説明

媒体搬送装置及び、これを用いた画像形成装置

【課題】
発生した反力にばらつきがあったとしても、遊星ギアを太陽ギアから与えられる力の方向に安定的に移動可能な媒体搬送装置及び、当該媒体搬送装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】
複数の媒体搬送部と、少なくとも1つの駆動源と、駆動源に接続する太陽ギアと、太陽ギアと噛合すると共に、太陽ギアの回転方向に応じて複数の媒体搬送部の何れかに駆動力を伝達する遊星ギアと、遊星ギアに回転負荷を付与する回転負荷手段とを備え、回転負荷手段は太陽ギアの回転軸から外径方向に見て遊星ギアの回転軸よりも外側に形成されることを特徴とする媒体搬送装置及び当該媒体搬送装置を備えた画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に用いる媒体搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置において、記録媒体を画像形成部に搬送するための媒体搬送装置には、媒体トレイに収容された複数枚の記録媒体を1枚ずつ分離して繰り出し、画像形成部に搬送する機構(以下、媒体搬送機構と称す)と、MPT(Multi Purpose Tray)に積載された記録媒体を1枚ずつ分離して繰り出し、画像形成部に搬送する機構(以下、MPT搬送機構と称す)とを切換えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−212999号公報
【0004】
図6―Aは、従来の媒体搬送装置の駆動機構部の構成を説明する図である。図6―Aにおいて、従来の媒体搬送装置は、図示せぬ駆動源からの駆動力を伝達する駆動源ギア53と、駆動源ギア53と噛合するアイドルギア54と、アイドルギア54と噛合すると共に遊星ギアに噛合する太陽ギア55と、太陽ギア55の回転方向に対応して媒体搬送機構のレジストローラギア60、或いはMPT搬送機構のアイドルギア57と噛合することで何れかのギアに太陽ギア55からの駆動力を伝達する遊星ギア56と、アイドルギア57に噛合する減速ギア58と、減速ギア58に噛合するMPT給紙ローラギア59と、レジストローラ75と、MPT給紙ローラ77とを備える。なお、図中破線は、記録媒体を示す。
【0005】
そして、図6−Bは、従来の媒体搬送装置の遊星ギア56の周縁構造を説明する斜視図である。図6−Bにおいて、従来の媒体搬送装置は、図6−Aで説明した構成に加え、遊星ギア56に組み込まれた押板部材62と、遊星ギア56と押板部材62との間に組み込まれ、押板部材62に外側への押力を供給する圧縮スプリング61と、遊星ギア56を保持するブラケット63と、ブラケット63に形成された遊星ギア56の回転軸の移動をガイドするガイド穴64とを備える。
【0006】
図6−Aにおいて、駆動源ギア53が図中右回転すると、アイドルギア54を介して太陽ギア55は右回転し、遊星ギア56に左回転の駆動力を伝達する。その際、遊星ギア56に組み込まれた押板部材62が圧縮スプリング61の押力によりブラケット63に押し付けられることで発生する摩擦負荷により、遊星ギア56の回転軸はガイド穴64内を右方向に移動する。すると、遊星ギア56はアイドルギア57と噛合することになり、駆動源ギア53から伝達された駆動力は、アイドルギア54→太陽ギア55→遊星ギア56→アイドルギア57→減速ギア58→MPT給紙ローラギア59を介して伝達され、MPT給紙ローラ77は回転することになり、MPTに積載された記録媒体は1枚ずつ分離されて繰り出されることになる。
【0007】
逆に、駆動源ギア53が図中左回転すると、アイドルギア54を介して太陽ギア55は左回転し、遊星ギア56に右回転の駆動力を伝達する。その際、遊星ギア56の回転軸はガイド穴64内を左方向に移動する。すると、遊星ギア56はレジストローラギア60と噛合することになり、駆動源ギア53から伝達された駆動力は、アイドルギア54→太陽ギア55→遊星ギア56→レジストローラギアギア60を介して伝達され、レジストローラ75は回転することになり、記録媒体は画像形成部に搬送されることになる。
【0008】
このように、太陽ギア55の回転に伴い、遊星ギア56の回転軸がガイド穴64内を移動するのは、遊星ギア56に組み込まれた押板部材62が圧縮スプリング61によりブラケット63に押し付けられ、これにより生じた押圧力Pa’,Pb’と、押板部材62、ブラケット63間の摩擦係数μa’,μb’との積である摩擦力Fa’,Fb’がそれぞれA’点,B’点で発生するためである。ここで、遊星ギア56と太陽ギア55との噛合い点からFa’の発生箇所A’点までの距離をLa’、Fb’の発生箇所B’点までの距離をLb’とすると、モーメントの関係より、Fb’がFa’のLa’/Lb’倍以下であれば、遊星ギア56の回転軸は、太陽ギア55により与えられる力の方向F’に移動し、遊星ギア56が噛合するギアが切り替わる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の媒体搬送装置においては、押圧力Pa’,Pb’を発生させる押板部材面上の反力は圧縮スプリング線材の巻き端部での押力が大きくなってしまうことや、押板部材の歪み等により、押圧力Pa’,Pb’にばらつきが発生するといった問題があった。また、ブラケットに押板部材が当接する位置は一定ではなく、周状に常に回動しているため、遊星ギアの切替え最中にも摩擦力Fa’,Fb’は常に変動している。そして、遊星ギアの回転軸周りのモーメントの関係から、Fb’がFa’のLa’/Lb’倍と等しくなると(Fb’=La’/Lb’・Fa’)、遊星ギアはその場で回転して移動せず、その結果、遊星ギアと噛合するギアを切替えることができなくなる。さらに、例えば、Fb’がFa’のLa’/Lb’倍よりも大きくなると(Fb’>La’/Lb’・Fa’)、遊星ギアの回転軸は太陽ギアにより与えられる力F’の方向と逆の方向に移動することになる。これにより、遊星ギアの切替え時間のばらつきや遅延、さらには、十分なギアの切替えができない状態が発生するといった問題があった。
