説明

失血を抑制する装置及び方法

刺穿部位からの失血を抑制する装置。この装置は、血管壁の刺穿部位を定める手段を備えることができる。この装置は、管及び管の周囲に配置された伸延部材からなる。伸延部材は近位端及び遠位端を含む。溶解性遠位カプセルも管の周囲にあり、遠位部は近位端及び遠位端を含み、遠位カプセルの近位端は近位端及び遠位端を含み、遠位カプセルの近位端は伸延部材の遠位端に付着されている。遠位カプセルの内部にスポンジなど止血材料が存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管の刺穿部位(puncture sites)、生検部位(biopsy tracts)、及び他の刺穿による創傷部位の止血システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
診断及びインターベンション処置(interventional procedures)の多くは、機器の静脈または動脈中への経皮導入(percutaneous introduction)を伴うものである。たとえば、冠動脈血管形成術(coronary angioplasty)、血管造影法(angiography)、 アテローム切除術(atherectomy)、動脈へのステント移植(stenting)、及び他の多くの処置法は、大腿動脈または他の血管中に配置されたカテーテルを介して脈管構造にアクセスするものである。処置が完了し、カテーテルまたは他の器具を除去した後に、刺穿された動脈からの出血を制御しなければならない。
【0003】
伝統的には、皮膚の入口部位に外圧を加えて、血管の刺穿創傷からの出血を止める。加圧は、刺穿部位が止血されるまで継続される。場合によっては、1時間またはそれ以上にわたって圧力が加えられなければならず、その間、患者は動くことができずに不快な思いをする。さらに、十分な凝血によって止血されるまでは皮膚下で血管からの出血が続くため、血腫ができる恐れがある。また、血管の刺穿部位を閉鎖するための外圧は、血管が皮膚の表面に近接している場合に最良に作用するが、相当な量の皮下脂肪層を有する患者には、皮膚の表面が血管の刺穿部位からかなり離れているために不適切なことがある。
【0004】
皮下の血管刺穿部を閉鎖する他の手法は、シアノアクリレートなど非吸収性組織接着剤を刺穿部位に供給するものである。こうしたシステムは、米国特許文献1に記載されている。
【0005】
コラーゲンなど吸収性材料または非吸収性組織接着剤を刺穿部位へ塗布することには幾つかの欠点がある。この欠点には、1)血管中に材料を注入することによって血栓が生じることがあり、2)吸収性材料のプラグを刺穿部位上に直接正確に配置することができないことが含まれる。
【0006】
アンカー及びプラグシステムの使用は、この問題にある程度対処するものであるが、他の問題がある。この問題には、1)適用が複雑で難しく、2)適切に配置された場合は、血管がアンカーによって部分的に閉塞され、3)不適切に配置された場合は、血管または血管枝がアンカーによって完全に閉塞されることが含まれる。アンカー及びプラグシステムに関する他の問題は再アクセスに関するものである。アンカー及びプラグシステムで封鎖された特定の血管部位への再アクセスは、再アクセスの試みによってアンカーが血液流中に剥がれ落ちる可能性があるため、アンカーが完全に吸収されるまで可能ではない。
【0007】
したがって、血管壁の位置を正確に定め、刺穿部位上に止血材料を供給することができるシステムを提供することが望ましい。同様に、固形臓器の経皮的針生検(percutaneous needle biopsy)の後に続いて止血をする必要がある。
【0008】
固形臓器の経皮的針生検は、最も一般的なインターベンション医療処置法である。合衆国及び世界中で毎年非常に多数の経皮的針生検が行われている。経皮生検は安全な処置法であり、腎生検及び肝生検など多くの適用例で外科生検(surgical biopsy)に取って代わるものになっている。
【0009】
針生検の可能な合併症には、生検部位の出血が含まれる。出血量は、針のサイズ、組織試料のサイズ、患者の凝血状況、及び生検部位の位置を含む幾つかの要因に関連する。肝臓などの血管器官は、一般の生検標的であり、針生検後にかなり出血することがある。
【0010】
GELFOAM(商標)など無菌スポンジは、乾燥無菌シート内に用意され、シートは外科手術中に出血を制御する包装材として使用される。スポンジシートは外科手術後、止血用に外科手術部位に残され、身体に吸収される。幾つかの技術では、こうした吸収性無菌スポンジ材料を使用して、生検部位を塞ぎ、出血を最小限に抑え、または抑制している。吸収性スポンジによって、部位の機械的閉塞がもたらされ、凝血を促し、生検部位を通しての出血が最小限に抑えられる。
【特許文献1】米国特許第5,383,899号明細書
【特許文献2】米国特許第2,465,357号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、生検部位または他の刺穿創傷部位で止血をする確実な技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様により、ゼラチンカプセル内に含まれたゼラチンスポンジなど止血材料を含む止血デバイスを提供される。止血材料及びカプセルデバイスは、哺乳動物の体内の選択部位に供給されて、機器の静脈または動脈中への経皮的導入などインターベンション処置法または経皮的生検処置法の後に続いて止血をするものである。供給された後に、カプセルが血液または他の流体と接触して溶解することによって、止血材料が放出され、流体を吸収し膨脹して止血をもたらす。
【0013】
本発明の他の態様によれば、器具の静脈または動脈中への経皮的導入、あるいは経皮的生検処置法に後続して、刺穿部位からの失血を抑制する装置は、管と、管の周囲に配置され近位端及び遠位端を含む伸延部材(elongated member)と、近位端及び遠位端を含み管の周囲に配置された溶解性遠位カプセルであって、溶解性遠位カプセルの近位端が伸延部材の遠位端に付着されている溶解性遠位カプセルと、及び溶解性遠位カプセルの内部に配置された止血材料とを含む。
