多目的用途用ガス電界イオン源
【課題】集束イオンビーム装置を提供する。
【解決手段】装置はイオン発生用のエミッタ領域を備えたエミッタを収容するための閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、第1ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第1ガス流入口と、第1ガスとは異なる第2ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第2ガス流入口と、第1ガスの導入と第2ガスの導入との切り替えを行うよう適合された切替ユニットを備える。
【解決手段】装置はイオン発生用のエミッタ領域を備えたエミッタを収容するための閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、第1ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第1ガス流入口と、第1ガスとは異なる第2ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第2ガス流入口と、第1ガスの導入と第2ガスの導入との切り替えを行うよう適合された切替ユニットを備える。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビーム装置の操作方法に関する。特には、本発明は試料の照射、とりわけ検査及び構造化のための荷電粒子ビーム装置に関する。更に、本発明は多目的用途のガス電界イオン源に関する。より詳細には、本発明は集束イオンビーム装置及び集束イオンビーム装置の操作方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
ナノメートルスケールでの試料の構造化及びプロービングは、マイクロエレクトロニクス、マイクロメカニクス及びバイオテクノロジーといったテクノロジーに高い需要をもたらしてきた。マイクロメートル及びナノメートルスケールの処理制御、検査又は構造化は荷電粒子ビームを用いて行われることが多い。また、プロービング又は構造化は荷電粒子ビーム装置で発生・集束された荷電粒子ビームで行うことが多い。荷電粒子ビーム装置の例としては、イオンビームパターン発生装置はもとより、電子顕微鏡、電子ビームパターン発生装置、イオン顕微鏡が挙げられる。荷電粒子ビーム、特にイオンビームは、光子ビームと比較すると同等の粒子エネルギーでのその波長の短さから空間分解能に優れている。
【0003】
半導体装置等の製造においては、通常、複数の観察工程及び試料加工工程を行う。一般的なシステムには試料の観察、画像化、試験又は検査用の電子ビームカラム、及び試料のパターン形成又は材料加工用のイオンビームカラムが含まれる。これらの「二重ビーム」システムは非常に複雑かつそれ故に高価である。
【発明の概要】
【0004】
上記を踏まえ、本発明は独立請求項1及び17に記載の集束イオンビーム装置と、独立請求項20に記載の集束イオンビーム装置の操作方法を提供する。
【0005】
一実施形態においては集束イオンビーム装置を提供する。集束イオンビームは、イオンを発生させるためのエミッタ領域を備えたエミッタを収容する閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、第1ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第1ガス流入口と、第1ガスとは異なる第2ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第2ガス流入口と、第1ガス導入と第2ガス導入とを切り替えるよう適合された切替ユニットを含む。
【0006】
上記の実施形態と併用可能な更なる利点、構成、態様及び詳細は従属請求項、本文、及び図面により明白である。
【0007】
別の実施形態においては集束イオンビーム装置を提供する。集束イオンビーム装置はイオンを発生させるためのエミッタ領域を備えたエミッタを収容する閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、観察モードでの軽比重ガスのエミッタ領域への導入と加工モードでの重比重ガスのエミッタ領域への導入とを切り替えるための手段を含み、軽比重ガスは水素及びヘリウムから成る群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する。
【0008】
別の実施形態においては集束イオンビーム装置の操作方法を提供する。本方法はイオンを発生させるエミッタ領域内でエミッタにバイアス印加し、軽比重ガスのエミッタ領域への導入と重比重ガスのエミッタ領域への導入とを切り換えることを含み、軽比重ガスは水素及びヘリウムから成る群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する。
【0009】
実施形態は開示した方法を実施するための装置も対象としており、記載の各方法工程を実行するための装置部品を含む。これらの方法工程はハードウェアコンポーネント、適当なソフトウェアによりプログラムされたコンピュータ、この2つのいずれの組合せ又はその他のやり方で実行することができる。更に、本発明の実施形態は記載の装置の操作方法も対象としており、装置の全機能を実行するための方法工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【0010】
ここで本発明の様々な実施形態に詳細に言及し、その1つ以上の実施例を図面にて示す。各実施例は本発明の説明のためのものであり、本発明を制限することを意図するものではない。例えば、一実施形態の一部として説明又は記載した構成を別の実施形態で使用する又は併用することで、更に別の実施形態とすることが可能である。本発明はこのような改変や変形を含む。
【0011】
本願の保護範囲を制限することなく、以下において、荷電粒子ビーム装置又はそのコンポーネントを例示的に二次電子の検出を含む荷電粒子ビーム装置と称する。本発明は電子又はイオン、光子、X線の形態の二次及び/又は後方散乱粒子又はその他の信号を検出して試料の像を得る装置及びコンポーネントにも応用可能である。
【0012】
通常、微粒子と言う場合、イオン、原子、電子又はその他の粒子であるところの粒子のみならず光信号として理解され、この場合、微粒子は光子である。
【0013】
図面についての以下の説明において、同一の参照番号は同一のコンポーネントを示す。概して、個々の実施形態についての差異のみを記載する。
【0014】
本願で称するところの「試料」とは半導体ウェハ、半導体加工対象物、及びメモリディスク等のその他の加工対象物を含むがこれらに限定されない。本発明の実施形態はその上に材料を堆積する又は構造化するいずれの加工対象物にも応用することができる。試料には構造化する、又はその上に層を堆積するところの表面、縁部、及び典型的にはベベルが含まれる。
【0015】
本願に記載の実施形態においては、高分解能の画像化と試料加工が可能な単一カラム荷電粒子ビーム装置を提供する。これにより、カラムを1つ省略可能であるという観点から、コスト削減が達成可能である。更に、観察用ビームと加工用ビームの入射点との間での自動調芯がより容易に実現可能である。
【0016】
図1aに図示されるように、集束イオンビーム装置100という形式での荷電粒子ビーム装置の一実施形態は電子銃チャンバ14を含む。電子銃チャンバ内には、保持体10に取り付けられたガス電界イオン源エミッタ12が設置されている。軸102に沿って放射されたイオンビームは開口部18を通ってイオンビームカラム16に進入する。
【0017】
通常、集束イオンビーム装置は、例えば、液体金属イオン源又はガスイオン源を基本とすることが可能である。ガスイオンは電子、原子又はイオンとガス原子又は分子との衝突、又はガス原子又は分子を高電場又は照射に曝露することで発生させることが可能である。このため、希ガスイオン源が集束イオンビームFIBアプリケーションにおける有力なイオン源候補として判明している。電界イオン化過程に基づくイオン源はガス電界イオン源(GFIS)として知られている。イオン化過程は1010V/mより高い高電場で生じる。電場は、例えば、エミッタ先端部とバイアス印加した抽出開口部との間に印加される。
【0018】
エミッタ先端部を下流側の抽出開口部に対し例えば10kVの正の電荷にバイアス印加し、エミッタユニットの近傍におけるガス原子をイオン化するに十分な強度の電界を発生させる。所望の電界が発生する、又はより一般的にはイオン発生が行われるエミッタ近傍の領域をエミッタ領域と称する。エミッタユニット先端部付近のガス圧は10−6mbar、10−2mbarが望ましい。集束イオンビームカラム全体がガス分子で汚染される可能性を考慮し、本願に記載の一部の実施形態では閉鎖空間又は別個のチャンバを設けることでガスイオン源用のガスを局所的にエミッタ領域に局所的に供給する。
【0019】
図1aにおいては、第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112が設置されている。一動作モードでは水素又はヘリウム等の軽比重ガスを第1ガス流入口110を介してチャンバ/閉鎖空間14に導入し、イオン化した軽比重ガスのイオンビームを発生させる。軽比重ガスイオンは試料を損傷することなく観察又は画像化に使用することが可能である。
【0020】
別の動作モードにおいてはより比重の重いガスである別のガス、例えばアルゴン、ネオン、キセノン又はクリプトンを第2ガス流入口120を通してチャンバに導入する。電子銃チャンバ/閉鎖空間14内で発生した、イオン化された重比重ガスのイオンビームは材料のスパッタリング用の標準的な集束イオンビームカラムのイオンビームに類似している。従って、重比重イオンガスビームは材料加工又は試料への切断部又はトレンチの形成、又は深さについての情報取得に使用することが可能である。
【0021】
本願に記載の実施形態において、その内部にエミッタ12が設置されている閉鎖空間14はイオンビームカラム16の一部であってもよい。或いは、イオンビームカラム内に形成されたチャンバであってもよい。イオンビームカラムそれ自体で閉鎖空間を構成し、その内部にエミッタを位置させ、かつガスを導入することも可能である。
【0022】
