説明

大環状ラクタム

本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の式
【化1】


(式中、全ての可変部は本明細書に定義のとおりである)
の新規な大環状化合物、それらの製造、医薬としてのそれらの使用およびそれらを含む医薬に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な大環状化合物、それらの製造、医薬としてのそれらの使用およびそれらを含む医薬に関する。
【発明の概要】
【0002】
より具体的には、本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の式
【化1】

〔式中、
は−(CHN(R)Rであり、ここで
kは0、1または2であり;
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基であり;そして
【0003】
は(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで
(a)Rを担持する窒素原子に結合した炭素環員とは異なる(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、所望により、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、
(b)(C3−8)シクロアルキル基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択される1−4個の置換基で置換されており、そして
【0004】
(c)(C3−8)シクロアルキル基は所望により、2個の隣接する炭素環員で2個の置換基(これはそれらが結合する2個の隣接する炭素環員と一体となって(C3−8)シクロアルキル基を形成する)によって置換されており、
(i)前記2個の置換基が所望により結合している2個の隣接する炭素環員とは異なる、上記で形成された(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、そして
(ii)形成された(C3−8)シクロアルキル基は所望により、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1−4個の置換基で置換されており;
【0005】
は水素または(C1−8)アルキルであり;
は水素、(C1−8)アルキル、または所望により置換された(C1−8)アルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキルOC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、ヘテロアリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、(C1−4)アルキルC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルC(=O)NH、アリールC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルC(=O)NH、ヘテロアリールC(=O)NHもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルC(=O)NH基であり;
Uは結合、CF、CFCF、CHF、CHFCHF、シクロプロプ−1,2−イレン、(C1−3)アルキレンオキシ、(C1−3)アルキレンアミノ、(C1−8)アルキレン、NR、または芳香族性もしくはヘテロ芳香環(当該環は所望によりハロゲン、(C1−8)アルコキシ、ヒドロキシまたは(C1−8)アルキルで置換されている)であり、ここでZとVは互いにオルト位またはメタ位に存在し、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
VはCH=CH、シクロプロプ−1,2−イレン、CHCH(OH)、CH(OH)CHまたはCRCRであり、ここで
各Rは独立して水素、フッ素または(C1−8)アルキルであり;
【0006】
は水素であり、そして
はヒドロキシであるか
または
とVは一体となってオキソであり;
Wは(C1−8)アルキレン、O、S、S(=O)、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(=O)NRまたはNRであり、ここで
は水素または(C1−8)アルキルであり;
Xは所望により置換された(C1−8)アルキレンまたは所望により置換された(C3−8)シクロアルキレン、ピペリジンジイルもしくはピロリジンジイル基であり、これに基YおよびC(=O)NRがメタ位で互いに結合しており;
Yは結合、O、S(=O)、S(=O)NR、N(R)S(=O)、NR、C(R)OH、C(=O)NR、N(R)C(=O)、C(=O)N(R)OまたはON(R)C(=O)であり、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
ZはO、CH、CF、CHF、CH=CH、シクロプロプ−1,2−イレンまたは結合であり;そして
nは0から5であり、
大環状環に含まれる環原子の数は14、15、16または17個である〕
の化合物に関する。
【0007】
例えば、式Iの化合物に存在し得る1個または1個以上の不斉炭素原子のために、対応する式Iの化合物が純粋に光学的に活性な形態で、または光学異性体の混合物の形態で、例えばラセミ混合物の形態で存在する。全てのかかる純粋な光学異性体およびラセミ混合物を含む全てのそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0008】
式Iの化合物は遊離塩基形または酸付加塩形で存在し得る。全てのかかる遊離化合物および塩は本発明の一部である。
【0009】
式Iの化合物は互変異性型で存在していてもよい。全てのかかる互変異性体は本発明の一部である。
【0010】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0011】
アルキル、シクロアルキルまたは非芳香族性ヘテロシクリル基もしくは部分の所望による置換基は、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルスルファニル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、シアノ、オキソ、(C3−7)シクロアルキル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたアリール(C1−4)アルキル、所望により置換されたヘテロアリールおよび所望により置換されたヘテロアリール(C1−4)アルキルから独立して選択される1〜4個の基であり得る。
【0012】
クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピン−5−イル、1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]オキセピン−5−イル、アリールまたはヘテロアリール基もしくは部分の所望による置換基は、ヒドロキシ、(C1−8)アルキル、(C1−6)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、S(=O)(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキル、(C3−7)シクロアルキル(C1−4)アルキル、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールおよび所望により置換されたカルバモイルから独立して選択される1〜4個、とりわけ1〜3個の基であり得る。
【0013】
所望により置換されたアリールまたはヘテロアリール基もしくは部分はまた、所望による置換基として、ベンジルオキシ、フェノキシ、S(=O)NH、N(H)S(=O)(C1−3)アルキル、カルボキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルバモイル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、ヒドロキシ(C1−4)アルキルおよび所望により置換されたアミノから選択される1〜3個の基を担持していてもよい。
【0014】
