説明

導電性ペースト組成物、転写フィルムおよびプラズマディスプレイパネル

【課題】導電性粒子の分散安定性、保存安定性、塗布特性に優れた導電性ペースト組成物、可撓性および転写性に優れた転写フィルムおよび少ない工程数で製造でき、寸法精度の高い電極を有するプラズマディスプレイパネルを提供すること。
【解決手段】導電性粒子、結着樹脂および脂肪酸を含有する導電性ペースト組成物からなる膜形成材料層が支持フィルム上に形成されていることを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの電極形成用転写フィルムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性ペースト組成物およびそれを用いた転写フィルムに関し、さらに詳しくは、プラズマディスプレイパネル等の電極形成のために好適に使用することができる導電性ペースト組成物およびそれを用いた転写フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近において、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう。)の断面形状を示す模式図である。同図において、1及び2は、対向配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガラス基板1、ガラス基板2及び隔壁3によりセルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定されたバス電極、5はガラス基板2に固定されたアドレス電極、6はセル内に保持された蛍光物質、7はバス電極4を被覆するようガラス基板1の表面に形成された誘電体層、8は例えば酸化マグネシウムよりなる保護膜である。アドレス電極5は導電性粒子を主成分としたペーストより形成され、その膜厚は例えば5〜20μmとされる。
【0003】
アドレス電極5の形成方法としては、導電性粉末、結着樹脂および溶剤を含有するペースト状の組成物(導電性ペースト組成物)を調製し、この導電性ペースト組成物をスクリーン印刷法によってガラス基板2の表面に塗布して乾燥することにより膜形成材料層を形成し、次いでこの膜形成材料層を焼成することにより有機物質を除去して導電性粒子の金属粉末を焼結させる方法が知られている。
【0004】
ここに、導電性ペースト組成物を構成する結着樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリα−メチルスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、などが知られており、これらのうち、導電性粒子の分散性、組成物の塗布特性、燃焼の容易性などの観点から、エチルセルロースが好ましいとされている。
【0005】
しかしながら、前述のスクリーン印刷法で直接ガラス基板に電極パターンを形成する場合には、パターンを有するスクリーンマスクと基板の間に数mmのギャップを設け、スキージでスクリーンマスクにテンションを掛けながら印刷するため、版と実際の印刷パターンに寸法差が発生したり、また、印刷回数が増えるにしたがって版の寸法が変化する版伸びという問題が生じ、高精細のパターン形成が困難であった。
さらに、スクリーン印刷を用いる塗布方法は、スクリーン版のメッシュ形状が膜形成材料層の表面に転写されることがあり、このような膜形成材料層を焼成して形成される電極は、表面の平滑性に劣るものとなる。
【0006】
スクリーン印刷によって膜形成材料層を形成する場合における上記のような問題を解決する手段として、本発明者らは、レジスト膜と導電性ペースト層との積層膜を支持フィルム上に形成し、支持フィルム上に形成された積層膜を基板上に転写し、当該積層膜を構成するレジスト膜を露光処理してレジストパターンの潜像を形成し、当該レジスト膜を現像処理してレジストパターンを顕在化させ、導電性ペースト層をエッチング処理してレジストパターンに対応する導電性ペースト層のパターンを形成し、当該パターンを焼成処理する工程を含む方法により、前記基板の表面に電極を形成する工程を含むPDPの製造方法を提案している(特願平9−340514号明細書参照)。
このような製造方法によれば、高精細パターンの形成が可能でかつ表面の均一性に優れ
た電極を形成することができ、また、膜形成材料層が支持フィルム上に形成されてなる複合フィルム(以下、「転写フィルム」ともいう。)は、これをロール状に巻き取って保存することができる点でも有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、セルロース誘導体などの従来公知の樹脂を含有する導電性ペースト組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成する(転写フィルムを製造する)場合には、形成される膜形成材料層が十分な可撓性を有するものとならず、転写フィルムを折り曲げると、当該膜形成材料層の表面に微小な亀裂(ひび割れ)が発生するという問題がある。
また、セルロース誘導体を含有する膜形成材料層は、ガラス基板に対して十分な接着性(加熱接着性)を発揮することができないため、支持フィルムからガラス基板の表面に転写されにくいという問題もある。
【0008】
