な材料としては、ポリスチレン(S)に基づいた2ブロック及び3ブロック共重合体、及び不飽和または十分に水素化ゴムブロックが挙げられる。ゴムブロックは、ブタジエン(B)、イソプレン(I)、または水素化版エチレン−ブチレン(EB)から構成される。したがって、S−B、S−I、S−EB、並びにS−B−S、S−I−S及びS−EB−Sブロック共重合体が、使用されうる。この型の好ましいエラストマーとしては、シェル・ケミカル・カンパニー(Shell Chemical Company)によって販売されるクラトンポリマー(KRATON polymer)またはデキシコ(DEXCO)によって販売されるベクトルポリマー(VECTOR polymer)が挙げられる。他のエラストマー性熱硬化性ポリマーとしては、ビー.エフ.グッドリッチ・カンパニー(B.F.Goodrich Company)によって販売されるエスタン(ESTANE)のようなポリウレタンエラストマー性材料;イー.アイ.デュポン・デ・ネムルス・カンパニー(E.I.Du Pont De Nemours Company)によって販売されるハイトレル(HYTREL)のようなポリエステル・エラストマー;アクゾ・プラスチックス(Akzo Plastics)によって販売されるアルニテル(ARNITEL)のようなポリエーテルエステル・エラストマー材料;及びエルフ・アトケム・カンパニー(Elf Atochem Company)によって販売されるペバックス(PEBAX)のようなポリエーテルアミド材料;Insite(商標)、Affinity(商標)またはダウ・ケミカルから得られるEngage(登録商標)ポリエチレン・プラストマーまたはエクソン・ケミカル(Exxon Chemical)から入手可能なExact(商標)ポリエチレン・プラストマーが挙げられる。架橋ウレタン及びゴムのような架橋エラストマーも、使用されうる。これらのポリマーの、例えばポリオレフィンのような他のポリマーとのブレンドは、溶融粘度が減少し、低溶融圧及び温度に対処することのような方法を増強し、及び/または処理量を増加させるのに使用されうる。
【0059】
本発明の1つの形態では、組立てる上で、複合布40、層42及び44は、個別の供給ロールから未伸張状態で供給される。望まれる場合には、その後、接着剤を、伸長性ウエブ42または層44の表面上に塗布する。接着剤が塗布された直後、層に圧力がかけられて、それにより布40を成形する。例えば、層は、カレンダー・ニップ・ロールを通して供給されうる。代わりに、布は、接着剤を用いて、またはなしに、熱手段によって結合されうる。
【0060】
別の実施形態では、それぞれ、図3及び4の複合布30または40は、層34または44に対峙する伸長性ウエブ32または42の側面で別の構成要素を含み、三重積層体を成形する。この第三の構成要素は、伸長性であっても、なくてもよい。任意の適切な材料は、例えば織布または不織布材料、フィルム被覆不織布のようなフィルムまたは複合体のような種々の形態で使用されうる。例えば、熱硬化性フィルムは、使用され得て、そして好ましいポリマーは、ポリプロピレンまたはポリエチレンである。市販で所望のフィルムとしては、インディアナ州テレ・ハウテ(Terre Haute、Indiana)のトレデガー・インダストリーズ,インク.(Tredegar Industries,Inc.)によって製造されるものが挙げられる。構成要素が、液体に対して実質的に不透過性である場合、それは、オムツ、トレーニングパンツ、失禁ブリーフ、及び女性用衛生製品のような個人的衣類用途でのバックシートとして適切に使用されうる。複合体構造に対する構成要素を積層することについての十分に知られたあらゆる技術が、活用されうる;好ましくは、構成要素は、先に記述される手段で接着剤の薄層によって積層される。
【0061】
代わりに、別の構成要素は、伸長性があるか、または基本的に非伸長性であるように構築される不織ウエブでありうる。例えば、不織ウエブは、ウエブ32または42に類似する多成分繊維の別のウエブであり、その結果、繊維性ウエブは、複合布30または40の両方の面に使用されうる。ヘラクルス型196ポリプロピレン・ステープル繊維のような低伸長繊維の熱で梳かれた点結合ウエブのような基本的に非伸長性不織ウエブも、使用されうる。
【0062】
伸張力は、複合布30または40にかけられて、機械方向(MD)及び/または機械横方向(CD)で、布を伸長及び伸ばしうる。膨大な樹立された技術は、この操作を行う上で使用されうる。例えば、MD伸長のための共通の方法は、2つまたはそれ以上の組のニップロールに布を通すことであり、そして各組は、先の組より早く動く。CD伸びは、幅出し乾燥機にかけることを通して達成されうる。他の手段が使用されうる;例えば、参照してここに組込まれるWeilらに対する米国特許番号第5,242,436号で開示されるとおり「環ローリング」は、CD及び/またはMD伸びを得る上でしばしば使用される。
【0063】
布30または40上の伸び力をかけることで、伸長性層32または42内の繊維は、伸び経験張力の方向に向けられ、そして布及び繊維は、変形を受ける。この工程の間に、繊維が、それらの未伸張長さを十分に越えた伸びる能力がある。例えば、70と300パーセントの間の布伸びが、しばしば認識される。ほとんどの例では、繊維は、それらの弾性限界以上に伸ばされ、可塑的変形を受け、そして恒久的に伸ばされる。本発明によって、非弾性層32または42に分配される断続的結合は、繊維が、非弾性層32または42内に十分に結束されるように高い強度のものであり、そして繊維脱離は、伸び工程の間じゅう最小限にされる。したがって、繊維脱離は、磨耗耐性が維持され、そして毛羽立ちが最小限にされる望ましい結果と共に減少される。さらに、布強度は、凝集性ウエブ構造が、伸び操作の間じゅう無傷のまま維持される場合に維持される。
【0064】
本発明の複合布は、特に、オムツ、トレーニングパンツ、失禁ブリース、及び女性用衛生製品のような種々の使い捨て衣類で使用するために十分に適合する。その布は、図5に示されるもの(参照番号で示される)のような、胴領域52及び下肢カフス構成要素54を有するオムツで利用されうる。複合布は、柔軟でそして強い両方であるので、オムツは、使用時に装着者の皮膚を擦るか、または摩擦することになしに、装着者の非常に厳しい動きによく耐えうる。
【実施例】
【0065】
以下の実施例は、本発明を例示するために役割を果すが、しかし、そこに限定されることを意図されない。
【0066】
[実施例1]
この実施例は、低毛羽立、非常に伸長性のあるスパンボンド法の不織布を製造する上での種々の多ポリマー系を用いて形成された繊維の利益を例示し、そして布特性を、100パーセント・アイソタクチック・ポリプロピレンから作製された従来のスパンボンド法の布と比較する。連続フィラメントスパンボンド法の不織布は、以下のとおり、様々の多ポリマーブレンド組合せから、一般に類似の条件下で製造された:サンプルA:96%アイソタクチック・ポリプロピレンと、4%ポリエチレン(ダウ05862N)から構成される26g/m2スパンボンド法の布;サンプルB:76%アイソタクチック・ポリプロピレン、20%プロピレン共重合体(モンテルKS057P)、及び4%ポリエチレン(ダウ05862N)から構成される33g/m2スパンボンド法の布;サンプルC:85%ポリエチレン(ダウレックス(Dowlex)2553)及び15%エチレン−プロピレン共重合体(アモコ8352)から構成される33g/m2スパンボンド法の布;及びサンプルD:二成分スパンボンド法のフィラメント(ポリエステル・コア、ポリエチレン鞘)及び溶融吹込ポリエチレンから構成される60g/m2スパンボンド−溶融吹込−スパンボンドの複合布。布引張強度及びピーク伸び特性は、ASTM D−1682によって、機械方向(MD)で、そして機械横方向(CD)で測定された。布のテーバー磨耗耐性は、ゴム輪試験及びフェルト輪試験の両方を用いて、ASTM D−3884によって測定された。結果は、下の表1で示される。比較のために、Cele stra(登録商標)の下に、ファイバーウエブ・ノース・アメリカによって製造された市販で入手可能な100%アイソタクチイク性ポリプロピレン・スパンボンド法の布も、試験され、そしてサンプルEとして表1で報告される。それが、伸び条件を欠いたので、毛羽立ちは試験されなかった。
【0067】
【表1】

【0068】
[実施例2]
27の溶融フローを示す90重量パーセントの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(ダウ6811LLDPE)及びおよそ35の溶融フローを示す10重量パーセントのポリプロピレン(PP)ポリマー(アリステックCP350J)を、回転乾燥機で乾式混錬させた。その後、乾式混錬混合物を、スパンボンド法の不織紡績システムの供給ホッパーに導入させた。連続フィラメントを、およそ600m/分のフィラメント速度で、スロット圧伸成形法によって溶融紡績させ、そして集合表面に堆積させて、スパンボンド法の不織ウエブを形成し、そしてそのウエブは、12%結合領域で、パターン化ロールを用いて熱で結合された。比較の目的のために、不織スパンボンド法の布は、100%PP及び100%LLDPEを用いて、同じポリマーを用いた類似の条件下で製造された。
【0069】
表2に示されるとおり、100%LLDPEスパンボンド法のサンプルは、100%ポリプロピレンスパンボンド法のサンプル(30)と比較して、優れた柔軟性(75及び77.5)を示した。しかし、高毛羽立ち測定値(12.5及び2.4)から見られるとおり、100%LLDPEサンプルの磨耗耐性は、100%PPサンプル(0.3)と比較して比較的乏しかった。90%LLDPE/10%PPブレンドから形成された不織布は、100%LLDPE布よりわずかに低いだけの高い柔軟性(67.5)を示し、そして100%LLDPEについて見られる値より明らかによい1.0mgの磨耗耐性(毛羽立ち値)を示した。ブレンドサンプルも、100%LLDPEで製造された製品に比較して、改善されたCD引張を示した。
【0070】
【表2】

1 gsm=平方メートル当たりのグラム
2 ロフト(弾性)は、布シートの頂部及び底部表面の間の距離を測定することによって決定された一方で、シートは、平方インチ当たり95グラムの圧縮負荷の下にあった。測定値は、一般に、10個の測定値の平均である。
3 毛羽立ちは、一定数の時間、布の面を超えて柔軟な弾性表面を繰返し擦ることによって測定される。その後、布表面から磨耗される繊維を秤量する。毛羽立ちは、観察されたmg重量として報告される。
4 柔軟性は、専門家パネルが、対照のものと実施例布の表面風合いを比較する官能的方法によって評価された。結果は、いっそう歓迎する風合いを示す高い値を示す柔軟性スコアとして報告される。各報告値は、単一布試験サンプルについてであるが、しかしいくつかのパネル構成員の投入を反映する。
5 引張、ピーク伸び及びTEAは、1インチ切断ストリップ試験であるASTM D1682−64に一般に従った7インチ長のサンプルによって1インチを破壊することによって評価された。装置交差−ヘッド速度は、分当たり5インチで設定され、そしてゲージ長は、分当たり5インチに設定された。センチメートル当たりのグラムとして報告されるストリップ引張強度は、一般に、少なくとも8つの測定値の平均である。ピーク伸び率は、最大引張強度で記録された長さでの増加率である。総引張エネルギー吸収であるTEAは、ストリップ引張試験の間に生じた応力−伸び率曲線下面積から計算される。
【0071】
[実施例3(対照)]
対照繊維は、100%ダウLLDPE2500(55MI、0.923密度)を、押出機、穴当たり分当たり0.75グラムでポリマーフローを制御するギアポンプ、及びL/D=4.1及び0.2mmの直径の34個の穴を有する紡糸口金を具備した紡績システムの供給ホッパーに導入することによって製造された。215℃の押出機中の溶融温度及び232℃のパック溶融温度を用いて、紡績を行った。空気急冷後、生じたフィラメントを、100psigで操作する空気アスピレーターガンを用いて、およそ1985m/分のフィラメント速度で圧伸成形させて、3.01デニール及び0.41のデニール標準偏差を得た。
【0072】
[実施例4]
90重量部のダウLLDPE2500(55MI、0.923密度)及び10部のハイモントX10054−12−1ポリプロピレン(65MFR)を、回転混合機中で乾式混錬させ、その後、実施例3に記述された紡績システムの供給ホッパーに導入した。211℃のパック溶融温度を用いて、紡績を行った。空気急冷後、生じたフィラメントを、100psigで操作する空気アスピレーターガンを用いて、およそ2280M/分のフィラメント速度で圧伸成形させて、2.96デニール及び1.37のデニール標準偏差を得た。
【0073】
[実施例5]
90重量部のダウLLDPE2500(55MI、0.923密度)及び10部のソルテックス(Soltex)3907ポリプロピレン(35MFR、1.74ダイ膨潤、CRグレード)を、回転混合機中で乾式混錬させ、その後、実施例3に記述された紡績システムの供給ホッパーに導入した。231℃のパック溶融温度及び216℃の押出機溶融温度を用いて、紡績を行った。空気急冷後、生じたフィラメントを、100psigで操作する空気アスピレーターガンを用いて、およそ2557M/分のフィラメント速度で圧伸成形させて、2.64デニール及び0.38のデニール標準偏差を得た。
【0074】
[実施例6]
90重量部のダウLLDPE型6806A(36MI、0.940密度)及び10部のソルテックス(Soltex)3907ポリプロピレン(35MFR、1.74ダイ膨潤、CRグレード)を、回転混合機中で乾式混錬させ、その後、実施例3に記述された紡績システムの供給ホッパーに導入した。231℃のパック溶融温度及び216℃の押出機溶融温度を用いて、紡績を行った。空気急冷後、生じたフィラメントを、100psigで操作する空気アスピレーターガンを用いて、およそ2129M/分のフィラメント速度で圧伸成形させて、3.17デニール及び2.22のデニール標準偏差を得た。
【0075】
付与された配合物を紡績する品質は、デニール標準偏差と大まかに相関関係があることが分かった。減少した標準偏差は、いっそう安定であるか、または高い品質の紡績を示唆する。したがって、実施例5にある35MFRポリプロピレンを用いたブレンドが、実施例3での対応のLLDPE対照に見られるより、いっそう安定な紡績を生じたという先行文献の教示は、予想外であり、そして正反対である。
【0076】
[実施例7]
55溶融指数及び0.925g/cc密度を示す80重量部の線状低密度ポリエチレン・ペレット及び35溶融指数を示す20重量部のポリプロピレン・ペレットを、回転混合機中で乾式混錬させた。その後、乾式混錬混合物を、30:1 l/d比を示す押出機、静電混合機、及び紡糸口金を装着した加熱溶融ブロックに溶融ポリマーを供給するためのギアポンプを具備した紡績システムの供給ホッパーに導入した。フィラメントを、紡糸口金から押出し、そして空気アスピレーターを用いて圧伸成形させた。
【0077】
[実施例8]
連続フィラメントスパンボンド法の不織ウエブのサンプルを、種々の混錬比率で、27の溶融指数を示す線状低密度ポリエチレン(ダウ6811A LLDPE)及びポリプロピレン・ホモポリマー(アプリル(Appryl)3250YR1、27MFR)のブレンドから製造した。100パーセント・ポリプロピレン及び100パーセント・ポリエチレンの対照布も、類似の条件下で製造した。その布を、種々のポリマーまたはポリマーブレンドの連続フィラメントを溶融紡績し、スロット圧伸成加工によって空気力学的にフィラメントを薄め、集合表面上にフィラメントを堆積させて、ウエブを形成し、そしてパターン化されたカレンダーロールを用いて、12パーセント結合領域と熱でウエブを結合することによって製造した。布は、およそ25gsmの基本重量を示し、そしてフィラメントは、3dテックスの平均マス/長さを示した。これらの布の引張強度及び伸び特性、及びそれらの磨耗耐性を、測定し、そしてこれらの特性は、表3に列挙される。示されるとおり、100パーセント・ポリプロピレン対照布は、測定可能な毛羽立ち発生なしによって示されるとおり素晴らしい磨耗耐性を示した;しかし、布は、比較的低い伸びを示す。100パーセント・ポリエチレン対照布は、優れた伸び特性を示したが、しかし非常に乏しい磨耗耐性(高い毛羽立ち値及び低いテーバー磨耗耐性)及び比較的低い引張強度を示した。驚くべきことに、ポリプロピレン及びポリエチレンのブレンドから製造された布は、磨耗耐性、高い伸び率及び優れた引張強度の素晴らしい組合せを示した。ブレンドのCD伸び値は、実際に、100%ポリエチレン対照のものを越えた。伸び率におけるこの驚くべき増加は、100%ポリエチレン対照で達成された結合に比較したとおりブレンドのフィラメントの優れた結合に起因すると思われ、そしてそれは、結合不全なしに非常に伸長性のフィラメントをよく利用する布を生じた。
【0078】
[実施例9]
基本重量およそ25グラム/平方メートルの連続フィラメントスパンボンド法の不織ウエブのサンプルを、種々のブレンド比率で、27の溶融指数(ダウ6811A LLDPE)及びポリプロピレン・ホモポリマー(アプリル3250YR1またはアリステックCP350Jのいずれか)の線状低密度ポリエチレンのブレンドから製造した。100パーセント・ポリプロピレン及び100パーセント・ポリエチレンの対照布も、類似の条件下で製造した。その布は、種々のポリマーまたはポリマーブレンドの連続フィラメントを溶融紡績し、スロット圧伸成形加工によって空気力学的にフィラメントを薄め、集合表面上にフィラメントを堆積させて、ウエブを形成させ、そしてパターン化ロールを用いて、12パーセント結合領域でウエブを熱で結合させることによって製造された。これらの布の引張強度及び伸び特性、及びそれらの磨耗耐性を測定し、そしてこれらの特性は、表3に列挙される。示されるとおり、100パーセント・ポリプロピレン対照布は、測定可能な毛羽立ち発生なしによって示されるとおり、素晴らしい磨耗耐性を示した;しかし、布は、非常に低い伸び率を示し、したがって、伸長性フィルム/布積層体でのこのような布の利用性を制限した。100パーセント・ポリプロピレン対照布は、素晴らしい伸び率特性を示したが、しかし非常に乏しい磨耗耐性(高い毛羽立ち値)及び比較的低い引張強度を示した。驚くべきことに、ポリプロピレン/ポリエチレン・ブレンドから製造された布は、磨耗耐性、高い伸び率及び優れた引張強度の素晴らしい組合せを示した。高いフィラメント伸び率は、布を、伸長性フィルム/布複合構造に使用するために適合させる。
【0079】
[実施例10]
