多色光を発生するための光装置
本発明は多色光発生器を形成する光装置であって、第1周波数でポンプ放射を提供することのできるレーザ源と、少なくとも第1および第2領域を含むコアを有するマイクロ構造光ファイバとを含む光装置に関する。第1および第2領域は、ポンプ放射による非線形モード励起の場合に、ファイバが主としてポンプ放射ならびに4波混合非線形効果によるポンプ放射から得られる放射からなる多色光出力を提供するように位相整合を画定するよう構成されたそれぞれの化学組成を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多色光を発生するための光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単色放射は光ファイバ中で生成される非線形効果の作用によって多色光に変換することができる。現在のところは、ファイバの全体長さにわたる多数の微細孔を穿孔した、いわゆる「マイクロ構造」の光ファイバを用いるのが好ましい。断面で見ると、ファイバの中心ゾーンの周りにこれらの孔が幾何形状網目を形成している。
【0003】
ファイバ中で生成される非線形効果は、3次効果の中でも、4波混合(FWM)、自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)、または励起ラマン散乱(SRS)を含む。
【0004】
従来の非マイクロ構造光ファイバにおいて、これらの現象は、例えば周波数変換や光増幅など多くの方法で用いられてきた。
【0005】
その役割として、マイクロ構造ファイバは、従来の光ファイバよりもはるかに大きな閉じ込め、したがって高い非線形変換効率での光伝播を可能にする。これはマイクロ構造ファイバの非線形効果を探求している研究者達に大きな興味を抱かせることとなった。ファイバの幾何学的な構造を適用することによって、非線形効果発生のより良好な制御が可能になる。実際に、孔のサイズおよび網目の寸法を変更することによって効率曲線または屈折率プロファイルを調節することができる。この結果、ファイバの分光が調節される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、既存の応用例においては、有用なスペクトル帯域は制限され、効率的で単純でありかつ単一の4波混合を生成するためにパラメータ化できる装置はなかった。
【0007】
本発明はその課題の改善を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、第1周波数でポンプ放射を送達することのできるレーザ源とマイクロ構造の光ファイバとを含む多色光発生器を形成する光装置を提案する。
【0009】
ファイバのコアは少なくとも一つの第1および一つの第2領域を含み、それら第1および第2領域は、ポンプ放射による非線形動作における励起の場合、ファイバがその出口で主としてポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によるポンプ放射から引き出された放射からなる多色光を送達するように位相整合を画定するよう設計されたそれぞれの化学組成を有する。
【0010】
後の説明で明らかになるように、この装置は広い有用な帯域幅を有する変換収率について有益な性能を提供するので有利である。これに加えて、この装置はファイバを各用途の要件に適合させるための高い柔軟性を有する。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、例示としてかつ非限定的な役割として提供される各実施形態を取り上げた以下の説明を図面と併せ読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による装置の概要図である。
【図2】図1のマイクロ構造ファイバの3次元図である。
【図3】第1実施形態による図2のマイクロ構造ファイバの断面図である。
【図4a】図3の拡大図である。
【図4b】図4aに示したファイバのコアのドーピング分布を示す図である。
【図5】二つの電磁気固有モードについての図3に示したファイバの有効屈折率を示す図である。
【図6a】図5における二つの固有モードの1064nmでの径方向出力分布を示す図である。
【図6b】一横断面における図6aに示した一方の固有モードの出力分布をレベル線形式で示す図である。
【図6c】一横断面における図6aに示した他方の固有モードの出力分布をレベル線形式で示す図である。
【図7a】図5における固有モードのうち一つの固有モードの700nmでの径方向出力分布を示す図である。
【図7b】一横断面におけるこの出力分布をレベル線により示す図である。
【図8a】図5における固有モードのうち一つの固有モードの2250nmでの径方向出力分布を示す図である。
【図8b】一横断面におけるこの出力分布をレベル線により示す図である。
【図9】図3のファイバが用いられた図1の装置の出口で得られる実験的スペクトルを示す図である。
【図10】図3のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図11】図3のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図12】第1実施形態による理想的光ファイバによる断面図である。
【図13a】図12の拡大図である。
【図13b】図13aに示したファイバのコアでのドーピング分布を示す図である。
【図14】図12のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図15】図12のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図16】第2実施形態によるマイクロ構造ファイバによる断面図を示す図である。
【図17】図16のファイバが用いられた図1の装置の出口で得られる実験的スペクトルを示す図である。
【図18】本発明によるスペクトルスーパーコンティニュームを発生する装置の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の図面および説明は特定の型の要素を本質的に含む。しかし、それらは本発明の理解を助けるだけではなく、適用可能な場合、その定義に貢献することができる。
【0014】
さらに、詳細な説明は、本発明の範囲内で用いられるいくつかの数式を提供する付属資料Aで補足される。この付属資料は明瞭さのためおよび調査に役立つよう別途に提供される。この付属資料は本説明の一体的部分を形成するものであり、本発明の理解を助けるだけではなく、適用可能な場合にはその定義に貢献し得る。
【0015】
ファイバ中の非線形効果の相互作用は非常に複雑である。したがって、最初にいくつかの一般概念について要約するのが適切である。
【0016】
周波数および波長
放射は、従来、その波長λ、すなわち波が光の速度cで所定時間に移動する距離によって特徴付けられている。波長は、式λ=c/fで周波数fと関係付けられることが知られている。その一部として、角周波数またはパルスωは、数式ω=2πfによって周波数fと関係付けられる。以下では、同じ放射を形容するためにλ、ω、またはfを参照する。
【0017】
4波混合
4波混合は屈折率の修正に関連しており、その屈折率自体が、強い電磁場の効果の下での材料の電子的応答に関係があるものである。より正確には、4波混合効果は、異なる周波数を持つ4つの電磁波間でのエネルギーの伝達である。原理的に、二つの条件を満足しなければならない。
【0018】
第1の条件はエネルギー保存であり、相互作用する4つの波の周波数は正確な等式を満足しなければならない。
【0019】
第2の条件は「モーメントの保存」として知られ、4つの相互作用する波の波動ベクトルは正確な等式、いわゆる位相整合等式を満足しなければならない。
【0020】
4波混合の形態には主に2つの場合がある。
【0021】
第1の場合、周波数がそれぞれω1、ω2、ω3の3つの波はそのエネルギーを周波数ω4=ω1+ω2+ω3の第4の周波数に伝達する。これはω1=ω2=ω3のとき、3次高調波を発生することによって行うことができ、これはω1=ω2≠ω3のとき周波数ω4=2ω1+ω3に変換することによって行うことができる。しかし、この場合、光ファイバ中で少なくともいくらかの効率を伴って位相整合の条件を満足するのは困難である。
【0022】
第2の場合は、周波数がそれぞれω1とω2の二つの波が、周波数がそれぞれω3とω4の二つの他の波にω3+ω4=ω1+ω2となるように同時にそのエネルギーを伝達するものである。この等式は4波混合中のエネルギー保存を表わす。この種の4波混合の位相整合の条件はΔβ=0であり、ここで、Δβは式[1]で与えられ、式中、cは真空中の光の速度であり、βj=njωj/cは波動ベクトルの係数を表わし、njは周波数ωj(j=1、2、3、4)での波の有効屈折率である。
【0023】
ここで、4波混合を部分的に縮退すること、すなわちω1=ω2にすることを考える。位相整合等式は、次に、付属資料Aの式[2]によって表現される。
【0024】
物理的に、周波数ω1を有する強いポンプ波は、ポンプ周波数の両側に対称的に位置する周波数ω3およびω4の二つの新しい波を生成し、角周波数偏差Ω(ここでω3<ω4)は付属資料Aの式[3]に従って書かれる。
【0025】
従来、低い周波数、この場合ω3で発生された波は一般にストークス波と呼ばれ、より高い周波数、この場合ω4の波は、非ストークス波と呼ばれる。位相整合等式はしたがって付属資料Aの式[4]の形に書き直され、ここで指標文字「S」、「A」および「P」はそれぞれストーク波、非ストーク波およびポンプ波を指し、指標「P1」および「P2」はポンプ波に関係する二つの特別なモードを指す。
【0026】
マイクロ構造ファイバの幾何学的パラメータ(孔のサイズおよび網目サイズ)は有効屈折率nj(j=1、2、3、4)の値に影響を与える。これらの幾何学的パラメータを修正することによって、所与の用途に適した周波数偏差を得るための位相整合条件を調節することができる。
【0027】
しかし、最適の幾何学的パラメータを決定することはファイバを設計するレベルにおいて長く困難な仕事である。さらに、マイクロ構造のファイバを製造するための既知の技術においては、幾何学的パラメータの選択の柔軟性がかなり制限されている。
【0028】
この結果マイクロ構造ファイバにおける4波混合の役割の監視が困難になる。
【0029】
固有モード
マイクロ構造光ファイバは多重モードファイバとすることができる。すなわちそれらは偏光特性とファイバ中の電磁場の横断方向分布とが異なるいくつかの電磁気固有モードを含むことができる。
【0030】
