説明

大モード面積光導波路デバイス

【課題】大モード面積光導波路デバイスを提供する。
【解決手段】少なくとも0.1重量%の濃度のNd3+でドープした超大モード面積能動ダブルクラッド光導波路を使用して、1050nmと1120nmとの間の波長の光を効率的に増幅することができる。795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長のポンプ光に少なくとも3dB/mの正味の光吸収を与えるのに十分なドーピング濃度で、Nd3+は、Yb3+よりも極めて低い反転レベルの下で動作する。低い反転レベルのために、Nd3+ドープ導波路は、ポンプ・ブリーチングまたは光黒化が低減される傾向がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は能動光導波路デバイスに関し、特に、大モード面積(large mode area:LMA)能動光導波路を使用する増幅器および発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバ・レーザおよび増幅器は、自由空間レーザおよび増幅器と比較していくつかの利点を有する。ファイバ・レーザおよび増幅器では、光は、光利得を与える材料をドープした「能動」ファイバ・コアによって導波され、そのために、ファイバ・レーザおよび増幅器は機械的位置合わせ不良の影響を受けない。能動光ファイバの光導波の性質のために、利得媒体の長さを数十メートル、さらには数百メートルに増加させることもでき、その結果、非常に高い達成可能な光利得がもたらされる。
【0003】
ダブルクラッド・ファイバ・レーザおよび増幅器ならびに関連する導波路デバイスは、それらの非常に高い効率、輝度、コンパクト性、および費用効果のために、現在、大きい関心が寄せられている。Snitzer等は米国特許第4,815,079号において、およびGrubb等は米国特許第6,157,763号において、ダブルクラッド光ファイバ構造により、レーザ・ダイオードからの多モードのポンプ放射が光ファイバの希土類ドープ単一モード・コアに効率的に結合できるようになることを開示している。
【0004】
Snitzerの特許に述べられているように、ダブルクラッド構成のための有用なガラス・ドーパント材料はネオジウム・イオン(Nd3+)およびイッテルビウム・イオン(Yb3+)を含むことができ、それらは両方とも約1060nmの波長の光を増幅し、それらは両方とも近赤外GaAsレーザ・ダイオードでポンピングすることができる点で見かけ上は類似している。1990年代初頭に、一つには、Nd:YAG結晶レーザをポンピングするために開発されたNd3+の805nmポンプ波長のレーザ・ダイオードを利用できるという理由で、ダブルクラッドNd3+レーザを使用する実験が行われた。1990年代末期に、900〜980nm範囲の高信頼性のレーザ・ダイオードが電気通信光増幅器用のポンプとして広く利用できるようになった。この範囲はYb3+ポンプ帯域を含むので、約1060nmの波長で動作するダブルクラッド・レーザのレージング・ドーパントとしてNd3+ではなくYb3+を使用することが実用的になった。
【0005】
Yb3+は、当業者に知られている以下の利点のために1060nmでの動作に関してNd3+と比較して急速に好ましいドーパントになった。
(a)Yb3+は、ポンプ波長の光子と出力波長の光子との間のエネルギー損失がより小さいので、Nd3+よりも光を効率的に増幅することができる。例として、シリカ・ファイバ中のYb3+は980nmまででポンピングし、1030nmほどの低さの波長の光を増幅することができ、その結果、95%の量子収率がもたらされるが、一方、Nd3+は、典型的には、805nmでポンピングされ、1060nmの光を増幅し、その結果、わずかに75%の量子収率がもたらされる。
(b)Yb3+ファイバ・レーザはNd3+よりも高いドーピング・レベルを利用することができる。図1を参照すると、Yb3+およびNd3+のエネルギー準位構造が並んで示されている。Yb3+は2つのエネルギー準位マニホルド、すなわち、5/2および7/2しか有しておらず、そのため、濃度消光、励起状態吸収、およびエネルギー移行アップコンバーションなどの多準位寄生過程が本質的に避けられることが分かる。これらの寄生過程は、さらに多くのエネルギー準位、すなわち、9/2から15/2まで、5/2、および3/2を有するNd3+に影響を及ぼすことがある。これらの過程は希土類ドーピング濃度と相関するので、Nd3+は、一般には、シリカ・ファイバ中でYb3+よりも低い濃度でドープされ、その結果、Yb3+では、ファイバ長の短縮ならびにさらなる効率の利点がもたらされる。
(c)Yb3+は、Nd3+の約0.25msと比較して、約1msの励起状態寿命を有し、その結果、Yb3+ではさらなる効率の利点がもたらされる。
(d)Yb3+は1030nmから1140nmまで広がるより広い波長スペクトルにわたって光を増幅することができるが、一方、Nd3+は、一般には、1050nmから1120nmまで増幅する。その結果、Yb3+は超短パルス用途のためにNd3+よりも短いパルス持続時間をサポートすることができ、より広い出力スペクトルにわたって調整することもできる。
(e)Yb3+はNd3+よりも高い飽和フルエンスを有し、その結果、より高いパルス・エネルギーがYb3+によって発生されうる。
(f)900〜980nmレーザ・ダイオードは、現在、800〜890nmダイオードよりも強力かつ高信頼であるので、Yb3+の920nmおよび976nmのポンプ帯域は、レーザ・ダイオード技術の観点からすると、Nd3+の805nmおよび885nmのポンプ帯域より優れている。
【0006】
これらの理由で、およそ1996年以来、1030〜1080nm波長帯域での動作のためのダブルクラッド・ファイバ・レーザおよび増幅器の取り組みの大部分は、Yb3+ドープデバイスのまわりで展開しており、Nd3+ドープデバイスではほとんどなにも行われていない。Nd3+ドープファイバ・デバイスが、今日、時折使用される主な残った用途は、Yb3+がレージング遷移を有していない920nm波長帯域での増幅のためのものである。Yb3+ドープファイバおよびファイバ・レーザは、現在、コネチカット州、East GranbyのNufern、およびマサチューセッツ州、OxfordのIPG Photonicsを含む多数の会社から販売中である。
【0007】
