説明

封止機能付導波管フィルタ

【課題】損失の低下を防止すると共に製造コストを削減すること。
【解決手段】第1導波管30aの開口部B1及び第2導波管30bの開口部B2に接着される封止機能付導波管フィルタ1において、第1導波管30aの内部を伝搬してきた電磁波を通過させる第1通過穴A1が形成され、形成された第1通過穴A1に第1誘電体12aが封着された第1金属板11aで構成される第1封止板10aと、その電磁波を通過させる第2通過穴A2が形成された金属板21で構成されるスペーサー20と、電磁波を通過させる第3通過穴A3が形成され、形成された第3通過穴A3に第2誘電体12bが封着された第2金属板11bで構成される第2封止板10bと、を接着させて一体化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導波管の封止技術及びフィルタ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁波を利用する装置や端末等のシステムでは、そのフロントエンド(アンテナ側の送受信端の回路部分)にRFフィルタと封止機構が配置される場合がある。RFフィルタとは、法律で使用が許可されている帯域外に電磁波が放射されるのを防ぐものであり、システムの製品化時には必須となる部品である。また、封止機構とは、システムの信頼性を保持するものであり、そのシステム内部に格納されているICチップを外雰囲気から隔離して、経年劣化等を防ぐ重要な機構である。
【0003】
特に、システムの入出力部に導波管を使用するミリ波帯においては、RFフィルタとして導波管フィルタを用いることが多い。また、封止技術としては様々なものが提案されており、特許文献1によれば、図9に示すように、導波管30における開口部Bの幅よりも大きい幅の誘電体12(特許文献1の誘電体蓋に相当)を用いて、その導波管30の開口部Bを塞ぐように接着させる技術が開示されている。誘電体12と導波管30との間は接着剤40によって埋められているため、システム内のICチップ(図示せず)を外雰囲気から保護することが可能となっている。これにより、ミリ波帯の周波数を用いるシステムにおいても、導波管フィルタと封止機構とを連結することにより、帯域制御機能と封止機能とをフロントエンドに持たせることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−72447号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】森 栄二、「LCフィルタの設計&製作」、CQ出版社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、100GHzを超える周波数帯においては導波管伝搬時における電磁波の信号の損失が大きく、導波管フィルタと封止機構とを単に連結させた場合には総合挿入損失が大きくなるため、最大出力電圧や感度が低下するという問題があった。
【0007】
また、信号の波長が極めて短いため、導波管フィルタ及び封止機構を精緻に金属加工することが要求され、これらの別々に作製する際の製造コストが高いという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、損失の低下を防止すると共に製造コストを削減可能な封止機能付導波管フィルタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、導波管の開口部に接着される封止機能付導波管フィルタにおいて、前記導波管の内部を伝搬してきた電磁波を通過させる第1通過穴が形成され、当該第1通過穴に誘電体が封着された板状の第1導電体と、前記電磁波を通過させる第2通過穴が形成された板状の第2導電体と、を接着させて一体化したことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、導波管の開口部に接着される封止機能付導波管フィルタにおいて、導波管の内部を伝搬してきた電磁波を通過させる第1通過穴が形成され、形成された第1通過穴に誘電体が封着された板状の第1導電体と、電磁波を通過させる第2通過穴が形成された板状の第2導電体と、を接着させて一体化しているため、帯域制御機能及び封止機能の両機能を実現し、損失の低下を防止すると共に製造コストを削減可能な封止機能付導波管フィルタを提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、前記第1通過穴の形状及び又は前記誘電体の誘電率に基づいて定まる第1通過穴での特性インピーダンスと、前記第1通過穴の厚さと、前記第2通過穴の形状に基づいて定まる第2通過穴での特性インピーダンスと、前記第2通過穴の厚さとを変更可能であることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、第1通過穴の形状及び又は誘電体の誘電率に基づいて定まる第1通過穴での特性インピーダンスと、第1通過穴の厚さと、第2通過穴の形状に基づいて定まる第2通過穴での特性インピーダンスと、第2通過穴の厚さとを変更可能であるため、帯域制御機能において阻止帯域・通過帯域を調整することができる。
【0013】