このような問題に対して、本発明者らは、結着樹脂としてアクリル樹脂を含有する導電性ペースト組成物を調製し、当該導電性ペースト組成物を支持フィルム上に塗布することにより、膜形成材料層の転写性(ガラス基板に対する接着性)に優れた転写フィルムが得られることを見出した。
【0009】
しかしながら、アクリル樹脂を含有する導電性ペースト組成物は、導電性粒子の分散安定性が不十分であるために、当該組成物中において導電性粒子の凝集物が経時的に発生したり、これらが沈降して、保存容器の底部にケーキ状の堆積物が発生したりする、という新たな問題が生じた。
そして、導電性粒子の凝集物を含む導電性ペースト組成物を塗布して形成される膜形成材料層には、前記凝集物に起因する筋状の塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥が発生し、また、導電性粒子が沈降分離された組成物によれば、所望の電極パターンを形成することができない。
また、アクリル樹脂を含有する導電性ペースト組成物を支持フィルム上に塗布して膜形成材料層を形成する場合において、形成される膜形成材料層の可撓性は依然として十分なものではない。
【0010】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、導電性粒子の分散安定性に優れた導電性ペースト組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、導電性粒子の凝集物を含有せず、当該凝集物を経時的にも発生させない導電性ペースト組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、保存容器の底部において、ケーキ状の堆積物を発生させない保存安定性に優れた導電性ペースト組成物を提供することにある。
本発明の第4の目的は、塗膜を乾燥して形成される膜形成材料層に、筋状の塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥を発生させない導電性ペースト組成物および転写フィルムを提供することにある。
本発明の第5の目的は、可撓性に優れた膜形成材料層を備えた転写フィルムを提供することにある。
本発明の第6の目的は、膜形成材料層の転写性(ガラス基板に対する膜形成材料層の加熱接着性)に優れた転写フィルムをを提供することにある。
本発明の第7の目的は、少ない工程数で製造でき、寸法精度の高い電極を有するプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の導電性ペースト組成物は、(A)導電性粒子、(B)結着樹脂および(C)脂肪酸を含有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の導電性ペースト組成物について詳細に説明する。
本発明の導電性ペースト組成物は、導電性粒子、結着樹脂および脂肪酸を必須成分として含有する。
【0013】
<導電性粒子>
本発明の組成物を構成する導電性粒子としては、Ag、Au、Al、Ni、Ag−Pd合金、Cu、Crなどを挙げることができる。
また、導電性粒子の平均粒径としては、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.2〜5μmである。導電性粒子の平均粒径が0.1μm未満の場合は、導電性粒子の比表面積が大きくなることから導電性ペースト中で粒子の凝集が発生しやすくなり、安定した分散状態を得るのが難しくなる。一方、導電性粒子の平均粒径が10μm以上の場合は、高精細の電極パターンを得るのが難しくなる。
【0014】
<結着樹脂>
本発明の導電性ペースト組成物に使用される結着樹脂としては、種々の樹脂を用いることができるが、アルカリ可溶性樹脂を30〜100重量%の割合で含有する樹脂を用いることが好ましい。
ここに、「アルカリ可溶性」とは、アルカリ性のエッチング液によって溶解し、目的とするエッチング処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。
かかるアルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。
このようなアルカリ可溶性樹脂のうち、特に好ましいものとしては、下記のモノマー(イ)とモノマー(ロ)との共重合体、モノマー(イ)、モノマー(ロ)およびモノマー(ハ)の共重合体などのアクリル樹脂を挙げることができる。
【0015】
モノマー(イ):
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸などのカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モノマー類などに代表されるアルカリ可溶性官能基含有モノマー類。
モノマー(ロ):
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどのモノマー(イ)以外の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類などに代表されるモノマー(イ)と共重合可能なモノマー類。
モノマー(ハ):
ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に、(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマーなどに代表されるマクロモノマー類:
【0016】
本発明の組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂の分子量としては、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量として4,000〜300,000であることが好ましく、さらに好ましくは10,000〜200,000とされる。
また、本発明の組成物におけるバインダーの含有割合としては、導電性粒子100重量部に対して、通常1〜50重量部とされ、好ましくは1〜40重量部とされる。
【0017】
<脂肪酸>
本発明の組成物は、導電性粒子の分散剤として脂肪酸を含有する点に特徴を有している。脂肪酸を用いることにより、導電性粒子の分散安定性に優れた導電性ペースト組成物を得ることができる。
本発明に用いられる脂肪酸は、炭素数が8〜30であることが好ましい。炭素数が8未満である脂肪酸を含有させた場合、得られる導電性ペースト組成物により形成される膜形成材料層において十分な可撓性が発現されにくい。一方、炭素数が30を越える脂肪酸は分解温度が高く、得られる導電性ペースト組成物による膜形成材料層の焼成工程において、有機物質が完全に分解除去されない段階で導電性粒子が焼結してしまうことがあり、形成される電極中に有機物質の一部が残留し、この結果、安定した低抵抗率を有することができない場合がある。
【0018】
上記脂肪酸の好ましい具体例としては、オクタン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸;エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
本発明の組成物における脂肪酸の含有割合としては、導電性粒子100重量部に対して、0.001〜10重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜5重量部とされる。脂肪酸の割合が過小である場合には、導電性粒子の分散安定性の向上効果、形成される膜形成材料層における可撓性の向上効果を十分に発揮させることができない場合がある。一方、この割合が過大である場合には、得られる導電性ペースト組成物を保存する際に粘度が経時的に上昇したり、焼成時に脂肪酸が十分に燃焼せず、有機物残さとして残存する原因となる場合がある。
【0020】
<溶剤>
本発明の組成物には、通常、溶剤が含有される。上記溶剤としては、導電性粒子との親和性、結着樹脂および脂肪酸の溶解性が良好で、導電性ペースト組成物に適度な粘性を付与することができ、乾燥されることによって容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。
かかる溶剤の具体例としては、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを例示することができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物における溶剤の含有割合としては、組成物の粘度を好適な範囲に維持する観点から、導電性粒子100重量部に対して、5〜50重量部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜40重量部とされる。
【0021】
本発明の導電性ペースト組成物には、上記の必須成分のほかに、低融点ガラス、粘着性
付与剤、可塑剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤、その他の分散剤などの各種添加剤が任意成分として含有されていてもよい。
好ましい導電性ペースト組成物の一例を示せば、導電性粒子として、銀粒子100重量部、ブチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体10〜30重量部、ステアリン酸(飽和脂肪酸)0.1〜10重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル(溶剤)10〜50重量部を必須成分として含有する組成物を挙げることができる。
【0022】
本発明の導電性ペースト組成物は、上記導電性粒子、結着樹脂、脂肪酸および必要に応じて上記任意成分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミルなどの混練機を用いて混練することにより調製することができる。
上記のようにして調製される本発明の組成物は、塗布に適した流動性を有するペースト状の組成物であり、その粘度は、通常1,000〜30,000cpとされ、好ましくは3,000〜10,000cpとされる。
【0023】
本発明の導電性ペースト組成物は、支持フィルム上に膜形成材料層を形成して転写フィルムを製造する際に特に好適に使用することができるが、これらの用途に限定されるものではなく、従来において公知の膜形成材料層の形成方法、すなわち、スクリーン印刷法などによって当該組成物をガラス基板の表面に直接塗布し、塗膜を乾燥することにより膜形成材料層を形成する方法にも好適に使用することができる。
【0024】
<転写フィルム>
本発明の転写フィルムは、支持フィルムと、この支持フィルム上に形成された膜形成材料層とにより構成され、ドライフィルム法による誘電体層の形成工程に使用される複合材料である。
【0025】