軽比重ガスイオンは試料材料をスパッタリングしないため、画像化、試験、観察等に使用することが可能である。従って、軽比重ガスイオンでは電子ビームと比較してイオンビームの波長は短いことから、電子ビームより更に良好な分解能が得られる可能性がある。
【0023】
図1bに図示の別の実施形態においては、第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112は共通ガス流入口114に接続されている。一実施形態において、第1ガス流入口及び第2ガス流入口は弁116を介して共通ガス流入口に接続されている。共通ガス流入口114を用いる実施形態については、軽比重ガスと重比重ガスとを切り替えるために排気又はパージしなくてはならない空間が最小限となるように注意しなくてはならない。このため、共通ガス流入口114は典型的には短く、その直径は小さい。更に、弁116を含む実施形態に関し、弁は典型的には共通ガス流入口の開放部に近接して位置される。一実施形態において、弁116はマイクロバルブであってもよい。
【0024】
通常、図2に示されるように、集束イオンビーム装置200は以下のように概略的に説明することができる。バイアス印加されたガス電界イオン源エミッタ先端部12を備えた閉鎖空間214が設置されている。更に、第1(軽比重)ガス流入口110及び第2(重比重)ガス流入口112が設けられている。このため第1ガス及び第2ガスはエミッタ12及びエミッタ近傍のエミッタ領域に向かって閉鎖空間214内に供給され、所望の励起状況が作り出される。一実施形態において、2つのガス流入口は2つのノズル、ガスチャネル、又はその他の独立したガス流入手段の形式で設置される。別の実施形態においては、2つのガス流入口により2種類のガスを共通ノズル、ガスチャネル、又はその他のガス流入手段に供給する。
【0025】
図2に図示されるように、ガス流出口120が設置されている。ガス流出口120を2種類のガスのうちの一方の排気を支援するための真空ポンプ、別の真空チャンバ、又はその他の手段に接続し、少なくとも2つの運転モード間の切り替えを行うことが可能である。ガス流出口120及び流出口に接続された真空システムを用いて閉鎖空間214内の真空状態を制御することもできるため、イオン発生についての処理パラメータが制御可能である。
【0026】
図2には制御装置等の形式の切替ユニット210が図示されている。制御装置210は軽比重ガスの閉鎖空間214への供給と重比重ガスの閉鎖空間214への供給との切り替えを制御する。別個のガス流出口120を含む実施形態に関しては、制御装置はガス流出口、真空システム、真空ポンプ、又はそれに対応する弁も制御することができる。更なる実施形態では制御装置210、211、212及び220が設置される。これらの制御装置は個々の流入口、流出口、弁、ポンプ等用の制御装置である。点線で示すように、これらの制御装置は制御装置210が全コンポーネントを直接制御可能な場合は余分となることから省略してもよい。本願に記載の更なる実施形態において、切替ユニットは単一の制御装置、複数の制御装置、単一の弁、複数の弁、真空発生コンポーネント(ポンプ、弁、受取容器等)及びその組合せから成る群の少なくとも1つのコンポーネントを含むことが可能である。
【0027】
イオンビームはレンズ20により試料24上に集束される。一実施形態において、レンズ20は静電レンズである。その他の実施形態において、レンズ20は磁気レンズ又は磁気・静電複合レンズであってもよい。用途に応じて、静電レンズ、磁気レンズ、磁気・静電複合レンズ、ウィーンフィルタ、集光装置、アライナ、コリメータ、偏向装置、加速装置、減速装置、開口部等の1つ以上の光学装置を集束イオンビーム装置内に追加して配置することができる。
【0028】
通常、イオンビームを走査偏向器26で偏向し、試料24上をイオンビームでラスター走査する、又はイオンビームを試料位置に位置決めする。特に単一カラム集束イオンビーム装置を観察モードで運転する際には、二次又は後方散乱粒子、例えば二次電子を検出装置22により検出する。
【0029】
図2には制御装置230が図示されている。制御装置230が走査偏向器26と検出装置22を制御する。集束イオンビームカラム200が観察モード中、装置は電子顕微鏡と同様に機能する。直径数ナノメートル以下(例えば、1nm以下)のイオンビームを試料24上でパターン状にラスター走査する。二次電子又はその他の微粒子は検出装置で検出可能である。時間分解信号が生成され、制御装置230が所定の時間のインスタンスで信号を対応する偏向値と相関させる。従って、信号と位置とを相関させることでラスターパターンを像へと組み立てることが可能である。典型的な時間分解能(2つの後続する準連続測定点又は画素間の時間間隔)は500ns〜500μsである。画素毎の時間はその他の実施形態において10μs、1μs又はそれ未満である。
【0030】
図3には荷電粒子ビーム装置300が図示されている。荷電粒子ビーム装置はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスのイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。
【0031】
一実施形態においては、第1ガス流入口110、第2ガス流入口112、及び第3ガス流入口313が設置される。このため、3つのタイプのイオンビーム間での切り替えが可能である。例えば、水素又はヘリウム等の軽比重ガスを第1ガス流入口110を介して閉鎖空間14に導入し、試料を損傷することなくその観察を行う。別の動作モードでは、アルゴン、ネオン、キセノン又はクリプトン等の第2ガスを第2ガス流入口112を介して閉鎖空間14に導入し、試料のスパッタリングを行う。
【0032】
更なる実施形態ではフォトレジスト等の材料をエッチングする場合の更に別の動作モードで水素を使用する。水素の還元特性を利用して、酸素含有材料をエッチングすることができる。いずれにせよ、水素はSi、金属等の複数の材料について画像化モードで使用することができる。
【0033】
更に別の実施形態においては第4ガス流入口を設置することができる。これにより、調整ガス、例えば酸素をエミッタ先端部周囲の閉鎖空間に導入することで第4の動作モードを実行することが可能である。この実施形態では、酸素を用いて先端部の調整を行うことが可能である。エミッタの先端部を整形又は再整形するこの更なる調整動作モードは酸素の導入により支援される。
【0034】
通常、本願に記載の実施形態においては、少なくとも2つの異なるイオンビーム発生ガスを閉鎖空間内に導入可能である。本願に記載の実施形態においては、この少なくとも2つの異なるイオンビーム発生ガスを閉鎖空間内に連続的に導入し、上述したように、軽比重ガスと重比重ガスを使用する。更なる実施形態では、少なくとも1つの更に別のイオン発生ガスを閉鎖空間内に導入する。従って、エッチング用のイオン発生ガス又は第2のスパッタリング選択肢用のイオン発生ガス(例えば、スパッタリング第1選択肢としてのアルゴン及びスパッタリング第2選択肢としてのネオン又はキセノン)を導入可能である。これらの実施形態においては、少なくとも第3のガス流入口を設置する。スパッタリングに1つ以上のイオンビーム発生ガスを、或いはエッチングに1つ以上のイオンビーム発生ガスを使用する場合は、第4、第5等のガス流入口も設置可能である。
【0035】
更に別の実施形態においては、上記記載のエミッタ先端部調整ガス(酸素)、キャリアガス、パージガス等の形態の処理ガスを導入してもよい。処理ガスはイオンビーム発生には使用しないが処理を支援するガスとして理解される。
【0036】
図3に関連して説明する別の実施形態においては、追加としてガス流出口320を設置可能である。ガス流出口320は真空ポンプ及び/又は真空受取容器を含む真空システムに接続してもよい。閉鎖空間14の排気により空間内の圧力を制御し、これによりイオン発生の処理パラメータを制御することが可能である。典型的には、イオン化するガスの分圧はエミッタ領域内で10−6〜10−2mbarの範囲内に制御される。別の実施形態では、第1動作モードと別の(第2又は第3)動作モードとの切り替え中に閉鎖空間14の排気を利用することが可能である。従って、第1動作モードに使用するガスをイオン発生領域からより迅速に除去可能である。この結果、ある動作モードと別の動作モードとの切り替えが、例えば5秒以下でより迅速に実行可能である。
【0037】
図4aには荷電粒子ビーム装置400が図示されている。荷電粒子ビーム装置はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14中に存在するガスのイオンはバイアス印加されたエミッタ12の高電場により発生する。
【0038】
一実施形態では、第1ガス流入口110と第2ガス流入口112が設置されている。これに追加して、弁418が第1ガス流入口110内に設置されている。更に、弁419が第2ガス流入口112内に設置されている。弁は第1ガスの閉鎖空間14内への導入と第2ガスの閉鎖空間への導入とを切り替えるよう適合された制御装置によって制御される。
【0039】
一実施形態において、弁418及び419はガス流入口の流出開放部に近接して位置される。これにより、第2又は第3動作モードへの切り替えに先立って排除しなくてはならない、先行の動作モードの残留ガスの量が低下する。弁の1つを閉鎖した場合、弁がガス流入口の流出開放部に近接して位置していると先行の動作モードのガスが滞留する容積が最小限に抑えられる。ガス流入口の死容積は、例えば1cm3以下の範囲である。典型的には、マイクロバルブを用いて死容積の縮小を実現することができる。ここで、死容積とは材料又はガスがそこに滞留して続く流溶媒を汚染するところの流路の一部と定義することができる。動作モードの切り替え中に先行のガスが後続のガスを汚染する場合がる。
【0040】
図4aに関連して言及するその他の実施形態では、ガス流出口320も設置可能である。ガス流出口320は真空ポンプ又は真空受取容器を含む真空システムに接続することができる。上述したように、閉鎖空間14の排気により閉鎖空間内の圧力を制御可能である。閉鎖空間14の排気は、第1動作モードと別の(第2又は第3)動作モードとの切り替え中の閉鎖空間の排気にも用いることが可能である。従って、第1動作モードに用いたガスをイオン発生領域からより迅速に除去可能である。
【0041】
図4bにおいて、荷電粒子ビーム装置はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスのイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。ガスは本願に記載の実施形態のいずれによっても閉鎖空間に導入可能である。