ファイバ・レーザおよび増幅器は、ますます高くなる平均パワー・レベル、およびパルス・レーザでますます高くなるピークパワー・レベルを発生させるために1996年以来開発されている。その結果、ファイバ中の光パワー密度は劇的に増加し、それにより、光損傷および光非線形性に関する問題がもたらされている。ファイバ製造業者は、ファイバ・コアの直径を単一モード・カットオフ以上に増加させることによってこれらの問題に対処している。コアを大きくすると、次の2つの方法で、すなわち、レーザ放射のパワー密度を低減すること、および大きいコアは単位長当たり多くのドーパントを保持することができるので、より短いファイバ長を使用できるようにすることで、非線形性および損傷が低減される。そのようなファイバは、一般に、「大モード面積」、すなわちLMA、ダブルクラッド・ファイバと呼ばれ、約4.0よりも大きいコアVナンバ、V=(2π a NA)/λ、を有することによって特徴づけられる。ここで、aはコア半径であり、NAは開口数であり、λはレージング波長である。4.0のVナンバより下で、いかなる高次モードも一般に非常に高い損失を有する。
【0008】
レーザ出力は回折限界ビーム内にあることが、多くの場合、好ましく、それは、能動光ファイバが単一空間モードで動作することを必要とする。実験的に、25マイクロメートル直径および0.08NA(開口数)のファイバ・コアに対応して、約6.0までのVをもつファイバにおいて略単一モードの動作を得ることが可能であることが観察されている。典型的な約1重量%のYb3+ドーピング・レベル、976nmのポンプ波長、および250マイクロメートルのクラッド直径をもつそのようなファイバは、長さ2mという短いファイバ長で効率的な動作を行うことができる。LMAファイバは、光非線形性に起因する厳しいパルス歪みおよびスペクトル広がりにもかかわらずナノ秒パルスにおいて200kWを超えるピーク出力パワーを実証している。
【0009】
略単一モードの動作でさらにより高いパワー・レベルを達成するには、ファイバ直径はさらに増大される必要がある。非線形性を低減し、信頼性を改善するには、ファイバ長は減少される必要がある。略単一モードの動作を維持しながらコア直径を増大させ、かつファイバをさらに短くするいくつかの技法が開発されている。今後、超大モード面積(Very Large Mode Area:VLMA)ファイバと呼ぶこれらのファイバの共通の特徴は、約25マイクロメートルよりも大きいYb3+ドープコア直径、100マイクロメートルから約400マイクロメートルの範囲のクラッド直径(一般に、ポンプの輝度によって決定される)、および約2m未満のファイバ長である。
【0010】
1つのそのようなVLMAファイバ構造は、Limpert等により、Optics Express、13巻、4号、2005年2月21日、1055〜1058頁で公表された「High−Power Rod−Type Photonic Crystal Fiber Laser」という名称の論文で開示されている。デンマーク、BirkerodのNKT PhotonicsはこのタイプのVLMAファイバを製造している。これらのファイバでは、Yb3+ドープコアは、典型的には、直径が40〜100マイクロメートルであり、基本モード以外のコア・モードはすべてカットオフであるか、または非常に高い損失を有し、その結果、基本モードのみが伝搬されるように、コアのNAは非常に低くされている(約0.03以下)。コアは、コア材料とクラッド材料との間の小さい屈折率差によって、または実効屈折率差を生成する、クラッド中の小さい空気孔の格子によって、または両方によって規定することができる。同様に、ポンプ導波は、屈折率差によって、または実効屈折率差を生成する空気孔の格子によって規定することができる。そのような低いコアNAでは、ファイバがかなりの程度まで曲げられる場合、基本モードでさえ歪みおよび曲げ損失を受けることになる。したがって、約1mm以上の直径を与えるために、ポンプ導波領域の外側にシリカの厚い層をもつファイバが製作され、この堅いファイバは直線ロッドとして使用される。一般には、レーザ形状係数はレーザ・ユーザにとって重要な考慮事項であり、したがって、約1mよりも長い長さの直線ロッド・ファイバを収容するレーザ・システムは魅力的でないことがある。しかし、ロッド・タイプのファイバの大きいコア直径のために、Yb3+のポンプ吸収係数はそのようなロッド・ファイバでは約10dB/mを超えることがあり、低い利得用途では、1m以下の長さで有効なポンプ吸収を行うことができる。
【0011】
別のVLMA技法は、Galvanauskasによって米国特許第7,424,193号で開示されたキラル結合コア・ファイバで具現される。この技法では、Yb3+ドープファイバ・コアは、一次コアのまわりに螺旋状に巻き付けられた第2のより小さいコアを有するように製作された一次コアである。一次コアは、公称上の多モード(V>4.0)であるように選択された直径およびNAを有するが、螺旋状に巻き付けられた第2のコアが、高次モードの1つまたは複数に選択的な損失を引き起こすように構成され、その結果、基本モードは他のモードよりも高い正味の利得を有し、したがって優勢である。一般的には、この技法は、高いパワー・レベルでポンプ光を直接的に結合できるようにするためにダブルクラッド構造に組み合わされることになる。
【0012】
さらなる別のVLMA技法は、Dong等によって米国特許第7,787,729号で開示された漏れチャネル・ファイバで具現される。キラル結合コア・ファイバと同様に、この技法は、高次モードの1つまたは複数に選択的な損失を引き起こす構造要素と共に公称上の多モード・コアを利用し、一般には、やはりダブルクラッド構造と組み合わされることになる。この技法では、増幅される信号光は、その構造の基本モードそのものではなく、むしろ、構造要素よって第1のクラッドに閉じ込められ、デバイスの全長にわたって比較的安定なままであるいわゆる「漏れモード」に存在することができる。
【0013】
予想されるように、上述で列記したようにNd3+に対するYb3+ドーピングの利点を考えれば、1030〜1080nm波長帯域でこれらのVLMA技法を使用している既知の仕事はすべて現在までYb3+ドープファイバを使用している。しかし、VLMAファイバによるパラメータ空間は以前のファイバによるものと著しく異なるので、新しい問題が考慮されなければならない。
【0014】
