説明

対象物の位置を測定するセンサ装置、および方法

対象物(10)の位置を測定するセンサ装置(1)は、誘導性に影響を及ぼす材料からなる対象物(10)と、磁界発生器(30)および磁界検出器(40)を有し、磁界検出器(40)が磁界発生器(30)によって発生した磁界を検出するように構成されたセンサユニット(20)と、磁界検出器(40)からの信号を処理して、対象物(10)の位置を定めるように構成された処理論理回路(50)とを有し、対象物(10)は、磁界発生器(30)に対して移動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、対象物の位置を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
磁気変換器技術は、トルクおよび位置の測定に応用される。
磁気変換技術は、トルクがかかった対象物または任意の他の部品のトルク、あるいは直線運動を非接触測定するために特に開発された。
回転または往復要素には、磁化された領域、すなわち、磁気的に符号化された領域を設けることができ、対象物が回転または往復運動すると、そのような磁気的に符号化された領域があるために、(磁気コイルなどの)磁界検出器内に特性信号が発生し、対象物のトルクまたは位置を測定することを可能にする。
この種のセンサは、例えば、国際公開第02/063262号に開示されている。
【0004】
国際公開第05/064301号は、磁気センサ原理に基づく別のトルクセンサを開示しており、電流パルスを対象物に直接印加するものであり、そのパルスは急激な立ち上がりと緩い立ち下がりによって定義される。
【0005】
米国特許第6,810,754号は、軸のまわりに巻かれ、通電して磁界を発生させることができるコイルを含む変換器と、コイルを挟んで軸方向に離間した第1および第2の磁界センサ装置とを有し、各装置がコイルに近接していて、コイルに通電することによって発生した磁界成分に応答する、変位測定用変換器を開示している。
強磁性部材が、コイルによって発生した磁界と相互作用するように配置され、強磁性部材と変換器は、前記軸方向に相対変位するように取り付けられるので、第1および第2のセンサ装置が検出するそれぞれの磁界成分のバランスは、変換器に対する強磁性部材の軸方向位置によって決まる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
対象物の位置を測定する、改良したセンサ装置、および対象物の位置を測定する方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、独立請求項の内容に従って、対象物の位置を測定する方法および装置を提示する。
さらに、従属請求項には実施形態が含まれる。
【0008】
なお、以下に説明する本発明の例示的な実施形態もその方法およびその装置に適用される。
【0009】
本発明の例示的な実施形態によれば、対象物の位置を測定するセンサ装置が提示され、このセンサ装置は、誘導性に影響を及ぼす材料からなる対象物と、磁界発生器および磁界検出器を有し、磁界検出器が磁界発生器から発生した磁界を検出するように構成されたセンサユニットと、磁界検出器からの信号を処理して対象物の位置を求めるように構成された処理論理回路とを具備し、対象物は磁界発生器に対して移動することができる。
【0010】
したがって、対象物またはその一部を永久的に磁化する必要なしに、対象物の位置を測定することができる。
【0011】
本発明の例示的な実施形態によれば、センサユニットは、磁界発生器および磁界検出器を形成する第1のコイルを有し、処理論理回路は、第1のコイルの電力消費を測定するように構成される。
【0012】
したがって、コイルのインピーダンス変化を基に位置を検出することができる。
明確に確定した位置を定め、その結果を参照テーブルに格納することにより、センサ装置を校正することができる。
センサ装置はまた、例えば、一方のセンサユニットが最小距離を検出し、2つのセンサユニットの間の距離が既知の場合に、作動時に自己校正することができる。
コイルのインピーダンスが変化すると電力消費量が変化する。
インピーダンスに影響を及ぼす材料を、例えば、コイルに近づけると、コイルのインピーダンスが変化し、したがって、その電力消費量が変化する。
【0013】
本発明の例示的な実施形態によれば、センサユニットは、磁界発生器および磁界検出器として機能する第1のコイルを有し、この第1のコイルは発振回路の一部となり、処理論理回路は、発振回路の周波数または振幅を測定する。
【0014】
したがって、周波数は対象物の位置に関するパラメータとなることができる。
共振周波数を維持した場合に、振幅もパラメータとなることができる。
言い換えると、その構成が発振回路となることができ、同調が対象物の位置に関するパラメータとなることができる。
【0015】
本発明の例示的な実施形態によれば、センサユニットは、磁界検出器として機能する第1のコイルと、磁界発生器として機能する第2のコイルとを有し、処理論理回路は、第1のコイルから第2のコイルへの電力伝送を測定するように構成される。
【0016】
したがって、この構成は、変圧器または変換器のように機能することができる。
この場合に、第1のコイルから第2のコイルへの、またはその逆の伝送品質が、対象物の距離と位置を求める場合の基本となる。
【0017】
本発明の例示的な実施形態によれば、センサユニットは、ゲイン補償型を形成するために、少なくとも2つの磁界検出器を有する。
【0018】
したがって、検出器の差動効果を使用して、装置の感度を高めることができる。
2つの検出器を使用することにより、対象物の移動方向に関する情報をもたらすこともできる。
なお、2つの検出器のそれぞれもまた、ゲイン補償型とすることができる。
【0019】
本発明の例示的な実施形態によれば、センサユニットは、ゲイン補償型に構成された少なくとも3つの磁界検出器を有する。
【0020】
第3の検出器を設けることにより、方向に関する情報だけでなく、2つの検出器構成に存在する何らかの中立状態に関する情報を得ることができる。
【0021】
本発明の例示的な実施形態によれば、対象物は、強磁性材料またはフェライト材料からなる。
【0022】
強磁性材料は、誘導作用に関する優れた特性をもたらすことができる。
フェライト材料は、より高い周波数においても誘導作用に関する優れた特性をもたらすことができる。
【0023】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1のコイルは対象物が移動する通路に対して円周方向に配置される。
【0024】
したがって、円周領域の中心軸周りの対象物の回転を無視することができる。
これは、シリンダ内でピストンを使用する場合に、ピストンの非中心部分が誘導性に影響を及ぼす材料で作られていれば適切である。
【0025】
本発明の例示的な実施形態によれば、シリンダと、シリンダ内に移動可能に配置されたピストンと、少なくとも1つの本発明によるセンサ装置とを含むピストンシリンダ装置が提示され、ピストンは、少なくとも一部分が対象物を形成し、磁界検出器はシリンダ上に配置される。
【0026】
本発明の例示的な実施形態によれば、ピストンシリンダ装置は、少なくとも2つのセンサユニットを有し、少なくとも2つのセンサユニットの測定範囲は境を接するかまたは互いに重なる。
【0027】
したがって、より長い距離に対して位置を求めることができ、対象物の検出および位置を、一方から隣接するセンサユニットまたはセンサ装置に引き継ぐことができる。
【0028】
本発明の例示的な実施形態によれば、シリンダは非強磁性材料または非フェライト材料からなる。
【0029】
シリンダを非強磁性材料で形成すると、ピストンまたはピストンの一部分の形態をとる対象物の強磁性特性を高めることができる。
しかし、各強磁性材料の磁気特性については比透磁率μが有限であって、強磁性壁の後ろのさらなる強磁性材料も検出されるので、センサ装置はまた、強磁性材料からなるシリンダを用いても機能する。
センサがうまく機能するかどうかはその感度に依存する。
【0030】
