説明

多機能画像形成装置及び画像形成システム

【課題】各ユーザの利用権限を互いに異なって設定可能で、資料の漏洩を防ぐ可能な多機能画像形成装置及び画像形成システムを提供する
【解決手段】 本発明に係る多機能画像形成装置は、画像形成に関連する機能を複数持つ多機能画像形成装置であって、少なくとも二つの異なる認証方式を有し、何れかの前記認証方式を採用してユーザの認証を行い可能な認証部と、各前記認証方式に対応してそれぞれ互いに異なって設定され、前記ユーザが前記複数の機能の中いくつかの機能を利用可能とすることを示す各制限情報が記憶されている制限情報記憶部と、何れかの前記認証方式によって前記ユーザが認証されると、前記制限情報記憶部を参照して、当該認証方式に対応する前記制限情報に基づいて、前記ユーザが利用可能な前記いくつかの機能を判定する判定管理部と、判定された前記機能を前記ユーザに利用させるために、前記いくつかの機能に対応する選択肢を表示して前記ユーザに選択させる表示選択部と、選択された前記機能を実行する実行部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザを認証して、画像形成に関連する複数の機能を利用する多機能画像形成装置及び画像形成システムに関し、特に、同時に少なくとも二つの異なる認証方式を利用してユーザを認証可能な画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多機能画像形成装置には、画像形成に関連する機能が複数設けられている。この複数の機能は、例えば、スキャン機能、コピー機能、プリント機能、ファックス機能などからなる。そして、企業がこのような多機能画像形成装置を利用する場合、社内資料の機密を守るために、ユーザが各機能を利用する前に、ユーザを認証することが必要となっていた。従来では、このような多機能画像形成装置には、一つの認証方式だけが設けられている。この認証方式として、パスワード認証、ICカード認証、生体認証にいずれかが採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−263883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、企業の資料は重要度によって分けることが多い。例えば、部門Aの社員が読める資料は、部門Bの社員にとっては読めない機密であるかもしれない。この場合、一つの多機能画像形成装置に対して、全てのユーザが同じ認証方式しか利用できないので、社内の身分が異なる各ユーザの利用権限をそれぞれ異なって設定することができない。その結果、各ユーザが同一な多機能画像形成装置を使う時に、情報漏洩が起こりやすいという問題があった。例えば、管理者が同じ多機能画像形成装置を利用してスキャナーで読み取った機密資料の画像データが削除されていない場合、その後事務員がこの同じ装置でファックス機能を利用する際、この削除されていない機密の画像データをミスで送ってしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
〈構成1〉
本発明に係る多機能画像形成装置は、画像形成に関連する機能を複数持つ多機能画像形成装置であって、少なくとも二つの異なる認証方式を有し、何れかの前記認証方式を採用してユーザの認証を行うことが可能な認証部と、各前記認証方式に対応してそれぞれ互いに異なって設定され、前記ユーザが前記複数の機能の中いくつかの機能を利用可能とすることを示す各制限情報が記憶されている制限情報記憶部と、何れかの前記認証方式によって前記ユーザが認証されると、前記制限情報記憶部を参照して、当該認証方式に対応する前記制限情報に基づいて、前記ユーザが利用可能な前記いくつかの機能を判定する判定管理部と、判定された前記機能を前記ユーザに利用させるために、前記いくつかの機能に対応する選択肢を表示して前記ユーザに選択させる表示選択部と、選択された前記機能を実行する実行部とを備えることを特徴とする。
【0006】
〈構成2〉
本発明に係る画像形成システムは、画像形成に関連する機能を複数持ち多機能画像形成装置と、通信網を介して前記多機能画像形成装置と通信可能に接続されるサーバPCとを含む画像形成システムであって、前記多機能画像形成装置は、認証部、判定管理部、表示選択部、実行部、第一通信部を備え、前記サーバPCは、制限情報記憶部、情報取得部、第二通信部を備え、前記多機能画像形成装置において、前記認証部は、少なくとも二つの異なる認証方式を有し、何れかの前記認証方式を採用してユーザの認証を行うことが可能であり、前記第一通信部は、採用された認証方式を示す方式データを前記サーバPCに送信し、前記サーバPCにおいて、前記制限情報記憶部は、各前記認証方式にそれぞれ対応する各制限情報を記憶し、該各制限情報は、それぞれ互いに異なって設定され、前記ユーザが前記複数の機能の中いくつかの機能を利用可能とすることを示し、前記情報取得部は、前記第二通信部によって受信した前記方式データに基づいて、前記制限情報記憶部から対応の前記制限情報を取得し、前記第二通信部は、前記情報取得部によって取得した前記制限情報を前記多機能画像形成装置に送信し、前記多機能画像形成装置において、前記判定管理部は、前記第一通信部によって受信した前記制限情報に基づいて、前記ユーザが利用可能な前記いくつかの機能を判定し、前記表示選択部は、判定された前記機能を前記ユーザに利用させるために、前記いくつかの機能に対応する選択肢を表示して前記ユーザに選択させ、前記実行部は、選択された前記機能を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る多機能画像形成装置及び画像形成システムによれば、一つの多機能画像形成装置において、少なくとも二つの異なる認証方式が採用されるので、異なるユーザに対して、異なる認証方式を提供することができる。従って、各ユーザの利用権限を互いに異なって設定して、複数のユーザの権限を一元管理することによって、資料の漏洩を防ぐことができる。
また、同じユーザに対しても、各認証方式を利用して認証を行う場合、利用可能な機能をそれぞれ異なって設定することができるので、安全性と難易度が異なる各認証方式を利用して、各ユーザの利用権限を更に厳密に設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る多機能画像形成装置の実施例1における構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る多機能画像形成装置の実施例1における認証部の構成を示す説明図である。
【図3】本発明に係る多機能画像形成装置の実施例1における入力画面を示す説明図である。
【図4】本発明に係る多機能画像形成装置の実施例1における制限情報記憶部の構成を示す説明図である。
【図5】本発明に係る多機能画像形成装置の実施例1における機能選択画面を示す説明図である。
【図6】本発明に係る多機能画像形成装置の実施例1における動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る画像形成システムの実施例2における構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る画像形成システムの実施例2における制限情報記憶部の構成を示す説明図である。
【図9】本発明に係る画像形成システムの実施例2における認証部の構成を示す説明図である。
【図10】本発明に係る画像形成システムの実施例2における機能選択画面を示す説明図である。
【図11】本発明に係る画像形成システムの実施例2における動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を用いる実施形態で、本発明に係る多機能画像形成装置及び画像形成システムを詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
〈実施例1の構成〉
図1は、本発明に係る多機能画像形成装置100の実施例1における構成を示すブロック図である。
本発明に係る多機能画像形成装置100は、図1に示されているように、実行部101と、認証部106と、制限情報記憶部105と、判定管理部110と、表示選択部111と、制御部112とを備えている。
【0011】
実行部101は、画像形成に関連する各機能を実行する機能を有する。本実施例において、実行部101は、スキャン部102、印刷部103及びファックス部104を含み、スキャン機能、プリント機能及びファックス機能を実行することができる。
認証部106は、表示入力部107及びICカード情報検出部108を含み、パスワード認証及びICカード認証この二つの認証方式を提供し、この中の何れかの認証方式を採用してユーザの認証を行う機能を有する。この表示入力部107及びICカード情報検出部108は、それぞれ異なる方式で、ユーザに識別情報を入力させる機能を有する。
【0012】
図2は、認証部106の構成を示す説明図である。
認証部106は、図2に示すように、表示入力部107としての機能を有するタッチパネル113と、ICカード検出エリア114とを含んでいる。ユーザは、タッチパネル113に表示されている入力画面117を利用して、ID番号とパスワード(即ち、パスワード認証データ)をタイピングで入力することもできるし、ICカードをICカード検出エリア114に近づいて、ICカードに記憶されているID番号及び認証コード(即ち、ICカード認証データ)をICカード情報検出部108に検出させることもできる。
【0013】
図3は、入力画面117を示す説明図である。
