多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法
【課題】カットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用したときに停止振動を低減するためには、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間を持たせられるような加減速特性を実現し、停止振動が発生し難い長い減速時間を持った速度指令プロファイルを生成する必要がある。
【解決手段】プログラムで指定された動作速度によらず加速度が常に一定となる手法により生成した速度指令プロファイルにカットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときの減速時間と、前記速度指令プロファイルに前記ローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高いローパスフィルタを適用したときの減速時間とが、同等になるようにして求められた加減速特性を用いて生成した速度指令プロファイルに、前記カットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用したときの速度指令プロファイルを求める。
【解決手段】プログラムで指定された動作速度によらず加速度が常に一定となる手法により生成した速度指令プロファイルにカットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときの減速時間と、前記速度指令プロファイルに前記ローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高いローパスフィルタを適用したときの減速時間とが、同等になるようにして求められた加減速特性を用いて生成した速度指令プロファイルに、前記カットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用したときの速度指令プロファイルを求める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多関節型ロボットに対するユーザニーズとして、作業時間の短縮が重要視されている。これに対して、振動の少ない動作が実現できるような加減速制御方式、マニピュレータ、およびサーボ制御部等の開発が進められている。
【0003】
多関節型ロボットは、回転軸を有するアームごとに減速機のばね成分等に起因する共振が存在する。可搬重量が5kg〜10kgである中型の多関節型ロボットの場合、軸によってはその共振周波数が10Hz前後になる。振動の少ない動作を実現するためには、ロボットを共振周波数近傍で動作させないようにすることが重要となる。
【0004】
通常、作業時間を短縮するためには、モータの最大トルクが飽和しない範囲内で加速度をできるだけ大きな値に設定する等の方法がとられる。これはつまり、速度指令波形である速度指令プロファイルの加減速時間(加速時間と減速時間)をできるだけ短くし、加減速のカーブを急峻にすることを意味する。なお、加速時については、この方針に従っても特に問題とはならない。しかしながら、減速時については、停止精度に問題が出ることとなる。
【0005】
加減速時間を短くすると、速度指令プロファイルに含まれる高周波数成分(10Hz前後)が増大する。このようなとき、中型の多関節型ロボットなどでは、ロボットを共振周波数近傍(10Hz前後)で動作させてしまうこととなり、振動を発生させてしまう。加速時の振動は、ロボットの動作に対してそれほど影響を与えることはない。しかしながら、減速時の振動は、停止振動となって停止精度に大きく悪影響を及ぼす。すなわち、減速時において、モータの最大トルクのみに注視していると、停止精度を損なうこととなる。
【0006】
この対策としては、速度指令プロファイルを生成する段階で、停止振動の原因となり得る高周波数成分を予め低減しておくことが考えられる。高周波数成分の多寡は、プログラムで指定される動作速度に応じて決定される加速度と加減速時間により決定される。加速度を低くするほど、また、加減速時間を長くするほど、高周波数成分を低減することができる。どの動作速度においても、停止振動の少ない動作を実現するためには、動作速度と加減速時間の関係(例えば、比例関係。以下、動作速度と加減速時間の関係を加減速特性という。)を適切に決定する必要がある。
【0007】
加減速特性の決定については、例えば、以下の2つの手法が用いられている。
【0008】
1つ目の手法は、多関節ロボットを動作させるためのプログラムで指定された動作速度によらず、加減速時間が常に一定となる等加速時間方式である(例えば、特許文献1参照)。この手法は、図10における直線29で示される。図10の直線29は、動作速度が増加しても加減速時間は一定であることを示している。また、図11の上段は、等加速時間方式により生成された速度指令プロファイルの例として、最大動作速度が異なる速度指令プロファイル31と速度指令プロファイル32を示している。図11に示すように、速度指令プロファイル31と速度指令プロファイル32は最大動作速度が異なるが、ゼロから最大動作速度になるまでの時間および最大動作速度からゼロになるまでの時間、すなわち、加減速時間は同じである。このように、動作速度によらず加減速時間が常に一定となるので、動作速度を低くすることで加速度が低くなり、高周波数成分を低減することができる。この等加速時間方式は、停止振動の低減を動作速度の低下のみで実現できるので、停止精度の問題への対処が比較的容易であり、一般に広く用いられている。
【0009】
2つ目の手法は、プログラムで指定された動作速度によらず、加速度が常に一定となる等加速度方式である(例えば、特許文献2参照)。この手法は、図10における直線30に示されるように、加減速時間が動作速度により変化する。図10の下段は等加速度方式により生成された速度指令プロファイルの例として、最大動作速度が異なる速度指令プロファイル33と速度指令プロファイル34を示している。図11に示すように、速度指令プロファイル33と速度指令プロファイル34は最大動作速度が異なるが、加速度は同じである。このように、動作速度によらず加速度が常に一定となるため、動作速度を低くすることで加減速時間が短くなり、動作速度によらず短い作業時間の動作が可能となる。このことは、どの動作速度でもモータの利用率を高く維持できることを意味している。
【0010】
ただし、これら2つの手法には、それぞれ以下のような課題がある。
【0011】
1つ目の等加速時間方式では、ロボットだけでなく付帯機器やワークの停止振動を低減しようとするときに課題を有する。このようなとき、ロボットに対して、停止位置の少し手前で動作速度を低下させるといった動作をとらせることが一般的である。しかしながら、等加速時間方式では、動作速度を下げても加減速時間は一定であるため、2つ目の等加速度方式と比較すると、モータの利用率や作業時間の面で劣ることになる。この劣る場合の例を挙げれば、動作速度の設定を最大速度の50%から25%に低下させる場合、等加速時間方式は、動作速度を半分に低下しても加減速時間は変化しない。一方、等加速度方式は、動作速度が低下した分だけ加減速時間も同倍率で短くなる。
【0012】
図12に、動作速度の設定を最大速度の50%から25%に低下させる場合における等加速時間方式により生成された速度指令プロファイル35と、等加速度方式により生成された速度指令プロファイル36と、さらに、速度指令プロファイル35と速度指令プロファイル36の作業時間の差である時間差37を示す。
【0013】
図12より、下段に示す等加速度方式の方が、上段に示す等加速時間方式よりも、作業時間の面で大きく優れることがわかる。このことは同時に、等加速度方式の方がより効率よくモータを利用していることを意味している。これらの結果は、等加速時間方式の性質上不可避なものである。従って、等加速時間方式は、モータの利用率と作業時間の短縮において大きな課題を有しているといえる。
【0014】