【0010】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、発生した反力にばらつきがあったとしても、遊星ギアを太陽ギアから与えられる力の方向に安定的に移動可能な媒体搬送装置及び、当該媒体搬送装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明にかかる媒体搬送装置は、複数の媒体搬送部と、少なくとも1つの駆動源と、駆動源に接続する太陽ギアと、太陽ギアと噛合すると共に、太陽ギアの回転方向に応じて複数の媒体搬送部の何れかに駆動力を伝達する遊星ギアと、遊星ギアに回転負荷を付与する回転負荷手段とを備え、回転負荷手段は太陽ギアの回転軸から外径方向に見て遊星ギアの回転軸よりも外側に形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる画像形成装置は、、複数の媒体搬送部と、少なくとも1つの駆動源と、駆動源に接続する太陽ギアと、太陽ギアと噛合すると共に、太陽ギアの回転方向に応じて複数の媒体搬送部の何れかに駆動力を伝達する遊星ギアと、遊星ギアに回転負荷を付与する回転負荷手段とを備え、回転負荷手段は太陽ギアの回転軸から外径方向に見て遊星ギアの回転軸よりも外側に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の媒体搬送装置によれば、本発明にかかる回転負荷手段は太陽ギアの回転軸から外径方向に見て遊星ギアの回転軸よりも外側に形成されるため、発生した反力にばらつきがあったとしても、遊星ギアを太陽ギアから与えられる力の方向に安定的に移動させることが可能となる。
【0014】
また、本発明の画像形成装置によれば、本発明にかかる回転負荷手段は太陽ギアの回転軸から外径方向に見て遊星ギアの回転軸よりも外側に形成されるため、発生した反力にばらつきがあったとしても、遊星ギアを太陽ギアから与えられる力の方向に安定的に移動させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置としてのプリンタ100の要部構成を説明する図である。なお、第1の実施形態の説明おいては、まず本発明にかかる媒体搬送装置を装着したプリンタ100について説明し、次いて本発明にかかる媒体搬送装置について説明する。プリンタ100は、例えば電子写真方式のプリンタであり、入力された印刷データに基づく画像を記録媒体に形成することができる。
【0017】
プリンタ100は、記録媒体としての用紙Pを収容する媒体カセット1を始点として、給紙ローラ2、フィードローラ3、レジストセンサ4、レジストローラ5、転写ユニット15、定着ユニット20、媒体排出機構21、終点としての媒体スタッカ22からなる概ねS字形状の用紙搬送経路を備える。用紙搬送経路の中途のレジストローラ5近傍には、MPTトレイ6に積載された用紙Pを図中矢印x方向に搬送するMPT給紙ローラ7が設けられており、レジストローラ5とMPT給紙ローラ7とは後述する媒体搬送部を形成する。そして、転写ユニット15の直上には、4色(ブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C))のトナー色に対応した現像ユニット10(10K,10Y,10M,10C)がプリンタ100に対して着脱自在に装着されている。以下、各構成部材について説明する。
【0018】
媒体カセット1は、内部に用紙Pを積層した状態で収容し、プリンタ100の下部に着脱自在に装着されている。媒体カセット1の上部には、用紙Pを1枚ずつ分離して繰り出す給紙ローラ2が配設されている。
【0019】
給紙ローラ2は、図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転し、媒体カセット1から繰り出した用紙Pをフィードローラ3に搬送する
【0020】
フィードローラ3は、用紙Pの斜行を矯正すると共に、図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転し、レジストローラ5に用紙Pを搬送する。
【0021】
レジストセンサ4は用紙Pの先端位置を検出し、当該検出結果を図示せぬ印刷制御部に通知する。レジストセンサ4は、特には限定されないが、例えば光透過型又は光反射型のフォトインタラプタ等を使用することができる。
【0022】
レジストローラ5は、フィードローラ3又はMPT給紙ローラ7が搬送した用紙Pを現像ユニット10に搬送する。
【0023】
MPTトレイ6は、例えば、長尺紙や、折り曲げ不可の用紙等を手差し印刷する場合に用紙Pを積載するトレイである。
