説明

多階調表示方法及び装置

【課題】多階調表示装置に係わり、映像の画質劣化を防止しつつ、映像内容に応じて表示(画面)の明るさ及び電力を適切に制御してそれらの両性能を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】本表示装置(PDP装置)の多階調化処理部6では、サブフィールド(SF)駆動制御において、画像数検出部22で、入力映像信号(VIN)の画像における低階調の画素数を検出及び判定し(K1,K2)、それに応じて、切換判定部24で、SF変換部23の複数の種類のSF変換の出力から切換部25で1つを切り換えるための選択信号(SEL)を判定及び出力する。本制御では、低階調の画素数が少ないほど、休止SFを多くしたSF変換を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルに対して多階調の映像(動画像)を表示する多階調表示装置(ディジタル表示装置)の技術に関し、特に、プラズマディスプレイパネル(PDP)を備える表示装置(プラズマディスプレイ装置:PDP装置)などにおける、サブフィールド法を用いた表示駆動制御における、映像の輝度及び電力を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の大型化に伴って薄型の表示装置が要求され、各種類の薄型の表示装置が提供されている。例えば、ディジタル信号のままで表示するマトリックスパネル、すなわち、PDP等のガス放電パネルや、DMD(Digital Micromirror Device)、EL表示素子、蛍光表示管、液晶表示素子等が提供されている。このような薄型の表示装置のうち、PDP等のガス放電パネルは、大画面化が容易であること、自発光タイプで表示品質が良いこと、並びに、応答速度が速いこと等の理由から、大画面で直視型のHDTV(高品位テレビ)用表示デバイスとして実用化に至っている。
【0003】
上記表示装置、例えばPDP装置において、入力画像(映像)信号をもとに、サブフィールド法を用いて、パネルに対し多階調の動画像を表示している。サブフィールド法では、パネル画面(表示領域)への映像表示単位となる1フィールド(フレーム)が、時間的な発光ブロックである複数(Nとする)のサブフィールド(サブフレーム)に分割され、その夫々が、階調表現のために発光時間により所定の輝度(明るさ)の重み付けで制御される構成である。その構成において、フィールドの表示セル(セル)毎に、サブフィールドの点灯(オン)または非点灯(オフ)の状態を組み合わせ選択すること(サブフィールド変換)により、多階調の表示を行っている。各フィールド内の各サブフィールドは、セルの選択のためのアドレスパルスと、セルの放電発光のための複数のサステインパルスとを有して構成される。
【0004】
上記複数のサブフィールドのオン/オフを制御する多階調表示装置において、映像表示に係わる消費電力低減と明るさ(輝度)向上との、一般に相反する両性能の向上が要望されている。
【0005】
上記に係わり、従来技術における消費電力を低減させ画面の明るさを向上させる方式としては、画像の明るさの平均レベル(平均輝度レベル:APL)を検出したり、画像の明るさのピークレベル、消費電力を検出したりすることで、フィールドにおけるサブフィールド数(N)と駆動総パルス数または駆動総パルス期間(サステイン期間等の長さ)を調整することにより、画面の明るさや、階調数、消費電力を制御したり、動画擬似輪郭(偽輪郭)ノイズを低減したりするものが提案されている。
【0006】
特開平11−231825号公報(特許文献1)は、上記技術例について記載している。これは、入力画像(入力映像信号)に応じてフィールドのサブフィールド数(N)を変える例である。
【特許文献1】特開平11−231825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来技術における消費電力を低減させ画面の明るさを向上させる方式では、画像のAPLを検出したとしても、画像によりデータレベル(信号値)の様々な分布状況が存在し、それによって階調表現力が低下する場合がある。例えば、画像のAPLが同じ50%であっても、レベルが全て50%近辺である画像の場合もあれば、レベルが0%近辺の画素数が50%かつレベルが100%近辺の画素数が50%である画像の場合もある。後者の場合、APLに応じたフィールド駆動制御でサブフィールド数(N)を少なくすると(特に小さい重みのサブフィールドを無くす場合)、階調数(ステップ数)が少なくなるので低階調の表現力が低下してしまう。
【0008】
また、他の駆動制御の方式として、サブフィールド数(N)を少なくして(特に大きい重みのサブフィールドを無くす場合)、階調数(ステップ数)を同じにすることも可能であるが、その場合、オフのサブフィールドが増えるので、擬似輪郭ノイズが強くなり、画質の劣化を招いてしまう。
【0009】
また、駆動制御でフィールド毎にサブフィールド数(N)が変わる場合、時間的な発光重心位置が移動するので、ユーザには切り換えショックが認識されることになり、その分画質を低下させる。
【0010】
本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、多階調表示装置に係わり、映像の画質劣化を防止しつつ、映像内容に応じて表示(画面)の明るさ及び電力を適切に制御してそれらの両性能を向上することができる技術を提供することである。また、上記画質劣化の防止の点については、特に、低階調表現を確保して誤差拡散による粒状ノイズを抑えることや、前記切り換えショック等を低減できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。前記目的を達成するために、本発明は、入力映像信号をもとにサブフィールド法を用いてサブフィールド変換処理を含む信号処理(表示駆動制御)を行って表示パネルに対して多階調の動画像を表示する表示装置及び表示方法であって、以下に示す技術的手段を備えることを特徴とする。
【0012】
まず、サブフィールド法において、表示パネルにおける画素(画素に対応するセル)群による表示領域及び期間に対応するフィールドは、所定の輝度(発光時間)の重み付けの複数(N)のサブフィールドで構成される。入力映像信号をもとに、対象画像の画素の階調(セルの信号レベル)に応じて複数(N)のサブフィールドのオン/オフ状態の組み合わせのデータ(フィールド及びサブフィールドデータ)へ変換(符号化)するサブフィールド変換処理により、表示パネルに対する多階調の動画像を表示する。サブフィールド変換では、複数(N)のサブフィールドのオン/オフ組み合わせと点灯段階(ステップ)との対応関係が規定された表に従って変換する。ステップ(s)は、直接または間接に、階調値と対応付けられる。本表示装置では、例えば、表示駆動制御のための回路部における多階調化処理を行う回路において、以下の特徴的な処理を行う。
【0013】
本表示装置では、映像内容に応じて、フィールドを構成するサブフィールド(駆動対象サブフィールド)の数(N)を増減して電力を制御する第1の手段を用いる。更には、本表示装置では、第1の手段により減らしたサブフィールド分の時間を他の駆動対象のサブフィールドへ配分して表示の明るさを制御する第2の手段を用いる。第1と第2の手段の制御により、画面の表示の電力を低減し明るさ(輝度)を上げる。
【0014】
本表示装置では、選択(切り換え)可能な複数のサブフィールド変換手段、及び対応する駆動シーケンスによる駆動手段を備え、制御条件判定に応じて、それらの変換及び駆動シーケンスを選択する。複数の変換手段において、第1種の変換手段では、基本構成として、Nが最大数(M)である。第2種の変換手段は、第1種の変換手段よりもNが少ない(N<M)構成とする。即ち、第1種の変換の構成のうち、特に重み付けが小さい側の一部のサブフィールドを休止(省略)する構成である。休止SFは、全ステップでオフとし、フィールド中に存在させない。また、第2種の変換は、誤差拡散処理に対応した変換とする。なお、サブフィールド数(N)は、全ステップでオフ状態になるサブフィールド(休止サブフィールド)を除く駆動対象サブフィールド(いずれかのステップではオン状態を有するサブフィールド)の数と同じである。
【0015】
また、本表示装置は、画像の階調レベル値の分布状況(ヒストグラム)、少なくとも一部の階調レベルの画素数を検出する手段を備える。特に低階調の画素数(p)を検出する。
【0016】
(1) 本表示装置では、制御として、映像の内容・状態、即ち入力映像信号及び/又は出力信号(サブフィールド変換後のデータ)に応じて、第1の手段におけるフィールドのサブフィールド数(N)を少なくする変換(第2種の変換)を選択する。これにより、フィールドの駆動サブフィールドが減る分、表示の消費電力を低減させる。
【0017】
(2) 更に、前記第1の手段によりフィールド(所定の駆動マージン期間)内で前記少なくしたサブフィールド分により得られる時間を、同フィールド内における、残した駆動対象のサブフィールドに、それらの各重み付けに応じて発光時間(サステイン期間)を長くするように配分する構成の変換(第3種の変換)を選択する。これにより、発光時間が長くなる分、表示の明るさ(輝度)を上げる。第3種の変換は、休止サブフィールドによる休止時間を含まない構成である。
【0018】
本表示装置では、映像内容として、画像の画素レベルの分布状況、特に低階調の画素数(p)の閾値比較判定に応じて、前記複数の変換及び駆動シーケンスから1つを選択して駆動表示する。低階調画素領域が少ない場合、休止サブフィールドを持つ第2種の変換及び対応する駆動シーケンスを選択して駆動表示する。更に、休止サブフィールド分の時間を他のサブフィールドへ配分する構成の第3種の変換を選択してもよい。これにより、画像の低階調画素領域が少ないので画質劣化が少ないまま、表示の電力を低減して明るさを上げる。
【0019】
(3)また、本表示装置では、複数のフィールドの駆動表示において、映像内容に応じてサブフィールド数(N)及び各発光時間が変わるように前記複数の変換を切り換える。本構成では、その切り換えにより時間的な発光重心位置が変わる場合、その間に、フィールド中の休止時間(空き時間)の位置や長さが異なる複数の過渡的な変換を用いて、それらを、時間的な発光重心位置(表示特性)の変化がなるべく緩やかになるように、段階的に切り換える。これにより、切り換えショックを緩和させる。
【0020】
本表示装置は、詳しくは例えば以下の構成である。本表示装置は、入力映像信号の画像における所定の低階調側の信号レベル値、もしくは所定の低階調側の信号レベル値(L)以下の画素数(p)を検出する手段と、前記入力映像信号に対し、所定の変換パターン(表)に従って、前記画素の信号レベルごとに、前記複数(N)のサブフィールドの点灯/非点灯の状態によるステップに変換する複数の変換手段と、前記複数の変換手段の出力から1つを選択し、それに対応して、前記フィールド及びサブフィールドの駆動波形を含む複数の駆動シーケンスから1つを選択して、表示パネルを駆動する手段とを有する。
【0021】
そして、本表示装置は、映像内容に応じて、特に画素数等の判定に応じて、サブフィールド数(N)を増減した変換を選択する。特に、画像の低階調の画素数(p)が少ないほど、重み付けが小さい側の休止サブフィールドが多くなる変換を選択するようにする。制御条件として、特に、画像における画素数(p)が所定値以上である場合、第1種の変換を選択し、画素数(p)が所定値未満である場合、第2種の変換を選択する。
【発明の効果】
【0022】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明によれば、多階調表示装置に係わり、映像の画質劣化を防止しつつ、映像内容に応じて表示(画面)の明るさ及び電力を適切に制御してそれらの両性能を向上することができる。また、上記画質劣化の防止の点については、特に、低階調表現を確保して誤差拡散による粒状ノイズを抑えることや、前記切り換えショック等を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
(実施の形態1)
図1〜図11を用いて、本発明の実施の形態1について説明する。実施の形態1では、特徴として、PDP装置におけるフィールド及びサブフィールド(SFと略称する)の駆動制御において、入力画像の低階調の信号レベルの画素数(p)に応じて、SF数(N)及びステップ(s)数などが異なる複数のSF変換を切り換える制御を行う。本制御では、低階調の画素数(p)が少ないほど、休止SFを多くしたSF変換を選択して、電力低減する。
【0025】
<表示装置>
図1において、実施の形態1における、多階調化処理手段を含む表示装置であるPDP装置のブロック構成を説明する。本表示装置(PDP装置)1は、制御回路部2、駆動回路部3、表示部(PDP)4を備える。制御回路部2は、タイミング生成部5、多階調化処理部6、駆動シーケンス生成部9、及びフィールドメモリ部7を備える。なお、後述する実施の形態4では、更にAPL検出部8−1を備える。制御回路部2は、信号処理回路なども備え、駆動回路部3を含む表示装置1全体を制御する。駆動回路部3は、表示部4を電圧印加により駆動して表示部4に映像表示させる。
【0026】
表示部4は、画素に対応付けられる表示セルのマトリックスが構成された表示パネル、例えば三電極・交流駆動型のPDPである。表示部(PDP)4は、セル群を構成する電極群、例えば、X(維持)電極、Y(維持・走査)電極、A(アドレス)電極を備える。駆動回路部3は、表示部(PDP)4の電極群に対応する各種ドライバとして、Xドライバ3−1、Yドライバ3−2、A(アドレス)ドライバ3−3等を含み、それぞれ対応する電極を電圧印加により駆動する。
【0027】
制御回路部2において、タイミング生成部5は、水平同期信号:HS,垂直同期信号:VS,表示期間信号及びクロック信号:CLK等の同期信号を入力し、多階調化処理部6、フィールドメモリ部7、駆動シーケンス生成部9等の各部を制御するために必要なタイミング信号を生成及び出力する。
【0028】
多階調化処理部6では、ディジタルの映像信号(入力映像信号または画像信号):VINを入力し、表示部4での多階調の動画像の表示のために必要な、SF変換処理を含む信号処理(多階調化処理)を行う。そして、多階調化処理部6では、フィールドメモリ部7に、信号処理したデータ、即ちフィールド及びSFのデータ(駆動制御信号):MPを出力し、また、駆動シーケンス生成部9に、後述する駆動切換判定信号(選択信号):SELを出力する。
【0029】
フィールドメモリ部7では、多階調化処理部6の出力(MP)を、フィールド単位で一旦記憶し、次のフィールド表示の時に、全画面(フィールド)分をサブフィールド毎に順次、駆動回路部3へ出力する。
【0030】
駆動シーケンス生成部9は、タイミング生成部5の出力DTと多階調化処理部6の出力SELを元に、駆動回路を制御するために必要なタイミング信号DSを出力する。
【0031】
駆動回路部3は、フィールドメモリ部7からデータを入力して、表示部4における表示を駆動制御する。駆動回路部3は、多階調化処理部6の出力信号(MP)及びその駆動切換判定信号(SEL)によって、出力(MP)に対応した駆動シーケンスを選択して、表示部4を駆動する。
【0032】
<PDP>
次に、図2において、表示部(PDP)4のパネル構造例(三電極、ストライプ状リブの場合)を説明する。画素に対応した一部分を示している。本PDP4は、主に発光ガラスで構成される前面基板211及び背面基板212の構造体が対向して組み合わされ、その周囲部が封止され、その空間に放電ガスが封入されることにより構成される。
【0033】
前面基板211上には、維持放電を行うための複数のX電極201及びY電極202が、横(行)方向に平行に伸びて縦(列)方向に交互に形成されている。これらの電極群は、誘電体層203及び更にその表面が保護層204により覆われている。背面基板212上には、縦方向に、複数のアドレス(A)電極205が平行に伸びて形成されており、更に誘電体層206に覆われている。誘電体層206上、アドレス電極205の両側には、縦方向に伸びる隔壁207が形成され、列方向に区分けしている。更に、誘電体層206上、隔壁207間には、紫外線により励起されて赤(R),緑(G),青(B)の各色の可視光を発生する蛍光体208が塗布されている。
【0034】
X電極201とY電極202の対に対応して表示の行(ライン)が構成され、更にアドレス電極205との交差に対応して表示の列及びセルが構成される。R,G,Bのセルのセットにより画素が構成される。セルの行列により表示部4の表示領域が構成され、表示単位となるフィールド及びSFに対応付けられる。PDPは、駆動方式などに応じて各種構造が存在する。
【0035】
<フィールド>
