説明

容器の搬送装置

【課題】容器の搬送装置において、容器の高速搬送性を確保しながら、多品種の容器に対する対応性を向上する。
【解決手段】容器1を搬送する容器搬送コンベア10を有し、容器1の上部、特にネック部を把持するとともに、容器搬送コンベア10に同期して容器移動方向に移動するグリッパ手段30を有する容器1の搬送装置100であって、グリッパ手段30は、第1と第2のチャック板43、53の各チャック爪44、54が互いに接近して形成する把持間隔を駆動ラックの制御により容器1の上部や特にネック部のサイズに適合可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器の搬送装置として、特許文献1に記載の如く、容器を搬送する容器搬送手段を有し、容器のネック部を把持するとともに、容器搬送手段に同期して容器移動方向に移動するグリッパ手段を有するものがある。容器を容器搬送手段に載せて搬送するときに、容器のネック部をグリッパ手段により把持することで、容器の揺れをなくして高速搬送できる。
【特許文献1】特開2002-337987
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の容器の搬送装置では、グリッパ手段がポケットの縁部の爪により容器のネック部を把持するものであり、容器の品種変更に際してはポケットを新たな容器のネック部の直径に応じて部品交換する必要がある。多品種の容器に対する対応性が悪い。
【0004】
本発明の課題は、容器の搬送装置において、容器の高速搬送性を確保しながら、多品種の容器に対する対応性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1、2に記載の発明は、容器を搬送する容器搬送手段を有し、容器の上部や、特に容器上部のネック部を把持するとともに、容器搬送手段に同期して容器移動方向に移動するグリッパ手段を有する容器の搬送装置であって、グリッパ手段は、容器搬送手段に同期して移動するスライド板と、スライド板の離隔する2点に枢支される左右の駆動ピニオンと、左右の駆動ピニオンのそれぞれに噛合いしてスライド板の離隔する2点に枢支される左右の従動ピニオンと、駆動ピニオンを駆動する駆動手段と、左右の各駆動ピニオンの半径上に枢支され、左右の各駆動ピニオン及びスライド板とともに平行四辺形リンクを構成する第1チャック板と、左右の各従動ピニオンの半径上に枢支され、左右の各従動ピニオン及びスライド板とともに平行四辺形リンクを構成し、第1チャック板と対向移動する第2チャック板とを有し、第1チャック板と第2チャック板は駆動手段による駆動ピニオンの駆動によって対向動作し、それらが備えるチャック爪を対向させて互いに接近離隔することにより、容器の上部、特にネック部に対する把持と把持解除を可能にし、第1と第2のチャック板の各チャック爪が互いに接近して形成する把持間隔を駆動手段の制御により容器の上部、特にネック部のサイズに適合可能にするようにしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1の搬送装置100は、ボトル等の容器1を搬送経路100Aに沿って搬送する。
【0007】
容器1は、図2に示す如く、容器1の上部において、口部のキャッピング用雄ねじ部2と肩部3の間に、溝状のネック部4を有する。
【0008】
容器搬送装置100は、図1に示す如く、搬送経路100Aに沿う前段側に例えば充填機101を、後段側に例えばキャッピング機102を設置し、充填機101の入り側を容器搬入部とし、キャッピング機102の出側を容器搬出部とする。
【0009】
容器搬送装置100は、搬送経路100Aに沿って容器1を搬送する容器搬送コンベア10(容器搬送手段)を有する。
【0010】
