説明

多段焦点アクチュエータおよび光ヘッド

【課題】多層記録されたビット方式ホログラフィディスクの各層に正確に焦点を合わせる方法、これに用いるアクチュエータを提供する。
【解決手段】多段アクチュエータを使用して光ヘッドの1つまたは複数の光コンポーネントを駆動する。多段アクチュエータには、ビームがターゲットデータ層に入射するように、光コンポーネントを駆動してビーム焦点をホログラフィディスク中のデータ層の厚さに対応する変位範囲内で変化させるための相互層変位コンポーネントが含まれる。また、ビームをターゲットデータ位置に集束させるために光コンポーネントをより小さい範囲内で駆動する層内集束コンポーネントが含まれる。相互層変位コンポーネントおよび層内集束コンポーネントは、それぞれ複数のアクチュエータを含むことができる。さらに集束コンポーネントは、ディスクの運動または不完全性を補償するために、傾斜運動で光コンポーネントを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技法は一般にビット方式ホログラフィデータ記憶技法に関する。より具体的には、本技法は、ホログラフィ読取りおよび/または記録のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ能力の進歩につれて、コンピュータ技術は、とりわけ消費者ビデオ、データアーカイブ、文書記憶、画像化および映画製作などの新しい応用領域に入っている。これらの応用例は、増大された記憶容量と高いデータ転送速度を有するデータ記憶技法の開発を絶えず促している。
【0003】
データ記憶技術における開発の一例は、光記憶システムのますます増加する記憶容量であろう。例えば、1980年代の初期に開発されたコンパクトディスクは、約650〜700MBのデータ、または約74〜80分の2チャンネル音響プログラムの容量を有している。それと比較すると、1990年代の初期に開発されたディジタル汎用ディスク(DVD)フォーマットは、約4.7GB(単層)または8.5GB(二重層)の容量を有している。さらに、より高い解像度のビデオフォーマットに対する要求など、増加する一方の要求に合致するために、容量がより大きい記憶技法が開発されている。例えば、Blu−ray Disc(商標)フォーマットなどの大容量記録フォーマットは、約25GBを単層ディスクの中に保持することができ、あるいは50GBを二重層ディスクの中に保持することができる。コンピュータ技術が開発され続けるにつれて、容量がより大きい記憶媒体が望ましい可能性がある。ホログラフィ記憶システムおよびマイクロホログラフィ記憶システムは、記憶装置産業における大容量要件を達成することができる開発中の他の記憶技術の例である。
【0004】
ホログラフィ記憶は、2つの光ビームの交点によって感光性記憶媒体中に生成される三次元干渉縞の画像であるホログラムの形態でのデータの記憶である。ページベースのホログラフィ技法およびビット方式ホログラフィ技法の両方が追求されている。ページベースのホログラフィ記憶の場合、ディジタル符号化データ(例えば複数のビット)を含む信号ビームが記憶媒体の体積内で参照ビーム上に重畳され、それによりその体積内の媒体の屈折率を変調する化学反応が生じる。したがって個々のビットは、通常、干渉縞の一部として記憶される。ビット方式のホログラフィデータ記憶またはマイクロホログラフィデータ記憶の場合、すべてのビットは、マイクロホログラム、すなわち典型的には2つの逆向きに伝搬する集束記録ビーム(counter−propagating focused recording beams)によって生成されるブラッグ反射回折格子として書き込まれる。次に、マイクロホログラムを反射して記録ビームを復元する読取りビームを使用してデータが検索される。
【発明の概要】
【0005】
ビット方式ホログラフィシステムによれば、より接近して離隔された層集束マイクロホログラムを記録することができ、したがって従来の光システムよりはるかに大きい記憶容量が提供される。ホログラフィ記憶ディスクの構成の中には、それぞれ複数の平行データトラックを有する複数のデータ層の中にマイクロホログラムを記憶しなければならないものがある。しかしながら、特定のプロセスが、光ヘッドをディスク中の複数のデータ層のうちの1つに合焦するように位置決めすることを必要とする可能性があるため、ホログラフィ記憶システムにおけるこのような高い記憶密度には、読取りプロセスおよび/または記録プロセスのためのより正確な光ヘッドの位置決めが必要であり得る。さらに、このような正確な位置決めには、より長い時間が必要であり、したがって読取りプロセスまたは記録プロセスが遅くなることがある。多層ホログラフィ記憶システム上での読取りおよび/または記録の効率を高くするための技法が望ましい。
【0006】
本技法の一実施形態によれば、ビームをホログラフィディスクに集束させる方法が提供される。この方法には、ホログラフィディスク中のターゲットデータ層上のターゲットデータ位置を決定するステップと、多段アクチュエータの第1のコンポーネントを使用して、また、多段アクチュエータの第2のコンポーネントを使用して、1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが含まれる。第1のコンポーネントは、ビームがターゲットデータ層に入射するように、1つまたは複数の光コンポーネントを駆動して、ビームの焦点深度をホログラフィディスク中のデータ層の厚さに対応する範囲内で変化させるように構成され、一方、第2のコンポーネントは、1つまたは複数のコンポーネントを駆動して、ビームをターゲットデータ位置に集束させるように構成されている。