次に、表示部(PDP)4の駆動制御の基本として、フィールド及びSFの駆動シーケンスを説明する(後述の図11のDr10を参照)。1つのフィールド期間(F)は、例えば1/60秒で表示される。フィールド期間(F)は、階調表現のために時間的に分割された複数(N)のSF期間(SF:1〜N)により構成される。各SF期間は、サステイン期間(Ts)と、その前のアドレス期間等の期間とを有する。フィールドの各SFは、サステイン期間(Ts)の長さ(維持放電回数)による重み付けが与えられており、各SFのオン/オフの組み合わせによって階調が表現される。
【0036】
アドレス期間では、SFのセル群におけるオン/オフのセルを選択するアドレス動作を行う。次のサステイン期間(Ts)では、直前のアドレス期間でアドレスされた選択セルにおいて、X電極及びY電極に対する維持放電を実施して表示する動作を行う。
【0037】
<多階調化処理部(1)>
図3において、本表示装置1における多階調化処理部1の一例の回路構成を示している。多階調化処理部1は、ゲイン部20、誤差拡散部21、画素数検出部22、SF変換部23、切換判定部24、切換部25、1F(フィールド)遅延部26を有する。
【0038】
ゲイン部20では、入力信号(VIN)を、SF変換部23の変換数(ステップ数:S)に合わせ込む処理を行う。例えば、VINが10ビット1024階調であり、複数のSF変換部23の変換数(S)の最大値が256である場合、ゲイン部20は、VINに対し256/1024のゲインを掛ける。ゲイン部20の出力が10ビットの場合、上位8ビットは整数で、下位2ビットは小数として扱われる。
【0039】
1F遅延部26は、ゲイン部20の出力:GOを入力し、1フィールド遅延した映像信号:FD1Oを出力する。
【0040】
誤差拡散部21は、入力信号の小数を空間的に表現するための手段であり、1F遅延部26の出力(FD1O)を入力し、信号:EDOを出力する。信号:EDOは、最大値がSF変換部23の変換数(S)である信号である。
【0041】
画素数検出部22は、1フィールド対応の画像における階調毎の分布状況(ヒストグラム)を検出する手段であり、本例では、所定レベル以下の低階調の画素数を検出及び出力する。
【0042】
SF変換部23は、演算された映像信号値(EDO)を、SF変換表に従い、SFのオン/オフ信号に変換(符号化)する。SF変換部23は、異なるSF変換のための複数(3つ)のSF変換部(23−1,23−2,23−3)を備え、夫々のSF変換部23は、ルックアップテーブル(LUT)即ちSF変換表を備えて構成される。
【0043】
切換判定部24は、画像数検出部22から信号K1,K2を入力して切り換え判定し、結果の信号(SEL)を出力する(APL等については後述する)。切換部25では、切換判定部24の出力信号(SEL)によって、第1SF変換部23−1の出力(SFD1)、第2SF変換部23−2の出力(SFD2)、第3SF変換部23−3の出力(SFD3)のうちのいずれか1つを選択して、信号(MP)として出力する。
【0044】
<SF変換>
図4〜図6において、SF変換部23のSF変換表(SF点灯パターン表)の構成例を示している。SF変換表は、画素の階調に対応付けられるステップ(s:step)毎に、フィールドの各SFのオン/オフ状態の組み合わせ(選択点灯)との対応関係を規定している。丸印は、点灯(オン)するSF箇所を、空白は非点灯(オフ)するSF箇所を示す。ステップ(s:step)は、SFオン/オフ状態の組み合わせにより得られる点灯段階であり、階調レベルと対応付けられる。フィールドのSF数(N)は、例えば図4に示す基本構成(第1のSF変換)ではSF1〜SF10の10個である。SFの最大数:M=10である。各SFは、最下位から最上位まで順に、所定の輝度(発光時間)の重みが与えられている。フィールドにおける重みの最小のSF(SF1)から順に時間方向に並べて示している。これらSF群のオン/オフの組み合わせのパターンにより、所定の数(S)のステップ(s)が構成され、これらを用いて所定階調数が表現できる。なお、ステップで直接表現できない階調レベルについては、公知の誤差拡散処理等により表現される。
【0045】
図4〜図6の各表におけるステップ数(S)は異なっており、具体的には、147,73,36である(0を含まず)。図4の第1のSF変換表のN=10個のSF(SF1〜SF10)を基本構成とし、それに対して、図5の第2のSF変換表のSF’(N=9個)、及び、図6の第3のSF変換表のSF’(N=8個)が構成されており、それぞれ表中に対応関係を示している。第2のSF変換表のSF’(SF’1〜SF’9)では、第1のSF変換のSF1を休止SFとし、SF2以降をSF’1以降として呼び変えている。同様に、第3のSF変換表のSF’’(SF’’1〜SF’’8)では、第1のSF変換のSF1及びSF2を休止SFとし、SF3以降をSF’1以降として呼び変えている。
【0046】
図4において、第1SF変換部23−1の第1のSF変換(出力:SFD1)を示している。フィールドにおけるSF1からSF10までのN=M=10個のSFにおいて、所定の重み(1,2,4,8,12,16,20,24,28,32)が与えられている。これらのオン/オフ組み合わせにより、ステップ(s)0〜147を表現でき、輝度比が1,2,3,……といったようになる。
【0047】
図5において、第2SF変換部23−2の第2のSF変換(出力:SFD2)を示している。フィールドにおけるSF2〜SF10のSF、即ちSF’1〜SF’9のN=M−1=9個のSF’を有し、休止SFを除いて基本構成と同じ重みが与えられている。これらによりステップ(s)0〜73を表現できる。SFD2では、SFD1に対して、重み最小のSF1が休止SF、即ち全ステップ(s)でオフ(オン箇所無し)のSFとなっており、使用されない。SFD2では、SF1が休止であるので、輝度比が2,4,6,……といったように2の倍数になる。
【0048】
図6において、第3SF変換部23−3の第3のSF変換(出力:SFD3)を示している。フィールドにおけるSF3〜SF10のSF、即ちSF’’1〜SF’’8のN=M−2=8個のSF’’を有し、休止SFを除いて基本構成と同じ重みが与えられている。これらによりステップ(s)0〜36を表現できる。SFD3では、SFD1に対して、重み最小のSF1及び次のSF2が休止SFとなっている。SFD3では、SF1及びSF2が休止であるので、輝度比が4,8,12,……といったように4の倍数になる。
【0049】
<誤差拡散部>
次に、図7において、誤差拡散部21の一例の回路構成を示している。誤差拡散部21は、各回路部として、表示/誤差分離部30、1画素(1D)遅延部31、1ライン(1L)−1画素(1D)遅延部32、1L遅延部33、1L+1D遅延部34、k1乗算部35、k2乗算部36、k3乗算部37、k4乗算部38、加算部39,41、桁合わせ部40を有する。
【0050】
表示/誤差分離回路30は、入力の表示ビット(DSP)と拡散ビット(ERR)を分離する。1D遅延部31、1L−1D遅延部32、1L遅延部33、1L+1D遅延部34は、入力信号をそれぞれ対応する量だけ遅延させる。乗算回路(35〜38)は、入力に対し各係数k1,k2,k3,k4で乗算する。拡散ビット(ERR)と、乗算回路(35〜38)の出力を、加算部39で加算し、桁合わせ部40に入力する。桁合わせ部40は、表示ビット(DSP)に加算するためのビットとして、加算部39からの桁上げデータを合わせる。そして、表示の階調に合わせて、表示/誤差分離部30の分離する表示ビット(DSP)と、桁合わせ部40の出力するビットとを加算部41で加算し、信号(EDO)として出力する。
【0051】
<画素数検出部(1−1)>
次に、図8において、画素数検出部22の構成例を示している。画素数検出部22は、レベル設定値以下の画素数(p)をカウントして数設定値と比較判定して結果を出力する。SF変換部23の3つのSF変換の切り替えのために2系統の閾値を用いる構成である。画素数検出部22は、レベル設定値(1)51、レベル設定値(2)56、レベル比較回路(1)52、レベル比較回路(2)57、カウンタ(1)53、カウンタ(2)58、数設定値(1)54、数設定値(2)59、数比較回路(1)55、数比較回路(2)60を有する。
【0052】
レベル設定値(1)51、レベル設定値(2)56では、画素数(p)のカウントのための境界値となる、低階調のそれぞれ異なる値(L1,L2)が設定され、例えばレベル設定値(1)51には「1」が、レベル設定値(2)56には「2」が設定される。レベル比較回路(1)52では、レベル設定値(1)51と信号GOを入力して値を比較し、信号GOが小さい場合「1」を出力し、信号GOが大きい場合「0」を出力する。同様に、レベル比較回路(2)57は、レベル設定値(2)56と信号GOを入力して値を比較し、信号GOが小さい場合「1」、信号GOが大きい場合「0」を出力する。