使い捨てオムツのバックシートで使用されるような、およそ1.5ミル厚のポリエチレンフィルムを、全ての目的の接着剤(ロックチット・コーポレーション(Locktite Corporation))と一緒に噴霧され、15%ポリプロピレン及び85%ポリエチレンを含む25gsmスパンボンド法の布に対する圧力の使用によって結合され、その不織布の1つは、実施例9で記述される。布の機械横方向は、フィルムの機械横方向と一致する。その後、フィルム及びポリプロピレン/ポリエチレンスパンボンド法の不織布の複合布を、CD方向に、スパンボンド法の布の弾性限界を超えて、インストロン(Instron)の引張試験装置によって、200%伸長まで伸ばした。生じた伸長複合布は、減少した基本的重量、望ましい柔軟性及びドレープ特性を示すことが分かり、そして驚くべきことに、脱離布及びリントなしであり、したがって、醜い毛羽立った外観を示さなかった。伸長複合布は、それの未伸長前駆体より外観の上で厚みがあった。伸びた布は、オムツ裏面またはオムツ下肢カフスとして使用されうる。
【0080】
【表3】

6 引張及びピーク伸び率は、1インチ切断ストリップ試験であるASTM D1682−64に一般に従った7インチ長サンプルによって1インチを破壊することによって評価された。装置交差−ヘッド速度は、分当たり5インチで設定され、そしてゲージ長は、分当たり5インチに設定された。センチメートル当たりのグラムとして報告されるストリップ引張強度は、一般に、少なくとも8つの測定値の平均である。ピーク伸び率は、最大引張強度で記録された長さでの増加率である。
7 毛羽立ちは、一定数の時間、布の面を超えて柔軟な弾性表面を繰返し擦ることによって測定される。その後、布表面から磨耗される繊維を秤量する。毛羽立ちは、観察されたmg重量として報告される。
8 サイクルの数が、破損まで計数されるASTM D3884−80によって行われた。破損は、布の表面での1平方ミリメートルまたはそれ以上の穴の外観として定義された。
【0081】
[実施例11]
1.5ミル厚の弾性フィルムは、イー.アイ.デュポン・デネムラス・カンパニーによって販売されたハイトレル8122(Hytrel8122)ポリエステル弾性体から投じられた。弾性フィルムのサンプルに、全ての目的の接着剤(ロックチット・コーポレーション(Locktite Corporation))を噴霧し、そして15%ポリプロピレン及び85%ポリエチレンを含む25gsmスパンボンド法の布(不織布サンプルの1つは、実施例9で記述される)に対する圧力の使用によって結合された。布の機械横方向は、フィルムの機械横方向と一致した。生じた複合体の1.5インチ幅サンプルを、インストロン(Instron)の引張試験装置の口部に乗せ、そして200%伸長まで伸ばした。複合体を、0%伸長まで戻した。生じた応力伸び率曲線は、図6Aに示される。スパンボンド法の成分は、弾性フィルムに付着されたままであったが、しかしフィラメントは、伸ばされ、その結果、未伸長複合体は、塊状外観を示した。複合体を、200%伸長まで二回目に伸ばし、その後0%伸長まで戻した。生じた応力伸び率曲線は、図6Bに示される。スパンボンド法の成分のフィラメントが、もはや伸長に耐えられないので、弾性のモジュラスは、第二の伸長についてはいっそう低かった。複合体は、弾性材料の伸張作用特徴を示した。
【0082】
[実施例12]
布(布A)は、並んで置かれた3つのポリオレフィンウエブを熱点結合させることによって製造された。これらのウエブは、以下のポリマーから溶融紡績された。外側層番号1 平方メートル当たり8.5グラムの96%ポリプロピレン(キクソン3445)/4%ポリエチレン(ダウ05862N)中間層 平方メートル当たり2グラムの100%ポリプロピレン(エクソン3546G)溶融吹込繊維外側層番号2 平方メートル当たり8.5グラムの96%ポリプロピレン(キクソン3445)/4%ポリエチレン(ダウ05862N)
【0083】
外側層における平均繊維サイズは、3.3dテックスであった。中間層における平均繊維直径は、1.9ミクロンであった。ウエブは、カレンダーロールの組を用いて、17%結合領域と結合された。この布の機械特性、並びに100%ポリプロピレン(布B)から製造された対照布のものは、表3に示され、評価された。外側層のフィラメント中のポリエチレンを含む布の高い伸び率は、明らかに明白である。
【0084】
この3層積層体布のサンプル(布A)は、米国特許番号第4,738,677号に記述されるデサインのオムツに、防壁カフス構成要素として挿入される。このオムツは、米国特許番号第5,242,436号に記述されるとおりの固定システムにも組込まれる。このオムツでは、上記ポリオレフィン3層積層体(布A)は、オムツの側面パネル領域中の弾性発泡体の区分に接着剤で付着される。生じた弾性積層体を、33%伸長にかける。内部弾性3層積層体構成要素の熱点結合は、無傷のままである一方で、結合を連結するフィラメントは、伸ばされる。結果は、そのオムツの側面パネル区分が、伸縮性になり、弾性発泡体は、その応力−伸び率特徴を抑制することである。
【0085】
[実施例13]
スパンボンド−溶融吹込−スパンボンド・3層積層布を、4%ポリエチレン及び96%ポリプロピレンの連続フィラメント繊維のスパンボンド法の外側ウエブ、及び5ミクロンの最大繊維直径を示すポリプロピレン溶融吹込微小繊維の内側伸長性ウエブを使用して製造した。複合繊維を、145℃の温度で、約17パーセントの結合領域を生じるカレンダーのパターン化ロールを用いて、それを加熱カレンダーに通過させることによって結合した。3層積層布を、引張特性について試験し、そして複合体の防壁特性を、上昇水柱ストライクスルーアウト試験(a rising water column strikethroughou test)によって測定した。結果は、表4に示される。
【0086】
【表4】

【0087】
実施例14
この実施例は、その鞘が、微量層として特定グレードのポリプロピレンまたはコポリエチレンと混合した主要相として特定グレードのポリエチレンのブレンドから形成され、そして繊維コアが、単一ポリプロピレンまたはコポリプロピレンポリマーから構成されることを特徴とする本発明の連続二成分繊維で製造された繊維の製造及び利益を示す。その後、このような繊維の磨耗耐性特性は、本発明でない繊維を用いて作製された不織布に匹敵し得て、そしてこのような繊維は、各1または2成分形態が、単一ポリマーを用いて作製される1及び2成分繊維で作製された。
【0088】
本発明の連続フィラメントスパンボンド法の不織布及び比較布を、2つの押出機;2成分繊維を回転できる回転パック及び紡糸口金;液体から固体状態までの繊維の移行を促進するための急冷ゾーン;繊維が、機械的伸張を作る圧伸成形を促進し、そして柔軟性及び望まれる風合いについて5デニールより下の低デニールを達成するために加速される薄めゾーン;圧伸成形の後に繊維を集合する可動ワイヤー;そして集合繊維のウエブが、平滑ロールとエンボス加工されたロールとの間で加熱及び圧縮によって一緒に結合される熱結合カレンダーを具備したパイロットラインで製造した。参照は、米国特許番号第5,162,074号についてなされ、そしてそれは、2成分繊維を回転する回転パックを構築する1つの方法を教示する。このパイロットラインでのエンボス加工カレンダーは、平方インチ当たりおよそ144個のエンボス点とおよそ18%の結合領域を有する。
【0089】
これらの実験については、パイロットラインの薄めゾーンは、ルルジDOCON圧伸成形システムを具備した。ルルジ法では、フィラメントを、紡糸口金から押出し、冷却可動空気を介して急冷し、そしてその後、繊維が、高圧空気を介して加速されて、繊維が5より下のフィラメント当たりのデニールまで圧伸成形させうる試験管に導入する。その試験管の底部で、フィラメントは、互いに分離され、そして可動ワイヤーに噴霧される。
【0090】
生じた熱結合繊維の磨耗耐性は、布を改良スザーランド・インク擦り込み試験にかけることによって測定された。スザーランド・インク擦り込み試験は、ASTM D−5264、「スザーランド・インク擦り込み試験装置による印刷材料における磨耗耐性についての標準実施」(Standard Practice for Abrasion Resistance for Printed Materials by the Sutherland Ink Rub Tester)に記述されている。布磨耗耐性の評価のために、試験されるべき布は、擦り試験装置が、機械横(CD)方向で布を越えて動くようにスザーランド試験装置に載せられる。これらの試験のために、2ポンド試験装置足を使用し、そして機械は、完全5サイクルに設定された。微小粒度サンドペーパーを、磨耗材料として使用した。試験が、完了したときに、全ての破壊繊維を、注意深く収集し、そして分析用天秤を用いて秤量して、布に対する損傷の範囲の定量的概算を提供した。回復した破壊繊維の重量が低ければ低いほど、不織布の、磨耗損傷に対する耐性が大きくなると仮定される。実施例1−5は、比較例であり、そして実施例6−9は、本発明の種々の有益な実施形態を示す。
【0091】
実施例1は、単一ポリマーである市販で入手できるポリプロピレンアモコ型7956を、35の溶融フローで紡績することによって、上記パイロットラインを用いて行われた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.102の磨耗耐性値を示した。
【0092】
実施例2は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして35の溶融フローのポリプロピレン型アモコ7957を、第二の押出機で押出して、コアになり、そして不織布の実施例2について二成分繊維で20/80鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.205の磨耗耐性値を示した。
【0093】
実施例3は、ポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてポリプロピレン型アモコ7957を、第二の押出機で押出して、コアになり、そして不織布の実施例3について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.220の磨耗耐性値を示した。
【0094】
実施例4は、ポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてポリプロピレン型アモコ7644を、第二の押出機で押出されて、コアになり、そして不織布の実施例4について二成分繊維で50/50鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.149の磨耗耐性値を示した。
【0095】
実施例5は、ドイツ国ベルリンのビービーエス・ノンウォ−ブンズ(BBA Nonwovens)から市販で入手可能な40gsmの基本重量を示すBBAコロライン(COROLINE)スパンボンド法のポリエチレン布(100%ポリエチレン)であった。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.168の値を示した。
【0096】
実施例6は、40の溶融指数を示す85%ポリエチレン型ダウ2553及び26の溶融指数を示す15%ポリプロピレン、アプリル3250のブレンドが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてポリプロピレン型アプリル3250を、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例6について二成分繊維で50/50鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。鞘のために使用されたブレンドを、セメント混合機で乾燥ペレットとして混合して、その後押出機を供給するホッパーに導入させた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.155の磨耗耐性値を示した。
【0097】
実施例7は、27の溶融指数を示す85%ポリエチレン型ダウ6811A及び26の溶融フローを示す15%のポリプロピレン、アプリル3250のブレンドが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてポリプロピレン型アプリル3250を、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例7について二成分繊維で50/50鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。鞘のために使用されたブレンドを、セメント混合機で乾燥ペレットとして混合して、その後押出機を供給するホッパーに導入させた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.143の磨耗耐性値を示した。
【0098】
実施例8は、27の溶融指数を示す85%ポリエチレン型ダウ6811A及び26の溶融フローを示す15%ポリプロピレン、アプリル3250のブレンドを、1つの押出機で押出して、鞘になり、そしてポリプロピレン型アモコ7956を、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例8について二成分繊維で50/50鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。鞘のために使用されたブレンドは、成分と一緒に混合し、押出機で溶融させて、溶融混合物を生じ、その後、パイロットラインホッパーに導入されるべきペレットとして押出して、パイロットライン押出機に供給することによって製造された。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.132の磨耗耐性値を示した。
【0099】
実施例9は、27の溶融指数を示す85%ポリエチレン型ダウ6811A及び15%のコポリプロピレン型アモコ8253、6の溶融フローを示す97/3の比にあるランダム共重合体のブレンドを、1つの押出機で押出して、鞘になり、そして35の溶融フローを示すポリプロピレン型アモコ7956を、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例9について二成分繊維で50/50鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。鞘のために使用されたブレンドを、セメント混合機で乾燥ペレットとして混合して、その後押出機を供給するホッパーに導入させた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.106の磨耗耐性値を示した。
【0100】
[実施例15]
この実施例は、コアが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドから形成され、ポリマーが、高融点主要連続相として存在し、そして少なくとも1つの低融点不連続相がそこに分散されることを特徴とする本発明の連続二成分繊維を用いて製造された布の製造及び利益を示す。高融点連続相は、プロピレンポリマーを含み、そして低融点不連続相は、ポリエチレンポリマーを含む。
【0101】
本発明の連続フィラメントスパンボンド法の不織布及び比較布は、2つの押出機;2成分繊維を回転できる回転パック及び紡糸口金;液体から固体状態までの繊維の移行を促進するための急冷ゾーン;繊維が、機械的強度を作る圧伸成形を促進し、そして柔軟性及び望まれる風合いについて5デニールより下の低デニールを達成するために加速される薄めゾーン;圧伸成形の後に繊維を集合する可動ワイヤー;そして集合繊維のウエブが、平滑ロールとエンボス加工されたロールとの間で加熱及び圧縮によって一緒に結合される熱結合カレンダーを具備したパイロットラインで製造した。参照は、米国特許番号第5,162,074号についてなされ、そしてそれは、2成分繊維を回転する回転パックを構築する1つの方法を教示する。このパイロットラインでのエンボス加工カレンダーは、平方インチ当たりおよそ144個のエンボス点とおよそ18%の結合領域を有する。
【0102】
これらの実験については、パイロットラインの薄めゾーンは、ルルジDOCON圧伸成形システムを具備した。ルルジ法では、フィラメントを、紡糸口金から押出し、冷却可動空気を介して急冷し、そしてその後、繊維が、高圧空気を介して加速されて、繊維が5より下のフィラメント当たりのデニールまで圧伸成形させうる試験管に導入する。その試験管の底部で、フィラメントは、互いに分離され、そして可動ワイヤーに噴霧される。
【0103】
生じた熱結合繊維の磨耗耐性は、布を改良スザーランド・インク擦り込み試験にかけることによって測定された。スザーランド・インク擦り込み試験は、ASTM D−5264、「スザーランド・インク擦り込み試験装置による印刷材料における磨耗耐性についての標準実施」(Standard Practice for Abrasion Resistance of Printed Materials by the Sutherland Ink Rub Tester)に記述されている。布磨耗耐性の評価のために、試験されるべき布は、擦り試験装置が、CD方向で布を越えて動くようにスザーランド試験装置に載せられる。これらの試験のために、2ポンド試験装置足を使用し、そして機械は、完全5サイクルに設定された。微小粒度サンドペーパーを、磨耗材料として使用した。試験が、完了したときに、全ての破壊繊維を、注意深く収集し、そして分析用天秤を用いて秤量して、布に対する損傷の範囲の定量的概算を提供した。回復した破壊繊維の重量が低ければ低いほど、不織布の、磨耗損傷に対する耐性が大きくなると仮定される。実施例1、2及び7は、比較例であり、そして実施例3−6は、本発明の種々の有益な実施形態を示す。
【0104】
実施例1は、単一ポリマーである市販で入手できるポリプロピレンアモコ型7956を、35の溶融フローで紡績することによって、上記パイロットラインを用いて行われた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.102の磨耗耐性値を示した。
【0105】
実施例2は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして35の溶融フローのポリプロピレン型アモコ7956を、第二の押出機で押出して、コアになり、そして不織布の実施例2について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。実施例2の基本重量は、平方メートル当たり33グラムであることが分かった。実施例2についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.146の磨耗耐性値を示した。その後、スザーランド・インク擦り込み試験を、上に記述されるとおり繰返したが、しかしここで、擦り込みは、布のMDであり、0.115の磨耗耐性を生じた。実施例2の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、763グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、134%であった。最大引張でのCD靭性は、742インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、2213グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、121%であった。最大引張でのMD靭性は、2320インチ−グラム/インチ平方であった。
