説明

導電テープ及びその製造方法

【課題】電子機器の電磁波を遮蔽するために使用される導電テープとして、より薄く、優れたグラウンディング特性と高い接着性を兼ね備え、且つハンドリング性に優れた導電テープを提供する。
【解決手段】導電テープ10は、表面に金属被膜を有する導電性メッシュ織物の開口部のみに、粘着剤からなる粘着膜3を有し、該導電性メッシュ織物の両面において該金属被膜が該粘着膜3で被覆されずに露出しており、該導電性メッシュ織物を構成する糸条の一部に熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸を含み、数式1で得られるMの値が0.05〜0.45の範囲内である。M={(B+B)−C}/(B+B)・・・・(数式1)(B:モノフィラメントの、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径、B:モノフィラメントと交差する糸条の、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径、C:モノフィラメントが他の糸条と交差する交点における導電テープ厚さ)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電テープ及びその製造方法に関する。詳しくは、両面接着性を有する導電テープ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等のケースに電磁波を遮蔽するために貼り付ける電磁波シールドガスケットとして、導電テープが用いられる。また、スマートフォン等の携帯電話に代表される携帯型の電子機器、パソコン等の電子機器の分野では、小型化及び高性能化が進んでいる。これらの電子機器における電磁波シールドガスケットとしては、高い接着性と優れたグラウンディング特性が要求されるとともに、より薄い導電テープが求められている。
【0003】
従来の導電テープとしては、例えば特許文献1に示されるように、導電性のフィラーを分散させた粘着層を基材となる金属箔や導電性を有する不織布等の布帛の両面に積層させたものと、導電性のフィラーを分散させた粘着剤のみからなるものとの2種類がある。前者の導電テープをより薄くしようとする場合には、粘着層の厚さを薄くしなければならない。すると、粘着層が基材の凹凸に潜り込んで、接着性が低下する。接着性を向上させるためには、導電性のフィラーの量を減らす必要がある。その結果として、導電性能が低下してしまう。後者の導電テープでは、基材を用いないために薄くすることは容易であるが、フィラーのみでは導電性が不十分であり、取り扱いにおいても破れ易いという問題点があった。
【0004】
また、グラウンディング特性は粘着層に含まれる導電性のフィラーの露出状態や、基材との接触状態に大きく左右される。このため、貼り付ける条件等によっては安定したグラウンディング特性が得られないという問題もあった。さらに、基材を含む導電テープの場合、基材そのものを薄くすることも考えられる。しかし、不織布等では薄くすると引張強度が著しく低下し、貼り付ける際のハンドリングで導電テープが切断されてしまうという問題があった。基材として金属箔を用いる場合は、金属箔の変形によって粘着層が剥離してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、かかる問題を解決するために、特許文献2には、導電性を有する基材の少なくとも片面に粘着層を形成し、該基材の一部を粘着層から突出させた粘着性シートが開示されている。また、特許文献3には、金属を用いた織物、編物、またはネット状に形成された導電性シートがエラストマー基材に埋設され、その導電性シートがエラストマー基材の表裏両面に露出した電磁波シールドテープが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4511076号公報
【特許文献2】特開昭62−227986号公報
【特許文献3】特許第3869348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載された技術においては、被着体への導電性をよくするために突出部を多くすると、粘着剤の量が少なくなって接着性が低下する。これに対して、接着性を上げるために突出部を少なくすると、導電性が低下してしまうという問題点があった。
【0008】
また、特許文献3に記載された技術においては、表裏の露出性をよりよくするために導電性シート全体に凹凸を設けることが好ましいとされている。しかしながら、凹凸が大きい場合は筐体との接触面積は小さくなり、厚さ方向への導電性が不安定になるという問題点がある。テープの使用面積が小さい場合や接地圧が小さい場合には、この問題点が顕著になる。特に、小型化及び高機能化が進む携帯型の電子機器には不向きである。さらに、導電性シートの凹凸が大きくなると、電磁波シールドテープ自体が厚くなってしまうという問題点があった。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、電子機器において電磁波を遮蔽するために使用される導電テープとして、より薄く、優れたグラウンディング特性と高い接着性を兼ね備え、且つ貼り付け作業時のハンドリング性に優れた導電テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る導電テープは、
表面に金属被膜を有する導電性メッシュ織物と、
