説明

多重管熱交換器

【課題】圧力損失の増加を抑えながら熱交換を促進する。
【解決手段】冷凍サイクル1は、内部熱交換器として機能する多重管熱交換器10を備える。多重管熱交換器10は、外管20と、内管30とを有する。外管20と内管30との間には高圧冷媒が流れる外側通路12が形成されている。内管30の内部には、低圧冷媒が流れる内側通路13が形成されている。内管30の外側には、径方向外側に向けて、すなわち外側通路12内に向けて突出する複数の凸部36が形成されている。内管30の内側には、凸部36に対応する位置に、凹部37が形成されている。凸部36は、素材管を径方向内側に変形させて流路溝34を形成するときに、島状に残された部分である。凸部36は、高圧冷媒と内管30との熱交換を促進する。また、凸部36は、外側通路12の容積を減少させる。凹部37は、低圧冷媒の圧力損失の増加をほとんど生じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内管内の媒体と、内管と外管との間の媒体との熱交換を提供する多重管熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の多重管熱交換器が知られている。例えば、特許文献1ないし特許文献4は、多重管熱交換器を冷凍サイクルの内部熱交換器として利用することを提案している。また、特許文献5は、多重管熱交換器を冷媒と水との熱交換器として利用することを提案している。
【0003】
さらに、特許文献6ないし特許文献10は、熱交換器用の管に、ディンプル状の凸部または凹部を形成することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4350058号
【特許文献2】特許第4350079号
【特許文献3】特許第4246189号
【特許文献4】特開2007−327706号公報
【特許文献5】特開2009−243715号公報
【特許文献6】特開2004−190923号公報
【特許文献7】特開2008−261566号公報
【特許文献8】特開2008−139008号公報
【特許文献9】特開2009−270755号公報
【特許文献10】特開2007−326142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1ないし特許文献5の技術では、内管および/または外管に複数の溝を形成することによって熱交換の促進を図っている。ところが、溝だけでは熱交換性能が不足する場合があった。このため、より高い熱交換性能を発揮できる多重管熱交換器が求められていた。
【0006】
特許文献6の技術では、外管に、内管と外管との間の流路に向けて突出するディンプルを形成している。しかし、この構成では、ディンプルが外管に形成されるため、ディンプルは、内管の内外の間における熱交換には十分に寄与しないという問題点があった。
【0007】
特許文献7ないし特許文献9の技術では、内管に溝を設け、さらにその溝の底にディンプルを設けている。しかし、それらのディンプルは、内管の外側において凹部を提供し、内管の内側において凸部を提供する。ところが、このような形状では、内管と外管との間の媒体と、内管との熱交換が十分に促進されないという問題点があった。
【0008】
さらに、特許文献10の技術でも、管にディンプルを設けている。しかし、ディンプルは、内管の外側において凹部を提供し、内管の内側において凸部を提供する。このため、内管と外管との間の媒体と、内管との熱交換が十分に促進されないという問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内管と外管との間の媒体と、内管との熱交換を促進することができる多重管熱交換器を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、内管と外管との間の媒体と、内管との熱交換を促進しながら、内管の内側の媒体の圧力損失を抑制することができる多重管熱交換器を提供することである。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、内管と外管との間の媒体と、内管との熱交換を促進しながら、内管と外管との間の容積を抑制することができる多重管熱交換器を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、内管と外管との間に高圧冷媒が流れ、内管の内側に低圧冷媒が流れる冷凍サイクル用の内部熱交換器に適した多重管熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0014】
