容器、陳列装置、および搬送装置
【課題】一方向だけではなくこの一方向とは異なる方向に標記を向けることが可能な容器等を提供する。
【解決手段】容器20は、その外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している。ここで、第1識別標記23aと第2識別標記23bとは、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また、第1識別標記23aと第2領域R2は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また、第2識別標記23bと第3領域R3は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。
【解決手段】容器20は、その外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している。ここで、第1識別標記23aと第2識別標記23bとは、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また、第1識別標記23aと第2領域R2は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また、第2識別標記23bと第3領域R3は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、陳列装置、および搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、飲料缶やペットボトルなど飲料が充填された容器が、例えば陳列ケースに収容された陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、容器の外面には、商品名や商標名などの標記が設けられることが多いが、この標記をある特定の方向に向けることができれば、容器の陳列時の見栄えなどを向上させることが可能となる。また標記をある特定の方向に向けることができれば、容器の購入者が標記をより認知するようになり宣伝広告効果などが生じやすくなる。ここで、標記を一方向のみならずこの一方向とは異なる方向に向けることができれば、容器の販売時等における容器配置のバリエーションを増やすことが可能となる。本発明は、一方向だけではなくこの一方向とは異なる方向に標記を向けることが可能な容器等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される容器は、移動する容器の側部に接触し側部に抗力を付与し容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、周方向における位置が互いに異なる複数の標記が付された外周面を有した容器本体と、複数の標記のうちの一の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部に接触し、接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、容器本体の回転に伴い接触部に接触し、容器本体を接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、第1の接触領域および第2の接触領域とは容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、複数の標記のうちの他の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、第3の接触領域と異なる位置に配置された接触部との接触により生じる容器本体の回転に伴い異なる位置に配置された接触部に接触し、容器本体を異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、を備える容器である。
【0006】
ここで、第2の接触領域は、一の標記が付されている側から容器を眺めた場合に容器の側部に位置し、第4の接触領域は、他の標記が付されている側から容器を眺めた場合に容器の側部に位置していることを特徴とすることができる。
【0007】
他の観点から捉えると、本発明が適用される容器は、移動する容器の側部に接触し側部に抗力を付与し容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、標記が付された外周面を有した容器本体と、標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部に接触し、接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、容器本体の回転に伴い接触部に接触し、容器本体を接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、第1の接触領域および第2の接触領域とは容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、第3の接触領域と異なる位置に配置された接触部との接触により生じる容器本体の回転に伴い異なる位置に配置された接触部に接触し、容器本体を異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、を備える容器である。
【0008】
ここで、第2の接触領域および第4の接触領域のうちの一方の接触領域は、標記が付されている側から容器を眺めた場合に容器の側部に位置し、第2の接触領域および第4の接触領域のうちの他方の接触領域は、標記が付されている側から容器を眺めた場合に標記が付されている側に位置していることを特徴とすることができる。また、他方の接触領域は、標記が向く方向を向くように外周面に形成されていることを特徴とすることができる。さらに、第1の接触領域、第2の接触領域、第3の接触領域、および第4の接触領域は、容器本体の外周面に塗布される塗布材料により形成されていることを特徴とすることができる。
【0009】
さらに本発明を陳列装置と捉えた場合、本発明が適用される陳列装置は、摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに外周面に標記が付された容器を陳列する陳列装置であって、容器を移動させる移動手段と、接触部材を有し、移動手段により移動する容器の第1の領域が接触部材に接触する場合に接触部材から第1の領域に抗力を与え容器を周方向に回転させるとともに回転に伴い接触部材に接触する第2の領域を接触部材に対して滑らせ、容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段と、を備え、接触部材が第3の領域および第4の領域に接触可能なように陳列装置における接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする陳列装置である。
【0010】
ここで、接触部材のうちの容器に接触する面は、面の高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い容器の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されていることを特徴とすることができる。また、接触部材は、陳列装置に形成された第1の溝に嵌め込まれることで陳列装置に取り付けられ、第1の溝とは高さ方向における異なる箇所に形成された第2の溝を更に備え、接触部材の位置の変更は、接触部材を第2の溝に嵌め込むことで行われることを特徴とすることができる。
【0011】
また本発明を搬送装置と捉えた場合、本発明が適用される搬送装置は、摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに外周面に標記が付された容器を搬送する搬送装置であって、容器を移動させる移動手段と、接触部材を有し、移動手段により移動する容器の第1の領域が接触部材に接触する場合に接触部材から第1の領域に抗力を与え容器を周方向に回転させるとともに回転に伴い接触部材に接触する第2の領域を接触部材に対して滑らせ、容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段と、を備え、接触部材が第3の領域および第4の領域に接触可能なように搬送装置における接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする搬送装置である。
【発明の効果】
【0012】
一方向だけではなくこの一方向とは異なる方向に標記を向けることが可能な容器等を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
【図2】陳列装置および容器を陳列装置の前方から眺めた場合の図である。
【図3】陳列装置の上面図である。
【図4】図2の矢印X方向から左ガイドを眺めた場合の図である。
【図5】容器を説明するための図である。
【図6】陳列装置における容器の動作を説明するための図である。
【図7】陳列装置における容器の動作を説明するための図である。
【図8】容器に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
【図9】本実施形態に係る容器梱包体の斜視図である。
【図10】容器梱包体の上面図である。
【図11】容器の構成を示した斜視図である。
【図12】容器梱包体を製造する製造ラインの一部を容器とともに示した図である。
【図13】容器梱包体を製造する製造ラインの一部を容器とともに示した図である。
【図14】容器の他の構成例を示した図である。
【図15】製造ラインの一例を示した図である。
【図16】容器梱包体の他の一形態を示した図である。
【図17】ストッパーユニットを示した図である。
【図18】容器梱包体の他の一形態を示した図である。
【図19】容器の他の一形態を示した図である。
【図20】蓋部材の回転を説明するための図である。
【図21】蓋部材の回転を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る陳列装置30の概略構成を示した図である。図2は、陳列装置30および容器20を陳列装置30の前方から眺めた場合の図である。また図3は陳列装置30の上面図であり、図4は図2の矢印X方向から左ガイド32を眺めた場合の図である。
【0015】
図1(A)に示すように本実施形態における陳列装置30は、飲料が内部に充填された容器20が載せられるとともにこの容器20を移動させる載置部31(移動手段の一例)と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32とを備えている。また、載置部31の一側辺に沿って配置され容器20の移動を停止させる規制板34を備えている。ここで規制板34は透明に形成することが好ましい。
【0016】
陳列装置30は、図1(B)に示すように、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される陳列ケース10の内部に収納される。この陳列ケース10は、直方体状に形成されたケース本体部10Aと、このケース本体部10Aに対して開閉可能に設けられたドア10Bとにより主要部が構成されている。ここで陳列装置30は、陳列ケース10に設けられた棚(不図示)の上に載せられる。この際、陳列装置30は、規制板34が設けられた側がドア10B側に位置するように設置される。また、載置部31は、規制板34が設けられた側が、規制板34が設けられた側とは反対側よりも下方に位置するように配置される。即ち、載置部31は、陳列ケース10の後方側から容器20が取り出される前方側(取り出し部側)に向かって下り傾斜した状態で配置される。
【0017】
ここで本実施形態における陳列ケース10は、後方側にもドアが設けられ(不図示)、後方側も開放可能となっている。そしてこの後方側より陳列装置30に容器20が投入される。即ち、陳列ケース10の後方側および陳列装置30の後方側に容器20の投入部が設けられた構成となっている。そして、投入された容器20は載置部31上をドア10B側に向かって移動する。なお、本明細書では、ドア10B側を前方側(前方)と称しドア10Bとは反対側を後方側(後方)と称する場合がある。また、陳列ケース10の幅方向(容器20が移動する方向に直交する方向)を横方向、幅方向と称する場合がある。
【0018】
陳列装置30についてさらに詳細に説明する。図3に示すように、本実施形態における陳列装置30のガイド32は、容器20の移動経路に沿って配置されている。またガイド32は、容器20の移動経路の両側に設けられている。ここでガイド32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。なお2つ設けられたガイド32のうち容器20の移動経路の右側(図中右側)に位置するガイド32は省略することができる。ここで本明細書では、以下、図中右側のガイド32を右ガイド32と称する場合があり、図中左側のガイド32を左ガイド32と称する場合がある。
【0019】
ここで載置部31は、容器20が載置される容器載置面31Aを有している。そしてこの容器載置面31Aは、手前側が奥側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。さらに説明すると、容器載置面31Aは、容器20の投入部から容器20の取り出し部に向かうに従い下る傾斜が付与されている。
【0020】
また容器載置面31Aは、左ガイド32の方が右ガイド32よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。さらに説明すると、本実施形態では、容器20の移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に、後述する抵抗付与部33(接触部材の一例)が設けられている。そして本実施形態における容器載置面31Aには、この他方の側方側からこの一方の側方側に向かうに従い下る傾斜が付与されている。なお図3における符号3A,3Bは容器載置面31Aにおける傾斜の状態を示している。
【0021】
さらに載置部31は、容器20が置かれる側の面である容器載置面31Aに、載置部31の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は上記一方の側方側に設けられ、第2ローラ列312は上記他方の側方側に設けられている。また、各ローラ列は、容器20の投入部から取り出し部にかけて並んで配置された複数のロール状部材314を有している。なお、第1ローラ列311に含まれるロール状部材314は、容器20の移動方向に沿った回転が可能であり容器20を陳列装置30の前方に向けて円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、載置部31を移動する容器20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0022】
ここで第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、容器20のうちの上記他方の側方側(抵抗付与部33が設けられている側とは反対側)に位置する部位に接触し容器20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列312に含まれる全てのロール状部材314を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材314を固定するなど、一部のロール状部材314を固定してもよい。なお、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314の固定は、接着剤等により行うことができる。またテープ等を貼付して固定することもできる。また第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を設けず、このロール状部材314に対応する凸部を載置部31の表面に設けることもできる。
【0023】
さらに本実施形態では、図1(A)および図3に示すように、左ガイド32に、接触する容器20の外周面(側部)に対して摺動抵抗(摩擦抵抗、抗力)を付与する抵抗付与部33が設けられている。回転手段の一部として機能するこの抵抗付与部33は、図1(A)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられている。また抵抗付与部33は、移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に設けられている。また抵抗付与部33は、図2に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられるとともに左ガイド32に形成された第1溝321(図4も参照)に嵌め込まれた基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。ここで、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位は、この移動経路に向かって突出するように湾曲して形成されている。付言すると、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する面は、高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い容器20の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されている。