【0042】
別の実施形態において、例えば図4bに関連して説明するように、弁428がガス流出口320内に設置されている。ガス流出口内の弁428を閉鎖することで、閉鎖空間14に対向する弁側に低い圧力がかかる。これにより、第1動作モードと別の動作モードとの切り替え中に弁を開放し、対向する側の低圧力を利用して、動作モードの切り替えに伴って除去しなくてはならない閉鎖空間中のガスをより迅速に除去することが可能である。
【0043】
更に別の実施形態において、この態様は図5に図示の集束イオンビーム装置500に図示されるように、真空受取容器522と組合せてもよい。図5に荷電粒子ビーム装置500を図示する。荷電粒子ビーム装置はエミッタ12と、閉鎖空間/電子銃チャンバ14及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。これに加え、弁418が第1ガス流入口110内に設置されている。更に、弁419が第2ガス流入口112内に設置されている。弁は閉鎖空間14内への第1ガスの導入と閉鎖空間内への第2ガスの導入とを切り替えるよう適合された制御装置により制御される。弁の1つを閉鎖した場合、弁がガス流入口の流出開放部に近接して位置していると、別の動作モードへの切り替えの際に排気しなくてはならない先行の動作モードのガスが滞留する容積が最小限に抑えられる。
【0044】
図5において、ガス流出口320の導管は真空ポンプに接続されている。真空ポンプにより真空受取容器522を排気する。つまり、容積に対して低圧となる。弁428の開放中、受取容器522の容積が加わることで、閉鎖空間14の容積をより迅速に排気可能となる。閉鎖空間の排気時間の短縮により、2つの動作モード間での切り替えをより速やかに行うことが可能となる。
【0045】
図6は集束イオンビーム装置600を図示する。荷電粒子ビーム装置600はエミッタ12と、閉鎖空間/電子銃チャンバ14と、イオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在しているガスのイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。
【0046】
一実施形態では、導管を備えた第1ガス流入口110と導管を備えた第2ガス流入口112が設置されている。これに加え、弁618が第1ガス流入口110内に設置されている。更に、弁619が第2ガス流入口112内に設置されている。弁は、閉鎖空間14内への第1ガスの導入と閉鎖空間への第2ガスの導入とを切り替えるよう適合された制御装置によって制御される。一実施形態において、弁618及び619はガス流入口の流出開放部に近接して位置される。これにより、第2又は第3動作モードへの切り替えに先立って排気しなくてはならない、先行の動作モードで残留するガス量が低下する。
【0047】
図6において、弁618及び619は二方弁である。弁の別の接続部は真空受取容器622、623にそれぞれ接続されている。真空受取容器622及び623は真空ポンプ等により排気される。これにより、第1動作モードと別の動作モードとの切り替え作業が向上する。例えば弁618を閉鎖した場合、一方では、第1ガス流入口110により導入されていた第1ガスの供給が停止する。他方では、真空受取容器622がガス流入口の流出開放部に接続されている。これにより、ガス流入口の流出開放部に残留しているガスが除去され、閉鎖空間14が排気される。その時点又はその後、第2ガス流入口112内の弁619を開放すると、第2ガス流入口を通して導入されたガスが閉鎖空間14内に供給可能となる。
【0048】
別の実施形態では、弁618及び619を各自の導管により共通真空受取容器に接続してもよい。
【0049】
一実施形態では、図6に図示されるように、弁428を含む更なるガス流出口320を設置する。ガス流出口内の弁428を閉鎖すると、閉鎖空間14に対向する弁側に低い圧力がかかる。従って、第1動作モードと別の動作モードとの切り替え中に弁を開放し、低圧力を利用して、動作モードの切り替えに伴って除去しなくてはならない閉鎖空間中のガスをより迅速に除去することが可能である。
【0050】
別の実施形態ではガス流出口320を省略してもよい。その場合は閉鎖空間14を各弁618及び619の1つを通して排気する。これにより、弁の1つがエミッタ12の領域内にガスを導入する位置にある際、もう一方の弁は対応する弁に接続された真空受取容器を介して閉鎖空間14を排気する位置にある。通常、二方弁を用いることで、ガスとエミッタチャンバ、つまり閉鎖空間との間の接続部を閉鎖してガス流を遮断し、エミッタチャンバと真空受取容器又は真空ポンプとの間の接続部を開放する。この結果、エミッタ内のガス圧が急激に低下する。
【0051】
更に別の動作モード及び更なる実施形態を図7に関連して説明する。図7に図示の集束イオンビーム装置700はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112が設置される。一動作モードにおいては、水素又はヘリウム等の軽比重イオン発生ガスがチャンバ/閉鎖空間14に第1ガス流入口110を介して導入され、イオン化された軽比重ガスのイオンビームが発生する。軽比重ガスイオンは試料を損傷することなく観察又は画像化に使用可能である。第2動作モードでは重比重イオンビーム発生ガスを導入してスパッタリングモードに用いる。更に、材料よっては例えば水素であるエッチングガスを用いるモード、及び/又は調整アプリケーションによっては例えば酸素である調整ガスを用いるモードを設定可能である。
【0052】
上述した動作モードに加え、重比重ガスイオンビームは材料の分析にも使用可能である。従って、二次イオン質量分析SIMSに適した検出装置722を設置する。検出装置722はスパッタリングにより生じた試料24のイオンを検出及び分析する。スパッタリング時に試料は粒子を放出し、その一部はそれ自体イオンである。これらの二次イオンを質量分析装置により測定し、表面の定量元素又は同位体組成分析を行う。
【0053】
一実施形態において、スパッタリングはエミッタ12により放射されたイオンビームにより実現される。別の実施形態においては、図7に図示されるように、追加の電子フラッド源732を設置してもよい。これにより、エミッタ12からのイオンビームの衝突時に試料24から放出される、イオン化された二次粒子の数が増大する。イオン化された二次粒子の量が増大することにより、検出装置722の検出精度は向上する。
【0054】
イオンビーム装置の更なる実施形態を図8に示す。図8において、エミッタ12はチャンバ又はカラム内に設置されている。参照番号14を参照のこと。第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112により軽比重ガスと重比重ガスを導入することで、単一のカラムで2つの動作モードが可能となる。上述の実施形態と比較すると、異なるガスはカラム又はチャンバに直接的に導入されており、閉鎖空間を別個には設置していない。
【0055】
異なる実施形態では、図9に図示されるように、閉鎖空間14の容積を縮小することで導入するガス量を削減することもできる。閉鎖空間のサイズを縮小することで、エミッタ領域内における所望の分圧をより少ないガス量で実現することができる。更に、モード切り替えのための排気又はパージがより迅速に実行可能となる。
【0056】
図9においては、エミッタ保持体10及びエミッタ12が閉鎖空間14内に設置されている。第1ガス流入口は第1ガス流入管910a及びチャネル910bをエミッタ保持体10と閉鎖空間14の壁部との間に含む。同様のチャネル910bはコンポーネント保持用、バイアス印加用のその他の部品間、或いは装置中のその他の構造部品間にも設置することができる。第2ガス流入口は第2ガス流入管912a及びガス流入チャネル912bを含む。図9において、2つのチャネル910b及び912bは互いに離間されている。別の実施形態において、チャネルは少なくとも部分的に共通路を有している。
【0057】
図9には、ガス流出口920が設置されている。上述したように、ガス流出口を用いて閉鎖空間14内の圧力を制御する及び/又は異なるモード間での切り替えを行うために閉鎖空間の排気を行うことが可能である。
【0058】
ガス流出口920を真空ポンプ、更なる真空チャンバ、又は軽比重ガス及び重比重ガスである2つのガスのうちの一方の排気を支援するその他の手段に接続することで、少なくとも2つの動作モード間の切り替えを行うことが可能である。ガス流出口920及び流出口に接続された真空システムを用いて閉鎖空間14内の真空状態を制御することもできる。これにより、イオン発生用の処理パラメータを制御可能である。
【0059】
上述したように、高分解能の画像化と試料加工を可能とする、集束イオンビーム装置の形態の単一カラム荷電粒子ビーム装置を提供可能である。このため、カラムを1つしか使用していないという観点から、コストの削減が達成可能である。更に、観察ビームと加工ビームの入射点の自動調芯が容易に実現可能となる。
【0060】
上記は本発明の実施形態についてのものであるが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく本発明のその他および更に別の実施形態を考案することができ、本発明の範囲は特許請求の範囲に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の上記の態様及びその他のより詳細な態様の一部は発明の詳細な説明に記載され、部分的に図面を参照して説明される。
【図1a】本願に記載の実施形態による、第1ガス流入口と第2ガス流入口を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図1b】本願に記載の実施形態による、第1ガス流入口、第2ガス流入口、及び共通ガス流入口を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図2】本願に記載の実施形態による、観察モードを制御し、かつ軽比重ガス及び重比重ガスとの切り替えを制御するための制御装置を含む荷電粒子ビーム装置の概略図である。
