説明

太陽エネルギー温室

【課題】薄膜太陽電池アセンブリは、太陽光を吸収して電力を発生できる。薄膜太陽電池アセンブリ同士のピッチは、太陽光の照射角度または太陽エネルギー温室内の植物の載置位置によって定め、薄膜太陽電池アセンブリの発電量及び植物の成長速度を改善する。
【解決手段】太陽エネルギー温室は、本体構造と、本体構造上に設けられた屋根構造と、屋根構造上に設けられ、ピッチが不均等である複数の薄膜太陽電池アセンブリとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽エネルギー温室に関し、特に、不等ピッチの薄膜太陽電池アセンブリを有する太陽エネルギー温室に関するものである。
【背景技術】
【0002】
温室(greenhouse)は、植物(花や野菜、果物等)を栽培するために建てられる専用の建物であり、植物を天候や温度または虫の影響から保護することで、植物を順調且つ快速に成長可能とさせる。特に、熱帯や寒帯エリアでは、温室が提供する適当な温度及び湿度環境による植物の成長を促進させる効果はさらに顕著である。
【0003】
温室は、一般に、光透過可能な屋根を有する。太陽光は、植物が光合成作用を行えるよう、屋根を通過して植物に照射される。温室は、さらに、温度や湿度等を制御する空調設備を幾つか有し、この空調設備により温室内の温度及び湿度が植物の成長に最適となるように制御される。また、スプリンクラーを有し、水を植物上に定期的に散布する。
【0004】
これらの装置が作動することにより、温室は大量の電力を消費してしまう。その結果、温室を使用している使用者(農家など)にとって電気代は大きな負担となる。そこで、温室において受光が最も強く、しかも最も十分な場所(一般は屋根)に可透光性の薄膜太陽電池を付け、植物への光照射に影響を与えずに電力を得ようとする提案がなされている。
【0005】
しかしながら、薄膜太陽電池は透光性を有するものの、依然として太陽光の遮蔽または吸収を招くため、太陽光が十分ではない場合、植物の成長に影響を及ぼしてしまう可能性がある。
【0006】
そのため、本発明者は、上記欠点に着目し、合理的な設計かつ前記欠点を有効に改善できる本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、合理的な薄膜太陽電池アセンブリのレイアウト設計により、十分な光照射量を室内に進入させ、植物の成長速度を好ましい状態に維持できる太陽エネルギー温室を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明による太陽エネルギー温室は、本体構造と、前記本体構造上に設けられた屋根構造と、前記屋根構造上に設けられ、ピッチが不均等である複数の薄膜太陽電池アセンブリと、前記薄膜太陽電池アセンブリ同士の間に位置し、太陽光を透過させて太陽エネルギー温室内に進入させる透光材料とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明による太陽エネルギー温室は、以下の有益な効果をもたらす。例えば、薄膜太陽電池アセンブリは、太陽光を吸収して電力を発生させ、太陽エネルギー温室の他の装置に提供する。また、太陽光の照射角度または太陽エネルギー温室内の植物の位置によって、薄膜太陽電池アセンブリのレイアウト設計を決定する。すなわち、薄膜太陽電池アセンブリ同士の間のピッチが不均等であり、太陽光を薄膜太陽電池アセンブリ間から太陽エネルギー温室の内部に透過させ、十分な光照射量を提供し、植物の成長に好ましい環境を提供する。
【0010】
本発明の特徴及び技術内容をさらに理解させるため、添付図面を参照しながら本発明に関する詳しい説明を行う。しかしながら添付図面は参考及び説明のために例示したものであり、本発明の技術的範囲を狭義的に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明による第一の実施例の太陽エネルギー温室を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明による第一の実施例の太陽エネルギー温室を示す側面図である。
【図3】図3は、本発明による第一の実施例の太陽エネルギー温室を示すもう一つの側面図である。
【図4】図4は、本発明による第一の実施例の太陽エネルギー温室を示すもう一つの側面図である。
【図5】図5は、本発明による第二の実施例の太陽エネルギー温室の要部を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明による第三の実施例の太陽エネルギー温室の要部を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明による第四の実施例の太陽エネルギー温室を示す斜視図である。
