説明

太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュール

【課題】太陽電池モジュールの発電効率を高め、かつ、意匠性に優れた、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、接着性等の長期的な性能劣化を最小限に抑えた、太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】プリズムシート、水蒸気バリア性シート及び耐候性樹脂シートをこの順で積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、太陽電池用バックシート及びそのバックシートを用いた太陽電池モジュールに関し、さらに詳しくは、太陽電池モジュールの発電効率を高め、かつ、意匠性に優れた、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、接着性等の長期的な性能劣化を最小限に抑えた、太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュールに関わるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリ−ンなエネルギ−源としての太陽電池が注目されている。太陽電池モジュ−ルは、例えば、結晶性シリコン太陽電池セル、アモルファスシリコン太陽電池セル等を製造し、表面ガラス板、封止樹脂、太陽電池セル、封止樹脂及びバックシートを、この順に積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して製造されている。
【0003】
太陽電池のさらなる普及のためには、発電コストの低減、太陽電池モジュールの低コスト化、設置面積の減少等が必要であり、そのためには太陽電池モジュールの発電効率を向上させることが求められている。太陽電池モジュールに入射した光は、太陽電池セルそのもの或いは太陽電池セル同士の間隙を通過して、必ずしも全量が発電に寄与しているわけではない。かかる通過光を、バックシートで反射させて、太陽電池セルへ戻すことにより太陽電池モジュールの発電効率を向上させることが知られており、光反射性に優れたバックシートが求められている。
【0004】
太陽電池モジュールは産業用のみならず、家庭用としても適用が進み、様々な建築分野で使用されている。太陽電池モジュールの適用が進むにつれ、既建築物とのバランスの上に立った太陽電池モジュールの意匠性が重要視されている。すなわち、太陽電池モジュールを白色、黒色、青色等の種々の色相に着色することが要求されており、そのために、バックシートをかかる色相に着色することが求められている。
【0005】
太陽電池モジュ−ルを構成するバックシ−トとしては、現在、プラスチック基材等が最も一般的に使用されている。而して、太陽電池モジュ−ル用のバックシ−トとしては、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐薬品性、光反射性、意匠性等の諸特性に優れていることが必要である。特に、水分、酸素等の侵入を防止する防御性に優れ、耐久性に富み、その保護能力性が高いことが必要とされている。
【0006】
すなわち、太陽電池モジュールの発電効率を高め、かつ、意匠性等に優れ、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、接着性等の長期的な性能劣化を最小限に抑えた、着色された太陽電池用バックシートが求められている。
【0007】
従来、光反射性のバックシートとして、図10のように、光反射性フィルム211と蒸着フィルム212を接着剤213で貼り合わせた構成が提案されている(特許文献1参照)。ここに、光反射性フィルムは白色顔料等を用いた白色フィルムである。図10において、2121は樹脂フィルム、2122は蒸着層である。また、蒸着フィルムの上に、白色顔料等から成る光反射性層を印刷法で形成した構成も提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
従来、光反射性のバックシートの他の例として、図11のように、白色ポリエステルフィルム221、蒸着フィルム222及び透明ポリエステルフィルム223を、接着剤224で貼り合わせた構成が提案されている(特許文献3参照)。ここに、ポリエステルフィルムの白色化には白色着色剤が用いられている。図11において、2221は基材フィルム、2222は無機酸化物薄膜層である。また、光反射性の白色インキ層を設けた蒸着フィルムと基材フィルムを接着剤で貼り合わせた構成も提案されている(特許文献4参照)。
【0009】
従来、光反射性のバックシートの他の例として、白色樹脂フィルム、金属酸化物被着樹脂フィルム及び耐加水分解性樹脂フィルムを、接着剤で貼り合わせた構成が提案されている(特許文献5参照)。本例においては、樹脂フィルムの白色化には白色顔料が用いられ、金属酸化物被着樹脂フィルムは、いわゆる蒸着フィルムである。このバックシートの構成は、基本的に図11と同じである。
【0010】
これら従来技術は、白色顔料を含有した白色フィルムを使用しているため、光反射性はあまり高くなく、また、光を一部吸収する。したがって、光を太陽電池セルへ有効に戻して、発電効率を向上させる効果が小さい。
また、太陽電池の意匠性の観点から、バックシートを黒色、青色等の種々の色相に着色することが要求されているが、白色に着色したフィルムを用いるため、かかる要求に応えることが困難である。
【0011】
