説明

容器蓋と容器蓋を使用したアンケートシステム

【課題】製造から消費者の使用後の評価までを一貫して管理しようとする情報収集システムで、顧客囲い込みに1番必要な使用後の商品単品にまつわる情報を収集する際に使用する商品容器に二次元コードを添付する場合、二次元コードが商品の未購入者に不正に読み取られる事無く、容器を開封して後にしか読み取ることができず、しかも隠蔽と開示が自在にできる簡便で安価な構造の容器が求められている。
【解決手段】商品を収納する容器又は容器蓋の全体又は一部を二次元コードと合せてタンパーエビデンス機構で封緘した。タンパーエビデンス機構の開封方向に力を加えると封緘部材を不可逆的形状に破断し改変や開封した証拠が残るようにし、合せて、二次元コードの隠蔽と開示が自在な構造としたので二次元コードが商品の未購入者に不正に読み取られることのない容器ができ、課題が解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メーカは、製品企画、製造、入出荷の管理、販売、クレーム処理などの製造から消費までの一貫した製品単品の情報管理システムを求めている。
【0003】
その上に、次の生産を結び付けたいと強く願っている。
【0004】
情報収集の対象として流通の最終段階である消費者の当該製品に関する評価を含む消費者情報を収集することが重要性を増してきた。
【0005】
しかし、そのような製造から消費までの一貫した製品単品の情報収集システムは無く、その情報システムを有効に機能させる方法も持っていない。
【0006】
近年、商品の販売促進企画の為に、懸賞応募用のシール等を容器胴に添付し、それらを集めて郵送することで特典を受けられる販売促進策がとられている。
【0007】
また、シールにインターネットのURLや容器の識別番号を記載し、それを携帯端末やコンピュータに入力し、送信して後、交信して販売促進に結びつけた販売促進策としての利用方法も登場してきた。
【0008】
更に進んで、URLの入力を不用とする二次元コード記載のシールを容器側面に貼って、販売促進企画に利用した例も始まっている。
【0009】
更に進めて、購入者の携帯端末と製品メーカのサーバ間で情報交換ができるシステムの構築が顧客の囲い込み戦略として有効である、と考えられ始めている。
【0010】
二次元コードの利用が販売促進戦略の重要な素材や技術の一つである、と認められ始めてきた。
【0011】
紙に二次元コードを表示して容器に添付し消費者に読み取らせて送信させる方法は、廉価であり、携帯端末を利用すれば、手軽に購入者と、購入した物品と、メーカのサーバとをインターネットを介して接続できる。それは相互に情報交換のできるシステムを創るときの重要な技術要素である。
【0012】
二次元コードが提供する機能は、購入者の携帯端末と製品メーカのサーバとの間を手軽に結びつける情報交換機能である、と考えることもできる。
【0013】
更に、もう一つ、その要素技術が提供するものは、「単なる情報交換の機能」だけでなく、携帯端末が二次元コードを読取った結果に基づきサーバに接続する動作を記録する事や、接続後の交信の記録をとることで、携帯端末向けに様々なサービスを展開できることである。
【0014】
これらのサービスを受ける権利をデータベース等に記録しておきネットワークを通じてデータにアクセス可能なシステムを構築することにより、二次元コードを権利の受け渡しのための道具として利用することも可能である、と考えることもできる。
【0015】
その為に、二次元コードにエンコードされている使用済の情報(識別番号を含む)から他のまだ販売されていない商品の未使用(未開示)の二次元コード(識別番号を含む)を推測されたり、利用されてはならない。
【0016】
二次元コードにエンコードされている情報とは、URLを始めとし、添付される物品の型番やシリアルな製造番号や製造年月日や、生産管理や販売管理に必要な管理番号や機台番号や工場番号、LOT管理に必要なLOT番号や管理する目的によって設定される管理コードや、二次元コードそのものの識別番号や、任意のシリアル番号や、メーカや関係者が必要とすることで組み合わされ設定される情報を含めて言う。
【0017】
これらは、単一で表示されることも、複数が組み合わされて用いられる場合もある。また、これらは、その情報の一部でもって、二次元コードにエンコードされている情報全体を解読できる構造をシステム全体でもって構築することもできる。
【0018】
二次元コードにエンコードされている情報は、多様な用途を含んでいるために、二次元コードの識別番号を暗号化したり、二次元コードを不可視化したりする必要性が出てくる。但し、暗号化することによってエンコードされる情報の冗長度は増加する。
【0019】
二次元コードに暗号化を含めたセキュリティー管理を施せば、容器はアクセスの鍵となりアクセス履歴の証拠ともなる。
【0020】
本発明の容器蓋は不正防止機能付の容器蓋でありながら単品管理機能を有する。そうして、携帯端末が二次元コードを読取った結果に基づきサーバに接続し、その後の交信動作を許可したり不許可にしたり、携帯端末向けに様々なサービスを提供するキーになる、ことが可能である、と考えることもできる。
【0021】
販売促進企画で提供される場合を例にすれば、携帯端末が二次元コードを読取った結果に基づきサーバに接続する動作を記録することで、携帯端末を自動的な個人認証のツールとし、様々な信用供与サービスを展開することも可能である。
【0022】
これらのサービスを受ける権利を長期間管理することで顧客の囲い込みに必要なデータの蓄積が可能となり、従来に無かった顧客管理サービスが構築できる。
【0023】
二次元コードに与えられた機能は、二次元コードを読み取り、送信することにより、二次元コードにエンコードされた情報及び利用条件及びサーバに設定されたプログラム及びプログラムに設定された条件によって、消費者とメーカの間で了解される企画として、オマケ、抽選券、引換券、ポイントサービス券、利用回数別サービス交換券であれ、これらは全て、ある権利の提供とその義務の引き受けや利用に付随した権利の交換機能であると、考えることもできる。
【0024】
つまり、蓋を開けて、印字場B6記載の二次元コードを読み取ることは、名称こそ違え、形を変えながら、メーカが1本1本単位の容器に託して、消費者に前記のような色々な形で与えた企画の権利を、携帯端末で二次元コードを読み取り、二次元コードにエンコードされた情報に基づき、サーバのデータベースと交信することで、更新時点の権利行使可能な内容の範囲を照合できるという形をとり、あたかも、店頭で契約書を用いて権利を明確化していくことに類する意味がある、と考えることもできる。
【0025】
だから、二次元コードを利用するシステムでは、二次元コードの利用可能性の検証や有効性の確認や重複利用の排除やアクセスの制限(回数や接続時間の制限を含む)やアクセスの形態の制限を行う。又、読み取る携帯端末にも同じく、端末の使用者の特定も含む携帯端末の有効性の確認や重複利用の排除やアクセスの制限(回数や接続時間の制限を含む)やアクセスの形態の制限を行う。
【0026】
更に、二次元コードにエンコードされている「二次元コードを一意に識別する識別番号」と「携帯端末を一意に識別する識別番号」などを、サーバで管理されている情報と関連付けて管理する必要性が生じるのである。
【0027】
これは、通常の商習慣における取引要件の管理と同じ趣旨の行為である。それ故に、まず、第一に、二次元コードの不正使用を防止できなければならない。
【0028】
そうでなければ、二次元コードを色々な形の企画に採用したメーカの信用が傷つき、販売促進効果が半減するだけでなく、本来の業務や信用に支障が生じ、消費者の不信が生じる。
【0029】
つまり、製品の梱包や収納の容器に添付され、アクセスされる二次元コードが備えるべき必要条件は
1)購買者だけがアクセスできる、不正使用防止機能に守られている。
2)購入した後でしか二次元コードにアクセスできない。
3)利用可能性の検証や有効性の確認や重複利用の排除やアクセスの制限など利用者の権利の把握とその制限機能を持っている。
4)前記に求められる機能を応用しての容器の単品管理ができるだけの情報量がエンコードできることが求められる。
5)印字コストが安いことが求められる。
6)携帯端末に読み取りやすい表示サイズが求められる。
7)携帯端末に読み取りやすい印字密度が求められる。
8)印字機にとって実用的な印字速度が確保される二次元コードの仕様でなくてはならない。
【0030】
商品の容器に二次元コードを表示する場合は、ラベルを用いて容器胴に貼るのが一般的なものとして知られている。
【0031】
しかし、容器胴に二次元コードが添付された製品は、購入せずとも容器胴に添付されたラベルを剥がして読み取ることが出来、不正利用を防止する点で問題があった。また、滅失、毀損、汚損、変形、二次元コードを明示する素材の劣化などなどで正常に読み取れない問題もあった。
【0032】
周知のように、容器等に二次元コードを添付し、購入者の購入後の反応を収集するアンケートシステムは種々知られている。
【0033】
特開2006−58767では、2層の基材が剥離可能に積層され、上層基材を剥離し下層基材表面の二次元コードを携帯端末によって読み取るラベルを容器胴に添付することが記述されている。しかし、上層基材を剥がすことは容易であり、下層基材ごと剥ぎ取ることも容易である。未購入者でも二次元コードを読み取ることが出来る欠陥がある。
【0034】
特願2008−134020号は飲料缶においてプルタブを使用した二次元コードの不正防止機能がのべられている。前記特願はプルタブを備えた飲料缶以外についての言及が無い。
【0035】
特開2009−18841は、熱可塑性フィルムによる情報コードの変形防止に付いて記述されているが、熱可塑性フィルムによるタンパーエビデンス機能を構成する記述は無い。
【0036】
特開2006−107075は、当たり外れ等の籤情報を格納した二次元コードを付したボトル容器のキャップに関して記載されている。しかし、その効果は本発明と異なる。
【0037】
特開2006−182352は、容器の蓋の天面に情報コードを記載しているが、本発明と構成が違い、その効果は、情報コードを読み取り易く、汚れにくく、容器やラベルのデザインに影響を与えない目的であって、本発明と効果が異なる。
【0038】
特開2007−246125は、構成とその効果が異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】特開2006−58767号公報
【特許文献2】特願2008−134020号公報
【特許文献3】特開2009−18841号公報
【特許文献4】特開2006−107075号公報
【特許文献5】特開2006−182352号公報
【特許文献6】特開2007−246125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0040】
本発明は上記の背景事情に鑑みて為されたもので、不正使用ができないように二次元コードを製品に添付して、消費者の該製品に関する情報を単品単位で管理しやすく収集し、更に、メーカの製造ラインから消費者の購買後までの単品管理情報を一貫して収集できることに役立つ容器の開発を目的とする。
【0041】
更に、本発明はプルタブを備えた飲料缶以外について、不正使用ができない、単品単位の情報を収集しやすい、製品の一貫した情報を収集できる容器の開発を目的とする。
【0042】
ここで言う単品管理とは、容器の製造から消費者に渡って消費されるまでの期間に容器に付随して生じる情報、例えば、容器のトレーサビリティーに関する情報、誰が何時飲んだか、その評価は、という消費者の商品評価情報、販売促進企画の抽選に使用すれば「籤」としての当否情報、或は、容器1本毎に個別に収集し製品のあり様を分析するに必要な多様な情報を使用して容器単品ごとに必要な管理をすることをいう。
【0043】
前記の容器とは、ペットボトルやガラス瓶やスクリューキャップ付ボトル形状の金属缶などを含み、本発明の目的と合致したものを言う。
【0044】
食品メーカは、自社の製品に消費者を囲い込みたい(固定客化したい)と願っている。その為に、販売した製品類の1本1本ごとの消費に伴って発生する顧客の囲い込みに必要な顧客情報や販売促進企画や新商品の開発に必要な顧客の評価情報を収集できるシステムに効果的な機能を備えた容器の開発を望んでいる。
【0045】
それら容器の機能を通じて収集したい情報は次のようなものがある。
【0046】
1)容器1本1本毎の単品にまつわる種々の情報。
2)1本1本ごとの消費者の回答内容と回答した時刻との双方を関連付けて工場出荷から使用(飲用を含む)までの時間推移統計ができる情報。
3)前記時間推移統計からその回答内容と回答した時刻と物品の製造時刻との三つの情報を関連付けて経過時間と味の相関関係評価(製品内容物の美味しい、不味いなどの評価)ができる情報。
4)二次元コード7の読み取りがなされた時刻を商品の開封がなされた時刻とみなす為の技術を組込むことにより、容器の単品管理における製造からの経過時間に応じてアンケート回答がどのように変化するかを統計できる情報。
5)回答内容を統計することにより、顧客の囲い込みに有効な情報。
6)購入者と食品メーカの間を、購入商品を仲介とした情報交換システムを構築するに際して有効な、更にきめ細かい顧客情報。
【0047】
これらの情報を収集するシステムの構成要素としては、
1)二次元コードが備わった容器、
2)携帯端末、
3)インターネット、
4)サーバ
などをその要素とする。
【0048】
その構成要素中の携帯端末によって読み取られる二次元コード(エンコードされるデータ量や印字密度や印字方法や印字機の印字能力で実現できるコントラストやポジ表現か、ネガ表現かなど、で読み取り易さが異なる)と表示する印字部材(印字部材は形状や素材や印字装置との相性や構造や大きさや平面性など多くの仕様を併せ持ち、時に、容器の蓋そのものである場合もある)の間には二律相反する要素がある(後述する)。
