説明

孔版印刷システム

【課題】作像エンジンがモノクロベースでカラースキャナ搭載という構成・仕様であっても、カラースキャナのポテンシャルを十分活用することができる孔版印刷システムを提供する。
【解決手段】原稿と、複数の色により原稿上の特定のエリアが指定されたカラーコマンドシートと、をカラー画像として読み取る読取手段と、読取手段により読み取られた原稿のうち、カラーコマンドシートに指定された特定のエリア内の単語を解析する解析手段と、解析手段により解析された単語のうち、第1の色で指定された特定のエリア内の単語を翻訳する翻訳手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラースキャナを備えた孔版印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや事業所などに設置される複写機(PPC)、複合機能プリンタ(MFP)などは、
カラー化が進んでおり、新規購入はもとより、モノクロPPC、モノクロMFPから、カラーPPC、カラーMFPへの置き換えも急速に進んでいる。これにより、PPCやMFPに搭載されているスキャナも、カラースキャナが当たり前になり、それに伴い、従来高価であったカラースキャナの相対的なコストも年々低下しつつある。
【0003】
一方、孔版印刷装置においては、基本的な作像工程はモノクロ製版・印刷であるため、スキャナも長らくモノクロスキャナが使われていた。しかしながら、前述のようなオフィス環境の変化や、これに伴うモノクロスキャナの製造打ち切りや製造機種・製造規模の縮小などにより、孔版印刷装置用のモノクロスキャナの入手や安定確保が、年々難しくなりつつある。このため、基本的に作像エンジンはモノクロをベースとしているにもかかわらず、搭載するスキャナはカラースキャナであるという、アンバランスな構成・仕様の孔版印刷装置を考える必要が出てきている。
【0004】
しかしながら、この構成では、カラースキャナを搭載しているにもかかわらず、実際の動作(原稿読取り)はモノクロモードでしか使用するしかなく、専らモノクロスキャナの代用という使い方しかしないため、カラースキャナのポテンシャル(潜在能力)を十分発揮できない。
【0005】
これまで、このようなアンバランスな構成・仕様を前提とした孔版印刷システムは存在しないため、このような課題を設定した先行技術は存在しない。尚、SNMP(Simple Network Management Protocol)などを用いて、ネットワーク上に存在するカラーの作像エンジンを有するカラー画像形成装置を探し出し、孔版印刷装置のカラースキャナでスキャンした画像データを転送し、転送先のカラー画像形成装置でプリントアウトするような活用方策も考えられるが、これでは、カラースキャナのポテンシャルを孔版印刷システム内で生かすことにならない。
【0006】
また、スキャナの使用方法としては、例えば、特許文献1に開示されたような使用方法がある。特許文献1では、画像形成装置の翻訳機能を持たせ、当該画像形成装置に標準的に搭載されている原稿読取装置、いわゆるスキャナを用いて、翻訳対象とする他国語原稿を読取り、原稿データ中の他国語単語を認識し、当該画像形成装置が内蔵している翻訳エンジンにより、抽出された他国語単語の翻訳処理を行い、当該翻訳結果を原稿データと合成し、画像出力(プリント出力)している。また、当該画像形成装置の有する単語帳の一覧などもプリント出力できるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、カラースキャナを考慮しておらず、特許文献1に開示された使用方法は、カラースキャナのポテンシャルを十分活用できている使用方法とは言えない。
【0008】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、作像エンジンがモノクロベースでカラースキャナ搭載という構成・仕様であっても、カラースキャナのポテンシャルを十分活用することができる孔版印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明における孔版印刷システムは、原稿と、複数の色により原稿上の特定のエリアが指定されたカラーコマンドシートと、をカラー画像として読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた前記原稿のうち、前記カラーコマンドシートに指定された特定のエリア内の単語を解析する解析手段と、前記解析手段により解析された単語のうち、第1の色で指定された特定のエリア内の単語を翻訳する翻訳手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、作像エンジンがモノクロベースでカラースキャナ搭載という構成・仕様であっても、カラースキャナのポテンシャルを十分活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムが適用された孔版印刷装置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の制御部のハードウェア(電装基板)構成例を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る他国語原稿の例とカラーコマンドシートの例とを示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの動作の一例を説明するための処理の流れ図である。
【図10】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの動作の一例を説明するための処理の流れ図である。
【図11】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの動作の一例を説明するための処理の流れ図である。
【図12】本発明の実施形態に係る逆辞書の内容の例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る翻訳結果の製版・印刷出力例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る逆辞書の別形式の内容の例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る翻訳結果の電子ペーパー表示例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの構成例を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの機器構成(孔版印刷装置と外部課金装置)の一例を示す概略図である。
【図19】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の動作時のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図22】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの動作の一例を説明するための処理の流れ図である。
【図23】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの動作の一例を説明するための処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
本発明の実施形態に係る孔版印刷システム1は、図1に示すように、孔版印刷装置100と、エリア指定手段2(カラーコマンドシート15)と、翻訳サービス提供手段5(翻訳サーバ600)と、を有して構成される。
【0014】