【0014】
本発明の他の態様によれば、患者の血管の刺穿部位で止血をする方法は、患者の動脈の刺穿部位から延びるガイドワイヤの近位端上に止血材料供給システムを配置するステップであって、供給システムが、ガイドワイヤを受けるための管腔を有する伸延部材、溶解性遠位カプセル、及び溶解性遠位カプセルの内部に配置された止血材料を含んでいるステップ、遠位カプセルを溶解するステップと、及び伸延部材を引き込むステップとを含む。
【0015】
本発明の他の態様によれば、血管壁内の刺穿部位の位置を定め、刺穿部位からの失血を抑制するシステムは、管と、管の周囲に配置された伸延部材と、管の周囲に配置された溶解性遠位カプセルと、溶解性遠位カプセルの内部に配置された止血材料を有する止血材料供給システムと、制御先端部及び制御先端部本体を有する制御先端部アセンブリとを含む。
【0016】
本発明の他の目的、特徴、及び付随する利点は、添付の図面と併せて、本発明により構築された実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本出願の発明を、添付の図面を参照し、単に一例として挙げた装置及び方法の好ましい実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0018】
図面の図を参照すると、幾つかの図にわたって同様の参照番号は同一または対応する要素を示す。
【0019】
図1は、本発明による、血管壁の刺穿部位の位置を定め、刺穿部位からの失血を抑制するための装置10を示す。装置10は、管12、伸延部材(elongated member)14、溶解性遠位カプセル20、及び溶解性遠位カプセル20の内部に配置されたスポンジ26を備える。伸延部材14は、近位端16及び遠位端18を有し、管12の周囲に配置されている。好ましい一実施形態では、伸延部材14の遠位端18は、実質的に凹形の半球形をしている。しかし理解されるように、伸延部材14の遠位端18は、溶解性遠位カプセル20の内部に配置されたスポンジ26を収容する矩形、段付きまたは平坦な表面を含む任意の凹形状を有することができる。伸延部材14は、この伸延部材14の遠位端18に接触ゾーン34を有し、接触ゾーン34内で伸延部材14は伸延部材14のより近位部分の外径よりもわずかに小さい外径を有して、溶解性遠位カプセル20が伸延部材14の接触ゾーン34上に摺動できるようになされている。好ましい実施形態では、接触ゾーン34内の伸延部材14の外径は、溶解性遠位カプセル20の内径と等しく、遠位カプセル20の外径は接触ゾーン34に近接する伸延部材の外径と等しくなっており、それによって溶解性遠位カプセル20から伸延部材14への平滑な移行がもたらされる。接触ゾーン34に近接する伸延部材14の外径は、血管の刺穿部に置かれたアクセスシースまたはデバイスよりもわずかに大きく、好ましくは2Frだけ大きい。
【0020】
管12は近位端22及び遠位端24を有し、伸延部材14の近位端16から遠位端18を超えて長手方向に延びる。管12の内径は、約0.040から0.120インチ、好ましくは約0.050から0.090インチであり、図3で示したようにガイドワイヤ30を緩く収容しなければならない。管12の壁の厚さは、約0.0005から0.005インチであり、好ましくは0.001から0.002インチである。管12の内径62は、管12の遠位端24で、溶解性遠位カプセル20の円筒形セクション80を収容するために、管12の近位部分に沿って管12の内径60よりもわずかに大きくなっている。好ましい一実施形態では、管12の内径60は溶解性遠位カプセル20の縁部の内径64と等しい。当業者に理解される理由で、管12を任意選択で血液凝固を抑制する材料で被覆あるいは他の方法で保護することができる。一例であって限定するものではないが、ヘパリン(たとえばヘパリン添加)、tPa、または、血液が管12中で凝血あるいは他の方法で凝固するのを抑制する他の機能的に類似した材料もしくは化合物を含む材料で管12を被覆することができる。
【0021】
溶解性遠位カプセル20は管12の周囲に配置され、近位端67及び遠位端68を有する。溶解性遠位カプセル20及び管12は、その間にスポンジ26のための同軸空間66を形成する。溶解性遠位カプセル20の近位端67は、伸延部材14の遠位端18の周囲に堅く嵌まっており、接着剤またはゼラチン溶液で伸延部材14に付着することができ、またはカプセルを湿らすことによって粘着性を持たせてから、カプセル20を管の周囲に配置して、カプセルと管が共に接着するようにできる。あるいは図1aで示すように、摩擦係合によって、またはカプセル20内に形成された環状リング76と伸延部材14内に形成された対応する環状の溝78などのインターロックシステムによって、カプセル20を伸延部材14に対して保持することができる。
【0022】
溶解性遠位カプセル20は、近位端67及び遠位端68を有する外側管状セクションを備える。近位端67は開放され、伸延部材の遠位端18で伸延部材14の外径36よりもわずかに大きいかそれに等しい内径を有する。溶解性遠位カプセル20の遠位端68は丸みが付けられて、装置10が表皮外層及び皮下組織を通って挿入されるときに、皮下組織に引っかかるのを防ぐようになされている。カプセル20の遠位端は、管12を受けるための円筒形セクション80を有する。円筒形セクション80は、近位端82及び遠位端84を有しており、円筒形セクション80の外径は管12の内径よりもわずかに小さいか概ね等しい。
【0023】
