説明

子宮頸癌の予防及び治療のためのヒトパピローマウイルスポリペプチドと免疫増強剤を含む組成物

本発明は、ヒトパピローマウイルスE6及びE7の融合ポリペプチド、これを細胞外へ分泌させるためのシグナルペプチド及び個体内免疫増強ペプチドを含む融合タンパク質、これをコードするポリヌクレオチド及び上記ポリヌクレオチドを含むベクトルに関するものである。また、本発明は上記融合タンパク質または上記ベクトルを含む薬剤学的組成物及びこれらの薬剤学的組成物を用いて、個体で、上記ヒトパピローマウイルスによる疾患を治療する方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒ1トパピローマウイルス(HPV)E6及びE7の融合ポリペプチド;これを細胞外へ分泌させるためのシグナルペプチド及び個体内免疫増強ペプチドを含む融合タンパク質;これをコードするポリヌクレオチド及び上記ポリヌクレオチドを含むベクトル;上記融合タンパク質または上記ベクトルを含む薬剤学的組成物;及び上記薬剤学的組成物を用いて、ヒトパピローマウイルスによる疾患を治療する方法;に関するものである。
【背景技術】
【0002】
子宮頸癌(cervical cancer)は全世界的に年毎250,000名の死亡の原因となっており、腫瘍による死亡原因の第2位になっている。子宮頸癌は大部分ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発生すると知られている(非特許文献1)。100種類のHPVの中、HPV16が最も子宮頸癌の誘発と関係が高いものと知られている(非特許文献2)。HPVタンパク質の中でE6とE7タンパク質が子宮頸癌形成に主要な役割を果たし、またHPVによって発病される腫瘍の約99%で発現される主要タンパク質であることが知らされ、子宮頸癌治療及び予防ワクチンを製造するのに主要な目標物質となった(非特許文献3)。E6は腫瘍抑制タンパク質p53の分解を誘導して細胞がアポトーシス(apoptosis)されることを防止し、E7は細胞性腫瘍抑制因子網膜母細胞種タンパク質(Rb)に結合し、これを不活性化させ、細胞が細胞周期のS期に入るようにする(非特許文献4)
【0003】
子宮頸癌を治療するためにHPV16 E6とE7タンパク質を同時に発現する核酸塩基配列を発現する組成物を用いて臨床実験を行ったが、治療効果が有意ではなかった(非特許文献5)。また、特許文献1はE6がアミノ末端またはカルボキシ末端にあるE6及びE7を含む融合ポリペプチド及びこれを暗号化するポリヌクレオチドに関して開示している。しかし、上記文献に開示されたポリペプチドは、依然としてHPVによって引き起こされる子宮頸癌などの疾患を治療するのに限界がある。
【0004】
そこで、本発明者らはHPVのE6及びE7の融合ポリペプチドに分泌ペプチド及び免疫増強ペプチドを結合した融合タンパク質が免疫反応を向上させ、HPVによって誘発される腫瘍の治療及び予防効果に効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【特許文献1】WO2004/030636
【非特許文献1】zur Hausen, H et al. Biochem Biophys Acta 1996, 1288; F55-F78
【非特許文献2】Mark H et al. J Natl Cancer Inst 1993, 85; 958-964
【非特許文献3】von Knebel Doeberitz et al. Int. J. Cancer 1992, 51; 831-834
【非特許文献4】Cobrinik et al., Trends Biochem Sci 1992, 17:312-5
【非特許文献5】Garcia F et al. Obstet Gynecol 2004, 103; 317-326
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの目的は、HPVによって引き起こされる疾患の治療及び予防効果に優れた融合タンパク質を提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、上記融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、上記ポリヌクレオチドを含む組換えベクトルを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は上記融合タンパク質及び組換えベクトルを含む薬剤学的組成物を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、上記薬剤学的組成物を用いる、個体でHPVによって引き起こされる疾患を治療または予防する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの様態として、本発明はヒトパピローマウイルスE6とE7の融合ポリペプチド、これを細胞外へ分泌させるためのシグナルペプチド及び個体内免疫増強ペプチドを含む融合タンパク質に関するものである。
【0009】