【図3】本願に記載の実施形態による、第1ガス流入口、第2ガス流入口、及び第3ガス流入口を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図4a】本願に記載の実施形態による、ガス流入口と弁を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図4b】本願に記載の実施形態による、ガス流入口と弁を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図5】本願に記載の実施形態による、ガス流入口、弁、及び真空受取容器を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図6】本願に記載の実施形態による、ガス流入口、弁、及び真空受取容器を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図7】本願に記載の実施形態による、ガス流入口とSIMS測定を実行するための手段とを備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図8】本願に記載の実施形態による、ガス流入口とイオンビームカラムにより構成された閉鎖空間を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図9】本願に記載の実施形態による、ガス流入口とイオンビームカラムの電子銃チャンバ内の縮小された閉鎖空間とを備える集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【発明の分野】
【0001】
本発明は荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビーム装置の操作方法に関する。特には、本発明は試料の照射、とりわけ検査及び構造化のための荷電粒子ビーム装置に関する。更に、本発明は多目的用途のガス電界イオン源に関する。より詳細には、本発明は集束イオンビーム装置及び集束イオンビーム装置の操作方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
ナノメートルスケールでの試料の構造化及びプロービングは、マイクロエレクトロニクス、マイクロメカニクス及びバイオテクノロジーといったテクノロジーに高い需要をもたらしてきた。マイクロメートル及びナノメートルスケールの処理制御、検査又は構造化は荷電粒子ビームを用いて行われることが多い。また、プロービング又は構造化は荷電粒子ビーム装置で発生・集束された荷電粒子ビームで行うことが多い。荷電粒子ビーム装置の例としては、イオンビームパターン発生装置はもとより、電子顕微鏡、電子ビームパターン発生装置、イオン顕微鏡が挙げられる。荷電粒子ビーム、特にイオンビームは、光子ビームと比較すると同等の粒子エネルギーでのその波長の短さから空間分解能に優れている。
【0003】
半導体装置等の製造においては、通常、複数の観察工程及び試料加工工程を行う。一般的なシステムには試料の観察、画像化、試験又は検査用の電子ビームカラム、及び試料のパターン形成又は材料加工用のイオンビームカラムが含まれる。これらの「二重ビーム」システムは非常に複雑かつそれ故に高価である。
【発明の概要】
【0004】
上記を踏まえ、本発明は独立請求項1及び17に記載の集束イオンビーム装置と、独立請求項20に記載の集束イオンビーム装置の操作方法を提供する。
【0005】
一実施形態においては集束イオンビーム装置を提供する。集束イオンビームは、イオンを発生させるためのエミッタ領域を備えたエミッタを収容する閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、第1ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第1ガス流入口と、第1ガスとは異なる第2ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第2ガス流入口と、第1ガス導入と第2ガス導入とを切り替えるよう適合された切替ユニットを含む。
【0006】
上記の実施形態と併用可能な更なる利点、構成、態様及び詳細は従属請求項、本文、及び図面により明白である。
【0007】
別の実施形態においては集束イオンビーム装置を提供する。集束イオンビーム装置はイオンを発生させるためのエミッタ領域を備えたエミッタを収容する閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、観察モードでの軽比重ガスのエミッタ領域への導入と加工モードでの重比重ガスのエミッタ領域への導入とを切り替えるための手段を含み、軽比重ガスは水素及びヘリウムから成る群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する。
【0008】
別の実施形態においては集束イオンビーム装置の操作方法を提供する。本方法はイオンを発生させるエミッタ領域内でエミッタにバイアス印加し、軽比重ガスのエミッタ領域への導入と重比重ガスのエミッタ領域への導入とを切り換えることを含み、軽比重ガスは水素及びヘリウムから成る群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する。
【0009】
実施形態は開示した方法を実施するための装置も対象としており、記載の各方法工程を実行するための装置部品を含む。これらの方法工程はハードウェアコンポーネント、適当なソフトウェアによりプログラムされたコンピュータ、この2つのいずれの組合せ又はその他のやり方で実行することができる。更に、本発明の実施形態は記載の装置の操作方法も対象としており、装置の全機能を実行するための方法工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【0010】
ここで本発明の様々な実施形態に詳細に言及し、その1つ以上の実施例を図面にて示す。各実施例は本発明の説明のためのものであり、本発明を制限することを意図するものではない。例えば、一実施形態の一部として説明又は記載した構成を別の実施形態で使用する又は併用することで、更に別の実施形態とすることが可能である。本発明はこのような改変や変形を含む。
【0011】
本願の保護範囲を制限することなく、以下において、荷電粒子ビーム装置又はそのコンポーネントを例示的に二次電子の検出を含む荷電粒子ビーム装置と称する。本発明は電子又はイオン、光子、X線の形態の二次及び/又は後方散乱粒子又はその他の信号を検出して試料の像を得る装置及びコンポーネントにも応用可能である。
【0012】
通常、微粒子と言う場合、イオン、原子、電子又はその他の粒子であるところの粒子のみならず光信号として理解され、この場合、微粒子は光子である。
【0013】
図面についての以下の説明において、同一の参照番号は同一のコンポーネントを示す。概して、個々の実施形態についての差異のみを記載する。
【0014】
本願で称するところの「試料」とは半導体ウェハ、半導体加工対象物、及びメモリディスク等のその他の加工対象物を含むがこれらに限定されない。本発明の実施形態はその上に材料を堆積する又は構造化するいずれの加工対象物にも応用することができる。試料には構造化する、又はその上に層を堆積するところの表面、縁部、及び典型的にはベベルが含まれる。
【0015】
本願に記載の実施形態においては、高分解能の画像化と試料加工が可能な単一カラム荷電粒子ビーム装置を提供する。これにより、カラムを1つ省略可能であるという観点から、コスト削減が達成可能である。更に、観察用ビームと加工用ビームの入射点との間での自動調芯がより容易に実現可能である。
【0016】
図1aに図示されるように、集束イオンビーム装置100という形式での荷電粒子ビーム装置の一実施形態は電子銃チャンバ14を含む。電子銃チャンバ内には、保持体10に取り付けられたガス電界イオン源エミッタ12が設置されている。軸102に沿って放射されたイオンビームは開口部18を通ってイオンビームカラム16に進入する。
【0017】
通常、集束イオンビーム装置は、例えば、液体金属イオン源又はガスイオン源を基本とすることが可能である。ガスイオンは電子、原子又はイオンとガス原子又は分子との衝突、又はガス原子又は分子を高電場又は照射に曝露することで発生させることが可能である。このため、希ガスイオン源が集束イオンビームFIBアプリケーションにおける有力なイオン源候補として判明している。電界イオン化過程に基づくイオン源はガス電界イオン源(GFIS)として知られている。イオン化過程は1010V/mより高い高電場で生じる。電場は、例えば、エミッタ先端部とバイアス印加した抽出開口部との間に印加される。
【0018】
エミッタ先端部を下流側の抽出開口部に対し例えば10kVの正の電荷にバイアス印加し、エミッタユニットの近傍におけるガス原子をイオン化するに十分な強度の電界を発生させる。所望の電界が発生する、又はより一般的にはイオン発生が行われるエミッタ近傍の領域をエミッタ領域と称する。エミッタユニット先端部付近のガス圧は10−6mbar、10−2mbarが望ましい。集束イオンビームカラム全体がガス分子で汚染される可能性を考慮し、本願に記載の一部の実施形態では閉鎖空間又は別個のチャンバを設けることでガスイオン源用のガスを局所的にエミッタ領域に局所的に供給する。
【0019】
図1aにおいては、第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112が設置されている。一動作モードでは水素又はヘリウム等の軽比重ガスを第1ガス流入口110を介してチャンバ/閉鎖空間14に導入し、イオン化した軽比重ガスのイオンビームを発生させる。軽比重ガスイオンは試料を損傷することなく観察又は画像化に使用することが可能である。
【0020】
別の動作モードにおいてはより比重の重いガスである別のガス、例えばアルゴン、ネオン、キセノン又はクリプトンを第2ガス流入口120を通してチャンバに導入する。電子銃チャンバ/閉鎖空間14内で発生した、イオン化された重比重ガスのイオンビームは材料のスパッタリング用の標準的な集束イオンビームカラムのイオンビームに類似している。従って、重比重イオンガスビームは材料加工又は試料への切断部又はトレンチの形成、又は深さについての情報取得に使用することが可能である。
【0021】
本願に記載の実施形態において、その内部にエミッタ12が設置されている閉鎖空間14はイオンビームカラム16の一部であってもよい。或いは、イオンビームカラム内に形成されたチャンバであってもよい。イオンビームカラムそれ自体で閉鎖空間を構成し、その内部にエミッタを位置させ、かつガスを導入することも可能である。