該導電性メッシュ織物の開口部のみに形成された粘着剤からなる粘着膜と、
を有し、
前記導電性メッシュ織物の両面において前記金属被膜が前記粘着膜で被覆されずに露出しており、
前記導電性メッシュ織物を構成する糸条の少なくとも一部に熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸を含み、
下記の数式1で得られるMの値が0.05〜0.45の範囲内である。
【数1】

(B:モノフィラメントの、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
:モノフィラメントと交差する糸条の、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
C:モノフィラメントが他の糸条と交差する交点における導電テープ厚さ)
【0011】
ここで、前記熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸が、断面形状において平均扁平率が1.1〜3.0の範囲内であることが好ましい。
【0012】
また、前記導電性メッシュ織物の開口率が45〜90%の範囲内であることが好ましい。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る導電テープの製造方法は、
表面に金属被膜を有し、熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸を構成要素の少なくとも一部とする導電性メッシュ織物を準備する工程と、
離型シート上に流動性を有する粘着剤を塗布し、厚さが前記導電性メッシュ織物の最大厚さの50〜90%の範囲内となる粘着剤層を形成する工程と、
前記粘着剤層の上に前記導電性メッシュ織物を積層し、さらにその上にもう一枚の離型シートを積層してラミネートする工程と、
エージングを行い前記粘着剤層を硬化させて粘着膜を形成する工程とを有し、
下記の数式1で得られるMの値が0.05〜0.45の範囲内である。
【数2】

(B:モノフィラメントの、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
:モノフィラメントと交差する糸条の、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
C:モノフィラメントが他の糸条と交差する交点における導電テープ厚さ)
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導電性メッシュ織物の開口部のみに粘着膜が形成されているため、優れたグラウンディング特性と強力な接着性を両立することができ、導電テープの厚さも極めて薄くすることができる。また、上記数式1で得られるMの値が0.05〜0.45の範囲内であることから、導電テープの表面の平滑性が確保されて、十分なグラウンディング特性と接着性が得られるとともに、強度が確保されてハンドリング性にも優れた導電テープとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る導電テープの一部を示す平面模式図である。
【図2】図1におけるX2−X2断面を示す縦断面模式図である。
【図3】図1におけるY−Y断面を示す縦断面模式図である。
【図4】図1におけるX1−X1断面を示す縦断面模式図である。
【図5】図1において経糸がマルチフィラメント糸条の場合のX1−X1断面を示す縦断面模式図である。
【図6】図1において経糸がマルチフィラメント糸条の場合のY−Y断面を示す縦断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に使用される導電性メッシュ織物は、薄さ及び柔軟性という観点から、熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸を少なくとも一部に含むメッシュ織物の表面に、公知技術である蒸着法、スパッタリング法、電気メッキ法及び無電解メッキ法等により金属被膜が形成されたものである。
【0017】
熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸に用いられる繊維素材としては、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド系(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリウレタン系等を挙げることができ、これらのうち2種類以上が組み合わされていてもよい。中でも、加工性及び耐久性を考慮した場合、ポリエステル系の繊維が好ましい。
【0018】
熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸以外の糸条を混用する場合、その繊維素材としては特に限定されず、合成繊維のほか、天然繊維、半合成繊維を用いることもできる。
【0019】
メッシュ織物の組織としては特に限定されるものではなく、平織り、朱子織り、綾織り等が挙げられるが、経糸と緯糸の拘束力が高く強度に優れるという点で平織りが好ましい。
【0020】