本発明の例示的な実施形態によれば、対象物の特性を測定するセンサ装置が設けられ、センサ装置は、(例えば、永久的にまたは一時的に)磁化可能な材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する部分を有する対象物と、対象物内に磁界を発生させる(特に、磁化可能材料からなる部分を磁化する)ように構成された磁界発生器と、対象物のうちの、幾何学形状が変化する部分の近傍に配置されて、対象物内に発生した磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出する少なくとも1つの磁界検出器とを具備し、少なくとも1つの検出信号は対象物の特性を示す。
【0031】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、(例えば、永久的にまたは一時的に)磁化可能な材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する部分を有する対象物の特性を測定する方法が提示され、その方法は、対象物内に磁界を発生させる(特に、磁化可能材料からなる部分を磁化する)ことと、幾何学的形状が変化する部分の周辺で、対象物内に発生した磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出することとを含み、少なくとも1つの検出信号は対象物の特性を示す。
【0032】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、対象物の特性を測定するセンサ装置が設けられ、センサ装置は、(例えば、永久的に)磁化可能な材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する(例えば、永久的に)磁化された部分を有する対象物と、対象物のうちの、幾何学形状が変化する部分の近傍に配置されて、対象物の磁化した部分によって発生した磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出する少なくとも1つの磁界検出器とを具備し、少なくとも1つの検出信号は対象物の特性を示す。
【0033】
本発明のさらに別の例示的な実施形態によれば、(例えば、永久的に)磁化可能な材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する(例えば、永久的に)磁化された部分を有する対象物の特性を測定する方法が提示され、その方法は、対象物のうちの、幾何学形状が変化する部分の近傍で、対象物の磁化した部分によって発生した磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出することを含み、少なくとも1つの検出信号は対象物の特性を示す。
【0034】
例示的な実施形態によれば、対象物の長手軸に沿って、磁性材料の幾何学的形状を変化させることを基本として、対象物の位置情報を得ることができる。
長手軸とは、対象物の主軸、例えば、円筒状シャフトの中心軸などを指す。
通常、対象物では、長手軸に対して垂直な他の軸よりも長手軸の方が長く伸長する。
長手軸に沿って形状が不均一な場合、対象物を全体的にまたは部分的に磁化することにより、対象物の長手軸に沿って空間依存性の磁界パターンを発生させることができ、この磁界パターンは、コイルなどの磁界検出器によって検出することができる。
例えば、長手軸に沿って幾何学形状が変化する部分としてねじ山を備えたねじをドライバで移動させる場合など、対象物が動くか、またはシフトされると、位置の変化によって、変化する幾何学形状の「指紋」である検出信号パターンが発生する。
したがって、そのような位置に関する情報または動作に関する情報をこのパターンから得ることができる。
【0035】
対象物の磁化可能な部分と残りの構成要素は一体で形成することができ、特に、単一の(磁性)材料で作ることができる。
【0036】
従来どおりに、ねじ状構成の対象物にマグネットを取り付ける(例えば、接着する)ことができる。
対象物に隣接してホールプローブを設けることができる。
ねじを回転させると、接着したマグネットのホールプローブに対する位置が変わるので、ホールセンサで検出される信号も同様に変わる。
しかし、そのようなマグネット取り付けシステムは、140ガウス以上の磁界の強さを発生させるので、そのように取り付けたマグネットと隣接する要素との間に所望しないクロストークが発生することがある。
【0037】
これとは対照的に、本発明の例示的な実施形態は、幾何学的に不均一な部分(例えば、ねじ山の溝−突起構造や鋸刃の歯構造などの周期的なもの)を磁化されるべき要素として使用して、1つか、2つか、または3つの検出コイルで検出可能な空間依存性の磁界を発生させるという認識に基づいている。
したがって、位置依存性の幾何学形状を位置依存性の磁気検出信号に変換することができる。
【0038】
例えば、円筒状シャフトをフライス加工などで処理して、対象物の表面部分を選択的に除去することができる。
例えば、様々なシャフト領域をフライス加工で処理して、長手方向の伸長部分に沿って変化する部分を角度的にずれた態様で除去することができる。
例えば、フライス加工により対象物内に空洞を作ることができ、対象物を回転させるかつ/または実際に移動させると、そのような溝は、磁化可能な材料が前もって磁化されている場合に磁界を検出する検出コイルを通る。
したがって、何らかの変換原理を使用して位置を検出することができ、対象物は、ある種のヨークとして機能することができる。
【0039】
例えば、100kHzの電流信号を磁界発生器コイルに印加して、幾何学形状が変化する対象物を時間依存した態様で磁化することができる。
より一般的には、時間依存性の電気信号、例えば、交流信号(あるいは直流信号)を対象物に印加して、対象物を磁化することができる。
対象物は磁気特性を有するべきであり、例えば、常磁性材料で作られるのがよい。
これは、対象物用に強磁性材料を使用するよりも好ましい(しかし、強磁性材料を使用することも可能である)。というのは、常磁性体は、励磁磁界を切った後で磁化が基本的にゼロになるので、その結果、測定後、対象物には、測定を妨害し、隣接する磁界検出要素の邪魔をすることがある残留磁気がほとんどないという利点を有するからである。
【0040】
対象物としてドリルを使用するか、または変化する幾何学形状が、ある種の螺旋状もしくは渦巻状の外部形状である任意の他の要素を使用する場合に、検出信号を同時に測定する2つの検出コイルを設け、対象物の両側ではなく、例えば、ドリルの円周方向に90°ずらして検出コイルを配置することは、それによって、突起部が螺旋形状であるために発生する磁気検出信号の位相が互いにずれ、したがって、特に有意義な結果をもたらすことができることから有益である。
【0041】
磁界を発生させるために、発生器コイルに電流を加えることができ、その場合に、この発生器コイルは、(発生器コイルの巻数によって調整することができる)磁界を発生させる。
対象物が長手方向に移動されるか、または回転されると、これは、検出コイルの近傍にドリルの溝があるために、磁化したドリルと検出コイルとの間の距離に影響し、その結果、検出信号に影響を及ぼすので、検出信号を特性的に変える/変化させることができる。
【0042】
例えば、2つのコイルを非対称に配置し、これらに各時点で検出信号を供給して、対象物の位置に関する情報を示す非対称漂遊磁界を発生させることができる。
【0043】
したがって、1つの例示的な態様では、電気信号、例えば、交流信号を発生器コイルに加え、2つの検出コイルの間の非対称フィードバック形状部を利用して、位置情報を得ることができる。
【0044】
基本的に残留磁気がないが、磁気特性または磁化可能である特性を有する材料を対象物用に使用することによって、非測定時に、基本的に周囲の磁界検出部品に何ら悪影響を及ぼさない高精度の位置センサを提供することができる。
【0045】
発生器コイルは対象物を囲むことができて、対象物は、発生器コイルの内側開口に配置することができる。
一方、発生器コイルを対象物に隣接して配置することもできる。
【0046】