【0053】
カウンタ(1)53では、レベル比較回路(1)の出力と信号VSを入力し、レベル比較回路(1)52の出力が「1」の場合はカウント値を加算(+1)する。「0」の場合、カウント値はそのままにして、信号VSが垂直同期期間を示す状態になった場合に、カウント値を「0」にリセットする。同様に、カウンタ(2)58は、レベル比較回路(2)57の出力と信号VSに対してカウント処理する。
【0054】
数設定値(1)54、数設定値(2)59では、画素数(p)の判定の閾値となる所定の数値(H1,H2)がそれぞれ設定され、同じ値でも違う値でもよい。数比較回路(1)55では、カウンタ(1)53の出力と数設定値(1)54を入力し、信号VSが垂直同期期間を示す状態になった場合、カウンタ(1)53の出力値と数設定値(1)54の値を比較して、信号(数値):K1を出力する。数比較回路(1)55の出力(K1)は、カウンタ(1)53の出力値が数設定値(1)54よりも小さい場合、次の信号VSが垂直同期期間を示す状態になるまで「0」を出力し、カウンタ(1)53の出力値が数設定値(1)54以上である場合、「1」を出力する。数比較回路(2)60でも、上記同様に、信号(数値):K2を出力する。
【0055】
各設定値(51,56,54,59)は、予め設定、またはユーザ設定が可能である。
【0056】
<画素数検出部(1−2)>
図9において、図8の画素数検出部22の構成の変形例(画素数検出部22B)を示しており、制御のためのレベル設定値を7つに増やした構成である。
【0057】
レベル設定値(1)51,レベル設定値(11)61,レベル設定値(12)66では、設定値として例えば1,3,5を設定する。これらの値(1,3,5)は、図4の第1SF変換部23−1の第1のSF変換(SFD1)でSF1がオンになり低階調の階調表現に寄与する値である。第2、第3のSF変換(SFD2,SFD3)のように、SF1がオフ(休止SF)の場合、これらの値(1,3,5)を直接には階調表現できない。よって、これらの値(1,3,5)をレベル設定値にすることで、より詳細な制御ができる。
【0058】
レベル比較回路(1)52、レベル比較回路(11)62、レベル比較回路(12)67は、同様の動作である。カウンタ(1)53、カウンタ(11)63、カウンタ(12)68は、同様の動作である。加算回路(1)69は、カウンタ(1)53、カウンタ(11)63、及びカウンタ(12)68の出力を入力して加算する。数比較回路(1)55は、図8と同様の動作である。
【0059】
レベル設定値(2)56、レベル設定値(21)71、レベル設定値(22)76、レベル設定値(23)91では、設定値として例えば2,3,6,7を設定する。これらの値(2,3,6,7)は、図4の第1SF変換部23−1のSF変換(SFD1)でSF2がオンになり低階調の階調表現に寄与する値である。これらも同様の理由からレベル設定値にすることで、より詳細な制御ができる。
【0060】
レベル比較回路(2)57、レベル比較回路(21)72、レベル比較回路(22)77、レベル比較回路(23)92は、同様の動作である。カウンタ(2)58、カウンタ(21)73、カウンタ(22)78、カウンタ(23)93は、同様の動作である。加算回路(2)79は、カウンタ(2)58、カウンタ(21)73、カウンタ(22)78、及びカウンタ(23)93の出力を入力して加算する。数比較回路(2)60は、図8と同様の動作である。
【0061】
図4の第1のSF変換から図5の第2のSF変換に切り換わると、図4のステップ1,3,5,……のようなSF1オン箇所が無くなって階調表現できなくなり、ステップ2,4,6,……のような1つおきのステップで階調表現することになる。低階調ほど階調表現力に影響を及ぼすので、図9の構成では図8の構成よりも低階調表現に関して敏感(詳細な制御)になっている。図9の構成では、低階調側のSF1とSF2の負荷率を検出していることになる。
【0062】
<切換判定(1)>
次に、図10において、実施の形態1における、切換判定部24の出力、即ち複数のSF変換の切り換えの制御論理を示している。切換判定部24は、画素数検出部22から信号K1,K2を入力し、切換部25及び駆動回路部3のための選択信号(SEL)を出力する。K1が「1」の場合、即ち、K1とK2が共に「1」の場合、または、K1が「1」でK2が「0」の場合では、SEL=「0」を出力する。また、K1が「0」でK2が「1」の場合、SEL=「1」を出力し、K1とK2が共に「0」の場合、SEL=「2」を出力する。切換部25は、SELが「0」の場合、SFD1を、SELが「1」の場合、SFD2を、SELが「2」の場合、SFD3を選択して、信号MPとして出力する。
【0063】
SEL=「0」(SFD1)の場合、SF変換部23(第1SF変換部23−1)でのステップ数は147なので、8ビット必要であり、誤差拡散部21の整数をそれに合わせて8ビットにする。SEL=「1」(SFD2)の場合、SF変換部23(第2SF変換部23−2)のステップ数は73なので7ビット必要であり、誤差拡散部21の整数をそれに合わせて7ビットにする。SEL=「2」(SFD3)の場合、SF変換部23(第3SF変換部23−3)のステップ数は36なので6ビット必要であり、誤差拡散部21の整数をそれに合わせて6ビットにする。
【0064】
<駆動制御(1)>
次に、図11において、実施の形態1における、1フィールドの複数(SF数:N)のSFの駆動制御の第1の構成を説明する。前記SFD1,SFD2,SFD3に対応した各駆動シーケンスとして、Dr10,Dr9,Dr8を示している。なお、駆動シーケンスとは、フィールド内の各SFの駆動パルスを含む、フィールド全体の駆動を指している。前記駆動シーケンスは、駆動シーケンス生成部9で生成され、各SFのパルス数も計算される。図4の第1のSF変換(SFD1)に対応する駆動シーケンス(Dr10)を基本構成とし、そのフィールド(F)のN=10個のSFを「SF1」〜「SF10」とする。これに対して、第2、第3のSF変換(SFD2,SFD3)のように休止SFを設けたフィールド及びそのSFを、F’及びSF’とする。
【0065】
Dr10は、SEL=「0」の場合の第1のSF変換での出力(SFD1)に対応した駆動シーケンスであり、SF1〜SF10の10個のSFすべてを駆動している。所定の駆動マージン時間とフィールド期間が同じであり、休止時間は無い。なお、SFで、空白部はサステイン期間(Ts)、斜線部はサステイン期間(Ts)以外のアドレス期間等である。
【0066】
Dr9は、SEL=「1」の場合の第2の変換での出力(SFD2)に対応した駆動シーケンスであり、SF1〜SF10の10個のSFのうち、最初のSF1が休止SF(休止時間)であり、SF2(SF’1)〜SF10(SF’9)の9個のSFを駆動している。
【0067】
Dr8は、SEL=「2」の場合の第3のSF変換での出力(SFD3)に対応した駆動シーケンスであり、SF1〜SF10の10個のSFのうち、最初の2つのSF1とSF2が休止であり、SF3(SF’1)〜SF10(SF’8)の8個のSFを駆動している。
【0068】
映像内容に応じて、Dr10からDr9に駆動が切り換わると、SF1を駆動する電力が低減できる。また、Dr9からDr8に駆動が切り換わると、SF2を駆動する電力が低減できる。
【0069】
<効果(1)>
実施の形態1では、入力映像信号の画像の低階調の画素数(p)に応じて、基本構成(第1のSF変換)に対し重み小のSFを休止したSF数(N)が少ないSF変換(第2、第3のSF変換)を選択することにより、画像の低階調領域が少ないので画質の劣化が少ないまま、特に低階調表現を確保して誤差拡散による粒状ノイズを抑えつつ、表示の消費電力を低減できる。
【0070】
(実施の形態2)
次に、図12を用いて、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1のSF数(N)を少なくするのみのSF変換を用いる構成に対して、更に、休止SF分による休止時間をフィールドの他のSFに配分して輝度を上げるSF変換を選択して用いる。実施の形態2の構成は、実施の形態1と基本的に同様であるが、SF変換部23での変換(SFD2,SFD3)において、重み付けはそのままでサステインパルス数が異なる。サステインパルス数は、駆動シーケンス生成部9で、信号SELを元に計算される。