【0106】
実施例3は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして76%ポリプロピレン型アモコ7956に、20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)と、4%ポリエチレン、ダウ5862を加えたブレンドを、第二の押出機で押出して、コアになり、そして不織布の実施例3について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。実施例3の基本重量は、平方メートル当たり29グラムであることが分かった。実施例3についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方法に上述のとおり擦った場合に、0.104の磨耗耐性値を示した。その後、スザーランド・インク擦り込み試験を、上に記述されるとおり繰返したが、しかしここで、擦り込みは、布のMDであり、0.149の磨耗耐性を生じた。
【0107】
実施例3の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、858グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、134%であった。最大引張でのCD靭性は、843インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、2184グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、106%であった。最大引張でのMD靭性は、2067インチ−グラム/インチ平方であった。
【0108】
実施例4は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして型アコモ8956に20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862を足して入手できるプロピレン97%及びエチレン3%から製造したランダム共重合体のブレンドを、第二の押出機で押出されて、コアになり、そして不織布の実施例4について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。実施例4の基本重量は、平方メートル当たり29グラムであることが分かった。実施例4についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.1146の磨耗耐性値を示した。その後、スザーランド・インク擦り込み試験を、上に記述されるとおり繰返したが、しかしここで、擦り込みは、布のMDであり、0.132の磨耗耐性を生じた。実施例4の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、770グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、157%であった。最大引張でのCD靭性は、873インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、1749グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、133%であった。最大引張でのMD靭性は、1981インチ−グラム/インチ平方であった。
【0109】
実施例5は、規模が大きいこと、そして紡糸口金の2つのビームを有すること以外は、上述のパイロットラインに類似の市販のルルジスパンボンド法を用いてなされた。紡糸口金の両方のビームは、下に記述されるのと同じ繊維を生成した。実施例5は、27の溶融指数を示すポリエチレン、型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてユニオンカーバイド6D43に20%モンテル・アドフレックス(Adflex)357Catalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862Nを足したものとして入手できるプロピレン97%及びエチレン3%から製造した76%ランダム共重合体のブレンドが、第二の押出機で押出されて、コアになり、そして不織布の実施例5について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、行われた。実施例5の基本重量は、平方メートル当たり30グラムであることが分かった。実施例5の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、1089グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、82%であった。最大引張でのCD靭性は、680インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、1270グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、84%であった。最大引張でのMD靭性は、771インチ−グラム/インチ平方であった。
【0110】
実施例6は、規模がより小さい以外は、上のパイロットラインに対する機能及び操作でと類似の非常に小さな規模のパイロットラインを用いて行われた。実施例6は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして76%ポリプロピレン型アモコ7956に、20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン・ダウ5862を加えたブレンドを、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例6について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、行われた。実施例6の基本重量は、平方メートル当たり28グラムであることが分かった。実施例6についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.1366及び0.1324の磨耗耐性値を示した。実施例6の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、1113グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、73%であった。最大引張でのCD靭性は、699インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、869グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、96%であった。最大引張でのMD靭性は、748インチ−グラム/インチ平方であった。
【0111】
実施例7は、規模がより小さい以外は、上のパイロットラインに対する機能及び操作でと類似の非常に小さな規模のパイロットラインを用いて行われた。実施例7は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてポリプロピレン型アモコ7956を、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例7について二成分繊維で20/80鞘/コアの比を生じるように、行われた。実施例7の基本重量は、平方メートル当たり31グラムであることが分かった。実施例7についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.1366及び0.1859の磨耗耐性値を示した。実施例7の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、1418グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、79%であった。最大引張でのCD靭性は、944インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、931グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、109%であった。最大引張でのMD靭性は、849インチ−グラム/インチ平方であった。
【0112】
[実施例16]
この実施例は、コアが、微量相として特定グレードのポリプロピレンまたはコポリエチレンと混合した主要相として特定グレードのポリエチレンのブレンドから形成されることを特徴とする本発明の連続二成分繊維を用いて製造された布の製造及び利益を示す。さらに、繊維コアは、少なくとも2つの異なるポリオレフィン・ポリマーの多ポリマーから形成され、そしてポリマーは、高融点主要連続相、そしてそこに分散される少なくとも1つの低融点不連続相として存在する。高融点連続相は、プロピレンポリマーを含み、そして低融点不連続相は、ポリエチレンポリマーを含む。
【0113】
本発明の連続フィラメントスパンボンド法の不織布は、上の実施例14及び15で記述されるとおりに製造され、そして生じた熱結合布の磨耗耐性及び機械特性は、実施例14及び15で上に記述される試験を使用して測定する。
【0114】
布は、二成分繊維の鞘成分として以下のポリマーブレンドを使用して製造される: (1)85%ポリエチレン、型ダウ2553及び26の溶融フローを示す15%のポリプロピレンアプリル3250のブレンド; (2)27の溶融指数を示す85%ポリエチレン、型ダウ6811A及び26の溶融フローを示す15%のポリプロピレンアプリル3250のブレンド;及び (3)27の溶融指数を示す85%ポリエチレン、型ダウ6811A及び6の溶融フローを示す97/3の比率でプロピレンのランダム共重合体である15%のコポリプロピレン型アモコ8253のブレンド。
【0115】
上記繊維は、以下の群のポリマーブレンドの内の1つから選択されるコア成分を含んだ: (1)76%ポリプロピレン、型アモコ7956に、20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862を足したブレンド; (2)型アモコ8956に20%モンテルKOS84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862を足したものとして入手可能なプロピレン97%及びエチレン3%から製造されたランダム共重合体のブレンド;及び (3)ユニオンカーバイド6D43に20%モンテル・アドフレックス357Catalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862Nを足したものとして入手できるプロピレン97%及びエチレン3%から製造された76%ランダム共重合体のブレンド。
【0116】
繊維は、50/50、80/20、または20/80の鞘/コア比を示す。布は、優れた伸び及び感覚的で望ましい引張強度のような望ましいが、なお正反対の特性の組み合わせを示す。発明者らは、従来のPE鞘/PPコア繊維が、磨耗耐性問題を示す可能性があることを知見した。対照的に、この実施例で記述されるような繊維は、PE/PP鞘コア繊維に比べたときに、改善された磨耗耐性を示しうる。本発明のいかなる説明に結合されることも望まないが、ポリマーブレンド鞘成分は、コアと同様に、他の繊維にいっそう強力に結合し得て、それによりなお伸びを犠牲にせずに、繊維結束及び布磨耗耐性を改善する。
【0117】
[実施例17]
本発明の布の繊維構造内に含まれるような不連続ポリマー相のドメイン・サイズ及び分布を測定する調査が行われた。その終了に向けて、スパンボンド法の不織布を、本出願の教示にしたがって製造した。特に、27の溶融指数を示す85重量パーセントの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(ダウ6811A LLDPE)及びおよそ24の溶融フローを示す15重量パーセントのポリプロピレン(PP)ポリマー(アプリル3250YR1PP)を含むポリマーブレンドを、回転混合機で乾式混錬させた。その後、乾式混錬混合物を、スパンボンド法の不織紡績システムの押出機の供給ホッパーに導入した。連続フィラメントを、およそ600m/分のフィラメント速度で、スロット圧伸成形加工によって溶融紡績し、そして集合表面上に堆積させて、スパンボンド法の不織ウエブを形成し、そしてそのウエブを、12%結合領域を示すパターン化ロールを用いて、熱で結合させた。そのように製造されたサンプルは、実施例Aとして引用される。
【0118】
その後、混錬の代替法を、使用して実施例Bとして引用される別の布サンプルを製造した。実施例Bでは、ダウ6811A LLDPEは、主要押出機に供給される一方で、アプリルPPは、二次押出機を介して溶融蒸気に導入され、そしてその後、実施例Aでのようにその押出機中でのさらなる混合を伴う固形状態でポリマーを混錬させるよりむしろ、静電混合ユニットを通過させた。優れた混合は、両方の方法から生じると思われた。押出に続いて、実施例A及びBのスパンボンド法の布を製造するために使用される手段は一致する。実施例Bでの布は、上の実施例8及び表3で製造及び参照されるのと同じ材料である。
【0119】
スパンボンド法の布サンプルは、繊維断面で行われる透過性電子顕微鏡測定法(TEM)に基づいたポリマードメイン・サイズ及び分布について評価された。電子顕微鏡測定法では、画像対照は、構造存在の中で電子密度における変動の結果として得られる。ほとんどのポリマーは、それらの主要鎖中に炭素、水素、及び酸素のような低原子数元素を示し、そして結果として、ポリマーは、ブレンド中の相の間を区別する電子密度で非常に少ない差異を示す。これを克服するために、特定の構造での高原子数元素の添加による重金属増影法または染色が、広く使用される。TEM顕微鏡写真は、2つの独立の実験室によって実施例Aのために作製された。2つの実験室によって評価される場合の実施例Aの繊維の顕微鏡写真の写しは、図7及び8として添付される。TEM顕微鏡写真は、実施例Bのために作製され、そして実施例Bについての顕微鏡写真の写しは、図9として添付される。
【0120】
TEMについてのスパンボンド法の布サンプルを作製するために、少量の布を、サンプル支持体に埋設し、そしてその後凍結させた。低温ミクロトームを使用して、それらの構造を損なうことなしに、サンプルの繊維断面を露出させた。その後、重金属染色である四酸化ルテニウムを、破砕サンプルに使用して、ポリマー相の間に十分な対照を提供した。図7、8及び9の顕微鏡写真は、そこに明記されるとおり可変の程度の倍率である(それぞれ、30,000×、45,000×、及び25,500×)。サンプルA及びBのドメインサイズ範囲は、25,000から45,000倍まで拡大した付与布サンプルを示す繊維顕微鏡写真から任意に選択される50ドメインを測定することによって決定された。
【0121】
四酸化ルテニウムを、ポリマーの不定形領域に吸収させた。図10及び11は、それぞれ、100%PPホモポリマー及び100%PEホモポリマーから得られる染色された繊維サンプルのTEM顕微鏡写真である。PPホモポリマーの図10は、微小結晶が、非常に小さいので、不定形領域が、装置の解像度を越え、したがって対照が存在せず、そして均一サンプルが観察される(すなわち、ドメインまたは微小結晶構造なし)ことを示す。図11での100%PE繊維のTEM顕微鏡写真は、PEのラメラ構造を例示する。PE微小結晶は、十分に大きいので、その結果、染色条件が正しい場合、ラメラ組織が観察されうる。PEのラメラ構造から生じる類似の構造は、図7、8及び9でのブレンドのドメイン構造と重ね合わされる。
【0122】
顕微鏡写真の視覚的比較は、欧州特許第621,356号(EP'356)で報告されるもののような他の繊維について報告されるものに比べたときに、本出願で記述されるブレンドから形成される繊維のドメインサイズ及び分布での実質的差異を明らかに示す。顕微鏡写真から得られる定量的結果は、下の表で提供される。実施例A1、A2、Bは全て、本出願で記述されるとおりブレンドから形成される布の繊維に該当する一方で、C1は、EP'356で提供される情報に該当する。
【0123】
【表5】

【0124】
先述の観察に基づいて、本出願で記述されるとおりのブレンドから形成される布の繊維は、EP'356の繊維と容易に区別できる。特に、ここに記述されるとおりのブレンドの繊維の分散ポリマードメインは、EP'356の繊維の分散ポリマードメインよりいっそう小さい。本出願で記述されるブレンドの布の繊維の分散ポリマードメインは、非常に小さく、そしてサイズで実施例A1については、0.03から0.008μmまで、0.05μmの平均で、実施例A2については0.01から0.08μmまで、そして、実施例Bについては0.02から0.08μmまで、0.04μmの平均の範囲にある。全ての3つの提示についての結果は、非常に類似した。付与されたドメインサイズ範囲は、観察した最少及び最大ドメインに基づいた。観察された最大ドメインサイズは、測定及び定量するのに簡単であるのに対して、存在する最少のドメインサイズを明言することは、さらにいっそう困難である。表に列挙されるのは、電子顕微鏡写真で観察される最少ドメインサイズである。電子顕微鏡写真は、極端に小さなドメインを示し、そして、我々が、測定できるものの限界を拡大していることを示す。当業者は、ドメインが、装置の解像度を越えているので、小さすぎて観察されないドメインがあることは最も疑いないことを認識する。最少ドメインは、表に列挙されるものより小さいことが予想される。
【0125】
対照的に、EP'356の繊維の分散ポリマードメインサイズは、大きく、そしてその少なくとも70%は、サイズで0.05から0.30μmまでの範囲に入ると明言される。本出願で記述されるドメインサイズは、非常に狭く、そして平均ドメインサイズは、EP'356で示されるサイズ範囲より小さい。さらに、本出願で記述されるとおりのブレンドの繊維及びEP'356の繊維は、ドメイン分布で明らかに異なる。本出願で記述されるとおりのブレンドの繊維の分散ポリマードメインは全て、繊維の断面を通して均一に分布され、そして平均で、付与ドメインとそれの最も近い近隣ドメインとの間に等しい距離があることを意味する。対照的に、EP'356の図1、9及び12は、分散ポリマードメインの不均一分布、及び特に、階層化ドメインの生成(図9及び12)及び繊維の周辺で濃縮されるドメイン(図1)を示す。
