説明

多糖抗原及びタンパク質アジュバントを含む多価リポソームワクチン組成物

同時封入された幾つかの血清型の多糖抗原及びT細胞依存性タンパク質キャリア(例えば、破傷風トキソイド)を含有する、リポソーム形成化合物で形成されるリポソームを含む多価リポソーム組成物、好ましくはワクチン。本発明は、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)又は髄膜炎菌(Neisseriameningitidis)に対するワクチンの生産に利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リポソーム組成物、特に、とりわけ病原菌に由来する多糖抗原(例えば、肺炎球菌抗原及びHib多糖抗原)に対して免疫応答を誘発するのに有用な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
被包性細菌により引き起こされる細菌感染は、主要な世界保健問題である。肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、又は髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)種は、莢膜多糖である主要表面抗原の胸腺非依存性に起因しそれに対してワクチン接種するのが困難である。
【0003】
T細胞非依存性抗原は、有効なワクチンの開発に関し特に問題を提示する。抗体産生は低く、再免疫化により通常高められない。抗原アイソタイプは、IgMに限定されており、他のアイソタイプは概して、特異的抗原に対して低い親和性を有する。
【0004】
主な問題は、T細胞非依存性ワクチンに対する幼児の反応にある。これらの個体は、中でもこのような細菌感染に最も攻撃されやすい。これらの年齢群は、T細胞非依存性抗原に対する反応性が最も乏しい。
【0005】
多糖抗原を免疫賦活させる(adjuvantate)ために様々な方法が試されてきた。例えば、多糖を破傷風トキソイドのようなキャリアタンパク質に結合させると、免疫原効果において幾らか改善がもたらされる。代替的に、多糖をリポソームとともに配合することによりこれもまた免疫応答の増強を付与する。
【0006】
Burgeot, C.等は、Vaccine 2001, 19, 2092-2099において、α毒素とともにリポソーム中に同時封入された黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来の多糖ワクチンの免疫増強を開示している。リポソームは、7:2:1のモル比で卵ホスファチジルコリン、ステアリルアミン及びコレステロールを含有するリポソーム形成化合物で形成された。リポソームは、10mM Hepes(pH 7.4)、150mM塩化ナトリウム緩衝液中に懸濁された空のSUV及び抗原の混合物の脱水により、脱水再水和法を使用し形成された。多糖対毒素タンパク質の比は、20〜5の範囲であった。α毒素は、非常に有毒な物質であり、且つ溶血性である。多糖抗原の抗原性を増強する際のその活性は、α毒素が、毒素として示す細胞膜の貫通を包含する特性に依存すると著者等は論じている。増強は、熱失活毒素誘導体では達成されないと著者等は、示している。α毒素は、約33kDaのサブユニット分子量を有する。
【0007】
Pietrobon, P.J.F.等は、Immunomethods 4, 236-243 (1994)において、T非依存性抗原LPS(これは、水溶性ではない)及びT細胞認識部位を有するポリペプチドである赤血球凝集素(HA)のリポソームへの同時封入について記載している。リポソームサイズは開示されていない。LPS対HAの重量比は、2:1〜1:10の範囲である。リポソームは、LPS及びHAを含有する脂質被膜を形成すること、並びにn−オクチルグルコピラノシドを含有する水性懸濁液中でこれを水和させることにより作製される。HAは不活性ではなく、シアル酸保有グリコンを介して様々な細胞表面受容体に結合し、先天性免疫応答を刺激する。先天性免疫応答を刺激する化合物は、望ましくない炎症を発生させる可能性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、2つ以上の多糖抗原及び少なくとも1つのT細胞エピトープを有する無毒性タンパク質キャリアを含む新規のリポソーム組成物が提供され、各多糖抗原は、タンパク質キャリアとともにリポソーム内に同時封入され、且つこのリポソームは、少なくとも1種のリン脂質を含むリポソーム形成化合物から形成される。
【0009】
本発明では、「同時封入される」という用語は、2つの活性物、即ち多糖抗原及びタンパク質キャリアが同じリポソームに付随(associated with)しなくてはならないことを意味する。付随(association)は、単にリポソームの外側表面によるものであってもよいが、活性物は、リポソームの小胞内空間中に少なくとも部分的に封入されることが望ましい。活性物はともに好ましくは水溶性であり、したがって好ましくはリポソーム配合物の水相に位置する。リポソームが多重膜である場合、活性物はラメラ間に存在していてもよい。
【0010】