【0049】
1)表示された二次元コードはその利用可能性の検証や有効性の確認や重複利用の排除やアクセスの制限など利用者の権利の把握とその制限が管理可能に行えるだけの情報量を持たねばならない。
2)更に、容器の単品管理ができるだけの情報量がエンコードされていることが求められる。
3)しかし、表示される二次元コードに多量の情報のエンコードを望めば、表示される二次元コードの印字密度や印字サイズや表示方法は印字する場所(容器の蓋の大きさ)に制約されるので、携帯端末の性能によっては読み取りにくくなる。
【0050】
更に、二次元コードが表示される容器は次のような機能を備える必要がある。
1)一本ごとの容器に表示された二次元コードが、購買者だけがアクセスできる不正使用防止構造を備えている。
2)購入した後でしか二次元コードにアクセスできない構造を備えている。
3)飲用のタイミングに合わせて二次元コードの隠蔽と開示を自在にできる構造を備えている。
【0051】
表示された二次元コードが備えるべき条件は容易に携帯端末で読みとれることであり、読みとり易さは次の要素で決まる。
【0052】
1)携帯端末に、読み取りやすい表示サイズで表示されているか。印字スペースには容器蓋1に装着された印字部材3という場所の制約(容器の外側面に表示する場合は、不正利用を防止できないと言う欠陥がある)があり、自ずとその印字面積の大きさに制約がある。
2)携帯端末に、読み取りやすい印字密度であるか。
3)携帯端末に、読み取りやすい表示方法(後で詳細に記述する)であるか。
4)印字できる場所に制約があるので、表示サイズや印字密度や表示方法によって、エンコードできる二次元コードのデータ量は規制される。(詳細は後述する)
【0053】
二次元コードが印字される印字部材(構造体や内蓋であるときもある)に関連して求められる必要条件は、
1)印字部材の製造設備関係(現行の容器を製造する製罐メーカや食品メーカ等の事業者の既存の設備、工程、製造方法)の変更や更新などが少ないことが求められる。
2)印字部材は省資源、省エネ、リサイクル性などに配慮した環境負荷の少ないことも求められる。
3)印字部材の製造と二次元コードの表示から運用管理までのコストが安いことが求められる。
4)インデックスと二次元コードを印字する印字機にとって実用的な印字速度が実現されるのでなくてはならない。
【0054】
これらの条件をうまく、費用対効果よく均衡させることができたときに、読み取りやすい二次元コードが表示された容器がローコストでできた、ということになる。
【0055】
メーカは製品の製造から販売までの己が関与できるプロセス、及び、製品が消費者の手に渡って消費者としての評価を下すまでプロセスの全期間に渡って、製品にまつわって生じた情報を、製造から消費までの一貫した情報として収集し、次の生産に結び付けたい。しかし、そのような情報収集システムは無く、該情報システムを有効に機能させる製品の容器を使った情報システムもなかった。
【0056】
製造メーカは、製品の販売に伴って発生する顧客の囲い込みに必要な顧客情報や販売促進企画や新商品の開発に必要な評価情報を収集できるシステムに役立つ二次元コードの不正読み取り防止機能を備えた容器のローコストでの開発を望んでいる。その実現が本発明の課題と考える。
【課題を解決するための手段】
【0057】
前記の課題を解決するために本発明は、単品ごとの容器に表示された二次元コードが、購買者だけしかアクセスできないように、更に、購入した後でしか二次元コードにアクセスできないように不正使用防止機能を備え、飲用のタイミングに合わせて二次元コードの隠蔽と開示を自在にできるようにし、更に王冠で封緘している瓶やガラス瓶やスクリューキャップ付ボトル形状の金属瓶などにも適用するために、
その構成は、
物品を収納する容器の容器蓋1であって、
容器蓋の上に情報本体44を印字した印字部材と
該容器蓋1の全体又は一部を被覆し、その被覆を剥がしたとき改変や開封した証拠を残すタンパーエビデンス機構12と、
前記タンパーエビデンス機構が該容器蓋1の全体又は一部を被覆しているときは、情報本体44の一部又は全部がタンパーエビデンス機構に隠されているため、携帯端末20は情報本体44を読み取ることができず、
タンパーエビデンス機構による被覆が剥がされたときは、情報本体44の全部が表われ、情報本体44の全部を読み取ることが可能となり、
携帯端末20は、情報本体44の情報を送信できるようにした、ことを特徴とする。
【0058】
更に加えて、物品の製造から消費者の使用後の評価情報までを一貫して収集する為に、情報本体44をインデックス5と二次元コード7に分離し、印字場A4のインデックス5と印字場B6の二次元コード7が不可分の正しい1組である事を実現するものであって、
その構成は、
前記情報本体44は、二次元コード7と、インデックス5からなり、
二次元コード7については、前記タンパーエビデンス機構が該容器蓋1の全体又は一部を被覆しているときは、携帯端末20は情報本体44を読み取ることができず、タンパーエビデンス機構による被覆が剥がされたときは、二次元コード7があらわれ、携帯端末20により、二次元コード7の全部を読み取ることが可能で、
インデックス5については、タンパーエビデンス機構が該容器蓋1を被覆しているか否かに拘わらず、携帯端末20により常時読み取りでき、
該インデックス5は前記二次元コード7にエンコードされている情報を解読するキー情報を含み、
携帯端末20は、情報本体44の情報を送信できるようにした、ことを特徴とする。
【0059】
更に加えて、タンパーエビデンス機構の利用の仕方の汎用性を図る為に、
物品を収納する容器の容器蓋1であって、
容器蓋の内面上側に印字部材3を装填し、
当該、印字部材3は、表にインデックス5、裏に二次元コード7を備え
表を容器蓋の上方になるように配置し、
容器蓋1の上面のインデックス5に相当する箇所を透明にすることにより、インデックス5を携帯端末20により常時読み取りができ、
タンパーエビデンス機構による被覆を剥したとき、
携帯端末20で容器蓋の裏にある二次元コード7を読み取り、情報本体44の情報を送信できるようにした、ことを特徴とする。
【0060】
前記の容器蓋を備えた容器を用いてアンケート調査を行う為に、
請求項1から請求項3の何れかの一つの容器蓋1であって、
タンパーエビデンス機構による容器蓋1の被覆が剥がされたときは、二次元コード7があらわれ、
携帯端末20は、二次元コード7を読み取り、読み取った二次元コード7に基づき、サーバコンピュータ55に接続し、
サーバコンピュータ55からのアンケート設問を受信し、その回答を返送し、
サーバコンピュータ55は、アンケートの設問を生成して、携帯端末20に送信し、
携帯端末20からの回答を受信し、その受信した時刻とアンケートの回答とを
関連付けてデータベースに記録することによりアンケートの収集を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0061】
発明を実施するための形態に説明する如く、以下のような優れた効果を発揮する。
【0062】
これらはいずれも従来技術では不可能なことであった。
【0063】
第一の解決手段によって、購入なされるまでは開封と隠蔽が自在にでき、容器を開封しないと二次元コード7を読み取ることできない為、飲用のタイミングに合わせて二次元コード7の開示が行われ、不正アクセスが不能な構造となり、二次元コードのデータは一意な情報を備えている為容器の単品管理が可能となった。
【0064】
更に加えて、第二の解決手段によって、インデックス5と二次元コード7の一組性が保証されることになって、一貫した単品管理が容易に安心してできるようになった。
【0065】
更に加えて、第三の解決手段によって、一貫した単品管理や不正防止機能が容易にでき、隠蔽と開示をローコストで実現することができるようになり、その結果、色々な種類の容器に適応できるようになった。
【0066】
更に加えて、上記の解決手段を講じた結果、製造メーカにとっては顧客の囲い込みに必要な一貫した顧客情報や販売促進企画や新商品の開発に必要な評価情報も収集できるシステムに役立つ二次元コードの不正読み取り防止機能を備えた容器をローコスト入手できるようになった。
【0067】
更に加えて、第四の解決手段は、アンケート回答用の端末である携帯端末20により二次元コード7を読取り読取った情報に基づいてサーバコンピュータ55にアクセスし、サーバコンピュータ55においては携帯端末20によるアクセスを受けてその携帯端末20にアンケートの設問を配信するとともにその回答が得られた時刻と回答の内容とを関連付けて記録することにより、アンケートの回答が時刻の変化によってどのような推移となるかを統計することが可能となった。その結果、容易に広範囲の顧客からの一貫した単品管理情報の収集も可能となった。
【0068】
具体的には以下のような効果が得られた。
【0069】
1)二次元コード7は容器の開封後でなければ読み取れず、不正利用を、効果的に防止出来るようになった。
2)容器の開封のタイミングに合わせて二次元コード7の隠蔽と開示を自在に出来るようになった。
3)いつでも見ることができる印字場A4の情報を読み取ることで、容器を開封する事無く印字場B6の情報が解読でき製造メーカは一貫した単品管理も可能となった。
4)この発明により、時間差を持った複数の販売促進企画を1つの二次元コード7で操作でき、より複雑で販促効果の高い企画をローコストで実施できるようになった。
5)印字場A4にはブランド名等インデックス5以外の情報を予め印字し、表示する事もできるようになった。
6)透明な瓶でも、光の屈折でもって蓋の横や容器胴側や容器底からは携帯端末で二次元コード7を読み取ることはできない。
7)容器蓋1は透明であるが、印字部材3の存在によって容器内部は透視できない。
8)容器に2層方式のシールで隠した二次元コードを読み取る方式に較べて、読み取り操作が簡単でローコストになった。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は請求項1と請求項2(実施例1と実施例2)のタンパーエビデンス機構の構成と、それに隠蔽される情報本体44の関係を示す説明図であって、容器全体の斜視図で、容器蓋に常時開示された情報本体44(全体が常時見えるインデックス5とタンパーエビデンス機構に一部を隠蔽された二次元コード7)に対するタンパーエビデンス機構(破線内の21〜23)の関係を示す。
【図2】図2は実施例1の側面図である。図1同様に情報44に対するタンパーエビデンス機構として容器蓋にシュリンク包装が施され、容器蓋を覆っていることを示す。
【図3】図3は情報44に対するタンパーエビデンス機構を剥ぎとった後の容器蓋の側面図である。この場合は、容器蓋そのものに重複して、充填物に対するタンパーエビデンス機能があることを示す。
【図4】図4はタンパーエビデンス機構を剥ぎとった後、容器蓋1の上から見た平面図で情報本体44(インデックス5と二次元コード7)が破線で囲まれている。図4は図1のタンパーエビデンス機構開封後の平面概要図である。更に情報本体44はインデックス5と二次元コード7に分離することも示す。数字を1次元バーコードにすることで読取の容易性と正確性を図ることもある。
【図5】図5はタンパーエビデンス機構(破線に囲まれた)が容器蓋の上の印字部材3を如何に隠蔽しているかを示す断面図である。
【図6】図6は実施例1の容器蓋の写真であって、図6は印字部材3がまだ設置されていない時の容器蓋1の斜視図である。
【図7】図7は印字部材3が設置された容器蓋1の斜視図である。
【図8】図8は印字部材3をタンパーエビデンス機構が覆った時の容器蓋1の斜視図である。
【図9】図9は実施例3の説明図であって、図9は全体の斜視図である。蓋にインデックス5だけが見える。数字でなく数字を1次元バーコードにすることもある。情報本体44がインデックス5と二次元コード7に分割され、透明な容器蓋の外からはインデックス5しか見えず、開封した時しか二次元コード7が見えない事を示す。
【図10】図10は印字部材3の構造の1例を示す展開図である。折り返して畳んで表裏一体とする。実施例3において、二次元コードとインデックスを同一部材の同一平面上に期を一にして相前後して印字できることを示す。折り曲げ線11で折り返すと表裏一体となり、二次元コードとインデックスの1組性がローコストで保証できることを示す。
【図11】図11は装填された印字部材3を透明な容器蓋1の上から見た平面図である。インデックス5だけが見える。
【図12】図12はタンパーエビデンス機構を容器蓋そのものが備えている事を示す。
【図13】図13は印字部材3を透明な容器蓋1に装填した時の断面図である。
【図14】図14は透明な容器蓋の内側に印字部材3が収納され、容器蓋1のタンパーエビデンス機構を開封して後、天地を返して容器蓋の内側を見た時に二次元コード7が見える事を示す。
【図15】図15は実施例3の透明な容器蓋1の断面からみた応用事例1である。内蓋が無い場合である。
【図16】図16は実施例3の透明な容器蓋1の断面からみた応用事例2である。印字部材脱落防止機構9と排液機構10があることを示す。
【図17】図17は実施例3の透明な容器蓋1の断面からみた応用事例3である。内蓋本体が図示する位置にあれば、印字部材脱落防止機構9と排液機構10が不要な事を示す。
【図18】図18は実施例3の透明な容器蓋1の断面からみた応用事例4である。内蓋本体が図示する位置にあれば、印字部材脱落防止機構9と排液機構10が不要である事を示す。更に、印字部材3を内蓋本体2の凹部に置くだけでよいことも示す。
【図19】図19は実施例3の応用事例5であって、例えば、煙草の箱様の容器に本発明を実施した場合を示す。最外装の透明なセロハン紙の一部(23の部分)を不透明にした上でタンパーエビデンス機構を構築した場合を示す。
【図20】図20はレーザマーカによる印字速度計測テストで使用した第一の印字部材の説明図である。
【図21】図21はレーザマーカによる印字速度計測テストで使用した第二の印字部材の説明図である。