アルキレン、シクロアルキレン、ピペリジンジイルまたはピロリジンジイル基もしくは部分の所望による置換基は、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルスルファニル、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルスルホニル、シアノ、オキソ、カルボキシ、カルバモイルおよび(C3−8)シクロアルキルから独立して選択される1〜3個の基であり得る。
【0015】
アミノ基または部分の所望による置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシカルボニル、アリール(C1−4)アルコキシカルボニルおよびヘテロアリール(C1−4)アルコキシカルボニルから独立して選択される1個または2個の基であってもよい。
【0016】
カルバモイル基または部分の所望による置換基は、(C1−4)アルキルおよび(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキルから選択される1個または2個の基であってもよい。
【0017】
アリールまたは芳香環はナフチルまたは好ましくはフェニルである。これはまた、シクロアルキルまたはヘテロ芳香環と縮合し得る(例えばキノリルまたはインドリル基を形成する)。
【0018】
ヘテロアリールまたはヘテロ芳香環は、1個、2個または3個の環原子がO、NおよびSから独立して選択されるヘテロ原子である芳香族性5または6員環、例えばチアゾリル、オキサゾリル、または好ましくは、ピリジルまたはピリミジルである。これはまた、シクロアルキルまたは芳香環もしくはヘテロ芳香環と縮合し得る(例えばキノリルまたはインドリル基を形成する)。
【0019】
非芳香族性ヘテロシクリル基または部分は、環構造中の1個、2個または3個の環員が窒素環員、酸素環員および硫黄環員から成る群から独立して選択されるヘテロ環員である非芳香族性5または6員環構造、例えばピロリニル、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニルまたはモルホリニルである。
【0020】
1個以上の炭素原子を有する基または部分を含む非環状炭素は、直鎖または分枝鎖状である。
【0021】
そうでないことが定義されていない限り、基、部分もしくは分子を含む炭素は、1〜8個、好ましくは1〜6個、好ましくは1〜4個、好ましくは1個または2個の炭素原子を含む。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好ましい態様において、本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の下記式Iの化合物に関する:
(1)Rが−(CHN(R)Rであり、ここで
kが0、1または2であり;
が水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基であり;そして
は(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで
(a)Rを担持する窒素原子に結合した炭素環員とは異なる(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、所望により、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、
(b)(C3−8)シクロアルキル基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択される1−4個の置換基で置換されており、そして
【0023】
(c)(C3−8)シクロアルキル基は所望により、2個の隣接する炭素環員で2個の置換基(これはそれらが結合する2個の隣接する炭素環員と一体となって(C3−8)シクロアルキル基を形成する)によって置換されており、
(i)前記2個の置換基が所望により結合している前記2個の隣接する炭素環員とは異なる、形成された(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、そして
(ii)形成された(C3−8)シクロアルキル基は所望により、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1−4個の置換基で置換されており;
【0024】
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基はハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシおよび所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1〜4個の置換基で置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
【0025】
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基は所望により置換されたアリールまたはヘテロアリール基でモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基は所望により置換されたフェニル、ピリジルまたはピリミジル基によってモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで(C3−8)シクロアルキル基はフェニル、ピリジルまたはピリミジル基によってモノ置換されており、当該フェニル、ピリジルまたはピリミジル基はハロゲン、(C1−8)アルキルまたは(C1−6)アルコキシでモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
【0026】
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
が(C3−6)シクロアルキル基であり、ここで(C3−6)シクロアルキル基は、好ましくは1位で、フェニル、ピリジルまたはピリミジル基によってモノ置換されており、当該フェニル、ピリジルまたはピリミジル基はハロゲン、(C1−6)アルキルまたは(C1−6)アルコキシでモノ置換されている、
−(CHN(R)Rであり;
好ましくは
kが0であり;
が水素であり;そして
がシクロプロピル基であり、ここでシクロプロピル基は、好ましくは1位で、フェニル、ピリジルまたはピリミジル基によってモノ置換されており、当該フェニル、ピリジルまたはピリミジル基はハロゲン、(C1−6)アルキルまたは(C1−6)アルコキシでモノ置換されている、
−(CHN(R)Rである;
【0027】
(2)Rが水素または(C1−8)アルキルであり;
好ましくは水素である;
(3)Rが水素、(C1−8)アルキル、または所望により置換された(C1−8)アルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキルOC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、ヘテロアリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、(C1−4)アルキルC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルC(=O)NH、アリールC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルC(=O)NH、ヘテロアリールC(=O)NHもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルC(=O)NH基であり;
好ましくは水素である;
【0028】
(4)Uが結合、CF、CFCF、CHF、CHFCHF、シクロプロプ−1,2−イレン、(C1−3)アルキレンオキシ、(C1−3)アルキレンアミノ、(C1−8)アルキレン、NR、または芳香族性もしくはヘテロ芳香環(当該環は所望によりハロゲン、(C1−8)アルコキシ、ヒドロキシまたは(C1−8)アルキルで置換されている)であり、ここでZとVは互いにオルト位またはメタ位に存在し、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
好ましくは結合または(C1−3)アルキレンオキシである;
(5)VがCH=CH、シクロプロプ−1,2−イレン、CHCH(OH)、CH(OH)CHまたはCRCRであり、ここで
各Rは独立して水素、フッ素または(C1−8)アルキルであり;
好ましくはCHCHである;
(6)Vが水素であり、そして
がヒドロキシであるか、
または
とVが一体となってオキソであり;