請求項3に記載の本発明は、前記第1導電体と前記第2導電体のうち少なくともいずれか一方は2枚以上であって、前記第1導電体と前記第2導電体とを交互に接着させたことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、第1導電体と第2導電体のうち少なくともいずれか一方は2枚以上であって、第1導電体と第2導電体とを交互に接着させるため、帯域制御機能においてより良好な通過特性を得ることができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明は、前記第1通過穴及び前記第2通過穴の大きさは、前記導波管の開口部の大きさよりも小さいことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、第1通過穴及び第2通過穴の大きさは、導波管の開口部の大きさよりも小さいため、高次モードの発生を抑えることができる。
【0017】
請求項5に記載の本発明は、前記第1通過穴及び前記第2通過穴の形状は、前記導波管の開口部の形状と同じであることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の本発明は、前記第1通過穴の形状は、前記第2通過穴の形状と異なることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の本発明は、前記第1通過穴及び前記第2通過穴の形状は、点対称であって、当該第1通過穴及び当該第2通過穴の中点は、前記導波管の開口部の中点と重なることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、第1通過穴及び第2通過穴の中点は、導波管の開口部の中点と重なるため、伝搬特性を良好に維持した状態で導波管の開口部を封止することができる。
【0021】
請求項8に記載の本発明は、前記第1通過穴又は前記第2通過穴の形状は、少なくとも多角形、円形、楕円形、凹形、凸形、星形のいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、損失の低下を防止すると共に製造コストを削減可能な封止機能付導波管フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態に係る封止機能付導波管フィルタを斜視方向から見た斜視図である。
【図2】図1で示した封止機能付導波管フィルタのX−X’断面を示す断面図である。
【図3】フィルタ機能の概要を示す概要図である。
【図4】封止板1枚の電磁波通過特性を示すグラフである。
【図5】第1の実施の形態に係る封止機能付導波管フィルタの電磁波通過特性を示すグラフである。
【図6】第2の実施の形態に係る導波管封止材を斜視方向から見た斜視図である。
【図7】金属板に形成された通過穴の形状の一例を示す図である。
【図8】通過穴と開口部との位置関係を上方から見た図である。
【図9】従来の封止技術を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、一実施の形態に係る封止機能付導波管フィルタについて図面を用いて説明する。
【0025】
〔第1の実施の形態〕
最初に、第1の実施の形態に係る封止機能付導波管フィルタの構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る封止機能付導波管フィルタを斜視方向から見た斜視図である。図2は、図1で示した封止機能付導波管フィルタのX−X’断面を示す断面図である。この封止機能付導波管フィルタ1は、第1封止板10aと、スペーサー20と、第2封止板10bとで構成されている。
【0026】
第1封止板10aは、両表面(図1又は図2において上側の表面及び下側の表面)が平坦化加工された第1金属板11a及び第1誘電体12aで構成されている。第1金属板11aの中央領域には、第1導波管30aの内部を伝搬してきた電磁波(図1又は図2の下側から上方向に伝搬してきた電磁波)を通過させるため、第1導波管30aの開口部B1の形状と同じ形状の第1通過穴A1が形成されている。また、形成された第1通過穴A1には、ガラス等の第1誘電体12aが封着(単に、第1通過穴A1に嵌め込まれている状態)されている。
【0027】
スペーサー20は、両表面が平坦化加工された金属板21で構成され、その中央領域には、第1導波管30aの内部を伝搬してきた電磁波を通過させるため、第1導波管30aの開口部B1の形状と同じ形状の第2通過穴A2が形成されている。なお、第1封止板10a及び後述する第2封止板10bと異なり、第2通過穴A2には誘電体は封着されていない。
【0028】
第2封止板10bは、両表面が平坦化加工された第2金属板11b及び第2誘電体12bで構成されている。第1封止板10aと同様に、第2金属板11bの中央領域には、第1導波管30aの内部を伝搬してきた電磁波を通過させるため、第1導波管30aの開口部B1の形状と同じ形状の第3通過穴A3が形成されている。また、形成された第3通過穴A3には、ガラス等の第2誘電体12bが封着されている。
【0029】
次に、本実施の形態に係る封止機能付導波管フィルタ1の製造工程について説明する。
【0030】
