説明

導電性パターンの形成方法

【課題】フィルムやガラス基板等の基板上に、高精度の導電性パターンを、比較的簡便な方式で得ることができる方法を提供する。
【解決手段】基板1a上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層2が積層された写真感光材料を有し、該写真感光材料に対し、(A)マスクフィルム4を介して画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去を行い、(D)前記未硬化部が除去された除去部に無電解めっき処理を施すことにより無電解めっき部3を得ることを特徴とする導電性パターンの形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムやガラス基板等の基板上に導電性のパターンを形成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板上に導電性パターンを有する材料の製造方法としては、基本的には印刷方式、フォトリソグラフィー方式、銀塩方式及びその他の方式とに大別される。印刷方式には、導電性金属インキやペーストをスクリーン印刷等の手段によって印刷した後、導電性を付与する為に焼成する方法(特許文献1)や、無電解めっき触媒を含有する樹脂塗料等を印刷した後、無電解めっきを施して導電性パターンを付与する方法(特許文献2)などが知られている。
【0003】
フォトリソグラフィー方式には、均一な導電金属層を有する基板上にフォトレジストを塗布し、露光、現像後、レジストが剥離された導電性金属層をエッチング除去し導電性パターンを得るサブトラクティブ方式をとるもの(特許文献3)、無電解めっき触媒を含有するレジストを支持体上に塗布し、露光、現像し未露光部のレジストを除去後、無電解めっきすることにより導電性パターンを得るアデティブ方式をとるもの(特許文献4)等がある。
【0004】
その他の方式としては、透明支持体上に銀めっき等を施すことによって銀粒子層からなる導電性画像形成層を形成させ、その画像形成層に高密度エネルギー光を照射することにより照射部の画像形成層と支持体との結合力を低下せしめ、導電性パターンを得る方法(特許文献5)などの提案がなされている。
【0005】
しかしながら印刷を用いる方式では、印刷精度の問題から超高精細の導電パターンの形成は一般的に困難とされており、フォトリソグラフィー方式では、高精細の導電パターン形成が可能とされているが、一般的に製造工程が複雑である為、工程に用いる材料のロスが多いという課題を抱えている。
【0006】
感光性ハロゲン化銀を用いる銀塩方式としては、銀塩拡散転写方式を用いたもの(特許文献6)および化学現像銀を利用するもの(特許文献7)が提案されている。これらの銀塩方式の内、特許文献7に示されているような化学現像銀を用いる方式では、露光された部位のハロゲン化銀が現像液中に存在する現像主薬によって還元されてできる化学現像銀を触媒核として、無電解めっきを施すことによって導電性とするものである。
【0007】
しかしながら、生成した化学現像銀の周囲に存在する、ハロゲン化銀乳剤のバインダーであるゼラチンが無電解めっきの抑制因子として働く。従って、生成した化学現像銀と水溶性バインダーであるゼラチンとの体積比がポイントであり、無電解めっきの効率を上げて導電性を確保する為には、極力バインダー量を減ずる必要がある。しかし、バインダー量の減量には限度があり、塗布安定性及びハロゲン化銀写真乳剤の特性確保にはマイナス因子として働き好ましくない。
【0008】
一方、銀塩拡散転写方式を用いるものは、支持体上に物理現像核と称する、銀錯体が現像主薬によって還元されて金属銀となる為の触媒核層およびその上層にハロゲン化銀乳剤層を設けた材料を使うものである。また、現像液中には現像主薬の他にハロゲン化銀を溶かす化合物(ハロゲン化銀溶剤)を添加させておく。この材料に露光および現像を行うと、露光部のハロゲン化銀は化学現像銀に変換されて、ハロゲン化銀乳剤層に留まる。一方、未露光部のハロゲン化銀は、上記現像液中に添加されたハロゲン化銀溶剤によって溶解され、銀錯体となり支持体上の物理現像核層まで移動・拡散し、そこで現像主薬により還元されることにより、導電性の金属銀を析出させている。一方、露光部位にある化学現像銀を含む乳剤層は、ウォッシュオフを行うことにより除去している。しかしながら、支持体上にはなお当該物理現像核層が残存したままであり、透明性確保のためにはマイナス因子となっている。更に、極薄い物理現像核層の塗布を含めて製造工程が煩雑となる等の課題があった。
【特許文献1】特開昭55−91199号公報
【特許文献2】国際公開第04/39138号パンフレット
【特許文献3】特開平5−16281号公報
【特許文献4】特開平11−170421号公報
【特許文献5】特開平10−151858号公報
【特許文献6】国際公開第04/007810号パンフレット