好ましくはVが水素であり、そしてVがヒドロキシである;
【0029】
(7)Wが(C1−8)アルキレン、O、S、S(=O)、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(=O)NRまたはNRであり、ここで
が水素または(C1−8)アルキルであり;
好ましくは(C1−8)アルキレンであり;
好ましくは(C1−4)アルキレンであり;
好ましくはCH(CH)である;
(8)Xが所望により置換された(C1−8)アルキレンまたは所望により置換された(C3−8)シクロアルキレン、ピペリジンジイルもしくはピロリジンジイル基であり、これに基YおよびC(=O)NRがメタ位で互いに結合しており;
好ましくは(C1−8)アルキレンであり;
好ましくは(C1−5)アルキレンであり;
好ましくはCH(CH)またはCHCH(CH)である;
【0030】
(9)Yが結合、O、S(=O)、S(=O)NR、N(R)S(=O)、NR、C(R)OH、C(=O)NR、N(R)C(=O)、C(=O)N(R)OまたはON(R)C(=O)であり、ここで
が水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
好ましくはS(=O)、C(=O)NRまたはN(R)C(=O)であり、ここで
が水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
好ましくはS(=O)、C(=O)NRまたはN(R)C(=O)であり、ここで
が(C1−4)アルキルである;
(10)ZがO、CH、CF、CHF、CH=CH、シクロプロプ−1,2−イレンまたは結合であり;
好ましくはOまたはCHであり;
(11)nが0〜5であり;
好ましくは1〜4であり;
好ましくは1または4である;
(12)大環状環に含まれる環原子の数は14、15、16または17個であり;
好ましくは16個である。
【0031】
好ましい態様(1)〜(12)は独立して、集合的に、または任意の組合せもしくはサブコンビネーションにおいて好ましい。
【0032】
とりわけ好ましい態様において、本発明は、遊離塩基形または酸付加塩形の後記実施例に記載の式Iの化合物の1個または1個以上に関する。
【0033】
さらなる局面において、本発明は遊離塩基形または酸付加塩形の式Iの化合物の製造方法であって、
a)RがN(R)Rであり、Vが水素であり、そしてVがヒドロキシである式Iの化合物の製造のために、式
【化2】

〔式中、R、R、U、V、W、X、Y、Zおよびnは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物を式
HN(R)R (III)
〔式中、RおよびRは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物と反応させる工程、または
b)各場合においてオープン鎖の2個の末端の各々で炭素−炭素二重結合を担持している適切なオープン鎖前駆体化合物を、触媒、例えばルテニウム、タングステンもしくはモリブデン錯体の存在下でのメタセシスによって環化する工程、
次に各場合において所望により、得られた化合物の還元、酸化もしくは他の官能化、および/または所望により存在する任意の保護基の切断工程
そして上記工程によって得られた遊離塩基形または酸付加塩形の式Iの化合物を回収する工程を含む、方法に関する。
【0034】
反応を常套の方法によって、例えば実施例に記載のとおりに行うことができる。
【0035】
反応混合物の後処理および上記とおりに得た化合物の精製を、既知の方法に従って行うことができる。
【0036】
酸付加塩を遊離塩基からそしてその逆を、既知の方法で製造することができる。
【0037】
式Iの化合物はまた、さらなる常套の方法によって製造することができ、該方法は例えば実施例に記載の本発明のさらなる局面である。
【0038】
式IIおよび式IIIの出発物質、ならびに変法b)において用いるオープン鎖前駆体化合物は既知であるか、または常套の方法に従って、既知の化合物から出発して、例えば実施例に記載のとおりに製造することもできる。
【0039】
遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の式Iの化合物(以後「本発明の薬剤」と称することもある)は、インビトロまたはインビボで試験したとき、有用な薬理学的特徴を示し、したがって医薬として有用である。
【0040】
例えば、本発明の薬剤はアスパラギン酸プロテアーゼの阻害剤であり、そしてかかる酵素による処理が関与する状態、疾患または障害の処置に用いることができる。とりわけ、本発明の薬剤はベータセクレターゼを阻害し、したがってベータアミロイドの精製および続くオリゴマーおよびフィブリルへの凝集を阻害する。
【0041】
本発明の薬剤のプロテアーゼ阻害特性は、例えば下記試験において評価することができる。
【0042】
試験1:ヒトBACEの阻害
組換えBACE(細胞外ドメイン、バキュロウイルスにおいて発現、標準的な方法を用いて精製した)を濃度0.1〜10nMで、様々な濃度の試験化合物と、1時間室温で、0.1% CHAPSを含む10〜100mM酢酸バッファーpH4.5中でインキュベートする。APPの配列由来であり、好適な蛍光消光対を含む合成蛍光消光ペプチド基質を最終濃度1〜5μMで加え、そして蛍光の増加を好適な励起/放出波長でマイクロプレートスペクトル蛍光光度計で5〜30分間、1分インターバルで記録する。IC50値をBACE活性の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0043】
試験2:ヒトBACE−2の阻害
組換えBACE−2(細胞外ドメイン、バキュロウイルスにおいて発現、標準的な方法を用いて精製した)を濃度0.1〜10nMで、様々な濃度の試験化合物と、1時間室温で、0.1% CHAPSを含む10〜100mM酢酸バッファーpH4.5中でインキュベートする。APPの配列由来であり、好適な蛍光消光対を含む合成ペプチド基質を最終濃度1〜5μMで加え、そして蛍光の増加を好適な励起/放出波長でマイクロプレートスペクトル蛍光光度計で5〜30分間、1分インターバルで記録する。IC50値をBACE−2活性の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0044】
試験3:ヒトカテプシンDの阻害
組換えカテプシンD(バキュロウイルスにおいてプロカテプシンDとして発現、標準的な方法を用いて精製、ギ酸ナトリウムバッファーpH3.7中でインキュベーションして活性化する)を様々な濃度の試験化合物と、1時間室温で、ギ酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウムバッファー中、pH3.0〜5.0の範囲内の好適なpHでインキュベートする。合成ペプチド基質Mca−Gly−Lys−Pro−Ile−Leu−Phe−Phe−Arg−Leu−Lys(DNP)−D−Arg−NHを最終濃度1〜5μMで加え、そして蛍光の増加を励起波長325nm、放出波長400nmでマイクロプレートスペクトル蛍光光度計で5〜30分間、1分インターバルで記録する。IC50値をカテプシンD活性の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0045】
試験4:アミロイドペプチド1−40の細胞放出の阻害
チャイニーズハムスター卵巣細胞をアミロイド前駆体タンパク質の遺伝子でトランスフェクトする。細胞を8000細胞/ウェルの密度で96ウェルマイクロタイタープレートに播種し、10% FCSを含むDMEM細胞培養培地で24時間培養する。試験化合物を細胞に様々な濃度で加え、そして細胞を試験化合物の存在下、24時間培養する。上清を回収し、アミロイドペプチド1−40の濃度をサンドイッチELISAを用いて測定する。化合物の能力を、アミロイドペプチド放出の阻害率から、試験化合物濃度の関数として計算する。
【0046】
少なくとも1つの上記試験において、本発明の化合物は50μM未満の濃度で活性を示す。
【0047】
具体的には、実施例1に記載の本発明の薬剤は、試験1において0.03μMのIC50値を示す。
【0048】
プロテアーゼに対するそれらの阻害特性のため、本発明の薬剤は例えば、ベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害、例えば神経変性状態、疾患または障害、例えばアルツハイマー病、ダウン症候群、記憶障害、認識機能障害、認知症、アミロイドニューロパシー、脳炎、神経の外傷、脳の外傷、血管アミロイド症またはアミロイド症による脳の出血の処置または予防に有用であり、あるいはペプシンタイプのアスパルチルプロテアーゼおよびベータセクレターゼの近縁なホモログであるBACE−2(ベータ部位APP切断酵素2)またはカテプシンDが関与する状態、疾患または障害、およびBACE−2またはカテプシンD発現と腫瘍細胞の腫瘍形成能または転移能の相関関係の予防または処置、腫瘍細胞に関与する転移プロセスの抑制に有用である。
