説明

家具及びオプション部材

【課題】家具本体にオプション支持体を介してオプション部材を支持させつつ、家具本体に付設した給電レールからオプション部材に電力を供給するように構成した家具において、給電レールの配置の自由度を高めつつ、オプション部材を安定して保持させる。
【解決手段】天板付き家具にオプション支持体たる天板11を介してオプション部材たるカップウォーマ3を支持させ、天板付き家具に付設した給電レール22からカップウォーマ3に電力を供給するようにし、前記カップウォーマ3が、前記天板11に直接支持されるオプション本体31と、前記オプション本体31に対し前記給電レール22の長手方向とは交差する方向に沿って相対的にスライド可能に設けられ、前記給電レール22の開口部22aに挿入されるとともにその開口部22a内にある給電用電極23a、23bに接触する受電用電極32a、32bを備えている挿入部32とを具備する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具本体にオプション支持体を介してオプション部材を支持させつつ、家具本体に付設した給電レールからオプション部材に電力を供給するように構成した家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、長手方向に延伸し内側に給電用電極を備えた給電レールに給電用電極を備えた挿入部を挿入することにより、オプション部材を長手方向に沿って移動可能に取り付けることができる構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。挿入部には予め受電用電極が設けられていて、オプション部材を取り付けた際にこの受電用電極が給電用電極に電気的に接続される。
【0003】
上記の構造では、給電レールが、オプション部材に給電するだけでなく、オプション部材を機械的に支持する役割をも担うこととなる。このようなものであると、例えば、オプション部材の重量が大きい場合や、側方に開口した給電レールに側方からオプション部材を取り付ける場合において、オプション部材の挿入部が過大な荷重を受け、オプション部材が挿入部から脱落するおそれがある。
【0004】
また、このような給電レールから電力の供給を受けるオプション部材の他の態様として、前記給電レールの開口部に挿入されるとともにその開口部内にある給電用電極に接触する受電用電極を備えている挿入部と、前記挿入部と別体をなしこの挿入部と電源ケーブルにより電気的に接続してなるとともにオプション支持体に支持させてなるオプション本体とを具備する態様が考えられている。このような態様を採用すると、挿入部とオプション本体との間を電源ケーブルの長さ分だけ離すことができるので、給電レールとオプション支持体との間の距離が電源ケーブルの長さ以内であればオプション本体をオプション支持体に安定して支持させることができる。しかし、このように電源ケーブルを利用して挿入部とオプション本体とを電気的に接続する態様では、電源ケーブルにより美観が損なわれる不具合や、電源ケーブルに手等を掛けた際に挿入部が給電レールから離脱してしまう不具合等が発生しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、オプション支持部及び給電レールの配置の自由度を高めつつ、オプション部材を安定して保持させるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る家具は、家具本体にオプション支持体を介してオプション部材を支持させつつ、家具本体に付設した給電レールからオプション部材に電力を供給するように構成した家具であって、前記オプション部材が、前記オプション支持体に直接支持されるオプション本体と、前記オプション本体に対し前記給電レールの長手方向とは交差する方向に沿って相対的にスライド可能に設けられ、前記給電レールの開口部に挿入されるとともにその開口部内にある給電用電極に接触する受電用電極を備えている挿入部とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、オプション支持体にオプション本体を直接機械的に支持させつつ、挿入部をオプション本体に対して記給電レールの長手方向とは交差する方向に沿って相対的にスライドさせることにより、挿入部の受電用電極を給電レールの給電用電極に接触可能な位置に配するようにすることができる。従って、オプション支持部及び給電レールの配置の自由度を高めつつ、オプション本体をオプション支持部に安定して保持させるようにすることができる。
【0009】
オプション支持体が、天板付き家具の天板であれば、オプション本体を天板に載せ置いた状態で挿入部をオプション取付装置に取り付けることができるので、オプション部材をさらに安定して取り付けることができる。
【0010】
前記給電レールを前記天板の上方に近接させて設置しているものであれば、先に挿入部をオプション取付装置に取り付け、その後オプション本体を挿入部に対して下方にスライドさせて取り付ける取付態様を実現できる。従って、このようなオプション部材の取り付けを容易に行うようにすることができる。
【0011】