従来、光反射性のバックシートの他の例として、図12のように、微細な凸部又は凹部を有する光拡散層と反射性及びガスバリア性の金属蒸着層を備えた構成が提案されている(特許文献6参照)。光拡散層238は、ビーズ234及びそのバインダー235を含むビーズ塗工層236を基材フィルム237の上に設けた構成であり、さらに、ビーズの上に金属蒸着層233が設けられる。光拡散層としてはマイクロレンズアレイも提案されている。
【0012】
該従来技術は、微小なビーズ、バインダー等よりなる組成物を、基材フィルム上に塗工することにより、微細な凸部又は凹部を形成するが、そのためには、極めて高度な塗工技術が要求される。また、微細な凸部又は凹部の形成の再現性も必ずしも良くない。さらに、微細な凸部又は凹部の上へ蒸着膜を形成するに際し、反射膜としての厚み精度を制御するのも困難である。マイクロレンズは半球状の凸レンズ又は凹レンズであり、光拡散性に優れているが、光反射性としては、プリズムとは機構的に全く異なるものである。
【0013】
従来、光反射性のバックシートの他の例として、内部に空洞を有する結晶性ポリマーシートが提案されている(特許文献7参照)。当該空洞は、配向に直交する厚み方向における空洞の平均長さrと、配向方向における空洞の平均長さLとの比(L/r)が10以上であることを要件としている。
【0014】
該従来技術において、空洞の形成は、ポリエステル樹脂のような結晶性ポリマーシートを延伸することでなされる。空洞の形態は、楕円体であり、光散乱効果はあるが、光反射効果は大きくない。また、空洞の大きさや上記L/rを均一にすることは困難で、ばらつきが大きい。したがって、光反射効果が大きく、品質のばらつきの小さいバックシートを得るのは困難である。
【0015】
以下に、特許文献を記す。
【特許文献1】特開2000−114564号公報
【特許文献2】特開2001−144309号公報
【特許文献3】特開2006−253264号公報
【特許文献4】特開2006−210557号公報
【特許文献5】特開2002−100788号公報
【特許文献6】特開2006−319250号公報
【特許文献7】特開2009−188345号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記の技術的背景に基づく問題点を解決するためになされたものであって、太陽電池モジュールの発電効率を高め、かつ、意匠性に優れた、水蒸気遮断性、電気絶縁性、機械的強度、接着性等の長期的な性能劣化を最小限に抑えた、太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【0017】
すなわち、本発明は、プリズムシートを備えていることを特徴とする太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュールを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、かかる課題を解決するために、次の手段を採用するものである。
すなわち、
請求項1に係る発明は、
プリズムシートを備えていることを特徴とする太陽電池用バックシートである。
【0019】
請求項2に係る発明は、
前記プリズムシートが、プリズム要素層及び支持シートより構成され、該プリズム要素層と該支持シートが空気層を介して相対するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
【0020】
請求項3に係る発明は、
前記プリズム要素層のプリズム要素が、直角プリズム、二等辺三角形プリズム、ドーブプリズム等からなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用バックシートである。
【0021】
請求項4に係る発明は、
前記プリズムシートに、金属酸化物からなる薄膜層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
【0022】
請求項5に係る発明は、
前記金属酸化物からなる薄膜層を設けたプリズムシート及び耐候性樹脂シートを積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用バックシートである。
【0023】
請求項6に係る発明は、
前記プリズムシート、水蒸気バリア性シート及び耐候性樹脂シートをこの順で積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
【0024】
請求項7に係る発明は、
前記水蒸気バリア性シートが、金属酸化物からなる薄膜層を設けた樹脂シートであることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシートである。
【0025】
請求項8に係る発明は、
前記水蒸気バリア性シートが、アルミニウム箔であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシートである。
【0026】
請求項9に係る発明は、
前記耐候性樹脂シートの樹脂が、耐加水分解性で、かつ、耐低分子量体析出性のポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項5及び請求項6に記載の太陽電池用バックシートである。
【0027】
請求項10に係る発明は、
前記ポリエチレンテレフタレートが、オリゴマー含有量が0.8重量%以下であることを特徴とする請求項9に記載の太陽電池用バックシートである。
【0028】
請求項11に係る発明は、
前記耐候性樹脂シートの樹脂が、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項5及び請求項6に記載の太陽電池用バックシートである。
【0029】
請求項12に係る発明は、