したがって、放射は多重モードファイバ中に導かれるとき、その断面の表面全体に広がる出力分布に従って伝播せず、逆に力のピークがファイバの異なる領域に位置する、異なる横断方向モードに従って分布する傾向がある。
【0031】
したがって、多重モード光ファイバにおいて、最初にHE11xおよびHE11yと呼ばれる少なくとも二つの電磁気モードについて考察する。それらは一般に、光ファイバ中に画定することのできるそれぞれ二つの対角線偏光軸に対応するLP01xおよびLP01yと呼ばれる線形偏光モード(LP)に例えられる。
【0032】
次の一つのことに留意すべきである。LP01モードはポンプ波長P、非ストークス波長Aおよび/またはストークス波長Sに存在することができる。これらのモードは異なる。
【0033】
また、TE01、HE21x、HE21yおよびTM01と呼ばれる4つの他の電磁気モードについて考察することができる。それらは一般に、光ファイバの横断方向面に垂直な二つの方向の一つで場が相殺されるという追加の条件で、光ファイバの二つの偏光軸に対応する線形偏光モードLP11xおよびLP11yに例えられる。
【0034】
このように定義された物理的原理は、本発明による装置の以下の説明を理解するのを容易にする。
【0035】
図1は多色光を発生するための光装置2の第1実施形態を示す。図1は第1の波長λ1で光放射を光ファイバ6中に供給する放射源4を含む。
【0036】
ここで説明される実施形態において、放射源4は、Nd:YAGチップを備えるレーザであり、平均出力約100mWを有し、1ns程度のパルス時間で1064nmのパルスを放射する。後述するように、多色放射は光ファイバ6の出口で得られる。
【0037】
図2は光ファイバ6のプロファイルの三次元図である。この図は走査電子顕微鏡を用いて得られた。図3は同じファイバの断面図である。
【0038】
本発明は、コアが個別の屈折率を有する二つの異なる領域を有するマイクロ構造ファイバから開始する。
【0039】
図3〜11はマイクロ構造光ファイバ6の第1実施形態を示す。次に、図12〜15は光ファイバ6の第1実施形態の変形例を示す。
【0040】
図3の断面から分かるように、光ファイバ6はシース8の部分を形成するマイクロ構造ゾーン10によって取り囲まれるコア14を含む。
【0041】
ゾーン10は光ファイバ6に沿って延びる多数の実質的に円形の空気チャンネル12(円形基底を備える円筒)を含む。
【0042】
光ファイバ6はゾーン10の中央にコア14を有する。コア14は第1領域16および第2領域18を含む。第1領域16(図4aの16Aおよび16B)は最も中央にある。第1領域16は実質的に円形の断面を有する。第2領域18は第1領域の周囲に位置し、形状は環状であり、その内径は実質的に領域16の半径であり、外径は実質的にコア14の半径である。
【0043】
領域のそれぞれの化学組成を調節することによって特に満足できる4波混合を得ることができる。
【0044】
図3〜11に示した実施形態において、チャンネル12は約4.5μmの平均直径を有する。各チャンネルの中心間の間隔は平均約5.5μmである。
【0045】
チャンネル12の平均直径は3〜10μm、好ましくは5〜8μm、最も好ましくは4〜6μmの範囲から選択することもできる。
【0046】
コア14はゲルマニウムにより非常に高くドーピングされる。そのサイズはチャンネル12のものと同等、すなわち実質的に円形でこの場合直径は約4.5μmである。
【0047】
図4bは図4aに対応するコア14の断面のドーピングプロファイルを示す。図4bでは、実線20はコア14の中心点からの距離に応じたゲルマニウムドーピングレベルを表わす。点線22は線20の線セグメントによる近似値である。この線22は図5〜10の基礎となる。実際に、線22は実際のプロファイル20の忠実な近似値を構成し、これらの図5〜10を作成するための計算回数を改善することができる。
【0048】
図4aおよび4bにおいて、コア14中に内側から外側に向かって3つの同心状ゾーンA、B、およびCを認めることができる。第1のゾーンAにおいて、ゲルマニウムのモルパーセントは76%程度である。これは純粋シリカに対して1064nmで0.055程度の屈折率の差を生じる。ここで、この第2ゾーンBは約12.5パーセントのゲルマニウムのモルパーセントに相当する短い平坦域で開始し、純粋シリカと比較して1064nmで0.02程度の屈折率の差を生じ、次にゲルマニウムのモルパーセントは実質上ゼロに向かって線形に減少する。最終的に、このゾーンBに第3のゾーンCが続き、第3のゾーンCではゲルマニウムのモルパーセントは無視できる程度であり、実質的に屈折率の差はゼロである。
【0049】
ゾーンAの形状は実質的にコア14の中心を中心とする円形である。その直径はこの場合約0.75nmである。ゾーンBは実質的に環状であり、ゾーンAの周辺部と実質的に円形である直径約2.25nmのゾーンB自体の周辺部との間に延伸している。ゾーンCも実質的に環状でありコア14の残りを含んでいる。
【0050】
領域16は第1ゾーンAからなる。第2領域18はゾーンCからなる。ゾーンBは領域16(16B、図4a)の一部と考えることができ、またはこれらの領域16と18の間の遷移ゾーンと考えることができる。実際には、このゾーンBはできるだけ狭く造るべきであり、あるいはまったく存在すべきではない。ゾーンBが存在するのは、ドーピングにおける完璧に急峻な変化が現在のところ少なくとも経済的に実現可能な方法で達成することが不可能なためである。
【0051】
ゾーンの「屈折率の差」とは、このゾーンの屈折率とドーピングを行わないシリカ(さらに一般的にはコアの基本材料)の屈折率の間の差を意味する。
【0052】
第1領域16において、屈折率の差Δn、この場合0.055は非常に高い。第2領域18において、ゲルマニウムの濃度は大きく低減され、屈折率の差Δnは約0〜0.2となる。
【0053】
コア14に非常に異なる化学特性を有する二つの領域を備えるこの特別な構造を導入することにより、本出願人が習得に成功した非常に興味深い効果が生まれる。
【0054】
図4において、コア14は断面において二つの領域16A(ゾーンA)および18(ゾーンC)を有し、二つの領域16Aと18の間には環状の境界16B(ゾーンB)がある。ここで、境界16Bは0.5μm程度の厚さを有する。境界16Bは0〜12.5パーセントのゲルマニウムドーピングの含有量を有し、0.00〜0.02のΔnに相当する。
【0055】
図5〜8は図4bの線22による横断方向プロファイルの近似に基づくシミュレーションの結果を示す。
【0056】
図5は、波長に応じた、モードLP01(連続線)およびLP11(点線)についてのファイバ6の有効屈折率の展開を示す。これらのモードの有効屈折率の間の差は波長が増加すると増加する。ポンプ波長(この場合1064nm)で、この差は0.02程度である。一つの比較例として、従来のドーピングしないマイクロ構造ファイバにおいては、有効屈折率間の差は1064nmで約2倍小さい。
【0057】
モードLP01およびLP11は各波長で異なることに留意すべきである。
【0058】
図6〜8は、選択された各波長について、ファイバ6中の出力分布の図、ならびに図4aの図に準じたレベル線形式の対応する図を示す。
【0059】
図6a、6bおよび6cはファイバ6中の断面における出力分布を示す。これらの図は1064nmでの光ファイバ6の励起に対応する。
【0060】
図6aは光の正規化された強度の横断方向分布を示し、一方はモードLP01(連続線)、他方はモードLP11(点線)である。図6aのグラフは、横座標上にコア14の中心からの考慮中の点の距離、および縦座標上に同じ点での正規化された強度の値を含む。正規化された強度とは、考慮中の点に伝達された光の強度とこの波長で伝達された光の最大強度の間の割合を意味する。
【0061】
図6bもモードLP01について光の正規化された強度の横断方向分布を示す。しかし、この表示は、正規化された強度を0.1超える段階の断面におけるレベル曲線で行われている。図6cは図6bと同じように定義されるが、モードLP11(図6aの点線)について示している。また、図6bおよび6cも点線の形の直線を含み、これは図6aの二つの曲線が取られた平面を示す。
【0062】
図6aは、モードLP01およびLP11が、有効な4波混合を可能にする実質的に重なり合うゾーンを有することを示す。実際に、提案された装置の基礎を形成する主な相互作用が行われるのは1064nm、すなわちポンプ放射の波長である。
【0063】
図6bにおいて、モードLP01はコア14の中心に最大強度を有する。分布は全体的にほぼ中心に置かれている。モードLP01の放射の大部分は、実質的に第1領域16Aおよび境界16Bに対応する一つのゾーンに位置する。
【0064】
図6cにおいて、モードLP11はコア14の中心の両側に実質的に図6bの点線上に整列された二つのローブを有する。ここで、各ローブはピークを有し、コア14の中心からそのピークまでの距離は約1μmである。したがって、モードLP11における放射の大部分は、実質的に第2領域18と境界16Bに相当する一つのゾーン中にある。
【0065】
簡単に言えば、図6a、6b、6cの図は、モードLP01が主としてファイバの中心に存在し、モードLP11は主として分離している二つのローブに存在することを示している。これらの図もまた、本明細書で提案されている有効な4波混合の基となる1064nmでの二つの固有モードの重なり合いを示す。
【0066】
式[4]がドーピングに関連する貢献を説明するために書き換えできることを特記した。ドーピングは式[4]に関する有効屈折率の選択的修正によって表わされる。ドーピングされたゾーン中に伝播する波AおよびP1の有効屈折率はδだけ増加する。ドーピングされたゾーンと重なり合わないモードSおよびP2の有効屈折率は変化しないままである。したがって、位相整合式[4]は付属資料Aの式[5]の形に書き換えられる。
【0067】
ωpについてβjのテーラー級数展開を行うことによって、付属資料Aの式[6]および[7]が得られる。
【0068】
位相整合式に代入することによって、付属資料Aの式[8]による周波数差の式が得られる。
【0069】
式[8]は、ドーピングされた領域の特性(ドーピングゾーンのドーピングレベルおよび半径)に直接結び付く値δを増減することによって周波数の差を調節できることを示す。
【0070】
本出願人は、このようにして、その周波数等価が通常得られる数十THzではなく100THzより大きい差の変数Ωの値を得ることができることを観察した。
【0071】
検討中の特定の例において、図4b(線22)の屈折率図からのこの式の解はλS=2250nmおよびλA=700nmが得られる。