本発明の融合ポリペプチドを構成するE6とE7は、ヒトパピローマウイルス(HPV)タイプ16、18、31、33、45及び51などから由来する抗原タンパク質であり、好ましくはヒトパピローマウイルスタイプ16(HPV16)または18(HPV18)から由来するE6及びE7抗原タンパク質である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明において、“ヒトパピローマウイルスE6とE7の融合ポリペプチド”とは、E6とE7のそれぞれが天然型アミノ酸配列を有するポリペプチドであるか、またはE6及びE7中の一つ以上が上記の天然型アミノ酸配列のアミノ酸変異体を有するポリペプチドが融合されたタンパク質である。本発明で使われた用語“変異体”とは、一つ以上のアミノ酸残基が欠失、挿入、保存的置換されるか、またはこれらの組合せによって天然アミノ酸配列と異なる配列を有するポリペプチドであり、天然型E6とE7ポリペプチドと実質的に同じ免疫原性を有し、自然的に発生するか、人為的に発生しうる。具体的な様態として、上記変異体は、ヒトパピローマウイルスタイプ16(HPV16)のE6ポリペプチドをコードするアミノ酸配列で63位及び106位のシステインがグリシンで置換された配列番号4、HPV16のE7ポリペプチドをコードするアミノ酸配列で24の位システイン及び26位のグルタミン酸がグリシンで置換された配列番号6、HPV18のE6ポリペプチドをコードするアミノ酸配列で65位及び108位のシステインがグリシンで置換された配列番号10またはHPV18のE7ポリペプチドをコードするアミノ酸配列で27位のシステイン及び29位のグルタミン酸がグリシンで置換された配列番号12がある。
【0011】
本発明のヒトパピローマウイルスE6とE7の融合ポリペプチドは、E6がE7に対してアミノ末端にある、即ち、E6がE7の次ぎに存在する融合ポリペプチド形態(E7E6融合ポリペプチド)またはE6がE7に対してカルボキシ末端にある、即ち、E7がE6の次ぎに存在する融合ポリペプチド形態(E6E7融合ポリペプチド)であってもよい。具体的な様態として、配列番号8のHPV16 E6E7融合ポリペプチドまたは配列番号14のHPV18 E6E7融合ポリペプチドがある。
【0012】
本発明において、“シグナルペプチド”は、約20〜30個のアミノ酸を含むペプチドであり、細胞内で発現されたタンパク質、特にE6とE7融合ポリペプチドを含むタンパク質を細胞外へ分泌させるペプチドを意味する。また、これを暗号化している核酸配列を“分泌シグナル配列”という。本発明のE6及びE7抗原は、ウイルスに感染された細胞の核内で発現されるタンパク質(nucleus protein)であることから、自主的な免疫性が弱い。従って、分泌シグナル配列により発現されたシグナルペプチドがE6及びE7抗原の細胞外への分泌を誘導することによって、抗原特異的体液性免疫反応(humoral immune response)及び細胞性免疫反応(cellular immune response)の増加をもたらす。従って、本発明のシグナルペプチドはtPA、HSV gDs、成長ホルモンの分泌シグナル配列などが用いられるが、これに制限されるものではない。好ましくは、哺乳動物などを含む高等真核細胞で使われるシグナルペプチドを使用することができ、より好ましくは、tPA(tissue plasminogen activation)を使用することができる。
【0013】
本発明において、“免疫増強ペプチド”とは免疫反応に関係する細胞(例えば、樹枝状細胞等)を活性化させて免疫反応を増加させるペプチドをいう。このような免疫増強ペプチドにはCD40リガンド、Flt3リガンド、フラジェリン、OX40などがある。本発明では、これらの免疫増強ペプチドを一つ以上選択して使用することができ、好ましくはそれぞれのペプチドを選択して使用することができる。本発明の具体的実施例では、CD40リガンド及びFlt3リガンドをそれぞれ、または組み合わせて使用した。本発明の“Flt3リガンド”は、樹枝状細胞(DC)の増殖と成熟を誘導する因子であり、抗原による免疫反応を増加させて腫瘍抗原と融合された状態で優れた腫瘍減少効果を示す。本発明の“CD40リガンド”は樹枝状細胞などの抗原提示細胞(APC)の表面に位置したCD40と相互作用し、樹枝状細胞などを活性化させる。
【0014】
本発明で、"個体”はヒト、サル、マウス、ブタ、ウシ及びウサギなどの哺乳動物を含むが、これらの例に限定されるものではない。
【0015】
本発明の融合タンパク質は抗原特異的免疫反応及び腫瘍抑制効果に優れている。従来に、ヒトパピローマウイルスE6及びE7それぞれの抗原特異的免疫反応よりヒトパピローマウイルスE6とE7の融合ポリペプチドが、抗原特異的免疫反応に優れていることは知られている。しかし、これらのヒトパピローマウイルスE6及びE7の融合ポリペプチドにシグナルペプチド及び免疫増強ペプチドを結合した融合タンパク質の形態が、従来に期待し得た抗原特異的免疫反応及び腫瘍抑制効果に比べて、優れた効果があることを明らかにした。具体的な実施で、ヒトパピローマウイルスE6及びE7の融合ポリペプチドにシグナルペプチドとしてtPa、免疫増強物質としてFlt3リガンド及び/又はCD40リガンドが融合された形態が、ヒトパピローマウイルスE6及びE7それぞれ、またはその融合ポリペプチドに比べて、抗原特異的免疫反応、腫瘍サイズ抑制及び腫瘍生成抑制において優れた効果を示した。これによって、本発明の融合タンパク質は腫瘍の治療及び予防のために利用できる。