容器搬送コンベア10は、架台11に左右の搬送レール12を延在し、この搬送レール12上にて直列をなす複数の容器搬送プレート13を有する。架台11の側部にはサーボモータからなる搬送モータ14が固定されるとともに、モータ14の出力軸に設けたピニオン15が噛合うラック16が架台11の側部で搬送レール12に沿って往復動を可能に支持される。ラック16の長手方向に沿う複数位置には、プレート送り手段17が取着され、プレート送り手段17に設けられているピン17Aは昇降することにより、各容器搬送プレート13に設けられている係合孔13Aに着脱する。容器搬送コンベア10は、プレート送り手段17のピン17Aを各容器搬送プレート13の係合孔13Aに係合させた状態で、モータ14の正転によりラック16を前進させることで、プレート送り手段17のピン17Aを原位置から一定距離前進させ、各容器搬送プレート13を容器搬入部から充填機101へ、充填機101からキャッピング機102へ、キャッピング機102から容器搬出部へそれぞれ間欠送りする。容器搬送コンベア10は、プレート送り手段17のピン17Aを各容器搬送プレート13の係合孔13Aから離脱させた状態で、モータ14の逆転によりラック16を後退させることで、プレート送り手段17のピン17Aを原位置に復帰させるように後退させる。
【0011】
このとき、容器搬送コンベア10は、容器搬送プレート13の上に容器ホルダ20を着脱可能な状態で固定的に配置している。容器ホルダ20は、ホルダ本体21の枠材に、容器1の胴部を保持する複数片の容器保持片22を取付け、相対する容器保持片22により容器1の横断面の輪郭を挟持し、容器1を保持する。容器保持片22は、弾性板材、形状記憶板材等により構成でき、容器1の形状に応じて自由に変形し、容器1の外径に沿う湾曲状に変形した容器保持形状を得て容器1を安定的に保持する。
【0012】
これにより、容器搬送コンベア10は、各容器搬送プレート13の上の容器ホルダ20に容器1を保持し、モータ14による各容器搬送プレート13の間欠送りにより、容器ホルダ20に保持してある容器1を容器搬入部から充填機101へ、充填機101からキャッピング機102へ、キャッピング機102から容器搬出部へ順に送給する。
【0013】
容器搬送装置100は、容器1のネック部4を把持するとともに、容器搬送コンベア10に同期して容器搬送方向に移動するグリッパ手段30を有する。
【0014】
グリッパ手段30は、図2、図3に示す如く、架台11の搬送レール12に沿う位置にベース板31を固定し、ベース板31にスライドガイド32を介して複数のスライド板33を設ける。各スライド板33は前述のラック16と不図示の連結手段により連結され、プレート送り手段17のピン17Aと搬送レール12に沿う方向同期して移動する。即ち、各スライド板33は、プレート送り手段17のピン17Aが原位置から一定距離前進するのに同期して前進し、各容器プレート13と同様に、容器搬入部から充填機101へ、充填機101からキャッピング機102へ、キャッピング機102から容器搬出部へそれぞれ間欠送りされる。また、各スライド板33は、プレート送り手段17のピン17Aが原位置に復帰するように後退するのに同期して後退し、原位置に復帰する。
【0015】
グリッパ手段30は、各スライド板33の長手方向(搬送レール12に沿う方向)において離隔する2点にベアリング(例えば図2のベアリング41A)を介して枢支される左右の駆動ピニオン41、42と、左右の駆動ピニオン41、42のそれぞれに噛合いして各スライド板33の長手方向(搬送レール12に沿う方向)において離隔する2点にベアリングを介して枢支される左右の従動ピニオン51、52とを有する。グリッパ手段30は、駆動ピニオン41、42を駆動する駆動ラック(駆動手段)34を、スライド板33の上にラックガイド35を介して往復動を可能に設け、駆動ラック34をサーボモータ36(図4〜図6)により往復直線動可能にする。駆動ラック34を正方向に往動させたとき、駆動ピニオン41、42は正転し、従動ピニオン51、52は逆転するものになる。
【0016】
グリッパ手段30は、左右の各駆動ピニオン41、42の半径上につなぎ板43Aを介して枢支され(例えば図2の枢支ピンA)、左右の各駆動ピニオン41、42及びスライド板33とともに平行四辺形リンクを構成する第1のチャック板43を有する。第1のチャック板43は搬送レール12に沿う方向に延在する長手状をなし、前面の複数位置に一定間隔をなして前方に突設する突片状(又は棒状)チャック爪44を備える。グリッパ手段30は、左右の各従動ピニオン51、52の半径上につなぎ板53Aを介して枢支され(例えば図2の枢支ピンB)、左右の各従動ピニオン51、52及びスライド板33とともに平行四辺形リンクを構成する第2チャック板53を有する。第2チャック板53は搬送レール12に沿う方向に延在する長手状をなし、前面の複数位置に一定間隔をなして前方に突設する突片状(又は棒状)チャック爪54を備える。チャック爪54は、搬送レール12に沿う方向において、チャック爪44と対向移動(逆向き移動)する。