【0072】
ここで、光ファイバの700nm(非ストークス波長)での励起を考察する。これは、図6aおよび6bに類似しているがモードLP01にのみ関連する図7aおよび7bに相当する。実際に、検討中の光ファイバ6の場合、装置2から発せられた放射は波長700nmでこのモードLP01から進行する。さらに、図7bの点線は図7aの線グラフを引いた方向を示す。前例と同様に、図7bに示される各レベル線は0.1の正規化された強度レベルに相当する。
【0073】
ここで、最大光強度はコア14の中心で見出される。したがって、モードLP01は波長700nmで主にファイバの中心で活性である。放射は、図7aから明らかなように、実質的に第1領域16に相当する一つのゾーンのみにほとんど存在する。
【0074】
ここで、2250nm(ストークス波長)での光ファイバの励起を考察する。これは、またも図6aおよび6bに類似した図8aおよび8bに相当する。図では、この波長で装置2によって発せられる放射を決定するモードなので、モードLP11のみが示される。図8bの点線は図8aの線グラフを引いた方向を示す。ここでもまた、図8bに示される各レベル線は0.1の正規化された強度レベルに相当する。
【0075】
ここで、横断方向の強度プロファイルは図6cの二つのローブの外観を有する。強度ピークは各ローブの中心に見出され、コア14の中心から約1μmである。したがって、モードLP11の強度は主に二つのローブ上に分布し、波長2250nmでファイバの中心で相殺される。大部分の放射が見出される二つのゾーンは事実上第2領域18中に含まれるが、これは図8bでさらに明瞭に表される。
【0076】
図6〜8およびその説明から、
−1064nmでのファイバのプロファイルはモードLP01とLP11の間で有効な4波混合を可能にすること、
−この混合は、ファイバの屈折率プロファイルと組み合わされて、ポンプ波長から遠く離れたストークスおよび非ストークス波の発生を可能にすること、および
−この混合は、ファイバの屈折率プロファイルと組み合わされて、ストークスおよび非ストークス波の波長に対して横断方向のモードを選択することも可能にすることが明らかである。
【0077】
図9は、図3のファイバを用いて、図1の装置の出口で得られる実際の実験スペクトルを示す。この図から、意図された4波混合を装置が優れた収率で生成することが確認される。ポンプ波長の光強度とストークス波長の光強度の間の差は7dBのみである。この差は非ストークス波長については12dBである。
【0078】
このスペクトルは、非ストークス波長(700nm)のレベルで、放射がこの波長に高く集中していること、すなわち光線が狭い基底(約20nm)で700nmに中心を置くことが観察されることを示す。
【0079】
ポンプ波長(1064nm)で主要光線は1064nmで観察され、高い波長に向かってそれぞれ4つの光線が1130nm、1180nm、1250nm、および1300nmで観察される。また、低い波長に向かってそれぞれ970nm、および1020nmで二つの光線が観察される。
【0080】
ポンプ波長nmの両側の光線は非常に狭く(それぞれの基底で30nm〜50nm)、誘導されたラマン発光に相当する。1130nmの光線および1180nmの光線だけが高い強度を有し、1064nmでの強度に比べてそれぞれ約8dBと15dBの光強度の差を有する。
【0081】
最終的に、ストークス波長(2250nm)でピークが観察され、このピークは高い波長に向かって非常に急峻であり(2300nmで−50dBに達する)、低い波長に向かっては強度レベル約−43dBで拡がりを見せる。
【0082】
上で説明した様々な光線とは別に見出された強度レベルは−50dBより低く、これは無視できるものとみなされる。
【0083】
したがって、このスペクトルはポンプ放射のエネルギーの大部分が4波混合によって700nm、1064nm、および2250nmの放射に変換されることを示す。
【0084】
ポンプ、ストークスおよび非ストークス波長における光線以外に実質的に光線がないという事実は、4波混合がほとんど唯一の発現される非線形効果であることを示す。
【0085】
本出願人はこのようにして、ポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された放射から主として形成された多色光を生成した。
【0086】
図4bの線22によるファイバのプロファイルから出発して、本出願人によるさらなる研究が行われた。図10および11はこれらの研究の結果を示す。
【0087】
図10において、光ファイバの全般的な寸法は図3を参照して上に説明したものを基本に固体されている。第1領域16の半径は0.375μmに固定されている。図10の図は、第1領域16のゲルマニウムのモル分率で達成することのできる位相整合を横座標上で示す。縦座標上で、波長(nm)は左側に見出され、位相整合を達成することのできる周波数(THz)は右側に示される。
【0088】
図は、本明細書で想定されたモード構成では約23%未満のモル分率で位相整合が不可能であることを示す。これは図の左側の水平線(λ=1064nm)によって示されるものである。
【0089】
23%を超えると、位相整合が可能になる。ストークスおよび非ストークス波の周波数を得るために、縦ラインは望ましいモル分率に引かなければならない。この線と一つまたは複数の曲線との交差点から、一つまたは複数の位相整合の周波数および波長が得られる。
【0090】
モル分率が増加すると、ストークスおよび非ストークス波長は次第にさらにポンプ波長から離れ、すなわち4波混合の周波数の差(または「周波数差」)は増加する。
【0091】
図10の縦線によって表わされるモル分率が36%である特別な場合を考えると、2250nmのストークス波長および700nmの非ストークス波長で位相整合が見出され、周波数差は146THzである。
【0092】
効果は約23%で始まる。例えば、28%で始まると、1650nmのストークス波長および800nmの非ストークス波長で位相整合があり、周波数差は97THzであることが観察される。
【0093】
次いで、周波数差は非常に急速に増加し、示された最大周波数距離がモル分率38%で得られ、その位相整合は2400nmのストークス波長および680nmの非ストークス波長で観察され、周波数差は157THzである。
【0094】
したがって、この図によって示されるモル分率によって、(97THz;157THz)の範囲内の周波数距離を得ることが可能になる。
【0095】
図11の場合において、光ファイバの全般的な寸法は図3を参照して上に説明したものを基本に固定されている。このとき、第1領域16におけるゲルマニウムのモル分率は36%に固定されており、一方横軸は第1領域16の半径を示す。この図11のグラフは半径に応じて一定のドーピングで達成することのできる位相整合を示している。
【0096】
前例のように、第1領域16の半径が約0.2μm未満の場合においては、本明細書で想定されたモード構成(図の左側の水平直線)において位相整合は不可能である。これを超えると、望ましい半径から出発する縦線を描くことによって、ストークスおよび非ストークス波周波数が前例のように得られる。
【0097】
このように、0.2μmを超えると、ストークスおよび非ストークス波長はポンプ波長から次第にさらに離れ、すなわち半径の増加に伴って4波混合の周波数差が増加する。
【0098】
また、本出願人は、その物理特性が実際には達成困難な完璧な幾何形状である理想的な光ファイバの場合を研究した。ここで、それぞれ図3、4、10、および11に類似している図12、13、14、および15を参照して説明する。
【0099】
図12、13aおよび13bにおいて、チャンネル12は完璧な円形であり一定の直径を有している。さらに、図13bに示すように、ドーピングは完璧であると想定し、したがって図4におけるゾーンBは省略されている。
【0100】
図14および15は図10および11のものに類似した位相整合の図であるが、図13bの理想プロファイルについての図である。比較すると、ファイバ6の幾何学的により正確な構造によって、そのコアに必要とされるゲルマニウムの量を低減可能であることが分かる。実際に、
−同じ半径で、混合における周波数差は図14のドーピングレベルで図10よりも急速に増加し、
−同じドーピングレベルで、混合における周波数差は図15の半径で図11より急速に増加する。
【0101】
指摘したように、図12、13、14、および15の実施形態において、コアの屈折率の差は単純にファイバのコアの中心領域をドーピングすることによって得られるであろう。周辺領域は実質的に純粋シリカから作られる。
【0102】
ここで代替の実施形態を考察する。
【0103】
このドーピングはゲルマニウムで行われるが、リン、フッ素、ホウ素、ビスマス、クロム、1種以上の希土類、またはこれらのドーピング剤の2種以上の混合物など、他のドーピング剤でも行うことができる。
【0104】
さらに、屈折率の差は二つの領域の異なるドーピングによって得ることができよう。したがって、これらの二つの領域は、異なるドーピング剤またはドーピング剤の異なる混合物から得られた個別の組成を有する。
【0105】
最終的に、第1および第2領域のドーピングはそれらが負の屈折率の差を有するように行うことができる。このようにしてストークス波長での放射はモードLP01で得られ、非ストークス波長での放射はモードLP11で得られるであろう。
【0106】
これまでの説明において、屈折率の差は同じ基材のドーピングを調節することによって得られる。一変形例として、または追加として、異なる基材を用いることができる。
【0107】
したがって、他の実施形態によれば、シリカ、カルコゲニド、フッ素化ガラス、アンチモン酸化物、ケイ酸塩、鉛のホウ酸塩またはホウケイ酸塩、ビスマス、ランタン、アルミニウムまたはランタン−アルミニウムの中から選択された二つの各々異なるガラス質材料を二つの領域に用いることによって、前に説明したものと類似の効果を得ることができる。この場合、光ファイバの残りの部分も同じ群から選択された一つ以上の材料から作ることができる。
【0108】
ここで、図2に類似の図であるが光ファイバ6の他の実施形態についての図16を参照する。図2のように、この図16は走査電子顕微鏡によって得られた。
【0109】
ここで、屈折率の差は、最早、光ファイバのコアの異なるドーピングによって得られたものではない。コア14の二つの領域は異なる材料から作られる。
【0110】
このように、コア14の中心領域は、70モル%のSiO2酸化物、20モル%のAl2O3酸化物、および10モル%のLa2O3酸化物からなるランタン−アルミニウムケイ酸塩から作られ、第2領域はファイバの残りの部分と同じく純粋シリカから作られる。