【0016】
他の一つの様態として、本発明は上記の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドに関するものである。
【0017】
本発明のポリヌクレオチドは、化学的合成法または遺伝子操作技術によって製造できる。化学的合成法は、当業者によく知られており、任意の方法を使用することができる。また、商業的核酸合成及びメーカーに依頼して購入することができる。遺伝子操作技術によって製造する場合、例えば、従来に知らされたE6及びE7の融合ポリペプチド、シグナルペプチド及び免疫増強ペプチドをコードする核酸断片をそれぞれ得て、これらの断片をフレームにフィットして連結することによって製作することができる。上記核酸断片を得る方法は、当業界によく知られ、当業者であれば適切な制限酵素を用いて容易に連結しうる。本発明の具体的実施例では、化学的合成法によって製造する方法が開示される。
【0018】
他の一つの様態として、本発明は上記のポリヌクレオチドを含む組換えベクトルに関するものである。
【0019】
本発明において、“ベクトル”とは、ポリペプチドを暗号化するゲノム内に挿入された外部DNAを含む遺伝子構築物をいう。本発明と関連した発現ベクトルは、分泌シグナル配列、ヒトパピローマウイルスE6とE7融合ポリペプチドをコードする核酸配列、及び免疫増強ペプチドをコードする核酸配列などがゲノム内に挿入されたベクトルであり、これらのベクトルはプラスミドベクトル、コスミッドベクトル、バクテリオファージベクトル、酵母ベクトル、またはアデノウイルスベクトル、レトロウイルスベクトル、アデノ随伴ウイルスベクトルのようなウイルスベクトルが挙げられる。
【0020】
本発明において、“分泌シグナル配列”とは細胞内で発現された腫瘍抗原を細胞外へ分泌し、免疫細胞が認識できるようにするペプチドを暗号化している核酸配列であり、例えば、tPA、HSV gDs、成長ホルモンの分泌シグナル配列などが挙げられる。好ましくは、哺乳動物などを含む高等真核細胞で使われる分泌シグナル配列を使用することができ、より好ましくは、tPA(tissue plasminogen activation)を使用することができる。また本発明の分泌シグナル配列は、宿主細胞で発現頻度の高いコドンで置換して使用することができる。
【0021】
本発明において、“免疫増強ペプチドをコードする核酸配列”とは免疫反応に関係する細胞(例えば、樹枝状細胞など)を活性化させて免疫反応を増加させるペプチドをコードする核酸配列をいう。上記免疫増強ペプチドには、CD40リガンド、Flt3リガンド、フラジェリン、OX40などがあり、本発明では、これらの免疫増強ペプチドを一つ以上選択して使用することができ、好ましくはそれぞれのペプチドを選択して使用することができる。本発明の具体的実施では、CD40リガンド及びFlt3リガンドをそれぞれ、または組み合わせて使用した。本発明の免疫増強ペプチドをコードする核酸配列は、また宿主細胞で発現頻度の高いコドンで置換して使用することができる。
【0022】
本発明の組換えベクトルに含まれる上記のポリヌクレオチドは、宿主細胞で発現頻度の高いコドンで置換され得る。発明で使われた“宿主細胞で発現頻度の高いコドンで置換されたもの”または“コドン最適化”とは宿主細胞内でDNAがタンパク質に転写及び翻訳(translation)される時、アミノ酸を指令するコドン間に宿主によって選好度の高いコドンが存在することになるが、これらの選好度の高いコドンで置換することで、その核酸が暗号化するアミノ酸またはタンパク質の発現効率を増加させることを意味する。ここで、“宿主細胞”とは原核または真核細胞を含み、真核細胞は真菌、酵母などを含む下等真核細胞だけでなく、哺乳動物などを含む高等真核細胞を含む。
【0023】
本発明の組換えベクトルに含まれる上記ヒトパピローマウイルスE6とE7融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、コドン最適化の外に腫瘍原性を引き起こす性質をなくすために、E6及びE7をコードする核酸配列中の一部配列を置換しうる。
【0024】
本発明のヒトパピローマウイルスE6とE7の融合ポリペプチドは、E6及びE7をそれぞれ発現させて免疫原(immunogen)として使用する場合より、E6及びE7を融合ポリペプチド形態に発現させて免疫原として使用する場合が、抗原特異的免疫反応をさらに效果的に誘導する。またE6及びE7の融合ポリペプチドをコードする核酸配列を宿主細胞で発現頻度の高いコドンで置換することが、置換しない場合より、抗原特異的免疫反応を效果的に誘導し、E6及びE7の一部核酸配列で腫瘍原性を削除されるための突然変異がある場合にも免疫反応を效果的に誘導しうる。
【0025】
具体的様態として、これらのコドン最適化され、突然変異されたHPV16 E6及びE7、またはHPV18 E6及びE7のポリペプチドを融合したE6及びE7融合ポリペプチドの核酸配列を配列番号7及び13に示した。また、上記のE6とE7の融合ポリペプチドのほかに分泌シグナル配列によるシグナルペプチド及び免疫増強ペプチドを、共に発現させる場合がE6とE7の融合ポリペプチドを単独で発現する場合より、抗原特異的免疫反応、腫瘍の大きさ及び生成を抑制する効果に優れていた。
【0026】
