説明

容器の保持具及びその組立方法

【課題】製造コストを低減すると共に容器を安定的に保持し得る容器の保持具及びその組立方法を提供する。
【解決手段】容器の底部を載置する底面部2と、容器の一側で容器の上方まで延在する第一の外側部3と、容器の他側で容器の上方まで延在する第二の外側部4とを備えると共に、容器の上方位置を支持する上部支持構造5と、容器の下方位置を支持する下部支持構造7,13,17とを形成し、底面部2、第一の外側部3、第二の外側部4、上部支持構造5、下部支持構造7,13,17を一枚の素材シートから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワインや日本酒のビン等の容器を保持し得る容器の保持具及びその組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビンに入ったワインや日本酒等を購入した際には、ビンごと袋に入れて持ち運ぶか、ビンの胴部に緩衝材を巻き、この状態で袋に入れて持ち運ぶようにしている。
【0003】
又、ビンに入ったワインや日本酒の中には、贈答用に包装するためにビンを箱状の段ボールに入れたものや、保護性を高めるためにビンを特殊な収納体に入れたものがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−177779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ビン等の容器を入れる箱状の段ボールや収納体は、複数の部材から構成されるため、製造コストが増加すると共に組立が困難であるという問題があった。又、ビン等の容器を単純に袋に入れて保持した場合には、容器の保持に安定性がなく、容器を好適に保持することができないという問題があった。更に、ビン等の容器の胴部に緩衝材を巻いた場合には、容器の首部の保護が十分でないため、容器を適切に保護できないという問題があった。更に又、ビン等の容器の表面には内容物の情報を記載したラベルが貼付されるため、容器を箱状の段ボールや収納体に入れた場合には、ラベルが完全に見えなくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑み、製造コストを低減すると共に容器を安定的に保持し得る容器の保持具及びその組立方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は、容器の底部を載置する底面部と、容器の一側で容器の上方まで延在する第一の外側部と、容器の他側で容器の上方まで延在する第二の外側部とを備えると共に、容器の上方位置を支持する上部支持構造と、容器の下方位置を支持する下部支持構造とを形成し、底面部、第一の外側部、第二の外側部、上部支持構造、下部支持構造を一枚の素材シートから構成したことを特徴とする容器の保持具、にかかるものである。
【0007】
本発明の請求項2は、容器の底部を載置する底面部と、容器の側方で容器の上方まで延在する外側部とを備えると共に、容器の上方位置を支持する上部支持構造と、容器の下方位置を支持する下部支持構造とを形成し、底面部、外側部、上部支持構造、下部支持構造を一枚の素材シートから構成したことを特徴とする容器の保持具、にかかるものである。
【0008】
本発明の請求項3に示す如く、下部支持構造は、容器の下部周囲を支持するよう外周帯で形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の容器の保持具、にかかるものである。
【0009】
本発明の請求項4に示す如く、下部支持構造は、容器の下部周囲を支持するよう外側部の係止孔で形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器の保持具、にかかるものである。
【0010】
本発明の請求項5に示す如く、上部支持構造は、容器の首部に通して支持するよう挿入孔を備えた内側部で形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の容器の保持具、にかかるものである。
【0011】
本発明の請求項6に示す如く、外側部と上部支持構造を容器の上方で連結して把持孔を形成する把持構造を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器の保持具、にかかるものである。
【0012】
本発明の請求項7に示す如く、複数の容器を保持し得るよう、底面部、上部支持構造、下部支持構造を構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器の保持具、にかかるものである。
【0013】