【0024】
ここで上記のように、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位を湾曲して形成した場合、載置部31の上を移動する容器20が上下方向や左右方向に傾いたとしても、抵抗付与部33と容器20との接触面積が一定となりやすい。なお基材33Aは、例えばアルミニウムなどの硬質の材料により形成することができる。また貼付部材33Bは、例えば、塩化ビニルにより構成されたビニールテープにより構成することができる。付言すると、貼付部材33Bは、基材33Aよりも柔軟性を有し基材33Aよりも軟質の材料により構成することができる。
【0025】
なお抵抗付与部33は、貼付部材33Bを設けず硬質の基材33Aのみにより形成することができる。また、抵抗付与部33を基材33Aのみにより構成する場合、この基材33Aに対し粗面化処理の一例としてのサンドブラスト処理を行い基材33Aの表面を荒らすことも可能である。また、貼付部材33Bを設ける場合、この貼付部材33Bは、例えば、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を用いることもできる。さらに図3では、貼付部材33Bが基材33Aの全長に渡り設けられた例を示したが、貼付部材33Bを基材33Aの一部に設けることもできる。
【0026】
また本実施形態では、図2および図4に示すように、第1溝321の上部に、この第1溝321と同様の形状を有した第2溝322が形成されている。このため本実施形態では、基材33Aを第2溝322に嵌め込むことで、抵抗付与部33を上方に変位させることが可能となっている。
【0027】
次に容器20について詳細に説明する。
図5は、容器20を説明するための図である。
なお、同図(A)は容器20の正面図である。また同図(B)は、右側面図である。付言すると同図(B)は、同図(A)の矢印Y方向から容器20を眺めた場合の図である。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0028】
同図に示す容器20は、いわゆる2ピース缶であり、飲料などの内容物が充填され且つプルタブ(本図では不図示)を有した蓋部材22が取り付けられている。本容器20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、第1領域R1(第1の接触領域の一例)、第2領域R2(第2の接触領域の一例)、第3領域R3(第4の接触領域の一例)を有している。ここで第2領域R2と第3領域R3は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また第2領域R2および第3領域R3は、容器20の周方向に沿うように且つ帯状に形成されている。さらに、第2領域R2と第3領域R3は、容器20の高さ方向において互いにずらされた状態で配置されている。また本実施形態では、容器20の外周面のうち第2領域R2および第3領域R3以外の領域が第1領域R1となっている。
【0029】
なお、第2領域R2の表面状態および第3領域R3の表面状態は同様に構成されている。このため以下の説明では、第1領域R1および第2領域R2を中心に説明を行う。また本実施形態では、表面における摩擦係数は、第1領域R1>第2領域R2(第3領域R3)となっている。また、容器20の周方向において、第3領域R3に隣接する領域(第1の領域R1のうちの第3領域R3に隣接する領域)は、第3の接触領域として捉えることができる。
【0030】
ここで同図(C)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(C)に示すように、第2領域R2には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0031】
ここでインキ層51に用いるインキには、例えば金属印刷用のものを用いることができる。ここでインキの顔料(色量)としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いられる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0032】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0033】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0034】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0035】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0036】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0037】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0038】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0039】
なお上記は、第2領域R2の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第2領域R2を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第2領域R2を形成してもよい。また第2領域R2のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なおこの発泡剤としては、例えば、発泡性マイクロカプセルを用いることができる。この発泡性マイクロカプセルは、樹脂からなる球形の外殻の中に低沸点の炭化水素(ブタン、プロパン等)を封入したものであり、焼付け処理時の加熱によって粒径が数倍に膨張する。なお、第2領域R2の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第1領域R1と言っている。
【0040】
次いで、同図(D)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第1領域R1には、上記と同様、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0041】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0042】
なお、第2領域R2におけるインキ層51を、上記発泡インキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、発泡インキではないインキ(通常インキ)を用いて形成する。また、第2領域R2におけるインキ層51を、トップコート層52を形成する塗料を凝集させるインキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料を凝集させないインキ(通常インキ)を用いて形成する。
【0043】
また本実施形態における容器20は、その外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している(なお本明細書においては、以下単に「識別標記23」と称する場合がある。)。ここで、第1識別標記23aと第2識別標記23bとは、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また第1識別標記23aと第2領域R2との関係を説明すると、第1識別標記23aと第2領域R2は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。付言すると、第2領域R2は、第1識別標記23aが向く方向と略直交する方向(交差する方向)を向くように配置されている。また、第2識別標記23bと第3領域R3との関係を説明すると、第2識別標記23bと第3領域R3は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。付言すると、第3領域R3は、第2識別標記23bが向く方向と略直交する方向(交差する方向)を向くように配置されている。また第1識別標記23aは、第3領域R3の上方に配置されている。さらに説明すると、第2領域R2は、第1識別標記23aが付されている側から容器20を眺めた場合に容器20の側部に位置している(図5(A)参照)。また、第3領域R3は、第2識別標記23bが付されている側から容器20を眺めた場合に容器20の側部に位置している(図5(B)参照)。
【0044】
次に、陳列装置30における容器20の動作について説明する。
図6および図7は、陳列装置30における容器20の動作を説明するための図である。なお図6、図7では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図3参照)の図示を省略している。
【0045】
図6の符号4Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号4B参照)。
【0046】
そして符号4Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。ここで、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部33とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部33とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部33との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0047】
その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30の前方に達した容器20は、第1識別標記23aが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と第1識別標記23aは、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合に第1識別標記23aが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第2領域R2および第1識別標記23aは配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、第1識別標記23aが前方を向く。
【0048】
次に、抵抗付与部33が第2溝322(図2参照)に固定されている場合における容器20の動作を、図7を参照しながら説明する。
図7の符号5Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、上記と同様、容器載置面31Aに対し左右方向における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、上記と同様、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号5B参照)。
【0049】
そして符号5Cのように、第3領域R3が抵抗付与部33に接触する状態となると、第3領域R3と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30の前方に達した容器20は、第2識別標記23bが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第3領域R3と第2識別標記23bも、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第3領域R3が左方側(一方向)を向いている場合に第2識別標記23bが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第3領域R3および第2識別標記23bは配置されている。このため、第3領域R3が抵抗付与部33に接触した状態となると、第2識別標記23bが前方を向く。
【0050】
ここで、上記第1領域R1〜第3領域R3の形成方法について説明する。第1領域R1〜第3領域R3は、例えば、2ピース缶である容器20の製造工程に含まれる印刷工程にて形成することができる。より詳細には、印刷工程に設置された印刷機を用いて形成することができる。
【0051】
ここで図8は、容器20に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
同図に示す印刷機500は、いわゆるオフセット印刷を行う印刷機である。この印刷機500は、ブランケットシリンダ510、画像に対応した印刷版を有し上記インキ層51を形成するインキ(塗布材料の一例)をブランケットシリンダ510に塗布するインキ塗布装置520、支持ロール530、上記トップコート層52を形成する塗料(塗布材料の一例)を塗布する塗料塗布装置540を備える。
【0052】
ブランケットシリンダ510は、円盤状に形成されるとともに一方向に回転する。また、ブランケットシリンダ510は、外周面に複数のブランケット(被転写部)511を有している。また、ブランケットシリンダ510は、インキ塗布装置520における上記印刷版からブランケット511に転写されたインキを、転写部Teにて2ピース缶の基体となる素缶体に対して転写しこの素缶体に画像を形成する。
【0053】
インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510の周方向に沿って色毎に複数設けられている。各インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510のブランケット511に接触する印刷用シリンダ522、印刷用シリンダ522の外周面にインキを供給するインキ供給装置521を備えている。ここで印刷用シリンダ522は、外周面に上記印刷版を有しインキ供給装置521により供給されたインキをブランケット511に転写する。これにより、各ブランケット511の表面にインキが載せられる。詳細には、各ブランケット511の表面であって印刷用シリンダ522毎に割り当てられた各領域に、印刷用シリンダ522の各々からインキが順次載せられる。この結果、各ブランケット511の表面には、画像に対応したインキ像が形成される。そして、このインキ像は、ブランケットシリンダ510の回転に伴い、転写部Teまで移動し、周方向に回転している素缶体の外周面に転写される。これによって上記インキ層51が形成される。
【0054】
支持ロール530は、ブランケットシリンダ510の対向位置に配置されるとともに一方向に回転し、不図示のウォッシャー工程から移動してきた素缶体を上記転写部Teまで搬送する。また支持ロール530は、ウォッシャー工程から移動してきた素缶体を回転させた状態で上記転写部Teまで搬送する。塗料塗布装置540は、上記インキ像が転写された素缶体(インキ層51が形成された素缶体)の外周面に対して塗料を塗布する。これによって上記トップコート層52が形成される。
【0055】
ここでこのような印刷機500を用いる場合、上記第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第2領域R2と第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。また、第3領域R3におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第3領域R3と第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。
【0056】
なお、上述した発泡インキを用いての第2領域R2、第3領域R3の形成は、第2領域R2、第3領域R3におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から発泡インキをブランケット511に載せることにより行うことができる。さらに、上述の塗料を凝集させるインキを用いての第2領域R2、第3領域R3の形成は、第2領域R2、第3領域R3におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から、この塗料を凝集させるインキをブランケット511に載せることにより行うことができる。
【0057】