請求項1に記載の発明は、外管(20)と、外管の内部に配置された内管(30)とを備え、外管と内管との間に外側通路(12)を区画するとともに、内管の内部に内側通路(13)を区画する多重管熱交換器(10)において、内管の壁には、外側通路に向けて突出することにより外側通路に向けて凸部(36、236、336)をなすとともに、内側通路に向けて凹部(37、337)をなし、外側通路における媒体の流れ方向に沿って互いに離れて配置された複数の膨出部(35、235、335)が形成されていることを特徴とする。この構成によると、凸部によって、外側通路を流れる媒体と内管との熱交換が促進される。しかも、凹部が内側通路に面して配置されるので、内側通路における圧力損失の増加が抑制される。また、凸部は外側通路に向けて突出しているので、外側通路の容積が抑制される。
【0015】
請求項2に記載の発明は、内管の壁には、外側通路に向けて凹部をなして螺旋状に延びる流路溝(238、338)が形成され、膨出部は、流路溝(238、338)の中に形成されていることを特徴とする。この構成によると、凸部によって、螺旋状の流路溝を流れる媒体と、内管との熱交換が促進される。
【0016】
請求項3に記載の発明は、凸部の径方向の高さ(DH)は、流路溝の径方向の深さより小さいことを特徴とする。この構成によると、螺旋状の流路溝を流れる媒体の圧力損失を過剰に増加させることなく、媒体と内管との熱交換が促進される。
【0017】
請求項4に記載の発明は、外側通路における媒体の流れ方向に関する凸部の長さ(DL)と、外側通路12における高圧冷媒の流れ方向と垂直な方向に関する凸部の幅(DW)とは、流路溝の底面と外管の内面との間の外側通路の高さより大きく、かつ、外管の内径より小さいことを特徴とする。この構成によると、螺旋状の流路溝を流れる媒体の圧力損失を過剰に増加させることなく、媒体と内管との熱交換が促進される。
【0018】
請求項5に記載の発明は、膨出部は、内管の壁を径方向外側から内側に向けて変形させることにより形成された溝(32、34、238、338)の間に残された島状の部分によって提供されていることを特徴とする。この構成によると、複数の膨出部をもつ複雑な形状をもつ内管が素材管から容易に製造される。
【0019】
請求項6に記載の発明は、外側通路における媒体の流れ方向に関する凸部の長さ(DL)と、外側通路12における高圧冷媒の流れ方向と垂直な方向に関する凸部の幅(DW)とは、ほぼ等しいことを特徴とする。この構成によると、螺旋状の流路溝を流れる媒体の圧力損失を過剰に増加させることなく、媒体と内管との熱交換が促進される。
【0020】
請求項7に記載の発明は、凸部(36、236、336)は、球の一部に相当する形状を有することを特徴とする。この構成によると、螺旋状の流路溝を流れる媒体の圧力損失を過剰に増加させることなく、媒体と内管との熱交換が促進される。
【0021】
請求項8に記載の発明は、外側通路は冷凍サイクル(1)の高圧冷媒の通路であり、内側通路は冷凍サイクルの低圧冷媒の通路であり、冷凍サイクルの内部熱交換器を提供することを特徴とする。この構成によると、凸部によって、高圧冷媒と内管との熱交換が促進される。しかも、凹部は、低圧冷媒と内管との熱交換を促進しながら、低圧冷媒の圧力損失の増加を抑制する。また、凸部によって外側通路の容積が抑制されるので、冷媒密度が高い高圧冷媒の量を抑制することができ、冷凍サイクルに封入される冷媒量を抑制することができる。
【0022】
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る冷凍サイクルを示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の多重管熱交換器を示す部分断面図である。
【図3】第1実施形態の多重管熱交換器の内管を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態の高圧冷媒の流れを示す斜視図である。
【図5】第1実施形態の低圧冷媒の流れを示す斜視図である。
【図6】本発明を適用した第2実施形態の多重管熱交換器の内管を示す側面図である。
【図7】本発明を適用した第3実施形態の多重管熱交換器の内管を示す側面図である。
【図8】第3実施形態の高圧冷媒の流れを示す断面図である。