本発明の請求項8に示す如く、容器の底部を載置する底面部と、底面部の一側から延在する第一の外側部と、第一の外側部から延在する第二の外側部と、底面部の他側から延在し且つ挿入孔を形成した内側部とを備えた容器の保持具の組立方法であって、内側部の挿入孔に容器の首部を挿入して底面部と内側部を折ることにより容器を底面部に載置し、底面部と第一の外側部を折ると共に第一の外側部と第二の外側部を折ることにより第一の外側部と第二の外側部で容器及び内側部を挟み込むよう配置することを特徴とする容器の保持具の組立方法、にかかるものである。
【0014】
本発明の請求項9に示す如く、容器の下部周囲を支持する外周帯を備え、容器を底面部に載置する前もしくは容器を載置した後に外周帯を組み立てることを特徴とする請求項8記載の容器の保持具の組立方法、にかかるものである。
【0015】
このように、本発明の請求項1の容器の保持具によれば、底面部、第一の外側部、第二の外側部、上部支持構造、下部支持構造を一枚の素材シートから構成するので、製造コストを低減することができる。又、容器を上部支持構造及び下部支持構造で支持するので、容器を安定的に保持することができる。更に、容器の両側で容器の上方まで延在する第一の外側部及び第二の外側部を備えるので、容器を適切に保護することができる。更に又、第一の外側部、第二の外側部、上部支持構造、下部支持構造の間から容器を露出させるので、容器のラベルを見せるよう包装することができる。
【0016】
本発明の請求項2の容器の保持具によれば、底面部、外側部、上部支持構造、下部支持構造を一枚の素材シートから構成するので、製造コストを低減することができる。又、容器を上部支持構造及び下部支持構造で支持するので、容器を安定的に保持することができる。更に、容器の両側で容器の上方まで延在する外側部を備えるので、容器を適切に保護することができる。更に又、外側部、上部支持構造、下部支持構造の間から容器を露出させるので、容器のラベルを見せるよう包装することができる。
【0017】
本発明の請求項3に示す如く、下部支持構造は、容器の下部周囲を支持するよう外周帯で形成されると、容器の下部周囲を外周帯により好適に支持するので、容器を十分に且つ安定的に保持することができる。
【0018】
本発明の請求項4に示す如く、下部支持構造は、容器の下部周囲を支持するよう外側部の係止孔で形成されると、容器の下部周囲を係止孔により好適に支持するので、容器を安定的に保持することができる。
【0019】
本発明の請求項5に示す如く、上部支持構造は、容器の首部に通して支持するよう挿入孔を備えた内側部で形成されると、容器の上部を内側部の挿入孔で支持するので、容器を十分に且つ安定的に保持することができる。
【0020】
本発明の請求項6に示す如く、外側部と上部支持構造を容器の上方で連結して把持孔を形成する把持構造を備えると、容器を容易に保持すると共に容器を十分に保護することができる。
【0021】
本発明の請求項7に示す如く、複数の容器を保持し得るよう、底面部、上部支持構造、下部支持構造を構成すると、複数の容器を十分に且つ安定的に保持することができる。
【0022】
本発明の請求項8によれば、底面部、第一の外側部、第二の外側部、内側部を夫々折って組み立てるので、製造コストを低減すると共に組立構成を単純にすることができる。又、容器の上部を内側部の挿入孔で支持するので、容器を安定的に保持することができる。更に、容器の両側で容器の上方まで延在する第一の外側部及び第二の外側部を備えて組み立てるので、容器の首部までを十分に保護して組み立てることができる。
【0023】
本発明の請求項9に示す如く、容器の下部周囲を支持する外周帯を備え、容器を底面部に載置する前もしくは容器を載置した後に外周帯を組み立てると、容器の下部を外周帯で支持するので、容器を安定的に保持して組み立てることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、製造コストを低減すると共に容器を安定的に保持することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態の第一例を図面に基いて説明する。
【0026】
図1〜図6は、本発明の容器の保持具及びその組立方法を実施する形態の第一例である。
【0027】
第一例の容器の保持具1は、所定の大きさの底面部2と、底面部2の一側から延在して容器Bの底部から上方までの長さを形成する第一の外側部3と、第一の外側部3の反底面部側から延在して容器Bの中途位置から上方までの長さを形成する第二の外側部4と、底面部2の他側から延在して所定長さを形成する上部支持構造の内側部5と、容器Bの下部周囲に対応する下部支持構造とを備えている。
【0028】