【0024】
MPT給紙ローラ7は、MPTトレイ6に積載された用紙Pを図中矢印x方向に搬送することで現像ユニット10に給紙する。なお、レジストローラ5及びMPT給紙ローラ7は媒体搬送部を構成し、後述する駆動源ギア23から伝達された駆動力により回転することで、用紙Pを現像ユニット10に搬送する。
【0025】
現像ユニット10(10K,10Y,10M,10C)は、収容されるトナーの色のみが異なり他の構成は全て同一であるため、ここでの説明ではブラックのトナー画像を形成する現像ユニット10Kについて説明する。現像ユニット10Kは、その表面にトナー画像を形成する感光体ドラム8Kと、入力された印刷データに基づく光を感光体ドラム8K表面に照射することで静電潜像を形成させるLED(Light Emitting Diode)アレイユニット9Kとを備える。感光体ドラム8Kは、導電性支持体と光導電層とによって構成され、導電性支持体としてのアルミニウム等の金属パイプに、光導電層としての電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した構成の有機系感光体である。感光体ドラム8Kの表面は、図示せぬ帯電ローラにより一様均一に帯電され、LEDアレイユニット9Kが照射する光により静電潜像が形成される。LEDアレイユニット9Kは、LED発光素子とレンズアレイとを備えた露光ユニットであり、感光体ドラム8K表面に印刷データに基づく光を照射することでブラックの画像に対応した静電潜像を形成させる。また、現像ユニット10Kは、上記構成以外にも、感光体ドラム8Kの表面上に形成された静電潜像にブラックのトナーを供給することで静電潜像を反転現像し、トナー像を形成させる図示せぬ現像ローラや、図示せぬ現像ローラにブラックのトナーを供給するトナー供給ローラ等を備える。
【0026】
転写ユニット15は、用紙Pを静電吸着して搬送する転写ベルト11と、転写ベルト11を張架するドライブローラ12、及びアイドルローラ13と、及び感光体ドラム8mp表面に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写ローラ14(14a,14b,14c,14d)とを備える。転写ベルト11は、無端のエンドレス状に形成された高抵抗の半導電性プラスチックフィルムであり、光沢のある表面を有する。転写ベルト11は帯電した用紙Pを静電吸着して用紙搬送経路に沿って搬送する。ドライブローラ12は、図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転することで転写ベルト11を駆動させる。アイドルローラ13は、ドライブローラ12と対を成して転写ベルト11を張架すると共に、ドライブローラ12に従動回転し、転写ベルト11を駆動させる。転写ローラ14(14a,14b,14c,14d)は、転写ベルト11を介して各感光体ドラム8(8K,8Y,8M,8C)と圧接するように配設されている。転写ローラ14(14a,14b,14c,14d)には図示せぬ転写用電源からバイアス電圧が印加されており、感光体ドラム8(8K,8Y,8M,8C)の表面に形成されたトナー画像を所定のタイミングで用紙Pに転写する。
【0027】
定着ユニット20は、ヒートローラ16と、バックアップローラ17と、バックアップローラ17を内包するように配設された定着ベルト18と、ヒートローラ16とバックアップローラ17とのそれぞれの内部に配設されたハロゲンランプ19とを備える。図示せぬ温度制御部はハロゲンランプ19のオン/オフを制御することで、定着ユニット20を所定の温度に維持する。定着ユニット20は、トナー画像が転写された用紙Pがヒートローラ16と定着ベルト18とから形成されるニップ部を通過するタイミングで、熱及び圧力を付与し、トナー画像を定着させる。
【0028】
媒体排出機構21は用紙Pを挟持搬送する複数のローラ対、及びガイド部材を備えており、定着ユニット20を通過した用紙Pを媒体スタッカ22に排出する。
【0029】
媒体スタッカ22は、プリンタ100の筐体外面を利用して形成されており、媒体排出機構21により排出された用紙Pを積載する。
【0030】
なお、上記構成以外にも、プリンタ100は、マイクロプロセッサ,ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),入出力ポート,タイマ等を備える印刷制御部、印刷データ及び制御コマンドを受信してプリンタ100の全体のシーケンスを制御し印刷動作を実行するインタフェース制御部、プリンタ100の状態を表示するための、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を備える表示部、ユーザからの指示を受付けるための、例えばタッチパネル等の入力手段を備える操作部、プリンタ100の動作状態を監視するための、例えば、温湿度センサ,濃度センサ等の各種センサや、LEDアレイユニット9の駆動を制御するヘッド駆動制御部、定着ユニット20の温度を制御する温度制御部、用紙Pを搬送する各ローラを回転させるための駆動源としての駆動モータを制御する用紙搬送モータ制御部、感光体ドラム8を回転させるための駆動モータを制御する駆動制御部、及び各ローラに電圧を印加する各電源等を備える。
【0031】