【0071】
<駆動制御(2)>
図12において、実施の形態2における、1フィールドの複数(SF数:N)のSFの駆動制御の第2の構成を示している。前記SFD1,SFD2,SFD3に対応した各駆動シーケンスとして、Dr10,Dr9Z,Dr8Zを示している。図4の第1のSF変換(SFD1)に対応する駆動シーケンス(Dr10)を基本構成とする。これに対して、第2、第3のSF変換(SFD2,SFD3)のように、休止SFを設け、かつその休止時間を他のSFへ配分したフィールド及びそのSFを、F’’及びSF’’とする。
【0072】
Dr9Zは、SEL=「1」の場合の第2の変換の変形での出力(SFD2)に対応した駆動シーケンスである。Dr9Zは、前記SFD2対応のDr9の構成に対して、1フィールド(F)の時間はそのままに、休止SFであるSF1分の時間を、同フィールド内の前記SF’1〜SF’9の9個のSFの各サステイン期間(Ts)へ、各SFの重み付けに応じて配分して、発光輝度を高めている構成である。配分により、各サステイン期間(Ts)のサステインパルス数などが少しずつ増える。
【0073】
Dr8Zは、SEL=「2」の場合の第3のSF変換の変形での出力(SFD3)に対応した駆動シーケンスであり、2つの休止SFであるSF1,SF2分の時間を、前記SF’1〜SF’8の8個のSFへ配分している構成である。これらの変換によるフィールド(F’’)の長さは、基本構成のフィールド(F)の長さと同じである。
【0074】
映像内容に応じて、Dr10からDr9Zに駆動が切り換わると、SF1の駆動の削減の分、当該フィールドの輝度を高める。また、Dr9からDr8Zに駆動が切り換わると、同様にSF2の駆動の削減の分、当該フィールドの輝度を高める。
【0075】
なお、実施の形態1と実施の形態2におけるSF変換の構成は、適宜組み合わせて用いてもよい。
【0076】
<効果(2)>
実施の形態2では、実施の形態1により所定の駆動マージン時間(フィールド)内で休止SF分により得られる時間を、残した駆動対象のサブフィールドに配分することにより、画質劣化が少ないまま、表示の明るさの性能を向上できる。
【0077】
(実施の形態3)
次に、図13〜図16を用いて、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1,2のような複数のSF変換の切り換えにおいて、更に、SF変換の切り換えで時間的な発光重心位置が変化する場合に、その間に、発光重心位置が緩やかに変化するような過渡的な変換(駆動シーケンス)を設けて、段階的に切り換える。
【0078】
<駆動制御(3−1)>
図13において、実施の形態3の駆動制御の第1の構成を説明する。なお、本構成以降では、SF数(N)が9個の構成(SFD2)に関して切り換える例について示している。これはSF数(N)が8個の構成(SFD3)に関しても同様である。
【0079】
図13では、Dr10からDr9Zへの切り換えの場合を示している。Dr10とDr9Zの間に、Dr9とDr9Sが設けられている。まず、Dr10からDr9へ切り換え、更に、DRV9S、DRV9Zの順番に切り換える。Dr10からDr9Zへの切り換えでは、SF数(N)が異なることから時間方向の発光重心位置が変わるので、その分、映像の切り換えショックが発生する。よって、本構成では、Dr10からDr9Zの間に設けた補助的な駆動シーケンス(Dr9、Dr9S)を用いて、連続するフィールド群の駆動において、段階的に切り換える。
【0080】
これにより、発光重心位置を少しずつずらし、切り換えショックを緩和する。また、この切り換えの方法は、Dr10、Dr9、Dr9Zの順や、Dr10、Dr9S、Dr9Zの順といったように、他の方法も可能である。
【0081】
<駆動制御(3−2)>
前記図13のDr9からDr9Sへ一気に切り換えると、その分、切り換えショックが発生する。
【0082】
図14において、実施の形態3の駆動制御の第2の構成を同様に示している。本構成では、前記図13のDr9からDr9Sへの切り換えショックを緩和する複数の駆動シーケンスの切り換えを示している。Dr9からDr9Sへの間で、休止期間の長さを制御した補助的な駆動シーケンス(Dr9A、Dr9B)を設けている。Dr9Aは、休止期間の総長さがDr9の休止SF(SF1)の長さと同じであるが、フィールドの最初と最後に分けて最初の方を大きめに設けている。同様に、Dr9Bは、休止期間の総長さがDr9の休止SF(SF1)の長さと同じであるが、フィールドの最初と最後に分けて最後の方を大きめに設けている。Dr9、Dr9A、Dr9B、Dr9Sの順に切り換えることにより、切り換えショックが緩和される。なお、本構成は、Dr9A、Dr9Bで休止期間を除くフィールド(F’)の位置を一定にずらしている構成ともいえる。
【0083】
<駆動制御(3−3)>
前記図13のDr9SからDr9Zへ一気に切り換えると、その分、切り換えショックが発生する。
【0084】
図15において、実施の形態3の駆動制御の第3の構成を示している。本構成では、前記図13のDr9SからDr9Zへの切り換えショックを緩和する複数の駆動シーケンスの切り換えを示している。Dr9SからDr9Zへの間で、休止期間及びサステイン期間(Ts)の長さを同時に制御した補助的な駆動シーケンス(Dr9T、Dr9U)を設けている。Dr9T、Dr9Uでは、休止期間の長さが、Dr9Sの休止SF(SF1)の長さに対して、一定に少なくなり、対応して、各SF’の長さが重みに応じて少しずつ増えている構成である。Dr9S、Dr9T、Dr9U、Dr9Zの順に切り換えることにより、切り換えショックが緩和される。
【0085】
<駆動制御(3−4)>
前記図13のDr9からDr9Zへ一気に切り換えると、その分、切り換えショックが発生する。
【0086】
図16において、実施の形態3の駆動制御の第4の構成を示している。前記図13のDr9からDr9Zへの切り換えショックを緩和する複数の駆動シーケンスの切り換えを示している。Dr9からDr9Zへの間で、休止期間とサステイン期間(Ts)を同時に制御した補助的な駆動シーケンス(Dr9V、Dr9W)を設けている。Dr9V、Dr9Wでは、休止期間の長さが、Dr9の休止SF(SF1)の長さに対して、一定に少なくなり、対応して、各SF’の長さが重みに応じて少しずつ増えている構成である。Dr9、Dr9V、Dr9W、Dr9Zの順に切り換えることにより、切り換えショックが緩和される。
【0087】
<効果(3)>
実施の形態3では、時間的発光重心位置(表示特性)の変化がなるべく緩やかになるように切り換えることにより、切り換えショックを緩和して画質を向上できる。
【0088】
(実施の形態4)
次に、図1,図3,図17を用いて、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、実施の形態1等と同様の構成に加えて、更に、制御条件として、低階調の画素数(p)に加えてAPLを用いて、SF変換切り換えの制御を行う。
【0089】
<駆動制御(4)−APL検出>
前記図1において、表示装置1の構成として、制御回路部2に、APL検出部8−1が設けられている。APL検出部8−1は、映像信号(VIN)を入力して、映像内容として、1フィールド対応の画像ごとの平均輝度レベル(APL:Average Picture Level)を検出し、その信号(APL)を多階調化処理部6に出力する。
【0090】
また前記図3において、本表示装置1の多階調化処理部6において、切換判定部24の入力は、K1とK2とAPLの3つの信号である。
【0091】
<切換判定(2)>