第1工程:まず、第1金属板11aの中央領域に金属加工により第1通過穴A1を形成し、その第1通過穴A1に第1誘電体12aを封着させて、第1封止板10aを作製する。同様に、第2金属板11bの中央領域に金属加工により第3通過穴A3を形成し、その第3通過穴A3に第2誘電体12bを封着させて、第2封止板10bを作製する。なお、スペーサー20については、金属板21の中央領域に金属加工により第2通過穴A2を形成することのみにより作製する。
【0031】
第2工程:次に、第1工程で作製された第1封止板10aとスペーサー20と第2封止板10bとのそれぞれの両表面を平坦化処理する。
【0032】
第3工程:その後、第1通過穴A1の中点と第2通過穴A2の中点とが重なるように、第1金属板11aの一方の表面と金属板21の一方の表面とを接着剤(図示せず)を用いて接着させ、第2通過穴A2の中点と第3通過穴A3の中点とが重なるように、金属板21の他方の表面と第2金属板11bの一方の表面とを接着させて一体化する。これにより、1つの封止機能付導波管フィルタ1が完成する。
【0033】
第4工程:最後に、第1導波管30aに位置合わせ用のマーキングを付しておき、第1導波管30aにおける開口部B1の中点と第1通過穴A1の中点とが重なるように、第1金属板11aの他方の表面の周縁領域を、第1導波管30aの開口部B1(より正確には、開口部B1を形成している第1導波管30aの開口端)を覆うようにロウ付けして接着させる。同様に、第2導波管30bに位置合わせ用のマーキングを付しておき、第2導波管30bにおける開口部B2の中点と第3通過穴A3の中点とが重なるように、第2金属板11bの他方の表面の周縁領域を、第2導波管30bの開口部B2(より正確には、開口部B2を形成している第2導波管30bの開口端)を覆うようにロウ付けして接着させる。
【0034】
以上の第1工程乃至第4工程により、所望する電磁波信号の伝送経路を確保しつつ、第1導波管30aの開口部B1を封止して、筐体内部に格納されたICチップ(図示せず)を外雰囲気から保護可能な封止機能付導波管フィルタを製造することができる。
【0035】
また、本実施の形態で説明した封止機能付導波管フィルタによれば、導波管フィルタの構造と封止機構とが一体となり、フィルタリングと封止とを同時に実施可能であるので、従来の導波管フィルタと封止機構とを連結させた系よりも低損失となり、RF部の機能を損なうことなく電磁波の信号を伝送させることが可能となると共に、製造コストを削減することが可能となる。なお、金属加工による通過穴に誘電体を封着した後に、金属板と誘電体との平坦化処理を行っているので、加工誤差を極めて小さくすることが可能となる。
【0036】
更に、第1誘電体12aは第1金属板11aに形成された第1通過穴A1に封着され、更に、第1導波管30aとの接着は、第1誘電体12aではなく第1金属板11aによって成されているので、その接着に用いられた接着剤の流れ等に起因する第1誘電体12aの形状変化を防止することが可能となり、第1通過穴A1での特性インピーダンスと第1導波管30aの内部での特性インピーダンスとの不整合を抑制することができ、良好な伝搬特性を維持した状態で導波管の開口部を封止することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、説明の都合上、導波管を第1導波管30aと第2導波管30bとに分けて異なるものとして説明しているが、第1導波管30aと第2導波管30bとを同一導波管とし、上記封止機能付導波管フィルタ1を該同一導波管の途中に配置させて使用することも可能である。
【0038】
また、現在では、扱う信号の周波数特性等に応じて様々な種類の導波管が存在している。主流の導波管は方形導波管又は円形導波管であり、その開口部の形状は縦横比約1:2とした長方形や円形であるが、本実施の形態で説明する導波管は方形導波管であって、各金属板に形成された第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の形状は長方形であるとして以降説明する。
【0039】
ここで、本実施の形態では、第1封止板10aの第1金属板11aに形成される第1通過穴A1の形状を構成している横の長さx・縦の長さy・厚さdの値と、第1誘電体12aの誘電率εの値とを任意に変更可能なパラメータとしている。すなわち、第1封止板10aに形成される第1通過穴A1の形状や第1誘電体12aの誘電率を可変可能にしているので、第1通過穴A1の形状や第1誘電体12aの誘電率で定まる第1通過穴A1での特性インピーダンスを設計者により任意に設定することが可能となる。
【0040】
同様に、スペーサー20の金属板21に形成される第2通過穴A2の形状を構成している横の長さxs・縦の長さys・厚さdsの各値を任意に変更可能なパラメータとしている。すなわち、スペーサー20に形成される第2通過穴A2の形状を可変可能にしているので、第2通過穴A2の形状で定まる第2通過穴A2での特性インピーダンスを設計者により任意に設定することが可能となる。
【0041】
同様に、第2封止板10bの第2金属板11bに形成される第3通過穴A3の形状を構成している横の長さxt・縦の長さyt・厚さdtの各値と、第2誘電体12bの誘電率εtの値とを任意に変更可能なパラメータとしている。すなわち、第2封止板10bに形成される第3通過穴A3の形状や第2誘電体12bの誘電率を可変可能にしているので、第3通過穴A3の形状や第2誘電体12bの誘電率で定まる第3通過穴A3での特性インピーダンスを設計者により任意に設定することが可能となる。