一方、2つ目の等加速度方式は、動作速度を低下させたときの停止精度に課題を有している。等加速度方式では、動作速度が低下しても加速度が一定のままであり、加減速時間が短くなる。そのため、動作速度の低下に伴って速度指令プロファイルの高周波数成分は増大することになる。故に、1つ目の等加速時間方式と比較すると、特に低速動作での停止振動が大きくなってしまう。ただし、この課題については、フィルタを用いて速度指令プロファイルから共振周波数近傍の高周波数成分を除去し、停止振動が発生する周波数による動作を避けることで対応することができる。なお、ロボットの共振周波数は、その姿勢により流動的に変化するが、広範囲の周波数帯をカバーできるローパスフィルタを使用すれば問題はない。
【0015】
なお、加減速特性は、ロボットに取り付ける負荷やロボットの軸ごとに、例えば、振動が所定値よりも抑制されることを条件に実験的に予め求めておくものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開昭59−090107号公報
【特許文献2】特開平1−164280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
以上のことから、等加速度方式とローパスフィルタの併用を基本とし、作業時間をできるだけ短くすることができ、低速時に停止振動が発生しないような速度指令プロファイルを生成することが、多関節型ロボットに対するユーザニーズに応えるための適切な手段の1つであると考えられる。
【0018】
図13に、ローパスフィルタを適用したときの速度指令プロファイルの例を示す。指令速度や指令角度や加減速特性に基づいて決定された速度指令プロファイル38に、ローパスフィルタを適用すると、速度指令プロファイル39のように加減速時間が延長される。このことにより、速度指令プロファイルの高周波数成分が低減される。この効果は動作速度によらず常に発揮される。
【0019】
ただし、このような停止振動が発生し難い長い加減速時間を実現するためには、ローパスフィルタのカットオフ周波数を低くし、高周波数成分をより多く低減する必要がある。しかしながら、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを用いる場合、図13に示すように、減速時間だけではなく、加速時間までも大きく延長させてしまう。このように加速時間も長くなると、多関節ロボットの作業時間も長くなることとなる。
【0020】
この課題については、ローパスフィルタのカットオフ周波数を高くすることで解決できる。しかしながら、カットオフ周波数の高いローパスフィルタでは、停止振動が発生し難い長い加減速時間を実現することができない、といったカットオフ周波数の低いローパスフィルタと正反対の問題が発生する。
【0021】
これら両方の課題を解決するためには、加速時には短い加速時間を持ち、減速時には停止振動の発生し難い長い減速時間を持った速度指令プロファイルが生成することが必要となる。この実現には、カットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用した速度指令プロファイルに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間を持たせることができる適切な加減速特性を求めることが必要となる。
【0022】
本発明は、上記のような加減速特性を求めて、多関節型ロボットの速度指令プロファイルを生成する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、モータによって駆動する複数の回転軸を有する回転アームを備え、予め教示されたプログラムに従って動作する多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法であって、プログラムで指定された動作速度によらず加速度が一定となるように第1の速度指令プロファイルを生成する第1のステップと、前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに第1のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第2のステップと、前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに前記第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高い第2のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第3のステップと、前記第2のステップの減速時間と前記第3のステップの減速時間が同等になるように動作速度と加減速時間の関係を表す加減速特性を求めて第2の速度指令プロファイルを生成する第4のステップと、前記第4のステップで生成した前記第2の速度指令プロファイルに前記第2のローパスフィルタを適用したときの第3の速度指令プロファイルを求める第5のステップを備えたものである。
【0024】
また、本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、上記に加えて、第5のステップにおける加速時の加速特性は、第1のステップで生成された第1の速度指令プロファイルの加速特性に第2のローパスフィルタを適用した特性とし、前記第5のステップにおける減速時の減速特性は、第4のステップで生成された第3の速度指令プロファイルの減速特性に前記第2のローパスフィルタを適用した特性としたものである。
【0025】
また、本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、上記に加えて、第1のステップで生成した第1の速度指令プロファイルにおける減速特性の減速時間を変更することで減速特性を変更し、この変更した減速特性に第2のローパスフィルタを適用して減速時間を算出し、この減速時間が第2のステップで求めた減速時間と同じになるまで前記減速特性の変更を行うものである。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明の速度指令プロファイルの生成方法によれば、カットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用した速度指令プロファイルに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1における加減速特性を決定する手順を示すフローチャート
【図2】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS1からS2にて生成される速度指令プロファイルを示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS3にて生成される速度指令プロファイルとその加減速時間TLを示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS4にて生成される速度指令プロファイルとその加減速時間THを示す図
【図5】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS4からS6を繰り返すことで生成される速度指令プロファイルとステップS7で記録される加減速時間TRを示す図
【図6】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS9で行われる操作を示す図
【図7】等加速度方式による加減速特性と、停止振動の発生し難い長い加減速時間を実現する加減速特性と、本発明による加減速特性を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における速度指令プロファイルを生成する演算部分から制御対象となるモータまでの概略構成を示すブロック図
【図9】従来の等加速度方式により生成した速度指令プロファイルと本発明の実施の形態2により生成した速度指令プロファイルの比較を示す図
【図10】従来の等加速時間方式および等加速度方式による加減速特性を示す図
【図11】従来の等加速時間方式および等加速度方式により生成した高速時および低速時の速度指令プロファイルを示す図
【図12】従来の最大速度の50%から25%に減速したときの等加速時間方式および等加速度方式により生成した速度指令プロファイルを示す図