【0007】
他の実施形態によれば、ホログラフィディスク読取りおよび記録のための光ヘッドが提供される。光ヘッドには1つまたは複数の光コンポーネントが含まれ、光ヘッドは、ビームをホログラフィディスクのターゲットデータ層中のターゲットデータ位置に入射させるように構成されている。システムには、さらに、相互層コンポーネントおよび層内コンポーネントを含む多段アクチュエータが含まれる。相互層コンポーネントは、ビームをターゲットデータ層に入射させるために、1つまたは複数の光コンポーネントのうちの少なくとも1つを駆動して、ビームの焦点深度を複数のデータ層の総合厚さに対応する範囲内で変化させるように構成され、また、層内コンポーネントは、1つまたは複数の光コンポーネントのうちの少なくとも1つを駆動して、ビームをターゲットデータ位置に集束させるように構成されている。
【0008】
さらに他の実施形態によれば、多段アクチュエータを含むシステムが提供される。多段アクチュエータには、光ヘッド内の1つまたは複数の光コンポーネントを第1の範囲内に駆動して、ビームをディスクのデータ層に入射させるように構成された相互層変位コンポーネントと、1つまたは複数の光コンポーネントを第2の範囲内に駆動して、ビームをデータ層中のデータ位置に集束させるように構成された層内集束コンポーネントが含まれ、第1の範囲は第2の範囲より広い。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様ならびに利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによってより深く理解され、添付の図面では、同様の文字はすべての図面を通して同様の部品を表している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態による、ホログラフィ記憶システムのブロック図である。
【図2】実施形態による、データトラックを有するホログラフィディスクを示す図である。
【図3】実施形態による、ホログラフィディスクの複数のデータ層を示す図である。
【図4】実施形態による、複数の層を有するホログラフィディスクを読み取るための光システムを示す図である。
【図5】実施形態による、多段アクチュエータを有する光システムの三次元線図である。
【図6】実施形態による、多段アクチュエータ内の2つのコイルの断面側面図である。
【図7】実施形態による、多段アクチュエータを有する光システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本技法の1つまたは複数の実施形態について説明する。これらの実施形態について簡単に説明するために、本明細書では実際の実装のすべての特徴が説明されているわけではない。すべてのこのような実際の実装の開発においては、あらゆるエンジニアリングまたは設計プロジェクトの場合と同様、開発者の特定の目的を達成するためには、システム関連制約および業務関連制約とのコンプライアンスなどの、実装毎に変化し得る多数の実装特有の決定をなさなければならないことを理解されたい。さらに、このような開発努力は、複雑で、かつ、時間を要する可能性があるが、それにもかかわらず本開示の利益を有する当業者のために着手される設計、組立ておよび製造の日常的作業であることを理解されたい。
【0012】
ホログラフィ記憶システム内のデータは、光学材料の全体積にわたるデータビットの記憶を可能にする光干渉縞を使用して感光性光学材料の中に記憶される。ホログラフィ記憶システムは、光ディスクの複数の層へのホログラフィデータの記憶を必要とし、したがって大きい記憶容量を必要とする多層記憶のために構成することができる。ホログラフィ記憶システムにデータを記録するために、記録ビーム(例えばレーザ)を媒体中の特定の深さまで導き、かつ、ターゲット層、すなわちデータを記録させるべき層に集束させることができる。記録ビームは、さらに、ターゲットデータ位置、すなわちデータを記録させるべき1つまたは複数のターゲット層上の位置に集束させることができる。記録ビームは、レーザが集束する層および/またはデータ位置で光化学変化を生成し、データを書き込む。いくつかのホログラフィ記憶ディスク構成では、ディスクには、基板の書込み可能部分に染料材料が含まれ、記録ビームは染料材料をマイクロホログラムに変換する。他のホログラフィ記憶構成では、ディスクには、マイクロホログラムを示すように変えることができる回折格子を有するように、記録ビームによって修正することができる媒体が含まれる。
【0013】
多層ホログラフィ記憶システム内のデータを読み取るために、読取りビームをホログラフィディスク中の特定の層(すなわちターゲットデータ層)のデータビット位置(すなわちターゲットデータ位置)に導くことができ、また、読取りビームをホログラフィディスクの表面を透過させてデータビット位置の材料と相互作用させることができる。ターゲットデータ層での読取りビームの相互作用により、ホログラフィディスク中のデータビット位置からの読取りビームの散乱および/または反射を得ることができる。読取りビームのうちの散乱および/または反射した部分は、反射読取りビームまたは戻り読取りビームと呼ぶことができ、また、この部分は、ホログラフィデータビットをデータビット位置に記録した最初の記録ビームに比例している可能性がある。したがって反射読取りビームを検出して、読取りビームが入射するデータビット位置に最初に記録されたデータを復元することができる。
