説明

完全に生物分解可能なプラスチック原料及びその製造方法

本発明は、完全に生物分解可能なプラスチック原料及びその製造方法に関する。前記完全に生物分解可能なプラスチック原料は、澱粉、カップリング剤、分散剤、多環性ラクトン、可塑剤、固化防止剤、化学分解促進剤及び酸素分解補助剤からなる。その製造方法は、(1)澱粉を粉砕及び脱水し、(2)混合し、(3)射出成型することを含む。本発明の完全に生物分解可能なプラスチック原料は、完全な生分解性を有し、それは、実際、迅速に分解され、白色汚染を無くし、環境に溶け込むと同時に、コストが低く、代替え性が良好である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物分解可能なプラスチック原料及びその製造方法であり、特に、完全に生物分解可能なプラスチック原料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市販中各種の自己分解プラスチック材料には、光分解、光生物分解、光酸素分解、高含量澱粉生物分解、高炭酸カルシウム酸素分解などがある。しかしながら、これらのプラスチック材料は多少なりポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン又はポリ塩化ビニールなどのポリオレフィン成分が含まれていたため、廃棄後に完全な分解ができなく、“白色汚染”の課題を完全に解決できない。
【0003】
最近には、<<ポリカプロラクタム>>《ポリカプロラクタムの特性紹介及びその応用の見通し》(中国科学院新疆分院、新疆第四期学術年会報告、http://www.xjb.ac.cn)、<<生物分解プラスチック - ポリヒドロキシ・アルカネーツ(PHA)の生産技術研究》<<中国プラスチック協会分解プラスチック専門委員会(中國塑協降解塑膠專委會)成立大会論文集>>、2001年11月)、<<微生物合成ポリヒドロキシ脂肪酸高分子原料》(<<分解プラスチック通信>>、2002年12月20日、33回)などの文献資料に披露されている。
【0004】
エステル系の多環性ラクトンプラスチック原料を含まれる(分子構造式:
【化1】

ポリグリコール酸(分子式:
【化2】

(分子構造式:
【化3】

)、
ポリ乳酸(分子式:
【化4】

、分子構造式:
【化5】

ポリカプロラクタム(分子式:
【化6】

分子構造式:
【化7】

ポリヒドロキシ脂肪酸(PHA)(分子構造式:
【化8】

【0005】
そのうち、n=1,2,3,4;n=1のときは、β-ヒドロキシ脂肪酸、通常n=1。Mは重合の度合いを示す。Rは側鎖であり、グループが異なっても良い。)などは、微生物の分泌酵素により素早く分解される、その主鎖上のエステル系
【化9】

を素早く断ち切って二酸化炭素と水を生成し、完全な生物分解ができる。ただし、この種原料の生産単位原価が高く(6-8米ドル/キロ)、速生資源でないため、市場開拓が難しい。
【0006】
澱粉は、自然界の天然の高分子であり、その分子に水酸基と過酸化チェーン(分子式;
【化10】

分子構造:
【化11】

ポリエステルのチェーン構造に類似し、完全に生物分解できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、単位生産原価が低く、完全に生物分解可能なプラスチック原料とその製造方法に関わる。本発明の完全に生物分解可能なプラスチック原料は、各種の分解プラスチック製品の合成に使用できる。
【発明を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を実現するため、本発明は、以下の手順により実現する。完全に生物分解するプラスチック原料の組成(重量)は澱粉100部、カップリング剤3-12部、分散剤5-20部、多環性ラクトン30-90部、可塑剤12-35部、固化防止剤0.2-1.0部、化学分解促進剤3-18部、酸化補助剤0.2-1.2部;
そのカップリング剤はアルミ酸エステル又はジイソシアナートなどである;
その分散剤は、グリセリン、トウモロコシ油又は白油などである;
完全に生物分解するエンジニヤリングプラスチック原料を生成するとき、その多環性ラクトンは分子構造における重複単位チェーンが短く、剛性が大きい、硬度が高い多環性ラクトン(ポリグリコル酸又はポリ乳酸が好ましい)を用いて、完全に生物分解する薄膜類のプラスチック原料をを生成するとき、その多環性ラクトンは分子構造における重複単位チェーンが長く、柔和性が大きい多環性ラクトン(ポリカプロラクタム又はポリヒドロキシ脂肪酸を用い、
エステル(ポリβ-水酸基ブチル)が好ましい(分子構造式:
【化12】