伸延部材14は、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリカーボネートなど剛体または半剛体ポリマーが好ましいが、SSTを含む任意の適した材料で作製することができる。管12は、任意の数のポリマーまたは薄壁SSTから作製することができる。溶解性遠位カプセル20は、UpjohnからのGelfilm(登録商標)またはゲルキャップビタミンのようなゼラチン膜など周知の吸収性、生体親和性材料から作製される。好ましくはゼラチン膜を使用する。遠位カプセルを形成するゼラチン膜の硬度は好ましくは、ショアAスケールで約40から約80であり、好ましくは通常「高」ブルーム(bloom)と呼ばれる少なくとも270ブルームを有する。しかし場合によっては、ゼラチン膜はこうした範囲外の硬度及びブルームを有してもよい。
【0024】
スポンジ26は好ましくは、透水性、可溶性ゼラチンベースのスポンジである。スポンジ26の代わりに、細繊維コラーゲン、コラーゲンスポンジ、再生酸化セルロース、コラーゲン粉、またはヒドロゲル粒子など他の止血材料を使用することもできる。あるいは、スポンジを吸収性コラーゲンまたは他のタイプの吸収性ポリマーから構成することもできる。本発明で使用することができる吸収性スポンジ材料の1タイプは、Pharmacia & Upjohn Companyによって製造されたGelfoam(商標)である。Gelfoam(商標)は、多孔性、たわみ性の架橋ゼラチン材料であり、事前圧縮または非圧縮スポンジとしてシート形態で市販されている。あるいは、適した有機溶剤(たとえばホルムアルデヒド)とゼラチン水溶液を混合してスポンジを作製することができる。有機溶剤によってゼラチンポリマーの架橋が促進される。グルタルアルデヒドも適していると考えられる。次いで、通常、得られた溶液を室温よりもわずかに高い温度(30℃〜40℃)で保温する。その後、溶液に空気を吹き込んで泡立たせ、その気泡を乾燥させて吸収性スポンジ材料を作製する。
【0025】
適した吸収性スポンジ材料は、参照により本明細書に組み込む特許文献2に記載されている。
【0026】
装置10は、管12を溶解性遠位カプセル20内に配置し、次いでスポンジ26を圧縮してそれを管12と溶解性遠位カプセル20の間の同軸空間66内に配置して組み立てることができる。スポンジは、非圧縮断面の厚さの90%〜5%に圧縮することができる。次いで、伸延部材14を管12の近位端22の上に配置し、溶解性遠位カプセル20内に挿入して、必要に応じてスポンジをさらに圧縮するための圧力を加えるのに使用することができるようにする。
【0027】
図2は、制御先端部アセンブリ40をさらに備えた図1の装置10の一代替実施形態を示す。制御先端部アセンブリ40は装置10の近位端で管54に取り付けられている。制御先端部アセンブリ40は、近位端部分42、遠位ポート50を有する遠位端部分46、及び近位端部分42と遠位端部分46の間の中央部分44を備える。制御先端部アセンブリ40は、近位端部分42と遠位端部分46の間で長手方向に延在する管腔51を含む。この管腔も管54を通って延在する。当業者には簡単に理解される理由で、管腔51を任意選択で被覆し、または他の方法で血液凝固を抑制する内面を設けることができる。さらに、一例であって限定するものではないが、ヘパリン(たとえばヘパリン添加)、tPa、または、血液が管腔51中で凝血あるいは他の方法で凝固するのを抑制もしくは阻止する他の機能的に類似した材料あるいは化合物を含む材料で管腔51を被覆することができる。
【0028】
図2で示したように、中央部分44は、一定の外径を有することが好ましい。近位端及び遠位端は先細りになされているが、理解されるように、別法として近位端部分42及び遠位端部分46に段を付け、または丸みを付けた肩などにすることができる。制御先端部アセンブリ40は、制御先端部アセンブリ40の外側と管腔51を連結する穴52も含む。管腔51は、ガイドワイヤ、好ましくは共に使用される交換ワイヤの外径よりも大きくなるように選択された内径を有する。さらに、複数の穴(図示せず)を、円周方向に間隔を置いて穴52と同じ長手方向の位置に制御ヘッド内に形成することができる。
【0029】
制御先端部アセンブリ40の近位端部分42及び遠位端部分46は、管腔51の内部寸法が、中央部分44内で、制御先端部アセンブリ40の近位端部分42及び遠位端部分46内よりも大きくなるようになされた比較的薄い壁でもよい。また上記で簡単に記載したように、制御先端部アセンブリ40の遠位端部分46は、制御先端部アセンブリと共に使用されるガイドワイヤ30の外径よりも大きく、好ましくはわずかに大きくなるように選択された内側口径を有する遠位ポート50を含む。遠位ポート50の機能をガイドワイヤ30と併せて以下にかなり詳細に記載するが、本発明の一態様では、ガイドワイヤ30の外径及び遠位ポート50の内径がわずかに異なるように選択することによって、制御先端部アセンブリ40の内部に流れ込む血流が大幅に制限され、したがって穴52が、血液が制御先端部内に入り管腔51内で上方に流れて制御先端部アセンブリ40が血管内に位置付けられたことを示す唯一の入口になるようにすることができる。
【0030】
制御先端部アセンブリは、熱可塑材など可撓性、生体親和性材料で形成されることが好ましい。一例であって限定するものではないが、制御先端部を形成する材料のショア硬度は約98A〜74Dである。
【0031】
本明細書では制御先端部アセンブリに関する中央部分44の外径は約4フレンチ(4 French)から約10フレンチであり、好ましくは約6フレンチから約8フレンチである。中央部分44の外径は、刺穿に使用されるアクセスシースに等しいか同様の径が好ましい。制御先端部アセンブリの長さは、最遠位端と近位端部分42の近位端の間で少なくとも約1インチ、好ましくは約8インチ(6.4cm)、より好ましくは約2から4インチである。こうした寸法の制御先端部アセンブリは、本明細書に記載するような刺穿部位、具体的には経皮的血管アクセス中に使用される穿刺部位の制御に非常に適している。
【0032】