【0042】
ここで、導波管における実効的な開口面の大きさの変化(図9に示した導波管30の開口部Bと誘電体12との差分幅等)による弊害として、導波管における開口部の前後で特性インピーダンスが大きく乖離するという弊害がある。周波数が低く、波長が誘電体に比べて十分大きい場合には、特性インピーダンスの乖離も信号の伝搬に影響を与えることはない。しかしながら、WR−8導波管のような90GHzから140GHzのような周波数帯の信号を扱う導波管の場合、伝搬する信号の波長が短いため(90GHz信号の波長は約3.3mm、140GHzの信号は約2.1mm)、封止用途に用いた誘電体の厚みを無視することができなくなる。結果として、このような特性インピーダンスの不整合により、インピーダンスの差分に基づく反射波が導波管内で発生し、伝搬特性に大きな影響を与えることになる。そこで、前述したように、本実施の形態では、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3での特性インピーダンスをそれぞれ変更可能なので、各通過穴での特性インピーダンスと第1導波管30aの内部での特性インピーダンスとの不整合(差異)を抑制することができ、良好な伝搬特性を維持した状態で第1導波管30aの開口部B1を封止することができる。
【0043】
また、第1封止板10aにおける第1金属板11aの第1通過穴A1の形状を構成している要素のうち横の長さxの値と縦の長さyの値と、スペーサー20における金属板21の第2通過穴A2の形状を構成している要素のうち横の長さxsの値と縦の長さysの値と、第2封止板10bにおける第2金属板11bの第3通過穴A3の形状を構成している要素のうち横の長さxtの値と縦の長さytの値とをそれぞれ任意に設定可能であるので、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の大きさを第1導波管30aの開口部B1の大きさよりも小さくすることが可能となる。
【0044】
ここで、導波管における実効的な開口面の大きさの変化による他の弊害として、高次モードの発生がある。高次モードとは、電磁波の電界の方向が導波管の想定する伝搬モードと異なるモードであり、通過損失の増加や反射特性の劣化等につながることになる。そこで、前述したように、本実施の形態では、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の大きさを第1導波管30aの開口部B1の大きさよりも小さくすることができるので、上述した特性インピーダンスの不整合を抑制する効果と、高次モードの発生を抑える効果とを同時に得ることができる。
【0045】
なお、第1通過穴A1の厚さd・第2通過穴A2の厚さds・第3通過穴A3の厚さdtの各値に関しては、所望の封止特性や耐久特性を満たすため、その最小値については制限があるが、最大値については任意に設定可能である。例えば、厚さdの値を、第1誘電体12aを通過する電磁波の波長の半波長の整数倍付近に設定し、特性インピーダンスの差異の影響を更に小さくすることも可能である。
【0046】
ここまで、前述した封止機能付導波管フィルタの構造から得られる機能や効果のうち、損失低下及び製造コスト削減を実現する効果・基本的な封止機能・良好な伝搬特性を維持した状態での封止機能について説明したが、以降では帯域制御機能(フィルタ機能)について説明する。
【0047】
一般に、ある周波数帯域の通過を阻止したい場合には、図3に示すように、特性インピーダンスZ及び信号の進行方向の長さlに基づいて阻止帯域が決定されるフィルタ回路Fを多段に接続、例えば、第1フィルタ回路F1乃至第3フィルタ回路F3を直列に接続させてフィルタ機能を設計する。これにより、入力端子inから入力された信号のうち、所望する周波数帯域の信号のみを出力端子outから出力させることが可能となる。
【0048】
導波管を伝搬している電磁波の周波数帯域をフィルタリングする場合であっても同様であり、図3に示した第1フィルタ回路F1は第1封止板10aに相当(図3に示した特性インピーダンスZ1は第1通過穴A1での特性インピーダンスに相当し、長さl1は第1通過穴A1での厚さdに相当)し、第2フィルタ回路F2はスペーサー20に相当(特性インピーダンスZ2は第2通過穴A2での特性インピーダンスに相当し、長さl2は第2通過穴A2での厚さdsに相当)し、第3フィルタ回路F3は第2封止板10bに相当(特性インピーダンスZ3は第3通過穴A3での特性インピーダンスに相当し、長さl3は第3通過穴A3での厚さdtに相当)することになる。
【0049】
すなわち、第1導波管30aの内部を伝搬してきた電磁波が封止機能付導波管フィルタ1を通過するよう第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の各穴領域を(図1又は図2の上側から見た場合に)重複させた状態で、第1封止板10aとスペーサー20と第2封止板10bとを接着させて一体化しているので、帯域制御機能をも実現することが可能となっている。以下、具体的に説明する。
【0050】
