説明

容器を有する混合器システム

混合器システム1が、混合されるべき材料を保持する容器3を有する。容器3は、刃部材アセンブリ6,8を備える第1部分2を有する。アセンブリ6,8は、回転軸10,12の周りに回転駆動可能である。上記容器は、案内面18を備える第2部分4を有する。前記回転軸を囲む案内面18の断面38は、凸状の形状の閉じた曲線20である。該断面曲線20の方向は、案内面18の周に沿う連続的に変化する方向である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合されるべき材料を保持するための容器を有する混合器システムに関するもので、上記容器は上記材料を混合するための2以上の刃部材アセンブリを収容する第1部分と、上記材料の流れを上記第1部分を介し且つ上記アセンブリに沿って維持及び案内するための第2部分とを有し、上記アセンブリは対応する回転軸の周りに回転駆動可能であり、上記第2部分は上記流れを案内するための案内面を有する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の料理用ミキサの目立った欠点は、所謂ブリッジングの傾向、即ち当該ミキサの容器に食品が追加され、攪拌刃が回転されるにつれて、該容器内における回転する刃の極近傍にある生成物は液化されるようになる一方、未処理材料が粉砕又は混合されるようになるために当該回転する刃に向かって移送されるのを妨げる強い傾向があるという効果である。これは、あたかも、回転する刃と、未処理生成物との間に粉砕された生成物の液化領域により橋(ブリッジ)が形成されるかのようである。
【0003】
米国特許第4,256,407号は、上記ブリッジング効果を克服するような構成のミキサを開示している。米国特許第4,256,407号のミキサは、2つの葉部(ローブ)を持つ容器を有している。該容器には蓋が嵌められ、モータを有する基部と動作的につながっている。該容器は、2つの部分円筒を円弧に沿って接続することにより作製される。上記葉部は半独立的な攪拌領域を形成し、各葉部内には回転可能な混合器刃が設けられる。これら刃が回転するにつれて、上記の半独立的攪拌領域が上記葉部内に確立され、かくして、上から下に向かって材料の流れが確立される。
【0004】
しかしながら、肉及び高粘度の生成物等の困難な食品生成物が処理される場合、依然としてブリッジング効果が起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、冒頭の段落に記載した種類の混合器システムであって、混合処理により得られる生成物の均一さを更に改善するような混合器システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、前記回転軸を囲む前記案内面の断面が、該断面の周に沿って前記流れを維持するために該周に沿って方向が連続的に変化する接線を持つ凸状の形状の閉じた曲線であることにより実現される。
【0007】
生成物が上記刃部材により攪拌される際に、各刃部材の周囲の生成物は、渦として特徴付けられ得る流れパターンにされる。渦は、中心線又は中心曲線の周囲の流体又は液化された生成物の回転する(時には、乱れた)流れである。中心線又は中心曲線の周りで高速で渦巻く流体又は液化された生成物又は混合されるべき材料の運動は、渦運動と呼ばれる。該流体の回転の速度及び率は、渦核(vortex core)とも呼ばれる上記中心曲線で最大であり、該渦核からの距離に伴い累進的に減少する。
【0008】
上記刃部材アセンブリの回転軸は、渦核の、従って回転する刃部材の各々により誘起される渦の向きを決定する。渦内の粒子は、渦核の周りを循環する。ブリッジングを低減又は防止するためには、1つの渦からの粒子を他の渦へ及びその逆に移送することができるならば非常に有利である。前記案内面の断面は上記回転軸を囲むので、該断面は、回転する刃部材の各々により誘起される対応する渦の渦核も囲む。該案内面の断面は、凸状の形状の閉じた曲線である。従って、当該案内面の断面により形成される閉曲線内にある全ての対の点は直線の線分により接続することができ、当該対の点を連結する該直線線分上の各点も上記閉曲線内に位置する。第1の渦内に第1の点及び該第1の渦に隣接する第2の渦内に第2の点を有する、上記凸状の形状の閉曲線内の或る対の点を考察すると、これら第1の点及び第2の点は、第1端が上記第1の渦内に位置すると共に第2端が上記第2の渦内に位置するような直線線分により接続することができる。該直線線分上に位置される上記第1の点と第2の点との間の全ての点は、第1の渦内にあるか又は第2の渦内にあるかの何れかである。上記曲線は凸状の形状であるので、上記直線は前記案内面と交差することはできない。従って、当該凸状の形状の曲線内の第1及び第2の点の位置とは無関係に、第1の渦内の粒子が、隣接する第2の渦に、上記案内面により妨害されることなく直線を介して、即ち最短距離を介して移送されることが常に可能となる。該凸状の形状の曲線は、第1の渦から第2の渦への及びその逆の生成物の交換に対して最小の抵抗を確立するようなフィーチャとなる。交換に対する抵抗が最小となることは、ブリッジング効果の防止に貢献するか、又は、如何なるブリッジング効果(もし生じた場合)も克服するために要する時間を更に低減する。第1の渦及び第2の渦が互いに隣接していない場合でさえ、第1及び第2の渦の間での材料の交換は、断面が凸状形状の閉曲線である前記案内面を横切ることなく、第1の渦で始まり第2の渦で終わる直線を介して依然として可能である。
【0009】
