説明

密封溶剤処理装置および密封溶剤処理方法

【課題】真空ポンプや真空容器などの高価な装置を使用することなく、溶剤損失が少なく、かつ優れた洗浄乾燥効果が得られる密封溶剤処理装置を提供する
【解決手段】被処理物25の出し入れ用の開口部を密封ができる蓋24を有し、内部に被処理物を設置して洗浄乾燥処理操作を行うための処理槽4と、処理槽に処理用の溶剤蒸気または処理液を送給するための装置と、処理槽に密封状態で連結され処理槽内からの溶剤を含むガスを冷却液化するための凝縮器7とで洗浄乾燥系を形成し、該洗浄乾燥系の前記凝縮器7に、圧力調節弁及びガスの取込み口と、圧力調節弁を通しての排気口とを備えたガス置換槽20、またはガスホルダーを密封された状態で付設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプや真空容器などの高価な装置を使用することなく、溶剤損失が少なく、かつ優れた洗浄乾燥効果が得られる密封溶剤処理装置および密封溶剤処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶剤を用いた洗浄乾燥処理装置(以下、単に処理装置ということもある)としては、従来、作業の能率上、被処理物の出し入れのために開口部を持った処理槽が用いられているが、操作中、解放状態で使用されるのが一般的である。
このような開放型の処理槽の場合、被処理物を処理槽に出し入れする際に、周辺空気の流入や被処理物による同伴などにより槽内に空気が混入し、溶剤ガスを含んだガスが槽内を上昇し、溶剤ガス層の溢流によって溶剤の損失を起こすとともに、槽内に空気の侵入およびそれと一緒に水分や微小塵の混入をもたらし、洗浄、乾燥操作に支障を生じる。
【0003】
この際の溶剤の損失や作業環境の悪化等を避けるために、従来、処理槽の上部槽壁に冷却コイルを設け、上昇する溶剤蒸気を冷却液化させて溶剤ガスの損失を抑制している(特許文献1参照)。しかし、冷却コイルの温度は空気中水分が凍結するため0℃以下にすることができない、あるいは被処理物の出し入れや処理槽周辺の空気流などによって、冷却コイル部より低い部分の高濃度ガスの排出を生じるため抑制効果は十分でなく、多量の溶剤放散が起きている。
【0004】
さらに、冷却コイルに空気中の水分が凝縮して溶剤を含んだ排水が生じ、環境汚染の原因となっている。このようなことから、溶剤の漏れや、環境汚染をもたらす排水の発生が避けられない現状である。
このため、これら溶剤の持つ毒性による労働環境の汚染や、地球のオゾン層破壊、温暖化、または浮遊物質生成の原因物質とされる特定溶剤については、その使用制限が計られており、他の溶剤への転換や、処理装置の密封化による溶剤排出の抑制が要求されている。例えば、比較的、毒性や環境汚染の少ないと言われている可燃性の炭化水素系溶剤への転換が進められているが、この場合には引火しない条件での操作が要求される。しかしながら、開放型の処理装置の場合では系内への空気の侵入が避けられず、操作温度は、使用溶剤の引火点よりも少なくとも10℃以上低い温度での操作を要求されている。したがって使用溶剤は、操作温度の関係から常温より10℃以上高い引火点をもつ溶剤を選択しなければならない。
【0005】
その結果、洗浄時の溶剤温度条件は低い温度となり溶剤の洗浄力低下をもたらしている。さらに、一般的な炭化水素溶剤の場合の沸点は、引火点温度と一定の関係があり、そのような溶剤は沸点が150℃以上となる。
そのため、開放型の処理装置では、防爆のため、乾燥操作においても通常の引火点濃度である0.5〜1体積%の60%以下の濃度での操作が強いられる。つまり、引火点温度より高い温度の多量熱風を流しながら溶剤ガス濃度が引火点濃度の60%以上にならないように操作する必要があるため、溶剤の回収が困難となり、大部分の溶剤は放出せざるを得ず、環境への悪影響は避けられない。
さらに、被処理物の乾燥時間に長時間を要する、あるいは乾燥不良を生じるなどの不具合も生じている。
このようなことから低酸素の不燃雰囲気を安定的に維持し、系外からの空気や水分の侵入や、系内ガスの排出のない処理が可能な溶剤処理装置が切望されている。
【0006】
本発明者は、このような問題を解決するものとして、密封された処理装置内で被処理物を処理し、被処理物が密封された該処理装置への出入りの際に外部から空気を持ち込んだり、内部のガスを持ち出したりしない洗浄乾燥装置(特許文献2参照)を提案した。