【図9】第3実施形態の低圧冷媒の流れを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る冷凍サイクルを示すブロック図である。冷凍サイクル1は、冷凍サイクル1は、車両用空調装置の一部として車両に搭載された車両用の冷凍サイクルである。冷凍サイクル1は、圧縮機2と、放熱用の熱交換器3と、減圧器4と、吸熱用の熱交換器5と、これらを環状のサイクルとして接続する複数の配管とを有する。圧縮機2は、低圧の冷媒を吸引して圧縮し、高圧冷媒を吐出する。熱交換器3は、圧縮機2から吐出された高圧冷媒と冷却用媒体とを熱交換させ、高圧冷媒から放熱させる。熱交換器3は、放熱器、または凝縮器とも呼ばれる。熱交換器3を出た高圧冷媒は、減圧器4に供給される。減圧器4は、高圧冷媒を減圧し、熱交換器5に供給する。減圧器4は、膨張弁とも呼ばれる。熱交換器5は、減圧器4から供給される低圧冷媒と、冷却対象である媒体、例えば空調空気との間の熱交換を提供する。この結果、例えば空調空気が冷却され、冷房が提供される。熱交換器5は、冷却器、または蒸発器とも呼ばれる。熱交換器5を出た低圧冷媒は、再び、圧縮機2に吸引される。圧縮機2と熱交換器3とは、車両の車室外、例えばエンジンルームに配置されている。熱交換器5は、車両の空調装置内に配置されている。
【0026】
冷凍サイクル1は、多重管熱交換器10を備える。熱交換器3から減圧器4へ低圧冷媒を供給する高圧配管と、熱交換器5から圧縮機2へ低圧冷媒を供給する低圧配管とは、多重管熱交換器10によって提供されている。多重管熱交換器10は、内部熱交換器とも呼ばれる。
【0027】
多重管熱交換器10は、外管20と、内管30とを有する二重管熱交換器である。外管20は、丸い断面をもつ直管状の素材管から製造されている。内管30は、丸い断面をもつ直管状の素材管から製造されている。内管30は、外管20の内部に挿入されている。内管30は、外管20より長い。内管30の両端部分は、外管20の両端からさらに延び出している。外管20と内管30とは、接合部51、52によって接合されている。接合部51、52は、外管20の両端部に設けられている。接合部51、52は、外管20の端部をわずかに縮径させることによって形成された縮径部と、外管20と内管30との間に配置され、両者を接合するろう材とによって形成されている。外管20の両端部には、分岐管61、62が接続されている。
【0028】
多重管熱交換器10は、冷凍サイクル1の配管として車両上に敷設されている。多重管熱交換器10は、車両上に敷設するための複数の曲げ部11を有している。複数の曲げ部11においては、外管20と内管30との変形量の差に起因して、外管20の内面が内管30の外面に強く押し付けられ、外管20が内管30を締め付けている。これにより、外管20の内部において内管30が固定されている。
【0029】
図2は、第1実施形態の多重管熱交換器10を示す部分断面図である。図中においては、多重管熱交換器10の中間部分が省略され、両端部分の外管を除去した部分破断断面が図示されている。
【0030】
外管20の内直径は、内管30の最大の外直径より大きい。この結果、外管20と内管30との間には、隙間が形成される。この隙間と、後述する溝32、34とは、外管20と内管30との間に外側通路12を形成する。外側通路12は、内管30の外表面に沿って媒体を流す通路である。外側通路12は、高圧冷媒が流れる高圧通路を提供する。接合部51、52は、外管20と内管30との間の隙間を閉じ、外側通路12の両端を閉塞する。分岐管61、62の内部通路は、外側通路12に連通している。分岐管61、62は、外側通路12の入口と出口とを提供する。
【0031】
内管30は、内管30の内面に沿って内側通路13を形成している。内側通路13は、低圧冷媒が流れる低圧通路を提供する。内管30は、その両端部に素材管の形状を残した端部31a、31bを有する。内管30の端部31a、31bは、内側通路13の入口と出口とを提供する。
【0032】
内管30は、素材管の壁を径方向内側に向けて塑性変形させることによって形成された溝32を有する。溝32は、分岐管61の位置から、分岐管62の位置に渡って形成されている。溝32は、分岐管61の位置に対応して、内管30の全周を囲む環状溝33aを形成している。溝32は、分岐管62の位置に対応して、内管30の全周を囲む環状溝33bを形成している。環状溝33aは、外側通路12の全周に高圧冷媒を分配する分配溝として機能する。環状溝33bは、外側通路12の全周から高圧冷媒を集合させる集合溝として機能する。
【0033】
溝32は、環状溝33aと環状溝33bとの間において、網状の流路溝34を形成している。網状の流路溝34は、流路溝34の間の網目に相当する部分に、熱交換を促進するための膨出部35を区画している。膨出部35は、内管30の外表面から外側通路12内に向けて突出している。膨出部35は、内管30の壁に形成された変形部とも呼ぶことができる。膨出部35は、いぼ状突出部、ディンプル部またはエンボス部とも呼ぶことができる。
【0034】
図3は、第1実施形態の多重管熱交換器10の内管30を示す斜視図である。図中には、外管20を切断し、内管30を露出させた状態が図示されている。
【0035】