図17は、実施の形態4における切換判定部24の出力を示している。切換判定部24は、APL値を、所定値:X0,X1(X0<X1)と比較判定するものである。(1)APLがX0未満の場合(APL<X0)、つまり暗い映像の場合、K1,K2の値に関わらず、切換判定部24は、SEL=「0」を出力する。この時、切換部25は、SFD1を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr10を駆動するタイミング信号を出力する。(2)APLがX0以上でX1未満の場合(X0≦APL<X1)、つまり中間平均輝度の映像の場合において、K1とK2が共に「0」の場合に、切換判定部24は、SEL=「1F」を出力する。この時、切換部25は、SFD2を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr9Zを駆動するタイミング信号を出力する。また、K1とK2が共に「0」でない場合、つまり、中間平均輝度でかつ低階調の映像がある場合、切換判定部24は、SEL=「00」を出力する。この時、切換部25は、SFD1を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr10を駆動するタイミング信号を出力する。(3)APLがX1以上の場合(X1≦APL)、K1,K2の値が共に「0」の場合、つまり明るく低階調の映像がない場合において、切換判定部24は、SEL=「2F」を出力する。この時、切換部25は、SFD3を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr8Zを駆動するタイミング信号を出力する。K1が「0」でK2が「1」の場合、切換判定部24は、SEL=「1F」を出力する。この時、切換部25は、SFD2を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr9Zを駆動するタイミング信号を出力する。また、K1が「1」でK2が「0」または「1」の場合、つまり明るく低階調の映像がある映像の場合、切換判定部24は、SEL=「00」を出力する。この時、切換部25は、SFD1を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr10を駆動するタイミング信号を出力する。
それ以外の場合、つまり低階調の映像が多い場合には、SEL=「0」を出力する。
【0092】
<効果(4)>
実施の形態4では、APLを用いて判定することにより、複数のSF変換をより効果的に切り替えることができる。
【0093】
(実施の形態5)
次に、図18,図19を用いて、実施の形態5について説明する。実施の形態5では、実施の形態1等と同様の構成に加えて、更に、制御条件として、低階調の画素数(p)に加えて表示部(PDP)4の温度を表す情報(TMP)を用いて、SF変換切り換えの制御を行う。
【0094】
<駆動制御(5)−温度検出>
図18において、実施の形態5における表示装置1の構成として、温度検出部8−2が設けられている。温度検出部8−2は、表示部(PDP)4から、表示部4の温度の情報(TMP)を入力し、その情報(TMP)またはそれを処理した情報を、多階調化処理部6に出力する。多階調化処理部6では、この温度情報(TMP)を用いて、複数のSF変換の切り換えを制御する。温度情報(TMP)は、例えば、表示部4のパネル面に設けた温度センサで測定したものを用いる。
【0095】
前記図3において、本表示装置1の多階調化処理部6において、切換判定部24の入力は、K1とK2とTMPの3つの信号である。
【0096】
<切換判定(3)>
図19は、実施の形態5における切換判定部24の出力を示している。切換判定部24は、TMP値を、所定値:Y0,Y1(Y0<Y1)と比較判定するものである。(1)TMPがY0未満の場合(TMP<Y0)、K1とK2が共に「0」の場合、つまりパネル温度が低く低階調の映像がない場合、切換判定部24は、SEL=「2F」を出力する。この時、切換部25は、SFD3を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr8Zを駆動するタイミング信号を出力する。K1が「0」でK2が「1」の場合、切換判定部24は、SEL=「1F」を出力する。この時、切換部25は、SFD2を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr9Zを駆動するタイミング信号を出力する。また、K1が「1」でK2が「0」または「1」の場合、つまりパネル温度が低く低階調の映像がある場合、切換判定部24は、SEL=「00」を出力する。この時、切換部25は、SFD1を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr10を駆動するタイミング信号を出力する。(2)TMPがY0以上でY1未満の場合(Y0≦TMP<Y1)、K1,K2が共に「0」の場合、つまりパネル温度が暖かく低階調の映像がない場合、切換判定部24は、SEL=「20を出力する。この時、切換部25は、SFD3を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr8を駆動するタイミング信号を出力する。また、K1,K2が共に「0」でない場合、つまり低階調の映像がある場合、切換判定部24は、SEL=「10」を出力する。この時、切換部25は、SFD2を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr9を駆動するタイミング信号を出力する。(3)TMPがY1以上の場合(Y1≦TMP)、K1,K2が共に「0」の場合、つまりパネル温度が熱く低階調の映像がない場合、切換判定部24は、SEL=「20」を出力する。この時、切換部25は、SFD3を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr8を駆動するタイミング信号を出力する。K1が「0」でK2が「1」の場合、切換判定部24は、SEL=「20」を出力する。この時、切換部25は、SFD3を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr8を駆動するタイミング信号を出力する。また、K1が「1」でK2が「0」または「1」の場合、つまりパネル温度が熱く低階調の映像がある映像の場合、切換判定部24は、SEL=「10」を出力する。この時、切換部25は、SFD2を選択して、駆動シーケンス生成部9の出力DSは、駆動シーケンスDr9を駆動するタイミング信号を出力する。
【0097】
パネル温度が熱い場合、サステイン数を多くしないで、駆動による消費電力を抑え、パネルの温度上昇を抑圧させる。
【0098】
<効果(5)>
実施の形態5では、表示部4の温度を用いて判定することにより、複数のSF変換をより効果的に切り替えることができる。
【0099】
(実施の形態6)
次に、図20,図21を用いて、本発明の実施の形態6について説明する。実施の形態6では、入力映像信号ではなく、SF変換後のSFデータを用いて、所定のレベル以下の画素数を検出し、これを用いてSF変換切り換えの制御を行う。上記SF変換後における画素数(実施の形態1での入力映像信号における画素数(p)に対応するもの)を、SF画素数(q)とする。
【0100】
<駆動制御(6)−SF画素数>
図20において、実施の形態6の表示装置1に備える多階調化処理部6−6の構成を示している。多階調化処理部6−6は、SF変換部23の後段の1F(フィールド)遅延部26(26−1,26−2,26−3)と、SF画素数検出部27を有する。
【0101】
1F遅延部26(26−1〜26−3)では、第1SF変換部23−1の出力:SFD1、第2SF変換部23−2の出力:SFD2、第3SF変換部23−3の出力:SFD3を入力し、それぞれ1フィールド遅延させた信号:SFDD1,SFDD2,SFDD3を出力する。
【0102】
SF画素数検出部27では、誤差拡散部21の出力:EDOと、第1SF変換部23−1の出力:SFD1とを入力し、SF画素数(q)を検出及び判定した信号:K1,K2を出力する。SF画素数検出部27では、SF画素数(q)として、フィールド内の所定の重み付けが小さい側の一部のサブフィールド(SFx)の画素数(q)を検出する。切換判定部24と切換部25では、前記図3と同様の機能を果たす。
【0103】
図21において、SF画素数検出部27の構成例を示している。SF画素数検出部27は、低レベル設定値以下のSF画素数(q)をカウントして数設定値と比較判定して結果を出力する。SF画素数検出部27は、低レベル設定値(1)80、低レベル設定値(2)85、レベル比較回路(1)81、レベル比較回路(2)86、カウンタ(1)82、カウンタ(2)87、数比較回路(1)83、数設定値(1)84、数比較回路(2)88、数設定値(2)89を有する。
【0104】
低レベル設定値(1)80では、設定される第1の低レベル設定値である信号:GS1を出力する。低レベル設定値(2)85では、同様に信号:GS2を出力する。
【0105】