入力画面117は、図3に示すように、入力エリア118及び文字選択エリア119が設けられている。ユーザは、文字選択エリア119から文字を選択することによって、ID番号とパスワードを入力する。
本実施例では、表示入力部107はタッチパネル113であるが、ユーザにタイピングで入力させる機能を持つ限り、他の入力部件、例えば、スクリーンとキーボードからなるものであっても良い。
【0014】
図4は、制限情報記憶部105の構成を示す説明図である。
制限情報記憶部105には、図4に示すように、「ID」、「認証情報」、「認証方式」、「スキャン」、「プリント」及び「ファックス」などの項目が設けられている。
これらの項目に対応して、「0001」、「0002」などのID番号と、「パスワード1」、「認証コード1」などの認証情報ドと、「パスワード」、「ICカード」などの認証方式を示す方式データと、各認証方式に対応して、「スキャン」、「プリント」、「ファックス」などの機能を利用できるか否かを示す制限情報が記憶されている。
また、認証情報において、「パスワード1」は、「abc123」のような文字からなるもので、「認証コード」は、「001011」のような二進法数字からなるものである。更に、これら認証情報はID番号と共に、ユーザを識別するための識別情報となっている。
【0015】
例えば、ユーザ0001は、ID番号とパスワードからなる識別情報を入力してパスワード認証を行う場合、スキャンとプリント、この二つの機能を使える。また、ICカードに記憶されているID番号と認証コードからなる識別情報をICカード情報検出部108に検出させてICカード認証を行う場合、全ての三つの機能を使える。
また、ユーザ0002は、パスワード認証だけが利用できるし、パスワード認証を行う場合、プリント機能のみを使える。
更に、本実施例において、認証を通さないユーザのためのユーザ「ゲスト」が設けられ、このユーザゲストは、スキャン機能のみを使える。だが、不正利用を防ぐために、ユーザゲストを設けなくても良い。この場合、認証を通さないユーザは全ての機能を一切使えない。
【0016】
判定管理部110は、入力或いは検出された識別情報を、制限情報記憶部105に記憶されている識別情報を比べ、一致するユーザが該当するか否かを判定し、該当する場合、当該認証方式に対応する制限情報に基づいて、当該ユーザが利用できる機能を判定する機能を有する。
表示選択部111は、機能選択画面115に介して、ユーザが利用できる機能を示す選択肢を表示し、ユーザに選択させる機能を有する。本実施例において、表示選択部111は、表示入力部107と同一なタッチパネル113を使って、機能選択画面115をユーザに表示する。
【0017】
図5は、機能選択画面115を示す説明図である。
例えば、パスワード認証を行う場合、ユーザ0001は、図4に示すように、スキャンとプリント2種類の機能を利用できるので、機能選択画面115には、図5における実線に示すように、「スキャン」と「プリント」この二つの選択肢が現れる。また、ICカード認証を行う場合、ファックス機能も利用可能なので、機能選択画面115には、図5における点線に示すように、ファックスの選択肢も同時に現れる。
また、機能選択画面115画面には、利用完了、或いは他のユーザに切り替える時に使うログアウトボタン116が設けられている。
制御部112は、上記各部を制御する機能を有する。
【0018】
〈実施例1の動作〉
次に、本発明に係る多機能画像形成装置100の動作を、フローチャートに沿って説明する。
図6は、本発明に係る多機能画像形成装置100の実施例1における動作を示すフローチャートである。
【0019】
多機能画像形成装置100が起動された後、まず、制御部112は認証部106を起動して、ユーザに識別情報を入力させ、認証を行う(ステップ1)。本実施例では、例として、ユーザはパスワード認証を採用し、即ち、表示入力部107のタッチパネル113に表示されている入力画面117を利用して、ID番号「0001」とパスワード1を入力する。
そして、制御部112は、判定管理部110に、制限情報記憶部105を参照させ、入力された識別情報と該当するユーザの有無を判定させる(ステップ2)。
【0020】
該当するユーザがある場合、制御部112は、判定管理部110に認証方式を判定させる(ステップ3)。本実施例において、認証方式は、「パスワード」と判定されている。
そして、判定された認証方式に対応する制限情報に基づいて、当該ユーザが利用できる機能を判定する(ステップ4)。
【0021】
また、ステップ2において、該当するユーザがない場合、判定管理部110は、当該ユーザをゲストとして扱い、制限情報に基づいて、ゲストが利用できる機能を判定する(ステップ5)。本実施例において、ゲストが利用できる機能はスキャン機能である。
【0022】
