説明

家具部分のための、少なくとも1つの形状記憶要素を有する作動装置

本発明は、作動装置であって、該作動装置は、可動の家具部分を、不動の家具部分に対して、形状記憶要素を有する駆動装置により、開放方向若しくは閉鎖方向へ移動させるようになっている形式のものに関する。駆動装置は、1つの家具部分に取り付けられていて、別の家具部分に、連結要素を介して一時的に接触するようになっている。駆動装置は、駆動要素として、収縮する形状記憶要素若しくはばね蓄力器を有しており、ばね蓄力器は、少なくとも1つの形状記憶要素によって緊張されるようになっている。本発明により、作動装置は改良され、作動装置の駆動装置は、駆動部として若しくは蓄力式駆動部への蓄力のために少なくとも1つの形状記憶要素を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動装置であって、該作動装置は、可動の家具部分を、不動の家具部分に対して、形状記憶要素を有する駆動装置により、開放方向若しくは閉鎖方向へ移動させるようになっている形式のものに関する。
【0002】
独国特許出願公開第60118836T2号明細書に開示の作動装置は、特にスライドドアの開放のために、帯状の形状記憶要素を有している。更に、スライドドアに配置されたラックに平歯車をかみ合わせてあり、該平歯車は、更に別の平歯車にかみ合っている。両方の平歯車は、帯状の形状記憶要素によってS字形に巻き掛けられており、各巻き条は360度よりも小さくなっている。帯材は、低温の状態では前記S字形を有している。帯材が加熱されると、帯材の曲率が逆になり、つまり、これまでのS字形が、S字縦軸線を基準として反転される。これにより、歯車は各巻き掛け角度にわたって回転させられ、ひいては、スライドドアを駆動するようになっている。このような過程は可逆である。
【0003】
本発明の課題は、家具部分の開放若しくは閉鎖のための作動装置を改良して、作動装置の駆動装置が、駆動部として、若しくは蓄力式駆動部若しくはエネルギー蓄積式駆動部のエネルギーの蓄積のために、少なくとも1つの形状記憶要素を有するようにすることである。
【0004】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の構成によれば、駆動装置1つ(一方)の家具部分に取り付けられていて、別(他方)の家具部分に、連結要素を介して一時的に接触するようになっている。駆動装置は、駆動要素として、収縮する形状記憶要素を有し、若しくはばね蓄力器を有しており、該ばね蓄力器は、少なくとも1つの形状記憶要素によって緊張され、つまり蓄力されるようになっている。
【0005】
本発明の1つの形態では、作動装置内に設けられる駆動装置は、1つ若しくは複数の形状記憶要素を用いて、力形成のための直線運動を生ぜしめるようになっている。直線運動は、直接に若しくは伝動部又は伝動装置を用いて、駆動装置を支持する家具部分に移動可能に支承された可動の家具部分に伝達されるようになっている。
【0006】
駆動装置の必要に応じて用いられる伝動部は、例えばレバー式伝動部、ラック式伝動部等である。
【0007】
形状記憶要素の作業行程とは逆向きの直線作動行程のためには、例えば、ばね駆動部、重力駆動部、若しくは別の形状記憶要素が用いられる。
【0008】
別の形態では、駆動装置は、可動の家具部分の開放運動を、ばね力によって生ぜしめるようになっている。このために、例えば機械的なばね若しくは空気ばね又はガスばねにより形成されるばね蓄力器が用いられる。使用されて弛緩されたばね蓄力器を再び緊張するため、つまり、力を放出したばね蓄力器に再び力を蓄えるために、形状記憶要素が用いられる。
【0009】
家具の不動の家具部分は、例えば、収納ケースやキャビネット等の本体、机の本体、若しくはドアフレーム等である。可動の家具部分は、引き出し、スライドドア、回転ドア、旋回ドア、フラップ、若しくは収納式スライドテーブル又は引き出し式テーブルであり、或いは、不動の家具部分から所定の目的で外側へ旋回若しくは走出可能な可動の構成部分等である。
【0010】
駆動装置は、一般的に不動の家具部分に配置される。しかしながら、駆動装置を可動の家具部分に取り付けて、不動の家具部分から取り出しできるようにすることも可能である。
【0011】
例えば引き出しの開放のために直線運動を生ぜしめる形状記憶要素は、本体内で、引き出しの横又は側方に、若しくは引き出しの後側、或いは引き出しの上側又は下側に配置される。駆動装置若しくは形状記憶要素の長手方向は、引き出し開放方向に対して平行に、若しくは垂直に、或いは斜めに向けられてよいものである。形状記憶要素を本体背壁に沿って複数の引き出しにわたって鉛直方向に、或いは本体の対角線方向に延設することも考えられる。
【0012】
次に、本発明を複数の実施形態に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ダイレクト式の引張りワイヤ駆動部を有する駆動装置を、引き出しが閉められた状態で示す図である。
【図2】図1の駆動装置を、図1と同様に、しかしながら引き出しが走出駆動されている状態で示す図である。
【図3】図1の駆動装置を、図2と同様に、しかしながら引き出しが走出されもはや駆動されていない状態で示す図である。
【図4】レバーを介して作用する引張りワイヤ駆動部を有する駆動装置を、引き出しが閉められている状態で示す図である。
【図5】図4の駆動装置を、図4と同様に、しかしながらレバーが外側へ最大に旋回させられた状態で示す図である。
【図6】図4の駆動装置を、図5と同様に、しかしながらレバーが戻し旋回させられている状態で示す図である。
【図7】図4の駆動装置を、図6と同様に、しかしながらレバーが戻し旋回させられた状態で示す図である
【図8】図4の駆動装置を、図6と同様に、しかしながら引張りワイヤが伸長されている状態で示す図である。
【図9】湾曲されたレバーを介して作用する引張りワイヤ駆動部を有する駆動装置を、引き出しが閉められた状態で示す図である。
【図10】図9のケーシングを示す図である。
【図11】図9の推進スライダーを示す図である。
【図12】図9のスライド係止片を示す図である。
【図13】図9の駆動装置を、図9と同様に、しかしながらレバーが外側へ旋回させられた状態で示す図である。
【図14】図9の駆動装置を、図13と同様に、しかしながらレバーが戻し旋回させられた状態で示す図である。
【図15】巻き掛け式の引張りワイヤ及びスライド式の押し出しレバーを有する駆動装置を示す図である、
【図16】図15の駆動装置の縦断面図である。
【図17】図15の駆動装置を、図15と同様に、しかしながら引き出しが走出されもはや駆動されていない状態で示す図である。
【図18】図15の駆動装置を、図17と同様に、しかしながら押し出しレバーが押し戻されている状態で示す図である。
【図19】回動式の押し開けピンを有する作動装置を示す図である。
【図20】図19の作動装置の縦断面図である。
【図21】図19の作動装置を、図19と同様に、しかしながら引張りワイヤが収縮された状態で示す図である。
【図22】図19の作動装置を、図21と同様に、しかしながら推進スライダーが戻される状態で示す図である。
【図23】図19の作動装置を、図17と同様に、しかしながら引き出しが閉められる状態で示す図である
【図24】引き出しの開放のためのばね駆動部を有する作動装置を示す図である。
【図25】図24の作動装置を、ばね駆動部が引き伸ばされた状態で示す図である。
【図26】開放のための作動装置及び閉鎖のための作動装置を有する閉められた状態の引き出しを示す図である。
【図27】図26の引き出しを、該引き出しが閉められる状態で示す図である。
【0014】