上記渦核からの距離が増加すると、即ち前記第2部分の案内面に向かって、生成物の速度は減少し、該渦核から遠くでは生成物は上記案内面に沿って、渦核の近くの速度と比較して相対的に低い速度で運ばれ又は案内される。従って、上記案内面に沿って運ばれる生成物は、相対的に低い力積(impulse)を有する。上記案内面は曲率を有する。該曲率は、上記案内面に沿って流れる生成物の速度の方向の変化を決定する。上記案内面に沿う混合物の速度と該案内面の曲率との間には或る関係があることが、即ち、大きな曲率(即ち、小さな半径の曲率)を持つ案内面は鋭く曲げられた領域で混合物の堆積を生じさせ易いということが分かった。特に、急激に又は不連続に変化する曲率の場合、混合物が堆積する傾向は著しく増加する。このような場合、混合物は案内面の急激な遷移により課させられる大きな加速を克服するには不十分な力積しか有さず、不連続な曲率は案内面の近くで渦を壊す。このような効果は、高い粘度の混合物の場合に特に現れる。従って、緩やかに流れる混合物を渦核に戻すように再指向させるために特別な形状の案内部を適用することにより生じ得る渦の破壊は、ブリッジングが斯様な渦破壊の結果として発生され得るので、回避されるべきであり。
【0010】
流れの方向の突然の変化は、生成物の停滞及び渦の破壊を生じさせる。これらの効果は、上記案内面の断面が該断面の周に沿って方向が連続的に変化する接線を有する場合に防止され得る。上記案内面が該断面の周に沿って連続的に変化する方向を有する場合、材料の効果的な混合流を維持することができる。
【0011】
好ましい実施例において、前記第1部分は2つの刃部材アセンブリを収容し、前記凸状の形状の曲線と第1点及び第2点において交差する直線を定めることができ、前記第1点と第2点との間の距離が、前記第1の直線に対して垂直な方向における前記曲線の如何なる寸法をも超える。
【0012】
好ましくは、当該システムは製造コスト及び材料の費用を低減するために2以下の刃部材アセンブリを有する。各刃部材アセンブリは作用領域を有する。このような作用領域内では、混合物は、当該刃部材アセンブリの回転する刃に直接接触し、且つ、該刃により粉砕され易い小さな規模で流れている。2つの刃部材アセンブリが存在するので、混合処理の間において2つの対応する作用領域が識別され得る。上記2つの作用領域の外側では、当該容器は、刃部材アセンブリによっては直接的に処理可能ではない混合物が保持される領域を有する。この外部領域では、混合物内の塊又は粒子と上記アセンブリの回転する刃との間での直接的な接触は可能ではない。均一な混合は、混合物の容易な交換が大規模に、即ち上記外部領域と第1刃部材アセンブリの作用領域との間、上記外部領域と第2刃部材アセンブリの作用領域との間、及び2つの刃部材アセンブリの2つの作用領域の間で、可能である場合に効果的に得られる。上記2つの作用領域は前記渦の基部におけるものである。これらの作用領域を経る断面は、混合物の流れパターンを示し、該流れパターンは上記刃部材アセンブリの各回転軸の周りの2つの実質的に円形の流れパターンからなる。これらの流れパターンが無限容器内で発生させられたとしたら、混合物は最小抵抗のパターンを形成する流れパターンに従うであろう。回転軸の近くでは、流れパターンは円形に近くなり、回転軸から更に離れると、円形の流れパターンは長い長円形へと融合する。前記凸状の形状の曲線が、整合する長円(oblong)又は長尺形状の該融合された円形流れパターンを密に囲む場合、大規模混合が改善され、ブリッジング効果が更に軽減される。従って、前記凸状の形状の曲線は、前記刃部材アセンブリにより生成された融合された円形の流れパターンを、妨害されず且つ制限されない混合物の最小抵抗の流れパターンに従う案内手段を形成するような態様で囲むように長くされた明確な向きを有する。これを達成するために、上記曲線は好ましくは長円形状のものである。即ち、当該曲線の長さ方向に平行な直線を定義することができ、該直線は当該曲線と第1点及び第2点において交差し、第1点と第2点との間の距離は上記長さ方向に対して垂直な方向における当該曲線の如何なる寸法をも超えるものである。
【0013】
本発明の有利な実施例において、前記2つの刃部材アセンブリは第1及び第2の回転軸の周りに回転駆動可能であり、前記直線は前記第1及び第2の回転軸と交差する他の直線と平行である。
【0014】
上記第1及び第2の回転軸と交差する上記他の直線は、上記長尺且つ凸状の形状の曲線の長さ方向を定める。前記直線は上記回転軸を経る上記他の曲線と平行であるから、当該刃部材アセンブリの対は該直線に対してオフセットを有する。このことは、当該刃部材アセンブリの配置に非対称性を導入する。このような非対称性は、当該容器を通しての混合物の流れを、上記刃部材アセンブリの回転軸に対して垂直な面内のみならず、斯かる刃部材アセンブリの回転軸に平行な方向にも生じさせる。このような平行な移送は、混合物が当該容器の上部から該容器の底部における刃部材アセンブリへの及びその逆に流れるようにさせる。回転軸の周りの円形の流れパターンに重ねて、当該容器の底部から上部へ移送することは、当該混合物が捻れ運動、螺旋運動及び旋回運動を伴って移動させるようにし、効果的な混合処理に寄与する。
【0015】
本発明の有利な実施例において、前凸状の形状の曲線の各点は、
【数1】

が成り立つ点(x,y)の集合により定義可能な超楕円曲線に対して、1mm未満の最短距離を有する。
【0016】
2つの刃部材アセンブリにより攪拌された妨害されず且つ制限されない混合物の流線パターンは、該刃部材アセンブリの回転軸から遠くの領域では上記に定義した数式の超楕円曲線により密に近似することができる。従って、当該容器の前記案内面は、該容器にわたり混合物の流れに対して最小の抵抗しか課さない。
【0017】
有利な実施例において、前記凸状の形状の曲線は楕円である。
【0018】
楕円は、各点から2つの固定点(焦点)までの距離の和が等しい点の軌跡を定める。上記刃部材アセンブリの各々の作用領域は、前記外部領域へと徐々に移行する。作用領域と外部領域との間の明確な境界は存在しない。回転軸の延長では又は渦核では、材料は高速で流れている一方、渦核から遠くでは、流れる材料は渦流パターンの直接的な影響を余り受けない。効果的な混合処理は、前記案内面が、第1刃部材アセンブリにより生じる第1渦の作用の下で前記案内面に沿って進行している材料が該第1渦の核からの距離を増加させると同時に第2刃部材アセンブリにより生じる第2渦の核への距離を比例的に減少させるように形成された場合に達成される。前記凸状の形状の曲線の楕円形状は、一方の刃部材アセンブリの作用領域から他方の刃部材アセンブリの作用領域への斯様な比例的な移行を確保する。