本発明では、組成物は多価であり、即ち組成物は、幾つかの多糖抗原を混合して含む。ワクチンは、2個以上、好ましくは3個以上、5個以上、7個以上、例えば最大40個、好ましくは7〜23個の範囲を含む。好ましくは、抗原は、同じ細菌種に由来する。抗原は、このような多価組成物においてリポソーム中に同時被包され得るか、或いは幾つかの集団が存在してもよく、その集団のリポソームそれぞれが、他の集団とは異なる別個の抗原又は抗原混合物を含有する。好ましくは、抗原は、リポソーム中に個々に封入され、即ち各多糖抗原に関して別個の集団が存在する。これは、一般的な出発材料からそれらの多種多様なワクチンを生成するという観点で最適な柔軟性を可能にする。好適には、タンパク質キャリアは、幾つかの集団それぞれにおいて同じである。
【0011】
アジュバントタンパク質へ抗原を結合させること(例えば、共有結合により)において利益が存在し得るが、好ましくは本発明は、このような結合を回避する。このことは、多くの成分、特に種々の抗原の共配合が多価抗原組成物を形成するのを可能にするという多大な利点を有する。
【0012】
タンパク質キャリアは、哺乳動物身体にとって無毒性であり、哺乳動物身体へ投与される場合に先天性免疫応答を刺激すべきではない。したがって、キャリアは好ましくは哺乳動物身体中で事実上「不活性」である。あまり好ましくはないが、タンパク質はアジュバンドとして作用し、生物学的に不活性でなく、宿主受容体を係合させ(直接的に又は死滅宿主細胞から放出される構成成分を介して)、先天性免疫応答の形態で免疫系の細胞から細胞反応を誘発する。
【0013】
キャリアタンパク質は、それがT細胞依存性抗原として作用するのに十分高い分子量を有する。分子量は好ましくは少なくとも35kDa、例えば最大1000kDa、例えば75〜400kDaである。本発明は、好ましくはオボアルブミン、破傷風トキソイド及びジフテリアトキソイドのような従来技術においてT細胞非依存性抗原用のキャリアとして使用されているタンパク質を使用することができる。タンパク質は概して、非溶血性且つ無毒性であるべきである。無毒性の観点では、例えばタンパク質は、4mg/kgを超えるLD50を有する(マウスにて、静脈内又は皮下)。好ましくは、タンパク質は、ホッジ&スターナースケールでレベル6、即ち比較的無害であるべきである。
【0014】
適切なタンパク質としては、オボアルブミン、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド及びジフテリアCRM197(ジフテリア毒素の遺伝的突然変異体)が挙げられる。破傷風トキソイドは、約100kDaの分子量を有する。破傷風トキソイド及びジフテリアCRM197(毒素の遺伝的突然変異体)は、相当する毒素により誘発される著しい免疫応答を誘発することができない。これは、ホルムアルデヒド又は遺伝的突然変異による弱化に起因すると考えられる。しかしながら、これらのキャリアは、抗体反応に必要とされるT−ヘルパー細胞の活性化、続く増殖により適応免疫応答を誘発する。
【0015】
好ましくは、リポソーム組成物は単位投薬形態であり、タンパク質キャリア1〜30μg、より好ましくは10〜30μgを含む。このような投薬量は、ヒトのような免疫化が必要な被験体への投与に適していると考えられる。
【0016】
本発明では、多糖抗原は全て好ましくは、感染性因子、好ましくは、例えばインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、大腸菌(E. coli)又はB群溶連菌(group B Streptococcus)から選択される病原菌に由来する。最も好ましくは、抗原は、インフルエンザ菌(Haemophilusinfluenzae)又は肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)に由来する。多糖抗原は好ましくは、T細胞非依存性抗原である。本発明の組成物では、多糖抗原対タンパク質キャリアの重量比は好ましくは、6:1〜1:6、より好ましくは4:1〜1:3の範囲内である。好ましくは、組成物においてタンパク質に対して過剰の多糖が存在する。
【0017】
リポソームは好ましくは、全体的イオン電荷を有さない化合物を含む。化合物は好ましくは中性である(1つの陰イオン電荷及び1つの陽イオン電荷を有する両性イオン性化合物を包含する)が、好ましくは逆帯電した化合物で電荷平衡がとれている少量の陰イオン性化合物又は陽イオン性化合物を含有してもよい。好ましくは、該化合物は、ホスファチジルコリン化合物及び/又はホスファチジルエタノールアミン化合物を含む。リポソーム形成化合物は通常、両親媒性であり、即ち疎水性構成成分及び親水性構成成分から成る。疎水性構成成分は概して、アシル鎖により提供されるが、リポソーム形成化合物は代替的に、グリセロール−エーテルベースの脂質化合物であってもよい。非脂質化合物(即ち、グリセロール化合物に基づかない)、例えば非イオン界面活性剤型材料は、所望であれば含まれていてもよい。好ましくは、該組成物は、総リポソーム形成構成成分に基づいて、例えば少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%のモル量でコレステロールを含む。
【0018】
好ましくは、リポソームは、50〜700nmの範囲、より好ましくは80〜500nmの範囲、最も好ましくは100〜300nmの範囲の平均直径を有する。平均直径は、WO99/65465号に開示されるように光子相関分光法により測定される。
