説明

定置式作業機

【課題】本発明に係る定置式作業機は、アンカー金具を作業機本体に固定でき、且つアンカー金具の取付け位置を変更できる。
【解決手段】アンカーボルトによって基礎に固定される定置式作業機は、作業機本体と、アンカーボルトを締結するための孔111aを有するアンカー金具11と、アンカー金具11を作業機本体の正背面方向D1にスライド可能に支持し、作業機本体に固定される支持機構(支持金具12、及び底部8)と、アンカー金具11を支持機構に固定する固定機構(ネジ孔112a、長孔122a、及び固定ボルト13)と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーボルトによって構造物に固定される定置式作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、箱体取付け用の脚金具セット(1)を開示している(文献1:第4図)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2502163号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、アンカー金具(91)は、箱体(A)とは、別体の後付け部品であり、運搬時に梱包忘れや紛失のおそれがあった。
【0005】
また、本願の対象の作業機は、アンカー金具が箱体の外側に突出しているため、建物内の通路で作業機の搬送が妨げられる可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、アンカー金具を作業機本体に固定でき、且つアンカー金具の取付け位置を変更できる、作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る定置式作業機は、アンカーボルトによって基礎に固定される定置式作業機において、作業機本体と、アンカーボルトを締結するための孔を有するアンカー金具と、アンカー金具を作業機本体の奥行き方向にスライド可能に支持し、作業機本体に固定される支持機構と、アンカー金具を支持機構に固定する固定機構と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る定置式作業機は、アンカー金具を作業機本体に固定でき、且つアンカー金具の取付け位置を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】定置式作業機の正面、左側面、及び上面を示す斜視図である。
【図2】定置式作業機の後面、右側面、及び上面を示す斜視図である。
【図3】定置式作業機の内部の正面図である。
【図4】作業機本体の外側へ突出しているアンカー装置の正面、左側面、及び上面を示す斜視図である。
【図5】作業機本体の内側に収納されているアンカー装置の正面、左側面、及び上面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1、図2、及び図3を参照して、定置式作業機1を説明する。
【0011】
図1は、定置式作業機1の正面、左側面、及び上面を示す斜視図である。図2は、定置式作業機1の後面、右側面、及び上面を示す斜視図である。定置式作業機1は、作業機本体2、及び4つのアンカー装置3を備えている。アンカー装置3は、アンカーボルト20によって据え付け用の基礎4に固定される。本実施形態では、基礎4は長手の柱状体であり、いわゆる、ゲタ基礎である。なお、定置式作業機1の底面全域にベタ基礎を設けても良い。
【0012】
作業機本体2は、多数のカバーパネル5を有している。多数のカバーパネル5は、作業機本体2の内部を被覆している。
【0013】
図3は、定置式作業機1の内部の正面図である。作業機本体2の内部には、底部8、複数の柱部9、及び棚部10で構成されるフレームに装置群7が設けられている。装置群7は、ガスを燃料とするガスエンジンやガスエンジンで駆動される発電機等の装置である。図1、図2に示されるカバーパネル5は、フレームに支持されている。
【0014】
図4、図5を参照して、アンカー装置3を説明する。
【0015】
図4は、作業機本体2の外側へ突出しているアンカー装置3の正面、左側面、及び上面を示す斜視図である。アンカー装置3は、アンカー金具11、支持金具12、及び固定ボルト13を備えている。
【0016】
アンカー金具11及び支持金具12は正背面方向D1に延びている。アンカー金具11は、底板部111及び2つの側板部112を有しており、支持金具12は底板部121及び2つの側板部122を有している。本実施形態では、正背面方向D1が定置式作業機1の奥行き方向である。なお、左右側面を正背面として本実施形態の左右側面方向を奥行き方向としても良い。
【0017】
アンカー金具11の底板部111には、正背面方向D1の長孔111aが形成されている。アンカーボルト20が、長孔111aに挿入され且つ基礎4に締結される。アンカーボルト20を締結するための孔は、本実施形態の長孔111aだけでなく丸孔であってもよい。
【0018】
アンカー金具11は、作業機本体2側の側板部112の離間寸法および高さ寸法が支持金具12の側板部122の離間寸法および高さ寸法よりも短く構成されており、正背面方向D1に支持金具12上でスライドすることができる。
【0019】
アンカー金具11の側板部112には、作業機本体2側から正背面方向D1に沿って、多数のネジ孔112aが形成されている。また、支持金具12の側板部122外側端部には、正背面方向D1の長孔122aが形成されている。アンカー金具11のネジ孔112aの一つを支持金具12の長孔122aに合せてボルト13等で締結することによって、アンカー金具11が支持金具12に固定される。
【0020】
図5は、作業機本体2の内側に収納されているアンカー装置3の正面、左側面、及び上面を示す斜視図である。最も外側に形成されているネジ孔112aを長孔122aに合せてボルト13で締結した場合に、作業機本体2からのアンカー金具11の突出し量が最小となる。
【0021】
定置式作業機1は、例えば、次のように使用される。運搬時には、図5に示されるように、作業者は、アンカー金具11の突出し量を最小とする。設置時には、作業者は、ボルト13を取り外して、アンカー金具11を所望の位置に移動させる。具体的には、作業者は、基礎4に形成されているアンカーボルト穴とアンカー金具11の長孔111aとが重なるように、アンカー金具11を作業機本体2の外側にスライドさせる。多数のネジ孔122aが存在するので、作業者は、アンカー金具11の突出長さを多段階で調整できる。つまり、アンカーボルト20の締結位置が多段階で調整される。更に、アンカーボルト20の締結位置をアンカー金具11の長孔111aの範囲内でも調整できる。作業者は、アンカー金具11を長孔111aがアンカーボルト穴に対応する位置にスライドして、ネジ孔112aを長孔122aに対応させてボルト13で支持金具12に締結する。更に、作業者がアンカーボルト20を用いてアンカー金具11を基礎4に固定することによって、定置式作業機1は基礎4に固定される。
【符号の説明】
【0022】
1 定置式作業機
2 作業機本体
4 基礎
8 底部(支持機構の一部)
11 アンカー金具
12 支持金具(支持機構の一部)
12a 長孔(固定機構の一部)
13 ボルト(固定機構の一部)
20 アンカーボルト
111a 孔
112a ネジ孔(固定機構の一部)
D1 正背面方向(奥行き方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカーボルトによって基礎に固定される定置式作業機において、
作業機本体と、
アンカーボルトを締結するための孔を有するアンカー金具と、
アンカー金具を作業機本体の奥行き方向にスライド可能に支持し、作業機本体に固定される支持機構と、
アンカー金具を支持機構に固定する固定機構と、
を備えている定置式作業機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−172691(P2012−172691A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31974(P2011−31974)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】