【0022】
軽比重ガスイオンは試料材料をスパッタリングしないため、画像化、試験、観察等に使用することが可能である。従って、軽比重ガスイオンでは電子ビームと比較してイオンビームの波長は短いことから、電子ビームより更に良好な分解能が得られる可能性がある。
【0023】
図1bに図示の別の実施形態においては、第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112は共通ガス流入口114に接続されている。一実施形態において、第1ガス流入口及び第2ガス流入口は弁116を介して共通ガス流入口に接続されている。共通ガス流入口114を用いる実施形態については、軽比重ガスと重比重ガスとを切り替えるために排気又はパージしなくてはならない空間が最小限となるように注意しなくてはならない。このため、共通ガス流入口114は典型的には短く、その直径は小さい。更に、弁116を含む実施形態に関し、弁は典型的には共通ガス流入口の開放部に近接して位置される。一実施形態において、弁116はマイクロバルブであってもよい。
【0024】
通常、図2に示されるように、集束イオンビーム装置200は以下のように概略的に説明することができる。バイアス印加されたガス電界イオン源エミッタ先端部12を備えた閉鎖空間214が設置されている。更に、第1(軽比重)ガス流入口110及び第2(重比重)ガス流入口112が設けられている。このため第1ガス及び第2ガスはエミッタ12及びエミッタ近傍のエミッタ領域に向かって閉鎖空間214内に供給され、所望の励起状況が作り出される。一実施形態において、2つのガス流入口は2つのノズル、ガスチャネル、又はその他の独立したガス流入手段の形式で設置される。別の実施形態においては、2つのガス流入口により2種類のガスを共通ノズル、ガスチャネル、又はその他のガス流入手段に供給する。
【0025】
図2に図示されるように、ガス流出口120が設置されている。ガス流出口120を2種類のガスのうちの一方の排気を支援するための真空ポンプ、別の真空チャンバ、又はその他の手段に接続し、少なくとも2つの運転モード間の切り替えを行うことが可能である。ガス流出口120及び流出口に接続された真空システムを用いて閉鎖空間214内の真空状態を制御することもできるため、イオン発生についての処理パラメータが制御可能である。
【0026】
図2には制御装置等の形式の切替ユニット210が図示されている。制御装置210は軽比重ガスの閉鎖空間214への供給と重比重ガスの閉鎖空間214への供給との切り替えを制御する。別個のガス流出口120を含む実施形態に関しては、制御装置はガス流出口、真空システム、真空ポンプ、又はそれに対応する弁も制御することができる。更なる実施形態では制御装置210、211、212及び220が設置される。これらの制御装置は個々の流入口、流出口、弁、ポンプ等用の制御装置である。点線で示すように、これらの制御装置は制御装置210が全コンポーネントを直接制御可能な場合は余分となることから省略してもよい。本願に記載の更なる実施形態において、切替ユニットは単一の制御装置、複数の制御装置、単一の弁、複数の弁、真空発生コンポーネント(ポンプ、弁、受取容器等)及びその組合せから成る群の少なくとも1つのコンポーネントを含むことが可能である。
【0027】
イオンビームはレンズ20により試料24上に集束される。一実施形態において、レンズ20は静電レンズである。その他の実施形態において、レンズ20は磁気レンズ又は磁気・静電複合レンズであってもよい。用途に応じて、静電レンズ、磁気レンズ、磁気・静電複合レンズ、ウィーンフィルタ、集光装置、アライナ、コリメータ、偏向装置、加速装置、減速装置、開口部等の1つ以上の光学装置を集束イオンビーム装置内に追加して配置することができる。
【0028】
通常、イオンビームを走査偏向器26で偏向し、試料24上をイオンビームでラスター走査する、又はイオンビームを試料位置に位置決めする。特に単一カラム集束イオンビーム装置を観察モードで運転する際には、二次又は後方散乱粒子、例えば二次電子を検出装置22により検出する。
【0029】
図2には制御装置230が図示されている。制御装置230が走査偏向器26と検出装置22を制御する。集束イオンビームカラム200が観察モード中、装置は電子顕微鏡と同様に機能する。直径数ナノメートル以下(例えば、1nm以下)のイオンビームを試料24上でパターン状にラスター走査する。二次電子又はその他の微粒子は検出装置で検出可能である。時間分解信号が生成され、制御装置230が所定の時間のインスタンスで信号を対応する偏向値と相関させる。従って、信号と位置とを相関させることでラスターパターンを像へと組み立てることが可能である。典型的な時間分解能(2つの後続する準連続測定点又は画素間の時間間隔)は500ns〜500μsである。画素毎の時間はその他の実施形態において10μs、1μs又はそれ未満である。
【0030】
図3には荷電粒子ビーム装置300が図示されている。荷電粒子ビーム装置はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスのイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。
【0031】
一実施形態においては、第1ガス流入口110、第2ガス流入口112、及び第3ガス流入口313が設置される。このため、3つのタイプのイオンビーム間での切り替えが可能である。例えば、水素又はヘリウム等の軽比重ガスを第1ガス流入口110を介して閉鎖空間14に導入し、試料を損傷することなくその観察を行う。別の動作モードでは、アルゴン、ネオン、キセノン又はクリプトン等の第2ガスを第2ガス流入口112を介して閉鎖空間14に導入し、試料のスパッタリングを行う。
【0032】
更なる実施形態ではフォトレジスト等の材料をエッチングする場合の更に別の動作モードで水素を使用する。水素の還元特性を利用して、酸素含有材料をエッチングすることができる。いずれにせよ、水素はSi、金属等の複数の材料について画像化モードで使用することができる。
【0033】
更に別の実施形態においては第4ガス流入口を設置することができる。これにより、調整ガス、例えば酸素をエミッタ先端部周囲の閉鎖空間に導入することで第4の動作モードを実行することが可能である。この実施形態では、酸素を用いて先端部の調整を行うことが可能である。エミッタの先端部を整形又は再整形するこの更なる調整動作モードは酸素の導入により支援される。
【0034】
通常、本願に記載の実施形態においては、少なくとも2つの異なるイオンビーム発生ガスを閉鎖空間内に導入可能である。本願に記載の実施形態においては、この少なくとも2つの異なるイオンビーム発生ガスを閉鎖空間内に連続的に導入し、上述したように、軽比重ガスと重比重ガスを使用する。更なる実施形態では、少なくとも1つの更に別のイオン発生ガスを閉鎖空間内に導入する。従って、エッチング用のイオン発生ガス又は第2のスパッタリング選択肢用のイオン発生ガス(例えば、スパッタリング第1選択肢としてのアルゴン及びスパッタリング第2選択肢としてのネオン又はキセノン)を導入可能である。これらの実施形態においては、少なくとも第3のガス流入口を設置する。スパッタリングに1つ以上のイオンビーム発生ガスを、或いはエッチングに1つ以上のイオンビーム発生ガスを使用する場合は、第4、第5等のガス流入口も設置可能である。
【0035】
更に別の実施形態においては、上記記載のエミッタ先端部調整ガス(酸素)、キャリアガス、パージガス等の形態の処理ガスを導入してもよい。処理ガスはイオンビーム発生には使用しないが処理を支援するガスとして理解される。
【0036】
図3に関連して説明する別の実施形態においては、追加としてガス流出口320を設置可能である。ガス流出口320は真空ポンプ及び/又は真空受取容器を含む真空システムに接続してもよい。閉鎖空間14の排気により空間内の圧力を制御し、これによりイオン発生の処理パラメータを制御することが可能である。典型的には、イオン化するガスの分圧はエミッタ領域内で10−6〜10−2mbarの範囲内に制御される。別の実施形態では、第1動作モードと別の(第2又は第3)動作モードとの切り替え中に閉鎖空間14の排気を利用することが可能である。従って、第1動作モードに使用するガスをイオン発生領域からより迅速に除去可能である。この結果、ある動作モードと別の動作モードとの切り替えが、例えば5秒以下でより迅速に実行可能である。
【0037】
図4aには荷電粒子ビーム装置400が図示されている。荷電粒子ビーム装置はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14中に存在するガスのイオンはバイアス印加されたエミッタ12の高電場により発生する。
【0038】
一実施形態では、第1ガス流入口110と第2ガス流入口112が設置されている。これに追加して、弁418が第1ガス流入口110内に設置されている。更に、弁419が第2ガス流入口112内に設置されている。弁は第1ガスの閉鎖空間14内への導入と第2ガスの閉鎖空間への導入とを切り替えるよう適合された制御装置によって制御される。
【0039】
一実施形態において、弁418及び419はガス流入口の流出開放部に近接して位置される。これにより、第2又は第3動作モードへの切り替えに先立って排除しなくてはならない、先行の動作モードの残留ガスの量が低下する。弁の1つを閉鎖した場合、弁がガス流入口の流出開放部に近接して位置していると先行の動作モードのガスが滞留する容積が最小限に抑えられる。ガス流入口の死容積は、例えば1cm3以下の範囲である。典型的には、マイクロバルブを用いて死容積の縮小を実現することができる。ここで、死容積とは材料又はガスがそこに滞留して続く流溶媒を汚染するところの流路の一部と定義することができる。動作モードの切り替え中に先行のガスが後続のガスを汚染する場合がる。
【0040】
図4aに関連して言及するその他の実施形態では、ガス流出口320も設置可能である。ガス流出口320は真空ポンプ又は真空受取容器を含む真空システムに接続することができる。上述したように、閉鎖空間14の排気により閉鎖空間内の圧力を制御可能である。閉鎖空間14の排気は、第1動作モードと別の(第2又は第3)動作モードとの切り替え中の閉鎖空間の排気にも用いることが可能である。従って、第1動作モードに用いたガスをイオン発生領域からより迅速に除去可能である。
【0041】