メッシュ織物の経糸及び/または緯糸の一部に用いられる熱可塑性合成繊維糸条はモノフィラメント糸である。モノフィラメント糸は扁平糸であることが好ましい。その扁平率は1.1〜3.0の範囲内であることが好ましく、1.1〜2.5の範囲内であることがより好ましい。扁平率とは、モノフィラメントの断面形状に外接する長方形を描いた時に、この長方形の長辺aを短辺bで除した値をいう。扁平率が1.1未満であると、糸表面の平滑性が乏しく筐体との接触面積が減ることとなり、安定したグラウンディング特性が得られないおそれがある。扁平率が3.0を超えると、モノフィラメント糸の強度が低下するおそれがある。また、メッシュ織物の開口率を確保することが困難となり、結果として導電テープの接着性を低下させてしまうおそれがある。
【0021】
モノフィラメント糸は、その糸条形成時から扁平糸であってもよいし、メッシュ織物を形成した後の加工によって扁平糸としてもよい。加工によって扁平糸とする方法としては、モノフィラメント糸が可塑性を示す温度まで昇温した状態で変形を促す応力を加える。具体的には、熱した金属板等でプレスしたり、過熱ロール等に挟んで圧縮したりする。また、加熱した状態でメッシュ織物の経方向及び緯方向にテンションを加えることによっても、扁平糸に変形させることができる。
【0022】
さらに、モノフィラメント糸は熱融着糸であってもよい。熱融着糸とは、一般的な合成繊維と比較して、低い融点を持つ繊維からなる糸条である。通常の繊維加工における熱処理条件で溶融し、変形あるいは他の糸条に融けて貼りつくような挙動を示す。モノフィラメント糸が芯鞘構造となっており、その鞘部分のみが熱融着成分からなる部分熱融着糸であってもよい。
【0023】
メッシュ織物は、一般的な織物と比較して開口部が多い織物である。織物を構成している経糸同士及び緯糸同士が、所定の距離をおいて離れて配置される構造となる。したがって、織物である以上必ず経糸と緯糸の交点(交差し重なる部分)が存在するが、一般的な織物と比較して経糸と緯糸が交差しない(重ならない)部分も多く存在する。本発明の導電テープに用いられるメッシュ織物は、その開口率が45〜90%であることが好ましく、60〜85%であることがより好ましい。開口率とは、シート状のメッシュ織物を平面に投影した場合、その単位面積あたりに占める開口部の面積の比率を言う。開口率が90%を超えると、メッシュ織物表面が筐体に接触する面積が少なくなるため、十分なグラウンディング特性を得られないおそれがある。そのうえ、電磁波シールド性そのものが不足するおそれもある。さらに、メッシュ織物の強度が低下し、ハンドリング性も悪くなるおそれがある。一方、開口率が45%未満の場合には、十分な接着性が得られないおそれがある。また、粘着剤を開口部内に押し込むことが困難となり、表裏での接着力の差が生じる等のおそれがある。
【0024】
導電テープに用いられる粘着剤は特に限定されないが、一般的に用いられる公知のアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤をベースポリマーとして使用でき、これらに各種添加剤等を配合して用いることができる。
アクリル系粘着剤としては、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸イソオクチル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸イソノニル等のメタアクリル酸エステルモノマーを主成分とし、これにメタアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の官能基を含むモノマーや酢酸ビニル、アクリルニトリルスチレン、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル、2−メチロールエチルアクリルアミドを必要に応じて共重合させることによって得られる公知のアクリル系粘着剤を用いることができる。
【0025】
ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンイソプレンブロックコポリマー等のエラストマー成分の1種、または2種以上の組み合わせに対して、ロジン系樹脂、テンペル系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュア・モノマー系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂等を混合することによって得られる粘着剤を用いることができる。
【0026】
本発明の実施形態においては、粘着剤中には導電性のフィラーを含有する必要はない。ただし、導電性メッシュ織物を補助する役割として導電性のフィラーを含有していてもよい。導電性のフィラーとしては、ニッケル粉、銀粉、銅粉、銀コート銅粉等の金属フィラーやカーボン等が用いられる。
【0027】
本発明の実施形態に係る導電テープにおいては、次の数式1で得られるMの値が0.05〜0.45の範囲内であることが必要である。
【0028】
【数3】

(B:モノフィラメントの、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
:モノフィラメントと交差する糸条の、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
C:モノフィラメントが他の糸条と交差する交点における導電テープ厚さ)
【0029】
数式1について、図面を用いて詳しく説明をする。図1は経糸、緯糸ともに同一のモノフィラメントを用いた導電性メッシュ織物を基材とした導電テープ10の平面図である。経糸1同士、緯糸2同士は各々所定の間隔で配置され、この間隔によって開口部が形成されている。開口部には粘着膜3が形成されている。