【図22】図22は本発明の構成の概略を示すネットワーク図である。
【図23】図23は携帯端末20の構成を示すブロック図である。
【図24】図24は二次元コードの発行プロセスを示したフローチャート図である。
【図25】図25は二次元コード1の読取りからアンケートの回答結果が記録されるまでのプロセスを示したフローチャート図である。
【図26】図26は管理データベース10のデータベース構造を示したER(ENTITY RELATION)図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
なお、本発明の技術的範囲は例示する実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0072】
複数の実施例に共通な事項はまとめて記述し、他の段落では省略することがある。
【0073】
独自に定義する用語は最初に表記したところで定義する。
【0074】
以下に、個々の実施例を示す。
【実施例1】
【0075】
先ず、最初にタンパーエビデンス(TAMPER EVIDENCE)機構について述べる。
【0076】
製品の梱包や収納容器はTAMPER EVIDENCE機能(容器又は包装に、開梱する為に外からの力を加えると容器又は包装に仕組んだ構造又は構成でもって、容器又は包装に不可逆的な形状の変化が起き、その変化をもって容器又は包装の改変や開封した証拠とする機能をタンパーエビデンス機能又はタンパーエビデンス機構と言い、製品の不正な改変や開封を防ぐ機能である)を備えることが望ましい。これを備えることによって、食品やその他製品の偽造や偽装や改造や不正の混入などに対する梱包の品質や製品への消費者の信頼性や信用が向上する。
【0077】
食品は工場から商品が最終の消費者の口に入るまで安全な状態で届けることが求められる。
【0078】
1984年発生した「xxxxx事件」は、「xxxの製品に青酸ソーダを入れた」文書が送られて、市場からxxx製品や類似の製品が市場から消えた事件であった。
【0079】
その後も、自動販売機の中に毒の入った飲み物が置かれる事件などが発生した。
【0080】
また、スパー店頭のパン、牛乳、パックされた肉、魚などから縫い針が見つかる事件は、良く聞く事件である。
【0081】
この手の食品の流通過程での意図的な悪意を持った犯罪行為に対して、製品に手を加えた場合に、製品が手を加えられた事が明確に解る様にする事をタンパーエビデンスと言う。
【0082】
タンパーエビデンスの実施例としては次の様な物がある。製品の種類と製品価格とタンパーエビデンス機構のコストによってどのような該機構を選ぶかが決まる。
【0083】
1、フィルムで上から包む。お菓子などの一般的な包装で、薄いフイルムで箱の上を更に包装する。但し、器用な人なら、異物を混入させて包装を戻すことは簡単に行える。
【0084】
2、ストリップ包装。薬の様に一単位毎に個別包装する。箱に異物を入れられても、使用する包装単位で品質を守る。
【0085】
3、シュリンク包装。熱を加えると縮むフイルムで、商品全体又は一部取出し口を包み込む包装方法で、一度フイルムを破らないと商品を取り出すことが出来ない。
【0086】
4、瓶の封緘。ワイン、ウイスキーの包装の様に、特殊な紙などで、瓶とキャップを封緘する。一度キャップをはずすと、封緘紙が破けてしまう。
【0087】
5、ブレーカブルキャップ。キャップを壊さなくては、中身を取り出せない状態のキャップである。日本の安価なワイン、プルットップの缶ビール等は金属のフタを壊さないと中身を取り出すことはできない。ペットボトルの醤油などの様にフタの中のキャップを壊すことによって中身が取り出せるような構造もある。
【0088】
6、封緘チューブ。歯磨き容器の様に、フタを開けて中の取り出し口を壊さないと、中身を取り出せない構造の物。簡単な構造だが、安全性を考えると、非常に安全な構造と言える。
【0089】
7 エアゾール容器。中身に何か入れようとしても、容器の中の圧力が高いために、異物を入れることが出来ない構造になっている。
【0090】
上記の各TAMPER EVIDENCE機構に守られた場所に、二次元コード7を表示すれば、多くの製品に本発明の趣旨に沿った二次元コード7の表示方法となり、場合によっては容器蓋に透明性が不要となる場合がある。
【0091】
以下はTAMPER EVIDENCE機構を備える事によって実施例に含めることができる事例である。
【0092】
ビール瓶のような王冠のあるガラス瓶の場合。
【0093】
スクリューキャップ付ボトル(瓶)の形状をした、アルミ缶又はスチール缶の場合。
【0094】
スクリューキャップ付ボトルはアルミ缶メーカが、ペットボトルに対抗して開発したもので、2000年頃からビールや清涼飲料水の新しい容器として出回るようになった。スクリューキャップによるリキャップが可能で携帯性が高く、機密性にも優れ、リサイクルも容易である特徴を持つ。
【0095】
別の例に、容器の蓋の上に透明飲用カップを添付し、シュリンク包装材で封緘する。これは二重蓋と見做せる。その中に印字部材を入れる。飲用カップ内に内向きに二次元コード7を、外向きにインデックス5の状態で添付する場合も本発明と同様な効果が得られる。
【0096】
ビールの樽も取り出し口をタンパーエビデンス機構で覆えば、本発明の1事例となる。
【0097】
次に、実施例1をPETボトルとし本発明の容器蓋を図に従って述べる。
【0098】
図1は容器蓋又は容器全体をタンパーエビデンス機構で包み込む方法であって、本容器蓋を封緘した後の斜視図である。タンパーエビデンス機構12は、容器蓋1の上にある印字部材3を覆い、情報本体44を隠蔽している。21は可動部材、23は固定部材。22は封緘部材としてミシン目状に繊細に21と23をつなげており、可動部材21を、開封する為に力を加えれば封緘部材22は固定部材23から速やかに破断する。開封して内容物を取り出すことができる。
【0099】
図1は請求項1の発明において、熱を加えると縮む性質を持つシュリンク性能の高い樹脂フイルムでできた筒状の封緘材で容器蓋部分に被せ熱を加えて収縮させ、封緘部材22の破断無しには内容物を取り出せないようにして実現したタンパーエビデンス機構12をもって、情報本体44を不正な購入者が入手できないようにしたものである。
【0100】
正当な権利者でない者がこのタンパーエビデンス機構を破損して場合は商品価値がなくなるという意味で「器物損壊」に該当し情報本体44を読み取って送信した場合は「窃盗」に相応する。
【0101】
情報本体44は、メーカの商品流通過程における単品管理を必要とせず、販売促進用の抽選籤などだけの目的だけで利用する場合には、二次元コード7だけで利用することもできる。二次元コードだけで情報本体を構成することもできる。しかし、この場合でも二次元コードを読み取って送信した後アクセスに成功した場合は、アンケート調査などの交信が可能である。
【0102】
次に、実際の手順を述べる。
【0103】
先ず、ペットボトルの容器蓋1を準備する。
【0104】
次に、印字部材3を準備する。印字部材3の代用として容器蓋1に直接印字してもよいがその場合は、印字される二次元コードが認識しやすい濃い地色の素材が望ましい。
【0105】
印字方法はレーザマーカ又はインクジェットプリンター又はレーザプリンターなどを用いて行う。
【0106】
情報本体44を印字部材3に印字する。
【0107】
印字部材3に印字される情報本体44は後で詳細に述べるように、容器蓋1の上に添付できる大きさであって、タンパーエビデンス機構12に隠蔽され、開封前には携帯端末20では読み取ることが出来ない。
【0108】
印字部材を容器蓋に取り付ける作業の都合上、印字部材裏は粘着剤が塗布され、容器蓋には添付機で自動的に添付される。
【0109】
これで、情報本体44が添付された容器蓋1ができた。
【0110】
次に、容器本体8に充填すべき内容物を充填する。
【0111】
この後、容器蓋を容器の口に乗せて装着する。取り付けの最終工程として容器蓋を封緘する方向に力を加える。
【0112】
これで以って容器蓋を開封の方向に力を加えれば封緘部材22が破断し、タンパーエビデンス機構が機能する。多くのペットボトルの容器蓋は容器蓋自身にタンパーエビデンス機能を備えている。
【0113】
それは図3及び5に示すように、既に既製の容器蓋が可動部材21と封緘部材22と固定部材23の手段を備えているからである。しかし、この事例の場合は、タンパーエビデンス機構は情報本体44を隠蔽自在にする目的のものではなく、充填された内容物に安全安心を提供すためになされている保護手段であって情報本体44を隠蔽する為のものではない。
【0114】
次に、後刻、封緘部材22の役目を果たすミシン目が施された、筒状のタンパーエビデンス機能の役目を果たす筒状のシュリンクフィルムを被せる。
【0115】
次に、シュリンクフィルムに熱を加える。収縮した時点で、情報本体44は携帯端末20に読み取れなくなった。
【0116】
これで課題に述べた単品管理ができ、二次元コードの不正読み取り防止機能を備え、製造から消費までの一貫した製品単品の情報管理システムとそのシステムで有効に機能する容器が実現した。
【0117】
以上で実施例1についての記述を終る。
【実施例2】
【0118】
実施例2の容器蓋製造工程は実施例1に同じであるので、重複する部分は省略するが、情報本体44の取り扱いが異なる。
【0119】
情報本体44はインデックス5と二次元コード7に分離して印字される。インデックス5はタンパーエビデンス機構に保護されることは無く、常時開示されている。
【0120】
しかし、情報本体44をどのような工程で利用するかによっては、インデックス5を1次元バーコードとし携帯端末20で読み取ってもよい。その方が効率的なことがあるが、携帯端末を所持しないといけない不便が在る。
【0121】
インデックス5の利用について。
【0122】
特定の携帯端末20の携帯端末を一意に識別する識別番号を事前にサーバコンピュータ55に登録しておけば、該携帯端末20でサーバコンピュータ55にアクセスして後にインデックス5を入力すれば、インデックス5を情報の一部にしている二次元コード7にエンコードされている情報を参照したり、サーバコンピュータ55に蓄積されている一部又全部の情報を参照することができ、製造メーカの単品管理をスムーズにする事ができる。
【0123】
何故、インデックス5が要るか。それは、製造メーカ側の人には、二次元コード7は常時は開示されないようにタンパーエビデンス機構に隠蔽されているからであり、二次元コード7は携帯端末20が無いと読み取れないからである。
【0124】
だから、インデックス5だけでは製品の全流通過程で発生する情報を一貫して迅速に収集することはできない。故に、インデックス5は1次元バーコードで代用することも可能であり、物流や商流に携わる関係者の効率を考えるとむしろ一次元バーコードの方がよいこともある。
【0125】
故に、商流や物流の過程において、上記の説明に在る如くメーカ関係者はインデックス5を使用して、二次元コードにエンコードされている情報、URLを始めとし、添付される物品の型番やシリアルな製造番号や製造年月日や、生産管理や販売管理に必要な管理番号や機台番号や工場番号、LOT管理に必要なLOT番号や管理する目的によって設定される管理コードや、二次元コードそのものの識別番号や、任意のシリアル番号や、メーカや関係者が必要とすることで組み合わされ設定される情報を利用して商品を単品管理することができる。
【0126】
更に引き続いて、製品が消費者の手に渡ってからは、メーカは二次元バーコード7を用いて、製品の最終過程である消費者からの情報を、消費者の携帯端末を通じて収集することができる。
【0127】
ここで言う単品管理とは、メーカが知りたい容器の製造から消費者に渡って消費されるまでの期間に容器に付随して生じる情報、例えば、容器のトレーサビリティーに関する情報、誰が何時飲んだか、その評価は、という消費者の商品評価情報、販売促進企画の抽選に使用すれば「籤」としての当否情報、或は、容器1本毎に個別に収集し製品のあり様を分析するに必要な多様な情報を容器単品ごとに収集管理をすることをいう。
【0128】
これが、情報本体44にインデックス5と二次元コード7を分離して印字する理由である。
【0129】
インデックス5だけを見ても消費者は有意な情報を何も入手することはできない。
【0130】
これで課題に述べた二次元コードの不正読み取り防止機能を備え、一貫した単品管理ができる実施例2の容器蓋が実現した。
【0131】
以上で実施例2についての記述を終る。
【実施例3】
【0132】
請求項3の発明において、容器蓋の内側部分に印字部材3を装填し、印字部材3にインデックス5と二次元コード7を印字して表裏一体としてインデックス5の面を容器蓋の透明な部分を通して、外部に向かって開示し、二次元コード7は容器蓋のタンパーエビデンス機構12が持つ封緘部材22の破断を持って開示され、携帯端末で読み取ることができるようにした。
【0133】
本実施例は透明な容器蓋がTAMPER・EVIDENCE機構を代替する機能(インデックスを常時開示し不可逆的開封操作の前後で、二次元コードの隠蔽と開示を自在に行うことができること)を提供することを利用して課題の解決を図るものであること示す。
【0134】
本例の形状は実施例1又は2で使用した容器蓋とおなじで、相違点は容器蓋に透明な部分を作ることである。
【0135】
実施例3の容器蓋製造工程は実質的には実施例1及び2に同じであるが、情報本体44の取り扱いは異なる。
【0136】
インデックス5を常時開示できるように容器蓋1の原料の素材を、容器蓋成形後も透明である素材とする。
【0137】
容器蓋1の金型設計は、内蓋本体2が必要な場合又は不要な場合、印字部材脱落防止機構9を設置する場合しない場合、排液機構10を設置する場合しない場合を考慮して変更して行う。
【0138】
先ず金型に基づいて射出成型法で容器蓋を作る。製作原料は透明な原料(顔料を加えないだけである)で製作する。