孔版印刷装置100は、熱可塑性フイルムからなるマスタに熱穿孔プロセスを用いて潜像を形成し、前記潜像が形成されたマスタを、インキが充填された印刷ドラムに装填し、前記マスタが装填された前記印刷ドラムを回転させ、給紙された用紙と圧接させることにより、前記用紙に可視画像を形成するいわゆる孔版印刷装置である。
【0015】
エリア指定手段2(カラーコマンドシート15)は、原稿の特定のエリア(領域)を指定する。このとき、例えば、エリア指定手段2は、カラーエリア指定シートと呼ばれる原稿と同じサイズのシート状媒体に、少なくとも1種類以上の異なる色合いのカラーマーカにより、少なくとも1個以上の囲み線や対角線等を書き込まれた位置を、原稿の特定のエリア(領域)として指定する。
【0016】
翻訳サービス提供手段5(翻訳サーバ600)は、下記で詳述するカラー読取り手段により読取られ、テキストデータ化され、孔版印刷装置100の通信手段により送信された他国語単語データを、受信し、翻訳し、再び他国語単語データ送信元に送り返すサービスを、ネットワークを介して提供する。
【0017】
孔版印刷装置100は、カラー読取り手段3(カラーイメージスキャナ110)と、他国語単語翻訳指定手段4(タッチパネル115)と、逆辞書6(フラッシュROM217)と、逆辞書処理手段7(孔版印刷装置100の制御部20)と、翻訳結果出力手段8(電子ペーパー400)と、制御手段9(孔版印刷装置100の制御部20)と、を有して構成される。
【0018】
カラー読取り手段3(カラーイメージスキャナ110)は、原稿もしくは前記カラーコマンドシート15を読取る。カラー読取り手段3(カラーイメージスキャナ110)は、読取った画素を各色成分に分解可能である。
【0019】
他国語単語翻訳指定手段4(タッチパネル115)は、カラーコマンドシート15を利用した他国語単語もしくは熟語の翻訳を行うかどうかの可否や、他国語単語翻訳を行う場合、逆辞書6を用いるか否かの可否、逆辞書6を用いるときは逆辞書6の指定、カラーコマンドシート15に用いるカラーマーカと他国語単語翻訳機能への対応付け、他国語翻訳結果の出力先などを指定する。
【0020】
逆辞書6(フラッシュROM217)は、他国語原稿を翻訳するにあたり、翻訳しない単語の集合を集めた辞書である。
【0021】
逆辞書処理手段7(孔版印刷装置100の制御部20)は、逆辞書6を用いた処理を行う。その際、逆辞書処理手段7(孔版印刷装置100の制御部20)は、逆辞書6を用い、当該逆辞書6に登録されている他国語単語は、前記翻訳サービス提供手段5に翻訳を依頼しないか、サービス提供手段から回答された翻訳結果から当該他国語単語分を除去するなど、ユーザに最終的に提供する翻訳処理結果に反映しない。
【0022】
翻訳結果出力手段8(電子ペーパー400)は、他国語原稿データと上記翻訳サービス手段5により処理(翻訳)された結果とを、前記他国語単語翻訳指定手段4の出力先で指定された出力対象用に適当なレイアウト処理を施した後、フォーマット変換もしくはデータ変換を行い、指定された出力対象に製版・印刷または表示または保存する。
【0023】
制御手段9(孔版印刷装置100の制御部20)は、上記の各手段による処理を制御する。制御手段9は、他国語原稿を読込むのに先立ち、カラーマーカにより原稿上の特定エリアに対応したエリアが書込み指定されたカラーコマンドシート15をカラー読取り手段3により読込み、カラーマーカの色合い毎にグルーピングされたエリア群を形成する。制御手段9は、引き続きカラー読取り手段3により他国語原稿を読込み、読込んだ他国語原稿をテキストデータ化する。そして、制御手段9は、他国語単語翻訳指定手段8により、他国語原稿データを、カラーコマンドシート15に対応する位置・カラーマーカの色合い毎のエリア群に対応付け、さらに、対応付けられたエリア群と他国語単語翻訳機能への割付けを行い、最終的に、翻訳対象となる他国語単語データを決定する。
【0024】
その後、制御手段9は、当該単語データを、当該孔版印刷装置100の通信手段を用いて、ネットワーク上に存在する翻訳サービス提供手段5に送信し、翻訳サービス提供手段5によって処理(翻訳)された結果を受信する。そして、制御手段9は、他国語原稿データと上記翻訳サービス提供手段5により処理(翻訳)された結果と、を対訳形式などの適当なレイアウト処理を施した後、当該孔版印刷装置100による製版印刷を行ったり、またはPDFやEPUB形式などへのフォーマット変換後に電子ペーパー400に表示したり、または電子ファイルとして当該孔版印刷装置100内の記憶装置や当該孔版印刷装置100に装着されている携帯型メモリへ保存したりする。
【0025】
図2を参照しながら、孔版印刷システム1を構成する孔版印刷装置100の基本構成について説明する。
【0026】
孔版印刷装置100は、装置本体の内部に、マスタ107が外周面に巻着される印刷ドラム101と、印圧手段となるプレスローラ102と、製版装置となるプロッタ103と、
排版手段104と、を備え、装置本体の右側に配置された給紙手段105から給紙される
記録紙106をプレスローラ102で印刷ドラム101に押し当てることで、巻着されたマスタ107の画像を記録紙106に転写し、片面印刷の場合、画像転写された記録紙106を搬送手段108で装置本体の左側に配置された排紙手段109へと搬送し、両面印刷の場合、片面の印刷が終了した記録紙を、切替え部材121により再給紙手段122に導き、再び給紙させることにより裏面に印刷を行うというような周知の構成をとる。
【0027】
孔版印刷装置100本体の上部には、画像読取手段となるカラースキャナ110が配置されていて、原稿画像を読み取り、製版に用いる画像データを取得する。
【0028】
孔版印刷装置100本体の上部正面には、孔版印刷装置100の操作部となる操作パネル111が配設されている。操作パネル111には、印刷や製版の切り替えキー113、スタートキー114、表示部となる115、初期設定/プリンタ設定キー116、印刷位置調整キー117、プリントスピード設定キー118などが配備されている。表示部115は、LCDのタッチパネルで構成されていて、その画面には、各種案内情報や各種操作画面が適宜表示され、操作画面が、ユーザあるいは装置操作者によって操作されると、各画面に表示されたスイッチに対応した内容が制御手段20や孔版印刷装置100に設定される。
【0029】
孔版印刷装置100本体内には、孔版印刷装置100の各部を制御する制御部20が配設されている。
【0030】
制御部20は、図3に示すように、実装基板となるACU200(Application Control Unit)とECU300(Engine Control Unit)の二つに大きく分かれている。
【0031】
ACU200は、孔版印刷装置100の操作パネル(タッチパネル)111が接続される操作パネル用インターフェース205、携帯型大容量記憶メディアであるSDメモリーカード201やUSBメモリ203などが接続されるインターフェース(SD I/F 206、USB I/F 209)、大容量記憶装置となるハードディスク(以下「HDD」などと称す)207が接続されるインターフェース208、パソコンなどの情報端末に対し、LANやインターネットなどのネットワークを介してアクセスするためのネットワークインターフェースカード(NIC)202や無縁LANカードを接続するための通信インターフェース(NIC I/F 212、無線LAN I/F 214)、無給電画像表示装置である電子ペーパー400を接続するためのI/Oインターフェース221、FAXモジュールを接続するためのFAXインターフェース222、ECU300側が接続されるECUインターフェース215、中央演算回路となるCPU216、記憶手段となるRAM217とROM218、ASIC220(Application Specific lntegrated Circuit)、を有し、ASIC220以外の各部分は、ASIC220に接続されている。
【0032】