特に、Limpert等は、IEEE J. Selected Topics in Quantum Electronics、15巻、2009年1月/2月、159〜169頁(section III: Gain Limitations in Short Low−NL Fibers and Consequencesを参照)、「High Repetition Rate Gigawatt Peak Power Fiber Laser Systems: Challenges, Design, and Experiment」という名称の論文において、Yb3+ドープVLMAレーザまたは増幅器の有用なレベルの利得を達成するには、従来のファイバ・レーザまたは増幅器よりもはるかに高いレベルの反転が生成されなければならないことを説明した。これらの非常に高い反転レベルは、レーザ基底状態を空乏化し、ポンプ光子を吸収するのに利用可能なYb3+イオンの分布数を低減させ、それによって、場合によっては大部分のポンプ・パワーが吸収されずにファイバを通り抜けるようになり、変換効率が低減する。上位レーザ準位への直接的な共鳴ポンピング、例えば、Yb3+の976nmポンピングが使用される場合、この効果は、ポンプ光子のうちのいくつかが吸収される代わりに既存の反転の下方遷移を刺激することになるので悪化する。これらの2つの関連する問題はまとめてポンプ遷移のブリーチング(bleaching)と呼ばれる。さらに、発明者は、高い反転レベルはYb3+の急速な光黒化を引き起こし、それにより、場合によっては、デバイスが数分以内に動作不能になることがあることを、さらに他の作業者と一致して観察した。
【0015】
ポンプ・ブリーチングの問題への解決策は、上述で引用した論文でLimpert等が説明しているように、動作利得を減少させ、その動作利得レベルで、ファイバが所望の割合の入力ポンプ・パワーを吸収するのに十分な長さを有するようにファイバ長を増加させることである。この解決策にはいくつかの欠点がある。第1に、一般には、利得が、普通ならありえたものよりも低くなり、したがって、より多くの前置増幅段、したがって、より高いコストが必要となる。第2に、ポンプ吸収は反転に依存するので、低い利得では、ポンプがすべてファイバの短い長さで吸収されるが、一方、より高い反転では、所望のポンプがすべて吸収されるとは限らず、それにより、恐らく、送出されるポンプ光が下流の構成要素を損傷するという問題が引き起こされる。これは、過渡動作のとき、例えば、増幅器ではパルス間のある時に、反転が急激に増大し、利得媒体にポンプ透明性を突然誘起することがある場合に特に危険になることがある。第3に、実施形態の詳細によっては、追加のファイバ長が非線形性の増大を引き起こし、VLMA技法を使用する利点を部分的に無効にすることがある。第4に、ポンプ構成によっては、反転が非常に高いファイバの領域が依然として存在する場合があり、そのために、光黒化がその領域で起こることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第4,815,079号
【特許文献2】米国特許第6,157,763号
【特許文献3】米国特許第7,424,193号
【特許文献4】米国特許第7,787,729号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Limpert等、「High−Power Rod Type Photonic Crystal Fiber Laser」、Optics Express、13巻、4号、2005年2月21日、1055〜1058頁
【非特許文献2】Limpert等、「High Repetition Rate Gigawatt Peak Power Fiber Laser Systems: Challenges, Design, and Experiment」、IEEE J. Selected Topics in Quantum Electronics、15巻、2009年1月/2月、159〜169頁(section III: Gain Limitations in Short Low−NL Fibers and Consequencesを参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
先行技術は、VLMA能動光導波路におけるポンプ・ブリーチングおよびに光黒化の問題に対する低コストで低い非線形性の解決策を欠いている。本発明の目的はそのような解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この問題への本発明の解決策は、1050〜1120nmの範囲で動作するデバイスのYb3+ドーパントをNd3+と取り替えることである。この手法は、Yb3+がNd3+より優れたドーパントという15年間の「一般通念」と矛盾する。ドーパントとしてのYb3+の前述の利点は有効なままであるが、VLMA導波路の領域では、Nd3+の利点はポンプ・ブリーチングおよび光黒化に関してYb3+より勝っている。2m未満の所望の短いファイバ長および少なくとも3dB/mの高いポンプ吸収のために、Nd3+は、Yb3+よりも極めて低い反転レベルの下で動作することが発見された。低い反転レベルの結果、Nd3+はポンプ・ブリーチングまたは光黒化という問題がほとんどない。
【0020】
本発明によれば、
1050nmと1120nmとの間の波長の信号光を供給するための信号源と、
信号源に結合された能動光導波路であり、
信号光を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
ポンプ光を導波するための、コアを囲む第1のクラッドであり、第1のクラッドが、コア内に信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有し、動作中、ポンプ光の吸収に際して反転分布がネオジウム・イオンに生成されるとき、信号光がネオジウム・イオンによって増幅される、第1のクラッドと、
第1のクラッドおよびコアにポンプ光を閉じ込めるために、第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含み、
第1のクラッドの屈折率構造は、信号光の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するようなものである、能動光導波路と
を含む光導波路増幅器アセンブリが提供される。
【0021】
本発明の別の態様によれば、