【0030】
図2は、図1のX2−X2断面を示す縦断面図である。この部分では、経糸1と緯糸2とは交差していない。この部分におけるモノフィラメント(経糸1)の、導電テープ10の厚さ方向の平均糸径をBとする。図3は、図1のY−Y断面を示す縦断面図である。この部分での緯糸2の導電テープ厚さ方向の平均糸径が、数式1のBに相当する。さらに、図4は、図1のX1−X1断面における縦断面図である。経糸1と緯糸2との交点が含まれており、この交点部における導電テープ10の厚さがCとなる。
【0031】
図5は、経糸1がマルチフィラメント糸条の場合のX1−X1断面を示す縦断面図である。この場合も、Cの値は経糸1(マルチフィラメント糸条)と緯糸2(モノフィラメント)との交点における導電テープ10の厚さとなる。図6は、同じく経糸1がマルチフィラメント糸条の場合のY−Y断面を示す縦断面図である。この場合は、マルチフィラメント糸条がモノフィラメントと交差する糸条に相当し、Bの値を与える。ただし、マルチフィラメント糸条は、糸条を構成する各単糸の配置が一定ではなく、全体としての平均糸径は特定の値に定まらない。したがって、マルチフィラメント糸条を構成する各単糸の平均糸径をBとする。マルチフィラメント糸条を構成する単糸が複数種であって、それらの平均糸径が異なる場合には、最大の平均糸径をもってBとする。
【0032】
数式1で得られるMの値が0.05未満の場合、経糸1と緯糸2との交点における導電テープ10の厚さが、交点以外の部分での厚さに対して大きくなりすぎる。したがって、導電テープ10の表面の平滑性が低下することから、十分なグラウンディング特性と接着性が得られないおそれがある。Mの値が0.45を超える場合、経糸1あるいは緯糸2の一方、または両方の変形が大きすぎるために、糸条の強度が低下し、導電テープ10の引張強度が不足するおそれがある。
【0033】
本実施形態に係る導電テープ10の製造方法について、以下に説明する。
【0034】
まず、導電性メッシュ織物を準備する。すなわち、通常の手法によって繊維糸条からメッシュ織物を製織し、これに公知の方法で金属被膜を形成する。金属被膜を形成する方法としては、前述したように、蒸着法、スパッタリング法、電気メッキ法、無電解メッキ法等を用いることができる。
【0035】
次に、離型シート上に粘着剤を塗布し、粘着層を形成する。塗布の手段としては、コーティング法や押し出し法を用いることができる。粘着層の厚さDは、用意した導電性メッシュ織物の最大厚さに対し、50〜90%の範囲内となるように形成する。さらに好ましくは、65〜85%の範囲内である。
粘着層の厚さDが、導電性メッシュ織物の最大厚さの50%未満の場合には、十分な接着性が得られないおそれがある。一方、粘着層の厚さDが、導電性メッシュ織物の最大厚さの90%を超える場合には、導電性メッシュ織物の表面が粘着膜で覆われ、筐体側金属層と導電性メッシュ織物との接触が阻害されるおそれがある。このような状態になると、接触抵抗値が高くなってしまい、十分なグラウンディング特性が得られない。粘着層を形成した後、乾燥炉等を用いて加熱・乾燥を行い、粘着層を半硬化状態として次の工程に供することもできる。
【0036】
次の工程は、前記工程で得られた粘着層に積層するように導電性メッシュ織物を配置し、さらにその上に別の離型シートを重ねて全体をラミネートする工程である。ラミネートは、ラミネーターロールにより連続的に行うことができる。ラミネーターロールの温度は常温でもよいが、導電性メッシュ織物の開口部への粘着剤の侵入をよくするために、70〜110℃に加熱してもよい。粘着層の厚さDを上記の範囲内とし、両面を離型シートで挟み込んでラミネートすることにより、流動性を残した粘着層は導電性メッシュ織物の開口部にのみ侵入することができる。
【0037】
続いてエージング工程が実施される。エージング工程は、例えば40℃の温度下において72〜120時間静置することによって実施される。このエージング工程によって粘着層は硬化し、粘着膜となる。
【実施例】
【0038】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、得られた導電テープの性能評価は、以下の方法にしたがって行った。
【0039】
厚さ測定:JIS Z 0237に準じ、デジタルアプライトゲージ R1−205(株式会社尾崎製作所製)で測定した。
【0040】
接触抵抗値:25mm×25mmの大きさの、金メッキを施した銅板2枚の間に導電テープを挟み、500gfのおもりを乗せた。その2枚の銅板間の抵抗値を、ミリオームハイテスター3540(日置電機株式会社製)で測定した。
【0041】
接着力:JIS Z 0237に準じ、万能引張試験機STA−1225(株式会社オリエンテック製)を使用し、以下の条件で導電テープのSUS板への接着力を測定した。
被着体・・・SUS304
接着用導電テープサイズ・・・25mm×120mm
引張速度・・・300mm/min.
引張方向・・・180°ピール剥離
【実施例1】
【0042】