その後、制御部112は、表示選択部111に、機能選択画面115を表示させる(ステップ6)。本実施例において、パスワード認証を採用する場合、ユーザ0001が利用できる機能はスキャンとプリントであるので、機能選択画面115には、「スキャン」と「プリント」この二つの選択肢が設けられている。
続いて、制御部112は、機能選択画面115に表示されている選択肢には、ユーザが利用したい機能があるか否かを、ユーザに選択させる(ステップ7)。
利用したい機能がいない場合、ユーザは、機能選択画面115におけるログアウトボタン116を押下し(ステップ8)、ステップ1に戻り、他の認証方式を利用して認証を求める。
【0023】
利用したい機能がある場合、ユーザは、対応の選択肢を選択する(ステップ9)。本実施例において、例えば、プリント機能が選択される。
そして、制御部112は実行部101を起動し、選択された機能、例えば、プリント機能を実行する(ステップ10)。
機能の実行が完了した後、制御部112は、再び表示選択部111に機能選択画面115を表示させ(ステップ11)、ユーザに、他の機能も利用するか否かを選択させる(ステップ12)。
【0024】
他の機能を利用する場合、ステップ9に戻り、ユーザが希望の選択肢を選択する。
利用しない場合、ユーザがログアウトボタン116を押下し(ステップ13)、作業を終了する。
【0025】
〈実施例1の効果〉
本発明に係る実施例1によれば、一つの多機能画像形成装置において、二つの異なる認証方式が採用されるので、異なるユーザに対して、異なる認証方式を提供することができる。従って、各ユーザの利用権限を互いに異なって設定して、複数のユーザの権限を一元管理することによって、資料の漏洩を防ぐことができる。
また、同じユーザに対しても、認証方法の安全性が高いほど、ユーザが利用できる機能の数が多くように設定するので、安全性が異なる各認証方式を利用して、各ユーザの利用権限を更に厳密に設定することもできる。
【実施例2】
【0026】
次に、実施例2について説明する。
尚、実施例1におけると同様な構成について、同一の符号を与え、そして、同様な説明を省略する。
〈実施例2の構成〉
図7は、本発明に係る画像形成システム220の実施例2における構成を示すブロック図である。
本発明に係る画像形成システム220は、図7に示されているように、通信網234を介して通信可能に接続されている多機能画像形成装置200とサーバPC230とを含んでいる。
そして、多機能画像形成装置200は、実行部101と、認証部206と、記憶部205と、判定管理部210と、表示選択部111と、第一通信部223aと、第一制御部212とを備え、サーバPC230は、制限情報記憶部231と、第二通信部223bと、第二制御部232とを備えている。
【0027】
図8は、サーバPC230における制限情報記憶部231の構成を示す説明図である。
制限情報記憶部231には、図8に示すように、「ID」、「認証情報」、「認証方式」、「スキャン」、「プリント」、「ファックス」及び「データ操作」などの項目が設けられている。
これらの項目に対応して、「0001」、「0002」などのID番号と、「パスワード1」、「認証コード1」、「指紋画像データ1」などの認証情報と、「パスワード」、「ICカード」、「指紋」などの認証方式を示す方式データと、「スキャン」、「プリント」、「ファックス」及び「データ操作」などの機能を利用できるか否かを示す制限情報が記憶されている。
また、認証情報において、「パスワード1」は、「abc123」のような文字からなるもので、「認証コード」は、「001011」のような二進法数字からなるものである。更に、これら認証情報はID番号と共に、ユーザを識別するための識別情報となっている。
【0028】
例えば、ユーザ0001は、パスワード認証を行う場合、スキャンとプリント、この二つの機能しか使えない。また、ICカード認証を行う場合、ファックス機能を含む三つの機能を使える。更に、指紋認証を行う場合、データ操作機能も使えるようになる。このデータ操作機能は、後述する多機能画像形成装置200における記憶部205に記憶されている様々なデータを編集及び削除する機能である。
また、本実施例において、認証を通さないユーザのためのユーザ「ゲスト」が設けられ、このユーザゲストは、スキャン機能のみを使える。だが、不正利用を防ぐために、ユーザゲストを設けなくても良い。この場合、認証を通さないユーザは全ての機能を一切使えない。
【0029】
第二制御部232は、サーバPC230における各部を制御する機能を有し、更に、制限情報記憶部231から制限情報を取得する機能を有する情報取得部235を備えている。
第二通信部223bは、通信網234を介して、多機能画像形成装置200と通信し、情報取得部235が取得する制限情報を多機能画像形成装置200に送信する機能を有する。
【0030】