【0139】
先ず、透明なペットボトルの容器蓋1を準備する。
【0140】
この実施例3の場合も実施例1及び2の容器蓋がタンパーエビデンス機構を備えていたと同様にタンパーエビデンス機構を備えている。
【0141】
故に、シュリンク包装をしなくてもタンパーエビデンス機構が備わっている。前記容器蓋1は充填物を入れた後取り付ければ、可動部材21を開封方向に力を加えることでタンパーエビデンス機構が備わっていることがわかる。
【0142】
次に、印字部材3を準備する。
【0143】
図10のようにインデックス5と二次元コード7を印字部材3に印字するのはローコストで1組性を実現するためである。
【0144】
トムソン型で型抜きする。
【0145】
折り曲げ線11を境にして折り曲げて表裏一体にした印字部材3を容器蓋1の内側に装填する。
【0146】
図11のようにインデックス5を透明な蓋側に向け、図14のように二次元コード7を容器側に向ける。
【0147】
容器本体8に充填すべき内容物を充填する。
【0148】
この後、容器蓋1を取り付ける。取り付けの最終工程として容器蓋を締める方向に力を加える。これで以って容器蓋を開封の方向に力を加えれば封緘部材22が破断し、タンパーエビデンス機構が機能する。
【0149】
容器蓋そのものがそれらの機能を備えているからである。
【0150】
図10は実施例3で用いる印字部材3の展開図である。同一の印字部材に同時相前後して同一機材で印字した場合にインデックス5と二次元コード7との1組性が保証されることが見て取れる。こうすることによって、単品管理する時のデータの1組性がローコストで保証できる。
【0151】
図12で、21は可動部材、23は固定部材、22は封緘部材としてミシン目状に繊細につながっており、可動部材21は開封する為に可動部材21を廻せば固定部材23から、ミシン目に相当する封緘部材22は速やかに破断する。容器蓋自体が、タンパーエビデンス機構12を持っている事を示す。容器蓋が透明であっても外部から二次元コードを携帯端末で読み取ることはできない。
【0152】
図13は実施例3の断面図であり印字部材3の装填された位置を示す。
【0153】
図14は容器蓋を天地逆にした時に二次元コードが読み取れる事を示す。
【0154】
これで課題に述べた二次元コードの不正読み取り防止機能を備え、一貫した単品管理ができる実施例3の容器蓋が実現した。
【0155】
次に、「インデックス5」と「二次元コード7」が印字されている意味について。
【0156】
図1は未開封容器の蓋を上から見た斜視図で、インデックス5が読み取れる。こうすれば、容器を開封する事なく、インデックス5を読み取ることが出来て、インデックス5から二次元コード7を解読できることがわかる。
【0157】
消費者は「インデックス5」に関係なく「二次元コード7」を読み取って、販売促進企画などに参加する。
【0158】
なぜなら、例えば消費者は「二次元コード7」の情報の当否を自分で判断することはなく、送信した「二次元コード7」の当否はサーバ側で判断するからである。
【0159】
「インデックス5」が無ければ、メーカは容器の外部から「二次元コード7」にエンコードされた情報を解読することはできない。
【0160】
なぜなら、内容物が充填された容器は容器蓋によって「二次元コード7」が隠蔽される仕組みとなっているからである。
【0161】
メーカは外部から「インデックス5」を読み取って「二次元コード7」を解読できることは前述した。
【0162】
そうする事で、どの部署も詳細な単品管理に基づいた販売促進管理情報や生産管理情報を取得出来る。
【0163】
そのために「インデックス5」をメーカが利用できる形態で、目で見える位置に印字されている必要がある。
【0164】
しかし、開示されている「インデックス5」から、まだ容器が開封されていない他の未使用の容器の「二次元コード7」の内容を類推できたりしてはならない。その為に二次元コード7を暗号化し隠蔽する必要性が出てくる。
【0165】
あくまで、インデックス5は、メーカにとって必要なものである。
【0166】
図11によれば、印字場A4が容器蓋に挿入後に目視できる位置であれば、インデックス5は印字場A4のどこに印字しても良いし、レーザマーカで印字する場合は、微細に印字できるので適切な場所に印字すればよい。図13によれば、印字場Aは常時開示され、印字場Bは隠蔽されており、ミシン目を切り、開封することで印字場Bは開示されることが解る。
【0167】
「インデックス5」は桁数を少なくするために数字では無く、アルファベットだけで印字しても良い。又、1次元バーコードでもよい。
【0168】
容器本体8は従来の容器を使用するので、特段の仕様変更は無い。
【0169】
次に、単品管理に必要な二次元コードとインデックスとの1組性保証について述べる。
【0170】
1組性とは、2つのものが相互に共通の目的を果たすために1組と定め、密接不可分な関係をいう。錠前と鍵の関係がその事例である。
【0171】
印字部材3の同一平面上に、同一機材で、同時前後してインデックス5と二次元コード7を印字することとした。その効果は、
1)不可分なインデックス5と二次元コード7の1組性が保証された。
2)容器を開封する事無く印字場A4のインデックス5で、印字場B6の二次元コード7が解読できるようになった。
3)1組性の検証のための再度の照合作業を不要とし、照合コストを削減できた。
4)1組性の信頼度が高くなったので、製品メーカは安心して単品管理を行うことが出来るようになった。
5)単品管理が不要な場合は、インデックスの表示を不要とすることができる。
【0172】
以上で実施例3についての記述を終る。
【実施例4】
【0173】
図1は容器の容器蓋をタンパーエビデンス機構でもって隠蔽構造を実現した例である。この場合、二次元コード7の添付された物品80がこの容器である。請求項1乃至3の発明によると、容器はタンパーエビデンス機構の操作でもって、開封がなされる構造であるとした。例えば、二次元コード7の添付されている飲料容器が商品として販売されているペットボトル飲料であり、前記隠蔽構造が図1にあるようなタンパーエビデンス機構であったとする。すると、「ペットボトル飲料を開封せずに二次元コード7を読取ってアンケートに回答する」という行為を行うことは不可能である。従って、ペットボトル飲料を飲んだ時刻とアンケートに回答した際の時刻との差をより小さくすることが可能であり、飲んだ時点での商品の評価情報が得られる。従って、商品開発に対して極めて有用な情報を得ることが可能である。
【0174】
図22は、本発明におけるネットワーク図である。二次元コード7は図1の場合は容器蓋1上の印字部材3に設置され、印字部材3を兼ねて容器蓋1に直接印字することも可能である。
【0175】
図22において、インターネットは携帯端末20やその他のコンピュータ同士を接続するための通信手段である。インターネットに限らず、有線や無線によるLANやBLUETOOTHなどの通信手段など、どのような通信手段でも良い。又、全ての接続を同一の通信手段とする必要は無く、例えば、携帯端末20とサーバコンピュータ55との通信はインターネット、その他の通信は有線によるLANであるなどの構成も可能である。
【0176】
携帯端末20はインターネットを介してサーバコンピュータ55と接続されているコンピュータ端末である。又、携帯端末20は、二次元コードを読取る手段を備えており、二次元コード7を読取り、エンコードされているデータをデコードして取出し、デコード結果のデータに基づいてサーバコンピュータ55への接続を行う手段を有する。携帯端末20のハードウェア構成の詳細については後述する。
【0177】
使用者77は、携帯端末20の所持者である。尚、携帯端末20における固有の識別番号20Aに対してアンケート回答履歴(回答履歴とは回答の内容と回答がなされた時刻の双方を含むものとする)を追跡した場合、使用者77の回答履歴を追跡していることになる。
【0178】
サーバコンピュータ55は、インタネット66を介して携帯端末20及び生産管理コンピュータ57と相互に接続されているとともに、管理データベース56と接続されておりそのデータ読出及び更新を行うコンピュータである。サーバコンピュータ55はサーバプログラムを備え、携帯端末20からのアンケート送信要求を受けた際にアンケートを携帯端末20に配信するとともに、携帯端末20から受信するアンケート回答の結果とその時刻とを記録・統計する手段を有する。記録・統計の際のデータの格納場所として管理データベース56が利用される。
【0179】
生産管理コンピュータ57は、インタネット66を介してサーバコンピュータ55と相互に接続されているとともに、製造データベース58と接続されておりそのデータ読出及び更新を行うコンピュータである。更には、物品80が商品として出荷される際の情報を製造データベース58の記録を用いて管理するコンピュータである。生産管理コンピュータ57は生産管理プログラムを備え、物品80の製造の際に、物品80と二次元コード7とを関連付けて製造データベース58に記録する手段を有する。
【0180】
携帯端末20の構成を表すブロック図について、図23に沿って説明する。
【0181】
携帯端末20は、インターネットを介してサーバコンピュータ55に接続し相互通信が可能である。接続の際にはネットワークインターフェース240を用いてインターネットを介してサーバコンピュータ55に接続される。
【0182】
携帯端末20は撮影部211を備え、静止画像若しくは動画の撮影が可能である。又、CPU220は撮影部制御部221を備えており、撮影部211を制御して撮影操作を行う。このとき、携帯端末20の使用者77は、入力部212を操作することで撮影を行う。
【0183】
更に、CPU220は二次元コードデコード部222を備える。二次元コードデコード部222は、撮影部211によって撮影された静止画若しくは動画中に二次元コードが含まれているか否かを認識し、二次元コードが含まれている場合にはその二次元コードをデコードし、エンコードされていたデータを取得する。
【0184】
更に、CPU220はアンケート送信要求部223を備える。アンケート送信要求部223は、二次元コードデコード部222によって二次元コードをデコードした結果として得られたデータを元にしてサーバコンピュータ55に接続し、アンケート送信要求を行う。尚、サーバコンピュータ55への接続の際には、ROM部250に格納されている携帯端末の識別番号20Aがサーバコンピュータ55に送信される。
【0185】
尚、二次元コード7に記録されているデータであって、サーバコンピュータ55に接続するためのデータは、サーバコンピュータ55のネットワーク上でのパスを含む。このデータをURL形式としても良く、又、携帯端末20に予めパスを記憶しておいても良い。
【0186】
CPU220によるこれらの処理を行うに際して、一時記憶領域としてメモリ230が利用される。
【0187】
アンケート送信要求によってサーバコンピュータ55から携帯端末20に対してアンケートにおける質問が送信される。その質問の内容は表示部213に表示される。それに対する回答は使用者77が入力部212にて入力操作を行うことにより行われる。
【0188】
格納部260は、質問の表示のスタイルに関する情報や、質問の履歴に関する情報を格納できる記憶領域である。質問の表示の際にはHTMLやXMLを用いてもよく、また表示するための専用のソフトウェアを用いても良い。
【0189】
このような携帯端末20としては、携帯電話をハードウェアとして用い、上記の機能を実現するためのプログラムを組み込むことにより容易に実現することができる。又、携帯電話に限らず、PDAやモバイルパソコンやゲーム機やデジタルカメラや電子財布などでもよく、その他どんなコンピュータであっても良い。
【0190】
図24において、二次元コードが商品に添付されて出荷されるまでの過程を説明する。本実施例中において物品80は、商品として販売される対象であるため、図示しないが商品81と記述する。又、S3000番台とS5000番台とのステップは、夫々サーバコンピュータ55と生産管理コンピュータ57との上で動作することは明らかであり、それらの動作主体が明らかである場合にはその動作主体や文章中の主語の記述を省略することがある。
【0191】
開始入力を受けることにより、生産管理コンピュータ57において生産管理プログラムが開始される。
【0192】
ステップS5001により、サーバコンピュータ55に対して二次元コード発行要求がなされる。このステップは、生産管理コンピュータ57は製造データベース58中に記録されている商品を商品81として、その商品81に二次元コード7を関連付けるためになされる。
【0193】
サーバコンピュータ55はステップS3001において、二次元コードIDを発行する。二次元コードIDは各々の二次元コードに対して固有の一意な番号であるため、既に発行された二次元コードIDと重複しないIDが選ばれる。
【0194】
ステップS3002において、二次元コードIDを持つ二次元コードを管理するためのデータレコードを生成し、管理データベース56中に記録する。ここで、管理データベースの詳細は図26に示してある(詳細は後述)。
【0195】
次に、サーバアドレスと二次元コードIDとをエンコードして二次元コード7を画像データとして生成する(ステップS3003)。
【0196】
ステップS3004により、前ステップにて生成された二次元コード7を生産管理コンピュータ57に送信する。尚、このステップにおいては、サーバコンピュータ55において二次元コードのエンコードが行われているが、エンコードの操作は生産管理コンピュータ57において行っても良い。
【0197】
生産管理コンピュータ57によりステップS5011において、二次元コード7を受信する。
【0198】
ステップS5012により、前ステップにて受信した二次元コード7と商品81とを関連付けて製造データベース58に記録する。
【0199】
この時点で商品8の出荷準備が完了したことになる。