ところで、飲料缶などの商品の宣伝は、テレビコマーシャルなどにより行われることが多いが、宣伝広告効果は、テレビコマーシャル以外においても生じさせることができる。たとえば、スーパーマーケットなどにおいては、複数本の容器20が梱包された状態で販売されることがあるが、容器20に付された識別標記23が梱包材の外部から視認可能な状態にあると、この識別標記23が購入者に視認され、宣伝広告効果が生じるようになる。このため、容器梱包体などにおいては、梱包材の外部から識別標記23が視認可能な状態となるように容器20の各々を配置することが好ましくなる。
【0058】
図9は、本実施形態に係る容器梱包体200の斜視図である。また図10は、容器梱包体200の上面図である。本実施形態に係る容器梱包体200は、複数本(本実施形態では6本)の容器20と、この複数本の容器20を梱包する梱包材210とから構成されている。
【0059】
ここで本実施形態における容器梱包体200では、容器20の向きが揃えられた状態で容器20が梱包されている。具体的には、容器20に付された識別標記23が容器梱包体200の外部から視認可能なように、向きが揃えられた状態で容器20が梱包されている。さらに説明すると本実施形態における容器梱包体200では、6本の容器20が2列×3行の格子状に配置されている。そして一方の列に位置する3本の容器20の各々に付された識別標記23が梱包材210の外側方向を向くように、この3本の容器20は配置されている。また他方の列に位置する3本の容器20の各々に付された識別標記23が梱包材210の外側方向を向くように、この3本の容器20は配置されている。なお本実施形態では、梱包材210を、透明なフィルム(シュリンクフィルム)により形成している。
【0060】
図11は、容器20の構成を示した斜視図である。
本図に示す容器20には、一つの識別標記23のみが設けられている。付言すると上記第1識別標記23aが設けられていた箇所に識別標記23が設けられ、上記第2識別標記23bが設けられていた箇所には識別標記23が設けられていない構成となっている。
【0061】
なお、上記第2識別標記23bが設けられていた箇所に識別標記23が設けられていない点を除き、本実施形態における容器20は、図5にて示した容器20と同様の構成を有している。即ち、本実施形態における容器20は、外周面に、第1領域R1〜第3領域R3を有している。そして、第2領域R2と第3領域R3は、容器20の周方向において互いに90°ずれた状態で配置されている。また第2領域R2および第3領域R3は、容器20の周方向に沿うように且つ帯状に形成されている。さらに、第2領域R2と第3領域R3は、容器20の高さ方向において互いにずらされた状態で配置されている。また、容器20の外周面のうち第2領域R2および第3領域R3が設けられている領域以外の領域が第1領域R1となっている。さらに説明すると、本実施形態では、第2領域R2は、識別標記23が向く方向と直交する方向を向くように配置されている。一方で、第3領域R3は、識別標記23が向く方向を向くように配置されている。さらに説明すると、第2領域R2(一方の接触領域の一例)は、識別標記23が付されている側から容器20を眺めた場合に容器20の側部に位置し、第3領域R3(他方の接触領域の一例)は、識別標記23が付されている側から容器20を眺めた場合に識別標記23が付されている側に位置している。
【0062】
次に、容器梱包体200を製造する製造ラインを説明する。
図12、図13は、容器梱包体200を製造する製造ラインの一部を容器20とともに示した図である。
本製造ラインには、図12に示すように、容器20の搬送を行う第1搬送装置600、第1搬送装置600に並んで配置され容器20の搬送を行う第2搬送装置700、第1搬送装置600および第2搬送装置700から搬送されてきた容器20を停止させるストッパーユニット800が設けられている。
【0063】
ここで第1搬送装置600は、上記陳列装置30と同様の構成を有している。具体的には、前後方向および幅方向における傾斜が付与された容器載置面31Aを有し容器20を移動させる載置部31と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32と、容器20に対し抵抗を付与する抵抗付与部33とを有している。なおこの抵抗付与部33は、第2溝322(図2参照)に対し固定されている。
【0064】
また第2搬送装置700も、左右が反転して構成された点を除き、上記陳列装置30と同様の構成を有している。即ち、前後方向および幅方向における傾斜が付与された容器載置面31Aを有し容器20を移動させる載置部31と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32と、容器20に対し抵抗を付与する抵抗付与部33とを有している。なおこの抵抗付与部33も、第2溝322(図2参照)に対し固定されている。ここで第2搬送装置700では、上記のとおり左右が反転して構成されており、抵抗付与部33は図中右側に設けられている。また容器載置面31Aの幅方向における傾斜が、図中右方向に向かうに従い下る傾斜となっている。
【0065】
ここで第1搬送装置600における容器20の動作を説明する。図12の符号12Aに示すように、載置部31の後方に位置する容器20は、上記と同様、容器載置面31Aに対し左右方向および前後方向における傾斜が付与されているため、抵抗付与部33によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、上記と同様、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12B参照)。
【0066】
そして符号12Cのように、第3領域R3が抵抗付与部33に接触する状態となると、第3領域R3と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。なおこの際、識別標記23が第1搬送装置600の左側方を向いた状態となる。その後、容器20は、抵抗付与部33により案内されながら前方に位置するストッパーユニット800に向かって移動していく。
【0067】
一方で、第2搬送装置700における載置部31の後方に位置する容器20も、図12の符号12Dに示すように、抵抗付与部33によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は、反時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12E参照)。そして符号12Fのように、第3領域R3が抵抗付与部33に接触する状態となると、第3領域R3と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。なおこの際、識別標記23が第2搬送装置700の右側方を向いた状態となる。その後、容器20は、抵抗付与部33により案内されながら前方に位置するストッパーユニット800に向かって移動していく。
【0068】
次に、図13を参照し、ストッパーユニット800について説明する。同図に示すストッパーユニット800は、容器20を下方から支持する支持台810と、容器20の移動経路上に位置し第1搬送装置600および第2搬送装置700から移動してきた容器20を停止させる停止板820を有している。また、第1搬送装置600に設けられたガイド32の略延長線状に設けられストッパーユニット800からの容器20の脱落を防止する第1壁部830と、第2搬送装置700に設けられたガイド32の略延長線状に設けられストッパーユニット800からの容器20の脱落を防止する第2壁部840とを備えている。またストッパーユニット800は、第1壁部830と第2壁部840との間に設けられ且つ容器20の移動方向に沿って設けられた仕切壁850を有している。
【0069】
ここで、第1搬送装置600により搬送されてきた容器20は、図13に示すように、第1壁部830と仕切壁850との間に形成される空間に順次進入していく。これにより、同図に示すように、3つの容器20が、列状に配置される。また各々の容器20の識別標記23が図中左方向を向くようになる。また、第2搬送装置700により搬送されてきた容器20は、図13に示すように、第2壁部840と仕切壁850との間に形成される空間に順次進入していく。これにより、3つの容器20が列状に配置される。また各々の容器20の識別標記23が図中右方向を向くようになる。
【0070】
その後、本実施形態では、不図示の吸引装置によってストッパーユニット800に位置する6本の容器20が持ち上げられるとともに、不図示の梱包工程までこの6本の容器20が搬送される。そしてこの梱包工程にて、フィルムにより構成された梱包材210がこの6本の容器20に巻かれるとともに熱による梱包材210の収縮が行われる。これにより上記容器梱包体200が完成する。
【0071】
ところで、容器20は、図14(容器20の他の構成例を示した図)に示すように構成することもできる。即ち、第1領域R1および第2領域R2は設けるが第3領域R3を設けない構成とすることができる。付言すると、3つの領域を設けた構成ではなく、陳列装置30にて識別標記23を前方に向けるための第2領域R2、容器20を周方向に回転させるための第1領域R1の2つの領域を設けた構成とすることもできる。
【0072】
ところで上記のように容器20を構成した場合、上記第1搬送装置600、第2搬送装置700にこの容器20を投入したとしても、容器20の搬送方向と直交する方向に識別標記23が向かなくなってしまう。付言すると、容器20の搬送方向又はこの搬送方向とは逆方向に識別標記23が向くようになってしまう。この結果、この容器20を複数本まとめて上記容器梱包体200を製造しようとしたとしても、この容器梱包体200では、識別標記23が容器梱包体200の外側を向かない容器20が生じてしまう。
【0073】
ここで、第1領域R1および第2領域R2の2つの領域のみが形成された容器20は、例えば、図15(製造ラインの一例を示した図)に示す製造ラインによって、容器梱包体200とすることができるが、この製造ラインは、図12、図13に示した製造ラインに比べ占有面積が大きくなってしまう。このため、容器20に対しては、上記第2領域R2、第3領域R3のように、周方向における位置が異なり且つ高さ方向における位置が互いに異なる2つの領域を設けておくことが好ましくなる。付言すると、容器20には、陳列装置30にて識別標記23を前方に向けるための領域と、容器梱包体200を製造する際に用いる領域の2つの領域を設けておくことが好ましくなる。
【0074】
なおここで図15に示す製造ラインについて簡単に説明すると、この製造ラインには、上記第2搬送装置700が設けられる(図15の右上における第2搬送装置700参照)。そしてこの第2搬送装置700では、投入された容器20が反時計回り方向に回転するとともに、第2領域R2(図14参照)が抵抗付与部33に接触することで、識別標記23が第2搬送装置700の後方側を向くようになる。
【0075】
さらに本製造ラインには、第2搬送装置700によって一方向(図中下方向)に向かって移動してきた容器20をこの一方向と直交する方向に向かって移動させる移動ユニット750が設けられている。この移動ユニット750には、容器20の進行方向に向かって下る傾斜が付与されており、移動ユニット750はこの傾斜を利用して容器20を移動させる。
【0076】
そしてこの移動ユニット750により移動した容器20は、ストッパーユニット800の一端部側(図中左端部側)からストッパーユニット800に進入する。付言すると、移動ユニット750により移動した容器20は、ストッパーユニット800の一端部側からストッパーユニット800に進入する。その後、移動ユニット750により移動してきた新たな容器20が、ストッパーユニット800の中央部に進入する。その後、移動ユニット750により移動してきた新たな容器20が、ストッパーユニット800の他端部側(図中右端部側)からストッパーユニット800に進入する。これにより3つの容器20がストッパーユニット800上に並ぶようになる。
【0077】
ここで、ストッパーユニット800には、移動ユニット750上を移動する容器20の移動方向と略平行に配置され移動ユニット750からストッパーユニット800上に移動してきた容器20を停止せる停止板821と、この停止板821と略直交する関係で配置されストッパーユニット800からの容器20の脱落を防止する第1防止板822と、第2防止板823とを備えている。そして本製造ラインでは、停止板821、第1防止板822、および第2防止板823により囲まれた領域に対し容器20が移動してくる。そしてこの際、容器20の各々に付された識別標記23が図中上方を向くようになっている。
【0078】
なお第2搬送装置700および移動ユニット750は、2組設けられており、もう一方の第2搬送装置700および移動ユニット750は、図中下部側に設けられている。これによりストッパーユニット800の図中下部側にも、識別標記23が図中下方を向いた3本の容器20が位置するようになる。
【0079】
次に容器梱包体200の他の形態を説明する。
図16は、容器梱包体200の他の一形態を示した図である。
本図に示す容器梱包体200は、略直方体状(箱状)に形成されている。また本図では、複数(5つ)の容器梱包体200が積まれた状態を図示している。また本実施形態における容器梱包体200では、梱包材210の内部に24本の容器20が収容されている。さらに本実施形態では、梱包材210が紙(段ボール)により形成されている。ここで梱包材210は、互いに対向配置された第1側面211、第2側面212と、同じく互いに対向配置された第3側面213、第4側面214を有している。
【0080】
また容器梱包体200の梱包材210には、ミシン目220が形成されている。このミシン目220は、梱包材210の周方向において連続した状態で設けられている(全周に亘って設けられている)。このため、本実施形態では、梱包材210が上部および下部の2つに分割できるようになっている。そして本図では、同図に示すように、最上位に位置する容器梱包体200における梱包材210のうちの上部側が除去されている。これにより、最上位の容器梱包材体200では、容器20が露出した状態となっている。
【0081】
また本実施形態では、24本の容器20が4列×6行で配置されている。そして本実施形態では、24本の容器20のうち第1側面211に隣接する容器20に付された識別標記23が梱包材210の外側を向くようになっている。また、第2側面212に隣接する容器20に付された識別標記23も梱包材210の外側を向くようになっている。さらに第3側面213に隣接する2つの容器20に付された識別標記23も梱包材210の外側を向くようになっている。また図示は省略するが、第4側面214に隣接する2つの容器20に付された識別標記23も梱包材210の外側を向くようになっている。
【0082】
ここで上記容器梱包体200の製造方法を説明する。容器梱包体200が製造される際には、まずストッパーユニット800上に24本の容器20が集積される。そして、このストッパーユニット800から梱包工程(不図示)まで容器20が搬送され、この梱包工程にて、梱包材210による梱包が行われる。これにより上記容器梱包体200が完成する。
【0083】
ここで図17は、ストッパーユニット800を示した図である。
本実施形態におけるストッパーユニット800の周囲には、このストッパーユニット800に向けて容器20を搬送する第1搬送装置901〜第12搬送装置912が設けられている。なお第1搬送装置901〜第12搬送装置912の各々は、図12、図15にて示した第2搬送装置700と同様の構成を有している。第1搬送装置901〜第12搬送装置912では、第1溝321(図2参照)に対し抵抗付与部33が固定されている。本実施形態における容器20は、図11に示した構成と同様の構成を有している。このため、第1搬送装置901〜第12搬送装置912にて搬送される容器20は、符号17Aに示すように、識別標記23が容器20の移動方向とは反対方向を向いた状態となる。
【0084】
一方、ストッパーユニット800には、支持台810上に、第1搬送装置901から搬送されてきた容器20を停止させる第1停止板831が設けられている。また、第2搬送装置902、第3搬送装置903、第8搬送装置908、および第9搬送装置909から搬送されてきた容器20を停止させる第2停止板832、第4搬送装置904から搬送されてきた容器20を停止させる第3停止板833が設けられている。また、支持台810上には、第5搬送装置905および第6搬送装置906から搬送されてきた容器20を停止させる第4停止板834、第7搬送装置907から搬送されてきた容器20を停止させる第5停止板835が設けられている。また第10搬送装置910から搬送されてきた容器20を停止させる第6停止板836、第11搬送装置911および第12搬送装置912から搬送されてきた容器20を停止させる第7停止板837が設けられている。
【0085】