前記耐候性樹脂シートが、白色、黒色、青色等から選ばれた色相に着色されたことを特徴とする請求項5及び請求項6に記載の太陽電池用バックシートである。
【0030】
請求項13に係る発明は、
前記プリズムシート、水蒸気バリア性シート、着色樹脂シート及び耐候性樹脂シートを、この順で積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシートである。
【0031】
請求項14に係る発明は、
前記プリズムシートに、易接着処理層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
【0032】
請求項15に係る発明は、
温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の破断伸度保持率が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
【0033】
請求項16に係る発明は、
温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の交流全面耐電圧保持率が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシートである。
【0034】
請求項17に係る発明は、
請求項1〜16のいずれかに記載の太陽電池用バックシートを使用したことを特徴とする太陽電池モジュールである。
【0035】
本発明は、プリズムシートを備えていることを特徴とする太陽電池用バックシートである。
【0036】
プリズムシートへ入射した光を、再び入射方向へ有効に戻すには、プリズム要素の頂角側に、プリズム要素よりも屈折率が小さい空気層を設けることが望ましい。すなわち、本発明のプリズムシートは、プリズム要素層及び支持シートより構成され、該プリズム要素層と該支持シートが空気層を介して相対するように配置される。図1は本発明のプリズムシート1の一例を示す断面図である。2は多数のプリズム要素3を有するプリズム要素層、4は支持シートであり、両者を相対するように配置することで、プリズム要素層2と支持シート4の間に空気層5が形成される。
【0037】
前記プリズム要素層のプリズム要素は、直角プリズム、二等辺三角形プリズム、ドーブプリズム等から成る群より選ばれた1種以上である。図1はプリズム要素が直角プリズムであるプリズムシートであり、一連の細長い断面が直角三角形状のプリズム要素が連続して多数形成されている。プリズムシートへ入射した光Lは、矢印で示したようにプリズム要素3内で2回反射して、元来た方向へ戻って行く。二等辺三角形プリズム、ドーブプリズム等でも同様に、入射した光はプリズム要素内で反射して、元来た方向へ戻って行く。
【0038】
前記プリズム要素層のプリズム要素としては、三角錐、四角錐、六角錐のような多角錐型プリズム、フルキューブプリズム、コーナーキューブプリズム等でもよい。
【0039】
前記プリズム要素層を構成する材料及び前記プリズムシートの支持シートを構成する材料としては、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、電気絶縁性に優れた樹脂が好ましく、特に、光学的透明性、均一性のあるものが好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等があげられる。これら樹脂には、耐候性をあげる目的で、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
【0040】
プリズム要素の大きさ、すなわち、基準となる平面からの高さは20〜500μmが好ましい。20μmより小さい時は、回折効果で反射性能が低下することがある。また、500μmより大きい時は、プリズムシートが厚くなりすぎて柔軟なシートが得られない。
【0041】
前記プリズム要素層の作製は、常法に従って行われる。第一の方法においては、プリズム要素層用の樹脂からシートを作製し、所望のプリズム要素の形状を有する金型を用いて、この樹脂シートを圧縮成型し、プリズム要素層を作製することができる。第二の方法においては、所望のプリズム要素の形状を有する金型内へ、プリズム要素層用の樹脂を射出成型機で押し出すことによって、プリズム要素層を作製することができる。第三の方法においては、プリズム要素層用の樹脂からシートを作製し、所望のプリズム要素の形状を有するロールと圧着ロールの間を、加熱下に通過させて、プリズム要素層を連続的に作製することができる。第四の方法においては、所望のプリズム要素の形状を有する金型内へ、プリズム要素層用の樹脂モノマーを注入し、熱、光、紫外線、放射線等で重合・固化させることによってプリズム要素層を作製することができる。
【0042】
プリズムシートに用いられる支持シートは、前記した樹脂を、例えば、押出成形でシート化し、必要に応じて1軸又は2軸延伸することで得られる。支持シートの厚みは、30〜200μmである。この支持シートとプリズム要素層とを貼り合わせて、プリズムシートとなる。
【0043】
プリズムシートの作製に当たっては、プリズム要素層のプリズム要素の頂点が支持シートと相対するように配置する。プリズム要素層と支持シートの貼り合わせは、プリズムシート内へ十分な空気層を形成し、水分等の侵入を防ぐために強固に行う必要がある。プリズム要素層と支持シートの材質は異なっていてもよいが、同質であることが望ましい。
【0044】
