説明

射出成形装置および射出成形方法

【課題】中空成形体の生産性を低下させることなく、中空成形体の他の部品との接合部分の強度を向上させる。
【解決手段】射出成形装置20であって、中空成形体300aを生成するためのキャビティ310を形成する雌金型400と雄金型500とを備える。雄金型は、補強リングを収納するリング収納部560と、雄金型の中心軸に沿って雄金型の基部から頂部まで貫通する第1のリング通路520と、基部に形成されリング収納部内の補強リングを第1のリング通路に移動させるための第2のリング通路530と、第1のリング通路に移動した補強リングを第1のリング通路に沿って雄金型の頂部に移動させるリング移動装置550とを有する。キャビティは雄金型の頂部の位置に中空円筒形状を有する第1のキャビティ部分311を有し、リング移動装置は第1のキャビティ部分の内部であって前記第1のキャビティ部分の外縁部に補強リングを配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形装置に関し、特に中空成形体を製造することができる射出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂の射出成形により、中空成形体を製造する技術が知られている(例えば特許文献1)。中空成形体の一端は口金などの他の部品と接合されることが多い。
【0003】
【特許文献1】特開2007−326325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、従来から、中空成形体の生産性を低下させることなく、中空成形体の他の部品との接合部分の強度を向上させたいという要望があった。
【0005】
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、中空成形体の生産性を低下させることなく、中空成形体の他の部品との接合部分の強度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
射出成形装置であって、中空成形体を生成するためのキャビティを形成する雌金型と雄金型とを備え、前記雄金型は、補強リングを収納するリング収納部と、前記雄金型の中心軸に沿って前記雄金型の基部から頂部まで貫通する第1のリング通路と、前記基部に形成され、前記リング収納部内の前記補強リングを前記第1のリング通路に移動させるための第2のリング通路と、前記第1のリング通路に移動した前記補強リングを前記第1のリング通路に沿って前記雄金型の頂部に移動させるリング移動装置とを有し、前記キャビティは、前記雄金型の頂部の位置に中空円筒形状を有する第1のキャビティ部分を有し、前記リング移動装置は、前記第1のキャビティ部分の内部であって前記第1のキャビティ部分の外縁部に前記補強リングを配置する、射出成形装置。
この適用例によれば、第1のキャビティ部分の内部の外縁部に補強リングを容易に移動させることが可能となるので、中空成形体の生産性を低下させることなく、中空成形体の他の部品との接合部分の強度を向上させることが可能となる。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載の射出成形装置において、前記キャビティは、さらに、円錐面に沿った環状形状を有する第2のキャビティ部分であって、前記第1のキャビティ部分に一端が繋がり、前記環状形状における法線が前記中空成形体の外側で交差するように傾斜している第2のキャビティ部分と、前記第2のキャビティ部分の他端に一端が繋がり、前記雌金型側が凸の曲面で形成される環状形状を有する第3のキャビティ部分と、前記第3のキャビティ部分の他端に繋がり、前記中空成形体の最外周の側壁を形成する中空円筒形状を有する第4のキャビティ部分と、を備える、射出成形装置。
この適用例によれば、中空成形体を用いる際の、他の部品との接合密着性を高めることが可能となる。
【0009】
[適用例3]
適用例1又は適用例2に記載の射出成形装置において、前記第2のリング通路は、前記第1のリング通路の鉛直上方に形成されている。
この適用例によれば、第2のリング通路から第1のリング通路に、重力を用いて補強リングを移動させることが可能となる。
【0010】
[適用例4]
適用例1から適用例3のいずれかに記載の射出成形装置において、前記リング移動装置は、前記補強リングを嵌めこむための凸部を備えている、射出成形装置。
この適用例によれば、補強リングを移動させるときに、補強リングを倒れにくくすることが可能となる。
