太陽電池用プレハブ架台の運搬装置
【課題】ある程度まで組み立てられた太陽電池用架台を効率よく運搬できる太陽電池用架台の運搬装置を提供する。
【解決手段】4本の支柱と、各支柱の上端に設置された掛け輪と、各支柱の下端に設置されたキャスターと、一対の支柱を横方向に連結する梁部と、この梁部によって連結された一対の支柱を、支柱の上方にて連結する上方支持材と、上方支持材が連結された支柱同士を支柱の上方支持材より下方にて連結する下方支持材と、を備える。運搬装置はクレーン付き貨物車のクレーンにてクレーン付き貨物車に積載され、運搬後積み下ろされる。運搬装置は基礎の上を移動してプレハブ架台が積み下ろされる。
【解決手段】4本の支柱と、各支柱の上端に設置された掛け輪と、各支柱の下端に設置されたキャスターと、一対の支柱を横方向に連結する梁部と、この梁部によって連結された一対の支柱を、支柱の上方にて連結する上方支持材と、上方支持材が連結された支柱同士を支柱の上方支持材より下方にて連結する下方支持材と、を備える。運搬装置はクレーン付き貨物車のクレーンにてクレーン付き貨物車に積載され、運搬後積み下ろされる。運搬装置は基礎の上を移動してプレハブ架台が積み下ろされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを設置するためのプレハブ架台の運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電システムは地球温暖化防止の観点から急速に普及している。最近ではメガワット級の大規模発電所の建設がおこなわれるようになった。このような大規模太陽光発電施設においては、地上に設置した架台に数万枚規模の多数の太陽電池パネルを設置した太陽電池アレイが設けられる。
【0003】
架台を設置する場合、従来は分解された状態にて搬入される架台の部品を、分解された状態にて架台設置場所まで運搬し、架台を組み立てていた。従って、部品の数量が合わない事態が発生し、作業効率を低下させていた。
【0004】
そこで、ある程度まで架台を組み立てて搬送する方法が考えられている。しかし、組み立てられた架台はかさばる。従って、輸送方法を開発する必要がある。
【0005】
この点に関し、従来は太陽電池モジュールの運搬装置は開発されてきた(例えば、特許文献1)。しかし、これらの装置は太陽電池モジュールの運搬には適するが、ある程度まで組み立てた架台を効率よく運搬することは不可能であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−203684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ある程度まで組み立てられた太陽電池用プレハブ架台を効率よく運搬できる太陽電池用プレハブ架台の運搬装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、4本の支柱と、支柱のそれぞれ上端に設置された掛け輪と、支柱のそれぞれ下端に設置されたキャスターと、一対の支柱を横方向に連結する梁部と、梁部によって連結された一対の支柱を連結する上方支持材と、上方支持材が連結された支柱を上方支持材より下方にて連結し、上方支持材と下方支持材とを結ぶ直線と上方支持材が連結されている支柱とのなす角が、長いほうの架台支柱と架台支持材とがなす角と等しくなるように設置される下方支持材と、を備える太陽電池用プレハブ架台の運搬装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プレハブ架台の効率的な運搬が可能となるという効果がある。また、この効率的な運搬が可能となることにより、架台のプレハブ化が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置の斜視図である。
【図2】図1の矢印Aの方向から見た運搬装置の正面図である。
【図3】図1の矢印Bの方向から見た運搬装置の側面図である。
【図4】プレハブ架台を積載した運搬装置を示す斜視図である。
【図5】図4の矢印Aの方向から見た運搬装置の正面図である。
【図6】図4の矢印Bの方向から見た運搬装置の側面図である。
【図7】上方支持材と下方支持材の断面を示す図である。
【図8】運搬装置のクレーン付き貨物車への積み下ろしを示す図である。
【図9】架台設置現場における運搬装置のプレハブ架台及び取付桟の運搬を示す図である。
【図10】レール付近の拡大図である。
【図11】補助輪を示す図である。
【図12】運搬装置を使用した架台の組み立て作業の様子を模式的にあらわしたブロック図である。
【図13】太陽電池アレイの外観を示す図である。
【図14】運搬装置のレールの応用例を示す図である。
【図15】レールを使用した場合の運搬装置の設置の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る太陽電池用プレハブ架台の運搬装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置(以下、単に運搬装置10と呼ぶ。)の斜視図である。図2は、図1の矢印Aの方向から見た運搬装置10の正面図である。図3は、図1の矢印Bの方向から見た運搬装置10の側面図である。
