説明

多重検出プローブ

本発明は、ベシクル又は可溶性の本体を利用して、複数の質量タグ分子を保持する検出プローブを包含する。検出プローブを使用して、サンプルのそれぞれから分析対象物を表面上に固定化する工程、異なる質量の質量タグ分子をそれぞれ有する検出プローブセットと共に表面をインキュベートする工程、結合していない検出プローブを除去する工程、結合した検出プローブから第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を回収する工程、及び、回収された第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を定量化する工程によって、複数の分析対象物をそれぞれ含む複数の異なる生物学的サンプルを同時に検査することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は包括的に化学分析の分野に関する。より詳細には、標的分子の高感度で高スループットの検出及び分析用のタグ試薬に関する。
【0002】
[関連出願]
本願は、2004年2月27日付けで出願された、米国仮出願番号第60/548,635号に対する優先権を主張する非仮出願である。
【背景技術】
【0003】
[関連技術の説明]
化学標識、他にタグ又はシグナル基として知られているものは、化学分析において広範に用いられている。使用される分子の種類としては、放射性原子、蛍光試薬、発光試薬、金属含有化合物、電子吸収物質及び光吸収化合物が挙げられる。多数の異なる種類の分子は、質量分析法により識別されることができるタグとして用いられている。化学シグナル基は反応性基と組み合わすことができ、そのため、標的と共有結合することが可能であり、物質が検出される。
【0004】
しかしながら、現在の検出プローブは適切に、分子を高度に多重に検出及び分析することはできない。マイクロアレイは何千もの遺伝子の発現プロファイルを分析することができるが、マイクロアレイの蛍光又は発光検出システムが多重性能を極めて制限するため、研究者は1つのマイクロアレイチップ又はスライド上で通常1つ又は2つのサンプルしか取り扱うことができない。複数のチップ又はスライドの必然的な使用によって生じるいっそうのコストに加えて、既存の方法の制限された分析能は、マイクロアレイ実験を複製し、そして/又はサンプル間のデータを比較することを困難にしている。なお、多くの他の用途及びアッセイがマイクロプレート様式を用いて開発されているが、現在の多重法及び装置の使用は各ウェルで使用することが可能なサンプルの数を制限する。分子の多重分析の現行方法及び現行装置の使用は、より高スループット及び再現性のあるデータのために複数のウェル及び/又はプレートを要求する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[発明の概要]
本発明の実施の形態は、標的分子の検出及び分析用の放出(release)タグ化合物の使用に関する組成物及び方法を提供する。これらは分子プローブのシグナル強度を増強させ、高感度で高スループットの多重分析を可能とする。リポソームの実施の形態は好ましくは、1〜2×108の数の範囲である複数の質量タグ分子を含有し、この質量タグ分子はより強力なシグナリングを提供し、且つ分子のかなり高感度な多重分析を可能とする。他の実施の形態では、桁違いに多くの(many orders of magnitude more)質量タグ分子を含むこともできる。例えば、0.5μmの直径を有する固体粒子は、最大2×1010個の質量タグ分子を含むことができる。さらに他の実施の形態では、実施の形態のサイズ及び質量タグ分子の密度に応じていっそう多くの質量タグ分子を含むことができる。しかし、通常1×1020個未満、及びより好ましくは1×1015個未満の分子が存在する。
【0006】
好ましい実施の形態は、ベシクルを利用して複数の質量タグ分子を保持している検出プローブを含む。このような検出プローブは、質量分析法、電気泳動、クロマトグラフィ、又は当業者に既知の他の分析方法によって検出可能な特定の分子質量(又は移動度)を有
する分子である。本明細書中に用いられる場合、「ベシクル」は、分子をベシクル内に被包してもよい。実施の形態としては、被包ベシクル、単層ベシクル及び多層ベシクルが挙げられるが、これらに限定されない。多様なベシクルは好ましくは、複数のリン脂質を好ましくは含むリポソームを含んでいる。特定の実施の形態では、質量タグ分子がリン脂質自体と結合できる。他の分子、例えばコレステロール又は他の疎水性分子も、質量タグ分子として疎水性相互作用を介して脂質二層中に被包されることができる。
【0007】
本発明のさらなる実施の形態は質量タグ分子の多様な担体を含む。担体には、エマルジョン、可溶性ビーズ、可溶性カプセル及び可溶性の多孔性ビーズが挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
本発明の実施の形態は、多様な分析方法及び分析システムと共に用いられることができる。多様な分析方法及び分析システムとしては、ハイブリダイゼーションアッセイ、多重マイクロアレイアッセイ、多重イムノアッセイ、多重ハイブリダイゼーションアッセイ、多重CpGメチル化アッセイ、キャピラリーアッセイ、質量分析法、電気泳動、及び当業者に既知の他の分析方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
本発明の1つの実施の形態は、ベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む外側のベシクル;ベシクル内、もしくはベシクル膜内に被包されるか、又はベシクル膜上に吸着された複数の質量タグ分子;及びベシクルに連結されたプローブを含む検出プローブである。さらなる実施の形態では、外側のベシクルが、容易に破壊されて、質量タグ分子を放出する。複数の質量タグ分子は、ベシクル膜の少なくとも一部を構成する。さらなる実施の形態は、外側のベシクル内に被包される少なくとも1つのベシクルをさらに含み、外側のベシクルと被包されたベシクルの少なくとも一部は質量タグ分子を含む。また、本発明のさらなる実施の形態では、外側のベシクルと被包されたベシクルが、容易に破壊されて、質量タグ分子を放出する。さらなる実施の形態では、外側のベシクルが、リポソーム、ポリマーソーム、又は油/水型(O/W)エマルジョン、水/油/水型(W/O/W)エマルジョン若しくは固体/油/水型(S/O/W)エマルジョン等のエマルジョンである。さらなる実施の形態では、プローブが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子を含み、この分子が固定化される。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド若しくは多糖等の生体高分子;ブロックコポリマー等の合成高分子;ポリヌクレオチド、ポリペプチド若しくは多糖等の生体高分子と、又はブロックコポリマー等の合成高分子と結合した両親媒性分子である。
【0010】
本発明の別の実施の形態は、物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料と少なくとも1つの質量タグ分子とを含む本体、及び本体と連結されたプローブを含む検出プローブである。さらなる実施の形態では、本体が、多孔性であってもよい可溶性ビーズ、又は可溶性カプセルを含んでいてもよい。さらなる実施の形態では、プローブが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子を含み、この分子が固定化されてもよい。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、生体高分子又は合成高分子であってもよい。
【0011】
本発明の別の実施の形態は、物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料と少なくとも1つの第1の質量タグ分子とを含む第1の本体、及び第1の本体に連結された第1のプローブを含む第1の検出プローブと、物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料と少なくとも1つの第2の質量タグ分子とを含む第2の本体、及び第2の本体に連結された第2のプローブを含む第2の検出プローブとを含み、第1の質量タグ分子の質量が、第2の質量タグ分子の質量と異なる、検出プローブセットである。さらなる実施の形態では、第1の本体及び第2の本体が、多孔性であって
もよい可溶性ビーズ、又は可溶性カプセルを含む。さらなる実施の形態では、第1のプローブ及び第2のプローブが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子を含み、この分子が固定化されてもよい。さらなる実施の形態では、第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド若しくは多糖等の生体高分子;ブロックコポリマー等の合成高分子;生体高分子若しくは合成高分子と結合した両親媒性分子、又はポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖等、若しくはブロックコポリマーと結合した両親媒性分子である。
【0012】
本発明の別の実施の形態は、複数の異なる生物学的サンプルを同時に検査する方法であり、それらのサンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、当該方法が、サンプルのそれぞれから分析対象物を表面上に固定化する工程;上述の検出プローブセットと共に上記表面をインキュベートする工程;結合していない検出プローブを除去する工程;結合した検出プローブから第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を回収する工程;及び回収された第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を定量する工程を含む。さらなる実施の形態では、第1の検出プローブ及び第2の検出プローブの結合が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、若しくは低分子化合物等の分子の結合、又は相補的ヌクレオチド配列の結合、抗原−抗体結合、タンパク質−タンパク質結合、又は化学残基と生体分子との結合に起因する。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスによる第1の検出プローブ及び第2の検出プローブの刺激後に回収される。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィによって定量されてもよい。