【0011】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、射出成形装置の他、ライナの製造方法等、様々な形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施例において作成されるタンクの外観を示す説明図である。図2は、タンクの断面を示す説明図である。タンク10は、口金100と、外筒200と、ライナ300とを備える。口金100は、タンク10へのガスの充填、あるいは、タンク10からのガスの放出のために用いられる。口金100の中心軸101方向の中央付近の口金100の外周には、ツバ110(フランジ)が形成されている。ツバ110は、中心軸101と垂直な面に沿って外周に突き出るように形成されている。また、ツバ110は、ツバの先端側が細くなるようなテーパ形状又は略台形形状を有している。
【0013】
ライナ300は、タンク内部を密閉するための内殻である。ライナ300は、略円筒形をしている。ここで、ライナ300は、2つの分割ライナ300a、300bを備えている。分割ライナ300a、300bには、口金100が取り付けられている。なお、一方の分割ライナ300aのみが口金100を有し、他方の分割ライナ300bは口金100を有さないようにしてもよい。分割ライナ300a、300bは、その内部に、口金100の下部105と接する接合部301を備えている。接合部301は、円筒形をしており、その外周部に円筒形の補強リング600を備えている。補強リング600として、例えば金属製の補強リングを用いることが可能である。補強リング600は、接合部301を補強する。また、補強リング600と口金100とが接合部301を挟み込むことにより、分割ライナ300a、300bと口金100との接合の強度を向上させる。分割ライナ300a、300bは、例えば、ナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレン等の熱収縮性の材料で構成されている。なお、分割ライナ300a、300bの構成を、熱収縮性の材料で構成された外層と、エポキシやガラス、金属などの非熱収縮性の材料で構成された内層と、を含む複数層を備える構成としてもよい。この場合には、内層を用いて接合部301を構成してもよい。
【0014】
外筒200は、ライナ300の外側に形成され、タンク10の耐圧殻として働く。外筒200の材料として、繊維強化プラスチック(FRP)を用いることが可能である。ライナ300の端部と外筒200の端部は、口金100のツバ110を挟むように密着し、口金100とライナ300との接合部からのガスのリークを抑制している。なお、図1においては、外筒200によりライナ300が覆い隠されている。
【0015】
図3は、タンクの製造工程を説明する説明図である。先ず、図3(A)に示すように、口金100と分割ライナ300aを準備する。例えば、分割ライナ300aは、例えば、射出成形装置を用いて製造される。分割ライナ300aを製造する工程については後述する。分割ライナ300aは円筒形をしており、分割ライナ300aの一方の開口部305は窄まっている。この狭まった開口部305に口金100が接合される。開口部305近傍には接合部301が形成されており、接合部301には補強リング600が配置されている。
【0016】
次に、図3(B)に示すように、分割ライナ300aの開口部305に口金100を圧入する。このとき、ライナ300の接合部301は、口金100の下部105と補強リング600により挟まれる。
【0017】
次に、図3(C)に示すように、分割ライナ300aを熱処理する。これにより、分割ライナ300aが熱収縮し、分割ライナ300aの端部と口金100のツバ110とが接合する。なお、分割ライナ300aが複数層を備える場合には、分割ライナ300aの外層の端部が、ツバ110よりも上方に位置するように分割ライナ300aが形成されていることが好ましい。こうすると、分割ライナ300aが熱収縮したときに、分割ライナ300aの外層がツバ110の上側に掛かる。その結果、ツバ110は、内層と外層とにより挟み込まれるので、ツバ110と分割ライナ300aとの接合が強化される。なお、同様に、口金100を有する分割ライナ300bを製造する。
【0018】
次に、図3(D)に示すように、口金100を取り付けた分割ライナ300a、300bを接合する。分割ライナ300a、300bの端部を合わせ、例えばレーザ光で加熱処理を行うことにより、分割ライナ300a、300bを接合する。
【0019】
次に、図3(E)に示すように、樹脂を含浸させた強化繊維をライナ300に巻き付ける。樹脂を強化する繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(ケブラー繊維、ケブラーは登録商標)など)を用いることが可能である。また、繊維により強化される樹脂として、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが可能である。なお、強化繊維の巻き付けのパターンにより外筒200の引っ張り強さなどの機械的性質を調整することが可能である。
【0020】