図3は、図1で示した装置10の操作を示す。患者の脈管構造にアクセスするための経皮的アクセスシースを部分的に使用して実施される腔内(endoluminal)処置の後、ガイドワイヤ30をシースに通して前進させ、血管壁の刺穿部位70を通して患者の血管72中に入れ、シースを除去する。次いで装置10をガイドワイヤ30上に配置し、患者の皮膚を通して押し込む。操作者は、装置10を使用して動脈72の中に押し込んで所望の供給位置を定める。操作者は、所望の供給位置を定めた後、管12を引き込めてスポンジ26の少なくとも一部を血管72からの血液に露出する。それによってスポンジの膨脹プロセスが開始される。同時に溶解性遠位カプセル20が血液に露出されて、軟化し溶解し始める。溶解性遠位カプセル20は約30秒から10分、好ましくは約1分で溶解する。溶解性遠位カプセルが溶解した後、スポンジ26は刺穿部位の中に自由に膨脹する。溶解性遠位カプセル20自体も、カプセルが軟化し溶解する結果、伸延部材14から放出される。操作者は、カプセルの溶解中及び溶解後に、その部位に圧力を加えることができる。次いで操作者は、スポンジ26を覆う組織に拡散する外圧を加え、ガイドワイヤ30及び伸延部材14を除去することができる。
【0033】
図2の装置10の実施形態の使用を図4で示す。操作者は、制御先端部アセンブリ40を患者の動脈から延びているガイドワイヤ30の近位端上に配置し、患者の皮膚を通して装置を押し込む。装置10を動脈の刺穿部位70中に押し込むことによって所望の位置を定める。制御先端部アセンブリ40は、ブリードバック穴52を介して、または管54を通して止血及びブリードバック(bleedback)など追加の利点を提供する。所望の供給位置が得られた後、管12が刺穿部位70及び血管72から引き込められて、スポンジ26が露出される。それによってスポンジ26の膨脹プロセスが開始される。ユーザが管54のブリードバックが大幅に減少したことを観察した場合、刺穿部位70を制御するのに十分なだけ制御先端部アセンブリ40を引き込むことができる。上記で図3に関連して論じたように、溶解性遠位カプセル20は軟化し溶解して、スポンジ26を刺穿部位中に放出し、スポンジ26を伸延部材14から取り外す。次いで、制御先端部アセンブリ40を刺穿部位70及び皮膚74から完全に除去する。操作者は、カプセルの溶解中及び溶解後に、その部位に圧力を加えることができる。次いで操作者は、スポンジ26を覆う組織に拡散する外圧を加え、ガイドワイヤ、伸延部材14、及び管12が除去されていない場合は管12を除去することができる。
【0034】
図5で示した代替実施形態では、図1で示した管12が取り除かれている。装置90は、ガイドワイヤ110を受けるための管腔92を有する伸延部材94、管腔92の周囲に配置された溶解性遠位カプセル100、及び溶解性遠位カプセル100の内部に配置されたスポンジ116を備える。ガイドワイヤ110を受けるための(伸延部材94の内面で画定された)管腔92は、伸延部材94の近位端96から伸延部材94の遠位端98まで延在する。溶解性遠位カプセル100は、上記のように伸延部材94の遠位端98に付着している。この実施形態では、溶解性カプセルは、外側円筒形部分104と概ね同じ長さだけ、かつ伸延部材94の少なくとも一部内に延びる内側円筒形部分102を備える。カプセルは内側円筒形部分102と外側円筒形部分104の間に延在する丸みを付けた端部106を有する。
【0035】
操作では、装置90は、図5で示したように患者の動脈から延びるガイドワイヤ110の近位端112上に配置され、装置90が患者の体内に進められる。装置90を、所望の供給部位を獲得するために動脈の刺穿部位中に押し込めることによって所望の位置を定める。それによってスポンジ116の膨脹プロセスが開始され、溶解性遠位カプセル100が迅速に軟化し溶解し始める。溶解性遠位カプセル100が溶解した後、スポンジ116は刺穿部位中に自由に膨脹し、それ自体が刺穿部位内で固定される。溶解性遠位カプセル100自体も、溶解性遠位カプセル100が軟化し溶解した結果、伸延部材94本体から放出される。
【0036】
図6は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は溶解性カプセル122を備える止血デバイス120を示す。溶解性カプセル122は、この実施形態の止血デバイスが図5で示した伸延部材94など伸延部材に連結されるように設計されていないこと以外は、図5で示した遠位カプセル100と実質的に同じである。図6の実施形態では、カプセル122の近位端124を開放してもよく、または丸みを付けた端部106と同様に閉鎖してもよい。
【0037】
図7は、図6の実施形態と同様の他の実施形態を示す。ただし、図7の実施形態では、保持先端部130が丸みを付けた端部106に固定されている。保持先端部は、実質的に円筒形であり、保持先端部130の中央管腔は溶解性カプセル122の管腔と同軸である。
【0038】
図8は、図7の実施形態と同様の他の実施形態を示す。ただし図8の実施形態では、複数の保持アンカー132がカプセル122上に設けられている。保持アンカー132は、カプセル122の円周の周りに形成された1つまたは複数の隆起部からなる。その機能を以下で説明する。
【0039】
図8で示したように、止血デバイス120は患者の皮膚74内に挿入される。操作者は、挿入処置中に止血デバイス120を刺穿部位70に対して適切な位置に維持する助けをする保持先端部130を使用する。また、保持アンカー132は、操作者がワイヤ30を除去する間、かつその後にデバイスが溶解するまでデバイスが適切な位置に配置されるように保持する助けをする。操作者は、止血デバイスを挿入して止血デバイスが患者の皮膚140の表面上に延びるようにし、または患者の皮膚142の表面下に押し込むことができる。
【0040】
図9は他の実施形態を示す。この実施形態では、近位の溶解性カプセル144は遠位の溶解性カプセル145の近位端に固定されている。溶解性カプセル144と145の両方は、圧縮されたスポンジを備えているが、スポンジは図を見やすくするために示していない。このとき、近位の溶解性カプセル144の径は、遠位の溶解性カプセル145の径よりも小さい。管腔146はデバイスを通って延在する。