【0126】
小さなポリマードメインの存在は、繊維押出についての有利でありうる。同様に、均一に分布したドメインの存在は、不連続相の特性が、繊維構造を通していっそう均一に分布される場合に、繊維製造に対して有利でありうる。したがって、本発明の繊維が、EP'356の繊維と明らかに異なると結論されうる。
【0127】
本発明の多くの修飾及び他の実施形態は、前述の説明に存在する教示の利益を示す本発明が関与する当業者の気にかかることになる。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に制限さるべきでないこと、そして修飾及び他の実施形態が、付随の請求項の範囲内に入ることが意図されることと理解されるべきである。特定の語句が、ここに使用されるが、それらは、包括的で説明的な意味のみで使用され、そして限定の目的のためのものでない。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の多成分繊維から形成された不織布の斜視略図である。
【図2】本発明の多成分繊維の斜視略図である。
【図3】構成要素として、本発明の多成分繊維から形成された布を含み、そして各自の層が、図解を明確にするために露出される不織複合布の斜視略図である。
【図4】構成要素として、本発明の多成分繊維から形成された布を含む代替的不織複合布の斜視略図である。
【図5】構成要素として、本発明の複合布を組込むオムツの側面図である。
【図6】図6A及び6Bは、それぞれ、第一及び第二の伸びの後に実施例11で記述される布サンプルの応力−伸び率関係を示すグラフである。
【図7】多ポリマーブレンドを含む繊維の透過型電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。
【図8】多ポリマーブレンドを含む繊維の透過型電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。
【図9】多ポリマーブレンドを含む繊維の透過型電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。
【図10】100%ポリプロピレンモノポリマーから形成される繊維のTEM顕微鏡写真である。
【図11】100%ポリエチレンホモポリマーから形成される繊維のTEM顕微鏡写真である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多成分繊維、並びに不織布織物及び多成分繊維を含む織物積層物に関する。特に、本発明は、ポリマーの選択組合せから形成される少なくとも1つのポリマードメインに含まれる多成分繊維、並びに改善された繊維特性及び加工特徴を示す不織布繊維及び積層物に関する。
【背景技術】
【0002】
スパンポリマー材料から製造される不織布は、様々の異なる用途に使用される。他の用途の中でも、このような不織布は、使い捨てオムツ又は衛生製品のためのカバーシートとして使用される。使い捨てオムツをいっそう居心地がよく、そして乳児にうまく合うようにする上で相当に興味がある。オムツ快適さの重要な部分は、オムツのトップシート、防壁下肢カフス、及びある種の応用デザインでは、バックシートフィルムに積層された布を含めてオムツを製造するために使用される不織布の柔らかさ及び硬さである。さらに、ある種のオムツのデザインでは、布伸びの程度が高いのは、柔軟な居心地のよい適合性を達成するための弾性成分と協力させるために必要である。
【0003】
改善されたオムツのトップシートの柔軟性に対する1つのアプローチは、スパンボンド法のオムツ不織布を製造するために、ポリプロピレンの代わりの樹脂として線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を使用することである。例えば、Fowellsの米国特許番号第4,644,045号(特許文献1)には、線状低密度ポリエチレンから製造される素晴らしい柔軟特性を示すスパンボンド法の不織布が記述されている。しかし、LLDPEスパンボンド法の布の上述の柔軟性は、このような製品における許容しうる磨耗耐性を達成する上での困難さのために、けして広範に利用されていない。許容しうる磨耗耐性を示すスパンボンド法のウエブへのLLDPEフィラメントの結合は、非常に困難であることが立証された。許容しうる繊維結束は、フィラメントが、カレンダーに溶融及び付着し始める点の少し下の温度で観察される。この非常に狭い結合時機は、許容しうる磨耗耐性を示すLLDPEスパンボンド法の布の製造を非常に困難にした。したがって、LLDPEスパンボンド法の布によって提供される柔軟性の利点は、市場で首尾よく捕らえられなかった。
【0004】
不織布を製造する上で広範に使用されてきた従来のポリプロピレンは、未延伸条件で適切な毛羽立ち及び磨耗耐性特性を示すが、しかし伸び特性は、許容できず、したがって、繊維及び/又は布は破損する。
【0005】
Sabeeの米国特許番号第4,153,664号(特許文献2)及び第4,223,063号(特許文献3)では、例えば溶融又はスパンボンド法の不織布から形成される、複合不織布の柔軟性及びドレープ適性は、布を圧伸成形又は延伸させることによって改善されうることが開示されている。さらに特に、Sabeeによると、複合不織布は、ウエブを様々に圧伸成形又は延伸して、延伸及び未延伸領域のキルトパターンを形成することにより加工され、それにより増強された柔軟性、風合い及びドレープ適性を有する製品を提供する。しかし、その延伸は、ある程度の布の物理特性を改善する可能性はある一方で、それは、例えば醜い毛羽立った表面を有する布を残したままで磨耗耐性のような他の重要な特性に有害に影響を及ぼしうる。さらに、Sabeeは、この用途の使用での未圧伸成形又は過少圧伸成形フィラメントの使用を教示する。未圧伸成形又は過少圧伸成形フィラメントは、一般に、デニールが高く、したがって、布は、堅い傾向がある。
【0006】
柔軟性に加えて、製品の性能要求は、弾性を示す複合不織布を要求する。特定の使い捨てオムツのデザインでは、例えば、胴及び/又は下肢カフス領域に弾性特性を与えることが望まれる。複合不織布にこのような弾性特性を提供するために取られた1つのアプローチは、弾性ウエブを成形及び延伸し、その後、集合性ウエブを弾性ウエブと結合させ、そして複合体を弛緩することに関与する。このアプローチの明らかな制限は、張力状態にある複合体を形成するために示されている。これは、別の装置及び制御システムを要求する。この加工の例は、Mormonの米国特許番号第4,657,802号(特許文献4)であり、そこで、複合不織弾性体は、弾性ウエブを最初に延伸し、延伸弾性不織布上に繊維性不織集合ウエブを成形し、その2つを一緒に連結して、複合構造を形成し、その後複合体を弛緩させることによって作製される。Collierらの米国特許番号第5,169,706号(特許文献5)で、低応力緩和を示す複合弾性材料が、弾性シートと集合性層との間に形成される。Daponteの米国特許番号第4,863,779号(特許文献6)では、弾性ウエブを最初に引っ張って、それを伸ばし、少なくとも1つの集合性ウエブを弾性ウエブに結合させ、そして結合直後にその複合体を弛緩させることに関与し、その結果集合性ウエブは、結合点の間で収集される複合体が開示される。
【0007】
複合不織布に弾性特性を付与する別のアプローチは、いわゆる「ゼロ−伸び率」延伸性積層体を用いるものである。「ゼロ−伸び率」伸張性積層体は、少なくとも2つの層の材料、つまり一方は弾性で、他方は実質的に非弾性であるものが、実質的に未引張状態でありながら、それらの共に広い表面に沿って、互いに硬化された布に該当する。その布は、連続して機械的延伸にかけられる。非弾性層は、一般に、破断又は拡張し、したがって、非弾性層を恒久的に伸ばし、そして弾性特性を有する複合布を製造する。この積層及び延伸工程は、未延伸条件における弾性を利用することが、伝統的加工操作で使用される圧伸成形弾性体より容易でそして高価でないという点で有益である。しかし、現在利用できる「ゼロ−伸び率」延伸性積層体で存在した1つの問題は、表面磨耗である。機械的延伸は、「ゼロ−伸び率」積層体の実質的に非弾性の成分内でその繊維を破断又は崩壊するかのいずれかであり、そして結果として、その繊維が分離し、そして糸屑及び毛玉の疑いがある。さらに、このような破断又は分離は、布の強度における注目を引く損失を起す。
【0008】
繊維結束及び磨耗耐性の前述の問題に対処することが試みられた。例えば、高伸び特性を有する複合体の不織布構成要素を作ることが試みられた。上に明記されるとおり、不織布を製造する際に広く使用されている従来のポリエチレンは、非延伸条件で適切な毛羽立ち及び磨耗耐性特性を提供するが、しかし伸び特性は、受け容れ得るものでなく、したがって、繊維及び/又は布は破損する。線状低密度ポリエチレン(LLDPE)から形成される不織布ウエブは、高い伸び特性を有し、そしてさらに素晴らしい風合い、柔軟性及びドレープ特性を保有することが示された。しかし、さらに上に明記されるとおり、そのような布は、許容しうる磨耗耐性を提供することができないので、広く商業的に許容が見られなかった。
【特許文献1】米国特許第4,644,045号
【特許文献2】米国特許第4,153,664号
【特許文献3】米国特許第4,223,063号
【特許文献4】米国特許第4,657,802号
【特許文献5】米国特許第5,169,706号
【特許文献6】米国特許第4,863,779号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これらの欠点及び制限を克服し、そして伸長性、引張り特性及び磨耗耐性の素晴らしい組み合わせを有するものから成形される多成分繊維及び不織布を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の多成分繊維としては、構造ドメインに配列される少なくとも2つのポリマー成分が挙げられる。そのポリマー成分の少なくとも1つは、高磨耗耐性、優れた引張り特性、素晴らしい柔軟性及び同等物のようなこれまで認識又は記述されなかった改善された布の性能を付与するポリオレフィンポリマーの選択ブレンドから成形される。さらに、これらのブレンドは、高い生産性レベルで、不織布を有効に製造することを可能にする素晴らしい溶融紡績及び加工特性を示す。
多成分繊維は、連続フィラメント、ステープル繊維、又は溶融吹込繊維(meltblown fiber)でありうる。好ましい実施形態では、繊維は、鞘−コア構造ドメインに配列されたポリマー成分を用いた二成分繊維である。本発明のこの態様で、コアは、繊維に、そして順次、それを用いて製造された布に、所望の特性を付与するポリマーブレンドから形成される。
【0011】
多成分繊維の少なくとも1つの重合性ドメインは、非混和性であるポリマーのブレンドから形成され、そして混錬して、主要連続相及び少なくとも1つの分散相を形成しうる。例示の非混和性ポリマーとしては、線状低密度ポリエチレンを含むポリエチレン、及びポリプロピレンが挙げられる。高融点ポリマーは、主要連続相である。本発明の多成分繊維の他のポリマードメインは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、及び同等物のような当分野で知られるとおりの繊維形成ポリマーの型のいずれか、及び共重合体及び三重合体及びそのブレンドから形成されうる。
【0012】
好ましいブレンドは、2つの層と少なくとも部分的に混和性である第三成分を含み、そしてブレンドに非常に伸長性の特性を付与する。適切なブレンドの例は、ブレンドの重量に基づいて約65から80重量パーセントまでの量で存在するアイソタクチック・ポリプロピレン;ブレンドの重量に基づいて約1から約5重量パーセントまでの量で存在する線状低密度ポリエチレンである;そしてブロック又はグラフト・ポリオレフィン共重合体又は三重合体は、アイソタクチック・ポリプロピレンと混和性のあるそれの鎖の少なくとも一部を有し、そしてブロック又はグラフト・ポリオレフィン共重合体又は三重合体は、ブレンドの重量に基づいて約15から30重量パーセントまでの量で存在する。ブロック又はグラフト共重合体又は三重合体の比較的小さな比率を、ポリプロピレン/ポリエチレン・ブレンドと混錬することが、布磨耗耐性及び/又は柔軟性特性における明らかに有害な影響なしに、ポリマーブレンドから形成される不織布に、非常に増大した伸びを付与すること分かった。
【0013】
本発明の多成分繊維は、非常に伸び得て、そして望ましいが、しかし正反対の特性を有する凝集性の伸長性不織布の製造に有用である。特に、優れた柔軟性、磨耗耐性及び伸びを示す布に成形されうる。本発明の1つの実施形態によって、凝集性の伸長性不織ウエブは、少なくとも1つのポリマードメインが、多ポリマーから形成されることを特徴とするランダムに配列された実質的に多成分の連続フィラメントの熱で結合されたスパンボンド法の不織ウエブである。本発明の別の実施形態によって、凝集性の伸長性不織ウエブは、多成分ステープル繊維の熱結合梳きウエブ(a thermally bonded carded web)である。凝集性の伸長性不織ウエブは、多成分繊維に加えて、溶融微小繊維のような別の繊維性成分を含みうる。本発明の布は、10サイクルより大きなテーバー表面磨耗値(ゴム輪)、及び機械方向又は機械横方向の少なくとも1つで、ピーク負荷で、少なくとも70%の伸びを示しうる。
【0014】
本発明の別の実施形態によって、不織繊維は、1つ又はそれ以上の別の層又はそこに積層される成分を含みうる。例示の別の層としては、連続又は有孔ポリマーフィルム、弾性ポリマーのフィルム又はウエブ、スパンボンド法の不織ウエブ、伸長性スクリム又はネット、一連の伸長性又は弾性ストランド、溶融微小繊維のウエブ、ステープル繊維のウエブ、及び同等物が挙げられる。弾性ウエブ又はフィルムが使用される場合、複合体は、伸びによって活発にされた伸縮性であり得て、そしてそれは、多成分繊維の凝集性の伸長性ウエブの恒久的伸び及び伸張を引起し、そして生じた複合布は、弾性特性を示す。例えばポリオレフィンフィルムのような伸長性非弾性層が、使用される場合、複合体は、伸びによって、例えばそれの元の非延伸長さの少なくとも20%まで活性化される伸縮性であり得て、そして素晴らしい柔軟性及びドレープを示す複合体を製造しうる。
【0015】
結果物である複合布は、オムツ、失禁パッド、衛生ナプキン及び同等物のような使い捨て吸収衣類で使用するために適する布様風合い及び優れた被覆特徴を有しうる。複合布は、下肢防壁カフス、側面パネル、バックシート、トップシート及び同等物のような使い捨てオムツの構成要素として特に有用である。
【0016】
本発明の目的及び利点のいくつかが、記載された。他方は、付随の図面に関連して見られるときに明かである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、付与される本発明の例示の実施形態と関連して、以降により十分に記述され、その結果、本開示は、綿密でそして完全であり、そして当業者に本発明の範囲を十分に伝達する。しかし、本発明は、多くの様々な形態で具体化されうると理解するべきであり、そしてここに記述及び例示される特定の実施形態に限定されるべきであると意図されるべきでない。特定の語句が、以下の説明に使用されているが、これらの語句は、例示の目的のためのみであり、そして本発明の範囲を定義又は限定することが意図されない。
【0018】
図1は、本発明の多成分繊維12から形成され、10として一般に示される、不織布の斜視略図である。図1で表される不織繊維状のウエブは、一般的な意味で、比較的平坦で、柔軟性があり、そして多孔性である概して平面な構造を含み、そして多成分ステープル繊維又は連続フィラメントから構成されると考えるべきである。不織ウエブは、それに限定されないが、梳毛、スパンボンド法、湿式積層、空気積層、溶融などのような不織分野でよく知られる多くの製造技術のいずれかによって製造され得うる。
【0019】
例えば、図1に示される実施形態では、不織繊維性ウエブは、二成分スパンボンド法の連続フィラメントを含むスパンボンド法の不織布である。スパンボンド法のウエブは、溶融ポリマーが、連続フィラメントに押出され、そしてそれは順次、急冷し、高速流動体によって薄め、そして集合表面上にランダム配列で集合される従来のスパンボンド法の工程によって製造されうる。フィラメント収集の後、任意の熱、化学又は機械的結合処理は、凝集性構造が生じるように結合ウエブを形成するために使用されうる。
【0020】
図1で示される実施形態では、ウエブ10は、単一の凝集性不織ウエブを形成する布中に配分される、14として一般的に示した複数の断続結合によって結合される。この点で、熱点結合は、最も好ましい。種々の熱点結合技術が知られており、そして最も好ましくは、点結合パターンを有するカレンダーロールを利用することである。当分野で知られる任意のパターンが、連続又は不連続パターンを使用する典型的実施形態で使用されうる。好ましくは、結合14は、ウエブ10の6と30パーセントの間、さらに好ましくは8から20パーセントまで、そして最も好ましくは12から18パーセントまでの領域を覆う。これらのパーセント範囲によるウエブを結合することによって、フィラメントは、布の強度及び完全な状態を維持しながら、延伸の全範囲を通して伸びさせられる。
【0021】
代わりに、伸長性凝集性不織ウエブ10は、ステープル繊維の梳毛不織ウエブでありうる。知られているとおり、梳きは、ステープル繊維の塊をウエブに引く微細で、ある角度にあり、空間の空いた歯又はワイヤーの対抗可動床又は表面を利用する機械で典型的に行われる。その後、ウエブ内の繊維を、結合させて、任意の適切な熱、化学又は機械的結合処理によって凝集性ウエブ構造を形成する。例えば、熱点結合が、先に記述される手段で形成されて、その布に強度及び柔軟性を付与する。
【0022】
図2に転じて、本発明の例示の多成分繊維20の斜視略図が示される。図2に示されるとおり、本発明の好ましい実施形態では、繊維は、内側コアポリマードメイン22を有し、そして鞘ポリマードメイン24を囲む二構成要素繊維である。ここで使用される場合、語句「多成分繊維」は、ドメインが、分散、ランダム、又は未構造化される傾向にあるブレンドとは対照的に、繊維内の別個の構造ドメインに存在する2つ又はそれ以上のポリマーから製造されるステープル及び連続フィラメントを含む。例示のみの目的のために、本発明は、一般に、2つの成分を含む二成分繊維に関して記述される。しかし、本発明の範囲が、2つ又はそれ以上の構造成分を含むことが意図されると理解されるべきである。
【0023】