膨出部35は、内管30の外面においては、凸部36をなしている。凸部36は、内管30の表面から、外管20に向けて突き出している。言い換えると、凸部36は、内管30の表面から、外側通路12に向けて突き出している。凸部36の形状は、半球形、または球の一部である。膨出部35は、内管30の内面においては、凹部37をなしている。凹部37は、凸部36に対応する位置に形成されている。凹部37の形状は、半球形、または球の一部である。
【0036】
凸部36は、内管30の径方向に関して、高さDHを有する。高さDHは、流路溝34の底面と外管20の内面との間の外側通路12の高さより小さい。高さDHは、流路溝34の深さよりわずかに小さい。言い換えると、複数の凸部36の頂点が内接する仮想の円の直径は、素材管の外径を残す端部31a、31bの外径よりわずかに小さい。高さDHは、外側通路12の径方向の高さよりわずかに小さい。高さDHは、外側通路12の径方向の高さにほぼ等しいともいえる。複数の凸部36のうちの一部は、その頂点によって外管20の内面に接触する。この結果、複数の凸部36によって、流路溝34の底部と外管20との接触が回避され、外側通路12が維持される。また、曲げ部11においては、複数の凸部36のうちの一部が、その頂点によって外管20の内面に強く接触する。この結果、曲げ部11においても、複数の凸部36によって、流路溝34の底部と外管20との接触が回避され、外側通路12が維持される。
【0037】
凸部36は、外側通路12における高圧冷媒の流れ方向に関して、長さDLを有する。凸部36は、外側通路12における高圧冷媒の流れ方向と垂直な方向に関して、幅DWを有する。この実施形態では、長さDLは幅DWよりわずかに大きい。長さDLと幅DWとは、ほぼ等しく設定することができる。長さDLは、外管20の内径より十分に小さい。幅DWは、外管20の内径より十分に小さい。幅DWは、内管30の外周面の長さより十分に小さい。この実施形態では、内管30の外周面には、8つの凸部36が一列に配置されている。8つの凸部36の間には、流路溝34が形成されている。従って、幅DWは、内管30の外周面の長さの1/8より短い。幅DWは、内管30の外周面の長さの1/16より短く設定することができる。長さDLは、環状溝33aと環状溝33bとの間に、10個以上の複数の凸部36を内管30の軸方向に互いに離して配置することができるように、環状溝33aと環状溝33bとの間の内管30の長さよりも十分に短い。長さDLおよび幅DWは、流路溝34の底面と外管20の内面との間の外側通路12の高さより大きい。幅DWは、凸部36を形成できる加工限界以上に設定されている。
【0038】
凹部37の深さ、長さ、および幅は、凸部36の高さDH、長さDL、および幅DWより小さい。凹部37の深さは、内管30内に形成される内側通路13の直径よりも十分に小さい。
【0039】
複数の凸部36は、内管30の外面上に、互いに離れて分散して配置されている。複数の凸部36は、内管30の周方向に沿って互いに離れて分散して配置されている。複数の凸部36は、内管30の軸方向に沿っても互いに離れて分散して配置されている。複数の膨出部35は、外側通路12における媒体の流れ方向に沿って互いに離れて配置されている。複数の凸部36は、外側通路12に、内管30の軸方向に沿って真っ直ぐに連続する直線状通路を形成しないように配置されている。言い換えると、複数の凸部36は、内管30の外面に沿って内管30の軸方向に流れる高圧冷媒が、必ず凸部36に衝突するように配置されている。図中には、矢印によって高圧冷媒の流れが図示されている。高圧冷媒の流れは、凸部36に衝突し、凸部36を迂回するように流れる。
【0040】
複数の凸部36は、内管30の周方向に沿って並ぶ列を形成している。ひとつの列には、複数の凸部36が配置されている。図示の例では、8つの凸部がひとつの列をなしている。この結果、内管30の周方向に関して、ひとつの凸部36の両側に他の2つの凸部36が接近して配置されている。複数の凸部36は、内管30の軸方向に関して、複数の列をなすように配列されている。さらに、内管30の軸方向に沿って見た場合に、上流側の列に属する2つの凸部36の間に、下流側の列におけるひとつの凸部36が位置するように、複数の凸部36が配置されている。言い換えると、複数の凸部36は、内管30の外面に沿って内管30の軸方向に流れる高圧冷媒が、複数の凸部36との衝突を繰り返すように配置されている。このように、複数の凸部36の高さと配置とは、外側通路12内の高圧冷媒の流れに大きな影響を与え、高圧冷媒の流れを大きく乱すように設定されている。
【0041】
また、凸部36は、外側通路12に向けて突出しているから、外側通路12の流路断面積を減少させる。さらに、凸部36は、外側通路12の容積を減少させる。また、外側通路12を満たす高圧冷媒は、内側通路13を満たす低圧冷媒より冷媒密度が高い。このため、凸部36は、冷凍サイクル1内に封入される冷媒量を減少させるために大きく貢献する。