【0041】
図10は、図9で示した止血デバイスの挿入及び配置の助けをする配置デバイス156を示す。この配置デバイスは、円筒形ハンドル150、及びハンドルの遠位端に固定された円柱152を備える。管腔154は、ハンドル150及び柱152を通って軸方向に配置されている。
【0042】
図11及び12は、図9及び10のデバイスの操作を示す。この実施形態では、図9の止血デバイスは、遠位カプセル145の近位部分が柱152の遠位端と接触するまで、配置デバイスの管腔内に挿入される。次いで、ワイヤ30が図9のデバイスの管腔146を通して挿入され、操作者はハンドルを使用して、遠位の溶解性カプセル145が血管72の外面と接触するまで止血デバイスを患者の皮膚を通して押し込む。次いで操作者は、図12で示したように、止血デバイスを定位置に残して配置デバイス156を引き込む。ガイドワイヤは、配置デバイス156を除去する前または後に除去することができる。
【0043】
図13は他の実施形態を示す。この実施形態は、図2で示し上記に記載した制御先端部アセンブリ40を備える。近位ゼラチンカプセル158は、制御先端部アセンブリ40にその近位で連結される。近位ゼラチンカプセル158は、円錐台形部分160、及び円錐形部分の遠位端に連結された円筒形部分162からなる。そのどちらも溶解性遠位カプセル20と同じ材料、たとえばゼラチンで作製される。スポンジ26と同じ材料で形成された圧縮スポンジ164は近位ゼラチンカプセル158内に配置される。近位ゼラチンカプセル158は、両端に円筒形の開口部を含み、制御先端部40及び管54を覆って堅く嵌まっているため、操作者が患者皮膚を通してデバイスを押し付けた場合に、近位ゼラチンカプセル158の先行縁部と皮膚の間の摩擦抵抗が最小限に抑えられる。さらに、圧縮スポンジ164を管54及び制御先端部アセンブリ40に対して硬く充填し、その間で摩擦が生じるようにして、操作者が患者の皮膚を通してデバイスを押し付けた場合に、近位ゼラチンカプセル158が定位置に保持されるようにすることができる。あるいは、制御先端部アセンブリ40及び近位ゼラチンカプセル158を、すでに定位置に置いた処置的アクセスシースを通して挿入することもできる。
【0044】
図14で示した実施形態は、制御先端部アセンブリ40が図1を参照して上記に記載した溶解性遠位カプセル20の材料など迅速な溶解性材料で形成されること以外は、図13で示した実施形態と同様である。
【0045】
図13及び14の実施形態の操作では、操作者は上記に記載の実施形態と同じ方法で患者の皮膚を通してデバイスを挿入する。体液が近位ゼラチンカプセルと接触すると、カプセルが溶解して圧縮スポンジ164が放出され、止血が行われる。
【0046】
図14aは、近位ゼラチンカプセル158の遠位端から穴52までの距離が3つの選択位置52a、52b、52cのうちの1つである実施形態を示す。位置52aは、アセンブリ188が押し込まれ、操作者が、血管72の内部から穴52に入る血液によるブリードバックを最初に観察することができたときにデバイスが適切に位置付けられるように選択される。この例では、位置52aは、穴52aが近位ゼラチンカプセル158の遠位端から距離d1のところに位置付けられて、止血材料が血管の正確に外側に放出されるように選択されている。あるいはブリードバック穴52bが使用される。ブリードバック穴52bはd1よりも短いd2に位置付けられており、アセンブリ188は、ブリードバックが示されるまで押し込まれ、次いでブリードバックの提示が最初に停止されるまで引き抜かれ、この場合にデバイスが適切に位置付けられるようになされている。この例では、d2は、止血材料が血管の正確に外側に位置付けられるように選択される。あるいは、ブリードバック穴52cを使用することもできる。ブリードバック穴52cは、d2よりも短いd3に位置付けられており、アセンブリ188が、ブリードバックが示されるまで押し込まれ、次いでブリードバックの提示が最初に停止されるまで引き抜かれ、次いで追加の所定の距離だけ引き抜かれる。この例で示されたd3及び所定の距離は、止血材料が血管の正確に外側に位置付けられるように選択される。
【0047】
図13、14、及び14aで示した実施形態では、近位ゼラチンカプセル158の近位に延びる管54の一部は、制御先端部40よりも小さい径、または制御先端部40と等しい径を有することができる。管54が制御先端部40よりも小さく、制御先端部の外径がアクセスシース182の内径と等しいかそれよりも小さい場合、カプセルを図14bで示したように位置付けることができる。すでに血管72内に延びるシースで開始し、アセンブリ188を、円筒形部分162がシース182の遠位端190の遠位に延び、ブリードバックの提示がシースの遠位端190に入る血液を介して観察されるまでシース182を通して押し込む。次いで、ブリードバックの提示が最初に停止されるまで、アセンブリ188及びシース182を1つのものとして引き抜く。次いで、シース182及びアセンブリ188を、止血材料を適切に位置付けるために「追加の距離」だけ引き込む。図14bでは、「追加の距離」は、近位カプセル158の長さからその円筒形部分162の長さを除いた長さ「T」に等しい。
【0048】
図15は、針180及び(図で示した)管腔184を有するガイド182を備えた従来の生検デバイスを示す。操作者が針180で組織試料を収集した後、針を除去してガイド182を定位置に残す。次いで操作者は、図16で示したように、止血デバイス186をガイド182に通して挿入する。止血デバイス186は、1枚のスポンジ材料を硬くローリングしてシリンダを形成し、そのシリンダをゼラチンで被覆して形成することができる。操作者は任意選択で、スポンジ材料をローリングする前に、スポンジの表面を蒸留水で湿らせて表面がわずかに溶解し、スポンジがスポンジ自体に粘着してローリングされた構成を保持するようにすることができる。操作者は、次いで、円筒形に形成されたスポンジを、好ましくは5%プラスまたはマイナス0.5%のゼラチン溶液で被覆することができる。または操作者は、円筒形に形成されたスポンジを適切な円筒形を有する事前形成されたゼラチンカプセル内に挿入することができる。操作者は、止血デバイス186を挿入して、止血デバイス186がガイド182の遠位端を超えて拡張し、止血デバイス186が患者の血液と接触し溶解して止血をもたらすようにすることができる。操作者は、止血デバイス186が溶解するときに、適時にガイド182を部分的に、または完全に除去することができる。