【0111】
この実施形態において、本発明は第1実施形態のものと同じ原理に基づく。
【0112】
ここで、4波混合は、最早、ポンプを用いる二つの電磁気的な固有モードの励起に基づくものではなく、720nm、1064nmおよび2090nmの異なる固有モードがファイバの中心で重なり合うという事実に基づいている。モードLP01(例えば)は、ポンプ波長P、非ストークス波長Aおよび/またはストークス波長Sについて存在することができることを思い起こすべきである。これらのモードは異なっており、したがって、コア14の中心領域との重なり合いが異なる。
【0113】
4波混合は、1064nmでの固有モードLP01からの二つのフォトンと、それぞれ720nmでのモードLP01および2090nmでの同一モードとの相互作用によって行われる。
【0114】
本実施例において、図16のファイバは約160μmの全径、直径約85μmのマイクロ構造ゾーン、直径約4.5μmのコア、およびその中心が8.4μmの距離だけ離れた平均直径8μmの空気チャンネルを有する。
【0115】
図17は図16のファイバを用いた装置1の出口で得られた実際の実験スペクトルを示す。
【0116】
この図は、装置が前に説明した4波混合を優れた収率で生成することを明瞭に示し、ポンプ波長、ストークス波長、および非ストークス波長の伝播レベルは約5dBに近く、同じである。
【0117】
以上、多色光発生器が、その出口で主としてポンプ放射、ならびに4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された放射からなる多色光を送達することが分かった。
【0118】
そのため、例えば図9で得られる光線のスペクトルを拡大しようとすることが本発明により可能である。また、スペクトルスーパーコンティニュームを達成するか提案することのできる組み立て体において、他の光ファイバで提案された多色光発生器に追随することも可能である。
【0119】
図18はこの原理を実現した装置の概要図である。
【0120】
この図は、光ファイバ7が光ファイバ6の出口に接続されていることを除いて、図1の図と同一である。
【0121】
ここで説明する例において、光ファイバ7は純粋シリカからなるマイクロ構造ファイバであり、その空気チャンネルの平均直径は2〜6μmの範囲内で選択され、チャンネルの中心間の間隔は好ましくは2〜6μmである。
【0122】
したがって、光ファイバ7は光ファイバ6の出口で得られた非ストークス光線を約700nmに広げるのに特に良好に適合する。
【0123】
より全般的に、光ファイバ7の幾何学的特性は、基本モードの分散が多色光発生器2によって送達された非ストークス放射の波長から最大100nmの距離にある波長で相殺されるように選択することができる。
【0124】
この場合、紫外線から近赤外に展延するスペクトルスーパーコンティニュームを生成することが可能である。
【0125】
さらに、光ファイバ7の幾何学的特性は、基本モードの分散が多色光発生器2によって送達されたストークス放射の波長から最大300nmの距離にある波長で相殺されるように選択することもできる。
【0126】
この場合、赤外スペクトルスーパーコンティニュームを生成することが可能である。
【0127】
最終的に、両方の場合とも、一方は非ストークス波長に近く位置し他方はストークス波長に近く位置する基本モードの分散の相殺のための二つの波長を有するように、光ファイバ7の特性を選択することによって同時に達成することができる。
【0128】
これは紫外線から近赤外および赤外に展延するスペクトルスーパーコンティニュームを達成することを可能にする。
【0129】
これまでの説明は物理的な実施が可能な実験実施形態および模擬実施形態を含む。これらの全ての実施形態は、したがって、本発明に適用できるパラメータおよび限定の定義に貢献する。
【0130】
異なる実施形態から生じる特徴の組み合わせが明確に述べられていなくても、これは制限を意味しない。提供された教示と説明によって他の組み合わせは予想可能である。例えば、本発明は0次および1次(LP01およびLP11)のモードの組み合わせ、または1064nmでのポンプ波長には限定されない。また、二つのポンプ波長での非縮退4波混合の使用も予見できる。
【0131】
本発明の目的は高度に技術的であるが、それは当業者の能力の範囲内であろう。本発明は、特にシミュレーションによって、望ましい特定のスペクトルを有する多色光を生成するファイバの設計および適用手段を提供する。当業者がここから推論できる全ては本発明の範囲に含まれる。したがって、光発生器のファイバの設計は、
(a)マイクロ構造光ファイバを提供し、そのコアは少なくとも第1および第2領域を含むこと、および
(b)ポンプ放射による非線形動作における励起の場合に、ファイバがその出口で主としてポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によるポンプ放射から引き出された放射から形成された多色光を送達するように、前記第1および第2領域のそれぞれの化学組成を位相整合を画定するよう調節することである、と考えることができる。
【0132】
より正確には、作業bはポンプ放射(一つまたは複数)とそこから引き出された様々な放射の間の周波数の差を選択するために用いることができる。
【0133】
他の態様において、コアの二つの領域は、ファイバの一つ以上の光(線形に偏光された)モードに基づく4波混合のための高い共鳴構造を構成するために提供されると考えることができる。
付属資料A
【技術分野】
【0001】
本発明は多色光を発生するための光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
単色放射は光ファイバ中で生成される非線形効果の作用によって多色光に変換することができる。現在のところは、ファイバの全体長さにわたる多数の微細孔を穿孔した、いわゆる「マイクロ構造」の光ファイバを用いるのが好ましい。断面で見ると、ファイバの中心ゾーンの周りにこれらの孔が幾何形状網目を形成している。
【0003】
ファイバ中で生成される非線形効果は、3次効果の中でも、4波混合(FWM)、自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)、または励起ラマン散乱(SRS)を含む。
【0004】
従来の非マイクロ構造光ファイバにおいて、これらの現象は、例えば周波数変換や光増幅など多くの方法で用いられてきた。
【0005】
その役割として、マイクロ構造ファイバは、従来の光ファイバよりもはるかに大きな閉じ込め、したがって高い非線形変換効率での光伝播を可能にする。これはマイクロ構造ファイバの非線形効果を探求している研究者達に大きな興味を抱かせることとなった。ファイバの幾何学的な構造を適用することによって、非線形効果発生のより良好な制御が可能になる。実際に、孔のサイズおよび網目の寸法を変更することによって効率曲線または屈折率プロファイルを調節することができる。この結果、ファイバの分光が調節される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、既存の応用例においては、有用なスペクトル帯域は制限され、効率的で単純でありかつ単一の4波混合を生成するためにパラメータ化できる装置はなかった。
【0007】
本発明はその課題の改善を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、第1周波数でポンプ放射を送達することのできるレーザ源とマイクロ構造の光ファイバとを含む多色光発生器を形成する光装置を提案する。
【0009】
ファイバのコアは少なくとも一つの第1および一つの第2領域を含み、それら第1および第2領域は、ポンプ放射による非線形動作における励起の場合、ファイバがその出口で主としてポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によるポンプ放射から引き出された放射からなる多色光を送達するように位相整合を画定するよう設計されたそれぞれの化学組成を有する。
【0010】
後の説明で明らかになるように、この装置は広い有用な帯域幅を有する変換収率について有益な性能を提供するので有利である。これに加えて、この装置はファイバを各用途の要件に適合させるための高い柔軟性を有する。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、例示としてかつ非限定的な役割として提供される各実施形態を取り上げた以下の説明を図面と併せ読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による装置の概要図である。
【図2】図1のマイクロ構造ファイバの3次元図である。
【図3】第1実施形態による図2のマイクロ構造ファイバの断面図である。
【図4a】図3の拡大図である。
【図4b】図4aに示したファイバのコアのドーピング分布を示す図である。
【図5】二つの電磁気固有モードについての図3に示したファイバの有効屈折率を示す図である。
【図6a】図5における二つの固有モードの1064nmでの径方向出力分布を示す図である。
【図6b】一横断面における図6aに示した一方の固有モードの出力分布をレベル線形式で示す図である。
【図6c】一横断面における図6aに示した他方の固有モードの出力分布をレベル線形式で示す図である。
【図7a】図5における固有モードのうち一つの固有モードの700nmでの径方向出力分布を示す図である。
【図7b】一横断面におけるこの出力分布をレベル線により示す図である。
【図8a】図5における固有モードのうち一つの固有モードの2250nmでの径方向出力分布を示す図である。
【図8b】一横断面におけるこの出力分布をレベル線により示す図である。
【図9】図3のファイバが用いられた図1の装置の出口で得られる実験的スペクトルを示す図である。
【図10】図3のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図11】図3のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図12】第1実施形態による理想的光ファイバによる断面図である。
【図13a】図12の拡大図である。
【図13b】図13aに示したファイバのコアでのドーピング分布を示す図である。
【図14】図12のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図15】図12のファイバのコアの化学組成および幾何形状を変化させることによる位相整合のシミュレーションを示す図である。
