説明

定量吸入器のアクチュエータ

液化された噴射剤ガス中に少なくとも1種類の薬剤の配合物を含む、加圧エアロゾル用の定量吸入器のアクチュエータが開示される。アクチュエータ(2)は、バルブステム(7)を受け入れるための穴(11)を有するノズルブロック(5)と、吸入器が作動すると噴射剤配合物が内部で膨張する、穴(11)と連通した液溜め(8)と、液溜め(8)から出てマウスピース(4)と整列するノズル流路(6)とを備え、液溜め(8)は、送達される用量を減少させ、吸入器の閉塞の発生を増加させる可能性がある送達中のチャンバおよび/またはノズル流路内への薬剤の堆積を回避するために、(12〜2mm3)の間の内部容積を有することを特徴とする。本発明のアクチュエータは、溶液および/または懸濁液の形の加圧式定量吸入器の配合物の投与に特に有用であり、配合物の(1種類または複数種類の)活性成分の全濃度はとりわけ高く、少なくとも100μg/用量、好ましくは少なくとも200μg/用量、さらに好ましくは少なくとも400μg/用量での投与に特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、液化された噴射剤ガス(propellant gas)中に少なくとも1種類の薬剤の配合物を含む、加圧エアロゾル用の定量吸入器(metered dose inhaler)のアクチュエータに関する。
【0002】
本発明はまた、液化されたガス噴射剤の中の溶液または懸濁液中の薬剤配合物の噴霧特性を最適化するための、前記定量吸入器の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
薬剤を肺に送達するための多くの装置の中でも、定量吸入器(MDI)が広く用いられている。
【0004】
MDIは、圧縮された低沸点の液体のガス噴射剤を用いて配合された薬剤を送達するように設計された、エアロゾル送達システムである。MDIは、(溶液中に)完全に溶解させた、または微粉化して配合物中に懸濁させた所定量の薬剤を計量し、その用量を吸入可能なエアロゾルクラウドとして投薬するように設計される。
【0005】
典型的な市販のMDIを図1に示すが、それは内部にキャニスタ1が位置決めされたアクチュエータ2を含む。キャニスタ1は、薬剤が低沸点の噴射剤を用いた溶液または懸濁液の形である液体配合物10を含む。キャニスタ1は通常、別個の用量の薬剤配合物を計量するための計量バルブ3を備えている。
【0006】
計量バルブ3は、アクチュエータ2の中のノズルブロック5内部の穴に嵌め込まれる。ノズルブロック5は、吸入器が作動すると噴射剤配合物が内部で膨張する穴と連通した液溜め(sump)8、および計量された用量を送達するためのノズル流路6を備えている。
【0007】
従来型の加圧式定量吸入器のアクチュエータは、可変ノズル流路の直径6が0.25〜0.45mm、長さが0.30〜1.7mmであり、液溜めの容積は19〜45mm3の範囲である。
【発明の概要】
【0008】
周知のMDIに伴う問題は、ノズル流路の長さおよび直径の寸法を特定の薬物配合物および担体−噴射剤に適切に合わせることに関するものである。異なる薬物は、(特に薬物の粒子を配合物中に分散させた懸濁液と、薬物を配合物中に完全に溶解させた溶液との間で)異なる流動および分散特性を有し、噴霧(plume)形状、合計の投与量および噴霧時間の間の最適な釣り合いを得ることが難しいことがしばしばである。
【0009】
HFAを用いて加圧されたエアロゾルの溶液配合物を送達するために市販のアクチュエータを用いるとき、ノズル流路の直径を0.42から0.25mmに縮小すると、生成されるエアロゾルの微粒子用量(FPD)の望ましい増加がもたらされることが開示されている(Lewis D. A.等、Respiratory Drug Delivery VI、363-364頁、1998)。
【0010】
一般にノズル流路の直径を小さくしてFPDを増加させても、それが様々な起こり得る不都合をもたらす可能性がある。小さいオリフィスは流れを制限することができるが、しばしば、従来型の装置の液溜めの表面またはノズル流路の表面への、配合物の不揮発性成分に由来する物質の堆積を増大させる。凝集した薬物または配合物の不揮発性成分の蓄積または分離は、ノズル流路の閉塞を引き起こし、患者へ送達される用量を減少させるまたは妨げる恐れがある。
【0011】
小さいオリフィスは噴煙の噴霧角度を増大させ、噴煙をより大きく分散させる可能性もあり、したがって、装置(液溜め、ノズル流路およびマウスピース)の内面上および患者の口内への薬物の堆積を増加させる。この意図しない堆積は、肺に送達される薬物の量を減少させ、摂取量を増大させる傾向があり、場合によっては副作用を引き起こす一因になる。
【0012】
意図しない堆積の問題は、配合物の(1種類または複数種類の)活性成分の濃度が高いとき、特に少なくとも100μg/用量での投与が適しているときに特に重要になる。
【0013】
こうした不都合を解決するために、従来技術ではいくつかの別法が提案されている。
【0014】
例えばEP 373753は、出口オリフィスを、ノズルへの累積的な薬物の蓄積を防止するための噴出口を含むように再設計することを提案している。
【0015】