【0017】
チャック爪44、54の材質は、金属、樹脂など任意に選択可能である。チャック爪44、54の高さ方向の厚みは、好ましくは1〜8mm、特に好ましくは2〜6mmである。厚みが厚いと容器形状によっては把持すべきネックの場所が無くなることがある。逆に厚みが薄いと、チャック爪44、54自身が強度不足で変形したり、ネック部への圧力が高まることでネック部を損傷してしまうことがある。また、チャック爪44、54の容器1との接触部の断面形状は丸みを有するものとして、容器1への傷付きを防止することができる。また、容器1との接触部にゴムやウレタンなどのシートを粘着させることで、容器1への傷付きを防止したり、搬送時の容器の把持ズレを抑制することが可能となる。
【0018】
グリッパ手段30は、駆動ラック34による駆動ピニオン41、42の駆動によって第1チャック板43と第2チャック板53を対向動作させ、それらが備えるチャック爪44、54を対向させて互いに接近離隔することにより、容器1のネック部4に対する把持と把持解除を可能にする。このとき、第1チャック板43と第2チャック板53は、搬送レール12に沿う左右方向において、対向移動すると同時に、搬送レール12に直交する方向には互いに同期して移動し、それらのチャック爪44、54を容器1の搬送領域外にて相対する把持解除位置(図4)と、容器1の搬送領域内でネック部4の両側にて相対する把持作業位置(図6)とに位置付ける。図5は、図4と図6の間の把持中間位置を示す。そして、グリッパ手段30は、第1チャック板43と第2チャック板53の各チャック爪44、54が把持作業位置に位置付けられ、互いに接近して形成する把持間隔を、駆動ラック34のサーボモータの制御により、ネック部4のサイズに適合させる。
【0019】
チャック爪44、54の形状は、容器1を把持していない際には、上方向から見て、容器1と接する予定の部分に窪みを有さないことが望ましい。これは、各種サイズの容器1に適応させるためである。即ち、駆動ラック34のサーボモータの制御により、把持間隔をネック部4のサイズに適合させるため、容器サイズが異なればチャック爪44、54が容器1と接する位置が変化する。把持間隔が広い際にはチャック爪44、54の先端近くで容器1と接し、把持間隔が狭い際にはチャック爪44、54の根元に近づいた位置で容器1と接する。チャック爪44、54の特定の箇所に窪みがあると、容器1によっては全くその窪みに接することなく窪みの効果は発現しないし、中途半端な窪みと容器1との位置関係で接すれば、容器1がチャック爪44、54と平行な方向に傾く危険性もある。
【0020】
また、容器によっては、図8に示すように、ネックリング5と肩部3との間でネックリング5の真下に位置するネック部4を把持しても良い。ネック部が無い容器については、図9に示すように容器上方の胴部6を把持したり、図10に示すようにネジ部2を把持することでも同様の効果が得られる。胴部6やネジ部2を把持する際には、チャック爪44、54の厚みを増すことで、胴部6やネジ部2への損傷を回避することが可能である。その際のチャック爪44、54の高さ方向の厚みは、好ましくは5〜20mm、特に好ましくは7〜15mmである。厚みが厚いとチャック爪44、45の高さ方向中心のズレ量が大きくなり、左右不均等に把持している状態が助長されるため、容器搬送終了時に容器1が傾斜してしまうことがある。逆に厚みが薄いと胴部6やネジ部2への損傷の回避効果が低減する。
【0021】
容器搬送装置100は以下の如くに動作する。
(1)容器1が搬送経路100Aの容器搬入部において、容器搬送コンベア10の容器搬送プレート13の上の容器ホルダ20に保持される。
【0022】
同時に、容器搬入部に位置付けられているグリッパ手段30(1番目のグリッパ手段30)が上記容器1のネック部4を把持する。具体的には、駆動ラック34の往動による駆動ピニオン41、42の駆動によって第1チャック板43と第2チャック板53を対向移動し、それらが備えるチャック爪44、54を把持解除位置(図4)から把持中間位置(図5)を経て把持作業位置(図6)に位置付け、それらのチャック爪44、54により容器1のネック部4を把持する。
【0023】