長手軸に沿った空間依存性の幾何学特性を有する要素をセンサに使用して、小さい幾何学的伸長部を備えた、安価で、変形がなく、保守が不要で、高度に集積化されたセンサを提供することができ、これは、高性能位置センサの製造を可能にする。
アナログ信号で動作することが可能である。
したがって、角度および長手方向位置を、コストをかけずに非接触で検出することが可能になる。
【0047】
本発明の例示的な実施形態によれば、部品材料自体の形状の非対称性を利用することができ、この材料特性は、発生器コイルを使用して外部励磁場を発生させることによって「有効」になる。
例えば、幾何学形状(例えば、螺旋状幾何学形状)の周期性を利用することができる。
【0048】
例えば、螺旋状に巻いた突起部を有するドリル、(ねじ山に螺旋形状の突起部を有する)ねじ、または(空間的に変化する幾何学構造として複数の鋸歯を有する)鋸刃などの幾何学的に不均一な構造体を利用することができる。
例えば、一般的なドリルまたは一般的なねじを、それらがセンサ装置の製造用であるごとく、使用することができる。
例えば、鋸刃に対応する形状を備えた凹部を形成することができる、例えば、円筒状構造体の長手方向凹部に鋸歯のある刃を挿入することができる。
そのような場合に、対象物自体は磁性でも非磁性でもよく、挿入した鋸刃を備えたこの円筒体は、その歯によって、長手軸に沿った磁気的不均一性をもたらすだけでなく、対象物内のスリットに挿入された帯状の鋸刃が磁界を円周方向にも変化させるので、磁気的不均一性を円周方向にももたらす。
そのような対象物の1つまたは複数の凹部に、1つまたは複数の鋸歯を挿入することが可能である。
【0049】
1つの例示的な実施形態によれば、対象物は、電気信号を発生器コイルに加えると同時に励磁される磁化可能材料からなる。
一方、別の例示的な実施形態によれば、すでに磁化されたセンサ装置が用意されるので、発生器コイルをなくすことができる。
そのような材料の磁化は、それ自体公知であり、また、国際公開第05/064301号に開示された様々な態様で行うことができる。
これには、電流パルスを対象物に直接加えることが含まれ、この電流パルスは急激な立ち上がりと緩い立ち下がりによって定義される。
磁化されるべき要素の周りに磁化コイルを置き、直流電流またはパルスを加えて磁化することも可能である。
さらに、磁化されるべき要素にマグネット(例えば、強磁性体や電磁石)を近づけて要素を磁化し、間隔を十分に小さくしたままこの要素を対象物に沿って移動させることが可能である。
この方法を取ることによって、対象物を構成する磁化可能材料が磁化される。
しかし、そのようなセンサをどのように磁化するかについては多くの可能性がある。
【0050】
本発明の例示的な実施形態によれば、信号強度を30ガウス未満(例えば、6ガウス程度の大きさ)にすることが可能である。
したがって、従来の手法とは対照的に、磁気検出原理の指紋として幾何学的パターンを使用することができるので、必要な信号の大きさを大幅に小さくすることができる。
【0051】
以下において、本発明のさらなる例示的な実施形態を説明する。
次に、センサ装置のさらなる例示的な実施形態を説明する。
一方、これらの実施形態はまた、対象物の特性を測定する方法に適用される。
【0052】
対象物は、長手軸に沿った溝を有することができる。
突起材が磁気を帯びる、すなわち、磁化されると、対象物の伸長部に沿って変化するそのような溝−突起構造により、位置依存性の磁界検出パターンが発生する。
【0053】
溝は、長手軸に沿って、螺旋形状、渦巻き形状、鋸歯形状、およびねじ形状とすることができる。
しかし、検出信号を変化させることができるあらゆる種類の溝−突起構造が可能である。
【0054】
対象物は、長手軸に沿って複数の歯を有することができる。
そのような歯構造は、例えば、鋸刃構造や櫛状のものなどで調達することができる。
【0055】
対象物は、長手軸に沿って複数の凹部を有することができ、複数の凹部は、対象物の円周に沿って異なる位置に形成される。
フライス加工や他の材料除去方法によって除去されたそのような凹部により、空間依存性の磁気信号が可能となる。
【0056】
対象物は、長手軸に沿って複数の突起部を有することができる。
したがって、材料を除去し、それによって、長手軸に沿って幾何学的構造を変化させることが可能であるだけでなく、材料を追加してそのような突起部を設けることも可能である。
また、磁化可能材料からなるそのような突起部により、信号から位置情報を得ることができるような態様で、磁界検出信号を変化させることができる。
【0057】
対象物は、長手方向スリットを有する担体要素を含むことができ、スリットに挿入された鋸刃を含むことができる。
そのような担体要素は、例えば、鉛筆状構造などを有することができ、すなわち、1つまたは複数のスリットが、円周方向および/または長手方向に形成され、磁性材料または磁化可能材料をそのようなスリットに挿入できる非磁性材料とすることができる。
したがって、所望する任意の磁界構造を設計することができる。
【0058】
担体要素は、非磁性材料とすることができ(例えば、プラスチック、木材、または非磁性金属でつくることができる)、鋸刃は、磁化可能なまたは磁化した材料で(例えば、鉄、ニッケル、またはコバルトで)作ることができる。
【0059】
幾何学形状が変化する部分は、周期的な幾何学形状を有することができる。
長手軸に沿って複数回繰り返されるそのような周期的な幾何学形状により、磁界パターンが長手軸に沿って周期的に変化する。
【0060】
対象物は基本的に円筒状とすることができる。
例えば、対象物は、エンジンのシャフトや回転ボタンのピン/ロッドとすることができ、あるいはギヤボックス内の往復プッシュプルロッドのシャフトとすることができる。
しかし、対象物の位置または動作に関するパラメータを測定する任意の他の用途が可能である。
【0061】
2つの磁界検出器を円筒状シャフトの周りに配置することができ、2つの磁界検出器を互いに180°以外の角度だけずらして、特に、基本的に角度を90°ずらして配置することができる。
螺旋状の磁界パターンにおいて、角度を90°ずらすことは、角度が180°の構成とは異なり、これが、2つのセンサコイルを用いて有意義で相補的な情報を測定することを可能にすることから有益である。
【0062】
センサ装置は、直流電流または直流電圧、あるいは交流電流または交流電圧を磁界発生器に供給して、対象物内に磁界を発生させるように構成された供給ユニットを有することができる。
そのような供給ユニットは、磁界励磁信号の印加とセンサ装置の動作を整合させるために、中央制御ユニット(CPU)によって制御される電源ユニットとすることができる。
ただし、供給ユニットは、DCを印加できるだけでなく、AC信号を用いて機能することも可能である。
【0063】
直流電気信号または交流電気信号を磁界発生器に加えて、30ガウス以下の大きさで対象物内に磁界を発生させることができる。
そのような小さい磁界を使用することによって、周囲の部品への所望しないクロストークを確実に防止することができる。
【0064】
さらに、センサ装置は、少なくとも1つの検出信号に基づいて、対象物またはシャフトの1つまたは複数の特性(例えば、移動可能な対象物にかかる外部作用)を示す少なくとも1つのパラメータを定める決定ユニットを有する。
そのような決定ユニットは、マイクロプロセッサまたはコンピュータとすることができる。
【0065】
磁界発生器は磁界発生器コイルとすることができる。
必要とされるまたは所定の仕様を達成するために、そのような磁界発生器コイルに対して、巻数および/または長さおよび/または断面積を選択する(例えば、最適化する)ことができる。
対象物を内部に配置できるように、コイル軸を構成するかまたは設計することができる。
言い換えると、磁界発生器コイルの巻線は、移動可能な対象物を囲むことができる。
しかし、対象物を、例えば、横に配置するなど、コイルの外に配置することも可能である。
【0066】
センサ装置は、磁界発生器(に関しておよび/または)に面して対称に配置することができる2つの磁界検出器を有することができる。
そのような構成では、2つの磁界検出器の信号を同時に解析または評価することができ、(例えば、差動信号、重みづけ信号、または平均信号を計算するなど)数学的解析によって(地磁界や漂遊磁界などの)外乱作用および人工的雑音を取り除くことができる。