図1は、例えば作業面若しくは作業テーブル等の下方に設置され、下置き棚とも称されるキャビネット(10)の引き出し(21)の開放のための電気式の作動装置を示しており、該作動装置において、駆動装置(30)は駆動要素として、例えば特殊な引張りワイヤ(91)を有している。引張りワイヤ(91)は、形状記憶合金、例えばニッケル・チタン・合金から形成されている。引張りワイヤ(91)は、温度変化に基づき、伸びた低温状態と縮んだ高温状態との間で切り換えられる。加熱のために、引張りワイヤ(91)はその端部を介して短時間通電されるようになっている。接続線は図示を省略してある。
【0015】
作動装置は、図1では、例えばキャビネット本体(11)の側壁(13)に取り付けられている。側壁(13)には、引き出し(21)を支持する案内レール(26)も取り付けられている。案内レール(26)に沿って引き出し(21)の支持ローラ(25)が走行するようになっている。
【0016】
作動装置は、フレーム若しくはプレート(31)に組み付けられている。プレート(31)には、幾つかの保持ボルト(32〜35)、2つの案内ボルト(37,38)、滑子案内(41)及び磁石(43)が取り付けられている。
【0017】
案内ボルト(37,38)は、図示の実施形態では引き出し移動方向(1,2)に対して平行に移動可能な推進スライダー(50)を案内している。このために、推進スライダー(50)は、2つの長孔(51)を有しており、長孔(51)は、該長孔に配設された案内ボルト(37,38)を、遊びをもって受容している。推進スライダー(50)は、前側及び後側にそれぞれ1つの孔(52,53)を有している。後側の孔(53)には例えば引張りコイルばね(61)が引っ掛けられており、引張りコイルばね(61)は、更に保持ボルト(32)に枢着されている。別の、例えば前側の孔(52)内に引張りワイヤ(91)が取り付けられている。引張りワイヤ(91)の右側の端部は、アイを介して保持ボルト(33)に取り付けられている。
【0018】
推進スライダー(50)は、中央の領域に切欠き部(54)を有しており、該切欠き部内にプッシュ要素若しくは推進要素として係止片(44)が旋回可能に支承されている。このために、係止片(44)は、係止片旋回用ボルト(57)にヒンジ的に取り付けられている。係止片(44)は、重力に基づき切欠き部(54)から下方へ降下する推進突起部(45)を有しており、該推進突起部の前縁(46)は、図1では、引き出し(21)の連行ピン(24)の前側に位置している。係止片(44)の右側の領域には、例えば上方へ折り曲げられた片持ちアーム(47)が設けられており、片持ちアーム(47)は、該片持ちアーム(47)に対して横方向に向けられた滑子ピン(48)で終わっている。係止片(44)の上側には、片持ちアームとの接触領域に磁化可能若しくは磁性のレリーズプレート(49)が配置されている。
【0019】
滑子ピン(48)は、ここでは、つまり図示の実施形態では、滑子案内(41)に加工成形された滑子案内溝(42)内に案内されている。滑子ピン(48)は、滑子案内溝(42)内でほぼ長方形の無端の軌道路に沿って移動するようになっている。
【0020】
図1において、引き出し(21)は、その閉鎖位置にある。閉鎖位置において、後側の支持ローラ(25)は、案内レール(26)の凹部(27)の最も深い部位を占めている(図3、参照)。凹部(27)は、ここでは支持ローラ(25)の半径により規定される曲率よりも小さな曲率を有している。開放方向で凹部(27)の前には、隆起部(28)が配置されている。
【0021】
引張りコイルばね(61)は、推進スライダー(50)をその後側の位置に保持している。推進突起部(45)の前縁(46)は、引き出し(21)の連行ピン(24)の前側に位置している。引張りワイヤ(91)は低温である。
【0022】
今、引き出し(21)がその開放のために、閉鎖位置(5)を超えて十分の数ミリメートルにわたって動かされると、引き出し(21)の背壁(22)若しくは相応の引き出し領域が、スイッチ(8)を作動させ、スイッチ(8)は、配設された回路を介して電流を引張りワイヤ(91)に供給するようになっている。これによって、引張りワイヤ(91)は縮むことになる。このような構成により、右側へ運動する推進スライダー(50)は、推進要素(44)を介して引き出し(21)を、隆起部(28)を超えて移動させて、更に、引き出し(21)を開放方向(1)へ加速させるようになっている。これにより、引き出し(21)は開けられることになり、滑子ピン(48)は、滑子案内溝(42)の下側の領域内を右側へ移動する。これによって、推進スライダー(50)は、レリーズプレート(49)と一緒に、次第に磁石(43)の作用領域に接近することになる。磁石は電磁石から成っていてよいものである。
【0023】
引き出し(21)の走出移動(開放移動)の場合に、連行ピン(24)が推進突起部(45)から離される際に、引張りワイヤ(91)の縮み動作は終わっており、磁石(43)によってレリーズプレート(49)は引き付けられる。係止片(44)は、係止片旋回用ボルト(57)を中心として上方へ旋回させられる。滑子ピン(48)は、滑子案内溝(42)の上側の領域内に達する。これによって、推進突起部(45)は、連行ピン(24)及び引き出し(21)が、推進突起部と接触することなしに、推進突起部の下を通過できるほどに、上方に持ち上げられている。
【0024】
引き出しを開けている間に、つまり通電終了に伴って、引張りワイヤ(91)は冷却されはじめる。引張りコイルばね(61)は、引張りワイヤ(91)の伸びに対応して、推進スライダー(50)を左側へ、推進スライダーの出発位置(基準位置)に引き戻す。滑子ピン(48)は、滑子案内溝(42)の上側の領域(軌道路)に沿って移動させられる。このことは、レリーズプレート(49)が磁石(43)から解放された場合にも当てはまる。滑子軌道の後側の端部は、推進スライダー(50)が、その後側の位置(図1、参照)を再び占めることにより達成される。引張りワイヤ(91)は、孔(52)と保持ボルト(33)との間に、弛緩した状態で架設されている。滑子ピン(48)は、再び滑子案内溝42の下側の領域内へ戻り落ち、これにより、推進突起部(45)も再び連行ピン(24)の後側に位置を占める。駆動装置(30)は再びその出発位置を占めている。
【0025】
引き出し(21)も再び閉鎖位置(5)を占めると、作動装置は、新たに作動開始できるようになっている。
【0026】
図1〜図3には、複数の引張りワイヤから成る1つの線束により形成されていてよい簡単な引張りワイヤ91に対する変化形態として、例えば動滑車を介して互いに直列に連結された複数の引張りワイヤから成る1つのカスケード式引張りワイヤユニット(93)が、破線で描かれている。ここでは、プレート(31)上に例えば縦方向移動可能に案内された転向スライダー(96)が、2つの引張りワイヤ(95)を介して、プレート(31)に設けられた保持ボルト(35)につながれている。転向スライダー(96)には、例えば動滑車として形成されていてよい転向ローラ(97)が支承されており、転向ローラ(97)に引張りワイヤ(94)を巻き掛けてあり、引張りワイヤ(94)は一方の端部で推進スライダー(50)に引っ掛けられ、かつ他方の端部でプレート(31)の保持ボルト(34)に取り付けられている。ここでは、全ての引張りワイヤ(94,95)が、引き出し(21)の開放のために通電されるようになっている。同様の別のカスケード式引張りワイヤユニットを用いることによって、スライド距離及び/又は引張り力を変えることができる。
【0027】
図4〜図8は、本体(11)及び引き出し(21)を平面図で示している。図4では、引き出し(21)は閉鎖位置(5)にある。引き出し(21)の背壁(22)と本体(11)の背壁(12)との間に、プレート(131)が配置されており、該プレートに作動装置を組み付けてあり、該作動装置は駆動装置(130)を有している。
【0028】
駆動装置(130)も、推進スライダー(50)及び該推進スライダーに設けられた係止片(44)を含んでいる。推進スライダー(50)は、2つの長孔(51)を有していて、該長孔内に係合する案内ボルト(37,38)によって案内されている。推進スライダー(50)の前側に引張りワイヤ(91)が配置されている。引張りワイヤ(91)は、一方の端部で推進スライダー(50)の孔(52)内に引っ掛けられており、かつ他方の端部で、つまり本体側で保持ボルト(33)に取り付けられている。