【0013】
本発明の別の実施の形態は、複数の異なる生物学的サンプルを分析する方法であり、それらのサンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、当該方法が、物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料と少なくとも1つの質量タグ分子とを含む本体、及び本体に連結されたプローブを含む検出プローブでそれぞれのサンプルを標識する工程であって、それぞれのサンプルを標識する検出プローブの質量タグ分子が異なる質量を有する工程;分析対象物の1つと特異的に結合することができる固定化された標的分子と共に、標識されたサンプルをインキュベートする工程;結合していない標識されたサンプルを除去する工程;結合したプローブから質量タグ分子を回収する工程;及び回収された質量タグ分子を定量する工程を含む。さらなる実施の形態では、検出プローブの結合が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、若しくは低分子化合物等の分子の結合、又は相補的ヌクレオチド配列の結合、抗原−抗体結合、タンパク質−タンパク質結合、又は化学残基と生体分子との結合に起因する。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、検出プローブの刺激後に回収される。
【0014】
本発明の別の実施の形態は、第1のベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む第1の外側のベシクルと、第1の外側のベシクル内、もしくは第1のベシクル膜内に被包されるか、又は第1のベシクル膜上に吸着された複数の第1の質量タグ分子と、第1の外側のベシクルに連結されたプローブとを含む第1の検出プローブ、及び、第2のベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む第2の外側のベシクルと、第2の外側のベシクル内、もしくは第2のベシクル膜内に被包されるか、又は第2のベシクル膜上に吸着された複数の第2の質量タグ分子と、第2の外側のベシクルに連結されたプローブとを含む第2の検出プローブを含み、第1の質量タグ分子の質量が、第2の質量タグ分子の質量と異なる、検出プローブセットである。さらなる実施の形態では、第1の外側のベシクル及び第2の外側のベシクルが、容易に破壊されて、質量タグ分子を放出する。さらなる実施の形態では、第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子のそれぞれが、別々に、第1の外側のベシクル及び第2の外側のベシクルのそれぞれの中に、すなわち第1のベシクル膜及び第2のベシクル膜のそれぞれの中に被包されるか、又は第1のベシクル膜及び第2のベシク
ル膜のそれぞれの上に吸着される。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、ベシクル膜の少なくとも一部を構成する。さらなる実施の形態では、第1の外側のベシクル及び第2の外側のベシクルのそれぞれが、少なくとも1つの被包されたベシクル、すなわち質量タグ分子を含む外側のベシクルと被包されたベシクルの少なくとも一部をさらに含み、外側のベシクルと被包されたベシクルが、容易に破壊されて、質量タグ分子を放出する。さらなる実施の形態では、外側のベシクルが、リポソーム、ポリマーソーム、又は油/水型(O/W)エマルジョン、水/油/水型(W/O/W)エマルジョン若しくは固体/油/水型(S/O/W)エマルジョン等のエマルジョンである。さらなる実施の形態では、プローブが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子をそれぞれ含み、この分子が固定化されてもよい。さらなる実施の形態では、第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド若しくは多糖等の生体高分子;ブロックコポリマー等の合成高分子;ポリヌクレオチド、ポリペプチド若しくは多糖等の生体高分子に、又はブロックコポリマー等の合成高分子と結合した両親媒性分子であってもよい。
【0015】
本発明の別の実施の形態は、複数の異なる生物学的サンプルを同時に検査する方法であり、それらのサンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、当該方法が、サンプルのそれぞれから分析対象物を表面上に固定化する工程;第1のベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む第1の外側のベシクルと、第1の外側のベシクル内、もしくは第1のベシクル膜内に被包されるか、又は第1のベシクル膜上に吸着された複数の第1の質量タグ分子と、第1の外側のベシクルに連結されたプローブとを含む第1の検出プローブ、及び、第2のベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む第2の外側のベシクルと、第2の外側のベシクル内、もしくは第2のベシクル膜内に被包されるか、又は第2のベシクル膜上に吸着された複数の第2の質量タグ分子と、第2の外側のベシクルに連結されたプローブとを含む第2の検出プローブを含み、第1の質量タグ分子の質量が、第2の質量タグ分子の質量と異なる、検出プローブセットと共に上記表面をインキュベートする工程;結合していない検出プローブを除去する工程;結合した検出プローブから第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を回収する工程;及び回収された第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を定量する工程を含む。さらなる実施の形態では、検出プローブの結合が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、若しくは低分子化合物等の分子の結合、又は相補的ヌクレオチド配列の結合、抗原−抗体結合、タンパク質−タンパク質結合、又は化学残基と生体分子との結合に起因する。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスによる検出プローブの刺激後に回収される。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィによって定量される。
【0016】
本発明の別の実施の形態は、複数の異なる生物学的サンプルを分析する方法であり、それらのサンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、当該方法が、ベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む外側のベシクルと、ベシクル内、もしくはベシクル膜内に被包されるか、又はベシクル膜上に吸着された複数の質量タグ分子と、ベシクルに連結されたプローブとを含む検出プローブでそれぞれのサンプルを標識する工程であって、それぞれのサンプルを標識する検出プローブの質量タグ分子が異なる質量を有する工程;分析対象物の1つと特異的に結合することができる固定化された標的分子と共に、標識されたサンプルをインキュベートする工程;結合していない標識されたサンプルを除去する工程;結合したプローブから質量タグ分子を回収する工程;及び回収された質量タグ分子を定量する工程を含む。さらなる実施の形態では、検出プローブの結合が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、若しくは低分子化合物等の分子の結合、又は相補的ヌクレオチド配列の結合、抗原−抗体結合、タンパク質−タンパク質結合、又は化学残基と生体分子との結合に起因する。さらなる実施の形態では、
質量タグ分子が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスによる検出プローブの刺激後に回収される。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィによって定量される。
【0017】
本発明の別の実施の形態は、複数の異なる生物学的サンプルを同時に検査する方法であり、それらのサンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、当該方法が、サンプルのそれぞれから分析対象物を表面上に固定化する工程;第1のベシクル膜を形成する複数の第1の質量タグ分子を含む第1の外側のベシクル、及び第1の外側のベシクルに連結されたプローブを含む第1の検出プローブと、第2のベシクル膜を形成する複数の第2の質量タグ分子を含む第2の外側のベシクル、及び第2の外側のベシクルに連結されたプローブを含む第2の検出プローブとを含む検出プローブセットと共に上記表面をインキュベートする工程;結合していない検出プローブを除去する工程;結合した検出プローブから第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を回収する工程;及び回収された第1の質量タグ分子及び第2の質量タグ分子を定量する工程を含む。さらなる実施の形態では、検出プローブの結合が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、若しくは低分子化合物等の分子の結合、又は相補的ヌクレオチド配列の結合、抗原−抗体結合、タンパク質−タンパク質結合、又は化学残基と生体分子との結合に起因する。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスによる検出プローブの刺激後に回収される。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィによって定量される。
【0018】