液溜めおよびノズル流路の形状、ならびにアクチュエータの内部形状も、アクチュエータの閉塞の危険性低減に関して重要なものと報告されている。特にWO 03/002169は、滑らかで丸みを帯びた内面を確保し、噴霧オリフィスへ向かう連続的な流路を促進して薬物送達の一貫性を向上させ、アクチュエータの閉塞を軽減する内部膨張チャンバ(液溜め)の設計を提案している。
【0016】
WO 01/58508は、組み込む膨張チャンバの容積を小さくすることによって、ノズルブロック内の堆積を低減することが可能であることを示している。しかしながら、膨張チャンバの容積は、バルブステム管路の内部の空所とアクチュエータの内部チャンバの容積の合計として定義される。さらに、そのように容積を減少させると、内部チャンバ内の流体抵抗を低減し、それによって堆積を低減するために、チャンバの入口から出口まで急に湾曲することのない管状の滑らかな面の構成を有していなければならない、複雑な内部チャンバの設計を伴うようになる。
【0017】
WO 2004/041326は、可能なFPMの増大を許容しながら、システム内および患者の中咽頭内での過剰な薬剤の堆積を最小限に抑えるために、容器の計量組立体と連通する大きさに構成された入口、および薬剤を患者に向けるための出口を備えた管状ノズルを有するシステムを開示している。
【0018】
液溜めおよびノズル流路を含む従来型のノズルブロックの適所に用いられる管状ノズルは、定められた長さ、および管状ノズルの定められた長さ全体を通して曲線をなす長手方向の軸を有する。
【0019】
そうした装置の欠点は、それぞれの構成要素を、寸法、曲率および形について最適化しなければならないことである。
【0020】
今では、定量吸入器のアクチュエータの中のノズルブロック内部の液溜めの容積を低減することにより、高微粒子分画を生成するためにノズル流路が標準のものより小さい直径を特徴とする場合でも、装置内の配合物中に存在する活性成分および/または低揮発性成分の堆積を低減し、閉塞による装置の故障を回避することが可能であることが分かっている。
発明の概要
本発明は、
− バルブステム7を受け入れるのに適した穴11を有するノズルブロック5と、
− 使用時に定量吸入器が作動すると噴射剤配合物が内部で膨張する、穴11と連通した液溜め8と、
− 液溜め8から出てマウスピース4と整列するノズル流路6と、
を備える定量吸入器用のアクチュエータ2であって、
液溜め8が、12mm3未満でありかつ2mm3を超える内部容積を有することを特徴とするアクチュエータ2を対象にしている。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、液溜め8は、9mm3未満でありかつ3mm3を超える、好ましくは7mm3未満でありかつ5mm3を超える、さらに好ましくは約6mm3の容積を有する。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、穴11は、15〜150mm3の間(comprised between)、好ましくは25〜100mm3の間、さらに好ましくは50〜90mm3の間、最も好ましくは70〜75mm3の間の内部容積を有するバルブステム7を受け入れるのに適した大きさを有する。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、ノズル流路は0.25mm未満の直径、および0.7〜0.4mmの間の流路の長さ、好ましくは0.22mmの直径、および0.65または0.45mmの流路の長さを有する。
【0024】
本発明はまた、
− バルブステム7を受け入れるのに適した穴11を有するノズルブロック5と、穴11と連通した液溜め8と、液溜め8から出てマウスピース4と整列するノズル流路6と、を備えたアクチュエータ2と、
− キャニスタ1と、
− アクチュエータ2の中のノズルブロック5内部の穴11に嵌め込まれるバルブステム7を備え、キャニスタ1を閉鎖する計量バルブと、
を備え、
液溜め8が12mm3未満でありかつ2mm3を超える内部容積を有することを特徴とする定量吸入器を対象にしている。
【0025】
好ましくは、定量吸入器内のキャニスタ1は、少なくとも1種類の活性成分、共溶媒、HFA噴射剤を含むエアロゾル配合物で充填される。さらに好ましくは、配合物の少なくとも1種類の活性成分の全濃度は、少なくとも100μg/用量、好ましくは少なくとも200μg/用量、さらに好ましくは少なくとも400μg/用量で投与するのに適している。
【0026】
好ましくは、計量バルブは100、63、50μl、好ましくは63μlの計量チャンバを有する。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、エアロゾル配合物はブデソニドを含み、好ましくはブデソニドおよびカルモテロールを含む。
【0028】
さらに本発明は、エアロゾル配合物で充填された定量吸入器で使用されるときのアクチュエータの閉塞を防止するために、12mm3未満でありかつ2mm3を超える内部容積を有する液溜め8を備えたアクチュエータの使用を対象にしている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面の説明
図1は、一般的に使用される定量吸入器を示す。
【0030】