図4bにおいて、荷電粒子ビーム装置はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスのイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。ガスは本願に記載の実施形態のいずれによっても閉鎖空間に導入可能である。
【0042】
別の実施形態において、例えば図4bに関連して説明するように、弁428がガス流出口320内に設置されている。ガス流出口内の弁428を閉鎖することで、閉鎖空間14に対向する弁側に低い圧力がかかる。これにより、第1動作モードと別の動作モードとの切り替え中に弁を開放し、対向する側の低圧力を利用して、動作モードの切り替えに伴って除去しなくてはならない閉鎖空間中のガスをより迅速に除去することが可能である。
【0043】
更に別の実施形態において、この態様は図5に図示の集束イオンビーム装置500に図示されるように、真空受取容器522と組合せてもよい。図5に荷電粒子ビーム装置500を図示する。荷電粒子ビーム装置はエミッタ12と、閉鎖空間/電子銃チャンバ14及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。これに加え、弁418が第1ガス流入口110内に設置されている。更に、弁419が第2ガス流入口112内に設置されている。弁は閉鎖空間14内への第1ガスの導入と閉鎖空間内への第2ガスの導入とを切り替えるよう適合された制御装置により制御される。弁の1つを閉鎖した場合、弁がガス流入口の流出開放部に近接して位置していると、別の動作モードへの切り替えの際に排気しなくてはならない先行の動作モードのガスが滞留する容積が最小限に抑えられる。
【0044】
図5において、ガス流出口320の導管は真空ポンプに接続されている。真空ポンプにより真空受取容器522を排気する。つまり、容積に対して低圧となる。弁428の開放中、受取容器522の容積が加わることで、閉鎖空間14の容積をより迅速に排気可能となる。閉鎖空間の排気時間の短縮により、2つの動作モード間での切り替えをより速やかに行うことが可能となる。
【0045】
図6は集束イオンビーム装置600を図示する。荷電粒子ビーム装置600はエミッタ12と、閉鎖空間/電子銃チャンバ14と、イオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在しているガスのイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。
【0046】
一実施形態では、導管を備えた第1ガス流入口110と導管を備えた第2ガス流入口112が設置されている。これに加え、弁618が第1ガス流入口110内に設置されている。更に、弁619が第2ガス流入口112内に設置されている。弁は、閉鎖空間14内への第1ガスの導入と閉鎖空間への第2ガスの導入とを切り替えるよう適合された制御装置によって制御される。一実施形態において、弁618及び619はガス流入口の流出開放部に近接して位置される。これにより、第2又は第3動作モードへの切り替えに先立って排気しなくてはならない、先行の動作モードで残留するガス量が低下する。
【0047】
図6において、弁618及び619は二方弁である。弁の別の接続部は真空受取容器622、623にそれぞれ接続されている。真空受取容器622及び623は真空ポンプ等により排気される。これにより、第1動作モードと別の動作モードとの切り替え作業が向上する。例えば弁618を閉鎖した場合、一方では、第1ガス流入口110により導入されていた第1ガスの供給が停止する。他方では、真空受取容器622がガス流入口の流出開放部に接続されている。これにより、ガス流入口の流出開放部に残留しているガスが除去され、閉鎖空間14が排気される。その時点又はその後、第2ガス流入口112内の弁619を開放すると、第2ガス流入口を通して導入されたガスが閉鎖空間14内に供給可能となる。
【0048】
別の実施形態では、弁618及び619を各自の導管により共通真空受取容器に接続してもよい。
【0049】
一実施形態では、図6に図示されるように、弁428を含む更なるガス流出口320を設置する。ガス流出口内の弁428を閉鎖すると、閉鎖空間14に対向する弁側に低い圧力がかかる。従って、第1動作モードと別の動作モードとの切り替え中に弁を開放し、低圧力を利用して、動作モードの切り替えに伴って除去しなくてはならない閉鎖空間中のガスをより迅速に除去することが可能である。
【0050】
別の実施形態ではガス流出口320を省略してもよい。その場合は閉鎖空間14を各弁618及び619の1つを通して排気する。これにより、弁の1つがエミッタ12の領域内にガスを導入する位置にある際、もう一方の弁は対応する弁に接続された真空受取容器を介して閉鎖空間14を排気する位置にある。通常、二方弁を用いることで、ガスとエミッタチャンバ、つまり閉鎖空間との間の接続部を閉鎖してガス流を遮断し、エミッタチャンバと真空受取容器又は真空ポンプとの間の接続部を開放する。この結果、エミッタ内のガス圧が急激に低下する。
【0051】
更に別の動作モード及び更なる実施形態を図7に関連して説明する。図7に図示の集束イオンビーム装置700はエミッタ12、閉鎖空間/電子銃チャンバ14、及びイオンビームカラム16を含む。閉鎖空間14内に存在するガスイオンはバイアス印加したエミッタ12の高電場により発生する。第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112が設置される。一動作モードにおいては、水素又はヘリウム等の軽比重イオン発生ガスがチャンバ/閉鎖空間14に第1ガス流入口110を介して導入され、イオン化された軽比重ガスのイオンビームが発生する。軽比重ガスイオンは試料を損傷することなく観察又は画像化に使用可能である。第2動作モードでは重比重イオンビーム発生ガスを導入してスパッタリングモードに用いる。更に、材料よっては例えば水素であるエッチングガスを用いるモード、及び/又は調整アプリケーションによっては例えば酸素である調整ガスを用いるモードを設定可能である。
【0052】
上述した動作モードに加え、重比重ガスイオンビームは材料の分析にも使用可能である。従って、二次イオン質量分析SIMSに適した検出装置722を設置する。検出装置722はスパッタリングにより生じた試料24のイオンを検出及び分析する。スパッタリング時に試料は粒子を放出し、その一部はそれ自体イオンである。これらの二次イオンを質量分析装置により測定し、表面の定量元素又は同位体組成分析を行う。
【0053】
一実施形態において、スパッタリングはエミッタ12により放射されたイオンビームにより実現される。別の実施形態においては、図7に図示されるように、追加の電子フラッド源732を設置してもよい。これにより、エミッタ12からのイオンビームの衝突時に試料24から放出される、イオン化された二次粒子の数が増大する。イオン化された二次粒子の量が増大することにより、検出装置722の検出精度は向上する。
【0054】
イオンビーム装置の更なる実施形態を図8に示す。図8において、エミッタ12はチャンバ又はカラム内に設置されている。参照番号14を参照のこと。第1ガス流入口110及び第2ガス流入口112により軽比重ガスと重比重ガスを導入することで、単一のカラムで2つの動作モードが可能となる。上述の実施形態と比較すると、異なるガスはカラム又はチャンバに直接的に導入されており、閉鎖空間を別個には設置していない。
【0055】
異なる実施形態では、図9に図示されるように、閉鎖空間14の容積を縮小することで導入するガス量を削減することもできる。閉鎖空間のサイズを縮小することで、エミッタ領域内における所望の分圧をより少ないガス量で実現することができる。更に、モード切り替えのための排気又はパージがより迅速に実行可能となる。
【0056】
図9においては、エミッタ保持体10及びエミッタ12が閉鎖空間14内に設置されている。第1ガス流入口は第1ガス流入管910a及びチャネル910bをエミッタ保持体10と閉鎖空間14の壁部との間に含む。同様のチャネル910bはコンポーネント保持用、バイアス印加用のその他の部品間、或いは装置中のその他の構造部品間にも設置することができる。第2ガス流入口は第2ガス流入管912a及びガス流入チャネル912bを含む。図9において、2つのチャネル910b及び912bは互いに離間されている。別の実施形態において、チャネルは少なくとも部分的に共通路を有している。
【0057】
図9には、ガス流出口920が設置されている。上述したように、ガス流出口を用いて閉鎖空間14内の圧力を制御する及び/又は異なるモード間での切り替えを行うために閉鎖空間の排気を行うことが可能である。
【0058】
ガス流出口920を真空ポンプ、更なる真空チャンバ、又は軽比重ガス及び重比重ガスである2つのガスのうちの一方の排気を支援するその他の手段に接続することで、少なくとも2つの動作モード間の切り替えを行うことが可能である。ガス流出口920及び流出口に接続された真空システムを用いて閉鎖空間14内の真空状態を制御することもできる。これにより、イオン発生用の処理パラメータを制御可能である。
【0059】
上述したように、高分解能の画像化と試料加工を可能とする、集束イオンビーム装置の形態の単一カラム荷電粒子ビーム装置を提供可能である。このため、カラムを1つしか使用していないという観点から、コストの削減が達成可能である。更に、観察ビームと加工ビームの入射点の自動調芯が容易に実現可能となる。
【0060】
上記は本発明の実施形態についてのものであるが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく本発明のその他および更に別の実施形態を考案することができ、本発明の範囲は特許請求の範囲に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明の上記の態様及びその他のより詳細な態様の一部は発明の詳細な説明に記載され、部分的に図面を参照して説明される。
【図1a】本願に記載の実施形態による、第1ガス流入口と第2ガス流入口を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図1b】本願に記載の実施形態による、第1ガス流入口、第2ガス流入口、及び共通ガス流入口を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図2】本願に記載の実施形態による、観察モードを制御し、かつ軽比重ガス及び重比重ガスとの切り替えを制御するための制御装置を含む荷電粒子ビーム装置の概略図である。