【特許文献7】特開2004−221564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、従来から提案されてきた基板上に導電性パターンを付与する方法には、それぞれの問題点があった。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、フィルムやガラス基板等の基板上に、高精度の導電性パターンを、比較的簡便な方式で得ることができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題を克服する方式を鋭意検討した結果、上記の銀塩拡散転写方式や化学現像方式とは異なる方式、即ち、銀塩硬化現像方式に着目し、上記課題を解決したものである。
【0011】
(1)基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、および(D)前記未硬化部が除去された除去部に無電解めっき処理を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
(2)基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)前記未硬化部が除去された除去部に無電解めっき処理を行った後に、(E)硬化部の除去を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
(3)基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)基板上に無電解めっき触媒の付着、および(E)硬化部の除去を行った後に、(F)無電解金属めっきを施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
(4)基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)基板上に無電解めっき触媒の付着、(E)酵素によるエッチング処理、および(F)無電解金属めっきを行った後に、(G)硬化部の除去を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
(5)基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)基板上に無電解めっき触媒の付着、(E)酵素によるエッチング処理、(F)無電解金属めっき、および(G)電解金属めっきを行った後に、(H)硬化部の除去を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
(6)無電解めっき処理が、金、銀、銅、亜鉛またはニッケルめっき処理であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。
【0012】
硬化現像法とは、J.Photo.Sci.誌11号 p1、A.G.Tull著(1963)或いは「The Theory of the photographic Process(4th edition,p326−327)」、T.H.James著等に記載されている様に、フィルム等の支持体上に塗布した実質的に硬膜剤を含まない未硬膜の感光性ハロゲン化銀乳剤層を、ポリヒドロキシベンゼン系等の現像主薬を含む現像液で処理することによって、現像主薬が露光部のハロゲン化銀を還元した際に、現像主薬自身から生成された酸化体により、ゼラチンを架橋させて画像状に硬膜させる方法である。未露光部のハロゲン化銀は現像主薬による還元を受けないため、現像主薬の酸化化合物の生成は無くゼラチン硬膜反応は生じない。これを現像後に温水などで洗浄すると、水溶性ゼラチンを主たるバインダーとして含有する未露光部のハロゲン化銀乳剤層は除去され、露光部で架橋された画像部だけが支持体上に残り、レリーフ画像が形成される。
【0013】
従来から感光性ハロゲン化銀硬化現像法を用いた印刷版や画像表示材料は知られてきている。例えば、回路パターンを形成するための露光用マスク材料への応用については、特開2003−315957号公報に記載されており、硬化現像による着色レリーフコロイド状画像を得る方法に関しては、特開昭59−64837号公報、特開昭59−64838号公報および特開昭62−141535号公報に開示がなされている。しかしながら、この硬化現像法のその他の応用については、印刷版や画像表示材料に留まっていた。
【0014】
本発明における導電性パターンとは、連続する導電性配線画像または非連続な導電性孤立配線画像であり、前者は、主に格子、ハニカム、渦巻き、放射状、円形、直線、多角形などの形状を有しており、任意の端部から最遠部の端部までの導通が図られているものである。一方、後者の非連続な導電性孤立配線画像とは、主に円形、直線、多角形、星形などの形状を有する孤立した配線画像のことである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フィルムやガラス基板等の基板上に、高精度かつ導電性に優れた導電性パターンを、比較的簡便な方式で得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の硬化現像法を用いた導電性パターンの形成方法について、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の導電性パターンの形成プロセスのひとつの実施形態を示す模式図であり、図2、図3、図4および図6は、同じく別の実施の形態を示す模式図である。
【0017】
