説明

容器搬送システムおよび容器搬送システムの容器リジェクト方法

【課題】リジェクト用のホイールを必要としない簡単でコンパクトなリジェクト装置を備えた容器搬送システムを提供する。
【解決手段】回転体10の外周部に円周方向等間隔で多数の容器把持手段16が設けられており、容器把持手段16によって把持した容器2を搬送する搬送経路の途中に、リジェクト装置26を設ける。リジェクト装置26は、容器搬送経路内に挿入され、容器2の胴部に係合して容器2を搬送経路から強制的に取り出すガイド部材28、30と、ガイド部材28、30を容器2に係合する位置と係合しない位置とに移動させる移動手段26とを備えている。非常停止信号等によりラインが停止した時に、リジェクト位置Rの容器2を除去した後、ガイド部材28、30を前進させて低速で回転体10を運転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器搬送システムおよびこの容器搬送システムから容器をリジェクトする方法に係り、特に、容器の搬送経路の途中に設けたリジェクト位置から容器を排出するリジェクト手段を備えた容器搬送システムおよびこのシステムからの容器リジェクト方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤ等の搬送手段によって多数の容器を連続的に搬送し、各種の容器処理装置内に順次導入して、それぞれの処理を行う容器処理ラインが広く知られている。このように、容器を連続的に搬送しつつ処理を行う容器処理ラインでは、処理装置が故障したり長時間停止した場合に、その処理装置内から容器を払い出さなければならないため、容器処理ラインにおける容器搬送経路の途中にリジェクト装置を設けて、必要なときに容器をリジェクトできるようにしている(例えば、特許文献1または特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された容器搬送システムは、エア搬送コンベヤ等の容器供給コンベヤによって搬送されてきた容器が、導入ホイールを介して容器処理装置内に供給され、回転搬送される間に所定の処理が行われた後、排出ホイールを介して搬送コンベヤ上に排出されて次の工程に送られる。
【0004】
前記容器処理装置のリジェクト位置にリジェクト機構が設けられている。このリジェクト機構は、回転体の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数の容器把持手段によって容器を把持して搬送するリジェクトホイールと、このリジェクトホイールから容器を受け取って排出する2本の平行な支持板からなるガイド手段とを備えている。前記容器把持手段は、グリッパを開閉して容器を把持する開閉把持手段であり、開放したままリジェクト位置を通過する通常運転状態と、リジェクト位置で閉じて容器を把持するリジェクト状態に切り換えられるようになっている。
【0005】
運転中に容器処理装置が故障したり停止した場合リジェクト機構のリジェクトホイールに設けられている開閉把持手段をリジェクト状態に切り換え、容器処理装置で正規の処理が行われなかった容器を把持して取り出すようにしている。
【0006】
前記特許文献2には、PETボトル等の樹脂容器をエア搬送コンベヤによって搬送し、リンサや乾燥機等の処理装置内に順次搬入し、それぞれの処理を行った後、再びエア搬送コンベヤに引き渡して次の工程に送るようにしている。前記乾燥機には、ばね等の弾性力によって一対のアームを常時引き付けておき、これら両アーム間に容器の首部を挟み込んで保持する弾性把持手段が設けられており、これら弾性把持手段によって容器の首部を把持して回転搬送する間に容器を乾燥し、その後、出口ホイールを介してエア搬送コンベヤに排出する。
【0007】
乾燥機の出口ホイールが配置された排出部よりも上流側に、開閉式の容器把持手段が円周方向等間隔で設けられたリジェクトホイールが配置されている。トラブル等により機械が停止した時には、リジェクトホイールの開閉把持手段により容器を把持して乾燥機から取り出すようにしている。取り出された容器は、排出シュート上に落とされて外部に排出される。
【特許文献1】特開2001−233448号公報(第2−6頁、図1)
【特許文献2】特開2002−308419号公報(第2−5頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1および特許文献2に記載された容器搬送システムは、いずれも、回転体の外周に円周方向等間隔で多数の開閉式容器把持手段が設けられたリジェクトホイールを備えており、構造が複雑でコスト高である。