【0014】
図1は、ホログラフィ記憶ディスク12からデータを読み取るために使用することができるホログラフィ記憶システム10のブロック図を示したものである。ホログラフィ記憶ディスク12に記憶されているデータは、ビーム16(例えば読取りビームまたは記録ビーム)を放出し、また、ホログラフィ記憶ディスク12からのビームの反射18(例えばディスク12の媒体によるビーム16の光散乱および/または反射を含む)を受け取るのに適したものであり得る一連の光エレメント14によって読み取られる。光エレメント14は、励起ビーム(例えばレーザ)を生成するように設計された任意の数の異なるエレメントを含むことができ、あるいはビーム16をホログラフィ記憶ディスク12上に集束させ、および/またはホログラフィ記憶ディスク12から戻る反射18を検出するように構成された光ヘッドなどの任意の数の他のエレメントを含むことができる。光エレメント14は、光駆動電子回路パッケージ22への結合20を介して制御される。光駆動電子回路パッケージ22は、1つまたは複数のレーザシステムのための電源、検出器からの電子信号を検出するための検出電子回路、検出された信号をディジタル信号に変換するためのアナログ−ディジタル変換器などのユニット、およびホログラフィ記憶ディスク12に記憶されるビット値を検出器信号が実際にいつ登録するかを予測するためのビット予測子などの他のユニットを含むことができる。
【0015】
ホログラフィ記憶ディスク12の上の光エレメント14の位置は、光エレメントを垂直方向またはホログラフィ記憶ディスク12の表面に対して直角の方向(本明細書ではz方向とも呼ばれている)に移動させるように構成されたアクチュエータ26を有する集束サーボ24によって制御される。アクチュエータ26は、複数の段を有することができ、多段アクチュエータ26と呼ぶことも可能である。例えば、いくつかの実施形態では、多段アクチュエータ26は、光エレメントを比較的より大きい運動、すなわちより大まかな運動で移動させるように構成された相互層コンポーネント25、および光エレメントを比較的より小さい運動、すなわちより細かな運動で移動させるように構成された層内コンポーネント27を含むことができる。説明されるように、相互層段および層内段25および27は、それぞれ層変位および集束に適している可能性がある。いくつかの実施形態では、ホログラフィ記憶システム10は、光エレメントを水平方向またはディスク12の表面に対して平面方向に移動させるように構成された追跡サーボ29および追跡アクチュエータ31を有することができる。追跡アクチュエータ31は、(例えば複数のデータトラックにわたる水平方向の運動のための)より大きい変位コンポーネント、および(例えば1つのターゲットデータトラック上で追跡を維持するための)より小さい変位コンポーネントを含むことも可能である。いくつかの実施形態では、ディスク12の読取りプロセスおよび/または記録プロセスの間、集束および追跡を維持するために、集束サーボおよび追跡サーボ29の両方が光エレメントを移動させることができる。
【0016】
光駆動電子回路22およびサーボ24、29は、プロセッサ28によって制御される。本技法によるいくつかの実施形態では、プロセッサ28は、光エレメント14が受け取り、かつ、プロセッサ28にフィードバックすることができるサンプリング情報に基づいて光エレメント14の位置を決定することができる。光エレメント14の位置は、反射ビーム18が強化され、増幅され、および/または干渉が小さくなるように、あるいはホログラフィディスク12の運動および/または不完全性が補償されるように決定することができる。いくつかの実施形態では、サーボ24、29および/または光駆動電子回路22は、光エレメント14が受け取るサンプリング情報に基づいて光エレメント14の位置を決定することができる。
【0017】
また、プロセッサ28は、スピンドルモータ34に電力32を提供するモータコントローラ30を制御している。スピンドルモータ34は、ホログラフィ記憶ディスク12の回転速度を制御しているスピンドル36に結合されている。さらに、プロセッサ28は、ディスク半径全体にわたってデータにアクセスするために、光駆動電子回路22、光エレメント14、集束および追跡アクチュエータ24、31などの光コンポーネントを、ディスクの表面に平行の方向(平面方向または水平方向)に移動させるスレッジおよびスレッジング機構33を制御することも可能である。光エレメント14がホログラフィ記憶ディスク12の外縁からスピンドル36のより近くへ移動すると、プロセッサ28は、光データディスクの回転速度を速くすることができる。そうすることにより、ホログラフィ記憶ディスク12からのデータのデータ転送速度を、光エレメント14が外縁に位置している場合と、光エレメントが内縁に位置している場合とで、本質的に同じ速度に維持することができる。ディスクの最高回転速度は、毎分約500回転(rpm)、1000rpm、1500rpm、3000rpm、5000rpmまたは10,000rpm以上にすることができる。
【0018】