【図16】第2実施形態によるマイクロ構造ファイバによる断面図を示す図である。
【図17】図16のファイバが用いられた図1の装置の出口で得られる実験的スペクトルを示す図である。
【図18】本発明によるスペクトルスーパーコンティニュームを発生する装置の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の図面および説明は特定の型の要素を本質的に含む。しかし、それらは本発明の理解を助けるだけではなく、適用可能な場合、その定義に貢献することができる。
【0014】
さらに、詳細な説明は、本発明の範囲内で用いられるいくつかの数式を提供する付属資料Aで補足される。この付属資料は明瞭さのためおよび調査に役立つよう別途に提供される。この付属資料は本説明の一体的部分を形成するものであり、本発明の理解を助けるだけではなく、適用可能な場合にはその定義に貢献し得る。
【0015】
ファイバ中の非線形効果の相互作用は非常に複雑である。したがって、最初にいくつかの一般概念について要約するのが適切である。
【0016】
周波数および波長
放射は、従来、その波長λ、すなわち波が光の速度cで所定時間に移動する距離によって特徴付けられている。波長は、式λ=c/fで周波数fと関係付けられることが知られている。その一部として、角周波数またはパルスωは、数式ω=2πfによって周波数fと関係付けられる。以下では、同じ放射を形容するためにλ、ω、またはfを参照する。
【0017】
4波混合
4波混合は屈折率の修正に関連しており、その屈折率自体が、強い電磁場の効果の下での材料の電子的応答に関係があるものである。より正確には、4波混合効果は、異なる周波数を持つ4つの電磁波間でのエネルギーの伝達である。原理的に、二つの条件を満足しなければならない。
【0018】
第1の条件はエネルギー保存であり、相互作用する4つの波の周波数は正確な等式を満足しなければならない。
【0019】
第2の条件は「モーメントの保存」として知られ、4つの相互作用する波の波動ベクトルは正確な等式、いわゆる位相整合等式を満足しなければならない。
【0020】
4波混合の形態には主に2つの場合がある。
【0021】
第1の場合、周波数がそれぞれω1、ω2、ω3の3つの波はそのエネルギーを周波数ω4=ω1+ω2+ω3の第4の周波数に伝達する。これはω1=ω2=ω3のとき、3次高調波を発生することによって行うことができ、これはω1=ω2≠ω3のとき周波数ω4=2ω1+ω3に変換することによって行うことができる。しかし、この場合、光ファイバ中で少なくともいくらかの効率を伴って位相整合の条件を満足するのは困難である。
【0022】
第2の場合は、周波数がそれぞれω1とω2の二つの波が、周波数がそれぞれω3とω4の二つの他の波にω3+ω4=ω1+ω2となるように同時にそのエネルギーを伝達するものである。この等式は4波混合中のエネルギー保存を表わす。この種の4波混合の位相整合の条件はΔβ=0であり、ここで、Δβは式[1]で与えられ、式中、cは真空中の光の速度であり、βj=njωj/cは波動ベクトルの係数を表わし、njは周波数ωj(j=1、2、3、4)での波の有効屈折率である。
【0023】
ここで、4波混合を部分的に縮退すること、すなわちω1=ω2にすることを考える。位相整合等式は、次に、付属資料Aの式[2]によって表現される。
【0024】
物理的に、周波数ω1を有する強いポンプ波は、ポンプ周波数の両側に対称的に位置する周波数ω3およびω4の二つの新しい波を生成し、角周波数偏差Ω(ここでω3<ω4)は付属資料Aの式[3]に従って書かれる。
【0025】
従来、低い周波数、この場合ω3で発生された波は一般にストークス波と呼ばれ、より高い周波数、この場合ω4の波は、非ストークス波と呼ばれる。位相整合等式はしたがって付属資料Aの式[4]の形に書き直され、ここで指標文字「S」、「A」および「P」はそれぞれストーク波、非ストーク波およびポンプ波を指し、指標「P1」および「P2」はポンプ波に関係する二つの特別なモードを指す。
【0026】
マイクロ構造ファイバの幾何学的パラメータ(孔のサイズおよび網目サイズ)は有効屈折率nj(j=1、2、3、4)の値に影響を与える。これらの幾何学的パラメータを修正することによって、所与の用途に適した周波数偏差を得るための位相整合条件を調節することができる。
【0027】
しかし、最適の幾何学的パラメータを決定することはファイバを設計するレベルにおいて長く困難な仕事である。さらに、マイクロ構造のファイバを製造するための既知の技術においては、幾何学的パラメータの選択の柔軟性がかなり制限されている。
【0028】
この結果マイクロ構造ファイバにおける4波混合の役割の監視が困難になる。
【0029】
固有モード
マイクロ構造光ファイバは多重モードファイバとすることができる。すなわちそれらは偏光特性とファイバ中の電磁場の横断方向分布とが異なるいくつかの電磁気固有モードを含むことができる。
【0030】
したがって、放射は多重モードファイバ中に導かれるとき、その断面の表面全体に広がる出力分布に従って伝播せず、逆に力のピークがファイバの異なる領域に位置する、異なる横断方向モードに従って分布する傾向がある。
【0031】
したがって、多重モード光ファイバにおいて、最初にHE11xおよびHE11yと呼ばれる少なくとも二つの電磁気モードについて考察する。それらは一般に、光ファイバ中に画定することのできるそれぞれ二つの対角線偏光軸に対応するLP01xおよびLP01yと呼ばれる線形偏光モード(LP)に例えられる。
【0032】
次の一つのことに留意すべきである。LP01モードはポンプ波長P、非ストークス波長Aおよび/またはストークス波長Sに存在することができる。これらのモードは異なる。
【0033】
また、TE01、HE21x、HE21yおよびTM01と呼ばれる4つの他の電磁気モードについて考察することができる。それらは一般に、光ファイバの横断方向面に垂直な二つの方向の一つで場が相殺されるという追加の条件で、光ファイバの二つの偏光軸に対応する線形偏光モードLP11xおよびLP11yに例えられる。
【0034】
このように定義された物理的原理は、本発明による装置の以下の説明を理解するのを容易にする。
【0035】
図1は多色光を発生するための光装置2の第1実施形態を示す。図1は第1の波長λ1で光放射を光ファイバ6中に供給する放射源4を含む。
【0036】
ここで説明される実施形態において、放射源4は、Nd:YAGチップを備えるレーザであり、平均出力約100mWを有し、1ns程度のパルス時間で1064nmのパルスを放射する。後述するように、多色放射は光ファイバ6の出口で得られる。
【0037】
図2は光ファイバ6のプロファイルの三次元図である。この図は走査電子顕微鏡を用いて得られた。図3は同じファイバの断面図である。
【0038】
本発明は、コアが個別の屈折率を有する二つの異なる領域を有するマイクロ構造ファイバから開始する。
【0039】
図3〜11はマイクロ構造光ファイバ6の第1実施形態を示す。次に、図12〜15は光ファイバ6の第1実施形態の変形例を示す。
【0040】
図3の断面から分かるように、光ファイバ6はシース8の部分を形成するマイクロ構造ゾーン10によって取り囲まれるコア14を含む。
【0041】
ゾーン10は光ファイバ6に沿って延びる多数の実質的に円形の空気チャンネル12(円形基底を備える円筒)を含む。
【0042】
光ファイバ6はゾーン10の中央にコア14を有する。コア14は第1領域16および第2領域18を含む。第1領域16(図4aの16Aおよび16B)は最も中央にある。第1領域16は実質的に円形の断面を有する。第2領域18は第1領域の周囲に位置し、形状は環状であり、その内径は実質的に領域16の半径であり、外径は実質的にコア14の半径である。
【0043】
領域のそれぞれの化学組成を調節することによって特に満足できる4波混合を得ることができる。
【0044】
図3〜11に示した実施形態において、チャンネル12は約4.5μmの平均直径を有する。各チャンネルの中心間の間隔は平均約5.5μmである。
【0045】
チャンネル12の平均直径は3〜10μm、好ましくは5〜8μm、最も好ましくは4〜6μmの範囲から選択することもできる。
【0046】
コア14はゲルマニウムにより非常に高くドーピングされる。そのサイズはチャンネル12のものと同等、すなわち実質的に円形でこの場合直径は約4.5μmである。
【0047】
図4bは図4aに対応するコア14の断面のドーピングプロファイルを示す。図4bでは、実線20はコア14の中心点からの距離に応じたゲルマニウムドーピングレベルを表わす。点線22は線20の線セグメントによる近似値である。この線22は図5〜10の基礎となる。実際に、線22は実際のプロファイル20の忠実な近似値を構成し、これらの図5〜10を作成するための計算回数を改善することができる。
【0048】
図4aおよび4bにおいて、コア14中に内側から外側に向かって3つの同心状ゾーンA、B、およびCを認めることができる。第1のゾーンAにおいて、ゲルマニウムのモルパーセントは76%程度である。これは純粋シリカに対して1064nmで0.055程度の屈折率の差を生じる。ここで、この第2ゾーンBは約12.5パーセントのゲルマニウムのモルパーセントに相当する短い平坦域で開始し、純粋シリカと比較して1064nmで0.02程度の屈折率の差を生じ、次にゲルマニウムのモルパーセントは実質上ゼロに向かって線形に減少する。最終的に、このゾーンBに第3のゾーンCが続き、第3のゾーンCではゲルマニウムのモルパーセントは無視できる程度であり、実質的に屈折率の差はゼロである。
【0049】
ゾーンAの形状は実質的にコア14の中心を中心とする円形である。その直径はこの場合約0.75nmである。ゾーンBは実質的に環状であり、ゾーンAの周辺部と実質的に円形である直径約2.25nmのゾーンB自体の周辺部との間に延伸している。ゾーンCも実質的に環状でありコア14の残りを含んでいる。
【0050】
領域16は第1ゾーンAからなる。第2領域18はゾーンCからなる。ゾーンBは領域16(16B、図4a)の一部と考えることができ、またはこれらの領域16と18の間の遷移ゾーンと考えることができる。実際には、このゾーンBはできるだけ狭く造るべきであり、あるいはまったく存在すべきではない。ゾーンBが存在するのは、ドーピングにおける完璧に急峻な変化が現在のところ少なくとも経済的に実現可能な方法で達成することが不可能なためである。
【0051】
ゾーンの「屈折率の差」とは、このゾーンの屈折率とドーピングを行わないシリカ(さらに一般的にはコアの基本材料)の屈折率の間の差を意味する。
【0052】