本発明の別の実施の形態は、複数の異なる生物学的サンプルを分析する方法であり、それらのサンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、当該方法が、ベシクル膜を形成する複数の質量タグ分子を含む外側のベシクル、及びベシクルに連結されたプローブを含む検出プローブでそれぞれのサンプルを標識する工程であって、それぞれのサンプルを標識する検出プローブの質量タグ分子が異なる質量を有する工程;分析対象物の1つと特異的に結合することができる固定化された標的分子と共に、標識されたサンプルをインキュベートする工程;結合していない標識されたサンプルを除去する工程;結合したプローブから質量タグ分子を回収する工程;及び回収された質量タグ分子を定量する工程を含む。さらなる実施の形態では、検出プローブの結合が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、若しくは低分子化合物等の分子の結合、相補的ヌクレオチド配列の結合、抗原−抗体結合、タンパク質−タンパク質結合、又は化学残基と生体分子との結合に起因する。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスによる検出プローブの刺激後に回収される。さらなる実施の形態では、質量タグ分子が、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィによって定量される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本発明の実施形態は、様々な形態のベシクルを利用して、複数の質量タグ分子を保持する検出プローブを含む。質量タグ分子は、米国特許第6,635,452号に開示されており、その全体は参照により本明細書に援用される。質量タグ分子を、標識又はシグナルと称してもよい。本発明で使用される質量タグ分子の種類の例としては、化合物のレパートリー、好ましくは、複数の質量標識の変形体の合成を合理化するために、類似の質量分析脱離特性を共有し、且つ類似又は同一のカップリング化学特性を有する化合物である。本発明の質量タグ分子は、質量分析法によって検出可能である。質量分析技法の代表的な種類としては、マトリクス支援レーザー離脱イオン化法、ダイレクトレーザー脱離、エレクトロスプレーイオン化法、二次中性粒子質量分析法及び二次イオン質量分析法が挙げら
れ、レーザー脱離イオン化法が好ましい。質量スペクトルの測定結果のダイナミックレンジは通常、シグナルの処理及び分析の際に対数増幅器の使用及び/又は様々な減衰によって拡大される。
【0020】
質量タグ分子は、生体高分子及び合成高分子を包含する様々な種類の化合物の膨大なアレイを含んでいてもよい。質量タグ分子として使用可能な代表的な生物学的モノマー単位には、単独又はポリマー形態のいずれかの、アミノ酸、非天然アミノ酸、核酸、サッカライド、炭水化物、ペプチド模倣体及び核酸模倣体が挙げられる。好ましいアミノ酸としては、単純な脂肪族側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン)、芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン及びヒスチジン)、酸素及び硫黄を含有する側鎖を有するアミノ酸(例えば、セリン、スレオニン、メチオニン及びシステイン)、カルボキシル基又はアミド基を含有する側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン及びグルタミン)、及び強塩基を含有する側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン及びアルギニン)、並びにプロリンが挙げられる。上記アミノ酸の誘導体も、モノマー単位となると考えられる。アミノ酸誘導体は、本明細書中で使用される場合、構造中にアミノ置換カルボン酸の塩基性アミノ酸のコアを含有する任意の化合物であり、代表例は、アザセリン、フルオロアラニン、GABA、オルニチン、ノルロイシン及びシクロセリンが挙げられるが、これらに限定されない。上記アミノ酸に由来するペプチドをモノマー単位として使用することもできる。代表例には、約500ダルトンより多い分子量を有する、天然ペプチド及び合成ペプチドの両方が含まれ、約500〜5,000ダルトンのペプチドが好ましい。サッカライドの代表例としては、リボース、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、及び2〜7個の炭素の鎖からなる他の糖誘導体が挙げられる。代表的な多糖としては、グリコシド結合を介して結合した、上に列挙されたサッカライド単位の組み合わせが挙げられる。任意の1つの質量タグ分子中のポリマー単位の配列は重要ではなく、総質量がタグ分子の重要な特徴である。
【0021】
本発明によるモノマー単位はまた、核酸塩基化合物から構成されてもよい。本明細書中で使用される場合、核酸塩基という用語は、構造中にプリン、ピリミジン、核酸、ヌクレオシド、ヌクレオチド、又はこれらのいずれかの誘導体を含む任意の部位を意味する。この誘導体としては、保護された核酸塩基、プリン類似体、ピリミジン類似体、フォリン酸類似体、ホスホン酸メチル誘導体、ホスホトリエステル誘導体、リン酸ホウ素化合物誘導体又はホスホロチオエート誘導体等が挙げられる。
【0022】
本発明による質量タグ分子はまた、所定の質量値を有し、バイオアッセイの間水溶性のままであり、且つ質量分析法によって検出可能である、任意の有機ポリマー又は無機ポリマーを含んでいてもよい。ポリマー形態で質量単位として用いられることが可能な代表的な合成モノマー単位としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルフェノール、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレングリコール、ポリピロール(polypyroles)及びそれらの誘導体が挙げられる。広範なポリマーが、Allcock(Contemporary Polymer Chemistry, Prentice-Hall, Inc., Englewood Cliffs, N. J., 1981)等の文献に基づき当業者にとって直ちに利用可能であろう。このAllcockには、本発明の使用に考えられる多くの付加的なポリマーの性質が記載されている。ポリマーは、1種類のモノマー単位、又はポリマー混合物を生成するモノマー単位の組み合わせからなってもよい。任意の1つの質量タグ分子中のポリマー単位の配列は重要ではなく、総質量がタグ分子の重要な特徴である。
【0023】
約500Da未満の質量を有する不揮発性(nonvolatile)質量タグ分子にとって、通常、重要なイオン特徴が要求され、この代表例としては、第四級アンモニウム塩のポリエチレングリコールオリゴマー(例えば、R−(O−CH2−CH2n−N(CH33+Cl-)及びカルボン酸及びカルボン酸塩のポリエチレングリコールオリゴマー(例えば、R−
(O−CH2−CH2n−CO2−Na+)が挙げられる。
【0024】
非揮発性(involatile)質量タグ分子の例としては一般に、分子量が約500Da未満のポリエチレングリコールと小さいペプチド(天然又は修飾)との小さいオリゴマーが挙げられる。これらの例において、本明細書中で考えられる全ての場合に関して、質量分析は電子の付与によるものではない。
【0025】
本発明の質量タグ分子にはまた、ポリマーではない多様な不揮発性有機化合物及び非揮発性有機化合物が挙げられる。不揮発性有機化合物の代表例としては、ヘム基、色素、有機金属化合物、ステロイド、フラーレン、レチノイド、カロチノイド及び芳香族多環式炭水化物が挙げられる。
【0026】
本発明の質量タグ分子は、様々な分析方法及び分析システムによって検出可能な特定の分子質量又は移動度を有する分子からなる。分析方法及び分析システムとしては、ハイブリダイゼーションアッセイ、多重マイクロアレイアッセイ、多重イムノアッセイ、多重ハイブリダイゼーションアッセイ、多重CpGメチル化アッセイ、キャピラリーアッセイ、質量分析法、電気泳動、及び当業者に既知の他の分析方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
図1Aに図示される実施形態は、好ましくはベシクル22内部に設けられる少なくとも1つの質量タグ分子24を有する被包ベシクル22を含む多数の検出プローブ20を示す。ベシクルは好ましくは、その表面に少なくとも1つの相互作用部位26を備える。各プローブでは、ベシクルが、特定の分子質量を有する少なくとも1つの質量タグ分子24を被包している。
【0028】
図1Bに図示される実施形態は、単層ベシクル32を含む検出プローブ30を示す。ベシクル32の膜38は好ましくは、特定の分子質量を有する質量タグ分子34を含む。単層ベシクル32のさらなる実施形態は、好ましくは単層ベシクル32内に設けられる少なくとも1つの質量タグ分子34を含む。ベシクル32内に設けられる質量タグ34は好ましくは、膜38を構成するものと同じ種類の質量タグ34である。ベシクルは好ましくは、その表面に少なくとも1つの相互作用部位36を備える。
【0029】
図1Cは、本発明の別の好ましい実施形態を示す。それは、多層ベシクル42をさらに含む検出プローブ40からなる。ベシクルの膜48は好ましくは、特定の分子質量を有する質量タグ分子44を含む。多層ベシクル42のさらなる実施形態は、好ましくは多層ベシクル42内に設けられる少なくとも1つの質量タグ分子44を含む。ベシクル42は好ましくは、膜48を構成するものと同じ種類の質量タグ44を好ましくは含有する少なくとも1つのより小さいベシクル49を被包する。ベシクル42内に設けられる質量タグ44は好ましくは、膜48を構成するものと同じ種類の質量タグ44である。ベシクル42は好ましくは、その表面に少なくとも1つの相互作用部位46を備える。
【0030】
図1A〜図1Cの検出プローブ20、30及び40の実施形態は、質量タグ分子を運搬したり放出したりすることができるリポソームを含むベシクルを利用している。検出のために質量タグ分子を放出するのに、これらの担体は好ましくは、物理的刺激によって容易に破壊される。物理的刺激としては、熱、遠心分離、レーザー照射、音波処理、電気、蒸発、凍結融解プロセス、又は当業者に既知の他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。破壊は好ましくは化学的刺激によって達成されてもよい。化学的刺激には、有機溶媒、界面活性剤(detergent)、酸、アルカリ、酵素、カオトロピック試薬(尿素、塩化グアニジウム等)の添加、緩衝液の変更、塩の変更、濃度の変更、pHの変更、浸透圧の変更、及び当業者に既知の他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
好ましい実施形態では、プローブ20、30及び40は、それらの外側表面に化学残基、ポリヌクレオチド、タンパク質、ペプチド、炭水化物、又は当業者に既知の他の小さい化合物を含む相互作用部位26、36及び46を有する。好ましい実施形態では、相互作用部位26、36及び46の分子が固定化される。プローブ20、30及び40の相互作用部位26、36及び46は好ましくは、様々な分子間相互作用を分析するのに用いられることができる。分子間相互作用としては、ヌクレオチド−ヌクレオチド相互作用(ハイブリダイゼーション)、抗原−抗体相互作用(イムノアッセイ)、タンパク質−タンパク質相互作用、小さい化合物−タンパク質相互作用、小さい化合物−細胞相互作用、及び当業者に既知の他の相互作用が挙げられる。