プロセッサ28は、ランダムアクセスメモリすなわちRAM38、およびリードオンリメモリすなわちROM40に接続されている。ROM40には、プロセッサ28による、集束および追跡サーボ24および31、光駆動電子回路22、モータコントローラ30、ならびにスレッジおよびスレッジ機構33の制御を可能にするプログラムが含まれる。いくつかの実施形態では、ROM40には、ホログラフィディスク12に入射する読取りビームに対応する情報を含むルックアップテーブルが含まれる。例えば、ルックアップテーブルには、さらに説明するように、ディスク12の個々のデータ層毎の適切な読取りビームパワーを含むことができる。さらに、ROM40には、プロセッサ28による、RAM38に記憶されている、とりわけ光駆動電子回路22からのデータの解析を可能にするプログラムが同じく含まれる。本明細書においてさらに詳細に説明されているように、RAM38に記憶されているデータのこのような解析には、例えば、復調、復号、またはホログラフィ記憶ディスク12からの情報を他のユニットが使用することができるデータストリームに変換するために必要な他の機能を含むことができる。
【0019】
ホログラフィ記憶システム10が消費者電子デバイスなどの商用ユニットである場合、ホログラフィ記憶システム10は、ユーザによるプロセッサ28のアクセスおよび制御を可能にする制御を有することができる。このような制御は、キーボード、プログラム選択スイッチなどのパネル制御42の形態を取ることができる。さらに、プロセッサ28の制御は、遠隔レシーバ44によって実施することも可能である。遠隔レシーバ44は、遠隔制御48から制御信号46を受け取るように構成することができる。制御信号46は、とりわけ赤外ビーム、音響信号または無線信号の形態を取ることができる。
【0020】
プロセッサ28は、RAM38に記憶されているデータを解析してデータストリームを生成すると、そのデータストリームハプロセッサ28によって他のユニットに提供されることができる。例えば、データは、ディジタルデータストリームとして、ネットワークインタフェース50を介して、外部ネットワーク上に配置されているコンピュータまたは他のデバイスなどの外部ディジタルユニットに提供することができる。別法としては、プロセッサ28は、高品位多重媒体インタフェース(HDMI)、あるいはとりわけUSBポートなどの他の高速インタフェースなどの消費者電子回路ディジタルインタフェース52にディジタルデータストリームを提供することも可能である。また、プロセッサ28は、ディジタル−アナログ信号プロセッサ54などの他の接続インタフェースユニットを有することも可能である。このディジタル−アナログ信号プロセッサ54により、プロセッサ28は、アナログ信号出力を他のタイプのデバイスに提供することができ、例えばアナログ入力信号をテレビジョンに提供し、あるいは音響信号入力を増幅システムに提供することができる。
【0021】
図2に示されているように、システム10を使用して、データを含むホログラフィ記憶ディスク12を読むことができる。通常、ホログラフィ記憶ディスク12は、記録可能媒体が透明な保護コーティング中に埋め込まれた平らな丸い円板である。保護コーティングは、ポリカーボネート、ポリアクリラートなどの透明なプラスチックであってもよい。ディスク12のスピンドル孔56は、ディスク12の回転速度を制御するためにスピンドル(例えば図1のスピンドル36)に結合している。円形トラックあるいは他の構成を使用することも可能であるが、データは、一般に、個々の層上に、ディスク12の外縁から内部限界までの連続螺旋トラック58中に書き込むことができる。データ層は、光を反射させることができる、ビット方式のホログラフィデータ記憶のために使用されるマイクロホログラムなどの任意の数の表面、あるいはピットおよびランドを備えた任意の数の反射性表面を含むことができる。図3は、複数のデータ層の実例を示したものである。複数のデータ層60の各々は、連続螺旋トラック58を有することができる。いくつかの実施形態では、ホログラフィディスク12は、複数の(例えば40個、50個の)データ層60を有することができ、それらの各々は、約0.05μmないし5μmの間の厚さにすることができ、また、約0.5μmないし250μmの間隔で分離することができる。
【0022】
ホログラフィシステムにおける読取りプロセスまたは記録プロセスには、ディスク12全体を通して読取りビームまたは記録ビームをデータ位置およびデータ層60に集束させるために、光コンポーネント(例えば図1の光エレメント14内の1つまたは複数のレンズ)を駆動する必要があり得る。図4は、複数の層60(例えば601および60n)を有するホログラフィディスク12を読むための光システム62を示したものである。例えば、光システム62は、図1のホログラフィシステム10からの光エレメント14および光駆動電子回路パッケージ22を含むことができる。光システム62は、読取りビームまたは記録ビームの入射または集束に影響を及ぼすために移動させることができる対物レンズ64(例えば光エレメント14内のコンポーネント)を含むことができる。n個のデータ層のうちの1つの層上のターゲットデータ位置からマイクロホログラムを読み取り、あるいはn個のデータ層のうちの1つの層上のターゲットデータ位置にマイクロホログラムを記録するために、読取りビームまたは記録ビームがn個のデータ層の距離全体(例えば約1〜2mm)にわたってターゲットデータ位置に集束するよう(例えば約10〜100nm)、光システム62のコンポーネント(例えば物体レンズ64)を変位させることができる。
【0023】