一般に、ポリマードメイン又は成分は、多成分繊維の断面を横切って実質的に均一に位置決めされた別個のゾーンに配列され、多成分繊維の長さに沿って連続的に伸びる。好ましい立体配置は、第一の成分である鞘は、実質的に第二の構成要素であるコアを実質的に囲むことを特徴とする鞘/コア配置である。ポリマードメイン又は構成要素の重量比が、変化しうる。典型的に、重量比が、同様にこの範囲の範囲外にありうるが、第一の重合成分対第二の重合成分の重量比が、約20:80から約80:20までの範囲に及んだ。
【0024】
本発明のポリマーブレンドは、操作した布の製造において特に有利である。この点で、重合成分の重量比は、繊維及びそれから製造される布に、所望の特性を付与するために容易に変化されうる。例えば、柔軟性及び風合い、伸長、及び同等物のような感覚的な特性は、この特性を付与するポリマー成分の重量比を増加及び/又は最大化することによって、付与された布構造で最適化されうる。例えば、多成分繊維としては、下に記述される低融点ポリマー主要ブレンド、又はポリエチレンのような伸長性ポリマーの等しい単一ポリマー成分から形成される重合成分(類)の比較的高い重量比が挙げられる。重量比は、60%、80%及びそれより高くまで増加されうる。代わりに、靭性又は強度を最大限にするために、繊維を、例えば、下に記述される高融点ポリマー主要ブレンド、並びに、鞘/コア繊維でのポリエチレンテエレフタレートコアのような単一ポリマー成分のように高融点重合成分の重量比を最大限にするように加工されうる。特性の調和は、例えば、成分の実質的に等しい比率(例えば、およそ50/50鞘/コア繊維構造)で達成されうる。それに限定されないが、並行、分割パイ、海島(islands-in-the-sea)、又は先端付き小葉構造のような当分野で知られるとおりの他の構造繊維立体配置が使用できる。
【0025】
多成分合成繊維の製造に典型的に使用される装置が、実質的に円形の断面を示す繊維を正常に生じるので、多成分繊維の断面は、好ましくは、円形である。円形断面の繊維での第一及び第二の成分の立体配置は、同心又は無中心かのいずれかであり得て、そして後者の立体配置は、しばしば、「修飾並行」又は「偏心」多成分繊維として知られている。
【0026】
同心立体配置は、第二の成分が、繊維の中心におおむね広がっているように、実質的に均一な厚みを示す第一の成分によって特徴づけられる。無中心立体配置では、第一の成分の厚みは変化し、したがって、第二の成分は、繊維の中心に広がらない。いずれかの場合に、第二の成分は、第一の成分に実質的に囲まれている。しかし、無中心の二成分繊維では、第二の成分の一部は、特に、繊維の表面の約20%までが、第二の成分から構成されうるように向けられうる。それにもからわらず、無中心の立体配置を示す繊維における第一の成分は、繊維の表面の主要部分、すなわち、少なくとも約80%を含む。繊維の断面及び成分の立体配置の両方は、繊維の製造で使用される装置、加工条件及び2つの成分の溶融粘度に依る。
【0027】
本発明では、少なくとも1つのポリマードメインは、下にいっそう詳細に記述されるとおり、ポリマーブレンドから形成される。本発明の繊維のポリマードメインの他方は、それに限定されないが、下に記述されるポリマーブレンドのいずれかを含めた、単一ポリマーから、又はポリマーブレンドから形成されうる。有益には、ポリマーブレンドを含む少なくとも1つのポリマードメイン又は成分は、繊維の少なくとも一部で露出した表面を形成する。例えば、本発明の好ましい実施形態は、鞘が、ポリマーブレンドから形成される鞘/コア二成分繊維である。しかし、ポリマーブレンドの他方は、ポリマーブレンド(例えば、コア及び/又は鞘及びコアの両方)からも形成されうる。
【0028】
本発明の多成分繊維の多ポリマーブレンド成分は、非弾性と正常に考えられるポリマーから優先的に形成される。本発明の実施に使用するための有用なポリマー組合せは、1995年11月22日に提出され、そして「伸長性複合不織布」と題される公開PCT国際特許出願番号PCT/US95/15257号で教示される。本出願の内容及びそこに含まれる教示は、全体に参照してここに組込まれる。
【0029】
ここで検討されるとおり、本発明の多ポリマーブレンド繊維から成形される繊維及び布は、優れた伸び又は伸長特性を示しうる。この点で、本発明の布は、少なくとも約1、好ましくは少なくとも約1.2、さらに好ましくは少なくとも約1.5、そして最も好ましくは約2及びそれ以上である、100%ポリプロピレン繊維性材料から形成される比較できる布の伸びに比べた本発明の布の伸びの伸び率を示す。本発明の任意の説明に結合されることを望まないが、ポリエチレン主要ブレンドについての分散されたポリマーのドメインサイズは、本出願の実施例によって示されるとおり、布の物理特性に影響しうる。100%ポリエチレン及びポリプロピレン対照のCD及びMD伸び値と比較して、ポリマーブレンドから形成される布のCD及びMD伸び値を報告する本出願の表1及び2参照。
【0030】
下にいっそう詳細に示されるとおり、本発明の特定の3つの成分ポリマーブレンドは、この点で特に有益である。このようなブレンドから形成される布は、比較できる100%ポリプロピレン布と比較されるとおり改善された伸長性を提供するのみならず、布は、2成分ポリマーブレンド、そして特にポリプロピレンホモポリマー及びカタロイポリプロピレン共重合体のブレンドからも形成される。研究が、ポリプロピレン/カタロイブレンドフィラメントから形成される布が、100%ポリプロピレン布のもの(一般に、機械横方向で約70から80%まで)に類似の伸び値を示すことを示す。3つのポリマー配合物は、機械横方向で少なくとも約150%の非常に改善された伸びを提供しうる。
【0031】
本発明の目的のために、語句「ポリマー」は、一般的意味で使用され、そしてホモポリマー、共重合体、グラフト化共重合体、及び三重合体を含めることが意図される。語句ブレンドも、ここで一般的に使用され、そして非混和性及び混和性ポリマーブレンドを含むことが意図される。そのポリマーは、それらが、溶融状態で別個で異なる相に存在する場合、「非混和性」と考えられる;全ての多のブレンドは、「混和性」であると考えられる。変動するレベルの混和性が存在し、そして本発明の範囲内にあることも意図されることが分かる。3又はそれ以上のポリマー成分を伴うものを含めた2以上のポリマーを伴うブレンドも利用されうるが、多ポリマー繊維は、正常に、2つ又はそれ以上のポリマーから構成されるポリマーブレンドから形成される。非混和性及び混和性ポリマーは、2成分ブレンドに添加して、適合性、粘性、ポリマー結晶性又は相ドメインサイズに関して、別の特性又は利益を付与しうる。
【0032】
本発明に使用されるポリマーが、押出しを受けるので、安定化剤及び抗酸化剤は、ポリマーに常套に添加される。他の添加剤も、本発明によって添加されうる。例えば、二酸化チタン、タルク、発煙シリカ、又はカーボンブラックのような無機添加剤。ポリマー樹脂も、他のポリマー、希釈剤、適合化剤、抗遮断剤、衝撃改質剤、可塑剤、UV安定化剤、色素、艶消剤、滑剤、湿潤剤、帯電防止剤、核剤、レオロジー改質剤、水及びアルコール撥水剤及び同等物のような他の添加剤を含みうる。押出、急冷、圧伸成形、レイダウン、静電及び/又は電気特性、結合、湿潤特性又は撥水特性のような加工又は製品特性における影響を示す添加剤材料は、ブレンドとの組合せでも使用されうる。特に、加工及び/又は末端使用のいずれかに対する特定の利益を付与する重合添加剤も、使用されうる。
【0033】
本発明の1つの広範な形態にしたがって、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、2つ又はそれ以上のポリマーから構成されるポリマーブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを含む。ブレンドのポリマーは、混和性、非混和性、又は混和性及び非混和性ポリマーの組合せでありうる。本発明による1つの実施形態では、ポリマーは、主要連続相及び少なくとも1つの実質的に不連続分散相として存在しうる。ブレンドが、主要な連続相及び少なくとも1つの不連続相として存在する場合に、一方又は他方のいずれか、又は両方のポリマー相で混和性である他のポリマーも存在しうる。
【0034】
本発明の別の形態によって、多ポリマー繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、比較的低いモジュラス(modulus)のポリマー及び少なくとも1つの高モジュラスのポリマーを含むポリマーから形成される。低モジュラスポリマーが、主要相であり、そして高モジュラスポリマーが、そこに分散される場合、この組合せが、特に価値があると考えられる。高モジュラスポリマーが、カレンダーに粘着し、そしてそれを包み込むウエブの危険を減少させながら、低モジュラス主要相を「強化」するように作用し、そして紡績に対する安定性を与え、そして高結合温度に対処するのにちょうど十分にウエブを硬化させることが理論付けられた。非混和性ポリマーブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを示す多成分繊維の場合に、少量の分散ポリマーが、米国特許番号第4,518,744号で、Brodyによって記述されるとおり主要ポリマー相での巻取り速度抑制(WUSS)の効果を示しうると考えられる。少量の非混和性添加剤が、付与フィラメント紡績速度で、繊維内の分子配向の程度を効果的に減少されるときに、巻取り速度抑制が起る。結果は、一般に高い伸び及び低靭性を示すフィラメントである。
【0035】
本発明のさらに別の形態では、多ポリマー繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、主要連続相、そしてそこに分散される、主要相に低共通の親和性を示す少なくとも1つのポリマー、及び一方又は他方、あるいは連続及び分散ポリマー相の両方で、少なくとも部分的に混和性である少なくとも1つの別のポリマーから構成されるポリマーブレンドから形成される。1つの別のポリマーは、主要相で混和性で、そしてその結晶性を有効に減少させる場合、生じた複合体で観察された改善された伸長性は、「衝撃改質」効果のためでありうる。1つの別のポリマーが、両方のポリマーについて親和性を示すか、2つの相の間の表面エネルギーを低下させる働きがある場合、複合体柔軟性で観察される改善は、適合化効果によると思われる。理論とは独立に、ブレンドは、フィラメント又は繊維を最終的に形成するに違いなく、そしてそれは、ウエブ及び複合体構造に形成されたときに、本発明によって記述される特性を示し、そして低い毛羽立ち及び優れた伸びを意味する。
【0036】
1つの実施形態では、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、1から50重量パーセントまで、そして99から50重量パーセントまでのポリプロピレンを含みうる。このような繊維から形成される布は、低い毛羽立ち及び優れた伸びを示す。
【0037】
引張強度が、特に重要で、そして高い弾性が、あまり考慮されないものである用途で、複合布は、ポリエチレンが、1重量%から10重量%の範囲で存在し、そしてポリプロピレンが、90重量%から99重量%までの範囲で存在するポリエチレン及びポリプロピレンブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを有する多成分繊維から形成される凝集性の伸長性不織ウエブを含みうる。さらに別の実施形態では、伸びにおける非常に実質的でそして驚くべき増加は、そのブレンドに第三のポリマー成分を混和させることによって達成されうる。例えば、多成分繊維は、アイソタクチック・ポリプロピレンのようなポリプロピレンの主要な量、ポリエチレンのような主要ドメインと低い共通の親和性を示す少量のポリマー、及び結晶性を減少させるか、及び/又はブレンドを適合化するかのいずれかである別の第三のポリマーを含む少なくとも1つのポリマードメインを含みうる。どの結果が、極端に高い伸長性と共に、柔軟なウエブであるか。この実施形態による好ましい多成分繊維は、50重量パーセントより大きなポリプロピレンを含む少なくとも1つのポリマードメイン、1から10パーセントまでのポリエチレン、及び10から40パーセントまでの第三のポリマーを有しうる。適切な別の第三のポリマーとしては、モンテル(Montell)から入手できる市販で入手できるCatalloy(登録商標)ポリプロピレン共重合体及び三重合体が挙げられる。これらの樹脂は、ブロックである程度まで存在し、そして少なくともポリマー鎖のある程度の部分が、一方又は他方、又は主要及び分散ポリマー相の両方に混和性であるコモノマー(類)を有することによって特徴付けられる。他の適切なポリマーは、Rexeneから得られるReflex(登録商標)柔軟性ポリオレフィンである。これらの結晶性減少樹脂は、ポリマーの「タクチック性」が影響されるように、ポリマー鎖に存在するアタクチクセグメントを有すると特徴付けられる。この実施形態による特に好ましい多成分繊維は、65から80パーセントまでのアイソタクチック性ポリプロピレンを含む少なくとも1つのポリマードメイン、1から5パーセントまでのポリエチレン、及び鎖の少なくとも一部が、アイソタクチック性ポリプロピレンと混和性である15から30パーセントまでのポリオレフィン共重合体を含む。
【0038】
上に明記されるとおり、本発明の3つの成分ブレンドは、特に有益な伸長性又は伸び特性を提供しうる。本発明のいずれの論理と結合されることを望まないが、カタロイポリプロピレン共重合体又は他のこのようなポリマーの微量成分を組込むことで、ポリプロピレン主要成分に十分な「付与」を与え、その結果、布は、いっそう伸長性のある成分ポリエチレンが、増加した伸び値を提供するために活性化されるまで、崩壊に抵抗しうると考えられる。さらに、特定のポリマーブレンド配合物から形成される布は、100%ポリプロピレン布及び他のポリプロピレンブレンド布に比べると、融点が低下されるか、又は減じられることにより、低温で結合されうることが考えられる。例えば、カタロイポリマー微量成分を含む上に明記される配合物を用いて製造された布は、100%ポリプロピレンフィラメント又はポリプロピレン/ポリエチレンブレンド・フィラメントから形成される布について一般に要求されるものより約20EC低い温度で熱で結合されうる。
【0039】
さらに別の、特定の3つのポリマー成分ブレンド(及び特に、カタロイルポリマー成分を含むもの)は、Gessnerらに対する米国特許番号第5,470,639号で定義されるとおりの弾性特性を示しうる。その'639号の特許は、30%伸びと1回の引きの後に、そして好ましくは2回の引きの後に少なくとも約70%で、機械方向(MD)及び横方向(CD)の両方で、少なくとも約75%の回復伸び平均平方根(RMS)を示すとして弾性スパンボンド法の布を定義する。上の3つのポリマー成分配合物から形成されるスパンボンド法の布が、Gessnerの'639号によって定義されるとおりの弾性についての条件に適合しうる。
【0040】
本発明のこの形態による別のクラスの有用で、そして有益な製品は、柔軟で、伸長性のポリマー相から構成されるポリマーブレンドから形成される少なくとも1つのポリマードメインを有する多成分繊維を使用し、そして少なくとも1つの別のポリマーは、それが、高い伸長性を維持しつつ、加工性(例えば、溶融紡績)、結合及び/又は磨耗耐性を改善する方法で、その繊維のレオロジー、機械及び/又は熱特性のいずれかを改質するように、柔軟で、伸長性のポリマー相と低い共通親和性を示す。好ましい実施形態では、柔軟で、伸長性の相は、主要な継続相として存在する。例えば、ポリエチレンは、柔軟で、伸長性の主要な相として使用でき、そしてポリプロピレンは、別の改質ポリマーとして使用できる。好ましい実施形態では、別のポリマーは、主要な相と比べて少比率で添加される。別の好ましい実施形態では、別のポリマーは、主要な相に比べて高い粘性を示す。柔軟で、伸長性の主要な相と、比較的少量の高い粘性ポリプロピレンを混和することは、伸長性、柔軟性、引張強度などのような他の重要な布特性に明らかな有害な影響なしに、ポリマーブレンドから形成される不織布に、非常に増加した磨耗耐性を付与する。ポリエチレンの可紡性は、別のポリプロピレンの存在によっても改善される。この実施形態によって、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、好ましくは、2から50重量パーセントの間のプロピレンポリマー、例えば3%エチレン−プロピレン共重合体、及び98から50重量パーセントまでの柔軟な伸長性ポリマー、例えばポリエチレンを含む。1つの特に好ましい実施形態では、多成分繊維の少なくとも1つのポリマードメインは、5から40重量パーセントまでのプロピレンポリマー、そして最も好ましくは5から25重量パーセントまでのプロピレンポリマー及び75から95重量パーセントのポリエチレンの範囲にある。優れた伸長性を要求する用途に特に適している場合、引張強度及び磨耗耐性は、5から25重量パーセントまでのプロピレンポリマーの組成物を含む少なくとも1つのポリマードメインを有する多成分繊維である。最も好ましい実施形態は、5から25重量パーセントのエチレン−プロピレン共重合体又は三重合体、及び75から95重量パーセントの線状低密度ポリエチレンを含む。これらの実施形態では、低融点ポリエチレンは、そのブレンド中で実質的に連続な相として存在し、そして高融点プロピレンポリマーは、ポリエチレン相中に分散された不連続相として存在する。
【0041】
本発明の多成分繊維の他の構造ポリマードメインは、それに限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン及び同等物のようなポリオレフィン;ポリアミド;ポリエステル;及び同等物のような種々のよく知られたフィラメント形成ポリマー並びに共重合体及び三重合体及びそれのブレンドのいずれかから形成されうる。上に明記されるとおり、本発明の1つの形態では、多成分繊維は、その表面の少なくとも外側部分に沿って、ポリエチレン主要ブレンド(例えば、鞘成分として)から形成されたポリマードメインを含む。このような繊維立体配置は、ポリプロピレンポリマードメイン(例えば、コア成分として)との組合せで特に望ましい。これらの繊維は、柔軟性及び磨耗耐性の望ましいが、しかし正反対の特性を示しうる。本発明の別の実施形態では、繊維は、上に記述されるとおりプロピレン主要ブレンドから形成されるポリマードメイン(例えば、コア成分として)を含む。この実施形態での有用な繊維としては、その繊維の表面の少なくとも一部(例えば、鞘として)に沿って伸びるポリエチレン成分と組合せてプロピレン主要ドメインを有するものが挙げられる。これらの繊維は、優れた伸びと共に望ましい風合いのような、望ましいが、しかし正反対の特性をも示しうる。本発明のさらに別の実施形態では、繊維としては、その表面の外側部分に沿って、ポリエチレン主要ブレンドから形成されるポリマードメイン、及びプロピレン主要ブレンドから形成されるポリマードメイン、例えば、鞘が、ポリエチレン主要ブレンドから形成され、そしてコアが、プロピレン主要ブレンドから形成される鞘コア繊維構造が挙げられる。