【0013】
図1乃至図3に示すように、運搬装置10は4本の支柱11と、各支柱の上端に設置された掛け輪16と、各支柱の下端に設置されたキャスター14と、を備える。運搬装置10は、さらに一対の支柱11を横方向に連結する梁部15と、この梁部15によって連結された一対の支柱11を、支柱11の上方にて連結する上方支持材12と、上方支持材12が連結された支柱11同士を支柱11の上方支持材12より下方にて連結する下方支持材13と、を備える。
【0014】
上方支持材12は、ゴムバンドを掛け止めるための複数の掛け止め部12Aを備える。また、梁部15は、ゴムバンドを掛け止めるための複数の掛け止め部15Aを備える。
【0015】
図4は、架台支持材21Aに2本の架台支柱21B、21Cを取り付けたプレハブ架台21を積載した運搬装置10を示す斜視図である。図5は、図4の矢印Aの方向から見た運搬装置10の正面図である。図6は、図4の矢印Bの方向から見た運搬装置10の側面図である。
【0016】
図4乃至図6に示すように、プレハブ架台21は太陽電池モジュールを載置するための架台支持材21Aに長さの異なる2本の架台支柱21B、21Cが取り付けられている。プレハブ架台21は、長いほうの架台支柱21Bと架台支持材21Aとがなす角部を上方支持材12に掛けられ、短いほうの架台支柱21Cと架台支持材21Aとがなす角部を下方支持材13に掛けられることにより、運搬装置10に積載される。架台支持材21Aはさらにゴムバンド12Bが掛け止め部12Aに掛けまわされることにより上方支持材12に固定される。
【0017】
架台を構成する取付桟22は、2本の梁部15に掛け渡されるように積載される。取付桟22はさらにゴムバンド15Bが掛け止め部15Aに掛けまわされることにより梁部15に固定される。
【0018】
図5に示すように、上方支持材12と下方支持材13とを結ぶ直線と上方支持材12が連結されている支柱11とのなす角θ1は、長いほうの架台支柱21Bと架台支持材21Aとがなす角θ2とは等しい。
【0019】
上方支持材12が連結された支柱11と下方支持材13が連結された支柱11との間隔W1は、プレハブ架台21の長いほうの架台支柱21Bと短いほうの架台支柱21Cとの間隔と各架台支柱21B、21Cの幅を合わせた長さW1Aより広い。
【0020】
図6に示すように、上方支持材12及び下方支持材13の長さW3は取付桟22の長さW4より短い。
【0021】
図7は、上方支持材12と下方支持材13の断面を示す図である。図7に示すように、上方支持材12はゴムのような弾性部材12Cによって被覆されている。また、下方支持材13も弾性部材13Cによって被覆されている。従って、運搬の振動によってプレハブ架台21が傷つくことを防止できる。
【0022】
図8は、運搬装置10のクレーン付き貨物車40への積み下ろしを示す図である。図8に示すように、掛け輪16にワイヤ30が通され、ワイヤ30をクレーン41によって釣り上げることにより、クレーン付き貨物車40に運搬装置10が積み下ろされる。
【0023】
図9は、架台設置現場における運搬装置10のプレハブ架台21及び取付桟22の運搬を示す図である。図10はレール51付近の拡大図である。図9及び図10に示すように、コンクリートによって形成される基礎50には、一定間隔にてアンカーボルト52が設置される。一方L字鋼にはアンカーボルト52の間隔に合わせて、アンカーボルト挿通孔53が設けられる。アンカーボルト52をアンカーボルト挿通孔53に挿通して、L字鋼材がレール51として設置される。運搬装置10はこのレール51に沿って移動し、作業員が順にプレハブ架台21と取付桟22を下ろして、組み立ててゆく。
【0024】
図11は、補助輪18を示す図である。図11に示すように、運搬装置10は補助輪18を支柱11の下部に備えてもよい。補助輪18は、支柱11に連結し、下方に直角に屈曲する補助輪アーム18Aと、補助輪アーム18Aの先端に基礎50の側面に接するように、横向きに設置される補助キャスター18Bと、を備える。
【0025】
補助輪18は基礎50の側面に接するため、運搬装置10が基礎50から落下することを防止することができる。
【0026】
図12は、運搬装置10を使用した架台の組み立て作業の様子を模式的にあらわしたブロック図である。図12に示すように、架台の部品は架台部品工場61にて製造される。架台の部品は組み立てられずに高密度に積載されて大規模太陽光発電所62のプレハブ工場63に輸送される。
【0027】
架台の部品はこのプレハブ工場63にてプレハブ架台21が組み立てられ、運搬装置10に所定数量ごとに、取付桟22、及びボルト、ナット類の取付部材とともに積載される。
【0028】
運搬装置10はクレーン付き貨物車40により、現場64にそれぞれ運搬される。現場64にて、運搬装置10ごとクレーン付き貨物車40から積み下ろされる。運搬装置40は基礎50を移動されながら、プレハブ架台21が順に積み下ろされて、架台が組み立てられる。