【0019】
本発明の一実施例において、前記刃部材アセンブリは前記容器の前記第1部分の底側に形成されるチェンバ内に収容され、該チェンバは使用の間において前記材料の混合物を重力の作用の下で収集し、これにより、前記混合物は前記刃部材アセンブリの作用領域内に案内される。
【0020】
重力により強制されて、上記混合物は上記第1部分の底部に収容された上記チェンバの方向に流れる。該チェンバは上記刃部材アセンブリを、当該混合物が重力の作用の下で該刃部材アセンブリの作用領域へと収集及び案内されるような態様で収容する。このように、少量の混合物が処理可能となる。当該容器が大きく平らな底面を有する場合、混合物は斯様な表面上に広がるであろう。斯様な平らな底の容器内に少量の混合物しか存在しない場合、該混合物は刃部材アセンブリの到達範囲外に留まるであろう。従って、斯様な平らな底の容器においては、少量の混合物は処理可能ではない。刃部材アセンブリの作用領域へ収集及び案内するには不適な底容器の、球状等の多くの形状が考えられる。平ら又は球状の場合、混合物は刃部材アセンブリの作用領域の外側の壁部分に向かって流れ得る。好ましくは、上記チェンバは、例えばテーパが付けられた又は円錐形状等の、少量の混合物を収集するのに適した形状の垂直面での断面を有する。該チェンバは、好ましくは、上記刃部材アセンブリの回転する刃の先端により描かれる軌道を密に(接近して)囲むような壁を有する。当該チェンバの上記壁は、好ましくは、特に粘性の混合物において、該収集チェンバ内の該混合物の全構成物質が当該刃部材アセンブリの作用領域内に維持されるように上記先端の軌道に対して充分に接近しているべきである。
【0021】
有利な実施例において、両刃部材アセンブリは1以上の刃を有し、各刃は該刃の回転軸から半径方向で遠い端部に刃先を有し、前記チェンバは第1及び第2の壁部分を有し、これら第1及び第2の壁部分は、使用の間において前記各刃部材アセンブリの前記刃先により描かれる軌道に整合するように(conformal)配置されて、使用の間において前記先端と協動する。
【0022】
上記チェンバの上記整合する壁部分は、前記刃部材の周囲の混合物の構成材料を、該整合する壁部分と前記先端との間に形成される空間内に詰め込み、ねじ込み又は絞り込むために使用することができる。該空間は、当該混合物における粒子の所望の寸法と比較して相対的に狭くなければならない。このためには、上記壁部分は、前記刃アセンブリの先端により描かれる経路又は軌道を接近して囲まなければならない。このように、上記の整合する壁部分は、前記アセンブリの刃への材料の良好な供給(channeling)を保証するように設計することができ、これは混合材料の細かい粒子化構造に寄与する。粒子化構造の細かさは、なかでも、上記壁部分と上記先端の軌道との間の間隙の幅により決定される。
【0023】
このような整合する壁部分が前記第1アセンブリの周囲に部分的に設けられる場合、混合物中の構成材料は、上記第1アセンブリの刃により、該第1アセンブリの先端により描かれる経路の一部に整合し且つ該一部を密に囲む対応する第1の壁部分に沿って移送される。該第1の整合する壁部分は、当該第1アセンブリにより移送される構成材料が該第1アセンブリの作用領域から離れるのを防止する。第1アセンブリにより移送された後、これらの構成材料は第2刃部材アセンブリの作用領域内へ移送される。従って、第1刃部材アセンブリに関連する第1の整合する壁部分は、第1刃部材アセンブリの作用領域から第2刃部材アセンブリの作用領域内への直接経路に沿って当該構成材料の第2刃部材アセンブリの作用領域内への妨害されない後の通過を可能にするために、第1刃部材アセンブリを完全に囲むべきではない。同様に、第2壁部分は第2刃部材アセンブリの先端により描かれる軌道に対して整合的であるべきであるが、第1刃部材アセンブリの作用領域との材料の交換の充分な機会は依然として残すべきである。上記第1及び第2の壁部分は、混合物の構成材料の経路を、先端と壁部分との間の前記協動(構成材料の詰め込み、ねじ込み及び絞り込み)が所謂不感領域(blind area)を残すこと無しに効果的に達成され得るほどの近さまで囲むべきである。不感領域では、混合物又は材料の一部が壁に堆積、付着し、そこに、移送されないまま残存し得る。
【0024】
本発明による一実施例において、前記第1及び第2の壁部分は一緒に繋がって、材料の混合物を重力の影響の下で前記刃部材アセンブリに向かって案内する流れガイドを形成し、前記アセンブリは相互に協力し合う近傍内に配置される。
【0025】
最適な切断結果を得るために、混合されるべき材料は、好ましくは、前記先端と該先端に近い壁部分との間に形成される小さな間隙内に送り込まれるべきである。
【0026】
当該容器の全表面に沿う、特に前記チェンバの全表面に沿う最適な材料の循環を保証するために、上記壁部分は上記先端の軌道の周辺で、可能な限り、滑らかであり且つ丸められるべきである。しかしながら、前述したように、上記壁部分は第1刃部材アセンブリ又は第2刃部材アセンブリを完全に囲むことはできない。何故なら、斯かる2つの刃部材アセンブリの作用領域間における構成材料の妨害されない通過が可能なままでなければならないからである。第1及び第2壁部分は、前記先端により描かれる円形経路に整合する第1及び第2断面を有する。第1アセンブリは、第2アセンブリの協動的近傍内に配置される。即ち、第1アセンブリの作用領域は、第2アセンブリの作用領域と重なりを有する。該重なりは、両アセンブリが当該混合物に影響を与え得る範囲である。この接近は、第1アセンブリが第2アセンブリの一部とぶつかることなしに安全且つ自由に動作することができない点まで延びる。第1及び第2アセンブリの刃の間の斯様な衝突は、例えば、第1及び第2アセンブリの刃を、これらアセンブリの回転軸に対して異なる角度で配置するか、又は第1及び第2アセンブリの刃を異なる高さに配置するかにより回避することができる。このような構成により、第1及び第2アセンブリの先端は円形の軌道を平行に又は一致しない面内で描く。他の例として、上記刃部材アセンブリの間の距離を、先端の間の衝突が可能でないように選定することができる。第1及び第2アセンブリの刃は、これらアセンブリの回転軸に沿って投影することが可能な範囲にわたって運動する。このような軸方向投影は、円形の形状のものである。