本発明の組換えベクトルは、宿主細胞で本発明の融合タンパク質をコードする核酸の発現に適した形態で上記融合タンパク質をコードする核酸を含むことができる。即ち、本発明の組換えベクトルは、発現に使われる宿主細胞に基づいて選択される、一つ以上の調節配列を含み、これらは発現されるべき核酸配列と作動可能に連結されている。“作動可能に連結されている”とは目的とするヌクレオチド配列が(例えば、インビトロ転写/翻訳システムで、または宿主細胞で)その発現がなされるようにする方式であり、上記調節配列に連結されているということを意味する。“調節配列”の用語は、プロモーター、エンハンサー及び他の調節要素(例、ポリアデニル化シグナル)を含む意味である。調節配列には多くの宿主細胞で目的とする核酸が構成的に発現しうるように指示すること、及び特定の宿主細胞でのみ目的とする核酸が発現されるように指示すること(例、組織特異的調節配列)が含まれる。発現ベクトルの設計は、形質転換される宿主細胞の選択及び所望のタンパク質発現の水準などのような因子によって変わることは当業者であれば、理解することができる。本発明の発現ベクトルは宿主細胞に導入され、上記融合タンパク質を発現することができる。
【0027】
本発明のベクトルは例えば、標準組換えDNA技術によって製造でき、標準組換えDNA技術には例えば、平滑末端及び接着末端ライゲーション、適切な末端を提供するための制限酵素処理、適しない結合を防止するためにアルカリホスファターゼ処理によるリン酸基除去及びT4 DNAリガーゼによる酵素的連結などが含まれる。化学的合成または遺伝子組換え技術によって得られたシグナルペプチドをコードするDNA、ヒトパピローマウイルスE6及びE7の融合ポリペプチドをコードするDNA及び免疫増強ペプチドをコードするDNAを適切な調節配列が含まれているベクトルに組換えすることで、本発明のベクトルが製造できる。上記調節配列が含まれているベクトルは、商業的に購入または製造でき、本発明では大韓民国特許出願公開第2003−47667号に開示されたDNAワクチン製造用ベクトルであるpGX10を製造して使用した。
【0028】
他の一つの具体的様態として、本発明はコドン最適化され、一部アミノ酸をコードする核酸が置換された配列番号7または配列番号13のE6とE7融合ポリペプチドをコードする核酸配列を含む組換えベクトルに関するものである。
【0029】
本発明の配列番号7または配列番号13の核酸配列を含む組換えベクトルはさらに、分泌シグナル配列及び免疫増強ペプチドをコードするアミノ酸配列を含むことができる。上記の分泌シグナル配列はtPA、HSV、gDs、成長ホルモンの分泌シグナル配列などがあり、好ましくは哺乳動物などを含む高等真核細胞で使われる分泌シグナル配列を含み、より好ましくは、tPa(tissue plasminogen activation)を含む。上記の免疫増強ペプチドをコードする配列はCD40リガンド、Flt3リガンド、フラジェリン、OX40などをコードするアミノ酸配列を含み、これらの免疫増強ペプチドをコードする核酸配列を一つ以上選択して使用することができ、好ましくは、それぞれのペプチドを選択して使用することができる。本発明の具体的実施では、CD40リガンド及びFlt3リガンドをそれぞれ、または組み合わせて使用した。上記の分泌シグナル配列及び免疫増強ペプチドをコードする核酸配列はまた宿主細胞で発現頻度の高いコドンで置換することが好ましい。具体的様態として、tPaは配列番号1、Flt3リガンドは配列番号15及びCD40リガンドは配列番号17の核酸配列を有している。
【0030】
他の一つの様態として、本発明の組換えベクトルは、本発明の融合タンパク質を生産するための細胞を製造する使用、遺伝子治療において遺伝子伝達のためのベクトルまたはそれ自体として個体内に投与される薬剤学的活性成分として用いられる。
【0031】
他の一つの様態として、本発明は、また本発明の融合タンパク質及び薬剤学的に許容しうる担体を含む、個体でヒトパピローマウイルスによって引き起こされる疾患の治療及び予防用薬剤学的組成物に関するものである。本発明において、個体はヒト、サル、マウスなどの哺乳動物を含むが、これらの例に限定されるものではない。また、上記ウイルスによって誘発される疾患は子宮頸癌、尖圭コンジローマ、イボなどが含まれる。
【0032】
本発明の組成物に使用される薬剤学的に許容しうる担体には、ラクトース、ブドウ糖、蔗糖、ソルビトール、マンニトール、でんぷん、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微細結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレート及びミネラル油などが含まれる。上記組成物には、さらに、潤滑剤、湿潤剤、風味剤、乳化剤及び防腐剤などが含まれていてもよい。
【0033】
本発明の組成物は例えば、静脈内、筋肉内、経口、経皮、粘膜、経鼻内(intranasal)、気管内(intratracheal)または皮下投与のような、任意の手段によって個体内に直接的に投与できるが、これらの方法に限定されるものではない。本発明の組成物は、インビトロで培養された細胞に投与され、上記培養された細胞を体内に投与することで間接的に個体内に投与することができる。本発明の組成物は全身的にまたは局部的に投与できる。