ACU200は、孔版印刷装置100の製版/蓄積の制御等を行い、スキャナあるいはネットワーク経由で転送されてくる文書を蓄積文書としてHDDに蓄積したり、スキャナあるいはHDDに蓄積された蓄積文書あるいはネットワーク経由で転送された文書データから、最終的に製版データを作成したのち、ECU300に転送したりいう働きを受け持ち、本発明の機能は、主にこのACU200に属する。
【0033】
ECU300は、中央演算回路となるCPU321、記憶手段となるRAM322とROM323、ACU200が有するECUインターフェース215と接続されるACUインターフェース324、スキャナ110が接続されるスキャナインターフェース326、画像の像域分離や各種画像補正を行うIPP(Image Pre-Processor)325、プロッタ103が接続されるプロッタインターフェース328、ASIC329、を有し、ASIC329以外の各部分は、ASIC329に接続されている。
【0034】
ECU300は、ACU200により作成された製版データをもとに、プロッタ103により、周知の孔版原紙となるマスタの感熱孔版フイルム119に、熱的プロセスによって穿孔を行うことにより、製版済みのマスタを作成し、この製版済みのマスタ107を印刷ドラム101となる版胴の外周面に巻装し、ドラム内部に設置されたインキパック120から、インキを供給しながら印刷ドラム101を回転させ、それに呼応させるように記録紙(印刷用紙)106を給紙することにより印刷成果物(印刷物)を得る、という一連のデジタル式の孔版印刷装置100の製版から印刷に至る動作全般を制御するものである。
【0035】
尚、孔版印刷装置100としては、片面印刷装置や両面印刷装置の何れであってもよいが、本実施形態では、両面印刷装置としている。但し、本実施形態で説明するカラーコマンドシートによる他国語単語翻訳機能の実施の例は、基本的な動きを重点的に説明するため、片面読取り、片面印刷をベースとしたものに限定している。
【0036】
(原稿読み取り前の設定と準備)
まず、孔版印刷装置本体のタッチパネルにおいて、図4〜図7に示されるようなメイキャップ機能の動作に関する各種設定が予めなされているものとする。より詳しく説明すると、例として、図4のようなメインメニューから、「編集」項目を選択することにより、図5に示されるメイキャップ機能を設定するためサブメニューが表示される。ここにおいて、エリアの指定方法やマーカ指定としてどのようなものを使用するか、マーカ指定がカラーマーカの場合、そのカラー属性をどのように利用するかを指定する。
【0037】
尚、「マーカ指定方法」として"モノクロマーカ"を指定する、もしくは、"カラーマーカ"を指定しても、その属性の利用で"原稿編集"機能を指定すると、従来のメイキャップ機能と同じ動作をすることになる。"モノクロマーカ"と、"カラーマーカ"-"原稿編集"というように似た機能を別々に実装している理由は、たとえば、孔版印刷装置備え付けのモノクロマーカが頻繁に使用された結果、かすれて用をなさなくなっているような場合、カラーマーカを単なるモノクロマーカの代わりとして使用できるようにするためである。
【0038】
図5に示した例では、「エリア指定方法」として"囲み線"を使用し、マーカには"カラーマーカ"を使用し、そしてカラーマーカは"単語翻訳"(他国語単語翻訳)として機能させることを設定している。
【0039】
カラーマーカによる単語翻訳機能を指定した場合、サブメニュー下欄の"単語翻訳"タブを選択すると、図6に示すように別のサブメニューが表示される。ここにおいて、単語翻訳を行うにあたってのさらに詳細な設定ができるようになっている。即ち、カラーコマンドシートで使用するマーカ色と使用したマーカに対してどのような翻訳機能を割当てるかを指定できる。
【0040】
図6に示した例では、黒、赤、緑、青と識別され命名されたカラーマーカのうち、赤、緑、青の3色を翻訳機能用に使用している。
・赤マーカでマーキングされたエリアの単語は、"要翻訳"即ち、翻訳対象であり、翻訳サーバに送られる。
・緑マーカでマーキングされたエリアの単語は、"翻訳不要"即ち、翻訳対象外であり、何もなされない。
・青マーカでマーキングされたエリアの単語は、"逆辞書登録"即ち、逆辞書6に登録される。
【0041】
ここで、注意すべきなのは、"翻訳不要"と"逆辞書登録"の違いである。ここで使用している"翻訳不要"の意味は、"重要な(注目している)部分ではないもしくは翻訳してもらいたい部分ではないので翻訳不要”という意味であり、"逆辞書登録"の意味は、"他国語単語の意味は、ユーザが既に知っているもしくは理解しているので翻訳する不要がない"という意味である。
【0042】
よって、本実施形態において、意味を知っている単語を緑マーカでマーキングするという使い方をしても、当該単語が逆辞書6に登録されているのであれば、結果として"翻訳されない"という同じ結果になるが、意味を知っている単語を逐一すべて指定していたのでは、効率や使い勝手が非常に悪いものとなるので、本実施形態では、そのような使い方をしていない。
【0043】
尚、黒マーカは、翻訳機能を割当てられていないため、仮に黒マーカでマーキングされたエリアがたとえ存在したとしても何もなされない。また、翻訳機能の一つとして、逆辞書6から抹消という機能も考えられる。
【0044】
さらに、前記翻訳不要機能によって指定された他国語単語は、前記逆辞書6に重複なしに登録されるようにしてもよいが、重要部分ではないもしくは翻訳してもらいたい部分ではないとして指定した箇所に、ユーザにとって意味がわからず、本来なら翻訳対象となる可能性のある単語が存在していた場合、以後翻訳されなくなってしまうので、本実施形態では採用していない。
【0045】
また、図6は、最初のページの画面であり、図中の「次へ」を選択することにより、図7に示されるようなさらに次のページのサブメニュー画面が表示される。
【0046】
本画面では、翻訳対象となる他国語の種類、逆辞書6としてどのような辞書を使うか、翻訳結果をどのように出力するか、などを指定できる。例えば、図7に示した例では、個人的な逆辞書"private#KO.dic"を使うように指定している。また、図7に示した例では、逆辞書6を1つしか指定していないが、複数の逆辞書を指定することも可能である。さらに、図7に示した例では、翻訳結果を製版・印刷するように指定している。
【0047】
尚、逆辞書6の生成・登録や抹消、あるいは、逆辞書6に登録されている単語の閲覧・追加・変更・削除を行いたい場合、「逆辞書管理」を選択することにより、図示しないサブメニューが表示されるので、これらの処理は、そのサブメニューで行うことができる。
【0048】
本実施形態では、他国語単語翻訳として、"母国語言語"="日本語"、"他国語言語"="英語"と、デフォルト設定されているものとし、以後の説明では、これらに限定して説明しているが、これらに限定するものではない。逆辞書6や翻訳サーバ600が、これ以外の母国語言語・他国語言語に対応できれば、そのまま適用可能であるため、つまり、英文翻訳のみに限定されるものではない。
【0049】
また、カラーコマンドシート15で使用する各カラーマーカの識別や命名、調整については、カラーマーカ識別調整機構により、予め別途、識別のための設定・調整がなされている。
【0050】
一方、カラーコマンドシート15を使用したメイキャップ機能による他国語単語翻訳を行うためには、図8(A)に示すような他国語原稿と、図8(B)に示すような、当該原稿と同サイズの紙(白紙)に、翻訳機能の対象となる指定エリアをカラーマーカにより、囲み線もしくは対角線によって指定したカラーコマンドシート15を用意する必要がある。
【0051】
図8に示した例では、カラーコマンドシート15には、赤(red)、緑(green)、青(blue)のカラーマーカにより、各々、2箇所、1箇所、2箇所のエリアを指定している。尚、図8に示した例では、前述のように、エリア指定方法として、囲み線を設定しているため、囲み線によってエリア指定を行っているが、指定を変更すれば、対角線によっても構わない。尚、囲み線指定の場合は、四角形に限定されず、自由閉曲線によって指定ができる。