【図3】本願に記載の実施形態による、第1ガス流入口、第2ガス流入口、及び第3ガス流入口を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図4a】本願に記載の実施形態による、ガス流入口と弁を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図4b】本願に記載の実施形態による、ガス流入口と弁を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図5】本願に記載の実施形態による、ガス流入口、弁、及び真空受取容器を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図6】本願に記載の実施形態による、ガス流入口、弁、及び真空受取容器を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図7】本願に記載の実施形態による、ガス流入口とSIMS測定を実行するための手段とを備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図8】本願に記載の実施形態による、ガス流入口とイオンビームカラムにより構成された閉鎖空間を備えた集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【図9】本願に記載の実施形態による、ガス流入口とイオンビームカラムの電子銃チャンバ内の縮小された閉鎖空間とを備える集束イオンビーム装置の形式の荷電粒子ビーム装置の一部の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン発生用のエミッタ領域を備えたガス電界イオン源エミッタを収容するための閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、
第1ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第1ガス流入口と、
第1ガスとは異なる第2ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第2ガス流入口と、
第1ガス又は第2ガスから発生したイオンビームを集束するための対物レンズと、
第1ガスの導入と第2ガスの導入との切り替えを行うよう適合された切替ユニットを備える集束イオンビーム装置。
【請求項2】
第1ガスの導入と第2ガスの導入との切り替え中に閉鎖空間を排気するよう適合された真空システムに接続されたガス流出口を更に備える請求項1記載の集束イオンビーム装置。
【請求項3】
第1ガス流入口内に設置された第1弁と、第2ガス流入口内に設置された第2弁を更に備え、第1弁及び第2弁が切替ユニットにより制御される請求項1〜2のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項4】
第1弁が第1ガス供給源へと続く第1ガス供給導管と、第1ガスをチャンバに導入するための第1ガス流入導管と、少なくとも1つの真空受取容器に接続するための第1排気導管を有し、第2弁が第2ガス供給源へと続く第2ガス供給導管と、第2ガスをチャンバに導入するための第2ガス流入導管と、少なくとも1つの真空受取容器に接続するための第2排気導管を有する請求項3記載の集束イオンビーム装置。
【請求項5】
第1ガス流入口が第1ガス流入管と第1ガス流入チャネルを有し、第2ガス流入口が第2ガス流入管と第2ガス流入チャネルを有する請求項1〜4のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項6】
真空システムが真空受取容器を含む請求項2〜5のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項7】
イオンビームカラム内に設置され、かつ試料上をイオンビームでラスター走査するよう適合された走査偏向器と、
イオンビームカラム内に設置され、かつイオンビーム衝突時に試料から放出される微粒子の時間分解検出用に適合された検出装置と、
走査偏向器と検出装置に接続された制御装置を更に備える請求項1〜6のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項8】
時間分解測定が時間分解能2μs又は2μs以下に適合される請求項7記載の集束イオンビーム装置。
【請求項9】
閉鎖空間がイオンビームカラムの電子銃チャンバ内に設置されている請求項1〜8のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項10】
閉鎖空間の容積が5cm3以下である請求項1〜9のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項11】
試料から放出されたイオン又はイオン化粒子を同定するための質量分析装置を更に備える請求項1〜10のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項12】
試料領域に隣接した領域内に設置された電子フラッド銃を更に備える請求項11記載の集束イオンビーム装置。
【請求項13】
少なくとも第3のガスを閉鎖空間内に導入するための少なくとも第3のガス流入口を更に備える請求項1〜12のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項14】
切替ユニットにより制御される、少なくとも第三ガス流入口内に設置された少なくとも第三弁を更に備える請求項13記載の集束イオンビーム装置。
【請求項15】
少なくとも第三ガス流入口が少なくとも第三ガス流入管と少なくとも第三ガス流入口を有する請求項14記載の集束イオンビーム装置。
【請求項16】
第1ガスが水素とヘリウムからなる群から選択された軽比重ガスであり、第2ガスがアルゴン、ネオン、クリプトン、及びその組合せからなる群から選択された重比重ガスである請求項1〜15のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項17】
軽比重ガスと重比重ガスのイオン発生用エミッタ領域を備えたエミッタを収容するための閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、
観察モードでの軽比重ガスのエミッタ領域への導入と加工モードでの重比重ガスのエミッタ領域への導入とを切り替えるための手段を備え、
軽比重ガスは水素とヘリウムからなる群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する集束イオンビーム装置。
【請求項18】
重比重ガスがアルゴン、ネオン、クリプトン、及びその組合せからなる群から選択される請求項17記載の集束イオンビーム装置。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項記載の構成を更に備える請求項17〜19のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項20】
イオンを発生させるエミッタ領域内でエミッタにバイアス印加し、
軽比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域への導入と重比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域への導入とを切り換えることを含み、
軽比重ガスは水素とヘリウムからなる群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項21】
エミッタ領域を取り巻く閉鎖空間を排気することを更に含む請求項20記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項22】
動作モードの切り替えが第1ガス流入口内に設置された第1弁と第2ガス流入口内に設置された第2弁を制御することを含む請求項20〜21のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項23】
観察モードで軽比重イオンビーム発生ガスから発生させたイオンビームを試料上で走査し、軽比重イオンビーム発生ガスからのイオンビームの衝突時に試料から放出される微粒子を検出して試料を観察し、
重比重イオンビーム発生ガスをエミッタ領域に導入しながら加工モード中に試料を加工することを更に含む、請求項20〜11のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項24】
加工がスパッタリングとエッチングからなる群から選択された少なくとも一工程を含む請求項23記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項25】
重比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域導入中に、試料から放出されたイオン化粒子の質量検出を行うことを更に含む請求項20〜24のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項26】
重比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域導入中に試料から放出された粒子をイオン化することを更に含む請求項25記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項27】
重比重イオンビーム発生ガスがアルゴン、ネオン、クリプトン、及びその組合せからなる群から選択される請求項20〜26のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項28】
処理ガスをエミッタ領域に導入することを更に含む請求項20〜27のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項29】
処理ガスが酸素である請求項28記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項30】
別の重比重イオンビーム発生ガスをエミッタ領域に導入することを更に含み、この別のイオンビーム発生重比重ガスの原子質量が10g/モル以上である請求項20〜29のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項31】