【0029】
図4では、推進スライダー(50)は、例えば1N/mmの低いばね定数を有する引張りばね(61)によって、該推進スライダーの後側の位置(終端位置)へ移動させられている。推進スライダーが後側の位置を占めた状態では、引張りワイヤ(91)は、例えば緊張しない状態で張られ、つまり、引張り応力が発生しないように、わずかに緩く張られている。
【0030】
推進スライダー(50)は、図6に示してあるように、切欠き部(54)内に、推進要素として係止片(44)を受容しており、該係止片は、係止片旋回用ボルト(57)を用いて切欠き部(54)内に支承されている。係止片(44)は、推進突起部(45)、旋回レバー(147)及びストッパー(148)を有している。係止片(44)の旋回レバー(147)に、引張りばね(149)が一方の端部で引っ掛けられており、該引張りばねは、他方の端部で推進スライダー(50)のブラケット部(58)に枢着されている。引張りばね(149)は、係止片(44)を通常は、図4及び図5に示す位置に保持している。この状態では、係止片(44)のストッパー(148)は、推進スライダーに当接している。
【0031】
図4に示してあるように、開放方向(1)において、プレートに支承されていて例えば45度にわたって屈曲された押し開けレバー(70)が、推進スライダー(50)の前側の位置を占めている。押し開けレバー(70)は、短い方のレバーアーム(71)と長い方のレバーアーム(72)とから成っている。両方のレバーアームは、旋回支承部(75)を中心として延びており、つまり該旋回支承部の両側を延びている。短い方のレバーアーム(71)は、その自由な端部に連行ボルト(73)を支持しているのに対して、長い方のレバーアーム(72)は、レバーローラ(79)を支承している。押し開けレバー(70)は、その旋回支承部(75)を介して、プレート(131)に固定された旋回ピン(39)に支承されている。短い方のレバーアーム(71)に、引張りばね(78)が一方の端部で引っ掛けられており、該引張りばねは他方の端部で、定位置(不動)の、つまりここではプレートに固定された保持ボルト(133)に枢着されている。引張りばね(78)は、押し開けレバー(70)を定位置のストッパーボルト(132)に向けて引っ張っている。
【0032】
図示の実施形態では、押し開けレバー(70)の右側の横で、プレート(131)にスイッチ(8)が配置されている。スイッチ(8)のスイッチボタンは、引き出しの背面(22)に向けられている。スイッチボタン及びレバーローラ(79)は、引き出し(21)がその閉鎖位置(2)に静止している間は、背面(22)と接触していない。
【0033】
引き出し(21)を開けるためには、引き出し(21)は、スイッチ(8)に向けて十分の数ミリメートルだけ動かされ、その結果、スイッチ(8)は回路を介して、引張りワイヤ(91)を電圧で負荷することになる。これにより、引張りワイヤ(91)は、収縮を開始し、つまり縮みはじめる。推進スライダー(50)は、推進要素(44)の前縁部(46)を介して連行ボルト(73)に当接していて、押し開けレバー(70)を、引き出し(21)の背壁(22)に向けて旋回させるようになっている。これにより、レバーローラ(79)が背壁(22)に沿って転動することになる(図5、参照)。
【0034】
押し開けレバー(70)の旋回(押し開け旋回)に際して前縁部(46)の上側の角隅が、連行ボルト(73)の中心より下側に達すると、係止片(44)は下方へ変位され(図6、参照)、その結果、押し開けレバー(70)の戻り旋回を可能にしている(図7、参照)。押し開けレバーの押し開け旋回の後には、引き出し(21)は、その質量慣性に基づき、引き続き開放方向に運動することになる。
【0035】
引張りワイヤ(91)を伸長させる冷却過程中に、引張りばね(61)は、推進スライダー(50)を右側へ、該推進スライダーのもとの出発位置に引き寄せるようになっている(図8、参照)。この場合に、係止片(44)は、押し開けレバーの連行ボルト(73)により後退させられつつ、該連行ボルトの下側に沿って滑動して該連行ボルトを通過するようになっている。係止片(44)が連行ボルト(73)の下を通過した後に、係止片(44)は、引張りばね(149)の作用により、時計回り方向で上方へ旋回させられ、その結果、ストッパー(148)が推進スライダー(50)に当接することになる。これにより、推進突起部(45)は再び、連行ボルト(73)の後側に位置している。つまり、引き出し(21)の押し込み(閉鎖)の後に、作動装置は、再び該作動装置の出発位置を占めるようになっている。
【0036】
図9〜図14に示す作動装置において、駆動装置(230)は、例えば組み込まれたラック(252)から成る推進スライダー(250)を移動させようになっていて、つまり、本体(10)内に収容される引き出し(21)の開放のために、ラック(252)を介して、少なくとも部分的に歯の付けられた押し開けレバー(270)を強制的に旋回させるようになっている。このために、本体(10)内には引き出し(21)の後側の領域に、支持フレーム(15)が配置されており、該支持フレームに、例えば直六面体状のケーシング(231)が取り付けられている(図10、参照)。
【0037】
ケーシング(231)内において、推進スライダー(250)は、長方形の案内フレーム(232)内に滑り支承されている。案内フレーム(233)の底部には、六角形の平らな凹部(深さの一様な凹部)(233)を設けてあり、該凹部(233)は、1つの辺に形成された乗り上げ傾斜面(234)を有している。乗り上げ傾斜面(234)は、推進スライダー(250)のスライド方向に対して例えば45度を成して傾斜している。乗り上げ傾斜面(234)は、ここでは凹部(233)の平らな側面によって形成されている。しかしながら、乗り上げ傾斜面は、湾曲して形成されていてもよい。
【0038】
ケーシング(231)は、中央の領域で案内フレーム(232)の側部に、押し開けレバー(270)の旋回ピン(276)の受容のための孔により形成される支承部位(275)を有している。更にケーシング(231)は、支承部位(275)の領域に、押し開けレバー(270)のための貫通部(235)を有している。ケーシングは、右側の領域に、引張りばね(161,249)の受容のための2つの支承部位(238,239)を有している(図10、参照)。ケーシング(231)の左側の端壁には、引張りワイヤ(91)の貫通のための貫通部(236)が設けられている。
【0039】
図9、図10、図13及び図14に開けられた状態で示してあるケーシング(231)は、使用状態では蓋によって閉じられるものであり、該蓋は、ケーシング底部と鏡面対称的に、同じく案内フレーム(232)及び凹部(233)を有している。
【0040】
案内フレーム(232)内に縦方向摺動可能(長手方向摺動可能)に配置されている推進スライダー(250)は、図11には、仮想の中央線に沿って縦断面して示してある。推進スライダー(250)は、実質的に上側のプレートと下側のプレートとから成っており、両方のプレートは、S字形のウエブ(251)によって相互に結合されている。ウエブ(251)は、推進スライダー(250)を左側の区分と右側の区分とに区分けしている。右側の区分の長手方向に延びる縦壁は、ラック(252)を形成している。右側の区分の右側の端面壁は、支承部位(253)として形成される切欠き部を有している。
【0041】
上側のプレート及び下側のプレートは、左側の区分において、それぞれl字形の長孔滑子案内(254)を有しており、該長孔滑子案内の長い方の直線状の中心線区分は、ラック(252)の基準ピッチ線の延長線上に配置されている。長孔(254)の短い方の領域は少なくとも、該短い方の長孔領域(長孔区分)の左側の推進側面(255)が、十分の数ミリメートルの長さの直線の区分を有することができるほどの長さで形成されている。