しかも、リジェクトホイールの設置スペースが必要であり装置が大型化するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、回転体と、この回転体の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数の容器把持手段と、これら容器把持手段によって把持された容器の搬送経路の途中に設けられたリジェクト手段とを備えた容器搬送システムにおいて、前記リジェクト手段が、容器搬送経路を通過する容器の胴部に係合してこの容器を搬送経路の側方に強制的に送り出すガイド部材と、このガイド部材を容器搬送経路の側方と、搬送経路内の容器に係合する位置とに移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記リジェクト手段のガイド部材が、容器把持手段に把持された容器を搬送経路の側方へ向けて送り出す際に、容器の底部側を大きく外方に振るように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載した発明方法は、回転体と、この回転体の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数の容器把持手段と、これら容器把持手段によって把持された容器の搬送経路の途中に設けられたリジェクト手段とを備えた容器搬送システムにおいて、回転体の回転を停止させた状態で、リジェクト位置にある容器を取り除く工程と、容器の胴部に係合してこの容器を搬送経路の側方へ送り出すリジェクト手段のガイド部材を搬送経路内に位置させる工程と、回転体を低速で回転させ、前記容器把持手段によって把持されている容器を、前記ガイド部材に係合させて搬送経路の側方へ取り出すことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の容器搬送システムは、容器処理ラインが非常停止した際等に、容器搬送経路を通過する容器の胴部に係合してこの容器を搬送経路の外側に強制的に送り出すガイド部材と、このガイド部材を容器搬送経路の外方と、搬送経路内の容器に係合する位置とに移動させる移動手段とを備えたリジェクト手段によって、容器をリジェクトするようにしたので、多数のボトルグリッパを備えたリジェクト用のロータリホイールを設置する必要がなく、装置全体を小型化することができ、しかも、設置スペースをコンパクト化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
回転体の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数の容器把持手段によって容器を把持し、回転体の回転に伴って回転搬送する。この容器搬送経路の途中に、搬送されている容器の胴部に、回転体の内部側から係合して容器を搬送経路の外側に強制的に送り出すガイド部材と、このガイド部材を容器搬送経路の外部の搬送される容器に干渉しない位置と、搬送経路内の容器に係合する位置との間で移動させる移動手段を有するリジェクト手段が設置されており、容器をリジェクトする場合には、ガイド部材を前進させて搬送経路の容器の胴部に係合させるという構成で、リジェクト手段からリジェクトホイールを省略するという目的を達成する。
【実施例1】
【0014】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る容器搬送システムの全体の構成を簡略化して示す平面図、図2は容器搬送システムの容器をリジェクトする位置の平面図、図3は前記リジェクト位置で容器をリジェクトする状態を拡大して示す平面図である。この容器搬送システムは、PETボトル等の樹脂容器2をエア搬送コンベヤ4によって搬送し、導入ホイール6を介して容器処理装置8の回転体10に供給し、回転搬送する間に所定の処理を行った後、排出ホイール12を介して再びエア搬送コンベヤ14に引き渡して次の工程に送るようになっている。この実施例で搬送され処理される容器2は、PETボトル等の軽量な樹脂容器であり、エア搬送コンベヤ4、14では、その首部2a(後に説明する図4参照)に形成されたフランジの下面側を支持して搬送し、導入ホイール6および排出ホイール12では、容器2の首部2aを開閉式のネックグリッパ(図示せず)によってグリップして搬送する。
【0015】
容器処理装置8は、回転体10の外周部に円周方向等間隔で多数の容器把持手段16が取り付けられている。各容器把持手段16は、所定の間隔で配置された一対の平行な板ばね18、18と、これら板ばね18、18の先端側に固定されたグリップ部材20、20とを備えており、これら両グリップ部材20、20の基部20a、20a側がスプリング22によって互いに引き付けられている。両グリップ部材20、20の中間には、先端に容器2の首部2aの外径とほぼ一致する内径の円弧状凹部24aが形成された支持プレート24が配置されている。両グリップ部材20、20の先端部側には、互いに向かい合う内向きの突起20b、20bが形成されており、これら両突起20b、20bと前記支持プレート24の凹部24aとにより容器2の首部2aの外周を保持できるようになっている。
【0016】
容器把持手段16に容器2を保持させる場合には、両グリップ部材20、20の先端部側から容器2の首部2aを押し付けると、板ばね18、18に取り付けられた両グリップ部材20、20がスプリング22に抗して押し広げられ、容器2が突起20b、20bを通過して内部側に入ると両グリップ部材20、20が戻って、前記支持プレート24と両グリップ部材20、20の突起20b、20bとによって容器2を保持する。また、容器把持手段16から容器2を取り出す際には、排出ホイール12の開閉式ボトルグリッパによって容器2の首部2aを掴み、回転体10と排出ホイール12との相対回転により、容器把持手段16の外方側へ向けて引くことにより容器2を取り出すことができる。さらに、容器2を回転体10の半径方向内方側から外方側へ向けて押すことにより、両グリップ部材20、20を強制的に広げて取り出すことができる。