多機能画像形成装置200において、認証部206は、表示入力部107、ICカード情報検出部108及び生体特徴識別部209を含み、パスワード認証、ICカード認証及び生体認証この三つの認証方式と対応する三つの入力方式を、ユーザに提供する機能を有する。
認証部206は、表示入力部107、ICカード情報検出部108及び生体特徴識別部209を含み、パスワード認証、ICカード認証及び生体認証この三つの認証方式を提供し、この中の何れかの認証方式を採用してユーザの認証を行う機能を有する。認証部206において、表示入力部107、ICカード情報検出部108及び生体特徴識別部209は、それぞれ異なる方式で、ユーザに識別情報を入力させる機能を有する。
【0031】
図9は、認証部206の構成を示す説明図である。
認証部206は、図9に示すように、表示入力部107としての機能を有するタッチパネル113と、ICカード検出エリア114と、指紋検出エリア222とを含んでいる。
ユーザは、ID番号とパスワード(即ち、パスワード認証データ)をタイピングで入力することもできるし、ICカードをICカード検出エリア114に近づいて、ICカードに記憶されているID番号及び認証コード(即ち、ICカード認証データ)をICカード情報検出部108に検出させることもできる。更に、指を指紋検出エリア222にタッチすることによって生体特徴識別部209に指紋を検出させることもできる。
また、本実施例における生体特徴識別部209は、指紋を検出する装置であるが、声紋及び虹彩などの生体特徴を検出するための装置であっても良い。
【0032】
記憶部205は、スキャンで読み取った画像データ、プリントする画像データ、ファックス送信先の電話番号及び各機能の設定データなど様々なデータを記憶する機能を有する。
第一通信部223aは、通信網234を介して、サーバPC230と通信し、採用された認証方式を示す方式データをサーバPC230に送信する機能を有する。
判定管理部210は、サーバPC230から受信した制限情報に基づいて、当該ユーザが利用できる機能を判定する機能を有する。
【0033】
図10は、実施例2における機能選択画面215を示す説明図である。
例えば、パスワード認証を行う場合、ユーザ0001は、図8に示すように、スキャンとプリント2種類の機能を利用できるので、機能選択画面215には、図10における実線に示すように、「スキャン」と「プリント」この二つの選択肢が現れる。また、ICカード認証を行う場合、ファックス機能も利用可能なので、機能選択画面215には、図5における点線に示すように、ファックスの選択肢も同時に現れる。更に、指紋認証を行う場合、全ての四つの機能を利用できるので、図10における点線に示すように、データ操作の選択肢も同時に現れる。
第一制御部212は、多機能画像形成装置200における各部を制御する機能を有する。
【0034】
〈実施例2の動作〉
次に、本発明に係る画像形成システム200の動作を、フローチャートに沿って説明する。
図11は、本発明に係る画像形成システム200の実施例2における動作を示すフローチャートである。
【0035】
画像形成システム200が起動された後、まず、画像形成システム200における第一制御部212は認証部206を起動して、ユーザに識別情報を入力させ、認証を行う(ステップ1)。本実施例では、例として、ユーザはパスワード認証を採用し、即ち、表示入力部107のタッチパネル113に表示されている入力画面117を利用して、ID番号「0001」とパスワード1を入力する。
そして、第一制御部212は、第一通信部223aに、採用された認証方式を示す方式データと入力された識別情報をサーバ230に送信する(ステップ2)、
【0036】
サーバ230において、第二制御部232は、情報取得部235を起動し、情報取得部235に制限情報記憶部231を参照させ、受信した識別情報と該当するユーザの有無を判定させる(ステップ3)。
該当するユーザがある場合、第二制御部232は、情報取得部235に、受信した方式データに基づいて、制限情報記憶部231から対応の制限情報を取得し、第二通信部223bに、取得した制限情報を多機能画像形成装置200に送信する(ステップ4)。
また、該当するユーザがない場合、第二制御部232は、情報取得部235に、制限情報記憶部231からユーザ「ゲスト」の制限情報を取得し、第二通信部223bを利用して当該制限情報を多機能画像形成装置200に送信する(ステップ5)。本実施例において、ゲストが利用できる機能はスキャン機能である。
【0037】
その後、画像形成システム200において、判定管理部210は、受信した制限情報にも基づいて、ユーザが利用できる機能を判定する(ステップ6)。
そして、第一制御部212は、表示選択部111に、機能選択画面215を表示させる(ステップ7)。本実施例において、パスワード認証を採用する場合、ユーザ0001が利用できる機能はスキャンとプリントであるので、機能選択画面115には、「スキャン」と「プリント」この二つの選択肢が設けられている。