);
その可塑剤はシラン改質低分子鑞(CH-PA)エチレン酢ビコポリマー、(EVA)低分子鑞を用いる;
その酸化補助剤は、低温熱酸化剤又は不飽和脂肪酸などを用いる;
その化学分解促進剤は遷移金属の水素酸塩種を用いる;
その固化防止剤はケイ素アルミ酸ナトリウム又は二酸化ケイ素などを用いる。前述の本発明の完全に生物分解するプラスチック原料組成に可塑剤、分散剤を加えることは、多環性ラクトンの可塑温度を下げて、澱粉とより良いの混煉結合を図るためである。
【0009】
前述の本発明の完全に生物分解するプラスチック原料組成に、澱粉分子チェーンのうち、三つの水酸基は親水基であり、多環性ラクトンはチェーンの末尾しかこのようなグループがない。よって、二者をうまく結合させるため、カップリング剤を加えて変性を行う。
【発明を実施するための最良形態】
【0010】
本発明の完全に生物分解するプラスチック原料の生産は、以下の手順により実現できる。
1. 澱粉の粉砕、脱水:
(1) 澱粉、水、固化防止剤を混合した上、攪拌してパルプにした後、澱粉の粒径が1-10μmなるまで粉砕機にて20-30分粉砕する。なお、粉砕温度は40-60℃に管理し、粉砕化した澱粉パルプをマイクロフィルタにて脱水する;
(2) 初回脱水後の澱粉とグリセリン又はトウモロコシ油を混合した上、攪拌してパルプにした後、澱粉の粒径が<1μmなるまで粉砕機にて40-50分粉砕する。なお、粉砕温度は50-70℃に管理し、粉砕化した澱粉パルプをマイクロフィルタに入れて、澱粉の水分が<0.5%まで、第2回脱水後の澱粉を遠心機に入れて、油と粉を分離する;
(3) 手順2より得られた澱粉とカップリング剤を高速混練機に入れて、20-30分改質を行い、変性澱粉1を生成する;
2. 混煉:手順1より作られた変性澱粉1に以下の順序により、多環性ラクトン、可塑剤、分散剤、酸化補助剤、化学分解促進剤を入れて、20-30分を混煉する;
3. 成型:手順2により作られた材料を二軸押出機により押出造粒して、本発明のプラスチック原料を生成する。
【0011】
前述の本発明の完全に生物分解するプラスチック原料生成方法の成型手順3は、さらに、造粒した後、最終製品の加工が容易に行えることを確保するため、真空による密封包装工程を加えて、製品の保存、輸送の湿気による変質を避ける。
【0012】
完全に生物分解するエンジニアリング・プラスチック原料を生成するとき、前述の手順3の成型温度は、130-160℃(機器1組130℃、2組135℃、3組140℃、4組145℃、5組150℃、6組155℃、7組160℃、ヘッダー155℃)に管理する。そして、完全に生物分解する薄膜類のプラスチック原料を生成するとき、前述の手順3の成型温度は80-120℃(機器1組80℃、2組88℃、3組93℃、4組98℃、5組105℃、6組112℃、7組118℃、8組120℃、ヘッダー115℃)に管理する。
【0013】
手順1に示す粉砕機は中国江陰市康盛機械有限公司SK80-2Aの粉砕機を使用する;
手順1に示すマイクロフィルタには、中国天津藍十字膜技術有限公司HDZC-006-1マイクロフィルタを使用する;
手順1に示す遠心機は、中国合肥天公科技開發有限公司GKH1250-N遠心機を使用する;
手順2に示す高速混煉機は、中国山東曙光グループ機械工場GL500/1600の高速混煉機を使用する;
手順3に示す押出造粒機は、中国南京科亜(KEYA)公司TE-95二軸押出機を使用する。二軸押出機を選んだ主な理由は、多環性ラクトンと澱粉の分子構造とも大量な水酸基を含まれているため、水分子を吸収しやすく、二軸押出機の押出により、この二者をうまく融合し結合して、互いに貫通するネットワークを形成して、二軸押出機により、水分を有効に排出させ、乾燥な製品を得て、最終製品の加工に便利する。
【0014】
前述のその他工程は、一般の必要な工程であり、特別な要求がない。本発明の完全に生物分解するプラスチック原料の生成における澱粉の粉砕は、先行技術の澱粉粒度が大きい(20-150μm)ため、澱粉と多環性ラクトンとの結合に相応しくない。よって、澱粉粒度を1μm以下、多環性ラクトンに結合できる表面積に粉砕して、多環性ラクトンとの結合性を向上させる。