【0017】
回転体10に取り付けられている容器把持手段16による容器搬送経路(容器搬送経路の中心を図3中に一点鎖線Cで示す)の途中に、リジェクト装置26(リジェクト手段)が設けられている。この容器搬送システムの運転中に、装置の故障やその他のトラブルがあった場合に、容器2をそのままの状態にしておくと使用不能になってしまう場合があるため、このような場合には、このリジェクト装置26によって、リジェクト装置26の配置されている位置(リジェクト装置26によって容器搬送経路から容器2を排出する位置をリジェクト位置Rと呼ぶ)よりも上流側の容器2を排出する。
【0018】
リジェクト装置26は、両側にほぼ平行して配置された一対のガイド部材28、30を備えている。ガイド部材は、回転体10に近い側に配置された内側ガイド部材28と、回転体10から遠い側に配置された外側ガイド部材30から構成されている。これら両側ガイド部材28、30は、後に説明する移動手段32によって進退動できるようになっており、後退した時には、容器搬送経路の側方となる外側、つまり、前記容器把持手段16によって把持されて回転搬送されている容器2に干渉しない位置に退避し、前進した時には、内側ガイド部材28の先端部側が、容器2の搬送経路の内部に挿入されるとともに、外側ガイド部材30が取り出される容器2の外方側に位置してこの容器2の外側をガイドするようになっている。
【0019】
両ガイド部材28、30の後部側(移動手段32に取り付けられている側)は、移動手段32によって進退動する方向と平行しており、先端部側は回転体10の外方に向けて折り曲げられている。内側ガイド部材28は、図3に示すように、前進した時には折り曲げられた先端部寄りの部分が容器搬送経路Cの内部側まで挿入されるが、先端部側が折り曲げられた部分よりも回転体10の中心部に近い位置に来るように斜め方向を向いている。このように内側ガイド部材28の先端部側を斜め方向に向けたことにより、内側ガイド部材28に係合した容器2が、前進するに従って回転体10の半径方向外方側に強制的に押し出されるようになっている。
【0020】
また、内側ガイド部材28は、上下2本のガイドプレート28A、28Bからなっており、先端部側は上下にほぼ同じ位置で重なっているが、後部側は、上方ガイドプレート28Aよりも下方ガイドプレート28Bの方が、外側ガイド部材30側(図3の下側)に寄っている。内側ガイド部材28(28A、28B)が前進している時には、容器把持手段16によって首部2aを把持されている容器2の胴部2bがこの内側ガイド部材28A、28Bに沿って移動することにより、回転体10の外方に向けて次第に押し出されてくるが、下方ガイドプレート28Bの後部側が、上方ガイドプレート28Aよりも回転体10の外側寄りに位置していることによって、容器2の底部側に当接して容器2の底部が大きく外側に振られるようになっている(図3に符号2Aで示す容器参照)。なお、これら上下のガイドプレート28A、28Bは、図4に示すように、容器2の胴部に当接可能な高さに配置されている。
【0021】
前記ガイド部材28、30を進退動させる移動手段32は、支柱33(図4参照)上に設置されたフレーム34の幅方向(図2の上下方向)の中央部に水平なエアシリンダ36が配置され、このエアシリンダ36の両側に、平行する2本の支持ロッド38、40が進退動可能に支持されている。両支持ロッド38、40の後端部が、取り付け部材42を介してエアシリンダ36のピストンロッド36aに連結されている。また、両支持ロッド38、40の先端部に、前面側取り付けプレート44を介して前記ガイド部材28、30の後端部が連結されている。両支持ロッド38、40が突出している前記フレーム34の前面側と、ガイド部材28、30が取り付けられている前面側取り付けプレート44との間に蛇腹46、48が装着されており、支持ロッド38、40のフレーム34から外側に露出している部分を覆っている。前記エアシリンダ36が作動してピストンロッド36aが伸張すると、支持ロッド38、40が図2の右方へ移動して、ガイド部材28、30が容器搬送経路から退避し(図2中に実線で示す状態)、ピストンロッド36aが収縮すると、両支持ロッド38、40が図2の左方へ移動して、ガイド部材28、30が容器搬送経路側に前進する。
【0022】
内側ガイド部材28が回転体10の容器搬送経路内に挿入される位置(リジェクト位置R)の下方から、前記移動手段32の下方へ向かって、リジェクトされた容器2を排出する排出シュート50が設置されている。この排出シュート50の内面側には、複数のエアブローノズル52が設けられており、排出シュート50内に投入された容器2はこれらエアブローノズル52から吹き出されたエアによって下流側に送られ、排出シュート50の下流端に配置された回収ボックス54内に回収される。