本発明の転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有するとともに可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーター、ブレードコーターなどによって本発明の組成物を塗布することができ、膜形成材料層をロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。支持フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。支持フィルムの厚さとしては、例えば20〜100μmとされる。
【0026】
本発明の転写フィルムを構成する膜形成材料層は、本発明の導電性ペースト組成物を上記支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を除去することにより形成することができる。
本発明の導電性ペースト組成物を支持フィルム上に塗布する方法としては、膜厚の均一性に優れた膜厚の大きい(例えば20μm以上)塗膜を効率よく形成することができるものであることが好ましく、具体的には、ロールコーターによる塗布方法、ブレードコーターによる塗布方法、カーテンコーターによる塗布方法、ワイヤーコーターによる塗布方法などを好ましいものとして挙げることができる。
なお、上記支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、ガラス基板への転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
また、本発明の転写フィルムには、膜形成材料層の表面に保護フィルム層が設けられてもよい。このような保護フィルム層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどを挙げることができる。
【0027】
本発明の転写フィルムは、支持フィルム上にレジスト層と膜形成材料層との積層膜が形成されたものであってもよい。ガラス基板に当該積層膜を転写することにより、膜形成材料層上にレジスト膜が形成された積層膜を得ることができる。
レジスト膜を形成するために使用するレジスト組成物としては、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物、有機溶剤現像型感放射線性レジスト組成物、水性現像型感放射線性レジスト組成物などを例示することができるが、好ましくはアルカリ現像型感放射線性レジスト組成物が用いられる。
【0028】
アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂と感放射線性成分を必須成分として含有してなる。
アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、隔壁形成用のガラスペースト組成物を構成するものとして例示したアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物を構成する感放射線性成分としては、例えば、(イ)多官能性モノマーと光重合開始剤との組み合わせ、(ロ)メラミン樹脂と放射線照射により酸を形成する光酸発生剤との組み合わせなどを好ましいものとして例示することができ、上記(イ)の組み合わせのうち、多官能性(メタ)アクリレートと光重合開始剤との組み合わせが特に好ましい。
【0029】
感放射線性成分を構成する多官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、
エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;
グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
また、感放射線性成分を構成する光重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tret−ブチルパーオキシド、tret−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0031】
このアルカリ現像型感放射線性レジスト組成物における感放射線性成分の含有割合としては、アルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常1〜300重量部とされ、好ましくは10〜200重量部である。
また、アルカリ現像型感放射線性レジスト組成物については、良好な膜形成性付与するために、適宜有機溶剤が含有される。かかる有機溶剤としては、導電性ペースト組成物を構成するものとして例示した溶剤を挙げることができる。
【0032】
<プラズマディスプレイパネル>
本発明のプラズマディスプレイパネルは、電極が、本発明の導電性ペースト組成物を用いて形成されることを特徴とする。
電極の形成方法としては、基板上に導電性ペースト層を設け、該導電性ペースト層上にレジスト膜を設け、レジスト膜を、通常、露光マスクを介して露光、現像し、ガラスペースト層をエッチングした後、該ガラスペースト層を焼成する方法が挙げられる。
導電性ペースト組成物の塗布方法としては、上記転写フィルムの形成において、支持フィルム上に導電性ペースト組成物を塗布する方法に準ずることができる。