図1(イ)に於いては、基板(1a)上に感光性ハロゲン化銀乳剤層(2)が積層されており、図1(ロ)に示すようにマスクフィルム(4)を介して画像状露光、硬化現像処理および未硬化部の除去を行うことによって、画像状露光によって得られた、実質的に非導電性の硬化乳剤層(2a)が基板上に残存する(図1(ハ))。なお、画像状露光の方式に関しては、マスクフィルム(4)を介せずレーザー光等による直接露光方式を用いても良い。
【0018】
本発明者らは、これ以後の無電解めっき工程に関して鋭意検討した結果、実質的に非導電性である硬化乳剤層(2a)には無電解めっきが進行し難く、未硬化部の乳剤層が除去された基板表面には比較的速く無電解めっきが進行するという事実を見い出した(図1(ニ))。
【0019】
従って、図1(ハ)の形態を得た後に、当業界内で良く知られている無電解めっき処理を施すことにより、図1(ニ)の様な無電解金属めっき部(3)を有する導電性パターンが形成されてくる。本発明に係る基板が透光性を必要としない用途では、図1(ニ)の形態での使用が可能となる。
【0020】
本発明に係る基板に対して透光性が求められる用途などでは、図2、図3に示す様に実質的に非導電性の硬化乳剤層(2a)を除去する必要がある。図2においては、図1で述べたほぼ同様な工程、即ち、露光、硬化現像、未硬化部の除去および無電解めっきの工程を経た後、更に、硬化乳剤層(2a)を除去する工程を経て、導電性パターンを有する基板(図2(ホ))が得られる。
【0021】
図3においては、パターン状に得られた硬化乳剤層(2a)を有する基板に、無電解めっき触媒(5)を付着させ(図3(ニ))、その後に硬化乳剤層を除去する。無電解めっき触媒(5)は、図3に示したように硬化乳剤層表面及びそれ以外の基板表面全面に付着しているので、硬化乳剤層を除去することにより、マスクフィルムのパターンと同じ触媒パターンが得られる事になる(図3(ホ))。図3(ホ)で得られたパターン状に無電解めっき触媒が付着した基板に、通常の無電解金属めっきを施すことにより、容易に導電性金属めっきパターンが形成できる。
【0022】
硬化乳剤層(2a)の除去には種々の方法がある。例えば、プロテアーゼ等の蛋白分解酵素で架橋部分を分解除去する方法、イオン強度の高いアルカリ液で分解除去する方法、次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤の水溶液を接触させることにより分解除去する方法等がある。
【0023】
図4においては、パターン状に得られた硬化乳剤層(2a)を有する基板(図4(ハ))に、無電解めっき触媒(5)を付着させ(図4(ニ))、その後、酵素によるエッチング処理により硬化乳剤層(2a)の表面から無電解めっき触媒(5)を取り除く。図4(ホ)で得られたパターン状に無電解めっき触媒が付着した基板(硬化乳剤層(2a)も有する)に、通常の無電解金属めっきを施すことにより、容易に導電性金属めっきパターンが形成できる。そしてその後、硬化乳剤層(2a)を除去する。
【0024】
酵素によるエッチング処理は、硬化乳剤層(2a)の表面近傍に存在する無電解めっき触媒(5)を選択的に除去することを目的とするものであり、上記硬化乳剤層(2a)の除去方法と同様に、プロテアーゼ等の蛋白分解酵素を用いてエッチング処理することで、基板(1a)上の無電解めっき触媒(5)を除去することなく、硬化乳剤層(2a)の表面近傍に存在する無電解めっき触媒(5)を選択的に除去することが可能である。なお、前述の硬化乳剤層(2a)の除去にあたっては、例えば蛋白分解酵素を用いる場合には、10〜80℃の蛋白分解酵素含有溶液中に少なくとも60秒以上、好ましくは90秒以上浸漬することで硬化乳剤層(2a)を分解除去することが可能であるが、これに対し酵素によるエッチング処理は、10〜80℃の酵素含有溶液中に長くとも60秒未満、好ましくは50秒未満で浸漬する。
【0025】
上記した本発明の形態をとることで、充分な導電性を有する当該パターンが容易に得られるが、なお金属めっき層の厚みが求められる用途では、更に、電解めっきを施すことができる。電解めっき工程に関しては、当業界で一般的に実施されている電解めっきの方法を準用することができる。
【0026】
図5は電解めっきを施した際の概略模式図である。無電解めっき部(3)に電解めっきを施す場合、その厚みにもよるが、厚みが増すと同時に、連続する導電性配線画像または非連続な導電性孤立配線画像等の線幅も太る傾向にある(図5(イ))。しかしながら図6(ヘ)に示すように、硬化乳剤層(2a)を除去することなく、無電解めっきにより無電解金属めっき部(3)を設け、更に電解金属めっき部(6)を設けることで、硬化乳剤層(2a)の存在により線幅が太ることなく容易に高精細な導電性金属めっきパターンを形成することが可能となる。そしてその後、硬化乳剤層(2a)を除去する。
【0027】