【0019】
本発明の組成物は、水性懸濁液の形態で存在してもよく、即ちここではリポソームは、連続水性媒質中に懸濁される。代替的には、組成物は、このような水性組成物の前駆物質であってもよく、これは、水又は水性液体で希釈され、水性懸濁液を形成し得る。このような前駆物質は、乾燥材料の形態で、例えば噴霧乾燥又はフリーズドライ(凍結乾燥)により提供される特に粉末形態で存在し得る。
【0020】
本発明の組成物は、(a)薬学的に許容可能な希釈剤(複数可)及び/又は賦形剤(複数可)をさらに含む医薬組成物であってもよい。該組成物は、直接的に又は中間配合工程後に、哺乳動物被験体へ投与されるよう意図されるため、希釈剤又は賦形剤は、好ましくは薬学的に許容可能である。適切な賦形剤は既知である。
【0021】
組成物が糖を含むことは特に好ましい。糖は、リポソームの形成中に、及び/又は貯蔵中に、リポソームの安定化を助長し得る。好ましくは、リポソームは、脱水−再水和法により形成され、空の小さな単層小胞(SUV)(例えば、多層小胞を形成するための脂質被膜の水和及びSUVを形成するような超音波処理により作製される)及び活性物(多糖抗原及びタンパク質キャリア)は、水性液体中に懸濁された後、好ましくは凍結乾燥により乾燥される。次に、乾燥生成物を再水和させて、必要に応じて、当業者に既知の方法により、非封入材料、大きすぎるリポソームを除去するため又は平均リポソームサイズを小さくするための工程に供される。
【0022】
再水和された小胞サイズの制御の改善のために、使用される方法は、国際公開特許第WO99/65465号で論述されるように、脱水工程の懸濁液中に糖を含む。糖は、グルコース及びフルクトースのような単糖、ラクトース及びスクロースのような二糖、並びに多糖から選択され得る。特に好ましい糖は、トレハロース、スクロース又はラクトースのような二糖、或いはグルコースのような単糖である。特に、好ましい糖はスクロースである。
【0023】
このような方法では、糖の量は、糖対リポソーム形成化合物の質量比が、1:1〜6:1w/w、最も好ましくは1:1〜5:1の範囲内であるようなものである。糖のレベルが高まるにつれ、上記方法の被包効率は低下される。しかしながら、糖の量が少なくなるにつれ、最終リポソームのサイズに対する制御が失われる。
【0024】
本発明はさらに、多糖抗原及びタンパク質キャリアがリポソーム中に同時被包される新規の組成物を生産するプロセスを提供する。
【0025】
好ましくは、上述の方法が被包に使用される。糖は、使用しなくてもよいが、好ましくはこれらの脱水−再水和法で使用される。空のリポソームは、好ましくは小又は中サイズであり、多層又は単層であり得る。
【0026】
プロダクトリポソームは好ましくは、50〜700nmの範囲、より好ましくは80〜500nmの範囲、最も好ましくは80〜300nmの範囲の平均直径を有する。好ましくは、組成物は、非常に低レベルの1500nmよりも大きい直径を有するリポソーム、さらに好ましくは非常に低レベルの1000nmよりも大きい直径を有するリポソームを含有する。非常に小さなリポソーム(例えば、20nm未満)のレベルも、できる限り低く保持されるべきである。
【0027】
本発明はまた、多糖抗原に対する免疫応答を誘発するための哺乳動物への投与用の薬剤の製造におけるリポソーム及び組成物の使用を提供する。
【0028】
好ましくは、免疫応答は、少なくとも多糖抗原に対するIgG、さらに好ましくはIgM及びIgAの産生を包含し、好ましくはその結果、感染性微生物からの攻撃に対する防御効果がレシピエントにおいて達成される。
【0029】
好ましくは、組成物は、皮下的に、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、鼻内に、吸入により、膣内に、口腔的に又は経口的に投与される。最も好ましくは、組成物は、皮下的に投与される。
【0030】
概して、投与は、上述する型の感染性微生物、特に感染性細菌による感染に対する応答を提供するための防御目的に関するものである。組成物が投与される被験体は、防御免疫を有する必要のある任意の年齢の哺乳動物であり得る。本発明は、ヒトを処置するのに最も価値がある。例えば投与は、季節的な発生、感染の特定の発生に対する抵抗性を提供するためであってもよく、又は特に幼児に対する健康プログラムの一部であってもよい。本発明は、T細胞非依存性抗原、例えば多糖抗原に対する免疫応答が低減されたヒト幼児(例えば、2歳未満である)の処置に特に価値がある。
【0031】
本発明はさらに、組成物を投与する方法を提供する。
【0032】
本発明のさらに好ましい実施の形態は、特許請求の範囲で言及されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下の実施例は本発明を説明し、以下の図面を参照する。
実施例1
多糖の(ヒトにおいて)認可されている多糖ワクチン送達と比較した場合のリポソーム多糖ワクチンに対するマウスにおける抗多糖反応の実証。
実験の詳細:
以下のリポソーム配合物(ID1〜ID6)を、従来の脂質被膜乾燥/MLVへの水和/小さな単層小胞(SUV)への超音波処理/DRVプロセス(国際公開特許第WO9965465号)を使用し調製した(表1)。DRVプロセスに先立ってSUV段階でSUV及び封入されるべき材料(複数可)に、スクロース(3倍脂質質量)を添加して、DRV段階後に形成される生じるリポソームのサイズを小さくした。光子相関分光法によるDRVの平均直径は約500nmである。
【0034】
【表1】

【0035】
材料の詳細:脂質材料である卵PC(EPC、純度98%、Lipoid)及び水素化ダイズPC(SPC−3、純度98%、Lipoid)は、Lipoid GmbHから入手した。ジオレオイルオキシホスファチジルエタノールアミン(DOPE)(Avanti製品番号:850725)は、Avanti(登録商標)Polar Lipidsから入手し、1,2−ジオレオイルオキシ−3−トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)は、Merck Chemicals Ltd.から入手した。インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型の精製ポリリボースリビトールリン酸莢膜多糖(PRP−PS)及び破傷風トキソイド材料は、the Serum Institute of India(SII)から入手した。また封入効率を試験した。ID1に関するPS及びタンパク質の両方についての効率は、およそ90%以上であった。ID4に関する両方の材料についての効率はおよそ70%であった。
【0036】
表1におけるコレステロールを有さないEPC配合物を、マウスにおける多糖抗原に対する抗体反応を誘導するそれらの能力に関して試験した。マウス(CD−1)に、投薬直前に混合されるa)配合物ID1又はb)配合物ID2及びID3を皮下的に一度投薬した。ヒトにおける抗PRP(PS)抗体の防御レベルの誘導用の認可されているワクチン製品であるAct−Hib(登録商標)(破傷風トキソイドタンパク質に共有結合されているインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型の精製ポリリボースリビトールリン酸莢膜多糖(PRP)のワクチン)を比較用陽性対照として使用した。用量は全て、投与されるPRP(PS)及びTTの用量に関して標準化されそれぞれ2μg及び4μgであった。
【0037】
結果を図1に示す。
コメント
a)ID1、b)ID2及びID3、並びにAct−Hib(登録商標)による免疫化後に生成される抗PS(PRP)抗体の結果は、
a)同じリポソーム小胞で同時送達されるTT及びPS(PRP)(ID1)配合物は、同じ材料TT及びPS(PRP)用量であるが、別個のリポソーム小胞で投与されるもの(それぞれID2及びID3)よりも高い抗体反応を生じること、並びに
b)同じリポソーム小胞で同時送達されるTT及びPS(PRP)(ID1)配合物は、タンパク質多糖結合体ワクチン(Act−Hib(登録商標))の形態で投与される同じ材料TT及びPS(PRP)用量よりも高い抗体反応を生じること、
を明らかに示している。
【0038】
表1におけるコレステロールを有するダイズPC配合物を、マウスにおける多糖抗原に対する抗体反応を誘導するそれらの能力に関して試験した。マウス(CD−1)に、投薬直前に混合されるa)配合物ID4又はb)配合物ID1を皮下的に一度投薬した。ヒトにおける抗PRP(PS)抗体の防御レベルの誘導用の認可されているワクチン製品であるAct−Hib(登録商標)(破傷風(トキソイド)タンパク質に共有結合されているインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型の精製ポリリボースリビトールリン酸莢膜多糖(PRP)のワクチン)を比較用陽性対照として使用した。用量は全て、投与されるPRP(PS)及びTTの用量に関して標準化されそれぞれ2及び4mであった。
【0039】
結果を図2に示す。
コメント
a)ID4、b)ID1、及びAct−Hib(登録商標)による免疫化後に生成される抗PS(PRP)抗体の結果は、
a)同じリポソーム小胞で同時送達されるTT及びPS(PRP)(ID3)配合物(コレステロールを有する)は、タンパク質多糖結合体ワクチン(Act−Hib(登録商標))の形態で投与される同じ材料TT及びPS(PRP)用量よりも高い抗体反応を生じること、並びに
b)同じリポソーム小胞で同時送達されるTT及びPS(PRP)(ID4)配合物(コレステロールを有する)は、コレステロールを有さないリポソーム配合物(ID1)で投与される同じ材料TT及びPS(PRP)用量よりも高い抗体反応を生じること、
を明らかに示している。
実施例2
リポソーム内に同時封入された肺炎球菌多糖及びタンパク質ジフテリア毒素(197)CRM突然変異体を含む単一血清型リポソーム組成物のブレンド(多価)の免疫化後のマウスにおける多価抗肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)多糖血清IgG反応の実証。
実験の詳細:
以下のリポソーム配合物(ID7〜ID20)を、従来の脂質被膜乾燥/MLVへの水和/SUVへの超音波処理/DRVプロセス(即ち、実施例1と同様)を使用し調製した(表2)。DRVプロセスに先立ってSUV段階でSUV及び封入されるべき材料(複数可)に、スクロース(3倍脂質質量)(SUV)を添加して、DRV段階後に形成される生じるリポソームのサイズを小さくした。