【0052】
また、従来のメイキャップ機能では、エリア内指定とエリア外指定、すなわち、例えば網掛け処理を施す場合、指定エリア内に対して行うのか指定エリア外に対して行うのかの指定が可能であったが、カラーコマンドシート15による他国語単語翻訳においては、エリア内指定として固定される。
【0053】
(原稿読み取り後の孔版印刷装置による処理)
以上のような設定と準備が、ユーザによりなされた後の孔版印刷装置の制御について、
図9〜図11の流れ図や図12〜図13の説明図を主に使用して説明する。
【0054】
ユーザによって、当該孔版印刷装置100の原稿台もしくは自動原稿送り装置(Auto Document Feeder : ADF)に、カラーコマンドシート15と原稿がセットされた後、製版スタートキーが押下されると(図9のST101)、まず、最初にカラーコマンドシートが読取られる(ST102)。これにより、カラーマーカの色情報と指定エリアの位置や大きさの情報(エリア情報)が抽出される(ST103)。
【0055】
この時、カラーマーカ色情報やエリア情報の抽出エラーが生じた場合、その旨の警告を
タッチパネルなどに表示して動作を終了するが、図9に示した流れ図の例においては、このようなエラー処理に関わる部分は省略している。以降の説明についても、各種処理を行った時に発生する種々のエラーに対処する処理は必要であるものの、本件の主たる要件をなすものではないので、流れ図には記載していないし、説明も省略する。
【0056】
一方、指定エリアの抽出が正常に行われた場合、引き続いて他国語原稿の読取りが行われ(ST104)、さらに、読取った原稿について像域分離処理が行われる(ST105)。
【0057】
像域分離処理を行った結果、文字領域とみなされた部分は、テキスト化される、いわゆるOCR(Optical Character Recognition)処理がなされる(ST106)。
【0058】
そして、テキスト化された単語は、指定されたカラーマーカ毎に分類(カテゴライズ)される(ST107)。
【0059】
但し、いずれのカラーマーカにも指定されない(所属しない)単語は、第2の翻訳候補のカテゴリに暗黙的に分類される。ちなみに、第1の翻訳候補のカテゴリは、前述の赤マーカでエリア指定された単語(群)であり、無条件に翻訳処理されるものである。どちらの候補の候補単語にしろ、翻訳結果出力のために、当該単語のみならず、その単語位置・単語占有サイズなど情報も、カテゴライズされた時に連携して保持される。
【0060】
その後、カテゴライズされた単語(群)は、カラーマーカ毎に割付けられた翻訳機能に従って処理される(ST108)。
【0061】
翻訳機能処理のより詳しい動作を、図10に示される流れ図により説明する。
【0062】
まず、緑マーカで指定されたエリアの単語(群)は、"翻訳不要"の翻訳機能が割付けられているため(図10のST201)、何もなされず、このカテゴリに属する単語(群)のデータは破棄される(ST202)。
【0063】
青マーカで指定されたエリアの単語(群)は、"逆辞書登録"の翻訳機能が割付けられているため(ST201)、前述で指定した逆辞書6にソートされて登録される(ST203)。但し、重複しているものは登録されない。
【0064】
図12に逆辞書6の中身の例を示す。逆辞書6といっても、その中身は、翻訳不要な他国語単語が列挙されたテキストファイルである。しかしながら、テキストファイルであるがゆえに、エディタで簡単に閲覧・編集でき、さらに携帯型メモリに保存して、他の孔版印刷装置100使用時にも使用できるなどの可搬性に優れる。
【0065】
また、赤マーカで指定されたエリアの単語(群)は、"要翻訳"の翻訳機能が割付けられているため(ST201)、そのまま当該孔版印刷装置100の通信手段を介し、LANまたはインターネットなどに接続されている翻訳サーバ600へ翻訳を依頼される(ST205、ST206)。
【0066】
どのカラーマーカのカテゴリにも属さない(ST201)、第2翻訳候補の単語(群)は、まず逆辞書6と参照され、逆辞書6に登録されているものであれば、翻訳対象外として除外され、当該単語に関わるデータは不要となるので破棄される(ST204)。
【0067】
最後まで残った第2翻訳候補の単語(群)は、この後は、第1翻訳候補のそれと同様に、翻訳サーバ600へ翻訳を依頼される(ST205、ST206)。
【0068】
即ち、赤マーカにより翻訳機能処理が指定されたものは、逆辞書6に登録されているいないにかかわらず、翻訳処理に回されるが、いずれのマーカにも指定されていない他国語単語は、基本的に翻訳候補の単語としてエントリされるものの、その後、逆辞書登録されているものは、翻訳不要とみなされ、翻訳候補から除外されることが特徴となっている。また、a、the などの冠詞やof、atなどの前置詞は、それ自体でほとんど意味をなさないものは、逆辞書6に登録されているいないにかかわらず、翻訳候補から除外される。
【0069】
翻訳サーバ600は、受理した単語(群)の翻訳を行い(ST207)、その翻訳結果を再び当該孔版印刷装置100に返送する(ST208、ST209)。
【0070】
このように、翻訳依頼の前に、逆辞書6を使った前処理を施すのは、ユーザ(翻訳依頼者)を、他国語の意味の理解しているものをいちいち翻訳されて表示/印刷されるわずらわしさから解放することや、外部翻訳サービスに料金がかかる場合(有料サービス)、例えば、単語数ベース課金のような従量料金制の場合、意味のわかっている単語について、わざわざ料金をかけて翻訳させるというような経済的な無駄を省くためである。
【0071】
また、これら逆辞書6は、ユーザ共通の逆辞書6としても使えるが、各ユーザが個別に持てるため、各ユーザの他国語のスキルレベルに対応できることが特徴である。
【0072】
尚、本実施形態では、翻訳エンジンを孔版印刷装置100内に自前で持たない。これは、当該孔版印刷装置100のファームウェアの肥大化させないためと、陳腐化した内蔵の翻訳エンジンを使い続けるよりも、日進月歩で進歩する最新の翻訳技術が反映されている外部の翻訳サーバ600もしくは翻訳エンジンを利用する方が、より実用的、有用であるためである。このため、本実施形態では、他国語翻訳に際して、実質的な翻訳処理に係る部分に関しては外部翻訳サーバもしくは翻訳エンジンに委任しており、委任前の前処理部分にフォーカスしたものになっている。
【0073】
さらに、孔版印刷装置100がどこの翻訳サーバ600を利用するかは、例えば、孔版印刷装置100に関するカスタマサポートセンタまたは孔版印刷装置100の製造会社もしくは孔版印刷装置100の保守サービス会社などが運営管理する窓口となるWebサービスサーバによって決定される。すなわち、孔版印刷装置100には、依頼窓口として接続する前記WebサービスサーバのURLだけが登録されており、他国語単語翻訳機能を使いたい場合、前記窓口WebサービスのURLに接続し、受けたいサービスの種類(本実施形態では、他国語(英語)単語翻訳機能)とサービスに必要なデータ(本実施形態では、翻訳対象となる他国語単語)をエントリする。
【0074】
前記依頼を受けた窓口Webサービスサーバは、依頼されたサービス種類によって、さらにどのWebサービスサーバを利用する(利用できる)か、を決定し、決定したWebサービスサーバに、当該処理を依頼するとともに関連するデータ(必要であればデータ変換処理をした後)を送る。そして、Webサービスサーバによるサービス提供結果の受理は、この流れを逆にたどって行われることになる。
【0075】