本発明の導電性パターンの形成方法に利用する写真感光材料は、少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する。該感光性ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀結晶としては、例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むハロゲン化銀結晶等が挙げられる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩を含んでいても良く、その添加量はハロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1×10-3モルである。ハロゲン化銀の結晶形態は特に制限はなく、立方体乃至14面体粒子、更にはコアシェル型、平板状粒子であっても良い。ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であっても良く、その平均粒径は0.05〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つとしては、ロジウム塩若しくはイリジウム塩を含む、塩化銀が80モル%以上の単分散若しくは多分散結晶がある。
【0028】
本発明に用いられる基板としては、基紙の両面をポリエチレン系樹脂等で被覆した樹脂被覆紙、合成もしくは半合成高分子フィルム、例えば、PET等のポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム等、当業界で公知のフィルム素材を使用することができる。ガラス基板としては、当業界で公知のガラス素材を使用することができる。用途、求められる性能等によって選択する必要があるが、例えば、ソーダ石灰、ホワイトクラウン等のソーダライムガラス、ホウケイ酸、無アルカリ、アルミノケイ酸等の低膨張ガラス、合成石英ガラス等が挙げられる。
【0029】
本発明に用いられる基板と、無電解めっき処理を施して得られる金属薄膜との接着、および当該基板と感光性ハロゲン化銀乳剤層との接着を強化する為に、基板の表面をコロナ放電処理を施すことおよび/または極微量の樹脂またはゼラチン等を塗布しておいても良い。
【0030】
本発明に係わるハロゲン化銀乳剤層のバインダーとしては、水溶性ゼラチン単独または、ガゼイン、デキストリン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、澱粉等と組み合わせることができる。水溶性ゼラチンにおいては酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼラチン等のいずれも使用することができる。
【0031】
更に、本発明に係わるハロゲン化銀乳剤層のバインダーとして、平均分子量が約5万以下の低分子量のゼラチンを使用することが好ましい。低分子量ゼラチンに関しては、例えば特開平1−158426号公報、同平4−340539号公報、同平8−110641号公報等に記載されている。本発明に係わる低分子量ゼラチンの製造法は、前記特許に記載されている方法、例えば好ましくは酵素分解処理により製造することが出来る。平均分子量は約5万以下、好ましくは約2万以下、特に好ましくは約3千〜約2万の範囲である。
【0032】
本発明に係わる低分子量ゼラチンは、ハロゲン化銀乳剤層または/および任意に設けられる親水性ポリマーをバインダーとする親水性コロイド層に含有される。含有される層は1層だけであっても、複数の層であってもよい。本発明に係わる低分子量ゼラチンの添加量は、その分子量や添加される層のバインダーの種類等によって異なり、その層を構成するバインダー量の1質量%程度のごく少量から100質量%まで広範囲にあり得る。ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合、低分子量ゼラチンの添加量は、ハロゲン化銀乳剤層を構成する総バインダー量に対して30質量%以上、好ましくは50質量%以上がよい。
【0033】
ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時または塗布される時に種々な方法で増感することができる。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によって、または金化合物、例えばロダン金、塩化金によって、またはこれら両者の併用など当該技術分野に於いて良く知られた方法で化学的に増感することが好ましい。ハロゲン化銀乳剤はまた、例えばシアニン、メロシアニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも増感または減感され得る。その増感または減感され得る波長域に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンクロ増感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし得るし、可視光増感もなし得る。
【0034】
また、本発明のハロゲン化銀乳剤には、イラジエーションあるいはハレーションによる画像劣化に対応するために通常のハロゲン化銀写真乳剤に使用される染料や顔料を添加することができる。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤層または/および任意に設けられる親水性コロイド層に含有される染料、および顔料としては、当業者で周知のものを単独、あるいは組み合わせて使用することができる。染料と顔料という用語は使用する産業ごとに独特の定義があるために、明確に両者を区別する一般的な基準がないが、染料とは水中で均一に溶解する着色料であり、顔料とは水にほとんど溶解せず、水中で粒子を形成している着色料として区別するとわかりやすい。染料は水への溶解性を高めるために、分子中にスルホン酸基またはカルボン酸基等の水溶性基を複数含有していることが好ましい。