【図13】従来のローパスフィルタによる速度指令プロファイルの平滑化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について図1から図9を用いて説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態における動作速度と加減速時間の関係である加減速特性を決定するフローチャートを示す。この加減速特性は、以下のステップにより決定する。なお、以下のステップは、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PC)等の演算機器を用いて行う。
【0030】
なお、下記において、加減速特性とは、加速部分と減速部分のみの速度指令のことであり、速度指令プロファイルとは、加速部分と、定速部分と、減速部分の全てを含む速度指令のことである。
【0031】
まず、動作速度を多関節ロボットで実行可能な最大速度に設定した状態でステップを開始する。最初に、ステップS1に従い、動作速度を最大速度の100%に設定する。次に、ステップS2に従い、等加速度方式に従って速度指令と角度指令に基づいて決定された加減速特性を用いて、速度指令と加減速特性に基づいて速度指令プロファイルを生成する。ステップS1からS2にて生成される速度指令プロファイル1を図2に示す。
【0032】
次に、ステップS3に従い、ステップS2で生成した速度指令プロファイルにカットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用し、そのときの加減速時間TLを求める。なお、第1のローパスフィルタの適用は、PC等により行われる。そして、加減速時間TLは、加速時間と減速時間であり、これら加速時間と減速時間は同じ値である。ステップS3にて生成される速度指令プロファイル2とその加減速時間TLを図3に示す。
【0033】
次に、ステップS4に従い、前記ステップS2で生成した速度指令プロファイルに第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタを適用し、そのときの加減速時間THを求める。ステップS4にて生成される速度指令プロファイル3とその加減速時間THを図4に示している。
【0034】
次に、ステップS5に従い、加減速時間TLと加減速時間THとを比較し、両者が同値になるまで前記ステップS4からS6を繰り返し、加減速時間を調整する。ステップS4からS6を繰り返して調整する際の具体例としては、ローパスフィルタを適用する前の減速特性において減速時間を短くし、それに第2のローパスフィルタを適用して加減速時間TH求め、これを加減速時間TLと比較し、同じになるまで加減速特性の減速時間の変更および変更した減速時間への第2のローパスフィルタの適用を繰り返す。
【0035】
次に、ステップS7に従い、第1のローパスフィルタおよび第2のローパスフィルタが適用されていない前記ステップS4からS6により求められた速度指令プロファイルの加減速時間TRを記録する。ステップS4からS6を繰り返すことで生成される速度指令プロファイル4と上記ステップS7で記録される加減速時間TRを図5に示している。
【0036】
次に、ステップS8、S9に従い、例えば動作速度が最大速度の10%になるまで、動作速度を例えば10%ずつ低下させながら前記ステップS2からS7を繰り返す。これにより、加減速特性を求めるために必要な複数の点を得ることができる。図6に、ステップS9にて行われる操作を示している。
【0037】
上記により決定された各動作速度の加減速時間を用いて、所望の加減速特性を実現する。
【0038】
図7に、等加速度方式によりステップS1に基づいて決定された加減速特性5と、この加減速特性5に第1のローパスフィルタを適用した停止振動の発生し難い長い加減速時間を実現する加減速特性6と、加減速特性5にカットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタを適用することで前記加減速特性6を実現する加減速特性7の3つの加減速特性を示している。なお、加減速特性7は、第2のローパスフィルタを適用する前の特性であり、この加減速特性7に第2のローパスフィルタを適用することで加減特性6と同じ直線となる。
【0039】
さらに、図7に、動作速度が最大速度の100%時における等加速度方式での加減速時間8と、同条件における停止振動の発生し難い長い加減速時間9と、同条件における本発明での加減速時間10を示している。さらに、動作速度が最大速度の50%時における等加速度方式での加減速時間11と、同条件における停止振動の発生し難い長い加減速時間12と、同条件における本発明での加減速時間13を示している。さらに、動作速度が最大速度の10%時における等加速度方式での加減速時間14と、同条件における停止振動の発生し難い長い加減速時間15と、同条件における本発明での加減速時間16を示している。
【0040】
なお、加減速特性7が、本実施の形態により求められるべき加減速特性であり、第2のローパスフィルタを適用する前のものである。
【0041】
動作速度が最大速度の100%のとき、加減速特性5にカットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間8から加減速時間9に延長される。また、加減速特性7に、前記カットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間10から加減速時間9に延長される。
【0042】
同様に、動作速度が最大速度の50%のとき、加減速特性5に第1のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間11から加減速時間12に延長される。また、加減速特性7に第2のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間13から加減速時間12に延長される。
【0043】
同様に、動作速度が最大速度の10%のとき、加減速特性5に第1のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間14から加減速時間15に延長される。また、加減速特性7に第2のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間16から加減速時間15に延長される。
【0044】
以上のように、本実施の形態における加減速特性を求めて速度指令プロファイルを生成する方法によれば、カットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフルタを適用したときに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間を持った停止振動の発生し難い速度指令プロファイルを生成できる。
【0045】
なお、本実施の形態においては、多関節型ロボット以外の加減速制御を必要とするサーボ機器にも適用が可能である。
【0046】
(実施の形態2)
図8を用いて、本実施の形態における制御装置について説明する。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同様の名称を使用して詳細な説明は省略する。
【0047】
図8に、多関節ロボットの制御装置の構成の一例を示す。制御装置は、加速時における加速特性を指令速度に基づいて決定する加速特性決定部17と、減速時における減速特性を指令速度に基づいて決定する減速特性決定部18と、加速特性決定部17と減速特性決定部18の結果を用いて速度指定プロファイルを生成する速度指令プロファイル生成部19と、速度指令プロファイル生成部19が出力した速度指令プロファイルの高周波数成分を低減するためのカットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタ20と、第2のローパスフィルタ20の出力に基づいて多関節型ロボットに搭載されたモータ22を制御するサーボ制御部21を備えている。
【0048】
なお、加速特性決定部17には、指令速度とこれに対応付けられた加速特性が、テーブルとして複数記憶されている。この加速特性決定部17に記憶されている情報は、ロボットに取り付ける負荷やロボットの軸ごとに、例えば、振動が所定値よりも抑制されることを条件に実験的に予め求めておくものである。
【0049】
また、減速特性決定部18には、指令速度とこれに対応付けられた実施の形態1に示した方法で求めた減速特性が、テーブルとして複数記憶されている。
【0050】