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸、緯糸ともに直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに132本/インチであるメッシュ平織物を、190℃でプレセットした。その後、温度150℃、線圧30kg/cmでカレンダー加工を行った。このメッシュ平織物を、塩化パラジウム0.3g/L、塩化第一錫30g/L、36%塩酸300ml/Lを含む40℃の水溶液に2分間浸漬後、水洗した。続いて、酸濃度0.1N、30℃のホウフッ化水素酸に5分間浸漬後、水洗した。次に、硫酸銅7.5g/L、37%ホルマリン30ml/L、ロッシェル塩85g/Lを含む30℃の無電解銅メッキ液に5分間浸漬後、水洗した。続いて、スルファミン酸ニッケル300g/L、ホウ酸30g/L、塩化ニッケル15g/Lを含む、pH3.7、35℃の電気ニッケルメッキ液に10分間、電流密度5A/dmで浸漬しニッケルを積層させた後、水洗した。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは32μmであり、その開口率は65%であった。
【0043】
(粘着剤塗工液の調整)
ハリアクロン508EX :100部
(アクリル系粘着剤、固型分46% ハリマ化成株式会社製)
バンセネートB−82 :1.5部
(イソシアネート系硬化剤 ハリマ化成株式会社製)
上記配合の混合液を15分攪拌し、粘着剤塗布液を作製した。
【0044】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを60μmに調整し、粘着剤を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ23μmの粘着層を得た。この粘着層に、作製した導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度90℃、圧力3kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0045】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸の扁平率は1.50、緯糸の扁平率は1.30、Mの値は0.41であった。接触抵抗値は5.4mΩ、接着力はA面(粘着層導入側の面)が7.28N/インチ、B面(粘着層滲出側の面)が4.31N/インチであり、いずれも良好であった。また、ハンドリング性に関しても、貼り付ける際に導電テープが切断されるようなこともなく、強度は十分であった。
【実施例2】
【0046】
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸、緯糸ともに直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに132本/インチであるメッシュ平織物を、190℃でプレセットした。そして、実施例1と同様の方法でメッキ加工を行った。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは47μmであり、その開口率は72%であった。
【0047】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを110μmに調整し、実施例1と同様の粘着剤塗工液を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ40μmの粘着層を得た。この粘着層に、作製した導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度90℃、圧力3kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0048】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸及び緯糸の扁平率はともに1.10、Mの値は0.09であった。接触抵抗値は3.1mΩ、接着力はA面が8.83N/インチ、B面が8.37N/インチであり、いずれも良好であった。また、ハンドリング性に関しても、貼り付ける際に導電テープが切断されるようなこともなく、強度は十分であった。
【実施例3】
【0049】
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸が直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸、緯糸が直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント融着糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに100本/インチであるメッシュ平織物を、190℃でプレセットした。次に、温度90℃、線圧30kg/cmでカレンダー加工を行った。その後、このメッシュ平織物に、実施例1と同様の方法でメッキ加工を行った。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは28μmであり、その開口率は80%であった。
【0050】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを60μmに調整し、実施例1と同様の粘着剤塗工液を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ23μmの粘着層を得た。この粘着層に、作製した導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度90℃、圧力3kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0051】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸の扁平率は1.63、緯糸の扁平率は1.56、Mの値は0.37であった。接触抵抗値は3.5mΩ、接着力はA面が8.91N/インチ、B面が8.66N/インチであり、いずれも良好であった。また、ハンドリング性に関しても、貼り付ける際に導電テープが切断されるようなこともなく、強度は十分であった。