図2は、本発明のアクチュエータの好ましい設計を示す。
【0031】
図3は、本発明のアクチュエータの好ましい設計中のノズルブロックの拡大図を示す。
【0032】
図4〜7は、様々なアクチュエータ設計(A〜D)を用いた患者シミュレーションのショット重量(shot weight)のデータを示す。
【0033】
図8および9は、15mm3の内部容積を有するバルブステムを備えたバルブに対する患者シミュレーションのショット重量のデータ(アクチュエータ設計AおよびC)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
典型的な市販のMDIを図1に示すが、それは、内部でキャニスタ1が支持手段18(図2にのみ示す)上に任意選択で位置決めされるアクチュエータ2を含む。キャニスタ1は、薬剤が低沸点の噴射剤を用いた溶液および/または懸濁液の形であり、任意選択で1種類または複数種類の薬剤的に許容可能な添加剤および/または賦形剤を伴う液体配合物10を含む。
【0035】
キャニスタは通常、作動ごとに別個の用量の薬剤配合物を計量するための計量バルブ3を備えている。計量バルブは、計量チャンバ9、およびアクチュエータ2の中のノズルブロック5内部の穴11に嵌め込まれるバルブステム7を備えている。
【0036】
アクチュエータ2は、
計量された用量を送達するための管路として働く、バルブステム7を受け入れるのに適した穴11を有するノズルブロック5と、使用時に吸入器が作動すると噴射剤配合物が内部で膨張する、穴11と連通した液溜め8と、液溜め8から出てマウスピース4と整列するノズル流路6と
を備えている。
【0037】
MDIによる薬剤投与のために、患者はマウスピース4を自身の唇に接するように置き、キャニスタをアクチュエータの中に押し下げることによってMDIを作動させる。作動すると、バルブによって測定された計量済みの用量がバルブステムから放出される。放出された用量は、ノズルブロック5の内部膨張チャンバ8を通過し、ノズル流路6から出る。吸入器の作動後に計量された用量が放出されると、患者はマウスピースを通して吸入を開始する。
【0038】
従来型の加圧式定量吸入器のアクチュエータは、可変ノズル流路の直径が0.25〜0.42mm、長さが0.30〜1.7mmであり、液溜めの容積は19〜45mm3の範囲である。
【0039】
今では、液溜めの容積を低減することにより、微粒子分画を生成するためにノズル流路が0.25mm未満の直径および0.7mm未満の長さを特徴とする場合でも、装置内の配合物中に存在する(1種類または複数種類の)活性成分および/または低揮発性成分の堆積を低減し、閉塞による装置の故障を回避することが可能であることが分かっている。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態によるアクチュエータ2の好ましい設計を示している。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態によるアクチュエータ2の好ましい設計中のノズルブロック5の拡大図を示している。
【0042】
ノズルブロック5は、キャニスタ(図示せず)のバルブステム7を受け入れるのに適した穴11を有している。穴11はその下側部分に、バルブステムが存在するときにそれを支えるための段状部分12を有している。
【0043】
他の実施形態によれば、穴11はバルブステム7を支えるための1つまたは複数の段状部分12を有し、さらに他の実施形態によれば、段状部分12は穴11の下側部分の周囲全体に延びる。
【0044】
一般に穴11は、バルブが取り付けられたときにバルブステム7をその正しい位置で支えるための手段12を有していなければならない。そうした手段12の形は様々でよく、特定のMDIに適合させることが可能であることが当業者には認識されるであろう。
【0045】
穴11の寸法は、バルブステム7の寸法に従って変えることができる。バルブステムは、MDIの大きさに適合した任意の内部容積を有することができる。実際に、送達される薬剤の微粒子用量は、バルブステムの内部容積に依存しないことが分かっている。
【0046】
しかしながら、好ましくはバルブステム7は、15〜150mm3の間、好ましくは25〜100mm3の間、さらに好ましくは50〜90mm3の間、最も好ましくは70〜75mm3の間の内部容積を有する。
【0047】
計量バルブは、好ましくは100、63、50μl、さらに好ましくは63μlの計量チャンバを有する。
【0048】
図3は、使用時に吸入器が作動すると噴射剤配合物が内部で膨張する、穴11と連通した液溜め8を示している。液溜め8の形は、角部およびコーナーを有する従来型のものである。
【0049】
従来型の液溜め8を使用することはさらに好都合であるが、他の実施形態によれば、液溜め8は、丸みを帯びたコーナーのない形を有するように再設計することが可能であり、例えばU字形を有してもよい。
【0050】
本発明によれば、液溜め8の容積は12mm3未満でありかつ2mm3を超える。好ましくは、液溜めの容積は9mm3未満でありかつ3mm3を超える。さらに好ましくは、液溜めの容積は7mm3未満でありかつ5mm3を超える。本発明の他の実施形態によれば、液溜めの容積は約6mm3である。さらに他の実施形態によれば、液溜めの容積は約5mm3である。さらに他の実施形態によれば、液溜めの容積は約7mm3である。