【0034】
本発明の組成物は、粒剤、散剤、液剤、錠剤、カプセル剤、または乾燥シロップ剤等の経口用製剤または注射剤等の非経口用製剤に製剤化することができるが、このような製剤に限定されるものではない。好ましくは本発明の組成物は液剤または注射剤の形態であってもよい。
【0035】
活性成分として本発明の融合タンパク質の効果的な量は約0.05〜500mg/kg体重、好ましくは0.5〜50mg/kg体重であり、単回投与及び数回に分けて投与することができる。しかし、投与される活性成分の量は、治療条件、患者の年齢及び体重、症状の軽重などの様々な因子を考慮し、決定するべきであるが、上記した範囲に限定されるものではない。
【0036】
他の一つの様態として、本発明は、本発明の組換えベクトル及び薬剤学的に許容しうる担体を含む、個体でヒトパピローマウイルスによって引き起こされる疾患の治療及び予防用組成物に関するものである。本発明において、個体はヒト、サル、マウスなどの哺乳動物を含むが、これらの例に限定されるものではない。また、上記ウイルスによって誘発される疾患は子宮頸癌、尖圭コンジローマ、イボなどが含まれる。
【0037】
本発明の組成物に使われる薬剤学的に許容しうる担体にはラクトース、ブドウ糖、蔗糖、ソルビトール、マンニトール、でんぷん、アカシアガム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微細結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、マグネシウムステアレート及びミネラル油などが含まれる。上記組成物には、さらに、潤滑剤、湿潤剤、風味剤、乳化剤及び防腐剤などが含まれていてもよい。
【0038】
本発明の組成物は例えば、静脈内、筋肉内、経口、経皮、粘膜、経鼻内(intranasal)、気管内(intratracheal)または皮下投与のような、任意の手段によって個体内に直接的に投与できるが、これらの方法に限定されるものではない、本発明の組成物はインビトロで培養された細胞に投与され、上記培養された細胞を体内に投与することで間接的に個体内に投与できる。本発明の組成物は全身的にまたは局部的に投与できる。
【0039】
本発明の組成物は粒剤、散剤、液剤、錠剤、カプセル剤、または乾燥シロップ剤等の経口用製剤または注射剤等の非経口用製剤に製剤化することができるが、このような製剤に限定されるものではない。好ましくは本発明の組成物は液剤または注射剤の形態であってもよい。
【0040】
活性成分として本発明のベクトルの効果的な量は約0.05〜500mg/kg体重、好ましくは0.5〜50mg/kg体重であり、単回投与及び数回に分けて投与することができる。しかし、投与される活性成分の量は、治療条件、患者の年齢及び体重、症状の軽重などの様々な因子を考慮し、決定するべきであるが、上記した範囲に限定されるものではない。
【0041】
他の一つの様態として、本発明は治療学的に効果的な量の本発明の薬剤学的組成物を個体に投与する工程を含む、個体でヒトパピローマウイルスによって引き起こされる疾患を治療する方法に関するものである。
【0042】
本発明の薬剤学的組成物、その効能、投与方法及び投与量などに関する内容は、上記同様である。本発明の方法において、個体はヒト、サル、マウス、ブタ、ウシ及びウサギなどの哺乳動物を含むが、これらの例に限定されるものではない。
【0043】
以下、実施例を通して本発明をさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明をさらに具体的に説明するだけのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0044】
実施例1:pGX10/tE67CoDNAの構築
本発明の実施例で使われた略語は次ぎの通り定義する。
“Co”はコドン最適化された核酸配列、“tPa”または“t”は組織プラスミノーゲン活性剤の分泌シグナル配列、“F”はFlt3リガンド、“L”はCD40リガンドを意味する。
配列番号1の核酸配列を有するコドン最適化されたtPa分泌シグナル配列は化学的に合成した。末端にECORI−KpnI(5’)とEco47III−NheI(3’)サイトを添加した。配列番号7の核酸配列を有するコドン最適化されたHPV16E6E7は化学的に合成しており、ベクトルに挿入しやすくするため末端に、Eco47III−NheI(5’)、AscI−XhoI(3')サイトを添加した。E6とE7の接合部分にBamHIサイトを添加した。腫瘍原性を引き起こす性質をなくすために、E6の63位コドン(システイン)をグリシンに、106位コドン(システイン)を、グリシンを指令するコドンに変えており(配列番号3)、E7は24位コドン(システイン)をグリシンに、26にコドン(グルタミン)を、グリシンを指令するコドンに変えた(配列番号5)。DNAワクチン製造用ベクトルであるpGX10(大韓民国特許出願公開第2003−0047667号)をEcoRIとNheI酵素(エンザイム)で処理した後、合成した分泌シグナル配列であるtPaをリガーゼ(ligase)で連結した、これを再度NheIとXhoI酵素で切り裂いて合成したHPV16E6E7をリガーゼで連結してpGX10/tE67Coを製作した。
【0045】