【0032】
本明細書中で定義される場合、「相互作用部位」という用語は、存在を検出すべき分子と反応することが可能な類のもの(a group)を指す。例えば、相互作用部位は、特異的に分子識別可能な生体分子であってもよい。特異的に分子識別可能な生体分子とは一般に、特有の分子又は分子の集合体(classes)と特異的に結合相互作用可能な任意の分子、例えばペプチド、タンパク質、ポリ核酸、炭水化物、及び他の化学分子等である。
【0033】
したがって、開示方法により使用される本明細書中に開示される相互作用部位は、ポリペプチド及びポリ核酸を包含する。本明細書中で使用される場合、ポリペプチドは、(天然及び非天然アミノ酸モノマーを含む)1つより多くのアミノ酸を含有する分子を指す。そのため、ポリペプチドは、2つ以上のアミノ酸を含むペプチド;天然タンパク質;酵素;遺伝子産物;抗体;複合タンパク質;突然変異ポリペプチド又は多形ポリペプチド;翻訳後修飾タンパク質;ベクターシャッフリング、ランダム突然変異誘発又は特異的突然変異誘発、及びペプチド配列ランダム化を伴う高速進化系を包含する、化学合成系、インビトロ翻訳系、細胞に基づく発現系の産物を含む遺伝子組み換え遺伝子産物を包含する。好ましい実施形態では、ポリペプチドが、オリゴペプチド、抗体、酵素、受容体、調節タンパク質、核酸結合タンパク質、ホルモン、又はファージディスプレイ法又はバクテリアディスプレイ法等のディスプレイ法のタンパク質産物であってもよい。より好ましいポリペプチド相互作用部位は、抗体及び酵素である。本明細書中に使用される場合、「ディスプレイ法の産物」という語句は、当該技術分野で既知であるディスプレイ法の実施に起因する任意のポリペプチドを指す。当該技術分野で既知である任意のディスプレイ法を用いて、本発明に関して用いられるポリペプチドを生成してもよいと考えられる。
【0034】
同様に、「ポリ核酸」は、1つより多い核酸を含有する分子を指す。ポリ核酸は、ヌクレオチドモノマー2つ以上分の長さがあり、核酸、オリゴヌクレオチド、オリゴ(oligos)、ポリヌクレオチド、DNA、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNA(mtDNA)、コピーDNA(cDNA)、バクテリアDNA、ウィルスDNA,ウィルスRNA、RNA、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、触媒RNA、クローン、プラスミド、M13、P1、コスミド、バクテリア人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、増幅核酸、単位複製配列、PCR産物、及び他の種類の増幅核酸が挙げられる。好ましい実施形態では、ポリ核酸は、オリゴヌクレオチドであってもよい。
【0035】
本発明の検出プローブのさらなる実施形態は、エマルジョンを含む。特に好ましい実施形態には、油/水(O/W)エマルジョン、水/油/水(W/O/W)エマルジョン及び固体/油/水(S/O/W)エマルジョンが挙げられ、これらは、外側表面に相互作用部位を有するベシクルを含む。質量タグ分子は好ましくは、ベシクル中に被包される。代替的な実施形態では、油と水、又は油と固相との間に界面を含む界面活性剤(detergent)が、質量タグとして作用する。
【0036】
本発明の検出プローブのさらなる実施形態は可溶性ビーズプローブを含み、これは、外側表面に相互作用部位を有するビーズを含む。ビーズは好ましくは、物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料を含む。質量タグ分子は好ましくは、その材料と共に凝固される。代替的な実施形態では、ビーズ材料は好ましくは質量タグとして作用する。
【0037】
検出プローブのさらなる実施形態は、表面に相互作用部位を備える可溶性カプセルを含む。カプセルは好ましくは、物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料を含む。検出のために質量タグ分子を放出するのに、これらの担体は好ましくは、物理的刺激によって容易に破壊される。物理的刺激としては、熱、遠心分離、レーザー照射、音波処理、電気、蒸発、凍結融解プロセス、又は当業者に既知の他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。破壊は好ましくは、化学的刺激によって達成されてもよい。化学的刺激には、有機溶媒、界面活性剤、酸、アルカリ、酵素、カオトロピック試薬(尿素、塩化グアニジウム等)の添加、緩衝液の変更、塩の変更、濃度の変更、pHの変更、浸透圧の変更、及び当業者に既知の他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。質量タグ分子は好ましくは、可溶性カプセル内に被包される。代替的な実施形態では、ビーズ材料は好ましくは、質量タグとして作用する。
【0038】
本発明の検出プローブのさらなる実施形態は可溶性多孔性ビーズプローブを含み、これは、外側表面に相互作用部位を有するビーズを含む。ビーズは好ましくは、複数のプローブを構成し、これは好ましくは、物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料で充填されるか又は覆われることが可能である。質量タグ分子は好ましくは、プローブ中に包含される。代替的な実施形態では、ビーズ材料は好ましくは、質量タグとして作用する。
【0039】
可溶性ビーズプローブ、可溶性カプセルプローブ及び可溶性多孔性ビーズプローブは好ましくは、物理的刺激(熱、遠心分離、レーザー照射、音波処理、電気、蒸発、凍結融解プロセス等)又は化学的刺激(有機溶媒、界面活性剤、酸、アルカリ、酵素、カオトロピック試薬(尿素、塩化グアニジウム等)の添加、緩衝液/塩、濃度、pH、浸透圧の変更等)を受けると溶解度又は形態が変化する材料を利用する。これらの材料は、「質量タグ」として作用し、「質量タグ」は、凝固、重合又は材料内に被包されることが可能である。
【0040】
例えば、ヌクレオチド、ペプチド、サッカライド又はポリマーからなるビーズ又はカプセルは好ましくは、酵素反応又は化学反応によりこれらの成分を分解することによって可溶性となることができるか、又は、物理的刺激又は化学的刺激の他の手段によって変形可能である。ゾル−ゲル材料(コラーゲン、アガロース、ペクチン等)からなるプローブはまた好ましくは、加熱、pHの変更、又は他の形態の当業者に既知の刺激を受けるとゾル−ゲル転換によって変形される。このような材料は一般的に刺激を受けると、包含される質量タグ分子を放出することができるため、デンドリマー、球状糖質高分子(sugar ball)、又は薬物送達担体の他の形態を好ましくは多重プローブに利用することもできる。
【0041】
本発明の様々な実施形態における質量タグ分子の使用は、質量タグ分子が、その分子質量及び上述されるような様々な分析方法によって同定できるため、高多重化アッセイを可能にする。限定するものではないが質量分析法を含む分析方法は、1質量差さえも検出することができる。例えば、(以下の)表1の63種の蛍光色素及び(以下の)表2の22種のリン脂質では、相互間に少なくとも5質量差を有するので、それらは、質量分析法によって同時に同定及び定量されることができる。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
表1及び表2の分子は、それぞれベシクル中の質量タグ又はベシクル成分として使用できる。より多くのプローブが必要である場合、異なる分子質量を有する4つのヌクレオチド又は21個のアミノ酸の組み合わせは、様々な分子量を有する何百もの分子を構成することができるため、様々な配列を有するポリヌクレオチド又はペプチドが質量タグとして利用でき、又は質量タグに連結されることができる。この概念をコンビナトリアルケミストリーに発展させることができ、そのため、何百、何千又は何百万もの「質量タグ」分子を調製することができる。
【0045】
実施形態によっては、質量標識は一般的に、質量分析法によって検出することが可能な任意の化合物であってもよい。特定の実施形態では、質量標識は、モノマー単位を含む生体高分子であってもよく、各モノマー単位は、別々に且つ独立して、基本的にアミノ酸、核酸及びサッカライドからなる群より選択され、アミノ酸及び核酸が好ましいモノマー単位である。各モノマー単位は、別々に且つ独立して選択されてもよいため、生体高分子質量標識は、ポリ核酸、ペプチド、ペプチド核酸及びオリゴヌクレオチド等であってもよい。
【0046】
本明細書中で定義される場合、「核酸」は、標準的又は天然核酸、並びに核酸模倣体としてよく知られている修飾/非天然核酸を指す。したがって、「ヌクレオチド」という用語は、天然ヌクレオチド及び修飾/非天然ヌクレオチドの双方を指し、これらには、ポリ核酸又はオリゴヌクレオチド中に存在するヌクレオシドトリ−、ジ−及びモノホスフェート、並びにモノホスフェートモノマーが挙げられる。ヌクレオチドはまた、リボ;2’−デオキシ;2’,3’−デオキシ、並びに当該技術分野で既知である他のヌクレオチド模倣体の膨大なアレイであってもよい。模倣体は、3’−O−メチル、ハロゲン化塩基又は糖置換体等の鎖終結ヌクレオチド;無糖、アルキル環構造を含む代替的な糖構造;イノシンを含む代替的な塩基;デアザ修飾;キー及びプサイリンカー修飾、質量標識修飾;ホス
ホロチオエート、メチルホスホネート、ボラノホスフェート、アミド、エステル、エーテルを含むホスホジエステル修飾又は置換;及び光切断可能ニトロフェニル部位等の切断する結合部(cleavage linkages)を含む基本的又は完全なヌクレオチド間置換を含む。これらの修飾は、当業者によって既知であり、Sanger(1983)に記載される原理に基づいており、これは参照により本明細書に援用される。
【0047】
同様に、「アミノ酸」という用語は、天然アミノ酸、並びに当該技術分野で既知である方法によって合成されるか又は得ることができる任意の修飾アミノ酸を指す。
【0048】