【0051】
本明細書において使用されるとき、「約」という用語は、言及した寸法からの違いが2%未満である寸法を包含する。
【0052】
液溜め8はノズル流路6に接続され、膨張した後、配合物はノズル流路6内を流れてマウスピース4に達する。
【0053】
ノズル流路6は、平行面部15および円錐台形の基部16を有する円筒形の陥凹部14の中に配置された開口部13で終わる。
【0054】
ノズル流路は、0.15〜0.4mmの範囲の直径、および0.30〜1.7mmの長さを有することができる。
【0055】
しかし、微粒子用量を増やすには、流路の直径が0.25mm未満であることが好ましく、また0.4〜0.7mmの間の長さを有するようにする。さらに好ましくは、流路の直径は0.22mmであり、流路の長さは0.65mmもしくは0.45mm、またその間の任意の長さである。
【0056】
特定の配合物では、0.10〜0.22mm、特にWO 03/053501に記載されたもののように0.12〜0.18mmの範囲の直径を有する、レーザで穿孔したアクチュエータのオリフィスを利用することが有用であろう。
【0057】
従来型のノズル流路および開口部の形を使用することはさらに好都合であるが、他の実施形態によれば、それらは別の形を有するように再設計することができる。他の実施形態によれば、1つより多いノズル流路6および/または開口部13が存在してもよい。
【0058】
アクチュエータの本体部分17およびキャニスタ1を都合のよい角度に保持しつつ、噴霧液を放出するために患者がマウスピース4を正しい向きに挿入するために、図2に示すように、マウスピース4の長手方向の軸を、アクチュエータ2の本体部分17およびノズルブロック5の長手方向の軸に対して約105度の角度に傾斜させることが好ましい。
【0059】
他の態様では、本発明は、本発明のアクチュエータ、計量バルブによって閉鎖されるキャニスタを備えた定量吸入器を提供し、前記キャニスタは、液化されたガス噴射剤中のエアロゾル配合物で充填される。
【0060】
医薬品のエアロゾル製造分野の技術者によく知られている従来型のバルク製造法および機械装置を、充填されたキャニスタを市販用に製造するための大規模なバッチ処理の調製に使用することができる。したがって、例えばあるバルク製造法では、計量バルブを缶にクリンプして空のキャニスタを形成する。エアロゾル配合物は、計量バルブを通してキャニスタの中に圧力充填される。
【0061】
別の工程では、配合物が蒸発しないように十分に低温の条件下でエアロゾル配合物が開放されたキャニスタに加えられ、次いで、キャニスタに計量バルブがクリンプされる。
【0062】
別の工程では、可溶性の試剤に溶解させた薬剤を空のキャニスタの中に分配し、キャニスタに計量バルブをクリンプし、次いでバルブを通してキャニスタの中に噴射剤が充填される。空気から湿気を取り込むのを避けるために、例えば窒素を吹き込むことによって、各工程を不活性雰囲気中で行うことが好ましい。
【0063】
充填されたキャニスタはそれぞれ、本発明のアクチュエータに適宜嵌め込まれ、作動後、アクチュエータによって、薬剤を充填されたキャニスタから計量バルブを介して患者の口まで送達されることができる。
【0064】
適切なキャニスタは一般に、噴射剤の蒸気圧に耐えることができる。キャニスタは、ガラス、プラスチックもしくはプラスチックで被覆されたガラスなどの任意の材料、または好ましくは金属のものとすることができる。
【0065】
より好ましくは、配合物は、すべての内面の一部がアルミニウム、陽極酸化アルミニウムおよびステンレス鋼で製造されたキャニスタの中に充填される。化学的および/または物理的安定性の問題のために、配合物によって要求される場合には、キャニスタ、好ましくはアルミニウムのキャニスタの内部を不活性な有機コーティングで覆うことができる。好ましいコーティングの例は、エポキシ−フェノール樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン、パーフルオロアルコキシアルキレンなどの過フッ化ポリマー類、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン(FEP)などのパーフルオロアルキレン類、ポリエーテルスルホン(PES)および/またはそれらの混合物である。他の適切なコーティングは、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィドまたはそれらの組合せとすることができる。
【0066】
計量バルブは計量チャンバを備え、作動ごとに計量された量の配合物を送達するように設計され、またバルブを通して噴射剤が漏出するのを防止するためのバルブシールを組み込んでいる。バルブシールは、配合物に対して不活性な材料から製造されることが好ましい。それらは、例えば低密度ポリエチレン、クロロブチル、黒色および白色のブタジエン−アクリロニトリルゴム、ブチルゴムおよびネオプレンなどの任意の適切なエラストマー材料を含むことができる。
【0067】