実施例2:pGX10/tFCoE67CoDNAの構築
配列番号1の核酸配列を有するコドン最適化されたtPa分泌シグナル配列と配列番号15の核酸配列を有するコドン最適化されたFlt3Lは連結された形態で化学的に合成した。ベクトルに挿入しやすくするために末端にKpnI(5')、EcoRV(3')サイトを添加した。実施例1で製造したpGX10/tE67CoをKpnIとEco47III酵素で処理し、分泌シグナル配列であるtPaのみを除去した後、tFCoを、リガーゼで連結してpGX10/tFCoE67Coを製作した。
【0046】
実施例3:pGX10/tE67CoCoDNAの構築
配列番号17の核酸配列を有するコドン最適化されたCD40L化学的に合成した。ベクトルに挿入しやすくするために末端にAscI(5')、XhoI(3')サイトを添加した。実施例1で製造したpGX10/tE67CoをAscIとXhoI酵素で処理した後、CD40LCoをリガーゼで連結してpGX10/tE67CoCoを製作した。
【0047】
実施例4:pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoの子宮頸癌予防効果の確認
pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoの子宮頸癌予防効果を確認するために、マウスC57BL/6に4週間隔で2度にわたって50μgずつ筋肉注射しており、対照群としてpGX10、pGX10.E6Co、pGX10/E7Co、pGX10/E67Co、pGX10/E67を同じ投与量と間隔で筋肉注射した。最初筋肉注射した日より、6.5週後、マウスの脾臓を摘出し、3μg/mLのanti−mouse IFN−γ抗体(BD Pharmingen, Sandiego, CA)50μLでコートされたプレートに、1×10細胞をIL−2とE6またはE7 CD8 T細胞抗原決定基(epitope)(E648-57; EVYDFAFRDL, E749−57; RAHYNIVTF, Peptron, Korea.)を共に入れ、37℃、5%CO培養器(Forma, Minnesota, USA)で24時間培養した。プレートをPBSTで洗浄後、垂れ下がったビオチンを有するIFN−γ探知(detecting)抗体(BD Pharmingen, Sandiego, CA)2μg/mLを50μLずつ入れ、約3時間程度、常温で培養した。その後、PBSTで洗浄し、ストレプトアビジン−AKP(アルカリ性リン酸)を1:2000に希釈し、50μLずつ入れ、常温で1時間培養した。PBSTで洗浄後、10mLのアルカリ性リン酸緩衝液当たり66μLのNBT(Promega, Madison, WT)と33μLのBCIP(Promega, Madison, WT)の混合液の50μLを入れて反応させた。反応による色がよく現れるように、37℃培養器で約30分、放置した後、滅菌された水(distilled water, D.W)で洗浄し、生成された点の個数を読取機で読み取った(図1及び図2参照)。
【0048】
E6 CD8 T細胞抗原決定基(epitope)とE7 CD8 T細胞抗原決定基を使用して、E6とE7に対する特異的T細胞免疫反応をELISPOTで測定した結果、pGX10/E67CoはpGX10/E67より高い抗原特異的免疫反応が誘導されており、これはコドン最適化が抗原特異的免疫反応を増進させるのに効果的であることを示している。また、pGX10/tE67CoがpGX10/E67Coよりさらに高いCD8 T細胞免疫反応を誘導することから、分泌シグナル配列であるtPaも抗原特異的免疫反応を向上させるのに効果的であることを確認した。pGX10/tE67CoCoの場合、E6特異的免疫反応の誘導はpGX10/tE67Coに比べて、多少低く誘導されたが、他の対照群らに比べては、高く誘導されており、E7特異的反応は、ほぼ同じ水準で誘導され、免疫反応増進に効果的であることを確認した。pGX10/tFE67Coの場合は、E6及びE7特異的免疫反応の誘導において最も高い効果があることを確認した。
【0049】
最初注射後、6.5週目にHPV16 E6とE7を発現する腫瘍細胞であるTC−1を個体当たり5×10細胞を皮下注射し、腫瘍細胞の体積増加を測定した(図3参考)。特に、E6とE7特異的な免疫反応で融合体であるE67Coが、それぞれ、E6CoとE7Coより免疫反応が低く誘導されたが(図1及び図2参照)、注入されたTC−1腫瘍細胞については顕著に優れた抗癌予防効果を示した。これにより、抗癌効果において、腫瘍抗原であるE6とE7に対するそれぞれの強い免疫反応よりは、2抗原に対する免疫反応が同時に誘導され得るE67融合体が、さらに優れていることが分かった。pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoを注射したマウスでは、腫瘍細胞を注射した後、24日目まで腫瘍の生成がなく、他の対照群は腫瘍細胞を注射した後、9日目になる時点から腫瘍の体積が急激に増加することが観察された。従って、pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoが子宮頸癌を予防する能力に優れていること確認することができた。
【0050】