別の実施形態では、質量標識は、ポリエチレングリコール、ポリビニルフェノール、ポリプロピレングリコール、ポリメチルメタクリレート、及びそれらの誘導体等の合成高分子であってもよい。合成高分子は一般的に、基本的にエチレングリコール、ビニルフェノール、プロピレングリコール、メチルメタクリレート、及びそれらの誘導体からなる群より選択されるモノマー単位を含んでいてもよい。より一般的には、質量標識は、ポリエチレングリコール単位を含有するポリマーであってもよい。あるいは、ベシクルを構成する両親媒性分子それ自体が質量タグ分子として用いられてもよい。例えば、ベシクルは、様々な質量を有する両親媒性分子から作製されてもよい。
【0049】
質量標識は一般に、質量分析法によって検出可能である。任意の既知である質量分析法を使用して、本発明の質量標識を検出することができると考えられるが、マトリクス支援レーザー離脱イオン化質量分析法、ダイレクトレーザー脱離イオン化質量分析法(マトリクス無し)、エレクトロスプレーイオン化質量分析法、二次中性粒子質量分析法及び二次イオン質量分析法等の方法が好ましい。
【0050】
或る実施形態では、質量標識は、限定されるものではないが、約500ダルトンより大きい分子量を有する。いくつかの実施形態に関して、不揮発性(非揮発性を含む)質量標識を有することが好ましい場合があるが、他の実施形態に関しては、揮発性質量標識も考えられる。
【0051】
本発明のプローブは、多重性能においてだけでなく、感度においても利点を有する。表3に示される計算によれば、100nmのベシクルは、315個の質量タグ分子をその内部に、62,800個の分子をその膜に、6,342,800個の分子をその膜及び内側のベシクルに保持することができる。なお、これらのベシクルは好ましくは、S/O/Wエマルジョン、可溶性ビーズ、可溶性カプセル中で分子の固形(粉末、結晶、及び当該技術分野で既知である他の形態)を被包することによって、より多くの分子を被包することができる。1つの検出プローブがより多くの質量タグ分子を保持する場合、より高い感度の検出を達成することができる。たとえば、(以下の)表3は、6,342,800個の質量タグ分子を含有するプローブが、感度を、プローブを用いないものよりも106〜107倍増大させ得ることを示唆している。
【0052】
【表3】

【0053】
また、好ましい実施形態では、1つのプローブ中の質量タグ分子の数が好ましくは、サイズ排除クロマトグラフィ又は膜ろ過法によって制御可能なベシクルのサイズによって決定できるため、再現性のある検出を達成することができる。これらのベシクルのサイズは、数種の方法によって測定することができる。方法としては、サイズ排除クロマトグラフィ、コールターカウンター法、光散乱法、遠心分離、電子顕微鏡法及び原子間力顕微鏡法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
これらのプローブは好ましくは、複数のサンプル(異なる供給源、異なる時間、異なる刺激、サンプルの複製、又は当業者に既知の他のもの)又は複数の標的(異なる遺伝子、タンパク質、小さい化合物及び当業者に既知の他の標的)を同時に分析するのに適用できる。
【0055】
複数のサンプルを分析する場合、本発明の好ましい実施形態によるこれらの相互作用の検出は好ましくは、以下の過程、すなわち異なるプローブで各サンプルを標識すること、標識されたサンプルを混合すること、表面に固定化された標的分子と相互作用させること、洗浄して結合していないサンプルを除去すること、ベシクルから質量タグ分子を回収すること、及び質量タグ分子を定量することによって実施され得る。
【0056】
複数の標的を分析する場合、本発明の好ましい実施形態による検出は好ましくは、以下の過程、すなわち複数の標的と結合したベシクルプローブを組み合わせること、表面に固定化されたサンプルと相互作用させること、洗浄して結合していないプローブを除去すること、ベシクルから質量タグ分子を回収すること、及び質量タグ分子を定量することによって実施され得る。
【0057】
質量タグ分子を回収するために、物理的刺激(限定するものではないが、熱、遠心分離、レーザー照射、音波処理、電気、及び当業者に既知の他の方法を含む)及び/又は化学的刺激(限定するものではないが、有機溶媒、界面活性剤、酸、アルカリ、酵素、カオトロピック試薬の添加、緩衝液/塩、濃度、pH、浸透圧の変更、及び当業者に既知の他の方法を含む)を使用して、ベシクルを破壊し、後の分析のために質量タグ分子を回収できることが好ましい。また、「質量タグ」分子を分析するために、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィを使用して、各質量タグの分子量(又は移動度)を同定できることが好ましい。好ましい実施形態では、質量タグ分子の濃度を同時に定量することができる。また、これらのベシクルプローブは好ましくは、ラマン活性化合物、蛍光色素及び発光色素等の他の化合物タグを運搬してもよい。
【実施例】
【0058】
ハイブリダイゼーションアッセイ
上記の被包されたベシクルプローブ、単層ベシクルプローブ及び多層ベシクルプローブを、ハイブリダイゼーションアッセイを用いて試験した。
【0059】
オリゴ(dA)20及びオリゴ(dT)20を結合した(tethered)ベシクルを調製した。被包されたベシクル及び単層ベシクルを以下の過程で調製した。20μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)、20μmolのコレステロール、2μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホロ−rac−(1−グリセロール)](DPPG)及び1μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−(グルタリル)(グルタリル−DPPE)をクロロホルム中、真空下で乾燥させた。乾燥した脂質を1mlの50mM Tris−HCl、pH7.4、500mM NaCl及び100mM スルホローダミンB(SRB)中に45℃で1時間膨張させた。混合物を2.0μm孔膜で30回及び0.2μm孔膜で30回ろ過してベシクルを調製した。G−25カラムで、取り込まれていないSRBからベシクルを精製した。
【0060】
多層ベシクルをいくつかの過程で調製した。「内側のリポソーム」に関して、10μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)、10μmolのコレステロール及び1.5μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホロ−rac−(1−グリセロール)](DPPG)をクロロホルム中、真空下で乾燥させた。乾燥した脂質を0.5mlの50mM Tris−HCl、pH7.4、500mM NaCl中に45℃で1時間膨脹させた。「小さいベシクル」を45℃で30分間の音波処理によって調製した。内側のリポソームに被包されるリポソームは、10μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)、10μmolのコレステロール、1μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホロ−rac−(1−グリセロール)](DPPG)及び0.5μmolの1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−(グルタリル)(グルタリル−DPPE)をクロロホルム中、真空下で乾燥させることによって調製した。乾燥した脂質を0.5mlの「内側のリポソームの」溶液(上記)中に45℃で1時間膨脹させた。混合物を2.0μm孔膜で30回及び0.2μm孔膜で30回ろ過した。
【0061】
オリゴヌクレオチドのベシクル上への固定化を以下の過程で実施した。1nmolオリゴ(dA)20又はオリゴ(dT)20を、10mM DTT中で15分間、45℃のインキュベーションによって、チオール改質剤を用いて5’末端で活性化した。活性化されたオリゴヌクレオチドをG−25カラムで精製した。オリゴヌクレオチドを50μlのベシクル溶液と室温で一晩混合した。
【0062】
被包されたベシクルの質量タグは、ベシクル内に被包されたスルホローダミンB(SRB)であり、単層ベシクル及び多層ベシクルの質量タグは、膜成分のおよそ50%を占める1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)であった。ハイブリダイゼーション緩衝液(10mM Tris、pH7.4、500mM NaCl)中のベシクルをオリゴ(dT)20を固定化したマイクロプレート(RNAture、カリフォルニア)において1時間、室温でインキュベートした。ハイブリダイゼーション緩衝液で3回洗浄した後、ウェル表面上にハイブリダイズしたベシクルを100%メタノールの添加により破壊した。質量タグ分子をメタノール中に回収し、ESI−TOF質量分析計(Waters、マサチューセッツ)により分析して、対応する質量ピークの質量強度によって定量した。図2に示されるように、結果により、相補オリゴ(dA)20を有するベシクルは、非相補オリゴ(dT)20を含むか又はオリゴヌクレオチドを含まないものと比べて、オリゴ(dT)20マイクロプレートにおいて特異的に補足されたことが示された。図2に
おいて、「オリゴ(dA)」及び「オリゴ(dT)」は、それぞれオリゴ(dT)20を固定化したマイクロプレートによって捕捉される、オリゴ(dA)20結合ベシクル及びオリゴ(dT)20結合ベシクルである。「W/oオリゴ」は、オリゴ(dT)20マイクロプレートによって捕捉される、オリゴヌクレオチドを含まないベシクルであり、「ブランク」は100%メタノールである。被包されたベシクルにおいて、「質量タグ」は、スルホローダミンBであり、m/z=580.60の質量ピークで定量される。単層ベシクル及び多層ベシクルにおいて、「質量タグ」はDPPCであり、m/z=756.05の質量ピークで定量される。
【0063】
多重マイクロアレイアッセイ
図3のサンプルP1、P2、P3等からのメッセンジャーRNA又はそれらの転写されたcDNA(遺伝子A、B、C等)は、質量タグプローブ(P1、P2、P3等にそれぞれ対応するp1、p2、p3等)によって標識され、それらのそれぞれのサンプル源を識別する。標識化は、プローブ上の活性残基との化学反応、プローブに結合したdNTPの取り込み、及びオリゴ(dT)又はプローブに結合される特異的な配列プライマーを用いたcDNA合成等の数種の方法によって達成される。これらの標識された遺伝子は、まとめられ、特異的な配列ポリヌクレオチド(遺伝子A、B、C等とそれぞれ相補的な遺伝子a、b、c等)が固定化されている複数のスポットを有する表面に適用される。ハイブリダイゼーション及び数回の洗浄後、それぞれの遺伝子スポットが、そのそれぞれの相補的な遺伝子を複数のサンプルから捕捉する。各スポット上へのレーザー照射は、スポット上のプローブを破壊して、質量分析法(MALDI等)のために質量タグ分子をイオン化する。あるいは、有機溶媒の添加がプローブを破壊して、質量分析法(ESI等)又は他の分析方法のために質量タグ分子を回収する。各遺伝子スポットから得られる質量タグ分子の質量ピークは同時に、様々なサンプルで発現されるその相補的な遺伝子の量を提供する。