まず、特性インピーダンスがZ0の導波管に1枚の封止板のみを接着させた場合について説明する。なお、その封止板に形成された通過穴の形状(横の長さx1・縦の長さy1)は、特性インピーダンスがZ1(≠Z0)になるように設計されているものとする。このような前提の基に、所望の周波数fの電磁波が良好に封止板の通過穴を通過するように厚さd1の値を該電磁波の半波長付近に設定すると、例えば、図4に示すような通過特性が得られ、所望の周波数fの前後において良好な周波数特性が得られることになる。
【0051】
しかし、さらに広い周波数範囲に渡って良好な通過特性を得、かつそれ以外の周波数帯域では急峻に損失を増大させたい場合、すなわち、バンドパスフィルタと同じ特性を得たい場合がある。そのような場合には、特性インピーダンスが導波管の特性インピーダンスの値(Z0)と同じ値(Z0)になるように通過穴の形状(縦の長さ・横の長さ)が設計され、厚さが半波長付近であるスペーサーを用いて、上述した封止板で該スペーサーを挟む構造(即ち、図1又は図2に示すような構造)にすることにより、図5に示すような通過特性を得ることができる。
【0052】
このような構造にすることによって良好な通過特性の範囲が広がった理由は、2枚の封止板でのインピーダンスとスペーサーでのインピーダンスとの組み合わせにより、共振条件が増加したためである。さらにそれ以外の帯域(約0.7f Hz以下、約1.3f Hz以上)については阻止帯域となり、周波数に従って急峻に損失が増大し、帯域制御と同等の機能を有することになる。
【0053】
すなわち、図1に示すように封止板とスペーサーとを接着させて一体化した構造より、帯域制御機能をも実現することが可能となる。また、前述したように、第1通過穴A1の形状や第1誘電体12aの誘電率εに基づいて定まる第1通過穴A1での特性インピーダンスと、第1通過穴A1の厚さdと、第2通過穴A2の形状に基づいて定まる第2通過穴A2での特性インピーダンスと、第2通過穴A2の厚さdsと、第3通過穴A3の形状や第2誘電体12bの誘電率εtに基づいて定まる第3通過穴A3での特性インピーダンスと、第3通過穴A3の厚さdtとを変更可能であるので、帯域制御機能において阻止帯域・通過帯域を調整することが可能となる。
【0054】
以上より、第1の実施の形態によれば、第1導波管30aの開口部B1及び第2導波管30bの開口部B2に接着される封止機能付導波管フィルタ1において、第1導波管30aの内部を伝搬してきた電磁波を通過させる第1通過穴A1が形成され、形成された第1通過穴A1に第1誘電体12aが封着された第1金属板11aで構成される第1封止板10aと、その電磁波を通過させる第2通過穴A2が形成された金属板21で構成されるスペーサー20と、電磁波を通過させる第3通過穴A3が形成され、形成された第3通過穴A3に第2誘電体12bが封着された第2金属板11bで構成される第2封止板10bと、を接着させて一体化しているので、帯域制御機能及び封止機能の両機能を実現し、損失の低下を防止すると共に製造コストを削減可能な封止機能付導波管フィルタを提供することができる。
【0055】
また、第1の実施の形態によれば、第1通過穴A1の形状及び又は第1誘電体12aの誘電率に基づいて定まる第1通過穴A1での特性インピーダンスと、第1通過穴A1の厚さと、第2通過穴A2の形状に基づいて定まる第2通過穴A2での特性インピーダンスと、第2通過穴A2の厚さと、第3通過穴A3の形状及び又は第2誘電体12bの誘電率に基づいて定まる第3通過穴A3での特性インピーダンスと、第3通過穴A3の厚さと、を変更可能であるので、帯域制御機能において阻止帯域・通過帯域を調整することができる。
【0056】
更に、第1の実施の形態によれば、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の大きさは、第1導波管30aの開口部B1の大きさよりも小さいので、高次モードの発生を抑えることができる。
【0057】
更に、第1の実施の形態によれば、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の各中点は、第1導波管30aの開口部B1及び第2導波管30bの開口部B2の各中点と重なるので、伝搬特性を良好に維持した状態で導波管の開口部を封止することができる。
【0058】
本実施の形態において、導波管を方形導波管とし、開口部の形状は長方形として説明をしたが、実際の作製においては、その長方形の角は正確には直角とならず、ドリル加工で作成した場合は円弧となる場合が一般的である。そのような場合においても、伝搬特性を鑑みて十分に直方体として近似可能な場合は、本実施の形態で説明した封止機能付導波管フィルタを適用することは可能である。
【0059】
〔第2の実施の形態〕
第1の実施の形態では、第1導波管30a及び第2導波管30bが方形導波管である場合について説明したが、第2の実施の形態では、開口部の形状が円形である円形導波管を用いた場合について説明する。図6は、第2の実施の形態に係る導波管封止材を斜視方向から見た斜視図である。この封止機能付導波管フィルタ1は、封止板10及びスペーサー20で構成されている。
【0060】