【0052】
[比較例1]
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸、緯糸ともに直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに132本/インチであるメッシュ平織物に対して、プレセットせずに、実施例1と同様の方法でメッキ加工を行った。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは51μmであり、その開口率は72%であった。
【0053】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを120μmに調整し、実施例1と同様の粘着剤塗工液を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ45μmの粘着層を得た。この粘着層に、上記最大厚さ51μm、開口率72%の導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度90℃、圧力3kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0054】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸及び緯糸の扁平率はともに1.1、Mの値は0.04であった。接触抵抗値は21.6mΩで、グラウンディング特性が低かった。接着力はA面が9.70N/インチ、B面が1.91N/インチであり、B面側の接着強度が不十分であった。
【実施例4】
【0055】
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸が直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸、緯糸が直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント融着糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに100本/インチであるメッシュ平織物を、190℃でプレセットした。次に、温度160℃、線圧30kg/cmでカレンダー加工を行った。その後、実施例1と同様の方法でメッキ加工を行った。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは23μmであり、その開口率は81%であった。
【0056】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを50μmに調整し、実施例1と同様の粘着剤塗工液を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ20μmの粘着層を得た。この粘着層に、作製した導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度90℃、圧力3kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0057】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸の扁平率は2.41、緯糸の扁平率は2.37、Mの値は0.33であった。接触抵抗値は2.8mΩ、接着力はA面が9.56N/インチ、B面が9.16N/インチであり、いずれも良好であった。また、ハンドリング性に関しても、貼り付ける際に導電テープが切断されるようなこともなく、強度は十分であった。
【0058】
[比較例2]
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸、緯糸ともに直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに132本/インチであるメッシュ平織物を、プレセットせずに、実施例1と同様の方法でメッキ加工を行った。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは51μmであり、その開口率は72%であった。
【0059】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを120μmに調整し、実施例1と同様の粘着剤塗工液を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ45μmの粘着層を得た。この粘着層に、作製した導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度60℃、圧力2kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0060】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸の扁平率は1.06、緯糸の扁平率は1.08、Mの値は0.04であった。接触抵抗値は24.3mΩで、グラウンディング特性が低かった。接着力はA面が8.80N/インチ、B面が1.32N/インチであり、B面側の接着強度が不十分であった。