又、容器Bの保持具1は、底面部2、第一の外側部3、第二の外側部4、上部支持構造の内側部5、下部支持構造が一枚の素材シートから構成されるよう、素材シートの打抜加工等により成形されている。ここで、素材シートの材質は、紙や、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料であり、容器Bの荷重に耐え得るならば特に限定されるものではないが、透明なプラスチック材料や、デザインや文字を表記し得る材料が好ましい。
【0029】
一方、第一の外側部3は、底面部2との境界線6(底面部2の一側)を折曲可能に構成し、底面部2に隣接する位置には、容器Bの底部側面に係合するよう、所定の形状で切り取られた第一の切込部7(下部支持構造)を形成すると共に、第二の外側部4に隣接する位置には、第一の把持孔8(把持構造)を形成している。
【0030】
第二の外側部4は、第一の外側部3との境界線9(反底面部側)を折曲可能に構成し、第一の外側部3に隣接する位置には、第一の把持孔8に対応するよう第一の把持孔8と略同形で折返可能な連結蓋10(把持構造)を切込により形成している。又、第二の外側部4の先端近傍には、差込用の突起片11を切込により形成している。ここで、第二の外側部4の先端は、図1に示す如く、剣先状に形成されているが、他の形状でも良い。
【0031】
上部支持構造の内側部5は、底面部2との境界線12(底面部2の他側)を折曲可能に構成し、底面部2に隣接する位置には、第一の切込部7に対応して容器Bの底部側面に係合するよう、所定の形状で切り取られた第二の切込部13(下部支持構造)を形成している。又、上部支持構造の内側部5の先端近傍には、第一の把持孔8と略同形の第二の把持孔14(把持構造)を形成し、第二の切込部13と第二の把持孔の間には、第二の外側部4の突起片11に対応する差込用の切込15を形成している。更に、上部支持構造の内側部5の略中央には、第二の把持孔14と差込用の切込15との間に位置するよう、容器Bの首部に対応する楕円の挿入孔16を形成している。
【0032】
下部支持構造は、第一の切込部7及び第二の切込部13を備えると共に、底面部2の両側に所定長さの外周帯17を、境界線18を介して折曲可能に夫々形成しており、外周帯17の両端部には、差込用の切込19及び突起片20を形成し、対応する切込19及び突起片20を結合することにより容器Bの底部周囲を直接囲むようにしている。ここで、下部支持構造は、図4、図5に示す如く、他の例として、第一の切込部7及び第二の切込部13を無くし、第一の外側部3、内側部5に夫々差込用の切込19aを形成し且つ外周帯17の両端部に切込19aに対応する突起片20aを形成して、容器Bの底部周囲と共に第一の外側部3、内側部5を囲むようにしても良い。又、図6、図7に示す如く、更に他の例として、第一の切込部7及び第二の切込部13を無くし、外周帯17の両端部に差込用の切込19b及び突起片20bを形成して、容器Bの底部周囲と共に第一の外側部3、内側部5を囲むようにしても良い。更に、図8、図9に示す如く、別の例として、第一の切込部7及び第二の切込部13を無くし、外周帯17の両端部に差込用の切込19c及び突起片20cを形成して、容器Bの底部周囲を直接囲むようにしても良い。更に又、図10、図11に示す如く、更に別の例として、外周帯17を無くして、第一の切込部7及び第二の切込部13のみにしても良い。又、外周帯17は、底面部2の両側に形成する代わりに、いずれか一方で容器Bの底部周囲を周回し得るよう、外周帯17を、長い一本の帯で形成しても良い。
【0033】
ここで、容器Bは、ワイン、日本酒、ビール、ジュース等を入れるビンに限定されるものでなく、首部と胴部を有するならば、アルミニウムやスチール等の金属、ポリエチレンテレタレート等の樹脂、紙、陶器の如く、どのような材質でも良い。
【0034】
以下、本発明を実施する形態の第一例の作用を説明する。
【0035】
第一例の容器Bの保持具1を組み立てる際には、下部支持構造の外周帯17の切込19と突起片20を結合して環状の容器Bの載置場所を形成し、上方支持構造の内側部5の挿入孔16に容器Bの首部を挿入して係止し、底面部2と内側部5の境界線12を折ることにより容器Bを底面部2及び環状の載置場所に配置し、底面部2と第一の外側部3の境界線6を折ると共に第一の外側部3と第二の外側部4の境界線9を折ることにより第一の外側部3と第二の外側部4で容器B及び内側部5を挟み込むよう配置し、内側部5の切込15に第二の外側部4の突起片11を差し込んで内側部5と第二の外側部4を締結し、把持構造の連結蓋10を第二の把持孔14及び第一の把持孔8に通して折り返すことにより、容器Bの上方で内側部5、第一の外側部3、第二の外側部4を連結して把持部分を構成し、容器Bを保持可能にする。
【0036】