このようなオプション部材の好適な態様として、オプション本体が、カップウォーマとしての機能を有するものが挙げられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、挿入部をオプション本体に対してスライドさせることにより、オプション部材を安定してオプション支持体に保持させつつ挿入部をオプション取付装置に取り付けることができる。従って、オプション支持部及び給電レールの配置の自由度を高めつつ、オプション部材を安定して保持させるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る家具を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係るカップウォーマを示す分解斜視図。
【図3】同実施形態に係るカップウォーマの取付態様を示す斜視図。
【図4】同実施形態に係るカップウォーマの取付態様を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。
【0015】
本実施形態は、図1に示すように、天板11を有する家具本体たる天板付家具1に、オプション取付装置2を介してオプション部材たるカップウォーマ3を取り付け可能に構成した家具である。
【0016】
天板付家具1は、図1に示すように、オプション支持体たる天板11と、この天板11を支持する脚構造体12とを有する。本実施形態では、前後に対をなす天板11の反使用端縁同士を対向させた状態で配しており、天板11間に配線挿通空間を形成している。この配線挿通空間の左右両端近傍からは、支柱13を上方に起立させて設けている。支柱13は、デスクトップパネル14や、支柱13の上端部同士を連結する笠木15等を支持する。
【0017】
オプション取付装置2は、前記図1に示すように、上記支柱13間に架け渡すように支柱13に固定してある。このオプション取付装置2は、支持レール21と、給電レール22とを具備する。
【0018】
支持レール21は、等断面形状をなしつつ巾方向に伸長している。この支持レール21は、上下方向に離間して対向した頂板211及び底板212と、頂板211及び底板212の後部同士を連結する背板213とを有しており、前方に開口する概略チャネル状をなす。
【0019】
頂板211の下面には、下方に突出した突条211aを設けている。
【0020】
底板212の上面には、上方に突出した突条212aを設けている。この突条212aは、頂板に設けた突条211aと上下に対向している。
【0021】
背板213は、上下方向の中間部が後方に屈曲して凹んでいる。
【0022】
給電レール22は、カップウォーマ3に給電するためのに給電するための給電用電極23aを備えている。この給電レール22も、等断面形状をなしつつ巾方向に伸長している。また、給電レール22は、側断面視概略S字状をなしていて、この上半部又は下半部(図示例では、下半部)に前記タスクライト4の後述する電極支持板413を挿入させるための開口部22aを有している。開口部22aの内周面、詳述すると上壁面及び下壁面の一方には、正極となる給電用電極23a、他方には、負極となる給電用電極23bをそれぞれ設けている。さらに具体的には、開口部22a内に、上壁部及び下壁部を有するとともに、上壁面及び下壁面の一方に正極となる給電用電極23a、他方に負極となる給電用電極23bを形成してなる電極部材23を挿入している。正極となる給電用電極23aの奥行き方向位置と、負極となる給電用電極23bの奥行き方向位置とは異ならせている。また、電極部材23のその他の部位は絶縁体、例えば樹脂により形成している。給電レール22の開口部22a及び給電用電極23a、23bは、巾方向に連続的に延伸している。また、給電レール22の上面及び下面の前部には、支持レール21の頂板211及び底板212に設けた突条211a、212aに衝き当ててこの給電レール22の位置決めを行うための前突条22bを設けている。また、給電レール22の上面及び下面の後部には、支持レール21の背板213に衝き当ててこの給電レール22の位置決めを行うための後突条22cを設けている。
【0023】
カップウォーマ3は、図2、図3及び図4に示すように、内部にカップを配置可能な空間を有するとともに空間内を加熱するための図示しない電熱装置を内蔵するオプション本体たるカップウォーマ本体31と、このカップウォーマ本体31に対して前記給電レール22の長手方向とは交差する方向、具体的には上下スライド方向に可能に設けられ受電用電極を備えた挿入部32とを備えている。
【0024】
カップウォーマ本体31は、内部にカップを配置可能な空間を有するとともに空間内を加熱するための電熱装置を内蔵する加熱部311と、この加熱部311の背面に設けてなり挿入部32をスライド可能に支持するスライド支持部312とを有する。
【0025】
スライド支持部312は、カップウォーマ本体311の後端から上方に起立させて設けてなり、内部に挿入部32を上下方向にスライド可能に収納可能な挿入部支持穴312aを有する。この挿入部支持穴312aの左右両側面には、上下方向に延伸し挿入部32の後述するガイド爪321と係り合うことが可能なガイド溝312bを設けている。
【0026】
挿入部32は、図5に示すように、カップウォーマ本体31の電熱装置に電気的に接続した一対の受電用電極32a、32bを備え、前記給電レール22の開口部22aに挿入させてなる。また、この挿入部32の基部の左右両側面には、スライド支持部312のガイド溝312bにスライド可能に係り合わせてなるガイド爪321を設けている。受電用電極32a、32bは、開口部22a内の給電用電極23a、23bに電気的に接触する。そして、図示は省略するが、このガイド爪321の先端部には受電用電極32a、32bに電気的に接続した電極をそれぞれ設けていて、この電極をカップウォーマ本体31のガイド溝312bの溝底に形成した電極に接触させることにより挿入部32からカップウォーマ本体31に電力を供給するようにしている。