【0029】
図13は、太陽電池アレイ400の外観を示す図である。架台が組み立てられた後、太陽電池モジュール100が架台に載置され、固定されて太陽電池アレイ400が形成される。
【0030】
図14は、運搬装置10のレール72の応用例を示す図である。図14(A)はレール72の平面図、図14(B)はレール72の側面図、図14(C)はレール72の斜視図である。
【0031】
図14に示すように、基礎50のべた基礎代わりに布基礎71が用いられる場合がある。布基礎71は地面73の下に土台部71Aを有し、所定間隔にて並べられる。架台はこの布基礎71の上に設置される。図14(C)に示すように、レール72はいわゆる溝形鋼(C形鋼)が、開口部を上にして用いられる。レール72は布基礎71の上に敷設され、軌道が形成される。
【0032】
レール72はガイド部材74により保持される。ガイド部材74は側面がL字形状をなし、アンカーボルト挿通孔74Aを底面部に有する。
【0033】
布基礎71はアンカーボルト52を有する。ガイド部材74はアンカーボルト52をアンカーボルト挿通孔74Aに挿通することにより、布基礎71に着脱可能に取り付けられる。
【0034】
図15は、レール72を使用した場合の運搬装置10の設置の様子を示す図である。図15に示すように、運搬装置10のキャスター14の間隔は一対のレール72の間隔と等しい。運搬装置10はキャスター14をレール72の開口部に嵌め込むようにレール72上に載置され、レール72に沿って移動される。
【0035】
なお、レール72に載置される運搬装置10はキャスター14を備える通常の台車であってもよい。
【0036】
以上述べたように、本実施形態の運搬装置10は、4本の支柱11と、各支柱の上端に設置された掛け輪16と、各支柱の下端に設置されたキャスター14と、一対の支柱11を横方向に連結する梁部15と、この梁部15によって連結された一対の支柱11を、支柱11の上方にて連結する上方支持材12と、上方支持材12が連結されていない支柱11同士を支柱11の上方支持材12より下方にて連結する下方支持材13と、を備える。運搬装置10はクレーン付き貨物車40のクレーン41にてクレーン付き貨物車40に積載され、運搬後積み下ろされる。運搬装置10は基礎50の上を移動されてプレハブ架台21が積み下ろされる。
【0037】
従って、プレハブ架台21の効率的な運搬が可能となるという効果がある。また、この効率的な運搬が可能となることにより、架台のプレハブ化が可能となるという効果がある。
【符号の説明】
【0038】
10:運搬装置、
11:支柱、
12:上方支持材、
13:下方支持材、
14:キャスター、
15:梁部、
16:掛け輪。
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを設置するためのプレハブ架台の運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電システムは地球温暖化防止の観点から急速に普及している。最近ではメガワット級の大規模発電所の建設がおこなわれるようになった。このような大規模太陽光発電施設においては、地上に設置した架台に数万枚規模の多数の太陽電池パネルを設置した太陽電池アレイが設けられる。
【0003】
架台を設置する場合、従来は分解された状態にて搬入される架台の部品を、分解された状態にて架台設置場所まで運搬し、架台を組み立てていた。従って、部品の数量が合わない事態が発生し、作業効率を低下させていた。
【0004】
そこで、ある程度まで架台を組み立てて搬送する方法が考えられている。しかし、組み立てられた架台はかさばる。従って、輸送方法を開発する必要がある。
【0005】
この点に関し、従来は太陽電池モジュールの運搬装置は開発されてきた(例えば、特許文献1)。しかし、これらの装置は太陽電池モジュールの運搬には適するが、ある程度まで組み立てた架台を効率よく運搬することは不可能であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−203684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ある程度まで組み立てられた太陽電池用プレハブ架台を効率よく運搬できる太陽電池用プレハブ架台の運搬装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、4本の支柱と、支柱のそれぞれ上端に設置された掛け輪と、支柱のそれぞれ下端に設置されたキャスターと、一対の支柱を横方向に連結する梁部と、梁部によって連結された一対の支柱を連結する上方支持材と、上方支持材が連結された支柱を上方支持材より下方にて連結し、上方支持材と下方支持材とを結ぶ直線と上方支持材が連結されている支柱とのなす角が、長いほうの架台支柱と架台支持材とがなす角と等しくなるように設置される下方支持材と、を備える太陽電池用プレハブ架台の運搬装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プレハブ架台の効率的な運搬が可能となるという効果がある。また、この効率的な運搬が可能となることにより、架台のプレハブ化が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置の斜視図である。