第1領域16において、屈折率の差Δn、この場合0.055は非常に高い。第2領域18において、ゲルマニウムの濃度は大きく低減され、屈折率の差Δnは約0〜0.2となる。
【0053】
コア14に非常に異なる化学特性を有する二つの領域を備えるこの特別な構造を導入することにより、本出願人が習得に成功した非常に興味深い効果が生まれる。
【0054】
図4において、コア14は断面において二つの領域16A(ゾーンA)および18(ゾーンC)を有し、二つの領域16Aと18の間には環状の境界16B(ゾーンB)がある。ここで、境界16Bは0.5μm程度の厚さを有する。境界16Bは0〜12.5パーセントのゲルマニウムドーピングの含有量を有し、0.00〜0.02のΔnに相当する。
【0055】
図5〜8は図4bの線22による横断方向プロファイルの近似に基づくシミュレーションの結果を示す。
【0056】
図5は、波長に応じた、モードLP01(連続線)およびLP11(点線)についてのファイバ6の有効屈折率の展開を示す。これらのモードの有効屈折率の間の差は波長が増加すると増加する。ポンプ波長(この場合1064nm)で、この差は0.02程度である。一つの比較例として、従来のドーピングしないマイクロ構造ファイバにおいては、有効屈折率間の差は1064nmで約2倍小さい。
【0057】
モードLP01およびLP11は各波長で異なることに留意すべきである。
【0058】
図6〜8は、選択された各波長について、ファイバ6中の出力分布の図、ならびに図4aの図に準じたレベル線形式の対応する図を示す。
【0059】
図6a、6bおよび6cはファイバ6中の断面における出力分布を示す。これらの図は1064nmでの光ファイバ6の励起に対応する。
【0060】
図6aは光の正規化された強度の横断方向分布を示し、一方はモードLP01(連続線)、他方はモードLP11(点線)である。図6aのグラフは、横座標上にコア14の中心からの考慮中の点の距離、および縦座標上に同じ点での正規化された強度の値を含む。正規化された強度とは、考慮中の点に伝達された光の強度とこの波長で伝達された光の最大強度の間の割合を意味する。
【0061】
図6bもモードLP01について光の正規化された強度の横断方向分布を示す。しかし、この表示は、正規化された強度を0.1超える段階の断面におけるレベル曲線で行われている。図6cは図6bと同じように定義されるが、モードLP11(図6aの点線)について示している。また、図6bおよび6cも点線の形の直線を含み、これは図6aの二つの曲線が取られた平面を示す。
【0062】
図6aは、モードLP01およびLP11が、有効な4波混合を可能にする実質的に重なり合うゾーンを有することを示す。実際に、提案された装置の基礎を形成する主な相互作用が行われるのは1064nm、すなわちポンプ放射の波長である。
【0063】
図6bにおいて、モードLP01はコア14の中心に最大強度を有する。分布は全体的にほぼ中心に置かれている。モードLP01の放射の大部分は、実質的に第1領域16Aおよび境界16Bに対応する一つのゾーンに位置する。
【0064】
図6cにおいて、モードLP11はコア14の中心の両側に実質的に図6bの点線上に整列された二つのローブを有する。ここで、各ローブはピークを有し、コア14の中心からそのピークまでの距離は約1μmである。したがって、モードLP11における放射の大部分は、実質的に第2領域18と境界16Bに相当する一つのゾーン中にある。
【0065】
簡単に言えば、図6a、6b、6cの図は、モードLP01が主としてファイバの中心に存在し、モードLP11は主として分離している二つのローブに存在することを示している。これらの図もまた、本明細書で提案されている有効な4波混合の基となる1064nmでの二つの固有モードの重なり合いを示す。
【0066】
式[4]がドーピングに関連する貢献を説明するために書き換えできることを特記した。ドーピングは式[4]に関する有効屈折率の選択的修正によって表わされる。ドーピングされたゾーン中に伝播する波AおよびP1の有効屈折率はδだけ増加する。ドーピングされたゾーンと重なり合わないモードSおよびP2の有効屈折率は変化しないままである。したがって、位相整合式[4]は付属資料Aの式[5]の形に書き換えられる。
【0067】
ωpについてβjのテーラー級数展開を行うことによって、付属資料Aの式[6]および[7]が得られる。
【0068】
位相整合式に代入することによって、付属資料Aの式[8]による周波数差の式が得られる。
【0069】
式[8]は、ドーピングされた領域の特性(ドーピングゾーンのドーピングレベルおよび半径)に直接結び付く値δを増減することによって周波数の差を調節できることを示す。
【0070】
本出願人は、このようにして、その周波数等価が通常得られる数十THzではなく100THzより大きい差の変数Ωの値を得ることができることを観察した。
【0071】
検討中の特定の例において、図4b(線22)の屈折率図からのこの式の解はλS=2250nmおよびλA=700nmが得られる。
【0072】
ここで、光ファイバの700nm(非ストークス波長)での励起を考察する。これは、図6aおよび6bに類似しているがモードLP01にのみ関連する図7aおよび7bに相当する。実際に、検討中の光ファイバ6の場合、装置2から発せられた放射は波長700nmでこのモードLP01から進行する。さらに、図7bの点線は図7aの線グラフを引いた方向を示す。前例と同様に、図7bに示される各レベル線は0.1の正規化された強度レベルに相当する。
【0073】
ここで、最大光強度はコア14の中心で見出される。したがって、モードLP01は波長700nmで主にファイバの中心で活性である。放射は、図7aから明らかなように、実質的に第1領域16に相当する一つのゾーンのみにほとんど存在する。
【0074】
ここで、2250nm(ストークス波長)での光ファイバの励起を考察する。これは、またも図6aおよび6bに類似した図8aおよび8bに相当する。図では、この波長で装置2によって発せられる放射を決定するモードなので、モードLP11のみが示される。図8bの点線は図8aの線グラフを引いた方向を示す。ここでもまた、図8bに示される各レベル線は0.1の正規化された強度レベルに相当する。
【0075】
ここで、横断方向の強度プロファイルは図6cの二つのローブの外観を有する。強度ピークは各ローブの中心に見出され、コア14の中心から約1μmである。したがって、モードLP11の強度は主に二つのローブ上に分布し、波長2250nmでファイバの中心で相殺される。大部分の放射が見出される二つのゾーンは事実上第2領域18中に含まれるが、これは図8bでさらに明瞭に表される。
【0076】
図6〜8およびその説明から、
−1064nmでのファイバのプロファイルはモードLP01とLP11の間で有効な4波混合を可能にすること、
−この混合は、ファイバの屈折率プロファイルと組み合わされて、ポンプ波長から遠く離れたストークスおよび非ストークス波の発生を可能にすること、および
−この混合は、ファイバの屈折率プロファイルと組み合わされて、ストークスおよび非ストークス波の波長に対して横断方向のモードを選択することも可能にすることが明らかである。
【0077】
図9は、図3のファイバを用いて、図1の装置の出口で得られる実際の実験スペクトルを示す。この図から、意図された4波混合を装置が優れた収率で生成することが確認される。ポンプ波長の光強度とストークス波長の光強度の間の差は7dBのみである。この差は非ストークス波長については12dBである。
【0078】
このスペクトルは、非ストークス波長(700nm)のレベルで、放射がこの波長に高く集中していること、すなわち光線が狭い基底(約20nm)で700nmに中心を置くことが観察されることを示す。
【0079】
ポンプ波長(1064nm)で主要光線は1064nmで観察され、高い波長に向かってそれぞれ4つの光線が1130nm、1180nm、1250nm、および1300nmで観察される。また、低い波長に向かってそれぞれ970nm、および1020nmで二つの光線が観察される。
【0080】
ポンプ波長nmの両側の光線は非常に狭く(それぞれの基底で30nm〜50nm)、誘導されたラマン発光に相当する。1130nmの光線および1180nmの光線だけが高い強度を有し、1064nmでの強度に比べてそれぞれ約8dBと15dBの光強度の差を有する。
【0081】
最終的に、ストークス波長(2250nm)でピークが観察され、このピークは高い波長に向かって非常に急峻であり(2300nmで−50dBに達する)、低い波長に向かっては強度レベル約−43dBで拡がりを見せる。
【0082】
上で説明した様々な光線とは別に見出された強度レベルは−50dBより低く、これは無視できるものとみなされる。
【0083】
したがって、このスペクトルはポンプ放射のエネルギーの大部分が4波混合によって700nm、1064nm、および2250nmの放射に変換されることを示す。
【0084】
ポンプ、ストークスおよび非ストークス波長における光線以外に実質的に光線がないという事実は、4波混合がほとんど唯一の発現される非線形効果であることを示す。
【0085】
本出願人はこのようにして、ポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された放射から主として形成された多色光を生成した。
【0086】
図4bの線22によるファイバのプロファイルから出発して、本出願人によるさらなる研究が行われた。図10および11はこれらの研究の結果を示す。
【0087】
図10において、光ファイバの全般的な寸法は図3を参照して上に説明したものを基本に固体されている。第1領域16の半径は0.375μmに固定されている。図10の図は、第1領域16のゲルマニウムのモル分率で達成することのできる位相整合を横座標上で示す。縦座標上で、波長(nm)は左側に見出され、位相整合を達成することのできる周波数(THz)は右側に示される。
【0088】
図は、本明細書で想定されたモード構成では約23%未満のモル分率で位相整合が不可能であることを示す。これは図の左側の水平線(λ=1064nm)によって示されるものである。
【0089】
23%を超えると、位相整合が可能になる。ストークスおよび非ストークス波の周波数を得るために、縦ラインは望ましいモル分率に引かなければならない。この線と一つまたは複数の曲線との交差点から、一つまたは複数の位相整合の周波数および波長が得られる。
【0090】
モル分率が増加すると、ストークスおよび非ストークス波長は次第にさらにポンプ波長から離れ、すなわち4波混合の周波数の差(または「周波数差」)は増加する。
【0091】