【0064】
多重イムノアッセイ
図4のサンプルP1、P2、P3等からの抗体(A、B、C等)は、質量タグプローブ(P1、P2、P3等にそれぞれ対応するp1、p2、p3等)によって標識される。標識された抗体は、まとめられ、各ウェルが異なる抗原(抗体A、B、C等とそれぞれ特異的に結合するa、b、c等)を有するマイクロプレートに適用される。インキュベーション及び数回の洗浄後、各ウェルが、そのそれぞれの抗体を複数のサンプルから捕捉する。各ウェル上へのレーザー照射が、スポット上のプローブを破壊して、質量分析法(MALDI等)のために質量タグ分子をイオン化するか、又は、有機溶媒の添加がプローブを破壊して、質量分析法(ESI等)のために質量タグ分子を回収する。各ウェルから得られる質量タグ分子の質量ピークは同時に、様々なサンプルで発現される対応する抗体の量を提供する。
【0065】
多重ハイブリダイゼーションアッセイ
対応する配列特異的オリゴヌクレオチド(標的遺伝子、すなわち遺伝子a、b、c等とそれぞれ相補的であるオリゴA、B、C等)と結合した複数のハイブリダイゼーションプローブ(プローブP1、P2、P3等)を図5で図示されるように調製する。これらのプローブは、まとめられ、ハイブリダイゼーション(オリゴ(dT)で被覆された表面により捕捉されるmRNA等)、物理的吸着(ガラス繊維表面上に捕捉されるDNA/RNA等)、合成(ポリメラーゼ又は化学反応によるDNA/RNA合成等)又は当業者に既知の他の方法によって固体表面上に固定化されているサンプルDNA又はRNAに適用される。ハイブリダイゼーション及び数回の洗浄後、サンプル中で発現される遺伝子に対応するプローブのみが、表面上に捕捉される。それゆえ、表面上の質量タグ分子の濃度を分析することにより同時に、サンプルDNA/RNA中の複数の遺伝子プロファイルを提供する。
【0066】
多重CpGメチル化アッセイ
複数のオリゴヌクレオチドと結合したプローブを調製して、ゲノムDNA上の、このプローブの対応するCpGメチル化部位の特異的配列に対してハイブリダイズさせる。これらのプローブは、まとめられ、CpG−メチル特異的抗体又は化学残基で被覆される表面上に捕捉されるフラグメント化されたサンプルDNAに適用される。インキュベーション及び数回の洗浄後、サンプル中で発現されるCpGメチルに対応するプローブのみが、表面上に捕捉される。それゆえ、表面上の「質量タグ」分子の濃度を分析することにより同時に、サンプル中の複数のCpGメチル化部位の発現プロファイルを提供する。
【0067】
キャピラリーアッセイ
図6に図示されるように、プローブ又は標的に特異的なプローブ(ハイブリダイゼーションプローブ、抗体プローブ等)で標識される生物学的なサンプル(DNA、RNA、タンパク質、小さい化合物等)を調製し、まとめて、キャピラリー61に適用する。キャピラリー61の壁の内側に、特異的な標的分子又はサンプル(DNA、RNA、タンパク質、小さい化合物等)を固定化する。インキュベーション及び数回の洗浄後、特異的に結合した分子が、分子間相互作用、例えばハイブリダイゼーション、タンパク質−タンパク質相互作用又は抗原−抗体相互作用等によってキャピラリーの壁の内側に捕捉される。有機溶媒62がキャピラリー61を通過する際に、有機溶媒62の一定限度量が、壁上のプローブ64を破壊して、「質量タグ」分子63を一定限度の容量で回収する。このため、回収された「質量タグ」分子63は、高濃度で分析される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1A】様々な種類の質量タグ含有ベシクルの概略図である。
【図1B】様々な種類の質量タグ含有ベシクルの概略図である。
【図1C】様々な種類の質量タグ含有ベシクルの概略図である。
【図2】様々な種類のベシクルのハイブリダイゼーションアッセイ結果を示すグラフである。
【図3】質量タグ分子を用いた多重マイクロアレイプロセスの概略図である。
【図4】質量タグ分子を用いた多重イムノアッセイの概略図である。
【図5】質量タグ分子を用いた多重ハイブリダイゼーションの概略図である。
【図6】質量タグ分子を用いたキャピラリーアッセイの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む外側のベシクル、
該ベシクル内、もしくは該ベシクル膜に被包されるか、又は該ベシクル膜上に吸着された複数の質量タグ分子、及び
ベシクルに連結されたプローブ、
を含む、検出プローブ。
【請求項2】
前記外側のベシクルが、容易に破壊されて、前記質量タグ分子を放出する、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項3】
前記複数の質量タグ分子が、前記ベシクル膜の少なくとも一部を構成する、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項4】
前記外側のベシクルに被包された少なくとも1つのベシクルをさらに含み、前記外側のベシクルと被包されたベシクルの少なくとも一部が、前記質量タグ分子を含む、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項5】
前記外側のベシクルと被包されたベシクルが、容易に破壊されて、前記質量タグ分子を放出する、請求項4に記載の検出プローブ。
【請求項6】
前記外側のベシクルがリポソームである、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項7】
前記外側のベシクルがポリマーソームである、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項8】
前記外側のベシクルがエマルジョンである、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項9】
前記外側のベシクルが、油/水型(O/W)エマルジョン、水/油/水型(W/O/W)エマルジョン又は固体/油/水型(S/O/W)エマルジョンである、請求項8に記載の検出プローブ。
【請求項10】
前記プローブが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子を含む、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項11】
前記分子が固定化されている、請求項10に記載の検出プローブ。
【請求項12】
前記質量タグ分子が生体高分子である、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項13】
前記質量タグ分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド又は多糖である、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項14】
前記質量タグ分子が合成高分子である、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項15】
前記質量タグ分子がブロックコポリマーである、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項16】
前記質量タグ分子が、生体高分子又は合成高分子と結合した両親媒性分子である、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項17】
前記質量タグ分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖又はブロックコポリマーと結合した両親媒性分子である、請求項1に記載の検出プローブ。
【請求項18】
物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料と少なくとも1つの質量タグ分子とを含む本体、及び
該本体に連結されたプローブ
を含む、検出プローブ。
【請求項19】
前記本体が可溶性ビーズを含む、請求項18に記載の検出プローブ。
【請求項20】
前記可溶性ビーズが多孔性である、請求項19に記載の検出プローブ。
【請求項21】
前記本体が可溶性カプセルを含む、請求項18に記載の検出プローブ。
【請求項22】
前記プローブが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子を含む、請求項18に記載の検出プローブ。
【請求項23】
前記分子が固定化されている、請求項22に記載の検出プローブ。
【請求項24】
前記質量タグ分子が生体高分子である、請求項18に記載の検出プローブ。
【請求項25】
前記質量タグ分子が合成高分子である、請求項18に記載の検出プローブ。
【請求項26】
物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料と少なくとも1つの第1の質量タグ分子とを含む第1の本体、及び
該第1の本体に連結された第1のプローブ
を含む第1の検出プローブと、
物理的刺激又は化学的刺激を受けると可溶性となることができる材料と少なくとも1つの第2の質量タグ分子とを含む第2の本体、及び
該第2の本体に連結された第2のプローブ
を含む第2の検出プローブと
を含み、該第1の質量タグ分子の質量が、該第2の質量タグ分子の質量と異なる、検出プローブセット。
【請求項27】
前記第1の本体及び前記第2の本体が可溶性ビーズを含む、請求項26に記載の検出プローブセット。
【請求項28】
前記可溶性ビーズが多孔性である、請求項27に記載の検出プローブセット。
【請求項29】
前記第1の本体及び前記第2の本体が可溶性カプセルを含む、請求項26に記載の検出プローブセット。
【請求項30】
前記第1のプローブ及び前記第2のプローブが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子を含む、請求項26に記載の検出プローブセット。
【請求項31】
前記分子が固定化されている、請求項30に記載の検出プローブセット。
【請求項32】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子が生体高分子である、請求項26に記載の検出プローブセット。
【請求項33】