ここで、容器20の移動方向とは反対方向を識別標記23が向いた状態で、第1搬送装置901〜第12搬送装置912の各々から搬送されてきた容器20は、第1停止板831〜第7停止板837によって停止される。このとき、支持台810上に位置する容器20であって支持台810の外縁部に位置する12本の容器20は、識別標記23がストッパーユニット800の外側方向を向いた状態となる。その後、ストッパーユニット800上の容器20は、梱包工程(不図示)まで搬送され、この梱包工程にて梱包材210による梱包が行われる。これにより上記容器梱包体200が完成する。
【0086】
なお容器梱包体200における容器20は、図18(容器梱包体200の他の一形態を示した図)に示すように配置することができる。本図に示す容器梱包体200では、格子状に配置された24本の容器20のうち角部(4隅)に位置する容器20の識別標記23が向く方向が上記と異なっている。詳細には、容器梱包体200の外側方向であって容器梱包体200の対角線方向を識別標記23が向くように角部に位置する容器20は配置されている。ここで図18に示す容器梱包体200を製造する際には、上記と同様、ストッパーユニット800に24本の容器20を集積するとともにこの24本の容器20を梱包工程へ搬送する。その後、この梱包工程にて梱包が行われ容器梱包体200が完成する。
【0087】
ここで図18に示した容器梱包体200に梱包される容器20は、図19(容器20の他の一形態を示した図)に示すように構成されている。なお同図(A)および同図(B)は、それぞれ90°異なる箇所から容器20を眺めた場合の図を示している。ここでこの容器20は、上記と同様に、第1領域R1〜第3領域R3を有している。ここで上記では、第2領域R2と第3領域R3が90°ずれた状態で配置されていたが、本実施形態における容器20では、容器20の周方向において、第2領域R2と第3領域R3は45°ずれた状態で配置されている。付言すると本実施形態では、第2領域R2は、識別標記23が向く方向と直交する方向を向くように配置されている。一方で、第3領域R3は、識別標記23が向く方向以外の方向を向くように配置されている。また本図に示す容器20は、第3領域R3よりも上方に且つ第3領域R3とは90°ずれた箇所に、識別標記23に対応して形成された対応領域RTを有している。ここで、この対応領域RTの表面状態は、第2領域R2および第3領域R3の表面状態と同様に構成されている。
【0088】
ここでストッパーユニット800における容器20の集積について図17を参照しながら説明する。まず、第2搬送装置902、第3搬送装置903、第5搬送装置905、第6搬送装置906、第8搬送装置908、第9搬送装置909、第11搬送装置911、および第12搬送装置912では、上記にて説明した動作と同様の動作が行われる。即ち、識別標記23が容器20の移動方向とは反対方向に向いた状態で容器20が搬送される。詳細に説明すると、第1溝321(図2参照)に固定された抵抗付与部33と第2領域R2との間で生じる滑りによって、容器20の移動方向とは反対方向を識別標記23が向くようになる。この結果、上記角部以外に位置する容器20の識別標記23はストッパーユニット800の外側方向を向く。
【0089】
一方で、第1搬送装置901および第7搬送装置907では、抵抗付与部33が第2溝322(図2参照)に固定されている。この結果、この第2溝322に固定された抵抗付与部33と第3領域R3との間で滑りが生じるようになる。この結果、第1搬送装置901および第7搬送装置907を移動する容器20は、図17の符号17Bに示すように、識別標記23が斜め後方を向くようになる。また、第4搬送装置904および第10搬送装置910では、抵抗付与部33が上記第2溝322よりも上方に位置する第3溝(不図示)に固定されている。そしてこの場合、この第3溝に固定された抵抗付与部33と上記対応領域RTとの間で滑りが生じるようになる。この結果、第4搬送装置904および第10搬送装置910を移動する容器20も、図17の符号17C、17Dに示すように、識別標記23が斜め後方を向くようになる。以上より、ストッパーユニット800の角部では、識別標記23がストッパーユニット800の外側方向且つ対角線方向を向くように容器20が配置されるようになる。その後、上記と同様に、ストッパーユニット800上の容器20は梱包工程へ搬送される。そして、梱包工程にて梱包が行われ上記容器梱包体200が完成する。
【0090】
なお、図16、図18に示した容器20では、図16の符号16Aに示すように、識別標記23とこの識別標記23が設けられた側とは反対側を結ぶ仮想線上に、開口予定領域44および開封用タブ42が位置している。付言すると、開口予定領域44および開封用タブ42と、識別標記23とが予め定められた所定の位置関係となるように、容器本体21に対し蓋部材22が固定されている。ここで蓋部材22および容器本体21の位置決めは、容器20の製造過程において、例えば、容器本体21の識別標記23を検知するとともに、この検知結果に基づき蓋部材22を回転させることで行うことができる。
【0091】
ここで蓋部材22の上記回転は、図20(蓋部材22の回転を説明するための図)に示すように、例えば、円運動するピンPNで開封用タブ42を側方から押圧することで行うことができる。なお図20に示す実施形態では、搬送ベルト8100に形成された窪み8200に蓋部材22が収容された状態で搬送ベルト8100により蓋部材22が搬送されている。そして本実施形態では、蓋部材22に随伴しながらピンPNが移動し、このピンPNにより蓋部材22が回転される。
【0092】
また蓋部材22の回転は、例えば、図21(蓋部材22の回転を説明するための図)に示すように、蓋部材22を周方向に回転させるとともに開封用タブ42の移動経路上にピンPNを突出させ、このピンPNを用いて開封用タブ42の移動を規制することで行うことができる。詳細に説明すると、図21に示す実施形態では、窪み8200内に位置する蓋部材22が、抗力付与部材865の対向位置まで到達すると、搬送ベルト8100に傾斜が付与されているために抗力付与部材865に向かってスライド移動し、符号8Aに示すように抗力付与部材865に接触する。これにより、蓋部材22は反時計回り方向(周方向)に回転するようになる。
【0093】
その一方で本実施形態では、ソレノイドSRをオフする。これにより、図21の符号8Aに示すように、回転部材864AのピンPNが、搬送ベルト8100に向かって移動する。次いで、モータMを駆動し、ピンPNを下降させる。これにより開封用タブ42の移動経路上であって予め定められた位置に、ピンPNが位置するようになる。その後、図21の符号8Bに示すように、ピンPNに対して開封用タブ42が接触し、蓋部材22の回転が停止される。ここで、回転部材864A、ピンPN、モータM、ソレノイドSRなどは、循環移動するベルト部材860に取り付けられている。なお上記では蓋部材22を周方向に回転させたが、容器本体21を周方向に回転させることもできる。また、容器本体21および蓋部材22の双方を周方向に回転させることもできる。
【符号の説明】
【0094】
20…容器、23…識別標記、23a…第1識別標記、23b…第2識別標記、30…陳列装置、31…載置部、33…抵抗付与部、50…容器本体、321…第1溝、322…第2溝、R1…第1領域、R2…第2領域、R3…第3領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、陳列装置、および搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンビニエンスストアなどにおいては、飲料缶やペットボトルなど飲料が充填された容器が、例えば陳列ケースに収容された陳列装置に縦置きに載せられて販売される。そしてこのような陳列装置は、例えば、容器自身の自重により陳列ケースの前方に容器が移動するように傾斜した状態で配置される。そして、手前側(最前列)の1つの容器を抜き取ると、後続の容器が自重で手前側に移動する。
ここで陳列装置の容器が載せられる箇所には、容器の滑りの良さから例えばプラスチックの平板が設けられる。また、近年では回転可能なローラを多数配置した陳列装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、容器の補充は陳列装置の後方側から行うのが一般的であるが、手前側からの容器の投入を可能とするとともに、奥側に移動した容器が、再度手前側に移動し陳列される陳列装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、容器に関するものとして、缶底に形成された環状凸部の内周壁に、内側凹部と縦リブとが円周方向に交互に形成された缶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−155701号公報
【特許文献2】米国特許第6502408号
【特許文献3】特開2000−211624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、容器の外面には、商品名や商標名などの標記が設けられることが多いが、この標記をある特定の方向に向けることができれば、容器の陳列時の見栄えなどを向上させることが可能となる。また標記をある特定の方向に向けることができれば、容器の購入者が標記をより認知するようになり宣伝広告効果などが生じやすくなる。ここで、標記を一方向のみならずこの一方向とは異なる方向に向けることができれば、容器の販売時等における容器配置のバリエーションを増やすことが可能となる。本発明は、一方向だけではなくこの一方向とは異なる方向に標記を向けることが可能な容器等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される容器は、移動する容器の側部に接触し側部に抗力を付与し容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、周方向における位置が互いに異なる複数の標記が付された外周面を有した容器本体と、複数の標記のうちの一の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部に接触し、接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、容器本体の回転に伴い接触部に接触し、容器本体を接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、第1の接触領域および第2の接触領域とは容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、複数の標記のうちの他の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、第3の接触領域と異なる位置に配置された接触部との接触により生じる容器本体の回転に伴い異なる位置に配置された接触部に接触し、容器本体を異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、を備える容器である。
【0006】
ここで、第2の接触領域は、一の標記が付されている側から容器を眺めた場合に容器の側部に位置し、第4の接触領域は、他の標記が付されている側から容器を眺めた場合に容器の側部に位置していることを特徴とすることができる。
【0007】
他の観点から捉えると、本発明が適用される容器は、移動する容器の側部に接触し側部に抗力を付与し容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、標記が付された外周面を有した容器本体と、標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部に接触し、接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、容器本体の回転に伴い接触部に接触し、容器本体を接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、第1の接触領域および第2の接触領域とは容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、第3の接触領域と異なる位置に配置された接触部との接触により生じる容器本体の回転に伴い異なる位置に配置された接触部に接触し、容器本体を異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、を備える容器である。
【0008】
ここで、第2の接触領域および第4の接触領域のうちの一方の接触領域は、標記が付されている側から容器を眺めた場合に容器の側部に位置し、第2の接触領域および第4の接触領域のうちの他方の接触領域は、標記が付されている側から容器を眺めた場合に標記が付されている側に位置していることを特徴とすることができる。また、他方の接触領域は、標記が向く方向を向くように外周面に形成されていることを特徴とすることができる。さらに、第1の接触領域、第2の接触領域、第3の接触領域、および第4の接触領域は、容器本体の外周面に塗布される塗布材料により形成されていることを特徴とすることができる。
【0009】
さらに本発明を陳列装置と捉えた場合、本発明が適用される陳列装置は、摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに外周面に標記が付された容器を陳列する陳列装置であって、容器を移動させる移動手段と、接触部材を有し、移動手段により移動する容器の第1の領域が接触部材に接触する場合に接触部材から第1の領域に抗力を与え容器を周方向に回転させるとともに回転に伴い接触部材に接触する第2の領域を接触部材に対して滑らせ、容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段と、を備え、接触部材が第3の領域および第4の領域に接触可能なように陳列装置における接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする陳列装置である。
【0010】
ここで、接触部材のうちの容器に接触する面は、面の高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い容器の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されていることを特徴とすることができる。また、接触部材は、陳列装置に形成された第1の溝に嵌め込まれることで陳列装置に取り付けられ、第1の溝とは高さ方向における異なる箇所に形成された第2の溝を更に備え、接触部材の位置の変更は、接触部材を第2の溝に嵌め込むことで行われることを特徴とすることができる。
【0011】
また本発明を搬送装置と捉えた場合、本発明が適用される搬送装置は、摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに外周面に標記が付された容器を搬送する搬送装置であって、容器を移動させる移動手段と、接触部材を有し、移動手段により移動する容器の第1の領域が接触部材に接触する場合に接触部材から第1の領域に抗力を与え容器を周方向に回転させるとともに回転に伴い接触部材に接触する第2の領域を接触部材に対して滑らせ、容器に付された標記を特定の方向に向ける回転手段と、を備え、接触部材が第3の領域および第4の領域に接触可能なように搬送装置における接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする搬送装置である。
【発明の効果】
【0012】
一方向だけではなくこの一方向とは異なる方向に標記を向けることが可能な容器等を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る陳列装置の概略構成を示した図である。
【図2】陳列装置および容器を陳列装置の前方から眺めた場合の図である。
【図3】陳列装置の上面図である。
【図4】図2の矢印X方向から左ガイドを眺めた場合の図である。
【図5】容器を説明するための図である。
【図6】陳列装置における容器の動作を説明するための図である。
【図7】陳列装置における容器の動作を説明するための図である。
【図8】容器に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
【図9】本実施形態に係る容器梱包体の斜視図である。
【図10】容器梱包体の上面図である。
【図11】容器の構成を示した斜視図である。
【図12】容器梱包体を製造する製造ラインの一部を容器とともに示した図である。
【図13】容器梱包体を製造する製造ラインの一部を容器とともに示した図である。
【図14】容器の他の構成例を示した図である。
【図15】製造ラインの一例を示した図である。
【図16】容器梱包体の他の一形態を示した図である。
【図17】ストッパーユニットを示した図である。
【図18】容器梱包体の他の一形態を示した図である。
【図19】容器の他の一形態を示した図である。
【図20】蓋部材の回転を説明するための図である。