【0042】
繊維を製造する上で、ポリマーブレンド成分(すなわち、ポリエチレン及びポリプロピレン成分)は、適切な比率の量で合せて、そして溶融紡績を行う前に最初に混錬される。ある種の場合には、ポリマー成分の十分な混合は、ポリマーが、溶融状態に変換されるときに、押出機で達成されうる。他の場合には、さらに動的な混合が要求されうる。使用されうる市販で利用できる混合機の中でも、西ドイツ国のバーマグAGによって供給されるバーマグ3DD三次元動的混合機、及び英国のラバー・アンド・プラスチック・リサーチ・アソシエーション(Rubber and Plastics Research Association)によって供給されるRAPRA CTM洞−移行混合機である。
【0043】
ポリマーブレンドは、多成分繊維の製造についての当分野で知られるとおり、適切な装置及び加工技術を用いて、押出されて、多成分繊維構造を製造しうる。例えば、ポリマー成分は、ポリマーを溶融押出する2つの押出機に供給される。その後、ポリマー溶融物は、鞘/コア、並行又は他の多成分繊維型の複合紡績オリフィスを有する紡糸口金に向けられ、そしてこの紡糸口金を通して紡績して、多成分繊維を形成する。例えば、米国特許番号第3,595,731号及び米国特許番号第4,770,925号参照。
【0044】
種々の型のポリエチレンが、使用されうる。例として、分岐(すなわち、非線状)低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、メタロセン及びチーグラー−ナッタ触媒系を含めた十分に知られる方法のいずれかから利用及び製造されうる。LLDPEは、一般に、当分野で樹立された条件下で、触媒溶液又は流動床方法によって製造される。生じたポリマーは、基本的に線状の骨格によって特徴付けられる。密度は、別の線状ポリマー骨格に組込まれたコモノマーの濃度によって制御される。種々のα−オレフィンは、一般に、LLDPEを製造するときにエチレンと共重合される。好ましくは4から8個の炭素原子を有するα−オレフィンは、約10重量パーセントまでの量で、ポリマーに存在する。最も典型的なコモノマーは、ブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及びオクテンである。一般に、LLDPEは、そのポリマーを、ポリプロピレンを用いた溶融紡績に十分に適合させる種々の密度及び溶融指数特性が、得られるように製造されうる。特に、好ましい密度値は、0.87から0.95g/cc(ASTM D−792)までの範囲にあり、そして溶融指数値は、通常、0.1から約150g/10分までの範囲にある。(ASTM D1238−89、190℃)。好ましくは、LLDPEは、10より大きく、そしてさらに好ましくはスパンボンド法のフィラメントについては15又はそれ以上の溶融指数を示すべきである。特に好ましいのは、0.90から0.945g/ccまでの密度、及び25より大きな溶融指数を示すLLDPEポリマーである。適切な市販で入手可能な線状低密度ポリエチレンポリマーの例としては、アスパン型6811(ASPUN Type6811)(27MI、密度0.923)、ダウLLDPE2500(55MI、密度0.923)、ダウLLDPE型6808A(36MI、密度0.940)のようなダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)から入手可能なもの、及びエグザクト2003(31MI、密度0.921)のようなエクソン・ケミカル・カンパニー(Exxon Chemical Company)から得られるエグザクト・シリーズ(Exact series)が挙げられる。
【0045】
当業者に知られている方法によって製造される種々のポリプロピレンも使用しうる。一般に、ポリプロピレン成分は、アイソタクチック又はシンジオタクチック性プロピレン・ホモポリマー、共重合体、又は三重合体でありうる。本発明に使用されうる市販で入手可能なプロピレン・ホモポリマーの例としては、ソルテックス型3907(SOLTEX Type 3907)(35MFR、CRグレード)、ハイモントグレードX10054−12−1(HIMONT Grade X10054−12−1)(65MFR)、エクソン型3445(35MFR)、エキソン型3635(35MFR)、アモコ型10−7956F(AMOCO Type 10−7956F)(35MFR)、及びアリステックCP350J(Aristech CP350J)(溶融流速およそ35)が挙げられる。プロピレンの市販で入手可能な共重合体の例としては、3%エチレンを伴うランダム・プロピレン共重合体(35溶融流速)であるエキソン9355;3%エチレンを伴う10溶融流速のランダム・プロピレン共重合体であるレキセン13S10A(Rexene13S10A);11溶融流速の3%エチレン・ランダム・プロピレン共重合体であるフィナ7525MZ(Fina7525MZ);プロピレンと、ハイモント(Himont)から得られるカタロイ9シリーズから得られるプロピレンの共重合体及び三重合体との1.7%エチレンの8溶融流速のランダム共重合体であるモンテルEPIX30F(Montel EPIX30F)が挙げられる。ポリプロピレンポリマーが、ブレンドの分散相として存在する場合、好ましい溶融フローは、20g/10分より大きい、そして好ましくは25又はそれ以上であるべきである。特に適切なのは、35から65までのMFRを示すポリプロピレンポリマーである。
【0046】
低融点ポリエチレン成分が、実質的に連続な相として存在し、そして高融点ポリプロピレンが、ポリエチレン相中に分散された不連続相として存在する場合、低融点ポリエチレン成分及び高融点ポリプロピレン成分は、約50から約99重量パーセントまでのポリエチレンと約50から約1重量パーセントまでのポリプロピレン、さらに好ましくは約50から約98重量パーセントまでのポリエチレンと約50から約2重量パーセントまでのポリプロピレン、さらに好ましくは約60から約95重量パーセントまでのポリエチレンと約40から約5重量パーセントまでのポリプロピレン、そして最も好ましくは約75から約95重量パーセントまでのポリエチレンと約25から約5重量パーセントまでのポリプロピレンの範囲に入る比率で存在しうる。
【0047】
構造ポリマードメインのポリマー構成要素は、布に、高表面磨耗耐性及び高伸びのような他の所望の特徴を付与するために選択されうる。ウエブの表面磨耗耐性は、ASTM試験法D−3884−80によって定義されるとおり、テーバー磨耗試験のような当分野での標準である物理試験によって客観的に都合よく測定されうる。本発明の複合布で有用な伸長性ウエブは、10サイクルより大きいテーバー磨耗値(ゴム輪)を示すことによって特徴付けられる。さらに、ウエブは、機械方向(MD)又は機械横方向(CD)のいずれか、又は両方で、伸張前に、少なくとも70パーセント、さらに好ましくは少なくとも100パーセント、そして最も好ましくは少なくとも150パーセントのピーク負荷(ASTM D−1682)での伸びを示すことによって特徴付けられる。したがって、繊維は、一般に、「伸長性非弾性」布として特徴付けられ、そしてウエブ10は、それの弾性限界を越えて比較的容易に伸張され、そして引張応力の使用により恒久的に伸ばされうる。しかし、ウエブは、伸縮性を示さず、したがって非弾性である。
【0048】
ここで図3を参照すると、30として全般に示される、本発明の例示の積層布の斜視図が、例示される。この実施形態では、積層体30は、2−層積層体である。層32は、上に記述されるとおり布10のような多成分繊維から形成される不織ウエブを含む。複合布30の第二の層34は、それに制限されないが、溶融不織ウエブ、スパンボンド法のウエブ、ステープル繊維のウエブ、又はフィルムのような種々の形態で存在しうる。図3が、2層積層体を示すが、当業者は、層32及び34と同じか、又は異なりうる別の層も存在しうることを認識する。
【0049】
層は、当分野で知られる方法のいずれかで、結合及び/又は積層されうる。積層及び/又は結合は、例えば、繊維の水力撚り乱れ(hydroentanglement)、スポット結合、通気結合及び同等物によって達成されうる。例えば、層34が、繊維性ウエブであるときに、積層及び/又は結合は、水力撚り乱れ、スポット結合、通気結合及び同等物によって達成されうる。図3に示される実施形態では、層32及び34は、加熱されたパターン化カレンダーを通過させて、36に示される個別の熱点結合を形成することによって一緒に積層される。適切な結合剤、すなわち、接着剤の使用を通して結合を達成することも可能である。語句「スポット結合」は、連続又は不連続パターン結合、均一又はランダム点結合又はそれの組合せを含め、その全ては、当分野でよく知られている。
【0050】
結合は、層の全てを結合するために積層体の組立の後に行わるか、又は積層体の最終組立の前に布層から選択されるのみを結合に使用しうる。種々の層は、様々の結合パターンで様々の結合剤によって結合されうる。全体に、積層体結合は、個々の層結合に関連して使用もされうる。
【0051】
上に記述されるとおりの多成分繊維から得られるスパンボンド法のウエブと、溶融微小繊維のウエブとの積層体は、医療用途、保護衣類用途、及び防壁下肢カフスのような衛生用途での防壁布として利用性を示す。衛生用途についての特定の利用性の中でも、本発明の平方メートル当たり17グラム(gsm)スパンボンド法のウエブ及び2〜3gsm溶融吹込ウエブでの製造のような、減少した基本重量のスパンボンド法/溶融吹込積層体である。このような防壁積層体は、例えば、オムツでの防壁下肢カフスとして使用されうる。
【0052】
別の型の不織布積層体は、本発明の不織ウエブを、フィルム、例えば、ポリオレフィンのような熱可塑性ポリマーのフィルムのようなフィルムと合わせて、防壁下肢カフス及びオムツ・バックシートのような衛生用途として利用できる防壁布を作ることによって製造されうる。図4は、図1の不織布10のような本発明の多成分繊維から形成され、例えば0.8から1ミルまでのポリエチレン・フィルムのようなポリオレフィンフィルム層44に積層される不織ウエブを含むプライ(層)又は層42を含めたこのような積層体40の1つを例示する。
【0053】
有用なフィルムとしては、当分野で知られるとおりの非通気性及び通気性フィルムの両方が挙げられる。ここに使用される場合、「通気性フィルム」は、上記として、又はそれの気体状態で水の通過をなおさせない、液体(水、血液、尿などのような)の通過に対する防御を提供するフィルムに該当する。通気性フィルムとしては、それの製造(例えば、フィルムの製造の間に、炭酸カルシウムのような粒子材料を、溶融物に添加することによって)の間に通気可能になったフィルムが挙げられる。このようなフィルムは、市販で入手可能である。通気性フィルムとしては、製造後に通気性にされたフィルムも挙げられる。例えば、通気性は、別の基材(本発明の不織布のような)へのフィルムの積層及びその積層体を延伸又は伸ばした後、フィルムに付与されうる。このような布積層体は、使い捨てオムツを含めた使い捨て吸収物体、使い捨て医療用又は手術用ガウンのような医療用布、及び他の保護用衣類におけるバックシート構成要素として特に有用である。Wuらに対する、通気性フィルム及びそれを製造する方法の検討についての米国特許番号第5,865,926号参照。
【0054】
フィルム層44に対する不織層42の積層及び/又は結合は、接着剤の連続又は不連続相を用いた接着剤積層によって達成されうる。この接着剤アプローチは、優れた柔軟性及び風合いを示すオムツ用バックシート得ることができる。所望の場合、適切な接着剤は、連続又は不連続コーティングのいずれかとして、ウエブ42に、ウエブ44にいずれか、又は両方に塗布される。連続接着剤コーティングが使用される場合、接着剤層は、比較的薄くあるべきであり、そして接着剤は、フィラメントに、ストレッチングにより伸ばさせるために十分に柔軟性又は伸長性があるべきである。不連続接着剤が使用される場合、例えばライン、螺旋、又はスポットのような任意の断続パターンが使用でき、そして接着剤は、伸長性が少ない可能性がある。接着剤は、スプレー、スロットコーティング、溶融吹込及び同等物を含めたあらゆる許容された方法によって連続的に又は断続的に塗布されうる。
【0055】
適切な添加剤は、ポリオレフィン、ポリビニル酢酸ポリアミド、炭化水素樹脂、ワックス、天然アスファルト、スチレン系ゴム、及びそのブレンド物の含めた種々の材料から製造されうる。好ましい接着剤としては、オハイオ州コロンブスのセンチュリー・アドヘッシブズ,インク.(Centry Adhesives,Inc.)によって製造され、ゼンチュリー5227として市場に出されたもの、及びミネソタ州セントポールのエイチ.ビー.フューラー・カンパニー(H.B.Fuller Company)により製造され、HL−1258として市場に出されたものが挙げられる。
【0056】
不織布積層体は、本発明の不織布のフィルムウエブと一緒の熱積層によっても製造されうる。このアプローチは、接着剤の費用を排除する利点を示す。本発明の不織布と組合せた場合に、柔軟性及び優れた熱結合特徴を最小限にするそのフィルムウエブ中のポリオレフィン層と組合せて、封印/結合層を含めた同時押出フィルムウエブを利用することも望まし可能性がある。不織布積層体は、層42上のフィルム層44の直接押出によっても製造されうる。
【0057】
層44は、好ましくはポリオレフィンフィルム、最も好ましくはそれの元の長さの少なくとも100パーセント伸長性がある非弾性ポリオレフィンフィルムである。フィルムは、好ましくは、平方メートル当たり10から40グラムまでの範囲内にある基本重量を示す。本発明は、その型のフィルムが、使い捨てオムツの不透過性外側構成要素として従来使用される場合に、伸長性フィルム/布複合体に特に利用できる。
【0058】
複合布30及び40の層34又は44は、それぞれ、結合フィラメント、ネット、フィルム、発泡体、フィラメントの並行アロイ、及び同等物を含めた種々の形態の弾性層でもありうる。このような構造は、当業者に知られる従来の方法によって製造される。本発明の目的のために、「弾性」層は、元の寸法の10%の単一伸長の後に75%復元性を示すと定義される。また知られるとおり、任意の適切な弾性形成樹脂又はそれのブレンドは、上の構造を製造する上で利用されうる。このような適切な材料としては、ポリスチレン(S)に基づいた2ブロック及び3ブロック共重合体、及び不飽和又は十分に水素化ゴムブロックが挙げられる。ゴムブロックは、ブタジエン(B)、イソプレン(I)、又は水素化版エチレン−ブチレン(EB)から構成される。したがって、S−B、S−I、S−EB、並びにS−B−S、S−I−S及びS−EB−Sブロック共重合体が、使用されうる。この型の好ましいエラストマーとしては、シェル・ケミカル・カンパニー(Shell Chemical Company)によって販売されるクラトンポリマー(KRATON polymer)又はデキシコ(DEXCO)によって販売されるベクトルポリマー(VECTOR polymer)が挙げられる。他のエラストマー性熱硬化性ポリマーとしては、ビー.エフ.グッドリッチ・カンパニー(B.F.Goodrich Company)によって販売されるエスタン(ESTANE)のようなポリウレタンエラストマー性材料;イー.アイ.デュポン・デ・ネムルス・カンパニー(E.I.Du Pont De Nemours Company)によって販売されるハイトレル(HYTREL)のようなポリエステル・エラストマー;アクゾ・プラスチックス(Akzo Plastics)によって販売されるアルニテル(ARNITEL)のようなポリエーテルエステル・エラストマー材料;及びエルフ・アトケム・カンパニー(Elf Atochem Company)によって販売されるペバックス(PEBAX)のようなポリエーテルアミド材料;Insite(商標)、Affinity(商標)又はダウ・ケミカルから得られるEngage(登録商標)ポリエチレン・プラストマー又はエクソン・ケミカル(Exxon Chemical)から入手可能なExact(商標)ポリエチレン・プラストマーが挙げられる。架橋ウレタン及びゴムのような架橋エラストマーも、使用されうる。これらのポリマーの、例えばポリオレフィンのような他のポリマーとのブレンドは、溶融粘度が減少し、低溶融圧及び温度に対処することのような方法を増強し、及び/又は処理量を増加させるのに使用されうる。
【0059】
本発明の1つの形態では、組立てる上で、複合布40、層42及び44は、個別の供給ロールから未伸張状態で供給される。望まれる場合には、その後、接着剤を、伸長性ウエブ42又は層44の表面上に塗布する。接着剤が塗布された直後、層に圧力がかけられて、それにより布40を成形する。例えば、層は、カレンダー・ニップ・ロールを通して供給されうる。代わりに、布は、接着剤を用いて、又はなしに、熱手段によって結合されうる。
【0060】
別の実施形態では、それぞれ、図3及び4の複合布30又は40は、層34又は44に対峙する伸長性ウエブ32又は42の側面で別の構成要素を含み、三重積層体を成形する。この第三の構成要素は、伸長性であっても、なくてもよい。任意の適切な材料は、例えば織布又は不織布材料、フィルム被覆不織布のようなフィルム又は複合体のような種々の形態で使用されうる。例えば、熱硬化性フィルムは、使用され得て、そして好ましいポリマーは、ポリプロピレン又はポリエチレンである。市販で所望のフィルムとしては、インディアナ州テレ・ハウテ(Terre Haute、Indiana)のトレデガー・インダストリーズ,インク.(Tredegar Industries,Inc.)によって製造されるものが挙げられる。構成要素が、液体に対して実質的に不透過性である場合、それは、オムツ、トレーニングパンツ、失禁ブリーフ、及び女性用衛生製品のような個人的衣類用途でのバックシートとして適切に使用されうる。複合体構造に対する構成要素を積層することについての十分に知られたあらゆる技術が、活用されうる;好ましくは、構成要素は、先に記述される手段で接着剤の薄層によって積層される。
【0061】
代わりに、別の構成要素は、伸長性があるか、又は基本的に非伸長性であるように構築される不織ウエブでありうる。例えば、不織ウエブは、ウエブ32又は42に類似する多成分繊維の別のウエブであり、その結果、繊維性ウエブは、複合布30又は40の両方の面に使用されうる。ヘラクルス型196ポリプロピレン・ステープル繊維のような低伸長繊維の熱で梳かれた点結合ウエブのような基本的に非伸長性不織ウエブも、使用されうる。
【0062】