【0015】
本発明の完全に生物分解するプラスチック原料の生成における澱粉は、大量な親水基を含まれ水分が高く、製品の成型に不利な影響を与える。よって、澱粉の脱水工程は極めて重要である。
【0016】
本発明の生成方法より得られた完全に生物分解するプラスチック原料の長所は、使用・廃棄した後、短期間中に百パーセント微生物の分泌酵素によって素早く分解され、水と二酸化炭素に転化でき、“白色汚染”を完全に無くして、環境に溶け込められる。さらに、本発明における澱粉の成分が多く、しかも廉価であるため、本発明の単位原価が安い(約1.5米ドル)、先行技術の多環性ラクトンプラスチック原料のコストに対して3-4倍安い。さらに、澱粉は速生のため、再生資源に使用でき、資源が豊富で、本発明実施製品の代替え性を良くする。
【実施例】
【0017】
以下に、実施例をもって本発明の実施手法を説明する。なお、特記がないとき、組成の量は重量部であり、一つの重量部は1kgに相当する。
[実施例1]
【0018】
(1) 澱粉100部、水200部、固化防止剤0.3部を混合し攪拌してパルプにした上、SK80-2A粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒度が1-10μmなるまで、20-30分粉砕し、粉砕温度は40-60℃に管理する。
(2) 初回細分化された澱粉パルプ液をHDZC-006-1マイクロフィルタにて、脱水する。
(3) 初回脱水後の澱粉とグリセリン又はトウモロコシ油100部を再び混合し攪拌してパルプになった後、前述の粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒径が<1μmなるまで、40-50分粉砕し、粉砕温度は50-70℃に管理する。
(4) 二回目粉砕された澱粉パルプ液を前記のマイクロフィルタに入れて、澱粉の含水量が<0.5%になるまで脱水する。
(5) 二回脱水後の澱粉をGKH1250-N遠心機に入れて、油と粉を適宜に分離する。
(6) 手順5で得られた澱粉とカップリング剤3部をGL500/1600高速混煉機に入れて、20-30分混煉して、変性する。
(7) さらに、ポリグリ乳酸30部、可塑剤12部、分散剤5部、酸化補助剤0.5部、化学分解促進剤3部の順を入れて、20-30分混煉する。
(8) 手順7により得られた物質を二軸押出機により押出造粒する。押出温度は130-160℃ (機器1組130℃、2組135℃、3組140℃、4組145℃、5組150℃、6組155℃、7組160℃、ヘッダー155℃)、生成されたプラスチック粒子を真空による密封包装しておく、この粒子は完全に生物分解でするエンジニアリング・プラスチックの生産に提供する。
[実施例2]
【0019】
(1) 澱粉100部、水200部、固化防止剤0.2部を混合し攪拌してパルプにした上、SK80-2A粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒度が1-10μmなるまで、20-30分粉砕し、粉砕温度は40-60℃に管理する。
(2) 初回細分化された澱粉パルプ液をHDZC-006-1マイクロフィルタにて、脱水する。
(3) 初回脱水後の澱粉とグリセリン又はトウモロコシ油100部を再び混合し攪拌してパルプになった後、前述の粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒径が<1μmなるまで、40-50分粉砕し、粉砕温度は50-70℃に管理する。
(4) 二回目粉砕された澱粉パルプ液を前記のマイクロフィルタに入れて、澱粉の含水量が<0.5%になるまで脱水する。
(5) 二回脱水後の澱粉をGKH1250-N遠心機に入れて、油と粉を適宜に分離する。
(6) 手順5で得られた澱粉とカップリング剤4部をGL500/1600高速混煉機に入れて、20-30分混煉して、改質する。