ここにおいて、最終的に他国語単語翻訳機能を提供するWebサービスサーバを、孔版印刷装置100で直接指定せず依頼窓口を介した二段構えになっているのは、実質的なサービスを提供するWebサービスサーバのURLが変更されたり、当該Webサーバが提供するサービスが変更もしくは廃止されたりしたような場合、その変更対応をユーザもしくは保守サポートエンジニア等に負わせるのは煩雑であるだけでなく、このような直接指定方式は、サービス提供システムとしての柔軟性に欠けるためである。
【0076】
このようにして、カラーマーカ毎の他国語単語翻訳機能処理を行い(図9のST108)、得られた翻訳結果は、前記他国語単語翻訳指定手段で指定された出力方法により処理される(図9のST109)。
【0077】
翻訳結果出力処理のより詳しい動作を、図11に示される流れ図により説明する。
【0078】
他国語単語翻訳指定手段で指定された出力方法が製版・印刷の場合(図11のST301)、他国語原稿と翻訳結果を印刷物用にレイアウト(合成)し、さらに製版用の画像データに変換し(ST302)、マスタを製版して版を生成した後(ST303)、印刷する(ST304)。
【0079】
図13に、当該翻訳結果の製版・印刷出力例を示す。図13に示した例では、製版・印刷する画像には、要翻訳として直接指定された単語(第1翻訳候補)や第2翻訳候補で逆辞書6に存在しない単語、の翻訳結果を他国語原稿の行間に挿入するようなレイアウト合成を行っている。
【0080】
製版・印刷出力の場合にレイアウト合成を行うのは、後述の他の方法と異なり、製版・印刷処理において、マスタや用紙というサプライ品を消耗するためである。特に、製版・印刷処理におけるマスタのコスト比率は高く、他国語原稿と翻訳結果を別々に製版・印刷を行ったのでは、コスト高になってしまうためである。また、製版・印刷処理は、大量枚数の印刷を行ってこそ、そのコストメリットがでてくるが、翻訳結果の出力のような場合では、大量印刷の用途としてはあまり適当ではなく、そのコストメリットを享受できないため、できるだけ製版・印刷する情報をまとめてコンパクトにすることが必要とされるからである。
【0081】
出力方法が文書蓄積の場合(ST301)、他国語原稿と翻訳結果を文書蓄積用にレイアウトし、さらに文書蓄積用のデータフォーマットに変換した後(ST305)、当該データを保存する(ST306)。
【0082】
出力方法が携帯型メモリ保存の場合(ST301)、他国語原稿と翻訳結果を携帯型メモリ保存用にレイアウトし(ST310)、電子ファイルとして保存する(ST311)。
【0083】
携帯型メモリに保存する場合、そのファイル形式が問題となる。他国語原稿と翻訳結果の情報の利用が、同種の孔版印刷システム間で閉じているのであれば、同種の孔版印刷装置でのみ扱えるファイル形式(例えば、前述の文書蓄積形式)で保存しても構わないが、パソコン(PC)などで取り込んで閲覧や再利用をするのであれば、JPEGなどの汎用画像フォーマットやPDFなどのデファクトの文書フォーマットで保存する必要がある。本実施形態では、後者の方式を採用している。
【0084】
尚、前述の文書蓄積や携帯型メモリに保存する場合、ファイル名などの指定は、図示しないサブメニューにて別途行われる。
【0085】
さらに、前述のように他国語原稿と翻訳結果をPDFなどの文書フォーマットに変換した場合、本実施形態では、携帯型メモリへの保存を行っているが、新たな出力方法として、電子メールによる配信を追加し、当該電子ファイルをメールに添付し、メーラー(mailer)などの配信手段によって指定された宛先に配信するような形態も考えられる。
【0086】
出力方法が電子ペーパー表示の場合(ST301)、他国語原稿と翻訳結果を電子ペーパー用にレイアウトし、電子ペーパー用のデータフォーマットに変換した後(ST307)、電子ペーパー400に書き込む(ST308)。一方、電子ペーパー400は、書き込まれたデータを表示する(ST309)。
【0087】
このように、本実施形態によれば、作像エンジンがモノクロベースでカラースキャナ搭載という構成・仕様であっても、カラースキャナのポテンシャルを引き出し、十分活用できる。より具体的には、本実施形態に係る孔版印刷システム1を他国語単語翻訳処理に適用することができる。
【0088】
また、本実施形態では、上述したように、各カラーマーカの色合いに応じて対応させる他国語単語翻訳機能には、特定色マーカで指定した他国語単語を翻訳対象とする翻訳機能、特定色マーカで指定した他国語単語を翻訳対象外とする不翻訳機能、特定色マーカで指定した他国語単語を逆辞書に登録する逆辞書登録機能、があるので、他国語単語翻訳機能にまつわる各種機能をカラーマーカ毎に振り分けて実行させることができ、柔軟で効率的な他国語単語翻訳処理を行うことが可能になる。また、例えば、特段の指定がない場合、
母国語言語は日本語、他国語言語は英語、とする等、日常業務などにおいて最も使用頻度の高いケースをデフォルトにしているため、他国語単語翻訳機能を使用する度に、いちいち母国語言語/他国語言語の設定を行うわずらわしさがない。
【0089】
また、本実施形態では、逆辞書6は、テキストファイルであるため、孔版印刷装置100に固定・内蔵されているフラッシュROM217などの記録装置に格納されている逆辞書6を、携帯型メモリ上に書き出す処理や、その逆の処理が可能である。このため、逆辞書6の可搬性を上げることができ、また、特定の孔版印刷装置100のみの使用に限定されるような場合には、携帯型メモリに格納されている逆辞書6を孔版印刷装置100の記憶装置内に移すことにより、携帯型メモリを持ち運んで装着するような手間がなくなり、省力化に資することができる。
【0090】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一または同様の部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既に説明した構成上及び機能上の説明は省略して、要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じである)。
【0091】
本実施形態の孔版印刷システム1は、第1の実施形態で示したものと同じであるが、逆辞書6の実現方法が異なっている。
【0092】
図14に逆辞書6の別の実装の例を示す。第1の実施形態で示した逆辞書6は、翻訳不要な他国語単語が列挙された素のテキストファイルであったが、本実施形態では、XML形式のテキストファイルである。このような実現方法においても、書式は規定されるものの、基本はテキストファイルなので、簡単に閲覧・編集でき、さらに携帯型メモリに格納して、他の孔版印刷装置100使用時にも利用できるなどの可搬性にも優れる。
【0093】
また、本実施形態では、単に単語を格納するタグ<word>のみを記述しているだけなので、タグがついている分だけ格納容量が増加するものの、翻訳不要でヒットした回数を保持するタグや直近のヒットした日時のタグを用意して、逆辞書6のメンテナンスに役立てるような拡張が可能となる。
【0094】
さらに、第1の実施形態及び第2の実施形態では、翻訳要として指定された単語と逆辞書6とは基本的に干渉しないが、逆辞書6の運用の別の例として、翻訳要ということで指定された単語が、逆辞書6にあったような場合(即ち、逆辞書6に登録したもののユーザがその意味や登録したこと自体を既に忘却しているような場合)、逆辞書6に登録されている当該単語を削除するような処理を組み込んでもよい。
【0095】
このように、本実施形態では、逆辞書6は、カラーマーカによる単語登録のほかに、孔版印刷装置100操作用タッチパネルからのスペル直接入力などや、プレーンテキストファイル、XMLフォーマットなどエディタなどにより、単語の登録/削除/変更を行うことが可能である。このため、逆辞書6の中身を自由に閲覧することが可能であり、また、その中身を自由に登録・削除・変更できるため、メンテナンス性に優れている。
【0096】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態を説明する。
【0097】