次に、本発明の第1の実施形態にかかる媒体搬送装置の要部構成について説明する。図2−A、及び図2−Bは、レジストローラ5とMPT給紙ローラ7とにおける駆動機構部200を説明する図である。なお、図2−Aは、MPT給紙ローラ7による用紙Pの搬送、すなわちMPT搬送機構における各構成ギアの噛合様式を説明する図であり、図2−Bは、レジストローラ5による用紙Pの搬送、すなわち媒体搬送機構における際の各構成ギアの噛合様式を説明する図である。
【0032】
図2−A、及び図2−Bに示されるように、駆動機構部200は、、図示せぬ駆動源からの駆動力を伝達する駆動源ギア23と、駆動源ギア23と噛合する減速ギア24と、減速ギア24と噛合すると共に遊星ギア26に噛合する太陽ギア25と、太陽ギア25の回転方向に対応してMPT搬送機構のアイドルギア27、若しくは媒体搬送機構のレジストローラギア30と噛合することで何れかのギアに太陽ギア25からの駆動力を伝達する遊星ギア26と、アイドルギア27に噛合する減速ギア28と、減速ギア28に噛合するMPT給紙ローラギア29とを備える。なお、図中破線は、MPTトレイ6に積載された用紙Pを示す。
【0033】
また、図3−Aは、遊星ギア26の周縁構造を説明する斜視図であり、図3−Bは、遊星ギア26の周縁構造を説明するための側面断面図である。図3−A、及び図3−Bに示されるように、遊星ギア26の回転軸の円周方向に沿って第1の回転負荷部としての押板部材32が組み込まれており、遊星ギア26と押板部材32との間には押板部材32に外側への押力を供給する圧縮スプリング31が組み込まれている。そして、遊星ギア26と押板部材32との両外側には、ブラケット33が配設されており、ブラケット33は、一定の間隔を持って遊星ギア26と押板部材32とを挟持している。押板部材32には圧縮スプリング31により外側への押力が供給されているため、押板部材32とブラケット33との当接位置において押板部材32に対するブラケット33の反力が発生することになる。また、ブラケット33には、遊星ギア26の回転軸の移動を規制する円弧状のガイド穴34がそれぞれ形成されている。このガイド穴34の両端位置は、遊星ギア26の回転軸が右側に移動すると、図2−Aに示されるように、太陽ギア25と、遊星ギア26と、MPT搬送機構のアイドルギア27とが噛合する位置となるように設定されている。また、遊星ギア26の回転軸が左側に移動すると、図2−Bに示されるように、太陽ギア25と、遊星ギア26と、媒体搬送機構のレジストローラギア30とが噛合する位置となるように設定されている。
【0034】
さらに、ブラケット33には、遊星ギア26の押板部材32と摺動し、かつ、ガイド穴34の円周の一部分に沿って、太陽ギア25の回転軸から外径方向に見て遊星ギア26の回転軸よりも外側に一定の肉厚で隆起させた第2の回転負荷部としての隆起面35が形成されている。この隆起面35の隆起した高さ量分、ブラケット33が遊星ギア26及び押板部材32を挟持する間隔が狭くなる。なお、この隆起面35の隆起高さは、ブラケット33が遊星ギア26及び押板部材32を挟持する間隔の2%と設定する。
【0035】
次に、上記構成を有する媒体搬送装置を備えたプリンタ100の印刷動作について説明する。
【0036】
図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転を開始した給紙ローラ2は、媒体カセット1から用紙Pを1枚ずつ分離して繰り出す。給紙ローラ2により繰り出された用紙Pは、停止しているフィードローラ3に当接する。フィードローラ3は、用紙Pを一定量撓ませることで斜行を矯正する。そして、図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転を開始したフィードローラ3は、斜行が矯正された用紙Pをレジストローラ5に搬送する。
【0037】
このとき、駆動機構部200においては、図2−Bに示されるような噛合様式となっている。つまり、駆動源ギア23は左回転することで、アイドルギア24を介して太陽ギア25は左回転し、遊星ギア26に右回転の駆動力を伝達する。その際、遊星ギア26の回転軸はガイド穴34内を左方向に移動する。すると、遊星ギア26はレジストローラギア30と噛合することになり、駆動源ギア23から伝達された駆動力は、アイドルギア24→太陽ギア25→遊星ギア26→レジストローラギアギア30を介して伝達され、レジストローラ5は回転する。そして、回転を開始したレジストローラ5は、フィードローラ3から搬送された用紙Pを現像ユニット10K側に搬送する。
【0038】
用紙Pが現像ユニットKに到達するタイミングに合せて、LEDアレイユニット9Kは、感光体ドラム8K表面に印刷データに基づく光を照射することで、ブラックの画像に対応した静電潜像を形成させる。そして、図示せぬ現像ローラは、当該静電潜像にブラックのトナーを付着させ反転現像し、ブラックのトナー画像を形成させる。
【0039】
用紙Pが感光体ドラム8Kと転写ベルト11とから形成されるニップ部に到達すると、転写ローラ14aに印加されたバイアス電圧により、感光体ドラム8K上のブラックのトナー画像は用紙Pに転写される。転写ベルト11による用紙Pの搬送に伴い、現像ユニット10Y,10M,10Cにおいて、各色のトナー画像が順次用紙Pに転写される。