【0067】
センサ装置は、複数の磁界検出器を有することができる。
例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の磁界検出器をも使用して、精度を高めることが可能である。
例えば、複数の磁界検出器がそれぞれ信号を検出して、少なくとも部分的に冗長化した測定を行うことができる。
【0068】
少なくとも1つの磁界検出器は、対象物の長手軸に対して基本的に平行に向けられたコイル軸を有するコイルを含むことができる。
しかし、コイルは、対象物の長手軸に対して基本的に垂直に向けられたコイル軸を有することも可能である。
コイル軸と対象物の伸長部との間で任意の他の角度をなすように向けられたコイルも同様に可能である。
磁化した領域が移動することによって、動作依存性または位置依存性の電気信号が発生するコイルの代替として、ホール効果プローブを、ホール効果を利用する磁界検出器として使用することができる。
あるいは、巨大磁気共鳴磁界センサや磁気共鳴磁界センサを磁界検出器として使用することができる。
しかし、任意の他の磁界検出器を使用して、移動する対象物にかかる外部作用によって変化する磁界の有無および/または強さを(質的にまたは量的に)検出することができる。
【0069】
対象物の求められるべき特性は、回転および/または長手軸に沿って移動される際の対象物の角度位置と、回転および/または長手軸に沿って移動される際の対象物の長手方向位置と、対象物に加えられるトルクと、対象物に加えられる力と、対象物に加えられる剪断力と、対象物の速度と、対象物の加速度かまたは対象物の出力とからなるグループから選択することができる。
しかし、例示的な実施形態によれば、検出器に対する対象物の長手方向位置または角度位置が、特に関心を持って検出される。
これに関連して、長手方向の伸長部に沿って対象物を非対称な幾何学形状にすることにより、利益を得ることができる。
しかし、所与の例は、本発明の例示的な実施形態に従って検出可能なパラメータだけではない。
さらに、複数の上記したまたは他のパラメータを同時にまたは順次測定することが可能である。
測定したパラメータは、例えば、他のパラメータを得るために、さらに処理することもできる。
【0070】
センサ装置は、複数の磁界発生器を有することができる。
このため、さらなる発生器コイルを使用して測定の精度を改善することができる。
特に、(移動可能な対象物とすることができる)対象物の伸長部に沿って、複数の磁界発生器を配置することができる。
磁界検出器が磁界発生器コイルとして具現化されると、磁界発生器コイルのコイル軸を互いに平行に向けることができる。
【0071】
センサ装置は、対象物の位置に関する特性を測定するのに適応することができる。
磁性のまたは磁化可能な材料の形状は対象物に沿って変化するので、この幾何学パターンを使用して、このパターンと相関がある位置を求めることができる。
したがって、本発明の例示的な実施形態によれば、磁気パターンを位置情報に変換することができる。
【0072】
対象物は、常磁性材料と永久磁石材料からなるグループの1つで作ることができる。
励磁磁界を切った後で残留磁気がほとんど残らない磁性材料を使用して、残留磁界に起因する他の部品へのクロストークを防止することができる。
一方で、永久磁石材料を使用すると、発生器コイルをなくすことができる。
【0073】
対象物は、ドリル、ねじ、鋸刃、チューブ、ディスク、リング、および円形でない物体とすることができる。
原理的には、対象物は、対象物の形状が対象物の長手方向伸長部に沿って変化して、空間依存性の測定を可能にする限り、任意の形状とすることができる。
【0074】
本発明の上記に示した態様および別の態様が、以下に記載した実施形態の例から明らかになり、実施形態のこれらの例に関連させて説明される。
【0075】
なお、上記の特徴を組み合わせることもできる。
また、上記の特徴を組み合わせると、細部にわたって明確に説明しないが、相乗効果をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
実施形態の例に関連させて、以下にさらに詳細に本発明を説明するが、本発明は、その実施形態の例に限定されるものではない。
【0077】
図面の中の図は概略的なものである。
様々な図面において、同様のまたは同一の要素は、同じ参照符号を付与されている。
【0078】
以下では、図1を参照して、本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置100について説明する。
【0079】
センサ装置100は、磁化可能な鋼からなり、対象物101の長手軸103に沿って幾何学形状が変化するねじ部分102を有する対象物101の特性を測定するように適応している。
磁界発生器コイル104が設けられ、対象物101は、磁界発生器コイル104の内側に配置されている。
磁界発生器コイル104に電気信号を加えることによって、対象物101内に磁界を発生させて、コイル104によって発生した磁界が維持されている間、磁化可能な対象物101を磁化することができる。
【0080】
さらに、円周方向に角度が90°ずれた第1の検出器コイル105および第2の検出器コイル106が、ねじ部分102の近傍に設けられている。
このように、2つの磁界検出器105、106は、幾何学形状が変化する、対象物101のねじ部分102の近傍に配置されて、コイル104によって対象物101内に発生した磁界に対応する検出信号を検出し、この検出信号は、対象物101の長手方向位置を示す。
【0081】
図1から分かるように、センサ装置100は、ドライバ(図示せず)が係合するスリット108を備えたねじ頭107を有する。
次に、ねじ状の装置100が回転方向109に回転されると、対象物101の長手方向位置が変わり、これは、長手方向の伸長を示す、コイル105、106によって検出される検出信号パターンをもたらす。
【0082】
ねじ部分102は、ねじ山を形成する螺旋溝17および螺旋突起118を有する。
このように、長手方向103に沿って幾何学形状を変化させることにより、ある種の螺旋形状を付与することができる。
【0083】
したがって、ねじ部分102は、基本的に周期性のある幾何学形状を有し、対象物101は円筒状である。
2つの磁界検出器105、106は、円筒状シャフト101に近接して配置され、互いに角度が90°ずれて配置されている。
これは、図1の断面図120に見ることができる。
【0084】
図1から分かるように、コイル105、106の軸は、対象物101の長手軸103に対して基本的に平行に向けられている。
【0085】
したがって、図1の構成の場合、対象物101の長手方向位置/角度位置を求めることができる。
【0086】
以下では、図2を参照して、本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置200について説明する。
【0087】
図2では、電子機器用に(例えば、CPUなどの)信号調整および信号処理ユニット(SCSP)201が設けられている。
一方で、ユニット201は、コイル105、106によってもたらされた検出信号に基づいて、対象物101の位置を定める決定ユニットとして動作する。
さらにまた、ユニット201は、直流または交流信号を供給して発生器コイル104を作動させる供給ユニットとして働く。
【0088】
図3は、長手軸103に沿って螺旋形状のドリル構造を有する対象物101を含むセンサ装置300の一部を拡大して示している。
したがって、ドリルシャフト101は、突起301および溝302を有する。
対象物101が、参照符号109で示すように回転されると、溝302および突起301はコイル105、106を通り過ぎて、空間依存性の磁気検出パターンがコイル105、106によって検出される。
【0089】
図4は、発振器構成のコイル105、106および補助コンデンサ400を表した回路を示し、端子401、402の間に信号を供給することができる。
つまり、回路410は、コイル105、106をどのように接続できるかを示している。
【0090】