以上のように構成された制御装置について、その動作を説明する。まず、加速特性決定部17において、加速時における加速特性を、等加速度方式として速度指令に基づいて決定する。次に、減速特性決定部18において、減速時における減速特性を、速度指令に基づいて決定する。なお、速度指令は、ロボットを動作させるための動作プログラム等に含まれているものである。次に、速度指令プロファイル生成部19において、加速特性決定部17で決定された加速特性と減速特性決定部18で決定された減速特性を用いて、速度指令プロファイルを生成する。次に、速度指令プロファイル生成部19で生成された速度指令プロファイルに第2のローパスフィルタ20を適用することで速度指令プロファイルの高周波数成分を低減する。次に、サーボ制御部21において、第2のローパスフィルタ20を適用した速度指令プロファイルに基づいてモータ22の制御を行う。
【0051】
図9に、加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成した速度指令プロファイル23と、速度指令プロファイル23にカットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用したときの速度指令プロファイル24と、そのときの減速時間25を示す。さらに、加速時の加速特性の決定に等加速度方式を用い、減速時の減速特性の決定に実施の形態1で示した方法を用い、これらの加速特性と減速特性を用いて生成した速度指令プロファイル26と、速度指令プロファイル26に第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数の高い第2のローパスフィルタ20を適用したときの速度指令プロファイル27と、そのときの減速時間28を示す。
【0052】
図9より、制御装置において、加速時には、カットオフ周波数の高い第2のローパスフィルタ20を適用するので、加速時間が大きく延長されることがなく、カットオフ周波数の低い第1のローパスフィルタを適用したときよりも作業時間を短縮することができる。また、減速時には、実施の形態1で示した方法で減速特性を決定することにより、カットオフ周波数の低い第1のローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間が得られる。そのため、カットオフ周波数の高い第2のローパスフィルタ20による加速時間が長くならないといった効果と合わせ、減速時に高周波数成分を大きく低減することができ、停止振動が発生し難くなる。
【0053】
以上のように、本実施の形態の速度指令プロファイルの生成方法を用いた多関節ロボットの制御装置によれば、等加速度方式単独の状態よりも停止精度を向上させることができ、カットオフ周波数の低い第1のローパスフィルタを適用したときよりも作業時間を短縮することができる。
【0054】
なお、本実施の形態は、多関節型ロボット以外の加減速制御を必要とするサーボ機器にも適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、カットオフ周波数が高いローパスフィルタを適用したときに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときと同等の停止振動の発生し難い長い減速時間を持った速度指令プロファイルを生成でき、多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成などに有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 速度指令プロファイル(ステップS1からS2にて生成)
2 速度指令プロファイル(ステップS3にて生成)
3 速度指令プロファイル(ステップS4にて生成)
4 速度指令プロファイル(ステップS4からS6を繰り返すことで生成)
5 加減速特性(等加速度方式に従って決定)
6 加減速特性(停止振動の発生し難い長い加減速時間を実現)
7 加減速特性(本発明により求められる)
8 加減速時間(動作速度が最大速度の100%時における等加速度方式での時間)
9 加減速時間(動作速度が最大速度の100%時における停止振動の発生し難い長い時間)
10 加減速時間(動作速度が最大速度の100%時における本発明による時間)
11 加減速時間(動作速度が最大速度の50%時における等加速度方式での時間)
12 加減速時間(動作速度が最大速度の50%時における停止振動の発生し難い長い時間)
13 加減速時間(動作速度が最大速度の50%時における本発明による時間)
14 加減速時間(動作速度が最大速度の10%時における等加速度方式での時間)
15 加減速時間(動作速度が最大速度の10%時における停止振動の発生し難い長い時間)
16 加減速時間(動作速度が最大速度の10%時における本発明での時間)
17 加速特性決定部
18 減速特性決定部
19 速度指令プロファイル生成部
20 第2のローパスフィルタ
21 サーボ制御部
22 モータ
23 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成)
24 速度指令プロファイル(速度指令プロファイル23にカットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したもの)
25 減速時間
26 速度指令プロファイル(加速時の加減速特性の決定に等速度方式を、減速時の加減速特性の決定に本発明をそれぞれ用いて生成)
27 速度指令プロファイル(速度指令プロファイル26にカットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用)
28 減速時間
29 加減速特性(等加速時間方式にて決定)
30 加減速特性(等加速度方式にて決定)
31 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速時間方式を用いて生成(高速))
32 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速時間方式を用いて生成(低速))
33 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成(高速))
34 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成(低速))
35 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速時間方式を用いて生成(停止位置手前にて最大速度の50%から25%に減速))
36 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成(停止位置手前にて最大速度の50%から25%に減速))
37 時間差(速度指令プロファイル35と速度指令プロファイル36の作業時間の差)
38 速度指令プロファイル
39 速度指令プロファイル(ローパスフィルタにより平滑化)
【技術分野】
【0001】
本発明は多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多関節型ロボットに対するユーザニーズとして、作業時間の短縮が重要視されている。これに対して、振動の少ない動作が実現できるような加減速制御方式、マニピュレータ、およびサーボ制御部等の開発が進められている。
【0003】
多関節型ロボットは、回転軸を有するアームごとに減速機のばね成分等に起因する共振が存在する。可搬重量が5kg〜10kgである中型の多関節型ロボットの場合、軸によってはその共振周波数が10Hz前後になる。振動の少ない動作を実現するためには、ロボットを共振周波数近傍で動作させないようにすることが重要となる。
【0004】
通常、作業時間を短縮するためには、モータの最大トルクが飽和しない範囲内で加速度をできるだけ大きな値に設定する等の方法がとられる。これはつまり、速度指令波形である速度指令プロファイルの加減速時間(加速時間と減速時間)をできるだけ短くし、加減速のカーブを急峻にすることを意味する。なお、加速時については、この方針に従っても特に問題とはならない。しかしながら、減速時については、停止精度に問題が出ることとなる。
【0005】
加減速時間を短くすると、速度指令プロファイルに含まれる高周波数成分(10Hz前後)が増大する。このようなとき、中型の多関節型ロボットなどでは、ロボットを共振周波数近傍(10Hz前後)で動作させてしまうこととなり、振動を発生させてしまう。加速時の振動は、ロボットの動作に対してそれほど影響を与えることはない。しかしながら、減速時の振動は、停止振動となって停止精度に大きく悪影響を及ぼす。すなわち、減速時において、モータの最大トルクのみに注視していると、停止精度を損なうこととなる。
