説明

学校や幼稚園の門扉施錠管理装置

【課題】少数の施設管理者が持っているメインリモコンキーと多数の施設利用者が持っているサブリモコンキーを識別して、施設利用者がリモコンキーを紛失した場合の施設のセキュリティを向上させた施錠管理装置の提供。
【解決手段】門扉に設けた電子錠1,2を遠隔で開施錠操作するメインリモコンキー3とサブリモコンキー4を設け、メインリモコンキー3とサブリモコンキー4からの信号を受ける制御装置5にキーの識別コードを受けて判断する判断手段を設けると共に、メイン識別コードを記憶する記憶部とサブ識別コードを記憶する記憶部を別個に設け、メイン識別コード受信時に完全施錠指令を受けた場合には、サブ識別コードを持ったリモコンキーからの開錠指令を無視することによりサブリモコンキー4での開閉操作を不可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学校や幼稚園等の広い敷地に設ける複数の出入口や門扉の施錠管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の玄関や門扉に設けた電子ロック錠をリモコンキーで開閉する場合にそのリモコンキーの識別コードを確認して電子ロック錠の施錠や開錠を制御する施錠管理装置は、例えば特開2004−120257号公報に記載されている。
【特許文献1】特開2004−120257号公報
【0003】
この施錠管理装置は、リモコンキーの発信する識別コードが正規に登録したものであるかどうかを確認してリモコンキーで入力する開錠信号で開錠動作するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
学校や幼稚園等では、生徒や園児以外に門扉を開いて通行する者として施設の管理者と父兄等の施設利用者があり、それぞれが持っているリモコンキーで門扉に設けた電子錠の開閉を自由に行えるようにすると、施設利用者がリモコンキーを紛失した場合にそのリモコンキーを第三者が悪用する可能性が有って安全の確保上問題が有る。
【0005】
そこで、本発明は、少数の施設管理者が持っているメインリモコンキーと多数の施設利用者が持っているサブリモコンキーを識別することで、夜間や施設閉鎖時に施設管理者の持っているメインリモコンキーで施錠すると施設利用者のサブリモコンキーでは門扉の開錠操作を出来なくすることで施設のセキュリティを向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、門扉に設けた電子錠1,2を遠隔で開施錠操作するメインリモコンキー3とサブリモコンキー4を設け、メインリモコンキー3にはサブリモコンキー4での開閉操作を不可能にする完全施錠の機能を設けて学校や幼稚園の門扉施錠管理装置とした。
【0007】
より具体的には、メインリモコンキー3とサブリモコンキー4からの信号を受ける制御装置5にキーの識別コードを受けて判別する判断手段15を設けると共にメイン識別コードとサブ識別コードを記憶する記憶部9,10を設け、メイン識別コード受信時に完全施錠指令を受けた場合には、サブ識別コードを持ったリモコンキーから開錠指令を受けてもその開錠指令を無視すべくして学校や幼稚園の門扉施錠管理装置を構成した。
【0008】
その際に、メイン識別コードを記憶する記憶部(9)とサブ識別コードを記憶する記憶部(10)を別々の記憶部として設けると共にそれぞれの変更操作信号を別にすることで、メインリモコンキー3とサブリモコンキー4を変更する場合に誤って識別コードを記憶させることを防げる。
【0009】
また、メインリモコンキー3での遠隔操作可能範囲を広く、サブリモコンキー4での遠隔操作可能範囲を狭く制限することで、メインリモコンキー3の一回操作で離れた位置にある複数の門扉を完全施錠に出来る。
【発明の効果】
【0010】
前記の構成によれば、施設利用者に持たせるサブリモコンキー4で門扉が開錠操作が出来るのはメインリモコンキー3で完全施錠に設定していない場合のみで、夜間や施設施錠時にメインリモコンキー3で完全施錠にしている場合には多数支給されるサブリモコンキー4での開錠操作が行えなくなるので、サブリモコンキー4が不正に使用されることを防ぐことが出来、施設管理者が学校等の施設に常駐する必要が無く、管理コストが安く出来る。
【実施例】
【0011】
次に、本発明の一実施例を示す図面を参照しながら説明する。
図1は、全体の構成を示すもので、電話器6に制御装置5を連結していて、この制御装置5は赤外線センサ21、煙センサ22、窓センサ23、ガス漏れ警報器24、錠センサ1,2からの警報信号を受けると警報器20を鳴動させたり電話器6へ警報信号を出力したりする。
なお、赤外線センサ21は、人がよく動く場所を監視できるように設置し、夜間や休日時に人を感知すると制御装置5へ通報する。
【0012】
さらに、制御装置5は、開錠信号を受けた複数の錠センサ1,2からリモコンキー3,4の識別コードを受けて開錠するかどうかの判断を行う。
メインリモコンキー3とサブリモコンキー4a,4b,4cは、電子錠1,2へ開閉信号を送信するもので、固有の識別コードと共に開閉信号を出すようにしている。また、メインリモコンキー3とサブリモコンキー4は略同一構成であるが、サブリモコンキー4には発信回路に抵抗を加えることで送信距離を2〜3m程度とし、メインリモコンキー3の送信距離である100m程度よりも短くしている。
【0013】
図2は、警報や開閉信号の流れを示す制御ブロック図で、複数の電子錠1,2を介して入力するメインリモコンキー3やサブリモコンキー4a,4b,4cからの識別コードと開閉指令を入力端部8に入力し、赤外線センサ21や煙センサ22、窓センサ23、ガス漏れ警報器24からの信号が入力端部8に入力する。