WO 92/11190に記載される熱可塑性エラストマーのバルブ、およびEPDMゴムを含むバルブが特に適している。適切なバルブは、エアロゾル業界でよく知られた製造業者、例えばフランスのValois(例えばDF10、DF30、DF31、DF60)、イギリスのBespak plc(例えばBK300、BK356、BK357)、およびイギリスの3M−Neotechnic Ltd.(例えばSpraymiser(商標))から市販されている。
【0068】
バルブ、特に計量チャンバは、配合物に対して不活性な材料で製造されることが好ましい。計量チャンバの製造での使用に特に適した材料には、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル類およびアセタール類、特にPBTが含まれる。
【0069】
計量チャンバおよび/またはバルブステムの製造材料は、薬物の堆積を抑えるために、フッ素化する、部分的にフッ素化する、またはフッ素含有物質を含浸させることが望ましい場合がある。
【0070】
配合物は、液化されたガス噴射剤中の少なくとも1種類の適切な薬剤の溶液または懸濁液とすることができる。エアロゾルの溶液配合物は、活性成分が噴射剤の溶剤、または適切な共溶媒とのその混合物中に完全に溶解しているため、均質であるという利点を与える。溶液配合物は、懸濁液配合物に伴う物理的安定性の問題も回避し、したがって再現性のある投薬量を保証する。
【0071】
噴射剤は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134a)もしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227)、またはそれらの混合物であることが好ましい。二酸化炭素、または室温および標準大気圧で気体である他のものなど、別の噴射剤を用いてもよい。
【0072】
好ましい共溶媒は、低級アルキル(C1〜C4)アルコール類、多価アルコール類、ポリアルキレングリコール類およびそれらの組合せである。例えば共溶媒は、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールおよび/またはそれらの混合物とすることができる。エタノールが特に好ましい。
【0073】
好ましい実施形態によれば、本発明のアクチュエータと共に用いることができるエアロゾル配合物は、薬剤、HFA噴射剤、30%まで、好ましくは20%まで、より好ましくは15%w/wまでの量のエタノールを含む。
【0074】
任意選択で、配合物に低揮発性成分を加えることができる。低揮発性成分とは、25℃において好ましくは0.1kPa未満、より好ましくは0.05kPa未満の蒸気圧を有するものである。適切な低揮発性成分の例は、グリコール類、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセロール、エステル類、例えばアスコルビルパルミテート、イソプロピルミリステート、ならびにトコフェロールエステル類である。
【0075】
配合物は、0.2〜10%w/w、好ましくは0.5〜2.0%w/wの間の前記低揮発性成分を含むことができる。
【0076】
エアロゾル配合物はさらに、前述の共溶媒より高い極性を有する追加の共溶媒を含むことができ、前述の共溶媒の量を減らし、それによって生成されるエアロゾルの液滴の粒径を調節することができるようになる。
【0077】
前述の共溶媒がエタノールである場合、より高い極性を有する追加の共溶媒は、低級アルキル(C1〜C4)アルコール類、多価アルコール類またはポリアルキレングリコール類とすることができる。
【0078】
好ましい多価アルコール類には、プロピレングリコールおよびグリセロールが含まれ、好ましいポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコールである。
【0079】
エタノールより高い極性を有する共溶媒の中には、水が含まれると考えられる。
【0080】
好ましくは追加の共溶媒は、0.2%〜10%w/w、好ましくは0.5〜10%w/w、より好ましくは0.5〜6%w/w、さらに好ましくは1〜2%w/wの量として加えられる。
【0081】
前述の共溶媒と追加の共溶媒の間の比率は、効率的なエアロゾル化にとって重要な要素である。前記比率の選択は、考えられる(1種類または複数種類の)活性成分の化学的−物理的な特性に基づいて当業者が任意の方法で行うことができる。
【0082】
有利には、溶液に有機酸または無機酸を加えることができる。好ましくは、酸は鉱酸であり、より好ましくは、酸は塩酸、硝酸またはリン酸などの強鉱酸である。
【0083】
特定の場合には、配合物は、表面活性剤、または防腐剤、緩衝剤、酸化防止剤、ラジカルクエンチャ(radical quencher)、甘味料および味マスキング剤である他の添加剤など、少量の追加成分を任意選択で含むことができる。
【0084】
エアロゾル配合物中に使用することができる活性成分は、フォルモテロール、サルメテロール、カルモテロール、インダカテロールなどの長時間作用型β2−アドレナリン作動薬(long−acting β2−adrenergic agonist、LABA)、その立体異性体、塩および溶媒和物である。
【0085】
活性成分は、以下に示す式に属する長時間作用型β2−作動薬とすることが可能であり、
【0086】