【0040】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着ユニット20に搬送される。定着ユニット20は、用紙Pがヒートローラ16と定着ベルト18とから形成されるニップ部を通過するタイミングで、熱及び圧力を付与し、トナー画像を定着させる。
【0041】
そして、トナー画像が定着された用紙Pは、媒体排出機構21により媒体スタッカ22に排出されることで一連の印刷動作は終了する。
【0042】
一方、MPTトレイ6に用紙Pがセットされ、MPT搬送機構により給紙が行われる場合、駆動機構部200においては、図2−Aに示されるような噛合様式となっている。つまり、駆動源ギア23は右回転することで、減速ギア24を介して太陽ギア25は右回転し、遊星ギア26に左回転の駆動力を伝達する。具体的には、太陽ギア25が右回転すると、遊星ギア26には、太陽ギア25と噛合する箇所で力Fが供給され、その反力として遊星ギア26の回転負荷としてA,B各点にそれぞれ摩擦力Fa,Fbが発生する。遊星ギア26と太陽ギア25とが噛合する箇所からFaの発生箇所A点までの距離をLa、Fbの発生箇所B点までの距離をLbとすると、モーメントの関係より、
La・Fa>Lb・Fb、すなわち、Fa>Lb/La・Fb 式(1)
を満たす場合、遊星ギア26の回転軸は太陽ギア25から供給された力F方向に移動することなる。
【0043】
ここで、Faは、遊星ギア26に組み込まれた圧縮スプリング31によるA点での押圧力PaとA点での摩擦係数μaとの積(Fa=Pa・μa)であり、Fbは同様に遊星ギア26に組み込まれた圧縮スプリング31によるB点での押圧力PbとB点での摩擦係数μbとの積(Fb=Pb・μb)であることから、式(1)は、
Pa・μa>Lb/La・Pb・μb
Pa>(La/Lb)・(μb/μa)・Pb 式(2)
と変形することができる。ここで、押圧部材32、及び隆起面35の材質は同じであることから、μa=μbとなり、式(2)は、
Pa>(La/Lb)・Pb 式(3)
となる。なお、図3−Bでは、B点において押圧部材32と隆起面35とが接触していないような図となっているが、これは便宜上このように描画したものであり、実際は押圧部材32が圧縮スプリング31に押されることにより傾いてB点において押圧部材32と隆起面35とが接触し、摩擦力Fbが発生する。
【0044】
本実施形態においては、遊星ギア26の押板部材32と摺動し、かつ、ガイド穴34の円周の一部分に沿って、太陽ギア25の回転軸から外径方向に見て遊星ギア26の回転軸よりも外側に一定の肉厚で隆起させた第2の回転負荷部としての隆起面35がブラケット33に形成されていることから、遊星ギア26を挟持する間隔が隆起面35の隆起高さ分だけ狭くなる。その結果、押圧力Paは、押圧力Pbよりも大きくなるので、式(3)を満たすマージンが増加し、遊星ギア26の回転軸は確実に太陽ギア25から供給される力F方向に左回転しながら移動することになる。
【0045】
遊星ギア26の回転軸がガイド穴34内を右方向に移動すると、遊星ギア26はアイドルギア27と噛合することになり、駆動源ギア23から伝達された駆動力は、アイドルギア24→太陽ギア25→遊星ギア26→アイドルギア27→減速ギア28→MPT給紙ローラギア29を介して伝達され、MPT給紙ローラ7は回転することになり、MPTに積載された用紙Pは1枚ずつ分離されて繰り出されることになる。
【0046】
MPT給紙ローラ7により繰り出された用紙Pは、レジストセンサ4に検出されると共に、レジストローラ5に当接する。レジストセンサ4が用紙Pを検出した時点を起点として、任意の時間経過後に駆動機構部200の駆動源ギア23は逆回転、すなわち、駆動源ギア23は左回転を開始する。すると、遊星ギア26の回転軸は前述したモーメントによりガイド穴34内を左方向、すなわち、MPT搬送機構のアイドルギア27側から媒体搬送機構のレジストローラギア30側に移動する。そして、遊星ギア26はレジストローラギア30と噛合することで、駆動源ギア23から伝達された駆動力は、アイドルギア24→太陽ギア25→遊星ギア26→レジストローラギアギア30を介して伝達され、レジストローラ5は回転する。そして、回転を開始したレジストローラ5は、フィードローラ3から搬送された用紙Pを現像ユニット10K側に搬送する。
【0047】
以降、前述した現像ユニット10Kによる画像形成が同様に実行される。
【0048】
以上のように、第1の実施形態によれば、遊星ギア26の押板部材32と摺動し、かつ、ガイド穴34の円周の一部分に沿って、太陽ギア25の回転軸から外径方向に見て遊星ギア26の回転軸よりも外側に一定の肉厚で隆起させた隆起面35がブラケット33に形成されているため、圧縮スプリング31によりA点に発生する押圧力Paのみを大きくさせることができる。したがって、押圧力Pa,Pbを発生させる圧縮スプリング31の周上に発生した反力にばらつきがあったとしても、遊星ギア26を太陽ギア25から供給される力Fの方向に安定的に移動させることが可能となる。
【0049】
[第2の実施形態]
第2の実施形態にかかるプリンタ100’の構成並びに印刷動作については、第1の実施形態にかかるプリンタ100と略同一である。したがって、同一な箇所には同一の符号を付し、異なる箇所について説明する。
【0050】