特許文献2の装置は完全密閉型にすることで、これら問題の解決を図っているが、これを実施する場合、真空装置を用いる必要があり、特に大型処理装置では装置コストが高いことが問題であった。
【特許文献1】特開平3−193173号公報
【特許文献2】特開平10−118587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、真空ポンプや真空容器などの高価な装置を使用することなく装置の密封ができ、溶剤損失が少なく、また空気中の水分の取り込みによる凝縮水の発生を抑えることができ、かつ排水による環境汚染の防止にも有効な密封溶剤処理装置および密封溶剤処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、洗浄乾燥系を形成する凝縮器に低濃度ガス排出装置またはガスホルダーを密封状態で付設することにより、洗浄乾燥系内を所定圧に維持し溶剤の外部への放出が防止できることを見出し、構造が簡便で操作がしやすく設備投資の大幅な節減が可能な溶剤処理装置を達成するに至った。
【0009】
本発明に係わる密封溶剤処理装置は、被処理物の出し入れ用の密封ができる蓋を有し、内部に被処理物を設置して洗浄乾燥-操作を行うための処理槽と、処理槽に処理用の溶剤蒸気または処理液を送給するための装置と、処理槽に密封状態で連結され処理槽内からの溶剤を含むガスを冷却液化するための凝縮器とで洗浄乾燥系が形成されており、該洗浄乾燥系の前記凝縮器に、ガスの取込み口と排気口とを備えた低濃度ガス排出装置、またはガスホルダーが密封された状態で付設されていることを特徴としている。
【0010】
上記密封溶剤処理装置は、処理槽の上部に蓋を設け、底部に蒸発溶剤ガスの水平溶剤濃度層を均一に上昇させるためのガス分散板を設けることが好ましく、また処理槽の上部に、凝縮器から導入される低濃度ガスの水平溶剤濃度層を均一に下降させるための分散器を設けることが好ましい。
上記密封溶剤処理装置は、凝縮器が、流通するガスのバックミキシングの防止手段を有していることが好ましく、凝縮器の出口側に、流通するガスのバックミキシングが生じないようにするための防止手段を装備し、かつ処理槽容積以上の容積を有するガス置換槽が設けられていることが好ましい。
【0011】
また、凝縮器が、処理槽からの処理ガスと溶剤液とを直接接触させて熱交換と凝縮液化を行わせる装置であることが好ましく、上記凝縮器において発生する水の氷を含む溶剤を加熱して氷を融解したあと、水を水分離器において2相分離し除いた溶剤を循環再使用することが好ましい。
本発明の好ましい密封溶剤処理装置は、複数の処理槽が直列または円周状に配置されており、該処理槽を順次に直線移動または円周に沿って回転移動させることにより、被処理物の、処理槽への設置、洗浄乾燥および処理槽からの取出しが連続的に実施できる。
【0012】
さらに、本発明は、処理槽と、処理槽に処理用の溶剤蒸気または処理液を送給するための装置と、凝縮器とで洗浄乾燥系を形成し、該洗浄乾燥系の前記凝縮器に低濃度ガス排出装置またはガスホルダーを密封状態で付設し、該低濃度ガス排出装置またはガスホルダーにて洗浄乾燥系内を所定圧に調節することにより、溶剤ガスの系外への放出を抑制することを特徴とする、上記密封溶剤処理装置による密封溶剤処理方法を提供する。
【0013】
上記密封溶剤処理方法は、処理槽に被処理物を設置し、蓋にて密封後、処理槽内に窒素ガスを送入するか、処理槽内ガスを酸素除去装置の間を循環することにより、処理槽内ガスの酸素濃度を下げることが好ましく、また処理槽に被処理物を設置し、蓋にて密封後、処理槽内ガスを、脱湿装置を循環させることにより、処理槽内ガスの湿度を下げることが好ましく、さらに処理槽にガス分散板を設け、処理槽内の水平溶剤濃度層を乱さないように溶剤蒸気を送入し、処理槽内ガスをガス濃度分布ができるだけ変化しないように上昇させて槽上部より凝縮器に押し出し、凝縮器にて溶剤を凝縮させて低濃度溶剤ガスとして排気することが好ましい。
【0014】