【0035】
更に、本発明のハロゲン化銀乳剤層には、必要に応じて当業界内で知られている添加剤を添加することができる。アニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセテート等のキレート剤、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含有させてもよい。また、アザインデン類、複素環式メルカプト化合物等の安定剤、かぶり抑制剤を添加することもできる。
【0036】
本発明に係る、(A)画像状露光の方法に関しては、ハロゲン化銀乳剤の当該感光域に適した均一光をマスクフィルムを介して露光を行うか、または当該感光域に発振波長を有するレーザー光を画像状に照射する方法等がある。
【0037】
本発明に係る、(B)硬化現像処理および(C)未硬化部の除去について説明する。本硬化現像処理の工程に於いて用いられる現像液には、現像主薬としてポリヒドロキシベンゼン類(例えばピロガロール、カテコール、ハイドロキノン)を用いる。更に、3−ピラゾリジノン類等の補助現像主薬、アルカリ性物質として、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、アミン化合物等、保恒剤として、例えば亜硫酸ナトリウム等、増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース等、かぶり防止剤として、例えば臭化カリウム等、現像調節剤として、例えばポリオキシアルキレン化合物等、ハロゲン化銀溶剤として、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは、通常10以上14以下が好ましい。
【0038】
(C)未硬化部の除去は、硬化現像処理後の未硬化部(非画像部)のハロゲン化銀乳剤層を除去し、基板表面を露出する工程である。ハロゲン化銀乳剤層の除去を主目的としている為、本工程で用いられる処理液は水を主成分とするが、pH緩衝成分を含有しても良い。また、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有することができる。ハロゲン化銀乳剤層を除去する方法としては、スポンジ等で擦り取る方法、ローラーを膜面に当ててスリップさせることによってはがしとる方法、ローラーを膜面に接触させてローラーに巻き付ける方法等がある。物理的な接触は不都合なピンホール等を誘発するため、好ましくは物理的接触でハロゲン化銀乳剤層を除去する工程を実質的に含まない方が良い。本発明における硬化現像処理後の好ましい態様としては、処理液流をハロゲン化銀乳剤面に当てることによって、ハロゲン化銀乳剤を除去するのがよい。処理液流をハロゲン化銀乳剤面に当てる方法としては、シャワー方式、スリット方式等を単独、あるいは組み合わせて使用できる。また、シャワーやスリットを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。
【0039】
未硬化部(非画像部)のハロゲン化銀乳剤層を除去し、基板表面を露出した後、当該除去部に対し、無電解めっきを施す。図3の態様においては、未硬化部(非画像部)のハロゲン化銀乳剤層を除去し、基板表面を露出した後、基板表面に無電解めっき触媒を付着させる。本工程については、基板を当該触媒を有する液の中に浸漬する方法または基板表面に当該触媒液を塗布する方法等があるが、いずれの方法によっても容易に触媒を付着させることができる。表面に無電解めっき触媒を付着させた硬化乳剤層の除去には、前述したように種々の方法があるが、効率的な硬化乳剤層の除去及び基板上に残存付着している触媒活性の保持を行う為には、プロテアーゼ等の蛋白分解酵素の使用が特に有効である。
【0040】
無電解金属めっきとは、析出させるべき金属塩とその還元剤とを含む水溶液中に、基板を漬けて当該基板の表面に金属を析出させる方法である。通常は、前処理として、無電解めっきの核となる触媒金属(一般には、パラジウム−錫錯体を用いる)を吸着させるキャタリスト付加工程、次いで錫塩を溶解させ、酸化還元反応によって金属パラジウムを生成させるアクセレーターと称する工程を経た後、無電解金属めっきが行われる。
【0041】
無電解金属めっき工程では、めっき液中の還元剤が、触媒活性なパラジウム表面で酸化される際に放出される電子によって、金属イオンが還元され、当該金属のめっき皮膜が生成されると考えられており、その用途により、金、銀、銅、亜鉛またはニッケル用の無電解めっき処理液を使い分けることができる。
【0042】
電解金属めっきとは、金属が溶けてイオン化している水溶液(めっき浴)中に、陰極(−)として処理物を、陽極(+)としてめっきと同一の金属をそれぞれ浸し、両極間に電流を流し、これによりめっき浴中の金属イオンは陰極へと移動し、処理物表面で電子を交換して元の金属に還元、析出しめっき層を生成させる方法である。本発明における電解金属めっきとしては電解銅めっき、電解ニッケルめっき、電解亜鉛めっき、電解スズめっき等の公知のめっき方法を用いることができ、その方法として例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)記載の方法を用いることができる。どのめっき法を用いるかは製造する導電性材料の用途によって異なるが、導電性をさらに高めるためにめっきする場合、銅めっきやニッケルめっきが好ましい。銅めっきのめっき法として好ましい方法としては硫酸銅浴めっき法やピロリン酸銅浴めっき法、ニッケルめっき法としてはワット浴めっき法、黒色めっき法などが好ましい。