【0042】
上述のように、内側通路13には、凹部37が面している。また、上述のように、凹部37の深さおよび直径は、凸部36の高さおよび直径より小さい。さらに、内側通路13を満たす低圧冷媒は、外側通路12を満たす高圧冷媒より冷媒密度が低い。このため、凹部37が低圧冷媒の流れに与える影響は、凸部36が高圧冷媒の流れに与える影響より明らかに小さい。具体的には、凹部37の深さと形状とは、低圧冷媒の圧力損失の増加をほとんど生じないように設定されている。
【0043】
図4は、第1実施形態の高圧冷媒の流れを示す斜視図である。図中には、高圧冷媒の流れが矢印によって図示されている。外側通路12における高圧冷媒の流れは、凸部36の形状と配置とに依存する。高圧冷媒の流れは、凸部36に衝突すると、凸部36を迂回するように流れの方向を変える。高圧冷媒の流れは、凸部36の左右を迂回するように、または、凸部36の上を迂回するように流れる。凸部36は、外側通路12の径方向の高さにほぼ等しいから、高圧冷媒の流れは、凸部36から遠く離れることなく、凸部36に沿って流れる。また、内管30の周方向に関しても複数の凸部36が並んでいるから、高圧冷媒の流れは、凸部36から遠く離れることなく、凸部36に沿って流れる。従って、高圧冷媒の流れは凸部36に強く衝突する。また、高圧冷媒の流れは凸部36の表面に沿って流れる。さらに、高圧冷媒の流れは、凸部36の下流側において多くの渦流を発生する。このような高圧冷媒の流れは、高圧冷媒と内管30との間の温度境界層を減少させ、高圧冷媒と内管30との間の熱交換を促進する。
【0044】
図5は、第1実施形態の低圧冷媒の流れを示す斜視図である。図中には、高圧冷媒の流れが矢印によって図示されている。内側通路13における低圧冷媒の流れは、凹部37に出会うと、凹部37に流れ込むように流れの方向を変える。低圧冷媒の流れの一部は、凹部36の上流側部分において大きくゆっくりとした渦流を生じる。また、低圧冷媒の流れの一部は、凹部36より下流側において渦流を生じる。これらの渦流は、低圧冷媒と内管30との間の温度境界層を減少させ、低圧冷媒と内管30との間の熱交換を促進する。しかし、凹部37の深さは、内管30の内直径に比べて十分に小さい。このため、凹部37によって生じる渦流は小さく、速度が低い。一方、凹部37が低圧冷媒の流れに与える影響は小さいから、凹部37は低圧冷媒の圧力損失の増加をほとんど生じない。
【0045】
この実施形態の多重管熱交換器10は、以下の製造方法によって製造することができる。まず、準備工程では、外管20の素材としての素材管と、内管30の素材としての素材管とを準備する。次に、内管加工工程では、内管30の素材管の壁を径方向外側から内側に向けて変形させることによって流路溝34を形成する。このとき、流路溝34の間に複数の島状の部位を残すように流路溝34を形成する。しかも、島状の部位が膨出部35の形状となるように流路溝34が形成される。膨出部35は、素材管を径方向外側から径方向内側に向けて変形させて流路溝34を形成するときに、島状に残された部分である。膨出部35は、素材管からの変形量が少ない部分を網目状に残すことによって形成されているといえる。この結果、複数の膨出部35が提供される。次に、挿入工程では、外管20の内部に内管30を挿入する。次に、接合工程では、外管20と内管30との間に接合部51、52を形成する。さらに、後工程では、外管20に分岐管61、62が接合される。
【0046】
この実施形態において圧縮機2が運転されると冷凍サイクル1内を冷媒が循環する。多重管熱交換器10の外側通路12には、熱交換器3によって放熱された後であって、かつ、減圧器4によって減圧される前の冷媒が流れる。多重管熱交換器10の内側通路13には、熱交換器5によって吸熱した後であって、かつ、圧縮機2によって加圧される前の冷媒が流れる。よって、外側通路12に流れる冷媒は、内側通路13に流れる冷媒より高圧である。また、外側通路12に流れる冷媒は、内側通路13に流れる冷媒より高温である。多重管熱交換器10は、減圧器4に供給される前の高圧冷媒と、熱交換器5から流出した後の低圧冷媒との間の熱交換を提供する。多重管熱交換器10は、冷凍サイクル1の内部熱交換器としての機能を提供する。
【0047】
この実施形態によると、外側通路12を流れる高圧冷媒と内管30との間の熱交換が凸部36によって促進される。また、内側通路13を流れる低圧冷媒と内管30との間の熱交換が凹部37によって促進される。この結果、高圧冷媒と低圧冷媒との間の熱交換も促進される。ここで、凸部37によって提供される熱交換の促進効果は、凹部37によって提供される熱交換の促進効果より大きい。この実施形態では、凸部36が外側通路12内に向けて突出するように形成されているから、冷媒密度が高い高圧冷媒と内管30との間の熱交換が大きく促進される。その一方で、内側通路13には凹部37が面しているから、低圧冷媒の流れにおける圧力損失の増加が抑制される。また、凸部36は、高圧冷媒の流れを外管20の内面にも押し付ける。このため、外管20と高圧冷媒との熱交換も促進する。この結果、高圧冷媒から外管20の外側への放熱を促進することができる。