レベル比較回路(1)81では、GS1と、SFD1のSF1とを入力し、信号:GC1を出力する。レベル比較回路(1)81は、EDO値がGS1以下の場合、「1」を出力する。レベル比較回路(2)86では、GS2と、SFD1のSF2とを入力し、信号:GC2を出力する。レベル比較回路(2)86は、EDO値がGS2以下の場合、「1」を出力する。なお、SF1,SF2において、オンが1、オフが0である。
【0106】
カウンタ(1)82では、GC1とSF1とVSとを入力し、信号:GCN1を出力する。カウンタ(1)82は、VSが0の時、つまり垂直同期期間のとき、カウンタ値を0にして、GC1とSF1が共に1の場合、つまり誤差拡散後の映像信号であるEDOの値が所定値GS1以下でSF1が1の場合、カウント値を加算(+1)する。同様に、カウンタ(2)87では、GC2とSF2とVSとを入力し、信号:GCN2を出力する。カウンタ(2)87は、VSが0の時、カウンタ値を0にして、GC2とSF2が共に1の場合、つまりEDOの値が所定値GS2以下でSF2が1の場合、カウント値を加算(+1)する。
【0107】
数設定値(1)84では、信号(数値):GM1を出力する。数設定値(2)89では、信号(数値):GM2を出力する。数比較回路(1)83では、VSとGCN1とGM1とを入力し、K1を出力する。数比較回路(1)83は、VSが0の時、カウンタ(1)82の出力:GCN1と数設定値(1)84の出力:GM1とを比較し、GCN1がGM1より小さい場合、次の1フィールド間、0を出力する。数比較回路(2)88では、VSとGCN2とGM2とを入力し、K2を出力する。数比較回路(2)88は、VSが0の時、カウンタ(2)87の出力:GCN2と数設定値(2)89の出力:GM2とを比較し、GCN2がGM2より小さい場合、次の1フィールド間、0を出力する。
【0108】
<効果(6)>
実施の形態6では、SF画素数(q)を用いて判定することにより、実施の形態1等と同様の効果を得られる。実施の形態6の場合、フィールドメモリ(1F遅延部26)の数が増えるが、SF毎の画素数が正確に求まる。
【0109】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、前記PDP装置などの各種の表示装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の一実施の形態における表示装置(PDP装置)のブロック構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態の表示装置において、表示部(PDP)のパネル構造例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態の表示装置において、多階調化処理部の一例の回路構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態の表示装置において、第1SF変換部における第1のSF変換の表を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態の表示装置において、第2SF変換部における第2のSF変換の表を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態の表示装置において、第3SF変換部における第3のSF変換の表を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態の表示装置において、多階調化処理部における誤差拡散部の構成例を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態の表示装置において、多階調化処理部における画素数検出部の第1の構成例を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態の表示装置において、多階調化処理部における画素数検出手段の第2の構成例を示す図である。
【図10】本発明の一実施の形態の表示装置において、多階調化処理部の第1の構成における、切換判定部の出力(切換論理)を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1の表示装置において、駆動シーケンスの構成を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2の表示装置において、駆動シーケンスの構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態3の表示装置において、駆動シーケンスの第1の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態3の表示装置において、駆動シーケンスの第2の構成を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態3の表示装置において、駆動シーケンスの第3の構成を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態3の表示装置において、駆動シーケンスの第4の構成を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態4の表示装置において、多階調化処理部の切換判定部の出力(切換論理)を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態5における表示装置(PDP装置)のブロック構成を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態5の表示装置において、多階調化処理部の切換判定部の出力(切換論理)を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態6の表示装置において、多階調化処理部の構成例を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態6の表示装置において、多階調化処理部のSF画素数検出部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0112】
1…表示装置(PDP装置)、2…制御回路部、3…駆動回路部、3−1…Xドライバ、3−2…Yドライバ、3−3…Aドライバ、4…表示部(PDP)、5…タイミング生成部、6,6−6…多階調化処理部、7…フィールドメモリ部、8−1…APL検出部、8−2…温度検出部、9…駆動シーケンス生成部、20…ゲイン部、21…誤差拡散部、22,22B…画像数検出部、23…SF変換部、23−1…第1SF変換部、23−2…第2SF変換部、23−3…第3SF変換部、24…切換判定部、25…切換部、26,26−1,26−2,26−3…1F遅延部、27…SF画素数検出部、30…表示/誤差分離部、31…1D遅延部、32…1L−1D遅延部、33…1L遅延部、34…1L+1D遅延部、35…k1乗算部、36…k2乗算部、37…k3乗算部、38…k4乗算部、39,41…加算部、40…桁合わせ部、51,56,61,66,71,76,91…レベル設定値、52,57,62,67,72,77,81,86,92…レベル比較回路、53,58,63,68,73,78,82,87,93…カウンタ、54,59,84,89…数設定値、55,60,83,88…数比較回路、69,79…加算回路、80,85…低レベル設定値、201…X電極、202…Y電極、203,206…誘電体層、204…保護層、205…アドレス電極、207…隔壁、208…蛍光体、211…前面基板、212…背面基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルにおける画素群による表示領域及び期間に対応するフィールドが、発光時間で重み付けされる複数(N)のサブフィールドに分割されて構成され、入力映像信号をもとに画素の階調に応じて前記複数(N)のサブフィールドの点灯/非点灯のデータへの変換により、前記表示パネルに対して多階調の動画像を表示する多階調表示方法であって、
前記入力映像信号に対し、所定の変換パターンに従って、前記画素の信号レベルごとに、前記複数(N)のサブフィールドの点灯/非点灯によるステップに変換する複数の変換工程と、
前記複数の変換工程の出力から1つを選択し、それに対応した前記フィールド及びサブフィールドの駆動波形を含む複数の駆動シーケンスから1つを選択して、前記表示パネルを駆動する工程と、