【図21】蓋部材の回転を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る陳列装置30の概略構成を示した図である。図2は、陳列装置30および容器20を陳列装置30の前方から眺めた場合の図である。また図3は陳列装置30の上面図であり、図4は図2の矢印X方向から左ガイド32を眺めた場合の図である。
【0015】
図1(A)に示すように本実施形態における陳列装置30は、飲料が内部に充填された容器20が載せられるとともにこの容器20を移動させる載置部31(移動手段の一例)と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32とを備えている。また、載置部31の一側辺に沿って配置され容器20の移動を停止させる規制板34を備えている。ここで規制板34は透明に形成することが好ましい。
【0016】
陳列装置30は、図1(B)に示すように、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどに設置される陳列ケース10の内部に収納される。この陳列ケース10は、直方体状に形成されたケース本体部10Aと、このケース本体部10Aに対して開閉可能に設けられたドア10Bとにより主要部が構成されている。ここで陳列装置30は、陳列ケース10に設けられた棚(不図示)の上に載せられる。この際、陳列装置30は、規制板34が設けられた側がドア10B側に位置するように設置される。また、載置部31は、規制板34が設けられた側が、規制板34が設けられた側とは反対側よりも下方に位置するように配置される。即ち、載置部31は、陳列ケース10の後方側から容器20が取り出される前方側(取り出し部側)に向かって下り傾斜した状態で配置される。
【0017】
ここで本実施形態における陳列ケース10は、後方側にもドアが設けられ(不図示)、後方側も開放可能となっている。そしてこの後方側より陳列装置30に容器20が投入される。即ち、陳列ケース10の後方側および陳列装置30の後方側に容器20の投入部が設けられた構成となっている。そして、投入された容器20は載置部31上をドア10B側に向かって移動する。なお、本明細書では、ドア10B側を前方側(前方)と称しドア10Bとは反対側を後方側(後方)と称する場合がある。また、陳列ケース10の幅方向(容器20が移動する方向に直交する方向)を横方向、幅方向と称する場合がある。
【0018】
陳列装置30についてさらに詳細に説明する。図3に示すように、本実施形態における陳列装置30のガイド32は、容器20の移動経路に沿って配置されている。またガイド32は、容器20の移動経路の両側に設けられている。ここでガイド32は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料などにより形成される。なお2つ設けられたガイド32のうち容器20の移動経路の右側(図中右側)に位置するガイド32は省略することができる。ここで本明細書では、以下、図中右側のガイド32を右ガイド32と称する場合があり、図中左側のガイド32を左ガイド32と称する場合がある。
【0019】
ここで載置部31は、容器20が載置される容器載置面31Aを有している。そしてこの容器載置面31Aは、手前側が奥側よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと前後方向の水平面とが角度θV(以下、「前後方向傾斜角度θV」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。さらに説明すると、容器載置面31Aは、容器20の投入部から容器20の取り出し部に向かうに従い下る傾斜が付与されている。
【0020】
また容器載置面31Aは、左ガイド32の方が右ガイド32よりも下方に位置するように傾斜して配置されている。付言すると、容器載置面31Aと左右方向(幅方向)の水平面とが角度θH(以下、「左右方向傾斜角度θH」と称する場合がある)をなすように、容器載置面31Aは傾斜して配置されている。さらに説明すると、本実施形態では、容器20の移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に、後述する抵抗付与部33(接触部材の一例)が設けられている。そして本実施形態における容器載置面31Aには、この他方の側方側からこの一方の側方側に向かうに従い下る傾斜が付与されている。なお図3における符号3A,3Bは容器載置面31Aにおける傾斜の状態を示している。
【0021】
さらに載置部31は、容器20が置かれる側の面である容器載置面31Aに、載置部31の幅方向に並列配置された第1ローラ列311、第2ローラ列312を有している。ここで、第1ローラ列311は上記一方の側方側に設けられ、第2ローラ列312は上記他方の側方側に設けられている。また、各ローラ列は、容器20の投入部から取り出し部にかけて並んで配置された複数のロール状部材314を有している。なお、第1ローラ列311に含まれるロール状部材314は、容器20の移動方向に沿った回転が可能であり容器20を陳列装置30の前方に向けて円滑に移動させる。一方で、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、回転ができないように固定されている。このため、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、載置部31を移動する容器20に対し移動に対する抗力を付与する。
【0022】
ここで第2ローラ列312に含まれるロール状部材314は、容器20のうちの上記他方の側方側(抵抗付与部33が設けられている側とは反対側)に位置する部位に接触し容器20に対して抗力を付与する。なお本実施形態では、第2ローラ列312に含まれる全てのロール状部材314を回転できないように固定したが、一個おきにロール状部材314を固定するなど、一部のロール状部材314を固定してもよい。なお、第2ローラ列312に含まれるロール状部材314の固定は、接着剤等により行うことができる。またテープ等を貼付して固定することもできる。また第2ローラ列312に含まれるロール状部材314を設けず、このロール状部材314に対応する凸部を載置部31の表面に設けることもできる。
【0023】
さらに本実施形態では、図1(A)および図3に示すように、左ガイド32に、接触する容器20の外周面(側部)に対して摺動抵抗(摩擦抵抗、抗力)を付与する抵抗付与部33が設けられている。回転手段の一部として機能するこの抵抗付与部33は、図1(A)に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられている。また抵抗付与部33は、移動経路の一方の側方側および他方の側方側のうちの一方の側方側に設けられている。また抵抗付与部33は、図2に示すように、容器20の移動経路に沿って設けられるとともに左ガイド32に形成された第1溝321(図4も参照)に嵌め込まれた基材33Aと、この基材33Aの外表面に貼付された貼付部材33Bとから構成されている。ここで、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位は、この移動経路に向かって突出するように湾曲して形成されている。付言すると、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する面は、高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い容器20の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されている。
【0024】
ここで上記のように、基材33Aの外表面のうち容器20の移動経路側に位置する部位を湾曲して形成した場合、載置部31の上を移動する容器20が上下方向や左右方向に傾いたとしても、抵抗付与部33と容器20との接触面積が一定となりやすい。なお基材33Aは、例えばアルミニウムなどの硬質の材料により形成することができる。また貼付部材33Bは、例えば、塩化ビニルにより構成されたビニールテープにより構成することができる。付言すると、貼付部材33Bは、基材33Aよりも柔軟性を有し基材33Aよりも軟質の材料により構成することができる。
【0025】
なお抵抗付与部33は、貼付部材33Bを設けず硬質の基材33Aのみにより形成することができる。また、抵抗付与部33を基材33Aのみにより構成する場合、この基材33Aに対し粗面化処理の一例としてのサンドブラスト処理を行い基材33Aの表面を荒らすことも可能である。また、貼付部材33Bを設ける場合、この貼付部材33Bは、例えば、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)などのゴム部材を用いることもできる。さらに図3では、貼付部材33Bが基材33Aの全長に渡り設けられた例を示したが、貼付部材33Bを基材33Aの一部に設けることもできる。
【0026】
また本実施形態では、図2および図4に示すように、第1溝321の上部に、この第1溝321と同様の形状を有した第2溝322が形成されている。このため本実施形態では、基材33Aを第2溝322に嵌め込むことで、抵抗付与部33を上方に変位させることが可能となっている。
【0027】
次に容器20について詳細に説明する。
図5は、容器20を説明するための図である。
なお、同図(A)は容器20の正面図である。また同図(B)は、右側面図である。付言すると同図(B)は、同図(A)の矢印Y方向から容器20を眺めた場合の図である。また、同図(C)は同図(A)のS部における断面を示し、同図(D)は同図(A)のT部における断面を示している。
【0028】
同図に示す容器20は、いわゆる2ピース缶であり、飲料などの内容物が充填され且つプルタブ(本図では不図示)を有した蓋部材22が取り付けられている。本容器20は、同図(A)および(B)に示すように、外周面に、第1領域R1(第1の接触領域の一例)、第2領域R2(第2の接触領域の一例)、第3領域R3(第4の接触領域の一例)を有している。ここで第2領域R2と第3領域R3は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また第2領域R2および第3領域R3は、容器20の周方向に沿うように且つ帯状に形成されている。さらに、第2領域R2と第3領域R3は、容器20の高さ方向において互いにずらされた状態で配置されている。また本実施形態では、容器20の外周面のうち第2領域R2および第3領域R3以外の領域が第1領域R1となっている。
【0029】
なお、第2領域R2の表面状態および第3領域R3の表面状態は同様に構成されている。このため以下の説明では、第1領域R1および第2領域R2を中心に説明を行う。また本実施形態では、表面における摩擦係数は、第1領域R1>第2領域R2(第3領域R3)となっている。また、容器20の周方向において、第3領域R3に隣接する領域(第1の領域R1のうちの第3領域R3に隣接する領域)は、第3の接触領域として捉えることができる。
【0030】
ここで同図(C)を参照し第2領域R2の表面状態についてまず説明する。
同図(C)に示すように、第2領域R2には、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面にクレーター状の凹凸を有したトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0031】
ここでインキ層51に用いるインキには、例えば金属印刷用のものを用いることができる。ここでインキの顔料(色量)としては、各種の有機顔料や無機顔料が用いられる。また、インキのビヒクルは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分としている。ここで熱硬化性樹脂としては、アルキッド型又はポリエステル型の樹脂等が用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としては、紫外線ラジカル重合型、紫外線カチオン重合型の樹脂等が用いられる。さらに、インキには添加剤が含有されていても良い。添加剤としては、艶消し剤、ワックス類(天然系、石油系、合成系)、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、架橋剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、消泡剤、光重合開始剤等が用いられる。
【0032】
またインキ層51は、いわゆるはじきインキにより形成されている。即ち、インキ層51は、このインキ層51の表面にトップコート層52を形成する塗料が塗られた場合にこの塗料をはじくインキにより形成されている。ここでトップコート層52における上記凹凸は、トップコート層52を形成する塗料がこのインキ層51によりはじかれることにより形成されたものである。
【0033】
なおトップコート層52を形成する塗料をインキ層51によりはじくためには(上記凹凸を形成するためには)、インキ層51の形成に用いるインキの表面張力を、トップコート層52の形成に用いる塗料の表面張力よりも5mN/m以上低く設定することが望ましい。換言すると、インキの表面張力が塗料の表面張力よりも低く、且つ、インキと塗料との間の表面張力の差が5mN/m以上であることが望ましい。ここでインキの表面張力の低下は、例えば、通常のインキにシリコーンを添加することにより行うことができる。
【0034】
一方、トップコート層52に用いる塗料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の樹脂を主成分とするものであり、必要に応じてワックス成分を含有している。熱硬化性樹脂としては、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂(例:ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂等が用いられる。
【0035】
さらに、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との組成物を用いても良い。この場合、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせても使用できる。また、これらの樹脂組成物には、必要に応じて、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の公知の酸触媒が添加されていても良い。酸触媒を用いる場合は、酸触媒は樹脂に対して0.5〜1質量%添加するのが望ましい。また、これらの樹脂のうち、特に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂と飽和ポリエステル樹脂との組成物や、熱硬化性アクリル樹脂とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂との組成物を用いることが塗膜性能面で望ましい。
【0036】
一方、紫外線硬化性樹脂としては、例えば、カチオン硬化型樹脂、ラジカル硬化型樹脂等が用いられる。カチオン硬化型樹脂としては、紫外線硬化型エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒との組成物等が用いられる。
【0037】
また、トップコート層52に用いる塗料において、上記の樹脂に架橋剤や増感剤を必要に応じて添加しても良い。架橋剤としては、種々のポリオール類(例:ε−カプロラクトントリオール)等が用いられる。増感剤としては、チオキサントン誘導体等が用いられる。さらに、トップコート層52に用いる塗料に、滑りを補うために、ワックス成分として天然系、石油系、合成系のワックス剤を単独で又は複合して添加しても良い。さらに、トップコート層52の表面のレベリング剤として、あるいは/更に、塗料状態での安定性を高めるためや初期滑り性をトップコート層52に付与するために、各種のシリコーンオイルを添加しても良い。
【0038】
なお、インキ層51およびトップコート層52の組成等の一例を挙げると以下のようになる。
[トップコート層52]
樹脂成分:ポリエステル30%、アクリル13%、アミノ55%、エポキシ2%
ワックス:石油系0.3%、天然系1%、合成系0.2%(樹脂成分に対し)
シリコーンオイル(混合):0.15%(樹脂成分に対し)
表面張力:33mN/m
厚さ:5μm
[インキ層51](はじきインキ)
主樹脂:アルキッド樹脂
顔料:TiO2
表面張力:28mN/m
厚さ:2μm
【0039】
なお上記は、第2領域R2の形成方法の一例を説明したものであり、例えば特開2002−361172号公報に開示されている技術を用いて第2領域R2を形成してもよい。即ち、トップコート層52を形成する塗料をインキ層51の表面で斑状に凝集させることで凹凸を形成し第2領域R2を形成してもよい。また第2領域R2のクレーター状の凹凸は、発泡剤を含有したいわゆる発泡インキを用いてインキ層51を形成することにより形成することができる。なおこの発泡剤としては、例えば、発泡性マイクロカプセルを用いることができる。この発泡性マイクロカプセルは、樹脂からなる球形の外殻の中に低沸点の炭化水素(ブタン、プロパン等)を封入したものであり、焼付け処理時の加熱によって粒径が数倍に膨張する。なお、第2領域R2の凹凸は、最大深さで3〜10μm程度のオーダーであり、通常のコーティング塗料では、深さ1μm程度或いはそれ未満の程度の平滑面を第1領域R1と言っている。