能動光導波路であり、
信号光を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
ポンプ光を導波するための、コアを囲む第1のクラッドであり、第1のクラッドが、コア内に信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有し、動作中、ポンプ光の吸収に際して反転分布がネオジウム・イオンに生成されるとき、信号光がネオジウム・イオンによって増幅される、第1のクラッドと、
第1のクラッドおよびコアにポンプ光を閉じ込めるために、第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含み、
第1のクラッドの屈折率構造は、信号光の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するようなものである、能動光導波路と、
1050nmと1120nmとの間の波長の増幅された信号光を能動光導波路にフィードバックするための、能動光導波路に結合された波長選択光フィードバック要素と
を含む光発振器がさらに提供される。
【0022】
本発明の別の態様によれば、1050nmと1120nmとの間の波長の光信号を増幅する方法であって、
(a)光導波路を用意するステップであり、光導波路が、
信号光を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
ポンプ光を導波するための、コアを囲む第1のクラッドであり、コア内に信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有する、第1のクラッドと、
第1のクラッドおよびコアにポンプ光を閉じ込めるために、第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含む、ステップと、
(b)795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長のポンプ光で光導波路の第1のクラッドをポンプするステップであり、ポンプ光の吸収に際してネオジウム・イオンに反転分布を生成し、ネオジウム・イオンによって光信号を増幅する、ステップと
を含み、
ステップ(a)は、導波光信号の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するように第1のクラッドの屈折率構造を選択するステップを含む、方法がさらに提供される。
【0023】
本発明のさらなる別の態様によれば、
1050nmと1120nmとの間の波長の信号光を増幅するためのネオジウム・ドープVLMA光導波路の使用であって、VLMA光導波路が、
信号光を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
コアを囲む、ポンプ光を導波するための第1のクラッドであり、第1のクラッドが、コア内に信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有し、動作中、ポンプ光の吸収に際して反転分布がドーピング材料に生成されるとき、信号光がドーピング材料によって増幅される、第1のクラッドと、
第1のクラッドおよびコアにポンプ光を閉じ込めるために、第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含み、
第1のクラッドの屈折率構造は、信号光の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するように選択される、使用が提供される。
【0024】
次に、例示的な実施形態が図面に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】Yb3+イオンおよびNd3+イオンの並んでいるエネルギー準位図である。
【図2】本発明のVLMA導波路の概略図である。
【図3】Yb3+およびNd3+ドープファイバ増幅器の効率プロットの図である。
【図4A】本発明の光増幅器アセンブリおよび光発振器の概略図である。
【図4B】本発明の光増幅器アセンブリおよび光発振器の概略図である。
【図5】テーパ区間を有する本発明のVLMA導波路の概略図である。
【図6】本発明のVLMA導波路を使用して光信号を増幅する方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本教示が様々な実施形態および例に関連して説明されるが、本教示はそのような実施形態に限定されるものではない。それどころか、本教示は、当業者なら理解されるように、様々な代替、変更、および均等物を包含する。
【0027】
図2を参照すると、本発明の超大モード面積(VLMA)光導波路10は、ネオジウム(Nd)イオン19をドープしたコア20を含む。コア20の屈折率nよりも低い屈折率nを有する第1のクラッド21がコア20を囲む。第1のクラッド21の屈折率nよりも低い屈折率nを有する第2のクラッド22が第1のクラッド21を囲む。
【0028】
動作中、ポンプ光12は第1のクラッド21に結合され、第1のクラッド21はポンプ光12を導波する。第2のクラッド22は第1のクラッド21(および、当然、コア20)にポンプ光12を閉じ込める。ポンプ光12はコア20中のNdイオン19によって吸収され、Ndイオン19に反転分布を生成し、それは、誘導放出の現象により信号光14を増幅する。コアと第1のクラッドとの屈折率の差n−nと、コア20の直径とは、コア20によって導波される信号光14の基本空間モード15が、少なくとも25マイクロメートルの基本空間モード15の1/e(強度による)直径Dに対応する少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するようなものである。当業者は、コア20と第1のクラッド21との屈折率の差n−nと、少なくとも500平方マイクロメートルの所要の基本空間モーアの面積をもたらすコア20の対応する直径とを計算することができる。例として、コア20と第1のクラッド21との屈折率の差n−nは0.01と0.06との間とすることができ、コア直径は少なくとも25マイクロメートルとすることができる。
【0029】
信号光14とポンプ光12とが図2では同方向伝搬するように示されているが、逆方向伝搬ポンピングも可能である。
【0030】