また、本発明の転写フィルムを用いた転写は、必要に応じて使用される転写フィルムの保護フィルム層を剥離した後、基板の表面に、導電性ペースト層の表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着した後、導電性ペースト層から支持フィルムを剥離除去する、という手順で行われる。これにより、基板の表面に導電性ペースト層が転写されて密着した状態となる。ここで、転写条件としては、例えば、加熱ローラの表面温度が80〜140℃、加熱ローラによるロール圧が1〜5kg/cm2 、加熱ローラの移動速度が0.1〜10.0m/分を示すことができる。また、基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜100℃とすることができる。
【0033】
導電性ペースト層上にレジスト膜を設ける方法としては、レジスト組成物を導電性ペースト層上に塗布または転写する方法と、レジスト膜と導電性ペースト層との積層膜を有する本発明の転写フィルムを用いて、基板上に積層膜を転写する方法とが挙げられる。
レジスト膜の露光、現像は、公知の方法を用いることができる。まず、露光用マスクを介して紫外線などの放射線を選択的照射(露光)してレジストパターンの潜像を形成し、これを、アルカリ性現像液などで現像し、レジストパターンを形成する。該レジストパターンは、導電性ペースト層のエッチング工程におけるエッチングマスクとして作用する。
導電性ペースト層のエッチングは、例えばアルカリ性溶液などのエッチング液を用いて行われ、この際、レジスト残留部は除去される。
導電性ペースト層の焼成温度としては、導電性ペースト層中の有機物質が焼失される温度であることが必要であり、通常、400〜600℃とされる。また、焼成時間は、通常、10〜90分間である。
【実施例】
【0034】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を示す。
また、重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製ゲルパーミィエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名HLC−802A)により測定したポリスチレン換算の平均分子量である。
【0035】
<実施例1>
(1)導電性ペースト組成物の調製:
プロピレングリコールモノメチルエーテル200部、n−ブチルメタクリレート70部、メタクリル酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる単量体組成物を、
攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した後、80℃で3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後室温まで冷却してポリマー溶液を得た。ここに、重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下、「ポリマー(A)」という。)の重量平均分子量(Mw)は、60,000であった。
【0036】
次いで、導電性粒子として平均粒径1.0μmの銀粉末750部、結着樹脂としてポリマー(A)150部、分散剤としてステアリン酸1部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル300部を混練りすることにより、電極形成用の導電性ペースト組成物(以下、「導電性ペースト組成物(1)」という。)を調整した。25℃における粘度は6500cpであった。
【0037】
(2)組成物の保存安定性の評価:
上記(1)で調製した本発明の組成物を容器内に収容し、当該容器を40℃の恒温槽中において30日間放置した。次いで、当該容器の底部を観察したところ、ケーキ状の堆積物などは全く認められず、この組成物は保存安定性に優れていた。
【0038】
(3)感放射線性レジスト組成物の調製:
3−エトキシプロピオン酸エチル200部、n−ブチルメタクリレート85部、メタクリル酸15部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる単量体組成物を用い、(1)で得られたポリマーAの合成手順と同様の手順で、ポリマー溶液を得た。ここに、重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下、「ポリマー(B)」という。)の重量平均分子量(Mw)は、50,000であった。
【0039】
次いで、アルカリ可溶性樹脂としてポリマー(B)50部、多官能性モノマー(感放射線性成分)としてペンタエリスリトールテトラアクリレート40部、光重合開始剤(感放射線性成分)として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン5部および溶剤として3−エトキシプロピオン酸エチル150部を混練りすることにより、ペースト状のアルカリ現像型感放射線性レジスト組成物(以下、「レジスト組成物」という。)を調製した。
【0040】
(4)転写フィルムの製造:
下記(イ)〜(ロ)の操作により、導電性ペースト層とレジスト膜との積層膜が支持フィルム上に形成されてなる転写フィルムを作製した。