プリズム要素層と支持シートの貼り合わせる第一の方法は、両者を相対して重ね合わせた後、シート周辺を接着剤で接着する方法である。第二の方法は、接着剤又は粘着剤を支持シート上に点状に塗布した後、プリズム要素層と支持シートを相対して重ね合わせて接着する方法である。第三の方法は、棒状の接着剤又は粘着剤を支持シート上に点状に塗布した後、プリズム要素層を相対して重ね合わせて接着する方法である。第四の方法は、支持シート上に接着剤又は粘着剤を塗布した後、プリズム要素層と支持シートを相対して重ね合わせて接着する方法であり、プリズム要素がドーブプリズムの場合は、プリズム頂点が平面であるため、この方法が有効である。図2はプリズム要素3がドーブプリズムであるプリズムシート1の断面図である。
【0045】
プリズム要素層と支持シートの貼り合わせに用いる接着剤又は粘着剤は光学的透明性に優れたものが好ましい。接着剤又は粘着剤の代表的なものとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂,ポリアミド、フェノール、ポリオレフィン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール等があげられるが、必ずしもこれらには限定されるものではない。
【0046】
接着剤としては、ポリオール成分とイソシアネート成分の、通常は各々の溶液からなる2液硬化型ポリウレタン樹脂も用いられる。この場合、ポリオール成分としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニールアルコール等が、イソシアネート成分としては、各種イソシアネート樹脂等が用いられる。
【0047】
接着剤又は粘着剤の塗布に際しては、ロールコーティング法、スクリ−ン印刷法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、ディッピング法、スプレー法等の従来公知の手段を用いることができる。
【0048】
本発明のプリズムシートに、金属酸化物からなる薄膜層を設けて、プリズムシートに水蒸気バリア性を付与することができる。図3はその実施態様を示すもので、金属酸化物からなる薄膜層6がプリズムシート1の上に形成された水蒸気バリア性プリズムシート7である。
【0049】
図4は、水蒸気バリア性プリズムシートを用いた太陽電池用バックシートの断面図である。水蒸気バリア性プリズムシート7及び耐候性樹脂シート9を積層して、接着剤10にて一体化される。
【0050】
図5は、本発明の太陽電池用バックシートの他の例の断面図である。1はプリズムシート、11は水蒸気バリア性シート、9は耐候性樹脂シートであり、この順で積層して、接着剤10にて一体化される。
【0051】
前記水蒸気バリア性シートは、金属酸化物からなる薄膜層を設けた樹脂シートである。図6は該水蒸気バリア性シートを用いた太陽電池用バックシートの断面図であり、12は樹脂シート、13は金属酸化物からなる薄膜層である。
【0052】
前記水蒸気バリア性プリズムシート又は前記水蒸気バリア性シートに用いられる金属酸化物としては、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫からなる群より選ばれた1種以上が用いられる。これらの金属酸化物は単体でも良いし、複合酸化物となっていても良い。薄膜層の形成のしやすさ、水蒸気遮断性能等より、酸化シリコン及び/又は酸化アルミニウムが好んで用いられる。
【0053】
金属酸化物薄膜層の厚さは、用いられる金属酸化物の種類、構成により異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましい。膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや、膜厚が十分ではないことがあり、水蒸気遮断効果を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は金属酸化物薄膜層に可撓性を保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張り等の外的要因により、金属酸化物薄膜層に亀裂を生じるおそれがある。
【0054】
プリズムシート又は樹脂シート上に金属酸化物薄膜層を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、各種CVD法等公知の方法やメッキ法等が用いられる。
【0055】
金属酸化物薄膜層を形成するには、金属アルコキシド及び/又はその加水分解物の1種以上、水溶性高分子等からなる溶液を、プリズムシート又は樹脂シート上に塗布してもよい。前記金属アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、またはこれらの混合物等が好んで用いられる。塗布にはベタ刷り等公知の方法が用いられる。
【0056】
前記水蒸気バリア性シートに用いられる樹脂シートの樹脂は、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、電気絶縁性等に優れたものが好ましい。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等である。樹脂シートの厚みは30〜300μmである。
【0057】
前記樹脂シートに用いられる樹脂としては、かかる樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂が好適である。ここに、ポリエステル系樹脂とは、ジカルボン酸誘導体とジオール誘導体との重縮合体であるポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等である。
【0058】
これらポリエステルのなかでも、特に、ポリエチレンテレフタレートが、機械的性質、熱的性質、電気的性質等に優れているため、本発明の水蒸気バリア性シートに用いられるポリエステルとして、好んで用いられる。諸特性と生産性の上から問題ない範囲内であれば、滑り剤、着色剤、帯電防止剤、低密度化剤等が添加されてもよい。