【0042】
図12は、推進スライダー(250)の長孔滑子案内(254)内に支承されかつ案内されるスライド係止片(256)を、該スライド係止片に引っ掛けられた引張り舌片(292)と一緒に、水平断面で示している。スライド係止片(256)は、側方へ例えば100度の角度を成して突出する係止片レバーアーム(257)を有しており、該係止片レバーアームは、その自由な端部に、引張りばね(249)のための支承部位(248)を有している。スライド係止片(256)と係止片レバーアーム(257)との間の交差部位の領域に、案内ピン(259)により貫通されるスリットが、言い換えれば、案内ピン(259)を横切るように形成されたスリットが設けられており、該スリット内に、引張りワイヤ(91)の固定のための引張り舌片(292)が差し込まれている。
【0043】
引張り舌片(292)は案内ピン(259)に保持されており、つまり、案内ピン(259)は、スリット内に差し込まれた引張り舌片(292)の孔を貫通している。引張り舌片(292)は、ケーシング(231)の両方の長孔滑子案内(254)により確実に案内されるように、スライド係止片(256)の上面及び下面から突出している。スライド係止片(256)の前側の端部には、案内ピン(259)に対して平行な制御ピン(258)を設けてあり、該制御ピンは、長孔滑子案内(254)を貫通し、かつケーシング(231)の両方の凹部(233)内に突入している。
【0044】
押し開けレバー(270)は、実質的にプレート状のハブ(272)及び鎌形に湾曲する長いアーム(271)を有している。ハブ(272)は、アーム(271)とは逆の側に配置された歯部(273)を有しており、該歯部(歯列)の例えば6つの歯は、例えば180度にわたって分配されていて、ハブ(272)から突出している。ハブ中心に、押し開けレバー(270)の旋回ボルト(276)が配置されている。アーム(271)は、背壁(22)に対して湾曲された接触面(277)を有しており、この場合に該湾曲面は、図示の実施形態では部分円筒外周面に相当するものであり、つまり、凸曲面である(図9、参照)。接触面(277)は、引き出し(21)の押し開けに際して、まず、引き出しと第1の接触線(278)で接触する。つまり、押し開けレバー(270)は、押し開け開始時には、例えば半分まで短くされたてこ腕で引き出し(21)に作用している。開放方向に移動する、つまり走出する引き出し(21)が、押し開けレバー(270)から離れる直前では、引き出し(21)は、押し開けレバー(270)と最後の接触線(279)で接触している。この状態では、押し開けレバー(270)は、その最大のてこ腕で引き出し(21)に作用している。
【0045】
接触面(277)が、図9に描かれている曲線と交差しかつ図平面に垂直に延びる線の方向でも曲率を有している場合には、接触面は、球面状に湾曲しており、接触部位は接触線(278,279)から接点になる。
【0046】
引き出し(21)を押し開けるためには、引き出し(21)は、その背壁(22)がスイッチ(8)と当接するように、スイッチ(8)に向けて動かされる。スイッチ(8)は、引張りワイヤ(91)に給電するようになる。これにより、引張りワイヤ(91)は、引張り舌片(292)を介してスライド係止片(256)を引っ張ることになる(図9、参照)。この時点では、スライド係止片(256)は、案内フレーム(232)内で右側に位置している推進スライダー(250)の長孔滑子案内(254)内における右側の終端位置を占めている。制御ピン(258)は、長孔滑子案内(254)の推進側面(255)に接触していて、この接触位置に、引張りばね(249)の作用により保持されている。
【0047】
収縮する引張りワイヤ(91)は、スライド係止片(256)及び推進スライダー(250)から成るユニットを左側へ引っ張ることになる。これにより、推進スライダー(250)のラック(252)が、ケーシング(231)内で支承部位(275)に旋回可能に支承された押し開けレバー(270)の歯部(273)に沿って移動し、言い換えれば、歯部(273)が相対的にラック(252)上を転動することになる。押し開けレバー(270)は時計回り方向で背壁(22)に向けて旋回させられ、ひいては引き出し(21)を開放方向(1)に加速する。
【0048】
押し開けレバー(270)が該押し開けレバーの、図13に示してある終端位置に達する直前に、制御ピン(258)は、ケーシング側の凹部(233)の乗り上げ傾斜面(234)にぶつかるようになっている。これにより、制御ピン(258)は、推進側面(255)から移し外されることになる。つまり、スライド係止片(256)は、案内ピン(259)を中心として時計回り方向に、図示の実施形態では13.5度にわたって旋回させられる。その結果、制御ピン(258)は、長孔滑子案内(254)の、推進スライダー(250)の移動方向(スライド方向)と平行に延びる領域内に達する。つまり、制御ピン(258)は、推進スライダー(250)を引張りワイヤ(91)から連結解除(係止解除)することになる。
【0049】
上記連結解除に基づき、推進スライダー(250)は、引張りばね(261)の引張り作用により、右側へ引っ張られ、ひいては、押し開けレバー(270)が戻り旋回させられる(図14、参照)。推進スライダーの右側への引張りに際して、スライド係止片(256)は連行されない。
【0050】
引張りワイヤ(91)の続く伸長過程において、係止片レバーアーム(257)に引っ掛けられている引張りばね(249)が、スライド係止片(256)を右側へ移動させるようになっている。引張りワイヤ(91)が完全に冷却されると、制御ピン(258)は、推進スライダー(250)と引張りワイヤ(91)との間の連結のために、再び推進側面(255)の前側の位置に達している(図9、参照)。引き出し(21)の閉鎖に伴って、作動装置は再びその出発位置を占めることになる。
【0051】
図15、図17及び図18は、引き出し(21)の一部分、及び、該引き出しの後側に配置された作動装置を上方から見て示す図である。該作動装置は、駆動装置(330)を有しており、該駆動装置は、引張りワイヤ(91)及びばね負荷された戻しワイヤ(362)により少なくとも部分的に巻き掛けられたローププーリー(340)を有している。ローププーリー(346)は、ラチェット歯を有する円形の係止ディスク(350)に、押し開けレバー(370)を支持しており、該押し開けレバーは、係止ディスク(350)内に長手方向移動可能に支承されていて、外部から操作されるようになっている。
【0052】
図15及び図16は、本体(11)に固定されているフレーム(331)に取り付けられた駆動装置(330)を、その出発位置で示している。レリーズ突起部(29)を有する引き出し(21)は、その閉鎖位置(5)を占めている。
【0053】
駆動装置(330)の主要な構成部分は、ローププーリー(340)であり、該ローププーリーは、引張りワイヤ(91)と戻しワイヤ(362)とをそれぞれ片側から巻き掛けられている。ローププーリー(340)は、旋回ピン(339)に例えば滑り支承されており、該旋回ピンはフレーム(331)に取り付けられている。引張りワイヤ(91)の上側でローププーリー(340)に、スイッチ作動ディスク(341)を配置してある。スイッチ作動ディスク(341)は、片側でローププーリー(340)を超えて突出していて、該スイッチ作動ディスクの外周の最大直径の部位に永久磁石(342)を有している。
【0054】
スイッチ作動ディスク(341)に設けられた旋回ボルト(344)に、二腕状の係止体(343)を支承してある。係止体(343)は、ラチェット機構の構成部分として、同じく旋回ピン(339)に支承されている係止ディスク(350)のラチェット歯に係合している。係止体(343)は、係止ディスク(350)の逆時計回りの回転を防止するようになっている。このために、係止体(343)は、一方の端部でもって該係止体(343)に引っ掛けられかつ他方の端部でもって、スイッチ作動ディスク(341)に設けられたボルト(345)に取り付けられた引張りばね(349)により、ラチェット歯とのかみ合いを保たれている。