【0200】
そして商品81が出荷されるとともに、ステップS5013により、商品81が出荷されたことを出力し、その情報を製造データベース58に記録する。
【0201】
図25において、出荷された商品81に添付の二次元コード7が携帯端末20によって読取られ、使用者77によってアンケートの回答がなされるまでのプロセスを説明する。
【0202】
管理データベース56の構造については図26参照のこと。図26のPKは主キー属性を示し、FKは外部キー属性を示すものとする。
【0203】
まず、使用者77が携帯端末20を操作することにより端末プログラムが動作する。
【0204】
ステップS2001により、携帯端末20が二次元コードを読取る。
【0205】
ステップS2002により、前ステップによって二次元コード7が読取られた結果に基づいて、サーバコンピュータ55にアンケート送信要求を行う。この場合、二次元コード7には商品81に関する情報がエンコードされており、その情報を送信することにより、アンケート設問選択がなされる。この情報は商品企画104における主キー属性である。商品企画コードを含んでいる。
【0206】
商品企画104はどのような商品101に対してアンケート回答の際にどのような抽選103を行うか、又それらの情報を参照するための二次元コード102はどのような二次元コードIDを持つかといったことを関連付けるレコードを備えるデータテーブルである。
【0207】
又、質問セット明細107はどのような商品企画104に対してどのようなアンケート設問を行うかを関連付けるためのデータテーブルである。アンケート設問の内容やその分野、回答方法(選択式や記述式等の情報)等はアンケート設問106に規定されている。
【0208】
携帯端末105は、アンケートに参加した携帯端末20のリストを作成するためのデータテーブルである。
【0209】
回答明細108は、どのようなアンケート設問106に対してどのような携帯端末がどのような回答をいつ行ったのかを記録するデータテーブルである。尚、回答明細108の属性を参照し、その値がNULLであるか否かを用いる等の方法により、同じ携帯端末20で同じ二次元コード7を複数回読取って複数回の回答を行おうとしているかなどといった判別が可能である。
【0210】
ステップS3101により、サーバコンピュータ55はアンケート送信要求を受信する。
【0211】
ステップS3102により、初回の回答か否かによって分岐を行う。この場合の初回とは、ある二次元コード7によるアンケートに対して同じ携帯端末20が複数回の回答を行おうとしていないか、若しくはある二次元コード7によるアンケートに対して複数回の回答が行われようとしていないか、などの複数のパターンが考えられる。
【0212】
ステップS3102の分岐によってその次のステップはS3103とS3104とに分岐する。
【0213】
ステップS3102後にステップS3104が実行された場合を説明する。
【0214】
ステップS3104より、アンケートに参加できないことを示す情報を生成し、携帯端末20に送信する。
【0215】
携帯端末20はステップS2003により、アンケートに参加できないことを示す警告情報を表示し、プロセスが終了する。
【0216】
ステップS3102後にステップS3103が実行された場合を説明する。
【0217】
ステップS3103により、携帯端末20に送信するアンケート設問を決定する。この設問の決定の際には、予め出題パターンを設定しておいたり、乱数を用いたりといった方法が採られる。若しくは、既に集まっている回答結果の集積された情報を、設問選択の際の要因として加えることも出来る。
【0218】
ステップS3105により、携帯端末20にアンケート設問を送信する。
【0219】
アンケート設問が複数問ある場合に、回答を一つずつサーバコンピュータ55に送信すると、通信回線やサーバコンピュータ55における処理の負担が大きくなる。従って、複数問の回答に関するデータを一括してサーバコンピュータ55に送信しても良い。この機能は、携帯端末20に専用のソフトを組み込んでも良いし、サーバコンピュータ55から質問を送信する際にスクリプト言語によるプログラムを携帯端末20に送信しても良い。
【0220】
次に携帯端末20において、ステップS2004により、受信した設問が表示される。
【0221】
ステップS2005により、設問に対する回答の入力操作を受付ける。そこで、使用者77は入力操作を行い、次のステップに処理が移行する。
【0222】
ステップS2006により、前ステップにて取得した回答結果を含む情報をサーバコンピュータ55に送信する。
【0223】
次に、サーバコンピュータ55においてステップS3106により、アンケート設問に対する回答結果を受信する。
【0224】
ステップS3107により、アンケート設問に対する回答結果と回答結果が得られた時刻とを管理データベース56に記録する。
【0225】
次に抽選の処理を行う。抽選はアンケート参加者に対して行われる。その目的は、アンケート参加者の参加意欲を向上させ、より多くの回答結果を得ることにある。
【0226】
ステップS3108により、抽選を実施する。当落の決定は、予め用意されたパターンに従うか、乱数を用いるか、時間を用いる、若しくはそれらの組み合わせ等の方法によって行う。
【0227】
ステップS3109により、抽選結果を携帯端末20に送信する。
【0228】
次に、携帯端末20において、ステップS2007により、抽選結果を表示する。この結果表示の際に、当選者に送付する商品の送り先の入力を受付けても良い。
【0229】
又、本実施例においては、携帯端末20が二次元コード7を読取ってサーバコンピュータ55にアンケート送信要求を行うことによりアンケートが開始されるが、二次元コード7の役割をRFID等で代替することもできる。この場合には、携帯端末20にRFIDの読取り機能を持たせる構成にする。
【0230】
以上で実施例4の一連のプロセスが終了する。
【0231】
以下は、各実施例に共通と考える要素と項目について記述する。
【0232】
不正防止機構について。
【0233】
不正防止機構とは、店頭又は他人が所持する容器に添付されている情報本体44を所有権のない人が所有権者の了解なく「容器に添付の情報を読み取ること」を防止する機構を言う。
【0234】
例えば、製品の内容物がビールや発泡酒や炭酸ガス液体を封入されたものとする。
【0235】
更に、容器に開封しないと読み取れない二次元コード7が印字され、二次元コード7を利用した「籤」がついているとする。
【0236】
購入者で、「籤」だけを引くために容器を開封して二次元コード7を読みとり、液体を飲まない人はいない。
【0237】
逆に、購入せず、容器を開封せずとも二次元コード7が読みとれて「籤」を引けるなら「籤」を引く人はいる。この人が不正行為の実行者である。
【0238】
実施例3はシュリンク包装されていないが、蓋内部に二次元コード7が設置され、容器蓋1をねじって容器を開封しない限り、二次元コード7は露出せず読み取れない、タンパーエビデンス機構12を備えている。
【0239】
二次元コード7を遮蔽している容器蓋1をねじり、二次元コード7を露出させる動作は購入者及び非購入者(不正を働く人とする)いずれにとっても同じ操作である。
【0240】
容器を開封するために容器蓋を強く捻ると、スリットの部分から上下に破断する。その仕組みは不可逆的であるために、容器の購入者しか正当に容器を開くことができない事を意味する。
【0241】
本発明は非購入者に対して、容器蓋1の内側にある二次元コード7を読み取るためには、遮蔽物としての容器蓋1をねじり、容器蓋1の形状に不可逆的変化を起しながら内容物の溢出又は「プシュー」又は「カパーッ」などの音響を伴う自然の法則に適った現象をも不正防止機構としている。
【0242】
本発明は「容器開封が先、二次元コード7の読み取り開始は後」という順序を強制する。容器蓋1の持つ機能は自然の法則に適い、購入者の動作はこれに準じて行われる。
【0243】
この不正防止機構は二次元コード7が容器蓋1の内側に設置されているから効果を発揮する。
【0244】
しかも、購入者でも、開封後しか二次元コード7を読み取れないために、アンケート調査に回答できるタイミングは開封後と限定される。
【0245】
これゆえに、確実に開封後の情報しか収集しないシステムとなる。開封後の情報しか収集しない容器を使ったアンケートシステムはなかった。
【0246】
しかも、いつ容器を開封するかということの決定権は購入者が握っているので、隠蔽と開示のタイミングは自在に選択できることとなる。
【0247】
不正使用防止機能の実現と読み取り易さの実現とを両立させながら、従来の製造方法や設備を生かして容器を製造するために、次の要素(1)容器蓋1(2)印字部材3(3)タンパーエビデンス機構12で構成した。
【0248】
本発明では不正使用防止機能と単品管理機能を実現し、1)購買者だけがアクセスでき、2)購入した後でしか二次元コード7にアクセスできないようにするために、つまり、購買者が容器の開封後だけ二次元コード7を読み取れるようにするために、まず、実施例3では容器蓋1を透明な蓋とし、印字場A4と印字場B6は容器蓋1内部とし、蓋を通して印字場A4のインデックス5はいつでも読み取れるようにして二次元コードを解読できるようにもした。
【0249】
更に蓋を開けた時、二次元コード7を全面開示する構造とした。
【0250】
印字部材3が容器内に脱落する恐れがある場合は、容器蓋1に印字部材脱落防止機構9を設けるか又は内蓋本体2を設けた。
【0251】
不正防止機構の副次的効果について。
【0252】
1)実施例3では、本発明の二次元コード7は、容器を開封して、飲用が完了して後に、容器蓋1をひっくり返して見るまでは、二次元コード7があることすら購入者には解らない。
2)故に、購入前に、購入者が口を接触する位置(容器口)に異物が表示されている、と気づかせることはない。
3)故に、違和感を持たせない、で済む効果がある。
4)違和感を持たれる事は販売促進策上、得策ではない。顧客の反応として重要な反応である。
5)無理に蓋を旋回させて下部のスリットを切ると、旋回を元に戻しても元の密封状態には戻らない。
6)レーザマーカで印字する場合、印字部材3の素材の選択幅が広がり、既存の設備でインデックス5と二次元コード7の1組性をローコストで保証できるようになった。
スクリューキャップ付ボトルではキャップに直接印字し、シュリンク包装することで、ローコストでタンパーエビデンス機能を実現できる。
7)その結果、容器開封動作の後にだけ見える二次元コード7と常時みえるインデックス5のデータに実質的同じ情報としての操作性と利用可能性を保証することが出来るようになった。
8)前記二次元コード7と前記インデックス5を同じ扱いで使用できるから、メーカとして必要な単品管理などが行えるようになった。
【0253】
容器蓋1について。
【0254】
実施例1又は2の容器蓋の色はなんでもよいが、実施例3の容器蓋の色は着色せず無色透明を基本とする。着色したとしてもインデックス5が容易に認識できる程度の濃度とする。容器を開封する事無くインデックスを読み取ることが出来れば部分的に不可視な部分があってもよい。
【0255】
容器蓋はPETより柔らかいポリエチレンで、透明な合成樹脂とした。
【0256】
ペットボトルのキャップの場合はポリエチレンが主な材料である。他にポリプロピレン、スチロール、ナイロン、ABSなどを使うこともある。
【0257】
容器蓋外観は各用途の容器に応じて作られた過去の形状に変化はなく、外観を形成する金型にも変更はない。
【0258】
容器蓋の内部構造及びその形状は印字部材脱落防止機構9や排液機構10を設けるかどうかで、変更が生じる。
【0259】
タンパーエビデンス機構12について。
【0260】
図3又は12又は15乃至18によれば、ペットボトル容器蓋の下部に細かくスリットが入っている。
【0261】
スリットはタンパーエビデンス機構12の封緘部材22である。タンパーエビデンス機構の方法は色々ある(前述した)。スリットは可動部材21と固定部材23との間に形成され、同一素材で一体成形され開封方向に力を加えると破断し開封の証拠となる。
【0262】
このスリットは、容器を開封するために可動部材21を強く捻ると、回転と共にスリット部分を破断個所として、この部分から上下に破断する。その仕組みは不可逆的であるために、正規の商品の購入者しか正当に容器を開ける権利がない事を意味する。未購入者が不正に二次元コード7を携帯端末で読み取ることを防ぐ。
【0263】
固定部材23について。
【0264】
容器蓋に一体の固定部材23とは容器を封緘する際には容器蓋1と一体になって容器に装着され、容器を開封する際はスリットを境にして容器本体に留め置かれる部材である。
【0265】
内蓋本体2について。
【0266】
本発明による容器の内蓋本体2は、概ね2種類の形状で実施される。その1は図16の如く、印字部材3が容器口に乗り内蓋の機能を果たし、封緘の役目を果たし、印字部材3が、充填されている製品にインクなどによる浸潤や印字部材そのものの溶出による害などを及ぼさなければこの方法でもよい。害が発生するのは印字部材3と充填食品との相性や相互作用にも拠る。加えて、充填内容物がインデックス5や二次元コード7の読み取りを阻害しない色や濃度や原料である場合も内蓋を必要としない。
【0267】
図15の場合、印字部材脱落防止機構9の直内径(Φ2)は印字部材3の直外径(Φ1)より小さくなければならない。内蓋本体2は容器の口の内径以上であって容器の口に被るようなサイズである。図16の如く、単純に容器の口を塞ぐように設置することもできる。その場合は排液機構も不要となるが蓋を容器に取り付ける時、印字部材3が容器蓋1から外れないように接着してもよい。
【0268】
印字部材3について
【0269】
図16によれば、印字部材3の大きさは印字部材3が容器口上辺に乗り、封緘能力がなければならない。
【0270】