【0043】
以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、記載中%は特に断りのない限り質量%を表す。
【実施例1】
【0044】
臭化銀65.5モル%、塩化銀34.0モル%、ヨウ化銀0.5モル%の組成を有する、ヨウ塩臭化銀結晶を有する感光性ハロゲン化銀乳剤を中性シングルジェット法により調製した。該ヨウ塩臭化銀ゼラチン乳剤の平均粒径は0.45μmであった。続いて該感光性ハロゲン化銀乳剤にゼラチンを加え、次いでチオ硫酸ナトリウムを添加して化学増感を行った。更に、安定剤、界面活性剤を加えた後、写真用ポリエステルフィルムにこれを塗布、乾燥し、感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を作製した。尚、感光性ハロゲン化銀乳剤の塗布銀量(硝酸銀換算)、平均分子量約30万の高分子量ゼラチンの塗布量及び平均分子量約1万以下の低分子量ゼラチンの塗布量は、下記表1の配分となるように塗布液を調整し、試料A〜Eを得た。
【0045】
【表1】

【0046】
次いで、得られた試料A〜Eを、10μmのラインおよび200μmのスペースを有するラインアンドスペースネガ/ポジ画像および10mm×10mmの正方形のネガ/ポジ画像を有する、マスクフィルムを介して、密着露光を行った。試料A〜Eの露光済みのフィルムを下記硬化現像液(20℃)に10秒間浸した後、直ちに、約35℃の温水シャワーで洗浄した所、いずれの試料共に、未露光部(未硬膜)のハロゲン化銀乳剤層が容易に除去できることを確認した。尚、試料A〜E中、試料Bおよび試料Dは、未硬化部の除去性がとりわけ優れていた。
【0047】
(硬化現像液処方)
炭酸ナトリウム 30g
亜硫酸ナトリウム 1g
硫酸ナトリウム 100g
カテコール 2g
脱イオン水にて1000mlとした。
pH(25℃)=10.7
【0048】
上記温水シャワーにて未露光部を除去し乾燥を行った試料(A〜E)の解像度をルーペにて目視観察したが、マスクフィルムと同様に、10μm/200μmのラインアンドスペース画像および10mm×10mmの正方形の画像が、それぞれ鮮明にネガ/ポジ反転した像として得られた。
【0049】
画像状露光、硬化現像処理、および未硬化部の除去を行った上記試料(A〜E)についてそれぞれ、メルテックス社製の銅めっき処理液を用い下記条件で銅めっき処理を施し、その後水洗、乾燥した。
【0050】
1)エンプレートアクチベーター444
(パラジウム−錫錯体含有液/触媒付与) 室温 3分
2)メルプレートPA−360 (密着増強) 〃 〃
3)メルプレートCU−390 (銅めっき浴) 〃 15分
【0051】
得られた試料1A〜1Eは共に、密着性に優れ緻密な銅めっきが均一にポリエステルフィルム表面に生成しており、10mm×10mmの正方形のベタ銅めっき部の表面固有抵抗値は何れも1.0Ω/□以下を示していた。
【実施例2】
【0052】
上記実施例1で得られた銅めっき処理を施した試料1A〜1Eを0.3%ビオプラーゼ(長瀬ケムテックス社製プロテアーゼ)の50℃の溶液に5分間漬け、硬化乳剤層を分解した後、スポンジで軽く擦ることにより硬化乳剤層を除去し、35℃の温水シャワーにて洗浄、乾燥を行った。得られた試料2Aから2Eはいずれも、マスクフィルムと同様な10μm/200μmのラインアンドスペース画像および10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が残存しており、更に、非画像部は透明なフィルム面を形成していた。尚、試料2A〜2E中、試料2Bおよび試料2Dは、スポンジで軽く擦った際の硬化部の除去性がとりわけ優れていた。
【実施例3】
【0053】
上記実施例1で得られた銅めっき処理を施していない試料A〜E(露光、硬化現像処理および未硬化部の除去を行った試料)について、それぞれ、下記メルテックス社製のニッケルめっき処理液を用い下記条件でニッケルめっき処理を施し、その後水洗、乾燥した。
【0054】
1)エンプレートアクチベーター444
(パラジウム−錫錯体含有液/触媒付与) 室温 3分
2)メルプレートPA−360 (密着増強) 〃 〃
3)メルプレートNI−6522LF (ニッケルめっき浴) 80℃ 15分
【0055】
得られた試料3A〜3Eは共に、密着性に優れ緻密なニッケルめっき面が均一にポリエステルフィルム表面に生成しており、10mm×10mmの正方形のベタニッケルめっき部の表面固有抵抗値は何れも1.5Ω/□以下を示していた。
【実施例4】
【0056】