【0027】
上記アセンブリの作用領域が重なりを形成するような構成において、上記領域が重なるゾーンは、相互協力的近傍の(即ち、両アセンブリが混合物に対して作用し得る)ゾーンに対応する。相互協力的近傍のゾーンの存在は、効果的な混合処理にとり有利である。上記軸方向投影が、例えば小さな先端距離又は上記アセンブリの間の大きな距離を適用することにより、分離される場合、上記の協力的近傍のゾーンを確立するために注意が払われるべきである。
【0028】
かくして、各刃部材アセンブリの周囲の円形ゾーンは、当該刃部材アセンブリが前記チェンバの自身に整合する壁部分と協動しているゾーンと、当該刃部材アセンブリが他の刃部材アセンブリとの相互協力的近傍内にあるゾーンとからなる。
【0029】
従って、上記チェンバに向かって下方に向けられる材料の流れは、該チェンバの壁と上記アセンブリの一方との間の間隙に入るか、又は前記流れガイドにより上記の重なり合う相互協力的近傍領域内へと案内されるかの何れかである。このようにして、不感領域を防止することができる。
【0030】
本発明の有利な実施例では、上記チェンバは当該容器の底部内に偏心的に収容される。
【0031】
前記アセンブリにより処理された後、混合物の一部は上記チェンバを離れ、当該アセンブリから遠くへと案内される。偏心的な収容は、混合物の流れパターンに非対称性を導入する。この非対称性は、上記チェンバを離れる混合物の流れの方向の急激な変化を軽減するために有利に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、混合器システムの側面図である。
【図2】図2は、図1のシステムの断面図である。
【図3】図3は、本発明による容器の断面図である。
【図4a】図4aは、混合器システムの側面図である。
【図4b】図4bは、図4aのシステムの断面図である。
【図5】図5は、超楕円曲線のグラフである。
【図6】図6は、閉じた超楕円曲線のグラフである。
【図7】図7は、閉じた超楕円曲線のグラフである。
【図8a】図8aは、混合器システムの説明図である。
【図8b】図8bは、混合器システムの説明図である。
【図8c】図8cは、混合器システムの説明図である。
【図8d】図8dは、混合器システムの説明図である。
【図9】図9は、嵌め込み体の上面図である。
【図10】図10は、嵌め込み体の上面図である。
【図11】図11は、混合器システムの断面図である。
【図12a】図12aは、混合器の断面図である。
【図12b】図12bは、図12aの混合器の上面図である。
【図13a】図13aは、混合器の断面図である。
【図13b】図13bは、図13aの混合器の上面図である。
【図14】図14は、混合器システムの上面図である。
【図15】図15は、混合器システムの等角図である。
【図16】図16は、図15の混合器システムに関する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の混合器システムの上記及び他の態様を、図面を参照して更に解明及び説明する。
【0034】
図1及び2には、混合器システム1の容器3が、各々、側面図及び上面図で示されている。容器3は、第1部分(図1における左括弧2)を有している。該第1部分2は、3つの刃部材アセンブリ300、302及び304を収容している。刃部材アセンブリ300、302及び304は、各々、回転軸306、308及び310の周りで回転駆動可能である。第1部分2は、円筒状の3つの壁部312、314及び316を有している。各壁部312、314及び316は、刃部材アセンブリ300、302又は304を収容する。容器3は、第1部分2上に取り付けられた第2部分(図1における左括弧4)を有している。使用中において、容器3は混合されるべき材料により満たされる。該材料は、上記第1部分における刃部材アセンブリ300、302及び304により加工(処理)される。混合の間において、第1部分2と第2部分4との間での材料の交換が発生する。各刃部材アセンブリ300、302及び304の回転は、第1及び第2部分2及び4における混合物に流れのパターン(流れの形)を生じさせる。この流れパターンは、3つの鎖線三角形356、358及び360により示されている。該流れパターンは、渦の流れパターンに類似している。各渦は、回転軸306、308及び310の延長を形成する渦核(vortex core)を有している。容器3の第1及び第2部分2及び4は、本発明の一態様によれば、連続的に変化する曲率の面368により接続されている。面368は、点線により示されている。このような面は、部分2と部分4との間の材料の交換に対する抵抗を最小化する。材料の交換に対する抵抗の最小化は、本発明による全ての実施例で目指される。
【0035】
図2には、容器3の、図1にII−II'として示されたレベルにおける上断面図が示されている。第2容器部分4は、3つの湾曲した壁部318、320及び322を有している。これら壁部318、320及び322は、リブ338、340及び342で結合している。このようにして、容器3の第2部分4の内部に材料を保持するための閉じた容器部分が形成されている。壁部318、320及び322の内部において、混合される材料は案内面324に沿って案内される。該案内面324の断面は、曲線333により示されている。図2では、曲線333は壁部318、320及び322に一致している。曲線333は、後述するように凸状の形状ではない。
【0036】