図5は、ドリルシャフト101の円周に対してコイル105、106が90°ずれているのを示す対象物300の断面図を示している。
【0091】
すなわち、溝302がコイル105、106の一方に対向でき、同時に、突起301がコイル105、106の該当する他方に対向するので、各時点で、コイル105、106内に発生した信号は互いにずれることになる。
【0092】
あるいは、図5の90°構成とは異なるコイル105、106の配置も可能である。
例えば、溝と突起が互いに180°ずれて配置されている場合、180°配置が可能である。
溝と突起の傾き角を変えることで、適切な配置を変えることができる。
【0093】
図6は、本発明の別の例示的な実施形態に従ってセンサ装置600を実現する構成を示す。
【0094】
センサ装置600は、長手方向スリット602を有する円柱の形態の非磁性担体要素601と、参照符号604で示すようにスリット602に挿入される鋸刃603とで形成される対象物を有する。図6から分かるように、鋸刃603は、鋸刃603がスリット602に挿入されたときに、形成されたセンサ装置600の表面部分に沿って一列に整列することができる複数の歯605を有する。
【0095】
図7は、センサ600に関するセンサコイル105、106の第1の構成を示している。
【0096】
図7の構成では、コイル105、106の軸は、図7の紙面に対して垂直なセンサ対象物601の長手軸と基本的に平行である。
【0097】
これとは対照的に、図8によれば、コイル105、106の軸は図8の紙面内にあり、それに対して、センサ対象物601の長手方向は、図8の紙面に対して垂直である。
【0098】
図9は、鋸刃603を磁化する例示的な方法を示している。
【0099】
本発明の1つの構成において、例えば、センサ装置600を発生器コイル104とともに使用して、測定中に、鋸刃603を選択的に励磁する場合には、このような磁化は必要でない。
一方、代替方法として、ブレード603の長手方向伸長部に沿って永久磁石900を移動させることにより、磁化可能材料からなる鋸刃603を永久的に磁化することが可能である。
これが図9に示されている。
【0100】
あるいは、他の形状も可能である。
鋸歯の代わりに、ねじったワイヤ、傾斜したワイヤ、または巻いたワイヤを使用することができるし、または非対称形状を有し、磁化可能な他の幾何学構造体を使用することもできる。
【0101】
永久磁石900で磁化する代替案として、電磁石を使用することや、永久磁石900または他の磁化可能材料に直流電流またはパルス電流を流すことが可能である。
また、構造体に直接電流パルスを加えることにより、国際公開第05/064301号に開示したような構造体を磁化することが可能であり、パルスは、急激な立ち上がりと、緩い立ち下がりによって定義される。
【0102】
さらに、2つの刃603、901を使用する図10に示す構成では、磁化方式は図9に示すとおりとすることができて、矢印902、903で示すように、磁化移動方向が異なっている。
【0103】
以下では、図11を参照して、本発明の別の例示的な実施形態によるセンサ装置1100について説明する。
【0104】
この場合にも、磁化可能材料からなる対象物101が用意される。
対象物の長手伸長方向103に沿って、円周方向にずれた凹部1101、1102が形成されている。
図11から分かるように、そのような凹部1101、1102は、例えば、フライス加工によって、対象物101の円周面部分から材料を除去することによって形成することができる。
オプションとして、(機械的な保護および/または磁気シールド用の)保護カバー1103を対象物101の表面部分に置くことができる。
【0105】
図11から分かるように、対象物101の長手方向の伸長は20mmとすることができ、それに対して、ねじ状装置1100の直径は2mmとすることができる。
【0106】
さらに、図11から分かるように、凹部が形成されていない対象物101の中央部分に発生器コイル104を配置することができ、凹部1102、1101の一方の近傍に2つの検出コイル105、106をそれぞれ設けることができる。
【0107】
図12は、センサ装置1100の電気的環境をより詳細に示している。
【0108】
発生器コイル104は、発生器コイル104Lを作動させる交流電気信号(AC)を供給する発振器回路1200に接続されている。
検出コイル105LCP、106LCNによって検出された信号を、差動信号演算器ユニット1201を使用して評価することができ、次いで後処理1202に供給することができる。
対象物101の位置が長手方向103に変化すると、コイル105、106によって位置依存性の磁界信号を検出することができる。
【0109】
一方、対象物が回転される場合、図13に第1の信号1300および第2の信号1301で示すように、コイル105、106によって振動磁界を検出することができる。
【0110】
図14は、本発明の別の例示的な実施形態によるセンサ装置1400を示している。
【0111】
図14によれば、2つのシャフト101、101が互いに近接して設けられ、2つの発生器コイル104、104によってこれらのシャフトを励磁することができる。
さらに、対象物101の角度および/または長手方向の伸長を示す磁界を検出するために、検出器コイル105、106が設けられている。
【0112】
図15は、発振器回路1200が発生器コイル104に電力を供給するのを示している。
第1の検出コイル105の検出信号は、第1のフィルタ1500および第1のデコーダ1502に通されて、(概略的に示した)信号1504を得ることができる。
【0113】
同様の態様で、第2の検出コイル106によって検出された信号は、第2のフィルタ1501および第2のデコーダ1503を通過することができて、(図15に概略的に示した)信号1505が生成される。
【0114】
図15の構成によって発生した磁界は比較的小さいので、隣接するセンサ間の所望しないクロストークを効率よく抑制することができる。
【0115】
センサ装置はまた、任意の種類のピストン−シリンダ装置に対して使用することができる。
そのような装置は、送水ポンプや、コンクリートポンプなどの汚染環境で動作するポンプにさえ使用することができる。
【0116】
本発明のセンサ装置は、機械的な衝撃および振動に感応しない、非接触の絶対測定センサとして機能することができる。
このセンサは、動作温度範囲が広く、既存のシリンダ/ピストンに適用することができる。
測定範囲は無制限に拡張する(直列に連結する)ことができ、測定の分解能は、原寸の1%よりも良好である(オプション<原寸の0.1%)。
単一の供給電圧で十分であり、センサは電流消費が少なく、0Vから5Vの出力信号および/またはデジタル/シリアルデジタル出力形式を有する。
【0117】
ここで提案した検出技術は、幾つかの実施形態において強磁性の対象物がある場合に適用できる。
ピストンおよび油圧シリンダを製造するのに使用する材料については、この特定の検出技術に対するその適合性を検討することが重要であろう。
特定の環境下では、使用する一部の材料を適合性のあるものに交換しなければならないことがあるのは避けられないであろう。
【0118】
図25は、シリンダの長手軸に沿って移動するピストン70を有するシリンダ70を示している。
ピストン70の部分81は、その位置が求められる対象物10として働くことができる。
ピストンロッド82は、例えば、油圧ピストンなどのピストンをポンプと連結することができる。
【0119】
センサ20は、シリンダの外側面上に設けることができ、シリンダ70の材料に応じた測定範囲29を有する。
範囲29は、例えば、非強磁性材料からなるシリンダに対しては、図26に見ることができるように、より大きくなる。
シリンダが強磁性材料からなる場合、図27に見ることができるように、測定範囲はより小さくなる。
【0120】
センサをピストンロッド82ではなくシリンダ70上に設けることにより、磁気的に処理されたピストンビームが永久合成磁石と直接接触する危険性を低減することができる。
そのような場合に、移動するピストンビーム内の磁気信号が損傷を受けることがあり、これは、ピストンセンサの性能に影響を与える。
外部干渉磁界源に対する感度を弱めるか、不感応性にするために、ここで提案したセンサ原理を使用することができる。