光ディスク記憶システムのための典型的な駆動技法には、ターゲットデータ層上のターゲットデータ位置に配置し、かつ、集束させるべき適切な光コンポーネントを駆動するために、(集束アクチュエータ26および追跡アクチュエータ31内の)集束および追跡ボイスコイルアクチュエータの使用が必要であり得る。CD、DVDおよびBlu−ray(商標)などの従来の光データ記憶媒体の場合、ディスクは、通常、1つまたは2つのデータ層を個々の面に有している。データ層とデータ層の間の典型的な分離距離は、DVDの場合、約55μmであり、また、Blu−ray disc(商標)の場合、約25μmである。これらのシステムのための焦点アクチュエータの最大変位は、読取りまたは記録のために光エレメントを移動させる必要があるのは2つのデータ層とデータ層の間のみであるため、数十マイクロメートルないし数百マイクロメートルの範囲内である。しかしながら、単一ビットホログラフィデータ記憶技術の場合、比較的多数のデータ層60(例えば10〜50層)がディスクの厚さ全体にわたって構成され、大容量のデータ記憶を可能にしている。また、記憶媒体も、個々のデータ層内に高いデータ密度を有することができる。
【0024】
したがってディスク12の個々のデータ層から読み取り、あるいはディスク12の個々のデータ層に記録するために、すべてのデータ層に及ぶ比較的広い変位範囲にわたって駆動されるように、また、比較的小さいデータ位置に比較的高い正確度および精度で集束させるように光コンポーネントを構成することができる。例えば、25GBデータ層容量を仮定すると、1TBディスクは、厚さ1.2mmの分厚いディスク全体にわたって、約45nmの最大軸方向集束誤差で40個のデータ層を使用することができる。このようなディスクから読み取り、かつ、このようなディスクに記録するためには、アクチュエータは、長い移動距離と高い精度の両方を達成するための比較的広いダイナミックレンジを有することになる。このような特性は、通常、従来の光ディスク記憶システムに使用されるアクチュエータの課題である。変位範囲と位置正確度には、それぞれ異なるアクチュエータ設計および実装考察が必要であり、また、相反するアクチュエータ設計および実装考察が必要であり得るため、単一段アクチュエータを使用して比較的多数のデータ層60にわたって光コンポーネントを駆動し、かつ、比較的小さいターゲットデータ位置に読取りビームを集束させることは、変位範囲と位置正確度の間のかね合いになり得る。さらに、このような技法は、より長いアクチュエータ整定時間によるデータ探索時間の点で、また、より複雑なアクチュエータおよびサーボ設計によるシステムコストの点で、ホログラフィ記録システムの効率および経済性にも影響を及ぼすことがある。正確な集束および許容可能な処理速度を維持しつつ、ホログラフィディスクのために必要な広い変位範囲にわたって駆動するためには、従来の光ディスク記憶システムは、適していない可能性がある。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、ホログラフィ記録システムは、相互層変位コンポーネント25および集束コンポーネント27とも呼ばれている層内変位コンポーネント27を有する多段アクチュエータ26を含むことができる(図1)。本明細書において説明されている実施形態は、集束アクチュエータ26および垂直方向変位に的を絞っているが、いくつかの実施形態は、多重レシーバコイルアセンブリ12段水平方向変位のために追跡アクチュエータ31を使用して実施することも可能であることに留意されたい。
【0026】
相互層変位コンポーネント25は、光コンポーネントをディスク12のすべての層60にわたる距離、すなわちディスク12の厚さに対応する変位範囲にわたって駆動することができる。例えば、相互層変位コンポーネント25は、光システム62の光コンポーネントを約10μmないし1mmの範囲内を変位増分で変位させることができる。層内コンポーネント27は、光コンポーネントをデータ層60内をより微細な変位で駆動することができる。例えば、このようなより微細な変位は、約10nmないし100μmの範囲にすることができ、ビームを比較的高い精度でターゲットデータ位置に集束させることができる。層変位と集束の両方のために使用されている従来の一段駆動技法の相互作用を断つことにより、層変位および微細集束のために異なる段を使用している本技法は、比較的広い変位範囲にわたって読み取り、および/または記録することができ、かつ、比較的小さいデータ位置に正確に集束させることができる。さらに、相互層駆動コンポーネント25および層内駆動コンポーネント27の設計を独立して実施することができるため、総合駆動正確度および精度を個別の段で相互作用を断ち、かつ、目標として設定することができる。それぞれ、同様の、かつ、適度なダイナミックレンジを備え、ただし移動距離が異なる複数の駆動段を使用することにより、複雑性が軽減された個々のアクチュエータ段を実施することができるだけでなく、比較的長い総移動距離および比較的広いダイナミックレンジを達成することができる。
【0027】
例えば、本技法を使用して、正確度を維持しつつホログラフィディスク12の複数の層にわたって読み取り、および/または記録することができる。典型的なホログラフィディスク12は、距離δだけ分離された、厚さ約1.2mmの40個のデータ層60を有することができる。相互層変位コンポーネント25は、光コンポーネントを変位させて、ビームをターゲットデータ層60上に大まかに位置決めすることができ、また、層内変位コンポーネント27は、層距離δの2倍、すなわち2δの距離に設定された最大焦点範囲を有することができる。最大焦点範囲を2δに設定することにより、焦点範囲は約60μmになる。典型的な12ビットディジタル−アナログ変換器(DAC)を使用してコンポーネントを集束させることにより、集束コンポーネント27の解像度を約14.6nmにすることができ、これは、45nmの典型的な誤差限界より小さい可能性がある。したがって多段アクチュエータ26は、正確度を維持しつつ複数のデータ層60にわたって読み取り、および/または記録することができる。