伸張力は、複合布30又は40にかけられて、機械方向(MD)及び/又は機械横方向(CD)で、布を伸長及び伸ばしうる。膨大な樹立された技術は、この操作を行う上で使用されうる。例えば、MD伸長のための共通の方法は、2つ又はそれ以上の組のニップロールに布を通すことであり、そして各組は、先の組より早く動く。CD伸びは、幅出し乾燥機にかけることを通して達成されうる。他の手段が使用されうる;例えば、参照してここに組込まれるWeilらに対する米国特許番号第5,242,436号で開示されるとおり「環ローリング」は、CD及び/又はMD伸びを得る上でしばしば使用される。
【0063】
布30又は40上の伸び力をかけることで、伸長性層32又は42内の繊維は、伸び経験張力の方向に向けられ、そして布及び繊維は、変形を受ける。この工程の間に、繊維が、それらの未伸張長さを十分に越えた伸びる能力がある。例えば、70と300パーセントの間の布伸びが、しばしば認識される。ほとんどの例では、繊維は、それらの弾性限界以上に伸ばされ、可塑的変形を受け、そして恒久的に伸ばされる。本発明によって、非弾性層32又は42に分配される断続的結合は、繊維が、非弾性層32又は42内に十分に結束されるように高い強度のものであり、そして繊維脱離は、伸び工程の間じゅう最小限にされる。したがって、繊維脱離は、磨耗耐性が維持され、そして毛羽立ちが最小限にされる望ましい結果と共に減少される。さらに、布強度は、凝集性ウエブ構造が、伸び操作の間じゅう無傷のまま維持される場合に維持される。
【0064】
本発明の複合布は、特に、オムツ、トレーニングパンツ、失禁ブリース、及び女性用衛生製品のような種々の使い捨て衣類で使用するために十分に適合する。その布は、図5に示されるもの(参照番号で示される)のような、胴領域52及び下肢カフス構成要素54を有するオムツで利用されうる。複合布は、柔軟でそして強い両方であるので、オムツは、使用時に装着者の皮膚を擦るか、又は摩擦することになしに、装着者の非常に厳しい動きによく耐えうる。
【実施例】
【0065】
以下の実施例は、本発明を例示するために役割を果すが、しかし、そこに限定されることを意図されない。
【0066】
[実施例
この実施例は、コアが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドから形成され、ポリマーが、高融点主要連続相として存在し、そして少なくとも1つの低融点不連続相がそこに分散されることを特徴とする本発明の連続二成分繊維を用いて製造された布の製造及び利益を示す。高融点連続相は、プロピレンポリマーを含み、そして低融点不連続相は、ポリエチレンポリマーを含む。
【0067】
本発明の連続フィラメントスパンボンド法の不織布及び比較布は、2つの押出機;2成分繊維を回転できる回転パック及び紡糸口金;液体から固体状態までの繊維の移行を促進するための急冷ゾーン;繊維が、機械的強度を作る圧伸成形を促進し、そして柔軟性及び望まれる風合いについて5デニールより下の低デニールを達成するために加速される薄めゾーン;圧伸成形の後に繊維を集合する可動ワイヤー;そして集合繊維のウエブが、平滑ロールとエンボス加工されたロールとの間で加熱及び圧縮によって一緒に結合される熱結合カレンダーを具備したパイロットラインで製造した。参照は、米国特許番号第5,162,074号についてなされ、そしてそれは、2成分繊維を回転する回転パックを構築する1つの方法を教示する。このパイロットラインでのエンボス加工カレンダーは、平方インチ当たりおよそ144個のエンボス点とおよそ18%の結合領域を有する。
【0068】
これらの実験については、パイロットラインの薄めゾーンは、ルルジDOCON圧伸成形システムを具備した。ルルジ法では、フィラメントを、紡糸口金から押出し、冷却可動空気を介して急冷し、そしてその後、繊維が、高圧空気を介して加速されて、繊維が5より下のフィラメント当たりのデニールまで圧伸成形させうる試験管に導入する。その試験管の底部で、フィラメントは、互いに分離され、そして可動ワイヤーに噴霧される。
【0069】
生じた熱結合繊維の磨耗耐性は、布を改良スザーランド・インク擦り込み試験にかけることによって測定された。スザーランド・インク擦り込み試験は、ASTM D−5264、「スザーランド・インク擦り込み試験装置による印刷材料における磨耗耐性についての標準実施」(Standard Practice for Abrasion Resistance of Printed Materials by the Sutherland Ink Rub Tester)に記述されている。布磨耗耐性の評価のために、試験されるべき布は、擦り試験装置が、CD方向で布を越えて動くようにスザーランド試験装置に載せられる。これらの試験のために、2ポンド試験装置足を使用し、そして機械は、完全5サイクルに設定された。微小粒度サンドペーパーを、磨耗材料として使用した。試験が、完了したときに、全ての破壊繊維を、注意深く収集し、そして分析用天秤を用いて秤量して、布に対する損傷の範囲の定量的概算を提供した。回復した破壊繊維の重量が低ければ低いほど、不織布の、磨耗損傷に対する耐性が大きくなると仮定される。実施例1−1、1−2及び1−7は、比較例であり、そして実施例1−3〜1−6は、本発明の種々の有益な実施形態を示す。
【0070】
実施例1−1は、単一ポリマーである市販で入手できるポリプロピレンアモコ型7956を、35の溶融フローで紡績することによって、上記パイロットラインを用いて行われた。スザーランド・インク擦り込み試験は、0.102の磨耗耐性値を示した。
【0071】
実施例1−2は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして35の溶融フローのポリプロピレン型アモコ7956を、第二の押出機で押出して、コアになり、そして不織布の実施例1−2について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。実施例1−2の基本重量は、平方メートル当たり33グラムであることが分かった。実施例1−2についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.146の磨耗耐性値を示した。その後、スザーランド・インク擦り込み試験を、上に記述されるとおり繰返したが、しかしここで、擦り込みは、布のMDであり、0.115の磨耗耐性を生じた。実施例1−2の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、763グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、134%であった。最大引張でのCD靭性は、742インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、2213グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、121%であった。最大引張でのMD靭性は、2320インチ−グラム/インチ平方であった。
【0072】
実施例1−3は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして76%ポリプロピレン型アモコ7956に、20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)と、4%ポリエチレン、ダウ5862を加えたブレンドを、第二の押出機で押出して、コアになり、そして不織布の実施例1−3について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。実施例1−3の基本重量は、平方メートル当たり29グラムであることが分かった。実施例1−3についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方法に上述のとおり擦った場合に、0.104の磨耗耐性値を示した。その後、スザーランド・インク擦り込み試験を、上に記述されるとおり繰返したが、しかしここで、擦り込みは、布のMDであり、0.149の磨耗耐性を生じた。
【0073】
実施例1−3の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、858グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、134%であった。最大引張でのCD靭性は、843インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、2184グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、106%であった。最大引張でのMD靭性は、2067インチ−グラム/インチ平方であった。
【0074】
実施例1−4は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして型アコモ8956に20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862を足して入手できるプロピレン97%及びエチレン3%から製造したランダム共重合体のブレンドを、第二の押出機で押出されて、コアになり、そして不織布の実施例1−4について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、上記パイロットラインを用いて行われた。実施例1−4の基本重量は、平方メートル当たり29グラムであることが分かった。実施例1−4についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.1146の磨耗耐性値を示した。その後、スザーランド・インク擦り込み試験を、上に記述されるとおり繰返したが、しかしここで、擦り込みは、布のMDであり、0.132の磨耗耐性を生じた。実施例1−4の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、770グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、157%であった。最大引張でのCD靭性は、873インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、1749グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、133%であった。最大引張でのMD靭性は、1981インチ−グラム/インチ平方であった。
【0075】
実施例1−5は、規模が大きいこと、そして紡糸口金の2つのビームを有すること以外は、上述のパイロットラインに類似の市販のルルジスパンボンド法を用いてなされた。紡糸口金の両方のビームは、下に記述されるのと同じ繊維を生成した。実施例1−5は、27の溶融指数を示すポリエチレン、型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてユニオンカーバイド6D43に20%モンテル・アドフレックス(Adflex)357Catalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862Nを足したものとして入手できるプロピレン97%及びエチレン3%から製造した76%ランダム共重合体のブレンドが、第二の押出機で押出されて、コアになり、そして不織布の実施例1−5について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、行われた。実施例1−5の基本重量は、平方メートル当たり30グラムであることが分かった。実施例1−5の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、1089グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、82%であった。最大引張でのCD靭性は、680インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、1270グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、84%であった。最大引張でのMD靭性は、771インチ−グラム/インチ平方であった。
【0076】
実施例1−6は、規模がより小さい以外は、上のパイロットラインに対する機能及び操作でと類似の非常に小さな規模のパイロットラインを用いて行われた。実施例1−6は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そして76%ポリプロピレン型アモコ7956に、20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン・ダウ5862を加えたブレンドを、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例1−6について二成分繊維で80/20鞘/コアの比を生じるように、行われた。実施例1−6の基本重量は、平方メートル当たり28グラムであることが分かった。実施例1−6についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.1366及び0.1324の磨耗耐性値を示した。実施例1−6の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、1113グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、73%であった。最大引張でのCD靭性は、699インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、869グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、96%であった。最大引張でのMD靭性は、748インチ−グラム/インチ平方であった。
【0077】
実施例1−7は、規模がより小さい以外は、上のパイロットラインに対する機能及び操作でと類似の非常に小さな規模のパイロットラインを用いて行われた。実施例1−7は、27の溶融指数を示すポリエチレン型ダウ6811Aが、1つの押出機で押出されて、鞘になり、そしてポリプロピレン型アモコ7956を、第二の押出機で押出して、コアになり、したがって不織布の実施例1−7について二成分繊維で20/80鞘/コアの比を生じるように、行われた。実施例1−7の基本重量は、平方メートル当たり31グラムであることが分かった。実施例1−7についてのスザーランド・インク擦り込み試験は、CD方向に上述のとおり擦られた場合、0.1366及び0.1859の磨耗耐性値を示した。実施例1−7の機械特性も、ASTMD1682、1インチのストリップ試験法を用いた「織布の破壊負荷及び伸び」に全般的に従って測定された。CD引張は、1418グラムに等しかった。最大引張でのCD伸びは、79%であった。最大引張でのCD靭性は、944インチ−グラム/インチ平方であった。MD引張は、931グラムに等しかった。最大引張でのMD伸びは、109%であった。最大引張でのMD靭性は、849インチ−グラム/インチ平方であった。
【0078】
[実施例
この実施例は、コアが、微量相として特定グレードのポリプロピレン又はコポリエチレンと混合した主要相として特定グレードのポリエチレンのブレンドから形成されることを特徴とする本発明の連続二成分繊維を用いて製造された布の製造及び利益を示す。さらに、繊維コアは、少なくとも2つの異なるポリオレフィン・ポリマーの多ポリマーから形成され、そしてポリマーは、高融点主要連続相、そしてそこに分散される少なくとも1つの低融点不連続相として存在する。高融点連続相は、プロピレンポリマーを含み、そして低融点不連続相は、ポリエチレンポリマーを含む。
【0079】
本発明の連続フィラメントスパンボンド法の不織布は、上の実施例で記述されるとおりに製造され、そして生じた熱結合布の磨耗耐性及び機械特性は、実施例で上に記述される試験を使用して測定する。
【0080】
布は、二成分繊維の鞘成分として以下のポリマーブレンドを使用して製造される: (1)85%ポリエチレン、型ダウ2553及び26の溶融フローを示す15%のポリプロピレンアプリル3250のブレンド; (2)27の溶融指数を示す85%ポリエチレン、型ダウ6811A及び26の溶融フローを示す15%のポリプロピレンアプリル3250のブレンド;及び (3)27の溶融指数を示す85%ポリエチレン、型ダウ6811A及び6の溶融フローを示す97/3の比率でプロピレンのランダム共重合体である15%のコポリプロピレン型アモコ8253のブレンド。
【0081】
上記繊維は、以下の群のポリマーブレンドの内の1つから選択されるコア成分を含んだ: (1)76%ポリプロピレン、型アモコ7956に、20%モンテルKSO84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862を足したブレンド; (2)型アモコ8956に20%モンテルKOS84PCatalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862を足したものとして入手可能なプロピレン97%及びエチレン3%から製造されたランダム共重合体のブレンド;及び (3)ユニオンカーバイド6D43に20%モンテル・アドフレックス357Catalloy(登録商標)及び4%ポリエチレン、ダウ5862Nを足したものとして入手できるプロピレン97%及びエチレン3%から製造された76%ランダム共重合体のブレンド。
【0082】
繊維は、50/50、80/20、又は20/80の鞘/コア比を示す。布は、優れた伸び及び感覚的で望ましい引張強度のような望ましいが、なお正反対の特性の組み合わせを示す。発明者らは、従来のPE鞘/PPコア繊維が、磨耗耐性問題を示す可能性があることを知見した。対照的に、この実施例で記述されるような繊維は、PE/PP鞘コア繊維に比べたときに、改善された磨耗耐性を示しうる。本発明のいかなる説明に結合されることも望まないが、ポリマーブレンド鞘成分は、コアと同様に、他の繊維にいっそう強力に結合し得て、それによりなお伸びを犠牲にせずに、繊維結束及び布磨耗耐性を改善する。
【0083】
[実施例
本発明の布の繊維構造内に含まれるような不連続ポリマー相のドメイン・サイズ及び分布を測定する調査が行われた。その終了に向けて、スパンボンド法の不織布を、本出願の教示にしたがって製造した。特に、27の溶融指数を示す85重量パーセントの線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(ダウ6811A LLDPE)及びおよそ24の溶融フローを示す15重量パーセントのポリプロピレン(PP)ポリマー(アプリル3250YR1PP)を含むポリマーブレンドを、回転混合機で乾式混錬させた。その後、乾式混錬混合物を、スパンボンド法の不織紡績システムの押出機の供給ホッパーに導入した。連続フィラメントを、およそ600m/分のフィラメント速度で、スロット圧伸成形加工によって溶融紡績し、そして集合表面上に堆積させて、スパンボンド法の不織ウエブを形成し、そしてそのウエブを、12%結合領域を示すパターン化ロールを用いて、熱で結合させた。そのように製造されたサンプルは、実施例Aとして引用される。