【図2】図1の矢印Aの方向から見た運搬装置の正面図である。
【図3】図1の矢印Bの方向から見た運搬装置の側面図である。
【図4】プレハブ架台を積載した運搬装置を示す斜視図である。
【図5】図4の矢印Aの方向から見た運搬装置の正面図である。
【図6】図4の矢印Bの方向から見た運搬装置の側面図である。
【図7】上方支持材と下方支持材の断面を示す図である。
【図8】運搬装置のクレーン付き貨物車への積み下ろしを示す図である。
【図9】架台設置現場における運搬装置のプレハブ架台及び取付桟の運搬を示す図である。
【図10】レール付近の拡大図である。
【図11】補助輪を示す図である。
【図12】運搬装置を使用した架台の組み立て作業の様子を模式的にあらわしたブロック図である。
【図13】太陽電池アレイの外観を示す図である。
【図14】運搬装置のレールの応用例を示す図である。
【図15】レールを使用した場合の運搬装置の設置の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る太陽電池用プレハブ架台の運搬装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置(以下、単に運搬装置10と呼ぶ。)の斜視図である。図2は、図1の矢印Aの方向から見た運搬装置10の正面図である。図3は、図1の矢印Bの方向から見た運搬装置10の側面図である。
【0013】
図1乃至図3に示すように、運搬装置10は4本の支柱11と、各支柱の上端に設置された掛け輪16と、各支柱の下端に設置されたキャスター14と、を備える。運搬装置10は、さらに一対の支柱11を横方向に連結する梁部15と、この梁部15によって連結された一対の支柱11を、支柱11の上方にて連結する上方支持材12と、上方支持材12が連結された支柱11同士を支柱11の上方支持材12より下方にて連結する下方支持材13と、を備える。
【0014】
上方支持材12は、ゴムバンドを掛け止めるための複数の掛け止め部12Aを備える。また、梁部15は、ゴムバンドを掛け止めるための複数の掛け止め部15Aを備える。
【0015】
図4は、架台支持材21Aに2本の架台支柱21B、21Cを取り付けたプレハブ架台21を積載した運搬装置10を示す斜視図である。図5は、図4の矢印Aの方向から見た運搬装置10の正面図である。図6は、図4の矢印Bの方向から見た運搬装置10の側面図である。
【0016】
図4乃至図6に示すように、プレハブ架台21は太陽電池モジュールを載置するための架台支持材21Aに長さの異なる2本の架台支柱21B、21Cが取り付けられている。プレハブ架台21は、長いほうの架台支柱21Bと架台支持材21Aとがなす角部を上方支持材12に掛けられ、短いほうの架台支柱21Cと架台支持材21Aとがなす角部を下方支持材13に掛けられることにより、運搬装置10に積載される。架台支持材21Aはさらにゴムバンド12Bが掛け止め部12Aに掛けまわされることにより上方支持材12に固定される。
【0017】
架台を構成する取付桟22は、2本の梁部15に掛け渡されるように積載される。取付桟22はさらにゴムバンド15Bが掛け止め部15Aに掛けまわされることにより梁部15に固定される。
【0018】
図5に示すように、上方支持材12と下方支持材13とを結ぶ直線と上方支持材12が連結されている支柱11とのなす角θ1は、長いほうの架台支柱21Bと架台支持材21Aとがなす角θ2とは等しい。
【0019】
上方支持材12が連結された支柱11と下方支持材13が連結された支柱11との間隔W1は、プレハブ架台21の長いほうの架台支柱21Bと短いほうの架台支柱21Cとの間隔と各架台支柱21B、21Cの幅を合わせた長さW1Aより広い。
【0020】
図6に示すように、上方支持材12及び下方支持材13の長さW3は取付桟22の長さW4より短い。
【0021】
図7は、上方支持材12と下方支持材13の断面を示す図である。図7に示すように、上方支持材12はゴムのような弾性部材12Cによって被覆されている。また、下方支持材13も弾性部材13Cによって被覆されている。従って、運搬の振動によってプレハブ架台21が傷つくことを防止できる。
【0022】
図8は、運搬装置10のクレーン付き貨物車40への積み下ろしを示す図である。図8に示すように、掛け輪16にワイヤ30が通され、ワイヤ30をクレーン41によって釣り上げることにより、クレーン付き貨物車40に運搬装置10が積み下ろされる。
【0023】
図9は、架台設置現場における運搬装置10のプレハブ架台21及び取付桟22の運搬を示す図である。図10はレール51付近の拡大図である。図9及び図10に示すように、コンクリートによって形成される基礎50には、一定間隔にてアンカーボルト52が設置される。一方L字鋼にはアンカーボルト52の間隔に合わせて、アンカーボルト挿通孔53が設けられる。アンカーボルト52をアンカーボルト挿通孔53に挿通して、L字鋼材がレール51として設置される。運搬装置10はこのレール51に沿って移動し、作業員が順にプレハブ架台21と取付桟22を下ろして、組み立ててゆく。