【0121】
油圧油の圧力を受けるシリンダの外部から操作することができる(ピストンの位置を検出する)測定概念を適用する場合に、選択して使用可能な2つのセンサ設計オプションがある。
図23に関連させて、ここで説明する1つのオプションでは、小型の位置センサユニット20がシリンダ70の外側に取り付けられる。
図23は、断面図、縦断面図、および斜視図を示している。
【0122】
個体のセンサユニットの位置測定範囲29は、外側シリンダ壁に使用される材料および外側シリンダ壁の厚さなどの幾つかの要因によって決まる。
【0123】
外側シリンダ壁が非強磁性材料からなると仮定すると、図26および図27から分かるように、個々のセンサユニットの位置測定範囲29は、シリンダ壁が強磁性材料からなる場合よりもはるかに広くなる。
【0124】
したがって、ピストン運動の所望する全直線測定範囲を有効範囲にするために、多数の個別位置センサユニットを並べて配置することが必要であり、それらの間隔は、シリンダ壁の材料によって決まる。
【0125】
センサユニットの物理的寸法は、シリンダ壁の材料と、シリンダ壁の厚さと、観測される対象物すなわちピストンヘッドに使用する材料とに直接関係する。
【0126】
ピストンヘッド80、81が適切な磁気特性を有する場合のみ、差動式誘導検出技術を適用することができる。
ピストンヘッドが磁気的に検出できない場合に、ピストンヘッド位置を測定するだだ1つの残ったオプションにより、差動式誘導性検出技術を調整して、強磁性ピストンロッドまたはビーム82を検出することができる。
さらに、マグネット/磁化した対象物81、10をピストンヘッドに置くこともできる。
【0127】
個々のセンサユニット20は、アナログ/デジタルバス51を介して、主SCSP(信号調整および信号処理)電子装置または論理回路50に接続することができる。
用途に特有の要求に基づいて、デイジーチェーンかまたはスター構成でセンサユニットを接続することができる。
【0128】
個々の差動式誘導センサユニットの内部には、1つまたは複数の軸11に関する強磁性対象物10の移動を検出する役目を担う少なくとも2つの独立作動センサシステム41、42がある。
個々のセンサユニットを非常に頑強に製造することができるので、特定用途の環境動作条件に耐えることができる。
個々の差動式誘導位置センサユニットをシリンダ70の外側に取り付けて、シリンダ70の内部での強磁性対象物10の移動を検出することができる。
【0129】
図24に示した別のオプションによれば、第1のオプションによるセンサ設計(図23)の信号品質では、(シリンダの内側の)ピストンヘッド位置を正確に測定するのに不十分な場合、図24に見ることができるように、接線センサユニット設計を適用することができる。
そのセンサユニット設計とは、それ自体を外側シリンダ70のまわりに巻き付けたものである。
【0130】
図24のこのオプションは、差動誘導型絶対直線位置センサシステムをもたらす。
図23の第1のオプションと同様に、目標とする測定範囲を有効範囲とするように、個々のセンサユニット20が並んで配置される。
第1のオプション(図23)に関連させて説明したように、個々のセンサユニットは、SCSP電子装置と接続される。
【0131】
観測する対象物(この場合はピストンヘッド)が対称に成形されている限りは、観測される対象物は、センサ性能に影響を及ぼすことなく、任意の速度で自由に回転することができる。
目標とする測定範囲を有効範囲とするために、2つ以上のセンサユニットを使用する場合、必要とされる配線により、センサユニットが同様に回転するのが不可能になる。
(外側シリンダが回転できるとした場合に)センサユニットが同様に回転できるようにする遠隔測定による解決策を用いることが可能であるが、ここで説明する解決策では、常に、センサユニットは静止しており、移動しないかまたは回転しないとされる。
【0132】
差動式誘導位置センサによる解決策を使用して、きわめて特定的な/限定された測定範囲のみを対象とすることもできる。
例えば、ピストンヘッドがピストン行程の終端位置に到達するか、または終端位置の近くにある場合にのみ、ピストンヘッドの位置を正確に測定することは、使用者にとって興味深いことであろう。
ピストン行程の終端位置を検出するのに必要とされるのは、ただ1つのセンサユニットである。
【0133】
本発明の実施形態によれば、センサユニット20は、図16に見ることができるように、ゲイン補償型を形成する少なくとも2つの磁界検出器40、41、42を有する。
このため、検出器の差動効果を使用して、装置の感度を高めることができる。
また、2つの検出器41、42を使用することによって、対象物の移動方向に関する情報をもたらすことができる。
なお、2つの検出器のそれぞれもまた、ゲイン補償型とすることができる。
さらに、検出器40、41、42は、図17に見ることができるように、磁界発生要素30に近接して設けることができる。
一方、磁界発生要素30は、図18に見ることができるように、検出器40、41、42を囲むこともできる。
本発明の実施形態によれば、センサユニットは、図19に見ることができるように、ゲイン補償型に構成された少なくとも3つの磁界検出器40、41、42、43を有する。
この実施形態には、図17および図18の配置による磁界発生要素30を設けることもできる。
【0134】
第3の検出器を設けることで、方向に関する情報だけでなく、2つの検出器構成に存在する何らかの中立状態に関する情報を得ることができる。
【0135】
本発明の実施形態によれば、センサユニットは、図20に見ることができるように、磁界検出器40として機能する他に、磁界発生器30としても機能する第1のコイル22を有する。
第1のコイル22は発振回路の一部とすることができる。
発振回路は、コイル22およびコンデンサ23を有することができ、処理論理回路は、発振回路22、23の周波数または振幅を測定するように構成される。
このため、周波数は、対象物の位置に関するパラメータとなることができる。
共振周波数を維持する場合には、振幅もパラメータとなることができる。
言い換えると、その構成は発振回路として機能することができ、その同調は、対象物の位置に関するパラメータとなることができる。
【0136】
本発明のさらなる実施形態によれば、図21に見ることができるように、センサユニット20は、磁界検出器40の他に、磁界発生器30も形成する第1のコイル21を有し、処理論理回路50は、第1のコイル21の電力消費を測定するように構成される。
コイルのインピーダンスの変化に基づいて、位置を検出することができる。
明確に確定した位置を定め、その結果を参照テーブルに格納することによって、センサ装置を校正することができる。
また、センサ装置は、例えば、1つのセンサユニットが最小距離を検出し、2つのセンサユニットの間の距離が既知の場合に、動作中に自己校正するように構成され得る。
コイルのインピーダンスが変わると、電力消費が変化する。
インピーダンスに影響を及ぼす材料と、例えば、コイルとの間が狭まると、コイルのインピーダンスが変化し、したがって、コイルの電力消費が変化する。
【0137】
本発明の実施形態によれば、センサユニット20は、磁界検出器40として機能する第1のコイル24と、磁界発生器30として機能する第2のコイル25とを有し、処理論理回路50は、第1のコイル24から第2のコイル25への電力伝送を測定するように構成される。
このため、その構成は、変圧器または変換器のように働くことができる。
第1のコイルから第2のコイルへの伝送品質またはその逆の伝送品質に基づいて、対象物の距離および位置を求めることができる。
【0138】
なお、「有する」という用語は、他の要素やステップを除外するものではなく、単数は複数を除外するものではない。
また、様々な実施形態に関連させて説明した要素を組み合わせることもできる。