【0049】
図17は、生検デバイスの操作者が止血デバイス186を挿入せずに、ガイド182を完全に除去する、他の実施形態を示す。次いで操作者は、止血デバイスを患者の皮膚74内に挿入する。止血デバイスが十分に長く、完全に挿入されたときに一部が皮膚の表面上に残るようになされている場合、皮膚の表面上に残っている一部を皮膚の表面と同じ高さまたは表面より下になるように切り取ることができる。あるいは、図18で示したように、止血デバイスを患者の皮膚の創傷の深さよりも短くすることができ、その場合操作者は、ロッドなど適切なツールで止血デバイス186を患者の皮膚の表面下に押し込めることができる。
【0050】
本発明を本発明の好ましい実施形態を参照して詳細に説明したが、当業者には理解されるように、本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な変更を加え、等価のものを使用することができる。上記の文書は全て参照によりその全体を本明細書に組み込むものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による、失血を抑制する装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図1a】図1の実施形態の一部を示す図である。
【図2】本発明による制御先端部アセンブリを備えた、刺穿部位からの失血を抑制する装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図3】刺穿された血管、及び本発明による刺穿部位からの失血を抑制する装置を示す断面図である。
【図4】刺穿された血管、及び本発明による(図2で示した)制御先端部アセンブリを備えた刺穿部位からの失血を抑制する装置を示す断面図である。
【図5】本発明による失血を抑制する装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図7】保持先端部を備えた、本発明のデバイスの一実施形態を示す図である。
【図8】刺穿された血管、及び図7で示したデバイスを使用する刺穿部位からの失血を抑制する装置を示す断面図である。
【図9】本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図10】本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図11】刺穿された血管、及び図10で示したデバイスを使用する刺穿部位からの失血を抑制する装置を示す断面図である。
【図12】刺穿された血管、及び図9で示したデバイスを使用する刺穿部位からの失血を抑制する装置を示す断面図である。
【図13】本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図14】本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図14a】本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図14b】本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図15】使用の際の従来の生検デバイスを示す図である。
【図16】生検処置法の後に続いて使用される際の本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図17】生検処置法の後に続いて使用される際の本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【図18】生検処置法の後に続いて使用される際の本発明によるデバイスの他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10 装置
12 管
14 伸延部材
16 伸延部材14の近位端
18 伸延部材14の遠位端
20,100 溶解性遠位カプセル
22 管12の近位端
24 管12の遠位端
26,116,164 スポンジ
30,110 ガイドワイヤ
34 接触ゾーン
36 伸延部材14の外径
40 制御先端部アセンブリ
42 近位端部分
44 中央部分
46 遠位端部分
50 遠位ポート
51 管腔
52,52a,52b,52c 穴
54 管
60 管12の内径
62 管12の内径
64 溶解性遠位カプセル20の縁部の内径
66 同軸空間
67 溶解性遠位カプセル20の近位端
68 溶解性遠位カプセル20の遠位端
70 穿刺部位
72 血管
74 皮膚
76 リング
78 溝
80 円筒形部分
82 円筒形セクション80の近位端
84 円筒形セクション80の遠位端
90 装置
92 管腔
94 伸延部材
96 伸延部材94の近位端
98 伸延部材94の遠位端
102 内側円筒形部分
104 外側円筒形部分
106 丸みを付けた端部
112 ガイドワイヤ110の近位端
120,186 止血デバイス
122 カプセル
124 カプセル122の近位端
130 保持先端部
132 保持アンカー
140,142 皮膚
144 近位の溶解性カプセル
145 遠位の溶解性カプセル
146 管腔
150 ハンドル
152 柱
154 管腔
156 配置デバイス、ハンドル
158 近位ゼラチンカプセル
160 円錐形部分
162 円筒形部分
180 針
182 シース、ガイド
184 管腔
188 アセンブリ