【化1】

【0087】
式中、Rは、1−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシ−フェン−5−イル(フォルモテロール)もしくは8−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン−5−イル(カルモテロール)、またはそれらの対応する立体異性体もしくは塩の1つであることがより好ましい。
【0088】
活性成分はまた、ブデソニドおよびその22R−エピマー、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、フルニソリド、フロ酸モメタゾン、ロフレポニド、シクレソニドなどのステロイドでもよい。
【0089】
あるいは活性成分は、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオトロピウム、臭化グリコピロレート、レバトロペート、またはWO 03/053966に開示された化合物など、抗ムスカリン性または抗コリン性のアトロピン様の誘導体でもよい。
【0090】
あるいは活性成分は、メチルキサンチン類、抗ロイコトリエン類およびホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、特にロフルミラストまたはシロミラストなどのPDE4阻害剤など、呼吸器疾患の治療技術に有用な任意の薬剤でもよい。
【0091】
活性成分は、前述の活性成分の任意の組合せでもよい。好ましい組合せは、カルモテロール−ブデソニド、フォルモテロール−BDP、および一般にβ2−作動薬を含む組合せである。
【0092】
HFA配合物中の活性成分の濃度は、好ましくは1回または2回の作動で送達される治療上の量に依存する。
【0093】
一般に、本発明のアクチュエータは、溶液および/または懸濁液の形の加圧式定量吸入器の配合物の投与に特に有用であり、配合物の少なくとも1種類の活性成分の全濃度は、少なくとも100μg/用量、好ましくは少なくとも200μg/用量、さらに好ましくは少なくとも400μg/用量で投与するのに適している。
【0094】
計量チャンバの容積を変えると、それに応じて同じ用量を送達するのに活性成分の濃度を変えなければならないことを理解することができる。
【0095】
本発明の一実施形態によれば、エアロゾル配合物はブデソニドを含み、好ましくはブデソニドおよびカルモテロールを含む。
【0096】
エアロゾル配合物は、軽度、中程度もしくは重篤な急性症状もしくは慢性症状の治療、または喘息および急性閉塞肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の予防的治療に必要になる場合がある。慢性閉塞細気管支炎および慢性気管支炎などの炎症および粘液の存在によってもたらされる、末梢気道の閉塞を特徴とする他の呼吸器疾患も、この種の配合物によって利益を得ることができる。
【0097】
さらに本発明は、前述のようにエアロゾル配合物で充填された定量吸入器で使用されるときのアクチュエータの閉塞を防止するための、12mm3未満でありかつ2mm3を超える内部容積を有する液溜め8を備えたアクチュエータの使用を対象にしている。
【0098】
以下の例によって、本発明についてさらに説明する。
例1
ブデソニド−カルモテロールのHFAのMDI用溶液配合物に対して、患者シミュレーションを実施した。0.22mmの出口オリフィスを有する標準的なアクチュエータを用いた通し寿命試験(through life testing)では、一貫した薬物送達性能が示された。
【0099】
患者シミュレーション中の薬物送達性能を、別の4つのアクチュエータ設計について評価した。薬物送達性能は、ブデソニドのみについて示されている。
【0100】
各アクチュエータは、少なくとも4時間の投与間隔で1日2回作動させた。
【0101】
空気力学的な粒径分布および各pMDIの送達用量を、European Pharmacopoeia 2nd edition、1995、part V.5.9.1、15-17頁に記載された手順に従って、寿命の最初と最後にアンダーセンカスケードインパクタ(Andersen Cascade Impactor、ACI)を用いて決定した。
【0102】
ショット重量および送達用量、ならびにそれらの変化を、European Pharmacopoeia 3rd edition、Supplement 2000、1351-1354頁に記載された用量ユニットサンプリング装置(Dosage Unit Sampling Apparatus、DUSA)を用いて測定した。寿命を通して各pMDIの計量性能を評価するために、調査の間中、ショット重量を記録した。
【0103】
各ACIプレートへのブデソニドの堆積は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によって決定される。
【0104】
一連の累積的な4用量を、それぞれの測定ごとにACIの中に発射し、すべてのショット重量を記録した。
ブデソニド−カルモテロールのHFAのMDI用溶液
HFA 134a中のブデソニド−カルモテロールのMDI用溶液配合物は、15%w/wのエタノールおよび0.002%w/wのリン酸(15M)を含み、63μlのバルブを取り付けたFEP−PESで被覆したアルミニウム缶の中に提供される。