【0084】
その後、混錬の代替法を、使用して実施例Bとして引用される別の布サンプルを製造した。実施例Bでは、ダウ6811A LLDPEは、主要押出機に供給される一方で、アプリルPPは、二次押出機を介して溶融蒸気に導入され、そしてその後、実施例Aでのようにその押出機中でのさらなる混合を伴う固形状態でポリマーを混錬させるよりむしろ、静電混合ユニットを通過させた。優れた混合は、両方の方法から生じると思われた。押出に続いて、実施例A及びBのスパンボンド法の布を製造するために使用される手段は一致する。
【0085】
スパンボンド法の布サンプルは、繊維断面で行われる透過性電子顕微鏡測定法(TEM)に基づいたポリマードメイン・サイズ及び分布について評価された。電子顕微鏡測定法では、画像対照は、構造存在の中で電子密度における変動の結果として得られる。ほとんどのポリマーは、それらの主要鎖中に炭素、水素、及び酸素のような低原子数元素を示し、そして結果として、ポリマーは、ブレンド中の相の間を区別する電子密度で非常に少ない差異を示す。これを克服するために、特定の構造での高原子数元素の添加による重金属増影法又は染色が、広く使用される。TEM顕微鏡写真は、2つの独立の実験室によって実施例Aのために作製された。2つの実験室によって評価される場合の実施例Aの繊維の顕微鏡写真の写しは、図7及び8として添付される。TEM顕微鏡写真は、実施例Bのために作製され、そして実施例Bについての顕微鏡写真の写しは、図9として添付される。
【0086】
TEMについてのスパンボンド法の布サンプルを作製するために、少量の布を、サンプル支持体に埋設し、そしてその後凍結させた。低温ミクロトームを使用して、それらの構造を損なうことなしに、サンプルの繊維断面を露出させた。その後、重金属染色である四酸化ルテニウムを、破砕サンプルに使用して、ポリマー相の間に十分な対照を提供した。図7、8及び9の顕微鏡写真は、そこに明記されるとおり可変の程度の倍率である(それぞれ、30,000×、45,000×、及び25,500×)。サンプルA及びBのドメインサイズ範囲は、25,000から45,000倍まで拡大した付与布サンプルを示す繊維顕微鏡写真から任意に選択される50ドメインを測定することによって決定された。
【0087】
四酸化ルテニウムを、ポリマーの不定形領域に吸収させた。図10及び11は、それぞれ、100%PPホモポリマー及び100%PEホモポリマーから得られる染色された繊維サンプルのTEM顕微鏡写真である。PPホモポリマーの図10は、微小結晶が、非常に小さいので、不定形領域が、装置の解像度を越え、したがって対照が存在せず、そして均一サンプルが観察される(すなわち、ドメイン又は微小結晶構造なし)ことを示す。図11での100%PE繊維のTEM顕微鏡写真は、PEのラメラ構造を例示する。PE微小結晶は、十分に大きいので、その結果、染色条件が正しい場合、ラメラ組織が観察されうる。PEのラメラ構造から生じる類似の構造は、図7、8及び9でのブレンドのドメイン構造と重ね合わされる。
【0088】
顕微鏡写真の視覚的比較は、欧州特許第621,356号(EP'356)で報告されるもののような他の繊維について報告されるものに比べたときに、本出願で記述されるブレンドから形成される繊維のドメインサイズ及び分布での実質的差異を明らかに示す。顕微鏡写真から得られる定量的結果は、下の表で提供される。実施例A1、A2、Bは全て、本出願で記述されるとおりブレンドから形成される布の繊維に該当する一方で、C1は、EP'356で提供される情報に該当する。
【0089】
【表1】

【0090】
先述の観察に基づいて、本出願で記述されるとおりのブレンドから形成される布の繊維は、EP'356の繊維と容易に区別できる。特に、ここに記述されるとおりのブレンドの繊維の分散ポリマードメインは、EP'356の繊維の分散ポリマードメインよりいっそう小さい。本出願で記述されるブレンドの布の繊維の分散ポリマードメインは、非常に小さく、そしてサイズで実施例A1については、0.03から0.008μmまで、0.05μmの平均で、実施例A2については0.01から0.08μmまで、そして、実施例Bについては0.02から0.08μmまで、0.04μmの平均の範囲にある。全ての3つの提示についての結果は、非常に類似した。付与されたドメインサイズ範囲は、観察した最少及び最大ドメインに基づいた。観察された最大ドメインサイズは、測定及び定量するのに簡単であるのに対して、存在する最少のドメインサイズを明言することは、さらにいっそう困難である。表に列挙されるのは、電子顕微鏡写真で観察される最少ドメインサイズである。電子顕微鏡写真は、極端に小さなドメインを示し、そして、我々が、測定できるものの限界を拡大していることを示す。当業者は、ドメインが、装置の解像度を越えているので、小さすぎて観察されないドメインがあることは最も疑いないことを認識する。最少ドメインは、表に列挙されるものより小さいことが予想される。
【0091】
対照的に、EP'356の繊維の分散ポリマードメインサイズは、大きく、そしてその少なくとも70%は、サイズで0.05から0.30μmまでの範囲に入ると明言される。本出願で記述されるドメインサイズは、非常に狭く、そして平均ドメインサイズは、EP'356で示されるサイズ範囲より小さい。さらに、本出願で記述されるとおりのブレンドの繊維及びEP'356の繊維は、ドメイン分布で明らかに異なる。本出願で記述されるとおりのブレンドの繊維の分散ポリマードメインは全て、繊維の断面を通して均一に分布され、そして平均で、付与ドメインとそれの最も近い近隣ドメインとの間に等しい距離があることを意味する。対照的に、EP'356の図1、9及び12は、分散ポリマードメインの不均一分布、及び特に、階層化ドメインの生成(図9及び12)及び繊維の周辺で濃縮されるドメイン(図1)を示す。
【0092】
小さなポリマードメインの存在は、繊維押出についての有利でありうる。同様に、均一に分布したドメインの存在は、不連続相の特性が、繊維構造を通していっそう均一に分布される場合に、繊維製造に対して有利でありうる。したがって、本発明の繊維が、EP'356の繊維と明らかに異なると結論されうる。
【0093】
本発明の多くの修飾及び他の実施形態は、前述の説明に存在する教示の利益を示す本発明が関与する当業者の気にかかることになる。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に制限さるべきでないこと、そして修飾及び他の実施形態が、付随の請求項の範囲内に入ることが意図されることと理解されるべきである。特定の語句が、ここに使用されるが、それらは、包括的で説明的な意味のみで使用され、そして限定の目的のためのものでない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の多成分繊維から形成された不織布の斜視略図である。
【図2】本発明の多成分繊維の斜視略図である。
【図3】構成要素として、本発明の多成分繊維から形成された布を含み、そして各自の層が、図解を明確にするために露出される不織複合布の斜視略図である。
【図4】構成要素として、本発明の多成分繊維から形成された布を含む代替的不織複合布の斜視略図である。
【図5】構成要素として、本発明の複合布を組込むオムツの側面図である。
【図6】図6A及び6Bは、それぞれ、第一及び第二の伸びの後に実施例11で記述される布サンプルの応力−伸び率関係を示すグラフである。
【図7】多ポリマーブレンドを含む繊維の透過型電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。
【図8】多ポリマーブレンドを含む繊維の透過型電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。
【図9】多ポリマーブレンドを含む繊維の透過型電子顕微鏡法(TEM)顕微鏡写真である。
【図10】100%ポリプロピレンモノポリマーから形成される繊維のTEM顕微鏡写真である。
【図11】100%ポリエチレンホモポリマーから形成される繊維のTEM顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのポリマー成分の内の少なくとも1つが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドを含み、該ポリマーが、高融点主要連続相及びそこに分散された少なくとも1つの低融点不連続相として存在し、該高融点連続相が、プロピレンポリマーを含み、そして該少なくとも1つの低融点不連続相が、ポリエチレンポリマーを含む、構造ドメインに配列された少なくとも2つのポリマー成分を含む多成分繊維。
【請求項2】
前記繊維が、鞘−コア構造ドメインに配列されたポリマー成分を有する二成分繊維であり、該コア成分が、前記多ポリマーブレンドを含む請求項1の多成分繊維。
【請求項3】
前記ブレンドが、少なくとも1つの別の混和性または部分的に混和性のポリマーをさらに含む請求項1の多成分繊維。
【請求項4】
前記別の混和性または部分的に混和性のポリマーが、ポリオレフィンである請求項3の多成分繊維。
【請求項5】
前記ブレンドが、少なくとも50%アイソタクチック・ポリプロピレン、1〜10%のポリエチレン、及び10〜40%の前記混和性または部分的に混和性のポリオレフィンを含み、そして前記部分的に混和性のポリオレフィンが、ブロックまたはグラフト共重合体である請求項4の多成分繊維。
【請求項6】
前記ブレンドが、65〜80%のアイソタクチック・ポリプロピレン、15〜30%の前記混和性または部分的に混和性のポリオレフィン、及び1〜5%のポリエチレンを含む請求項5の多成分繊維。
【請求項7】
前記繊維が、連続フィラメント、ステープル繊維及び溶融吹込繊維から構成される群から選択される請求項1の多成分繊維。
【請求項8】
前記ポリマー成分の内の少なくとも1つが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドを含み、該ポリマーが、高融点主要連続相及びそこに分散された少なくとも1つの低融点不連続相として存在し、該高融点連続相が、プロピレンポリマーを含み、そして該少なくとも1つの低融点不連続相が、ポリエチレンポリマーを含む、構造ドメインに配列された少なくとも2つのポリマー成分を含む複数の多成分繊維を含む不織布。
【請求項9】
前記繊維が、鞘−コア構造ドメインに配列されたポリマー成分を伴う二成分繊維であり、前記コア成分が、前記多ポリマーブレンドを含む請求項8の布。
【請求項10】
前記ブレンドが、少なくとも1つの別の混和性または部分的に混和性のポリマーをさらに含む請求項8の布。
【請求項11】
前記繊維が、連続フィラメント、ステープル繊維及び溶融吹込繊維から構成される群から選択される請求項8の布。
【請求項12】
前記布が、10サイクルより大きなテーバー表面磨耗値(ゴム輪)及び少なくとも70パーセントの機械方向または機械横方向の少なくとも1つで、ピーク負荷での伸びを示す請求項8の布。
【請求項13】
前記布が、少なくとも100パーセントのピーク負荷での伸びを示す請求項12の布。
【請求項14】
前記繊維が、熱点結合によって別々の配置で互いに結合される請求項8の布。
【請求項15】
その複合布が、構造ドメインに配列される少なくとも2つのポリマー成分を含む複数の多成分繊維を含む第一層を含み、該ポリマー成分の内の少なくとも1つが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドを含み、該ポリマーが、高融点主要連続相及びそこに分散される少なくとも1つの低融点不連続相として存在し、該高融点連続相が、プロピレンポリマーを含み、そして該少なくとも1つの低融点不連続相が、ポリエチレンポリマーを含み、該繊維が、複数の結合によって結合されて、凝集性不織ウエブを形成し、該複合布が、該第一層に付着した第二層を含む、少なくとも2つの層の複合不織布。
【請求項16】
前記繊維が、鞘−コア構造ドメインに配列されたポリマー成分を伴う二成分繊維であり、該コア成分が、前記多ポリマーブレンドを含む請求項15の複合不織布。
【請求項17】
前記ブレンドが、少なくとも1つの別の混和性または部分的に混和性のポリマーをさらに含む請求項15の複合不織布。
【請求項18】
前記凝集性不織ウエブの間に堆積した接着層をさらに含み、前記第二層が、前記第二層に凝集性不織ウエブを積層させて、複合布を形成する請求項15の複合不織布。
【請求項19】
前記凝集性不織ウエブが、ランダムに配列された実質的に連続のフィラメントの、熱で結合したスパンボンド法の不織ウエブを含む請求項15の複合不織布。
【請求項20】
前記凝集性不織ウエブが、ステープル繊維の熱で結合した梳きウエブを含む請求項15の複合不織布。
【請求項21】
前記凝集性不織ウエブが、さらに、溶融吹込微小繊維を含む請求項15の複合不織布。
【請求項22】
前記第二層が、連続フィラメントのスパンボンド法のウエブ、溶融吹込微小繊維のウエブ、弾性ウエブ、及びポリオレフィンフィルムから構成される群から選択されるウエブを含む請求項15の複合不織布。
【請求項23】
前記層の少なくとも1つが、第一及び第二のポリマー成分を含む連続フィラメントまたはステープル繊維の形態で繊維状の材料から構成される不織布を含み、該第一及び第二ポリマー成分の内の少なくとも1つが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドを含み、該ポリマーが、高融点主要連続相及びそこに分散される少なくとも1つの低融点不連続相として存在し、該高融点連続相が、プロピレンポリマーを含み、そして該少なくとも1つの低融点不連続相が、ポリエチレンポリマーを含み、該繊維が、複数の結合によって結合されて、凝集性不織ウエブを形成する、複数の層を含む使い捨て吸収性個人用介助製品。
【請求項24】
前記繊維が、鞘−コア構造ドメインに配列されたポリマー成分を伴う二成分繊維であり、該コア成分が、前記多ポリマーブレンドを含む請求項23の使い捨て個人用介助製品。
【請求項25】
前記ブレンドが、さらに、少なくとも1つの別の混和性または部分的に混和性のポリマーを含む請求項23の使い捨て個人用介助製品。
【請求項26】
繊維状の材料が、別々の配置で、任意に、互いに配列及び結合される連続フィラメントを含み、不織スパンボンド法の布を形成する請求項23の使い捨て個人用介助製品。
【請求項27】
前記使い捨て吸収性個人介助製品が、オムツ、失禁パッド、または衛生ナプキンである請求項23の使い捨て個人用介助製品。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多成分繊維であって、そのポリマー成分の内の少なくとも1つが、少なくとも2つの異なるポリオレフィンポリマーの多ポリマーブレンドを含み、該ポリマーが、高融点主要連続相及びそこに分散された少なくとも1つの低融点不連続相として存在し、該高融点連続相が、プロピレンポリマーを含み、そして該少なくとも1つの低融点不連続相が、ポリエチレンポリマーを含み、前記多ポリマーブレンドがポリオレフィンポリマーを含み、該ポリオレフィンポリマーのポリマー鎖の少なくとも一部が、一方若しくは他方又は両方の主要かつ分散した前記ポリマー相と混和性を有し、上記ポリマー成分は、該多成分繊維の断面を横切って実質的に均一に位置決めされた別個のゾーンに配列され、該多成分繊維の長さに沿って連続的に伸びる、少なくとも2つのポリマー成分を含む多成分繊維。
【請求項2】
前記繊維が、鞘−コア断面のポリマー成分を有する二成分繊維であり、該コア成分が、前記多ポリマーブレンドを含む請求項1の多成分繊維。
【請求項3】
前記ブレンドが、少なくとも50%アイソタクチック・ポリプロピレン、1〜10%のポリエチレン、及び10〜40%の前記混和性のポリオレフィンを含み、そして前記混和性のポリオレフィンが、ブロック又はグラフト共重合体である請求項の多成分繊維。
【請求項4】
前記ブレンドが、65〜80%のアイソタクチック・ポリプロピレン、15〜30%の前記混和性のポリオレフィン、及び1〜5%のポリエチレンを含む請求項の多成分繊維。
【請求項5】
前記繊維が、連続フィラメント、ステープル繊維及び溶融吹込繊維から構成される群から選択される請求項1の多成分繊維。
【請求項6】
前記請求項1〜5のいずれかに記載の多成分繊維を含む不織布。
【請求項7】
前記布が、10サイクルより大きなテーバー表面磨耗値(ゴム輪)及び少なくとも70パーセントの機械方向又は機械横方向の少なくとも1つで、ピーク負荷での伸びを示す請求項の布。
【請求項8】
前記布が、少なくとも100パーセントのピーク負荷での伸びを示す請求項の布。
【請求項9】
前記繊維が、熱点結合によって別々の配置で互いに結合される請求項の布。
【請求項10】
少なくとも2つの層の複合不織布であって、複数の前記請求項1〜5のいずれかに記載の多成分繊維を含む第一層を含む複合不織布。
【請求項11】
前記凝集性不織ウエブの間に堆積した接着層をさらに含み、前記第二層が、前記第二層に凝集性不織ウエブを積層させて、複合布を形成する請求項10の複合不織布。
【請求項12】
前記凝集性不織ウエブが、ランダムに配列された実質的に連続のフィラメントの、熱で結合したスパンボンド法の不織ウエブを含む請求項10の複合不織布。
【請求項13】
前記凝集性不織ウエブが、ステープル繊維の熱で結合した梳きウエブを含む請求項10の複合不織布。
【請求項14】
前記凝集性不織ウエブが、さらに、溶融吹込微小繊維を含む請求項10の複合不織布。
【請求項15】
前記第二層が、連続フィラメントのスパンボンド法のウエブ、溶融吹込微小繊維のウエブ、弾性ウエブ、及びポリオレフィンフィルムから構成される群から選択されるウエブを含む請求項10の複合不織布。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−176948(P2006−176948A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7405(P2006−7405)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【分割の表示】特願2001−550428(P2001−550428)の分割
【原出願日】平成12年12月27日(2000.12.27)
【出願人】(501178086)ビービーエイ・ノンウォーヴンズ・シンプソンヴィル,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】