【0048】
また、凸部36は、冷媒密度が高い高圧冷媒で満たされた外側通路12に向けて突出しているから、外側通路12の容積を減少させる。この結果、高圧冷媒の量が減少し、冷凍サイクル1内に封入される冷媒量も減少する。また、流路溝34の間に残された島状部位によって複数の凸部36を形成することで、複数の凸部36を有する内管30を容易に製造することができる。
【0049】
(第2実施形態)
図6は、本発明を適用した第2実施形態の多重管熱交換器10の内管230を示す側面図である。図中には、外管20を切断し、内管230を露出させた状態が図示されている。
【0050】
第1実施形態では、内管30は、溝32によって形成された網状の流路溝34を有している。これに代えて、この実施形態では、内管30は、溝32によって形成された複数の螺旋状の流路溝238を有している。流路溝238は、内管の壁に形成され、螺旋状に延びている。流路溝238は、外側通路12に向けて凹部をなしている。流路溝238は、一端において環状溝33aと連通し、他端において環状溝33bと連通するように形成されている。流路溝238は、外側通路12を提供する。さらに、内管230は、流路溝238の中にだけ、複数の膨出部235を有している。膨出部235は、内管230の外面においては、凸部236を形成している。ひとつの流路溝338には、その流路溝338が内管30の周囲を一周する区間に、複数の膨出部235、すなわち複数の凸部236が設けられている。複数の膨出部235は、外側通路12における高圧冷媒の螺旋状の流れ方向に沿って互いに離れて配置されている。凸部236は、流路溝238内に流路溝238によって提供される流路断面積を部分的に狭くする狭窄部を形成する。凸部236は、第1実施形態の凸部36と同じ形状である。
【0051】
複数の流路溝238の間には、外側通路12へ向けて凸状であって、螺旋状に延びる脈状の隆起239が形成されている。隆起239は、内管230の素材管の外表面をそのまま残した部分である。隆起239は、膨出部235より十分に大きい幅を有している。隆起239は、外管20の内面と部分的に接触することができる。隆起239は、外管20の内面と接触することにより、膨出部235と外管20との強い接触を阻止し、膨出部235を保護する。
【0052】
流路溝238と凸部236とは、ローラによって素材管を径方向内側に向けて変形させる製造方法によって形成することができる。この製造方法において使用されるローラには、凸部236を形成するための凹みが設けられる。
【0053】
この実施形態では、外側通路12内の高圧冷媒は、主として流路溝238内を流れる。また、一部の高圧冷媒は、内管230の軸方向に沿ってひとつの流路溝238から下流側の流路溝238に向けて、それらの間の峰部を乗り越えて流れる。このような複雑な流れによって、高圧冷媒と内管230との間の熱交換が促進される。さらに、高圧冷媒が流れる流路溝238内にだけ凸部236が設けられるため、流路溝238に集中する高圧冷媒の流れを強く乱すことができる。また、凸部236によって提供される狭窄部は、流路溝238と流路溝238との間の峰部を乗り越える高圧冷媒の流れを増加させる。この結果、高圧冷媒と内管230との熱交換がさらに促進される。
【0054】
(第3実施形態)
図7は、本発明を適用した第3実施形態の多重管熱交換器10の内管330を示す側面図である。図中には、外管20を切断し、内管330を露出させた状態が図示されている。
【0055】
この実施形態でも、内管30は、溝32によって形成された複数の螺旋状の流路溝338を有している。螺旋状の流路溝338は、一端において環状溝33aと連通し、他端において環状溝33bと連通するように形成されている。流路溝338は、外側通路12を提供する。さらに、内管330は、流路溝338の内部にだけ、複数の膨出部335を有している。膨出部335は、内管330の外面においては、凸部336を形成している。凸部336は、第1実施形態の凸部36と類似の形状である。凸部336は、円弧状の凹状断面をもつ流路溝338の中に形成されている。このため、凸部336の外縁は明確ではなく、流路溝338の凹面から、凸部336の凸面へなだらかに変化する曲面が形成されている。
【0056】