【0006】
この対策としては、速度指令プロファイルを生成する段階で、停止振動の原因となり得る高周波数成分を予め低減しておくことが考えられる。高周波数成分の多寡は、プログラムで指定される動作速度に応じて決定される加速度と加減速時間により決定される。加速度を低くするほど、また、加減速時間を長くするほど、高周波数成分を低減することができる。どの動作速度においても、停止振動の少ない動作を実現するためには、動作速度と加減速時間の関係(例えば、比例関係。以下、動作速度と加減速時間の関係を加減速特性という。)を適切に決定する必要がある。
【0007】
加減速特性の決定については、例えば、以下の2つの手法が用いられている。
【0008】
1つ目の手法は、多関節ロボットを動作させるためのプログラムで指定された動作速度によらず、加減速時間が常に一定となる等加速時間方式である(例えば、特許文献1参照)。この手法は、図10における直線29で示される。図10の直線29は、動作速度が増加しても加減速時間は一定であることを示している。また、図11の上段は、等加速時間方式により生成された速度指令プロファイルの例として、最大動作速度が異なる速度指令プロファイル31と速度指令プロファイル32を示している。図11に示すように、速度指令プロファイル31と速度指令プロファイル32は最大動作速度が異なるが、ゼロから最大動作速度になるまでの時間および最大動作速度からゼロになるまでの時間、すなわち、加減速時間は同じである。このように、動作速度によらず加減速時間が常に一定となるので、動作速度を低くすることで加速度が低くなり、高周波数成分を低減することができる。この等加速時間方式は、停止振動の低減を動作速度の低下のみで実現できるので、停止精度の問題への対処が比較的容易であり、一般に広く用いられている。
【0009】
2つ目の手法は、プログラムで指定された動作速度によらず、加速度が常に一定となる等加速度方式である(例えば、特許文献2参照)。この手法は、図10における直線30に示されるように、加減速時間が動作速度により変化する。図10の下段は等加速度方式により生成された速度指令プロファイルの例として、最大動作速度が異なる速度指令プロファイル33と速度指令プロファイル34を示している。図11に示すように、速度指令プロファイル33と速度指令プロファイル34は最大動作速度が異なるが、加速度は同じである。このように、動作速度によらず加速度が常に一定となるため、動作速度を低くすることで加減速時間が短くなり、動作速度によらず短い作業時間の動作が可能となる。このことは、どの動作速度でもモータの利用率を高く維持できることを意味している。
【0010】
ただし、これら2つの手法には、それぞれ以下のような課題がある。
【0011】
1つ目の等加速時間方式では、ロボットだけでなく付帯機器やワークの停止振動を低減しようとするときに課題を有する。このようなとき、ロボットに対して、停止位置の少し手前で動作速度を低下させるといった動作をとらせることが一般的である。しかしながら、等加速時間方式では、動作速度を下げても加減速時間は一定であるため、2つ目の等加速度方式と比較すると、モータの利用率や作業時間の面で劣ることになる。この劣る場合の例を挙げれば、動作速度の設定を最大速度の50%から25%に低下させる場合、等加速時間方式は、動作速度を半分に低下しても加減速時間は変化しない。一方、等加速度方式は、動作速度が低下した分だけ加減速時間も同倍率で短くなる。
【0012】
図12に、動作速度の設定を最大速度の50%から25%に低下させる場合における等加速時間方式により生成された速度指令プロファイル35と、等加速度方式により生成された速度指令プロファイル36と、さらに、速度指令プロファイル35と速度指令プロファイル36の作業時間の差である時間差37を示す。
【0013】
図12より、下段に示す等加速度方式の方が、上段に示す等加速時間方式よりも、作業時間の面で大きく優れることがわかる。このことは同時に、等加速度方式の方がより効率よくモータを利用していることを意味している。これらの結果は、等加速時間方式の性質上不可避なものである。従って、等加速時間方式は、モータの利用率と作業時間の短縮において大きな課題を有しているといえる。
【0014】
一方、2つ目の等加速度方式は、動作速度を低下させたときの停止精度に課題を有している。等加速度方式では、動作速度が低下しても加速度が一定のままであり、加減速時間が短くなる。そのため、動作速度の低下に伴って速度指令プロファイルの高周波数成分は増大することになる。故に、1つ目の等加速時間方式と比較すると、特に低速動作での停止振動が大きくなってしまう。ただし、この課題については、フィルタを用いて速度指令プロファイルから共振周波数近傍の高周波数成分を除去し、停止振動が発生する周波数による動作を避けることで対応することができる。なお、ロボットの共振周波数は、その姿勢により流動的に変化するが、広範囲の周波数帯をカバーできるローパスフィルタを使用すれば問題はない。
【0015】
なお、加減速特性は、ロボットに取り付ける負荷やロボットの軸ごとに、例えば、振動が所定値よりも抑制されることを条件に実験的に予め求めておくものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開昭59−090107号公報
【特許文献2】特開平1−164280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
以上のことから、等加速度方式とローパスフィルタの併用を基本とし、作業時間をできるだけ短くすることができ、低速時に停止振動が発生しないような速度指令プロファイルを生成することが、多関節型ロボットに対するユーザニーズに応えるための適切な手段の1つであると考えられる。
【0018】
図13に、ローパスフィルタを適用したときの速度指令プロファイルの例を示す。指令速度や指令角度や加減速特性に基づいて決定された速度指令プロファイル38に、ローパスフィルタを適用すると、速度指令プロファイル39のように加減速時間が延長される。このことにより、速度指令プロファイルの高周波数成分が低減される。この効果は動作速度によらず常に発揮される。
【0019】
ただし、このような停止振動が発生し難い長い加減速時間を実現するためには、ローパスフィルタのカットオフ周波数を低くし、高周波数成分をより多く低減する必要がある。しかしながら、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを用いる場合、図13に示すように、減速時間だけではなく、加速時間までも大きく延長させてしまう。このように加速時間も長くなると、多関節ロボットの作業時間も長くなることとなる。
【0020】
この課題については、ローパスフィルタのカットオフ周波数を高くすることで解決できる。しかしながら、カットオフ周波数の高いローパスフィルタでは、停止振動が発生し難い長い加減速時間を実現することができない、といったカットオフ周波数の低いローパスフィルタと正反対の問題が発生する。
【0021】
これら両方の課題を解決するためには、加速時には短い加速時間を持ち、減速時には停止振動の発生し難い長い減速時間を持った速度指令プロファイルが生成することが必要となる。この実現には、カットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用した速度指令プロファイルに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間を持たせることができる適切な加減速特性を求めることが必要となる。
【0022】