続いて、第一制御部212は、機能選択画面215に表示されている選択肢には、ユーザが利用したい機能があるか否かを、ユーザに選択させる(ステップ8)。
利用したい機能がいない場合、ユーザは、機能選択画面215におけるログアウトボタン116を押下し(ステップ9)、ステップ1に戻り、他の認証方式を利用して認証を求める。
【0038】
利用したい機能がある場合、ユーザは、対応の選択肢を選択する(ステップ10)。本実施例において、例えば、プリント機能が選択される。
そして、第一制御部212は実行部101を起動し、選択された機能、例えば、プリント機能を実行する(ステップ11)。
機能の実行が完了した後、第一制御部212は、再び表示選択部111に機能選択画面215を表示させ(ステップ12)、ユーザに、他の機能も利用するか否かを選択させる(ステップ13)。
【0039】
他の機能を利用する場合、ステップ10に戻り、ユーザが希望の選択肢を選択する。
利用しない場合、ユーザがログアウトボタン116を押下し(ステップ14)、作業を終了する。
【0040】
〈実施例2の効果〉
本発明に係る実施例2によれば、識別情報と制限情報を記憶する制限情報記憶部231は、多機能画像形成装置200の外部のサーバPC230に設けられている。そのため、識別情報及び制限情報が多機能画像形成装置200内部の記憶部205の記憶容量を占用することがなくなり、多機能画像形成装置200の画像形成機能に妨げる可能性もなくなる。
また、外部のサーバPCに設けられている制限情報記憶部231の記憶容量は、多機能画像形成装置200における記憶部205の記憶容量よりずっと大きいので、より多くユーザの識別情報及び制限情報を一元管理することができる。
更に、実施例2において、パスワード認証、ICカード認証及び指紋認証この三つの認証方式があって、安全性も次々に上升するので、各ユーザの権限を実施例1より厳格に設定することもできる。
【符号の説明】
【0041】
100 200 多機能画像形成装置
101 実行部
102 スキャン部
103 印刷部
104 ファックス部
105 231 制限情報記憶部
106 206 認証部
107 表示入力部
108 ICカード情報検出部
110 210 判定管理部
111 表示選択部
112 制御部
113 タッチパネル
114 ICカード検出エリア
115 215 機能選択画面
116 ログアウトボタン
117 入力画面
118 入力エリア
119 文字選択エリア
205 記憶部
209 生体特徴識別部
212 第一制御部
220 画像形成システム
222 指紋検出エリア
230 サーバPC
232 第二制御部
223a 第一通信部
223b 第二通信部
234 通信網
235 情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成に関連する機能を複数持つ多機能画像形成装置であって、
少なくとも二つの異なる認証方式を有し、何れかの前記認証方式を採用してユーザの認証を行うことが可能な認証部と、
各前記認証方式に対応してそれぞれ互いに異なって設定され、前記ユーザが前記複数の機能の中いくつかの機能を利用可能とすることを示す各制限情報が記憶されている制限情報記憶部と、
何れかの前記認証方式によって前記ユーザが認証されると、前記制限情報記憶部を参照して、当該認証方式に対応する前記制限情報に基づいて、前記ユーザが利用可能な前記いくつかの機能を判定する判定管理部と、
判定された前記機能を前記ユーザに利用させるために、前記いくつかの機能に対応する選択肢を表示して前記ユーザに選択させる表示選択部と、
選択された前記機能を実行する実行部とを備えることを特徴とする多機能画像形成装置。
【請求項2】
前記少なくとも二つの認証方式における第一認証方式に対応して、前記制限情報は、前記複数の機能において少なくとも一つの機能を利用可能であることを示し、
前記少なくとも二つの認証方式における第二認証方式に対応して、前記制限情報は、前記複数の機能において、前記第一認証方式に対応する前記機能を利用可能で、更に、他の前記機能を追加して利用可能であることを示すことを特徴とする請求項1に記載の多機能画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の機能は、スキャン機能、コピー機能、プリント機能、ファックス機能及びデータ操作機能において少なくとも二つを含み、
前記少なくとも二つの認証方式は、パスワード認証、ICカード認証及び生体認証の中の少なくとも二つからなることを特徴とする請求項1または2に記載の多機能画像形成装置。
【請求項4】
前記生体認証は、指紋認証、声紋認証或いは虹彩認証であることを特徴とする請求項3に記載の多機能画像形成装置。