【0049】
上記適応症について、適当な用量は例えば、活性医薬成分として使用する化合物、宿主、投与形態、状態、疾患もしくは障害の性質および重症度、または所望の効果に依存して変化する。しかし、一般的に、動物において満足のいく結果が、約0.1〜100mg/kg体重、好ましくは約1mg/kg体重〜約50mg/kg体重の1日用量で得られる。大型哺乳類、例えばヒトにおいて、適用される1日用量は本発明の薬剤約0.5mg〜約2000mg、好ましくは約2mg〜約200mgであり、簡便には例えば、1日4回までの分割用量で、または徐放形態で投与する。
【0050】
本発明の薬剤をあらゆる常套の経路、とりわけ経腸、好ましくは経口的に、例えば錠剤またはカプセル剤の形態で、または非経腸的に、例えば注射溶液または懸濁液の形態で投与することができる。
【0051】
上記のとおり、さらなる局面において本発明は、例えばベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスを抑制するための医薬として使用する本発明の薬剤に関する。
【0052】
さらなる局面において本発明は、例えばベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスを抑制するための医薬における活性医薬成分としての本発明の薬剤の使用に関する。
【0053】
さらなる局面において、本発明は、活性医薬成分として本発明の薬剤を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。かかる組成物を常套の方法で、例えば成分を混合することによって製造することができる。単位投与形態は例えば、約0.1mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約500mgの本発明の薬剤を含む。
【0054】
本発明の薬剤を、単独の医薬成分として、またはベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防において、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスの抑制において有効な少なくとも1種の他の活性医薬成分との組合せとして投与することができる。かかる医薬組合せは、単位投与形態が所定の量の各少なくとも2種の活性成分を少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む単位投与形態の形態であり得る。あるいは、医薬組合せは少なくとも2種の活性成分を個別に含む、例えば別個にアレンジされた活性成分である少なくとも2種の活性成分の同時または個別投与のために適用されるパックまたはディスペンサーデバイスを含むパッケージの形態であり得る。さらなる局面において、本発明はかかる医薬組合せ剤に関する。
【0055】
さらなる局面において、本発明は、ベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防用、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスの抑制用医薬の製造のための、本発明の薬剤の使用に関する。
【0056】
さらなる局面において、本発明は、処置、予防または抑制を必要とする対象におけるベータアミロイド生成または凝集が関与する神経または血管状態、疾患もしくは障害の処置または予防、あるいは腫瘍細胞に関与する転移プロセスを抑制するため方法であって、当該対象に有効量の本発明の薬剤を投与することを含む方法に関する。
【0057】
下記実施例は本発明を説明するが、これを限定しない。
【実施例1】
【0058】
実施例
略語
aq. 水性
BF*EtO ボロントリフルオライド−ジエチルエーテレート
Boc tert−ブトキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC.HCl 1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−カルボジイミドヒドロクロライド
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeOH メタノール
min 分
NH 13.4N aq.アンモニア
NMR 核磁気共鳴スペクトロメトリー
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Rf 保持係数(薄層クロマトグラフィー)
rt 室温
THF テトラヒドロフラン
【0059】
実施例1:(3S,14R,16S)−16−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(3−イソプロピル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
a)(S)−N−[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドヒドロクロライド
{(S)−1−[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニルカルバモイル]−エチル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル 814mg(2.08mmol)のDCM 4ml溶液に、0℃でEtO(31.3mmol)中5M HCl 6.3mlを加える。混合物をrtで1.5時間撹拌し、そして蒸発させて表題化合物を淡褐色粉末として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用する。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.97 (br, 1H), 8.78 (br, 1H), 8.35 (d, 1H), 5.83-5.71 (m, 1H), 5.47 (d, 1H), 5.03-4.88 (m, 2H), 3.98-3.86 (m, 1H), 3.79-3.69 (m, 1H), 3.62-3.53 (m, 2H), 3.51-3.43 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.10-1.95 (m, 2H), 1.56-1.17 (m, 5H) ,1.38 (d, 3H), 0.85 (d, 3H).
【0060】
b)ヘプト−6−エン酸{(S)−1−[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニルカルバモイル]−エチル}−メチル−アミド
ヘプト−6−エン酸 141mg(1.1mmol)、HOBt.HO 221mg(1.1mmol)、EDC.HCl 230mg(1.2mmol)および(S)−N−[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドヒドロクロライド 327mg(1.0mmol)のDCM 12ml溶液に、氷冷下、DIPEA 0.172ml(1.0mmol)を加える。混合物をrtで17時間撹拌する。氷で冷却後、0.5M aq.HCl 10mlを加える。層を分離し、有機層を1M aq.重炭酸カリウム溶液および水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカのクロマトグラフィーで精製して(シクロヘキサン/EtOAc 70/30)、表題化合物を黄色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO; 主たる回転異性体): 7.31 (d, 1H), 5.85-5.70 (m, 2H), 5.28 (d, 1H), 5.04-4.78 (m, 5H), 3.88-3.73 (m, 1H), 3.63-3.46 (m, 2H), 3.43-3.34 (m, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.31 (t, 2H), 2.07-1.93 (m, 4H), 1.57-1.12 (m, 9H) ,1.18 (d, 3H), 0.79 (d, 3H).