(イ)レジスト組成物を予め離型処理したPETフィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上にロールコータを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ5μmのレジスト膜(以下、「レジスト膜」という。)を支持フィルム上に形成した。
(ロ)導電性ペースト組成物(1)をレジスト膜上にロールコータを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ20μmの導電性ペースト層(以下、「導電性ペースト層(1)」という。)をレジスト膜上に形成した。
【0041】
(5)転写フィルムの評価:
上記(3)で製造した転写フィルムについて、膜形成材料層の表面状態を顕微鏡を用いて観察したところ、導電性粒子の凝集物、筋状の塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥は認められなかった。
また、転写フィルムを折り曲げても、膜形成材料層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が発生することなく、当該膜形成材料層は良好な可撓性を有するものであった。
【0042】
(5)積層膜の転写工程:
6インチパネル用のガラス基板の表面に、導電性ペースト層(1)の表面が当接されるよう転写フィルムを重ね合わせ、この転写フィルムを加熱ローラに熱圧着した。ここで、圧着条件としては、加熱ローラの表面温度を120℃、ロール圧を4kg/cm2 、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。熱圧着処理の終了後、積層膜(レジスト膜の表面)から支持フィルムを剥離除去した。これにより、ガラス基板の表面に積層膜が転写されて密着した状態となった。この積層膜(導電性ペースト層とレジスト膜との積層膜)について膜厚を測定したところ、25μm±2μmの範囲にあった。
【0043】
(6)レジスト膜の露光工程・現像工程:
導電性ペースト層の積層体上に形成されたレジスト膜に対して、露光用マスク(50μm幅のストライプパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射した。ここに、照射量は400mJ/cm2とした。
次いで、露光処理されたレジスト膜に対して、0.2重量%の水酸化カリウム水溶液(25℃)を現像液とするシャワー法による現像処理を20秒かけて行った。次いで超純水による水洗処理を行い、これにより、紫外線が照射されていない未硬化のレジストを除去し、レジストパターンを形成した。
【0044】
(7)導電性ペースト層のエッチング工程:
上記の工程に連続して、0.2重量%の水酸化カリウム水溶液をエッチング液とするシャワー法によるエッチング処理を、25℃で2分間行った。
次いで、超純水による水洗処理および乾燥処理を行った。、これにより、材料層残留部と、材料層除去部とから構成される導電性ペースト層のパターンを形成した。
【0045】
(8)導電性ペースト層の焼成工程:
導電性ペースト層のパターンが形成されたガラス基板を焼成炉内で600℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成処理を行った。これにより、ガラス基板の表面に電極が形成されてなるパネル材料が得られた。
【0046】
(9)電極パターンの評価:
得られたパネル材料における電極の断面形状を走査型電子顕微鏡により観察し、当該断面形状の底面の幅および高さを測定したところ、底面の幅が50μm±2μm、高さが10μm±1μmであり、寸法精度がきわめて高いものであった。
【0047】
<実施例2〜3>
表1に示す処方に従って脂肪酸の組成を変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の導電性ペースト組成物を調製した。
次いで、得られた導電性ペースト組成物の各々を使用したこと以外は実施例1と同様にして、転写フィルムを製造した。
その後、得られた転写フィルムの各々を使用したこと以外は実施例1と同様にして、膜形成材料層の転写および膜形成材料層の露光・現像・焼成処理を行って、ガラス基板の表面に底面の幅50μm±2μm、厚さ10μm±1.0μmのストライプパターンを形成した。
【0048】
実施例2〜3に係る組成物の各々について、実施例1と同様にして、(1)組成物の保存安定性(保存容器底部におけるケーキ状の堆積物の有無)、(2)組成物により形成された膜形成材料層の表面状態(ガラス粉末の凝集物、筋状の塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥の有無)、(3)当該膜形成材料層の可撓性(屈曲時におけるひび割れ発生の有無)、(4)当該膜形成材料層の転写性(ガラス基板への加熱接着性)を評価した。結果を表1に示す。
【0049】
<比較例1>
表1に示す処方に従って、脂肪酸を使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較用の導電性ペースト組成物を調製し、当該組成物を使用して転写フィルムを製造し、当該転写フィルムを使用して膜形成材料層の転写および露光・現像・焼成処理を行うことにより、ガラス基板の表面に底面の幅50μm±5μm、厚さ10μm±3.0μmのストライプパターンを形成した。