印字部材3をポリプロピレンとすることで省資源、省エネ、リサイクル性能など環境負荷の少ないものにできる。
【0271】
印字部材3のポリプロピレンシートコイルを2色2層の構造にすることでレーザマーカによる印字速度を高速化することができる。
【0272】
印字部Aと印字部Bを1枚の印字部材3の裏表に印字する意味について。
【0273】
本発明で言う1組性とは、2つのものが相互に共通の目的を果たすために1組と定められたものをいう。
【0274】
1組のインデックスと二次元コードにおいて、インデックス5を見れば、二次元コード7を解読できる、逆もあり得る、しかし、この事例の場合のように、それはインデックス5も二次元コード7も同一容器に備わっている場合にのみ価値を生ずる。
【0275】
1組性を保持しながら、大量且つ連続して、インデックスと二次元コードを同一印字部材3の異なる面に印字することは難しい。
【0276】
どこかで1つづれると、それ以後は全て1組性が崩れて不良品となる、作業を正常な状態に戻すのに時間とコストと手間がかかり大量生産する場合には向かない。
【0277】
全数検査するのにも、印字の時と同様に時間とコストと手間がかかる。不良品の発生はインデックス番号の連続性を確保するのに、又、回復するのに時間とコストがかかる。
【0278】
分離された別々の印字材にインデックス5と二次元コード7を印字し、後刻、1組性を保証するには更なる時間とコストと手間がかかる検証作業が必要とされる。
【0279】
実施例3のような方法でなければ、ローコストで、表裏2面に、インデックス5と二次元コード7の不可分な1組性が保証できる印字機材はなく、新規に開発しなければない。
【0280】
二次元コードの読み取り易さについて。
【0281】
二次元コードの印字スペース確保が読み取り易さの基礎である。
【0282】
必要とする情報量をエンコードした二次元コード7を印字するためには、印字スペースが確保されなくてはならないが、(1)容器蓋1と(2)印字部材3で構成する容器蓋としたことで、必要な印字スペース(所要スペースについては後で詳しく説明する)を確保することができた。
【0283】
その効果は、読み取りやすい印字密度の二次元コード7が、読み取りやすい表示サイズで、読み取りやすい表示方法で印字できるようになった。(後で詳細に記述する)。
【0284】
製造設備のローコスト効果について。
【0285】
本発明では、従来の設備や製造方法や製造知識が使えて、新規の設備投資が少なく、製造原価を安くする(ローコストの実現)効果があった。以下に詳述する。
1)食品製造メーカでは新規設備の開発や更新などせずに済んだ。
2)製罐メーカでは新規設備は印字設備の新設や金型を変更する設備投資などで済んだ。
3)容器蓋1に印字部材3を装填し合体させる工程に設備の更新、変更、工程の組み換えが生じるが、これは必要最小限の変更として抑えられた。
4)印字部材3の製作は、既存の印刷物製作のノウハウで解決できた。連続番号の順序を保持しながら梱包し納品するのが課題となった。
5)この発明による容器が実用化された結果、経費をかける事無く、製品メーカは従来できなかった膨大の数の容器の単品管理が出来るようになった。
6)その結果、食品製造メーカは従来できなかった確実に開封後の購入者からのリアルタイムなアンケート回答を集計できるようになった。
7)食品製造メーカは従来できなかった新しい顧客情報の収集ができることになり、リコメンド分析も可能となった。(該リコメンド分析とは、Aを飲んだ人は、次はこんな物を飲んだ、飲む傾向が強いなどと言う、ある傾向を調査分析し、次に購入する商品を勧めることや新商品開発に有効な情報を収集分析することができる手法である)。
8)印字部材3をプラスティックにした結果、印字部材の材質が原因で液体を汚染することは無く、印字機をレーザマーカにすることでインデックス5と二次元コード7のインクによる製品の汚染は防げることになった。
9)印字部材にシートコイルを用いることができるようになったので、製作の高速性、効率性がよくなった。
10)食品製造メーカは従来収集できなかったタイミングでの鮮度管理が出来るようになった。
11)製罐機メーカは、容器蓋1を作り、印字部材3を装填する機械の開発だけに専念すればよくなった。しかも変更は軽微である。
12)本発明の結果、費用対効果の高い販売促進機能付の新製品の蓋として、製罐メーカから食品メーカに提案できるようになった。
13)印字部材3を既存の製造設備やノウハウを利用して実現できるので関係する製罐メーカも食品メーカも投資リスクが少なくて済み、本発明を導入しやすくなった。
【0286】
これで1組性をローコストで実現する構造が実現した。
【0287】
実施例3の場合、印字場B6は容器蓋1内に設置され、蓋の開封操作を行った場合にのみ、印字場B6に印字された二次元コード7の全体像が露出し読取り可能となる。
【0288】
これでもって、容器添付の二次元コード7が商品の未購入者に不正に読み取ることができず、購入者でも容器の開封以後しか読み取れず、且つ1組性を保証された容器が実現した。
【0289】
印字部材脱落防止機構9について。
【0290】
容器の口に内蓋本体2を設置した場合は印字部材3を置くことができ、不用になる場合がある。
【0291】
実施例3は、印字部材脱落防止機構を設け、排液機構を設け、加えて、内蓋本体2を備えた。
その効果は、
1)(図15、16、17参照)印字部材脱落防止機構9を容器蓋1内に設けたため、印字部材3が容器内に脱落しないようになった。
2)(図15、16、17参照)印字場A4と容器蓋1との間に侵入した製品溶液でインデックス5が外部から見えづらいことがあったが排液機構10を設けたため、解消された。
3)(図15、16、17参照)印字場A4と容器蓋との間に製品溶液が侵入しないように容器口を内蓋本体2で封鎖した。その結果、製品溶液が越流して印字部材3の上面に来ることは無く溶液がインデックス5の表示を阻害しないようになったので、排液機構が不要となる効果がある。
4)(図18参照)更に、内蓋本体2の上部に印字部材を収納することで印字部材脱落防止機構9と排液機構10が不要となった。
【0292】
図15によれば、印字部材脱落防止機構9を設ける事によって、折り畳まれて略円形状になった印字部材3を印字部材脱落防止機構9より奥の部分に圧入装填すれば、後刻容器内部に落下することはない。
【0293】
排液機構10について。
【0294】
容器蓋1の内側であって印字部材3と容器蓋1の間の空間に、内容物の液体が浸入して、インデックス5が読み取りづらくなるのを防ぐために、排液機構10を設けた。
【0295】
その機能は容器蓋と印字部材3との間に空隙を保持し溶液の排出を促すためである。この機構を設ける事によって、浸入した製品溶液が容器を立てれば速やかに流下し、インデックス5が読み取りづらくなるのを防ぐことができる。排液機構10と同じ役割を果たす空隙の保持は印字部材側にエンボス加工(押し型加工)を施すことで行っても良い。
【0296】
インデックス5及び二次元コード7の保持目的で内蓋本体2を利用するのもよい。(図17、18参照)
【0297】
(図16、17、18参照)の如く、インクや印字部材そのものの溶出などが製品に害を及ぼす恐れがある場合や、恐れは無いまでも飲用者に対するイメージの面から内蓋本体2を用いて印字部材3と製品を分離するのはよい方法である。
【0298】
更に、内蓋本体2の上面に凹部を設け、印字部材3を置いてインデックスが読み取れるようにすれば、従来の製造設備の変更や工程の変更も少なく、本発明を導入することを更に容易にする。
【0299】
従来の王冠使用の瓶でもその他の容器でも、本発明に必要な機能の実現ができる収縮性のあるシュリンク部材などを含めた多くの種類のタンパーエビデンス機構12を使って、透明蓋の代役をさせて、本発明の趣旨に沿った効果を従来の容器でも実現できる。
【0300】
内蓋本体の取り付けについて
【0301】
図17に拠れば、容器蓋と挿入ガイド14の間に内蓋本体を挿入するための挿入ガイドの外径(Φ3)は容器の口の内径より小さくする必要があり、その為に容器蓋の金型は変更が生じる。
【0302】
図18に拠れば、内蓋本体は従来の容器口の内側に挿入されるだけで、金型の変更は無い。内蓋本体の深さは内蓋本体の内側に印字部材置いておけるだけの深さがあれば尚よい。
【0303】
容器の開封時の人の動作について。
【0304】
常識的な購入者は容器を開封して、まず内容物を飲む。しかる後に、二次元コード7を読み取り、送信する。
【0305】
本発明の二次元コード7のついた製品は、容器開封後でなければ読み取れず、開封後でなければ二次元コード7を読み取らない事が解る。
【0306】
こうして、本発明の蓋を取り付けた容器の特徴「容器開封が先、読み取るのは後」ということが理解される。
【0307】
印字部材3が容器口に乗らない場合について
【0308】
図15、16、17は印字部材3が容器口に乗らない場合の断面図である。
【0309】
印字部材3の素材は紙、合成樹脂、金属、何れでもよい。
【0310】
図15、16、17は印字部材3の印字部材脱落防止機構9を容器蓋1の内側に設けた。
【0311】
容器蓋1の金型の設計変更は印字部材脱落防止機構9、排液機構10を蓋内側に設けるだけである。
【0312】
印字部材3の表面に凹凸加工を施すエンボス加工をもって排液機構10の役目とすることもできる。
【0313】
容器蓋1の形状や寸法を変更せず、製罐メーカや飲料メーカが新規設備投資を増やさない事を図るために、図15乃至18に記載の印字部材3を図1のように容器口の上に表示する事で、対処することも可能である。
【0314】
図15は、印字部材脱落防止機構9を容器蓋1の内側に設けたので、既存の容器蓋1と容器口の漏水防止構造の設計仕様や方法を踏襲できるため設計変更が少ない。
【0315】
印字部材3の印字場B6に印字する二次元コード7の印字方式はレーザマーカやインクジェットプリンターやレーザプリンターの何れでもよい。
【0316】
但し、印字場B6は製品に直接触れるので、印字場B6の製品との接触部から製品に有害なものが溶出しないことが求められる。
【0317】
内蓋本体2を容器口に取り付けるのもよい。内容物の製品が内蓋本体2の上部に浸出しインデックス5を読み取り難くする事を防ぐ。
【0318】
図16のように印字部材3と充填製品の間を分離するシールを挟むことで、印字機のインクの質の問題や印字部材3に起因する有害物質の溶出を防ぐことはできる。但し、蓋の漏出防止方法の設計によってはこの考えを採用しにくいことがある。
【0319】
印字部材3の素材が紙の場合、印字媒体としての紙代は安い。
【0320】
印字方式はインクジェットプリンターやレーザープリンタ何れでもよいが、インクの溶出防止のためにシールが必要となりコストと工程が増える。
【0321】
従来の容器蓋1に比較し、リサイクル性能が低下する。
【0322】
印字部材3の素材が金属の場合、印字媒体としての金属代が高くなる。
【0323】
印字方式はインクジェットプリンターやレーザプリンターやレーザマーカ何れでもよいが、金属の腐食防止のためにシールが必要となりコストと工程が増える。
【0324】
従来の容器蓋1に比較し、分別種が多くなり、リサイクル性能が低下する。
【0325】
印字部材3の素材が合成樹脂の場合、コストは金属印字媒体よりは安い。
【0326】
印字機はレーザマーカがよい。
【0327】
印字部材3の素材を合成樹脂にし、レーザマーカで印字すれば、インクによる有害物質の溶出を防ぐことができる。
【0328】
印字部材3の素材を合成樹脂にし、濃い色に着色すればレーザマーカでの印字速度が高速化し印字時間が短縮され生産性が向上する。
【0329】
印字部材3の素材を合成樹脂のシートコイルにして、レーザマーカで印字すれば印字作業は更に高速化し効率が上がる。
【0330】
印字部材3の素材を合成樹脂にすることによって、その素材の弾性を利用して落下防止性能を向上させることができる。
【0331】
印字部材3の素材を合成樹脂にし、濃い色に着色すれば容器蓋1の外からは内容物は見ることができない。
【0332】
印字部材3が容器口に乗る場合について。
【0333】
図16は蓋の印字部材3が容器口に乗る場合の基本的断面図である。
【0334】
図16について、シールを容器口に貼るのもよい。その後に蓋をすれば、内容物の製品が内蓋の上部に浸出しインデックス5及び二次元コード7を読み取り難くする事を防ぐ。
【0335】
印字部材脱落防止機構9や排液機構10を無くす事もできる。
【0336】
印字部材3の素材は紙、合成樹脂、金属、何れでもよい。
【0337】
図15について、既存の容器蓋1と容器本体の口との防水構造の中に印字部材3や印字部材脱落防止機構9や排液機構10や内蓋本体2などを組み込む事になるので、従来の構造の設計仕様や方法を踏襲できないため設計変更が多くなり、開発費の負担が多くなる。
【0338】
印字部Bと印字部Aを容器蓋1の内外に直接印字する場合について。
【0339】
二次元コード7とインデックス5を同一部材(蓋の内外)の異なる面上に、1組性を保証して印字することは手間とコストがかかる。
【0340】
容器蓋製造機にあっては、インデックス5と二次元コード7の不可分な1組性が保証できる印字機能を持つものは新規に開発しなければ、ない。
【0341】
更に、容器蓋1が成形されてからしか印字できないので、完成品の容器蓋1の生産性は低い。
【0342】
印字部材3の色と印字機材について。
【0343】
印字部材3は着色しても着色剤などが溶出しないプラスティックを使用し、製品に有害物質が溶け出さにようにしなければならない。
【0344】
印字部材3は黒色又は濃い色の合成樹脂素材であって、レーザマーカで印字される。
【0345】
印字部材3(ポリプロピレンシートコイル)を2色2層構造とすることでレーザマーカによる印字速度を高速化することができる。
【0346】
印字機にレーザマーカを用いれば、レーザマーカはインクを用いないので製品に有害物質が溶け出すことは無い。
【0347】
印字工程について。