実施例5:pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoの子宮頸癌治療効果の確認
pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoの子宮頸癌治療効果を確認するために、マウスC57BL/6にTC−1腫瘍細胞5×10細胞を皮下注射し、3日目、8日目になる日、50μgの量で筋肉注射した。腫瘍細胞を注射した日から、21日目になる日まで腫瘍細胞の体積変化を観察し、22日目になる日、マウスの脾臓を摘出し、実施例4で説明した方法(ELISPOT)でE6及びE7に対する抗原特異的CD8 T細胞免疫反応の誘導程度を測定した。対照群のpGX10に比べて、pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoで治療したマウスで、高い抗原特異的免疫反応が誘導され、特に、pGX10/tFCoE67Coで治療したマウスでの免疫反応が最も高く測定され、抗癌免疫反応を誘導するのに卓越した効能があることを確認した(図4及び図5参照)。
【0051】
pGX10/tE67Co、pGX10/tFCoE67Co、pGX10/tE67CoCoでTC−1腫瘍細胞に対する免疫治療を行ったマウスでは、対照群のpGX10を注入したマウスに比べて、顕著な腫瘍体積の減少を確認することができた。腫瘍細胞注射後、12日目まで継続的な腫瘍体積の増加を示したが、12日目以後では、体積が減少し始め、特に、pGX10/tFCoE67CoとpGX10/tE67CoCoで免疫治療を行ったマウスでは、21日目に腫瘍体積がほとんど消えていることを確認し、子宮頸癌に対する治療効果を確認した(図6参照)。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】マウスC57BL/6モデルでtE67Co、tFCoE67Co及びtE67CoCoを発現するプラスミドDNAを予防接種し、生成されるE7特異的CD8t細胞反応を、Mock、E6Co、E7Co、E67及びE67Coと比較して示したグラフである。
【図2】マウスC57BL/6モデルでtE67Co、tFCoE67Co及びtE67CoCoを予防接種後、生成されるE6特異的CD8t細胞反応を、Mock、E6Co、E7Co、E67及びE67Coと比較して示したグラフである。
【図3】マウスC57BL/6モデルでtE67Co、tFCoE67Co及びtE67CoCoを予防接種後、腫瘍細胞株であるTC−1を皮下注入し、その体積増減を比較して現れた抗癌予防効果を、Mock、E6Co、E7Co、E67及びE67Coと比較して示したグラフである。
【図4】マウスC57BL/6モデルで腫瘍細胞株であるTC−1を移植した後、mock、tE67Co、tFCoE67Co及びtE67CoCoの治療によって現れるE7特異的CD8t細胞反応を比較して示したグラフである。
【図5】抗癌治療モデルでマウスC57BL/6に、腫瘍細胞株であるTC−1を皮下注入した後、mock、tE67Co、tFCoE67Co及びtE67CoCoの治療によって現れるE6特異的CD8t細胞反応を比較して示したグラフである。
【図6】治療モデルとしてのマウスC57BL/6モデルで腫瘍細胞株であるTC−1を皮下注入した後、mock、tE67Co、tFCoE67Co及びtE67CoCoの治療によって現れる抗癌効果を比較して示したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトパピローマウイルスE6及びE7の融合ポリペプチド、これを細胞外へ分泌させるためのシグナルペプチド及び個体内免疫増強ペプチドを含む融合タンパク質。
【請求項2】
E6及びE7の融合ポリペプチドが、ヒトパピローマウイルスタイプ16(HPV16)または18(HPV18)から由来されたものである請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
E6及びE7の融合ポリペプチドが、配列番号8に示される請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
E6及びE7の融合ポリペプチドが、配列番号14に示される融合タンパク質。
【請求項5】
シグナルペプチドがtPa、HSV gDsまたは成長ホルモン分泌シグナルペプチドである請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
tPaが、配列番号2に示される請求項5に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
免疫増強ペプチドがCD40リガンド、Flt3リガンド、フラジェリンまたはOX40である請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
Flt3リガンドが、配列番号16に示される請求項7に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
CD40リガンドが、配列番号18に示される請求項7に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
請求項1に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項11】