エッチング動作モードのためにエミッタ領域に水素を導入することを更に含む請求項20〜30のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項1】
イオン発生用のエミッタ領域を備えたガス電界イオン源エミッタを収容するための閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、
第1ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第1ガス流入口と、
第1ガスとは異なる第2ガスをエミッタ領域に導入するよう適合された第2ガス流入口と、
第1ガス又は第2ガスから発生したイオンビームを集束するための対物レンズと、
第1ガスの導入と第2ガスの導入との切り替えを行うよう適合された切替ユニットを備える集束イオンビーム装置。
【請求項2】
第1ガスの導入と第2ガスの導入との切り替え中に閉鎖空間を排気するよう適合された真空システムに接続されたガス流出口を更に備える請求項1記載の集束イオンビーム装置。
【請求項3】
第1ガス流入口内に設置された第1弁と、第2ガス流入口内に設置された第2弁を更に備え、第1弁及び第2弁が切替ユニットにより制御される請求項1〜2のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項4】
第1弁が第1ガス供給源へと続く第1ガス供給導管と、第1ガスをチャンバに導入するための第1ガス流入導管と、少なくとも1つの真空受取容器に接続するための第1排気導管を有し、第2弁が第2ガス供給源へと続く第2ガス供給導管と、第2ガスをチャンバに導入するための第2ガス流入導管と、少なくとも1つの真空受取容器に接続するための第2排気導管を有する請求項3記載の集束イオンビーム装置。
【請求項5】
第1ガス流入口が第1ガス流入管と第1ガス流入チャネルを有し、第2ガス流入口が第2ガス流入管と第2ガス流入チャネルを有する請求項1〜4のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項6】
真空システムが真空受取容器を含む請求項2〜5のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項7】
イオンビームカラム内に設置され、かつ試料上をイオンビームでラスター走査するよう適合された走査偏向器と、
イオンビームカラム内に設置され、かつイオンビーム衝突時に試料から放出される微粒子の時間分解検出用に適合された検出装置と、
走査偏向器と検出装置に接続された制御装置を更に備える請求項1〜6のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項8】
時間分解測定が時間分解能2μs又は2μs以下に適合される請求項7記載の集束イオンビーム装置。
【請求項9】
閉鎖空間がイオンビームカラムの電子銃チャンバ内に設置されている請求項1〜8のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項10】
閉鎖空間の容積が5cm3以下である請求項1〜9のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項11】
試料から放出されたイオン又はイオン化粒子を同定するための質量分析装置を更に備える請求項1〜10のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項12】
試料領域に隣接した領域内に設置された電子フラッド銃を更に備える請求項11記載の集束イオンビーム装置。
【請求項13】
少なくとも第3のガスを閉鎖空間内に導入するための少なくとも第3のガス流入口を更に備える請求項1〜12のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項14】
切替ユニットにより制御される、少なくとも第三ガス流入口内に設置された少なくとも第三弁を更に備える請求項13記載の集束イオンビーム装置。
【請求項15】
少なくとも第三ガス流入口が少なくとも第三ガス流入管と少なくとも第三ガス流入口を有する請求項14記載の集束イオンビーム装置。
【請求項16】
第1ガスが水素とヘリウムからなる群から選択された軽比重ガスであり、第2ガスがアルゴン、ネオン、クリプトン、及びその組合せからなる群から選択された重比重ガスである請求項1〜15のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項17】
軽比重ガスと重比重ガスのイオン発生用エミッタ領域を備えたエミッタを収容するための閉鎖空間を含むイオンビームカラムと、
観察モードでの軽比重ガスのエミッタ領域への導入と加工モードでの重比重ガスのエミッタ領域への導入とを切り替えるための手段を備え、
軽比重ガスは水素とヘリウムからなる群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する集束イオンビーム装置。
【請求項18】
重比重ガスがアルゴン、ネオン、クリプトン、及びその組合せからなる群から選択される請求項17記載の集束イオンビーム装置。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項記載の構成を更に備える請求項17〜19のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置。
【請求項20】
イオンを発生させるエミッタ領域内でエミッタにバイアス印加し、
軽比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域への導入と重比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域への導入とを切り換えることを含み、
軽比重ガスは水素とヘリウムからなる群から選択され、重比重ガスは10g/モル以上の原子質量を有する集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項21】
エミッタ領域を取り巻く閉鎖空間を排気することを更に含む請求項20記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項22】
動作モードの切り替えが第1ガス流入口内に設置された第1弁と第2ガス流入口内に設置された第2弁を制御することを含む請求項20〜21のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項23】
観察モードで軽比重イオンビーム発生ガスから発生させたイオンビームを試料上で走査し、軽比重イオンビーム発生ガスからのイオンビームの衝突時に試料から放出される微粒子を検出して試料を観察し、
重比重イオンビーム発生ガスをエミッタ領域に導入しながら加工モード中に試料を加工することを更に含む、請求項20〜11のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項24】
加工がスパッタリングとエッチングからなる群から選択された少なくとも一工程を含む請求項23記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項25】
重比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域導入中に、試料から放出されたイオン化粒子の質量検出を行うことを更に含む請求項20〜24のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項26】
重比重イオンビーム発生ガスのエミッタ領域導入中に試料から放出された粒子をイオン化することを更に含む請求項25記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項27】
重比重イオンビーム発生ガスがアルゴン、ネオン、クリプトン、及びその組合せからなる群から選択される請求項20〜26のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項28】
処理ガスをエミッタ領域に導入することを更に含む請求項20〜27のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項29】
処理ガスが酸素である請求項28記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項30】
別の重比重イオンビーム発生ガスをエミッタ領域に導入することを更に含み、この別のイオンビーム発生重比重ガスの原子質量が10g/モル以上である請求項20〜29のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【請求項31】
エッチング動作モードのためにエミッタ領域に水素を導入することを更に含む請求項20〜30のいずれか1項記載の集束イオンビーム装置の操作方法。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2008−153199(P2008−153199A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−279203(P2007−279203)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(501493587)アイシーティー インテグレーテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フィーア ハルプライタープリーフテヒニック エム ベー ハー (25)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279203(P2007−279203)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(501493587)アイシーティー インテグレーテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フィーア ハルプライタープリーフテヒニック エム ベー ハー (25)
【Fターム(参考)】
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