また、上記密封溶剤処理方法は、凝縮器出口の低濃度ガスを処理槽上部より導入し、槽内高濃度ガスを底部より押し出して凝縮器に導入し、溶剤を凝縮させたガスを処理槽に循環して処理槽内の被処理物の乾燥を行う際に、脱湿したガスまたは空気を、凝縮器に付設したガス置換槽を通して処理槽上部に導入することが好ましく、被処理物を洗浄乾燥系内において処理する際に生ずる系内ガス圧の増減を、ガスホルダーの容積変化で対応し、系外へのガス放出や系外からの空気の取り込みを抑制することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係わる密封溶剤処理装置は、以上のように、真空ポンプや真空容器などの高価な装置を使用することなく密封ができ、溶剤損失を少なくできる。すなわち、従来では溶剤損失をなくするために完全密閉にして真空ポンプや真空容器で処理槽内の排気や排ガスを行っていたが、本発明では、処理槽と、処理槽に処理用の溶剤蒸気または処理液を送給するための装置と、凝縮器とで洗浄乾燥系を形成し、該洗浄乾燥系の前記凝縮器に低濃度ガス排出装置またはガスホルダーを密封状態で付設し、該低濃度ガス排出装置またはガスホルダーで洗浄乾燥系内を所定圧に調節することにより、溶剤ガスの系外への放出を防止または抑制することが可能となる。
【0016】
さらに、本発明によれば空気中の水分の取り込みによる凝縮水の発生を抑えることができ、排水による環境汚染を防止できる。また、開放型の処理装置のように空気が侵入しないので、空気中の塵による汚染を防ぐことができ、洗浄された製品の品質を向上できる。また、装置内を密封化することで不燃雰囲気の維持が容易に、確実にできるので、可燃性溶剤使用の場合も引火点以上の温度条件で安全に洗浄乾燥操作を行うことができる。
【0017】
また、本発明は装置を真空ポンプや真空容器を要しない簡潔な構造にできるので、設備投資の大幅な節減や運転費の削減が可能となるとともに、故障の少ない溶剤処理装置の普及によって、オゾン層の保護、地球温暖化、環境汚染の防止、労働条件の改善等に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面に基づいて具体的に説明すると以下の通りである。図面は本発明の理解を容易にするために例示したものであり、本発明はこれに限定されない。
本発明に係わる密閉溶剤処理装置は、被処理物の出し入れ用の密封ができる蓋を有し、内部に被処理物を設置して洗浄乾燥処理操作を行うための処理槽と、処理槽に処理用の溶剤蒸気または処理液を送給するための装置と、処理槽に密封状態で連結され処理槽内からの溶剤を含むガスを冷却液化するための凝縮器とで洗浄乾燥系を形成し、該洗浄乾燥系の凝縮器に圧力調節弁及びガスの取込み口と、圧力調節弁を通しての排気口とを備えた低濃度ガス排出装置、またはガスホルダーを密封した状態で付設することを特徴としている。対象となる溶剤は常温常圧で液体である揮発性洗浄用溶剤であり、塩素系溶剤、炭化水素系、イソプロピールアルコール、NMP、などが挙げられる。
【0019】
図1は上記洗浄乾燥系の凝縮器に低濃度ガス排出装置を付設した密閉溶剤処理装置の系統図である。処理槽4は、後述する被処理物25を出し入れするための開口部と該開口部を密封するための蓋24を上部に有している密封容器で、低部に下部からのガスを均一に上昇させるためのガス分散板22が設けられている。また、上部には上部からのガスを均一に下降させるためのガス分散器23が設けられている。これらのガス分散板22およびガス分散器23として、通常は孔やスリットが所定の密度で分布する例えばステンレスや樹脂製の網状体または多孔板が用いられるが、ガスを処理槽4の全面に均一に分散できるものであれば、その形体は限定されない。
【0020】
蒸気発生器1は、処理槽4に溶剤蒸気を供給する蒸気発生器で、内部に溶剤液を擁し、ヒーター14で溶剤液を所定の温度になるように加熱して溶剤蒸気を発生させ処理槽4に送給する。凝縮器7は、処理槽4からの溶剤を含むガスを冷却液化させる装置で、内部に冷却器34が設けられており、かつ入口から入ったガスが出口に流れる際にバックミキシングが少ない構造として設計される。このバックミキシングの防止手段としては、例えば、流速を調整する、多孔板を設ける、充填物を充填するなどの方法が使用できる。凝縮器7で冷却液化された溶剤は、蒸気発生器1に送って再使用する。溶剤濃度によるガス密度差から、ガス入口は凝縮器7の下部、出口は上部が望ましい。
【0021】
本例の低濃度ガス排出装置は、上記凝縮器7の出口側のパイプ12に設置したガス置換槽20によって実質的に構成される。該ガス置換槽20は、圧力調節弁19およびガス(空気を含む、以下同じ)の取込み口と、圧力調節弁11を通しての排気口とを備えており、入口から入ったガスが、出口に流れる際に実質的にバックミキシングが生じないまたは少ない構造として設計されたガス貯槽である。バックミキシングの防止手段としては、例えば槽内のガスの流れ方向に直角に数枚の多孔板を設ける、または充填物を充填するなどが好ましく使用できる。この場合、ガス置換槽20は処理槽4の容積より大きい容積を有していることが好ましい。処理槽4の容積より大きい容積を有していると、処理槽4内のガスの全量を受け入れできるため、系内からのガスの放出防止が可能となる。ガス置換槽20の取込み口および排気口は、通常は本例のように圧力調節弁を装備しているが、系内を大気圧で操作するようなときはこれをなくしても差し支えしない。また、取込み口および排気口とを兼ねさせることもできる。
【0022】
このようなガス置換槽20の設置により、洗浄乾燥系内の圧力が上昇したときには、溶剤を除いた後のガスを前記排出口から系外に排出し、逆に系内の圧力が所定圧力より低くなったときには、前記取込み口からガスを補給できる。脱湿装置18は補給する該ガスの水分の除去装置である。この除去手段としては、例えば冷却手段、脱湿剤、透過膜などを用いることができる。なお、溶剤濃度によるガス密度差から、入口はガス置換槽20の下部、出口は上部が望ましい。
【0023】
除湿装置29は、被処理物を設置した後の処理槽内に混入した空気中に含まれる水分を、同様に脱湿剤、透過膜などを用いて除去する水分除去装置で、必要に応じて使用する。
水分離機38は、凝縮器7で液化され溶剤中に含まれる水を除去するための2相分離器である。被処理物25に伴ってあるいはその他によって系内に入ってきた水分は、該水分離器38で除くことができる。
【0024】
次に、図1に基づいて低濃度ガス排出装置を用いた場合の洗浄乾燥方法について説明する。
図1において弁3、5、15、16、30、31が閉の状態で処理槽4の蓋24を開け、被処理物25を内部に設置し、蓋を閉める。系内を脱湿状態に維持したい場合は、弁30、除湿器29、弁31を介して処理槽4内のガスを循環する。処理槽内の水分除去は、図示はしないが除湿器29を外した状態で弁30から乾燥空気を処理槽4に導入し、弁31から排出することによってもできる。この場合、溶剤が可燃物の場合は乾燥空気に代わって窒素ガスが供給される。
【0025】
次いで被処理物の蒸気処理操作を行う。弁3、5を開け、蒸気発生器1のヒーター14に通電し、内部に入っている溶剤を加熱して溶剤蒸気(以下、蒸気と略称することもある)を発生させる。発生された蒸気はパイプ2、弁3を通して処理槽4に供給される。処理槽内に供給された蒸気は、ガス分散板22を通して供給されるのが好ましい。そして、ガス分散板22の効果と、溶剤濃度に比例して蒸気密度が高いこととによって、蒸気は濃度分布層を形成して処理槽内を上昇する。これにより、処理槽内の希薄ガスは上部にピストンフロー的に押し出され、弁5、パイプ6を通って凝縮器7の下部に導入される。導入されたガスは凝縮器7にて冷却凝縮され、溶剤は水分分離器38を通って蒸気発生器1に送給され、残ガスは上昇し、溶剤濃度が低下したガスとなってパイプ12、8を通ってガス置換槽20の下部から内部に送入されたあと上部に上昇する。
【0026】
このとき本例のように凝縮器7とガス置換槽20にバックミキシングの防止手段が設けられていると、ガスはこれらの内部においてバックミキシングのない流れとなる。さらに、濃度差による密度差の効果から、凝縮器底部からガス置換槽上部に亘ってガス濃度分布が生じ、蒸発発生器1の蒸気が処理槽4に供給されることによって増加した系内ガスは、パイプ10、圧力調節弁11である逆止弁を作動して系外に排出される。排出されるガスは、後に説明されるが、処理槽内の蒸気が凝縮してガス容積が減少する場合に、空気導入パイプ17から脱湿装置18を通してガス置換槽20に流入した空気であり、基本的に溶剤を含まないガスで溶剤の損失にはならない。
【0027】
ガス置換槽20を外した場合、多少の溶剤ガスの排出を許すことになるが従来の開放型装置に比して遥かに溶剤損失は少ない。凝縮器とガス置換槽は一体としてもその効果は変わらない。
【0028】
蒸気発生器1から処理槽4に供給され被処理物25と接触した溶剤蒸気はその表面に凝縮し、液化した溶剤で被処理物25が洗浄処理されると共に被処理物25の温度が高められる。被処理物25の上部まで蒸気層が達したならば蒸気の供給を停止する。処理槽4にて凝縮した溶剤液は液封されたパイプ21を通して蒸気発生器1に戻される。被処理物25の蒸気洗浄処理が終了後、ヒーター14を止め、弁3を閉め蒸気供給を停止する。
【0029】