E6及びE7の融合ポリペプチドをコードする配列が、ヒトパピローマウイルスタイプ16(HPV16)または18(HPV18)から由来されたものである請求項10に記載のポリヌクレオチド。
【請求項12】
E6及びE7の融合ポリペプチドをコードする配列が、遺伝子の発現率を高めるために哺乳類に最適化されたコドンで改変されたものである請求項11に記載のポリヌクレオチド。
【請求項13】
E6及びE7の融合ポリペプチドが、配列番号8のアミノ酸配列を有するものである請求項12に記載のポリヌクレオチド。
【請求項14】
E6及びE7の融合ポリペプチドが、配列番号14のアミノ酸配列を有するものである請求項12に記載のポリヌクレオチド。
【請求項15】
シグナルペプチドが、tPa、HSV gDsまたは成長ホルモン分泌シグナルペプチドである請求項10に記載のポリヌクレオチド。
【請求項16】
シグナルペプチドをコードする配列が、遺伝子の発現率を高めるために哺乳類に最適化されたコドンで改変されたものである請求項15に記載のポリヌクレオチド。
【請求項17】
tPaが、配列番号2のアミノ酸配列を有するものである請求項16に記載のポリヌクレオチド。
【請求項18】
免疫増強ペプチドが、CD40リガンド、Flt3リガンド、フラジェリンまたはOX40である請求項10に記載のポリヌクレオチド。
【請求項19】
免疫増強ペプチドをコードする配列が、遺伝子の発現率を高めるために哺乳類に最適化されたコドンで改変されたものである請求項18に記載のポリヌクレオチド。
【請求項20】
Flt3リガンドが、配列番号16のアミノ酸配列を有するものである請求項19に記載のポリヌクレオチド。
【請求項21】
CD40リガンドが、配列番号18のアミノ酸配列を有するものである請求項19に記載のポリヌクレオチド。
【請求項22】
請求項20または21に記載のポリヌクレオチドを含む組換えベクトル。
【請求項23】
配列番号7または配列番号13の核酸配列を含む組換えベクトル。
【請求項24】
分泌シグナル配列及び免疫増強ペプチドをコードする配列を、さらに含む請求項23に記載のベクトル。
【請求項25】
分泌シグナル配列が、tPa、HSV gDsまたは成長ホルモン分泌シグナル配列である請求項24に記載のベクトル。
【請求項26】
分泌シグナル配列が、コドン最適化された請求項25に記載のベクトル。
【請求項27】
tPaが、配列番号1に示される請求項26に記載のベクトル。
【請求項28】
免疫増強ペプチドが、CD40リガンド、Flt3リガンド、フラジェリンまたはOX40から1つ以上選択されるものである請求項24に記載のベクトル。
【請求項29】
配列がコドン最適化された請求項28に記載のベクトル。
【請求項30】
Flt3リガンドが、配列番号15に示される請求項29に記載のベクトル。
【請求項31】
CD40リガンドが、配列番号17に示される請求項29に記載のベクトル。
【請求項32】
請求項22に記載のベクトルで形質転換された宿主細胞。
【請求項33】
請求項23に記載のベクトルで形質転換された宿主細胞。
【請求項34】
請求項1に記載の融合タンパク質及び薬剤学的に許容しうる担体を含む、個体でヒトパピローマウイルスによって引き起こされる疾患の治療または予防用薬剤学的組成物。
【請求項35】
疾患が子宮頸癌である請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
第22項に記載のベクトル及び薬剤学的に許容しうる担体を含む、個体で、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる疾患の治療または予防用薬剤学的組成物。
【請求項37】
疾患が子宮頸癌である請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
第23項に記載のベクトル及び薬剤学的に許容しうる担体を含む、個体で、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる疾患の治療または予防用薬剤学的組成物。
【請求項39】
疾患が子宮頸癌性急行38に記載の組成物。
【請求項40】
治療学的な量の請求項34、36または38のいずれかに記載の薬剤学的組成物を個体に投与する工程を含む、個体で、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる疾患の治療または予防する方法。
【請求項41】
疾患が、子宮頸癌である請求項40に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−534027(P2009−534027A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506394(P2009−506394)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【国際出願番号】PCT/KR2006/001448
【国際公開番号】WO2007/119896
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508355493)浦項工科大學校 産學協力團 (14)
【Fターム(参考)】