【0348】
確実に、容易に1組性を実現するために、容器蓋1と印字部材3を分離した構成とした。
【0349】
長尺合成樹脂シートコイル上にインデックス5と二次元コード7の印字区画を割りつける計算をする。
【0350】
印字区画とはインデックス5と二次元コード7とを印字する位置である。
【0351】
印字区画を割りつけるとは、コイル上に印をつけるのではなく、レーザマーカの照射位置を制御する位置情報をレーザマーカに入力することである。
【0352】
印字装置はインクなどが製品を汚染したり、読み取れないなどの恐れの無いものであれば、インクジェットプリンターやレーザプリンーでも良いが、ここではレーザマーカを使用した。
【0353】
サーバコンピュータ55は、レーザマーカが印字する情報(携帯端末がアクセスするURLや情報本体44を含む)を生成し、レーザマーカにインデックス5と二次元コード7のデータとして送信する。
【0354】
レーザマーカは、受信したインデックス5と二次元コード7を順次、印字区画データに従い、印字部材3の長尺合成樹脂コイル印字面上の割りつけ位置に、連続的に印字する。
【0355】
軟質ポリエチレンシート 0.2mmx950mmx50000mmを用いた場合。
【0356】
前記シートは着色してある。色は黒色に限定しない。シートは2色2層構造とする。レーザマーカで印字した時にコントラストが大きく表現され、携帯端末が二次元コード7として認識し、読み取れれば他の色でも構わない。概して濃い色はこの目的に適う。
【0357】
トムソン加工とは打抜き加工のことである。
【0358】
図10のトムソン加工の切り出し線15はシート上における印字部材3の外形線である。外形線を含む印字部材3の面積は約20mmx40mmとする。
【0359】
上記の軟質ポリエチレンシートコイルで約50000〜60000個の印字部材3を製造することが出来る。
【0360】
隠蔽すべき情報等の印字場を含んだ印字部材3領域を切出す。
【0361】
印字済みのシートコイルをトムソン加工工程に移行させる。
【0362】
トムソン加工を行って、印字部材3を切り出す。
【0363】
印字部材3を折り曲げ加工する。
【0364】
トムソン加工済の印字部材3を折り曲げ線11を外側にして折り曲げる。折り曲げ線11の部分を熱処理して元の平板上に戻らないようにするのは良い。
【0365】
印字部材3を容器蓋1に装填する。
【0366】
折り曲げた印字部材3のインデックス5を容器蓋外側に向けて印字部材脱落防止機構9の奥まで圧挿入する。
【0367】
装填し終えた容器蓋1を単品管理のためにインデックス5の若い順番に揃えて、梱包する。
【0368】
これで二次元コード7を備えた蓋の製造が完了した。
【0369】
この蓋を用いて、内容物を充填し封緘すれば本発明を使用した容器が具現化した事となる。
【0370】
レーザマーカの印字能力の特徴について。
【0371】
本発明の実用化に当っては、多数の二次元コード7を高速で印字する必要がある。
【0372】
レーザマーカは照射した相手にエネルギーを与え、そのエネルギーでもって相手の素材が変性し、素材表面のコントラストが変化する。
【0373】
二次元コード7に含まれる情報量が増えるとレーザマーカの印字速度は遅くなる。
【0374】
塗料(合成樹脂が主原料)と金属のどちらに照射したら、読み取りやすい二次元コード7ができるか。
【0375】
レーザマーカの光源や出力にも拠るが、多くの場合は塗料を変性させる方が容易である。
【0376】
レーザマーカでも、硬いものを剥ぐより柔らかいものを剥ぐ方が容易である。
【0377】
塗装面を変性させる又は剥ぐことによって、塗装面にコントラストが起きる。
【0378】
アルミ素材表面のコントラストよりは、塗料表面のコントラストの方が、読み取りやすい。
【0379】
樹脂を深く剥ぐと、アルミ素材表面と樹脂とのコントラストで二次元コード7を表現することが出来るが、深く剥ぐのに照射時間が長くかかる欠点がある。
【0380】
多くのエネルギーを照射できるかどうかは、長時間照射するか、高出力の機械かどうかによる。
【0381】
レーザマーカの印字特性について。
【0382】
インクがのらないものへの印字は得意である。例えば、金属やガラス等への印字の場合である。
【0383】
更に、インクを使いたくないものへの印字も得意である。製品そのものへの印字である。
【0384】
更に、印字後に水をかぶるものへの印字も得意である。
【0385】
容器開封後溢れてくるビール、特に水分やアルコールや有機溶剤等のインクが滲みやすい環境に晒される場合は最適である。
【0386】
単品管理を目的とする、1品づつ異なる管理コードを飲料容器に印字する方法としては、上記が例示する条件を考慮すればレーザマーカは最適である。
【0387】
レーザマーカを上記の例に使用する場合、究極の印字手段となる可能性がある。
【0388】
それは、電気代以外の消耗品が無いからである。
【0389】
ラベルもインクリボンも何も使わない。
【0390】
故に、ランニングコストがゼロに限りなく近い。
【0391】
これは、製品価格の変動費分にのるコストがほぼゼロと言うことである。
【0392】
ガス封切り型の炭酸ガスレーザーチューブが量産されるようになりメンテナンスの手間がほぼ無くなった。
【0393】
固定費分(電気代やチューブ交換の際の費用)は少々必要である。
【0394】
レーザーチューブの寿命はあるが、設備の寿命よりも長い場合もある。
【0395】
レーザマーカ本体価格が安くなってきた。
【0396】
印字範囲が狭かったが、印字範囲が広くなってきた、300mmx300mm前後の印字面積が実用化されている。
【0397】
レーザマーカは、二次元コード7の印字に時間がかかるのはともかく、一次元バーコード印字にも時間が掛かる。
【0398】
コントラストをとる為には照射時間を掛ける必要が有るからである。
【0399】
現状のレーザマーカは、小さな文字と二次元コード7を狭い面積に書く際には最も有効な手段である。
【0400】
読み取り検査について。
【0401】
どんな方法で二次元コードを印字した場合でも、二次元コード7を読み取り機で読み取り可能か否かの全数検査を行うことは望ましい。
【0402】
レーザマーカが印字している間に、並行して読み取り検査を行うので、この間印字素材60は静止しているので時間のロスは無い。
【0403】
二次元コード7の特徴について。
【0404】
レーザマーカで二次元コード7を高速で印字する場合に何が課題か。
1)二次元コード7のサイズを小さくすることが望ましい。
2)同一サイズならば、二次元コード7の印字密度を上げないことが望ましい。
【0405】
1)表示サイズが同一ならば、多数の情報をエンコードすれば印字密度(レーザマーカが照射する点)は高密度となる。つまり密度が高くなり、読み取りエラーが起き易くなる。
2)エラーをカバーする機能として、エラー補正率を加味した二次元コード7の作成方法がある。
3)エラー補正率を上げると、エンコードされる情報の冗長度が上がり、情報量が増える。
4)情報量が増加すると同一サイズの二次元コード7では印字密度が上がり携帯端末の読み取り率が低下する。
5)エラー補正率を上げず、情報量を増やさないためには、エンコードする情報量を少なくする必要がある。しかし、それは、二次元コード7を開発した目的(沢山の情報量を1つの二次元コード7に盛り込むことが出来る)と相反する。
6)利用済の情報「二次元コード7」から、未利用の「二次元コード7」を推測されてはならないので、二次元コード7にエンコードされる二次元コード7を暗号化する必要がある。但し、暗号化することによってエンコードされる情報量は更に増加する。
【0406】
二次元コード7の4種の印字パターンについて。
【0407】
二次元コード7の記号の外側にあって、二次元コード7記号全体を他の背景部分と区分する、四周を取り巻く連続した帯状の白地(実際はレーザで変性させた部分を指す)について。
【0408】
二次元コード7の四周辺を、明確にその二次元コード7部分とその他の背景部分と区分する帯状の白地(以後区画帯と呼ぶ)を設けると携帯端末の読み取り率は向上するが、しかし、レーザマーカの印字速度が極端に遅くなる。詳細は後記する。
【0409】
帯状の白地(以後区画帯と呼ぶ)があるものを、帯あり印字の二次元コード7とする。以後、「帯付二次元コード7」と呼ぶ。
【0410】
区画帯が無いものを、帯なし印字の二次元コード7とする。以後、「帯無二次元コード7」と呼ぶ。
【0411】
二次元コード7のシンボル記号(周辺に3つある)の中心部の4角い区画が「黒」と「白」の2種がある。
【0412】
シンボル記号の中心部の4角い区画が「黒い二次元コード7」を、以後「黒二次元コード7」と呼ぶ。
【0413】
シンボル記号の中心部の4角い区画が「白い二次元コード7」を、以後、「白二次元コード7と呼ぶ」と呼ぶ 。
【0414】
「帯」の「有る無し」や「白黒」の「有る無し」は、読み取る携帯端末に、読み取れるか、読み取れないか、という違いを生じさせる。
【0415】
通常の携帯端末では、「黒い二次元コード7」を読み取るように設計されている。
【0416】
更に、区画帯の「有る」「無し」に関係無く読み取れるように設計されている。
【0417】
しかし、区画帯を印字するための「作業量」はレーザマーカの印字能力に取っては非常に大きな負荷となる。
【0418】
区画帯がレーザマーカ印字能力への負荷となる実例について。
【0419】
「帯あり二次元コード7」9.5MMX9.5MM角を構成するレーザマーカが照射する点(セル)数は44X44=1936である。
【0420】
メーカ別、機種別で多少は異なるが、実験に使用した二次元コードは前記の数値である。
【0421】
本来の二次元コード7を構成する部分のセル数は1296である。
【0422】
平均して50%のセルに照射して、二次元コード7を表現していると仮定すれば、照射セル数は1296/2=648である。
【0423】
帯付二次元コード7の区画帯を構成するセル数は640である。
【0424】
帯を作ると、作らないとでは照射するセル数(仕事量)が2倍違ってくる。
【0425】
これは、レーザマーカの仕事量が、区画帯があることで、2倍に増える事を意味する。
【0426】
二次元コード7全面に照射すれば、二次元コード7は真っ白となり、二次元コード7として機能しない。
【0427】
二次元コード7全面に照射しなければ、二次元コード7は真っ黒となり、二次元コード7として機能しない。
【0428】
区画帯をレーザマーカで描くと、ストレートに印字速度が2倍違う事を示す例証である。
【0429】
携帯端末の特徴について。
【0430】
二次元コード7の認識率の高い携帯端末に求められる条件は何か。
【0431】
読み取る二次元コード7を適切な画像サイズで認識できなければならない。
【0432】
その為に焦点合わせの選択を「遠」「近」2様か、又は自動焦点合わせ機能つきである必要がある。
【0433】
適切な画像の分解能が必要である。
【0434】
画像認識プログラムが有能でなければならない。
【0435】
レーザマーカと二次元コード7と携帯端末の相互関係について。
【0436】
レーザマーカで二次元コード7を描く、携帯端末で読み取るとはどのようなことか。
【0437】
二次元コード7を多数の点の集合体と見做し、レーザ光を用いて、印字する対象物に二次元コード7の原理に従って、多数の点(セルの集合として面積となる)の変性を起させて、印字する対象物表面にコントラストのある画像として作成し、携帯端末の画像処理機能の一つである二次元コード7解析プログラム(1次元と二次元のバーコードがある)によって、二次元コード7として認識させ、二次元コード7にエンコードされている情報を、携帯端末はデコードし、携帯端末に求められた情報処理を行わせるということである。
【0438】
レーザマーカと二次元コード7と携帯端末の間に起こる読み取り性能の良し悪しに関連する要素の相互関係は、各々が持つ要素がトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てれば身が立たず)の関係になっている。
【0439】
二次元コード7の印字テストについて。
【0440】
アルミ素材にレーザマーカを使用して二次元コード7を印字し、印字速度と携帯端末での読み取り可能性と、読み取りやすい二次元コード7が備えるべき条件についての調査と実験を行った。
【0441】
アルミ板を印字媒体とした。
【0442】
金属より短時間で変性させやすい塗料(合成樹脂の代用と考えた)を、アルミ素材60に塗布し、乾燥を待ってレーザマーカで塗装表面上に二次元コード7を印字した。
【0443】
ここで、アルミ素材60に塗布した塗料を剥ぐ深さを調整することが出来る。
【0444】
照射する単位時間当たりのエネルギー量で照射された相手の物質は変性(素材の変質や色の変化)の程度が異なる。
【0445】
第一次印字テストは、アルミ素材60に直接照射した場合に相当する。
【0446】
第二次印字テストは、アルミ素材60の上に黒色塗料61を塗り、乾燥させ印字実験をした事に相当する。
【0447】
第三次印字テストで、アルミ素材60の上に黒色塗料61を塗り、更に白色塗料62を塗って実験をした事に相当する。
【0448】
図20の符号60はアルミ素材、符号61は黒色塗料である。
図21の符号60はアルミ素材、符号61は黒色塗料、符号62は白色塗料である。
【0449】
第二次印字テストは、塗装の厚さを調整し、黒色塗料61を剥ぐ。レーザ光が一部アルミ素材60を剥ぐ。アルミ素材60が白色ならば、アルミ素材60を白色に発色させて二次元コード7を描くよりも、黒色塗料を剥いで二次元コード7を描く方が早く印字できるはずである。
【0450】
第三次印字テストは、塗装の厚さを計算し、レーザを照射し白色塗料62を剥ぐ。一部黒色塗料61に食い込む。白色塗料62を剥ぐ方が早く二次元コード7の印字ができるはずである。
【0451】