コア20および第1のクラッド21は、好ましくは、好適なドーパントをドープした融解石英で製作される。第2のクラッド22は、融解石英またはフルオロアクリレートなどの高分子で製作することができる。低屈折率フルオロアクリレート・クラッドによると、それぞれ、第1のクラッド21と第2のクラッド22との屈折率の差n−nが石英ガラス・クラッドよりも高くなる。屈折率差が大きいと、ポンプ光21を第1のクラッド21に結合するのが容易になるが、しかし、高いポンプパワー・レベルでは、高分子材料は焼損することがあり、したがって、高いポンプパワー・レベルではシリカ・クラッドが好ましいことがある。いわゆるホーリー・ファイバまたはフォトニック結晶ファイバのように、空気クラッド、またはさらに真空クラッド22を考えることができる。言い換えれば、コア20と第1のクラッド21とによって形成される「内側導波路」は、屈折率n=1を有する空気中に配置することができる。空気クラッド22の場合には、第1のクラッド21から多すぎるポンプ光12を漏れさせることなく、「内側導波路」を所定位置に保持するように特別に注意しなければならない。
【0031】
クラッド21、22は、複数の空気孔または他のクラッド・フィーチャによって、フォトニック結晶ファイバ、キラル結合コア・ファイバ、漏れチャネル・ファイバ、または当技術分野で既知の類似の構造中に形成することができる。クラッド21、22が構造化されたクラッドである場合、第1および/または第2のクラッド21および22は、それぞれ、空気孔構造または他のクラッド・フィーチャで規定することができる。第1および/または第2の構造化されたクラッド21および22は、それぞれ、対応する実効屈折率nEFFおよびnEFFで特徴づけることができる。ポンプ光12を第1のクラッド21およびコア20に閉じ込めるには、第2のクラッド22の実効屈折率nEFFが、第1のクラッド21の実効屈折率nEFFよりも低い、すなわち、nEFF<nEFFである必要がある。第1のクラッド21の屈折率構造は、信号光14をコア20内に閉じ込め、その結果、信号光14の基本空間モード15が少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するように選択されなければならない。この目的のために、図2に示された中実の第1のクラッド21、フォトニック結晶ファイバにおけるような空気孔構造、および/または漏れチャネル構造を含む、第1のクラッド21の様々な屈折率構造を使用することができる。基本モード15の事前定義された直径Dを達成するために第1のクラッド21の適切な屈折率構造を選択することは当技術分野でよく知られている。
【0032】
VLMA能動光ファイバ10のNd3+ドーピングの利点をYb3+ドーピングと比較して検証するために、数値シミュレーションが行われた。図3を参照すると、出力光パワーが3つのVLMA光ファイバについて放射ポンプ・パワーの関数としてプロットされており、1)Nd3+ドープで600mm長が実線で示され、2)Yb3+ドープで1200mm長が細かい破線で示され、3)Yb3+ドープで600mm長が粗い破線で示される。3つの場合すべてにおいて、モデル化されたVLMA光ファイバは、0.5重量%でドープされた60マイクロメートル直径のコア、200マイクロメートル直径の第1のクラッド、1064nmの波長の信号光、0.5Wの入力信号パワー、300kHzのパルス繰返し率、およびそれぞれ、Yb3+およびNd3+に対して976nmおよび805nmのポンプ波長を有する石英ガラス・ファイバであった。
【0033】
これらの条件は、Ybドープファイバに対してLimpert等によってモデル化され、IEEE J. Selected Topics in Quantum Electronics、15巻、2009年1月/2月、159〜169頁(特に、図6、7、およびそれに付随する本文)で公表された「High Repetition Rate Gigawatt Peak Power Fiber Laser Systems: Challenges, Design, and Experiment」という名称の論文で報告されたものと同様である。Yb3+ドープVLMA光ファイバに対してLimpert等によって計算された出力光パワー依存性は図3に示したものと同様である。600mmファイバ長のYb3+ドープVLMA光ファイバでは、ポンプ遷移が高度にブリーチされるので有用な出力パワーはほとんど生成されない。1200mmまで長さを2倍にする場合には大幅な改善があるが、1W未満の入力信号レベルでは、変換は依然として最適を下回り、変換がポンプ・パワーの増加とともに悪化していることは明らかであり、これはポンプ・ブリーチングの明確な徴候である。
【0034】
対照的に、600mm長のNd3+では、ポンプ・ブリーチングの兆しはない。レーザが24dBもの高い利得まで強められるとき、出力パワーはポンプ・パワーに関して線形のままである。Yb3+よりも低いNd3+の固有の量子収率にもかかわらず、600mm長のNd3+ドープファイバの高い利得での正味の効率は、2倍の長さのYb3+ファイバよりも著しく良好であることが分かる。モデリングによれば、長さが2mまでのVLMA導波路10で同様の利点が実証された。
【0035】
Yb3+ドーピングと比較してNd3+ドーピングの光黒化性能がより良好なのは、以下のように理解することができる。石英ガラス中の希土類元素ドーピング材料の光黒化レートは反転密度の高い指数に依存することが観察されている。例として、Koponen等は、Proc. SPIE、7195巻、7195D−1から7195D−7頁、2009年、「Combined Photodarkening and Thermal Bleaching Measurement of an Ytterbium−Doped Fiber」という名称の論文において、指数が4と7との間にあることを様々な著者が測定していることを教示している。上述のように、Nd3+の反転密度はYb3+よりも非常に低いことが分かる。図3に示されているシミュレートされた例では、600mmのNd3+ファイバの反転は13.4%であることが見いだされたが、一方、1200mmのYb3+ファイバの反転は44.0%であることが見いだされた。光黒化レートが反転密度の4と7との間の冪に比例すると仮定すれば、その結果として、Nd3+の光黒化レートはYb3+の光黒化レートの0.02%と0.9%との間にあると予想することができ、それは明らかに強力な利点である。発明者の実験によれば、少なくとも0.7重量%のNd3+イオンの濃度、600mmまでの長さ、および25dBまでの光利得値においてNd3+に検出可能な光黒化がないことが示された。一般に、Nd3+ドーピングは高い利得の条件で特に有利である。