処理槽4での洗浄処理が完了後,被処理物25の乾燥処理に入る。弁15、16を開け、弁5を閉めて送風機13を稼動させ、処理槽内の溶剤ガスを処理槽4の底部から弁16、凝縮器7、パイプ12、送風機13、弁15を通して処理槽上部に循環する。処理槽4へのガス供給は、ガス分散器23から均一に循環送入するのが好ましい。処理槽内の被処理物25に付着している溶剤液を、その温度と平衡な溶剤分圧より低い分圧の凝縮器出口ガスを循環させることで蒸発させて乾燥する。最終的には処理槽内は凝縮槽出口ガスの濃度の雰囲気ガスとなる。
【0030】
乾燥操作によって処理槽内の溶剤ガスが凝縮器7で凝縮されると、系内の容積の減少は生じる。その補充のため、空気がパイプ17、脱湿装置18、弁19を通ってガス置換槽20の上部に供給される。ガス置換槽の上部に供給された空気は、ガス置換槽内のバックミキシングのない流れと濃度差による密度差の効果から、ガス置換槽20内の溶剤ガスをピストン的に系内に押し出し、ガス置換槽20の内部は上部から脱湿空気に置換される。溶剤が可燃ガスの場合は空気に代わって窒素ガスが供給さる。
【0031】
乾燥操作終了後、送風機13を止め、弁5、16を閉めて処理槽4の蓋24を開け、被処理物25を取り出す。
なお、図示はしないが乾燥操作において送風機13と弁5との間に循環ガス加熱用のヒーターを設けてガスを加熱することは、乾燥に必要なガスの循環時間や循環量を少なくする上で効果的である。また、凝縮器7の入口ガスと、出口ガスとを熱交換器によって熱交換することは、凝縮器7の冷却負荷を少なくするためや、ガスの必要循環時間や循環量を少なくするのに効果があり好ましい。これらは後述の実施形態においても同じである。
【0032】
圧力調節弁11、19は、系内圧力計との組み合わせで系内圧を任意の所定圧力に調節することができる。系内を大気圧にて操作する場合は、圧力調節弁として本例のように逆止弁を設ける方法が簡便である。
処理槽4に被処理物25を設置した後、処理槽内ガスを除湿装置29に循環して除湿する操作、および、系内へ導入する空気の脱湿処理操作を行わなかった場合には、凝縮器7で凝縮水が発生することがある。凝縮器7での凝縮液を2相分離器38に通すことにより、この凝縮水を分離して取り出すことができる。分離された水には溶剤などが溶解されているため、その除去処理が必要となる。
【0033】
一方、上記除湿操作を行った場合には、洗浄乾燥処理操作の間の凝縮器7での冷却温度は水の氷結の制限がなくなり、低い温度まで冷却することが可能となるため、乾燥処理後の槽内の溶剤濃度を低くできる。これにより、被処理物25の出し入れの際の溶剤損失がより少なくなり、また、労働環境の改善になることから好ましい。
【0034】
また、処理槽4の窒素置換操作、および、系内へのガス補給ライン17からのガスを窒素ガスにて行った場合、洗浄乾燥操作の間、洗浄乾燥系の密封性が維持されていることから、同系に系外から空気の侵入がないので、可燃溶剤を用いても引火の危険はない。したがって洗浄条件の制限がなく、洗浄操作、乾燥操作とも障害なく実施できる。
さらに、上記洗浄乾燥操作において溶剤の放出は、非常に低濃度の溶剤ガスが入った処理槽への被処理物の出し入れ時間に漏出する溶剤ガスのみで、従来方法に比べて微量とすることができる。
【0035】
次に、本発明の他の実施形態を図2に基づいて説明する。図2は洗浄乾燥系の凝縮器にガスホルダーを付設してなる密封溶剤処理装置の系統図である。前記した図1の装置と同一の部品には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】
本例では、処理槽4からのガスを処理する凝縮器として直冷凝縮器33を便宜的に使用している。該直冷凝縮器33は、低温度の溶剤液と、溶剤を含むがスを直接接触させてガスを冷却し、該ガスに含まれている溶剤を液化させる装置で、ガスホルダー26は該直冷凝縮器33の出口側に密封された状態で設けられる。
【0037】
上記ガスホルダー26は、保持するガス量が変わっても保持圧力の変動が少ないガス保持槽で、保持ガスの圧力は、ガスホルダー吊り上げ用重し41の重さで任意に調節できる。洗浄乾燥系内の圧力は、ガスホルダー26のガス保持圧力であり、その圧力は該ガスホルダー用吊り上げ重し41の重さを調節することで任意に調節することが可能である。そして、この圧力調節は、ガスホルダー26にレベルセンサー27、28を設けることで自動的に行うことができる。すなわち、ガスホルダー26のガス保持量が上限に達すれば、レベルセンサー27の信号で弁19が開きガスを放出し、下限に達すればレベルセンサー28の信号で弁11が開いてガスを補充し、常にほぼ一定圧が維持される。
【0038】