【0059】
本発明の水蒸気バリア性シートとしては、アルミニウム箔を用いてもよい。アルミニウム箔の材質としては、アルミニウム又はアルミニウム合金があげられ、アルミニウム−鉄系合金(軟質材)が好ましい。アルミニウム−鉄系合金における鉄含有量としては、0.3〜9.0重量%が好ましい。この鉄含有量が0.3重量%未満の場合は、ピンホールが発生する恐れがあり、鉄含有量が9.0重量%を超える場合は、柔軟性が阻害され、加工性が低下するおそれがある。また、アルミニウム箔の材料としては、しわやピンホールを防止する観点から焼きなまし処理を行った柔軟性アルミニウムが好ましい。
【0060】
アルミニウム箔の厚さは9〜25μmが好ましい。アルミニウム箔の厚さが9μm未満の場合は、加工の際にアルミニウム箔の破断が起きやすくなり、またピンホール等に起因して水蒸気バリア性が低下するおそれがある。一方、アルミニウム箔の厚さが25μmを超える場合は、加工のさいにクラック等が発生するおそれがあり、また、太陽電池用バックシートの厚さや重量が増大して、薄型軽量化の流れに反することになる。
【0061】
アルミニウム箔の表面は、溶解、腐食を防止する観点から例えばクロメート処理、リン酸塩処理、潤滑性樹脂被覆処理等の表面処理が施されてもよく、接着性を促進する観点からカップリング処理等が施されてもよい。
【0062】
本発明の太陽電池用バックシートに用いられる耐候性樹脂シートの樹脂は、例えば、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等である。耐候性樹脂シートの厚さは50〜300μmである。
【0063】
前記耐候性樹脂シートの樹脂としては、耐加水分解性で、かつ、耐低分子量体析出性のポリエチレンテレフタレートが好適である。
【0064】
本発明の耐加水分解性で、かつ、耐低分子量体析出性のポリエチレンテレフタレートにおいて、耐加水分解性は、長期間の使用においてポリエチレンテレフタレート自体が加水分解を受けにくいことを意味する。また、耐低分子量体析出性は、長期間の使用においてポリエチレンテレフタレート中に含まれる可能性がある低分子量体がポリエチレンテレフタレートから析出しにくいこと及び/又は析出する可能性がある低分子量体を極微量しか含まないことを意味する。
【0065】
ポリエチレンテレフタレートが加水分解を受けると、分子量が低下し、その結果として、破断強度、破断伸度等の機械的特性、耐熱性、耐湿性等が低下する。また、官能基が生成して、耐水性、耐候性、電気的特性等が低下する。ポリエチレンテレフタレートから低分子量体が析出すると、斑点の発生、黄変等による外観不良、透明性の低下、接着力の低下、電気的特性の低下等が起こる。これらは太陽電池用バックシート及びそれを用いた太陽電池モジュールとしては好ましくない現象である。
【0066】
通常のポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸を縮合重合させたいわゆるポリマーであり、モノマーとポリマーの中間体であるオリゴマーが1.6〜2重量%含まれている。ここで、オリゴマーとは構造単位の繰返しの数(重合度)が2から20程度の低重合体である。オリゴマーの含有量は、核磁気共鳴法、キシレン抽出法等の手段により知ることができる。
【0067】
これに対して本発明で使用する耐加水分解性で、かつ、耐低分子量体析出性のポリエチレンテレフタレートは、重合反応が高度に進んで、オリゴマー含有量が0.8重量%以下である。重合反応が高度に進んでオリゴマー含有量が0.8重量%以下と低くなれば、耐加水分解性に優れた、すなわち、長期の使用にさいして、機械的性質、熱的性質、電気的性質等が安定した優れたシートとすることができる。また、長期の使用において、低分子量体、すなわち、オリゴマーの析出がきわめて少なく、透明性の低下、斑点の発生等が見られないため、性能や外観に悪影響しない。
【0068】
前記ポリエチレンテレフタレートには、諸特性と生産性の上から問題ない範囲内であれば、滑り剤、着色剤、帯電防止剤、低密度化剤等が添加されていてもよい。
【0069】
本発明の太陽電池用バックシートに用いられる耐候性樹脂シートの樹脂としては、フッ素系樹脂も好んで用いられる。フッ素系樹脂としては、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、パーフルオロエチレン−プロペン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選ばれた一種以上が用いられる。
【0070】
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、着色された耐候性樹脂シートを用いてもよい。着色された耐候性樹脂シートを用いることにより、着色されたバックシート、さらには着色された太陽電池モジュールを提供すことができる。
【0071】
耐候性樹脂シートは、通常、白色、黒色、青色等から選ばれた色相に着色される。色相は目的によって異なり、入射光の反射・再利用を重視するときは白色である。また、屋根材としての意匠性、装飾性等を重視するときは黒色、青色等である。
【0072】
白色の耐候性樹脂シートに用いられる白色着色剤としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等の無機着色剤、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機着色剤がある。
【0073】
黒色の耐候性樹脂シートに用いられる黒色着色剤としては、カーボンブラック(チャンネル又はファーネス)、黒色酸化鉄等がある。本発明において、黒色樹脂フィルムは、茶色系あるいは褐色系の黒色、灰色系の黒色等の黒色味を帯びた黒色でもよい。