ここで、下部支持構造を組み立てる順序は、容器Bを底面部2に載置した後に組み立てても良く、特に制限されるものではない。又、外周帯17が、他の例等の如く、第一の外側部3、内側部5を囲む構成の場合には、容器Bの両側に第一の外側部3と内側部5を配置した後に下部支持構造を組み立てることが好ましい。
【0037】
このように、第一例の容器Bの保持具1によれば、底面部2、第一の外側部3、第二の外側部4、上部支持構造、下部支持構造を一枚の素材シートから構成するので、製造コストを低減することができる。又、保持具1を組み立てる前には、一枚の素材シートで構成されるので、多くの保持具1を重ねて保存することができる。更に、容器Bを上部支持構造及び下部支持構造により上下で支持するので、容器Bを安定的に保持することができる。更に又、容器Bの両側で、容器Bの底部から上方まで延在する第一の外側部3と、容器Bの中途位置から上方まで延在する第二の外側部4を備えるので、容器Bの底部から首部までを適切に保護することができる。又、第一の外側部3、第二の外側部4、上部支持構造、下部支持構造の間から容器Bを露出させるので、容器Bのラベルを見せるよう包装することができる。更に、素材シートを透明な素材にした場合には、特に、第一の外側部3、第二の外側部4、上部支持構造、下部支持構造に影響を受けることなく、容器Bのラベルを見せるよう包装することができる。更に又、第一の外側部3、第二の外側部4等にデザインや文字を表したものならば全体の美観を向上させることができる。
【0038】
下部支持構造は、容器Bの底部周囲を支持するよう外周帯17で形成されると、容器Bの底部周囲を外周帯17により好適に支持するので、容器Bを十分に且つ安定的に保持することができる。又、第一例の下部支持構造において、外周帯17の外方に第一の外側部3、内側部5を備える場合には、外周帯17を第一の外側部3、内側部5により押え付けるので、外周帯17の切込19及び突起片20を好適に固定することができる。更に、第一例の下部支持構造において、外周帯17が、他の例等の如く、第一の外側部3、内側部5を囲む構成の場合には、容器Bの底部周囲の固定状態を容易に認識することができる。
【0039】
下部支持構造は、容器Bの底部周囲の側部を支持するよう外側部の係止孔で形成されると、容器Bの底部周囲の側部を係止孔により好適に支持するので、容器Bを安定的に保持することができる。特に第一例の如く、外周帯17を併用した場合には、容器Bを一層安定的に保持することができる。又、別の例の下部支持構造の如く、外周帯17を無くして、第一の切込部7及び第二の切込部13のみにした場合には、製造コストを大幅に低減することができる。
【0040】
上部支持構造は、容器Bの首部に通して支持するよう挿入孔16を備えた内側部5で形成されると、容器Bの上部を内側部5の挿入孔16で支持するので、容器Bを十分に且つ安定的に保持することができる。
【0041】
第一の外側部3、第二の外側部4と上部支持構造の内側部5を容器Bの上方で連結して把持孔を形成する把持構造を備えると、容器Bを容易に保持すると共に容器Bを底部から首部までを十分に保護することができる。
【0042】
第一例の保持具の組立方法によれば、底面部2、第一の外側部3、第二の外側部4、内側部5を夫々折って組み立てるので、製造コストを低減すると共に組立構成を単純にすることができる。又、容器Bの上部を内側部5の挿入孔16で支持するので、容器Bを安定的に保持することができる。更に、容器Bの両側で容器Bの上方まで延在する第一の外側部3及び第二の外側部4を備えて組み立てるので、容器Bの首部までを十分に保護して組み立てることができる。
【0043】
容器Bの底部周囲を支持する外周帯17を備え、容器Bを底面部2に載置する前もしくは容器Bを載置した後に外周帯17を組み立てると、容器Bの下部を外周帯17で支持するので、容器Bを安定的に保持して組み立てることができる。
【0044】
以下、本発明の実施の形態の第二例を図面に基いて説明する。
【0045】
図12、図13は、本発明の容器の保持具及びその組立方法を実施する形態の第二例である。
【0046】
第二例の容器Bの保持具21は、複数の容器B(図12、図13では2本)を載置し得る所定の大きさの底面部22と、底面部22の一側から延在して容器Bの底部から上方までの長さを形成する第一の外側部23と、第一の外側部23の反底面部側から延在して容器Bの中途位置から上方までの長さを形成する第二の外側部24と、底面部22の他側から延在して所定長さを形成する上部支持構造の内側部25と、容器Bの底部周囲に対応する下部支持構造とを備えている。
【0047】
又、容器Bの保持具21は、底面部22、第一の外側部23、第二の外側部24、上部支持構造、下部支持構造が一枚の素材シートから構成されるよう、素材シートの打抜加工等により成形されている。ここで、素材シートの材質は、第一例と略同様の素材で構成されている。