(7) さらに、ポリグリ乳酸40部、可塑剤16部、分散剤8部、酸化補助剤0.2部、化学分解促進剤6部の順を入れて、20-30分混煉する。
(8) 手順7により得られた物質を二軸押出機により押出造粒する。押出温度は130-160℃(機器1組130℃、2組135℃、3組140℃、4組145℃、5組150℃、6組155℃、7組160℃、ヘッダー155℃)、生成されたプラスチック粒子を真空による密封包装しておく、この粒子は完全に生物分解でするエンジニアリング・プラスチックの生産に提供する。
[実施例3]
【0020】
(1) 澱粉100部、水200分、固化防止剤0.9部を混合し攪拌してパルプにした上、SK80-2A粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒度が1-10μmなるまで、20-30分粉砕し、粉砕温度は40-60℃に管理する。
(2) 初回細分化された澱粉パルプ液をHDZC-006-1マイクロフィルタにて、脱水する。
(3) 初回脱水後の澱粉とグリセリン又はトウモロコシ油100部を再び混合し攪拌してパルプになった後、前述の粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒径が<1μmなるまで、40-50分粉砕し、粉砕温度は50-70℃に管理する。
(4) 二回目粉砕された澱粉パルプ液を前記のマイクロフィルタに入れて、澱粉の含水量が<0.5%になるまで脱水する。
(5) 二回脱水後の澱粉をGKH1250-N遠心機に入れて、油と粉を適宜に分離する。
(6) 手順5で得られた澱粉とカップリング剤8部をGL500/1600高速混煉機に入れて、20-30分混煉して、改質する。
(7) さらに、ポリカプロラクタム50部、可塑剤24部、分散剤10部、酸化補助剤1.0部、化学分解促進剤5部の順を入れて、20-30分混煉する。
(8) 手順7により得られた物質を二軸押出機により押出造粒する。押出温度は80-120℃(機器1組80℃、2組88℃、3組93℃、4組98℃、5組105℃、6組112℃、7組118℃、ヘッダー115℃)、生成されたプラスチック粒子を真空による密封包装しておく、この粒子は完全に生物分解でするエンジニアリング・プラスチックの生産に提供する。
[実施例4]
【0021】
(1) 澱粉100部、水200分、固化防止剤1.0部を混合し攪拌してパルプにした上、SK80-2A粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒度が1-10μmなるまで、20-30分粉砕し、粉砕温度は40-60℃に管理する。
(2) 初回細分化された澱粉パルプ液をHDZC-006-1マイクロフィルタにて、脱水する。
(3) 初回脱水後の澱粉とグリセリン又はトウモロコシ油100部を再び混合し攪拌してパルプになった後、前述の粉砕機に入れて粉砕する。澱粉の粒径が<1μmなるまで、40-50分粉砕し、粉砕温度は50-70℃に管理する。
(4) 二回目粉砕された澱粉パルプ液を前記のマイクロフィルタに入れて、澱粉の含水量が<0.5%になるまで脱水する。
(5) 二回脱水後の澱粉をGKH1250-N遠心機に入れて、油と粉を適宜に分離する。
(6) 手順5で得られた澱粉とカップリング剤12部をGL500/1600高速混煉機に入れて、20-30分混煉して、改質する。
(7) さらに、水酸基ブチル90部、可塑剤35部、分散剤20部、酸化補助剤1.2部、化学分解促進剤18部の順を入れて、20-30分混煉する。
(8) 手順7により得られた物質を二軸押出機により押出造粒する。押出温度は80-120℃(機器1組80℃、2組88℃、3組93℃、4組98℃、5組105℃、6組112℃、7組118℃、ヘッダー115℃)、生成されたプラスチック粒子を真空による密封包装しておく、この粒子は完全に生物分解でするエンジニアリング・プラスチックの生産に提供する。
【0022】
本発明を実施した製品の生物分解性能テスト結果は、下表の通りに示す。
【表1】