【0040】
次いで、同図(D)を参照し第1領域R1の表面状態について説明する。
同図(D)に示すように第1領域R1には、上記と同様、容器本体50の表面にインキ層51が設けられている。また、インキ層51の表面に、上記第2領域R2におけるトップコート層52よりも表面が平滑に形成されたトップコート層(最外層)52が設けられている。
【0041】
ここで第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料をはじかないインキ(通常インキ)を用いて形成している。付言すれば、インキ層51を形成するインキは、表面張力がトップコート層52を形成する塗料の表面張力と等しいか又はそれよりも高いインキが用いられている。このため第1領域R1では、トップコート層52を形成する塗料がはじかれず、トップコート層52の表面は、第2領域R2におけるトップコート層52に比べ平滑となる。なお、インキ層51を形成するインキの基本的な組成等は上記と同様である。トップコート層52を形成する塗料の基本的な組成等は上記と同様である。
【0042】
なお、第2領域R2におけるインキ層51を、上記発泡インキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、発泡インキではないインキ(通常インキ)を用いて形成する。また、第2領域R2におけるインキ層51を、トップコート層52を形成する塗料を凝集させるインキを用いて形成する場合には、第1領域R1におけるインキ層51は、トップコート層52を形成する塗料を凝集させないインキ(通常インキ)を用いて形成する。
【0043】
また本実施形態における容器20は、その外周面に、商品名、商標名など他の商品と識別するための第1識別標記23a、第2識別標記23bを有している(なお本明細書においては、以下単に「識別標記23」と称する場合がある。)。ここで、第1識別標記23aと第2識別標記23bとは、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。また第1識別標記23aと第2領域R2との関係を説明すると、第1識別標記23aと第2領域R2は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。付言すると、第2領域R2は、第1識別標記23aが向く方向と略直交する方向(交差する方向)を向くように配置されている。また、第2識別標記23bと第3領域R3との関係を説明すると、第2識別標記23bと第3領域R3は、容器20の周方向において90°ずれた状態で配置されている。付言すると、第3領域R3は、第2識別標記23bが向く方向と略直交する方向(交差する方向)を向くように配置されている。また第1識別標記23aは、第3領域R3の上方に配置されている。さらに説明すると、第2領域R2は、第1識別標記23aが付されている側から容器20を眺めた場合に容器20の側部に位置している(図5(A)参照)。また、第3領域R3は、第2識別標記23bが付されている側から容器20を眺めた場合に容器20の側部に位置している(図5(B)参照)。
【0044】
次に、陳列装置30における容器20の動作について説明する。
図6および図7は、陳列装置30における容器20の動作を説明するための図である。なお図6、図7では第1ローラ列311、第2ローラ列312(図3参照)の図示を省略している。
【0045】
図6の符号4Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、容器載置面31Aに対し左右方向(幅方向)における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され(第1領域R1に抗力が付与され)、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号4B参照)。
【0046】
そして符号4Cのように、第2領域R2が抵抗付与部33に接触する状態となると、第2領域R2と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。ここで、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した場合、第2領域R2と抵抗付与部33とは点接触に近い状態で接触する。付言すれば、第2領域R2と抵抗付与部33とは接触面積が低下する状態となる。このため、第2領域R2と抵抗付与部33との間で上記滑りが生じるものと考えられる。
【0047】
その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30の前方に達した容器20は、第1識別標記23aが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第2領域R2と第1識別標記23aは、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第2領域R2が左方側(一方向)を向いている場合に第1識別標記23aが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第2領域R2および第1識別標記23aは配置されている。このため、第2領域R2が抵抗付与部33に接触した状態となると、第1識別標記23aが前方を向く。
【0048】
次に、抵抗付与部33が第2溝322(図2参照)に固定されている場合における容器20の動作を、図7を参照しながら説明する。
図7の符号5Aに示すように、載置部31の後方に置かれた容器20は、上記と同様、容器載置面31Aに対し左右方向における傾斜および前後方向における傾斜が付与されているため、左ガイド32によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、上記と同様、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号5B参照)。
【0049】
そして符号5Cのように、第3領域R3が抵抗付与部33に接触する状態となると、第3領域R3と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。その後、容器20は抵抗付与部33により案内されながら前方に向かって移動(スライド)する。これにより、陳列装置30の前方に達した容器20は、第2識別標記23bが前方を向いた状態となる。付言すると、本実施形態では、第3領域R3と第2識別標記23bも、予め定められた所定の位置関係を有して配置されている。具体的には、第3領域R3が左方側(一方向)を向いている場合に第2識別標記23bが前方(一方向と交差する方向、一方向と直交する方向)を向くように、第3領域R3および第2識別標記23bは配置されている。このため、第3領域R3が抵抗付与部33に接触した状態となると、第2識別標記23bが前方を向く。
【0050】
ここで、上記第1領域R1〜第3領域R3の形成方法について説明する。第1領域R1〜第3領域R3は、例えば、2ピース缶である容器20の製造工程に含まれる印刷工程にて形成することができる。より詳細には、印刷工程に設置された印刷機を用いて形成することができる。
【0051】
ここで図8は、容器20に対して印刷を行う印刷機を示した図である。
同図に示す印刷機500は、いわゆるオフセット印刷を行う印刷機である。この印刷機500は、ブランケットシリンダ510、画像に対応した印刷版を有し上記インキ層51を形成するインキ(塗布材料の一例)をブランケットシリンダ510に塗布するインキ塗布装置520、支持ロール530、上記トップコート層52を形成する塗料(塗布材料の一例)を塗布する塗料塗布装置540を備える。
【0052】
ブランケットシリンダ510は、円盤状に形成されるとともに一方向に回転する。また、ブランケットシリンダ510は、外周面に複数のブランケット(被転写部)511を有している。また、ブランケットシリンダ510は、インキ塗布装置520における上記印刷版からブランケット511に転写されたインキを、転写部Teにて2ピース缶の基体となる素缶体に対して転写しこの素缶体に画像を形成する。
【0053】
インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510の周方向に沿って色毎に複数設けられている。各インキ塗布装置520は、ブランケットシリンダ510のブランケット511に接触する印刷用シリンダ522、印刷用シリンダ522の外周面にインキを供給するインキ供給装置521を備えている。ここで印刷用シリンダ522は、外周面に上記印刷版を有しインキ供給装置521により供給されたインキをブランケット511に転写する。これにより、各ブランケット511の表面にインキが載せられる。詳細には、各ブランケット511の表面であって印刷用シリンダ522毎に割り当てられた各領域に、印刷用シリンダ522の各々からインキが順次載せられる。この結果、各ブランケット511の表面には、画像に対応したインキ像が形成される。そして、このインキ像は、ブランケットシリンダ510の回転に伴い、転写部Teまで移動し、周方向に回転している素缶体の外周面に転写される。これによって上記インキ層51が形成される。
【0054】
支持ロール530は、ブランケットシリンダ510の対向位置に配置されるとともに一方向に回転し、不図示のウォッシャー工程から移動してきた素缶体を上記転写部Teまで搬送する。また支持ロール530は、ウォッシャー工程から移動してきた素缶体を回転させた状態で上記転写部Teまで搬送する。塗料塗布装置540は、上記インキ像が転写された素缶体(インキ層51が形成された素缶体)の外周面に対して塗料を塗布する。これによって上記トップコート層52が形成される。
【0055】
ここでこのような印刷機500を用いる場合、上記第2領域R2におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第2領域R2と第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。また、第3領域R3におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から塗料をはじく機能を有したインキをブランケット511に載せることにより、第3領域R3と第1領域R1との間に表面の違いを形成することができる。
【0056】
なお、上述した発泡インキを用いての第2領域R2、第3領域R3の形成は、第2領域R2、第3領域R3におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から発泡インキをブランケット511に載せることにより行うことができる。さらに、上述の塗料を凝集させるインキを用いての第2領域R2、第3領域R3の形成は、第2領域R2、第3領域R3におけるインキ層51を担当する印刷用シリンダ522から、この塗料を凝集させるインキをブランケット511に載せることにより行うことができる。
【0057】
ところで、飲料缶などの商品の宣伝は、テレビコマーシャルなどにより行われることが多いが、宣伝広告効果は、テレビコマーシャル以外においても生じさせることができる。たとえば、スーパーマーケットなどにおいては、複数本の容器20が梱包された状態で販売されることがあるが、容器20に付された識別標記23が梱包材の外部から視認可能な状態にあると、この識別標記23が購入者に視認され、宣伝広告効果が生じるようになる。このため、容器梱包体などにおいては、梱包材の外部から識別標記23が視認可能な状態となるように容器20の各々を配置することが好ましくなる。
【0058】
図9は、本実施形態に係る容器梱包体200の斜視図である。また図10は、容器梱包体200の上面図である。本実施形態に係る容器梱包体200は、複数本(本実施形態では6本)の容器20と、この複数本の容器20を梱包する梱包材210とから構成されている。
【0059】
ここで本実施形態における容器梱包体200では、容器20の向きが揃えられた状態で容器20が梱包されている。具体的には、容器20に付された識別標記23が容器梱包体200の外部から視認可能なように、向きが揃えられた状態で容器20が梱包されている。さらに説明すると本実施形態における容器梱包体200では、6本の容器20が2列×3行の格子状に配置されている。そして一方の列に位置する3本の容器20の各々に付された識別標記23が梱包材210の外側方向を向くように、この3本の容器20は配置されている。また他方の列に位置する3本の容器20の各々に付された識別標記23が梱包材210の外側方向を向くように、この3本の容器20は配置されている。なお本実施形態では、梱包材210を、透明なフィルム(シュリンクフィルム)により形成している。
【0060】
図11は、容器20の構成を示した斜視図である。
本図に示す容器20には、一つの識別標記23のみが設けられている。付言すると上記第1識別標記23aが設けられていた箇所に識別標記23が設けられ、上記第2識別標記23bが設けられていた箇所には識別標記23が設けられていない構成となっている。
【0061】
なお、上記第2識別標記23bが設けられていた箇所に識別標記23が設けられていない点を除き、本実施形態における容器20は、図5にて示した容器20と同様の構成を有している。即ち、本実施形態における容器20は、外周面に、第1領域R1〜第3領域R3を有している。そして、第2領域R2と第3領域R3は、容器20の周方向において互いに90°ずれた状態で配置されている。また第2領域R2および第3領域R3は、容器20の周方向に沿うように且つ帯状に形成されている。さらに、第2領域R2と第3領域R3は、容器20の高さ方向において互いにずらされた状態で配置されている。また、容器20の外周面のうち第2領域R2および第3領域R3が設けられている領域以外の領域が第1領域R1となっている。さらに説明すると、本実施形態では、第2領域R2は、識別標記23が向く方向と直交する方向を向くように配置されている。一方で、第3領域R3は、識別標記23が向く方向を向くように配置されている。さらに説明すると、第2領域R2(一方の接触領域の一例)は、識別標記23が付されている側から容器20を眺めた場合に容器20の側部に位置し、第3領域R3(他方の接触領域の一例)は、識別標記23が付されている側から容器20を眺めた場合に識別標記23が付されている側に位置している。
【0062】
次に、容器梱包体200を製造する製造ラインを説明する。
図12、図13は、容器梱包体200を製造する製造ラインの一部を容器20とともに示した図である。
本製造ラインには、図12に示すように、容器20の搬送を行う第1搬送装置600、第1搬送装置600に並んで配置され容器20の搬送を行う第2搬送装置700、第1搬送装置600および第2搬送装置700から搬送されてきた容器20を停止させるストッパーユニット800が設けられている。
【0063】
ここで第1搬送装置600は、上記陳列装置30と同様の構成を有している。具体的には、前後方向および幅方向における傾斜が付与された容器載置面31Aを有し容器20を移動させる載置部31と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32と、容器20に対し抵抗を付与する抵抗付与部33とを有している。なおこの抵抗付与部33は、第2溝322(図2参照)に対し固定されている。
【0064】
また第2搬送装置700も、左右が反転して構成された点を除き、上記陳列装置30と同様の構成を有している。即ち、前後方向および幅方向における傾斜が付与された容器載置面31Aを有し容器20を移動させる載置部31と、容器20の移動経路を形成するとともに容器20の移動を案内するガイド32と、容器20に対し抵抗を付与する抵抗付与部33とを有している。なおこの抵抗付与部33も、第2溝322(図2参照)に対し固定されている。ここで第2搬送装置700では、上記のとおり左右が反転して構成されており、抵抗付与部33は図中右側に設けられている。また容器載置面31Aの幅方向における傾斜が、図中右方向に向かうに従い下る傾斜となっている。
【0065】
ここで第1搬送装置600における容器20の動作を説明する。図12の符号12Aに示すように、載置部31の後方に位置する容器20は、上記と同様、容器載置面31Aに対し左右方向および前後方向における傾斜が付与されているため、抵抗付与部33によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、上記と同様、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は、時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12B参照)。