【0061】
c)(E/Z)−(3S,14R,16S)−16−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデセ−10−エン−2,5−ジオン
ヘプト−6−エン酸{(S)−1−[(1S,3R)−1−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ヘプト−6−エニルカルバモイル]−エチル}−メチル−アミド 7.05g(17.58mmol)のDCM 88ml溶液を、1時間以内に還流下、[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)−ジクロロ(フェニルメチレン)−(トリシクロヘキシル−ホスフィン)ルテニウム](Grubbs II触媒)746mg(0.88mmol)のDCM 1.76l溶液に加える。混合物をさらに60分間還流し、ブチルビニルエーテル 1.76mlで処理し、さらに30分間撹拌し、体積88mlに濃縮し、シリカゲルカラムに注ぎ、そしてクロマトグラフィー(DCMからDCM/MeOH 97/3)に付して、表題化合物を灰色泡状物として得る。
Rf (シクロヘキサン/EtOAc 50/50): 0.15.
【0062】
d)(3S,14R,16S)−16−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
(E/Z)−(3S,14R,16S)−16−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデセ−10−エン−2,5−ジオン 5.70g(15.28mmol)のEtOH 153ml溶液を、rtで水素雰囲気下、10%Pd/炭素 3.06gの存在下、75分間撹拌する。触媒を濾取し、濾液を蒸発させ、残渣を第1にシリカゲルのクロマトグラフィー(DCM/MeOH 98/2)、そして第2にシリカゲルのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 50/50)で精製して、表題化合物を無色泡状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO; 主たる回転異性体): 7.49 (t, 1H), 5.22 (t, 1H), 4.95 (q, 1H), 3.92-3.80 (m, 1H), 3.59-3.54 (m, 1H), 3.52-3.34 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 2.46-2.38 (m, 2H), 2.12-2.01 (m, 1H), 1.70-1.60 (m, 1H), 1.56-1.07 (m, 15H), 1.11 (d, 3H), 0.76 (d, 3H).
【0063】
e)(3S,14R,16S)−3,4,14−トリメチル−16−(S)−オキシラニル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
(3S,14R,16S)−16−((S)−2−クロロ−1−ヒドロキシ−エチル)−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン 4.38g(11.68mmol)のTHF 23ml溶液に、1M aq.NaOH溶液23ml(23mmol)を0℃で滴下する。混合物を0℃で2時間撹拌し、半飽和aq.塩化アンモニウム溶液230mlで希釈し、DCMで抽出する。合併した有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて表題化合物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO; 主たる回転異性体): 7.71 (d, 1H), 4.92 (q, 1H), 3.70-3.57 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.80-2.77 (m, 1H), 2.67-2.62 (m, 1H), 2.60-2.51 (m, 2H), 2.12-2.02 (m, 1H), 1.70-1.10 (m, 17H), 1.08 (d, 3H), 0.74 (d, 3H).
【0064】
f)(3S,14R,16S)−16−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(3−イソプロピル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
(3S,14R,16S)−3,4,14−トリメチル−16−(S)−オキシラニル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン 34mg(0.1mmol)の1−(3−イソプロピル−フェニル)−シクロプロピルアミン 67mg(0.38mmol)溶液(構造ブロックB1)を、80℃で4時間撹拌する。混合物をDCM/MeOH(95/5)で希釈し、シリカゲルの分取薄層クロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH 90/10)、表題化合物を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.40 (d, 1H), 7.19-7.11 (m, 2H), 7.07-6.96 (m, 2H), 4.91 (q, 1H), 4.50 (d, 1H), 3.81-3.68 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.47-2.31 (m, 4H), 2.10-1.99 (m, 2H), 1.70-1.60 (m,2H), 1.43-1.09 (m, 16H), 1.19 (d, 6H), 1.03 (d, 3H), 0.93-0.80 (m, 4H), 0.74 (d, 3H).
【0065】
実施例1a:(3S,14R,16S)−16−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(4−イソプロピル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
表題化合物を実施例1に記載のものと同様の方法で、工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB3を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.27 (d, 1H), 7.51 (br s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.00-6.96 (m, 1H), 4.95 (q, 1H), 4.68 (d, 1H), 3.84-3.74 (m, 1H), 3.39-3.33 (m, 1H), 2.89-2.85 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.58-2.53 (m, 2H), 2.47-2.32 (m, 2H), 2.10-2.01 (m, 1H), 1.71-1.61 (m,1H), 1.51-1.11 (m, 16H), 1.22 (d, 6H), 1.04 (d, 3H), 1.00-0.90 (m, 4H), 0.76 (d, 3H).
【0066】
実施例 1b:(3S,14R,16S)−16−{(R)−2−[1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
表題化合物を実施例1に記載のものと同様の方法で、工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB4を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.29 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.00-6.85 (m, 1H), 4.89-4.75 (m, 1H), 4.26-4.15 (m, 1H), 3.87-3.74 (m, 1H), 3.46-3.34 (m, 1H), 2.87 (s, 3H), 2.67-2.56 (m, 2H), 2.43-2.14 (m, 2H), 1.70-1.15 (m, 22H), 1.32 (s, 9H), 1.04-0.94 (m, 4H), 0.81 (d, 3H).
【0067】
実施例1c:(3S,14R,16S)−16−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(3−イソプロポキシ−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
表題化合物を実施例1に記載のものと同様の方法で、工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB5を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.41 (d, 1H), 7.17-7.11 (m, 1H), 6.84-6.80 (m, 1H), 6.76 (t, 1H), 6.70-6.66 (m, 1H), 4.92 (q, 1H), 4.63-4.55 (m, 1H), 4.49 (d, 1H), 3.81-3.68 (m, 1H), 3.28-3.24 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.46-2.34 (m, 4H), 2.10-2.00 (m, 1H), 1.73-1.11 (m, 17H), 1.25 (d, 6H), 1.05 (d, 3H), 0.91-0.78 (m, 4H), 0.75 (d, 3H).
【0068】
実施例1d:(3S,14R,16S)−16−{(R)−2−[1−(5−ブロモ−ピリド−3−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
表題化合物を実施例1に記載のものと同様の方法で、工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB6を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO; 主たる回転異性体): 8.49-8.44 (m, 2H), 7.93-7.89 (m, 1H), 7.43 (d, 1H), 4.92 (q, 1H), 4.55 (d, 1H), 3.81-3.77 (m, 1H), 3.29-3.24 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.64-2.52 (m, 2H), 2.45-2.30 (m, 2H), 2.11-2.03 (m, 1H), 1.71-1.60 (m, 1H), 1.51-1.09 (m, 16H), 1.05 (d, 3H), 1.03-0.94 (m, 4H), 0.75 (d, 3H).