【0028】
さらに、同じ層の中のデータに連続的にアクセスする場合、相互層駆動コンポーネント25を固定するか、あるいはごくわずかに調整することができ、一方、層内駆動コンポーネント27は、ディスクの回転、動揺、振動などの誤差源によって生成される集束誤差を補償するように移動する。したがって層内駆動コンポーネント27は、ディスク全体の厚さと比較すると比較的短い移動範囲で高い精度および速い速度を有するように設計することができる。相互層変位と層内変位の両方に対して単一段アクチュエータを使用する場合と比較すると、このような技法の場合、総移動距離(1〜2mmの範囲)に関して、サーボシステムの構築に時間を要し、かつ、複雑性を増すことになる細かい位置調整(例えば10nmの範囲)は不要となり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、多段アクチュエータ26は、相互層変位コンポーネント25および層内コンポーネント27のための個別の機構を有することができる。例えば、相互層変位コンポーネント25は、ビームがターゲットデータ層60上に位置決めされるよう(ビームはこの段で集束するか、あるいはこの段ではまだ集束しない)、ビームを相互層変位させるための対物レンズ64を駆動するのに適したサーボ機械コンポーネントを含むことができる。層内コンポーネント27は、ビームがターゲットデータ位置に集束するように、ビームを層内変位させるための対物レンズを駆動するのに適した個別のサーボ機械コンポーネントを含むことができる。さらに、多段アクチュエータ26は、3つ以上の段を含むことも可能である。いくつかの実施形態では、相互層変位のための粗動段および層内集束のための微動段に加えて、多段アクチュエータ26は中間段を含むことも可能である。例えば、ビームをより小さい層変位運動で移動させるために(例えば1〜10個のデータ層60内の移動)、この中間段を使用して1つまたは複数の光コンポーネントを駆動することができ、一方、粗動段は、ビームをより大きい層変位運動で移動させるために駆動する(例えば10個より多いデータ層60にわたる移動)。さらに、層変位運動は、追加段にさらに分割することも可能である。例えば、多段アクチュエータ26は、光コンポーネントを20個以上の層の範囲にわたって駆動するための第1のコンポーネント、光コンポーネントを10〜20個の層の範囲にわたって駆動するための第2のコンポーネント、光コンポーネントを10個未満の層の範囲にわたって駆動するための第3のコンポーネント、および異なるレベルの層内集束のための1つまたは複数の追加コンポーネントを有することができる。
【0030】
個々の段は、電磁駆動、静電駆動、圧電駆動、熱駆動などの異なる駆動機構に適した異なるサーボ機械デバイスを含むことができる。また、多段アクチュエータ26は、2組のコイルを有するボイスコイル駆動システムを使用することも可能であり、そのうちの1組を相互層変位のために使用することができ、また、他の1組を層内運動のために使用することができる(例えば、それぞれ複数の層にわたる変位およびターゲット層内における集束)。図5は、2組のボイスコイルを有する多段アクチュエータ26の一例を示したものである。三次元線図で示されているように、多段アクチュエータ26aは、ビームがディスク12のターゲットデータ層60の近傍に位置決めされるよう、1つまたは複数の光コンポーネント(例えば対物レンズ64)を駆動するための第1のボイスコイル72を有することができる。また、多段アクチュエータ26aは、ビームがターゲットデータ層60中のターゲットデータ位置に集束するように、1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するための第2のボイスコイル74を含むことも可能である。図6は、多段アクチュエータ26a内の2つのコイルの断面側面図を示したものである。
【0031】
図5および6には2つのボイスコイルアクチュエータが示されているが、異なる実施形態では、異なるタイプおよび組合せのアクチュエータを多段アクチュエータ26に使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ボイスコイルを相互層変位のために使用することができ、一方、層内集束のためには圧電アクチュエータが使用される。いくつかの実施形態では、複数の圧電アクチュエータを使用して1つまたは複数の光コンポーネント(例えば対物レンズ64)を傾斜させることができる。このような実施形態を使用して、ターゲットデータ位置および/またはターゲットデータ層60を傾斜させ、あるいは変位させることになる可能性のあるディスク12の潜在的な動揺または不完全性を補償することができる。
【0032】
図7は、多段アクチュエータ26bを有する、層変位駆動、集束駆動および傾斜駆動に適した光システムの実例を示したものである。多重アクチュエータシステム80は、層変位のためのボイスコイル72と、複数の圧電アクチュエータ82であって、ビームをターゲットデータ層60上のターゲットデータ位置に正確に入射させるために集束および/または傾斜させるべく対物レンズ64を駆動するための複数の圧電アクチュエータ82とを含むことができる。
【0033】