【0105】
MDIはそれぞれ、60(加えて40の供給過剰)用量を含み、吸入ごとに1μgのカルモテロールおよび200μgのブデソニドを送達する。
アクチュエータ
この例は、4つのアクチュエータ設計A、B、CおよびDからのデータを示す。各設計の詳細は、表1にまとめてある。アクチュエータAは、オリフィスの直径=0.22mm、オリフィスの長さ=0.65mm、液溜めの容積=19.66mm3である。アクチュエータAと比べると、アクチュエータB、CおよびDは、液溜めの形状が縮小されている。アクチュエータCおよびDは、6.07mm3の液溜めの容積を有するように設計された。さらにアクチュエータDは、アクチュエータA、BおよびC(0.65mm)と比べると、縮小された出口オリフィスの長さ(0.45mm)を有する。
【0106】
摩耗した工具の影響によってそれぞれのアクチュエータ設計からの性能観察が乱されないことを保証するために、調査前に、顕微鏡検査によってすべてのアクチュエータの表面仕上げを評価した。
【0107】
【表1】

【0108】
送達用量
表2は、アクチュエータ設計A、B、CおよびDに関する缶寿命の最初の送達用量のデータを示している。アクチュエータ設計A、B、CおよびDについて得られた平均の送達用量(±標準偏差)は、それぞれ173±7mg、173±10mg、167±8mgおよび174±7mgであった。平均のショット重量は、70mg〜73mgの範囲であった。
【0109】
【表2】

【0110】
粒径の特徴付け:ACIデータ
表3は、缶寿命の最初のACIの堆積および用量の概要データを示している。すべての測定について、一貫した計量用量(199±4.7μg)、送達用量(183±3.4μg)、空気力学的質量中位径(mass median aerodynamic diameter、MMAD、1.6μm)、および幾何標準偏差(geometric standard deviation、GSD、2.0〜2.4)が観察された。
【0111】
平均(n=2)の微粒子用量(FPD、≦5μm 空気力学的直径)は、アクチュエータ設計A〜Dそれぞれについて、97、98、90および90μgであることが決定された。
【0112】
【表3】

【0113】
缶寿命を通してのショット重量の測定
アクチュエータ設計A〜Dそれぞれについて、寿命を通しての患者シミュレーションからのショット重量のデータを図4〜7に示す。患者シミュレーションが進行すると、アクチュエータ設計A(缶4および5、図4参照)ならびにB(缶8および9、図5参照)では、ショット重量の変動が観察された。缶4および5(設計A)ではショット重量が33〜40mg、缶8および9(設計B)では9〜11mgになることは、アクチュエータの閉塞の問題を示している。
【0114】
アクチュエータ設計CおよびDでは、一貫した缶寿命を通しての患者シミュレーションのショット重量のデータが観察された(図7参照)。設計AおよびBでは平均のショット重量(±標準偏差)が、それぞれ69.7±7.5mgおよび63.9±19.1mgであった。観察された最も低いショット重量は、設計C(64.5〜68.6mg、n=4)および設計D(66.0〜68.6mg、n=4)では一貫しており、オリフィスの長さに関する傾向はないことを示している。
粒径の特徴付け:ACIデータ
設計AおよびBでは、送達用量のデータから確認される望ましくない閉塞の問題のため、患者シミュレーションの最後のACIデータは収集されなかった。
【0115】
【表4】

【0116】
最後に、液溜めの容積が6.07mm3であるアクチュエータCおよびDのいずれにも、アクチュエータの閉塞の発生は観察されなかった。どちらのアクチュエータでも、患者シミュレーション全体を通して一貫したショット重量が記録された。患者シミュレーションの最後の送達用量の値は、185±7μg(液溜めの容積6.07mm3、出口オリフィスの長さ=0.65mm)、および181±3μg(液溜めの容積6.07mm3、出口オリフィスの長さ=0.45mm)であり、缶寿命の最初に得られた値(それぞれ167±8μgおよび174±7μg)と同等であった。6.07mm3の液溜めの設計について患者シミュレーションの最後に得られたACIデータを、缶寿命の最初に得られたデータと比較した。2つのそれぞれのアクチュエータ(出口オリフィスの長さ=0.65および0.45mm)について得られた平均(±標準偏差)の結果は、送達用量:178±4μgおよび180±3μg、FPD:88±3μgおよび89±2μg、MMAD:1.7±0.1μmおよび1.6±0.1μm、ならびにGSD:2.2±0.1および2.3±0.1であった。
【0117】
これまでの試験は、72mm3の内部容積を有するバルブステム7を備えた63μlのバルブを取り付けた缶を用いて行われたものであった。薬剤の一定の送達がバルブステムの内部容積とは無関係であり、かつ閉塞による装置の故障が主に液溜めの容積から決まることを確認するために、15mm3の内部容積を有するバルブステム7を備えたバルブを用いて対応する試験を実施した。
【0118】
寿命を通しての患者シミュレーションからのショット重量のデータを、アクチュエータ設計AおよびCについて、それぞれ図8および9に示す。