【0069】
実施例1e:(3S,14R,16S)−16−{(R)−2−[1−(6−tert−ブチル−ピリミド−4−イル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−3,4,14−トリメチル−1,4−ジアザ−シクロヘキサデカン−2,5−ジオン
表題化合物を実施例1に記載のものと同様の方法で、工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB7を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.88-8.85 (m, 1H), 7.84-7.82 (m, 1H), 7.49 (d, 1H), 4.95 (q, 1H), 4.76 (d, 1H), 3.84-3.76 (m, 1H), 3.41-3.35 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.59-2.53 (m, 2H), 2.48-2.37 (m, 2H), 2.10-2.00 (m, 1H), 1.69-1.61 (m, 1H), 1.47-1.06 (m, 20H), 1.32 (s, 9H), 1.04 (d, 3H), 0.76 (d, 3H).
【0070】
実施例2:(5S,8S,10R)−8−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(3−イソプロピル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−4,5,10−トリメチル−1−オキサ−4,7−ジアザ−シクロヘキサデカン−3,6−ジオン
表題化合物を実施例1に記載のものと同様の方法で、工程b)においてヘプト−6−エン酸に代えてブト−3−エニルオキシ−酢酸を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.49 (d, 1H), 7.18 (t, 1H), 7.13 (br s, 1H), 7.06-7.00 (m, 2H), 4.79 (q, 1H), 4.52 (d, 1H), 4.34 (d, 1H), 3.87-3.78 (m, 1H), 3.74 (d, 1H), 3.58-3.49 (m, 1H), 3.41-3.34 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.48-2.31 (m, 4H), 1.61-1.48 (m, 2H), 1.45-1.07 (m, 12H), 1.20 (d, 6H), 1.05 (d, 3H), 0.95-0.78 (m, 4H), 0.76 (d, 3H).
【0071】
実施例2a:(5S,8S,10R)−8−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−4,5,10−トリメチル−1−オキサ−4,7−ジアザ−シクロヘキサデカン−3,6−ジオン
表題化合物を実施例2に記載のものと同様の方法で、工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB2を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.47 (d, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.17-7.13 (m, 2H), 7.00-6.96 (m, 1H), 4.77 (q, 1H), 4.52 (d, 1H), 4.32 (d, 1H), 3.84-3.76 (m, 1H), 3.72 (d, 1H), 3.55-3.49 (m, 1H), 3.39-3.33 (m, 1H), 3.29-3.26 (m, 1H), 2.84 (s, 3H), 2.47-2.31 (m, 2H), 1.59-1.46 (m, 2H), 1.42-1.07 (m, 12H), 1.27 (s, 9H), 1.03 (d, 3H), 0.94-0.80 (m, 4H), 0.74 (d, 3H).
【0072】
実施例2b:(5S,8S,10R)−8−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(4−イソプロピル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−4,5,10−トリメチル−1−オキサ−4,7−ジアザ−シクロヘキサデカン−3,6−ジオン
表題化合物を実施例2に記載のものと同様の方法で、工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB3を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.27 (d, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.00-6.97 (m, 1H), 4.80 (q, 1H), 4.69 (d, 1H), 4.34 (d, 1H), 4.11-4.06 (m, 1H), 3.89-3.81 (m, 1H), 3.74 (d, 1H), 3.58-3.51 (m, 1H), 3.41-3.34 (m, 2H), 2.91-2.86 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.59-2.53 (m, 1H), 2.48-2.43 (m, 1H), 1.61-1.48 (m, 2H), 1.46-1.08 (m, 11H), 1.22 (d, 6H), 1.05 (d, 3H), 1.00-0.85 (m, 4H), 0.77 (d, 3H).
【0073】
実施例3:(8S,11S,13R)−11−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[1−(3−イソプロピル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−エチル}−7,8,13−トリメチル−1−オキサ−7,10−ジアザ−シクロヘキサデカン−6,9−ジオン
表題化合物を実施例1に記載のものと同様の方法で出発物質として工程a)において得られる生成物を用いて、実施例1の工程b)に記載のものと同様の方法で構造ブロックA1とBoc−N−メチル−(L)−アラニンとの反応から、そして工程b)においてヘプト−6−エン酸に代えてブト−3−エン酸を用いて製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO; 主たる回転異性体): 7.66 (d, 1H), 7.17 (t, 1H), 7.13 (br s, 1H), 7.10-6.99 (m, 2H), 4.59 (t, 1H), 4.47-4.42 (m, 1H), 3.74-3.66 (m, 1H), 3.26-3.16 (m, 2H), 2.86 (s, 3H), 2.49-2.30 (m, 2H), 2.11-1.99 (m, 1H), 1.76-1.04 (m, 18H), 1.19 (d, 6H), 0.93-0.80 (m, 4H), 0.74 (t, 3H).
【0074】
実施例4:(3S,6S,8R)−6−{(R)−2−[1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−3,8−ジメチル−1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チア−5−アザ−シクロヘキサデカン−4−オン
表題化合物を、工程a)およびb)を除いた実施例1に記載のものと同様の方法で、出発物質として工程c)において得られる生成物を用いて、実施例1の工程b)に記載のものと同様の方法で(2S,3S,5R)−3−アミノ−1−クロロ−5−メチル−ノン−8−エン−2−オールヒドロクロライドと(S)−3−(ヘキセ−5−エン−1−スルホニル)−2−メチル−プロピオン酸の反応から、そして工程f)において構造ブロックB1に代えて構造ブロックB2を用いて、製造することができる。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.77 (d, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.18-7.15 (m, 1H), 7.02-6.98 (m, 1H), 4.59 (d, 1H), 3.77-3.68 (m, 1H), 3.29-3.09 (m, 2H), 3.05-2.98 (m, 1H), 2.90-2.77 (m, 2H), 2.47-2.32 (m, 2H), 1.64-1.54 (m, 2H), 1.45-1.11 (m, 18H), 1.28 (s, 9H), 1.07 (d, 3H), 0.92-0.80 (m, 4H), 0.75 (d, 3H).