複数の流路溝338の間には、外側通路12へ向けて凸状であって、螺旋状に延びる脈状の隆起339が形成されている。隆起339は、内管330の素材管の外表面をそのまま残した部分である。隆起339は、膨出部335より十分に大きい幅を有している。隆起339は、外管20の内面と部分的に接触することができる。隆起339は、外管20の内面と接触することにより、膨出部335と外管20との直接的な接触を阻止し、膨出部335より径方向外側に高圧冷媒の流路を確保する。
【0057】
凸部336は、内管30の径方向に関して、高さDHを有する。高さDHは、流路溝338の径方向の深さより小さい。高さDHは、流路溝338の底面と外管20の内面との間の外側通路12の高さより小さい。凸部336は、外側通路12における高圧冷媒の流れ方向に関して、長さDLを有する。凸部336は、外側通路12における高圧冷媒の流れ方向と垂直な方向に関して、幅DWを有する。長さDLと幅DWとは、ほぼ等しい。長さDLと幅DWとは、流路溝338の幅より小さい。長さDLと幅DWとは、流路溝338の底面と外管20の内面との間の外側通路12の高さより大きく、かつ、外管20の内径より小さい。また、凸部336の高さDHと幅DWとは、ひとつの流路溝338によって主として形成される外側通路12の断面積を少なくとも半減させるように設定することができる。
【0058】
また、内管330が有する凸部336の単位面積あたりの数は、第2実施形態の内管230が有する凸部236の単位面積あたりの数より少ない。凸部336の数は、外側通路12における圧力損失を適切な値に調節するように設定されている。図示の例では、ひとつの流路溝338内に設けられる凸部336の数は、ひとつの流路溝338が内管30の周囲を一周する区間に、3つである。このため、凸部336に起因する熱交換の促進による性能向上と、凸部336に起因する圧力損失の増加との両立が図られている。
【0059】
図8は、第3実施形態の高圧冷媒の流れを示す断面図である。図中には、図7におけるVIII−VIII断面が図示されている。すなわち図中には、流路溝338の延在方向に沿った断面が図示されている。この実施形態では、溝338の底に沿って流れる高圧冷媒の流れ成分が凸部336によって大きく乱される。また、溝338には高圧冷媒が集中して流れることから、溝338の上部を流れる高圧冷媒の流れ成分にも乱れを及ぼすことができる。この結果、高圧冷媒と内管330との熱交換が促進される。
【0060】
図9は、第3実施形態の低圧冷媒の流れを示す断面図である。図中には、図7におけるIX−IX断面が図示されている。すなわち図中には、内管330の軸方向に沿った断面が図示されている。内管330の内面には、溝338に対応して位置し、内側通路13に向けて突出する脈状の隆起340が形成されている。隆起340は、螺旋状に延びている。内側通路13を流れる低圧冷媒の流れ成分のうち、内管330の内面に沿って流れる流れ成分は、隆起340に衝突して流れ方向を変え、隆起340を乗り越えて流れてゆく。隆起340のうち、凸部336に対応する位置にだけ、凹部337が形成されている。隆起340に衝突して流れ方向を変えた流れ成分は、その後に、凹部337に出会う。しかし、流れ成分は、隆起340によって径方向内側に向けて流れ方向を変えた後であるため、凹部337には流れ込みにくい。このため、凹部337の上流側の部位では、凹部337に起因する低圧冷媒の乱れは小さい。また、凹部337の下流側の部位においても、凹部337から流れ出る流れ成分は少ない。このため、凹部337の下流側の部位においても、凹部337に起因する低圧冷媒の乱れは小さい。この結果、凹部337が内側通路13内の低圧冷媒の流れに与える影響は小さく抑制される。
【0061】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
【0062】
例えば、多重管熱交換器10は、三重、四重などの二重管以上の多重管として構成されてもよい。このような構成においては、隣接する2つの管のうち、外側に位置する管が外管とされ、内側に位置する管が内管とされる。
【0063】
また、上記実施形態では、凸部36、236、336の形状を球の一部とした。これに代えて、円錐台、角錐台、三角錐、円柱、直方体など種々の形状の凸部を採用することができる。また、凸部36、236、336の形状を、外側通路12内における媒体の流れ方向に沿って細長い長円状、または長方形状に形成してもよい。また、上記実施形態では、凸部36、236、336の高さを流路溝34の深さより小さくした。これに代えて、凸部の高さを溝の深さと等しくしてもよい。すなわち、凸部の頂点に、素材管の一部を残してもよい。
【0064】
また、上記実施形態に代えて、ひとつの流路溝338内に設けられる凸部336の数は、ひとつの流路溝338が内管30の周囲を一周する区間に、2個以上、15個以下とすることができる。
【0065】