次に、図3(F)に示すように、ライナ300に巻き付けた、強化繊維を加熱硬化させる。これにより、樹脂を含浸させた強化繊維は、FRPとなり、外筒200を形成する。なお、本実施例では、樹脂を含浸させた強化繊維をライナ300に巻き付け、その後加熱硬化させて外筒200を得る工程を、フィラメント・ワインディング工程と呼んでいる。
【0021】
図4は、分割ライナを製造するための射出成形装置を示す説明図である。図4(A)は、雌金型を示し、図4(B)は雄金型を示している。射出成形装置20は、雌金型400と雄金型500とを備える。雌金型400は、凹形状を有しており、固定金型として用いられる。雌金型400は、樹脂注入路405と樹脂注入装置410を備える。樹脂注入装置410は、樹脂注入路405を介して、雌金型400と雄金型500の間に生じるキャビティ(後述)に樹脂を注入するために用いられる。
【0022】
雄金型500は、凸形の円柱形状を有しており、分割ライナ300aを製造する場合に、移動金型として用いられる。雄金型500は、凸部505と、基部510と、第1のリング通路520と、第2のリング通路530と、リング移動コア540と、リング移動装置550と、リングカセット560と、リング押し出し装置570とを備える。
【0023】
凸部505は、雌金型400の凹形状部に挿入される部分である。基部510は、雌金型400の凹形状部に挿入されない部分である。第1のリング通路520は、雄金型500の中心軸501に沿って、基部510から凸部505の頂部まで貫通している。第2のリング通路530は、第1のリング通路520の基部510側の根元から鉛直上方に通じている。リング移動コア540は、第1のリング通路520の基部510側の根元に配置されている。リング移動装置550は、第1のリング通路520に沿ってリング移動コア540を移動させることにより、第2のリング通路530を通って第1のリング通路520に移動してきた補強リング600を、雄金型500の頂部に移動させる。リング移動コア540とリング移動装置は軸555により接続されている。なお、移動の機構については、油圧シリンダー機構や、ボールネジ機構など様々な機構を採用することが可能である。
【0024】
リングカセット560は、基部510に隣接して配置されており、補強リング600を収納する。リング押し出し装置570は、リングカセット560内の補強リング600を第2のリング通路530方向に押し出す。押し出された補強リング600は、第2のリング通路530内を自然落下し、第1のリング通路に移動する。
【0025】
図5は、雌金型と雄金型とを閉じた状態を示す説明図である。雌金型400と雄金型500との間に樹脂を充填するためのキャビティ310が形成されている。キャビティ310は、4つのキャビティ部分311〜314を備える。第1のキャビティ部分311は、中心部側にあり、中空円筒形状を有している。ここで、第1のキャビティ部位分311の円筒の中心軸は、雄金型500の中心軸501と同一軸であることが好ましい。なお、同図に示す状態では、第1のキャビティ部分311は、雄金型500の第1のリング通路520と繋がっているため、図面左側が解放している。しかし、リング移動コア540が雄金型500の頂部に移動すると、第1のキャビティ部分311の左側は、リング移動コア540により閉じる。第2のキャビティ部分312は、第1のキャビティ部分311の端部に一端が繋がっている。第2のキャビティ部分312は、円錐面に沿った環状形状を有している。この第2のキャビティ部分312の環状形状は、環状形状における法線312aがキャビティ310の外側で交差するように、傾斜している。また、第2のキャビティ部分312の傾斜の延長線312bは、中心軸501上で交差している。さらに、第2のキャビティ部分312の傾斜は、第1のリング通路520の基部510側が狭く、頂部側に向かって広がっている傾斜である。なお、この傾斜は、口金100のツバ110のテーパ形状又は略台形形状の傾斜と一致していることが好ましい。これにより、キャビティ310に形成されるライナ300と、ツバ110との接合を強くすることが可能となる。第3のキャビティ部分313の一端は、第2のキャビティ部分312の他端に接続されている。第3のキャビティ部分313は、外側(雌金型400側)が凸にふくらんでいるの曲面で形成される環状形状を有している。第4のキャビティ部分314は、第3のキャビティ部分313の他端に接続されている。第4のキャビティ部分314は、キャビティ310の最外周にあり、中空円筒形状を有している。第2のキャビティ部分312と第3のキャビティ部分313との接続位置に樹脂注入路405が繋がっている。樹脂注入路405からキャビティ310内に樹脂が射出注入される。樹脂としては、例えば、ナイロン、EVOH、ポリエチレンを用いることが可能である。
【0026】
図6は、補強リングが第1のリング通路に移動した状態を示す説明図である。リング押し出し装置570は、リングカセット560内の補強リング600を、補強リング600の1個分の長さだけ、右方に移動させる。補強リング600は、第2のリング通路530の上方まで移動すると、重力により第2のリング通路530内を落下する。これにより、補強リング600は、第1のリング通路520まで移動する。図7は、補強リングが第1のリング通路まで移動したときの、第1のリング通路の根元近傍の拡大図である。