図4−A、及び図4−Bは、本発明の第2の実施形態にかかる媒体搬送装置のレジストローラ5とMPT給紙ローラ7とにおける駆動機構部300を説明する図である。なお、図4−Aは、MPT給紙ローラ7による用紙Pの搬送、すなわちMPT搬送機構における各構成ギアの噛合様式を説明する図であり、図4−Bは、レジストローラ5による用紙Pの搬送、すなわち媒体搬送機構における際の各構成ギアの噛合様式を説明する図である。
【0051】
図4−A、及び図4−Bに示されるように、駆動機構部300は、、図示せぬ駆動源からの駆動力を伝達する駆動源ギア23と、駆動源ギア23と噛合する減速ギア24と、減速ギア24と噛合すると共に遊星ギアに噛合する太陽ギア25と、太陽ギア25の回転方向に対応してMPT搬送機構のアイドルギア27、若しくは媒体搬送機構のレジストローラギア30と噛合することで何れかのギアに太陽ギア25からの駆動力を伝達する遊星ギア26と、アイドルギア27に噛合する減速ギア28と、減速ギア28に噛合するMPT給紙ローラギア29とを備える。なお、図中破線は、MPTトレイ6に積載された用紙Pを示す。
【0052】
また、図5−Aは、遊星ギア26の周縁構造を説明する斜視図であり、図5−Bは、遊星ギア26の周縁構造を説明するための側面断面図である。図5−A、及び図5−Bに示されるように、遊星ギア26の回転軸の円周方向に沿って第1の回転負荷部としての押板部材32が組み込まれており、遊星ギア26と押板部材32との間には押板部材32に外側への押力を供給する圧縮スプリング31が組み込まれている。そして、遊星ギア26と押板部材32との両外側には、ブラケット33が配設されており、ブラケット33は、一定の間隔を持って遊星ギア26と押板部材32とを挟持している。押板部材32には圧縮スプリング31により外側への押力が供給されているため、押板部材32とブラケット33との当接位置において押板部材32に対するブラケット33の反力が発生することになる。また、ブラケット33には、遊星ギア26の回転軸の移動を規制する円弧状のガイド穴34がそれぞれ形成されている。このガイド穴34の両端位置は、遊星ギア26の回転軸が右側に移動すると、図4−Aに示されるように、太陽ギア25と、遊星ギア26と、MPT搬送機構のアイドルギア27とが噛合する位置となるように設定されている。また、遊星ギア26の回転軸が左側に移動すると、図4−Bに示されるように、太陽ギア25と、遊星ギア26と、媒体搬送機構のレジストローラ30とが噛合する位置となるように設定されている。
【0053】
さらに、ブラケット33には、遊星ギア26の押板部材32と摺動し、かつ、ガイド穴34の円周の一部分に沿って、太陽ギア25の回転軸から外径方向に見て遊星ギア26の回転軸よりも外側に、例えば、硬度90°程度のラバーフォーム等の摩擦係数(μ)の高い材質を用いた高摩擦部材36が設けられている。
【0054】
次に、上記構成を有する媒体搬送装置を備えたプリンタ100’の印刷動作について説明する。
【0055】
図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転を開始した給紙ローラ2は、媒体カセット1から用紙Pを1枚ずつ分離して繰り出す。給紙ローラ2により繰り出された用紙Pは、停止しているフィードローラ3に当接する。フィードローラ3は、用紙Pを一定量撓ませることで斜行を矯正する。そして、図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転を開始したフィードローラ3は、斜行が矯正された用紙Pをレジストローラ5に搬送する。
【0056】
このとき、駆動機構部200においては、図4−Bに示されるような噛合様式となっている。つまり、駆動源ギア23は左回転することで、アイドルギア24を介して太陽ギア25は左回転し、遊星ギア26に右回転の駆動力を伝達する。その際、遊星ギア26の回転軸はガイド穴34内を左方向に移動する。すると、遊星ギア26はレジストローラギア30と噛合することになり、駆動源ギア23から伝達された駆動力は、アイドルギア24→太陽ギア25→遊星ギア26→レジストローラギアギア30を介して伝達され、レジストローラ5は回転する。そして、回転を開始したレジストローラ5は、フィードローラ3から搬送された用紙Pを現像ユニット10K側に搬送する。
【0057】
用紙Pが現像ユニットKに到達するタイミングに合せて、LEDアレイユニット9Kは、感光体ドラム8K表面に印刷データに基づく光を照射することで、ブラックの画像に対応した静電潜像を形成させる。そして、図示せぬ現像ローラは、当該静電潜像にブラックのトナーを付着させ反転現像し、ブラックのトナー画像を形成させる。
【0058】
用紙Pが感光体ドラム8Kと転写ベルト11とから形成されるニップ部に到達すると、転写ローラ14aに印加されたバイアス電圧により、感光体ドラム8K上のブラックのトナー画像は用紙Pに転写される。転写ベルト11による用紙Pの搬送に伴い、現像ユニット10Y,10M,10Cにおいて、各色のトナー画像が順次用紙Pに転写される。
【0059】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着ユニット20に搬送される。定着ユニット20は、用紙Pがヒートローラ16と定着ベルト18とから形成されるニップ部を通過するタイミングで、熱及び圧力を付与し、トナー画像を定着させる。
【0060】
そして、トナー画像が定着された用紙Pは、媒体排出機構21により媒体スタッカ22に排出されることで一連の印刷動作は終了する。
【0061】