本発明は、上記のような加減速特性を求めて、多関節型ロボットの速度指令プロファイルを生成する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、モータによって駆動する複数の回転軸を有する回転アームを備え、予め教示されたプログラムに従って動作する多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法であって、プログラムで指定された動作速度によらず加速度が一定となるように第1の速度指令プロファイルを生成する第1のステップと、前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに第1のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第2のステップと、前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに前記第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高い第2のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第3のステップと、前記第2のステップの減速時間と前記第3のステップの減速時間が同等になるように動作速度と加減速時間の関係を表す加減速特性を求めて第2の速度指令プロファイルを生成する第4のステップと、前記第4のステップで生成した前記第2の速度指令プロファイルに前記第2のローパスフィルタを適用したときの第3の速度指令プロファイルを求める第5のステップを備えたものである。
【0024】
また、本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、上記に加えて、第5のステップにおける加速時の加速特性は、第1のステップで生成された第1の速度指令プロファイルの加速特性に第2のローパスフィルタを適用した特性とし、前記第5のステップにおける減速時の減速特性は、第4のステップで生成された第3の速度指令プロファイルの減速特性に前記第2のローパスフィルタを適用した特性としたものである。
【0025】
また、本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、上記に加えて、第1のステップで生成した第1の速度指令プロファイルにおける減速特性の減速時間を変更することで減速特性を変更し、この変更した減速特性に第2のローパスフィルタを適用して減速時間を算出し、この減速時間が第2のステップで求めた減速時間と同じになるまで前記減速特性の変更を行うものである。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明の速度指令プロファイルの生成方法によれば、カットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用した速度指令プロファイルに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1における加減速特性を決定する手順を示すフローチャート
【図2】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS1からS2にて生成される速度指令プロファイルを示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS3にて生成される速度指令プロファイルとその加減速時間TLを示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS4にて生成される速度指令プロファイルとその加減速時間THを示す図
【図5】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS4からS6を繰り返すことで生成される速度指令プロファイルとステップS7で記録される加減速時間TRを示す図
【図6】本発明の実施の形態1におけるフローチャートのステップS9で行われる操作を示す図
【図7】等加速度方式による加減速特性と、停止振動の発生し難い長い加減速時間を実現する加減速特性と、本発明による加減速特性を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における速度指令プロファイルを生成する演算部分から制御対象となるモータまでの概略構成を示すブロック図
【図9】従来の等加速度方式により生成した速度指令プロファイルと本発明の実施の形態2により生成した速度指令プロファイルの比較を示す図
【図10】従来の等加速時間方式および等加速度方式による加減速特性を示す図
【図11】従来の等加速時間方式および等加速度方式により生成した高速時および低速時の速度指令プロファイルを示す図
【図12】従来の最大速度の50%から25%に減速したときの等加速時間方式および等加速度方式により生成した速度指令プロファイルを示す図
【図13】従来のローパスフィルタによる速度指令プロファイルの平滑化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について図1から図9を用いて説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態における動作速度と加減速時間の関係である加減速特性を決定するフローチャートを示す。この加減速特性は、以下のステップにより決定する。なお、以下のステップは、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PC)等の演算機器を用いて行う。
【0030】
なお、下記において、加減速特性とは、加速部分と減速部分のみの速度指令のことであり、速度指令プロファイルとは、加速部分と、定速部分と、減速部分の全てを含む速度指令のことである。
【0031】
まず、動作速度を多関節ロボットで実行可能な最大速度に設定した状態でステップを開始する。最初に、ステップS1に従い、動作速度を最大速度の100%に設定する。次に、ステップS2に従い、等加速度方式に従って速度指令と角度指令に基づいて決定された加減速特性を用いて、速度指令と加減速特性に基づいて速度指令プロファイルを生成する。ステップS1からS2にて生成される速度指令プロファイル1を図2に示す。
【0032】
次に、ステップS3に従い、ステップS2で生成した速度指令プロファイルにカットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用し、そのときの加減速時間TLを求める。なお、第1のローパスフィルタの適用は、PC等により行われる。そして、加減速時間TLは、加速時間と減速時間であり、これら加速時間と減速時間は同じ値である。ステップS3にて生成される速度指令プロファイル2とその加減速時間TLを図3に示す。
【0033】
次に、ステップS4に従い、前記ステップS2で生成した速度指令プロファイルに第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタを適用し、そのときの加減速時間THを求める。ステップS4にて生成される速度指令プロファイル3とその加減速時間THを図4に示している。
【0034】
次に、ステップS5に従い、加減速時間TLと加減速時間THとを比較し、両者が同値になるまで前記ステップS4からS6を繰り返し、加減速時間を調整する。ステップS4からS6を繰り返して調整する際の具体例としては、ローパスフィルタを適用する前の減速特性において減速時間を短くし、それに第2のローパスフィルタを適用して加減速時間TH求め、これを加減速時間TLと比較し、同じになるまで加減速特性の減速時間の変更および変更した減速時間への第2のローパスフィルタの適用を繰り返す。
【0035】
次に、ステップS7に従い、第1のローパスフィルタおよび第2のローパスフィルタが適用されていない前記ステップS4からS6により求められた速度指令プロファイルの加減速時間TRを記録する。ステップS4からS6を繰り返すことで生成される速度指令プロファイル4と上記ステップS7で記録される加減速時間TRを図5に示している。
【0036】
次に、ステップS8、S9に従い、例えば動作速度が最大速度の10%になるまで、動作速度を例えば10%ずつ低下させながら前記ステップS2からS7を繰り返す。これにより、加減速特性を求めるために必要な複数の点を得ることができる。図6に、ステップS9にて行われる操作を示している。
【0037】
上記により決定された各動作速度の加減速時間を用いて、所望の加減速特性を実現する。
【0038】
図7に、等加速度方式によりステップS1に基づいて決定された加減速特性5と、この加減速特性5に第1のローパスフィルタを適用した停止振動の発生し難い長い加減速時間を実現する加減速特性6と、加減速特性5にカットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタを適用することで前記加減速特性6を実現する加減速特性7の3つの加減速特性を示している。なお、加減速特性7は、第2のローパスフィルタを適用する前の特性であり、この加減速特性7に第2のローパスフィルタを適用することで加減特性6と同じ直線となる。