前記生体高分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド又は多糖である、請求項32に記
載の検出プローブセット。
【請求項34】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子が合成高分子である、請求項26に記載の検出プローブセット。
【請求項35】
前記合成高分子がブロックコポリマーである、請求項34に記載の検出プローブセット。
【請求項36】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子が、生体高分子又は合成高分子と結合した両親媒性分子である、請求項26に記載の検出プローブセット。
【請求項37】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖又はブロックコポリマーと結合した両親媒性分子である、請求項26に記載の検出プローブセット。
【請求項38】
複数の異なる生物学的サンプルを同時に検査する方法であって、該サンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、該方法が、
該サンプルのそれぞれから該分析対象物を表面上に固定化する工程、
請求項26に記載の検出プローブセットと該表面をインキュベートする工程、
結合していない検出プローブを除去する工程、
結合した検出プローブから前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子を回収する工程、及び
回収された前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子を定量する工程
を含む、方法。
【請求項39】
前記第1の検出プローブ及び前記第2の検出プローブの結合が、分子の結合に起因する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記分子が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、又は低分子化合物である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の検出プローブ及び前記第2の検出プローブの結合が、相補的ヌクレオチド配列の結合に起因する、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記検出プローブの結合が、抗原−抗体結合に起因する、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の検出プローブ及び前記第2の検出プローブの結合が、タンパク質−タンパク質結合に起因する、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の検出プローブ及び前記第2の検出プローブの結合が、化学残基と生体分子との結合に起因する、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記質量タグ分子が、前記第1の検出プローブ及び前記第2の検出プローブの刺激後に回収される、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記刺激が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記定量化方法が、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィからなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
複数の異なる生物学的サンプルを分析する方法であって、該サンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、該方法が、
請求項18に記載の検出プローブでそれぞれのサンプルを標識する工程であって、それぞれのサンプルを標識する検出プローブの前記質量タグ分子が異なる質量を有する工程、
該分析対象物の1つと特異的に結合することができる固定化された標的分子と共に、該標識されたサンプルをインキュベートする工程、
結合していない標識サンプルを除去する工程、
結合したプローブから前記質量タグ分子を回収する工程、及び
回収された前記質量タグ分子を定量する工程
を含む、方法。
【請求項49】
前記検出プローブの結合が、分子の結合に起因する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記分子が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、又は低分子化合物である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記検出プローブの結合が、相補的ヌクレオチド配列の結合に起因する、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記検出プローブの結合が、抗原−抗体結合に起因する、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記検出プローブの結合が、タンパク質−タンパク質結合に起因する、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記検出プローブの結合が、前記化学残基と生体分子との結合に起因する、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記質量タグ分子が、前記検出プローブの刺激後に回収される、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
第1のベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む第1の外側のベシクル、
該第1の外側のベシクル内、もしくは該第1のベシクル膜内に被包されるか、又は該第1のベシクル膜上に吸着された複数の第1の質量タグ分子、及び
該第1の外側のベシクルに連結されたプローブ
を含む第1の検出プローブと、
第2のベシクル膜を形成する複数の両親媒性分子を含む第2の外側のベシクル、
該第2の外側のベシクル内、もしくは該第2のベシクル膜内に被包されるか、又は該第2のベシクル膜上に吸着された複数の第2の質量タグ分子、及び
該第2の外側のベシクルに連結されたプローブ
を含む第2の検出プローブと
を含み、該第1の質量タグ分子の質量が、該第2の質量タグ分子の質量と異なる、検出プローブセット。
【請求項57】
前記第1の外側のベシクル及び前記第2の外側のベシクルが、容易に破壊されて、前記質量タグ分子を放出する、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項58】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子のそれぞれが、前記第1の外側のベシクル及び前記第2の外側のベシクルのそれぞれの中に被包されている、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項59】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子のそれぞれが、前記第1のベシクル膜及び前記第2のベシクル膜のそれぞれの中に被包されている、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項60】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子のそれぞれが、前記第1のベシクル膜及び前記第2のベシクル膜のそれぞれの上に吸着された、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項61】
前記質量タグ分子が、前記ベシクル膜の少なくとも一部を構成する、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項62】
前記第1の外側のベシクル及び前記第2の外側のベシクルが、少なくとも1つの被包されたベシクルをさらに含み、前記外側のベシクルと被包されたベシクルの少なくとも一部が前記質量タグ分子を含む、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項63】
前記外側のベシクルと被包されたベシクルが、容易に破壊されて、前記質量タグ分子を放出する、請求項62に記載の検出プローブセット。
【請求項64】
前記外側のベシクルがリポソームである、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項65】
前記外側のベシクルがポリマーソームである、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項66】
前記外側のベシクルがエマルジョンである、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項67】
前記エマルジョンが、油/水型(O/W)エマルジョン、水/油/水型(W/O/W)エマルジョン又は固体/油/水型(S/O/W)エマルジョンである、請求項66に記載の検出プローブセット。
【請求項68】
前記プローブのそれぞれが、化学残基、ポリヌクレオチド、ポリペプチド及び炭水化物からなる群より選択される少なくとも1つの分子を含む、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項69】
前記分子が固定化されている、請求項68に記載の検出プローブセット。
【請求項70】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子が、生体高分子である、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項71】
前記生体分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド又は多糖である、請求項70に記載の検出プローブセット。
【請求項72】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子が、合成高分子である、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項73】
前記合成高分子がブロックコポリマーである、請求項72に記載の検出プローブセット。
【請求項74】