【図8】図8は、本発明による第五の実施例の太陽エネルギー温室を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の太陽エネルギー温室は、複数の好適な実施例を有している。図1及び図2は本発明の太陽エネルギー温室1の第一の実施例を示すものである。太陽エネルギー温室1は、本体構造10と屋根構造20と複数の薄膜太陽電池アセンブリ30とを含む。ここで、薄膜太陽電池アセンブリ30間の軒棟方向のピッチが不均等である。薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間に透光材料が位置している(図1に示される透光板22参照)。
【0013】
つまり、本発明の太陽エネルギー温室1では、図2に示す植物に十分な光照射量を与えるため、太陽光3の照射角度または太陽エネルギー温室1内の植物2の載置位置によって、薄膜太陽電池アセンブリ30のレイアウト設計を決定する。すなわち、薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間のピッチが不均等であるということで、太陽光3を前記薄膜太陽電池アセンブリ30間から太陽エネルギー温室1の内部に、薄膜太陽電池アセンブリ30を介さず直接的に透過させ、薄膜太陽電池アセンブリ30により一部遮蔽または吸収された太陽光3を補償し、全体に十分な光照射量を供給できる。以下に、太陽エネルギー温室1自体の構造の説明、及び薄膜太陽電池アセンブリ30のレイアウト設計の説明を行う。
【0014】
具体的に言えば、本体構造10(本体構造体)は、複数のベース11と複数のブラケット12と複数の支持板13を含む。ベース11が地面に固定され、ブラケット12がベース11に固定され、支持板13がブラケット12に固定される。これらの支持板13は、可透光または不透光の材料で構成されている。支持板13が透光材料の場合には、ガラスまたはプラスチックでよい。
【0015】
本体構造10による支持効果により、屋根構造20が本体構造10上に設けられる。屋根構造20(屋根構造体)は、複数のブラケット21及び透光板22を有し、ブラケット21がブラケット12に固定され、透光板22がブラケット21に固定されて成る。透光板22の材料は、ガラスまたはプラスチックでよい。
【0016】
排水または排雪を考慮すると、屋根構造20は、傾斜状に設計されるのが好ましい。この場合、屋根構造20の最も低い場所は、軒先23と定義され、屋根構造20の最も高い場所は、棟部24と定義される。
【0017】
前記本体構造10と屋根構造20とは、ともに閉鎖空間を区画形成する。また、温度、湿度制御手段で閉鎖空間内に植物にふさわしい条件を与え、植物2を本体構造10の内部及び太陽エネルギー温室1の内部で栽培できるようにさせる。本体構造10と屋根構造20の外形は、図面に示されたものに限らず、他の外形であっても良く、例えば、屋根構造20はアーチ状であっても良い。
【0018】
また、ガラスまたはプラスチックの代わりに、本体構造10の支持板13及び屋根構造20の透光板22は、フレキシブルの透光布地(図示せず)であっても良い。
【0019】
これらの薄膜太陽電池アセンブリ30は、屋根構造20上に設けられ、より詳しく言えば、屋根構造20の頂面(斜面)に固定されている。各薄膜太陽電池アセンブリ30は、複数の薄膜太陽電池セル(thin film solar cell)31を有し、これらの薄膜太陽電池セル31は、屋根構造20の軒先23または棟部24の延伸方向(軒棟方向に略直交する方向)に沿って直線状に配列されている。薄膜太陽電池セル31の種類は、アモルファス、微結晶シリコンまたはナノ結晶シリコンの薄膜太陽電池セルである。また、各薄膜太陽電池セル31は、直接に長棒状や大面積の薄膜太陽電池セル31にしても良い。
【0020】
図2に示す太陽光3は、薄膜太陽電池セル31に吸収され電力に変換される。これらの薄膜太陽電池セル31は可透光の特性を有することで、余剰の太陽光3が薄膜太陽電池セル31に照射されると、太陽光3の一部が薄膜太陽電池セル31を透過して太陽エネルギー温室1の内部(即ち屋根構造20の下方)に進入する。
【0021】
このような場合に、屋根構造20全体が薄膜太陽電池アセンブリ30に覆われると(図示せず)、より多くの電力が発生できるが、太陽エネルギー温室1の内部に進入する太陽光3が少なくなる。そして、植物2が太陽光3に照射される照射量が足りない時に、植物2の成長に影響を及ぼす事となる。