【0023】
この実施例に係る容器搬送システムは、容器処理ラインが非常停止した場合等に、必要に応じて処理途中の容器2をリジェクトする。供給側のエア搬送コンベヤ4には、導入ホイール6の手前にストッパ56が設けられており、ライン停止時にはこのストッパ56を作動させて容器2の導入を阻止するようになっている。
【0024】
また、この容器搬送システムは、制御装置58によって作動を制御されるようになっており、通常は運転モードで運転され、非常停止信号が入力されると、運転モードからリジェクトモードに切り換えられる。リジェクトモードになると、サブ操作パネル60が有効となり、作業者がこのサブ操作パネル60から入力することによりこの容器搬送システム作動させることができる。
【0025】
上記構成の容器搬送システムの作動について説明する。正常に容器2の処理が行われている時には、導入側のエア搬送コンベヤ4に設けられているボトルストッパ56は開放しており、エア搬送コンベヤ4によって搬送されてきた容器2は導入ホイール6を介して容器処理装置8に搬入される。導入ホイール6には開閉式のネックグリッパ(図示せず)が設けられており、エア搬送コンベヤ4によってフランジの下面側を支持されて搬送されてきた容器2の、首部2aのフランジよりも上方側を把持する。導入ホイール6から容器処理装置8への受け渡しを行う容器供給位置Aに接近すると、ネックグリッパが、把持している容器2のフランジよりも下方側を、回転体10に設けられている容器把持手段16の一対のグリップ部材20、20間に次第に押し付けていく。板ばね18、18の先端に取り付けられている両グリップ部材20、20が、スプリング22に抗して押し広げられ、これら両グリップ部材20、20間に容器2の首部2aが押し込まれると、両グリップ部材20、20が戻って容器2を把持する。このとき容器2の、回転体10の中心方向を向いた面は、支持プレート24の円弧状凹部24aによって支持される。
【0026】
容器処理装置8内に導入された容器2は、回転体10の外周に設けられている多数の容器把持手段16に把持されて回転搬送され、その間に適宜の処理が行われる。正常な運転中は、リジェクト装置26のガイド部材28、30はエアシリンダ36の作動によって後退され、容器搬送経路上を搬送される容器2に干渉しない位置に退避しており、容器把持手段16に把持されている容器1はリジェクト位置Rを通過して、排出ホイール12への受渡位置Bに到達する。排出ホイール12には、開閉式のボトルグリッパ(図示せず)が設けられており、容器2の首部2aのフランジよりも上方側を掴み、回転移動することにより、回転体10の容器把持手段16から強制的に容器2を引き出して、排出側のエア搬送コンベヤ14に引き渡す。排出された容器2は、このエア搬送コンベヤ14によって次の工程に送られる。
【0027】
運転中に、非常停止等によって容器処理ラインが停止した際には、必要に応じて処理途中の容器2を払い出さなければならない。ライン停止時には、先ず、導入側のエア搬送コンベヤ4に設けられているボトルストッパ56を作動させて、容器2の新規な導入を阻止する。また、非常停止信号が入力されることにより制御装置は、運転モードからリジェクトモードに切り換えられる。リジェクトモードに切り替わると、サブ操作パネル60が有効となり、この操作パネル60からの入力により必要な作動を行うことができる。
【0028】
搬送が完全に停止すると、作業者が、リジェクト位置R付近の2、3本の容器2を容器把持手段16から引き抜いて取り除いた後、サブ操作パネル60により移動手段26のエアシリンダ36を作動させて、ガイド部材28、30を前進させる。エアシリンダ36の作動によって両ガイド部材28、30が前進すると、外側ガイド部材30は、容器把持手段16に把持されている容器2の外側に位置し、内側ガイド部材28は、折り曲げられている先端部側が容器搬送経路の内側に挿入される。なお、両ガイド部材28、30を前進させて、内側ガイド部材28の先端部側を容器搬送経路の内部側に挿入する際に、前述のように、このリジェクト位置Rの容器2を予め取り除いているので、内側ガイド部材28が容器2に干渉することはない。
【0029】
両ガイド部材28、30を前進させて、内側ガイド部材28の先端を、容器把持手段16によって把持されている容器2よりも回転体10の内部側に挿入した後、作業者がサブ操作パネル60によって低速で運転を開始する。容器処理装置8の回転体10が回転すると、リジェクト装置26のガイド部材28、30が挿入された位置(リジェクト位置R)よりも上流側の容器2が、順次内部側ガイド部材28に係合する。容器把持手段16に把持された容器2は、垂直な状態で吊り下げられているが、胴部2bが内側ガイド部材28に係合すると、底部側が次第に回転体10の半径方向外方へ押し出されて容器把持部材16の両グリップ部材20、20を押し広げて取り出される。特に、内側ガイド部材28の上下2枚のガイドプレート28A、28Bのうち、下方のガイドプレート28Bが回転体10の外方側に位置しているため、容器2の底部側がより大きく外側に振られた状態になり、容器2がグリップ部材20、20から取り外しやすくなっている。回転体10が回転するに従って、容器把持部材16に把持されている容器2が順次取り外されて、下方の排出シュート50上に落下する。容器2を容器把持部材16から取り外す際に、前述のように、内側ガイド部材28によって容器2の底部側を大きく外側に振るようにしている、つまり、両グリップ部材20、20に対して容器2を水平方向に引き抜くのではなく、容器2の把持されている首部2aを支点として容器2の底部を上方へ引き上げるようにしているので、容器2の首部2aおよび首部2aから下方へ連続する部分によって両グリップ部材20、20の先端が下方から押し広げられ、容易に取り外すことができる。