一方、MPTトレイ6に用紙Pがセットされ、MPT搬送機構により給紙が行われる場合、駆動機構部200においては、図4−Aに示されるような噛合様式となっている。つまり、駆動源ギア23は右回転することで、減速ギア24を介して太陽ギア25は右回転し、遊星ギア26に左回転の駆動力を伝達する。具体的には、太陽ギア25が右回転すると、遊星ギア26には、太陽ギア25と噛合する箇所で力Fが供給され、遊星ギア26の回転負荷としてA,B各点にそれぞれ摩擦力Fa,Fbが発生する。遊星ギア26と太陽ギア25とが噛合する箇所からFaの発生箇所A点までの距離をLa、Fbの発生箇所B点までの距離をLbとすると、モーメントの関係より、
La・Fa>Lb・Fb、すなわち、Fa>Lb/La・Fb 式(4)
を満たす場合、遊星ギア26の回転軸は太陽ギア25から供給された力F方向に移動することなる。
【0062】
ここで、Faは、遊星ギア26に組み込まれた圧縮スプリング31によるA点での押圧力PaとA点での摩擦係数μaとの積(Fa=Pa・μa)であり、Fbは同様に遊星ギア26に組み込まれた圧縮スプリング31によるB点での押圧力PbとB点での摩擦係数μbとの積(Fb=Pb・μb)であることから、式(5)は、
Pa・μa>Lb/La・Pb・μb 式(5)
と変形することができる。
【0063】
本実施形態においては、遊星ギア26の押板部材32と摺動し、かつ、ガイド穴34の円周の一部分に沿って高摩擦部材36がブラケット33に設けられていることから、摩擦係数μaは摩擦係数μbよりも大きくなる(μa>μb)。その結果、式(5)を満たすマージンが増加し、遊星ギア26の回転軸は確実に太陽ギア25から供給される力F方向に左回転しながら移動することになる。
【0064】
遊星ギア26の回転軸がガイド穴34内を右方向に移動すると、遊星ギア26はアイドルギア27と噛合することになり、駆動源ギア23から伝達された駆動力は、アイドルギア24→太陽ギア25→遊星ギア26→アイドルギア27→減速ギア28→MPT給紙ローラギア29を介して伝達され、MPT給紙ローラ7は回転することになり、MPTに積載された用紙Pは1枚ずつ分離されて繰り出されることになる。
【0065】
MPT給紙ローラ7により繰り出された用紙Pは、レジストセンサ4に検出されると共に、レジストローラ5に当接する。レジストセンサ4が用紙Pを検出した時点を起点として、任意の時間経過後に駆動機構部200の駆動源ギア23は逆回転、すなわち、駆動源ギア23は左回転を開始する。すると、遊星ギア26の回転軸は前述したモーメントによりガイド穴34内を左方向、すなわち、MPT搬送機構のアイドルギア27側から媒体搬送機構のレジストローラギア30側に移動する。そして、遊星ギア26はレジストローラ30と噛合することで、駆動源ギア23から伝達された駆動力は、アイドルギア24→太陽ギア25→遊星ギア26→レジストローラギアギア30を介して伝達され、レジストローラ5は回転する。そして、回転を開始したレジストローラ5は、フィードローラ3から搬送された用紙Pを現像ユニット10K側に搬送する。
【0066】
以降、前述した現像ユニット10Kによる画像形成が同様に実行される。
【0067】
以上のように、第2の実施形態によれば、遊星ギア26の押板部材32と摺動し、かつ、ガイド穴34の円周の一部分に沿って、太陽ギア25の回転軸から外径方向に見て遊星ギア26の回転軸よりも外側に高摩擦部材36がブラケット33に設けられていることから、圧縮スプリング31によりA点に発生する押圧力Paのみを大きくさせることができる。したがって、押圧力Pa,Pbを発生させる圧縮スプリング31の周上に発生した反力にばらつきがあったとしても、遊星ギア26を太陽ギア25から供給される力Fの方向に安定的に移動させることが可能となる。
【0068】
本発明の実施形態の説明においては、LED方式による電子写真プリンタを一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばレーザ方式であっても中間転写方式による電子写真プリンタに適用しても構わない。また、本発明は、電子写真プリンタに限定されず、ファクシミリ、複写機、複合機に適用しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態にかかるプリンタの要部構成を説明する図である。
【図2−A】駆動機構部200を説明する図である。
【図2−B】駆動機構部200を説明する図である。
【図3−A】遊星ギア26の周縁構造を説明する図である。
【図3−B】遊星ギア26の周縁構造を説明する図である。
【図4−A】駆動機構部300を説明する図である。
【図4−B】駆動機構部300を説明する図である。
【図5−A】遊星ギア26の周縁構造を説明する図である。
【図5−B】遊星ギア26の周縁構造を説明する図である。
【図6−A】従来技術を説明する図である。
【図6−B】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
【0070】
1 媒体カセット
2 給紙ローラ
3 フィードローラ
4 レジストセンサ
5 レジストローラ
6 MPTトレイ
7 MPT給紙ローラ
8 感光体ドラム
9 LEDアレイユニット
10 現像ユニット
11 転写ベルト
12 ドライブローラ
13 アイドルローラ
14 転写ローラ
15 転写ユニット