【0027】
図8は、補強リングが第1のリング通路の頂部に移動した状態を示す説明図である。リング移動装置550は、第1リング通路に沿ってリング移動コア540を右方に移動させる。リング移動コア540は、右方に移動する際に、補強リング600を右方に移動させる。補強リング600は第1リング通路に沿って右方に移動し、第1のキャビティ部分311に収まる。リング移動コア540が第1のキャビティ部分311の左側を閉じる。図9は、第1のリング通路の頂部側近傍の拡大図である。補強リング600は、第1のキャビティ部分311の内部の左端部の外縁部に収まっている。第1のキャビティ部分311の左側は、リング移動コア540により閉じられている。
【0028】
図10は、キャビティに樹脂が射出注入された状態を示す説明図である。キャビティ310への樹脂の射出注入により、分割ライナ300aが形成される。ここで、第1のキャビティ部分311に射出注入された樹脂から、分割ライナ300aの接合部301が形成される。図11は、分割ライナを取り外した状態を示す説明図である。図11(B)は補強リング600近傍の拡大図である。補強リング600は、接合部301の外縁部に配置されている。
【0029】
キャビティ310内に補強リング600を配置する他の方法としては、雌金型400と雄金型500とを開いた状態で雌金型400と雄金型500の間にリングセット装置(図示せず)を移動させて補強リング600をセットし、雌金型400と雄金型500の間からリングセット装置を移動させて雌金型400と雄金型500とを閉じる方法が考えられる。しかし、この方法では、分割ライナ300aを連続して生産することが難しく、分割ライナ300aの生産性を高くすることができないという問題がある。一方、本実施例によれば、雌金型400と雄金型500とを閉じた状態でリングをセットするため、分割ライナ300aを連続して生産することが可能となり、分割ライナ300aの生産性を向上させることができる。
【0030】
本実施例によれば、雌金型400と雄金型500とを開いた状態で補強リング600をセットするリングセット装置が不要となる。また、雌金型400と雄金型500とを開いた状態で補強リング600をセットする場合、リングセット装置が入るスペースを形成するために雌金型400と雄金型500とを開く必要があるが、本実施例では、その必要もない。
【0031】
本実施例では、第2のキャビティ部分312のリング形状における法線312aがキャビティ310の外側で交差するように、第2のキャビティ部分312のリング形状が傾斜している。この傾斜を、口金100のツバ110のテーパ形状又は略台形形状の傾斜と一致させることにより、キャビティ310に形成される分割ライナ300aと、ツバ110との接合を強くすることが可能となる。但し、キャビティ310の形状としては、これ以外の種々の形状を採用することが可能である。
【0032】
変形例1:
図12は、本実施例の変形例1を示す説明図である。変形例1は、リング移動コア540の頂部に凸部540aを備えている点が本実施例と異なる。凸部540aは略円柱形状をしており、凸部540aの外径は、補強リング600の内径と同じ大きさになっている。こうすると、補強リング600の中に凸部540aが嵌るため、補強リング600を移動させるときに、補強リング600を倒れにくくすることが可能となる。すなわち、補強リング600が倒れることによる射出成形装置20の稼働停止を抑制することが出来、分割ライナ300aの生産性を向上させることが可能となる。
【0033】
変形例2:
図13は、本実施例の変形例2を示す説明図である。変形例2は、頂部側を上方にして雄金型500を傾けている点が本実施例と異なる。なお同図では、雌金型400は表示されていないが、雌金型400は、凹形状の開口側が下方になるように傾いている。変形例2によれば、補強リング600が第1のリング通路520に移動してきたとき、補強リング600は、雄金型500の傾いていることにより、リング移動コア540側に傾く。したがって、補強リング600を移動させるときに、補強リング600を倒れにくくすることが可能となる。よって同様に、補強リング600が倒れることによる射出成形装置20の稼働停止を抑制することが出来、分割ライナ300aの生産性を向上させることが可能となる。
【0034】
変形例3:
本実施例では、雌金型400を固定金型、雄金型500を移動金型としているが、雌金型400を移動金型、雄金型500を固定金型としてもよい。
【0035】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例において作成されるタンクの外観を示す説明図である。