図10の縦線によって表わされるモル分率が36%である特別な場合を考えると、2250nmのストークス波長および700nmの非ストークス波長で位相整合が見出され、周波数差は146THzである。
【0092】
効果は約23%で始まる。例えば、28%で始まると、1650nmのストークス波長および800nmの非ストークス波長で位相整合があり、周波数差は97THzであることが観察される。
【0093】
次いで、周波数差は非常に急速に増加し、示された最大周波数距離がモル分率38%で得られ、その位相整合は2400nmのストークス波長および680nmの非ストークス波長で観察され、周波数差は157THzである。
【0094】
したがって、この図によって示されるモル分率によって、(97THz;157THz)の範囲内の周波数距離を得ることが可能になる。
【0095】
図11の場合において、光ファイバの全般的な寸法は図3を参照して上に説明したものを基本に固定されている。このとき、第1領域16におけるゲルマニウムのモル分率は36%に固定されており、一方横軸は第1領域16の半径を示す。この図11のグラフは半径に応じて一定のドーピングで達成することのできる位相整合を示している。
【0096】
前例のように、第1領域16の半径が約0.2μm未満の場合においては、本明細書で想定されたモード構成(図の左側の水平直線)において位相整合は不可能である。これを超えると、望ましい半径から出発する縦線を描くことによって、ストークスおよび非ストークス波周波数が前例のように得られる。
【0097】
このように、0.2μmを超えると、ストークスおよび非ストークス波長はポンプ波長から次第にさらに離れ、すなわち半径の増加に伴って4波混合の周波数差が増加する。
【0098】
また、本出願人は、その物理特性が実際には達成困難な完璧な幾何形状である理想的な光ファイバの場合を研究した。ここで、それぞれ図3、4、10、および11に類似している図12、13、14、および15を参照して説明する。
【0099】
図12、13aおよび13bにおいて、チャンネル12は完璧な円形であり一定の直径を有している。さらに、図13bに示すように、ドーピングは完璧であると想定し、したがって図4におけるゾーンBは省略されている。
【0100】
図14および15は図10および11のものに類似した位相整合の図であるが、図13bの理想プロファイルについての図である。比較すると、ファイバ6の幾何学的により正確な構造によって、そのコアに必要とされるゲルマニウムの量を低減可能であることが分かる。実際に、
−同じ半径で、混合における周波数差は図14のドーピングレベルで図10よりも急速に増加し、
−同じドーピングレベルで、混合における周波数差は図15の半径で図11より急速に増加する。
【0101】
指摘したように、図12、13、14、および15の実施形態において、コアの屈折率の差は単純にファイバのコアの中心領域をドーピングすることによって得られるであろう。周辺領域は実質的に純粋シリカから作られる。
【0102】
ここで代替の実施形態を考察する。
【0103】
このドーピングはゲルマニウムで行われるが、リン、フッ素、ホウ素、ビスマス、クロム、1種以上の希土類、またはこれらのドーピング剤の2種以上の混合物など、他のドーピング剤でも行うことができる。
【0104】
さらに、屈折率の差は二つの領域の異なるドーピングによって得ることができよう。したがって、これらの二つの領域は、異なるドーピング剤またはドーピング剤の異なる混合物から得られた個別の組成を有する。
【0105】
最終的に、第1および第2領域のドーピングはそれらが負の屈折率の差を有するように行うことができる。このようにしてストークス波長での放射はモードLP01で得られ、非ストークス波長での放射はモードLP11で得られるであろう。
【0106】
これまでの説明において、屈折率の差は同じ基材のドーピングを調節することによって得られる。一変形例として、または追加として、異なる基材を用いることができる。
【0107】
したがって、他の実施形態によれば、シリカ、カルコゲニド、フッ素化ガラス、アンチモン酸化物、ケイ酸塩、鉛のホウ酸塩またはホウケイ酸塩、ビスマス、ランタン、アルミニウムまたはランタン−アルミニウムの中から選択された二つの各々異なるガラス質材料を二つの領域に用いることによって、前に説明したものと類似の効果を得ることができる。この場合、光ファイバの残りの部分も同じ群から選択された一つ以上の材料から作ることができる。
【0108】
ここで、図2に類似の図であるが光ファイバ6の他の実施形態についての図16を参照する。図2のように、この図16は走査電子顕微鏡によって得られた。
【0109】
ここで、屈折率の差は、最早、光ファイバのコアの異なるドーピングによって得られたものではない。コア14の二つの領域は異なる材料から作られる。
【0110】
このように、コア14の中心領域は、70モル%のSiO2酸化物、20モル%のAl2O3酸化物、および10モル%のLa2O3酸化物からなるランタン−アルミニウムケイ酸塩から作られ、第2領域はファイバの残りの部分と同じく純粋シリカから作られる。
【0111】
この実施形態において、本発明は第1実施形態のものと同じ原理に基づく。
【0112】
ここで、4波混合は、最早、ポンプを用いる二つの電磁気的な固有モードの励起に基づくものではなく、720nm、1064nmおよび2090nmの異なる固有モードがファイバの中心で重なり合うという事実に基づいている。モードLP01(例えば)は、ポンプ波長P、非ストークス波長Aおよび/またはストークス波長Sについて存在することができることを思い起こすべきである。これらのモードは異なっており、したがって、コア14の中心領域との重なり合いが異なる。
【0113】
4波混合は、1064nmでの固有モードLP01からの二つのフォトンと、それぞれ720nmでのモードLP01および2090nmでの同一モードとの相互作用によって行われる。
【0114】
本実施例において、図16のファイバは約160μmの全径、直径約85μmのマイクロ構造ゾーン、直径約4.5μmのコア、およびその中心が8.4μmの距離だけ離れた平均直径8μmの空気チャンネルを有する。
【0115】
図17は図16のファイバを用いた装置1の出口で得られた実際の実験スペクトルを示す。
【0116】
この図は、装置が前に説明した4波混合を優れた収率で生成することを明瞭に示し、ポンプ波長、ストークス波長、および非ストークス波長の伝播レベルは約5dBに近く、同じである。
【0117】
以上、多色光発生器が、その出口で主としてポンプ放射、ならびに4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された放射からなる多色光を送達することが分かった。
【0118】
そのため、例えば図9で得られる光線のスペクトルを拡大しようとすることが本発明により可能である。また、スペクトルスーパーコンティニュームを達成するか提案することのできる組み立て体において、他の光ファイバで提案された多色光発生器に追随することも可能である。
【0119】
図18はこの原理を実現した装置の概要図である。
【0120】
この図は、光ファイバ7が光ファイバ6の出口に接続されていることを除いて、図1の図と同一である。
【0121】
ここで説明する例において、光ファイバ7は純粋シリカからなるマイクロ構造ファイバであり、その空気チャンネルの平均直径は2〜6μmの範囲内で選択され、チャンネルの中心間の間隔は好ましくは2〜6μmである。
【0122】
したがって、光ファイバ7は光ファイバ6の出口で得られた非ストークス光線を約700nmに広げるのに特に良好に適合する。
【0123】
より全般的に、光ファイバ7の幾何学的特性は、基本モードの分散が多色光発生器2によって送達された非ストークス放射の波長から最大100nmの距離にある波長で相殺されるように選択することができる。
【0124】
この場合、紫外線から近赤外に展延するスペクトルスーパーコンティニュームを生成することが可能である。
【0125】
さらに、光ファイバ7の幾何学的特性は、基本モードの分散が多色光発生器2によって送達されたストークス放射の波長から最大300nmの距離にある波長で相殺されるように選択することもできる。
【0126】
この場合、赤外スペクトルスーパーコンティニュームを生成することが可能である。
【0127】
最終的に、両方の場合とも、一方は非ストークス波長に近く位置し他方はストークス波長に近く位置する基本モードの分散の相殺のための二つの波長を有するように、光ファイバ7の特性を選択することによって同時に達成することができる。
【0128】
これは紫外線から近赤外および赤外に展延するスペクトルスーパーコンティニュームを達成することを可能にする。
【0129】
これまでの説明は物理的な実施が可能な実験実施形態および模擬実施形態を含む。これらの全ての実施形態は、したがって、本発明に適用できるパラメータおよび限定の定義に貢献する。
【0130】
異なる実施形態から生じる特徴の組み合わせが明確に述べられていなくても、これは制限を意味しない。提供された教示と説明によって他の組み合わせは予想可能である。例えば、本発明は0次および1次(LP01およびLP11)のモードの組み合わせ、または1064nmでのポンプ波長には限定されない。また、二つのポンプ波長での非縮退4波混合の使用も予見できる。
【0131】
本発明の目的は高度に技術的であるが、それは当業者の能力の範囲内であろう。本発明は、特にシミュレーションによって、望ましい特定のスペクトルを有する多色光を生成するファイバの設計および適用手段を提供する。当業者がここから推論できる全ては本発明の範囲に含まれる。したがって、光発生器のファイバの設計は、
(a)マイクロ構造光ファイバを提供し、そのコアは少なくとも第1および第2領域を含むこと、および
(b)ポンプ放射による非線形動作における励起の場合に、ファイバがその出口で主としてポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によるポンプ放射から引き出された放射から形成された多色光を送達するように、前記第1および第2領域のそれぞれの化学組成を位相整合を画定するよう調節することである、と考えることができる。
【0132】
より正確には、作業bはポンプ放射(一つまたは複数)とそこから引き出された様々な放射の間の周波数の差を選択するために用いることができる。
【0133】
他の態様において、コアの二つの領域は、ファイバの一つ以上の光(線形に偏光された)モードに基づく4波混合のための高い共鳴構造を構成するために提供されると考えることができる。