第2部分4の内部の材料又は混合物の位置344における粒子は、案内面324(図2では、曲線333に一致する)により、直線362に沿って位置346へ行くのを妨害される。同様のことが、線364に沿う位置352と354との間及び線366に沿う位置348と350との間の軌道に対しても当てはまる。上述したように、この案内面324(及び曲線333)による遮断は、効果的な混合処理にとり及び混合物の均一さにとり不利である。本発明によれば、案内面324は、例えば点344と346との間、点352と354との間及び点348と350との間等の、如何なる対の点の間の直線に沿っても自由な通過を可能にするように配設されるべきである。如何なる対の2点間の直線に沿う制限されない自由な通過は、本発明によれば、326、328及び330等の壁部(丸みのある点線で示された)が適用されるならば可能となる。このような壁部326、328及び330の適用の結果、凸状形状の曲線336(図3では、実線曲線336により示される)により特徴付けられ得る案内面332が得られる。
【0037】
図3では、案内面332の断面333が閉曲線336により示されている。本発明によれば、曲線336は凸状の形状である。点335における矢印334は、案内面332により混合物が案内される方向を示している。矢印334は、点335において曲線336に接する線の方向を有している。図3の案内面332に沿って案内される間に、当該混合物は、その運動方向を連続的に変化させる。何故なら、上記接線は、曲線336の全ての後続の点を経て(即ち曲線336の周に沿って)進む間に、自身の方向を連続的に変化させるからである。
【0038】
図4aには、容器3を持つ混合器システム1が図示されている。該容器は、第1容器部分2及び第2容器部分4を有している。第1容器部分2は、2つの刃部材アセンブリ6及び8を収容している。これら刃部材アセンブリ6及び8は、各々、回転軸10及び12の周りに回転駆動可能である。第2部分4は、テーパ(先細り)形状を有している。このテーパ形状は、材料が、容器3の底部における刃部材アセンブリ6及び8と、該容器の上部との間で自由に流れるのを可能にする。2〜4度の間の容器3の第2部分4の開角が、当該容器の上部と底部との間での混合材料の効率的な交換を保証する。本発明によれば、窪み32及び34(点線で示されている)は、凸状の断面の代わりに凹状の断面を形成するので、回避されるべきである。これらの窪み(本発明によれば回避されるべきである)は、以下(図4b)で説明する。
【0039】
図4bは、第2容器部分4のV−V'線に沿う断面図を示す。刃部材アセンブリが別個の筒体内に各々収容される図1〜3に図示した構成とは反して、図4の実施例の第1部分2は、刃部材アセンブリ10及び12を2つの部分筒体14及び16の連結構造内に収容している。刃部材アセンブリ10の作用領域内に存在する混合材料は、開口15を介して、刃部材アセンブリ12の作用領域と交換され得る。第2部分4は、案内面18を有する。該案内面のレベルV−V'における断面は実線曲線20により示され、該曲線は図4bの図では案内面18と一致している。本発明によれば、曲線20は凸状の形状である。直線30は、曲線20と第1点26及び第2点28において交差している。第1点26と第2点28との間の距離は、矢印22により示されている。曲線20の、線30に対して垂直な方向の寸法は、矢印24により示されている。曲線20は長尺形状のものであるので、寸法22は、直線30に対して垂直な方向における曲線20の如何なる寸法も超えるものである。
【0040】
図4bは、曲線20の円形部分の点線の延長により形成される窪み32及び34を示している。本発明によれば、このような窪み32及び34は、混合の間において形成される2つの渦の間における材料の妨害されない通過を邪魔するので、回避されるべきである。窪み32及び34は、刃部材アセンブリ6及び8の回転により形成される渦の間の流れを阻止する。これら窪みは、曲線20の凸状形状の要件と矛盾する。窪み32及び34の代わりに、本発明によれば、凸状形状が直線線分36及び38により確立される。
【0041】
図5には、超楕円(super-elliptic)曲線のグラフが示されている。超楕円曲線は、デカルト座標系において、
【数2】

なる点(x,y)の集合として定義することができる。n,m≧1に対して、該曲線の形状は凸状となる。パラメータa及びbは、長円形の所謂半径である。n=m=2の場合は、通常の楕円となる。n及びmを2を超えて増加させると、長方形に益々類似した超楕円(hyper-ellipses)となり、n及びmを2より減少させると、亜楕円(hypo-ellipses)となる。亜楕円はx及びy方向に角部を有し、n及びmの値を減少させると十字の形に近づく。n=m=1の場合は、-b/aの傾斜及びbなるy交差を有するラインとなる。mの値とは異なるnの値は、結果として、当該曲線の角部における異なる曲率となる。n及びmに対する斯様な異なる値は、寸法a及びbを補償するために適用することができる。n及びmに対する異なる値は、前記案内面の断面を整形して、第2容器部分の異なる高さにおける該案内面に沿う流れパターンを最適化するために適用することもできる。上記で定義した超楕円曲線は、凸状の形状の曲線を構成する。このような曲線は、部分的に又は全体として、凸状の形状の曲線を形成するように配置することができる。例えば、凸状の形状の閉曲線を、超楕円曲線の断片及び直線線分から構築することが可能である。このような例を、図6及び7に基づいて説明する。
【0042】