さらに留意すべきは、請求項にある参照符号は、請求項の範囲を限定すると解釈すべきではないということである。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図5】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図6】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図8】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図9】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置の磁化可能部品を磁化する方法を示す図である。
【図10】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図11】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図12】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図13】図12のコイルによって検出されたセンサ信号を概略的に示す図である。
【図14】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図15】本発明の例示的な実施形態によるセンサ装置を示す図である。
【図16】磁界発生器および検出器要素の別の構成を示す図である。
【図17】磁界発生器および検出器要素の別の構成を示す図である。
【図18】磁界発生器および検出器要素の別の構成を示す図である。
【図19】磁界発生器および検出器要素の別の構成を示す図である。
【図20】誘導性が変化するコイルでパラメータを求める様々な原理を示す図である。
【図21】誘導性が変化するコイルでパラメータを求める様々な原理を示す図である。
【図22】誘導性が変化するコイルでパラメータを求める様々な原理を示す図である。
【図23】円筒上のセンサユニットまたはコイルの様々な形状を示す図である。
【図24】円筒上のセンサユニットまたはコイルの様々な形状を示す図である。
【図25】本発明のさらなる実施形態を示す図である。
【図26】本発明のさらなる実施形態を示す図である。
【図27】本発明のさらなる実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(10)の位置を測定するセンサ装置であって、
誘導性に影響を及ぼす材料からなる前記対象物(10)と、
磁界発生器(30)および磁界検出器(40)を有し、前記磁界検出器(40)が前記磁界発生器(30)によって発生した磁界を検出するように構成されたセンサユニット(20)と、
前記磁界検出器(40)からの信号を処理して、前記対象物(10)の位置を定めるように構成された処理論理回路(50)とを有するセンサ装置(1)において、
前記対象物(10)は、前記磁界発生器(30)に対して移動可能である、ことを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記センサユニット(20)は、前記磁界検出器(40)の他に、前記磁界発生器(30)も形成する第1のコイル(21)を有し、
前記処理論理回路(50)は、前記第1のコイル(21)の電力消費を測定するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサユニット(20)は、前記磁界検出器(40)として機能する他に、前記磁界発生器(30)としても機能する第1のコイル(22)を有し、
前記第1のコイル(22)は発振回路(22、23)の一部をなし、前記処理論理回路(50)は、前記発振回路(22、23)の周波数または振幅を測定するように構成される、ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記センサユニット(20)は、前記磁界検出器(40)として機能する第1のコイル(24)と、前記磁界発生器(30)として機能する第2のコイル(25)とを有し、
前記処理論理回路(50)は、前記第1のコイル(24)から前記第2のコイル(25)への電力伝送を測定するように構成される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサユニット(20)は、ゲイン補償型を形成する少なくとも2つの磁界検出器(40、41、42)を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記センサユニット(20)は、ゲイン補償型に構成された少なくとも3つの磁界検出器(40、41、42、43)を有する、ことを特徴とする請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記対象物(10)は、強磁性材料またはフェライト材料からなる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記第1のコイル(21、22、24)は、前記対象物(10)が移動する通路(11)に対して円周方向に配置される、ことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項9】
シリンダ(70)と、
前記シリンダ(70)内に移動可能に配置されたピストン(80)と、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の少なくとも1つのセンサ装置(1)とを有するピストンシリンダ装置であって、前記ピストン(80)は、前記対象物(10)を形成する少なくとも1つの部分(81)を有し、前記磁界検出器(40)は、前記シリンダ(70)上に配置されるピストンシリンダ装置。
【請求項10】
少なくとも2つのセンサユニット(20)を有し、前記少なくとも2つのセンサユニット(20)の測定範囲(29)は、互いに境を接するか、または重なる、ことを特徴とする請求項9に記載のピストンシリンダ装置。
【請求項11】
前記シリンダ(70)は、非強磁性材料または非フェライト材料からなる、ことを特徴とする請求項9および請求項10のいずれかに記載のピストンシリンダ装置。
【請求項12】
対象物の特性を測定するセンサ装置であって、
磁化可能材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する部分を有する前記対象物と、
前記対象物内に磁界を発生させるように構成される磁界発生器と、
前記対象物のうちの幾何学形状が変化する前記部分の近傍に配置されて、前記対象物内に発生した磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出する少なくとも1つの磁界検出器とを有し、前記少なくとも1つの検出信号は前記対象物の特性を示す、ことを特徴とするセンサ装置。
【請求項13】
前記対象物は、前記長手軸に沿った溝を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項12または請求項36に記載のセンサ装置。
【請求項14】
前記溝は、前記長手軸に沿った、螺旋形状、渦巻き形状、鋸歯形状、およびねじ山形状からなるグループのうちの少なくとも1つの形状を有する、ことを特徴とする請求項13または請求項36に記載のセンサ装置。
【請求項15】
前記対象物は、長手軸に沿った複数の歯を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項14または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項16】
前記対象物は、前記長手軸に沿った複数の凹部を有し、前記複数の凹部は、前記対象物の円周に沿って異なる位置に形成される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項15または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項17】
前記対象物は、前記長手軸に沿った複数の突起を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項16または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項18】