【0048】
一方、第一の外側部23は、底面部22との境界線26(底面部22の一側)を折曲可能に構成し、底面部22に隣接する位置には、二本の容器Bの底部側面に係合するよう、所定の形状で切り取られた二つの第一の切込部27(下部支持構造)を形成すると共に、第二の外側部24に隣接する位置には、第一の把持孔28(把持構造)を形成している。
【0049】
第二の外側部24は、第一の外側部23との境界線29(反底面部側)を折曲可能に構成し、第一の外側部23に隣接する位置には、第一の把持孔28に対応するよう第一の把持孔28と略同形で折返可能な連結蓋30(把持構造)を切込により形成している。又、第二の外側部24の先端近傍には、差込用の突起片31を切込により形成している。
【0050】
上部支持構造の内側部25は、底面部22との境界線32(底面部22の他側)を折曲可能に構成し、底面部22に隣接する位置には、第一の切込部27に対応して容器Bの底部側面に係合するよう、所定の形状で切り取られた第二の切込部33(下部支持構造)を形成している。又、上部支持構造の内側部25の先端近傍には、第一の把持孔28と略同形の第二の把持孔34(把持構造)を形成し、第二の切込部33と第二の把持孔34の間には、第二の外側部24の突起片31に対応する差込用の切込35を形成している。更に、上部支持構造の内側部25の略中央には、第二の把持孔34と差込用の切込35との間に位置するよう、二本の容器Bの首部に対応する二つの楕円の挿入孔36を形成している。
【0051】
下部支持構造は、第一の切込部27及び第二の切込部33を備えると共に、底面部22の両側に所定長さの外周帯37を、境界線38を介して折曲可能に夫々形成しており、外周帯37の両端部には、差込用の切込39及び突起片40を形成し、対応する切込39及び突起片40を結合することにより容器Bの底部周囲を直接囲むようにしている。又、下部支持構造は、第一例と略同様に図4〜図11に示す如く、他の構成にしても良い。
【0052】
ここで、容器Bは、第一例と略同様に、ワイン、日本酒、ビール、ジュース等を入れるビンに限定されるものでなく、首部と胴部を有するならば、アルミニウムやスチール等の金属、ポリエチレンテレタレート等の樹脂、紙、陶器の如く、どのような材質でも良い。
【0053】
以下、本発明を実施する形態の第二例の作用を説明する。
【0054】
第二例の容器Bの保持具21を組み立てる際には、下部支持構造の外周帯37の切込39と突起片40を結合して楕円状の二本の容器Bの載置場所を形成し、上方支持構造の内側部25の挿入孔36に夫々二本の容器Bの首部を挿入して係止し、底面部22と内側部25の境界線32を折ることにより二本の容器Bを底面部22及び環状の載置場所に配置し、底面部22と第一の外側部23の境界線26を折ると共に第一の外側部23と第二の外側部24の境界線29を折ることにより第一の外側部23と第二の外側部24で二本の容器B及び内側部25を挟み込むよう配置し、内側部25の切込35に第二の外側部24の突起片31を差し込んで内側部25と第二の外側部24を締結し、把持構造の連結蓋30を第二の把持孔34及び第一の把持孔28に通して折り返すことにより、容器Bの上方で内側部25、第一の外側部23、第二の外側部24を連結して把持部分を構成し、容器Bを保持可能にする。
【0055】
ここで、下部支持構造を組み立てる順序は、第一例と略同様に、二本の容器Bを底面部22に載置した後に組み立てても良く、特に制限されるものではない。
【0056】
このように、第二例の容器Bの保持具21によれば、第一例と略同様な作用効果を得ることができる。又、第二例の如く、複数本の容器Bを保持し得るよう、底面部22、上部支持構造、下部支持構造を構成すると、複数本の容器Bを十分に且つ安定的に保持することができる。
【0057】
以下、本発明の実施の形態の第三例を図面に基いて説明する。
【0058】
図14は、本発明の容器の保持具及びその組立方法を実施する形態の第三例である。
【0059】
第三例の容器Bの保持具41は、所定の大きさの底面部42と、底面部42の一側から延在して容器Bの底部から上方までの長さを形成する外側部43と、底面部42の他側から延在して所定長さを形成する上部支持構造の内側部44と、容器Bの底部周囲に対応する下部支持構造とを備えている。
【0060】
又、容器Bの保持具41は、底面部42、外側部43、上部支持構造の内側部44、下部支持構造が一枚の素材シートから構成されるよう、素材シートの打抜加工等により成形されている。ここで、素材シートの材質は、第一例と略同様の素材で構成されている。
【0061】