封止板10は、両表面が平坦化加工された金属板11及び誘電体12で構成されている。金属板11の中央領域には、導波管30の内部を伝搬してきた電磁波を通過させるため、導波管30の開口部Bの形状と同じ形状の第1通過穴A1が形成されている。また、形成された第1通過穴A1には、ガラス等の誘電体12が封着(単に、第1通過穴A1に嵌め込まれている状態)されている。
【0061】
スペーサー20は、両表面が平坦化加工された金属板21で構成され、その中央領域には、導波管30の内部を伝搬してきた電磁波を通過させるため、導波管30の開口部Bの形状と同じ形状の第2通過穴A2が形成されている。なお、封止板と異なり、第2通過穴A2には誘電体は封着されていない。
【0062】
次に、本実施の形態に係る封止機能付導波管フィルタ1の製造工程について説明する。
【0063】
第1工程:まず、金属板11の中央領域に金属加工により第1通過穴A1を形成し、その第1通過穴A1に誘電体12を封着させて、封止板10を作製する。一方、スペーサー20については、金属板21の中央領域に金属加工により第2通過穴A2を形成することのみにより作製する。
【0064】
第2工程:次に、第1工程で作製された封止板10とスペーサー20とのそれぞれの両表面を平坦化処理する。
【0065】
第3工程:その後、第1通過穴A1の中点と第2通過穴A2の中点とが重なるように、金属板11の一方の表面と金属板21の一方の表面とを接着剤(図示せず)を用いて接着させて一体化する。これにより、1つの封止機能付導波管フィルタ1が完成する。
【0066】
第4工程:最後に、導波管30に位置合わせ用のマーキングを付しておき、導波管30における開口部Bの中点と第1通過穴A1の中点とが重なるように、金属板11の他方の表面の周縁領域を、導波管30の開口部B(より正確には、開口部Bを形成している導波管30の開口端)を覆うようにロウ付けして接着させる。
【0067】
以上の第1工程乃至第4工程により、所望する電磁波信号の伝送経路を確保しつつ、導波管30の開口部Bを封止して、筐体内部に格納されたICチップ(図示せず)を外雰囲気から保護可能な封止機能付導波管フィルタを製造することができる。
【0068】
また、封止板10とスペーサー20とを接着させて一体化しているので、従来の導波管フィルタと封止機構とを連結させた系よりも低損失となり、RF部の機能を損なうことなく電磁波の信号を伝送させることが可能となると共に、製造コストを削減することが可能となる。なお、金属加工による通過穴に誘電体を封着した後に、金属板と誘電体との平坦化処理を行っているので、加工誤差を極めて小さくすることが可能となる。
【0069】
更に、誘電体12は金属板11に形成された第1通過穴A1に封着され、更に、導波管30との接着は、誘電体12ではなく金属板11によって成されているので、その接着に用いられた接着剤の流れ等に起因する誘電体12の形状変化を防止することが可能となり、第1通過穴A1での特性インピーダンスと導波管30の内部での特性インピーダンスとの不整合を抑制することができ、良好な伝搬特性を維持した状態で導波管の開口部を封止することができる。
【0070】
ここで、本実施の形態では、封止板10の金属板11に形成される第1通過穴A1の形状を構成している直径の長さr・厚さdの各値と、誘電体12の誘電率εの値とを任意に変更可能なパラメータとしている。すなわち、封止板10に形成される第1通過穴A1の形状や誘電体12の誘電率を可変可能にしているので、第1通過穴A1の形状や誘電体12の誘電率で定まる第1通過穴A1での特性インピーダンスを設計者により任意に設定することが可能となる。
【0071】
同様に、スペーサー20の金属板21に形成される第2通過穴A2の形状を構成している直径の長さrs・厚さdsの各値を任意に変更可能なパラメータとしている。すなわち、スペーサー20に形成される第2通過穴A2の形状を可変可能にしているので、第2通過穴A2の形状で定まる第2通過穴A2での特性インピーダンスを設計者により任意に設定することが可能となる。
【0072】
すなわち、本実施の形態では、第1通過穴A1及び第2通過穴A2での特性インピーダンスをそれぞれ変更可能なので、各通過穴での特性インピーダンスと導波管30の内部での特性インピーダンスとの不整合(差異)を抑制することができ、良好な伝搬特性を維持した状態で導波管30の開口部Bを封止することができる。
【0073】
また、封止板10における金属板11の第1通過穴A1の形状を構成している要素のうち直径の長さrの値と、スペーサー20における金属板21の第2通過穴A2の形状を構成している要素のうち直径の長さrsの値とをそれぞれ任意に設定可能であるので、第1通過穴A1及び第2通過穴A2の大きさを導波管30の開口部Bの大きさよりも小さくすることが可能となる。
【0074】
すなわち、本実施の形態では、第1通過穴A1及び第2通過穴A2の大きさを導波管30の開口部Bの大きさよりも小さくすることができるので、上述した特性インピーダンスの不整合を抑制する効果と、高次モードの発生を抑える効果とを同時に得ることができる。
【0075】
更に、本実施の形態では、導波管30の内部を伝搬してきた電磁波が封止機能付導波管フィルタ1を通過するよう第1通過穴A1及び第2通過穴A2の各穴領域を重複させた状態で、封止板10とスペーサー20とを接着させて一体化しているので、第1の実施の形態で説明したように、帯域制御機能をも実現することが可能となる。
【0076】