【0055】
係止ディスク(350)は、そのラチェット歯(351)の上側にあり継ぎ案内(352)を有しており、該あり継ぎ案内内に押し開けレバー(370)が案内されている。押し開けレバー(370)は、図15及び図16では、引き出し(21)のレリーズ突起部(29)の接触面に対して少なくともほぼ平行である位置を占めている。該位置において、押し開けレバーは、係止ロック機構を用いて係止ディスク(350)に対して保持(ロック)されている。このために、係止ディスク(350)の止まり穴内に配置されかつばね負荷された係止球(354)が、押し開けレバー(370)の2つのレバー切欠き部(375,376)のうちの1つ(375)に押し込まれている。
【0056】
ローププーリー(340)の横には、リニア駆動部としてフレーム(331)上に行程磁石(380)が配置されている。行程磁石(380)のケーシング内にコイル(382)を組み込んであり、該コイルは、通電により、行程磁石(380)の中央の孔内に案内されたコア(385)に作用するようになっている。可動子であるコア(385)は、ケーシングから突出している突き棒(386)を有しており、該突き棒の前側の端部は、例えば非金属性の突き棒ハンマー(387)を支持している。行程磁石の中央の孔内でコア(385)の後側に配置された引張りばね(389)は、コイル(382)の非通電時にコア(385)を該コアの後側の位置に保持している。この状態では、突き棒ハンマー(387)は、行程磁石(380)の前側のケーシング端面に当接している。
【0057】
引き出し(21)を開けるためには、引き出しが、スイッチ(8)に向けて動かされる。これにより、引張りワイヤ(91)が回路を介して通電される。通電により収縮する引張りワイヤ(91)は、一方の端部ではフレーム(331)の保持ボルト(333)に引っ掛けられ、かつ他方の端部ではローププーリー(340)の取り付け部位(348)に固定されているので、ローププーリー(340)を、係止ディスク(350)及び押し開けレバー(370)と一緒に、実施形態では180度にわたって時計回り方向に回転(旋回)させることになる。ローププーリー(340)の該回転運動により、戻しワイヤ(362)が、ローププーリー(340)に180度にわたって巻き付けられる。戻しワイヤ(362)の前側の端部が、同じく取り付け部位(348)に固定されている。戻しワイヤ(362)の後側の端部には、引張りコイルばね(361)が一方の端部で引っ掛けられており、かつ他方の端部ではフレーム(331)の保持ボルト(334)に取り付けられている。引張りワイヤ(91)の加熱による引張り過程中に、戻しばね(361)は伸ばされる(図17、参照)。
【0058】
引張りコイルばねの代わりに、回転力ばね、例えば旋回ピン(339)を取り囲むように支承されて一端でフレーム(331)に支えられかつ他端でローププーリーに支えられたねじりコイルばね若しくは脚形ばね等も用いられてよい。
【0059】
係止ディスク(350)の旋回運動(回転運動若しくは回動運動)により、押し開けレバー(370)は、引き出し背面(引き出し背壁)に配置されたレリーズ突起部(29)に向けて押圧(旋回)される。これにより、押し開けレバー(370)は、引き出し(21)を開放方向(1)に加速するために、該押し開けレバーの自由な端部でもって、引き出し背壁(22)に沿って、該押し開けレバーの旋回行程の約75度にわたって滑動するようになっている。該滑動の後に、押し開けレバー(370)は引き出し(21)から解離される。押し開けレバー(370)は、必要に応じて自由端部にレバーローラを支持していてよい(図4のレバーローラ(79)、参照)。
【0060】
引張りワイヤ(91)がその収縮を終えるときに、つまり、短い方の長さに達するときに、押し開けレバー(370)は、180度にわたって旋回させられている(図17、参照)。これによって、押し開けレバー(370)は、行程磁石(380)の突き棒ハンマー(387)に対して短い距離の位置を占めることになる。これに対応して、スイッチ作動ディスク(341)の永久磁石(342)は、フレーム(331)上に取り付けられたリードスイッチ(309)の前側の位置に旋回させられている。これにより、リードスイッチ(309)は、回路を介して行程磁石(380)を短時間作動させることになる。行程磁石(380)は、押し開けレバー(370)をその第2の終端位置へ移動させ(図18、参照)、その結果、押し開けレバー(370)を再びその出発状態(出発位置)へ移すようになっている。第2の終端位置では、係止球(354)は、第2のレバー切欠き部(376)内に係合して、押し開けレバー(370)を係止ディスク(350)に対して係止(確保又はロック)している。
【0061】
引張りワイヤ(91)は、その間に、つまり通電終了の後に、冷却により伸長される。該伸長に際して、ローププーリー(340)は、引張りコイルばね(368)の引張り力下で再び、逆時計回り方向でローププーリーの出発位置へ戻り旋回される(図18、参照)。しかしながら、係止ディスク(350)の位置は、該係止ディスクが、第2の係止体(336)によって、例えばフレーム(331)に取り付けられた板ばね形係止体によって戻り回転を阻止されているので、変化させられないようになっている。ローププーリー(340)及び引き出し(21)が再びその出発位置を占めることにより、作動装置も再び、新たな開放作動のためのスタート位置を占めることになる。
【0062】
図19〜図23に示す作動装置の駆動装置(430)は、引き出し(21)を、該引き出しに配置された回転ディスク(470)を介して駆動するようになっている。
【0063】
駆動装置は、プレート(431)に組み付けられており、該プレートは、図20に示してあるように、本体(11)の側壁(13)に、それも背壁(12)の近傍に配置されている。プレートは、例えば、引き出し(21)を支持する案内レールの上方に位置している。駆動装置(430)は、必要に応じて、案内フレームに組み込まれていてよい。プレート(431)に設けられた案内ボルト(437,438)に、推進スライダー(450)がその長孔(451)を介して案内されている。推進スライダー(450)は、ブラケット部(458)を有しており、該ブラケット部の自由な端部に戻しばね(461)が引っ掛けられている。該戻しばねを形成する引張りばねの別の端部は、プレート側の保持ボルト(433)に枢着(保持)されている。戻しばね(461)は、引張りワイヤ(91)の作用方向とは逆の方向に作用している。引張りワイヤ(91)は、一方の端部で推進スライダー(450)の孔(452)に引っ掛けられており、かつ他方の端部でプレート側の保持ボルト(432)に取り付けられている。図19に示す位置では、非通電状態の引張りワイヤ(91)をピンと張っていることは、推進スライダー(450)が、戻しばね(461)の作用下で左側の長孔(451)の右側の端部でもって案内ボルトに接触させられるために、必須ではない。
【0064】
推進スライダー(450)には、ラックが組み込まれており、該ラックの歯部(455)は、歯車(440)の歯部(441)とかみ合っている。歯車(440)は、中央の孔を有しており、該孔内にフリーホイール(445)が配置されている。フリーホイール(445)のハブは、回転ディスク(470)のハブを成している。回転ディスク(470)は、プレート(431)に取り付けられた旋回軸(439)に支承されている。
【0065】
回転ディスク(470)は、縁部領域に押し開けピン(472)を支持しており、該押し開けピンは、図19、図20、図22、及び図23では、引き出し側壁(23)の後側の縁部(425)に接触している。回転ディスク(470)はレバーであってもよく、該レバーの自由な端部に押し開けピン(472)が配置されている。
【0066】