一方、第一の外側部43は、底面部42との境界線45(底面部42の一側)を折曲可能に構成し、底面部42に隣接する位置には、容器Bの底部側面に係合するよう、所定の形状で切り取られた第一の切込部46(下部支持構造)を形成すると共に、先端近傍には把持孔47(把持構造)を形成している。
【0062】
上部支持構造の内側部44は、底面部42との境界線48(底面部42の他側)を折曲可能に構成し、底面部42に隣接する位置には、第一の切込部46に対応して容器Bの底部側面に係合するよう、所定の形状で切り取られた第二の切込部49(下部支持構造)を形成している。又、上部支持構造の内側部44の先端近傍には、把持孔47に対応するよう把持孔47と略同形で折返可能な連結蓋50(把持構造)を切込により形成し、上部支持構造の内側部44の略中央には、連結蓋50と第二の切込部49との間に位置するよう、容器Bの首部に対応する楕円の挿入孔51を形成している。
【0063】
下部支持構造は、第一の切込部46及び第二の切込部49を備えると共に、底面部42の両側に所定長さの外周帯52を、境界線53を介して折曲可能に夫々形成しており、外周帯52の両端部には、差込用の切込54及び突起片55を形成し、対応する切込54及び突起片55を結合することにより容器Bの底部周囲を直接囲むようにしている。又、下部支持構造は、第一例と略同様に図4〜図11に示す如く、他の構成にしても良い。
【0064】
ここで、容器Bは、第一例と略同様に、ワイン、日本酒、ビール、ジュース等を入れるビンに限定されるものでなく、首部と胴部を有するならば、アルミニウムやスチール等の金属、ポリエチレンテレタレート等の樹脂、紙、陶器の如く、どのような材質でも良い。
【0065】
以下、本発明を実施する形態の第三例の作用を説明する。
【0066】
第三例の容器Bの保持具41を組み立てる際には、下部支持構造の外周帯52の切込54と突起片55を結合して環状の容器Bの載置場所を形成し、上方支持構造の内側部44の挿入孔51に容器Bの首部を挿入して係止し、底面部42と内側部44の境界線48を折ることにより容器Bを底面部42及び環状の載置場所に載置し、底面部42と外側部43の境界線45を折ることにより外側部43を容器Bの側部に隣接配置し、把持構造の連結蓋50を把持孔47に通して折り返すことにより、容器Bの上方で内側部44、外側部43を連結して把持部分を構成し、容器Bを保持可能にする。
【0067】
ここで、下部支持構造を組み立てる順序は、容器Bを底面部42に載置した後に組み立てても良く、特に制限されるものではない。
【0068】
このように、第三例の容器Bの保持具41によれば、底面部42、外側部43、上部支持構造の内側部44、下部支持構造を一枚の素材シートから構成するので、製造コストを低減することができる。又、保持具41を組み立てる前には、一枚の素材シートで構成されるので、多くの保持具41を重ねて保存することができる。更に、容器Bを上部支持構造及び下部支持構造により上下で支持するので、容器Bを安定的に保持することができる。更に又、容器Bの一側で、容器Bの底部から上方まで延在する外側部43を備えるので、容器Bの底部から首部までを適切に保護することができる。又、外側部43、上部支持構造の内側部44、下部支持構造の間から容器Bを露出させるので、容器Bのラベルを見せるよう包装することができる。更に、素材シートを透明な素材にした場合には、特に、外側部43、上部支持構造の内側部44、下部支持構造に影響を受けることなく、容器Bのラベルを見せるよう包装することができる。更に又、外側部43、上部支持構造の内側部44等にデザインや文字を表したものならば全体の美観を向上させることができる。
【0069】
又、第三例の容器Bの保持具41によれば、第一例と略同様な作用効果を得ることができる。
【0070】
以下、本発明の実施の形態の第四例を図面に基いて説明する。
【0071】
図15は、本発明の容器の保持具及びその組立方法を実施する形態の第四例である。
【0072】
第四例の容器Bの保持具61は、複数の容器B(図15では2本)を載置し得る所定の大きさの底面部62と、底面部62の一側から延在して容器Bの底部から上方までの長さを形成する外側部63と、底面部62の他側から延在して所定長さを形成する上部支持構造の内側部64と、容器Bの底部周囲に対応する下部支持構造とを備えている。
【0073】
又、容器Bの保持具61は、底面部62、外側部63、上部支持構造の内側部64、下部支持構造が一枚の素材シートから構成されるよう、素材シートの打抜加工等により成形されている。ここで、素材シートの材質は、第一例と略同様の素材で構成されている。
【0074】