190 シース182の遠位端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刺穿部位からの失血を抑制する装置であって、
管と、
近位端及び遠位端を含み、前記管の周囲に配置された伸延部材と、
前記管の周囲に配置され、近位端及び遠位端を含む溶解性遠位カプセルであって、該遠位カプセルの近位端が前記伸延部材の前記遠位端に付着された溶解性遠位カプセルと、
前記遠位カプセルの内部に配置された止血材料とを含む装置。
【請求項2】
前記止血材料がスポンジである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スポンジがゼラチンで作製される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記溶解性遠位カプセルが前記管を受けるための円筒形セクションを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記溶解性遠位カプセルの前記遠位端に丸みが付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記遠位カプセルが吸収性材料で作製される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記遠位カプセルが生体親和性材料で作製される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記遠位カプセルがゼラチン膜で作製される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記伸延部材の前記遠位端が実質的に凹形の半球形である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記伸延部材の前記遠位端が、前記溶解性遠位カプセルを受け入れるための前記伸延部材の外径よりもわずかに小さい外径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
制御先端部アセンブリをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記制御先端部アセンブリが近位端部分、遠位ポートを有する遠位端部分、及び前記近位端部分と前記遠位端部分の間の中央部分を有し、前記制御先端部が管腔を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記制御先端部の近位端部分が外側に先細りになされている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記制御先端部の遠位端部分が外側に先細りになされている、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記制御先端部が、制御ヘッドを通って横方向に延び、前記制御ヘッド管腔を前記制御ヘッドの外側と連結する穴をさらに含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記制御先端部の管腔が実質的に一定の内径を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記制御先端部の管腔が、前記中央部分で前記遠位部分よりも大きい内径を有する、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
刺穿部位からの失血を抑制するための装置であって、
ガイドワイヤを受けるための管腔を有し、近位端及び遠位端を含む伸延部材と、
前記管腔の周囲に配置され、近位端及び遠位端を含み、遠位カプセルの近位端が前記伸延部材の前記遠位端に付着された溶解性遠位カプセルと、
前記遠位カプセルの内部に配置された止血材料とを含む装置。
【請求項19】
前記止血材料がスポンジである、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記スポンジがゼラチンで作製される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
近位端及び遠位端を有する管状部材をさらに含み、前記溶解性遠位カプセルの前記遠位端が前記管状部材を受けるための円筒形セクションを有する、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記溶解性遠位カプセルの前記遠位端に丸みが付けられている、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記円筒形セクションが前記管の内径よりも小さい外径を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記遠位カプセルが吸収性材料で作製される、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記遠位カプセルが生体親和性材料で作製される、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
前記遠位カプセルがゼラチン膜で作製される、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記スポンジがゼラチンスポンジである、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記伸延部材の前記遠位端が実質的に凹形の半球形である、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
前記伸延部材の前記遠位端が、前記溶解性遠位カプセルを受け入れるための、前記伸延部材の外径よりもわずかに小さい外径を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
制御先端部アセンブリをさらに含む、請求項18に記載の装置。
【請求項31】