【0036】
特定のレベルのNd3+ドーピングおよびVLMA導波路10の長さに関して、実験的に、およびシミュレーションで、少なくとも0.1重量%の濃度でドープされたコア20を有するVLMA導波路10を光増幅器および発振器(レーザ)で使用することができることが見いだされた。より好ましくは、一般的な導波路の設計および実際的な長さで妥当なレベルのポンプ吸収効率を保証するには、少なくとも0.3重量%の濃度が使用されるべきである。好ましくは、VLMA導波路10の長さは2mを超えるべきでない。VLMA導波路10の長さを減少させることは、長さに一般的に比例する非線形性を抑制するのに決定的に重要である。さらに、設計によっては、VLMA導波路10は剛性で真っ直ぐであるので、製品にとって商業的に許容できる形状係数を達成するために長さを最小にすることが重要であり、商用レーザは、典型的には、1mから2mよりも長くない。Nd3+ドープVLMA導波路10の短い長さは、ポンプ・ブリーチング/光黒化をほとんどまたはまったく伴うことなしに達成可能な高い光利得によって可能になる。
【0037】
VLMA導波路10の所望のドーピング・レベルの良好な指標はVLMA導波路10の単位長さ当りのポンプ吸収である。発明者自身の実験および計算の示すところによれば、795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長のポンプ光12の3dB/m減衰に対するNd3+ドーピング濃度は増幅器および発振器の用途で十分に動作することになる。Nd3+ドーピング濃度は、ポンプ光12の10dB/m減衰を達成するためにさらに増加させることができ、その場合、VLMA導波路10の長さは、好ましくは、0.6mに、またはさらにそれ未満に減少されるべきである。795nmから815nmおよび883nmから887nmの上述のポンプ波長範囲は、それぞれ、図1に示した共鳴遷移9/25/2および9/23/2に対応する。後者の共鳴はより弱いが、それはより高い量子収率を有し、したがって、潜在的により高い効率を有する。さらに、800〜810nmよりも880〜890nmで高いパワーおよび輝度のポンプ・レーザ・ダイオードが市販されている。
【0038】
Nd3+ドーパントに加えて、コア20は、ポンプ光損失を減少させる、量子効率を改善する、かつ/またはコア20の屈折率nを釣り合わせるためにAl、Ge、P、F、およびBなどの共ドーパント・イオンを含むことができる。
【0039】
Nd3+ドープVLMA導波路10の上述の変形は、それぞれ、図4Aおよび4Bに示した本発明の増幅器および発振器で使用することができる。図2にさらに関連して図4Aを特に参照すると、光導波路増幅器40Aは、信号源41と、信号源41に結合されたVLMA10と、VLMA導波路10の他端でVLMA導波路10に結合されたポンプ・モジュール42とを含む。信号源41は1050nmと1120nmとの間の波長の光をフィルタ処理するオプションのスペクトル・フィルタ43を含み、スペクトル・フィルタ43は光アイソレータ44に結合される。ポンプ・モジュール42は、レーザ・ダイオード45、二色性ビームスプリッタ47、および合焦レンズ46を含む。信号源41は、シード・レーザ、光前置増幅器などを含むことができる。
【0040】
動作中、レーザ・ダイオード45はポンプ光12を放出し、ポンプ光12は二色性ビームスプリッタ47によって反射され、レンズ46によって合焦され、VLMA導波路10の第1のクラッド21に結合される。ポンプ光12はNdイオン19によって吸収され、Ndイオン19に反転分布を生成する。光源41からの信号光14はフィルタ43によってフィルタ処理され、光アイソレータ44を通過し、VLMA導波路10のコア20に結合される。信号光14はコア20中で増幅され、レンズ46によってコリメートされ、二色性ビームスプリッタ47を通過し、コリメート・ビーム48として増幅器40Aを出ていく。
【0041】
次に、図2にさらに関連して図4Bを参照すると、光発振器40Bは、VLMA導波路10と、VLMA10に結合された反射鏡49と、他端でVLMA導波路10に結合されたポンプ・モジュール42とを含む。動作中、ポンプ・モジュール42はVLMA導波路10の第1のクラッド21をポンプし、その結果、VLMA導波路10のコア中の自然放出を増幅することになる。反射鏡49は増幅された信号光をVLMA導波路10にフィードバックする。ビームスプリッタ47の垂直面は、1050nmから1120nmの波長の信号光にとって部分的な二色性反射鏡として働く。当然、当技術分野で知られているように、任意の他の波長選択光フィードバック要素を、反射鏡49/ビームスプリッタ47の代わりに使用することができる。
【0042】
図4Aおよび4Bにさらに関連して図5を参照すると、テーパ状に細くなった区間50をVLMA導波路10に接合して、出力ビーム48の品質を改善することができる。テーパ状に細くなった区間50の機能は、コア20中を伝搬する信号光14の非基本空間モードに対して光損失を生成することである。これにより、非基本空間モードと比較して基本空間モード15が優位になり、VLMA10を使用するレーザまたは増幅器の略単一モードの性能が保証される。1に近いMパラメータで示される略単一モードの性能は、ほぼ回折限界の出力光ビーム、すなわち、多くのファイバ・レーザおよび増幅器で要求される品質をもたらす。テーパ状に細くなった区間50は、VLMA導波路10の制御可能な加熱と引伸し(テーパリング)とによっても得ることができる。VLMA導波路10のテーパ状に細くなった区間50は、光増幅器40Aおよび光発振器40Bの両方で使用することができる。
【0043】
次に図6を参照すると、光信号14を増幅する方法60が提示される。ステップ51において、VLMA導波路10が用意される。ステップ52において、VLMA導波路10の第1のクラッド21がポンプ光12でポンプされ、ポンプ光12の吸収に際してNdイオン19に反転分布が生成され、光信号14がNdイオン19によって増幅される。第1のクラッド21は、好ましくは、883nmと887nmと間の波長および/または795nmと815nmとの間の波長でポンプされ、少なくとも3dB/m、またはさらに少なくとも10dB/mのポンプ吸収を達成する。