一方、外側部63は、底面部62との境界線65(底面部62の一側)を折曲可能に構成し、底面部62に隣接する位置には、所定の形状で切り取られた二つの第一の切込部66(下部支持構造)を形成すると共に、先端近傍には把持孔67(把持構造)を形成している。
【0075】
上部支持構造の内側部64は、底面部62との境界線68(底面部62の他側)を折曲可能に構成し、底面部62に隣接する位置には、第一の切込部66に対応するよう所定の形状で切り取られた第二の切込部69(下部支持構造)を形成している。又、上部支持構造の内側部64の先端近傍には、把持孔67に対応するよう把持孔67と略同形で折返可能な連結蓋70(把持構造)を切込により形成し、上部支持構造の内側部64の略中央には、連結蓋70と第二の切込部69との間に位置するよう、二本の容器Bの首部に対応する二つの楕円の挿入孔71を形成している。
【0076】
下部支持構造は、第一の切込部66及び第二の切込部69を備えると共に、底面部62の両側に所定長さの外周帯72を、境界線73を介して折曲可能に夫々形成しており、外周帯72の両端部には、差込用の切込74及び突起片75を形成し、対応する切込74及び突起片75を結合することにより容器Bの底部周囲を直接囲むようにしている。又、下部支持構造は、第一例と略同様に図4〜図11に示す如く、他の構成にしても良い。
【0077】
ここで、容器Bは、第一例と略同様に、ワイン、日本酒、ビール、ジュース等を入れるビンに限定されるものでなく、首部と胴部を有するならば、アルミニウムやスチール等の金属、ポリエチレンテレタレート等の樹脂、紙、陶器の如く、どのような材質でも良い。
【0078】
以下、本発明を実施する形態の第四例の作用を説明する。
【0079】
第四例の容器Bの保持具61を組み立てる際には、下部支持構造の外周帯72の切込74と突起片75を結合して楕円状の二本の容器Bの載置場所を形成し、上方支持構造の内側部64の挿入孔71に夫々二本の容器Bの首部を挿入して係止し、底面部62と内側部64の境界線68を折ることにより二本の容器Bを底面部62及び楕円状の載置場所に配置し、底面部62と外側部63の境界線65を折ることにより外側部63を容器Bの側部に隣接配置し、把持構造の連結蓋70を把持孔67に通して折り返すことにより、容器Bの上方で内側部64、外側部63を連結して把持部分を構成し、容器Bを保持可能にする。
【0080】
ここで、下部支持構造を組み立てる順序は、第三例と略同様に、二本の容器Bを底面部62に載置した後に組み立てても良く、特に制限されるものではない。
【0081】
このように、第四例の容器Bの保持具61によれば、第二例及び第三例と略同様な作用効果を得ることができる。
【0082】
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、小型の容器や大型の容器に合わせて大きさを変更してもよいこと、第一例及び第二例において底面部、第一の外側部、第二の外側部、上部支持構造、下部支持構造は一枚の素材シートを折って構成されるならば他の形状でも良いこと、第三例及び第四例において底面部、外側部、上部支持構造、下部支持構造も一枚の素材シートを折って構成されるならば他の形状でも良いこと、上部支持構造及び下部支持構造は容器を安定的に保持し得るならば他の構成でも良いこと、特に上部支持構造を下部支持構造と略同様に外周帯を構成しても良いこと、外周帯を第一の外側部及び内側部へ結合する際にはシール等を用いても良いこと、第二例及び第四例において複数の容器を保持する構成の場合には三本以上の容器を保持するようにしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態の第一例を一枚の素材シートで示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態の第一例を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態の第一例を組み立てた状態を示す概略断面図である。
【図4】下部支持構造の他の例を示す平面図である。
【図5】下部支持構造の他の例の組立状態を示す概略図である。
【図6】下部支持構造の更に他の例を示す平面図である。
【図7】下部支持構造の更に他の例の組立状態を示す概略図である。
【図8】下部支持構造の別の例を示す平面図である。
【図9】下部支持構造の別の例の組立状態を示す概略図である。
【図10】下部支持構造の更に別の例を示す平面図である。
【図11】下部支持構造の更に別の例の組立状態を示す概略図である。
【図12】本発明の実施の形態の第二例を一枚の素材シートで示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態の第二例を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態の第三例を一枚の素材シートで示す平面図である。