【0074】
青色の耐候性樹脂シートに用いられる青色着色剤としては、ウルトラマリン、コバルトブルー、プルシアンブルー、ターコイズブルー、マンガニーズブルー、フタロシアニンブルー等がある。また、色相を調整するために、他の色相の着色剤を併用してもよい。
【0075】
着色された耐候性樹脂シートに用いられる白色、黒色、青色等の着色剤の使用量は、樹脂に対して0.1〜15重量%である。
【0076】
着色剤を、予めシート化のための耐候性樹脂組成物に添加し、押出成形等によりシートとすることで、着色剤がシート全体に均一に練り込まれた着色された耐候性樹脂シートを作製することができる。また、必要に応じて、シートを1軸または2軸延伸してもよい。
【0077】
着色された耐候性樹脂シートは、着色剤を、耐候性樹脂シート上に塗布して、着色層を形成することでも作製することができる。着色剤は樹脂、溶剤、粘度調整剤等ともに組成物とされ、ベタ刷り等公知の方法により、樹脂シート上に着色層が形成される。
【0078】
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、プリズムシート、水蒸気バリア性シート、着色樹脂シート及び耐候性樹脂シートを、この順で積層して、接着剤にて一体化することもできる。図7は、着色樹脂シートを用いたバックシートの断面図であり、プリズムシート1、水蒸気バリア性シート11、着色樹脂シート14及び耐候性樹脂シート9を、この順で積層し、接着剤10で一体化される。
【0079】
着色樹脂シートは、通常、白色、黒色、青色等から選ばれた色相に着色される。着色された耐候性樹脂シートと同様に、着色剤を、予めシート化のための樹脂組成物に添加し、押出成形等によりシートとする、着色剤を樹脂シート上に塗布して、着色層を形成する等により作製することができる。
【0080】
前記着色樹脂シートに用いられる樹脂は、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、電気絶縁性等に優れたものが好ましい。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等である。
【0081】
着色樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、かかる樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂が好適である。ここに、ポリエステル系樹脂とは、ジカルボン酸誘導体とジオール誘導体との重縮合体であるポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等である。
【0082】
これらポリエステルのなかでも、特に、ポリエチレンテレフタレートが、機械的性質、熱的性質、電気的性質等に優れているため、本発明の着色樹脂フィルムに用いられるポリエステルとして、好んで用いられる。諸特性と生産性の上から問題ない範囲内であれば、滑り剤、帯電防止剤、低密度化剤等が添加されていてもよい。
【0083】
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、図5のように、プリズムシート、水蒸気バリア性シート及び耐候性樹脂シートを、この順で積層して、接着剤にて一体化される。着色樹脂シートを用いる場合は、図7のように、プリズムシート、水蒸気バリア性シート、着色樹脂シート及び耐候性樹脂シートを、この順で積層して、接着剤にて一体化される。
【0084】
接着・一体化の方法としては、本発明のバックシートを構成する各シートに接着剤を塗布し、重ね合せ、加圧あるいは、加熱下で接着する方法等を用いることができる。
【0085】
接着剤の代表的なものとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂,ポリアミド、フェノール、ポリオレフィン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール等があげられるが、必ずしもこれらには限定されるものではない。
【0086】
接着剤としては、ポリオール成分とイソシアネート成分の、通常は各々の溶液からなる2液硬化型ポリウレタン樹脂も用いられる。この場合、ポリオール成分としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニールアルコール等が、イソシアネート成分としては、各種イソシアネート樹脂等が用いられる。
【0087】
接着剤の厚みは、接着力、水蒸気遮断性等の点で1〜10μmが好ましい。また、接着剤の塗布に際しては、ロールコーティング法、スクリ−ン印刷法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、ディッピング法、スプレー法等の従来公知の手段を用いることができる。
【0088】
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、プリズムシートに易接着処理層を設けてもよい。易接着処理層を設けることにより、バックシートと封止樹脂(通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体)との間の接着力が著しく向上し、その結果、太陽電池モジュールの信頼性が向上する。図8は易接着処理層を設けた太陽電池用バックシートの断面図であり、易接着処理層15は、プリズムシート1の上側に設けられる。
【0089】