また、上記実施形態では、凸部336が形成された部位においても、なお流路溝338が残されていた。これに代えて、凸部336の高さDHと幅DWとを、ひとつの流路溝338を完全に埋め尽くすように設定してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、内管30の素材管を径方向外側から内側へ向けて変形させることにより形成された溝の間に島状に残された部位によって膨出部を形成した。これに代えて、内管30の素材管の内部から径方向外側に向けて壁を変形させることにより膨出部を形成してもよい。例えば、ハイドロフォーミング加工を利用することができる。
【0067】
また、上記実施形態では、接合部51、52において外管20と内管30とを直接に接合した。これに代えて、外側通路12と内側通路13とを分離する通路ブロックを採用し、外管20と内管30とを通路ブロックに接続する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 冷凍サイクル、2 圧縮機、3 熱交換器、4 減圧器、5 熱交換器、10 多重管熱交換器、11 曲げ部、12 外側通路、13 内側通路、20 外管、30 内管、31a 端部、31b 端部、32 溝、33a 環状溝、33b 環状溝、34 網状の流路溝、238 螺旋状の流路溝、338 螺旋状の流路溝、35 膨出部、235 膨出部、335 膨出部、36 凸部、236 凸部、336 凸部、37 凹部、337 凹部、339 脈状の隆起、340 脈状の隆起、51 接合部、52 接合部、61 分岐管、62 分岐管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管(20)と、
前記外管の内部に配置された内管(30)とを備え、
前記外管と前記内管との間に外側通路(12)を区画するとともに、前記内管の内部に内側通路(13)を区画する多重管熱交換器(10)において、
前記内管の壁には、前記外側通路に向けて突出することにより前記外側通路に向けて凸部(36、236、336)をなすとともに、前記内側通路に向けて凹部(37、337)をなし、前記外側通路における媒体の流れ方向に沿って互いに離れて配置された複数の膨出部(35、235、335)が形成されていることを特徴とする多重管熱交換器。
【請求項2】
前記内管の壁には、前記外側通路に向けて凹部をなして螺旋状に延びる流路溝(238、338)が形成され、
前記膨出部は、前記流路溝(238、338)の中に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の多重管熱交換器。
【請求項3】
前記凸部の径方向の高さ(DH)は、前記流路溝の径方向の深さより小さいことを特徴とする請求項2に記載の多重管熱交換器。
【請求項4】
前記外側通路における媒体の流れ方向に関する前記凸部の長さ(DL)と、前記外側通路12における高圧冷媒の流れ方向と垂直な方向に関する前記凸部の幅(DW)とは、前記流路溝の底面と前記外管の内面との間の前記外側通路の高さより大きく、かつ、前記外管の内径より小さいことを特徴とする請求項3に記載の多重管熱交換器。
【請求項5】
前記膨出部は、前記内管の壁を径方向外側から内側に向けて変形させることにより形成された溝(32、34、238、338)の間に残された島状の部分によって提供されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の多重管熱交換器。
【請求項6】
前記外側通路における媒体の流れ方向に関する前記凸部の長さ(DL)と、前記外側通路12における高圧冷媒の流れ方向と垂直な方向に関する前記凸部の幅(DW)とは、ほぼ等しいことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の多重管熱交換器。
【請求項7】
前記凸部(36、236、336)は、球の一部に相当する形状を有することを特徴とする請求項6に記載の多重管熱交換器。
【請求項8】
前記外側通路は冷凍サイクル(1)の高圧冷媒の通路であり、前記内側通路は前記冷凍サイクルの低圧冷媒の通路であり、前記冷凍サイクルの内部熱交換器を提供することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の多重管熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−127623(P2012−127623A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281999(P2010−281999)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】