16 ヒートローラ
17 バックアップローラ
18 定着ベルト
19 ハロゲンランプ
20 定着ユニット
21 媒体排出機構
22 媒体スタッカ
23 駆動源ギア
24 減速ギア
25 太陽ギア
26 遊星ギア
27 アイドルギア
28 減速ギア
29 MPT給紙ローラギア
30 レジストローラギア
31 圧縮スプリング
32 押板部材
33 ブラケット
34 ガイド穴
35 隆起面
36 高摩擦部材
100,100’ プリンタ
200 駆動機構部
300 駆動機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の媒体搬送部と、
少なくとも1つの駆動源と、
前記駆動源に接続する太陽ギアと、
前記太陽ギアと噛合すると共に、前記太陽ギアの回転方向に応じて前記複数の媒体搬送部の何れかに駆動力を伝達する遊星ギアと、
前記遊星ギアに回転負荷を付与する回転負荷手段とを備え、
前記回転負荷手段は前記太陽ギアの回転軸から外径方向に見て前記遊星ギアの回転軸よりも外側に形成されることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記回転負荷手段は前記遊星ギアの回転軸一端側の円周方向に沿って形成された第1の回転負荷部と、前記遊星ギアの回転軸の軸受け部の一部分に形成された第2の回転負荷部とを有し、前記第1の回転負荷部と前記第2の回転負荷部とは互いに摺接することで前記遊星ギアに回転負荷を付与することを特徴とする請求項1記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第1の回転負荷部は付勢部材と押板部材とを備えることを特徴とする請求項2記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記第2の回転負荷部は所定の肉厚を有する摺接部材であることを特徴とする請求項2又は3記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第2の回転負荷部は前記軸受け部を形成する形成部材からなることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記第2の回転負荷部は高摩擦部材からなることを特徴とする請求項2又は3記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
複数の媒体搬送部と、
少なくとも1つの駆動源と、
前記駆動源に接続する太陽ギアと、
前記太陽ギアと噛合すると共に、前記太陽ギアの回転方向に応じて前記複数の媒体搬送部の何れかに駆動力を伝達する遊星ギアと、
前記遊星ギアに回転負荷を付与する回転負荷手段とを備え、
前記回転負荷手段は前記太陽ギアの回転軸から外径方向に見て前記遊星ギアの回転軸よりも外側に形成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記回転負荷手段は前記遊星ギアの回転軸一端側の円周方向に沿って形成された第1の回転負荷部と、前記遊星ギアの回転軸の軸受け部の一部分に形成された第2の回転負荷部とを有し、前記第1の回転負荷部と前記第2の回転負荷部とは互いに摺接することで前記遊星ギアに回転負荷を付与することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の回転負荷部は付勢部材と押板部材とを備えることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2の回転負荷部は所定の肉厚を有する摺接部材であることを特徴とする請求項8又は9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2の回転負荷部は前記軸受け部を形成する形成部材からなることを特徴とする請求項8乃至10の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2の回転負荷部は高摩擦部材からなることを特徴とする請求項8又は9記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2−A】
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【図2−B】
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【図3−A】
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【図3−B】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【図6−A】
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【図6−B】
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【公開番号】特開2010−6527(P2010−6527A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166857(P2008−166857)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】