【0022】
このような問題を克服するため、屋根構造20全体を薄膜太陽電池アセンブリ30によって全て覆うことなく、各薄膜太陽電池アセンブリ30同士を離間して配置している。太陽光3は、離間した薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間に位置する透光材料を透過して太陽エネルギー温室1の内部に進入することで、薄膜太陽電池セル31に吸収または遮蔽されず、植物2に照射された量を増加させる。さらに、太陽光3の照射角度及び植物2の載置位置を考慮すると、薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間のピッチを不均等にすることで、より多くの太陽光3を植物2に照射させる。
【0023】
ここで、注意すべきは、薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間の離間した部分には、透光板22が配置される。言い換えれば、透光板22は、薄膜太陽電池アセンブリ30の下方(特に薄膜太陽電池アセンブリ30に遮蔽またはカバーされない部分)に位置されてもよく、薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間に透光板22が設けられても良い。すなわち、薄膜太陽電池アセンブリ30及び透光板22は、軒先23から棟部24に向かって交互に配列され、透光板22の両側面が、それぞれ、一組の薄膜太陽電池アセンブリ30の一側面に接触している。
【0024】
さらに、図2を参照すると、太陽が軒先23に近く、棟部24に遠くなる場合、このような太陽光3の照射条件では、棟部24に近い太陽光3が植物2に照射できず、本体構造10に照射される。逆に、軒先23に近い側を通過する太陽光3が植物2に直接的に(薄膜太陽電池アセンブリ30を介さずに)照射される。このような場合に応じて、太陽光3全体を植物2に十分に照射させるため、軒先23の近くに軒棟方向に隣接する(隣り合う)二つの薄膜太陽電池アセンブリ30の間のピッチは、棟部24に近い隣接する(隣り合う)二つの薄膜太陽電池アセンブリ30の間のピッチよりも大きい。
【0025】
このように、軒先23に近い太陽光3が、大きなピッチを通過して太陽エネルギー温室1の内部に直接的に進入し、植物2に照射される。
【0026】
図3に示すように、太陽が棟部24に近く軒先23に遠くなる場合に、このような太陽光3の照射条件では、図3中において、太陽光3は太陽エネルギー温室1の左上方から照射される。この場合、軒先23に近い太陽光3が植物2に照射できず、本体構造10に照射され、逆に、棟部24に近い側を通過する太陽光3が植物2に直接的に(薄膜太陽電池アセンブリ30を介さずに)照射される。そのため、棟部24の近くに軒棟方向に隣接する(隣り合う)二つの薄膜太陽電池アセンブリ30の間のピッチは、軒先23に近い隣接する(隣り合う)二つの薄膜太陽電池アセンブリ30の間のピッチよりも大きい。
【0027】
図4に示すように、太陽が軒先23に近く棟部24に遠くなりかつ太陽エネルギー温室1内の植物2の載置位置が軒先23に遠くなる場合に、軒先23及び棟部24に近い太陽光3が植物2に照射し難い。このような場合に、軒先23及び棟部24に近い薄膜太陽電池アセンブリ30同士のピッチを小さくして、軒先23及び棟部24の箇所の太陽光3をなるべく薄膜太陽電池アセンブリ30に照射させる。このような場合に、薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間のピッチ全体は、ランダムとされるが、太陽光3及び植物2の位置に応じたものとされ、太陽光3を十分に利用できるようになる。
【0028】
薄膜太陽電池アセンブリ30のピッチを調整し易くするため、薄膜太陽電池アセンブリ30に変位手段を付与し、薄膜太陽電池アセンブリ30同士のピッチの配布方式をランダムに調整するようにしてもよい。
【0029】
図5は、本発明による太陽エネルギー温室1の第二の実施例である。図5に示すように、第二の実施例の太陽エネルギー温室1と第一の実施例との相違点は、第二の実施例の太陽エネルギー温室1は、さらに複数の移動装置40を有し、各薄膜太陽電池セル31がそれぞれ一つの移動装置40により屋根構造20に設けられる点で異なっている。
【0030】