【請求項5】
各前記認証方式に対応して、それぞれ、前記ユーザが利用可能な前記機能の中では、少なくとも一つの機能が同じであることを特徴とする請求項1に記載の多機能画像形成装置。
【請求項6】
前記制限情報記憶部は、各前記認証方式に対応して、それぞれ、各前記ユーザを識別するための識別情報を更に記憶し、
同一の前記認証方式を採用するそれぞれの前記ユーザに対して、前記制限情報を異なって設定することで、前記ユーザの利用可能な機能が異なって設定されることを特徴とする請求項1に記載の多機能画像形成装置。
【請求項7】
前記識別情報は、前記ユーザに該当するID番号、パスワード認証データ、ICカード認証データ、生体認証データを採用して形成されることを特徴とする請求項6に記載の多機能画像形成装置。
【請求項8】
画像形成に関連する機能を複数持ち多機能画像形成装置と、
通信網を介して前記多機能画像形成装置と通信可能に接続されるサーバPCとを含む画像形成システムであって、
前記多機能画像形成装置は、認証部、判定管理部、表示選択部、実行部、第一通信部を備え、
前記サーバPCは、制限情報記憶部、情報取得部、第二通信部を備え、
前記多機能画像形成装置において、
前記認証部は、少なくとも二つの異なる認証方式を有し、何れかの前記認証方式を採用してユーザの認証を行うことが可能であり、
前記第一通信部は、採用された認証方式を示す方式データを前記サーバPCに送信し、
前記サーバPCにおいて、
前記制限情報記憶部は、各前記認証方式にそれぞれ対応する各制限情報を記憶し、
該各制限情報は、それぞれ互いに異なって設定され、前記ユーザが前記複数の機能の中いくつかの機能を利用可能とすることを示し、
前記情報取得部は、前記第二通信部によって受信した前記方式データに基づいて、前記制限情報記憶部から対応の前記制限情報を取得し、
前記第二通信部は、前記情報取得部によって取得した前記制限情報を前記多機能画像形成装置に送信し、
前記多機能画像形成装置において、
前記判定管理部は、前記第一通信部によって受信した前記制限情報に基づいて、前記ユーザが利用可能な前記いくつかの機能を判定し、
前記表示選択部は、判定された前記機能を前記ユーザに利用させるために、前記いくつかの機能に対応する選択肢を表示して前記ユーザに選択させ、
前記実行部は、選択された前記機能を実行することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
前記少なくとも二つの認証方式における第一認証方式に対応して、前記制限情報は、前記複数の機能において少なくとも一つの機能を利用可能であることを示し、
前記少なくとも二つの認証方式における第二認証方式に対応して、前記制限情報は、前記複数の機能において、前記第一認証方式に対応する前記機能を利用可能で、更に、他の前記機能を追加して利用可能であることを示すことを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記複数の機能は、スキャン機能、コピー機能、プリント機能、ファックス機能及びデータ操作機能において少なくとも二つを含み、
前記少なくとも二つの認証方式は、パスワード認証、ICカード認証及び生体認証の中の少なくとも二つからなることを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記生体認証は、指紋認証、声紋認証或いは虹彩認証であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成システム。
【請求項12】
各前記認証方式に対応して、それぞれ、前記ユーザが利用可能な前記機能の中では、少なくとも一つの機能が同じであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記制限情報記憶部は、各前記認証方式に対応して、それぞれ、各前記ユーザを識別するための識別情報を更に記憶し、
同一の前記認証方式を採用するそれぞれの前記ユーザに対して、前記制限情報を異なって設定することで、前記ユーザの利用可能な機能が異なって設定されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記識別情報は、前記ユーザに該当するID番号、パスワード認証データ、ICカード認証データ、生体認証データを採用して形成されることを特徴とする請求項13に記載の画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−115990(P2012−115990A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264689(P2010−264689)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】