【0040】
各配合物(ID7〜ID20)は、リポソーム内にタンパク質ジフテリア毒素CRM197突然変異体とともに同時封入された個々の肺炎球菌多糖血清型から成っている。ジフテリア毒素の突然変異形態は、Uchida, Jr., T., Pappenheimer, Jr., A.M., Greany, R., (1973) J. Biol. Chem. 248, 3838-3844及びUchida, Jr., T., Pappenheimer, Jr., A.M., Harper, A. A., (1973) J. Biol. Chem. B 248, 3845-3850として記載されており、単離された。CRM197は、A鎖中に損傷を含有する無毒性DT突然変異体であり、ADPリボシル化を阻止する。CRMは、構造遺伝子における塩基変化に起因しグリシンに代わるグルタミン酸の置換をもたらす。CRMは、酵素活性を示さない一方で、CRMは、ジフテリア毒素と免疫学的に同じである。(Pappenheimer, Jr., A.M., Uchida, T. and Harper, A.A. (1972) Immunochem. 9, 891-906)。
【0041】
CRM197は、ジフテリアトキソイドに類似している。CRM197は、特異的に架橋されていないホルムアルデヒド処理した毒素(トキソイド)と対比して明確に規定されたタンパク質である。SDSゲルゲル上で、CRM197タンパク質は、およそ分子量63000ダルトンの単一主要バンドとして移動する。
【0042】
【表2】

【0043】
材料の詳細:使用される脂質材料は、卵PC(EPC、純度98%、Lipiod)及びコレステロール(Sigma)であった。American Type Culture Collection(ATCC)材料と同等の肺炎球菌莢膜多糖(Pn PS)及びジフテリア毒素CRM197タンパク質は、the Serum Institute of India Limited(SIIL)から入手した。
【0044】
リポソーム単一PS封入配合物(ID7〜ID20)は、個々に再水和させ(DRVプロセス)、一緒にプールし多価配合物を作製した直後に、5匹のCD1マウス(雌)に皮下注射により免疫化した。多価ワクチンの用量は、肺炎球菌多糖6μg及びジフテリア毒素CRM197タンパク質1.5μg及び脂質0.559mgを含有する14個の一価配合物の等価体を含有していた。したがって、マウスに投与される多価(14個の血清型)ワクチンは、総計で肺炎球菌多糖84μg及びジフテリア毒素CRM197タンパク質21μg及び脂質7.81mgを含有する。
【0045】
総計2回の免疫化用量を21日隔ててマウスに施し、さらに第1の免疫化用量前及び第2の用量の14日後に、表在尾静脈サンプリングにより血清サンプルをマウスから採取した。
【0046】
得られたマウス血清サンプルを、多検体蛍光検出(Luminex)により肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)抗体であるIgG(7つの血清型:4、6B、9V、14、18C(33F反応を検出する)、19F及び23F)のいくつかに対してアッセイした。この研究は、the National Institute for Biological Standards and Control(NIBSC)で実施した。他の血清型に関しては、キットは入手不可能であり、そのため反応を測定しなかった。
【0047】
Luminexの多検体蛍光検出は、2つの異なる蛍光体で内部標識した微視的ビーズ(ミクロスフェア)に基づく。635nmレーザにより励起されると、蛍光体は、異なる波長、即ち658nm及び712nmで発光する。658/712発光比を変更させることにより、一連の最大100個の異なる蛍光プロフィール(分類と呼ばれる)を創出することができる。精密流体素子、デジタルシグナルプロセッサ及び高度光学素子を使用し、Luminex100アナライザを、その予め定義した分類に従って各ミクロスフェアに帰属させる。したがって、多重ビーズ分類は、単一のサンプルにおいて組み合わせることができる。用いられるアッセイでは、個々の肺炎球菌多糖血清型はそれぞれ、特有の分類を伴うミクロスフェアに共有結合される。アッセイ手順中、種々の肺炎球菌多糖血清型ミクロスフェアは全て、試験マウスサンプルの単一希釈物と組み合わせられる。マウスサンプル中の抗体は、ミクロスフェア上の肺炎球菌多糖抗原に結合する。ミクロスフェアに結合された抗体の量は、フィコエリトリンに結合された抗マウスIgGにより測定される。532nmで励起されると、フィコエリトリンは575nmで発光する。575nmでの蛍光強度は、ミクロスフェアに結合された抗体の量に正比例する。検体特異性及びアレイでの各ビーズ分類の位置が既知であるため、単一の蛍光レポーター分子を使用し、試験される全ての血清型に対する特異的抗体レベルを算出することができる(多糖ビーズ結合体で表される)。
結果:
図3は、多検体蛍光検出による算出肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)抗体であるマウスIgG(血清型特異反応:4、6B、9V、14、18C(図3を参照、33F反応を検出する)、19F及び23F)を示す。棒は、投薬した5匹のマウスの平均反応を表し、誤差棒は、標準偏差であり、白抜き棒は、マウスの免疫化前のバックグラウンド反応である一方で、黒塗り棒は、免疫化スケジュール後の反応である。
コメント
試験した7つの血清型全てに対する平均反応は、リポソーム内に同時封入された肺炎球菌多糖及びタンパク質ジフテリア毒素(197)CRM突然変異体を含む単一血清型リポソーム組成物のブレンド(多価)による免疫化後に上昇した。免疫化前の反応に対する免疫化後の反応の増加は、それぞれ血清型4、6B、9V、14、33F、19F及び23F倍に関して、1.8、6.3、1.4、1.5、2.5、5.3及び3.6倍であった。
【0048】
したがって、記載する組成物は、リポソーム内に同時封入された肺炎球菌多糖及びタンパク質ジフテリア毒素(197)CRM突然変異体を含む単一血清型リポソーム組成物のブレンド(多価)による免疫化後にマウスにおいて多価肺炎球菌多糖抗原に対する抗体反応を惹起させる能力を明示している。
実施例3
肺炎球菌多糖ワクチン(ニューモバックス(Pneumovax))ブーストを伴う、リポソーム内に同時封入された肺炎球菌多糖及びタンパク質ジフテリア毒素(197)CRM突然変異体を含む単一血清型リポソーム組成物のブレンド(多価)の免疫化後のマウスにおける生肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(チャレンジ)に対する防御効力の実証。
実験の詳細:
以下のリポソーム配合物(ID21〜ID34)を、従来の脂質被膜乾燥/MLVへの水和/SUVへの超音波処理/DRVプロセス(実施例1と同様)を使用し調製した(表3)。DRVプロセスに先立ってSUV段階でSUV及び封入されるべき材料(複数可)に、スクロース(3倍脂質質量)(SUV)を添加して、DRV段階後に形成される生じるリポソームのサイズを小さくした。
【0049】
各配合物(ID21〜ID34)は、リポソーム内にタンパク質ジフテリア毒素CRM197突然変異体とともに同時封入された個々の肺炎球菌多糖血清型から成っている。
【0050】
【表3】

【0051】
材料の詳細:
使用される脂質材料は、卵PC(EPC、純度98%、Lipoid)及びコレステロール(Sigma)であった。American Type Culture Collection(ATCC)材料と同等の肺炎球菌莢膜多糖(Pn PS)及びジフテリア毒素CRM197タンパク質は、the Serum Institute of India Limited(SIIL)から入手した。
【0052】
リポソーム単一PS封入配合物(ID21〜ID34)は個々に再水和させ(DRVプロセス)、一緒にプールし多価配合物を作製した直後に、10匹のBalb/Cマウス(雌)に皮下注射により免疫化した。多価ワクチンの用量は、肺炎球菌多糖0.2μg及びジフテリア毒素CRM197タンパク質0.48μg及び脂質0.138mgを含有する14個の一価配合物の等価体を含有していた。したがって、マウスに投与される多価(14個の血清型)ワクチンは、総計で肺炎球菌多糖2.8μg及びジフテリア毒素CRM197タンパク質6.72μg及び脂質1.935mgを含有する。
【0053】
マウスの2つの群を以下のように免疫化した。
【0054】
群1は、投薬間で14日間隔での単一血清型リポソーム組成物のブレンド(多価)の3回用量、続く最終のリポソーム配合物投薬の8週後に投与される肺炎球菌多糖ワクチン(ニューモバックス)ブーストにより免疫化した。
【0055】
投与されるニューモバックス用量は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)の23個の肺炎球菌型、即ち血清型(1 2 3 4 5 6B 7F 8 9N 9V 10A 11A 12F 14 15B 17F 18C 19F 19A 20 22F 23F&33F)由来の高度に精製された莢膜多糖の混合物から成る。各精製莢膜多糖血清型に対して投与される用量レベルは7.5μgであり、したがってニューモバックスの投与される総計多糖用量は172.5μgであった。
【0056】
群2は、投薬間で14日間隔での肺炎球菌多糖ワクチン(ニューモバックス)の3回用量、続く第3のニューモバックス投薬の8週後に投与される肺炎球菌多糖ワクチン(ニューモバックス)ブーストにより免疫化した。
【0057】
生肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)チャレンジを、最終投薬の4週後に全てのマウスに対して行った。簡潔に述べると、ウシブロス中に懸濁され、且つさらに4.0×10CFU/mlに希釈された5%ウマ血液寒天プレートからの新鮮なオーバーナイトコロニー(overnight colonies)から調製される肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)(血清型6B)懸濁液で、マウスを腹腔内でチャレンジした。
【0058】
マウスは、細菌チャレンジの投与後6日間観察しそれらの挙動及び臨床的徴候に基づいて以下のように0〜4にスコア付けした。
【0059】
スコア0: 健常