移動装置40は、少なくとも一つのスライド機構41及び少なくとも一つのドライバー42を有し、スライド機構41が屋根構造20の頂面に設けられ、ドライバー42がスライド機構41に接続され、薄膜太陽電池アセンブリ30がスライド機構41に設けられる。スライド機構41は、機構の一部を軒棟方向に直線運動させる機構であって、例えば、リニアレール等である。ドライバー42は、スライド機構41に動力を与えて直線運動させ、且つ、スライド機構41により発生する直線運動の量を制御する。ドライバー42は、ステープモータまたはサーボモータである。
【0031】
移動装置40により、薄膜太陽電池アセンブリ30は、屋根構造20上で軒棟方向に移動され、薄膜太陽電池アセンブリ30同士のピッチを変更できる。太陽光3の照射角度が時間またはエリアによって変更される時、或いは、植物2の載置位置を変える場合に、薄膜太陽電池アセンブリ30の間のピッチがそれに応じて調整される。このように、太陽光3がなるべく植物2に照射され、植物2に照射できない太陽光3がなるべく薄膜太陽電池アセンブリ30に照射される。
【0032】
図6は、本発明による太陽エネルギー温室1の第三の実施例である。図6に示すように、第三の実施例の太陽エネルギー温室1と第一の実施例との相違点は、第三の実施例の太陽エネルギー温室1は、さらに複数の回転装置50を有し、各薄膜太陽電池セル31がそれぞれ一つの回転装置50により屋根構造20に設けられる点で異なっている。
【0033】
移動装置40とほぼ同じく、回転装置50は、少なくとも一つの回転機構51及び少なくとも一つのドライバー52を有し、回転機構51が屋根構造20に設けられ、ドライバー52が回転機構51に接続され、薄膜太陽電池アセンブリ30がさらに回転機構51に設けられる。回転機構51は、機構の一部を軒棟方向とは略直角な方向を軸として回転運動させる機構であって、例えば、ギヤ列等である。ドライバー52は、回転機構51に動力を与えて回転運動させ、且つ、回転機構51が発生する回転運動の量を制御する。ドライバー52は、ステープモータまたはサーボモータである。
【0034】
なるべく薄膜太陽電池セル31が太陽光3に垂直に照射されるよう、薄膜太陽電池アセンブリ30は、回転装置50によりその傾斜角度を調整することができる。多くの文献から分かるように、太陽光3が薄膜太陽電池セル31に垂直に照射すると、薄膜太陽電池セル31はより多くの電力を生成できる。そのため、第三の実施例の太陽エネルギー温室1は、第一の実施例の利点を有するのに加えて、薄膜太陽電池セル31によりより多くの電力を生成することができる。
【0035】
図7は、本発明による太陽エネルギー温室1の第四の実施例である。図7に示すように、第四の実施例の太陽エネルギー温室1と第一の実施例との相違点は、第四の実施例の太陽エネルギー温室1は、さらに加熱装置60、温度センサ70及び湿度センサ80を有する点で異なっている。
【0036】
加熱装置60は、薄膜太陽電池アセンブリ30同士の薄膜太陽電池セル31及び屋根構造20の透光板22に接続され、加熱装置60は熱量を発生して薄膜太陽電池セル31及び透光板22を加熱できる。加熱装置60は、電熱線及びそのコントローラ等である。温度センサ70及び湿度センサ80は、それぞれ、加熱装置60に接続され、温度センサ70は、外部環境の温度を測定してから、温度信号を加熱装置60に伝送し、湿度センサ80は、外部環境の湿度を測定してから、湿度信号を加熱装置60に伝送する。
【0037】
太陽エネルギー温室1が寒くて雪の降るエリアにある場合に、雪が薄膜太陽電池セル31及び透光板22に堆積されると、太陽光3の薄膜太陽電池セル31及び植物2への照射に影響を及ぼす。そこで、加熱装置60、温度センサ70及び湿度センサ80により、このような雪が堆積する問題を防止する。
【0038】
雪が降ると、外部の温度が零度以下となり、かつ湿度も高くなる。このとき、温度センサ70及び湿度センサ80が、異常の温度や湿度を測定すると、この温度や湿度の信号を加熱装置60に伝送する。加熱装置60は起動し始め熱量を発生し、雪が加熱装置60に当たると、雪解して液体となって流れて行く。このように、雪が常に薄膜太陽電池セル31及び透光板22に堆積されず、太陽光3が薄膜太陽電池セル31及び植物2に十分に照射される。
【0039】
加熱装置60は、薄膜太陽電池アセンブリ30の薄膜太陽電池セル31のみに接続されてもよく、或いは、屋根構造20の透光板22のみに接続されていても良い。また、すべての薄膜太陽電池セル31毎に、或いはすべての透光板22毎に接続されていなくてもよい。
【0040】