【0075】
構造ブロックA1:(2S,3S,5R)−8−アリルオキシ−3−アミノ−1−クロロ−5−メチル−オクタン−2−オールヒドロクロライド
表題化合物を既知の方法と同様の方法で、(2S,4R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−オクト−7−エン酸メチルエステルから出発して下記反応シーケンスを介して製造することができる:
末端二重結合のオゾン分解、得られたアルデヒドの1級アルコールへの還元、Boc保護基の切断、アミノ基のフェニルフルオレニル保護基での再保護、1級アルコールのアリルブロマイドでのアルキル化、フェニルフルオレニル保護基の切断およびBoc保護基によるアミノ基の再保護によって、(2S,4R)−7−アリルオキシ−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メチル−ヘプタン酸メチルエステル[1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.79 (br s, 3H), 5.95-5.80 (m, 2H), 5.24-5.18 (m, 1H), 5.13-5.09 (m, 1H), 3.92-3.88 (m, 3H), 3.86-3.62 (m, 1H), 3.57-3.52 (m, 1H), 3.35 (t, 2H), 3.29-3.23 (m, 1H), 1.60-1.44 (m, 4H), 1.31-1.16 (m, 3H), 0.84 (d, 3H)]を得て、これをさらにクロロケトン形成、クロロヒドリンへの還元およびBoc保護基の切断によって表題化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.21 (d, 1H), 5.91-5.81 (m, 1H), 5.25-5.18 (m, 1H), 5.13-5.09 (m, 1H), 4.05-3.97 (m, 1H), 3.91-3.88 (m, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.34 (t, 2H), 1.66-1.42 (m, 4H), 1.40-1.12 (m, 3H), 1.38 (s, 9H), 0.83 (d, 3H).
【0076】
構造ブロックB1:1−(3−イソプロピル−フェニル)−シクロプロピルアミン
a)3−イソプロピル−ベンゾニトリル
1−ブロモ−3−イソプロピル−ベンゼン 200g(954mmol)の1−メチル−2−ピロリドン 1l溶液に、窒素雰囲気下、シアン化亜鉛 114g(954mmol)およびPd(PPh 28.7g(24.8mmol)を加える。混合物を125℃に加熱し、この温度で150分間撹拌し、次にrtに冷却し、そしてHyflo Super Gelで濾過する。濾液を水およびEtOAcで希釈する。有機層を水、1N aq.HClおよび塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(DCM/ヘキサン 1/3)、表題化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.57 (s, 1H), 7.53-7.48 (m, 2H), 7.43 (t, 1H), 3.01-2.92 (m, 1H), 1.29 (d, 6H).
【0077】
b)1−(3−イソプロピル−フェニル)−シクロプロピルアミン
3−イソプロピル−ベンゾニトリル 42g(286mmol)のEtO 670ml溶液に、アルゴン雰囲気下、チタニウム(IV)−イソプロポキシド 90.4g(315mmol)を加える。混合物を−70℃に冷却し、そしてエチルマグネシウムブロマイド(EtO中3M)210ml(630mmol)を60分以内に加える。混合物を10℃に温め、BF*EtO(48%)169g(573mmol)をこの温度で加える。1時間撹拌後、混合物を1N aq.HCl 400mlでクエンチし、aq.2N NaOH溶液を用いてpH10に塩基性化し、Hyflo Super Gelで濾過する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して(DCM/MeOH (19/1)を用いる)、表題化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): 7.32-7.28 (t, 1H), 7.23 (s, 1H), 7.19-7.10 (m, 2H), 3.01-2.90 (m, 1H), 1.96 (s, 2H), 1.33 (d, 6H), 1.12-1.09 (m, 2H), 1.09-1.02 (m, 2H).
【0078】
構造ブロックB2からB7を、構造ブロックB1に記載のものと同様の方法で、商業的に入手可能であるか、または既知の方法と同様に製造することができる対応するニトリルを介して製造することができる。
【0079】
構造ブロックB2:1−(3−tert−ブチル−フェニル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.40-7.37 (m, 1H), 7.28-7.26 (m, 2H), 7.16-7.12 (m, 1H), 1.35 (s, 9H), 1.10-1.06 (m, 2H), 1.02-0.98 (m, 2H).
【0080】
構造ブロックB3:1−(4−イソプロピル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.23 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 6.95 (dd, 1H), 2.19-2.80 (m, 1H), 1.21 (d, 6H), 1.17 (q, 2H), 0.91 (q, 2H).
【0081】
構造ブロックB4:1−(4−tert−ブチル−ピリド−2−イル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.26 (d, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.08 (dd, 1H), 1.29 (s, 9H), 1.21-1.16 (m, 2H), 0.95-0.91 (m, 2H).
【0082】
構造ブロックB5:1−(3−イソプロポキシ−フェニル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 7.11 (t, 2H), 6.86 (t, 1H), 6.73-6.71 (m, 1H), 6.66-6.63 (m, 1H), 4.62-4.53 (m, 1H), 2.24 (br s, 2H), 1.24 (d, 6H), 0.93-0.89 (m, 2H), 0.87-0.84 (m, 2H).
【0083】
構造ブロックB6:1−(5−ブロモ−ピリド−3−イル)−シクロプロピルアミン
1H-NMR (400 MHz, d6-DMSO): 8.42 (t, 2H), 7.94 (t, 1H), 1.01 (d, 4H).