異なる実施形態では、多段アクチュエータ26の異なるコンポーネントを逐次または同時に起動することができる。例えば、1つまたは複数の相互層変位コンポーネント25は、ビームがディスク12のターゲットデータ層60に入射するように、最初に1つまたは複数の光コンポーネントを駆動することができる。ターゲットデータ層60に入射すると、1つまたは複数の集束内コンポーネント27は、ビームを比較的高い精度でターゲットデータ位置に集束させるために、同じ光コンポーネントまたは異なる光コンポーネントを駆動および/または傾斜させることができる。いくつかの実施形態では、多段アクチュエータ26の異なるコンポーネントを同時に起動することができる。例えば、1つまたは複数の相互層変位コンポーネント25、および1つまたは複数の層内集束および/または傾斜コンポーネント27を同時に駆動することができ、したがって読取りプロセスおよび/または記録プロセスの間、時間をさらに節約することができる。
【0034】
以上、本明細書において、本発明の特定の特徴についてのみ図に示し、かつ、説明したが、当業者には多くの改変および変更が想起されるであろう。したがって特許請求の範囲には、すべてのこのような改変および変更が本発明の真の趣旨の範囲内として包含されることが意図されていることを理解されたい。
【符号の説明】
【0035】
10 ホログラフィ記憶システム
12 ホログラフィ記憶ディスク
14 光エレメント
16 ビーム(例えば読取りビームまたは記録ビーム)
18 反射(例えばディスク12の媒体によるビーム16の光散乱および/または反射)
20 結合(光エレメントと光駆動電子回路との結合)
22 光駆動電子回路パッケージ(光駆動電子回路)
24 集束サーボ
25 相互層コンポーネント
26、26a、26b アクチュエータ(多段アクチュエータ)
27 層内コンポーネント
28 プロセッサ
29 追跡サーボ
30 モータコントローラ
31 追跡アクチュエータ
32 スピンドルモータに提供される電力
33 スレッジおよびスレッジング機構
34 スピンドルモータ
36 スピンドル
38 RAM
40 ROM
42 パネル制御
44 遠隔レシーバ
46 遠隔制御からの制御信号
48 遠隔制御
50 ネットワークインタフェース
52 消費者電子回路ディジタルインタフェース
54 ディジタル−アナログ信号プロセッサ
56 ディスクのピンドル孔
58 連続螺旋トラック
60、601、60n 複数のデータ層
62 光システム
64 物体レンズ
72、74 ボイスコイル
80 多重アクチュエータシステム
82 圧電アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームをホログラフィディスクに集束させる方法であって、
前記ホログラフィディスク中のターゲットデータ層上のターゲットデータ位置を決定するステップと、
多段アクチュエータの第1のコンポーネントを使用して、1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップであって、前記第1のコンポーネントが、前記ビームが前記ターゲットデータ層に入射するように、前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動して、ビームの焦点深度を前記ホログラフィディスク中のデータ層の厚さに対応する範囲内で変化させるように構成される、ステップと、
前記多段アクチュエータの第2のコンポーネントを使用して、1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップであって、前記第2のコンポーネントが、前記ビームを前記ターゲットデータ位置に集束させるために前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するように構成される、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが、前記1つまたは複数の光コンポーネントを前記ホログラフィディスク中の1つのデータ層の厚さに対応する増分で駆動するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記増分が約10μmないし約1mmである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
変位範囲が約1mmないし約2mmである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが、それぞれ前記1つまたは複数の光コンポーネントを異なる増分で駆動するように構成された複数のサブコンポーネントを使用するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第2のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが、約45nm以内で集束させるステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第2のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが、前記1つまたは複数の光コンポーネントを傾斜運動で駆動するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第2のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが、複数の圧電アクチュエータを使用するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