【図15】本発明の実施の形態の第四例を一枚の素材シートで示す平面図である。
【符号の説明】
【0084】
2 底面部
3 第一の外側部
4 第二の外側部
5 内側部(上部支持構造)
7 第一の切込部(下部支持構造)
8 第一の把持孔(把持構造)
10 連結蓋(把持構造)
13 第二の切込部(下部支持構造)
14 第二の把持孔(把持構造)
16 挿入孔
17 外周帯(下部支持構造)
21 保持具
22 底面部
23 第一の外側部
24 第二の外側部
25 内側部(上部支持構造)
27 第一の切込部(下部支持構造)
28 把持孔(把持構造)
30 連結蓋(把持構造)
33 第二の切込部(下部支持構造)
34 第二の把持孔(把持構造)
36 挿入孔
37 外周帯(下部支持構造)
41 保持具
42 底面部
43 外側部
44 内側部(上部支持構造)
46 第一の切込部(下部支持構造)
47 把持孔(把持構造)
49 第二の切込部(下部支持構造)
50 連結蓋(把持構造)
51 挿入孔
52 外周帯(下部支持構造)
62 底面部
63 外側部
64 内側部(上部支持構造)
66 第一の切込部(下部支持構造)
67 把持孔(把持構造)
69 第二の切込部(下部支持構造)
70 連結蓋(把持構造)
71 挿入孔
72 外周帯(下部支持構造)
B 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の底部を載置する底面部と、容器の一側で容器の上方まで延在する第一の外側部と、容器の他側で容器の上方まで延在する第二の外側部とを備えると共に、容器の上方位置を支持する上部支持構造と、容器の下方位置を支持する下部支持構造とを形成し、底面部、第一の外側部、第二の外側部、上部支持構造、下部支持構造を一枚の素材シートから構成したことを特徴とする容器の保持具。
【請求項2】
容器の底部を載置する底面部と、容器の側方で容器の上方まで延在する外側部とを備えると共に、容器の上方位置を支持する上部支持構造と、容器の下方位置を支持する下部支持構造とを形成し、底面部、外側部、上部支持構造、下部支持構造を一枚の素材シートから構成したことを特徴とする容器の保持具。
【請求項3】
下部支持構造は、容器の下部周囲を支持するよう外周帯で形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の容器の保持具。
【請求項4】
下部支持構造は、容器の下部周囲を支持するよう外側部の係止孔で形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器の保持具。
【請求項5】
上部支持構造は、容器の首部に通して支持するよう挿入孔を備えた内側部で形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の容器の保持具。
【請求項6】
外側部と上部支持構造を容器の上方で連結して把持孔を形成する把持構造を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器の保持具。
【請求項7】
複数の容器を保持し得るよう、底面部、上部支持構造、下部支持構造を構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の容器の保持具。
【請求項8】
容器の底部を載置する底面部と、底面部の一側から延在する第一の外側部と、第一の外側部から延在する第二の外側部と、底面部の他側から延在し且つ挿入孔を形成した内側部とを備えた容器の保持具の組立方法であって、内側部の挿入孔に容器の首部を挿入して底面部と内側部を折ることにより容器を底面部に載置し、底面部と第一の外側部を折ると共に第一の外側部と第二の外側部を折ることにより第一の外側部と第二の外側部で容器及び内側部を挟み込むよう配置することを特徴とする容器の保持具の組立方法。
【請求項9】
容器の下部周囲を支持する外周帯を備え、容器を底面部に載置する前もしくは容器を載置した後に外周帯を組み立てることを特徴とする請求項8記載の容器の保持具の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−96357(P2006−96357A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281263(P2004−281263)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(599137312)田中産業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】