本実施形態の孔版印刷システム1は、第1の実施形態で示したものと同じであるが、翻訳結果出力の実現方法が異なっている。
【0098】
本実施形態では、図7において、翻訳結果出力として"電子ペーパー表示"を指定しており、図15に示すように、2画面型の電子ペーパー400の一方の画面に、他国語原稿を表示し、他方の画面には、翻訳結果を表示する。このような2画面タイプの電子ペーパー400を使うことにより、他国語原稿はそのまま表示し、もう一方の画面に、他国語原稿に対応した位置に翻訳結果を表示させることが可能になるため、翻訳結果のスペースやレイアウトに自由度を持たせること可能になり、見栄えがよく、見やすく、わかりやすい表示をさせることが可能になる。
【0099】
これは、例えば、ユーザが、高齢者や弱視者であった場合、翻訳結果表示の文字フォントを大きくするなどの処置が取れるため、ユニバーサルデザインの観点からも効果が見込める。さらに、電子ペーパー400が内蔵スピーカ搭載型であった場合、読み上げ機能を使って、当該他国語文(英文)もしくは他国語単語(英単語)を読み上げるようなことも考えられる。
【0100】
また、同じく2画面タイプの表示端末で、一方が電子ペーパー400、他方がタッチパネル液晶のような場合、本実施形態をベースにして、例えば図15において、一方の画面に他国語原稿を表示し、他方の翻訳結果を表示させた状態において、今ひとつ翻訳結果に合点がいかない単語や逆辞書6ではじかれているものの、既に意味を忘却してしまった単語などを補足的に調べたい時、どちらかの画面を、辞書アプリケーションやインターネットの辞書検索ページに切り替え、ペン入力やキー入力などで前記単語などを直接入力し、検索・表示して調べるような処理構成にすることも考えられる。
【0101】
さらに、一方の画面では、翻訳結果表示をさせるなど、本来の他国語単語翻訳機能に関する用途に用い、他方の画面では、本実施形態の他国語単語翻訳機能を利用するためのガイドや作業手順・使い方を電子ペーパー400の場合、静止画表示、タッチパネル液晶の場合、動画表示、させるなどの処理構成にすることも考えられる。
【0102】
このように、本実施形態では、翻訳結果表示・保存手段の表示装置が、2画面型の無給電画像表示装置、つまり、電子ペーパー400であるため、一方の表示面に他国語原稿を表示し、他方の表示面に他国語単語翻訳を表示するため、翻訳結果の表示において、製版・印刷を行う方法に比して、マスタ/印刷用紙を消耗することがなく、ので、省資源化を図ることができ、また、他国語原稿と翻訳結果を合成して表示させる方法に比して、他国語原稿とは別の独立した自由なレイアウトや表現方法をとれ、他国語原稿の行間や空きスペースに翻訳結果を入れ込むことによる見難さからも開放される。
【0103】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態を説明する。
【0104】
本実施形態の孔版印刷システム1は、第1の実施形態で示したものと同じであるが、逆辞書指定の実現方法が異なっている。
【0105】
第1の実施形態では、逆辞書6としてユーザ個別の逆辞書6を使用していたが、図7の単語翻訳メニューにおいて、逆辞書指定部分を選択すると、さらに図16に示されるようなサブメニューが開かれる。ここにおいて、逆辞書6を使用するか否かの指定と、使用する場合、使用可能な予め用意されている逆辞書6もしくはユーザ指定の逆辞書6を指定することができる。図16に示した例では、予め用意されている逆辞書6として、中学、高校などの学校教育課程における英語教育で必須とされる英単語を教育課程レベル毎に集めたものや、英検、TOEICなどの公的認定機関/組織が実施している試験・検定で目安とされる英単語を級あるいはスコアなどのレベル毎に集めたものを用意しており、図16は"中学3年レベル"の逆辞書6が指定されていることを示している。
【0106】
これにより、当該逆辞書6に登録されている他国語単語、図16に示した例では、中学3年までの履修レベルの他国語単語(英単語)は、翻訳サーバ600への翻訳依頼の前処理として、翻訳が必要ないものとして除外される。
【0107】
尚、本実施形態では、逆辞書6を使用する/しない設定と、図6などの翻訳機能割り当てに矛盾が生じるような場合、例えば、逆辞書6を使用しないと設定しているにもかかわらず、翻訳機能で逆辞書登録を設定しようとしたような場合、警告表示やグレーアウトによる排他制御などがかかるようになっている。
【0108】
また、逆辞書6を複数指定した場合の矛盾、例えば、中学1年レベルと中学3年レベルを指定したような場合には、本実施形態では、基本的に、上位レベルが優先され、例えば、結果として中学3年レベルの逆辞書6が適用される。
【0109】
しかしながら、これは逆辞書6の収録構成に依存するので一概にいえるものではない。即ち、中学3年レベルの逆辞書6に、中学1年〜中学2年レベルの逆辞書6の内容(単語)が含まれているような収録構成となっている場合は、実質中学1年レベルの指定の意味がなく、前述のように、いわば積集合をとるような扱いでよいが、学年ごとに独立した内容(単語)のみの収録構成となっている場合、動作としては多少おかしいが、和集合をとるような扱いをしなければならない。
【0110】
また、本実施形態では、予め用意されている逆辞書6として、中学1〜3年レベルや英検5級〜3級レベルを挙げているが、これに限定されるものではない。
【0111】
さらに、図16の「その他の指定」項目では、ユーザ個別の逆辞書6や外部の辞書が指定できる。即ち、第1の実施形態では、図7の「逆辞書管理」項目から、図示しないサブメニュー上で、ユーザが個別に生成・登録するなどし、当該孔版印刷装置100のフラッシュROM217などの記録装置に格納されている逆辞書6を指定していた。
【0112】
それのみならず、当該孔版印刷装置100のスロットに装着された携帯型メモリ上に格納されている逆辞書6を指定することもできる。これにより、異なる孔版印刷システム1においても、共通した逆辞書6を使用することができる。
【0113】
当然のことながら、当該孔版印刷装置100のフラッシュROM217などの記録装置に格納されている逆辞書6を携帯型メモリ上に書き出す処理やその逆の処理も「逆辞書管理」項目でサポートされている。
【0114】
このように、本実施形態では、逆辞書6が逆辞書はユーザごとに所有・利用することや、携帯型のメモリに格納すること、任意の孔版印刷装置100から利用することなどが可能であるので、個別のユーザの語学スキルに応じた逆辞書6の生成や指定ができ、また、指定された逆辞書6が他国語単語を翻訳するか否かの取捨選択するため、個別のユーザの語学スキルに応じた他国語単語翻訳機能を提供することができる。また、携帯型メモリに格納された逆辞書6を利用できるため、孔版印刷装置ごとに逆辞書6を用意する必要がなく、孔版印刷装置100に依存せず、同一の逆辞書6を利用することができる。
【0115】
また、本実施形態では、逆辞書6が中学、高校などの学校教育課程における英語教育で必須とされる英単語を教育課程レベル毎に集めたものや、英検、TOEICなどの公的認定機関/組織が実施している試験・検定で目安とされる英単語を級あるいはスコアなどのレベル毎に集めたものなどの予め用意されている辞書を少なくとも何れか1つ以上を指定して利用することが可能であるため、個別のユーザの語学スキルに応じた逆辞書6を指定でき、また、指定された逆辞書6が他国語単語を翻訳するか否かの取捨選択するため、個別のユーザの語学スキルに応じた他国語単語翻訳機能を提供することができる。また、ユーザ自ら逆辞書6を生成する必要がなく、省力化に資する。また、既存の逆辞書6が、ユーザによるカスタマイズが自由にできるように作られている場合、より柔軟性・拡張性に富むものとなる。
【0116】
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態を説明する。