回転ディスク(470)は、側壁(23)とは逆の側にラチェット歯(475)を有しており、該ラチェット歯には、係止体支承部(435)に支承されたアングル状の係止体(434)が、ばね負荷された状態で係合している。ラチェット歯(475)は逆時計回りを防止するようになっている。
【0067】
引き出し(21)を開けるために、つまり開放方向(1)に移動させるために、引張りワイヤ(91)は、無線操作部、受信部及び配設の回路を介して短時間通電される。これにより、引張りワイヤ(91)は収縮し、ひいては、推進スライダー(450)を戻しばね(461)の作用に抗して右側へ引っ張るようになっている。該引張りにより、歯車(440)は時計回り方向に回転される。該時計回り方向では、フリーホイール(445)は係止されていて、従って必然的にディスクハブ(471)及び回転ディスク(470)を同期的に回転させる。これにより、押し開けピン(472)は、引き出し縁部(425)に沿って滑動し、該滑動に基づき、引き出し縁部が移動させられ(図21の矢印403、参照)、該移動運動は、押し開けピンの最小のてこ腕若しくは力伝達比で、言い換えれば、最大のモーメントで開始される。
【0068】
引張りワイヤ(91)の収縮行程が終了した状態では(図21、参照)、回転ディスク(470)は約225度の回転角(旋回角)に達している。押し開けピン(472)は、その180度までの回転領域では引き出し縁部(425)と接触している。
【0069】
引き出し(21)がその質量慣性に基づき引き続き開放方向に運動している間に、引張りワイヤ(91)は冷却作用により再び伸長される。戻しばね(461)は、推進スライダー(450)を左側へその出発位置へ移動させるようになっている(図22、参照)。これにより必然に戻り回転させられる歯車(440)は、フリーホイール(445)が逆時計回り方向では開かれており、かつ係止体(434)が逆時計回り方向で回転ディスク(470)の回転運動を阻止しているので、回転ディスク(470)を回転駆動することはない。
【0070】
回転ディスク(470)は、引き出し(21)が閉められた場合に、再び、図19に示す出発位置に達することになる(図23、参照)。戻される、つまり閉鎖方向に移動させられる引き出し(21)は、その縁部(425)でもって押し開けピン(472)を、前側へ、つまり閉鎖方向へ押すことになる。これにより、回転ディスク(470)は時計回り方向に回転させられる。該時計回り方向では、係止体(434)は係止作用を発生させていない。引き出し(21)及び推進スライダー(450)がその閉鎖位置(5)に達すると、新たな開放サイクルが開始できるようになっている。
【0071】
図24及び図25に示す変化形態では、引き出し(21)は、押し開けレバー(70)を介して、緊締されたばね要素(561)を用いて開けられるようになっている。押し開けレバー(70)は、推進スライダー(50)によって駆動されるようになっており、該推進スライダーに、ばね要素(561)が作用している。引き出し(21)の開放の後に弛緩されているばね要素(561)の緊張若しくは引き伸ばしのために、形状記憶要素により形成された引張りワイヤ(591)が用いられている。
【0072】
ばね要素(561)は、該変化形態では、引張りコイルばねであるものの、圧縮コイルばね、板ばね、脚形ばね、ねじりコイルばね、トーションばね、エラストマーばね、ガスばね等であってもよい。同一の複数のばね、若しくは種々の複数のばね、或いはばね定数の異なる複数のばねから成る1つの組み合わせユニットも、考えられる。ばね要素は、必要に応じて、推進スライダーに作用する重力錘と組み合わされてもよいものである。
【0073】
図24において、可動の全ての構成部分は、その出発位置にある。引き出し(21)は、その背壁(22)でもって直接に押し開けレバー(70)及びばね蓄力器(561)の前側に位置を占めており、つまり、引張りばね(561)は、緊張され、即ち引き伸ばされている。引張りワイヤ(591)は、その最も伸長された長さに達し、つまり、最大の長さを占めている。
【0074】
駆動装置(530)はプレート(531)に組み付けられている。推進スライダー(50)は、その長孔(51)を介して案内ボルト(37,38)に支承されている。案内ボルト(37,38)は、プレート(531)に取り付けられている。推進スライダー(50)は、その貫通部若しくは切欠き部(54)内に係止片(44)を支持しており、該係止片は係止片旋回用ボルト(57)を中心として旋回可能に支承されている。係止片(44)は、旋回レバー(147)を有しており、該旋回レバーの自由な端部には、引張りばね(149)が引っ掛けられている。引張りばね(149)は、他方の端部で推進スライダー(50)のブラケット部(58)に取り付けられ、若しくは引っ掛けられている。
【0075】
推進スライダー(50)と引き出し背壁(22)との間において、押し開けレバー(70)が旋回ボルト(39)に支承されている。押し開けレバー(70)は、長い方のレバーアーム(72)にレバーローラ(79)を支持し、かつ短い方のレバーアーム(71)に連行ボルト(73)を支持している。連行ボルトは、図24では係止片(44)の推進突起部(45)に接触している。
【0076】
推進スライダー(50)は、例えば後側の領域に係止突起部(55)を有しており、該係止突起部の後側の側面は、推進スライダー(50)の推進方向(スライド方向若しくは走行方向)に対して約10度の角度を成している。係止突起部(50)は、本体(11)の背壁(12)に向けられている。図24では、推進スライダー(50)と背壁(12)との間に、電気作動式の行程磁石(541)が配置されている。行程磁石(541)は係止ボルト(542)を有しており、該係止ボルトは、ばね負荷されていて、行程磁石(541)の非通電状態では、推進スライダー(50)に向けて走出させられている。係止ボルト(542)は、図24では、推進スライダー(50)を、その係止突起部(55)に係合して、後側の位置に保持している。
【0077】
推進スライダー(50)の前側に引張りコイルばね(561)を配置してあり、該引張りコイルばねは、一方の端部で、プレート(531)に固定された保持ボルト(32)に取り付けられていて、かつ他方の端部で、推進スライダー(50)の前側の孔(52)内に引っ掛けられている。推進スライダー(50)は、係止突起部(55)でもって係止ボルト(542)に当接している。
【0078】
推進スライダーの後側の孔(53)内には、引張りワイヤ(591)が引っ掛けられている。引張りワイヤ(591)はその別の端部でもってアイを介して、プレート(531)の保持ボルト(33)に取り付けられている。引張りワイヤ(591)には、緊張レバー(580)が作用している。緊張レバー(580)は、プレート(531)上に旋回支承部(539)を用いて支承されている。緊張レバー(580)は、長い緊張アーム(582)を有しており、該緊張アームはその自由な端部に緊張レバーローラ(589)を支承しており、該緊張レバーローラは、引張りワイヤ(591)に接触している。緊張レバーは更に、短いスイッチアーム(581)を有しており、該スイッチアームは、緊張アーム(582)に対して例えば90度の角度を成して配置されている。スイッチアーム(581)の自由な端部には、引張りばね(588)を引っ掛けてあり、該引張りばねは、他方の端部でプレート(531)の保持ボルト(535)に取り付けられている。引張りばね(588)により、引張りワイヤ(591)は、小さくとも常に張力若しくは引張り応力を受けた状態に保たれ、つまり、たるみを取り除かれている。
【0079】
プレート(531)において、スイッチアーム(581)の旋回領域の1つの終端には、引張りワイヤ通電の開始のためのスイッチ(507)が配置されている。スイッチアームの左側の横には、別のスイッチ(509)を配置してあり、該スイッチは、引張りワイヤ通電の遮断を行うようになっている。別のスイッチは、その接点でもって、推進スライダー(50)のブラケット部(58)の後側に接触している。