次に、ガスホルダーを用いた場合の操作を図2に基づいて説明する。先ず処理槽4の蓋24を開け、被処理物25を内部に設置した後に蓋を閉め、ついで弁3を開いて蒸気発生器1で発生させた溶剤蒸気を処理槽4に供給する。図1の装置と同じように処理槽4に供給された溶剤蒸気によって上部にピストンフロー的に押し出された処理槽内の希薄ガスは、パイプ6によって直冷凝縮器33に送給される。
【0039】
直冷凝縮器33には内部の下方部分に溶剤液が充填されており、該溶剤液は冷却器34にて冷却されている。処理槽4から送られてきたガスは、直冷凝縮器33の下部から冷却された溶剤液中に分散して送入され、ガスと液の直接熱交換によって冷却されるため、ガス中の溶剤は凝縮されて溶剤液となる。他方、残りの不凝縮ガスは上昇し、溶剤濃度が低下したガスとなってパイプ8を経てガスホルダー26に保持される。液とガスの直接接触方法としては、充填塔を用いた方式やその他公知の方式でも差し支えない。また、この直冷接触方法を図1のように間接熱交換方式にすることもできる。
【0040】
被処理物25の上部まで溶剤蒸気が到達したならば、ヒーター14を止め、弁3を閉めて蒸気の供給を停止する。処理槽4内に設置した被処理物25は、溶剤蒸気との接触により表面に凝縮する溶剤で洗浄される。そして、処理槽4での洗浄操作が完了すると、乾燥操作に入る。この乾燥操作も図1の装置と同じであり、弁15、16を開け、弁5を閉めて送風機13を稼動させ、処理槽内のガスを弁16、直冷凝縮器33、パイプ12、送風機13、弁15を通して処理槽上部に循環する。上部よりのガス供給は、ガス分散器23から均一に循環送入する。処理槽内の被処理物25に付着している溶剤液を、その温度と平衡な溶剤分圧より低い分圧の凝縮器出口ガスを循環させることで蒸発させて乾燥する。その結果、乾燥操作の最終時には、処理槽内は直冷凝縮槽33の出口部濃度の雰囲気ガスとなる。
【0041】
この乾燥操作によって処理槽4内の溶剤ガスが直冷凝縮器33で凝縮され、系内のガス容積が減少すると、ガスホルダー内に貯蔵されているガスがパイプ8を通して系内に補充されるため、系内の圧力を一定に保持できる。かくして、乾燥操作が終了したならば、送風機13を止め、弁5、16を閉め、その後、処理槽4の蓋24を開けて被処理物25を取り出す。
【0042】
処理槽4に被処理物25を設置した後、処理槽内ガスの脱湿処理操作を行はなかった場合には、前記ガスが直冷凝縮器33内の溶剤液に吹き込まれると該ガス中に含まれている水分が凝縮水を生成し、または直冷凝縮器33内の溶剤液が冷却器34によって氷点以下に冷却されているときには氷が発生する。この水または氷は、直冷凝縮器33での凝縮液を2相分離器38に通すことにより、分離して取り出すことができる。その際、氷点以下の場合にはヒーター39にて氷を融解してから分離する。分離された水には溶剤などが溶解しているため、放流前に溶剤の除去処理が必要である。
【0043】
また、本例のように直冷凝縮器33を用いた場合には、前記除湿操作を行なわないで洗浄乾燥処理を行い、かつ温度が氷結温度よりも下がっても、氷の付着が起こらないため、低い温度まで冷却することが可能となり、溶剤の放散抑制に効果的である。
このように直冷凝縮器にガスホルダーを密封された状態で付設することで、洗浄乾燥系内のガス圧力は常に一定に保持できるので、洗浄乾燥操作の全操作の間に系外からの空気侵入および系内からの溶剤の放出を防止できる。
【0044】
次に第3図に基づいて可燃性洗浄液洗浄の場合の実施態様を説明する。
本例は洗浄液洗浄の点で前記の蒸気洗浄と異なっているが、装置的には図2と同じように直冷凝縮器33とガスホルダー26を使用している。図2と同一の部品には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0045】
先ず、弁3、5、15、16、30、31、32が閉の状態で処理槽4の蓋24を開けて被処理物25を内部に設置し、蓋25を閉め、弁30から乾燥窒素ガスを導入し、弁31から排出して処理槽内の酸素を低減するとともに水分を除去する。
【0046】
次いで、弁3,5を開け、洗浄液ポンプ36を起動して洗浄液槽35内の洗浄液をパイプ2、弁3を通して処理槽4に供給する。処理槽4に供給された洗浄液の液面が上昇すると、処理槽内の希薄ガスは押し出され、弁5、パイプ6、37を通って洗浄液槽35に戻るが、処理槽内の温度上昇や、溶剤濃度上昇などによる増加ガスは直冷凝縮器33の下部の冷却された溶剤液中に分散して送入され、ガスと液の直接熱交換によって冷却され溶剤は凝縮される。直冷凝縮器33での不凝縮ガスは上昇し、溶剤濃度が低下したガスとなってパイプ8を経てガスホルダー26に保持される。