易接着処理剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、アクリル系等の熱可塑性樹脂を主成分として含有することが好ましい。これらは常温下でほとんどタック性を有さないものであり、加熱時においてタック性を有するものであればよい。したがって、ガラス転移点が20〜100℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移点が20℃未満の場合には、易接着処理層が常温においてタック性を有しやすく、易接着処理層と易接着処理層を重ね合わせた際に接着してしまう場合があり、取り扱い性に問題を生じる。100℃を超える場合は、接着性が減少する恐れや、易接着処理層が脆くなって密着性が保てなくなる場合がある。
【0090】
易接着処理層の厚さは0.1〜1μmであることが好ましい。0.1μm未満では易接着処理層を施したバックシートと封止樹脂との接着力が不十分になる恐れがある。1μmを超えるとニュートンリングが発生しやすくなる場合があり、光透過率が減少する恐れがある。
【0091】
易接着処理層の形成には、ロールコーティング法、スクリ−ン印刷法、グラビア印刷法、ダイコーティング法、ディッピング法、スプレー法等の従来公知の手段を用いることができる。
【0092】
易接着処理層としては、低密度ポリエチレンを用いることもできる。低密度ポリエチレンとは密度が0.91以上、0.93未満のポリエチレンである。低密度ポリエチレンは引っ張り、引裂き、衝撃、耐折等の機械的強度に優れ、封止樹脂との溶着性にも優れているので、バックシートと封止樹脂との間の接着力が著しく向上する。
【0093】
低密度ポリエチレンは、厚みが10〜100μmのフィルム状態で、プリズムシート上に、例えば、ウレタン系接着剤で貼り合わされるか、直接、溶着される。
【0094】
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の破断伸度保持率が50%以上であることが望ましい。温度85℃、湿度85%の環境下における3000時間のエージングは、太陽電池用バックシートとして、屋外暴露状態で20年間相当の耐久性を検査する試験の一つである。この条件で試験した時の破断伸度保持率が50%未満であれば、バックシートの劣化が著しく、太陽電池用のバックシートとしての役目を果たさない。
【0095】
本発明の太陽電池用バックシートにおいて、温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の交流全面耐電圧保持率が50%以上であることが望ましい。この条件で試験した時の交流全面耐電圧保持率が50%未満であれば、バックシートの電気絶縁性の低下が著しく、太陽電池モジュール用のバックシートとしての役目を果たさない。通常、太陽電池用バックシートとしては、電気絶縁性を十分に保つには、交流全面耐電圧が2000V/mil以上が必要である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
本発明の太陽電池用バックシートの実施態様を図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7及び図8に、本発明の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュールの実施態様を図9に示す。また、従来の太陽電池用バックシートの実施態様を図10、図11及び図12に示す。
【0097】
図9は本発明の太陽電池用バックシート8を用いた太陽電池モジュール16の断面図である。表面保護板であるガラス板17、封止樹脂18、予め配線19を配設した太陽電池セル20、封止樹脂18及び本発明の太陽電池用バックシ−ト8を順次積層し、真空吸引等により一体化した後、加熱圧着成形により一体成形する。太陽電池セルを透過したり、太陽電池セルの間隙を通過したりした太陽光Lは、本発明のバックシート8で反射して、再度、太陽電池セルへ戻り、発電に使われる。その結果、発電効率が向上する。
【発明の効果】
【0098】
本発明によれば、太陽電池用バックシートにおいて、プリズムシートを設けたことで、発電に使われなかった入射光を効果的に太陽電池セルへ戻すことができるので、発電効率が向上した太陽電池モジュールを提供することができる。
【0099】
本発明によれば、太陽電池用バックシートにおいて、着色された樹脂シートを随意に用いることができるので、家庭用、産業用等の様々な建築分野の要望に応えられる着色されたバックシート、さらには、着色された太陽電池モジュールを提供することができる。また、透明タイプのバックシートを提供することもできる。
【0100】
本発明によれば、軽量で優れた耐水性や耐電圧性を具備し、意匠性に優れ、安価な太陽電池用バックシートが得られる。したがって、意匠性に
優れ、軽量で耐久性にも優れ、かつ、電力変換効率が高く、しかも、安価な太陽電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリズムシートの一例を示す断面図である。
【図2】本発明のプリズムシートの他の一例を示す断面図である。
【図3】本発明のプリズムシートの他の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の太陽電池用バックシートの一例を示す断面図である。
【図5】本発明の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池モジュールの断面図である。
【図10】従来の太陽電池用バックシートの一例を示す断面図である。
【図11】従来の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。