スコア1: 感染及び炎症の軽微な臨床的徴候、例えば苦痛及び疼痛の軽微な徴候の観察、活動の変化及び社会的離脱症状。
【0060】
スコア2: こわばった動き、好奇心の欠如、強制換気、体位の変化、皮膚における立毛又は動きの変化のような感染の重篤な徴候。
【0061】
スコア3: 重篤な疼痛、動物の苦しみを最低限に抑えるために、マウスを即座に犠牲にした。
【0062】
スコア4: マウスは死亡した。
結果:
生肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)チャレンジ後のマウスにおいて観察された反応の結果を表4及び表5に示す。
【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
コメント:
結果により、マウスは、肺炎球菌多糖ワクチン(ニューモバックス)単独による免疫化と比較して、肺炎多糖ワクチン(ニューモバックス)ブーストを伴う、リポソーム内に同時封入された肺炎球菌多糖及びタンパク質ジフテリア毒素(197)CRM突然変異体を含む単一血清型リポソーム組成物のブレンド(多価)の免疫化後に、生肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)チャレンジ(血清型6B)に対して良好に防御されることが実証される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、配合物ID1、ID2及びID3、並びにAct−Hib(コレステロール無し)を投与した場合のマウスの抗PS(PRP)抗体反応を示す(実施例1)。
【図2】図2は、配合物ID4、ID1、及びAct−Hib(コレステロールを有する)を投与した場合のマウスの抗PS(PRP)抗体反応を示す(実施例1)。
【図3】図3は、試験した7つの血清型に対する免疫化前及び後のIgG抗体反応を示す(実施例2)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の多糖抗原及び少なくとも1つのT細胞エピトープを有する無毒性タンパク質キャリアを含む多価リポソーム組成物であって、各多糖抗原が、タンパク質キャリアとともにリポソーム内に同時封入され、該リポソームが、少なくとも1つのリン脂質を含むリポソーム形成化合物から形成される、多価リポソーム組成物。
【請求項2】
各抗原が、リポソームの別個の集団に被包される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
幾つかの抗原が、前記集団の同じリポソーム中に同時被包される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
7〜23個の多糖抗原を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記多糖抗原がT細胞非依存性抗原である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記多糖抗原が感染性因子、好ましくは病原菌、好ましくはインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、大腸菌(E. coli)又はB群溶連菌(Group B Streptococcus)に由来する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗原が同じ細菌種に由来する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記多糖抗原が全体的イオン電荷を有さない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記タンパク質が、前記抗原に共有結合されていない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記タンパク質キャリアが、少なくとも35kDa、好ましくは少なくとも50kDa、より好ましくは75〜400kDaの範囲の分子量を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記タンパク質がオボアルブミン、破傷風トキソイド及びジフテリアトキソイドから選択され、好ましくは破傷風トキソイドである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
多糖抗原対タンパク質キャリアの比が6:1〜1:6である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
多糖抗原対タンパク質キャリアの比が4:1〜1:3の範囲内である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