白色塗装層を剥ぐ方が早く印字できる予定だったが、しかし結果は目論見のようにはならず、アルミ素材60の上に黒色塗料61を塗った場合のほうが早かった。原因の解明は別途探求する。
【0452】
第一次印字テストについて。
【0453】
印字条件は、無塗装生地のアルミ素材(以後白生地と呼ぶ)と金色塗装のアルミ素材(以後金生地と呼ぶ)の2種である。
【0454】
印字区画をA、B,Cの3ヶ所に区分した。
【0455】
印字サイズを14X14MM(B−14と呼ぶ)、12X12MM(B−12と呼ぶ)、10X10MM(B−10と呼ぶ)の3つに区分した。
【0456】
エンコードされるデータ量は、130桁と170桁を準備した。
【0457】
携帯端末は一般的に使用されている携帯端末を2機種使用した。
【0458】
印字区画と印字サイズとデータ量を組み合わせて、二次元コード7を印字し、読み取り検査を行った。
【0459】
第一次印字テストは、帯付二次元コード7、帯無二次元コード7、黒二次元コード7、白二次元コード7に付いてどれで実験するかは指示をせず、メーカの標準仕様で、印字を依頼した。
【0460】
実験の結果知りたい情報は「携帯端末で読み取れる、1個の二次元コード7を印字するに必要な時間」であった。
【0461】
表1は第1次印字テストの結果である。
【0462】
【表1】

【0463】
表1の見かた。縦軸に印字条件別印字番号。横軸に印字仕様などを区分した。
【0464】
印字番号1〜6は専用の読み取り端末による読み取り対象。
【0465】
印字番号A〜Fは携帯端末での読み取り対象。
【0466】
1、2、3、A、Bは情報130桁。
【0467】
4、5、6、C、D、Eは情報量170桁。
【0468】
表示サイズ(ブロックサイズ)は、1、4、A〜Dは9X9MM。2、5は12X12MM。3、6は14x14mm。Eは7X7MM。
【0469】
その結果、以下のような事が判明した。
【0470】
無塗装生地のアルミ素材(以後白生地と呼ぶ)に印字したものは、実験室の二次元コード
7読み取り専用機器では読み取れたが、携帯端末(以後携帯電話と同じ意味で使う)では
読み取れなかった。
【0471】
金色生地に印字したものは、実験室の二次元コード7読み取り専用機器でも読取れなかった。
【0472】
帯無二次元コード7はアルミ素材の反射光の影響で、携帯端末では読み取れないのが多かった。
【0473】
実験室の標準仕様の印字「白二次元コード7」は、携帯で読み取れなかった。
【0474】
印字時間が短く出来る理由は、以下であることがわかった。
【0475】
アルミ素材金属を白く発色するまで変性させるには、レーザ光で長時間、多くのエネルギ
ー照射が必要である。
【0476】
金属を変性させるよりも塗装を変性させる方が変性に必要なエネルギーが少なくて済み照
射時間が短くて済んだ。
【0477】
場合に拠れば(塗装の厚みなどに拠れば)薄い塗装が大量のエネルギー照射により、変性
以上に、消失してしまい、地肌のアルミ素材が現出し、白色の役目を果たし、結果的に読
める二次元コード7となる。
【0478】
その場合、より早い印字時間が実現することもある。解明には多くの実験が必要と考えら
れる。
【0479】
印字された二次元コード7が、大きすぎても、小さすぎても、携帯端末の読み取り性能(
焦点の遠近合わせの能力の切り替えが、有る、無しなどで)によっては読み取れなかった

【0480】
印字された二次元コード7のデータ量が、多すぎると携帯端末の読み取り性能によっては
読み取れなかった。印字密度が高くなるからである。
【0481】
読み取り性能は機種依存性が大きいことがわかった。
【0482】
第1次実験の結論は、印字速度が1秒前後の9.5MM角の二次元コード7は、印字速度
は速いが、携帯端末で読めなかった。
【0483】
読める1〜5は、1個の印字速度が20〜47秒と遅く、実用的でないと判った。
【0484】
印字速度が1秒以下で、読み取れるものはデータ量が130桁と少ない方がよい傾向がある。
【0485】
Cは印字場所が凹凸の多い場所に印字した場合は読めない傾向があることがわかった。
【0486】
第二次印字テストについて。
【0487】
テストは、二次元コードの表示サイズ、エンコードされている情報量(数字換算で00桁)、
印字機のレーザの照射方式などを換えて、携帯端末で読み取れる二次元コードの印字条件や印字速度を調べた。
【0488】
第一次テストの結果から、アルミ素材60を変性させて白く発色させるよりは、黒色塗装
61の塗装面を変性させて、発色させる方が、読み取れる二次元コード7の作成時間が短
いと想定し、関連する実験をした。
【0489】
印字対象は、黒塗装のアルミ素材(以後黒生地と呼ぶ)を準備した。
【0490】
1番知りたい情報は、「携帯端末で読み取れて、且つ、印字速度の速い条件は何か。レー
ザ光源の違いによって、違いがあるか」であった。
【0491】
表2は第2次印字テストの結果である。
【0492】
【表2】

【0493】
表2の見かた。
【0494】
印字番号1〜10はレーザ光YVO4方式で印字。11〜20はレーザ光CO2方式で印字。
【0495】
読み取り端末は携帯端末のみ使った。
【0496】
1〜5、10〜15は情報100桁。
【0497】
6〜10、16〜20は情報量130桁。
【0498】
表示サイズ(ブロックサイズ)は、1、6、11、16は8X8MM。2、7、12、17は9X9MM。3、8、13、18は10X10MM。4,9、14、19は10X10MM。5、10、15、20は12X12MM。とした。
【0499】
印字素材はアルミ生地に黒色塗装1色。
【0500】
印字媒体の条件(凹凸無しの平板)。
【0501】
エンコードされるデータ量は、100桁と130桁を準備した。
【0502】
印字機のレーザマーカをYVO4方式と、CO2方式の2種を準備した。
【0503】
結論は、CO2レーザは金属の印字に使用するのは不適とわかった。
【0504】
黒塗装のアルミ素材に、帯状の白地(以後区画帯と呼ぶ)があり、データ量が少ないもの
が、印字速度がほぼ1個1秒と速く、読み取り率もよい、と判明してきた。
【0505】
第三次印字テストについて。
【0506】
テストは、二次元コードの表示サイズ、エンコードされている情報量を換え、読み取れる二次元コードの印字速度を調べた。
【0507】
表3は第3次印字テストの結果である。
【0508】
【表3】

【0509】
表3の見かた。
【0510】
印字番号1〜5はエンコードされるデータ量は80桁。A〜Eは60桁。
【0511】
読み取り端末は携帯端末のみ。
【0512】
表示サイズ(ブロックサイズ)は1、Aは6X6MM。2、Bは7X7MM。3、C8X8MM。4、Dは9X9MM。5、Eは10X10MMに区分した。
【0513】
印字素材は黒塗装生地のアルミ素材平板で行った。
【0514】
印字機はYVO4レーザマーカを使用した。
【0515】
知りたい情報は、「携帯端末で読み取れて、且つ、印字速度の速い条件は何か」である。
【0516】
結論は、YVO4レーザマーカを使用し、黒塗装生地のアルミ素材に、帯状の白地(以後
区画帯と呼ぶ)があり、データ量が少ないものが、印字速度が速くほぼ1個につき約0.
6秒平均で印字され、携帯端末での読み取り率もよく、実用的である、と結論付けること
が出来た。
【0517】
推奨できる二次元コード7の大きさについて。
【0518】
二次元コード7の印字サイズは6〜10mm角でよい。
【0519】
6〜10mm角の二次元コード7を印字した場合印字速度が速く、マーカの生産性が一番
高い。
【0520】
6〜10mm角で印字するのが印字するコストとしては一番安い。
【0521】
印字部材3は直径18mm前後あり、本発明の印字場B6を十分収納する領域が確保でき
る。
【0522】
二次元コードサイズが6〜10mm角なら平滑な歪のない平面スペースを確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0523】
隠蔽構造が図1にあるような構造であったとする。「容器を開封せずに二次元コード7を読取ってアンケートに回答する」ことは不可能である。製品を試した時刻とアンケートに回答した際の時刻との差を従来より小さく、且つ明確にすることが可能であり、確実に飲んだ時刻以後の商品の評価情報が得られる。従って、このことは次の新製品開発やの販売促進企画にあたって、従来メーカが収集できなかった、確実に容器を開封し内容物を消費してからの消費者の反応や評価情報を収集するアンケートシステムに利用できる容器が実現した。これは新商品開発に極めて効果的な技術となった。
【符号の説明】
【0524】
1・・・・・・容器蓋
2・・・・・・内蓋本体
3・・・・・・印字部材
4・・・・・・印字場A
5・・・・・・インデックス
6・・・・・・印字場B
7・・・・・・二次元コード
8・・・・・・容器本体
9・・・・・・印字部材脱落防止機構
10・・・・・排液機構
11・・・・・折り曲げ線
12・・・・・タンパーエビデンス機構
14・・・・・挿入ガイド
15・・・・・切り出し線
20・・・・・携帯端末
20A・・・・携帯端末識別番号
21・・・・・可動部材
22・・・・・封緘部材
23・・・・・固定部材
44・・・・・情報本体
55・・・・・サーバコンピュータ
56・・・・・管理データベース
57・・・・・生産管理コンピュータ
58・・・・・製造データベース
60・・・・・アルミ素材
61・・・・・黒色塗料
62・・・・・白色塗料
66・・・・・インターネット
77・・・・・使用者
80・・・・・物品
81・・・・・商品
Φ1・・・・・印字部材3の直外径
Φ2・・・・・印字部材脱落防止機構9の直内径
Φ3・・・・・挿入ガイドの外径
S2001〜S2007・・携帯端末20に内蔵の端末プログラムによって実行されるステップ
S3001〜S3004・・サーバコンピュータ55に内蔵のサーバプログラムによって実行されるステップ
S3101〜S3109・・サーバコンピュータ55に内蔵のサーバプログラムによって実行されるステップ
S5001・・・・・・・・生産管理コンピュータ57に内蔵の生産管理プログラムによって実行されるステップ
S5011〜S5013・・生産管理コンピュータ57に内蔵の生産管理プログラムによって実行されるステップ
101〜108・・・・・・管理データベース56中の各々のデータテーブルを示す。
210〜260・・・・・・携帯端末20の構成を示すブロック図を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する容器の容器蓋1であって、
容器蓋の上に情報本体44を印字した印字部材と、
前記容器蓋1の全体又は一部を被覆し、その被覆を剥がしたとき改変や開封した証拠を残すタンパーエビデンス機構12と、
該タンパーエビデンス機構が前記容器蓋1の全体又は一部を被覆している時は、情報本体44の一部又は全部がタンパーエビデンス機構に隠されている為、携帯端末20は情報本体44を読み取ることができず、
タンパーエビデンス機構による被覆が剥がされた時は、情報本体44の全部が現れ、携帯端末20により情報本体44の全部を読み取ることが可能となり、
携帯端末20が情報本体44の情報を送信できるようにした
ことを特徴とする容器蓋。
【請求項2】
前記情報本体44は、二次元コード7と、インデックス5からなり、
二次元コード7については、前記タンパーエビデンス機構が前記容器蓋1の全体又は一部を被覆している時は、携帯端末20は二次元コード7を読み取ることができず、
タンパーエビデンス機構による被覆が剥がされた時は、二次元コード7が現れ、携帯端末20により二次元コード7の全部を読み取ることが可能となり、
インデックス5については、タンパーエビデンス機構が該容器蓋1を被覆しているか否かに拘わらず、携帯端末20により常時読み取りができ、
該インデックス5は前記二次元コード7にエンコードされている情報を解読するキー情報を含み、
携帯端末20が情報本体44の情報を送信できるようにした、
ことを特徴とする請求項1記載の容器蓋。
【請求項3】
物品を収納する容器の容器蓋1であって、
容器蓋の内面上側に印字部材3を装填し、
当該、印字部材3は、表にインデックス5、裏に二次元コード7を備え
表を容器蓋の上方になるように配置し、
容器蓋1の上面のインデックス5に相当する箇所を透明にすることにより、インデックス5を携帯端末20でも常時読み取りができ、
タンパーエビデンス機構による被覆を剥したとき、
携帯端末20で容器蓋の裏にある二次元コード7を読み取り、情報本体44の情報を送信できるようにしたことを特徴とする容器蓋。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかの一つの容器蓋1であって、
タンパーエビデンス機構による容器蓋1の被覆が剥がされたときは、二次元コード7があらわれ、
携帯端末20は、二次元コード7を読み取り、読み取った二次元コード7に基づき、サーバコンピュータ55に接続し、
サーバコンピュータ55からのアンケート設問を受信し、その回答を返送し、
サーバコンピュータ55は、アンケートの設問を生成して、携帯端末20に送信し、
携帯端末20からの回答を受信し、その受信した時刻とアンケートの回答とを
関連付けてデータベースに記録することによりアンケートの収集を行うことを特徴とする
アンケートシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−184080(P2011−184080A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52720(P2010−52720)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【特許番号】特許第4676558号(P4676558)
【特許公報発行日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504400012)
【Fターム(参考)】