図6には、3つの超楕円曲線36、38及び40が示されている。各曲線は、長軸32に沿う2aの長さ寸法及び幅軸34に沿う幅2bを有している。長軸32及び幅軸34は、3つの超楕円曲線36、38及び40の対称軸である。図7には、同じ超楕円形態の部分を含む長尺形状が示されている。直線線分42及び44がライン32及び34により囲まれた超楕円線分を接続している。図7において、直線線分42及び44を接続する部分は、超楕円形態のものである。上記部分44は、円形形態のものとすることもできる。図7の実施例における線分42は直線であるが、湾曲された部分42aを適用するのも有利である。このような湾曲部分は、2つの渦の一層良好な結合に貢献すると共に、騒音の発生に関して都合の良い効果を有する。刃部材アセンブリは、毎分10000回転の程度の高い角速度で回転する。容器3の壁は、部分42において混合現象に対し相対的に敏感となる。というのは、これらの部分は当該容器の平坦さを一方向で示すからである。容器の剛性は、この容器の構造が板構造の代わりに殻構造として構築されたら大幅に増加するので、少なくとも幾らかの曲率を設けることが有利である。曲線の凸状さを維持するために、部分42aは外側に膨らむべきである。このことは、回転する刃部材アセンブリ(図示略)により誘起される渦の一層良好な接続にとり有利でもある。全ての実施例に当てはまる上記の技術的効果は、図15及び16の実施例で更に説明する。
【0043】
図8a及び8bには、本発明の混合器システムの一実施例が示されており、該実施例においては材料の循環が更に最適化されている。図8aは側面図を示す。刃部材アセンブリ60及び62の周りの材料の流れは、水平方向に向けられた矢印58及び曲がった矢印59により概念的に示されている。容器3は、流れを矢印59に従って上方に滑らかに向ける斜面56を有している。刃部材アセンブリ60及び62は、チェンバ64内に収容されている。該チェンバ64は、第1部分2の底側に形成され、使用の間において、材料の混合物を重力の作用の下で集める。刃部材アセンブリ60、62は、回転軸10及び12の周りに駆動可能である。図8aの図では、回転軸10及び12は一致している。回転軸10及び12は、容器3の中心面50に対してオフセット54を伴って配置されている。該オフセット54のお陰で、チェンバ64内での矢印58に対応する水平方向から矢印59に対応する垂直方向への流れの一層緩やかな再指向が可能となる。偏心の程度、即ちオフセット54は、図8bにおいても容器3の中心線30とチェンバ64の中心線52の間で示されている。中心線30は、容器3の中心面50に位置される。チェンバ64の中心線52は、回転軸10及び12と交差する。図8bの上面図において、中心線52は他の直線31と一致している。従って、他の直線31は回転軸10及び12の両方と交差する。上記オフセット54は、斜面部分56に沿う流れの一層緩やか且つ滑らかな再指向を可能にする。該オフセットにより、斜面56の曲率は緩やかに維持することができる。緩やかな曲率は、妨害されない形で流れることが可能な流れにとり有利である。チェンバ64は、開いた数字8の形状の壁66を有している。図8cには、当該混合器システムの正面図が示されている。矢印59は、刃部材アセンブリ60及び62の回転の結果として、流れが如何にして上方に向けられるかを示している。刃部材アセンブリ60及び62の回転の方向は、矢印68及び70により各々示されている。図8dには、刃部材アセンブリ60及び62の上面図が示されている。
【0044】
刃部材アセンブリの周囲に外囲体を形成する便利な方法は、図9及び10に示されるように、1以上の嵌め込み体(inlay)を使用することによるものである。図9及び10において、嵌め込み体は斜線模様により示されている。図9は、開口66を有する嵌め込み体72を示している。開口66は、開いた数字8の形状を有している。外側上では、嵌め込み体72は、容器3の第1部分2の壁76の内側表面と整合する。図10において、嵌め込み体74の開口66は、壁76の中心線78に対して偏心して配置されている。当該オフセット54は、図8により前述したのと同様の機能を有する。ナイフの位置に対する該嵌め込み体の高さ80は、非常に重要なパラメータである(図11及び12参照)。
【0045】
図11には、容器3(斜線領域)の底部を経る断面を図示する断面図が示されている。刃部材アセンブリ60は、回転軸10の周りに駆動可能である。刃部材アセンブリ60は、回転軸10に対して或る傾きの刃を有している。刃部材アセンブリ60は、水平面内に配置された中心部分88を有している。刃部材アセンブリ60の刃は、該中心部分88に対して傾斜されている。回転軸10は、容器3の中心線82に対して或るオフセット54で配置されている。オフセット54は、混合物の流れを再指向させるための再指向斜面56を配置するための追加の空間に対する余裕を作る。2つの実線84及び86は、垂直範囲80を定める。ライン84は、嵌め込み体74の上側表面の好ましい最大レベルを示す。ライン86は、嵌め込み体74の上側表面の好ましい最小レベルを示す。上記の好ましい最大及び最小レベルは、中心部分88のレベルに依存する。図11に見られるように、垂直範囲80は中心刃部分88を囲んでいる。ライン84は、好ましくは、刃部材アセンブリの中心部分88の上側表面を5mmより多く超過してはならず、ライン86は、好ましくは、刃部材アセンブリの中心部分88の上側表面より下に5mmを超えるレベルには位置されてはならない。従って、範囲80は、刃部材アセンブリ60の中心部分88に対して嵌め込み体74の上側表面が収容される範囲を構成する。嵌め込み体74が配置される上記範囲80は、混合物の移送及び切断に関して、刃部材アセンブリ60の刃の適切な機能を大きく決定する。嵌め込み体74は、好ましくは、該嵌め込み体の上側表面から前記斜面56への移行部における混合物の堆積を防止するために、斜面56の最下部と滑らかに繋がるべきである。
【0046】
図12aは、混合器システムの容器3の断面図を示す。図12bは、図12aのシステムの上面図を示す。各刃部材アセンブリは4つの刃を有し、これら刃は直交する向きで配置されている(12b)。これら刃は、水平面に対して或る傾きにある(図12a)。図12aには、1つの刃部材アセンブリの刃のシルエットが図示されている。最下先端400は、ライン86により示される垂直レベルにある。最上先端402は、ライン84により示される垂直レベルにある。範囲80は、ライン86と84との間に示されている。嵌め込み体74の上側表面は、少なくとも範囲80内に、即ちライン86と84との間になければならない。該嵌め込み体の上側表面が範囲80外にあると、混合処理の有効性は急激に減少する。しかしながら、嵌め込み体74の上側表面のレベルが図11により説明されたように、即ち当該刃部材アセンブリの中心部分88の極近傍の範囲内に配置されると、最良の混合結果が得られる。