【0066】
そして符号12Cのように、第3領域R3が抵抗付与部33に接触する状態となると、第3領域R3と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。なおこの際、識別標記23が第1搬送装置600の左側方を向いた状態となる。その後、容器20は、抵抗付与部33により案内されながら前方に位置するストッパーユニット800に向かって移動していく。
【0067】
一方で、第2搬送装置700における載置部31の後方に位置する容器20も、図12の符号12Dに示すように、抵抗付与部33によって案内されながら前方に向かって移動する。そしてこの際、第1領域R1が抵抗付与部33に接触する状態にあると、第1領域R1と抵抗付与部33との間における滑りが抑制され、容器20は、反時計回りの回転を行いながら前方へ移動する(符号12E参照)。そして符号12Fのように、第3領域R3が抵抗付与部33に接触する状態となると、第3領域R3と抵抗付与部33との間で滑りが生じ、容器20の回転は停止する。なおこの際、識別標記23が第2搬送装置700の右側方を向いた状態となる。その後、容器20は、抵抗付与部33により案内されながら前方に位置するストッパーユニット800に向かって移動していく。
【0068】
次に、図13を参照し、ストッパーユニット800について説明する。同図に示すストッパーユニット800は、容器20を下方から支持する支持台810と、容器20の移動経路上に位置し第1搬送装置600および第2搬送装置700から移動してきた容器20を停止させる停止板820を有している。また、第1搬送装置600に設けられたガイド32の略延長線状に設けられストッパーユニット800からの容器20の脱落を防止する第1壁部830と、第2搬送装置700に設けられたガイド32の略延長線状に設けられストッパーユニット800からの容器20の脱落を防止する第2壁部840とを備えている。またストッパーユニット800は、第1壁部830と第2壁部840との間に設けられ且つ容器20の移動方向に沿って設けられた仕切壁850を有している。
【0069】
ここで、第1搬送装置600により搬送されてきた容器20は、図13に示すように、第1壁部830と仕切壁850との間に形成される空間に順次進入していく。これにより、同図に示すように、3つの容器20が、列状に配置される。また各々の容器20の識別標記23が図中左方向を向くようになる。また、第2搬送装置700により搬送されてきた容器20は、図13に示すように、第2壁部840と仕切壁850との間に形成される空間に順次進入していく。これにより、3つの容器20が列状に配置される。また各々の容器20の識別標記23が図中右方向を向くようになる。
【0070】
その後、本実施形態では、不図示の吸引装置によってストッパーユニット800に位置する6本の容器20が持ち上げられるとともに、不図示の梱包工程までこの6本の容器20が搬送される。そしてこの梱包工程にて、フィルムにより構成された梱包材210がこの6本の容器20に巻かれるとともに熱による梱包材210の収縮が行われる。これにより上記容器梱包体200が完成する。
【0071】
ところで、容器20は、図14(容器20の他の構成例を示した図)に示すように構成することもできる。即ち、第1領域R1および第2領域R2は設けるが第3領域R3を設けない構成とすることができる。付言すると、3つの領域を設けた構成ではなく、陳列装置30にて識別標記23を前方に向けるための第2領域R2、容器20を周方向に回転させるための第1領域R1の2つの領域を設けた構成とすることもできる。
【0072】
ところで上記のように容器20を構成した場合、上記第1搬送装置600、第2搬送装置700にこの容器20を投入したとしても、容器20の搬送方向と直交する方向に識別標記23が向かなくなってしまう。付言すると、容器20の搬送方向又はこの搬送方向とは逆方向に識別標記23が向くようになってしまう。この結果、この容器20を複数本まとめて上記容器梱包体200を製造しようとしたとしても、この容器梱包体200では、識別標記23が容器梱包体200の外側を向かない容器20が生じてしまう。
【0073】
ここで、第1領域R1および第2領域R2の2つの領域のみが形成された容器20は、例えば、図15(製造ラインの一例を示した図)に示す製造ラインによって、容器梱包体200とすることができるが、この製造ラインは、図12、図13に示した製造ラインに比べ占有面積が大きくなってしまう。このため、容器20に対しては、上記第2領域R2、第3領域R3のように、周方向における位置が異なり且つ高さ方向における位置が互いに異なる2つの領域を設けておくことが好ましくなる。付言すると、容器20には、陳列装置30にて識別標記23を前方に向けるための領域と、容器梱包体200を製造する際に用いる領域の2つの領域を設けておくことが好ましくなる。
【0074】
なおここで図15に示す製造ラインについて簡単に説明すると、この製造ラインには、上記第2搬送装置700が設けられる(図15の右上における第2搬送装置700参照)。そしてこの第2搬送装置700では、投入された容器20が反時計回り方向に回転するとともに、第2領域R2(図14参照)が抵抗付与部33に接触することで、識別標記23が第2搬送装置700の後方側を向くようになる。
【0075】
さらに本製造ラインには、第2搬送装置700によって一方向(図中下方向)に向かって移動してきた容器20をこの一方向と直交する方向に向かって移動させる移動ユニット750が設けられている。この移動ユニット750には、容器20の進行方向に向かって下る傾斜が付与されており、移動ユニット750はこの傾斜を利用して容器20を移動させる。
【0076】
そしてこの移動ユニット750により移動した容器20は、ストッパーユニット800の一端部側(図中左端部側)からストッパーユニット800に進入する。付言すると、移動ユニット750により移動した容器20は、ストッパーユニット800の一端部側からストッパーユニット800に進入する。その後、移動ユニット750により移動してきた新たな容器20が、ストッパーユニット800の中央部に進入する。その後、移動ユニット750により移動してきた新たな容器20が、ストッパーユニット800の他端部側(図中右端部側)からストッパーユニット800に進入する。これにより3つの容器20がストッパーユニット800上に並ぶようになる。
【0077】
ここで、ストッパーユニット800には、移動ユニット750上を移動する容器20の移動方向と略平行に配置され移動ユニット750からストッパーユニット800上に移動してきた容器20を停止せる停止板821と、この停止板821と略直交する関係で配置されストッパーユニット800からの容器20の脱落を防止する第1防止板822と、第2防止板823とを備えている。そして本製造ラインでは、停止板821、第1防止板822、および第2防止板823により囲まれた領域に対し容器20が移動してくる。そしてこの際、容器20の各々に付された識別標記23が図中上方を向くようになっている。
【0078】
なお第2搬送装置700および移動ユニット750は、2組設けられており、もう一方の第2搬送装置700および移動ユニット750は、図中下部側に設けられている。これによりストッパーユニット800の図中下部側にも、識別標記23が図中下方を向いた3本の容器20が位置するようになる。
【0079】
次に容器梱包体200の他の形態を説明する。
図16は、容器梱包体200の他の一形態を示した図である。
本図に示す容器梱包体200は、略直方体状(箱状)に形成されている。また本図では、複数(5つ)の容器梱包体200が積まれた状態を図示している。また本実施形態における容器梱包体200では、梱包材210の内部に24本の容器20が収容されている。さらに本実施形態では、梱包材210が紙(段ボール)により形成されている。ここで梱包材210は、互いに対向配置された第1側面211、第2側面212と、同じく互いに対向配置された第3側面213、第4側面214を有している。
【0080】
また容器梱包体200の梱包材210には、ミシン目220が形成されている。このミシン目220は、梱包材210の周方向において連続した状態で設けられている(全周に亘って設けられている)。このため、本実施形態では、梱包材210が上部および下部の2つに分割できるようになっている。そして本図では、同図に示すように、最上位に位置する容器梱包体200における梱包材210のうちの上部側が除去されている。これにより、最上位の容器梱包材体200では、容器20が露出した状態となっている。
【0081】
また本実施形態では、24本の容器20が4列×6行で配置されている。そして本実施形態では、24本の容器20のうち第1側面211に隣接する容器20に付された識別標記23が梱包材210の外側を向くようになっている。また、第2側面212に隣接する容器20に付された識別標記23も梱包材210の外側を向くようになっている。さらに第3側面213に隣接する2つの容器20に付された識別標記23も梱包材210の外側を向くようになっている。また図示は省略するが、第4側面214に隣接する2つの容器20に付された識別標記23も梱包材210の外側を向くようになっている。
【0082】
ここで上記容器梱包体200の製造方法を説明する。容器梱包体200が製造される際には、まずストッパーユニット800上に24本の容器20が集積される。そして、このストッパーユニット800から梱包工程(不図示)まで容器20が搬送され、この梱包工程にて、梱包材210による梱包が行われる。これにより上記容器梱包体200が完成する。
【0083】
ここで図17は、ストッパーユニット800を示した図である。
本実施形態におけるストッパーユニット800の周囲には、このストッパーユニット800に向けて容器20を搬送する第1搬送装置901〜第12搬送装置912が設けられている。なお第1搬送装置901〜第12搬送装置912の各々は、図12、図15にて示した第2搬送装置700と同様の構成を有している。第1搬送装置901〜第12搬送装置912では、第1溝321(図2参照)に対し抵抗付与部33が固定されている。本実施形態における容器20は、図11に示した構成と同様の構成を有している。このため、第1搬送装置901〜第12搬送装置912にて搬送される容器20は、符号17Aに示すように、識別標記23が容器20の移動方向とは反対方向を向いた状態となる。
【0084】
一方、ストッパーユニット800には、支持台810上に、第1搬送装置901から搬送されてきた容器20を停止させる第1停止板831が設けられている。また、第2搬送装置902、第3搬送装置903、第8搬送装置908、および第9搬送装置909から搬送されてきた容器20を停止させる第2停止板832、第4搬送装置904から搬送されてきた容器20を停止させる第3停止板833が設けられている。また、支持台810上には、第5搬送装置905および第6搬送装置906から搬送されてきた容器20を停止させる第4停止板834、第7搬送装置907から搬送されてきた容器20を停止させる第5停止板835が設けられている。また第10搬送装置910から搬送されてきた容器20を停止させる第6停止板836、第11搬送装置911および第12搬送装置912から搬送されてきた容器20を停止させる第7停止板837が設けられている。
【0085】
ここで、容器20の移動方向とは反対方向を識別標記23が向いた状態で、第1搬送装置901〜第12搬送装置912の各々から搬送されてきた容器20は、第1停止板831〜第7停止板837によって停止される。このとき、支持台810上に位置する容器20であって支持台810の外縁部に位置する12本の容器20は、識別標記23がストッパーユニット800の外側方向を向いた状態となる。その後、ストッパーユニット800上の容器20は、梱包工程(不図示)まで搬送され、この梱包工程にて梱包材210による梱包が行われる。これにより上記容器梱包体200が完成する。
【0086】
なお容器梱包体200における容器20は、図18(容器梱包体200の他の一形態を示した図)に示すように配置することができる。本図に示す容器梱包体200では、格子状に配置された24本の容器20のうち角部(4隅)に位置する容器20の識別標記23が向く方向が上記と異なっている。詳細には、容器梱包体200の外側方向であって容器梱包体200の対角線方向を識別標記23が向くように角部に位置する容器20は配置されている。ここで図18に示す容器梱包体200を製造する際には、上記と同様、ストッパーユニット800に24本の容器20を集積するとともにこの24本の容器20を梱包工程へ搬送する。その後、この梱包工程にて梱包が行われ容器梱包体200が完成する。
【0087】
ここで図18に示した容器梱包体200に梱包される容器20は、図19(容器20の他の一形態を示した図)に示すように構成されている。なお同図(A)および同図(B)は、それぞれ90°異なる箇所から容器20を眺めた場合の図を示している。ここでこの容器20は、上記と同様に、第1領域R1〜第3領域R3を有している。ここで上記では、第2領域R2と第3領域R3が90°ずれた状態で配置されていたが、本実施形態における容器20では、容器20の周方向において、第2領域R2と第3領域R3は45°ずれた状態で配置されている。付言すると本実施形態では、第2領域R2は、識別標記23が向く方向と直交する方向を向くように配置されている。一方で、第3領域R3は、識別標記23が向く方向以外の方向を向くように配置されている。また本図に示す容器20は、第3領域R3よりも上方に且つ第3領域R3とは90°ずれた箇所に、識別標記23に対応して形成された対応領域RTを有している。ここで、この対応領域RTの表面状態は、第2領域R2および第3領域R3の表面状態と同様に構成されている。
【0088】
ここでストッパーユニット800における容器20の集積について図17を参照しながら説明する。まず、第2搬送装置902、第3搬送装置903、第5搬送装置905、第6搬送装置906、第8搬送装置908、第9搬送装置909、第11搬送装置911、および第12搬送装置912では、上記にて説明した動作と同様の動作が行われる。即ち、識別標記23が容器20の移動方向とは反対方向に向いた状態で容器20が搬送される。詳細に説明すると、第1溝321(図2参照)に固定された抵抗付与部33と第2領域R2との間で生じる滑りによって、容器20の移動方向とは反対方向を識別標記23が向くようになる。この結果、上記角部以外に位置する容器20の識別標記23はストッパーユニット800の外側方向を向く。
【0089】
一方で、第1搬送装置901および第7搬送装置907では、抵抗付与部33が第2溝322(図2参照)に固定されている。この結果、この第2溝322に固定された抵抗付与部33と第3領域R3との間で滑りが生じるようになる。この結果、第1搬送装置901および第7搬送装置907を移動する容器20は、図17の符号17Bに示すように、識別標記23が斜め後方を向くようになる。また、第4搬送装置904および第10搬送装置910では、抵抗付与部33が上記第2溝322よりも上方に位置する第3溝(不図示)に固定されている。そしてこの場合、この第3溝に固定された抵抗付与部33と上記対応領域RTとの間で滑りが生じるようになる。この結果、第4搬送装置904および第10搬送装置910を移動する容器20も、図17の符号17C、17Dに示すように、識別標記23が斜め後方を向くようになる。以上より、ストッパーユニット800の角部では、識別標記23がストッパーユニット800の外側方向且つ対角線方向を向くように容器20が配置されるようになる。その後、上記と同様に、ストッパーユニット800上の容器20は梱包工程へ搬送される。そして、梱包工程にて梱包が行われ上記容器梱包体200が完成する。
【0090】
なお、図16、図18に示した容器20では、図16の符号16Aに示すように、識別標記23とこの識別標記23が設けられた側とは反対側を結ぶ仮想線上に、開口予定領域44および開封用タブ42が位置している。付言すると、開口予定領域44および開封用タブ42と、識別標記23とが予め定められた所定の位置関係となるように、容器本体21に対し蓋部材22が固定されている。ここで蓋部材22および容器本体21の位置決めは、容器20の製造過程において、例えば、容器本体21の識別標記23を検知するとともに、この検知結果に基づき蓋部材22を回転させることで行うことができる。
【0091】
ここで蓋部材22の上記回転は、図20(蓋部材22の回転を説明するための図)に示すように、例えば、円運動するピンPNで開封用タブ42を側方から押圧することで行うことができる。なお図20に示す実施形態では、搬送ベルト8100に形成された窪み8200に蓋部材22が収容された状態で搬送ベルト8100により蓋部材22が搬送されている。そして本実施形態では、蓋部材22に随伴しながらピンPNが移動し、このピンPNにより蓋部材22が回転される。
【0092】