(2)搬送モータ14の正転によりラック16を前進させることにより、ラック16に取着されているプレート送り手段17のピン17Aを原位置から前進させ、プレート送り手段17のピン17Aが係合孔13Aに係合している容器搬送プレート13の上の容器ホルダ20を充填機101に位置付けるように間欠送りし、同時に、ラック16に連結されているスライド板33も容器搬入部から前進し、スライド板33に駆動ピニオン41、42を介して支持されている第1チャック板43、及び従動ピニオン51、52を介して枢支されている第2チャック板53も充填機101に位置付けるように間欠送りする。これにより、容器ホルダ20に保持され、かつ第1と第2のチャック板43、53のチャック爪44、54にネック部4を把持されている容器1が、充填機101に位置付けられて一時停止し、充填機101から容器1に内容液が充填される。
【0024】
(3)駆動ラック34の複動により第1と第2のチャック板43、53を把持解除位置に復帰させ、それらのチャック爪44、54による容器1のネック部4の把持を解除する。続いて、プレート送り手段17のピン17Aを容器搬送プレート13の係合孔13Aから離脱させるとともに、搬送モータ14の逆転によりラック16を後退させ、プレート送り手段17のピン17Aを原位置に復帰させ、かつグリッパ手段30を容器搬入部に復帰させる。内容液を充填された容器1を容器ホルダ20に保持している容器搬送プレート13を充填機101に置き去りにする。
【0025】
尚、原位置に復帰したプレート送り手段17のピン17Aは、容器搬入部において新たな容器搬送プレート13の係合孔13Aに係合し、該容器搬送プレート13を上述(2)と同様に間欠送り可能にする。また、容器搬入部に復帰したグリッパ手段30は、容器搬入部において新たな容器搬送プレート13の上の容器ホルダ20に保持されている容器1のネック部4を把持し、上述(1)、(2)を同様にくり返す。
【0026】
(4)充填機101により内容液を充填された容器1については、充填機101に位置付けられている他のグリッパ手段30(2番目のグリッパ手段30)が前述(1)と同様にして該容器1のネック部4を把持する。続いて、搬送モータ14の正転によりラック16を前進させることにより、充填機101に置き去りにされていた、充填済の容器1を容器ホルダ20に保持している前述の容器搬送プレート13をキャッピング機102に位置付けるように間欠送りし、同時に、充填機101に位置付けられている他のグリッパ手段30もキャッピング機102に位置付けるように間欠送りする。これにより、充填済の容器1がキャッピング機102に位置付けられて一時停止し、キャッピング機102によりキャッピングされる。
【0027】
(5)キャッピング済容器1のネック部4を把持している他のグリッパ手段30(2番目のグリッパ手段30)を前述(3)と同様にして該容器1のネック部4の把持を解除する。続いて、プレート送り手段17のピン17Aを容器搬送プレート13の係合孔13Aから離隔させるとともに、搬送モータ14の逆転によりラック16を後退させ、プレート送り手段17のピン17Aを原位置に復帰させ、かつ他のグリッパ手段30を充填機101に復帰させる。キャッピング済の容器1を容器ホルダ20に保持している容器搬送プレート13をキャッピング機102に置き去りにする。
【0028】
(6)キャッピング機102によるキャッピング済の容器1については、キャッピング機102に位置付けられている更に他のグリッパ手段30(3番目のグリッパ手段30)が前述(1)と同様にして該容器1のネック部4を把持する。続いて、搬送モータ14の正転によりラック16を前進させることにより、キャッピング機102に置き去りにされていた、キャッピング済の容器1を容器ホルダ20に保持している前述の容器搬送プレート13を容器搬出部に位置付けるように間欠送りし、同時に、キャッピング機102に位置付けられている更に他のグリッパ手段30も容器搬出部に位置付けるように間欠送りする。これにより、キャッピング済の容器1が容器搬出部に位置付けられて一時停止した後、この容器1のネック部4に対する更に他のグリッパ手段30による把持を前述(3)と同様にして解除し、容器1を容器搬送プレート13の上の容器ホルダ20から取出して下工程へ搬出可能にする。
【0029】
尚、容器1を搬出した後の空の容器搬送プレート13及び容器ホルダ20は、搬送経路100Aの下部を通って容器搬入部に戻り、再び前述の(1)の如くに使用に供される。