【0024】
図11は、補助輪18を示す図である。図11に示すように、運搬装置10は補助輪18を支柱11の下部に備えてもよい。補助輪18は、支柱11に連結し、下方に直角に屈曲する補助輪アーム18Aと、補助輪アーム18Aの先端に基礎50の側面に接するように、横向きに設置される補助キャスター18Bと、を備える。
【0025】
補助輪18は基礎50の側面に接するため、運搬装置10が基礎50から落下することを防止することができる。
【0026】
図12は、運搬装置10を使用した架台の組み立て作業の様子を模式的にあらわしたブロック図である。図12に示すように、架台の部品は架台部品工場61にて製造される。架台の部品は組み立てられずに高密度に積載されて大規模太陽光発電所62のプレハブ工場63に輸送される。
【0027】
架台の部品はこのプレハブ工場63にてプレハブ架台21が組み立てられ、運搬装置10に所定数量ごとに、取付桟22、及びボルト、ナット類の取付部材とともに積載される。
【0028】
運搬装置10はクレーン付き貨物車40により、現場64にそれぞれ運搬される。現場64にて、運搬装置10ごとクレーン付き貨物車40から積み下ろされる。運搬装置40は基礎50を移動されながら、プレハブ架台21が順に積み下ろされて、架台が組み立てられる。
【0029】
図13は、太陽電池アレイ400の外観を示す図である。架台が組み立てられた後、太陽電池モジュール100が架台に載置され、固定されて太陽電池アレイ400が形成される。
【0030】
図14は、運搬装置10のレール72の応用例を示す図である。図14(A)はレール72の平面図、図14(B)はレール72の側面図、図14(C)はレール72の斜視図である。
【0031】
図14に示すように、基礎50のべた基礎代わりに布基礎71が用いられる場合がある。布基礎71は地面73の下に土台部71Aを有し、所定間隔にて並べられる。架台はこの布基礎71の上に設置される。図14(C)に示すように、レール72はいわゆる溝形鋼(C形鋼)が、開口部を上にして用いられる。レール72は布基礎71の上に敷設され、軌道が形成される。
【0032】
レール72はガイド部材74により保持される。ガイド部材74は側面がL字形状をなし、アンカーボルト挿通孔74Aを底面部に有する。
【0033】
布基礎71はアンカーボルト52を有する。ガイド部材74はアンカーボルト52をアンカーボルト挿通孔74Aに挿通することにより、布基礎71に着脱可能に取り付けられる。
【0034】
図15は、レール72を使用した場合の運搬装置10の設置の様子を示す図である。図15に示すように、運搬装置10のキャスター14の間隔は一対のレール72の間隔と等しい。運搬装置10はキャスター14をレール72の開口部に嵌め込むようにレール72上に載置され、レール72に沿って移動される。
【0035】
なお、レール72に載置される運搬装置10はキャスター14を備える通常の台車であってもよい。
【0036】
以上述べたように、本実施形態の運搬装置10は、4本の支柱11と、各支柱の上端に設置された掛け輪16と、各支柱の下端に設置されたキャスター14と、一対の支柱11を横方向に連結する梁部15と、この梁部15によって連結された一対の支柱11を、支柱11の上方にて連結する上方支持材12と、上方支持材12が連結されていない支柱11同士を支柱11の上方支持材12より下方にて連結する下方支持材13と、を備える。運搬装置10はクレーン付き貨物車40のクレーン41にてクレーン付き貨物車40に積載され、運搬後積み下ろされる。運搬装置10は基礎50の上を移動されてプレハブ架台21が積み下ろされる。
【0037】
従って、プレハブ架台21の効率的な運搬が可能となるという効果がある。また、この効率的な運搬が可能となることにより、架台のプレハブ化が可能となるという効果がある。
【符号の説明】
【0038】
10:運搬装置、
11:支柱、
12:上方支持材、
13:下方支持材、
14:キャスター、
15:梁部、
16:掛け輪。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4本の支柱と、
前記支柱のそれぞれ上端に設置された掛け輪と、
前記支柱のそれぞれ下端に設置されたキャスターと、
一対の前記支柱を横方向に連結する梁部と、
前記梁部によって連結された一対の前記支柱を連結する上方支持材と、
前記上方支持材が連結された前記支柱を前記上方支持材より下方にて連結し、前記上方支持材と前記下方支持材とを結ぶ直線と前記上方支持材が連結されている前記支柱とのなす角が、長いほうの架台支柱と架台支持材とがなす角と等しくなるように設置される下方支持材と、
を備える太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項2】
前記上方支持材及び前記梁部は、