【0023】
分解能力は、ISO14855の測定方法による。プラスチック材料が制御された堆肥条件において、酸素依存生物による分解能力及び構造崩壊性能の実験方法により、CO2生成量を分析する方法である。ISO14855により、完全な生物分解が得られる繊維素ををプラスチック材料分解率の参考比較材料とし、テスト実験45日後、参考比較材料の分解率が70%を超えるとき、完全な分解とみなされる。
【0024】
先行技術の澱粉型生物分解プラスチックの分解率が低い。これに対して、中国国家産業基準QB/T2461-1999(放送用分解ポリエチレンフィルム)で、その分解率は20%を下回ることができない、環境標章製品技術基準HJBI12-2000(包装製品)における分解率は15%以上とそれぞれ規定している。よって、前記表の資料より、本発明のプラスチック原料は完全に分解できると理解できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのプラスチック原料は澱粉100部と固化防止剤0.2-1.0部を2回の粉砕を経て脱水した後、カップリング剤3-12部と混煉し、改質澱粉を得た上、分散剤5-20部、多環性ラクトン30-90部、可塑剤12-35部、化学分解促進剤3-18部、酸素分解補助剤0.2-1.2部と混煉した後、射出成型により得られるものとし、その部数は重量部であることを特徴とする完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項2】
完全に生物分解するエンジニアリング・プラスチック原料を生産するとき、その多環性ラクトンは分子構造の重複単元チェーンが短く、剛性が大きく、硬度が高い多環性ラクトン構造であることを特徴とする請求項1記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項3】
その多環性ラクトンは、ポリ乳酸又はポリグリコル酸構造であることを特徴とする請求項1記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項4】
完全に生物分解する薄膜プラスチック原料を生産するとき、その多環性ラクトンは分子構造の重複単元チェーンが長く、柔和性が大きく、強靱性が高い多環性ラクトン構造であることを特徴とする請求項1記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項5】
その多環性ラクトンは、ポリグリコル酸又はポリヒドロキシ脂肪酸構造であることを特徴とする請求項4記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項6】
そのポリヒドロキシ脂肪酸は、ポリβ-水酸基ブチルであることを特徴とする請求項5記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項7】
重量部によるものは、澱粉100部、カップリング剤3-4部、分散剤5-8部、ポリ乳酸又はポリグリコル酸30-40部、可塑剤12-16部、固化防止剤0.2-0.3部、化学分解促進剤3-6部、酸化補助剤0.2-0.5部であることを特徴とする請求項3記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項8】
重量部によるものは、澱粉100部、カップリング剤8-12部、分散剤10-20部、ポリカプロラクタム又はポリβ-水酸基ブチル50-90部、可塑剤24-35部、固化防止剤0.9-1.0部、化学分解促進剤8-18部、酸化補助剤1.0-1.2部であることを特徴とする請求項5又は6記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項9】
完全に生物分解するプラスチック原料の生産は、以下の手順により実現できる完全に生物分解可能なプラスチック原料。
(1) 澱粉の粉砕、脱水:
(a) 澱粉、水、固化防止剤を混合した上、攪拌してパルプにした後、澱粉の粒径が1-10μmなるまで粉砕機にて20-30分粉砕し、ここで粉砕温度は40-60℃を管理し、粉砕化した澱粉パルプをマイクロフィルタにて脱水する;
(b) 初回脱水後の澱粉とグリセリン又はトウモロコシ油に混合して、攪拌してパルプにした後、澱粉の粒径が<1μmなるまで粉砕機にて40-50分粉砕し、ここで、粉砕温度は50-70℃を管理し、粉砕化した澱粉パルプをマイクロフィルタに入れて、澱粉の水分が<0.5%まで、第2回脱水後の澱粉を遠心機に入れて、油と粉を分離する;
(c) 手順(b)で得られた澱粉とカップリング剤を高速混練機に入れて、20-30分変性を行い、変性澱粉1を生成する;
(2) 混煉:手順1より作られた変性澱粉1に以下の順序により、多環性ラクトン、可塑剤、分散剤、酸化補助剤、化学分解促進剤を入れて、20-30分を混煉する;
(3) 成型:手順2により作られた材料を二軸押出機により押出造粒して、プラスチック原料を生成する。
【請求項10】
その成型手順3は、さらに造粒した上、空気を抜いて真空による密封包装工程を加えることを特徴とする請求項9記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項11】
その完全に生物分解できるエンジニアリング・プラスチック原料を生産するとき、前述の手順3における成型温度は130-160℃であることを特徴とする請求項9記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。
【請求項12】
その完全に生物分解できる薄膜プラスチック原料を生産するとき、前述の手順3における成型温度は80-120℃であることを特徴とする請求項9記載の完全に生物分解可能なプラスチック原料。

【公表番号】特表2006−518780(P2006−518780A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501451(P2006−501451)
【出願日】平成16年2月24日(2004.2.24)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000143
【国際公開番号】WO2004/076550
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505319980)
【氏名又は名称原語表記】DING Shaozhong
【住所又は居所原語表記】25F−C. Hongli Mansion, No. 168 Hudong Road, Fuzhou, Fujian, P.R.C
【Fターム(参考)】