【0117】
本実施形態の孔版印刷システム1を図17〜図18に示す。本実施形態は、第1の実施形態で示したものとほぼ同じであるが、2枚の電子ペーパー400A、400Bが、孔版印刷装置100の外装の一部として一体化されて取り付けられていることと、課金に関わる部分が付加されているところが異なっている。
【0118】
より詳しくは、本実施形態の孔版印刷システム1は、当該孔版印刷システム1の利用に課金を行うか否かの設定や、当該孔版印刷システムの有する機能に各々重み付けの設定、料金を課す基準となる閾値の設定などを行う課金設定手段10(タッチパネル115)を備えている。
【0119】
また、本実施形態の孔版印刷システム1は、前記課金設定手段10において、当該孔版印刷システム1の利用に際して課金を行う旨の設定がなされていた場合であって、かつ、課金条件を満たした場合、予め定められた料率に従い課金処理を行う課金手段11(外部課金装置19)を備えている。
【0120】
また、本実施形態の孔版印刷システム1は、前記課金設定手段11において、当該孔版印刷システム1の利用に際して課金を行う旨の設定がなされていた場合、例えば、他国語原稿のスキャン〜他国語単語翻訳〜翻訳結果の製版・印刷、を一連の作業(ジョブ)と見なしたときに、利用したスキャン機能、他国語単語翻訳機能、製版機能、印刷機能について、前記課金設定手段により予め付与され重み付けされた計数値の積算値を算出し、算出された積算値を、前記課金設定手段により予め設定されている閾値と比較し、積算値が閾値を超えた時、課金条件を満たしたとみなし、前記課金手段により、予め定められた料率に従い課金処理がなされるように制御する制御手段9(孔版印刷装置の制御部20)を備えている。
【0121】
なお、上記の各部分において、カッコ内に実現手段を示している。
【0122】
また、本実施形態では、当該孔版印刷システム1が、コンビニエンスストアなどの一般ユーザが自由に出入りし、操作できる場所に設置され、その利用度合いによって、課金処理(利用料金の徴収)を行うビジネスモデルに適用されているものとする。
【0123】
そして、当該孔版印刷システム1は、孔版印刷システム1の管理者もしくは孔版印刷システム1の所有者などにより、図19〜図21に示すように、予め他国語単語翻訳、表示、課金のための設定などがなされているものとする。
【0124】
図20では、「他国語単語翻訳機能」項目を"許可する"に設定しているが、これはデフォルト設定であり、「外部課金」項目は、デフォルト設定の"しない"を"する"に設定変更している。これは、本実施形態で想定するビジネスモデルから当然の帰結である。
【0125】
一方、「他国語単語翻訳機能」項目で"許可しない"を選択できるようにしている意義は、例えば、当該孔版印刷システム1の設置場所が、学校のような場合、当該機能を利用して英語の教科書を翻訳しようとするような生徒の不適切な行為を抑止する場合などに必要となる。
【0126】
さらに、本実施形態には、当該メニューである管理者用設定メニューを変更するためには管理者権限を要するように、アクセス制御をかける仕組みが、既に従来の孔版印刷システム1から利用可能なように用意されている。このため、本実施形態では、これらの仕組みを組み合わせることにより、当該他国語翻訳機能の柔軟な運用を可能である。
【0127】
また、図21は課金に関わる部分であり、図21に示した例では、課金閾値として10ポイント、利用機能重み付けとして、機能ごとに図中に示されるようなポイント設定がなされている。
【0128】
尚、図21に示されている、課金閾値、列挙されている機能とその重み付けは一例であり、当然これに限定されるものではない。
【0129】
また、第1の実施形態の孔版印刷システム1では、製版動作を行った後、試し印刷もしくは版付けと呼ばれる、製版済みマスタを版胴に巻き付ける動作を行って、一時停止するかもしくは引き続き、印刷動作に入るが、本実施形態の孔版印刷システム1では、製版動作に入る前に、孔版印刷装置100の外装に装着された電子ペーパー400に、これから製版しようとする画像を表示させ、ユーザの確認・了解を得た後、製版・印刷動作を行う(図23のST401〜ST408)。この点でも本実施形態は第1の実施形態の孔版印刷システム1と異なる。
【0130】
これは、PPCなどの複写装置と異なり、孔版印刷装置100は、画像形成に版と呼ばれるものが必要であり、その版を形成するために使用されるマスタのコストが高いため、製版した後に、作業を取り消したり、やり直したりするのでは、コストが高くつくためである。
【0131】
また、本実施形態では、このようなビジネスモデルに適用される孔版印刷システム1では、翻訳結果出力の出力先の選択肢として、文書蓄積と電子ペーパー表示が、削除もしくは選択不能になっている。
【0132】
これは、ユーザが、翻訳結果を蓄積文書として当該孔版印刷装置100内に蓄積するという使い方は、不自然であり、そのような用途が想定できないためである。もっとも、当該孔版印刷システム1が、内蔵している磁気ディスク装置(HDD)を利用したストレージサービス機能を有しており、一般ユーザにサービス提供するというようなビジネスモデルも考えられる。また、上記のようにしているのは、電子ペーパー表示は、前述のように製版・印刷を行う前に、ユーザの確認・了解を得るために表示しているので、改めて出力先として指定する必要性がないためでもある。
【0133】
例えば、上記のように設定された孔版印刷システム1において、ユーザが、第1の実施形態で行ったような他国語単語翻訳を行ったとすると、カラーコマンドシート15のスキャンが1ポイント、原稿のスキャンが1ポイント、翻訳が5ポイント、電子ペーパーへの試し印刷(プレビュー)が1ポイント、製版で7ポイント、印刷で3ポイント、であるので、利用した機能の積算値は、計18ポイントとなり、課金閾値10を超える。よって、課金処理がなされる(図22のST110、ST111)。
【0134】
尚、印刷は3ポイントとなっているが、これは出力が印刷出力を選択した場合のポイントであり、言うなれば基礎ポイントとも言える。実際に課金されるのは、さらに印刷枚数分の従量ポイント分が加算されるので、いくら印刷しても3ポイントのままという意味ではない。複数枚の原稿について、同様のことを行うのであれば、当然複数枚分が勘案されたものになることは言うまでもない。
【0135】
前述の基礎ポイントや従量ポイントに対して、実際にどれくらいの金額や料率を課するかということは、孔版印刷システム1の設計における裁量もしくはビジネスモデルにおける設定により、いかようにも定められるものであり、また、本発明の主たる要件をなすものではないので、説明を省略する。
【0136】
本実施形態に従えば、孔版印刷システム1の一般的な使い方、即ち、原稿をスキャンして製版・印刷するという使い方の場合、スキャンで1ポイント、製版で7ポイント、印刷で3ポイントであり、この時点で既に課金閾値を超えるので、課金処理される。これは、コンビニエンスストアに設置されたPPCなどの複写装置で、複写機能をユーザに提供し、その対価として課金するもしくは利用料金を徴収するという現在のビジネスモデルと、一見してなんら変わるところはない。
【0137】
しかしながら、例えば、他国語翻訳で、カラーコマンドシート15のスキャンが1ポイント、原稿のスキャンが1ポイント、翻訳が5ポイント、電子ペーパーへの試し印刷(プレビュー)が1ポイント、翻訳結果の携帯型メモリへの保存が1ポイントというような利用をした場合、計9ポイントとなり、課金閾値を超えないので、ユーザは、実質無料で翻訳サービスを受けることができる。あるいは、携帯型メモリに保存するかわりに、電子メールにより、自分宛あるいは任意の配信先に送信するという利用でも同様となる。
【0138】
このような、サプライ品の消費を伴わない当該孔版印刷システム1の利用の場合、実質的なコストは、コンビニエンスストア側が負担し、限定的であっても無料のサービスを提供することにより、集客効果を狙うなどのビジネスモデルをとることもできる。