更に、実施例2で述べたと同様に、上記実施例3で得られたニッケルめっきを施した各試料を0.2%ビオプラーゼ(長瀬ケムテックス社製プロテアーゼ)の50℃の溶液に5分間漬け、硬化乳剤層を分解した後、スポンジで軽く擦ることにより硬化乳剤層を除去し、35℃の温水シャワーにて洗浄、乾燥を行った。得られた試料4Aから4Eはいずれも、マスクフィルムと同様な10μm/200μmのラインアンドスペース画像および10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が残存しており、更に、非画像部は透明なフィルム面を形成していた。尚、試料4A〜4E中、試料4Bおよび試料4Dは、スポンジで軽く擦った際の硬化部の除去性がとりわけ優れていた。
【実施例5】
【0057】
実施例1において、画像状露光、硬化現像処理、および未硬化部の除去を行った上記試料(A〜E)についてそれぞれ、無電解めっき触媒を含有するメルテックス社製のめっき前処理液を下記条件で浸漬処理を行った。
1)エンプレートアクチベーター444
(パラジウム−錫錯体含有液/触媒付与) 室温 3分
2)メルプレートPA−360(密着増強) 〃 〃
3)水洗 〃 1分
【0058】
上記処理を施した試料A〜Eの硬化乳剤層を除去する為に、0.5%ビオプラーゼ(長瀬ケムテックス社製プロテアーゼ)の40℃の溶液に3分間漬けて硬化乳剤層を分解した。その後、約35℃の温水シャワーにて洗浄することにより、容易に硬化乳剤層が除去できた。
【0059】
更に、下記メルテックス社製の無電解銅めっき液に浸漬することにより、導電性銅パターンを有する基板を作製した。
1)メルプレートCU−390 (銅めっき浴) 室温 15分
2)水洗 〃 1分
3)乾燥 50℃ 1分
【0060】
得られた試料5Aから5Eはいずれも、マスクフィルムと同様な10μm/200μmのラインアンドスペース画像および10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が形成されており、更に、非画像部は透明なフィルム面を形成していた。更に、試料5A〜5Eは共に、密着性に優れ緻密な銅めっきが均一にポリエステルフィルム表面に形成されており、10mm×10mmの正方形のベタ銅めっき部の表面固有抵抗値は何れも1.0Ω/□以下を示していた。
【実施例6】
【0061】
上記実施例5で用いたポリエステルフィルムに換え、ポリカーボネートフィルムを用いて実施例1と同様に乳剤塗布および実施例5と同様に処理を行った。いずれの試料も、マスクフィルムと同様な10μm/200μmのラインアンドスペース画像および10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が形成されており、更に、非画像部は透明なフィルム面を形成していた。更に、密着性に優れ緻密な銅めっきが均一にポリカーボネートフィルム表面に形成されており、10mm×10mmの正方形のベタ銅めっき部の表面固有抵抗値は何れも1.0Ω/□以下を示していた。
【実施例7】
【0062】
上記実施例5で得られた無電解銅めっき処理のみを施していない試料A〜E(画像状露光、硬化現像処理および未硬化部の除去、めっき触媒の付与、およびビオプラーゼによって硬化乳剤層の除去を行った試料)について、それぞれ、下記メルテックス社製のニッケルめっき液にて無電解ニッケルめっきを行った。
【0063】
1)メルプレートNI−6522LF(ニッケルめっき浴) 80℃ 15分
2)水洗 室温 1分
3)乾燥 50℃ 1分
【0064】
得られた試料7Aから7Eは共に、マスクフィルムと同様な10μm/200μmのラインアンドスペース画像および10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が形成されており、更に、非画像部は透明なフィルム面を形成していた。また、各試料共に、密着性に優れ緻密なニッケルめっきが均一にポリエステルフィルム表面に形成されており、10mm×10mmの正方形のベタのニッケルめっき部の表面固有抵抗値は何れも1.5Ω/□以下を示していた。
【実施例8】
【0065】
実施例1において、画像状露光、硬化現像処理、および未硬化部の除去を行った試料(A〜E)についてそれぞれ、実施例5と同様に無電解めっき触媒を含有するメルテックス社製のめっき前処理液で浸漬処理を行った。得られた各試料を0.2%ビオプラーゼ(長瀬ケムテックス社製プロテアーゼ)の30℃の溶液に30秒間漬け、スポンジで軽く擦ることによりエッチング処理を行い、硬化乳剤層表面のパラジウム−錫錯体を除去し、35℃の温水シャワーにて洗浄、乾燥を行った。その後実施例5と同様の方法で無電解銅めっきを行い、更に0.5%ビオプラーゼ(長瀬ケムテックス社製プロテアーゼ)の40℃の溶液に3分間漬けて硬化乳剤層を分解した。その後、約35℃の温水シャワーにて洗浄、乾燥した。
【0066】
得られた試料8Aから8Eはいずれも、マスクフィルムと同様な10μm/200μmのラインアンドスペース画像および10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が形成されており、更に、非画像部は透明なフィルム面を形成していた。更に、試料8A〜8Eは共に、密着性に優れ緻密な銅めっきが均一にポリエステルフィルム表面に形成されており、10mm×10mmの正方形のベタ銅めっき部の表面固有抵抗値は何れも1.0Ω/□以下を示していた。
【実施例9】
【0067】
実施例5で得られた試料5Aから5Eに、更に下記方法により電解銅めっきした。なお銅めっき部分の膜厚は3μmとなるようにした。