図8は、本発明による太陽エネルギー温室1の第五の実施例である。図8に示すように、第五の実施例の太陽エネルギー温室1と第一の実施例との相違点は、第五の実施例の太陽エネルギー温室1は、さらに複数の反射ミラー90を有し、これらの反射ミラー90が屋根構造20の下側及び本体構造10の内側に設けられる点で異なっている。
【0041】
太陽光3が太陽エネルギー温室1の内部に進入すると、太陽光3の一部が反射ミラー90に照射されると共に反射され、太陽光3を植物2に向かって照射させるように太陽光3の進行方向が変えられる。このため、太陽光3をより多く植物2に照射できる。
【0042】
上記に説明した移動装置40、回転装置50、加熱装置60、温度センサ70、湿度センサ80及び反射ミラー90は、適宜組み合わせて太陽エネルギー温室1に使用でき、単独に使用されることに限らない。また、前記実施例の太陽エネルギー温室1は、いずれも、照明装置や、スプリンクラーまたは空調設備等(図示せず)を含むこともできる。
【0043】
以上のように、本発明の太陽エネルギー温室1は、太陽光3を吸収して電力に変換し、この電力を太陽エネルギー温室1の他の設備の使用に提供できる。この結果、太陽エネルギー温室1が電力会社から供給される電力の消費を減少させ、使用者が支払う電気代を減少できる。また、薄膜太陽電池アセンブリ30同士の間のピッチは、太陽光3の照射角度及び植物2の載置位置によって定められるので、薄膜太陽電池アセンブリ30及び植物2に照射される太陽光3の照射量が、好適な配分になり、薄膜太陽電池アセンブリ30の発電量及び植物2の成長速度を改善できる。
【0044】
なお、以上の説明は、単に本発明の好ましい具体的な実施例の詳細説明及び図面に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、いずれの当該分野における通常の知識を有する専門家が本発明の分野の中で、適当に変更や付加などをすることができるが、それらの実施が本発明の技術的範囲内に包摂されるべきことは言うまでもないことである。
【符号の説明】
【0045】
1 太陽エネルギー温室
2 植物
3 太陽光
10 本体構造
11 ベース
12 ブラケット
13 支持板
20 屋根構造
21 ブラケット
22 透光板
23 軒先
24 棟部
30 薄膜太陽電池アセンブリ
31 薄膜太陽電池セル
40 移動装置
41 スライド機構
42 ドライバー
50 回転装置
51 回転機構
52 ドライバー
60 加熱装置
70 温度センサ
80 湿度センサ
90 反射ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体構造と、
前記本体構造上に設けられた屋根構造と、
前記屋根構造上に設けられ、それぞれのピッチが不均等である複数の薄膜太陽電池アセンブリと、
前記薄膜太陽電池アセンブリ同士の間に位置し、太陽光を透過させて太陽エネルギー温室内に進入させる透光材料と、
を含むことを特徴とする太陽エネルギー温室。
【請求項2】
前記屋根構造は、軒先と棟部とを有し、前記軒先に近い隣接する二つの薄膜太陽電池アセンブリの間のピッチは、前記棟部に近い隣接する二つの薄膜太陽電池アセンブリの間のピッチよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー温室。
【請求項3】
前記屋根構造は、軒先と棟部とを有し、前記棟部に近い隣接する二つの薄膜太陽電池アセンブリの間のピッチは、前記軒先に近い隣接する二つの薄膜太陽電池アセンブリの間のピッチよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー温室。
【請求項4】
前記薄膜太陽電池アセンブリ同士のピッチは、ランダムとなっていることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー温室。
【請求項5】
前記薄膜太陽電池アセンブリは、移動装置または回転装置により前記屋根構造に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー温室。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−15676(P2011−15676A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233995(P2009−233995)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(509281058)光寶▲緑▼色能資科技股▲分▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】