単位投薬形態でタンパク質キャリア1〜30μgを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記リポソーム形成化合物が好ましくは総リポソーム形成化合物に基づいて少なくとも25モル%の量のコレステロールを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記リポソーム形成化合物が、組合せて全体的電荷を有さない、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記リポソーム形成化合物が、少なくとも1つの陽イオンに帯電した化合物を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記リン脂質が、必要に応じてホスファチジルエタノールアミンと組み合わせてホスファチジルコリンを含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が水性であり、且つ前記リポソームが連続水性媒質中に懸濁される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
乾燥形態、好ましくは粉末形態、好ましくは凍結乾燥粉末である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
1つ又は複数の糖をさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
医薬組成物であり、且つ薬学的に許容可能な希釈剤又は賦形剤を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも1つ、好ましくは各多糖抗原が前記リポソームの小胞内空間中に封入される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記タンパク質キャリアが前記小胞内空間中に封入される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記リポソームが、50〜700nmの範囲、好ましくは80〜500nmの範囲の平均直径を有する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
前記多糖抗原に対する免疫応答を誘発するための哺乳動物への投与用の組成物の製造における請求項1に記載のリポソームの使用。
【請求項27】
前記免疫応答が、前記多糖抗原に特異的なIgG、IgM又はIgA、好ましくはIgAの産生を包含する、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
前記組成物が皮下的に、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、鼻内に、吸入により、膣内に、口腔的に又は経口的に、好ましくは皮下的に投与される、請求項26又は27に記載の使用。
【請求項29】
前記組成物がタンパク質1〜30μgを含む単位投薬量で投与される、請求項26〜28のいずれか1項に記載の使用。
【請求項30】
前記免疫応答が、前記多糖抗原が由来する微生物、好ましくは細菌による感染に対する防御反応である、請求項26〜29のいずれか1項に記載の使用。
【請求項31】
前記哺乳動物がヒト、好ましくは幼児であり、より好ましくは2歳未満、例えば6ヶ月齢未満である、請求項26〜30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
請求項6に記載の組成物を哺乳動物被験体へ投与し、それにより細菌多糖抗原に対する免疫応答が誘発される、動物において免疫応答を誘発する方法。
【請求項33】
前記組成物が単位投薬量でタンパク質キャリア1〜30μgを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記免疫応答が前記多糖抗原に特異的なIgG抗体の惹起である、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
請求項1に記載のリポソーム組成物を形成する方法であって、(i)空のリポソームを2つ以上の多糖抗原及びタンパク質キャリアと混合すること、並びに(ii)工程(i)からの混合物を乾燥させること、を含む、リポソーム組成物を形成する方法。
【請求項36】
工程(ii)からの混合物を再水和させる工程(iii)をさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
空のリポソームの別個のアリコートが、各多糖抗原及びタンパク質キャリアと混合され、工程(iii)後に、該リポソーム懸濁液がブレンドされて、それにより多価抗原組成物を形成する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
工程(i)において、糖が、多糖抗原、タンパク質キャリア及びリポソームの前記混合物中に存在する、請求項35又は36に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−510032(P2009−510032A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532805(P2008−532805)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/066938
【国際公開番号】WO2007/039584
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(507042545)リポクセン テクノロジーズ リミテッド (15)
【Fターム(参考)】