【0047】
被処理物25の上部まで洗浄液面が達したならば洗浄液ポンプ36を止め、弁3を閉め、洗浄液の供給を停止する。一定時間、洗浄液洗浄操作を実施した後、弁32を開け、処理槽4内の洗浄液を洗浄液槽35に抜き出す。洗浄液槽35のガスはかかる洗浄液の流下で押し出され、パイプ37、6と弁6を通って処理槽4の上部に導入される。
【0048】
処理槽4の液抜出が終了後,被処理物25の乾燥操作に入る。弁15、16を開け、弁5、32を閉めて送風機13を稼動させ、弁16、直冷凝縮器33、パイプ12、送風機13、弁15を通して処理槽上部に循環する。処理槽へのガス供給は、ガス分散器23から均一に循環送入するのが好ましい。処理槽内の被処理物25に付着している溶剤液を、その温度と平衡な溶剤分圧より低い分圧の凝縮器出口ガスを循環させることで蒸発させて被処理物を乾燥できる。そして、乾燥操作の終了時における処理槽内は、凝縮槽出口濃度の雰囲気ガスとなる。
【0049】
上記乾燥操作において処理槽内の溶剤ガスは直冷凝縮器33で凝縮されるため、系内の容積が減少する。このように系内の容積が減少すると、系内の圧力が低下するため、ガスホルダー26からガスがパイプ8を通して系内に補充される。乾燥操作終了後、送風機13を止め、弁5、16を閉めて処理槽4の蓋を開け、被処理物25を取り出す。
【0050】
上記した洗浄乾燥操作における系内圧力は、図2と同じくガスホルダー26のガス保持圧力であり、その圧力はガスホルダー26の吊り上げ重し41の重さを調節することで任意に調節することが可能である。
【0051】
本例のような可燃溶剤の場合は、系内の酸素濃度を一定濃度以下に管理するために、被処理物を処理槽に設置し、蓋を閉めた後の酸素濃度を所定以下にする必要があるが、通常操作では窒素ガスを送入して酸素を追い出すとともに、密封構造にすることで系外からの空気侵入を防止できるので、全処理操作が不燃雰囲気にて行うことができ安全である。また、乾燥操作前の被処理物温度を高めることで乾燥操作を容易にすることができる。
【0052】
上記したように本発明においては、洗浄乾燥系を形成するすべての装置が密封されるように連結され、その系内を低濃度ガス排出装置またはガスホルダーにて所定圧に調節し維持できる。これにより、系外からの空気の侵入や系内からの溶剤の放出を容易に防止できる。
【0053】
また、本発明を理解をしやすくするため図面には単一の処理槽でバッチ式に洗浄乾燥する場合について例示したが、これに限定されない。図示はしないが、多くの溶剤洗浄乾燥装置で実施されているように、例えば複数の処理槽を直列または円周状に配置し、これらの処理槽を順次にそれぞれ直線移動または円周に沿って回転移動させることにより、被処理物の、処理槽への設置、洗浄乾燥操作および処理槽からの取出しが連続的にできるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係わる密封溶剤処理装置は、真空ポンプや真空容器などの高価な装置を使用することなく密封ができ、溶剤損失を少なくできる。また、本発明は装置を簡潔な構造にできるので、設備投資の大幅な節減や運転費の削減が可能となるとともに、故障の少ない溶剤処理装置の普及によって、オゾン層の保護、地球温暖化、環境汚染の防止、労働条件の改善等に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係わる密封溶剤処理装置の一実施態様を示す系統図である。
【図2】本発明に係わる密封溶剤処理装置の他の実施態様を示す系統図である。
【図3】本発明に係わる密封溶剤処理装置の他の実施態様を示す系統図である。
【符号の説明】
【0056】
1:蒸気発生器 2:パイプ 3:弁
4:処理槽 5:弁 6:パイプ
7:凝縮器 8、9、10:パイプ 11:圧力調節弁
12:パイプ 13:送風機 14:ヒーター
15、16:弁 17:パイプ 18:脱湿装置
19:圧力調節弁 20:ガス置換槽 21:パイプ
22:ガス分散板 23:ガス分散器 24:蓋
25:被処理物 26:ガスホルダー 27:上限レベルセンサー
28:下限レベルセンサー 29:除湿装置 30、31、32:弁
33:直冷凝縮器 34:冷却器 35:洗浄液槽
36:洗浄液ポンプ 37:パイプ 38:水分離器