【0027】
そして、この挿入部32は、スライド支持部312により、図3に示す上端位置と図4に示す下端位置との間を移動可能に支持されている。
【0028】
このようなカップウォーマ3をオプション取付装置2に取り付ける際には、以下の手順を行う。
【0029】
まず、挿入部32を給電レール22の開口部22aに挿入する。
【0030】
しかる後に、カップウォーマ本体31を挿入部32に対してスライドさせつつカップウォーマ本体31の底面が天板11に衝き当たるまでカップウォーマ本体31を下方に移動させる。
【0031】
このような操作を行うことにより、カップウォーマ本体31を天板11に載せ置いた状態で、挿入部32の受電用電極32a、32bと給電用レール22の給電用電極23a、23bとが接続され、カップウォーマ本体31に電力が供給される。
【0032】
本実施形態では、カップウォーマ3が、天板11に直接支持されるカップウォーマ本体31と、前記カップウォーマ本体31に対し給電レール22の長手方向とは交差する方向に沿って相対的にスライド可能に設けられ、給電レール22の開口部22aに挿入されるとともにその開口部22a内にある給電用電極23a、23bに接触する受電用電極32a、32bを備えている挿入部32とを具備する。その上で、天板11にカップウォーマ本体31を機械的に支持させつつ、挿入部32をカップウォーマ本体31に対してスライドさせることによりオプション取付装置2に取り付けるようにできる。従って、天板11に対するオプション取付装置2の配置の自由度を高めつつ、カップウォーマ3を安定して保持させるようにすることができる。
【0033】
さらに、本実施形態の構成では、カップウォーマ本体31を天板11に載せ置いた状態で挿入部32をオプション取付装置2に取り付けることができるので、カップウォーマ3をさらに安定して取り付けることができる。
【0034】
そして、オプション取付装置2を天板11の上方に近接させて設置しているので、先に挿入部32をオプション取付装置2に取り付け、その後カップウォーマ本体31を挿入部32に対して下方にスライドさせて取り付ける取付態様を実現できる。従って、このようなカップウォーマ3の取り付けを容易に行うようにすることができる。
【0035】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0036】
例えば、天板付家具の天板だけでなく、天板付家具に設けた棚板にオプション本体を支持させるようにしてもよい。
【0037】
また、カップウォーマに限らず、照明装置や扇風機等、他のオプション部材に同様の構成、すなわち、オプション部材本体に挿入部をスライド可能に支持させる構成を採用すれば、このようなオプション部材も同様に安定してオプション支持部に取り付けることができる。
【0038】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0039】
1…天板付き家具(家具本体)
11…天板(オプション支持体)
22…給電レール
23a、23b…給電用電極
3…カップウォーマ(オプション部材)
31…カップウォーマ本体(オプション本体)
32…挿入部
32a、32b…受電用電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具本体にオプション支持体を介してオプション部材を支持させつつ、家具本体に付設した給電レールからオプション部材に電力を供給するように構成した家具であって、
前記オプション部材が、
前記オプション支持体に直接支持されるオプション本体と、
前記オプション本体に対し前記給電レールの長手方向とは交差する方向に沿って相対的にスライド可能に設けられ、前記給電レールの開口部に挿入されるとともにその開口部内にある給電用電極に接触する受電用電極を備えている挿入部と
を具備することを特徴とする家具。
【請求項2】
オプション支持体が、天板付き家具の天板である請求項1記載の家具。
【請求項3】
前記給電レールを前記天板の上方に近接させて設置している請求項1又は2記載の家具。
【請求項4】
オプション本体が、カップウォーマとしての機能を有する請求項1、2又は3記載の家具。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4記載の家具を構成するために用いられるものであって、
オプション支持体に直接支持されるオプション本体と、
前記オプション本体に対し給電レールの長手方向とは交差する方向に沿って相対的にスライド可能に設けられ、前記給電レールの開口部に挿入されるとともにその開口部内にある給電用電極に接触する受電用電極を備えている挿入部と
を具備するオプション部材。
【請求項6】
オプション本体が、カップウォーマとしての機能を有する請求項5記載のオプション部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−147667(P2011−147667A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12475(P2010−12475)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】