記第2のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが、焦点範囲を前記ホログラフィディスクの隣接するデータ層とデータ層の間の距離の約2倍に設定するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記第1のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップ、および前記第2のコンポーネントを使用して前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するステップが実質的に同時に実施される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ホログラフィディスク読取りおよび記録のための光ヘッドであって、光ヘッドがビームをホログラフィディスクのターゲットデータ層中のターゲットデータ位置に入射させるように構成される1つまたは複数の光コンポーネントと、多段焦点アクチュエータとを備え、前記多段焦点アクチュエータが、前記ビームを前記ターゲットデータ層に入射させるために、前記1つまたは複数の光コンポーネントのうちの少なくとも1つを駆動して、前記ビームの焦点深度を複数のデータ層の総合厚さに対応する範囲内で変化させるように構成された相互層コンポーネントと、前記1つまたは複数の光コンポーネントのうちの少なくとも1つを駆動して、前記ビームを前記ターゲットデータ位置に集束させるように構成された層内コンポーネントとを備える、光ヘッド。
【請求項12】
前記相互層コンポーネントが、電磁アクチュエータ、静電アクチュエータ、熱アクチュエータおよび圧電アクチュエータのうちの1つまたは複数を備える、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記相互層コンポーネントが複数のサブコンポーネントを備え、前記複数のサブコンポーネントの各々が、前記1つまたは複数のコンポーネントを異なる増分で駆動するように構成される、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のサブコンポーネントが複数のボイスコイルを備える、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記層内コンポーネントが、電磁アクチュエータ、静電アクチュエータ、熱アクチュエータおよび圧電アクチュエータのうちの1つまたは複数を備える、請求項11記載のシステム。
【請求項16】
前記層内コンポーネントが、前記1つまたは複数の光コンポーネントを傾斜運動で駆動するように構成される、請求項11記載のシステム。
【請求項17】
前記層内コンポーネントが、前記1つまたは複数の光コンポーネントを傾斜させるように構成された複数のサブコンポーネントを備える、請求項11記載のシステム。
【請求項18】
前記複数のサブコンポーネントが複数の圧電アクチュエータを備える、請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記層内コンポーネントが、前記ビームを前記複数のデータ層の隣接するデータ層とデータ層の間の距離の約2倍の焦点範囲内に集束させるために、前記1つまたは複数の光コンポーネントを駆動するように構成される、請求項11記載のシステム。
【請求項20】
多段アクチュエータを備えるシステムであって、
前記多段アクチュエータが、
光ヘッド内の1つまたは複数の光コンポーネントを第1の範囲内に駆動して、ビームをディスクのデータ層に入射させるように構成された相互層変位コンポーネントと、
前記1つまたは複数の光コンポーネントを第2の範囲内に駆動して、前記ビームを前記データ層中のデータ位置に集束させるように構成された層内集束コンポーネントであって、前記第1の範囲が前記第2の範囲より広い層内集束コンポーネントとを備える、システム。
【請求項21】
前記相互層変位コンポーネントおよび前記層内集束コンポーネントが、電磁アクチュエータ、静電アクチュエータ、熱アクチュエータおよび圧電アクチュエータのうちの複数を備える、請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の範囲が約1mmないし約2mmである、請求項20記載のシステム。
【請求項23】
前記層変位コンポーネントが、前記1つまたは複数の光コンポーネントを約10μm以上の増分で駆動するように構成される、請求項20記載のシステム。
【請求項24】
前記第2の範囲が約10μm以下である、請求項20記載のシステム。
【請求項25】
集束コンポーネントが、前記1つまたは複数の光コンポーネントを傾斜運動で駆動するように構成された複数の圧電アクチュエータを備える、請求項20記載のシステム。
【請求項26】
前記相互層変位コンポーネントおよび前記集束コンポーネントが、前記1つまたは複数の光コンポーネントを実質的に同時に駆動するように構成される、請求項20記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−133872(P2012−133872A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−278138(P2011−278138)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】