ゴムバンドを掛ける複数の掛け止め部を備える請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項3】
前記上方支持材及び前記下方支持材の長さは取付桟の長さより短い請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項4】
前記支柱に連結し、下方に直角に屈曲する補助輪アームと、
前記補助輪アームの先端に基礎の側面に接するように、横向きに設置される補助キャスターと、
を備える補助輪をさらに備える請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項5】
前記運搬装置の移動方向に沿って敷設されるレールをさらに備える請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項6】
前記レールは断面がL字形状をなす請求項5記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項7】
前記レールは溝形鋼である請求項5記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項8】
前記レールは基礎に設置されるアンカーボルトに着脱可能に設置される請求項5記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項9】
複数個並べて設置される布基礎の上に溝形鋼を敷設して軌道を形成し、この軌道上に太陽電池用プレハブ架台を載置して運搬する、キャスターを備える運搬装置を載せ、この運搬装置に太陽電池用プレハブ架台を載置して前記軌道に沿って運搬することを特徴とする太陽電池用プレハブ架台の運搬装置の運搬方法。
【請求項1】
4本の支柱と、
前記支柱のそれぞれ上端に設置された掛け輪と、
前記支柱のそれぞれ下端に設置されたキャスターと、
一対の前記支柱を横方向に連結する梁部と、
前記梁部によって連結された一対の前記支柱を連結する上方支持材と、
前記上方支持材が連結された前記支柱を前記上方支持材より下方にて連結し、前記上方支持材と前記下方支持材とを結ぶ直線と前記上方支持材が連結されている前記支柱とのなす角が、長いほうの架台支柱と架台支持材とがなす角と等しくなるように設置される下方支持材と、
を備える太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項2】
前記上方支持材及び前記梁部は、
ゴムバンドを掛ける複数の掛け止め部を備える請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項3】
前記上方支持材及び前記下方支持材の長さは取付桟の長さより短い請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項4】
前記支柱に連結し、下方に直角に屈曲する補助輪アームと、
前記補助輪アームの先端に基礎の側面に接するように、横向きに設置される補助キャスターと、
を備える補助輪をさらに備える請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項5】
前記運搬装置の移動方向に沿って敷設されるレールをさらに備える請求項1記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項6】
前記レールは断面がL字形状をなす請求項5記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項7】
前記レールは溝形鋼である請求項5記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項8】
前記レールは基礎に設置されるアンカーボルトに着脱可能に設置される請求項5記載の太陽電池用プレハブ架台の運搬装置。
【請求項9】
複数個並べて設置される布基礎の上に溝形鋼を敷設して軌道を形成し、この軌道上に太陽電池用プレハブ架台を載置して運搬する、キャスターを備える運搬装置を載せ、この運搬装置に太陽電池用プレハブ架台を載置して前記軌道に沿って運搬することを特徴とする太陽電池用プレハブ架台の運搬装置の運搬方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−225021(P2011−225021A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93988(P2010−93988)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(390014568)東芝プラントシステム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(390014568)東芝プラントシステム株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
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