比較例1に係る組成物について、実施例1と同様にして、組成物の保存安定性を評価したところ、保存容器の底部においてケーキ状で硬い堆積物が認められ、この組成物は保存安定性に劣るものであった。
また、当該組成物により形成された膜形成材料層の表面状態を顕微鏡を用いて観察したところ、20〜100μm程度のガラス粉末の凝集物および当該凝集物を核とするクレーターが多数認められた。
さらに、この転写フィルムは柔軟性に乏しく、当該転写フィルムを折り曲げたところ、膜形成材料層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が発生し、当該膜形成材料層は良好な可撓性を有するものではなかった。
以上の結果を表1に併せて示す。
【0050】
<比較例2>
導電性粒子として、銀粒子750部、結着樹脂としてエチルセルロース(GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量:300,000)100部、溶剤としてαテルピネオール20部を分散機を用いて混練することにより、粘度が50,000cpである比較用の導電性ペースト組成物を調製し、当該組成物を使用して転写フィルムを製造した。
この比較例2に係る組成物について、実施例1と同様にして、組成物の保存安定性を評価したところ、ケーキ状の堆積物などは認められず、この組成物は保存安定性に優れているものであった。
また、当該組成物により形成された膜形成材料層の表面状態を顕微鏡を用いて観察したところ、ガラス粉末の凝集物、筋状の塗装跡、クレーター、ピンホールなどの膜欠陥は認められなかった。
しかしながら、この転写フィルムは柔軟性に乏しく、当該転写フィルムを折り曲げたところ、膜形成材料層の表面にひび割れ(屈曲亀裂)が発生し、当該膜形成材料層は良好な可撓性を有するものではなかった。
さらに、この転写フィルムを使用し、実施例1と同一の圧着条件でガラス基板の表面に膜形成材料層の転写を試みたが、当該膜形成材料層を転写することができなかった。
以上の結果を表1に併せて示す。
【0051】
【表1】

[発明の効果]
【0052】
本発明の組成物によれば下記のような効果が奏される。
(1)本発明の組成物は、導電性粒子の分散安定性に優れており、導電性粒子の凝集物が生成することはない。
(2)本発明の組成物は保存安定性に優れており、本発明の組成物を長期間保存しても、導電性粒子が沈降して容器の底部に堆積するようなことはない。
(3)膜欠陥のない均質な膜形成材料層を形成することができる。
(4)ガラス基板との接着性に優れた膜形成材料層を形成することができる。
(5)転写フィルムの製造に好適に使用することができる。
(6)可撓性に優れた膜形成材料層を支持フィルム上に形成することができる。
(7)膜形成材料層の転写性(ガラス基板への転写性)に優れた転写フィルムを製造することができる。
(8)高精細の電極パターンの形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】交流型のプラズマディスプレイパネルの断面形状を示す模式図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ガラス基板
2 ガラス基板
3 隔壁
4 バス電極
5 アドレス電極
6 蛍光物質
7 誘電体層
8 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)導電性粒子、(B)(メタ)アクリル系樹脂のみからなるアルカリ可溶性樹脂、および(C)炭素数が8〜30である脂肪酸
を含有する導電性ペースト組成物からなる膜形成材料層が支持フィルム上に形成されていることを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの電極形成用転写フィルム。
【請求項2】
レジスト層と、
(A)導電性粒子、(B)(メタ)アクリル系樹脂のみからなるアルカリ可溶性樹脂、および(C)炭素数が8〜30である脂肪酸
を含有する導電性ペースト組成物からなる膜形成材料層
との積層膜が支持フィルム上に形成されていることを特徴とする、プラズマディスプレイパネルの電極形成用転写フィルム。
【請求項3】
前記(C)炭素数が8〜30である脂肪酸の含有量が、前記(A)導電性粒子100重量部に対して、0.001〜10重量部であることを特徴とする、請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネルの電極形成用転写フィルム。
【請求項4】
前記(A)導電性粒子がAgであることを特徴とする、請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネルの電極形成用転写フィルム。

【図1】
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【公開番号】特開2008−124030(P2008−124030A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311376(P2007−311376)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【分割の表示】特願平10−35519の分割
【原出願日】平成10年2月2日(1998.2.2)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】