【0039】
さらに、図7に、動作速度が最大速度の100%時における等加速度方式での加減速時間8と、同条件における停止振動の発生し難い長い加減速時間9と、同条件における本発明での加減速時間10を示している。さらに、動作速度が最大速度の50%時における等加速度方式での加減速時間11と、同条件における停止振動の発生し難い長い加減速時間12と、同条件における本発明での加減速時間13を示している。さらに、動作速度が最大速度の10%時における等加速度方式での加減速時間14と、同条件における停止振動の発生し難い長い加減速時間15と、同条件における本発明での加減速時間16を示している。
【0040】
なお、加減速特性7が、本実施の形態により求められるべき加減速特性であり、第2のローパスフィルタを適用する前のものである。
【0041】
動作速度が最大速度の100%のとき、加減速特性5にカットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間8から加減速時間9に延長される。また、加減速特性7に、前記カットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間10から加減速時間9に延長される。
【0042】
同様に、動作速度が最大速度の50%のとき、加減速特性5に第1のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間11から加減速時間12に延長される。また、加減速特性7に第2のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間13から加減速時間12に延長される。
【0043】
同様に、動作速度が最大速度の10%のとき、加減速特性5に第1のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間14から加減速時間15に延長される。また、加減速特性7に第2のローパスフィルタを適用することで、その加減速時間は加減速時間16から加減速時間15に延長される。
【0044】
以上のように、本実施の形態における加減速特性を求めて速度指令プロファイルを生成する方法によれば、カットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフルタを適用したときに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間を持った停止振動の発生し難い速度指令プロファイルを生成できる。
【0045】
なお、本実施の形態においては、多関節型ロボット以外の加減速制御を必要とするサーボ機器にも適用が可能である。
【0046】
(実施の形態2)
図8を用いて、本実施の形態における制御装置について説明する。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同様の名称を使用して詳細な説明は省略する。
【0047】
図8に、多関節ロボットの制御装置の構成の一例を示す。制御装置は、加速時における加速特性を指令速度に基づいて決定する加速特性決定部17と、減速時における減速特性を指令速度に基づいて決定する減速特性決定部18と、加速特性決定部17と減速特性決定部18の結果を用いて速度指定プロファイルを生成する速度指令プロファイル生成部19と、速度指令プロファイル生成部19が出力した速度指令プロファイルの高周波数成分を低減するためのカットオフ周波数の高いローパスフィルタである第2のローパスフィルタ20と、第2のローパスフィルタ20の出力に基づいて多関節型ロボットに搭載されたモータ22を制御するサーボ制御部21を備えている。
【0048】
なお、加速特性決定部17には、指令速度とこれに対応付けられた加速特性が、テーブルとして複数記憶されている。この加速特性決定部17に記憶されている情報は、ロボットに取り付ける負荷やロボットの軸ごとに、例えば、振動が所定値よりも抑制されることを条件に実験的に予め求めておくものである。
【0049】
また、減速特性決定部18には、指令速度とこれに対応付けられた実施の形態1に示した方法で求めた減速特性が、テーブルとして複数記憶されている。
【0050】
以上のように構成された制御装置について、その動作を説明する。まず、加速特性決定部17において、加速時における加速特性を、等加速度方式として速度指令に基づいて決定する。次に、減速特性決定部18において、減速時における減速特性を、速度指令に基づいて決定する。なお、速度指令は、ロボットを動作させるための動作プログラム等に含まれているものである。次に、速度指令プロファイル生成部19において、加速特性決定部17で決定された加速特性と減速特性決定部18で決定された減速特性を用いて、速度指令プロファイルを生成する。次に、速度指令プロファイル生成部19で生成された速度指令プロファイルに第2のローパスフィルタ20を適用することで速度指令プロファイルの高周波数成分を低減する。次に、サーボ制御部21において、第2のローパスフィルタ20を適用した速度指令プロファイルに基づいてモータ22の制御を行う。
【0051】
図9に、加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成した速度指令プロファイル23と、速度指令プロファイル23にカットオフ周波数の低いローパスフィルタである第1のローパスフィルタを適用したときの速度指令プロファイル24と、そのときの減速時間25を示す。さらに、加速時の加速特性の決定に等加速度方式を用い、減速時の減速特性の決定に実施の形態1で示した方法を用い、これらの加速特性と減速特性を用いて生成した速度指令プロファイル26と、速度指令プロファイル26に第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数の高い第2のローパスフィルタ20を適用したときの速度指令プロファイル27と、そのときの減速時間28を示す。
【0052】
図9より、制御装置において、加速時には、カットオフ周波数の高い第2のローパスフィルタ20を適用するので、加速時間が大きく延長されることがなく、カットオフ周波数の低い第1のローパスフィルタを適用したときよりも作業時間を短縮することができる。また、減速時には、実施の形態1で示した方法で減速特性を決定することにより、カットオフ周波数の低い第1のローパスフィルタを適用したときと同等の減速時間が得られる。そのため、カットオフ周波数の高い第2のローパスフィルタ20による加速時間が長くならないといった効果と合わせ、減速時に高周波数成分を大きく低減することができ、停止振動が発生し難くなる。
【0053】
以上のように、本実施の形態の速度指令プロファイルの生成方法を用いた多関節ロボットの制御装置によれば、等加速度方式単独の状態よりも停止精度を向上させることができ、カットオフ周波数の低い第1のローパスフィルタを適用したときよりも作業時間を短縮することができる。
【0054】
なお、本実施の形態は、多関節型ロボット以外の加減速制御を必要とするサーボ機器にも適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の速度指令プロファイルの生成方法は、カットオフ周波数が高いローパスフィルタを適用したときに、カットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したときと同等の停止振動の発生し難い長い減速時間を持った速度指令プロファイルを生成でき、多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成などに有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 速度指令プロファイル(ステップS1からS2にて生成)
2 速度指令プロファイル(ステップS3にて生成)
3 速度指令プロファイル(ステップS4にて生成)
4 速度指令プロファイル(ステップS4からS6を繰り返すことで生成)
5 加減速特性(等加速度方式に従って決定)
6 加減速特性(停止振動の発生し難い長い加減速時間を実現)