【図12】従来の太陽電池用バックシートの他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プリズムシート
2 プリズム要素層
3 プリズム要素
4 支持シート
5 空気層
6 金属酸化物からなる薄膜層
7 水蒸気バリア性プリズムシート
8 バックシート
9 耐候性樹脂シート
10 接着剤
11 水蒸気バリア性シート
12 樹脂シート
13 金属酸化物からなる薄膜層
14 着色樹脂シート
15 易接着処理層
16 太陽電池モジュール
17 ガラス板
18 封止樹脂
19 配線
20 太陽電池セル
21 従来の太陽電池用バックシート
211 光反射性フィルム
212 蒸着フィルム
2121 樹脂フィルム
2122 蒸着層
213 接着剤
22 従来の他の太陽電池用バックシート
221 白色ポリエステルフィルム
222 蒸着フィルム
2221 基材フィルム
2222 無機酸化物薄膜層
223 透明ポリエステルフィルム
224 接着剤
23 従来の他の太陽電池用バックシート
231 基材フィルム
232 接着層
233 金属蒸着層
234 ビーズ
235 バインダー
236 ビーズ塗工層
237 基材フィルム
238 光拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリズムシートを備えていることを特徴とする太陽電池用バックシート。
【請求項2】
前記プリズムシートが、プリズム要素層及び支持シートより構成され、該プリズム要素層と該支持シートが空気層を介して相対するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項3】
前記プリズム要素層のプリズム要素が、直角プリズム、二等辺三角形プリズム、ドーブプリズム等からなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項4】
前記プリズムシートに、金属酸化物からなる薄膜層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項5】
前記金属酸化物からなる薄膜層を設けたプリズムシート及び耐候性樹脂シートを積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項6】
前記プリズムシート、水蒸気バリア性シート及び耐候性樹脂シートをこの順で積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項7】
前記水蒸気バリア性シートが、金属酸化物からなる薄膜層を設けた樹脂シートであることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項8】
前記水蒸気バリア性シートが、アルミニウム箔であることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項9】
前記耐候性樹脂シートの樹脂が、耐加水分解性で、かつ、耐低分子量体析出性のポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項5及び請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項10】
前記ポリエチレンテレフタレートが、オリゴマー含有量が0.8重量%以下であることを特徴とする請求項9に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項11】
前記耐候性樹脂シートの樹脂が、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項5及び請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項12】
前記耐候性樹脂シートが、白色、黒色、青色等から選ばれた色相に着色されたことを特徴とする請求項5及び請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項13】
前記プリズムシート、水蒸気バリア性シート、着色樹脂シート及び耐候性樹脂シートを、この順で積層して、接着剤にて一体化したことを特徴とする請求項6に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項14】
前記プリズムシートに、易接着処理層を設けたことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項15】
温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の破断伸度保持率が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項16】
温度85℃、湿度85%の環境下において、3000時間処理後の交流全面耐電圧保持率が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用バックシート。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載の太陽電池用バックシートを使用したことを特徴とする太陽電池モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−129850(P2011−129850A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299484(P2009−299484)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(302000221)株式会社 デンギケン (8)
【Fターム(参考)】