また蓋部材22の回転は、例えば、図21(蓋部材22の回転を説明するための図)に示すように、蓋部材22を周方向に回転させるとともに開封用タブ42の移動経路上にピンPNを突出させ、このピンPNを用いて開封用タブ42の移動を規制することで行うことができる。詳細に説明すると、図21に示す実施形態では、窪み8200内に位置する蓋部材22が、抗力付与部材865の対向位置まで到達すると、搬送ベルト8100に傾斜が付与されているために抗力付与部材865に向かってスライド移動し、符号8Aに示すように抗力付与部材865に接触する。これにより、蓋部材22は反時計回り方向(周方向)に回転するようになる。
【0093】
その一方で本実施形態では、ソレノイドSRをオフする。これにより、図21の符号8Aに示すように、回転部材864AのピンPNが、搬送ベルト8100に向かって移動する。次いで、モータMを駆動し、ピンPNを下降させる。これにより開封用タブ42の移動経路上であって予め定められた位置に、ピンPNが位置するようになる。その後、図21の符号8Bに示すように、ピンPNに対して開封用タブ42が接触し、蓋部材22の回転が停止される。ここで、回転部材864A、ピンPN、モータM、ソレノイドSRなどは、循環移動するベルト部材860に取り付けられている。なお上記では蓋部材22を周方向に回転させたが、容器本体21を周方向に回転させることもできる。また、容器本体21および蓋部材22の双方を周方向に回転させることもできる。
【符号の説明】
【0094】
20…容器、23…識別標記、23a…第1識別標記、23b…第2識別標記、30…陳列装置、31…載置部、33…抵抗付与部、50…容器本体、321…第1溝、322…第2溝、R1…第1領域、R2…第2領域、R3…第3領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する容器の側部に接触し当該側部に抗力を付与し当該容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、
周方向における位置が互いに異なる複数の標記が付された外周面を有した容器本体と、
前記複数の標記のうちの一の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部に接触し、当該接触部から付与される抗力を用いて前記容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、
前記容器本体の前記回転に伴い前記接触部に接触し、当該容器本体を当該接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、
前記第1の接触領域および前記第2の接触領域とは前記容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、前記複数の標記のうちの他の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、当該異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて当該容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、
前記第3の接触領域と前記異なる位置に配置された接触部との接触により生じる前記容器本体の前記回転に伴い当該異なる位置に配置された接触部に接触し、当該容器本体を当該異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、
を備える容器。
【請求項2】
前記第2の接触領域は、前記一の標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該容器の側部に位置し、
前記第4の接触領域は、前記他の標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該容器の側部に位置していることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
移動する容器の側部に接触し当該側部に抗力を付与し当該容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、
標記が付された外周面を有した容器本体と、
前記標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部に接触し、当該接触部から付与される抗力を用いて前記容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、
前記容器本体の前記回転に伴い前記接触部に接触し、当該容器本体を当該接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、
前記第1の接触領域および前記第2の接触領域とは前記容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、前記標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、当該異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて当該容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、
前記第3の接触領域と前記異なる位置に配置された接触部との接触により生じる前記容器本体の前記回転に伴い当該異なる位置に配置された接触部に接触し、当該容器本体を当該異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、
を備える容器。
【請求項4】
前記第2の接触領域および前記第4の接触領域のうちの一方の接触領域は、前記標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該容器の側部に位置し、
前記第2の接触領域および前記第4の接触領域のうちの他方の接触領域は、前記標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該標記が付されている側に位置していることを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
前記他方の接触領域は、前記標記が向く方向を向くように前記外周面に形成されていることを特徴とする請求項4記載の容器。
【請求項6】
前記第1の接触領域、前記第2の接触領域、前記第3の接触領域、および前記第4の接触領域は、前記容器本体の前記外周面に塗布される塗布材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の容器。
【請求項7】
摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、当該第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに当該外周面に標記が付された容器を陳列する陳列装置であって、
前記容器を移動させる移動手段と、
接触部材を有し、前記移動手段により移動する前記容器の前記第1の領域が当該接触部材に接触する場合に当該接触部材から当該第1の領域に抗力を与え当該容器を周方向に回転させるとともに当該回転に伴い当該接触部材に接触する前記第2の領域を当該接触部材に対して滑らせ、当該容器に付された前記標記を特定の方向に向ける回転手段と、
を備え、
前記接触部材が前記第3の領域および前記第4の領域に接触可能なように前記陳列装置における当該接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする陳列装置。
【請求項8】
前記接触部材のうちの前記容器に接触する面は、当該面の高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い当該容器の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されていることを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項9】
前記接触部材は、前記陳列装置に形成された第1の溝に嵌め込まれることで当該陳列装置に取り付けられ、
前記第1の溝とは高さ方向における異なる箇所に形成された第2の溝を更に備え、
前記接触部材の前記位置の変更は、当該接触部材を前記第2の溝に嵌め込むことで行われることを特徴とする請求項7又は8に記載の陳列装置。
【請求項10】
摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、当該第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに当該外周面に標記が付された容器を搬送する搬送装置であって、
前記容器を移動させる移動手段と、
接触部材を有し、前記移動手段により移動する前記容器の前記第1の領域が当該接触部材に接触する場合に当該接触部材から当該第1の領域に抗力を与え当該容器を周方向に回転させるとともに当該回転に伴い当該接触部材に接触する前記第2の領域を当該接触部材に対して滑らせ、当該容器に付された前記標記を特定の方向に向ける回転手段と、
を備え、
前記接触部材が前記第3の領域および前記第4の領域に接触可能なように前記搬送装置における当該接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項1】
移動する容器の側部に接触し当該側部に抗力を付与し当該容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、
周方向における位置が互いに異なる複数の標記が付された外周面を有した容器本体と、
前記複数の標記のうちの一の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部に接触し、当該接触部から付与される抗力を用いて前記容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、
前記容器本体の前記回転に伴い前記接触部に接触し、当該容器本体を当該接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、
前記第1の接触領域および前記第2の接触領域とは前記容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、前記複数の標記のうちの他の標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、当該異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて当該容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、
前記第3の接触領域と前記異なる位置に配置された接触部との接触により生じる前記容器本体の前記回転に伴い当該異なる位置に配置された接触部に接触し、当該容器本体を当該異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、
を備える容器。
【請求項2】
前記第2の接触領域は、前記一の標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該容器の側部に位置し、
前記第4の接触領域は、前記他の標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該容器の側部に位置していることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
移動する容器の側部に接触し当該側部に抗力を付与し当該容器を周方向に回転させる接触部を備えた装置に投入される容器であって、
標記が付された外周面を有した容器本体と、
前記標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部に接触し、当該接触部から付与される抗力を用いて前記容器本体を周方向に回転させる第1の接触領域と、
前記容器本体の前記回転に伴い前記接触部に接触し、当該容器本体を当該接触部に対して滑らせる第2の接触領域と、
前記第1の接触領域および前記第2の接触領域とは前記容器本体の高さ方向における異なる箇所に形成され、前記標記が予め定められた特定の方向を向いていない場合に前記接触部の配置位置とは異なる位置に配置された接触部に接触し、当該異なる位置に配置された接触部から付与される抗力を用いて当該容器本体を周方向に回転させる第3の接触領域と、
前記第3の接触領域と前記異なる位置に配置された接触部との接触により生じる前記容器本体の前記回転に伴い当該異なる位置に配置された接触部に接触し、当該容器本体を当該異なる位置に配置された接触部に対して滑らせる第4の接触領域と、
を備える容器。
【請求項4】
前記第2の接触領域および前記第4の接触領域のうちの一方の接触領域は、前記標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該容器の側部に位置し、
前記第2の接触領域および前記第4の接触領域のうちの他方の接触領域は、前記標記が付されている側から前記容器を眺めた場合に当該標記が付されている側に位置していることを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
前記他方の接触領域は、前記標記が向く方向を向くように前記外周面に形成されていることを特徴とする請求項4記載の容器。
【請求項6】
前記第1の接触領域、前記第2の接触領域、前記第3の接触領域、および前記第4の接触領域は、前記容器本体の前記外周面に塗布される塗布材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の容器。
【請求項7】
摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、当該第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに当該外周面に標記が付された容器を陳列する陳列装置であって、
前記容器を移動させる移動手段と、
接触部材を有し、前記移動手段により移動する前記容器の前記第1の領域が当該接触部材に接触する場合に当該接触部材から当該第1の領域に抗力を与え当該容器を周方向に回転させるとともに当該回転に伴い当該接触部材に接触する前記第2の領域を当該接触部材に対して滑らせ、当該容器に付された前記標記を特定の方向に向ける回転手段と、
を備え、
前記接触部材が前記第3の領域および前記第4の領域に接触可能なように前記陳列装置における当該接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする陳列装置。
【請求項8】
前記接触部材のうちの前記容器に接触する面は、当該面の高さ方向における中央部から上方に向かうに従いおよび下方に向かうに従い当該容器の移動経路から離れるように曲率を有した状態で形成されていることを特徴とする請求項7記載の陳列装置。
【請求項9】
前記接触部材は、前記陳列装置に形成された第1の溝に嵌め込まれることで当該陳列装置に取り付けられ、
前記第1の溝とは高さ方向における異なる箇所に形成された第2の溝を更に備え、
前記接触部材の前記位置の変更は、当該接触部材を前記第2の溝に嵌め込むことで行われることを特徴とする請求項7又は8に記載の陳列装置。
【請求項10】
摩擦係数が互いに異なる第1の領域および第2の領域、および、当該第1の領域および第2の領域とは高さ方向における異なる箇所に配置され摩擦係数が互いに異なる第3の領域および第4の領域を外周面に有するとともに当該外周面に標記が付された容器を搬送する搬送装置であって、
前記容器を移動させる移動手段と、
接触部材を有し、前記移動手段により移動する前記容器の前記第1の領域が当該接触部材に接触する場合に当該接触部材から当該第1の領域に抗力を与え当該容器を周方向に回転させるとともに当該回転に伴い当該接触部材に接触する前記第2の領域を当該接触部材に対して滑らせ、当該容器に付された前記標記を特定の方向に向ける回転手段と、
を備え、
前記接触部材が前記第3の領域および前記第4の領域に接触可能なように前記搬送装置における当該接触部材の位置が変更可能に設けられていることを特徴とする搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−230812(P2011−230812A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104586(P2010−104586)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000186854)昭和アルミニウム缶株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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