【0030】
排出シュート50は、内面側に所定の間隔で複数のエアブローノズル52が設けられており、落下してくる容器2が最も上流側のエアブローノズル52によって、底部側を下流に向けた状態で寝かされ、その後、適宜の間隔で配置されている各エアブローノズル52によってエアを吹き付けられて次第に下流側に送られ、排出シュート50の下流端に設置されている回収ボックス54内に収容される。導入側のエア搬送コンベヤ4に設けられているボトルストッパ56によって容器2の移動を阻止しているので、新たな容器2が導入されることはなく、このボトルストッパ56よりも下流側の容器2を順次払い出してリジェクトが終了する。また、リジェクト位置Rよりも下流側の容器2は、排出ホイール12を介して排出側のエア搬送コンベヤ14に引き渡されて次の工程に送られる。
【0031】
払い出しが完了した後、移動手段26のエアシリンダ36によってガイド部材28、30を後退させて、容器搬送経路上の容器2に干渉しない位置に退避させ、ライン復帰に備える。なお、前記実施例では、容器2の払い出しを行う際に、リジェクト位置R付近の容器2を取り除くようにしているが、容器2を取り除かない場合でも、停止状態の容器2の列を押し広げながらガイド部材28、30を強制的に前進させて搬送経路内に位置させることも可能である。両グリップ部材20、20はスプリングの付勢力によって容器2を把持しているため、容器2が押し広げられる際の自由度を有しており、ガイド部材28、30を前進させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】容器搬送システムの全体の構成を簡略化して示す平面図である。(実施例1)
【図2】前記容器搬送システムの要部(リジェクト位置)を示す平面図である。
【図3】リジェクト手段をリジェクト位置に移動させた状態を示す要部の拡大図である。
【図4】リジェクト時の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0033】
2 容器
10 回転体
16 容器把持手段
26 リジェクト手段
28 ガイド部材
32 移動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と、この回転体の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数の容器把持手段と、これら容器把持手段によって把持された容器の搬送経路の途中に設けられたリジェクト手段とを備えた容器搬送システムにおいて、
前記リジェクト手段が、容器搬送経路を通過する容器の胴部に係合してこの容器を搬送経路の側方に強制的に送り出すガイド部材と、このガイド部材を容器搬送経路の側方と、搬送経路内の容器に係合する位置とに移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする容器搬送システム。
【請求項2】
前記リジェクト手段のガイド部材が、容器把持手段に把持された容器を搬送経路の外側へ向けて送り出す際に、容器の底部側を大きく側方に振るように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の容器搬送システム。
【請求項3】
回転体と、この回転体の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数の容器把持手段と、これら容器把持手段によって把持された容器の搬送経路の途中に設けられたリジェクト手段とを備えた容器搬送システムにおいて、
回転体の回転を停止させた状態で、リジェクト位置にある容器を取り除く工程と、容器の胴部に係合してこの容器を搬送経路の側方へ送り出すリジェクト手段のガイド部材を搬送経路内に位置させる工程と、回転体を低速で回転させ、前記容器把持手段によって把持されている容器を、前記ガイド部材に係合させて搬送経路の側方へ取り出すことを特徴とする容器搬送システムの容器リジェクト方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−44768(P2008−44768A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224119(P2006−224119)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】