制御装置5の内部には中央演算装置15と別々の記憶部としてメイン識別コード記憶部9及びサブ識別コード記憶部10を設けて、開錠操作したリモコンキー3,4の識別コードがどちらに属しているかを中央演算装置15で判別するようにしている。
【0014】
メイン識別コード記憶部9はメインリモコンキー3の識別コードを記憶し、サブ識別コード記憶部10はサブリモコンキー4a,4b,4cの識別コードを記憶しておく。メインリモコンキー3或いはサブリモコンキー4a,4b,4cを変更する場合には、識別コードの記憶を変更することになるが、メインリモコンキー3とサブリモコンキー4a,4b,4cの識別コード変更操作信号を別々にしておくことで誤って識別コードを同じにすることを防げる。
【0015】
制御装置5の出力端部11からは、複数の電子錠1,2へ開閉指令を送り、電話器6へ警報を通知し、警報機20へ鳴動指令を出す。電話器6からは管理者の携帯電話7へ不審者侵入などの通知を行う。
【0016】
図3は、リモコンキー3,4による開錠指令に対する判断処理の制御フローチャート図である。
開錠信号をメインリモコンキー3やサブリモコンキー4a,4b,4cから開錠信号を電子錠1,2に対して送ると、そのリモコンキー3やサブリモコンキー4a,4b,4cの識別コードと共に開錠指令が中央演算装置15に入力(S1)し、完全施錠の状態かを判定し(S2)、完全施錠であれば識別コードがメインリモコンキー3の識別コードであるメインコードかどうかを判断し(S3)、メインコードで有れば開錠し(S5)メインコードでなければ開錠せずそのままにしておく(S4)。
【0017】
ステップS2で完全施錠でなければ、識別コードがメインコードであるかの判定(S6)を行い、YESすなわち開錠指示したリモコンキーがメインリモコンキー3である場合には開錠する。(S5)
【0018】
また、ステップS6で識別コードがメインコードで無い場合には、サブリモコンキー4a,4b,4cの識別コードであるサブコードであるかの判定を行い(S7)、サブコードで有れば開錠し(S5)、サブコードでない場合には開錠せずそのままにしておく。(S4)
【0019】
図4は、施錠状態の判定フローチャートで、リモコンキー3やサブリモコンキー4a,4b,4cで施錠信号を錠1,2へ送る(S10)と、中央演算装置15でメインコードであるかの判定を行い(S11)、メインコードであれば電子錠1,2を施錠すると共に中央演算装置15に「完全施錠」として記憶し施錠する。(S13)
メインコードでなければサブコードかどうかの判定を行い(S4)、サブコードであれば電子錠1,2を施錠すると共に中央演算装置15に「通常施錠」として記憶し施錠しておく。(S14)サブコードでもなければ錠1,2は動作しない。(S15)
【0020】
なお、電子錠1,2は扉を閉めると自動的に施錠するオートロックにしてもよく、このオートロックは通常施錠状態で、メインリモコンキー3、或いはサブリモコンキー4a,4b,4cのどちらでも開錠操作できるようにする。
【0021】
メインリモコンキー3は、施設管理者が持つもので、10個程度有り、サブリモコンキー4は施設利用者が持つもので、100〜200個程度ある。
【0022】
なお、本実施例ではメインリモコンキー3とサブリモコンキー4a,4b,4cの信号送信は無線であるが、電話を含む有線にした場合も本発明に含まれる。その場合には、識別コードを音声や数値信号で入力することになり、信号の入力手段は指紋や声紋や静脈配列或いは網膜情報等の人固有情報でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例における全体構成斜視図である。
【図2】本発明の実施例における制御ブロック図である。
【図3】本発明の実施例における制御フローチャート図である。
【図4】本発明の実施例における制御フローチャート図である。
【符号の説明】
【0024】
1 電子錠
2 電子錠
3 メインリモコンキー
4 サブリモコンキー
5 制御装置
6 電話器
15 判断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
門扉に設けた電子錠(1),(2)を遠隔で開施錠操作するメインリモコンキー(3)とサブリモコンキー(4)を設け、メインリモコンキー(3)にはサブリモコンキー(4)での開閉操作を不可能にする完全施錠の機能を設けてなる学校や幼稚園の門扉施錠管理装置。
【請求項2】
メインリモコンキー(3)とサブリモコンキー(4)からの信号を受ける制御装置(5)にキーの識別コードを受けて判断する判断手段(15)を設けると共にメイン識別コードとサブ識別コードを記憶する記憶部(9),(10)を設け、メイン識別コード受信時に完全施錠指令を受けた場合には、サブ識別コードを持ったリモコンキーからの開錠指令を無視すべくした特許請求の範囲第1項に記載の学校や幼稚園の門扉施錠管理装置。
【請求項3】
メイン識別コードを記憶する記憶部(9)とサブ識別コードを記憶する記憶部(10)を別々の記憶部として設けると共にそれぞれの変更操作信号を別にしてなる特許請求の範囲第2項に記載の学校や幼稚園の門扉施錠管理装置。
【請求項4】
メインリモコンキー(3)での遠隔操作可能範囲を広く、サブリモコンキー(4)での遠隔操作可能範囲を狭く制限してなる特許請求の範囲第1項に記載の学校や幼稚園の門扉施錠管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−56644(P2007−56644A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270944(P2005−270944)
【出願日】平成17年8月21日(2005.8.21)
【出願人】(598014744)有限会社テクノ創研 (2)
【Fターム(参考)】