7 加減速特性(本発明により求められる)
8 加減速時間(動作速度が最大速度の100%時における等加速度方式での時間)
9 加減速時間(動作速度が最大速度の100%時における停止振動の発生し難い長い時間)
10 加減速時間(動作速度が最大速度の100%時における本発明による時間)
11 加減速時間(動作速度が最大速度の50%時における等加速度方式での時間)
12 加減速時間(動作速度が最大速度の50%時における停止振動の発生し難い長い時間)
13 加減速時間(動作速度が最大速度の50%時における本発明による時間)
14 加減速時間(動作速度が最大速度の10%時における等加速度方式での時間)
15 加減速時間(動作速度が最大速度の10%時における停止振動の発生し難い長い時間)
16 加減速時間(動作速度が最大速度の10%時における本発明での時間)
17 加速特性決定部
18 減速特性決定部
19 速度指令プロファイル生成部
20 第2のローパスフィルタ
21 サーボ制御部
22 モータ
23 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成)
24 速度指令プロファイル(速度指令プロファイル23にカットオフ周波数の低いローパスフィルタを適用したもの)
25 減速時間
26 速度指令プロファイル(加速時の加減速特性の決定に等速度方式を、減速時の加減速特性の決定に本発明をそれぞれ用いて生成)
27 速度指令プロファイル(速度指令プロファイル26にカットオフ周波数の高いローパスフィルタを適用)
28 減速時間
29 加減速特性(等加速時間方式にて決定)
30 加減速特性(等加速度方式にて決定)
31 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速時間方式を用いて生成(高速))
32 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速時間方式を用いて生成(低速))
33 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成(高速))
34 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成(低速))
35 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速時間方式を用いて生成(停止位置手前にて最大速度の50%から25%に減速))
36 速度指令プロファイル(加速時および減速時の加減速特性の決定に等加速度方式を用いて生成(停止位置手前にて最大速度の50%から25%に減速))
37 時間差(速度指令プロファイル35と速度指令プロファイル36の作業時間の差)
38 速度指令プロファイル
39 速度指令プロファイル(ローパスフィルタにより平滑化)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータによって駆動する複数の回転軸を有する回転アームを備え、予め教示されたプログラムに従って動作する多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法であって、
プログラムで指定された動作速度によらず加速度が一定となるように第1の速度指令プロファイルを生成する第1のステップと、
前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに第1のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第2のステップと、
前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに前記第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高い第2のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第3のステップと、
前記第2のステップの減速時間と前記第3のステップの減速時間が同等になるように動作速度と加減速時間の関係を表す加減速特性を求めて第2の速度指令プロファイルを生成する第4のステップと、
前記第4のステップで生成した前記第2の速度指令プロファイルに前記第2のローパスフィルタを適用したときの第3の速度指令プロファイルを求める第5のステップからなる多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法。
【請求項2】
第5のステップにおける加速時の加速特性は、第1のステップで生成された第1の速度指令プロファイルの加速特性に第2のローパスフィルタを適用した特性とし、前記第5のステップにおける減速時の減速特性は、第4のステップで生成された第3の速度指令プロファイルの減速特性に前記第2のローパスフィルタを適用した特性とした請求項1記載の多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法。
【請求項3】
第1のステップで生成した第1の速度指令プロファイルにおける減速特性の減速時間を変更することで減速特性を変更し、この変更した減速特性に第2のローパスフィルタを適用して減速時間を算出し、この減速時間が第2のステップで求めた減速時間と同じになるまで前記減速特性の変更を行う請求項1または2記載の多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法。
【請求項1】
モータによって駆動する複数の回転軸を有する回転アームを備え、予め教示されたプログラムに従って動作する多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法であって、
プログラムで指定された動作速度によらず加速度が一定となるように第1の速度指令プロファイルを生成する第1のステップと、
前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに第1のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第2のステップと、
前記第1のステップで生成した前記第1の速度指令プロファイルに前記第1のローパスフィルタよりもカットオフ周波数が高い第2のローパスフィルタを適用したときの減速時間を求める第3のステップと、
前記第2のステップの減速時間と前記第3のステップの減速時間が同等になるように動作速度と加減速時間の関係を表す加減速特性を求めて第2の速度指令プロファイルを生成する第4のステップと、
前記第4のステップで生成した前記第2の速度指令プロファイルに前記第2のローパスフィルタを適用したときの第3の速度指令プロファイルを求める第5のステップからなる多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法。
【請求項2】
第5のステップにおける加速時の加速特性は、第1のステップで生成された第1の速度指令プロファイルの加速特性に第2のローパスフィルタを適用した特性とし、前記第5のステップにおける減速時の減速特性は、第4のステップで生成された第3の速度指令プロファイルの減速特性に前記第2のローパスフィルタを適用した特性とした請求項1記載の多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法。
【請求項3】
第1のステップで生成した第1の速度指令プロファイルにおける減速特性の減速時間を変更することで減速特性を変更し、この変更した減速特性に第2のローパスフィルタを適用して減速時間を算出し、この減速時間が第2のステップで求めた減速時間と同じになるまで前記減速特性の変更を行う請求項1または2記載の多関節型ロボットの速度指令プロファイルの生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−224694(P2011−224694A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95679(P2010−95679)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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