【実施例5】
【0061】
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸に直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸、緯糸に直径27μm(繊度8dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント融着糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに100本/インチであるメッシュ平織物を、190℃でプレセットした。このメッシュ平織物に、実施例1と同様の方法でメッキ加工を行った。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは44μmであり、その開口率は82%であった。
【0062】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを100μmに調整し、実施例1と同様の粘着剤塗工液を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ37μmの粘着層が得られた。この粘着層に、作製した導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度90℃、圧力3kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0063】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸及び緯糸の扁平率はともに1.1、Mの値は0.20であった。接触抵抗値は2.0mΩ、接着力はA面が10.80N/インチ、B面が8.50N/インチであり、いずれも良好であった。また、ハンドリング性に関しても、貼り付ける際に導電テープが切断されるようなこともなく、強度は十分であった。
【0064】
[比較例3]
(導電性メッシュ織物の作製)
経糸、緯糸ともに直径49μm(繊度26dtex)のポリエチレンテレフタレート製モノフィラメント糸から構成された、経糸密度、緯糸密度がともに200本/インチであるメッシュ平織物を、プレセットせずに、実施例1と同様の方法でめっき加工を行った。得られた導電性メッシュ織物の最大厚さは94μmであり、その開口率は37%であった。
【0065】
(粘着塗工処理)
コンマダイレクトコーターを使用し、離型シート(SLK−80KCT:住化加工紙株式会社製)とコンマヘッドのクリアランスを210μmに調整し、実施例1と同様の粘着剤塗工液を均一に塗工した。そして、120℃の乾燥機内を通過させ、厚さ78μmの粘着層を得た。この粘着層に、作製した導電性メッシュ織物及び別の離型シート(EKR90R:リンテック株式会社製)を積層した。さらに、ラミネーターロールにより温度60℃、圧力2kg/cmで貼り合せを行い、巻き取った。
【0066】
(エージング及び評価)
上記で得られたロールを、そのまま40℃の条件下で3日間エージングを行い、粘着層を硬化させた。得られた導電テープについて、経糸の扁平率は1.05、緯糸の扁平率は1.06、Mの値は0.04であった。接触抵抗値は測定不能(無限大)で、グラウンディング特性どころか、導通性が得られなかった。接着力はA面が19.63N/インチ、B面が6.65N/インチであり良好であった。
【0067】
以上の実施例1乃至5及び比較例1乃至3について、表1にまとめて示す。
【0068】
【表1】

【0069】
表1に示されるように、数式1で表されるMの値が0.41の実施例1、M=0.09の実施例2、M=0.37の実施例3、M=0.33の実施例4、M=0.20の実施例5は、いずれも接触抵抗値が小さくグラウンディング特性に優れている。また、接着力の測定値も、A面・B面ともに大きく、両面接着性に優れている。
【0070】
これに対して、数式1で表されるMの値が0.04の比較例1は、接触抵抗値が21.6mΩと大きく、グラウンディング特性が低い。また、接着力の測定値も、B面が1.91N/インチと小さく、B面側の接着強度が不足している。同じくM=0.04の比較例2は、接触抵抗値が24.3mΩとさらに大きく、グラウンディング特性が低い。また、接着力の測定値も、B面が1.32N/インチとさらに小さく、B面側の接着強度が不足している。同じくM=0.04の比較例3は、接触抵抗値が大きすぎて測定不能であり、導電テープとして機能しない。
【0071】
さらに、数式1で表されるMの値が0.45を超える導電テープの作製を試みた。しかし、いずれも破れてしまい、織物の体をなさなかった。
以上の結果より、優れた特性を有する導電テープを得るためには、数式1で表されるMの値が0.05〜0.45の範囲内であることが必要である。
【0072】
表1に示されるように、熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸の平均扁平率が経糸1.50で緯糸1.30の実施例1、経糸1.10で緯糸1.10の実施例2、経糸1.63で緯糸1.56の実施例3、経糸2.41で緯糸2.37の実施例4、経糸1.10で緯糸1.10の実施例5は、いずれも接触抵抗値が小さくグラウンディング特性に優れている。また、接着力の測定値も、A面・B面ともに大きく、両面接着性に優れている。