【図2】タンクの断面を示す説明図である。
【図3】タンクの製造工程を説明する説明図である。
【図4】分割ライナを製造するための射出成形装置を示す説明図である。
【図5】雌金型と雄金型とを閉じた状態を示す説明図である。
【図6】補強リングが第1のリング通路に移動した状態を示す説明図である。
【図7】補強リングが第1のリング通路まで移動したときの第1のリング通路の根元近傍の拡大図である。
【図8】補強リングが第1のリング通路の頂部に移動した状態を示す説明図である。
【図9】第1のリング通路の頂部側近傍の拡大図である。
【図10】キャビティに樹脂が射出注入された状態を示す説明図である。
【図11】分割ライナを取り外した状態を示す説明図である。
【図12】本実施例の変形例1を示す説明図である。
【図13】本実施例の変形例2を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10…タンク
20…射出成形装置
100…口金
101…中心軸
105…下部
110…ツバ
200…外筒
300…ライナ
300a…分割ライナ
300b…分割ライナ
301…接合部
305…開口部
310…キャビティ
311…第1のキャビティ部分
312…第2のキャビティ部分
312a…法線
312b…延長線
313…第3のキャビティ部分
314…第4のキャビティ部分
400…雌金型
405…樹脂注入路
410…樹脂注入装置
500…雄金型
501…中心軸
505…凸部
510…基部
520…第1のリング通路
530…第2のリング通路
540…リング移動コア
540a…凸部
550…リング移動装置
555…軸
560…リングカセット
570…リング押し出し装置
600…補強リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形装置であって、
中空成形体を生成するためのキャビティを形成する雌金型と雄金型とを備え、
前記雄金型は、
補強リングを収納するリング収納部と、
前記雄金型の中心軸に沿って前記雄金型の基部から頂部まで貫通する第1のリング通路と、
前記基部に形成され、前記リング収納部内の前記補強リングを前記第1のリング通路に移動させるための第2のリング通路と、
前記第1のリング通路に移動した前記補強リングを前記第1のリング通路に沿って前記雄金型の頂部に移動させるリング移動装置と、
を有し、
前記キャビティは、前記雄金型の頂部の位置に中空円筒形状を有する第1のキャビティ部分を有し、
前記リング移動装置は、前記第1のキャビティ部分の内部であって前記第1のキャビティ部分の外縁部に前記補強リングを配置する、射出成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形装置において、
前記キャビティは、さらに、
円錐面に沿った環状形状を有する第2のキャビティ部分であって、前記第1のキャビティ部分に一端が繋がり、前記環状形状における法線が前記中空成形体の外側で交差するように傾斜している第2のキャビティ部分と、
前記第2のキャビティ部分の他端に一端が繋がり、前記雌金型側が凸の曲面で形成される環状形状を有する第3のキャビティ部分と、
前記第3のキャビティ部分の他端に繋がり、前記中空成形体の最外周の側壁を形成する中空円筒形状を有する第4のキャビティ部分と、
を備える、射出成形装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の射出成形装置において、
前記第2のリング通路は、前記第1のリング通路の鉛直上方に形成されている。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の射出成形装置において、
前記リング移動装置は、前記補強リングを嵌めこむための凸部を備えている、射出成形装置。
【請求項5】
射出成形方法であって、
(a)雌金型と、雄金型とを閉じてキャビティを形成する工程と、
(b)補強リングを、前記雄金型の基部に形成された第1のリング通路を通して、前記雄金型の中心軸に沿って前記基部から頂部まで貫通する第2のリング通路に移動させる工程と、
(c)前記第2のリング通路に沿って前記補強リングを、前記キャビティの内の前記雄金型の頂部の位置に形成されている第1のキャビティ部分であって中空円筒形状を有する第1のキャビティ部分の内部であって外縁部に移動させる工程と、
(d)前記キャビティに樹脂を射出注入して前記キャビティ内に中空成形体を形成する工程と、
を備える、射出成形方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−120349(P2010−120349A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298605(P2008−298605)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】