【0080】
引き出し(21)を開けようとする場合には、引き出し背壁(22)とスイッチ(8)との間の接触により、例えば回路を介して、行程磁石(541)が作動される。これにより、係止ボルト(542)は、推進スライダー(50)の係止突起部(55)から滑り外される(図25、参照)。これにより解放された推進スライダー(50)は、引張りコイルばね(561)の作用下で左側へ移動させられつつ、押し開けレバー(70)を時計回り方向に引き出し背壁(22)に向けて旋回させることになる(図5も、参照)。
【0081】
推進スライダー(50)の上記移動により、非通電状態の低温の引張りワイヤ(591)は、引っ張られつつ、緊張レバーローラ(589)を介して緊張レバー(580)を時計回り方向に旋回させることになる。引張りワイヤ(591)が完全に直線状に引っ張られ、つまり緊張されると、スイッチアーム(581)はスイッチ(507)に接触するようになっている。これにより、スイッチ(507)は、回路を介して引張りワイヤ(591)に給電を行うようになっている。これによって、引張りワイヤ(591)は、収縮しつつ、引張り力を形成し、ひいては引張りコイルばね(561)を引き伸ばすことになる。該引き伸ばし過程は、係止ボルト(542)が再び係止突起部(55)の前側に係合すると、終えられ(図24、参照)、かつブラケット部(58)が、スイッチ(509)を作動させるようになっている。スイッチ(509)は、引張りワイヤ通電を遮断し、結果として、引張りワイヤ(591)は再び伸長し、かつ緊張レバー(580)は、図24に示す位置へ旋回させられることになる。引き出し(21)の閉鎖の後に、引き出し開放過程は新たに導入できるようになっている。
【0082】
図26及び図27は、本体(11)内に案内されている引き出し(21)を下方から示している。引き出し(21)は、一方(第1)の駆動装置(30)を用いて開けられ、かつ他方(第2)の駆動装置(630)を用いて閉められる。
【0083】
第1の駆動装置(30)は、引き出し(21)の後側の領域に配置されている。このために、本体の背壁(12)の前側には、プレート(31)若しくはフレームを組み込んであり、該プレート若しくはフレームの下側に、既に図4〜図8に示した駆動装置(30)が取り付けられている。
【0084】
第2の駆動装置(630)は、例えば第1の駆動装置(30)に対して少なくともほぼ同一の構造を有していて、引き出し(21)の下方で例えば扁平な横けた(631)に取り付けられており、従って駆動部分は、横けた(631)と引き出し底部(624)との間に保護された状態で配置されている。
【0085】
駆動装置(630)のために、引き出し底部(624)の下側に位置決めロッド(627)が配置されている。位置決めロッド(627)は、円筒状若しくは円柱状の平滑なロッドによって形成されており、該ロッドは、前側でフロントプレート(625)の止まり穴内に差し込まれ、かつ後側で支え(626)の止まり穴内に差し込まれている。位置決めロッド(627)は、引き出し(21)の開放方向(1)に対して平行に向けられていて、長手方向では遊びが生じないように、止まり穴内に緊定されている。
【0086】
位置決めロッド(627)には、締め付け揺動体(681)が支承されている。締め付け揺動体(681)は、例えばアルミニウム合金製の横断面長方形の条片によって形成されていて、正確に中央に孔(684)を有しており、該孔の内径は、位置決めロッド(627)の外径よりも、例えば0.3〜0.6mmだけ大きくなっている。締め付け揺動体(681)の上面は、変形しにくい平滑な引き出し底部(624)の下面と少なくとも点状に接触している。
【0087】
支え(626)と締め付け揺動体(681)との間には、締め付け揺動体の移動に追従する圧縮ばね(689)及びスライドスリーブ(688)が配置されている。スライドスリーブ(688)は、前側で締め付け揺動体(681)の背面(682)に直接に接触している。スライドスリーブ(688)の後側に配置されている圧縮ばね(689)は、スライドスリーブ(688)と支え(626)とに支えられている。図26において、引き出し(21)を開けていない状態では、締め付け揺動体(681)は、前側で、横けた(631)に設けられていて例えば凸球面状に形成されたストッパー要素(639)に当接していて、フロントプレート(625)に対して少なくともほぼ平行に向けられている。
【0088】
引き出し(21)が所定の距離にわたって部分的に開けられ、若しくは完全に開けられる際に、横けた(631)のストッパー要素(639)は、締め付け揺動体(681)を、引き出し(21)に対して相対的に開放距離にわたって移動させることになる。締め付け揺動体(681)は、フロントプレート(625)に対してほぼ平行に向けられている。
【0089】
引き出し(21)を再び閉める場合に、本体(11)若しくは引き出し(21)に配置されているスイッチが作動されて、前側の駆動装置(630)の引張りワイヤ(891)への給電を行うようになり、その結果、該駆動装置の押し開けレバー(670)が、締め付け揺動体(681)の前側(683)に当接される。該当接により、締め付け揺動体(681)が、その孔(684)と位置決めロッド(627)との間の遊びにより規定されるわずかな角度にわたって傾けられ、ひいては、位置決めロッド(627)に締め付けられ、つまり、ロックされる。その結果として、押し開けレバー(670)の旋回運動(図4〜図8及びその記載も、参照)が、位置決めロッド(627)を介して引き出し(21)に伝達される。引き出し(21)は、閉鎖方向(2)に運動させられる。該閉鎖運動は、圧縮ばね(689)のわずかなばね作用により支援される。
【0090】
押し開けレバー(670)が再びその出発状態(図26、参照)に戻されると、締め付け揺動体(681)は、再びフロントプレート(625)に対して平行に向けられて、横けた(631)のストッパー要素(693)に向けて、位置決めロッドに沿って摺動させられる。
【0091】
異なる実施形態として、開けられている引き出し(21)を、短い引張り過程により閉めるようにすることも可能である。このために、締め付け揺動体(681)の左側の端部の前側に、横けた(631)に取り付けられた電気式のスイッチ(608)のスイッチボタンが配置されている。レバーローラ(679)に支持されている締め付け揺動体(681)が、引き出しの急激な短い引張り行程により、スイッチ(608)のスイッチボタンに打ち付けられるようになっている。スイッチ(608)は、回路を介して引張りワイヤ(691)を作動させて、引張りワイヤ通電により閉鎖運動を開始するようになっている。
【0092】
開放位置において、引き出し(21)は、本体に対して弾性的なストッパー(図示省略)を有しており、該ストッパーは、引き出し(21)が、該引き出しの開放位置においてもスイッチ(608)の作動のために、更に十分の数ミリメートルにわたって引き出され得ることを可能にしている。
【0093】
引き出し(21)を開けるために、閉鎖運動により操作されるスイッチ(8)は、本体(11)若しくは引き出し(21)等の適切な部位に配置される操作要素によって代替されていてもよいものである。ワイヤレスの操作要素も考えられる。
【符号の説明】
【0094】