【0073】
これに対して、平均扁平率が経糸1.06で緯糸1.08の比較例2は、接触抵抗値が24.3mΩと大きく、比較例1よりもグラウンディング特性が低い。また、接着力の測定値も、B面が1.32N/インチと小さく、比較例1よりもB面側の接着強度が不足している。平均扁平率が経糸1.05で緯糸1.06の比較例3は、接触抵抗値が大きすぎて測定不能であり、導電テープとして機能しないため、比較例1,2よりも劣っている。
【0074】
さらに、平均扁平率が3.0を超える導電テープの作製を試みた。しかし、いずれも破れてしまい、織物の体をなさなかった。
以上の結果より、優れた特性を有する導電テープを得るためには、熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸が、断面形状において平均扁平率が1.1〜3.0の範囲内であることが好ましい。そして、平均扁平率が1.1〜2.5の範囲内であることが、より好ましい。
【0075】
表1に示されるように、導電性メッシュ織物の開口率は、実施例1から実施例5までの間で次第に大きくなっている。これにしたがって、接着力は全体として次第に大きくなりながら、接触抵抗値としては低い値を保っており、優れたグラウンディング特性を示している。しかし、開口率が90%を超える導電性メッシュ織物からの導電テープの作製を試みたが、織物として取り扱うことができず、加工することができなかった。また、導電性メッシュ織物の開口率が37%の比較例3は、接触抵抗値が大きすぎて測定不能であり、導電テープとして機能しない。開口率が小さいために粘着剤が十分に侵入できず、余剰の粘着剤が導電テープ表面を覆ってしまい、金属被膜の露出が不十分であることが原因である。
以上の結果より、優れた特性を有する導電テープを得るためには、導電性メッシュ織物の開口率が45〜90%の範囲内であることが好ましい。そして、導電性メッシュ織物の開口率が60〜85%の範囲内であることが、より好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の導電テープは、電子機器用の極薄の電磁波シールドガスケットとして利用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 経糸
2 緯糸
3 粘着膜
10 導電テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に金属被膜を有する導電性メッシュ織物と、
該導電性メッシュ織物の開口部のみに形成された粘着剤からなる粘着膜と、
を有し、
前記導電性メッシュ織物の両面において前記金属被膜が前記粘着膜で被覆されずに露出しており、
前記導電性メッシュ織物を構成する糸条の少なくとも一部に熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸を含み、
下記の数式1で得られるMの値が0.05〜0.45の範囲内である導電テープ。
【数1】

(B:モノフィラメントの、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
:モノフィラメントと交差する糸条の、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
C:モノフィラメントが他の糸条と交差する交点における導電テープ厚さ)
【請求項2】
前記熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸が、断面形状において平均扁平率が1.1〜3.0の範囲内である請求項1に記載の導電テープ。
【請求項3】
前記導電性メッシュ織物の開口率が45〜90%の範囲内である請求項1または2に記載の導電テープ。
【請求項4】
表面に金属被膜を有し、熱可塑性合成繊維モノフィラメント糸を構成要素の少なくとも一部とする導電性メッシュ織物を準備する工程と、
離型シート上に流動性を有する粘着剤を塗布し、厚さが前記導電性メッシュ織物の最大厚さの50〜90%の範囲内となる粘着剤層を形成する工程と、
前記粘着剤層の上に前記導電性メッシュ織物を積層し、さらにその上にもう一枚の離型シートを積層してラミネートする工程と、
エージングを行い前記粘着剤層を硬化させて粘着膜を形成する工程とを有し、
下記の数式1で得られるMの値が0.05〜0.45の範囲内である導電テープの製造方法。
【数2】

(B:モノフィラメントの、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
:モノフィラメントと交差する糸条の、交点以外での導電テープ厚さ方向の平均糸径
C:モノフィラメントが他の糸条と交差する交点における導電テープ厚さ)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−18956(P2013−18956A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276488(P2011−276488)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【特許番号】特許第5020405号(P5020405)
【特許公報発行日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【出願人】(000107907)セーレン株式会社 (462)
【Fターム(参考)】