【0030】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)容器1を容器搬送コンベア10により搬送するときに、容器1の上部、特にネック部4をグリッパ手段30により把持することで、容器1の揺れをなくして高速搬送できる。
【0031】
(b)容器1を容器搬送コンベア10により搬送するときに、容器1の上部、特にネック部4をグリッパ手段30により把持することで、容器1の停止時の位置精度が大幅に向上し、充填やキャッピングなど容器上部における作業性が向上する。
【0032】
(c)グリッパ手段30は、第1と第2のチャック板43、53の各チャック爪44、54が互いに接近して形成する把持間隔を駆動ラック34のサーボモータの制御によりネック部4のサイズに適合させることができる。従って、容器1の品種変更に際しては、グリッパ手段30の部品交換することなく、駆動ラック34の制御だけにより対応でき、多品種の容器1に対する対応性を向上できる。
【0033】
(d)容器搬送コンベア10が容器1を収容して搬送する容器ホルダ20を有することにより、容器ホルダ20は容器収容間隔を容器サイズに自在に適合できるものとすることにより、容器1の形状に自在に対応した容器1を搬送でき、多品種の容器1に対する対応性は良い。
【0034】
図7の容器搬送装置100は、容器搬送コンベア10が容器ホルダ20を併用せず、容器1を容器搬送プレート13に載せて搬送するようにしたものである。容器1の形状に関係なく容器1を載せて搬送でき、多品種の容器1に対する対応性は良い。
【0035】
このとき、容器搬送プレート13の容器載置面が粘着性を有するものとすることにより、容器1の底部を安定的に粘着保持できる。容器搬送プレート13の粘着性は、容器搬送プレート13の表面に粘着シートを粘着する等にて形成できる。粘着シートとしては、ゴム系樹脂やゴム系混合物が使用できる。例えば、エーテル系ポリウレタン樹脂、ポリアミド系樹脂、スチレン−エチレン系樹脂、ブチレン−スチレン系樹脂、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体とナフテン系の混合物などが採用でき、常温粘着性を有する溶液タイプ、エマルジョンタイプ、ホットメルトタイプの粘着材や、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、シリコーン系の粘着材も採用できる。また、複数個の吸盤を容器搬送プレート13に備えることでも可能となる。
【0036】
また、容器搬送プレート13の容器載置面が高摩擦性を有するものとすることができ、容器1の底部を滑らせることなく安定的に保持できる。容器搬送プレート13の高摩擦性は、容器搬送プレート13の表面を粗面にしたり、容器搬送プレート13に高摩擦性のウレタンシートやゴムシートなどを粘着させたり、また、容器搬送プレート13にスポンジや軟質ゴムなどの柔軟性の高い素材を粘着させ、容器下部を自重で僅かに埋没させなどの方法でも形成できる。
【0037】
以上の実施例にあっては、1回の搬送距離が容器搬送プレート1枚分についての搬送例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、搬送距離を容器搬送プレート複数枚数分としても良い。尚、その際には、充填やキャッピングなどの処理ヘッド数も、搬送分の容器搬送プレート13上における容器1の個数分が必要となる。
【0038】
また、以上の実施例にあっては、充填、キャッピングといった容器1への操作について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の操作として、容器クリーニング、容器方向合わせ、ラベル貼り、容器内異物検査、外観検査などの作業も含めて適宜選択される。
【0039】
また、以上の実施例にあっては、充填機101とキャッピング機102を隣接させた例について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、充填機101とキャッピング機102といった容器1への操作を行なう機器間に、搬送距離分の、容器への操作を行なわないスペースを設けても良い。ライン長は長くなるが、隣接する機器間が機器のサイズ面から干渉する際に有効であり、また機器のメンテナンス性も向上する。更に、トラブル時に容器1を人手で出し入れするなどの作業も容易となる。