前記対象物は、少なくとも1つの長手方向スリットを有する担体要素を具備し、前記少なくとも1つの長手方向スリットのそれぞれに挿入される鋸刃を具備する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項17または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項19】
前記担体要素は非磁性材料からなり、前記鋸刃は磁化可能材料または磁化した材料からなる、ことを特徴とする請求項18に記載のセンサ装置。
【請求項20】
幾何学形状が変化する前記部分は周期性の幾何学形状を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項19または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項21】
前記対象物のうちの幾何学形状が変化する前記部分と残りの構成要素は一体で形成され、特に、同じ材料からなる、ことを特徴とする請求項12乃至請求項20または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項22】
2つの磁界検出器が円筒状シャフトを囲んで配置され、基本的に180°とは異なる角度で互いにずれて配置され、特に、角度が基本的に90°ずれて配置される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項21または請求項36に記載のセンサ装置。
【請求項23】
直流電気信号または交流電気信号を前記磁界発生器に加えて、前記対象物内に磁界を発生させるように構成された供給ユニットを有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項24】
前記直流電気信号または前記交流電気信号を前記磁界発生器に加えて、大きさが30ガウス以下の磁界を対象物内に発生させることができる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項23のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの検出信号に基づいて、前記対象物の特性を示す少なくとも1つのパラメータを定めるように構成された決定ユニットを有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項24または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項26】
前記磁界発生器は磁界発生器コイルである、ことを特徴とする請求項12乃至請求項25のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項27】
前記対象物に関して対称に配置された2つの磁界検出器を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項26または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項28】
前記特性は、前記長手軸に対する前記対象物の位置である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項27または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの磁界検出器は、
前記対象物の前記長手軸に対して基本的に平行に向けられたコイル軸を有するコイルと、
前記対象物の前記長手軸に対して基本的に垂直に向けられたコイル軸を有するコイルと、
ホール効果プローブと、
巨大磁気共鳴磁界センサと、
磁気共鳴磁界センサとからなるグループの少なくとも1つを有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項28または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項30】
前記対象物の前記特性は、前記長手軸に沿って回転されるかつ/または移動される際の前記対象物の角度位置と、前記長手軸に沿って回転されるかつ/または移動される際の前記対象物の長手方向位置と、前記対象物にかかるトルクと、前記対象物にかかる力と、前記対象物にかかる剪断力と、前記対象物の速度と、前記対象物の加速度と、前記対象物の出力とで構成されるグループから選択される、ことを特徴とする請求項1乃至請求項29または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項31】
複数の磁界発生器および/または複数の磁界検出器を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項30のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項32】
前記対象物のうちの幾何学形状が変化する前記部分は、回転しない状態にあって、前記長手軸の周りに対称である、ことを特徴とする請求項12乃至請求項31または請求項25のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項33】
前記対象物は、常磁性材料と永久磁石材料で構成されるグループの1つからなる請求項1乃至請求項32または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項34】
前記対象物は、シャフト、ドリル、ねじ、鋸刃、チューブ、ディスク、リング、および円形でない物体からなるグループの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項33または請求項36のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項35】
磁化可能材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する部分を有する対象物の特性を測定する方法であって、
前記対象物内に磁界を発生させ、
幾何学形状が変化する前記部分の近傍で、前記対象物内に発生した前記磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出し、
前記少なくとも1つの検出信号は、前記対象物の前記特性を示す、ことを特徴とする方法。
【請求項36】
対象物の特性を測定するセンサ装置であって、
磁化可能材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する磁化した部分を有する対象物と、
前記対象物のうちの幾何学形状が変化する前記部分の近傍に配置されて、前記対象物の前記磁化した部分によって発生した磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出する少なくとも1つの磁界検出器とを有し、
前記少なくとも1つの検出信号は、前記対象物の前記特性を示す、ことを特徴とするセンサ装置。
【請求項37】
磁化した材料からなり、長手軸に沿って幾何学形状が変化する磁化した部分を有する対象物の特性を測定する方法であって、
前記対象物のうちの幾何学形状が変化する前記部分の近傍で、前記対象物の前記磁化した部分によって発生した磁界に対応する少なくとも1つの検出信号を検出し、前記少なくとも1つの検出信号は、前記対象物の前記特性を示す、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2009−539075(P2009−539075A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512446(P2009−512446)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004275
【国際公開番号】WO2007/137693
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(506225857)エヌシーティーエンジニアリング ゲーエムベーハー (10)
【Fターム(参考)】