更に、前述したように、第1通過穴A1の形状や誘電体12の誘電率εに基づいて定まる第1通過穴A1での特性インピーダンスと、第1通過穴A1の厚さdと、第2通過穴A2の形状に基づいて定まる第2通過穴A2での特性インピーダンスと、第2通過穴A2の厚さdsとを変更可能であるので、帯域制御機能において阻止帯域・通過帯域を調整することが可能となる。
【0077】
以上より、第2の実施の形態によれば、導波管30の開口部Bに接着される封止機能付導波管フィルタ1において、導波管30の内部を伝搬してきた電磁波を通過させる第1通過穴A1が形成され、形成された第1通過穴A1に誘電体12が封着された第1金属板11aで構成される封止板10と、その電磁波を通過させる第2通過穴A2が形成された金属板21で構成されるスペーサー20と、を接着させて一体化しているので、第1の実施の形態と同様に、帯域制御機能及び封止機能の両機能を実現し、損失の低下を防止すると共に製造コストを削減可能な封止機能付導波管フィルタを提供することができる。
【0078】
また、第2の実施の形態によれば、第1通過穴A1の形状及び又は誘電体12の誘電率に基づいて定まる第1通過穴A1での特性インピーダンスと、第1通過穴A1の厚さと、第2通過穴A2の形状に基づいて定まる第2通過穴A2での特性インピーダンスと、第2通過穴A2の厚さと、を変更可能であるので、第1の実施の形態と同様に、帯域制御機能において阻止帯域・通過帯域を調整することができる。
【0079】
更に、第2の実施の形態によれば、第1通過穴A1及び第2通過穴A2の大きさは、導波管30の開口部Bの大きさよりも小さいので、第1の実施の形態と同様に、高次モードの発生を抑えることができる。
【0080】
更に、第2の実施の形態によれば、第1通過穴A1及び第2通過穴A2の各中点は、導波管30の開口部Bの中点と重なるので、第1の実施の形態と同様に、伝搬特性を良好に維持した状態で導波管の開口部を封止することができる。
【0081】
以下では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で共通する内容について、第1の実施の形態で説明した封止機能付導波管フィルタを用いて説明する。第1の実施の形態では、第1金属板11a・金属板21・第2金属板11bにそれぞれ形成された第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の形状が第1導波管30aにおける開口部B1の形状と同じであるとして説明したが、その開口部B1の形状に対して異なる形状の通過穴が形成されたものを用いることも可能である。例えば、方形導波管に対して第2の実施の形態で説明した封止機能付導波管フィルタを用いることも可能であるし、円形導波管に対して第1の実施の形態で説明した封止機能付導波管フィルタを用いることも可能である。
【0082】
また、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の形状は任意に設定することが可能であるため、図7に示すように、その形状を、三角形や四角形(正方形、長方形を含む)等の多角形、楕円形、凹形、凸形、星型等にすることも可能である。
【0083】
更に、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の形状をそれぞれ異なるようにすることも可能である。例えば、第1通過穴A1の形状を横長の長方形とし、第2通過穴A2の形状を縦長の長方形とし、第3通過穴A3の形状を正方形にすることも可能である。
【0084】
更に、特に、各通過穴の形状が円形・正方形・長方形等の点対象である場合には、各実施の形態で説明したように、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の中点が、第1導波管30aにおける開口部B1の中点と重なるようにすることも可能である。これにより、伝搬特性を更に良好に維持した状態で導波管の開口部を封止することができる。
【0085】
更に、電磁波を通過させるには、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の各通過面が開口部B1及び開口部B2の各開口面の一領域と重なっていればよいため、図8に示すように、開口部B1及び開口部B2の位置に対して第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の位置をずらして導波管封止材を接着させることや、ずれるような位置に各通過穴を形成することも可能である。
【0086】
更に、第1通過穴A1乃至第3通過穴A3の形状は任意に設定することが可能であるため、電磁波を通過させるように通過穴の位置が形成されていれば、第1誘電体12aの誘電率や厚さを調整することにより、第1通過穴A1の大きさを開口部B1の大きさよりも大きくすることも可能である。
【0087】
更に、第2封止板10bにスペーサー20と同じスペーサーの接着させて四層(封止板/スペーサー/封止板/スペーサー)にすることや、該スペーサに第1封止板10a又は第2封止板10bと同じ封止板を更に接着させて五層(封止板/スペーサー/封止板/スペーサー/封止板)にすること、更にそれ以上の数の層にすることも可能である。層数を増加するに従って、所望する周波数帯域でより急峻に損失が増加するので、帯域制御機能においてより良好な通過特性を得ることができる。これは、図3に示したフィルタ回路の数を増加させることと同等であり、これによって損失が急峻に増加する理由については、例えば非特許文献1に開示されている。