前記制御先端部アセンブリが、近位端部分、遠位ポートを有する遠位端部分、及び前記近位端部分と前記遠位端部分の間の中央部分を有し、前記制御先端部が前記遠位ポートから延びる管腔を含む、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記制御先端部の近位端部分が外側に先細りになされている、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記制御先端部の遠位端部分が外側に先細りになされている、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記制御先端部が、制御ヘッドを通って横方向に延び、前記制御ヘッドの管腔と前記制御ヘッドの外側を連結する穴をさらに含む、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記制御先端部の管腔が実質的に一定の内径を有する、請求項31に記載の装置。
【請求項36】
前記制御先端部の管腔が、前記中央部分で前記遠位端部分よりも大きい内径を有する、請求項31に記載の装置。
【請求項37】
患者の止血を提供する方法であって、
カプセル及び止血材料を含む止血デバイスを、伸延部材を使用して患者の皮膚を通して挿入するステップと、
前記カプセルが少なくとも部分的に溶解できるようにするステップと、
その後に前記伸延部材を引き込むステップとを含む方法。
【請求項38】
患者の血管の刺穿部位の止血を提供する方法であって、
止血材料のための供給システムを患者の動脈の刺穿部位から延びるガイドワイヤの近位端上に配置し、前記供給システムが前記ガイドワイヤ、溶解性遠位カプセル、及び前記遠位カプセルの内部に配置された止血材料を受けるための管腔を有する伸延部材を備えるステップと、
前記遠位カプセルを溶解するステップと、
その後に前記伸延部材を引き込むステップとを含む方法。
【請求項39】
前記遠位カプセルが約30秒から10分で溶解する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記止血材料が患者の体内で膨脹する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記止血材料自体が前記溶解性遠位カプセルから放出される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記止血材料に拡散圧力を加え、前記ガイドワイヤ及び供給システムを患者から除去するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
制御先端部アセンブリを患者の動脈から延びる前記ガイドワイヤの前記近位端上に配置するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記制御先端部アセンブリが止血をもたらす、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記制御先端部アセンブリが、前記制御先端部アセンブリのブリードバック穴を介してブリードバックのフィードバックを提供する、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記制御先端部アセンブリが、前記管腔を通してブリードバックのフィードバックを提供する、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記制御先端部アセンブリを前記刺穿部から引き込むステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記制御先端部を引き込むために前記管腔からのブリードバックを観察するステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記制御先端部アセンブリを前記血管の刺穿部から完全に除去するステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
血管壁の刺穿部位の位置を定め、前記刺穿部位からの失血を抑制するためのシステムであって、
管、前記管の周囲に配置された伸延部材、前記管の周囲に配置された溶解性遠位カプセル、及び前記遠位カプセルの内部に配置された止血材料を有する止血材料供給システムと、
制御先端部及び制御先端部本体を有する制御先端部アセンブリとを含むシステム。
【請求項51】
溶解性材料に包囲された止血材料を含む止血デバイス。
【請求項52】
前記止血材料がスポンジである、請求項50に記載のデバイス。
【請求項53】
前記スポンジがゼラチンを含む、請求項52に記載の止血デバイス。
【請求項54】
前記溶解性包囲材料がゼラチンである、請求項52に記載の止血デバイス。
【請求項55】
前記スポンジが前記溶解性材料に完全に包囲される、請求項52に記載の止血デバイス。
【請求項56】
前記スポンジが前記溶解性材料に部分的に包囲される、請求項52に記載の止血デバイス。
【請求項57】
前記スポンジが圧縮される、請求項52に記載の止血デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2006−508712(P2006−508712A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550532(P2004−550532)
【出願日】平成15年11月4日(2003.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2003/035385
【国際公開番号】WO2004/041122
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(500019801)サブ−キュー・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】