【0047】
図13aは、図12aに類似した、混合器システムの容器3の断面図を示す。図13bは、図12bに類似した、図13aのシステムの上面図を示す。図12及び13の実施例は、異なる形態の容器3を有している。図12aでは、容器3の垂直壁は最下先端400のレベルの水平部分に、半径Rの湾曲部分を介して繋がっている。図12の実施例において、上記嵌め込み体の上側レベルは、材料の体積を防止するために、半径Rのレベルにおいて上記湾曲部分に密に繋がるべきである。図13の実施例において、前記垂直壁はZで示される距離だけ面取りされている。該面取りされた部分も、材料が堆積する傾向を軽減する。
【0048】
図14には、2つの刃部材アセンブリ60及び62の上面図が示されている。両刃部材アセンブリ60及び62は、1以上の刃94、96、98及び100を有している。各刃94、96、98、100は、回転軸10及び12から半径方向に離れた端部に刃先102、104、106、108を有している。これら刃部材アセンブリは、チェンバ64内に配設されている。該チェンバは壁65を有している。該チェンバ64は部分的に重なる円の形状を有し、結果として、チェンバ64は開いた数字8の形状を有している。刃先102、104、106、108が回転軸10及び12の周りに回転する際に、これら刃先は点線円110及び112により示される円軌道を描く。チェンバ64は、軌道110の周囲に整合的(conformal)に且つ接近して配置された第1壁部114を有している。第2壁部116は、軌道112の周囲に整合的に且つ接近して配置されている。これら壁部114及び116は上記刃先と、これらが当該混合物を刃先軌道110及び112の周の殆どに沿う刃先102、104、106、108の作用領域内に維持するように協動する。これら刃部材アセンブリの回転の方向は、矢印120及び122により示されている。第1及び第2壁部114及び116は繋がって、材料の混合物を重力の影響の下で刃部材アセンブリ60及び62に向かって案内する流れガイド123を形成する。該流れガイド123の近くでは、混合物は刃部材アセンブリ60及び62に向かって案内される。該流れガイド123の近傍の流れの方向が、矢印の尾124により示されている。刃部材アセンブリ60と62との間には、材料がアセンブリ60から62へ及びその逆に移送される領域が存在する。即ち、これらアセンブリ間には供給効果(feeding effect)が存在する。このような供給効果は、これらアセンブリが互いに充分に近傍にある場合に有利に利用することができる。これらアセンブリが互いに充分に近傍に配置される場合、両アセンブリの上記作用領域は重なり合う。該重なり合う領域、即ち相互協力近傍の領域が二重線長円118により示されている。矢印の頭126は、当該チェンバの上記流れガイド123とは反対の側における流れの方向を示している。好ましくは、ここに斜面56が配置されて、前述したように流れの滑らかな再指向を可能にする。
【0049】
図15には、本発明による混合器システム1が図示されている。該混合器システム1は、混合されるべき材料を保持する容器3を有している。容器3は、第1刃部材アセンブリ6及び第2刃部材アセンブリ8を収容する第1部分2を有している。第1刃部材アセンブリ6は第1回転軸10の周りに回転駆動可能であり、第2刃部材アセンブリ8は第2回転軸12の周りに回転駆動可能である。容器3は、第1部分2と流体的に連通する第2部分4を有している。従って、混合される材料は第1部分2から第2部分4へ、及びその逆に流れることができる。第2部分4は、混合されるべき材料の流れを案内する案内面18を有している。第1基準点11は、第2部分4内で且つ第1回転軸10上に位置される。第2基準点13は、第2部分4内で且つ第2回転軸12上に位置される。第1面1000は、第1基準点11と第2回転軸12とを含む。第2面2000は、第1面1000と垂直であって、第1及び第2基準点11及び13を含む。第2面2000は、案内面18を横断する。第2面2000と案内面18との交差部333は、案内面18上の閉案内曲線336を形成及び規定する。該案内曲線336と交差する基準軸1100は、第1及び第2基準点11及び13を含む。第1分割線1200は、第1基準点11を含むと共に、案内曲線336と交差する。該第1分割線1200は、基準軸1100に対して垂直である。第2分割線1300は、第2基準点13を含むと共に、案内曲線336と交差する。該第2分割線1300は、基準軸1100に対して垂直である。案内曲線336は、凸状の形状のものであると共に、第1分割線1200と第2分割線1300との間に少なくとも湾曲された部分1400(図15には示されていないが、図16に示されている)を有している。
【0050】
図16には、図15の実施例により説明した第2面が上面図で示されている。基準軸1100、第1分割線1200及び第2分割線1300も示されている。基準軸1100及び第1分割線1200は、第1基準点11において交差する。基準軸1100及び第2分割線1300は、第2基準点13において交差する。第1分割線1200と第2分割線1300との間において、凸状曲線336は湾曲された部分1400を有する。該湾曲部分1400は、騒音低減に関して有利である。該湾曲部分は、回転する刃部材アセンブリにより誘起される2つの渦の間における混合材料の適切な交換に関しても有利である。
【0051】