前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子が、生体高分子又は合成高分子と結合した両親媒性分子である、請求項56に記載の検出プローブセット。
【請求項75】
前記生体分子が、ポリヌクレオチド、ポリペプチド又は多糖である、請求項74に記載の検出プローブセット。
【請求項76】
前記合成高分子がブロックコポリマーである、請求項74に記載の検出プローブセット。
【請求項77】
複数の異なる生物学的サンプルを同時に検査する方法であって、該サンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、該方法が、
該サンプルのそれぞれから該分析対象物を表面上に固定化する工程、
請求項56に記載の検出プローブセットと共に該表面をインキュベートする工程、
結合していない検出プローブを除去する工程、
結合した検出プローブから前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子を回収する工程、及び
回収された前記第1の質量タグ分子及び前記第2の質量タグ分子を定量する工程
を含む、方法。
【請求項78】
前記検出プローブの結合が、分子の結合に起因する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記分子が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、又は低分子化合物である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記検出プローブの結合が、相補的ヌクレオチド配列の結合に起因する、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
前記検出プローブの結合が、抗原−抗体結合に起因する、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
前記検出プローブの結合が、タンパク質−タンパク質結合に起因する、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記検出プローブの結合が、化学残基と生体分子との結合に起因する、請求項77に記載の方法。
【請求項84】
前記質量タグ分子が、前記検出プローブの刺激後に回収される、請求項77に記載の方法。
【請求項85】
前記刺激が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスである、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記定量化方法が、質量分析法、電気泳動及びクロマトグラフィからなる群より選択される、請求項77に記載の方法。
【請求項87】
複数の異なる生物学的サンプルを分析する方法であって、該サンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、該方法が、
請求項1に記載の検出プローブでそれぞれのサンプルを標識する工程であって、それぞれのサンプルを標識する検出プローブの前記質量タグ分子が異なる質量を有する工程、
該分析対象物の1つと特異的に結合することができる固定化された標的分子と共に、該標識されたサンプルをインキュベートする工程、
結合していない標識されたサンプルを除去する工程、
結合したプローブから前記質量タグ分子を回収する工程、及び
回収された前記質量タグ分子を定量する工程
を含む、方法。
【請求項88】
前記検出プローブの結合が、分子の結合に起因する、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記分子が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、又は低分子化合物である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記検出プローブの結合が、相補的ヌクレオチド配列の結合に起因する、請求項87に記載の方法。
【請求項91】
前記検出プローブの結合が、抗原−抗体結合に起因する、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
前記検出プローブの結合が、タンパク質−タンパク質結合に起因する、請求項87に記載の方法。
【請求項93】
前記検出プローブの結合が、化学残基と生体分子との結合に起因する、請求項87に記載の方法。
【請求項94】
前記質量タグ分子が、前記検出プローブの刺激後に回収される、請求項87に記載の方法。
【請求項95】
前記刺激が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスである、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記定量化方法が、質量分析法、電気泳動及びクロマトグラフィからなる群より選択される、請求項87に記載の方法。
【請求項97】
複数の異なる生物学的サンプルを同時に検査する方法であって、該サンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、該方法が、
該サンプルのそれぞれから該分析対象物を表面上に固定化する工程、
第1のベシクル膜を形成する複数の第1の質量タグ分子を含む第1の外側のベシクル、及び該第1の外側のベシクルに連結されたプローブを含む第1の検出プローブと、第2のベシクル膜を形成する複数の第2の質量タグ分子を含む第2の外側のベシクル、及び該第2の外側のベシクルに連結されたプローブを含む第2の検出プローブとを含む検出プローブセットと共に該表面をインキュベートする工程、
結合していない検出プローブを除去する工程、
結合した検出プローブから該第1の質量タグ分子及び該第2の質量タグ分子を回収する工程、及び
回収された該第1の質量タグ分子及び該第2の質量タグ分子を定量する工程
を含む、方法。
【請求項98】
前記検出プローブの結合が、分子の結合に起因する、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記分子が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、又は低分子化合物である、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記検出プローブの結合が、相補的ヌクレオチド配列の結合に起因する、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
前記検出プローブの結合が、抗原−抗体結合に起因する、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
前記検出プローブの結合が、タンパク質−タンパク質結合に起因する、請求項97に記載の方法。
【請求項103】
前記検出プローブの結合が、化学残基と生体分子との結合に起因する、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
前記質量タグ分子が、前記検出プローブの刺激後に回収される、請求項97に記載の方法。
【請求項105】
前記刺激が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスである、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記定量化方法が、質量分析法、電気泳動又はクロマトグラフィからなる群より選択される、請求項97に記載の方法。
【請求項107】
複数の異なる生物学的サンプルを分析する方法であって、該サンプルのそれぞれが複数の分析対象物を含み、該方法が、
ベシクル膜を形成する複数の質量タグ分子を含む外側のベシクル、及び該ベシクルに連結されたプローブを含む検出プローブでそれぞれのサンプルを標識する工程であって、それぞれのサンプルを標識する検出プローブの該質量タグ分子が異なる質量を有する工程、
該分析対象物の1つと特異的に結合することができる固定化された標的分子と共に、該標識されたサンプルをインキュベートする工程、
結合していない標識されたサンプルを除去する工程、
結合したプローブから該質量タグ分子を回収する工程、及び
回収された該質量タグ分子を定量する工程
を含む、方法。
【請求項108】
前記検出プローブの結合が、分子の結合に起因する、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記分子が、DNA、RNA、アプタマー、タンパク質、ペプチド、多糖、生体分子上の化学残基、又は低分子化合物である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記検出プローブの結合が、相補的ヌクレオチド配列の結合に起因する、請求項107に記載の方法。
【請求項111】
前記検出プローブの結合が、抗原−抗体結合に起因する、請求項107に記載の方法。
【請求項112】
前記検出プローブの結合が、タンパク質−タンパク質結合に起因する、請求項107に記載の方法。
【請求項113】
前記検出プローブの結合が、化学残基と生体分子との結合に起因する、請求項107に記載の方法。
【請求項114】
前記質量タグ分子が、前記検出プローブの刺激後に回収される、請求項107に記載の方法。
【請求項115】
前記刺激が、溶媒の変更、化学物質の添加、pHの変更、攪拌、音波処理、加熱、レーザー照射、光照射又は凍結融解プロセスである、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記定量化方法が、質量分析法、電気泳動及びクロマトグラフィからなる群より選択される、請求項107に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−526999(P2007−526999A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552393(P2006−552393)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/005955
【国際公開番号】WO2005/084210
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(500294958)ヒタチ ケミカル リサーチ センター インコーポレイテッド (27)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】