【0088】
更に、第1の実施の形態では、第1封止板10aを第1導波管30aに接着しているが、スペーサー20を第1導波管30aに接着させてもよい。
【0089】
更に、第1誘電体12a及び第2誘電体12bの材料としては、例えば前述したガラス等を用いることができるが、第1導波管30aを伝搬してきた電磁波を通過させ、第1金属板11aとの封止が可能であって、封着後も封止状態を長時間維持可能であれば、どのような種類の誘電体であってもよい。
【0090】
更に、封止機能付導波管フィルタ1を第1導波管30a及び第2導波管30bに接着させる接着剤や接着手順については、封止機能付導波管フィルタ1と第1導波管30a及び第2導波管30bとの間を封止状態を保持可能であれば、どのような種類の接着剤や、どのような工程の接着手順であってもよい。特に接着手順について言えば、第1金属板11aを第1導波管30aに接着させた後に、第1誘電体12aを第1金属板11aの第1通過穴A1に封着させるようにしてもよい。
【0091】
最後に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、導波管が方形導波管又は円形導波管である場合について説明したが、開口部の形状が方形や円形以外の形状の導波管であっても両実施の形態で説明した封止機能付導波管フィルタを適用することが可能であることも付言しておく。
【符号の説明】
【0092】
1…封止機能付導波管フィルタ
10a…第1封止板
11…金属板(第1導電体)
11a…第1金属板(第1導電体)
12…誘電体
12a…第1誘電体
20…スペーサー
21…金属板(第2導電体)
10b…第2封止板
11b…第2金属板
12b…第2誘電体
30…導波管
30a…第1導波管
30b…第2導波管
40…接着剤
A1…第1通過穴
A2…第2通過穴
A3…第3通過穴
B,B1,B2…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波管の開口部に接着される封止機能付導波管フィルタにおいて、
前記導波管の内部を伝搬してきた電磁波を通過させる第1通過穴が形成され、当該第1通過穴に誘電体が封着された板状の第1導電体と、
前記電磁波を通過させる第2通過穴が形成された板状の第2導電体と、
を接着させて一体化したことを特徴とする封止機能付導波管フィルタ。
【請求項2】
前記第1通過穴の形状及び又は前記誘電体の誘電率に基づいて定まる第1通過穴での特性インピーダンスと、前記第1通過穴の厚さと、前記第2通過穴の形状に基づいて定まる第2通過穴での特性インピーダンスと、前記第2通過穴の厚さとを変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の封止機能付導波管フィルタ。
【請求項3】
前記第1導電体と前記第2導電体のうち少なくともいずれか一方は2枚以上であって、
前記第1導電体と前記第2導電体とを交互に接着させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の封止機能付導波管フィルタ。
【請求項4】
前記第1通過穴及び前記第2通過穴の大きさは、
前記導波管の開口部の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の封止機能付導波管フィルタ。
【請求項5】
前記第1通過穴及び前記第2通過穴の形状は、
前記導波管の開口部の形状と同じであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の封止機能付導波管フィルタ。
【請求項6】
前記第1通過穴の形状は、
前記第2通過穴の形状と異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の封止機能付導波管フィルタ。
【請求項7】
前記第1通過穴及び前記第2通過穴の形状は、点対称であって、
当該第1通過穴及び当該第2通過穴の中点は、前記導波管の開口部の中点と重なることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の封止機能付導波管フィルタ。
【請求項8】
前記第1通過穴又は前記第2通過穴の形状は、
少なくとも多角形、円形、楕円形、凹形、凸形、星形のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の封止機能付導波管フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−135496(P2011−135496A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295310(P2009−295310)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省、「電波資源拡大のための研究開発」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】