付属資料A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数でポンプ放射を送達することのできるレーザ源(4)と、そのコアが少なくとも第1および第2領域を含むマイクロ構造光ファイバ(6)とを含む、多色光発生器を形成する光装置であって、前記第1および第2領域が、ポンプ放射による非線形動作における励起の場合、ファイバがその出口で主としてポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によるポンプ放射から引き出された放射から形成された多色光を送達するように、それぞれ位相整合を画定するよう構成された化学組成を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ポンプ放射から引き出された放射が、それぞれ前記第1周波数の両側に位置し、前記第1周波数に対し少なくとも100THz偏移した周波数を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1領域が、実質的に第1周波数でファイバの第1電磁気固有モードに対応する幾何形状を有し、第2領域が、実質的に第1周波数でファイバの第2電磁気固有モードを含む幾何形状を有し、前記領域が重なり合うゾーンを有し、前記第1周波数でのポンプ放射が前記多色光を生成するために前記第1および第2電磁気固有モードに従ってファイバに導入される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記二つの領域の化学組成がドーピングの結果異なることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コアが選択的にゲルマニウムでドーピングされたシリカマトリックスを含むことを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記二つの領域の化学組成がそれぞれのガラス質基材において異なることを特徴とする、請求項1から4に記載の装置。
【請求項7】
前記二つの領域のそれぞれの基材がシリカ、カルコゲニド、フッ素化ガラス、アンチモン酸化物、ケイ酸塩、鉛のホウ酸塩またはホウケイ酸塩、ビスマス、ランタン、アルミニウムまたはランタン−アルミニウムから選択されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コアが3〜10μmの直径、好ましくは4〜6μmの直径を有することを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ファイバの断面において、第1領域が実質的に円形状であり、第2領域が実質的に環形状であり、前記領域のそれぞれの中心が実質的に前記ファイバのコアの幾何学的中心に一致することを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1領域の直径が実質的に第2領域によって形成された環の内径に等しいことを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記マイクロ構造光ファイバ(6)の出口に接続された第2マイクロ構造光ファイバ(7)を含むことを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第2マイクロ構造光ファイバ(7)が、4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された前記放射の一つの放射の波長から最大100nmの距離にある波長で相殺を含む分散プロファイルを有し、この波長がポンプ放射の波長よりも小さいことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2マイクロ構造光ファイバ(7)が、4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された前記放射の一つの放射の波長から最大300nm離れた波長で相殺を含む分散プロファイルを有し、この波長がポンプ放射の波長よりも大きいことを特徴とする、請求項11または12に記載の装置。
【請求項1】
第1周波数でポンプ放射を送達することのできるレーザ源(4)と、そのコアが少なくとも第1および第2領域を含むマイクロ構造光ファイバ(6)とを含む、多色光発生器を形成する光装置であって、前記第1および第2領域が、ポンプ放射による非線形動作における励起の場合、ファイバがその出口で主としてポンプ放射ならびに4波混合型の非線形効果によるポンプ放射から引き出された放射から形成された多色光を送達するように、それぞれ位相整合を画定するよう構成された化学組成を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ポンプ放射から引き出された放射が、それぞれ前記第1周波数の両側に位置し、前記第1周波数に対し少なくとも100THz偏移した周波数を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1領域が、実質的に第1周波数でファイバの第1電磁気固有モードに対応する幾何形状を有し、第2領域が、実質的に第1周波数でファイバの第2電磁気固有モードを含む幾何形状を有し、前記領域が重なり合うゾーンを有し、前記第1周波数でのポンプ放射が前記多色光を生成するために前記第1および第2電磁気固有モードに従ってファイバに導入される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記二つの領域の化学組成がドーピングの結果異なることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コアが選択的にゲルマニウムでドーピングされたシリカマトリックスを含むことを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記二つの領域の化学組成がそれぞれのガラス質基材において異なることを特徴とする、請求項1から4に記載の装置。
【請求項7】
前記二つの領域のそれぞれの基材がシリカ、カルコゲニド、フッ素化ガラス、アンチモン酸化物、ケイ酸塩、鉛のホウ酸塩またはホウケイ酸塩、ビスマス、ランタン、アルミニウムまたはランタン−アルミニウムから選択されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コアが3〜10μmの直径、好ましくは4〜6μmの直径を有することを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ファイバの断面において、第1領域が実質的に円形状であり、第2領域が実質的に環形状であり、前記領域のそれぞれの中心が実質的に前記ファイバのコアの幾何学的中心に一致することを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1領域の直径が実質的に第2領域によって形成された環の内径に等しいことを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記マイクロ構造光ファイバ(6)の出口に接続された第2マイクロ構造光ファイバ(7)を含むことを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第2マイクロ構造光ファイバ(7)が、4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された前記放射の一つの放射の波長から最大100nmの距離にある波長で相殺を含む分散プロファイルを有し、この波長がポンプ放射の波長よりも小さいことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2マイクロ構造光ファイバ(7)が、4波混合型の非線形効果によってポンプ放射から引き出された前記放射の一つの放射の波長から最大300nm離れた波長で相殺を含む分散プロファイルを有し、この波長がポンプ放射の波長よりも大きいことを特徴とする、請求項11または12に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−518806(P2012−518806A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550619(P2011−550619)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000140
【国際公開番号】WO2010/094863
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(506309102)ユニヴェルシテ・デュ・リモージュ (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE LIMOGES
【出願人】(511202791)
【氏名又は名称原語表記】LEUKOS
【住所又は居所原語表記】Ester Technopole Association A.I.L.E., F−87069 Limoges, France
【出願人】(511202805)
【氏名又は名称原語表記】IPHT Institut fur Photonische Technologien E.V.
【住所又は居所原語表記】Albert−Einstein−Strassse 9, D−07745 Jena, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000140
【国際公開番号】WO2010/094863
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(506309102)ユニヴェルシテ・デュ・リモージュ (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE LIMOGES
【出願人】(511202791)
【氏名又は名称原語表記】LEUKOS
【住所又は居所原語表記】Ester Technopole Association A.I.L.E., F−87069 Limoges, France
【出願人】(511202805)
【氏名又は名称原語表記】IPHT Institut fur Photonische Technologien E.V.
【住所又は居所原語表記】Albert−Einstein−Strassse 9, D−07745 Jena, Germany
【Fターム(参考)】
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