【0044】
方法60はオプションのステップ53を含み、導波光信号14の非基本空間モード、すなわち高次空間モードが抑制される。例として、図5のテーパ50を使用して、非基本モードを抑制することができる。高次空間モードを抑制するための他の手段は、VLMA導波路10を曲げること、モード・フィルタ処理を行うこと、および基本モード15を利得導波することを含むことができる。
【0045】
前述の説明は、1050nmと1120nmとの間の波長の信号光14を増幅するためのネオジウム・ドープVLMA導波路10の使用を概説している。VLMA導波路10のコア20は少なくとも0.1重量%の濃度でドープされる。用途によって特定のドーピング濃度を決定することができ、例えば、少なくとも0.3重量%の濃度が好ましいことがある。ドーピング濃度の選択のために従うべき指針は、883nmと887nmとの間の波長および/または795nmと815nmとの間の波長で、ポンプ光12の少なくとも3dB/m、またはさらに少なくとも10dB/mの吸収を目標とすることである。
【0046】
本発明の1つまたは複数の実施形態の前述の説明は例証および説明のために提示された。それは、本発明を言い尽くすものではなく、または本発明を開示された正確な形態に限定するものでない。上述の教示の観点から多くの変更および改変が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に添付の特許請求の範囲によって限定されるものである。
【符号の説明】
【0047】
10 超大モード面積(VLMA)光導波路
12 ポンプ光
14 信号光、光信号
15 基本空間モード
19 ネオジウム(Nd)イオン
20 コア
21 第1のクラッド
22 第2のクラッド
40A 光導波路増幅器
40B 光発振器
41 信号源、光源
42 ポンプ・モジュール
43 スペクトル・フィルタ
44 光アイソレータ
45 レーザ・ダイオード
46 合焦レンズ
47 二色性ビームスプリッタ
48 コリメート・ビーム、出力ビーム
49 反射鏡
50 テーパ状に細くなった区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1050nmと1120nmとの間の波長の信号光を供給するための信号源と、
前記信号源に結合された能動光導波路であり、前記能動光導波路が、
前記信号光を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
ポンプ光を導波するための、前記コアを囲む第1のクラッドであり、前記第1のクラッドが、前記コア内に前記信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有し、動作中、前記ポンプ光の吸収に際して反転分布が前記ネオジウム・イオンに生成されるとき、前記信号光が前記ネオジウム・イオンによって増幅される、第1のクラッドと、
前記第1のクラッドおよび前記コアに前記ポンプ光を閉じ込めるために、前記第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、前記第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含み、
前記第1のクラッドの前記屈折率構造は、前記信号光の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するようなものである、能動光導波路と
を含む、光導波路増幅器アセンブリ。
【請求項2】
前記能動光導波路の長さが2m以下である、請求項1に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項3】
前記コア中の前記ネオジウム・イオンが、795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長の前記ポンプ光に少なくとも3dB/mの正味の光吸収を与えるための濃度を有する、請求項2に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項4】
前記コア中の前記ネオジウム・イオンが、795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長の前記ポンプ光に少なくとも10dB/mの正味の光吸収を与えるための濃度を有する、請求項1に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項5】
前記コアが少なくとも0.3重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされる、請求項1に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のクラッドが中実クラッドである、請求項1に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項7】
前記コアの屈折率と前記中実の第1のクラッドの屈折率との間の差が0.01と0.06との間にあり、前記コア直径が少なくとも25マイクロメートルである、請求項6に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項8】
前記第2のクラッドが、空気、融解石英、および高分子からなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項9】
前記コアが、Al、Ge、P、F、およびBからなる群から選択された共ドーパント・イオンを含む、請求項1に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項10】
前記能動光導波路が、前記コア中を伝搬する前記信号光の非基本空間モードに光損失を生成するためのテーパ状に細くなった区間を含む、請求項1に記載の増幅器アセンブリ。
【請求項11】
能動光導波路であり、
信号光を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
ポンプ光を導波するための、前記コアを囲む第1のクラッドであり、前記第1のクラッドが、前記コア内に前記信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有し、動作中、前記ポンプ光の吸収に際して反転分布が前記ネオジウム・イオンに生成されるとき、前記信号光が前記ネオジウム・イオンによって増幅される、第1のクラッドと、