<電解銅めっき浴1>
硫酸銅・5水和物 75g/L
硫酸 190g/L
光沢剤 適量
塩化物イオン 50mg/L
浴温 25℃
陰極電流密度 4A/dm2
光沢剤として、ローム・アンド・ハース社製、カパーグリーム CLXを用いた。
【0068】
得られた試料9Aから9Eは何れも10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が形成されており、また10mm×10mmの正方形のベタの銅めっき部の表面固有抵抗値は何れも0.5Ω/□以下を示していたが、マスクフィルムのラインアンドスペース画像の線幅が10μm/200μmであるのに対し、得られたラインアンドスペース画像の線幅はおおむね14〜16μm(ポジ細線)、4〜6μm(ネガ細線)であった。
【実施例10】
【0069】
実施例8において無電解銅めっきを行った後、引き続いて実施例9に記載の電解銅めっきを行った以外は実施例8と同様にして試料10Aから10Eを得た。
【0070】
試料10Aから10Eは何れも10mm×10mmの正方形の導電性パターン画像が形成されており、10mm×10mmの正方形のベタの銅めっき部の表面固有抵抗値は何れも0.5Ω/□以下を示していた。また実施例9で得られた試料9Aから9Eのラインアンドスペース画像の線幅がおおむね14〜16μm(ポジ細線)、4〜6μm(ネガ細線)であったのに対し、試料10Aから10Eのラインアンドスペース画像は何れも電解めっきを施すことによる太りは殆ど無く、得られたラインアンドスペース画像の線幅はポジ細線、ネガ細線の何れもおおむね10μmであった。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の導電性パターンの形成方法によれば、基板は透明であっても不透明であっても良いので、実施例等で説明したように、広範な導電性パターンを有する基板作製に活用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の導電性パターン形成プロセスの一つの実施形態を示す模式図
【図2】本発明の導電性パターン形成プロセスの別の実施形態を示す模式図
【図3】本発明の導電性パターン形成プロセスの別の実施形態を示す模式図
【図4】本発明の導電性パターン形成プロセスの別の実施形態を示す模式図
【図5】電解めっきを施した際の概略模式図
【図6】本発明の導電性パターン形成プロセスの別の実施形態を示す模式図
【符号の説明】
【0073】
1a、1b 基板
2 感光性ハロゲン化銀乳剤層
2a 硬化乳剤層(ゼラチン架橋部)
3 無電解金属めっき部
4 マスクフィルム
5 無電解めっき触媒
6 電解金属めっき部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、および(D)前記未硬化部が除去された除去部に無電解めっき処理を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
【請求項2】
基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)前記未硬化部が除去された除去部に無電解めっき処理を行った後に、(E)硬化部の除去を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
【請求項3】
基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)基板上に無電解めっき触媒の付着、および(E)硬化部の除去を行った後に、(F)無電解金属めっきを施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
【請求項4】
基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)基板上に無電解めっき触媒の付着、(E)酵素によるエッチング処理、および(F)無電解金属めっきを行った後に、(G)硬化部の除去を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
【請求項5】
基板上に少なくとも一種の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材料を、(A)画像状露光、(B)硬化現像処理、(C)未硬化部の除去、(D)基板上に無電解めっき触媒の付着、(E)酵素によるエッチング処理、(F)無電解金属めっき、および(G)電解金属めっきを行った後に、(H)硬化部の除去を施すことを特徴とする導電性パターンの形成方法。
【請求項6】
無電解めっき処理が、金、銀、銅、亜鉛またはニッケルめっき処理であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の導電性パターンの形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−231566(P2008−231566A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139881(P2007−139881)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】