39:ヒーター 40:パイプ 41:重し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物の出し入れ用の開口部を密封できる蓋を有し、内部に被処理物を設置して洗浄乾燥操作を行うための処理槽と、処理槽に処理用の溶剤蒸気または処理液を送給するための装置と、処理槽に密封状態で連結され処理槽内からの溶剤を含むガスを冷却液化するための凝縮器とで洗浄乾燥系が形成されており、該洗浄乾燥系の前記凝縮器に、ガスの取込み口と排気口とを備えた低濃度ガス排出装置、またはガスホルダーが密封された状態で付設されていることを特徴とする密封溶剤処理装置。
【請求項2】
処理槽の上部に蓋を設け、底部に蒸発溶剤ガスの水平溶剤濃度層を均一に上昇させるためのガス分散板を設けた請求項1に記載の密封溶剤処理装置。
【請求項3】
処理槽の上部に、凝縮器から導入される低濃度ガスの水平溶剤濃度層を均一に下降させるための分散器を設けた請求項1または2に記載の密封溶剤処理装置。
【請求項4】
凝縮器が、流通するガスのバックミキシングの防止手段を有している請求項1、2または3に記載の密封溶剤処理装置。
【請求項5】
凝縮器の出口側に、流通するガスのバックミキシングが生じないようにするための防止手段を装備し、かつ処理槽容積以上の容積を有するガス置換槽を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の密封溶剤処理装置。
【請求項6】
凝縮器が、処理槽からの処理ガスと溶剤液とを直接接触させて熱交換と凝縮液化を行わせる装置である請求項1〜5のいずれかに記載の密封溶剤処理装置。
【請求項7】
上記凝縮器において発生する水の氷を含む溶剤を加熱して氷を融解したあと、水を水分離器において2相分離し除いた溶剤を循環再使用する請求項1〜6のいずれかに記載の密封溶剤処理装置。
【請求項8】
複数の処理槽が直列または円周状に配置されており、該処理槽を順次に直線移動または円周に沿って回転移動させることにより、被処理物の、処理槽への設置、洗浄乾燥および処理槽からの取出しが連続的に実施できる請求項1〜7のいずれかに記載の密封溶剤処理装置。
【請求項9】
処理槽と、処理槽に処理用の溶剤蒸気または処理液を送給するための装置と、凝縮器とで洗浄乾燥系を形成し、該洗浄乾燥系の前記凝縮器に低濃度ガス排出装置またはガスホルダーを密封状態で付設し、該低濃度ガス排出装置またはガスホルダーにて洗浄乾燥系内を所定圧に調節することにより、溶剤ガスの系外への放出を抑制することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の密封溶剤処理装置による密封溶剤処理方法。
【請求項10】
処理槽に被処理物を設置し、蓋にて密封後、処理槽内に窒素ガスを送入するか、処理槽内ガスを酸素除去装置の間を循環することにより、処理槽内ガスの酸素濃度を下げる請求項9に記載の密封溶剤処理方法。
【請求項11】
処理槽に被処理物を設置し、蓋にて密封後、処理槽内ガスを、脱湿装置を循環させることにより、処理槽内ガスの湿度を下げる請求項9または10の密封溶剤処理方法。
【請求項12】
処理槽に溶剤蒸気を送入する際にガス分散板を設け、処理槽内の水平溶剤濃度層を乱さないように溶剤蒸気を送入し、処理槽内ガスをガス濃度分布ができるだけ変化しないように上昇させて槽上部より凝縮器に押し出し、凝縮器にて溶剤を凝縮させて低濃度溶剤ガスとして排気する請求項9、10または11に記載の密封溶剤処理方法。
【請求項13】
凝縮器出口の低濃度ガスを処理槽上部より導入し、槽内高濃度ガスを底部より押し出して凝縮器に導入し、溶剤を凝縮させたガスを処理槽に循環して処理槽内の被処理物の乾燥を行う際に、脱湿したガスを、ガス置換槽を通して処理槽上部に導入する請求項9〜12のいずれかに記載の密封溶剤処理方法。
【請求項14】
被処理物を洗浄乾燥系内において処理する際に生ずる系内ガス圧の増減を、ガスホルダーの容積変化で対応し、系外へのガス放出や、系外からの空気の取り込みを抑制する請求項9〜13のいずれかに記載の密封溶剤処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−136831(P2006−136831A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329552(P2004−329552)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(591121708)
【Fターム(参考)】