1 開放方向、 2 閉鎖方向、 5 閉鎖位置、 6 開放位置、 8 スイッチ、 10 キャビネット、 11 本体、 12 背壁、 13 側壁、 15 支持フレーム、 21 引き出し、 22 背壁、 24 連行ピン又は連行要素、 25 支持ローラ、 26 案内レール、 27 凹部、 28 隆起部、 29 レリーズ突起部、 30 駆動装置、 31 プレート、 32〜35 保持ボルト、 37,38 案内ボルト、 39 旋回ピン、 41 滑子案内、 42 滑子案内溝、 43 磁石、 44 係止片又は係止器、 45 推進突起部、 46 前縁、 47 片持ちアーム、 48 滑子ピン、 49 レリーズプレート又は係止解除プレート、 50 推進スライダー、 51 長孔、 52,53 孔、 54 切欠き部又は貫通部、 55 係止突起部、 57 係止片旋回用ボルト、 58 ブラケット部、 61 引張りコイルばね、 70 押し開けレバー、 71,72 レバーアーム、 73 連行ボルト、 78 引張りばね、 79 レバーローラ、 91 引張りワイヤ、 93 カスケード式引張りワイヤユニット、 94,95 引張りワイヤ、 130 駆動装置、 131 プレート、 132 ストッパーボルト、 133 保持ボルト、 147 旋回レバー、 148 ストッパー、 149 引張りばね、 230 駆動装置、 231 ケーシング、 232 案内フレーム、 233 凹部、 234 乗り上げ傾斜面、 235,236 貫通部、 238,239 支承部位、 249 引張りばね、 250 推進スライダー、 251 ウエブ、 252 ラック、 253 支承部位又は切欠き部、 254 長孔滑子案内、 255 推進側面、 256 スライド係止片又はスライド係止器、 257 係止片レバーアーム、 258 制御ピン、 259 案内ピン、 261 引張りばね、 270 押し開けレバー、 271 アーム、 272 ハブ、 273 歯列、 275 支承部位又は孔、 276 旋回ピン又は旋回ボルト、 277 接触面、 278,279 接触線、 292 引張り舌片、 309 リードスイッチ、 330 駆動装置、 331 フレーム、 333 保持ボルト、 336 係止片、 339 旋回ピン、 340 ローププーリー、 341 スイッチ作動ディスク、 342 永久磁石、 343 係止体、 344 旋回ボルト、 345 ボルト、 348 取り付け部位、 350 係止ディスク又は係止プレート、 354 係止球、 361 引張りコイルばね、 362 戻しワイヤ、 370 押し開けレバー、 375,376 レバー切欠き部、 380 行程磁石、 382 コイル、 385 コア、 386 突き棒、 387 突き棒ハンマー、 389 引張りばね、 425 引き出し縁部、 430 駆動装置、 431 プレート、 434 係止体、 435 係止体支承部、 437,438 案内ボルト、 439 旋回軸、 440 歯車、 441 歯部、 445 フリーホイール、 450 推進スライダー、 451 長孔、 452 孔、 455 歯部、 458 ブラケット部又は張り出し部、 461 戻しばね、 470 回転ディスク、 471 ハブ、 472 押し開けピン、 475 ラチェット歯、 507 スイッチ、 509 スイッチ、 530 駆動装置、 531 プレート、 535 保持ボルト、 539 旋回支承部、 541 行程磁石、 542 係止ボルト、 561 ばね要素、 580 緊張レバー、 581 スイッチアーム、 582 緊張アーム、 588 引張りばね、 589 緊張レバーローラ、 591 引張りワイヤ、 608 スイッチ、 624 引き出し底部、 625 フロントプレート、 626 支え、 630 駆動装置、 631 横けた、 627 位置決めロッド、 639 ストッパー要素、 670 押し開けレバー、 681 締め付け揺動体、 683 前側、 684 孔、 688 スライドスリーブ、 689 圧縮ばね、 691 引張りワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動装置であって、該作動装置は、可動の家具部分(21)を、不動の家具部分(11)に対して、少なくとも1つの形状記憶要素(91,94,95,691)を有する駆動装置(30,130,230,330,430,530,630)により、開放方向若しくは閉鎖方向へ移動させるようになっている形式のものにおいて、
− 前記駆動装置(30,130,230,330,430,530,630)は、1つの前記家具部分(11,21)に取り付けられていて、別の前記家具部分(21,11)に、連結要素(24,70,270,370,472,670)を介して一時的に接触するようになっており、
− 前記駆動装置(30,130,230,330,430,530,630)は、駆動要素として、収縮する形状記憶要素(91,94,95,691)を有し、若しくはばね蓄力器(561)を有しており、該ばね蓄力器は、少なくとも1つの形状記憶要素(591)によって緊張されるようになっていることを特徴とする、家具部分のための、少なくとも1つの形状記憶要素を有する作動装置。
【請求項2】
駆動力形成のための前記形状記憶要素(91,94,95,691)は、加熱により収縮しかつ可逆的に冷却により伸長するようになっている請求項1に記載の作動装置。
【請求項3】
前記形状記憶要素(91,94,95,591,691)は、それぞれ通電により加熱されるようになっている請求項1に記載の作動装置。
【請求項4】
前記形状記憶要素(91,94,95,591,691)は、1つの線材により形成され、若しくは複数の線材から成る1つの線束により形成されている請求項1に記載の作動装置。
【請求項5】
前記形状記憶要素(91,94,95,591,691)は、該形状記憶要素の各端部の領域で、電気的な接続部若しくは接続線に接続されている請求項1に記載の作動装置。
【請求項6】
開放すべき前記家具部分(21)の前記移動のために必要な全ての構成部分は、1つのプレート、若しくは1つのフレーム、若しくは1つのケーシング(31,131,231,331,431,531,631)に配置されている請求項1に記載の作動装置。
【請求項7】
前記駆動装置(30,130,230,330,430,530,630)は、少なくとも1つの推進スライダー(50,250,450)若しくはローププーリー(340)を有しており、該推進スライダー若しくはローププーリーに、前記形状記憶要素(91,94,95,591,691)が枢着されている請求項1に記載の作動装置。
【請求項8】
前記連結要素は、連行ピン(24)、若しくは押し開けレバー(70,270,370,670)、若しくは、押し開けピン(472)を有する回転ディスク(470)である請求項1に記載の作動装置。
【請求項9】
前記連結要素(24,70,270,370,472,670)は、開放の際に、少なくとも1つの前記家具部分(21,11)と、該家具部分に連結されることなく、接触するようになっている請求項8に記載の作動装置。
【請求項10】
前記形状記憶要素(91,94,95,591,691)は、ニッケル・チタン・合金から製造されている請求項1に記載の作動装置。
【請求項11】
前記形状記憶要素(91,94,95,591,691)は、内在の双方向作用を有している請求項1から10のいずれか1項に記載の作動装置。
【請求項12】
前記可動の家具部分(21)は、引き出し、スライドドア、回転ドア、旋回ドア、フラップ、若しくは収納式スライドテーブル等である請求項1に記載の作動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2011−522642(P2011−522642A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512827(P2011−512827)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/DE2009/000767
【国際公開番号】WO2009/149689
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(509060143)
【氏名又は名称原語表記】Guenther Zimmer
【住所又は居所原語表記】Im Salmenkopf 7, D−77866 Rheinau, Germany
【出願人】(509060154)
【氏名又は名称原語表記】Martin Zimmer
【住所又は居所原語表記】Muehlenstrasse 6, D−77866 Rheinau, Germany
【Fターム(参考)】