前記入力映像信号の画像における低階調側の所定の信号レベル値もしくは低階調側の所定の信号レベル値以下の画素数(p)を検出する工程とを有し、
前記複数の変換工程は、前記サブフィールドの数(N)が異なる少なくとも2つの変換工程として、
前記サブフィールドの数(N)が最大数(M)である第1種の変換工程と、
前記M個のサブフィールドのうち重み付けが小さい側の一部のサブフィールドを休止させて前記NがMより少なくなり、出力階調数を制限し誤差を空間的に拡大する誤差拡散処理に対応した、第2種の変換工程とを有し、
前記フィールドに対応する画像における前記画素数(p)が所定値以上である場合、前記第1種の変換及びそれに対応する第1種の駆動シーケンスを選択し、前記画素数(p)が前記所定値未満である場合、前記第2種の変換及びそれに対応する第2種の駆動シーケンスを選択することを特徴とする多階調表示方法。
【請求項2】
請求項1記載の多階調表示方法において、
前記第2種の変換工程における前記第2種の駆動シーケンスに対し、前記フィールド内で前記休止により少なくしたサブフィールド分により得られる時間を、そのフィールド内の他のサブフィールドに、それらの各重み付けに応じて発光時間を長くするように配分した構成の第3種の駆動シーケンスを有し、
前記第2種の駆動シーケンスの代わりに前記第3種の駆動シーケンスを選択することを特徴とする多階調表示方法。
【請求項3】
表示パネルにおける画素群による表示領域及び期間に対応するフィールドが、発光時間で重み付けされる複数(N)のサブフィールドに分割されて構成され、入力映像信号をもとに画素の階調に応じて前記複数(N)のサブフィールドの点灯/非点灯のデータへの変換により、前記表示パネルに対して多階調の動画像を表示する多階調表示装置であって、
前記入力映像信号に対し、所定の変換パターンに従って、前記画素の信号レベルごとに、前記複数(N)のサブフィールドの点灯/非点灯によるステップに変換する複数の変換手段と、
前記複数の変換手段の出力から1つを選択し、それに対応した前記フィールド及びサブフィールドの駆動波形を含む複数の駆動シーケンスから1つを選択して、前記表示パネルを駆動する手段と、
前記入力映像信号の画像における低階調側の所定の信号レベル値もしくは低階調側の所定の信号レベル値以下の画素数(p)を検出する手段とを有し、
前記複数の変換手段は、前記サブフィールドの数(N)が異なる少なくとも2つの変換手段として、
前記サブフィールドの数(N)が最大数(M)である第1種の変換手段と、
前記M個のサブフィールドのうち重み付けが小さい側の一部のサブフィールドを休止させて前記NがMより少なくなり、出力階調数を制限し誤差を空間的に拡大する誤差拡散処理に対応した、第2種の変換手段とを有し、
前記フィールドに対応する画像における前記画素数(p)が所定値以上である場合、前記第1種の変換及びそれに対応する第1種の駆動シーケンスを選択し、前記画素数(p)が前記所定値未満である場合、前記第2種の変換及びそれに対応する第2種の駆動シーケンスを選択することを特徴とする多階調表示装置。
【請求項4】
請求項3記載の多階調表示装置において、
前記第2種の変換手段における前記第2種の駆動シーケンスに対し、前記フィールド内で前記休止により少なくしたサブフィールド分により得られる時間を、そのフィールド内の他のサブフィールドに、それらの各重み付けに応じて発光時間を長くするように配分した構成の第3種の駆動シーケンスを有し、
前記第2種の駆動シーケンスの代わりに前記第3種の駆動シーケンスを選択することを特徴とする多階調表示装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の多階調表示装置において、
複数のフィールドの駆動表示において、前記映像に応じて前記フィールドのサブフィールドの数(N)が変わるように前記複数の変換手段を切り換える際に、その切り換えによりフィールドの時間的な発光重心位置が変化する場合、その間に、フィールド内の休止時間の位置または長さが異なる複数の変換及び駆動シーケンスを設けて、それらを前記発光重心位置の変化が緩やかになるように、順に切り換えることを特徴とする多階調表示装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載の多階調表示装置において、
前記入力映像信号の画像における平均輝度レベル(APL)を検出する手段を有し、
前記画素数(p)と前記平均輝度レベル(APL)とを合わせた判定に応じて、前記複数の変換手段及び駆動シーケンスから1つを選択することを特徴とする多階調表示装置。
【請求項7】
請求項3または4に記載の多階調表示装置において、
前記入力映像信号の画像における平均輝度レベル(APL)を検出する手段を有し、
前記APLが所定値未満の場合、前記サブフィールドの数(N)が多い変換を選択し、
前記APLが所定値以上で前記画素数(p)が所定値以上である場合、前記サブフィールドの数(N)が多い変換を選択し、
前記APLが所定値以上で前記画素数(p)が所定値未満の場合、前記サブフィールドの数(N)が少ない変換を選択することを特徴とする多階調表示装置。
【請求項8】
請求項4記載の多階調表示装置において、
前記入力映像信号の画像における平均輝度レベル(APL)を検出する手段を有し、
前記APLが所定値未満の場合、前記サブフィールドの数(N)が多い変換を選択し、
前記APLが所定値以上で前記画素数(p)が所定値以上の場合、前記サブフィールドの数(N)が多い変換を選択し、
前記APLが所定値以上で前記画素数(p)が所定値未満の場合、前記第2種の変換を選択し、前記第3種の駆動シーケンスを選択することを特徴とする多階調表示装置。
【請求項9】
請求項3または4に記載の多階調表示装置において、
前記表示パネルの温度を検出する手段を有し、
前記画素数(p)と前記温度とを合わせた判定に応じて、前記複数の変換手段及び駆動シーケンスから1つを選択することを特徴とする多階調表示装置。
【請求項10】
請求項9記載の多階調表示装置において、
前記表示パネルの温度が所定値未満の場合、前記サブフィールドの数(N)が多い変換を選択し、
前記温度が所定値以上で前記画素数(p)が所定値未満の場合、前記サブフィールドの数(N)が少ない変換を選択することを特徴とする多階調表示装置。
【請求項11】
表示パネルにおける画素群による表示領域及び期間に対応するフィールドが、発光時間で重み付けされる複数(N)のサブフィールドに分割されて構成され、入力映像信号をもとに画素の階調に応じて前記複数(N)のサブフィールドの点灯/非点灯のデータへの変換により、前記表示パネルに対して多階調の動画像を表示する多階調表示装置であって、
前記入力映像信号に対し、所定の変換パターンに従って、前記画素の信号レベルごとに、前記複数(N)のサブフィールドの点灯/非点灯によるステップに変換する複数の変換手段と、
前記複数の変換手段の出力から1つを選択し、それに対応した前記フィールド及びサブフィールドの駆動波形を含む複数の駆動シーケンスから1つを選択して、前記表示パネルを駆動する手段と、
前記入力映像信号をもとに前記変換手段により前記フィールドのサブフィールドのデータに変換した出力における前記フィールド内の所定の重み付けが小さい側の一部のサブフィールド(SFx)の画素数(q)を検出する手段とを有し、
前記複数の変換手段は、前記サブフィールドの数(N)が異なる少なくとも2つの変換手段として、
前記サブフィールドの数(N)が最大数(M)である第1種の変換手段と、
前記M個のサブフィールドのうち重み付けが小さい側の一部のサブフィールドを休止させて前記NがMより少なくなり、出力階調数を制限し誤差を空間的に拡大する誤差拡散処理に対応した、第2種の変換とを有し、
前記フィールドにおける前記サブフィールドの画素数(q)が所定値以上である場合、前記第1種の変換及びそれに対応する駆動シーケンスを選択し、前記サブフィールドの画素数(q)が前記所定値未満である場合、前記第2種の変換及びそれに対応する駆動シーケンスを選択することを特徴とする多階調表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−139646(P2008−139646A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326874(P2006−326874)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】