【0119】
患者シミュレーションが進行すると、アクチュエータ設計Aではショット重量の変動が観察された。設計Aでの作動40および57に対する70〜20mgのショット重量は、アクチュエータの閉塞の問題を示している。
【0120】
液溜めの容積が6.07mm3であるアクチュエータCでは、アクチュエータの閉塞の発生は観察されなかった。アクチュエータCでは、患者シミュレーション全体を通して一貫したショット重量が記録された。
【0121】
アクチュエータ設計Cに関する送達用量のデータから確認される、15mm3の内部容積を有するバルブステム7を備えたバルブに対する患者シミュレーションの最後のACIデータを表5に示す。アクチュエータ設計Aでは、望ましくない閉塞の問題のために対応するデータが収集されなかった。
【0122】
【表5】

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブステム7を受け入れるのに適した穴11を有するノズルブロック5と、
使用時に定量吸入器が作動すると噴射剤配合物が内部で膨張する、前記穴と連通した液溜め8と、
前記液溜め8から出てマウスピース4と整列するノズル流路6と、
を備える定量吸入器用のアクチュエータ2であって、
前記液溜め8が、12mm3未満でありかつ2mm3を超える内部容積を有することを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記液溜め8が、9mm3未満でありかつ3mm3を超える容積を有する請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記液溜め8が、5〜7mm3の間の容積を有する請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記液溜め8が、約6mm3の容積を有する請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記穴11が、15〜150mm3の間の内部容積を有するバルブステム7を受け入れるのに適した大きさを有する請求項1乃至4のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記穴が、25〜100mm3の間の内部容積を有するバルブステム7を受け入れるのに適した大きさを有する請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記穴が、70〜75mm3の間の内部容積を有するバルブステム7を受け入れるのに適した大きさを有する請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記ノズル流路が0.25mm未満の直径、および0.7〜0.4mmの間の流路の長さを有する請求項1乃至7のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記ノズル流路が0.22mmに等しい直径、ならびに0.65又は0.45mmに等しい流路の長さを有する請求項8に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のアクチュエータ2と、
キャニスタ1と、
前記アクチュエータ2の中のノズルブロック5内部の穴11に嵌め込まれるバルブステム7を備え、前記キャニスタ1を閉鎖する計量バルブと、
を備える定量吸入器。
【請求項11】
前記キャニスタが、少なくとも1種類の活性成分、共溶媒、HFA噴射剤を含むエアロゾル配合物で充填される請求項10に記載の定量吸入器。
【請求項12】
前記配合物の前記少なくとも1種類の活性成分より高い、前記配合物の前記少なくとも1種類の活性成分の全濃度が、少なくとも100μg/用量、好ましくは少なくとも200μg/用量、さらに好ましくは少なくとも400μg/用量で投与するのに適している請求項11に記載の定量吸入器。
【請求項13】
前記計量バルブが63μlの計量チャンバを有する請求項12に記載の定量吸入器。
【請求項14】
前記エアロゾル配合物がブデソニドを含む請求項12又は13に記載の定量吸入器。
【請求項15】
前記エアロゾル配合物が、ブデソニドおよびカルモテロールを含む請求項14に記載の定量吸入器。
【請求項16】
エアロゾル配合物で充填された定量吸入器と共に使用するときの前記アクチュエータの閉塞を防止するための、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアクチュエータ2の使用。

【公表番号】特表2010−531688(P2010−531688A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513765(P2010−513765)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005291
【国際公開番号】WO2009/003657
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(304037234)シエシー ファルマセウティチィ ソシエタ ペル アチオニ (24)
【Fターム(参考)】