このように、本発明による混合器システムの有利な実施例は、混合されるべき材料を保持する容器を有し、該容器は第1刃部材アセンブリ及び第2刃部材アセンブリを収容する第1部分と、該第1部分と流体的に連通する第2部分とを有し、上記第1及び第2刃部材アセンブリは第1及び第2回転軸の周りに各々回転駆動可能であり、上記第2部分は当該流れを案内する案内面を有し、第1基準点が上記第2部分内で且つ上記第1回転軸上に位置され、第2基準点が上記第2部分内で且つ上記第2回転軸上に位置され、第1面が上記第1基準点及び上記第2回転軸を含み、上記第1面に垂直である第2面が上記第1及び第2基準点を含み、上記案内面及び第2面の交差が該第2面上の閉案内曲線を定め、該案内曲線の基準軸が上記第1及び第2基準点を含み、第1分割線が上記第1基準点を含むと共に上記案内曲線と交差し、該第1分割線が上記基準軸と垂直であり、第2分割線は上記第2基準点を含むと共に上記案内曲線と交差し、該第2分割線は上記基準軸と垂直であり、上記案内曲線は凸状の形状のものであると共に上記第1分割線と第2分割線との間に少なくとも湾曲された部分を有する。
【0052】
以上、本発明を図面及び上記記載において詳細に図示及び説明したが、斯かる図示及び説明は解説的又は例示的なものと見なされるべきで、本発明は開示された実施例に限定されるものではない。
【0053】
例えば、本発明を、前記第1部分の周が上述したような数学的関係から僅かに異なるような実施例、又は前記刃部材アセンブリが各々3以上の刃を有する実施例で実施することもできる。開示された実施例に対する斯様な他の変形例も、当業者によれば、請求項に記載された発明を実施する場合に、図面、本開示及び添付請求項の精査から理解し及び実施することができるものである。
【0054】
尚、請求項において、"有する"なる文言は他の構成要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。また、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを有利に使用することができないということを示すものではない。また、請求項における如何なる符号も、範囲を限定するものと見なしてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合されるべき材料を保持するための容器を有する混合器システムであって、前記容器が、
前記材料を混合させるための2以上の刃部材アセンブリを収容する第1部分であって、これらアセンブリは対応する回転軸の周りに回転駆動可能である第1部分と、
前記材料の流れを前記第1部分を介して且つ前記アセンブリに沿って維持及び案内する第2部分であって、前記流れを案内するための案内面を有する第2部分と、
を有し、
前記回転軸を囲む前記案内面の断面が、該断面の周に沿って前記流れを維持するために該周に沿って方向が連続的に変化する接線を持つ凸状の形状の閉じた曲線であることを特徴とする混合器システム。
【請求項2】
前記第1部分が2つの刃部材アセンブリを収容し、前記凸状の形状の曲線と第1点及び第2点において交差する直線を定めることができ、前記第1点と第2点との間の距離が、前記直線に対して垂直な方向における前記曲線の如何なる寸法をも超える請求項1に記載の混合器システム。
【請求項3】
前記2つの刃部材アセンブリは第1及び第2の回転軸の周りに回転駆動可能であり、前記直線が前記第1及び第2の回転軸と交差する他の直線と平行である請求項2に記載の混合器システム。
【請求項4】
前記凸状の形状の曲線の各点が、
【数1】

が成り立つ点(x,y)の集合により定義可能な超楕円曲線に対して、1mm未満の最短距離を有する請求項2に記載の混合器システム。
【請求項5】
前記凸状の形状の曲線が、2つ又は4つの湾曲部分により各々対称に接続される2つ又は4つの直線線分を有し、前記湾曲部分が円形の又は超楕円形のものである請求項2に記載の混合器システム。
【請求項6】
前記凸状の形状の曲線が、楕円である請求項4又は請求項5に記載の混合器システム。
【請求項7】
前記刃部材アセンブリが前記第1部分の底側に形成されるチェンバ内に収容され、該チェンバは使用の間において前記材料の混合物を重力の作用の下で収集し、これにより、前記混合物が前記刃部材アセンブリの作用領域内に案内される請求項3に記載の混合器システム。
【請求項8】
前記両刃部材アセンブリが1以上の刃を有し、これら刃の各々は当該刃部材アセンブリの回転軸から半径方向で遠い端部に刃先を有し、前記チェンバは第1及び第2の壁部分を有し、これら第1及び第2の壁部分は、使用の間において前記各刃部材アセンブリの前記刃先により描かれる軌道に対し整合して配置されて、使用の間において前記先端と協動する請求項7に記載の混合器システム。
【請求項9】
前記第1及び第2の壁部分は一緒に繋がり、これにより、材料の混合物を重力の影響の下で前記刃部材アセンブリに向かって案内する流れガイドを形成し、前記アセンブリが相互に協力する近傍内に配置される請求項8に記載の混合器システム。
【請求項10】
前記第1及び第2の壁部分が、前記アセンブリの周囲において開いた数字8の形状の構成で配置される請求項9に記載の混合器システム。
【請求項11】
嵌め込み体が前記アセンブリの周囲の構成を形成し、該嵌め込み体が前記容器の第1部分の内側表面と合致する外側周面を有する請求項10に記載の混合器システム。
【請求項12】
前記容器の第1部分及び第2部分が、連続的に変化する曲率の表面により接続される請求項1に記載の混合器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−522693(P2011−522693A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511136(P2011−511136)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052172
【国際公開番号】WO2009/144651
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】