【0040】
更に、以上の実施例にあっては、間欠的に容器1を直線搬送する方式について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連続的に容器1を搬送する方式についても適用できる。例えば、充填、キャッピングなどの容器1への操作を、容器1の搬送に追従する方式などについても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は容器搬送装置を示す斜視図である。
【図2】図2はグリッパ手段を示す断面図である。
【図3】図3はグリッパ手段を示す平面図である。
【図4】図4はグリッパ手段による把持解除状態を示す斜視図である。
【図5】図5はグリッパ手段による把持中間状態を示す斜視図である。
【図6】図6はグリッパ手段による把持作業状態を示す斜視図である。
【図7】図7は容器搬送装置の変形例を示す斜視図である。
【図8】図8はチャック爪による容器の把持状態を示す模式図である。
【図9】図9はチャック爪による容器の他の把持状態を示す模式図である。
【図10】図10はチャック爪による容器の他の把持状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1 容器
4 ネック部
10 容器搬送コンベア(容器搬送手段)
13 容器搬送プレート
20 容器ホルダ
30 グリッパ手段
33 スライド板
34 駆動ラック(駆動手段)
41、42 駆動ピニオン
43 第1チャック板
44 チャック爪
51、52 従動ピニオン
53 第2チャック板
54 チャック爪
100 容器搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を搬送する容器搬送手段を有し、
容器の上部を把持するとともに、容器搬送手段に同期して容器移動方向に移動するグリッパ手段を有する容器の搬送装置であって、
グリッパ手段は、
容器搬送手段に同期して移動するスライド板と、
スライド板の離隔する2点に枢支される左右の駆動ピニオンと、
左右の駆動ピニオンのそれぞれに噛合いしてスライド板の離隔する2点に枢支される左右の従動ピニオンと、
駆動ピニオンを駆動する駆動手段と、
左右の各駆動ピニオンの半径上に枢支され、左右の各駆動ピニオン及びスライド板とともに平行四辺形リンクを構成する第1チャック板と、
左右の各従動ピニオンの半径上に枢支され、左右の各従動ピニオン及びスライド板とともに平行四辺形リンクを構成し、第1チャック板と対向移動する第2チャック板とを有し、
第1チャック板と第2チャック板は駆動手段による駆動ピニオンの駆動によって対向動作し、それらが備えるチャック爪を対向させて互いに接近離隔することにより、容器の上部に対する把持と把持解除を可能にし、
第1と第2のチャック板の各チャック爪が互いに接近して形成する把持間隔を駆動手段の制御により容器の上部のサイズに適合可能にする容器の搬送装置。
【請求項2】
容器を搬送する容器搬送手段を有し、
容器の上部のネック部を把持するとともに、容器搬送手段に同期して容器移動方向に移動するグリッパ手段を有する容器の搬送装置である請求項1に記載の容器の搬送装置。
【請求項3】
前記容器搬送手段が容器を収容して搬送する容器ホルダであり、容器ホルダは容器収容間隔を容器サイズに自在に適合可能にする手段を備える請求項1又は2に記載の容器の搬送装置。
【請求項4】
前記容器搬送手段が容器を載せて搬送する容器搬送プレートである請求項1又は2に記載の容器の搬送装置。
【請求項5】
前記容器搬送プレートの容器載置面が粘着性を有する請求項4に記載の容器の搬送装置。
【請求項6】
前記容器搬送プレートの容器載置面が高摩擦性を有する請求項4に記載の容器の搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−81293(P2008−81293A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265772(P2006−265772)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】