【0084】
構造ブロックB7:1−(6−tert−ブチル−ピリミド−4−イル)−シクロプロピルアミン
Rf (DCM/MeOH/NH3 90/9/1): 0.45.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基形または酸付加塩形の式
【化1】

〔式中、
は−(CHN(R)Rであり、ここで
kは0、1または2であり;
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基であり;そして
は(C3−8)シクロアルキル基であり、ここで
(a)Rを担持する窒素原子に結合した炭素環員とは異なる(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、所望により、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、
(b)(C3−8)シクロアルキル基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択される1−4個の置換基で置換されており、そして
(c)(C3−8)シクロアルキル基は所望により、2個の隣接する炭素環員で2個の置換基(これはそれらが結合する2個の隣接する炭素環員と一体となって(C3−8)シクロアルキル基を形成する)によって置換されており、
(i)前記2個の置換基が所望により結合している前記2個の隣接する炭素環員とは異なる、形成された(C3−8)シクロアルキル基の炭素環員の1個は、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−および−N(R)−から成る群から選択されるヘテロ環員によって置換されており、ここで
は水素または所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキル基であり、そして
(ii)形成された(C3−8)シクロアルキル基は所望により、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルスルフィニル、(C1−4)アルキルスルホニル、(C1−4)アルキルカルボニル、(C1−4)アルキルカルボニルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、(C1−4)アルコキシカルボニルオキシ、ならびに所望により置換された(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキル、アリール、アリール(C1−4)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−4)アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、非芳香族性ヘテロシクリル(C1−4)アルキル、クロマン−4−イル、イソクロマン−4−イル、チオクロマン−4−イル、イソチオクロマン−4−イル、1,1−ジオキソ−1ラムダ*6*−チオクロマン−4−イル、2,2−ジオキソ−2ラムダ*6*−イソチオクロマン−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノル−4−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフト−1−イル、1,1−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]チアジン−4−イル、2,2−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]チアジン−4−イル、1,1−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−1H−1ラムダ*6*−ベンゾ[c][1,2]オキサチイン−4−イル、2,2−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−2ラムダ*6*−ベンゾ[e][1,2]オキサチイン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b]オキセピン−5−イルまたは1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]オキセピン−5−イル基から成る群から独立して選択された1−4個の置換基で置換されており;
は水素または(C1−8)アルキルであり;
は水素、(C1−8)アルキル、または所望により置換された(C1−8)アルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルOC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキル(C1−4)アルキルOC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、ヘテロアリール(C1−4)アルキルOC(=O)NH、(C1−4)アルキルC(=O)NH、(C3−8)シクロアルキルC(=O)NH、アリールC(=O)NH、アリール(C1−4)アルキルC(=O)NH、ヘテロアリールC(=O)NHもしくはヘテロアリール(C1−4)アルキルC(=O)NH基であり;
Uは結合、CF、CFCF、CHF、CHFCHF、シクロプロプ−1,2−イレン、(C1−3)アルキレンオキシ、(C1−3)アルキレンアミノ、(C1−8)アルキレン、NR、または芳香族性もしくはヘテロ芳香環(当該環は所望によりハロゲン、(C1−8)アルコキシ、ヒドロキシまたは(C1−8)アルキルで置換されている)であり、ここでZとVは互いにオルト位またはメタ位に存在し、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−7)シクロアルキルであり;
VはCH=CH、シクロプロプ−1,2−イレン、CHCH(OH)、CH(OH)CHまたはCRCRであり、ここで
各Rは独立して水素、フッ素または(C1−8)アルキルであり;
は水素であり、そして
はヒドロキシであるか
または
とVは一体となってオキソであり;
Wは(C1−8)アルキレン、O、S、S(=O)、C(=O)、C(=O)O、OC(=O)、N(R)C(=O)、C(=O)NRまたはNRであり、ここで
は水素または(C1−8)アルキルであり;
Xは所望により置換された(C1−8)アルキレンまたは所望により置換された(C3−8)シクロアルキレン、ピペリジンジイルもしくはピロリジンジイル基であり、これに基YおよびC(=O)NRがメタ位で互いに結合しており;
Yは結合、O、S(=O)、S(=O)NR、N(R)S(=O)、NR、C(R)OH、C(=O)NR、N(R)C(=O)、C(=O)N(R)OまたはON(R)C(=O)であり、ここで
は水素、(C1−8)アルキルまたは(C3−8)シクロアルキルであり;
ZはO、CH、CF、CHF、CH=CH、シクロプロプ−1,2−イレンまたは結合であり;そして
nは0から5であり、
大環状環に含まれる環原子の数は14、15、16または17個である〕
の化合物。
【請求項2】
遊離塩基形または酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物の製造方法であって、
a)RがN(R)Rであり、Vが水素であり、そしてVがヒドロキシである式Iの化合物の製造のために、式
【化2】

〔式中、R、R、U、V、W、X、Y、Zおよびnは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物を式
HN(R)R (III)
〔式中、RおよびRは式Iについて定義のとおりである〕
の化合物と反応させる工程、または
b)各場合においてオープン鎖の2個の末端の各々で炭素−炭素二重結合を担持している好適なオープン鎖前駆体化合物を、触媒、例えばルテニウム、タングステンもしくはモリブデン錯体の存在下でのメタセシスによって環化する工程、
次に各場合において所望により、得られた化合物の還元、酸化もしくは他の官能化、および/または所望により存在する任意の保護基の切断工程
そして上記工程によって得られた遊離塩基形または酸付加塩形の式Iの化合物を回収する工程を含む、方法。
【請求項3】
医薬として使用するための、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物。
【請求項4】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害の処置に使用するための、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物。
【請求項5】
有効成分として遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物、および薬学的担体または希釈剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害の処置用医薬としての、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物の使用。
【請求項7】
ベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害の処置用医薬の製造のための、遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物の使用。
【請求項8】
処置を必要とする対象におけるベータアミロイド生成および/または凝集に関連した神経障害または血管障害を処置する方法であって、当該対象に治療上有効量の遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物を投与することを含む方法。
【請求項9】
治療上有効量の遊離塩基形または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1に定義の式Iの化合物と第2の薬剤物質を含む、同時、または個別投与のための組合せ剤。

【公表番号】特表2009−544597(P2009−544597A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519989(P2009−519989)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057492
【国際公開番号】WO2008/009734
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】