【0139】
このように、本実施形態によれば、孔版印刷システム1の有する機能に自由に重み付けができ、さらに閾値によって課金の有無を決定できるので、柔軟なビジネスモデルを構築することができる。
【0140】
尚、翻訳サービスが有料の場合、別途、課金・精算が必要とされるであろうから、当該孔版印刷システム1の課金処理では、個別には課金しないとすることもできる。但し、このような場合、翻訳依頼の証拠を残すため、当該孔版印刷システム1のログを残すような仕組みが必要である。
【0141】
さらに、翻訳サーバ600側で、翻訳処理結果に翻訳サーバ600の広告などを付加させるもしくはそのような広告をうつことを許可するような場合、当該孔版印刷システム1の課金処理で、割引料金を適用するような料金体系をとってもよい。
【0142】
このように、本実施形態では、他国語単語翻訳機能のみならず、孔版印刷システム1の有する機能(サービス)ごとの提供に対する(無料も含めて)適切な料金を課すことが可能であるため、新たなビジネスモデルの提供や創出を行うことを可能にする。また、課金のための各機能への重み付けや閾値が、自由に設定できるため、柔軟性を持った課金体系とすることが可能である。
【0143】
上述した実施形態における処理動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0144】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)から、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリ(RAM)にプログラムを読み込んで実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0145】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO(Magneto Optical)ディスク等の光磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。
【0146】
このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することが可能である。
【0147】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0148】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0149】
また、上記実施形態で説明したシステムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築することも可能である。
【0150】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0151】
また、本発明における孔版印刷システムは、翻訳しない単語を登録した逆辞書を記憶する記憶手段をさらに有し、前記翻訳手段は、前記解析手段により解析された前記第1の色で指定された特定のエリア内の単語のうち、前記逆辞書に登録されていない単語だけを翻訳するようにしても良い。
【0152】
また、本発明における孔版印刷システムは、前記解析手段により解析された単語のうち、第2の色で指定された特定のエリア内の単語を前記逆辞書に登録する登録手段をさらに有するようにしても良い。
【0153】
また、本発明における孔版印刷システムは、前記逆辞書は、記憶媒体に記憶された逆辞書を前記記憶手段に書き移したものであるようにしても良い。
【0154】
また、本発明における孔版印刷システムは、ユーザによる前記逆辞書の編集を受ける入力手段をさらに有するようにしても良い。
【0155】
また、本発明における孔版印刷システムは、前記翻訳手段による翻訳の結果を出力する出力手段をさらに有するようにしても良い。
【0156】
また、本発明における孔版印刷システムは、前記出力手段は、2つの画面を有する電子ペーパーであり、前記電子ペーパーのうちの1つの画面に原稿の内容を出力し、他方の画面に前記翻訳手段により翻訳された単語の翻訳結果を出力するようにしても良い。
【0157】
また、本発明における孔版印刷システムは、処理した内容に基づき、課金を行う課金手段をさらに有するようにしても良い。
【符号の説明】
【0158】
1 孔版印刷システム
2 エリア指定手段
3 カラー読取り手段
4 他国語単語翻訳指定手段
5 翻訳サービス提供手段
6 逆辞書
7 逆辞書処理手段
8 翻訳結果出力手段
9 制御手段
10 課金設定手段
11 課金手段
15 カラーコマンドシート
20 制御部
100 孔版印刷装置
110 スキャナ
115 タッチパネル
217 フラッシュROM
400 電子ペーパー
600 翻訳サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0159】
【特許文献1】特開平5−324704号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿と、複数の色により原稿上の特定のエリアが指定されたカラーコマンドシートと、をカラー画像として読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた前記原稿のうち、前記カラーコマンドシートに指定された特定のエリア内の単語を解析する解析手段と、
前記解析手段により解析された単語のうち、第1の色で指定された特定のエリア内の単語を翻訳する翻訳手段と、を有することを特徴とする孔版印刷システム。
【請求項2】
翻訳しない単語を登録した逆辞書を記憶する記憶手段をさらに有し、
前記翻訳手段は、
前記解析手段により解析された前記第1の色で指定された特定のエリア内の単語のうち、前記逆辞書に登録されていない単語だけを翻訳することを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷システム。
【請求項3】
前記解析手段により解析された単語のうち、第2の色で指定された特定のエリア内の単語を前記逆辞書に登録する登録手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の孔版印刷システム。
【請求項4】
前記逆辞書は、
記憶媒体に記憶された逆辞書を前記記憶手段に書き移したものであることを特徴とする請求項2または3に記載の孔版印刷システム。
【請求項5】
ユーザによる前記逆辞書の編集を受ける入力手段をさらに有することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の孔版印刷システム。
【請求項6】
前記翻訳手段による翻訳の結果を出力する出力手段をさらに有することを特徴とする請求項1から5にいずれか1項に記載の孔版印刷システム。
【請求項7】
前記出力手段は、
2つの画面を有する電子ペーパーであり、
前記電子ペーパーのうちの1つの画面に原稿の内容を出力し、他方の画面に前記翻訳手段により翻訳された単語の翻訳結果を出力することを特徴とする請求項6に記載の孔版印刷システム。
【請求項8】
処理した内容に基づき、課金を行う課金手段をさらに有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の孔版印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−48302(P2012−48302A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187283(P2010−187283)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】