前記第1のクラッドおよび前記コアに前記ポンプ光を閉じ込めるために、前記第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、前記第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含み、
前記第1のクラッドの前記屈折率構造は、前記信号光の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するようなものである、能動光導波路と、
1050nmと1120nmとの間の波長の増幅された信号光を前記能動光導波路にフィードバックするための、前記能動光導波路に結合された波長選択光フィードバック要素と
を含む光発振器。
【請求項12】
前記能動光導波路の長さが2m以下である、請求項11に記載の光発振器。
【請求項13】
前記コア中の前記ネオジウム・イオンが、795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長の前記ポンプ光に少なくとも3dB/mの正味の光吸収を与えるための濃度を有する、請求項12に記載の光発振器。
【請求項14】
前記コア中の前記ネオジウム・イオンが、795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長の前記ポンプ光に少なくとも10dB/mの正味の光吸収を与えるための濃度を有する、請求項11に記載の光発振器。
【請求項15】
前記第1のクラッドが中実クラッドであり、前記コアの屈折率と前記第1のクラッドの屈折率との間の差が0.01と0.06との間にあり、前記コア直径が少なくとも25マイクロメートルである、請求項11に記載の光発振器。
【請求項16】
前記能動光導波路が、前記コア中を伝搬する前記信号光の非基本空間モードに光損失を生成するためのテーパ状に細くなった区間を含む、請求項11に記載の光発振器。
【請求項17】
1050nmと1120nmとの間の波長の光信号を増幅する方法であって、
(a)光導波路を用意するステップであり、前記光導波路が、
前記光信号を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
ポンプ光を導波するための、前記コアを囲む第1のクラッドであり、前記コア内に前記信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有する、第1のクラッドと、
前記第1のクラッドおよび前記コアに前記ポンプ光を閉じ込めるために、前記第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、前記第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含む、ステップと、
(b)795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長の前記ポンプ光で前記光導波路の前記第1のクラッドをポンプするステップであり、前記ポンプ光の吸収に際して前記ネオジウム・イオンに反転分布を生成し、前記ネオジウム・イオンによって前記光信号を増幅する、ステップと
を含み、
ステップ(a)は、前記導波光信号の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するように前記第1のクラッドの前記屈折率構造を選択するステップを含む、方法。
【請求項18】
ステップ(a)が、少なくとも3dB/mの前記ポンプ光の正味の光吸収を行うように前記コア中の前記ネオジウム・イオンの濃度を選択するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(a)が、少なくとも10dB/mの前記ポンプ光の正味の光吸収を行うように前記コア中の前記ネオジウム・イオンの濃度を選択するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
(c)前記導波光信号の非基本空間モードを抑制するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
1050nmと1120nmとの間の波長の信号光を増幅するためのネオジウム・ドープVLMA光導波路の使用であって、前記VLMA光導波路が、
前記信号光を導波するためのコアであり、少なくとも0.1重量%の濃度のネオジウム・イオンでドープされている、コアと、
前記コアを囲む、ポンプ光を導波するための第1のクラッドであり、前記第1のクラッドが、前記コア内に前記信号光を閉じ込めるために屈折率構造を有し、動作中、前記ポンプ光の吸収に際して反転分布がドーピング材料に生成されるとき、前記信号光が前記ドーピング材料によって増幅される、第1のクラッドと、
前記第1のクラッドおよび前記コアに前記ポンプ光を閉じ込めるために、前記第1のクラッドの実効屈折率よりも低い実効屈折率を有する、前記第1のクラッドを囲む第2のクラッドと
を含み、
前記第1のクラッドの前記屈折率構造は、前記信号光の基本空間モードが少なくとも500平方マイクロメートルの面積を有するようなものである、使用。
【請求項22】
前記コアが、795nmから815nmまたは883nmから887nmの波長の前記ポンプ光に少なくとも3dB/mの正味の光吸収を与えるための濃度でドープされる、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記光導波路が、前記コア中を伝搬する前記信号光の非基本空間モードに光損失を生成するためのテーパ状に細くなった区間を含む、請求項21に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−4978(P2013−4978A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134305(P2012−134305)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】430 N. McCarthy Boulevard, Milpitas, California, 95035, USA
【Fターム(参考)】